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JP2005053736A - 2鎖型フルオロカーボンシランカップリング剤を用いた疎水化処理粉末及びこれを配合した皮膚外用剤 - Google Patents

2鎖型フルオロカーボンシランカップリング剤を用いた疎水化処理粉末及びこれを配合した皮膚外用剤 Download PDF

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JP2005053736A
JP2005053736A JP2003285820A JP2003285820A JP2005053736A JP 2005053736 A JP2005053736 A JP 2005053736A JP 2003285820 A JP2003285820 A JP 2003285820A JP 2003285820 A JP2003285820 A JP 2003285820A JP 2005053736 A JP2005053736 A JP 2005053736A
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Japan
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powder
hydrophobized
integer
titanium oxide
skin
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Application number
JP2003285820A
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English (en)
Inventor
Shuji Nishihama
脩二 西浜
Hideo Sawada
英夫 沢田
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Shiseido Co Ltd
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Shiseido Co Ltd
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Abstract

【課題】 経時での疎水化物質の剥がれが少ない疎水化処理粉末を提供すること。また、油中で、特に皮膚外用剤に多用されるシリコーン油での分散性に優れた疎水化処理粉末を提供すること。さらに、これらの疎水化処理粉末を配合した皮膚外用剤を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(I)の化合物を用いて粉末を被覆処理したことを特徴とする疎水化処理粉末である。
Figure 2005053736

(式中、RFは(CF2)pZまたはCF(CF3)(OCF2CF(CF3))qOC3F7を示す。ただしZは水素原子、フッ素原子または塩素原子を示し、pは1〜10の整数を、qは0〜8の整数を示す。また、X、Y、Rは各々同一もしくは異なる基であって、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルカルボニルオキシ基を示す。またkは0〜10の整数を、mは1〜10の整数を、nは1〜3の整数を示す。)
また、400nm透過率/300nmの透過率の値が20以上であり、粉末が酸化チタンであることを特徴とする疎水化処理粉末である。
さらに、上記疎水化処理粉末を配合したことを特徴とする皮膚外用剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、粉末の表面を疎水化処理して、粉末の耐水性を高める技術及び油中での分散性を高める技術に関する。本発明の疎水化処理粉末は、化粧料等の皮膚外用剤に好ましく配合される。
粉末の表面を疎水化処理して、耐水性を高める技術及び油に対する分散性を高める技術は古くから行われている。
例えば、脂肪酸処理を施した酸化チタン疎水化処理粉末に関する特許が出願されている(特許文献1、特許文献2等)。
