JP2005064369A - 最適化方法、露光方法、最適化装置、露光装置、デバイス製造方法、及びプログラム、並びに情報記録媒体 - Google Patents
最適化方法、露光方法、最適化装置、露光装置、デバイス製造方法、及びプログラム、並びに情報記録媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005064369A JP2005064369A JP2003295191A JP2003295191A JP2005064369A JP 2005064369 A JP2005064369 A JP 2005064369A JP 2003295191 A JP2003295191 A JP 2003295191A JP 2003295191 A JP2003295191 A JP 2003295191A JP 2005064369 A JP2005064369 A JP 2005064369A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- data
- predetermined
- correlation
- combination
- information
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
Abstract
【課題】所定の処理に用いられるデータの選択を最適化する。
【解決手段】ステップ403において、EGA計測ショット領域の候補のマークの計測値をすべて用いてEGA処理を行ったときの補正量ベクトルの基準ベクトルマップを作成し、ステップ407において、予想跳びショット数分除いた組合せについてそれぞれEGA処理を行ったときの補正量ベクトルのベクトルマップを作成する。そして、ステップ409において、ベクトルマップ間の相関係数を算出し、ステップ411以降で、その相関係数が閾値よりも低い組合せで、EGA処理の残留誤差が低減されている組合せを、EGA処理に用いるショット領域の組合せとして決定する。
【選択図】図4
【解決手段】ステップ403において、EGA計測ショット領域の候補のマークの計測値をすべて用いてEGA処理を行ったときの補正量ベクトルの基準ベクトルマップを作成し、ステップ407において、予想跳びショット数分除いた組合せについてそれぞれEGA処理を行ったときの補正量ベクトルのベクトルマップを作成する。そして、ステップ409において、ベクトルマップ間の相関係数を算出し、ステップ411以降で、その相関係数が閾値よりも低い組合せで、EGA処理の残留誤差が低減されている組合せを、EGA処理に用いるショット領域の組合せとして決定する。
【選択図】図4
Description
本発明は、最適化方法、露光方法、最適化装置、露光装置、デバイス製造方法、及びプログラム、並びに情報記録媒体に係り、所定の処理に用いられる複数のデータの選択を最適化する最適化方法、該最適化方法を用いた露光方法、所定の処理に用いられる複数のデータの選択を最適化する最適化装置、該最適化装置を備えた露光装置、前記露光方法及び前記露光装置を用いたデバイス製造方法、及び、コンピュータに前記最適化方法を実行させるプログラム、並びに該プログラムが記録された情報記録媒体に関する。
半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下「レチクル」と総称する)に形成されたパターンを、投影光学系を介してレジスト等が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、「ウエハ」と総称する)上に転写する露光装置、例えばステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)等の逐次移動型の投影露光装置(以下、「露光装置」と略述する)が主として用いられている。
半導体素子等を製造する場合には、異なる回路パターンをウエハ上に幾層にも積み重ねて形成するが、各層間での重ね合わせ精度が悪いと、回路上の特性に不都合が生じることがある。このような場合、チップが所期の特性を満足せず、最悪の場合にはそのチップが不良品となり、歩留りを低下させてしまう。したがって、露光工程では、回路パターンが形成されたレチクルと、ウエハ上の各ショット領域に既に形成されたパターンとを正確に重ね合わせて転写することが重要となる。
このため、露光工程では、ウエハ上の複数のショット領域の各々に予めアライメントマークを付設しておき、ウエハが載置されるウエハステージのステージ座標系(該ウエハステージの移動を規定する座標系、通常はレーザ干渉計の測長軸によって規定される)上におけるアライメントマークの位置(座標値)を検出する。しかる後、このマークの位置情報と既知のレチクルパターンの投影位置の位置情報(これは事前測定される)とに基づいて各ショット領域とレチクルパターンの投影位置との位置関係を求める、いわゆるウエハアライメント(ウエハアライメント計測)が行われる。
ウエハアライメントには大別して2つの方式があり、1つはウエハ上のショット領域毎にそのアライメントマークを検出して位置合わせを行うダイ・バイ・ダイ(D/D)アライメント方式である。もう1つは、ウエハ上のいくつかのショット領域のみのアライメントマークを検出してショット領域の配列の規則性を求めることで、各ショット領域を位置合わせするグローバル・アライメント方式である。現在のところ、デバイス製造ラインではスループットとの兼ね合いから、主にグローバル・アライメント方式が使用されている。特に現在では、ウエハ上のショット領域の配列の規則性を統計的手法によって精密に特定するエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)方式が主流となっている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。
EGA方式とは、1枚のウエハにおいて予め特定ショット領域として選択された複数個(3個以上必要であり、通常7〜15個程度)のショット領域のみの位置座標を計測し、これらの計測値から統計演算処理(最小二乗法等)を用いてウエハ上の全てのショット領域の位置座標(ショット領域の配列)を算出した後、この算出したショット領域の配列に従ってウエハステージをステッピングさせていくものである。このEGA方式は計測時間が短くて済み、ランダムな計測誤差に対して平均化効果が期待できるという長所がある。
ここで、EGA方式で行われている統計処理方法について簡単に説明する。ウエハ上のm(m≧3なる整数)個の特定ショット領域(「サンプルショット領域」又は「アライメントショット領域」とも呼ばれる)の設計上の配列座標を(Xn、Yn)(n=1、2、……、m)とし、設計上の配列座標からのずれ(ΔXn、ΔYn)について次式(1)で示されるような線形モデルを仮定する。
ところで、上記のEGA方式のウエハアライメントでは、マークの欠陥などの影響で、著しく精度の悪い計測値が混入する場合があるが、このような場合、その精度の悪い計測値の影響を軽減して上記のパラメータa〜fを算出することが、ショット領域の配列座標を精度良く求めるためには好ましい。従来、このような精度の悪い計測値の影響を軽減する方法として、以下のような方法が提案されている。
第1の方法として、計算された統計モデルからのフィッティング残差に閾値を設定し、絶対値の大きさがその閾値以上となっている計測値は除外し、残りの計測値だけでモデルを計算し直す方法がある(例えば、特許文献3参照)。
第2の方法として、除外数を予め決定しておき、(計測数−除外数)個の集合を作る組み合わせの数だけモデルを仮定し、これらモデルに対応する計測値の標準偏差(フィッティング残差)をモデルの確からしさの指標値(例えば確率密度関数)とし、その確からしさの指標値によって重み付け平均を取ったモデルを採用する方法がある(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、上記第1の方法では、閾値判定に用いるフィッティング誤差自体が、精度の悪い計測値の影響をすでに受けてしまっており、演算結果に対する精度の悪い計測の影響を完全には排除することができないという不都合がある。
また、フィッティング残差の絶対値のばらつき具合を考慮すれば、閾値として、大きめの値を設定せざるをえず、本来除外すべき計測値が、除外されない場合が出てくる蓋然性が高くなり、処理の実効を図ることが困難となる。
一方、上記第2の方法では、そのような閾値の変更の困難性はなく、定性的にいわゆる跳びショット(他のショット領域のアライメント誤差(計測誤差)と比べて特にアライメント誤差が大きなショット領域)の影響を軽減することができる。しかしながら、この第2の方法では、モデルの設定が困難であり、そのモデルが、実際のものとずれていると、却って、演算結果を悪化させてしまう可能性がある。
このように、EGAにおいて、除外すべき計測マークを適正に除外したり、演算に用いる計測マークの数や位置を最適化したりする方法については、これまで、種々の方法が提案されているが、いまだ上記懸案事項を包括的に解決する手段が見つかっていない。
特開昭61−44429号公報
特開昭62−84516号公報
特開平8−97123号公報
国際公開第00/49367号パンフレット
本発明は、かかる事情の下になされたものであり、その第1の目的は、所定の処理に用いられるデータの選択を最適化することができる最適化方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、高精度な露光を実現することができる露光方法を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、所定の処理に用いられるデータの選択を最適化することができる最適化装置を提供することにある。
また、本発明の第4の目的は、高精度な露光を実現することができる露光装置を提供することにある。
また、本発明の第5の目的は、高集積度のデバイスの生産性を向上することができるデバイス製造方法を提供することにある。
また、本発明の第6の目的は、コンピュータによって実行され、所定の処理を最適化することを可能とするプログラム及び該プログラムが記録された情報記録媒体を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、所定の処理に用いられる複数のデータの選択を最適化する最適化方法であって、複数の第1データの候補の中から、前記所定の処理に用いられる第1データの候補の組合せを複数作成する第1工程と;前記作成された各組合せに含まれる第1データの候補を用いて前記所定の処理をそれぞれ行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、複数の参照データから成る参照データ群との相関度を示す相関情報を、所定の相関演算により算出する第2工程と;前記算出された相関情報に基づいて、前記第1データの候補の複数の組合せの中から前記所定の処理に用いられる第1データの組合せを決定する第3工程と;を含む最適化方法である。
これによれば、第1工程において、所定の処理に用いられる複数の第1データの候補の中から、第1データの候補の組合せを複数作成する。そして、第2工程において、作成された組合せに含まれる第1データの候補を用いて所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、参照データ群との相関度を示す相関情報を、所定の相関演算により算出する。さらに、第3工程において、算出された相関値に基づいて、第1データの候補の複数の組合せの中から所定の処理に用いられる第1データの組合せを決定する。
すなわち、本発明では、例えば精度の悪いデータが含まれるデータ群や、精度の良いデータだけのデータ群などを参照データ群とすれば、第1のデータの候補の幾つかの組合せの各々とその参照データ群との間との各相関情報は、その組合せに、精度の悪いデータ或いは精度の良いデータがどの程度含まれているかの目安(指標)となる。そのため、算出された相関情報を参照すれば、第1データの候補の組合せの中から、所定の処理の処理結果を良好なものとする第1データの組合せを決定することができる。よって、第3工程で決定された第1データの組合せを用いて所定の処理を実行すれば、所定の処理の処理結果を良好なものとすることができるようになり、所定の処理に用いられるデータの選択の最適化が実現される。
この場合、請求項2に記載の最適化方法のごとく、前記所定の相関演算は、前記各第2データをベクトル量とみなして、前記相関情報を演算するベクトル相関演算であることとしても良いし、請求項3に記載の最適化方法のごとく、前記所定の相関演算は、前記各第2データをスカラ量とみなして、前記相関情報を演算するスカラ相関演算であることとしても良い。
上記請求項1〜3のいずれか一項に記載の最適化方法において、請求項4に記載の最適化方法のごとく、前記第2工程に先立って、前記複数の第1データの候補すべてを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群を作成する第4工程をさらに含み、前記第2工程では、前記第4工程で作成されたデータ群を、前記参照データ群として用いることとすることができる。
この場合、請求項5に記載の最適化方法のごとく、前記第3工程では、所定の条件を満たす組合せがある場合には、その組合せを、前記所定の処理に用いられる複数の第1データの組合せとし、前記所定の条件を満たす組合せがない場合には、前記複数の第1データの候補すべてを、前記所定の処理に用いる第1データとすることとすることができる。
この場合、請求項6に記載の最適化方法のごとく、前記相関情報は、前記複数の第2データから成るデータ群と、前記参照データ群との相関係数を含むこととすることができる。
この場合、請求項7に記載の最適化方法のごとく、前記所定の条件は、前記相関係数が所定の閾値よりも低いこと、を含むこととすることができる。
所定の条件を、相関係数が所定の閾値よりも低いこととするのは、不良データを含む全てのデータ(参照データ)を用いて所定の処理を行った場合に得られるデータと、その不良データを最適にリジェクトした結果、残されたデータを用いて所定の処理を行った場合に得られるデータ群とでは、相関性が低くなると考えられるからである。
上記請求項6に記載の最適化方法において、請求項8に記載の最適化方法のごとく、前記所定の条件は、前記第1工程で作成された複数の組合せの中で、前記第2工程において算出された相関係数が最も低い組合せであること、を含むこととすることができる。
上記請求項7又は8に記載の最適化方法において、請求項9に記載の最適化方法のごとく、前記所定の条件は、前記組合せに含まれる複数の第1データの候補を用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標が、前記複数の第1データの候補すべてを用いて前記所定の処理を行ったときの処理結果の精度指標よりも良好であること、をさらに含むこととすることができる。
上記請求項6〜9のいずれか一項に記載の最適化方法において、請求項10に記載の最適化方法のごとく、前記相関係数は、前記第2データの平均値により、規格化された相関係数であることとすることができる。
上記請求項1〜10のいずれか一項に記載の最適化方法において、請求項11に記載の最適化方法のごとく、前記第1工程では、前記複数の第1データのすべての候補から、所定数の第1データの候補を取り除くことによって、前記第1データの候補の組合せを複数作成することとすることができる。
請求項12に記載の発明は、所定の処理に用いられる複数のデータの選択を最適化する最適化方法であって、前記所定の処理に用いられる複数の第1データの組合せに、新たな第1データの候補を追加することにより、第1データの仮の組合せを作成する第1工程と;前記作成された仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、前記第1データの候補を追加する前の前記第1データの組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群との相関度を示す相関情報を、所定の相関演算により算出する第2工程と;前記算出された相関情報に基づいて、所定の条件が満たされた場合には、前記第1データの候補を、前記第1データの組合せに追加する第3工程と;を含む最適化方法である。
これによれば、第1工程において、第1データの組合せに、第1データの候補を追加することにより、第1データの仮の組合せを作成する。そして、第2工程において、その第1データの候補を追加する前と、追加した後での第2データのデータ群同士の相関度を示す相関情報を算出する。さらに、第3工程において、算出された相関情報に基づいて、所定の条件が満たされた場合には、第1データの候補を、第1データの組合せに追加する。このようにすれば、その相関情報に基づいて、精度の悪い第1データの候補を、第1データの組合せに加えないようにすることができるとともに、第1データの候補を、第1データに加えるか否かを1つずつ判定していくようになる。そのため、本発明では、所定の処理に用いる第1データの数も、最適化することができるようになる。したがって、最終的に決定された第1データの組合せを用いて所定の処理を実行すれば、所定の処理の処理結果を良好なものとすることができる。
