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JP2005066144A - X線画像撮影装置 - Google Patents

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JP2005066144A
JP2005066144A JP2003302299A JP2003302299A JP2005066144A JP 2005066144 A JP2005066144 A JP 2005066144A JP 2003302299 A JP2003302299 A JP 2003302299A JP 2003302299 A JP2003302299 A JP 2003302299A JP 2005066144 A JP2005066144 A JP 2005066144A
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Sanemasa Hayashida
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Abstract

【課題】 半導体を用いたX線画像撮影装置において、斜め撮影の際、センサ前面にある物質の構造ムラが、特に低管電圧(80kVp以下)で発生されたX線で撮影すると画像に写り易いという課題がある。前記課題を解決するために、本特許では、X線入射角度を元に複数の白画像を選択し、選択された白画像を用いて合成白画像を作成し、白補正を行うことにより、解決する。
【解決手段】 半導体を用いたX線画像撮影装置において、基準となる白画像で較正が行われる画像撮像手段、前記画像撮像手段に対するX線入射角度を検出するX線入射角度検出手段、前記X線入射角度情報をもとに前記白画像を選択する手段、前記選択された白画像をもとに前記白画像を合成する手段、を有することを特徴とするX線画像撮影装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は固体撮影素子を使用するX線画像撮影装置に関するものである。
従来のX線撮影装置ではX線源から医療患者のような被分析対象を通じてX線ビームを投射し、X線ビームが被検体を通過した後、スクリーンフィルムカセッテ、フィルムオートチェンジャ、CR(Computed radiography)、FPD(FlatPanelDetector)などにより撮影される。X線写真についても民生機器と同様にデジタル化が急速に進んでいる。
特に、近年FPDと呼ばれる受像手段として半導体を用いた微小な光電変換素子、スイッチング素子等からなる画素を格子状に配列した光電変換装置を使用しデジタル画像を取得する技術が開発されている。
また最近では、特開平6−342099などに提案されている小型、薄型化の実現が可能となり、カセッテと呼ばれる分類の撮影装置が実現された。
これらのカセッテ型FPDは軽量下搬であり設置が自由であるため、各種の撮影法に使用可能である。特に立位スタンドおよび臥位テーブル等のカセッテ支持装置を使用することにより、従来の立位型FPDや臥位型FPDと同様の使用も可能である。またカセッテは例えば肩関節撮影に使用されるジョナー位像撮影法のように斜めに傾けて撮影する方法などもあり、その角度情報を得る方法で実現可能なものとして加速度センサを用いた特開2000−23955が挙げられる。
前記X線画像撮影装置(FPD)では、画素ごとの感度差を補正するために白補正を行っている。白補正では、正面から撮影された画像を用いるため、各画素のゲインばらつきが補正出来るのと同時に放射線管球の照射ムラやグリッドの透過ムラやフォトタイマの透過ムラなども同時に補正出来ることはフィルムスクリーンに対するFPDの利点でもある。
しかし,従来の正面から撮影された白画像を用いた方法では、斜め撮影など白画像と異なるX線入射角度を用いた撮影においては、各画素の感度差以外の条件、つまりセンサ前面を覆う遮光体および衝撃吸収材などの構造物の画像上の位置が移動するため、これらの画像上の構造物が写る可能性がある。特に低管電圧で発生されたX線においては、散乱線が少なくコントラストが良くなるためセンサ前面の構造物が見え易くなる。また、高管電圧で発生されたX線においては、半導体を用いた微小な光電変換素子をX線が透過後に、背面にある物質と相互作用を起こしたものが後方散乱として、画像上に写る可能性が出てくる。つまり従来の正面画像を用いた白補正方法では、斜め撮影画像を白補正すると、これらの構造ムラが画像上で見えやすくなる可能性がある。
図4は、正面撮影と斜め撮影の画像上の写りと、そのプロファイルの概略図を表す模式図である。特定構造物04を含んだ領域を透過したX線は、カバー80と衝撃吸収材78を通り、蛍光体56で可視光に変換され半導体センサ58で検出される。X線入射角度が02と02'で異なることによる蛍光体上でのX線の光電変換する位置の画像情報上でのずれが、白補正後にセンサ前面の構造ムラが画像に写る原因となる。
図5は、従来の白画像を用いた白補正と、合成白画像を作成して白補正した場合の画像上での効果の違いに関して説明する図である。従来の白補正方法では、(c)「正面白画像」による白補正では、撮影画像とX線入射角度が異なるため、画像ムラの斜め成分が画像に残る(撮影画像と同一のX線入射角度を用いた(b)「斜め白画像」による白補正で、画像ムラが上手く白補正される)。画像のムラには、正面成分と斜め成分があることに着目する。これらの成分を分離して保存することにより、任意の異なるX線入射角度における撮影画像に適した白画像を合成して作成することができればよい。画像ムラを2つの成分に分離するためには、1つのX線入射角度における白画像だけではなく、少なくとも2方向以上のX線入射角度における白画像が必要である。画像ムラを2つの成分に分離された後合成された本発明による(a)「合成白画像」による白補正では、画像ムラの正面成分だけでなく斜め成分も補正される。