また、シリコーン処理を施した疎水化処理粉末に関する特許が出願されている(特許文献3、特許文献4等)。
フッ素系の疎水化処理剤も多く用いられている。例えば、パーフルオロアルキル基を有するフッ素変性オルガノ水素ポリシロキサンで表面処理した疎水化処理粉末に関する特許が出願されている(特許文献5等)。
また、パーフルオロアルキルリン酸を用いた疎水化処理粉末に関する特許が出願されている。(特許文献6、特許文献7、特許文献8等)。
本発明は、2鎖型フルオロカーボンシランカップリング剤を用いた疎水化処理粉末に関する発明である。
本発明に用いる2鎖型フルオロカーボンシランカップリング剤は、特許文献9の「フルオロアルキル基含有有機ケイ素オリゴマー及びその製造方法」に記載されている化合物である。
なお、特許文献9には、その第2頁上覧(明細書第3〜4頁)に、「医薬、農薬等の合成中間体、半導体デバイスの生産工程におけるレジスト等の密着性向上剤、光学レンズ、眼鏡用レンズ、ガラス器具等の表面における撥水撥油性及び防汚染性等の付与のための表面処理剤、更には離型性を付与する材料等の分野において幅広く利用されている。」と記載されていて、該化合物の疎水化処理粉末や皮膚外用剤への用途については一切記載されていない。また、該化合物を利用した具体的な応用例や実施例も一切記載されていない。
特開平10−139434号公報 特開平6−49388号公報 特開平8−92484号公報 特開平10−279826号公報 特開平6−23262号公報 特開平6−87873号公報 特開平5−93153号公報 特開平5−1080号公報 特開平4−193887号公報
従来、W/O乳化基剤等の皮膚外用剤に配合されている疎水化処理粉末には、シリコーン処理や脂肪酸処理を施したものが多く用いられている。
しかしながら、これらの疎水化処理は十分なものとは言えない。すなわち、経時により、疎水化物質が粉末表面から剥がれて疎水化機能は低下して、その結果、製品安定性が悪化するという問題があった。
さらに、これらの疎水化処理粉末では、粉末の油中分散性が不十分であり、粉末自体が持つ機能を製品中にて十分生かせないという問題があった。
本発明の目的は、経時での疎水化物質の剥がれが少ない疎水化処理粉末を提供することである。
また、本発明の他の目的は、油中で、特に皮膚外用剤に多用されるシリコーン油での分散性に優れた疎水化処理粉末を提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、上記特性を有する疎水化処理酸化チタン粉末を提供することである。
また、本発明の目的は、これらの疎水化処理粉末を配合した化粧料等の皮膚外用剤を提供することである。
本発明の皮膚外用剤は、疎水化処理粉末の疎水化機能が経時により実質的に低下することがないので、製品安定性に優れている。
また、油中での分散性に優れているので、粉末自体の機能性を皮膚外用剤中にて十分に発揮出来る。
特に、疎水化処理酸化チタン粉末は、皮膚外用剤に配合すると、UVB領域の紫外線防御効果を効果的に発揮しつつ、かつ、粉末の白色性が目立つことなく、皮膚外用剤の透明感が向上する。
本発明は、下記一般式(I)の化合物を用いて、粉末を被覆処理したことを特徴とする疎水化処理粉末である。
Figure 2005053736
(式中、RFは(CF2)pZまたはCF(CF3)(OCF2CF(CF3))qOC3F7を示す。ただしZは水素原子、フッ素原子または塩素原子を示し、pは1〜10の整数を、qは0〜8の整数を示す。また、X、Y、Rは各々同一もしくは異なる基であって、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルカルボニルオキシ基を示す。またkは0〜10の整数を、mは1〜10の整数を、nは1〜3の整数を示す。)
本発明は、下記一般式(I)の化合物と、ヘキシルトリアルコキシシランとを用いて、粉末を被覆処理したことを特徴とする疎水化処理粉末である。





Figure 2005053736
(式中、RFは(CF2)pZまたはCF(CF3)(OCF2CF(CF3))qOC3F7を示す。ただしZは水素原子、フッ素原子または塩素原子を示し、pは1〜10の整数を、qは0〜8の整数を示す。また、X、Y、Rは各々同一もしくは異なる基であって、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルカルボニルオキシ基を示す。またkは0〜10の整数を、mは1〜10の整数を、nは1〜3の整数を示す。)