この場合、請求項13に記載の最適化方法のごとく、前記相関情報が示す値が、所定の値以上となるまで、前記第1工程と、前記第2工程と、前記第3工程とを繰り返し実行することとすることができる。
上記請求項12又は13に記載の最適化方法において、請求項14に記載の最適化方法のごとく、前記所定の相関演算は、前記各第2データをベクトル量として、前記相関情報を演算するベクトル相関演算であることとしても良いし、請求項15に記載の最適化方法のごとく、前記所定の相関演算は、前記各第2データをスカラ量として、前記相関情報を演算するスカラ相関演算であることとしても良い。
上記請求項12〜15のいずれか一項に記載の最適化方法において、請求項16に記載の最適化方法のごとく、前記相関情報は、前記第1データの候補を追加する前の前記組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、前記仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群との相関係数を含むこととすることができる。
この場合、請求項17に記載の最適化方法のごとく、前記所定の条件は、前記第2工程で算出された相関係数が、第1閾値以上でないこと、を含むこととすることができる。
この場合、請求項18に記載の最適化方法のごとく、前記所定の条件は、前記第2工程で算出された相関係数が、前記第1閾値よりも小さい所定の第2閾値以下でないこと、をさらに含むこととすることができる。
上記請求項17又は18に記載の最適化方法において、請求項19に記載の最適化方法のごとく、前記所定の条件は、前記作成された仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標が、前記第1データの候補を追加する前の前記組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標よりも良好であること、をさらに含むこととすることができる。
上記請求項16〜19のいずれか一項に記載の最適化方法において、請求項20に記載の最適化方法のごとく、前記相関係数を、前記第2データの平均値により、規格化された相関係数とすることとすることができる。
上記請求項1〜20のいずれか一項に記載の最適化方法において、請求項21に記載の最適化方法のごとく、前記所定の処理は、物体を載置する移動体の移動位置を規定する第1座標系と、前記物体上に形成された複数の領域の配列によって規定される第2座標系とのずれに関する複数の誤差情報を検出する処理であり、前記複数の第1データの候補は、前記複数の領域の少なくとも一部の前記第1座標系上の位置情報の計測値であることとすることができる。
この場合、請求項22に記載の最適化方法のごとく、前記第2データは、前記各誤差情報に基づく前記複数の領域それぞれの前記第1座標系上の位置情報における設計値からの補正量であることとしても良いし、請求項23に記載の最適化方法のごとく、前記第2データは、前記各誤差情報に基づいて補正された前記複数の領域それぞれの前記第1座標系上の位置情報と、前記第1座標系上の該位置情報の計測値との残差であることとしても良い。
上記請求項1〜20のいずれか一項に記載の最適化方法において、請求項24に記載の最適化方法のごとく、前記所定の処理は、物体の表面の平坦度を検出する処理であり、前記複数の第1データの候補は、前記物体の表面上の異なる複数の計測点における前記物体の表面高さの計測値であり、前記第2データは、前記各計測点における前記物体の表面高さの計測値に基づいて求められた、前記物体の表面を示す曲面上の前記各計測点における高さであることとすることができる。
請求項25に記載の発明は、基板上に形成された複数の領域にそれぞれ付設されたマークの位置情報の計測値を、それぞれ第1データの候補として、請求項21〜23のいずれか一項に記載の最適化方法を実行し、前記複数のマークの位置情報の中から、前記第1データとしてのマークの位置情報を抽出する工程と;前記抽出されたマークの位置情報に基づいて、前記基板を載置する移動体の移動位置を規定する第1座標系と、前記複数の領域の配列によって規定される第2座標系とのずれを示す複数の誤差情報を検出する工程と;前記検出結果に基づいて前記基板の位置制御を行いつつ、所定パターンを前記基板に転写する工程と;を含む露光方法である。
これによれば、請求項21〜23のいずれか一項に記載の最適化方法を用いて、第1データとしての基板上に形成されたマークの位置情報の計測値が抽出され、抽出されたマークの位置情報の計測値に基づいて、その基板の位置制御が行われた状態で、転写が行われるので、高精度な露光を実現することができる。
請求項26に記載の発明は、基板の表面上の異なる複数の計測点における前記基板の表面高さの計測値を、それぞれ第1データの候補として、請求項24に記載の最適化方法を実行し、前記複数の計測点における前記基板の表面高さの計測値の中から、第1データとしての前記基板の表面高さの計測値を抽出する工程と;前記抽出された各計測点における前記基板の表面高さの計測値に基づいて、前記基板の平坦度を求める工程と;前記求められた平坦度に基づいて前記基板の位置制御を行いつつ、所定パターンを前記基板に転写する工程と;を含む露光方法である。
これによれば、請求項24に記載の最適化方法を用いて、第1データとしての各計測点における基板の表面高さの計測値が抽出され、抽出された基板の表面高さの計測値に基づいて、その基板の位置制御が行われた状態で、転写が行われるので、高精度な露光を実現することができる。
請求項27に記載の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法において、前記リソグラフィ工程では、請求項25又は26に記載の露光方法を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法である。かかる場合には、請求項25又は26に記載の露光方法を用いて露光を行なうため、高露光精度及び高スループットの両立を実現することができるので、高集積度のデバイスの生産性を向上させることができる。
請求項28に記載の発明は、所定の処理に用いられる複数のデータの選択を最適化する最適化装置であって、複数の第1データの候補の中から、前記所定の処理に用いられる第1データの候補の組合せを複数作成する作成装置と;前記作成された組合せに含まれる第1データの候補を用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、複数の参照データから成る参照データ群との相関度を示す相関情報を、所定の相関演算により算出する演算装置と;前記算出された相関情報に基づいて、前記所定の処理に用いられる第1データの組合せを決定する決定装置と;を備える最適化装置である。
これによれば、作成装置によって、所定の処理に用いられる複数の第1データの候補の中から、第1データの候補の組合せを複数作成する。そして、演算装置によって、作成された組合せに含まれる第1データの候補を用いて所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、参照データ群との相関値を、所定の相関演算により算出する。さらに、決定装置によって、算出された相関値に基づいて、所定の処理に用いられる第1データの組合せを決定する。
したがって、演算装置によって、例えば精度の悪いデータを含むデータ群や、精度の良いデータのデータ群などを参照データ群とし、決定装置によって、その相関情報に基づいて、例えば、その参照データ群と最も相関性の低い又は高い第1データの候補の組合せ、所定の処理の処理結果を良好なものとする第1データの組合せを決定することがができる。そのため、決定装置で決定された第1データの組合せを用いて所定の処理を実行すれば、所定の処理の処理結果を良好なものとすることができる。
この場合、請求項29に記載の最適化装置のごとく、前記所定の相関演算は、前記各第2データをベクトル量とみなして、前記相関情報を演算するベクトル相関演算であることとしても良いし、請求項30に記載の最適化装置のごとく、前記所定の相関演算は、前記各第2データをスカラ量とみなして、前記相関情報を演算するスカラ相関演算であることとしても良い。
上記請求項28〜30のいずれか一項に記載の最適化装置において、請求項31に記載の最適化装置のごとく、前記決定装置は、所定の条件を満たす組合せがある場合には、その組合せを、前記所定の処理に用いられる複数の第1データの組合せとし、前記所定の条件を満たす組合せがない場合には、前記複数の第1データの候補すべてを、前記所定の処理に用いる第1データとし、前記相関情報は、前記複数の第2データから成るデータ群と、前記参照データ群との相関係数を含むこととすることができる。
この場合、請求項32に記載の最適化装置のごとく、前記所定の条件は、前記演算装置において求められた相関係数が所定の閾値よりも低いこと、を含むこととしても良いし、請求項33に記載の最適化方法のごとく、前記所定の条件は、前記作成装置によって作成された複数の組合せの中で、前記演算装置において算出された相関係数が最も低い組合せであること、を含むこととしても良い。
上記請求項31〜33のいずれか一項に記載の最適化装置において、請求項34に記載の最適化装置のごとく、前記相関係数は、前記第2データの平均値により、規格化された相関係数であることとすることができる。
請求項35に記載の発明は、所定の処理に用いられる複数のデータの選択を最適化する最適化装置であって、前記所定の処理に用いられる複数の第1データの組合せに、新たな第1データの候補を追加することにより、第1データの仮の組合せを作成する作成装置と;前記作成された仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、前記第1データの候補を追加する前の前記第1データの組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群との相関値を示す相関情報を、所定の相関演算により算出する演算装置と;前記算出された相関情報に基づいて、所定の条件が満たされた場合には、前記第1データの候補を、前記第1データの組合せに追加する追加装置と;を備える最適化装置である。
これによれば、作成装置によって、第1データの組合せに、第1データの候補を追加することにより、第1データの仮の組合せを作成する。そして、演算装置によって、その第1データの候補を追加する前と、追加した後での第2データのデータ群同士の相関度を示す相関情報を算出する。さらに、追加装置によって、算出された相関情報に基づいて、所定の条件が満たされた場合には、第1データの候補を、第1データの組合せに追加する。このようにすれば、その相関情報に基づいて、精度の悪い第1データの候補を、第1データの組合せに加えないようにすることができるとともに、第1データの候補を1つずつ判定していくため、所定の処理に用いる第1データの数も、最適化することができるようになる。
この場合、請求項36に記載の最適化装置のごとく、前記相関情報が示す値が、所定の値以上となるまで、前記作成装置による前記仮の組合せの作成と、前記演算装置による前記相関情報の算出と、前記追加装置による追加とを繰り返し実行することとすることができる。
上記請求項35又は36に記載の最適化装置において、請求項37に記載の最適化装置のごとく、前記所定の相関演算は、前記各第2データをベクトル量として、前記相関情報を演算するベクトル相関演算であることとしても良いし、請求項38に記載の最適化装置のごとく、前記所定の相関演算は、前記各第2データをスカラ量として、前記相関情報を演算するスカラ相関演算であることとしても良い。
上記請求項35〜38のいずれか一項に記載の最適化装置において、請求項39の最適化装置のごとく、前記相関情報は、前記第1データの候補を追加する前の前記組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、前記仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群との相関係数であることとすることができる。
この場合、請求項40に記載の最適化装置のごとく、前記所定の条件は、前記演算装置で算出された相関情報が示す値が、第1閾値以上でないことと、前記演算装置で算出された相関情報が示す値が、前記第1閾値よりも小さい第2閾値以下でないことと、前記作成された仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標が、前記第1データの候補を追加する前の前記組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標よりも良好であることとの少なくとも1つを含むこととすることができる。
上記請求項39又は40に記載の最適化装置において、請求項41に記載の最適化装置のごとく、前記相関係数を、前記第2データの平均値により、規格化された相関係数とすることとすることができる。
上記請求項28〜41のいずれか一項に記載の最適化装置において、請求項42に記載の最適化装置のごとく、前記所定の処理は、物体を載置する移動体の移動位置を規定する第1座標系と、前記物体上に形成された複数の領域の配列によって規定される第2座標系とのずれを示す複数の誤差情報を検出する処理であり、前記複数の第1データの候補は、前記複数の領域の少なくとも一部の前記第1座標系上の位置情報の計測値であることとすることができる。
この場合、請求項43に記載の最適化装置のごとく、前記第2データは、前記各誤差情報に基づく前記複数の領域それぞれの前記第1座標系上の位置情報に関する設計値からの補正量であることとしても良いし、請求項44に記載の最適化装置のごとく、前記第2データは、前記各誤差情報に基づいて補正された前記複数の領域それぞれの前記第1座標系上の位置情報と、前記第1座標系上の該位置情報の計測値との残差であることとしても良い。
上記請求項28〜41に記載の最適化装置において、請求項45に記載の最適化装置のごとく、前記所定の処理は、物体の表面の平坦度を検出する処理であり、前記複数の第1データの候補は、前記物体の表面上の異なる複数の計測点における前記物体の表面高さの計測値であり、前記第2データは、前記各計測点における前記物体の表面高さの計測値に基づいて求められた、前記物体の表面を示す曲面上の前記各計測点における高さであることとすることができる。
請求項46に記載の発明は、基板上に形成された複数の領域にそれぞれ付設されたマークの位置情報の計測値を、それぞれ第1データの候補として、前記複数のマークの位置情報の中から、前記第1データとしてのマークの位置情報を抽出する請求項42〜44のいずれか一項に記載の最適化装置と;前記抽出されたマークの位置情報に基づいて、前記基板を載置する移動体の移動位置を規定する第1座標系と、前記複数の領域の配列によって規定される第2座標系とのずれを示す複数の誤差情報を検出する検出装置と;前記検出装置の検出結果に基づいて前記基板の位置制御を行いつつ、所定パターンを前記基板に転写する転写装置と;を備える露光装置である。
これによれば、請求項42〜44のいずれか一項に記載の最適化装置によって抽出されたマークの位置情報を用いて第1座標系と、第2座標系とのずれを検出することができ、そのずれに基づいて所定パターンを基板上に転写することができるので、高精度な露光を実現することができる。
請求項47に記載の発明は、基板の表面上の異なる複数の計測点における前記基板の表面高さの計測値を、それぞれ第1データの候補として、前記複数の計測点における前記基板の表面高さの計測値の中から、第1データとしての前記基板の表面高さの計測値を抽出する請求項45に記載の最適化装置と;前記抽出された各計測点における前記基板の表面高さの計測値に基づいて、前記基板の平坦度を求める算出装置と;前記検出結果に基づいて前記基板の位置制御を行いつつ、所定パターンを前記基板に転写する転写装置と;を備える露光装置である。
これによれば、請求項45に記載の最適化装置によって抽出された基板の表面高さの計測値を用いて、基板の平坦度を求めることができ、その平坦度に基づいて所定パターンを基板上に転写することができるので、高精度な露光を実現することができる。