上述の課題を解決する手段として、請求項1に記載の発明にかかるX線画像撮影装置では、二次元平面放射線検出手段をX線画像撮影装置において、基準となる白画像で較正が行われる画像撮像手段、前記画像撮像手段に対する前記X線入射角度を検出する前記X線入射角度検出手段、白画像撮影時に、前記X線入射角度検出手段により得られたX線入射角度情報をもとに得られたX線入射角度情報を白画像と共に保存する手段、被写体撮影時に、前記X線入射角度検出手段により得られた撮影時のX線入射角度情報を元に、適切な白画像を選択する手段、前記選択された白画像を元に、白画像を合成する手段、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明にかかるX線画像撮影装置では、前記白画像選択手段は、前記撮影時の前記関数の値に、最も近い前記関数の値を出力するX線入射角度における白画像を2つ以上選択することを特徴とする。
請求項3に記載の発明にかかるX線画像撮影装置では、前記選択された2つ以上の白画像は、前記撮影時の前記X線入射角度が、前記2つ以上白画像の前記X線入射角度で内挿可能であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明にかかるX線画像撮影装置では、前記関数では、入力変数である前記X線入射角度に比例する値を出力することを特徴とする。
請求項5に記載の発明にかかるX線画像撮影装置では、前記関数では、tan関数を含むことを特徴とする。
請求項6に記載の発明にかかるX線画像撮影装置では、前記関数は、最小二乗値を求める関数を含むことを特徴とする。
請求項7に記載の発明にかかるX線画像撮影装置では、前記白画像合成手段は、前記X線入射角度が異なる2つ以上の白画像を用いて、白画像を正面成分と斜め成分に分離する手段を有することを特徴とする。
請求項8に記載の発明にかかるX線画像撮影装置では、全ての画素の値を一定の距離、ColumnまたはRowまたは両者を組み合わせた方向に並行移動する手段を有することを特徴とする。
請求項9に記載の発明にかかるX線画像撮影装置では、前記白画像合成手段は、シェーディング補正手段を有することを特徴とする。
請求項10に記載の発明にかかるX線画像撮影装置では、前記X線入射角度検出手段は、2方向以上の角度を検出することを特徴とする。
請求項11に記載の発明にかかるX線画像撮影装置では、前記検出したX線入射角度を表示するX線入射角度表示手段を有することを特徴とする。
請求項12に記載の発明にかかるX線画像撮影装置では、前記選択された白画像のX線入射角度を表示する選択白画像X線入射角度表示手段を有することを特徴とする。
請求項13に記載の発明にかかるX線画像撮影装置では、前記検出したX線入射角度および前記選択された白画像のX線入射角度を変数とする関数の値が、特定の閾値を越えた際に警告を表示する手段を有することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、X線入射角度情報に基づき、白画像を合成するX線画像撮影装置を提供出来る。
本発明によれば、白画像の、2方向以上のX線入射角度から指定した優先順位を元に、白画像を選択し、合成作成するX線画像撮影装置を提供出来る。
本発明によれば、白画像を合成するために選択された2つ以上の白画像のX線入射角度の間に、撮影画像のX線入射角度があるように、白画像を2つ以上選択するX線画像撮影装置を提供出来る。
本発明によれば、白画像を合成するために白画像を選択するに当たって、撮影画像と白画像のX線入射角度のtan関数の差が小さい白画像を用いて、合成白画像を作成するX線画像撮影装置を提供出来る。
本発明によれば、白画像を合成するために白画像を選択するに当たって、2つ以上のX線入射角度を用いて、撮影画像と白画像のX線入射角度又はそのtan関数の最小二乗値が小さい白画像を用いて、合成白画像を作成するX線画像撮影装置を提供出来る。
本発明によれば、X線入射角度が異なる2つ以上の白画像を用いて、白画像を正面成分と斜め成分に分離するX線画像撮影装置を提供出来る。
本発明によれば、X線入射角度に依存する白画像の斜め成分を、撮影画像のX線入射角度の白画像の斜め成分に合わせるため、白画像斜め成分の画素値をColumnまたはRow方向に平行移動するX線画像撮影装置を提供出来る。
本発明によれば、異なるX線入射角度の白画像を用いて合成白画像を作成する際に、シェーディング補正するX線画像撮影装置を提供出来る。
本発明によれば、撮影画像と白画像の、X線入射角度の差、またはその指標値としてX線入射角度の差を変数とする関数の出力値を表示するX線画像撮影装置を提供出来る。
本発明によれば、撮影画像のX線入射角度を表示するX線画像撮影装置を提供出来る。
本発明によれば、白画像のX線入射角度を表示するX線画像撮影装置を提供出来る。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明におけるX線入射角度情報を用いた白画像合成手段を含む画像撮像手段、画像補正手段、画像表示手段を表す説明図である。図1を用いて、本発明における角度情報を用いた白画像合成手段S115を含む処理を説明する。画像撮影時に、撮影時X線入射角度情報が、X線入射角度情報検出手段S107で検出される。得られた撮影時X線入射角度情報は、X線入射角度表示手段S114、X線入射角度保存手段S112と共に、白画像選択手段S109に送られる。白画像選択手段S109は、選択角度/白画像選択テーブルS108上の白画像角度/白画像情報を用いることにより、予め各種角度において白画像を撮影し保存されている角度/白画像保存手段の中の白画像から2つ以上の白画像を選択し、合成白画像作成手段S115に複数の白画像を出力する。合成白画像作成手段S115は、X線入射角度検出手段S107で得られた撮影時のX線入射角度に合わせて、白画像正面成分と白画像斜め成分を計算し、合成白画像を作成する。作成された白画像は合成白画像保存手段S111に保存され、白補正手段S103で白補正に利用する。本実施例の図1には図示されていないが、白画像が適切であるか否かを線量、照射野、異物等の有無を元に判定する手段がある必要があり、その詳細は特開2001−351091に記載されている。
図1において白画像合成のために、どの方法で白画像を選択するかを白画像選択手段S109において決定する必要がある。白画像選択手段S109の役割は2つある。
白画像選択手段S109の役割の1つ目は、適切な白画像を選択する際の、選択要因項目に関して優先順位をつけることである。白画像選択の際には、図10のような、白画像選択角度/白画像選択テーブル上の情報を用いて、白画像上のセンサ種類、蛍光体種類、グリッドの有無、フォトタイマの有無、グリッド縞方向等のX線入射角度情報以外の情報の優先順位をつけて、前記優先順位を元に、撮影画像と条件の近い白画像を選択し補正する。