本発明は、下記計算式(a)の値が20以上であり、粉末が酸化チタンであることを特徴とする上記の疎水化処理粉末である。
Figure 2005053736
本発明は、上記の疎水化処理粉末を配合したことを特徴とする皮膚外用剤である。
本発明によれば、鎖型フルオロカーボンシランカップリング剤と、ヘキシルトリアルコキシシランを、酸存在下で加熱加水分解、重合させながら、酸化チタンなどの粉末表面にコーティングすることにより、経時での剥がれの少なく、また、シリコーン油等の油分の分散性に優れた、疎水化処理粉末を得ることができる。
本発明の疎水化処理粉末は、従来の脂肪酸処理酸化チタンやシリコーン処理酸化チタンよりも、優れた油中分散性と分散安定性を示す。
本発明により、経時での疎水化物質の剥がれが少ない疎水化処理粉末が得られた。また、油分中にて、特に、皮膚外用剤に有用なシリコーン油での分散性に優れた疎水化処理粉末が得られる。
これらの疎水化処理粉末を、皮膚外用剤に配合すると、疎水化処理粉末の疎水化機能が経時により実質的に低下することがないので、製品安定性に優れた皮膚外用剤が得られた。また、油中での分散性に優れているので、疎水化処理粉末自体の機能性を十分に発揮する。
特に、疎水化処理酸化チタン粉末は、皮膚外用剤に配合すると、酸化チタン粉末自体が有する、UVB領域の紫外線防御効果を効果的に発揮しつつ、かつ、その白色性が目立つことなく、皮膚外用剤の透明感が向上する。
以下、本発明について詳述する。
本発明の疎水化処理粉末に用いる粉末は、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、シリカ、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムやこれら2種以上の組み合わせによる複合酸化物および複合水酸化物(例えばシリカアルミナ、チタン酸コバルト等)の粉末およびアルミニウム、鉄、チタン、シリコン、亜鉛、銀、金等の金属粉末である。
それらの平均粒子径は、一次粒子径として5nm〜1000nmであることが好ましい。
特に、一次粒子径が10nm〜200nmの酸化チタンが好ましい。
上記粉末は、下記一般式(I)の化合物を用いて被覆処理する。この化合物が、2鎖型フルオロカーボンシランカップリング剤である。
Figure 2005053736
(式中、RFは(CF2)pZまたはCF(CF3)(OCF2CF(CF3))qOC3F7を示す。ただしZは水素原子、フッ素原子または塩素原子を示し、pは1〜10の整数を、qは0〜8の整数を示す。また、X、Y、Rは各々同一もしくは異なる基であって、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルカルボニルオキシ基を示す。またkは0〜10の整数を、mは1〜10の整数を、nは1〜3の整数を示す。)
この化合物は、特許文献9に記載された製造方法等により製造される。
具体的には、過酸化ジフルオロアルカノイルとビニル基含有有機ケイ素化合物とを常法により反応させることにより製造される。
好ましい2鎖型フルオロカーボンシランカップリング剤は、下記化学式(II)で表される化合物である。
Figure 2005053736
この明細書において、上記のRFの置換基を有する化合物を、VM−HFPO2、VM−HFPO3、VM−HFPO4と略す。
これらの化合物は、下記化学式(III)で表される過酸化ジフルオロアルカノイルと、下記化学式(IV)で表されるビニル基含有トリメトキシシランを反応させることによって常法により製造される。

Figure 2005053736
Figure 2005053736
疎水化処理粉末の製造方法は下記である。
(1)2鎖型フルオロカーボンシランカップリング剤をメタノール、エタノール、クロロホルム等の有機溶媒に溶解させる。このときヘキシルトリアルコキシシランを併用させてもよい。フルオロカーボンシランカップリング剤が溶解しない溶媒(例として水など)に対してはホモミキサー等の分散機を用いて分散させる。