請求項48に記載の発明は、所定の処理に用いられる複数のデータの選択を最適化する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、複数の第1データの候補の中から、前記所定の処理に用いられる第1データの候補の組合せを複数作成する第1手順と;前記作成された組合せに含まれる第1データの候補を用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、複数の参照データから成る参照データ群との相関度を示す相関情報を、所定の相関演算により算出する第2手順と;前記算出された相関情報に基づいて、前記所定の処理に用いられる第1データの組合せを決定する第3手順と;を前記コンピュータに実行させるプログラムである。
このプログラムがコンピュータにインストールされると、コンピュータが、上記各手順を実行する。これにより、請求項1に記載の最適化方法が、コンピュータによって実行される。従って、請求項1と同様に、所定の処理に用いられるデータの選択を最適化することが可能となる。
この場合、請求項49に記載のプログラムのごとく、前記第2手順では、前記所定の相関演算として、前記各第2データをベクトル量とみなして前記相関情報を演算するベクトル相関演算を前記コンピュータに実行させることとしても良いし、請求項50に記載のプログラムのごとく、前記第2手順では、前記所定の相関演算として、前記各第2データをスカラ量とみなして前記相関情報を演算するスカラ相関演算を前記コンピュータに実行させることとしても良い。
上記請求項48〜50のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、請求項51に記載のプログラムのごとく、前記第2手順に先立って、前記複数の第1データの候補すべてを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群を作成する第4手順をさらに前記コンピュータに実行させ、前記第4手順で作成されたデータ群を前記参照データ群として、前記第2手順を前記コンピュータに実行させることとすることができる。
この場合、請求項52に記載のプログラムのごとく、所定の条件を満たす組合せがある場合には、その組合せを、前記所定の処理に用いられる複数の第1データの組合せとし、前記所定の条件を満たす組合せがない場合には、前記複数の第1データの候補すべてを、前記所定の処理に用いる第1データとするように前記第3手順を前記コンピュータに実行させることとすることができる。
上記請求項51に記載のプログラムにおいて、請求項53に記載のプログラムのごとく、前記相関情報は、前記複数の第2データから成るデータ群と、前記参照データ群との相関係数を含むこととすることができる。
この場合、請求項54に記載のプログラムのごとく、前記所定の条件は、前記第2手順において算出された相関情報に含まれる相関度の指標値が所定の閾値よりも低いこと、を含むこととしても良いし、請求項55に記載のプログラムのごとく、前記所定の条件は、前記第1手順で作成された複数の組合せの中で、前記第2手順において算出された相関情報に含まれる相関度の指標値が最も低い組合せであること、を含むこととしても良い。
上記請求項54又は55に記載のプログラムにおいて、請求項56に記載のプログラムのごとく、前記所定の条件は、前記組合せに含まれる複数の第1データの候補を用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標が、前記複数の第1データの候補すべてを用いて前記所定の処理を行ったときの処理結果の精度指標よりも良好であること、をさらに含むこととすることができる。
請求項57に記載の発明は、所定の処理に用いられる複数のデータの選択を最適化する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記第1データの組合せに、第1データの候補を追加することにより、第1データの仮の組合せを作成する第1手順と;前記作成された仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、前記第1データの候補を追加する前の前記第1データの組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群との相関度を示す相関情報を、所定の相関演算により算出する第2手順と;前記算出された相関情報に基づいて、所定の条件が満たされた場合には、前記第1データの候補を、前記第1データの組合せに追加する第3手順と;をコンピュータに実行させるプログラムである。
このプログラムがコンピュータにインストールされると、コンピュータが、上記各手順を実行する。これにより、請求項12に記載の最適化方法が、コンピュータによって実行される。従って、請求項12と同様に、所定の処理に用いられるデータの選択を最適化することが可能となる。
この場合、請求項58に記載のプログラムのごとく、前記相関情報が示す値が、所定の値以上となるまで、前記第1手順と、前記第2手順と、前記第3手順とを繰り返し前記コンピュータに実行させることとすることができる。
上記請求項57又は58に記載のプログラムにおいて、請求項59に記載のプログラムのごとく、前記所定の相関演算は、前記各第2データをベクトル量として前記相関情報を演算するベクトル相関演算であることとしても良いし、請求項60に記載のプログラムのごとく、前記所定の相関演算は、前記各第2データをスカラ量として前記相関情報を演算するスカラ相関演算であることとしても良い。
上記請求項57〜60に記載のプログラムにおいて、請求項61に記載のプログラムのごとく、前記相関情報は、前記第1データの候補を追加する前の前記組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、前記仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群との相関係数であり、前記所定の条件は、前記第2手順で算出された相関情報が示す値が、第1閾値以上でないこと、を含むこととすることができる。
この場合、請求項62に記載のプログラムのごとく、前記所定の条件は、前記作成された仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標が、前記第1データの候補を追加する前の前記組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標よりも良好であること、をさらに含むこととすることができる。
請求項63に記載の発明は、請求項48〜62のいずれか一項に記載のプログラムが記録されたコンピュータによる読み取りが可能な情報記録媒体である。
≪第1の実施形態≫
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1には、本発明の最適化方法及び露光方法が適用される第1の実施形態に係る露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置である。この露光装置100は、照明系10、マスクとしてのレチクルRが載置されるレチクルステージRST、投影光学系PL、物体としてのウエハWが搭載される移動体としてのウエハステージWST、アライメント検出系AS、及び装置全体を統括制御する主制御装置20等を備えている。
前記照明系10は、例えば特開平6−349701号公報等に開示されるように、光源、オプティカル・インテグレータを含む照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、可変視野絞り(レチクルブラインド又はマスキング・ブレードとも呼ばれる)、及びダイクロイックミラー等(いずれも不図示)を含んで構成されている。オプティカル・インテグレータとしては、フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)、あるいは回折光学素子などが用いられる。
この照明系10では、回路パターン等が描かれたレチクルR上で、レチクルブラインドで規定されたスリット状の照明領域(X軸方向に細長い長方形状の照明領域)部分を照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)などの遠紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。
前記レチクルステージRST上には、レチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、リニアモータ、ボイスコイルモータ等を駆動源とする不図示のレチクルステージ駆動部によって、照明系10の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここでは図1における紙面内左右方向であるY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTには、レーザ光を反射するX軸方向及びY軸方向に面した移動鏡等から成る反射面が形成されており、レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置は、その反射面にレーザ光を照射するレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」又は単に「干渉計」という)16によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、X軸方向に沿った測長軸を有するレチクルX干渉計とY軸方向に沿った測長軸を有するレチクルY干渉計とが設けられているが、図1ではこれらが代表的にレチクル干渉計16として示されている。そして、レチクルY干渉計とレチクルX干渉計の少なくとも一方、例えばレチクルY干渉計は、測長軸を2軸有する2軸干渉計であり、このレチクルY干渉計の計測値に基づきレチクルステージRSTのY位置に加え、θz方向(Z軸回りの回転方向)の回転量(ヨーイング量)も計測できるようになっている。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報(ヨーイング量などの回転情報を含む)はステージ制御装置19及びこれを介して主制御装置20に供給される。ステージ制御装置19は、主制御装置20からの指示に応じて、レチクルステージRSTの位置情報に基づいて不図示のレチクルステージ駆動部を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。
レチクルRの上方には、X軸方向に所定距離隔てて一対のレチクルアライメント検出系22(但し、図1においては紙面奥側のレチクルアライメント検出系22は不図示)が配置されている。各レチクルアライメント検出系22は、ここでは図示が省略されているが、それぞれ照明光ILと同じ波長の照明光にて検出対象のマークを照明するための落射照明系と、その検出対象のマークの像を撮像するための検出系とを含んで構成されている。検出系は結像光学系と撮像素子とを含んでおり、この検出系による撮像結果(すなわちレチクルアライメント検出系22によるマークの検出結果)は主制御装置20に供給されている。この場合、レチクルRからの検出光をレチクルアライメント検出系22に導くための不図示の偏向ミラーが移動自在に配置されており、露光シーケンスが開始されると、主制御装置20からの指令に基づいて不図示の駆動装置により偏向ミラーはそれぞれレチクルアライメント検出系22と一体的に照明光ILの光路外に退避される。
前記投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向とされている。投影光学系PLとしては、両側テレセントリックで所定の縮小倍率(例えば1/5、又は1/4)を有する屈折光学系が使用されている。このため、照明系10からの照明光ILによってレチクルRの照明領域が照明されると、レチクルRの回路パターンの照明領域部分の縮小像(部分倒立像)が投影光学系PLを介してウエハW上の前記照明領域に共役な投影光学系PLの視野内の投影領域に投影され、ウエハW表面のレジスト層に転写される。
前記ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図1における下方で、不図示のベース上に配置されている。このウエハステージWST上にウエハホルダ25が載置されている。このウエハホルダ25上にウエハWが例えば真空吸着等によって固定されている。
ウエハステージWSTは、図1のウエハステージ駆動部24により、X、Y、Z、θz(Z軸回りの回転方向)、θx(X軸回りの回転方向)、及びθy(Y軸回りの回転方向)の6自由度方向に駆動可能なステージである。なお、θz方向については、ウエハステージWST(具体的には、ウエハホルダ25)を回転可能に構成しても良いし、このウエハステージWSTのヨーイング誤差をレチクルステージRST側の回転により補正することとしても良い。
前記ウエハステージWSTには、レーザ光を反射するX軸方向及びY軸方向に面した移動鏡等から成る反射面が形成されており、ウエハステージWSTの位置は、外部に配置されその反射面にレーザ光を照射するウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」又は単に「干渉計」という)18により、例えば、0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。なお、実際には、X軸方向に測長軸を有する干渉計及びY軸方向に測長軸を有する干渉計が設けられているが、図1ではこれらが代表的にウエハ干渉計18として示されている。それらの干渉計は、測長軸を複数有する多軸干渉計で構成され、ウエハステージWSTのX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。ステージ制御装置19は、主制御装置20からの指示に応じて、ウエハステージWSTの位置情報に基づいてウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTを駆動制御し、ウエハステージWST上に保持されたウエハWの位置を制御する。
また、ウエハステージWST上のウエハWの近傍には、基準マーク板FMが固定されている。この基準マーク板FMの表面は、ウエハWの表面とほぼ同じ高さに設定され、この表面には少なくとも一対のレチクルアライメント用基準マーク、及びアライメント検出系ASのベースライン計測用の基準マーク等が形成されている。
前記アライメント検出系ASは、投影光学系PLの側面に配置された、オフ・アクシス方式のアライメントセンサである。このアライメント検出系ASとしては、例えばウエハ上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と不図示の指標の像とを撮像素子(CCD)等を用いて撮像し、それらの撮像信号を出力する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系のセンサが用いられている。なお、FIA系に限らず、コヒーレントな検出光を対象マークに照射し、その対象マークから発生する散乱光又は回折光を検出する、あるいはその対象マークから発生する2つの回折光(例えば同次数)を干渉させて検出するアライメントセンサを単独であるいは適宜組み合わせて用いることは勿論可能である。このアライメント検出系ASの撮像結果は、主制御装置20へ出力されている。
制御系は、図1中、主制御装置20及びこの配下にあるステージ制御装置19などによって主に構成される。主制御装置20は、CPU(中央演算処理装置)、メインメモリ等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含んで構成され、装置全体を統括して制御する。
主制御装置20には、例えばハードディスクから成る記憶装置、キーボード,マウス等のポインティングデバイス等を含んで構成される入力装置、及びCRTディスプレイ(又は液晶ディスプレイ)等の表示装置(いずれも図示省略)、並びにCD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disc),MO(Magneto-Optical Disc)あるいはFD(Flexible Disc)等の情報記録媒体のドライブ装置46が、外付けで接続されている。ドライブ装置46にセットされた情報記録媒体(以下では、CDであるものとする)には、後述するフローチャートで示されるウエハアライメント及び露光動作時の処理アルゴリズムに対応するプログラム(以下、便宜上、「特定プログラム」と呼ぶ)、その他のプログラム、並びにこれらのプログラムに付属するデータベースなどが記録されている。
主制御装置20は、例えば露光動作が的確に行われるように、前述の特定プログラムに従った処理を実行し、例えばレチクルRとウエハWの同期走査、ウエハWのステップ移動(ステッピング)等を制御する。