白画像選択手段S109の役割の2つ目は、X線入射角度情報を用いた白画像を選択するアルゴリズムを選択することである。白画像を選択するアルゴリズムには、手動で選択する方法や自動で最も撮影画像に近いX線入射角度の白画像を選択する方法など複数考えられる。これらの方法のうち1つを本手段により選択する。自動で白画像を選択する際に、最も望ましい例は、2方向(θ、φ)以上のX線入射角度のtan関数を用いて、撮影画像と白画像のX線入射角度の差のtan関数の二乗値の和が最小の白画像を2つ選択する方法がある(式(1))(式(2))。
f撮影'φ撮影'θ白_n'φ白_n)=tan2撮影白_n)+tan2撮影白_n) ・・(式(1))
gl〜n撮影'φ撮影'θ白_l〜n'φ白_l〜n)=SELECTMIN{fl〜n撮影'φ撮影'θ白_n'φ白_n)}・(式(2))
ここで、θ撮影はθ方向の撮影画像の角度、θ白_nはn番目の白画像におけるθ方向の白画像の角度、θ撮影はφ方向の撮影画像の角度、φ白_nはn番目の白画像におけるφ方向の白画像の角度、関数f(撮影画像の角度、白画像の角度)は撮影画像と白画像のX線入射角度の二乗値を表す関数、関数gl〜n(撮影画像の角度、白画像の角度)は白画像l〜nの中から前記撮影画像と白画像のX線入射角度の二乗値が最小になるよう白画像を選択する関数。上式で、tan関数を用いる理由は、図12に示すように、半導体センサとX線管球の間にある構造物の画像中の位置に影響する量は、X線入射角度よりもそのtan関数の方が反映しているためである。またSELECT関数は、前記最小二乗値が最小になるよう白画像を選択する際、選択された複数の白画像のX線入射角度により、撮影画像のX線入射角度を内挿可能な白画像を選択する関数である。撮影画像のX線入射角度が内挿可能な白画像を選択する理由は、X線入射角度と画像ムラ斜め成分の位相が精度良く、撮影画像と合成白画像で合うようにするためである。
図1における撮影された画像の白補正を含めた画像補正の流れについて述べる。画像撮影時に、従来の画像撮像手段S101により撮影された画像と同時に、角度検出手段S107によってX線入射角度も検出され保存される。画像撮像手段S101により得られた撮影画像は、まず、暗電流が撮影のタイミングや温度、駆動により異なるため、暗電流補正手段S102により、FPN(FixedPatternNoise)補正がされる。次に白補正手段S103により白補正が行われる。この白補正は、各画素毎に異なるゲインを補正する。次に欠陥補正手段S104により欠陥補正が行われる。欠陥補正は欠陥画素部分を周りの画素値を用いて補正する。次に画像処理手段S105により画像処理が行われ、撮影した各画像を画像表示手段S106のフィルム又はモニタなどに合わせて表示される。
図2は、本発明におけるX線入射角度情報を用いた白画像合成手段の説明図である。図1における合成白画像作成手段S115の機能を、詳しく分解し説明している。合成白画像作成手段S115は、シェーディング補正手段S116、正面成分_斜め成分_分離手段S117、成分合成白画像作成手段S118、逆シェーディング補正手段S119を含む。
図3は、本発明におけるX線入射角度情報を用いた白画像合成手段の合成方法の説明図である。図2の合成白画像作成手段S115の各ステップの具体的な内容を説明するため、画像の概念図を用いている。それぞれの選択された白画像1(white1)、選択された白画像2(white2)が、合成白画像が作成される前の選択された白画像である。図2における、白画像の正面成分_斜め成分_分離手段S117は、図3において、位相ずらし手段S120、サブトラクト手段S121を合わせたものとして表現される。白画像の正面成分_斜め成分_分離手段S117において、選択された白画像(white1、white2)を白画像正面成分(実際には画像ムラはほとんど無い)と白画像斜め成分(衝撃吸収材の材質ムラ等)に分離する。本方法による白画像合成手段の定義では、白画像の正面成分は、X線入射角度を変化させた時に、画像上での位置が変化しない白画像の成分と定義する。また逆に白画像の斜め成分とは、X線入射角度を変化させた時に、画像上での位置が変化する白画像の成分と定義する。白画像の正面成分と斜め成分で、白画像の全ての情報量は再現できる。白画像の処理内容から理想的には、合成白画像において画像ムラの正面成分は画像上での位置が変わらず、画像ムラの斜め成分は画像上で撮影画像のX線入射角度に応じた画像上の位置に在ること、が望ましい。実際には本方法では、画像ムラの斜め成分に、画像ムラの正面成分が含まれた場合には、合成白画像によるアーティファクトが残る。この理由は、本手法では、白画像の正面成分の画像ムラは、完全にランダムであることを仮定しており、系の等方性と定常性を仮定しているからである。実際には、白補正前でも、画像ムラの正面成分は、大きくないため、本方法により発生する白画像によるアーティファクトの影響は無視できる。
図3における処理を順番に説明する。X線入射角度θの白画像1(white1)とX線入射角度θ'の白画像2(white2)は、X線入射角度によるX線照射ムラを無くすため、シェーディング補正手段S116において、シェーディング補正を行う。角度情報を用いたシェーディング補正は。光検出器アレー58がX線管球42に対して傾いている時に、照射されるX線量が異なることによって発生するシェーディングを、到達X線量の逆数に相当する値を角度情報を用いて算出し、光検出器アレー58の出力値に積算することで補正する。画像中の特定の部分にノイズが多く載っている部分がある場合には、その部分を除いて縦平均と横平均を算出し除算することにより行う。シェーディング補正された白画像の名称を、それぞれwhite1_shading、white2_shadingとする。
Figure 2005066144