(2)(1)の溶液に処理する粉末を分散させた後、カップリング剤を反応させるために酢酸などの重合触媒を添加する。
(3)(2)の溶液を加熱還流させた後、粉末をろ過、乾燥させて目的物を得る。
本発明は、ヘキシルトリアルコキシシランを併用することが好ましい。ヘキシル付近のアルキルトリアルコキシシランも好ましい。
ヘキシルトリアルコキシシランは、炭素原子数6の炭化水素鎖を有するアルコキシ化合物である。アルコキシは、メトキシ、エトキシなどが好ましい。
好ましい具体的化合物は、n−ヘキシルトリメトキシシラン(n-Hexyltrimethoxysilane:東京化成株式会社製)、KBE-3063(信越化学工業株式会社製)などである。
2鎖型フルオロカーボンシランカップリング剤と併用する疎水化処理剤のヘキシルトリアルコキシシランは、通常アルコキシシランカップリング剤と呼ばれるものの1つである。これを、2鎖型フルオロカーボンシランカップリング剤とともに併用し、粉末上にて重合させることが好ましい。2鎖型フルオロカーボンシランカップリング剤単独で処理したものと同じく、本発明の効果を有する疎水化処理粉末を得ることができる。
ヘキシルトリアルコキシシランは工業的に汎用されている原料であり、安価なためコスト面からもこれを併用して、疎水化処理を行うことが望ましい。
本発明の疎水化処理粉末は下記により評価できる。
ジメチルシリコーン油と水を20gずつ50mlのスクリュー管に入れ、その中に疎水化処理粉末を0.05g秤量して加える。このシリコーン油/水2層分散液をSIBATA製超音波洗浄器SU-9THを用いて10分間超音波分散処理を行う。水相に移行した粉末の程度により、疎水化度を判断する。
疎水化処理酸化チタン粉末自体が有する機能性は、下記計算式(a)により評価できる。
Figure 2005053736
300nmの透過率は酸化チタンの持つUVB防御能を表し、この値が小さいほど酸化チタンの紫外線防御能が高いことを示す。400nmの透過率は酸化チタンの透明性を表し、この値が大きいほど肌への塗布時に白さの目立たない、自然な仕上がりの酸化チタンであることを示す。すなわち、(a)の値が大きいほど透明性が高く、かつUVB防御能の高い優れた機能性を有する酸化チタンである。本発明においては、(a)は20以上であることが好ましい。
本発明の疎水化処理粉末は、化粧料等の皮膚外用剤に配合される。
皮膚外用剤の製造方法は、常法によって、疎水化処理粉末を配合すれば良い。
皮膚外用剤の種類は限定されない。
シリコーン油を配合した皮膚外用剤が、疎水化処理粉末の分散安定性の観点等から好ましい。
疎水化処理酸化チタン粉末は、UVB領域を効果的に防御できる日焼け止め化粧料を好ましく提供できる。また、酸化チタンに白色性を緩和して、透明感がある皮膚外用剤も提供できる。
疎水化処理粉末の配合量は、皮膚外用剤全量に対して、通常、1〜99%である。好ましくは3〜85%である。これらは、皮膚外用剤の目的や剤形に応じて適宜決定される。
次に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明は、これらの実施例によって限定されない。配合量は特に断りのない限り、質量%である。質量%は全量に対する質量百分率である。
「2鎖型フルオロカーボンシランカップリング剤」
実施例には、特許文献9に記載の方法により製造した下記化合物を使用した。
Figure 2005053736
「実施例1:疎水化処理酸化チタン粉末」
メタノール100ml中に、2鎖型フルオロカーボンシランカップリング剤のVM-HFPO2 1gおよびn-ヘキシルトリメトキシシラン0.5gを溶解させた。この中に、石原TTO-V-3(石原産業製酸化チタン:粒子径55nm)5gおよび1mol・dm-3の酢酸2gを加え、3時間加熱還流させた。エバポレーターを用いて得られた分散液の溶媒を飛ばした後、水洗し、110℃で乾燥させて、実施例1の疎水化処理粉末を得た。
「比較例1:脂肪酸処理酸化チタン粉末」
脂肪酸処理酸化チタン粉末として、石原TTO-V-4(石原産業株式会社製)を用いた。これはTTO-V-3の表面を、ステアリン酸を用いて疎水化処理した粉末である。
「比較例2:n-ヘキシルトリメトキシシラン処理酸化チタン粉末」