具体的には、前記主制御装置20は、例えば走査露光時には、レチクルRがレチクルステージRSTを介して+Y方向(又は−Y方向)に速度VR=Vで走査されるのに同期して、ウエハステージWSTを介してウエハWが前述の照明領域に共役な投影領域に対して−Y方向(又は+Y方向)に速度VW=β・V(βはレチクルRからウエハWに対する投影倍率)で走査されるように、ステージ制御装置19を介して得られるレチクル干渉計16、ウエハ干渉計18の計測値に基づいて、ステージ制御装置19を介し、不図示のレチクルステージ駆動部、ウエハステージ駆動部24をそれぞれ介してレチクルステージRST、ウエハステージWSTの位置及び速度をそれぞれ制御する。また、ステッピングの際には、主制御装置20では、ステージ制御装置19を介して得られるウエハ干渉計18の計測値に基づいて、ステージ制御装置19、ウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTの位置を制御する。
さらに、本第1の実施形態の露光装置100は、投影光学系PLの最良結像面に向けて複数のスリット像を形成するための結像光束を光軸AX方向に対して斜め方向より供給する不図示の照射系と、その結像光束のウエハWの表面での各反射光束を、それぞれスリットを介して受光する不図示の受光系とから成る斜入射方式の多点フォーカス検出系を備えている。この多点フォーカス検出系としては、例えば特開平6−283403号公報などに開示されるものと同様の構成のものが用いられ、この多点フォーカス検出系の出力が主制御装置20に供給されている。主制御装置20では、この多点フォーカス検出系からのウエハ位置情報に基づいてステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTをZ軸方向及び傾斜方向(θx回転、θy回転)に駆動する。
次に、上述のようにして構成された本第1の実施形態の露光装置100により、ウエハWに対して第2層目(セカンドレイヤ)以降の層の露光処理を行う際の動作について説明する。
まず、前提として、第2層目以降の層の露光対象であるウエハW上には、図2(A)に示されるように、前層までの処理工程により形成された51個のショット領域SAp(p=1〜51)が配置されている。さらに、図2(A)に示されるウエハWの拡大図である図2(B)に示されるように、このショット領域SApとともに、相互に隣接するショット領域間の所定幅、例えば100μm幅程度のストリートライン上に、ウエハアライメントXマーク(ウエハXマーク)MXp、ウエハアライメントYマーク(ウエハYマーク)MYpがそれぞれ形成されている。ウエハXマークMXpとしては、例えばX軸方向を周期方向とするラインアンドスペースマークが用いられ、ウエハYマークMYpとしては、例えばY軸方向を周期方向とするラインアンドスペースマークが用いられる。そして、ウエハXマークMXpのX位置(すなわちラインアンドスペースマークをその配列方向に2等分する位置)は、ショット領域SAp(の中心Cp)のX座標に設計上一致し、ウエハYマークMYpのY位置(すなわちラインアンドスペースマークをその配列方向に2等分する位置)は、ショット領域SAp(の中心Cp)のY座標に設計上一致するようになっている。すなわち、設計上は、ウエハXマークMXpのX位置とウエハYマークMYpのY位置とにより、ショット領域SAp(の中心Cp)の位置座標が求められるようになっている。なお、図2(B)では、これらのマークの一例としてラインパターンを3本有するマークが用いられているが、ラインパターンの数は何本でも良く、ラインパターンでなくても良い。また、ウエハW上のショット領域の数は、51には限られない。
このウエハW上には、新たな層のショット領域を形成すべく、そのショット領域の回路パターンを転写形成するために、フォトレジストが塗布されている。この新たな層のショット領域は、図2(A)に示されるウエハW上のショット領域SAp上に、重ね合わせて形成される必要がある。この重ね合わせ精度を高めるため、本第1の実施形態では、EGA方式のウエハアライメント(以下、「EGA」又は「EGA処理」と略述する)を行う。
EGAでは、図2(A)に示される全ショット領域SApのうち、幾つかのショット領域を、計測ショット領域(以下、「EGA計測ショット領域」と呼ぶ)として選択し、選択された計測ショット領域に付設されたウエハXマークMXp、ウエハYマークMYpをアライメント検出系ASで検出し、その検出結果から、ウエハステージWSTの移動位置を規定するステージ座標系(第1座標系)上のウエハXマークMXp、ウエハYマークMYpの位置(配列座標)を算出する。前述のように、これらのマークの位置は、そのEGA計測ショット領域のX位置、Y位置を示しており、EGAでは、これら複数のEGA計測ショット領域の位置情報に基づいて、ウエハ上のショット領域SApの配列によって規定される座標系である配列座標系(ウエハ座標系、第2座標系)と、ステージ座標系とのずれに関する情報(上記式(1)のEGAパラメータa,b,c,d,e,f)を、統計的演算処理により求め、そのずれに関する情報に基づいて、ショット領域SApのステージ座標系上の配列座標を求める。ウエハ座標系とステージ座標系とのずれに関する情報は、上述の重ね合わせ精度を高めるためには必須の情報であり、重ね合わせ露光を行う場合には、このずれの情報を考慮してステージの位置制御が行われる。
ところが実際には、前工程での露光位置のずれや、プロセスによるウエハWの変形等により、ショット領域SApの形成状態には、領域毎に多少のばらつきがあり、全てのショット領域SApが、完全に規則正しく格子状に配列されているとは限らない。このような場合、例えば、EGA計測ショット領域として、他の多数のショット領域に対して形成状態のばらつき具合の大きいショット領域(いわゆる跳びショット領域)を選択してしまった場合には、EGAにより求められるウエハ座標系と、本来規定されるべき最も尤もらしいウエハ座標系とのずれが大きくなってしまい、最終的に、新たな層のショット領域と、ショット領域SApとの重ね合わせ精度が低下してしまうようになる。したがって、EGAでは、EGA計測ショット領域としてどのショット領域を選択するか否かが、重要なポイントとなる。
そこで、本第1の実施形態では、図2(A)に示されるウエハWの外周部近傍のショット領域(SA5,SA6,SA12,SA13,SA39,SA40,SA46,SA47)を、アライメント検出系ASによって計測するEGA計測ショット領域の候補とするが、それらのショット領域の中に、跳びショット領域があると判断した場合には、その跳びショット領域を、EGA計測ショット領域から除外(リジェクト)する。
なお、同じようなプロセスを経たウエハ、例えば、1ロット中のウエハにおいては、このような跳びショット領域がEGA計測ショット領域の中に含まれる確率は、ほぼ同じであるとみなすことができる。したがって、本第1の実施形態では、EGA計測ショット領域からの跳びショット領域の除外数(予想跳びショット数)を所定数(例えば1つ)とする。ただし、本第1の実施形態では、ショット領域SApが例えば理想格子状に精度良く形成され、ウエハの状態が良好で跳びショット領域がほとんど存在しないと判断した場合には、除外するショット領域を0とし、EGA計測ショット領域のすべての候補の位置情報を用いてEGAを行うものとする。
また、上述したようなウエハW上のショット領域などに関する情報、例えば、EGA計測ショット領域のショット番号、各ショット領域SApの設計上の位置座標、EGA計測ショット領域からの除外数などは、予め記憶装置に記憶されているものとする。
次に、上記特定プログラムに従って実行される、EGAを含む上記露光処理を行う際の主制御装置20内のCPUの処理アルゴリズムについて、図3,図4のフローチャートに沿って適宜他の図面を参照しつつ、説明する。
まず、前提として、ドライブ装置46にセットされたCD−ROM内の特定プログラム及びその他のプログラムは、主制御装置20の記憶装置にインストールされているものとし、さらに、そのうちのレチクルアライメント及びベースライン計測処理等のプログラムが、主制御装置20内部のCPUによって記憶装置からメインメモリにロードされているものとする。
図3に示されるように、まず、ステップ301において、不図示のレチクルローダを用いて、レチクルステージRST上にレチクルRをロードする。このレチクルロードが終了すると、ステップ303→ステップ305→ステップ307において、レチクルアライメント、ベースライン計測及びウエハロードを、前述のレチクルアライメント、ベースライン計測、及びウエハロード処理のプログラムに従って以下のようにして実行する。
すなわち、ウエハステージWST上の基準マーク板FMを投影光学系PLの直下の所定位置(以下、便宜上「基準位置」と呼ぶ)に位置決めし、基準マーク板FM上の一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応するレチクルR上の一対のレチクルアライメントマークとの相対位置を、前述の一対のレチクルアライメント検出系22を用いて検出する。そして、レチクルアライメント検出系22の検出結果と、その検出時の干渉計16、18の計測値とをメインメモリに記憶する。次いで、ウエハステージWST及びレチクルステージRSTを、それぞれ所定距離だけY軸方向に沿って相互に逆向きに移動させて、基準マーク板FM上の別の一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応するレチクルR上の別の一対のレチクルアライメントマークとの相対位置を前述の一対のレチクルアライメント検出系22を用いて検出する。そして、レチクルアライメント検出系22の検出結果と、その検出時の干渉計16、18の計測値とをメインメモリに記憶する。次いで、上記と同様にして、基準マーク板FM上の更に別の一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応するレチクルアライメントマークとの相対位置関係を更に計測するようにしても良い。
そして、このようにして得られた少なくとも2対の第1基準マークと対応するレチクルアライメントマークとの相対位置関係の情報と、それぞれの計測時の干渉計16,18の計測値とを用いて、干渉計16の測長軸で規定されるレチクルステージ座標系と干渉計18の測長軸で規定されるウエハステージ座標系との相対位置関係を求める。これにより、レチクルアライメントが終了する。
次いで、ステップ305において、ベースライン計測を行う。具体的には、ウエハステージWSTを前述の基準位置に戻し、その基準位置から所定量、例えばベースラインの設計値だけXY面内で移動して、アライメント検出系ASを用いて基準マーク板FM上の第2基準マークを検出する(ウエハ干渉計18の計測値をメインメモリに記憶する)。このとき得られるアライメント検出系ASの検出中心と第2基準マークの相対位置関係の情報及び先にウエハステージWSTが基準位置に位置決めされた際に計測した一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応する一対のレチクルアライメントマークとの相対位置関係の情報と、それぞれの計測時のウエハ干渉計18の計測値と、ベースラインの設計値と、既知である第1基準マーク及び第2基準マークとの位置関係に基づいて、アライメント検出系ASのベースライン、すなわちレチクルパターンの投影中心とアライメント検出系ASの検出中心(指標中心)との距離(位置関係)を算出する。
次いで、ステップ307において、不図示のウエハローダの制御系にウエハWのロードを指示する。これにより、ウエハローダによって、ウエハWがウエハステージWST上のウエハホルダ25上にロードされる。ここで、本第1の実施形態では、ウエハWのロードに先立って、不図示のプリアライメント装置により、ステージ座標系と、ウエハ座標系とがある程度まで一致するように、ウエハステージWSTに対するウエハWの回転ずれと中心位置ずれが略調整されているものとする。また、ここで、記憶装置に記憶されているウエハWに関する情報をメインメモリに読み込む。
このような一連の準備作業が終了すると、前述のレチクルアライメント及びベースライン計測処理のプログラムをメインメモリからアンロードするとともに、前述の特定プログラムをメインメモリにロードする。以後、この特定プログラムに従って、本第1の実施形態の最適化方法、すなわち、サブルーチン309のEGA計測ショット領域中の跳びショット領域のリジェクト処理を含むEGA処理、及びウエハW上の各ショット領域に対する露光を行なう。
なお、このサブルーチン309を実行する前に、ウエハW上に設けられた不図示のサーチアライメントマーク(サーチアライメントマークとして、図2(B)に示されるアライメントマークを用いても良い)を、アライメント検出系ASを低倍率に設定した上で検出し、そのサーチアライメントマークの位置情報に基づいて、ステージ座標系回転成分やオフセット成分のずれ量を、粗い精度で求める、いわゆるサーチアライメントを実行するようにしても良い。
図4には、サブルーチン309のフローチャートが示されている。サブルーチン309では、図4に示されるように、まず、ステップ401において、EGAマーク計測を行う。具体的には、記憶装置から、EGA計測ショット領域に関する情報(EGA計測ショット領域が、SA5,SA6,SA12,SA13,SA39,SA40,SA46,SA47であることや、それらのショット領域の設計上の位置情報など)を読み出す。そして、EGA計測ショット領域の候補であるショット領域に付設されたウエハXマークMXp、ウエハYマークMYpを、アライメント検出系ASの検出視野に順次位置させて、それらのマークをアライメント検出系ASに検出させる。なお、以下では、ショット領域SA5,SA6,SA39,SA40,SA47,SA46,SA13,SA12を、それぞれショット領域G1,G2,G3,G4,G5,G6,G7,G8とする。Gの添え字は、マークの計測順を必ずしも意味するものではなく、マークの計測順は、計測時間が短くなるように設定されているものとする。
そして、アライメント検出系ASから送られた検出結果(例えばそれらのマークを含む周辺の画像データに対応する信号)及び検出時のウエハ干渉計18の計測値に基づいて、ステージ座標系上の位置座標の計測値を得る。さらに、例えば、前述の検出結果としての画像データに対する、テンプレートマッチングや、所定幅のウインドウの走査による鏡映対称性等の評価やその他の適切な検出処理(画像処理)等により、画像データ中におけるそれらのマークの位置情報を求め、その位置情報と、前述のウエハ干渉計18の計測値から、ウエハXマークMXp、ウエハYマークMYpのステージ座標系上の位置(計測値)を求める。これらの計測値が、ショット領域G1,G2,G3,G4,G5,G6,G7,G8の位置の計測値として、すなわち第1データの候補として、以下の処理に用いられる。
次に、ステップ403において、すべてのEGA計測ショット領域の候補G1〜G8の計測値を用いて、所定の処理としてのEGA処理を行った場合に作成されるショット領域の位置情報の補正量ベクトルのベクトルマップを、基準ベクトルマップとして作成する。具体的には、ステップ401で計測されたEGAショット領域のすべての候補の位置情報の計測値(すなわち複数の第1データの候補すべて)を用いて、上記式(2)の評価関数Eを最小とするようなパラメータa、b、c、d、e、fの値を求める。そして、求められたパラメータa、b、c、d、e、fの値に基づいて各EGA計測ショット領域G1〜G8におけるステージ座標系の位置座標の補正量を求める。この処理については、例えば特開昭61−44429号公報などに開示されているので、詳細な説明を省略する。なお、ここで作成される各補正量ベクトルのベクトルマップが、複数の参照データから成る参照データ群となり、以降の処理では、この基準ベクトルマップを、参照データ群として用いる。
図5(A)には、このようにして求められた各EGA計測ショット領域の候補における基準ベクトルマップの一例が示されている。図5(A)では、EGA処理の結果得られる補正量が、ベクトル(以下、「補正量ベクトル」という)S1〜S8としてベクトル表示されている。このステップ403では、このように作成された基準ベクトルマップ、すなわちEGA計測ショット領域の全ての候補を用いてEGA処理を行った場合の、各EGA計測ショット領域G1〜G8における補正量ベクトルS1〜S8(実際には、その補正量ベクトルのX成分及びY成分)を、記憶装置に記憶しておく。
図4に戻り、次のステップ405において、予想跳びショット数分除いた組合せ分のEGA計算を行う。本第1の実施形態では、前述したように、予めリジェクトするショット領域の数を、所定数としており、その所定数は、記憶装置に記憶されている。ここでは、まず、記憶装置からその数を読み込む。その数をrとする。そして、本第1の実施形態では、各EGA計測ショット領域(本第1の実施形態では、8個)から、r個だけ除外したときに得られるショット領域のすべての組合せをEGA計測ショット領域の候補として複数作成する。ここでは、EGA計測ショット領域の数が8個であり、除外するショット領域の数がrであるため、8Cr個のEGA計測ショット領域の候補の組合せが作成されるようになる。さらに、作成された各組合せについてそれぞれEGA処理を実行し、その組合せに含まれるショット領域の位置情報(組合せに含まれる第1データの候補)に基づいて上記式(2)の評価関数Eを最小とするようなパラメータa、b、c、d、e、fの値を組合せ毎に求める。