次に図3における位相ずらし手段S120を行う。白画像(white1_shading)、白画像2(white2_shading)のうち、どちらか一方の画像の画素値を相互相関が最大になるようにColumn方向、Raw方向に平行移動させることによって、画像ムラ斜め成分の画像中の位置を一致させる。平行移動させる距離dは、(tanθ'-tanθ)を変数とする関数である。また、画像ムラを発生させる物質から蛍光体内での光電変換点までの距離も変数としている。図4を見るとわかるように、画像ムラ斜め成分のX線入射角度による移動距離は、前面構造物から蛍光体での相互作用点までの距離に比例する。実際には、画像ムラを生じさせる前面構造物が複数あり各構造物の厚さがあるため、全てを同一の距離だけ位相ずらす方法では、合成白画像が完全に該当X線入射角度における白画像と一致することはありえない。しかし、斜め撮影でノイズの要因となる前面構造物の画像への写りを減少させることは可能であるため有効である。前面構造物のうち、斜め撮影によって画像に写る可能性が大きいのは衝撃吸収材であるから、ここでは衝撃吸収材と蛍光体の発光点までの距離に比例するとして位相ずらし手段を用いることが望ましい。画像上の材質ムラを引き起こす他の前面構造物としては、前面カバー、グリッド、フォトタイマなどが考えられる。しかし、これらの画像上への影響は、フィルムやCR等で、技師や医者が慣れており、診断上で大きく補正する必要はないため、ここでの位相ずらし手段からは除いて考える。
次に図3におけるサブトラクト手段S121を行う。ここで、白画像(正面成分)、白画像(斜め成分)を分離する。角度θのシェーディング補正後の画像(white1_shading)と、角度θ'のシェーディング補正後に位相ずらした画像(white2_shading_shift)を用いて、白画像(正面成分)は
white1_2_front_component=white1_shading-white1_2_shading_shift+offset・・(式(3))で表される。また、白画像(斜め成分)は、
white1_2_shading_component=white1_shading-white1_front_component・・(式(4))で表される。
次に、図3における合成白画像作成手段S118を行う。白画像(正面成分)は、そのまま用いる。白画像(斜め成分)は、撮影画像のX線入射角度に合うように位相をずらして合成する。
最後に撮影画像のX線入射角度に合うように、逆シェーディング補正をかけると、撮影画像に適した斜め角度の合成白画像が出力される。
図3の各画像概略図はColumn(一次元)方向にのみ、X線入射角度がずれている場合を仮定している。当然、縦軸方向に、X線入射角度がずれている場合は、シェーディング補正手段、位相ずらし手段において、縦軸方向にも同様の処理を施すことによって、画像上の2次元に、X線入射角度がずれている場合にも対応できる。
図5は、白画像の種類の違いによる白補正の効果を説明する図である。画像のムラには、正面成分と斜め成分がある。(a)合成白画像(b)斜め白画像(c)正面白画像による各白補正の利点欠点を、画像ムラ成分毎の補正状況から示す図である。(a)のX線入射角度情報を用いた合成白画像を用いた白補正方法では、画像ムラ斜め成分に関しては補正される利点があるが、画像ムラ正面成分に関しては一部補正が上手くいかない欠点がある可能性がある。(b)の斜め画像と同一の角度で撮影した斜め白画像があれば、画像ムラの正面成分も斜め成分も補正できる。逆に(c)のような、従来の正面白画像を用いた白補正方法では、画像ムラ正面成分は補正できる利点があるが、画像ムラ斜め成分を補正できずに特定の距離を隔てて白黒相関のムラが画像上に見える欠点がある。(b)同一の斜め角度で白画像を撮影する方法は、画像ムラの両成分を補正することができるため最良である。しかし、同一のX線入射角度で撮影した白画像がない場合には、実際の画像上の画像ムラ正面成分と斜め成分を比較し、画像ムラ正面成分の方が小さい時に、(a)合成白画像を用いた白補正方法の方を使用することが最も望ましい。
図6は、実際のFPDを用いた合成白画像と正面白画像における白補正の効果を示すFPDの画像である。実際の間接型FPDを用いて衝撃吸収材(発砲材)を斜め撮影したものを、(a)X線入射角度が異なる正面白画像で白補正した画像と、(b)合成白画像を用いて白補正した画像を示す。(a)の画像では衝撃吸収材(発砲材)の材質ムラの位相(位置)が白画像と撮影画像で異なるために画像上で上下方向に相関のあるムラが見える。一方(b)の画像では、衝撃吸収材(発砲材)の材質ムラの相関が小さくなりまた振幅も小さくなっている。(b)において、完全には衝撃吸収材(発砲材)の材質ムラが消えずに画像上で相関を持っている理由は、衝撃吸収材(発砲材)が厚さを有しているため、どの深さの発砲ムラかに依存して、画像上の変位量が異なるため、合成白画像においても位相が完全には一致しないからである。図6から実際のFPDを用いた撮影では、センサに由来するノイズが小さいことがわかり、図5で指摘した画像ムラの正面成分は、十分に小さく、合成白画像が有効であると判断される。
図7は、本発明の一実施例を示すX線撮影システムの構成ブロック図を示す。10はX線室、12はX線制御室、14は診断室やその他の操作室である。
図7中のX線制御室12について説明する。X線制御室12には、本X線撮影システムの全体的な動作を制御するシステム制御器20が配置される。X線曝射要求SW、タッチパネル、マウス、キーボード、ジョイスティック及びフットスイッチなどからなる操作者インターフェース22は、操作者21が種々の指令をシステム制御器20に入力するのに使用される。操作者21の指示内容は、例えば、撮影条件(静止画/動画、X線管電圧、管電流及びX線照射時間など)、撮影タイミング、画像処理条件、被検者ID及び取込み画像の処理方法などがある。
図7中のX線制御室12中のシステム制御器20について説明する。撮影制御器24は、X線室10に置かれるX線撮影系を制御し、画像処理器26はX線室10のX線撮影系による画像を画像処理する。画像処理器26における画像処理は、例えば、照射の認識、画像データの補正、空間フィルタリング、リカーシブ処理、階調処理、散乱線補正及びダイナミックレンジ(DR)圧縮処理などである。大容量高速の記憶装置28は、画像処理器26により処理された基本画像データを記憶するものであり、例えば(RAID)等のハードディスクアレーからなる。30は映像を表示するモニタディスプレイ(以下、モニタと略す)、32はモニタ30を制御して種々の文字及び画像を表示させる表示制御器、34は大容量の外部記憶装置(例えば、光磁気ディスク)、36はX線制御室12の装置と診断室やその他の操作室14の装置を接続しX線室10での撮影画像などを診断室やその他の操作室14の装置に転送するLANボードである。