メタノール100ml中にn-ヘキシルトリメトキシシラン1.5gを溶解させた。この中に石原TTO-V-3(石原産業株式会社製酸化チタン:粒子径55nm)5gおよび1mol・dm-3の酢酸2gを加え、3時間加熱還流させた。エバポレーターを用いて得られた分散液の溶媒を飛ばした後、水洗し、110℃で乾燥させて比較例2の疎水化処理粉末を得た。
「評価」
下記方法により評価した。
ジメチルシリコーン油と水を20gずつ入れた50mlのスクリュー管を2つ用意し、それぞれの中に実施例1および比較例1の粉末を0.05g秤量して加えた。このシリコーン油/水2層分散液をSIBATA製超音波洗浄器SU-9THを用いて、10分間超音波分散処理した。
比較例1の脂肪酸処理粉末は、疎水化処理が完全でないため、超音波処理前には油相に分散していた粉末が、超音波処理後、一部水相に移行した。
これに対して、実施例1のフルオロカーボンシランカップリング剤処理酸化チタンは処理剤の剥がれが少ないため、脂肪酸処理した酸化チタンと比べても粉末の水相への移行がほとんど見られなかった。
表1は、皮膚外用剤中における実施例1と比較例1の280〜700nmの透過率である。
表2は、皮膚外用剤中における実施例1と比較例2の280〜700nmの透過率である。
実施例1、比較例1、比較例2の計算式(a)の値を、表3に示す。
図1は、実施例1と比較例1の皮膚外用剤中におけるUVB領域付近の透過率を示すグラフである。
図2は、実施例1と比較例2の皮膚外用剤中における可視光領域付近の透過率を示すグラフである。
測定に用いた皮膚外用剤の処方を下記に示す。比較例1及び比較例2では、実施例1の疎水化処理粉末の代わりに、それぞれの比較例の疎水化処理粉末を配合した皮膚外用剤を用いた。
「実施例1を配合したW/O製剤の皮膚外用剤:2層タイプW/Oサンスクリーン」
1.タルク 10
2.実施例1の疎水化処理粉末 10
3.オクタン酸イソセチル 5
4.デカメチルシクロペンタシロキサン 26.8
5.ジメチルポリシロキサン 10
6.POE変性ジメチルポリシロキサン 2
7.イオン交換水 28
8.1.3-ブチレングリコール 8
9.防腐剤 0.1
10.香料 0.1
3〜6を70℃で加熱混合し、油相とした。別に7中に8、9を溶解させ、これを水相とした。油相中に1、2の粉末を加え、ホモミキサーで分散した。この中に先の水相を添加し、ホモミキサーで乳化した。さらに10を混合して容器に充填した。この皮膚外用剤を用いて、
透過率を測定した。
表1および図1の結果から、2鎖型フルオロカーボンシランカップリング剤で処理した酸化チタン(実施例1)は、脂肪酸処理した市販の酸化チタン(比較例1)と比べて、優れた透明性、UVB防御能を与えることが分る。
表2および図2の結果から、2鎖型フルオロカーボンシランカップリング剤で処理した酸化チタン(実施例1)は、ヘキシルトリアルコキシシランのみで処理した酸化チタン(比較例2)と比べて、優れた透明性を与えることが分る。















































Figure 2005053736
Figure 2005053736
Figure 2005053736
以下に、本発明の皮膚外用剤の実施例を挙げる。
実施例2 O/W乳液型サンスクリーン
1.実施例1の疎水化処理粉末 12
2.亜鉛華 5
3.ステアリン酸 2
4.セチルアルコール 1
5.ワセリン 5
6.シリコーン油 2
7.流動パラフィン 10
8.グリセリルモノステアリン酸エステル(自己乳化型) 1
9.ポリオキシエチレン(25モル)モノオレイン酸エステル 1
10.ポリエチレングリコール1500 5
11.ビーガム 0.5
12.精製水 55.5
13.香料 適量
14.防腐剤 適量
12に10を加え加熱溶解後、11を加え、ホモミキサーで均一に分散し70℃に保った。これを水相とした。3〜9および13、14を混合し、加熱溶解して70℃に保つ、これを油相とした。水相に2の粉末を添加し、ホモミキサーで分散させた。油相に1の粉末を添加しホモミキサーで分散させたのち、先の水相を加え均一に乳化分散した。乳化後かき混ぜながら35℃まで冷却した。以上のようにしてのサンスクリーンを得た。
得られたO/W型サンスクリーンは、透明感、UVB及びUVA防御効果に優れていた。
実施例3 油性スチックファンデーション
(粉末部)