そして、ステップ407において、求められたパラメータa、b、c、d、e、fの値に基づいて各EGA計測ショット領域G1〜G8におけるステージ座標系の位置座標の補正量ベクトル(第2データ)を求める処理を、予想跳びショット数分除いた組合せ毎に実行し、各組合せ毎の補正量ベクトルのベクトルマップを作成する。
図5(B)には、このように、所定数のショット領域をEGA計測ショット領域からリジェクトして得られる、EGA計測ショット領域の組合せについて、その組合せの位置情報を用いてEGA処理を行ったときに得られる各EGA計測ショット領域の候補G1〜G8における補正量ベクトルの一例が示されている。図5(B)では、ショット領域G1〜G8の補正量が、ベクトルT1〜T8としてベクトル表示されている。ここで作成される各組合せの補正量ベクトルのベクトルマップが、複数の第2データから成るデータ群となる。これらのベクトルマップは、記憶装置に記憶される。
図4に戻り、次のステップ409において、ステップ403で算出された基準ベクトルマップ、すなわち、EGA計測ショット領域のすべての候補を用いてEGA処理を行った場合に作成されるショット領域G1〜G8に対応する補正量ベクトルの基準ベクトルマップ(参照データ群)と、ステップ407で算出された各組合せのベクトルマップ(第2データから成るデータ群)との間の相関係数を組合せ毎に算出する。具体的には、まず、記憶装置から、ステップ403で算出された基準ベクトルマップ(補正量ベクトルS1〜S8)を読み出す。そして、ステップ407で算出された、各組合せのベクトルマップ(補正量ベクトルT1〜T2)をすべて読み出す。さらに、次式を用いて、基準ベクトルマップの補正量ベクトルS1〜S8の標準偏差σS0を、組合せ毎に求める。なお、以下の式では、一般化のため、EGA計測ショット領域の候補の数を8でなく、Nとし、以下の説明でも、EGA計測ショット領域の候補の数をNであるものとして説明する。また、(*)x,(*)yは、括弧内のベクトルのX軸方向の成分及びY軸方向の成分を示すものとする。
そして、上記式(3)、式(4)、式(5)の計算結果に基づいて、次式を用いて、基準ベクトルマップと、各組合せのベクトルマップとの相関関係を示す相関情報としての相関係数CV0を、組合せ毎に求める。この相関係数CV0は、EGA計測ショット領域の候補すべてを用いてEGA処理を行ったときに得られる補正量ベクトルのベクトルマップと、所定数のショット領域をリジェクトした場合の残りのEGA計測ショット領域の組合せを用いてEGA処理を行った場合に得られる補正量ベクトルのベクトルマップとにどれだけ相関性があるかを示す尺度となる。この値が大きければ大きいほど、両者の相関性が高いことになり、小さければ小さいほど両者の相関性が低いということになる。
次のステップ411では、EGA計測ショット領域の候補の組合せのうち、ステップ409で求められた相関係数CV0の値が所定の閾値よりも低いEGA計測ショット領域の候補の組合せを抽出する。
次に、ステップ413において、ステップ411において相関係数CV0の値が所定の閾値よりも低い組合せが抽出されたか否かを判断する。判断が肯定された場合には、ステップ415に進み、判断が否定された場合には、ステップ419に進む。相関係数CV0の値が所定の閾値よりも低いということは、その組合せでEGA処理を行ったときに得られる補正量ベクトルのベクトルマップと、EGA計測ショット領域の候補すべてを用いてEGA処理を行ったときに得られる補正量ベクトルの基準ベクトルマップとが著しく異なっているということであり、その組合せを作成する際に、リジェクトされたEGA計測ショット領域の候補が、跳びショット領域である可能性が高いことになる。なお、ここでは、ステップ411において、相関係数CV0の値が所定の閾値よりも低い組合せが1つだけ抽出されているものとし、ステップ415に進むものとして話を進める。
ステップ415において、抽出されたEGA計測ショット領域の組合せでEGA処理を実行した場合に作成される残留誤差が、すべてのEGA計測ショット領域の候補を用いてEGA処理を行った場合に作成される残留誤差よりも低減されているか否かを判断する。その判断が肯定されれば、ステップ417に進み、判断が否定されれば、ステップ419に進む。ここで、残留誤差とは、EGA処理におけるフィッティング残差のことであり、このフィッティング残差は、EGA処理を行ったときのその処理結果の精度指標の1つである。このフィッティング誤差は、上記式(2)を実行することによって、求めることができる。ここでは、判断が肯定されたものとし、ステップ417に進むものとして話を進める。
ステップ417では、抽出された組合せについてステップ405で既に求められたEGAパラメータa、b、c、d、e、fに基づいて、ウエハW上の全てのショット領域SApのステージ座標系上における配列座標を、今回のEGAの処理結果として算出する。ステップ417終了後、サブルーチン309の処理を終了する。
一方、ステップ413又はステップ415で判断が否定された場合、その後に実行されるステップ419では、リジェクトすべきショット領域がG1〜G8の中に無かったとして、すべてのEGA計測ショット領域の候補について、ステップ403で既に求められたEGAパラメータa、b、c、d、e、fに基づいて、ウエハW上の全てのショット領域のステージ座標系上における配列座標を、今回のEGAの処理結果として算出する。ステップ419終了後、サブルーチン309の処理を終了する。
サブルーチン309終了後は、図3のステップ311に戻り、次のステップ311では、ショット領域の配列番号を示すカウンタjに1をセットし、最初のショット領域を露光対象領域とする。なお、このときのウエハステージWSTの位置決めに用いる、最初のショット領域の位置情報には、サブルーチン309のEGA処理の結果が反映された位置情報が用いられる。
そして、ステップ313では、EGA処理(図4のステップ417或いはステップ419)にて算出された露光対象領域の配列座標に基づいて、ウエハWの位置がウエハW上の露光対象領域を露光するための加速開始位置となるようにウエハステージWSTを移動させるとともに、レチクルRの位置が加速開始位置となるように、レチクルステージRSTを移動させる。
そして、ステップ315では、レチクルステージRSTとウエハステージWSTの相対走査を開始する。そして両ステージがそれぞれの目標走査速度に達し、等速同期状態に達すると、照明系10からの照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が照明光ILで逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより走査露光が終了する。これにより、レチクルRのパターンが投影光学系PLを介してウエハW上の露光対象領域に縮小転写される。
ステップ317では、カウンタ値jを参照し、全てのショット領域に露光が行われたか否かを判断する。ここでは、j=1、すなわち、最初のショット領域に対して露光が行なわれたのみであるので、ステップ317での判断は否定され、ステップ319に移行する。
ステップ319では、カウンタjの値をインクリメント(+1)して、次のショット領域を露光対象領域とし、ステップ313に戻る。
以下、ステップ317での判断が肯定されるまで、ステップ313→ステップ315→ステップ317→ステップ319の処理、判断が繰り返される。
ウエハW上の全てのショット領域へのパターンの転写が終了すると、ステップ317での判断が肯定され、ステップ321に移行する。
ステップ321では、不図示のウエハローダにウエハWのアンロードを指示する。これにより、ウエハWは、不図示のウエハローダにより、ウエハホルダ25上からアンロードされた後、不図示のウエハ搬送系により、露光装置100にインラインにて接続されている不図示のコータ・デベロッパに搬送される。これにより、露光処理動作が終了する。
なお、さらに他のウエハを露光する場合には、ステップ307から処理を繰り返せば良い。
これまでの説明から明らかなように、本第1の実施形態では、主制御装置20が、本発明の最適化装置の作成装置、演算装置、及び決定装置に対応している。すなわち、主制御装置20のCPUが行う、ステップ405及びステップ407(図4)の処理によって作成装置の機能が実現され、ステップ409(図4)の処理によって演算装置の機能が実現され、ステップ413〜ステップ419(図4)の処理によって決定装置の機能が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。
以上詳細に説明したように、本第1の実施形態によれば、ステップ405において、EGA処理に用いられるEGA計測ショット領域の候補の中から、EGA計測ショット領域の候補の組合せを複数作成して、各組合せについてそれぞれEGA計算を行う。そして、ステップ407において、予想跳びショット数(r)分除いた組合せ(NCr)分作成される補正量ベクトルのベクトルマップと、ステップ403において作成された参照データ群としての補正量ベクトルの基準ベクトルマップとの相関係数を、ベクトル相関演算により算出する。さらに、ステップ413〜ステップ419において、算出された相関値に基づいて、EGA処理に用いられるEGA計測ショット領域の組合せを決定し、決定された組合せに基づいてショット領域SApのステージ座標系上の配列座標を算出する。
すなわち、本第1の実施形態では、ステップ403において、リジェクトすべきEGA計測ショット領域を含むすべてのEGA計測ショット領域を用いてEGA処理を行ったときに得られる基準ベクトルマップと、ステップ409において、予想跳びショット数分除いた組合せ分のベクトルマップとの相関情報に基づいて、EGA処理の処理結果を良好なものとするEGA計測ショット領域の組合せを決定することがができる。したがって、決定されたEGA計測ショット領域の組合せを用いてEGA処理を実行すれば、EGA処理の処理結果を良好なものとすることができる。すなわち、本第1の実施形態によれば、EGA処理に用いられるデータ(EGA計測ショット領域の位置情報)の選択を最適化することができる。
なお、ステップ411で、複数の組合せが抽出された場合には、ステップ417においては、抽出された組合せの中から、残留誤差(フィッティング誤差)が最も小さい組合せを選択すれば良い。
また、本第1の実施形態では、ステップ411において、ステップ409で求められた相関係数CV0の値が所定の閾値よりも低い組合せを抽出したが、本発明はこれに限定されるものではなく、相関係数CV0の値が最も低い組合せを抽出するようにしても良い。
また、ステップ411の代わりに、式(5)で示される共分散(内積和)ρV0の値が最も小さい組合せを選択し、その組合せ作成時に除外されたショット領域を跳びショット領域とするようにしても良い。
また、本第1の実施形態では、上記式(3)、式(4)、式(5)、式(6)を用いてベクトルマップの標準偏差、共分散(内積和)、相関係数を算出したが、これらの代わりに、以下の式(7)、式(8)、式(9)(式(10))、式(11)を用いても良い。
ただし、Φは、次式で示される。
すなわち、上記式(7)、式(8)は、補正量ベクトルの平均値によって規格化されたベクトルマップの標準偏差であり、式(9)は、補正量ベクトルの平均値によって規格化された基準ベクトルマップと各組合せの共分散(内積和)であり、式(11)は、それら規格化された標準偏差、共分散に基づく相関係数である。
また、本第1の実施形態では、ベクトル相関演算によって、ベクトルマップ同士の相関性を求めたが、EGA処理の結果得られる補正量を、ベクトルではなく、各軸のスカラ量とみなし、以下に示すスカラ相関演算により、スカラ量のデータ群、すなわちスカラマップ同士の相関性を求め、EGA計測ショット領域を最適化するようにしても良い。
ここで、σT0、σS0は、標準偏差であり、上記式(3)、式(4)を用いて算出する値と同じ値を用いることができる。
このように、本第1の実施形態では、EGA処理の結果得られるデータ(第2データ)を、ベクトルとみなし、ベクトル相関演算により、最適化処理を行っても良いし、そのデータをあくまでスカラ量とみなして、スカラ相関演算により、最適化処理を行っても良い。
また、本第1の実施形態では、リジェクトするショット領域の数を固定としたが、これには限らず、リジェクトするショット領域を順次変更して、図4のステップ401〜ステップ419の処理を繰り返し実行し、結果的に、最も残留誤差が少なかったショット領域の組合せを、EGA計測ショット領域の組合せとして採用するようにしても良い。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態を図7に基づいて説明する。この第2の実施形態では、本発明に係る最適化方法、及び露光方法が、前述の第1の実施形態と同一若しくは同等の露光装置を用いて行われる。したがって、以下においては、重複記載を防止する観点から、これらの装置及びそれぞれの構成各部については第1の実施形態と同一の符号を用いるとともに、上記第1の実施形態と処理内容が異なる、図7に示されるサブルーチン309のEGA処理についてのみ説明する。
次に、本発明の第2の実施形態を図7に基づいて説明する。この第2の実施形態では、本発明に係る最適化方法、及び露光方法が、前述の第1の実施形態と同一若しくは同等の露光装置を用いて行われる。したがって、以下においては、重複記載を防止する観点から、これらの装置及びそれぞれの構成各部については第1の実施形態と同一の符号を用いるとともに、上記第1の実施形態と処理内容が異なる、図7に示されるサブルーチン309のEGA処理についてのみ説明する。
なお、本第2の実施形態においても、EGA計測ショット領域の候補を、図2(A)に示される、ショット領域SA5,SA6,SA12,SA13,SA39,SA40,SA46,SA47とする。なお、本第2の実施形態では、このEGA計測ショット領域の候補の中から、予め跳びショット領域となりやすいショット領域と、そうでないショット領域とが、統計的又は経験的に求められており、上述したEGA計測ショット領域が、跳びショット領域となりにくい順に、それぞれG1,G2,G3,G4,G5,G6,G7,G8とされているものとする。
サブルーチン309では、図7に示されるように、まず、ステップ701において、マークの計測を行う。ここでは、まず、記憶装置から、1番目のEGA計測ショット領域、すなわちショット領域G1に関する情報、例えば設計上の位置情報を読み出し、その情報にもとづいて、1番目のEGA計測ショット領域G1に付設されたウエハXマークMXp、ウエハYマークMYpが、アライメント検出系ASの検出視野に位置するように、ウエハステージWSTを移動させる。そして、アライメント検出系ASから送られた検出結果(例えばそれらのマークを含む周辺の画像データに対応する信号)及び検出時のウエハ干渉計の計測値に基づいて、ステージ座標系上の位置座標の計測値を得る。さらに、例えば、前述の検出結果としての画像データに対する、テンプレートマッチングや、所定幅のウインドウの走査による鏡映対称性等の評価やその他の適切な検出処理(画像処理)等により、画像データ中におけるそれらのマークの位置情報を求め、その位置情報と、前述のウエハ干渉計18の計測値から、ウエハXマークMXp、ウエハYマークMYpのステージ座標系上の位置(計測値)を求める。次に、ステップ703において、(指定数−1)個以上のショット領域のマーク計測を行ったか否かを判断する。その判断が肯定されればステップ705に進み、判断が否定されれば、ステップ701に戻る。ここでは、まだ1番目のEGA計測ショット領域G1に付設されたマークが計測されただけなので、判断は否定され、ステップ701に戻る。
以降、ステップ703において、判断が肯定されるまで、すなわち(指定数−1)個以上のショット領域(G2,G3,…)のマーク計測が行われるまで、ステップ701→ステップ703の処理が繰り返し実行される。
(指定数−1)個のマーク計測が完了し、ステップ703において判断が肯定されると、ステップ705に進み、いままで計測されたショット領域のマークの位置情報に基づいて、EGA計算を行い、そのときの上記式(2)の評価関数Eを最小とするようなパラメータa、b、c、d、e、fの値を求める。そして、求められたパラメータa、b、c、d、e、fの値に基づいて各EGA計測ショット領域の候補G1〜G8におけるステージ座標系の位置座標の補正量を求め、補正量ベクトルのベクトルマップを作成する。作成されたベクトルマップは、記憶装置に記憶される。