次に図7中のX線室10について説明する。X線室10には、X線を発生するX線発生器40は、X線を発生するX線管球42、撮影制御器24により制御されてX線管球42を駆動する高圧発生源44、及びX線管球42により発生されたX線ビームを所望の撮影領域に絞り込むX線絞り46からなる。撮影用寝台48上に患者としての被検体50が横たわる。撮影用寝台48は、撮影制御器24からの制御信号に従って駆動され、X線発生器40からのX線ビームに対する被検体の向きを変更できる。撮影用寝台48の下には、被検体50及び撮影用寝台48を透過したX線ビームを検出するX線検出器52が配置されている。
図7中のX線検出器52の構成について説明する。X線検出器52は、グリッド54、シンチレータ56、光検出器アレー58及びX線露光量モニタ60の積層体と、光検出器アレー58を駆動する駆動器62とからなる。グリッド54は、被検体50を透過することによって生じるX線散乱の影響を低減するために設けられている。グリッド54はX線低吸収部材と高吸収部材とから成り、例えば、A1とPbのストライプ構造からなる。光検出器アレー58とグリッド54の格子比の関係によりモアレが生じていることがないように、X線照射時には、X線検出器52は、撮影制御器24からの設定に基づいて駆動器62の制御信号に従いグリッド54を振動させる。グリッド54を振動させるか否かは撮影者の選択によるものであり、グリッド54を固定させて撮影しても良い。グリッド54を固定させて撮影する場合には、光検出器アレー58とグリッド54との格子比の関係によりエリアシングやビート等のモアレが発生しにくいように設定することが望ましい。またグリッド縞そのものが画像に写るが、画像処理によってグリッド縞そのものの周波数を弱める等の処理をすることも望ましい。
シンチレータ56では、エネルギーの高いX線によって蛍光体の母体物質が励起(吸収)され、その再結合エネルギーにより可視領域の蛍光が発生する。即ち、X線を可視光に変換する。その蛍光はCaWo4やCdWo4などの母体自身によるものや、CsI:TlやZnS:Agなどの母体内に付加された発光中心物質によるものがある。X線画像撮影装置において最も良く用いられているのはCsIの柱状結晶の構造は、正面撮影において、光が柱状の結晶の方向に伝播しやすいことが特徴である。光検出器アレー58はシンチレータ56による可視光を電気信号に変換する。
また、本実施例ではシンチレータ56と光検出器アレー58とを別々の構成としたが、勿論、直接X線を電子に変換する検出器で構成するものにも適用される。例えば、アモルファスSeやPb12などの受光部とアモルファスシリコンTFTなどからなるX線検出器である。
X線露光量モニタ60は、X線透過量を監視する目的で配置される。X線露光量モニタ60としては、結晶シリコンの受光素子などを用いて直接X線を検出しても良いし、シンチレータ56による蛍光を検出してもよい。この実施例では、X線露光量モニタ60は、光検出器アレー58の基板裏面に成膜されたアモルファス・シリコン受光素子からなり、光検出器アレー58を透過した可視光(X線量に比例)を検知して、その光量情報を撮影制御器24に伝達する。撮影制御器24はX線露光量モニタ60からの情報に基づいて高圧発生電源44を制御し、X線量を調節する。駆動器62は、撮影制御器24の制御下で光検出器アレー58を駆動し、各画素から信号を読み出す。
図7中の薄型X線検出器152について説明する。薄型X線検出器152は、複数種のセンサの代表として1つを図示してあるが、空間分解能が異なったり、薄型X線検出器152の大きさ、つまり撮影領域の大きさの異なるものなどを交換して使用可能である。X線検出器52と薄型X線検出器152の相違点は、第一には薄型X線検出器152は厚さがフィルムスクリーン系カセッテに匹敵するぐらいの約20mm以下である点が最も大きく異なっている。さらに、薄型X線検出器152には、グリッド54が内臓されていない点、簡易電源、大容量(10画像以上20画像以下)メモリを内蔵している点、中継器153とケーブルレスで画像信号および制御のやり取りが可能である点などがある。シンチレータ56、光検出器アレー58及びX線露光量モニタ60の積層体と、光検出器アレー58を駆動する駆動器62などは同様に内臓されている。ケーブル154は有っても無くても動作可能で、ケーブル154を使用した場合は、画像転送が高速に行えるため、X線撮影後の画像取得、処理、確認の動作がより短い時間で達成される。この薄型X線検出器152は、例えば四肢などの撮影のために別の薄型X線検出器152が中継器153を介してシステム制御器20に接続されている。
図7中の診断室やその他の操作室14について説明する。診断室やその他の操作室14には撮影被検体の情報および撮影方法などをLANボードを経由して指示するためのHIS/LISなどに接続されていたり、LANボード36からの画像を画像処理、診断支援する画像処理端末70、LANボード36からの画像(動画像/静止画)を映像表示モニタ72、イメージ・プリンタ74及び画像データを格納するファイルサーバ76が設けられている。モニタ72上にX線入射角度手段08がある。
尚、システム制御器20からの各機器に対する制御信号は、X線制御室12内の操作者インターフェイス22、或いは診断室やその他の操作室14内にある画像処理端末70からの指示により発生可能である。
図7に示すシステム制御器20の基本的な動作を説明する。システム制御器20は、X線撮影系のシーケンスを制御する撮影制御器24に、操作者21の指示に基づいた撮影条件を指令し、撮影制御器24は、その指令に基づき、X線発生器40、撮影用寝台48及びX線検出器52を駆動して、X線像を撮影させる。X線検出器52から出力されるX線画像信号は、画像処理器26に供給され、操作者21指定の画像処理を施されてモニタ30に画像表示され、同時に、基本画像データとして記憶装置28に格納される。システム制御器20は更に、操作者21の指示に基づいて、再画像処理とその結果の画像表示、ネットワーク上の装置への画像データの転送、保存、映像表示及びフィルム印刷等を実行する。