1.疎水化処理粉末 8
2.タルク 2.8
3.カオリン 16
4.マイカ 3
5.二酸化チタン 16
6.ベンガラ 1
7.黄酸化鉄 3
8.黒酸化鉄 0.2
(油相部)
9.固形パラフィン 3
10.マイクロクリスタリンワックス 7
11.ワセリン 15
12.ジメチルポリシロキサン 3
13.スクワラン 5
14.パルミチン酸イソプロピル 17
15.酸化防止剤 適量
16.香料 適量
疎水化処理粉末は、疎水化処理剤として、VM-HFPO2とn-ヘキシルトリエトキシシランにより、実施例1と同様の方法にて、平均粒子径40nmの酸化亜鉛粉末(堺化学製FINEX-75)を被覆処理した粉末である。
9〜15を85℃で溶解し、これに十分混合された粉末部を攪拌しながら添加した。次にコロイドミルで磨砕分散した。16を加え、脱気後70℃で容器に流し込み冷却した。
得られた油性スチックファンデーションは、UVA防御能が高く、経時での化粧くずれが少なかった。
実施例4 2層タイプW/Oサンスクリーン
1.タルク 6
2.疎水化処理微粒子酸化チタン 12
3.ステアリン酸処理微粒子酸化亜鉛 8
4.オクチルメトキシシンナメート 5
5.流動パラフィン 1
6.デカメチルシクロペンタシロキサン 26.8
7.ジメチルポリシロキサン 16
8.POE変性ジメチルポリシロキサン 2
9.イオン交換水 15
10.1.3-ブチレングリコール 8
11.防腐剤 0.1
12.香料 0.1
疎水化処理粉末は、疎水化処理剤として、VM-HFPO3を用い、実施例1と同様の方法で平均粒子径75nmの微粒子酸化チタン石原TTO-S-3(石原産業株式会社製)を用いた。
4〜8を70℃で加熱混合し、油相とした。別に9中に10、11を溶解させ、これを水相とした。油相中に1〜3の粉末を加え、ホモミキサーで分散した。この中に先の水相を添加し、ホモミキサーで乳化した。さらに12を混合して容器に充填した。
得られた2層タイプW/Oサンスクリーンは、透明性が高く、また、UVA及びUVB防御能に優れていた。
実施例5 固形粉末ファンデーション
1.シリコーン処理タルク 11.4
2.シリコーン処理マイカ 41
3.シリコーン処理二酸化チタン 10
4.疎水化処理酸化チタン 10
5.疎水化処理微粒子酸化亜鉛 8
6.シリコーン処理ベンガラ 1
7.シリコーン処理黄酸化鉄 3
8.シリコーン処理黒酸化鉄 0.2
9.ナイロンパウダー 2
10.ジメチルポリシロキサン 8.5
11.オクチルメトキシシンナメート 1
12.POE変性ジメチルポリシロキサン 0.6
13.モノオレイン酸POEソルビタン 1
14.オクタン酸イソセチル 2
15.エチルパラベン 0.2
16.香料 0.1
疎水化処理粉末は、疎水化処理剤として、VM-HFPO3を用い、実施例1と同様の方法で平均粒子径75nmの微粒子酸化チタン石原TTO-S-3(石原産業製)を疎水化した粉末を使用した。また、疎水化処理処理剤として、M-HPFO4を用い、実施例1と同様の方法で平均粒子径60nmの国際公開WO99/25654号公報に記載の微粒子酸化亜鉛を疎水化した粉末を用いた。
10〜15を加熱溶解した。(これを油相とした。)別に1〜9をブレンダーで混合し、先の油相と混合した。さらに16を噴霧して均一に混合した。これを粉砕機で粉砕し、中皿に圧縮成型した。
得られた固形粉末ファンデーションは、UVA及びUVB防御能に優れ、また、経時での化粧くずれが少ないものであった。
実施例6 W/O型ファンデーション
1.セリサイト 5
2.カオリン 4
3.二酸化チタン 6
4.ベンガラ 0.36
5.黄酸化鉄 0.8
6.黒酸化鉄 0.16
7.疎水化処理酸化チタン 4
8.流動パラフィン 5
9.デカメチルシクロペンタシロキサン 29
10.POE変性ジメチルポリシロキサン 4.5
11.イオン交換水 36
12.1.3-ブチレングリコール 5
13.防腐剤 0.1
14.香料 0.08
疎水化処理粉末は、疎水化処理剤VM-HFPO2とVM-HFPO3の両者を用い、実施例1と同様の方法にて、平均粒子径40nmの鉄含有微粒子酸化チタン粉末(石原産業TTO-F-1)を被覆処理した粉末である。