次のステップ707では、さらに、まだ計測されていない1つのEGA計測ショット領域の候補に付設されたマークを計測し、ステップ709では、そのマークの計測値も含め今まで計測したショット領域のマークの計測値を用いて、改めてEGA計算を行い、そのときのベクトルマップを作成する。ここで作成されたベクトルマップも記憶装置に記憶される。なお、ステップ705で作成したベクトルマップを「前回のベクトルマップ」とし、このステップ709で作成されたベクトルマップを「今回のベクトルマップ」と呼ぶこととする。
次のステップ711において、今回のベクトルマップと、前回のベクトルマップとの相関値を算出する。ここでは、上記第1の実施形態と同様に、式(3)、式(4)、式(5)を計算して、今回のベクトルマップの標準偏差σS0、前回のベクトルマップの標準偏差σT0、ベクトルマップ間の共分散ρV0を求め、最終的に、式(6)を用いて各ベクトルマップの相関係数CV0を算出する。
次のステップ713では、ステップ711において算出された相関係数CV0が、指定上限値(第1閾値)以上であるか否かを判断する。もし、この相関係数CV0が高ければ、それは、前回のベクトルマップと今回のベクトルマップにほとんど変化が見られず、もうこれ以上計測点数を増やしても、EGA処理の処理結果に変化がないことを示している。したがって、その判断が肯定されれば、現在計測されているEGA計測ショット領域だけでEGA処理を行い、配列座標を算出するステップ725に進み、判断が否定されれば、新たに計測されたEGA計測ショット領域のマークを、EGA処理に用いるのか否かを判断する必要があるので、ステップ715に進む。ここでは、まだ、相関係数CV0が上限値以上でなく、ステップ715に進むものとして話を進める。
次のステップ715では、相関係数CV0が、指定下限値(第2閾値)以下であるか否かを判断する。ここで、その判断が否定された場合、すなわち、相関係数CV0が、指定下限値以下でないと判断された場合には、今回計測されたショット領域のマークを加えた場合に生じるベクトルマップの変化が、度を越えたものではないので、その今回計測されたマークが、跳びショット領域のマークではないと判断することができる。したがって、ここでの判断が否定された場合には、ステップ721に進み、ステップ721では、今回計測したEGA計測ショット領域(カレントショット領域)を、リジェクトしない(すなわちEGA処理に使用する)ことを決定し、さらにステップ723に進む。
一方、ステップ715において、判断が肯定され、相関係数CV0が、指定下限値以下であると判断された場合には、今回計測されたマークを加えた場合に生じるベクトルマップの変化が、度を越えた大きいものであると判断することができる。したがって、今回計測されたショット領域(カレントショット領域)のマークは、跳びショット領域のマークである可能性が高いので、そのときには、ステップ717に進む。ここでは、相関係数CV0が、指定下限値以下であり、ステップ717に進むものとして話を進める。
次のステップ717では、EGA処理の精度指標としての残留誤差が、前回のEGA計測ショット領域の組合せにおけるEGA処理より、増加しているか否かを判断する。ここでも、残留誤差としては、上記第1の実施形態と同様に、上記式(2)に示すフィッティング残差を用いることができる。すなわち、ここでは、今回計測されたEGA計測ショット領域(カレントショット領域)のマークをEGA処理に用いるマークとして用いることにより、残留誤差が増加していれば、ステップ719に進み、ステップ719において、今回のステップ707において計測されたマークをEGA処理に使用せず、カレントショット領域をリジェクトする。逆に、今回計測されたEGA計測ショット領域のマークをEGA処理に用いるマークとして用いることにより、残留誤差が減少していれば、精度指標が良好なものになっているとして、ステップ721において、今回ステップ707において計測対象となったショット領域(カレントショット領域)をEGA計測ショット領域として使用することを決定する。
ステップ719又はステップ721実行後、ステップ723に進む。ステップ723では、ショット領域のマークの計測を、指定数分実行したか否かを判断する。判断が肯定されれば、ステップ725に進み、判断が否定されれば、ステップ707に戻る。ここでは、EGA計測ショット領域の候補として8つのショット領域G1〜G8が選択されているので、上記指定数は8となり、計測されたショット領域の数が8を超えているか否かが判断基準となる。ここでは、計測したショット領域の数がまだ8に達しておらず、ステップ707に戻るものとして話を進める。
以降、指定数分のショット領域が計測されてステップ723又はステップ713において判断が肯定されるまで、ステップ707→ステップ709→ステップ711→ステップ713→ステップ715→ステップ717(ステップ715の判断によっては実行されない場合もある)→ステップ719(又はステップ721)→ステップ723の処理が繰り返される。
ステップ723で判断が肯定されるか、ステップ713において判断が肯定されると、ステップ725に進む。ステップ725では、すべてのEGA計測ショット領域の候補について、ステップ709又はステップ705において既に求められているEGAパラメータa、b、c、d、e、fに基づいて、ウエハW上の全てのショット領域のステージ座標系上における配列座標を算出する。ステップ725終了後、サブルーチン309の処理を終了する。
これまでの説明から明らかなように、本第2の実施形態では、主制御装置20が、本発明の最適化装置の作成装置、演算装置、及び追加装置に対応している。すなわち、主制御装置20のCPUが行う、図7のステップ701〜ステップ709の処理によって、作成装置の機能が実現され、ステップ711の処理によって演算装置の機能が実現され、ステップ713〜ステップ723の処理によって、追加装置の機能が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。
本第2の実施形態によれば、ステップ707、ステップ709において、EGA計測ショット領域の組合せに、EGA計測ショット領域の候補を追加することにより、EGA計測ショット領域の仮の組合せを作成する。そして、ステップ711において、そのEGA計測ショット領域の候補を追加する前の補正量のベクトルマップと、追加した後でのEGA計測ショット領域の仮の組合せでの補正量のベクトルマップとの相関度を示す相関情報としての相関係数CV0を算出する。
さらに、ステップ721において、算出された相関係数CV0が所定の条件を満たす場合、又はEGAの処理結果の精度指標である残留誤差の値が増加していない場合には、そのEGA計測ショット領域の候補を、EGA計測ショット領域の組合せに追加する。このようにすれば、その相関係数CV0等に基づいて、跳びショット領域を、EGA計測ショット領域の組合せに加えないようにすることができるとともに、EGA計測ショット領域の候補を1つずつ跳びショット領域であるか否かを判定していくようになるため、EGA処理に用いるEGA計測ショット領域の数も、最適化することができるようになる。
なお、本第2の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、上記式(3)、式(4)、式(5)、式(6)を用いてベクトルマップの標準偏差、共分散(内積和)、相関係数を算出したが、それらの式の代わりに、上記式(7)、式(8)、式(9)(式(10))、式(11)を用いても良い。すなわち、上記(7)、式(8)、式(9)(式(10))、式(11)は、補正量ベクトルの平均値によって規格化されたベクトルマップの標準偏差、共分散(内積和)、相関係数である。
また、本第2の実施形態では、ベクトル相関演算によって、ベクトルマップの相関性を求めたが、上記第1の実施形態と同様に、スカラ相関演算により、相関性を求めるようにしても良い。すなわち、本第2の実施形態では、EGA処理によって得られる補正量のデータを、ベクトルとみなし、ベクトル相関演算により、最適化処理を行っても良いし、そのデータをあくまでスカラ量とみなして、スカラ相関演算により、最適化処理を行っても良い。
また、本第2の実施形態では、ステップ701→ステップ703のループ処理において、EGA計算に必ず用いる所定数のショット領域に付設されたマークを計測するようにしたが、これらのマークをリジェクトした方が、残留誤差が減少する場合には、そのマークを、リジェクトするようにしても良い。
なお、上記各実施形態では、各EGA計測ショット領域の補正量ベクトルの相関性を計算したが、これには限られず、補正後の各ショット領域におけるフィッティング残差ベクトルのベクトルマップ(又はスカラマップ)の相関性に基づいて、EGA計測ショット領域(の位置情報データ)の組合せの最適化を行っても構わない。
また、上記各実施形態では、EGA計測ショット領域についての補正量の相関演算を行ったが、すべてのショット領域SA1〜SA51の補正量やフィッティング残差の相関性に基づいて、最適化を行っても良い。なお、すべてのショット領域のフィッティング誤差に基づいて最適化を行うためには、予めすべてのショット領域のステージ座標系上の位置を計測しておく必要がある。
さらに、上記各実施形態では、通常のEGA方式に適用する場合について説明を行ったが、例えば特開平5−304077号公報などに詳細に開示されるいわゆる重み付けEGA方式に本発明を適用することができるし、あるいは例えば特開平6−349705号公報などに開示されるいわゆるショット内多点EGA方式等に本発明を適用することもできる。
重み付けEGA方式では、ウエハ上の複数のショット領域のうち、予め選択された少なくとも3つのサンプルショット領域のステージ座標系上における位置座標を計測する。次いで、ウエハ上のショット領域毎に、該ショット領域(その中心点)とサンプルショット領域(その中心点)の各々との間の距離に応じて、あるいはショット領域とウエハ上で予め規定された所定の着目点との間の距離と、該着目点とサンプルショット領域の各々との間の距離とに応じて、サンプルショット領域のステージ座標系上における位置座標の各々に重み付けを行い、かつこの重み付けされた複数の位置座標を用いて統計演算(最小自乗法、又は単純な平均化処理等)を行うことにより、ウエハ上の複数のショット領域の各々のステージ座標系上における位置座標を決定する。そして、決定された位置座標に基づいて、ウエハ上に配列された複数のショット領域の各々を、ステージ座標系内の所定の基準位置に対して位置合わせをする。この重み付けEGA方式においても、本発明を適用することにより、跳びショット領域をリジェクトし、跳びショット領域以外のEGA計測ショット領域に関して重み付けEGAを行えば、さらなる重ね合わせ精度の高精度化が見込める。
また、ショット内多点EGA方式では、サンプルショット領域毎に複数のアライメントマークを検出してX、Y座標をそれぞれ複数個ずつ得るようにし、EGA方式で用いられるウエハの伸縮、回転等に対応するウエハパラメータの他に、ショット領域の回転誤差、直交度、及びスケーリングに対応するショットパラメータ(チップパラメータ)の少なくとも1つをパラメータとして含むモデル関数を用いて各ショット領域の位置情報、例えば座標値を算出する。そして、決定された位置座標に基づいて、ウエハ上に配列された複数のショット領域の各々を、ステージ座標系内の所定の基準位置に対して位置合わせをする。このショット内多点EGA方式においても、本発明の適用による、跳びショット領域の最適なリジェクトが、十分な効果を発揮する。この場合、アライメントマーク毎に最適なリジェクトが行える。
また、特開平5−114545号公報等に開示されているような、2次のEGAに対しても、本発明を適用することができる。また、3次以上の高次EGAに対しても本発明を適用できる。
さらに、上記各実施形態ではEGA方式の使用を前提としたが、いかなるアライメント方式(例えば、ダイ・バイ・ダイ(D/D)アライメント等)でも良いし、アライメントマークが各ショット領域に付設されていなくても良く、例えばウエハの周辺部に離散的に形成される複数のアライメントマークを用いても良い。
また、上記各実施形態ではEGA方式の使用を前提としたが、計測対象の候補となるアライメントマークの中から、計測対象となるアライメントマークを選択するアライメント方式であれば、いかなるアライメント方式でも本発明を適用することができる。例えば、国際公開公報WO98/39689に開示されているような、複数の回折次数光を検出できるようなアライメント方式にも適用することも可能である。
また、上記各実施形態では、アライメント検出系ASとして、FIA方式のアライメントセンサを用いたが、前述したように、レーザ光をウエハW上の点列状のアライメントマークに照射し、そのマークにより回折又は散乱された光を用いてマーク位置を検出するLSA(Laser Step Alignment)方式のアライメントセンサや、そのアライメントセンサと上記FIA方式とを適宜組み合わせたアライメントセンサにも本発明を適用することは可能である。また、例えばコヒーレントな検出光を被検面のマークに照射し、そのマークから発生する2つの回折光(例えば同次数)を干渉させて検出するアライメントセンサを、単独で、あるいは上記FIA方式、LSA方式などと適宜組み合わせたアライメントセンサに本発明を適用することも勿論可能である。
なお、アライメント検出系はオン・アクシス方式(例えばTTL(Through The Lens)方式など)でも良い。また、アライメント検出系は、アライメント検出系の検出視野内にアライメントマークをほぼ静止させた状態でその検出を行うものに限られるものではなく、アライメント検出系から照射される検出光とアライメントマークとを相対移動させる方式であっても良い(例えば前述のLSA系や、ホモダインLIA系など)。かかる検出光とアライメントマークとを相対移動させる方式の場合には、その相対移動方向を、前述の各アライメントマークを検出する際のウエハステージWSTの移動方向と同一方向とすることが望ましい。
また、上記各実施形態では、EGAに本発明を適用したが、これには限られず、例えば、物体としてのウエハのフラットネス(平坦度)を計測する処理に対しても適用することが可能である。
例えば、まず、ウエハの表面上の異なる複数の計測点におけるウエハの表面高さを計測する。そして、すべての計測点i(i=1〜N)における計測値を用いて、最小二乗法等により、ウエハの近似曲面を求める。さらに、全計測点における近似曲線の高さを求め、それぞれの値をTiとする。そして、すべての計測点1〜Nの中から、任意の幾つかの計測点における計測値をリジェクトし、残りの計測点における計測値を用いて、改めて最小二乗法等により、ウエハの近似曲面を求め、各計測点iの近似曲面の高さSiを求める。
そして、以下の式(14)、式(15)を計算してスカラ相関演算を行い、相関係数CF0を求める。
このようにすれば、精度が悪い計測点iの計測値を、ウエハのフラットネスを計測する処理から除外して、ウエハのフラットネスを示す曲面を求めることができる。したがって、この精度良く求められた曲面を参考にして、投影光学系PLに対するウエハのZ軸方向の位置を制御しつつ、パターンの転写を行えば、露光の高精度化を実現することが可能となる。
また、上記各実施形態では、本発明がステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置に適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないのは勿論である。すなわち、ステップ・アンド・リピート方式、ステップ・アンド・スティッチ方式、ミラープロジェクション・アライナー、及びフォトリピータなどにも好適に適用することができる。さらに、投影光学系PLは、屈折系、反射屈折系、及び反射系のいずれでもよいし、縮小系、等倍系、及び拡大系のいずれでも良い。
さらに、本発明が適用される露光装置の光源は、KrFエキシマレーザやArFエキシマレーザ、F2レーザとしたが、他の真空紫外域のパルスレーザ光源であっても良い。この他、露光用照明光として、例えば、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系、並びにアライメント検出系ASを露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記各実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
なお、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシン及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用することができる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、ホタル石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