図7に示すシステムの基本的な動作を、信号の流れに従って説明する。X線発生器40の高圧電圧源44は、撮影制御器24からの制御信号に従いX線管球42にX線発生のための高圧を印加する。これにより、X線管球42はX線ビームを発生する。発生されたX線ビームはX線絞り46を介して患者たる被検体50に照射される。X線絞り46は、
X線ビームを照射すべき位置に応じて撮影制御器24により制御される。即ち、X線絞り46は、撮影領域の変更に伴い、不必要なX線照射を行わないようにX線ビームを整形する。
図7におけるX線発生器40が出力するX線ビームは、X線透過性の撮影用寝台48の上に横たわった被検体50、及び撮影用寝台48を透過してX線検出器52に入射する。なお、撮影用寝台48は、被検体50の異なる部位又は方向でX線ビームが透過するように撮影制御器24により制御される。
図7におけるX線検出器52のグリッド54は、被検体50を透過することによって生じるX線散乱の影響を低減する。撮影制御器24は、光検出器アレー58とグリッド54との格子比の関係によりモアレが生じないように、X線照射時にグリッド54を振動させる。シンチレータ56では、エネルギーの高いX線によって蛍光体の母体物質が励起(X線を吸収)され、その際に発生する再結合エネルギーにより可視領域の蛍光を発生する。シンチレータ56に隣接して配置された光検出器アレー58は、シンチレータ56で発生する蛍光を電気信号に変換する。即ち、シンチレータ56がX線像を過視光像に変換し、光検出器アレー58が過視光像を電気信号に変換する。X線露光量モニタ60は、光検出器アレー58を透過した過視光(X線量に比例)を検出し、その検出量情報を撮影制御器24に供給する。撮影制御器24は、このX線露光量情報に基づき高圧発生電源44を制御して、X線を遮断又は調整する。駆動器62は、撮影制御器24の制御下で光検出器アレー58を駆動し、各光検出器から画素信号を読み出す。
図7におけるX線検出器52および薄型X線検出器152から出力される画素信号は、X線制御室12内の画像処理器26に出力される。画像処理器26は、詳細は後述するが、システム制御器20からの指令に基づき画像信号の表示形式を切り換えるが、その他には、画像信号の補正、空間フィルタリング及びリカーシブ処理などをリアルタイムで行い、階調処理、散乱線補正及びDR圧縮処理などを実行できる。画像処理器26により処理された画像は、モニタ30の画面に表示される。リアルタイム画像処理と同時に、画像補正のみを行われた画像情報(基本画像)は記憶装置28に保存される。また、操作者21の指示に基づいて、記憶装置28に格納される画像情報は、所定の規格(例えば、ImageSave&Carry(IS&C))を満たすように再構成された後に、外部記憶装置34及びファイル・サーバ76内のハードディスクなどに格納される。
図7におけるX線制御室12の装置は、LANボード36を介してLAN(又はWAN)に接続する。LANには、複数のX線撮影システムを接続することは勿論である。LANボード36は、所定のプロトコル(例えばDigital Imaging and Communications in Medicine(DICOM))に従って、画像データを出力する。LAN(又はWAN)に接続されたモニタ72の画面にX線画像を高解像静止画及び動画を表示することにより、X線撮影とほぼ同時に、医師によるリアルタイム遠隔診断が可能になる。
図8は取得画像の処理フローブロック図である。画像処理器26の中の画像データの流れを示している。801はデータパスを選択するマルチプレクサ、802及び803はそれぞれX線画像用および暗画像用フレームメモリ、804はオフセット補正回路、805はゲイン補正データ用フレームメモリ、806はゲイン補正回路、807は欠陥補正回路808はその他の画像処理回路を代表してそれぞれ現している。
図8でX線画像取得フレームFrxoフレームで取得されたX線画像が、マルチプレクサ801を経由してX線画像用フレームメモリ802に記憶され、続いて補正画像取得フレームFrnoフレームで取得された補正画像が、同様にマルチプレクサ801を経由して暗画像用フレームメモリ803に記憶される。この暗画像を用いるのは、光検出器アレー58の固体パターンノイズを補正するためである。暗画像の記憶完了から、オフセット補正回路804によりオフセット補正(例えばFrxo-Frno)が行われ、引き続き予め取得されゲイン補正用フレームメモリに記憶してあるゲイン補正用データFgを用いて、ゲイン補正回路806がゲイン補正(例えば(Frxo-Frno)/Fg)を行う。ゲイン補正を行う目的は、光検出器アレー58の各画素毎の感度差を補正することである。なお本文中ではゲイン補正を行うための撮影を白撮影と呼び、ゲイン補正用データまたはゲイン画像を白画像と呼ぶ。本特許では、805のゲイン補正データ用フレームメモリ内に、角度情報と白画像情報が保存されている。引き続き欠陥補正回路807に転送されたデータは、不感画素や複数パネルで構成されたX線検出器52のつなぎ目などに違和感を生じないように画像を連続的に補間して、X線検出器52に由来するセンサ依存の補正処理を完了する。本実施例では、画像処理器26をシステム制御器20に構成したが、上述の光検出器アレー58に大きく依存した画像処理機能はX線検出器52および薄型X線検出器152に内臓させるように構成しても良い。
図9は、合成白画像による白補正において適切な角度の白画像がない場合の警告画面の例である。両面には撮影時のセンサのシリアル番号、蛍光体の種類、グリッドの種類、フォトタイマの種類等だけでなく、X線の入射方向と角度が記述される。もし、ピッタリとした条件の白画像がない場合には、「適切な角度orグリッドetcのキャリブレーション撮影が必要です」というアラーとを出して、適切な白画像撮影を行うことを促す。
図10は、角度/白画像選択テーブルを示している。各白画像の名前が補正テーブルに示されており、撮影時の角度方向、角度、センサの種類、蛍光体種類、グリッドの種類フォトタイマの種類等が示されている。この中から各項目の優先順位を元に適切な白画像を選択する。