8〜10を70〜80℃で加熱溶解した(これを油相とした。)。また、11に12および13を溶解した(これを水相とした。)。1〜7を混合し、これに先の油相を加え、ホモミキサーで混合した。14を加え混合した後、水相を加え乳化し、容器に充填した。
得られたW/0型ファンデーションは、透明感、UVB及びUVA防御効果に優れていた。
実施例7 口紅
1.疎水化処理微粒子酸化チタン 10
2.赤色201号 0.6
3.赤色202号 1
4.赤色223号 0.2
5.キャンデリラロウ 9
6.固形パラフィン 8
7.ミツロウ 5
8.カルナバロウ 5
9.ラノリン 11
10.ヒマシ油 23.2
11.2-エチルヘキサン酸セチル 17
12.イソプロピルミリスチン酸エステル 10
13.酸化防止剤 適量
14.香料 適量
疎水化処理粉末は、疎水化処理剤VM-HFPO2とn-ヘキシルトリエトキシシランの両者を用い、実施例1と同様の方法にて、平均粒子径75nmの酸化チタン粉末(石原産業TTO-S-1)を被覆処理した粉末である。
1〜3を10の一部と混合し、ローラー処理した(これを顔料部とした。)。4を10の一部に溶解した(これを染料部とした。)。5〜13を混合し、加熱溶解した後、顔料部、染料部を加えホモミキサーで均一に分散した。これを型に流し込み急冷し、スティック状とした。
得られた口紅は、UVB及びUVA防御効果を有する口紅であり、また、色移りが少なく、経時でのにじみが少ないものであった。
本発明は、粉末の表面を疎水化処理して、粉末の耐水性を高める技術及び油に対する分散性を高める技術に関する。本発明の疎水化処理粉末は、化粧料等の皮膚外用剤に好ましく配合される。
本発明によって、経時での疎水化物質の剥がれが少ない疎水化処理粉末を提供できる。
また、油中で、特に皮膚外用剤に多用されるシリコーン油での分散性に優れた疎水化処理粉末を提供できる。
さらに、これらの疎水化処理粉末を配合した化粧料等の皮膚外用剤は、疎水化処理粉末の疎水化機能が経時により実質的に低下することがないので、製品安定性に優れている。
また、油中での分散性に優れているので、粉末自体の機能性を皮膚外用剤中にて十分に発揮出来る。
特に、疎水化処理酸化チタン粉末は、皮膚外用剤に配合すると、UVB領域の紫外線防御効果を効果的に発揮しつつ、かつ、粉末の白色性が目立つことなく、皮膚外用剤の透明感が向上する。
実施例1と比較例1のUVB領域付近の透過率を示すグラフである。 実施例1と比較例2の可視光領域付近の透過率を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)の化合物を用いて粉末を被覆処理したことを特徴とする疎水化処理粉末。
    Figure 2005053736
    (式中、RFは(CF2)pZまたはCF(CF3)(OCF2CF(CF3))qOC3F7を示す。ただしZは水素原子、フッ素原子または塩素原子を示し、pは1〜10の整数を、qは0〜8の整数を示す。また、X、Y、Rは各々同一もしくは異なる基であって、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルカルボニルオキシ基を示す。またkは0〜10の整数を、mは1〜10の整数を、nは1〜3の整数を示す。)
  2. 下記一般式(I)の化合物と、ヘキシルトリアルコキシシランとを用いて、粉末を被覆処理したことを特徴とする疎水化処理粉末。
    Figure 2005053736
    (式中、RFは(CF2)pZまたはCF(CF3)(OCF2CF(CF3))qOC3F7を示す。ただしZは水素原子、フッ素原子または塩素原子を示し、pは1〜10の整数を、qは0〜8の整数を示す。また、X、Y、Rは各々同一もしくは異なる基であって、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルカルボニルオキシ基を示す。またkは0〜10の整数を、mは1〜10の整数を、nは1〜3の整数を示す。)
  3. 下記計算式(a)の値が20以上であり、粉末が酸化チタンであることを特徴とする請求項1又は2記載の疎水化処理粉末。
    Figure 2005053736
  4. 請求項1、2又は3記載の疎水化処理粉末を配合したことを特徴とする皮膚外用剤。
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