また、本発明に係る最適化方法は、露光装置に限らず、物体上の複数のマークを順次検出し、それらのマークの検出結果を用いた所定の処理を行うものであれば、本発明を適用して同様の効果を得ることができる。
《デバイス製造方法》
次に、上述した露光装置100をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
次に、上述した露光装置100をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図8には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図8に示されるように、まず、ステップ801(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ802(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ803(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ804(ウエハ処理ステップ)において、ステップ801〜ステップ803で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ805(デバイス組立てステップ)において、ステップ804で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ805には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ806(検査ステップ)において、ステップ805で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図9には、半導体デバイスにおける、上記ステップ804の詳細なフロー例が示されている。図9において、ステップ811(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ812(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ813(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ814(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ811〜ステップ814それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ815(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ816(露光ステップ)において、上記各実施形態の露光装置100を用いてマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ817(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ818(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ819(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ816)において上記各実施形態の露光装置100が用いられるので、高精度な露光を実現することができる。この結果、より高集積度のデバイスの生産することが可能になる。
以上説明したように、本発明の最適化方法及び装置、露光方法及び装置、プログラム及び情報記録媒体によれば、上述のEGA方式のアライメントのような所定の処理を最適化し、高精度な重ね合わせ露光をするのに適しており、また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの生産に適している。
20…主制御装置(最適化装置、作成装置、演算装置、決定装置、作成装置、追加装置)、100…露光装置、AS…アライメント検出系、MXp,MYp…アライメントマーク(マーク)、G1〜G8,SA1〜SA51…ショット領域、W…ウエハ(物体)、WST…ウエハステージ(移動体)。
Claims (63)
- 所定の処理に用いられる複数のデータの選択を最適化する最適化方法であって、
複数の第1データの候補の中から、前記所定の処理に用いられる第1データの候補の組合せを複数作成する第1工程と;
前記作成された各組合せに含まれる第1データの候補を用いて前記所定の処理をそれぞれ行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、複数の参照データから成る参照データ群との相関度を示す相関情報を、所定の相関演算により算出する第2工程と;
前記算出された相関情報に基づいて、前記第1データの候補の複数の組合せの中から前記所定の処理に用いられる第1データの組合せを決定する第3工程と;を含む最適化方法。 - 前記所定の相関演算は、前記各第2データをベクトル量とみなして、前記相関情報を演算するベクトル相関演算であることを特徴とする請求項1に記載の最適化方法。
- 前記所定の相関演算は、前記各第2データをスカラ量とみなして、前記相関情報を演算するスカラ相関演算であることを特徴とする請求項1に記載の最適化方法。
- 前記第2工程に先立って、
前記複数の第1データの候補すべてを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群を作成する第4工程をさらに含み、
前記第2工程では、
前記第4工程で作成されたデータ群を、前記参照データ群として用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の最適化方法。 - 前記第3工程では、
所定の条件を満たす組合せがある場合には、その組合せを、前記所定の処理に用いられる複数の第1データの組合せとし、
前記所定の条件を満たす組合せがない場合には、前記複数の第1データの候補すべてを、前記所定の処理に用いる第1データとすることを特徴とする請求項4に記載の最適化方法。 - 前記相関情報は、前記複数の第2データから成るデータ群と、前記参照データ群との相関係数を含むことを特徴とする請求項5に記載の最適化方法。
- 前記所定の条件は、
前記相関係数が所定の閾値よりも低いこと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の最適化方法。 - 前記所定の条件は、
前記第1工程で作成された複数の組合せの中で、前記第2工程において算出された相関係数が最も低い組合せであること、を含むことを特徴とする請求項6に記載の最適化方法。 - 前記所定の条件は、
前記組合せに含まれる複数の第1データの候補を用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標が、前記複数の第1データの候補すべてを用いて前記所定の処理を行ったときの処理結果の精度指標よりも良好であること、をさらに含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の最適化方法。 - 前記相関係数は、前記第2データの平均値により、規格化された相関係数であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の最適化方法。
- 前記第1工程では、
前記複数の第1データのすべての候補から、所定数の第1データの候補を取り除くことによって、前記第1データの候補の組合せを複数作成することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の最適化方法。 - 所定の処理に用いられる複数のデータの選択を最適化する最適化方法であって、
前記所定の処理に用いられる複数の第1データの組合せに、新たな第1データの候補を追加することにより、第1データの仮の組合せを作成する第1工程と;
前記作成された仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、前記第1データの候補を追加する前の前記第1データの組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群との相関度を示す相関情報を、所定の相関演算により算出する第2工程と;
前記算出された相関情報に基づいて、所定の条件が満たされた場合には、前記第1データの候補を、前記第1データの組合せに追加する第3工程と;を含む最適化方法。 - 前記相関情報が示す値が、所定の値以上となるまで、前記第1工程と、前記第2工程と、前記第3工程とを繰り返し実行することを特徴とする請求項12に記載の最適化方法。
- 前記所定の相関演算は、前記各第2データをベクトル量として、前記相関情報を演算するベクトル相関演算であることを特徴とする請求項12又は13に記載の最適化方法。
- 前記所定の相関演算は、前記各第2データをスカラ量として、前記相関情報を演算するスカラ相関演算であることを特徴とする請求項12又は13に記載の最適化方法。
- 前記相関情報は、
前記第1データの候補を追加する前の前記組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、前記仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群との相関係数を含むことを特徴とする請求項12〜15のいずれか一項に記載の最適化方法。 - 前記所定の条件は、
前記第2工程で算出された相関係数が、第1閾値以上でないこと、を含むことを特徴とする請求項16に記載の最適化方法。 - 前記所定の条件は、
前記第2工程で算出された相関係数が、前記第1閾値よりも小さい所定の第2閾値以下でないこと、をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の最適化方法。 - 前記所定の条件は、
前記作成された仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標が、前記第1データの候補を追加する前の前記組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標よりも良好であること、をさらに含むことを特徴とする請求項17又は18に記載の最適化方法。 - 前記相関係数を、前記第2データの平均値により、規格化された相関係数とすることを特徴とする請求項16〜19のいずれか一項に記載の最適化方法。
- 前記所定の処理は、物体を載置する移動体の移動位置を規定する第1座標系と、前記物体上に形成された複数の領域の配列によって規定される第2座標系とのずれに関する複数の誤差情報を検出する処理であり、
前記複数の第1データの候補は、前記複数の領域の少なくとも一部の前記第1座標系上の位置情報の計測値であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の最適化方法。 - 前記第2データは、前記各誤差情報に基づく前記複数の領域それぞれの前記第1座標系上の位置情報における設計値からの補正量であることを特徴とする請求項21に記載の最適化方法。
- 前記第2データは、前記各誤差情報に基づいて補正された前記複数の領域それぞれの前記第1座標系上の位置情報と、前記第1座標系上の該位置情報の計測値との残差であることを特徴とする請求項21に記載の最適化方法。
- 前記所定の処理は、物体の表面の平坦度を検出する処理であり、
前記複数の第1データの候補は、前記物体の表面上の異なる複数の計測点における前記物体の表面高さの計測値であり、
前記第2データは、前記各計測点における前記物体の表面高さの計測値に基づいて求められた、前記物体の表面を示す曲面上の前記各計測点における高さであることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の最適化方法。 - 基板上に形成された複数の領域にそれぞれ付設されたマークの位置情報の計測値を、それぞれ第1データの候補として、請求項21〜23のいずれか一項に記載の最適化方法を実行し、前記複数のマークの位置情報の中から、前記第1データとしてのマークの位置情報を抽出する工程と;
前記抽出されたマークの位置情報に基づいて、前記基板を載置する移動体の移動位置を規定する第1座標系と、前記複数の領域の配列によって規定される第2座標系とのずれを示す複数の誤差情報を検出する工程と;
前記検出結果に基づいて前記基板の位置制御を行いつつ、所定パターンを前記基板に転写する工程と;を含む露光方法。 - 基板の表面上の異なる複数の計測点における前記基板の表面高さの計測値を、それぞれ第1データの候補として、請求項24に記載の最適化方法を実行し、前記複数の計測点における前記基板の表面高さの計測値の中から、第1データとしての前記基板の表面高さの計測値を抽出する工程と;
前記抽出された各計測点における前記基板の表面高さの計測値に基づいて、前記基板の平坦度を求める工程と;
前記求められた平坦度に基づいて前記基板の位置制御を行いつつ、所定パターンを前記基板に転写する工程と;を含む露光方法。 - リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法において、
前記リソグラフィ工程では、請求項25又は26に記載の露光方法を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。 - 所定の処理に用いられる複数のデータの選択を最適化する最適化装置であって、
複数の第1データの候補の中から、前記所定の処理に用いられる第1データの候補の組合せを複数作成する作成装置と;
前記作成された組合せに含まれる第1データの候補を用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、複数の参照データから成る参照データ群との相関度を示す相関情報を、所定の相関演算により算出する演算装置と;
前記算出された相関情報に基づいて、前記所定の処理に用いられる第1データの組合せを決定する決定装置と;を備える最適化装置。 - 前記所定の相関演算は、前記各第2データをベクトル量とみなして、前記相関情報を演算するベクトル相関演算であることを特徴とする請求項28に記載の最適化装置。
- 前記所定の相関演算は、前記各第2データをスカラ量とみなして、前記相関情報を演算するスカラ相関演算であることを特徴とする請求項28に記載の最適化装置。
- 前記決定装置は、
所定の条件を満たす組合せがある場合には、その組合せを、前記所定の処理に用いられる複数の第1データの組合せとし、
前記所定の条件を満たす組合せがない場合には、前記複数の第1データの候補すべてを、前記所定の処理に用いる第1データとし、
前記相関情報は、前記複数の第2データから成るデータ群と、前記参照データ群との相関係数を含むことを特徴とする請求項28〜30のいずれか一項に記載の最適化装置。 - 前記所定の条件は、
前記演算装置において求められた相関係数が所定の閾値よりも低いこと、を含むことを特徴とする請求項31に記載の最適化装置。 - 前記所定の条件は、
前記作成装置によって作成された複数の組合せの中で、前記演算装置において算出された相関係数が最も低い組合せであること、を含むことを特徴とする請求項31に記載の最適化装置。 - 前記相関係数は、前記第2データの平均値により、規格化された相関係数であることを特徴とする請求項31〜33のいずれか一項に記載の最適化装置。
- 所定の処理に用いられる複数のデータの選択を最適化する最適化装置であって、
前記所定の処理に用いられる複数の第1データの組合せに、新たな第1データの候補を追加することにより、第1データの仮の組合せを作成する作成装置と;
前記作成された仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、前記第1データの候補を追加する前の前記第1データの組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群との相関値を示す相関情報を、所定の相関演算により算出する演算装置と;
前記算出された相関情報に基づいて、所定の条件が満たされた場合には、前記第1データの候補を、前記第1データの組合せに追加する追加装置と;を備える最適化装置。 - 前記相関情報が示す値が、所定の値以上となるまで、前記作成装置による前記仮の組合せの作成と、前記演算装置による前記相関情報の算出と、前記追加装置による追加とを繰り返し実行することを特徴とする請求項35に記載の最適化装置。
- 前記所定の相関演算は、前記各第2データをベクトル量として、前記相関情報を演算するベクトル相関演算であることを特徴とする請求項35又は36に記載の最適化装置。