図11は、X線画像撮影装置の角度情報の種類と、特定構造物104を用いた角度検出手段を表した図である。X線管球90とX線画像撮影装置152の相対的な位置を知るためには、当然、X軸方向の回転角度201、Y軸方向の回転角度202のみではなく、X線管球90から見た半導体センサ152の回転角度203、X線管球の照射中心とX線画像撮影装置の中心とのずれ量、X線管球とX線画像撮影装置の距離などの情報が必要である。X線管球の照射中心とX線画像撮影装置の中心とのずれ量、X線管球とX線画像撮影装置の距離は、2つ合わせて1つの角度情報204となる。前記2方向上のX線入射角度情報とは、これら201〜204に示される角度情報を含んでいる。この方法では、特定構造物104の画像上の位置情報を使用して角度を検出する。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の回転角度201,202,203を含む。またX線管球中心から見たX線照射中心とX線画像撮影装置中心間角度204を含める。角度検出手段よしては、例えば図示しない加速度センサを用いた特開2000−23955や、ジャイロセンサを用いる方法、カメラを用いた方法等が、挙げられる。画像撮像手段により撮影された撮影画像は、暗電流補正手段により、FPN(FixedPatternNoise)補正がされ、白補正が成される。この白補正を行う際の合成白画像を作成する時の白画像の選択を角度情報を元に行うというのが、本特許の特徴である。角度情報としては、実際のX線の入射と撮影装置の間の角度204や、撮影装置の各軸方向に対する回転角度201〜203、特定構造物の画像上の位置変位に対する影響度でも良い。
図12は、斜めX線入射角度時の筐体とX線管球との位置関係の概念図である。撮影画像のX線入射角度をθとし、合成白画像を作成するための、選択された白画像が、X線入射角度0と2θのX線入射角度の白画像であると仮定する。単純に白画像と撮影画像の角度の差が、最小になる白画像を選択するアルゴリズムだと、このX線入射角度が0と2θの2白画像は等価な評価を受ける。しかし画像上でノイズとなる成分の位置ずれを考えると、図12のように、tanθ又はtan2θの分だけずれることがわかる。つまり、X線入射角度でなく、そのtan関数で評価した方が、実際の画像への影響量を正しく表している。ここで、(tanθ−tan0)>(tan2θ−tanθ)であるから、X線入射角度が2θの白画像を選択した方が位置ずれ点から影響量が少ない。なおX線入射角度によって白画像を選択する方法は、図15の選択方法の設定画面で選択する。
図13は、選択された白画像を決定する画面である。撮影画像および白画像の取得日時、白画像名、白方向(縦)、白角度(縦)、白方向(横)、白角度(横)が載せられており、選択された白画像が区別できるように表示されている。選択された白画像が良ければ「OK」を入力し、良くなければ「後で白補正をする」を選択し、止める場合は、「Cancel」を指定する。選択された白画像を、ここでマニュアルで選択しても良い。
図14は、白画像を選択する際の各項目の優先順位を指定する画面である。白画像の優先順位を指定する項目として、例えば、角度、線量、グリッド、フォトタイマ、温度、異物等が挙げられる。本発明では、角度情報を用いて白画像を選択している。線重とは白画像を撮影した時の線重である。FPDのようにリニアリティがある装置においては、ダイナミックレンジの範囲内であれば、白画像に用いる線量にあまり大きくは依存しないが、ダイナミックレンジ外の低線量や高線量の画像を使用する際やリニアリティがないシステムの場合には必要となる。グリッド、フォトタイマのON,OFFは、白補正後の画像上にグリッド、フォトタイマが写った方が良いのかどうかを把握するために設定する。温度とは光検出アレー58の温度である。異物とは、白画像上に異物がある場合、白画像として用いるのを避けるか否かである。図14の画面では、各項目の優先順位を定めるのに限定され、その中での細かい優先順位の設定は他の画面で設定する。また、OFFにすることで、該当各項目は白画像選択の際に影響を与えない。
図15は、上記優先順位設定項目の中でX線入射角度情報の詳細設定画面である。例えば、図14の白画像選択の優先順位設定画面の角度をONにした時に詳細を設定する必要性が出てくる。各角度情報としては、2方向の角度1(縦)、角度2(横)がある場合に、グリッドの縦縞の位相が画像上でずれない白画像を複数選択することにより、合成白画像中のグリッドの影響が少ない合成白画像を作成することができる。また、白画像選択アルゴリズムの選択においては、X線入射角度のtan関数を用いる方法、X線入射角度を用いる方法、SELF(手動)で選択する方法等を選択できるようになっている。
図16は、撮影画像リスト(白画像情報OFF)を表す図である。従来の撮影後の画像リストを示す画面と同じである。
図17は、撮影画像リスト(白画像情報ON)を表す図である。白画像に用いた角度方向と撮影時の角度方向等が示されている。図17のスクロールバーを横にずらすと、撮影時の画像の角度方向等が示されており、白補正に用いた白画像の条件と、撮影画像の条件を比較することができる。
図18は、合成白画像の作成のための選択白画像の角度差による影響を説明する図である。合成白画像に画像ムラの正面成分がある場合に(a)と(b)で影響が異なる。(a)のX線入射角度の近い白画像を用いて作成された合成白画像は画像ムラの正面成分の影響が比較的狭い範囲であるが、(b)のX線入射角度の遠い白画像を用いて作成された合成白画像は画像ムラの正面成分の影響が比較的広い範囲となる。
本発明におけるX線入射角度情報を用いた白画像合成手段を含む画像撮像手段、画像補正手段、画像表示手段を表す説明図 本発明におけるX線入射角度情報を用いた白画像合成手段の説明図 本発明におけるX線入射角度情報を用いた白画像合成手段の合成方法の説明図 正面撮影と斜め撮影の画像上への写りと、そのプロファイルの概略を表す模式図 白画像の種類の違いによる白補正の効果を説明する図 合成白画像と正面白画像における白補正の効果を示すFPDの画像 X線撮影システム概要図 取得画像の処理フローブロック図 合成白画像による白補正において適切な角度の白画像がない場合の警告画面 角度/白画像選択テーブル X線画像撮影装置の角度情報の種類を示す図 斜めX線入射角度時の筐体とX線管球との位置関係の概念図 選択された白画像を決定する画面 白画像を選択する際の各項目の優先順位を指定する画面 上記各項目の内、角度情報を白画像に用いる際の優先順位の設定画面 撮影画像リスト(白画像情報OFF) 撮影画像リスト(白画像情報ON) 合成白画像の作成のための選択白画像の角度差による影響