- 前記所定の相関演算は、前記各第2データをスカラ量として、前記相関情報を演算するスカラ相関演算であることを特徴とする請求項35又は36に記載の最適化装置。
- 前記相関情報は、
前記第1データの候補を追加する前の前記組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、前記仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群との相関係数であることを特徴とする請求項35〜38のいずれか一項に記載の最適化装置。 - 前記所定の条件は、
前記演算装置で算出された相関情報が示す値が、第1閾値以上でないことと、
前記演算装置で算出された相関情報が示す値が、前記第1閾値よりも小さい第2閾値以下でないことと、
前記作成された仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標が、前記第1データの候補を追加する前の前記組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標よりも良好であることとの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項39に記載の最適化装置。 - 前記相関係数を、前記第2データの平均値により、規格化された相関係数とすることを特徴とする請求項39又は40に記載の最適化装置。
- 前記所定の処理は、物体を載置する移動体の移動位置を規定する第1座標系と、前記物体上に形成された複数の領域の配列によって規定される第2座標系とのずれを示す複数の誤差情報を検出する処理であり、
前記複数の第1データの候補は、前記複数の領域の少なくとも一部の前記第1座標系上の位置情報の計測値であることを特徴とする請求項28〜41のいずれか一項に記載の最適化装置。 - 前記第2データは、前記各誤差情報に基づく前記複数の領域それぞれの前記第1座標系上の位置情報に関する設計値からの補正量であることを特徴とする請求項42に記載の最適化装置。
- 前記第2データは、前記各誤差情報に基づいて補正された前記複数の領域それぞれの前記第1座標系上の位置情報と、前記第1座標系上の該位置情報の計測値との残差であることを特徴とする請求項42に記載の最適化装置。
- 前記所定の処理は、物体の表面の平坦度を検出する処理であり、
前記複数の第1データの候補は、前記物体の表面上の異なる複数の計測点における前記物体の表面高さの計測値であり、
前記第2データは、前記各計測点における前記物体の表面高さの計測値に基づいて求められた、前記物体の表面を示す曲面上の前記各計測点における高さであることを特徴とする請求項28〜41のいずれか一項に記載の最適化装置。 - 基板上に形成された複数の領域にそれぞれ付設されたマークの位置情報の計測値を、それぞれ第1データの候補として、前記複数のマークの位置情報の中から、前記第1データとしてのマークの位置情報を抽出する請求項42〜44のいずれか一項に記載の最適化装置と;
前記抽出されたマークの位置情報に基づいて、前記基板を載置する移動体の移動位置を規定する第1座標系と、前記複数の領域の配列によって規定される第2座標系とのずれを示す複数の誤差情報を検出する検出装置と;
前記検出装置の検出結果に基づいて前記基板の位置制御を行いつつ、所定パターンを前記基板に転写する転写装置と;を備える露光装置。 - 基板の表面上の異なる複数の計測点における前記基板の表面高さの計測値を、それぞれ第1データの候補として、前記複数の計測点における前記基板の表面高さの計測値の中から、第1データとしての前記基板の表面高さの計測値を抽出する請求項45に記載の最適化装置と;
前記抽出された各計測点における前記基板の表面高さの計測値に基づいて、前記基板の平坦度を求める算出装置と;
前記検出結果に基づいて前記基板の位置制御を行いつつ、所定パターンを前記基板に転写する転写装置と;を備える露光装置。 - 所定の処理に用いられる複数のデータの選択を最適化する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
複数の第1データの候補の中から、前記所定の処理に用いられる第1データの候補の組合せを複数作成する第1手順と;
前記作成された組合せに含まれる第1データの候補を用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、複数の参照データから成る参照データ群との相関度を示す相関情報を、所定の相関演算により算出する第2手順と;
前記算出された相関情報に基づいて、前記所定の処理に用いられる第1データの組合せを決定する第3手順と;を前記コンピュータに実行させるプログラム。 - 前記第2手順では、
前記所定の相関演算として、前記各第2データをベクトル量とみなして前記相関情報を演算するベクトル相関演算を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項48に記載のプログラム。 - 前記第2手順では、
前記所定の相関演算として、前記各第2データをスカラ量とみなして前記相関情報を演算するスカラ相関演算を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項48に記載のプログラム。 - 前記第2手順に先立って、
前記複数の第1データの候補すべてを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群を作成する第4手順をさらに前記コンピュータに実行させ、
前記第4手順で作成されたデータ群を前記参照データ群として、前記第2手順を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項48〜50のいずれか一項に記載のプログラム。 - 所定の条件を満たす組合せがある場合には、その組合せを、前記所定の処理に用いられる複数の第1データの組合せとし、
前記所定の条件を満たす組合せがない場合には、前記複数の第1データの候補すべてを、前記所定の処理に用いる第1データとするように前記第3手順を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項51に記載のプログラム。 - 前記相関情報は、前記複数の第2データから成るデータ群と、前記参照データ群との相関係数を含むことを特徴とする請求項51に記載のプログラム。
- 前記所定の条件は、
前記第2手順において算出された相関係数が所定の閾値よりも低いこと、を含むことを特徴とする請求項53に記載のプログラム。 - 前記所定の条件は、
前記第1手順で作成された複数の組合せの中で、前記第2手順において算出された相関係数が最も低い組合せであること、を含むことを特徴とする請求項53に記載のプログラム。 - 前記所定の条件は、
前記組合せに含まれる複数の第1データの候補を用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標が、前記複数の第1データの候補すべてを用いて前記所定の処理を行ったときの処理結果の精度指標よりも良好であること、をさらに含むことを特徴とする請求項54又は55に記載のプログラム。 - 所定の処理に用いられる複数のデータの選択を最適化する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記第1データの組合せに、第1データの候補を追加することにより、第1データの仮の組合せを作成する第1手順と;
前記作成された仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、前記第1データの候補を追加する前の前記第1データの組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群との相関度を示す相関情報を、所定の相関演算により算出する第2手順と;
前記算出された相関情報に基づいて、所定の条件が満たされた場合には、前記第1データの候補を、前記第1データの組合せに追加する第3手順と;をコンピュータに実行させるプログラム。 - 前記相関情報が示す値が、所定の値以上となるまで、前記第1手順と、前記第2手順と、前記第3手順とを繰り返し前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項57に記載のプログラム。
- 前記所定の相関演算は、前記各第2データをベクトル量として前記相関情報を演算するベクトル相関演算であることを特徴とする請求項57又は58に記載のプログラム。
- 前記所定の相関演算は、前記各第2データをスカラ量として前記相関情報を演算するスカラ相関演算であることを特徴とする請求項57又は58に記載のプログラム。
- 前記相関情報は、
前記第1データの候補を追加する前の前記組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群と、前記仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合に作成される複数の第2データから成るデータ群との相関係数であり、
前記所定の条件は、
前記第2手順で算出された相関情報が示す値が、第1閾値以上でないこと、を含むことを特徴とする請求項57〜60のいずれか一項に記載のプログラム。 - 前記所定の条件は、
前記作成された仮の組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標が、前記第1データの候補を追加する前の前記組合せに含まれる第1データを用いて前記所定の処理を行った場合の処理結果の精度指標よりも良好であること、をさらに含むことを特徴とする請求項61に記載のプログラム。 - 請求項48〜62のいずれか一項に記載のプログラムが記録されたコンピュータによる読み取りが可能な情報記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003295191A JP2005064369A (ja) | 2003-08-19 | 2003-08-19 | 最適化方法、露光方法、最適化装置、露光装置、デバイス製造方法、及びプログラム、並びに情報記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003295191A JP2005064369A (ja) | 2003-08-19 | 2003-08-19 | 最適化方法、露光方法、最適化装置、露光装置、デバイス製造方法、及びプログラム、並びに情報記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005064369A true JP2005064369A (ja) | 2005-03-10 |
Family
ID=34371515
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003295191A Pending JP2005064369A (ja) | 2003-08-19 | 2003-08-19 | 最適化方法、露光方法、最適化装置、露光装置、デバイス製造方法、及びプログラム、並びに情報記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005064369A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006269867A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Canon Inc | 露光装置 |
JP2009117491A (ja) * | 2007-11-02 | 2009-05-28 | Canon Inc | 位置合わせ方法、位置合わせ装置、露光方法、露光装置及びデバイス製造方法 |
CN110799902A (zh) * | 2017-08-29 | 2020-02-14 | 极光先进雷射株式会社 | 数据分析装置、半导体制造系统、数据分析方法和半导体制造方法 |
CN116736508A (zh) * | 2023-08-16 | 2023-09-12 | 苏州高视半导体技术有限公司 | 晶圆对焦方法、电子设备及存储介质 |
-
2003
- 2003-08-19 JP JP2003295191A patent/JP2005064369A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006269867A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Canon Inc | 露光装置 |
JP2009117491A (ja) * | 2007-11-02 | 2009-05-28 | Canon Inc | 位置合わせ方法、位置合わせ装置、露光方法、露光装置及びデバイス製造方法 |
CN110799902A (zh) * | 2017-08-29 | 2020-02-14 | 极光先进雷射株式会社 | 数据分析装置、半导体制造系统、数据分析方法和半导体制造方法 |
CN116736508A (zh) * | 2023-08-16 | 2023-09-12 | 苏州高视半导体技术有限公司 | 晶圆对焦方法、电子设备及存储介质 |
CN116736508B (zh) * | 2023-08-16 | 2023-11-28 | 苏州高视半导体技术有限公司 | 晶圆对焦方法、电子设备及存储介质 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4400745B2 (ja) | 露光方法及びデバイス製造方法、露光装置、並びにプログラム | |
US20060040191A1 (en) | Detection method for optimum position detection formula, alignment method, exposure method, device production method, device, and measurement and/or inspection apparatus | |
JP4905617B2 (ja) | 露光方法及びデバイス製造方法 | |
JP2010186918A (ja) | アライメント方法、露光方法及び露光装置、デバイス製造方法、並びに露光システム | |
JP5428671B2 (ja) | 露光方法、デバイス製造方法、及び露光システム | |
JP4434372B2 (ja) | 投影露光装置およびデバイス製造方法 | |
JP2009200122A (ja) | 露光装置およびデバイス製造方法 | |
JP2011119457A (ja) | 位置合わせ条件最適化方法及びシステム、パターン形成方法及びシステム、露光装置、デバイス製造方法、並びに重ね合わせ精度評価方法及びシステム | |
JPWO2004092865A1 (ja) | 選出方法、露光方法、選出装置、露光装置、並びにデバイス製造方法 | |
JP2004200632A (ja) | 位置検出方法、露光方法及び露光装置、デバイス製造方法、並びにプログラム及び情報記録媒体 | |
JP5838594B2 (ja) | ダブルパターニング最適化方法及びシステム、パターン形成方法、露光装置、並びにデバイス製造方法 | |
JP4596166B2 (ja) | 位置検出方法、露光方法、位置検出装置、露光装置及びデバイス製造方法 | |
JP2005310832A (ja) | ステージ制御方法、露光方法及びステージ装置 | |
JP2006148013A (ja) | 位置合わせ方法及び露光方法 | |
JP2005064369A (ja) | 最適化方法、露光方法、最適化装置、露光装置、デバイス製造方法、及びプログラム、並びに情報記録媒体 | |
JP5105135B2 (ja) | 推定方法、露光方法、デバイス製造方法、検査方法、デバイス製造装置、及びプログラム | |
JP2006294854A (ja) | マーク検出方法、位置合わせ方法、露光方法、プログラム及びマーク計測装置 | |
JP4251295B2 (ja) | 露光装置、露光方法及びデバイス製造方法 | |
JP2006108533A (ja) | 位置検出方法及び露光方法 | |
JP2005116580A (ja) | 位置検出装置及び方法、露光装置及び方法、並びにデバイス製造方法 | |
JP4332891B2 (ja) | 位置検出装置、位置検出方法、及び露光方法、並びにデバイス製造方法 | |
JP2004087562A (ja) | 位置検出方法及びその装置、露光方法及びその装置、並びにデバイス製造方法 | |
JP2003197504A (ja) | 露光方法及びデバイス製造方法 | |
TWI811952B (zh) | 度量衡方法及設備 | |
JPH11265844A (ja) | 露光装置及びそれを用いたデバイスの製造方法 |