符号の説明
02 X線入射
02' X線斜め入射
03 操作画面
04 特定構造物
08 X線入射角度表示手段
10 X線室
12 X線制御室
14 診断室その他の操作室
20 システム制御器
21 操作者
22 操作者インターフェース
24 撮影制御器
26 画像処理器
28 記憶装置
30 モニタディスプレイ
32 表示制御器
34 大容量の外部記憶装置
36 LANボード
40 X線発生器
42 X線管球
44 高圧発生源
45 反射鏡
46 X線絞り
47 CCDカメラ
48 撮影用寝台
50 被検体
52 X線検出器
54 グリッド
56 シンチレータ
58 光検出アレー
60 X線露光量モニタ
62 駆動器
70 画像処理端末
72 映像表示モニタ
74 イメージ・プリンタ
76 ファイルサーバ
78 衝撃吸収材
80 カバー
81 表示画面
82 決定指示ボタン
83 指示ボタン
87 白画像選択の優先順位を設定する領域
88 OKボタン
89 CANCELボタン
90 X線管球
152 筐体
D 検出器−特定構造物間距離
dLx 特定構造物の画像上の変位量
201 角度1(X軸方向の回転角度)
202 角度2(Y軸方向の回転角度)
203 角度3(Z軸方向の回転角度)
204 角度4(X線管球中心から見たX線照射中心とX線画像撮影装置中心間角度)
S101 画像撮像手段
S102 暗電流補正手段
S103 白補正手段
S104 欠陥画素補正手段
S105 画像処理手段
S106 画像表示手段
S107 角度情報検出手段
S108 角度/白画像選択テーブル
S109 白画像選択手段
S110 角度/白画像保存手段
S111 合成白画像保存手段
S112 X線入射角度保存手段
S113 選択白画像角度表示手段
S114 X線入射角度表示手段
S115 合成白画像作成手段
S116 シェーディング補正手段
S117 正面成分、斜め成分_分離手段
S118 成分合成白画像作成手段
S119 逆シェーディング補正手段
S120 位相ずらし手段
S121 サブトラクト手段
S122 白画像正面成分保存手段
S123 白画像斜め成分保存手段
801 データパスを選択するマルチプレクサ
802、803 それぞれX線画像用および暗画像用フレームメモリ
804 オフセット補正回路
805 ゲイン補正データ用フレームメモリ
806 ゲイン補正回路
807 欠陥補正回路
808 その他の画像処理回路

Claims (13)

  1. 二次元平面放射線検出手段を備えたX線画像撮影装置において、
    基準となる白画像で較正が行われる画像撮像手段、
    前記画像撮像手段に対するX線入射角度を検出するX線入射角度検出手段、
    白画像撮影時に、前記X線入射角度検出手段により得られたX線入射角度情報を白画像と共に保存する手段、
    被写体撮影時に、前記X線入射角度検出手段により得られた撮影時のX線入射角度情報を元に、適切な白画像を選択する手段、
    前記選択された白画像を元に、白画像を合成する手段、
    を有することを特徴するX線画像撮影装置。
  2. 前記白画像選択手段は、
    前記撮影時の前記X線入射角度を変数とした関数、
    を有し、
    前記撮影時の前記関数の値に、最も近い前記関数の値を出力するX線入射角度における白画像を2つ以上選択すること、
    を特徴とする請求項1記載のX線画像撮影装置。
  3. 前記選択された2つ以上の白画像は、
    前記撮影時の前記X線入射角度は、前記2つ以上白画像の前記X線入射角度で内挿可能であること、
    を特徴とする請求項2記載のX線画像撮影装置。
  4. 前記関数は、
    入力変数である前記X線入射角度に比例する値を出力すること、
    を特徴とする請求項2記載のX線画像撮影装置。
  5. 前記関数は、
    tan関数を含むこと、
    を特徴とする請求項2記載のX線画像撮影装置。
  6. 前記関数は、
    最小二乗値を求める関数を含むこと、
    を特徴とする請求項2記載のX線画像撮影装置。
  7. 前記白画像合成手段は、
    前記X線入射角度が異なる2つ以上の白画像を用いて、白画像を正面成分と斜め成分に分離する手段を有すること、
    を特徴とする請求項1記載のX線画像撮影装置。
  8. 前記白画像合成手段は、
    全ての画素の値を一定の距離、ColumnまたはRowまたは両者を組み合わせた方向に平行移動する手段を有すること、
    を特徴とする請求項1記載のX線画像撮影装置。
  9. 前記白画像合成手段は、
    シェーディング補正手段を有すること、
    を特徴とする請求項1記載のX線画像撮影装置。
  10. 前記X線入射角度検出手段は、
    X線発生装置とX線画像撮影装置の検出器の角度を2方向以上検出すること、
    を特徴とする請求項1記載のX線画像撮影装置。
  11. 前記X線画像撮影装置は、
    前記検出したX線入射角度を表示するX線入射角度表示手段を有すること、
    を特徴とする請求項1記載のX線画像撮影装置。
  12. 前記X線画像撮影装置は、
    前記選択された白画像のX線入射角を表示する選択白画像X線入射角度表示手段を有すること、
    を特徴とする請求項1記載のX線画像撮影装置。
  13. 前記X線画像撮影装置は、
    前記検出したX線入射角度および前記選択された白画像のX線入射角度を変数とする関数の値が、特定の閾値を越えた際に警告を表示する手段を有すること、
    を特徴とする請求項1記載のX線画像撮影装置。
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JP2011177424A (ja) * 2010-03-03 2011-09-15 Fujifilm Corp シェーディング補正装置および方法並びにプログラム
WO2022050109A1 (ja) * 2020-09-07 2022-03-10 ソニーグループ株式会社 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理システム

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