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JP2005045876A - スピンドルモータ及びこれを用いた情報記録再生装置 - Google Patents

スピンドルモータ及びこれを用いた情報記録再生装置 Download PDF

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JP2005045876A
JP2005045876A JP2003200803A JP2003200803A JP2005045876A JP 2005045876 A JP2005045876 A JP 2005045876A JP 2003200803 A JP2003200803 A JP 2003200803A JP 2003200803 A JP2003200803 A JP 2003200803A JP 2005045876 A JP2005045876 A JP 2005045876A
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magnetic
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spindle motor
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Harushige Osawa
晴繁 大澤
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Nidec Corp
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Nidec Corp
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Abstract

【課題】電磁気的な高調波励振力でロータや静止部材が加振されることがなく、ピュアトーンの発生のない静寂で安定な回転システムを得る。
【解決手段】ベース10に対して流体動圧軸受で回転自在に支持されたハブ31に、環状のモータ駆動用磁石34を、ステータ17に径方向に対向するよう装着し、モータ駆動用磁石34の近辺の磁気回路構成を軸方向両端部で磁気的に略対称に形成し、ステータ17のスラスト方向の中央位置とモータ駆動用磁石34のスラスト方向の中央位置とを略一致させ、かつモータ駆動用磁石34とは別の磁石50をベース10側もしくはロータ30側の少なくとも一方に配置して他方の強磁性体に対向させることでスラスト方向に安定した軸力を発生させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばハードディスク等の記録用ディスクを回転駆動するために、これを保持する回転部材を静止部材に対し流体動圧軸受を用いて回転自在に支持するようにしたスピンドルモータ及びこれを用いた情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録用ディスクを用いたハードディスクドライブ装置等の情報記録再生装置では、これが搭載されるパーソナルコンピュータ等の機器の小型化・薄型化や、デジタルカメラ,オーディオ・ビデオ機器等への応用等使用される機器の多様化に伴い、その小型・薄型化,高容量化が要求されている。
【0003】
一方、この種の情報記録再生装置では、記録用ディスクを回転駆動するDCブラシレスモータよりなるスピンドルモータの軸受として、少なくともラジアル軸受部に動圧軸受を用いたものが知られている。このモータは、記録用ディスクを搭載する回転体としてのロータに周方向に多極着滋された円環状のモータ駆動用磁石を、静止部材のステータに半径方向に対向するように装着し、このロータを流体動圧軸受を用いて静止部材に回転自在に支持している。
【0004】
この流体動圧軸受は、ロータの回転中心に設けた円柱状のシャフトを静止部材に固定された中空円筒状のスリーブメタルに嵌め合わせ、その対向する周面のいずれかにヘリングボーン溝等の動圧発生溝を形成すると共に、両者の隙間にオイル等の潤滑流体を満たし、ロータの回転に伴って潤滑流体に発生する圧力でロータを支承する構造の軸受であり、機構の占める体積が小さくかつ耐衝撃性に優れ、加えて軸振れが小さくなる等の効果を有している。
【0005】
さらに、ロータのスラスト方向の荷重に対しては、構造の簡易化,廉価及び小型・薄型化等を目的とし、単一面対向型のスラスト軸受を採用して軸線方向一方向の荷重を支承し、軸線方向他方向については磁気スラスト力を発生させる方法が採られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
より具体的には、シャフトの先端部を球面形状とし、これをスリーブの内底面に当接させてピボット軸受としてスラスト荷重を支持している。或いはシャフト先端部とスリーブ内底面とのいずれかにスパイラル溝等の動圧発生溝を形成し、ロータの回転に伴って潤滑流体に発生する圧力で浮上力を得ることによりスラスト荷重を支持している。
【0007】
他方、ロータに装着されたモータ駆動用磁石の端面に軸方向に対向させてスラストヨークを配設し、この間に作用する磁気吸引力でスラスト方向の力を発生させ、衝撃力が加わっても飛び跳ねないようにして安定化を図っている。或いは、より大きなスラスト力を得るために、モータ駆動用磁石のスラスト方向の中央位置とステータのスラスト方向の中央位置とを軸方向にずらせる構造を採用している。
【0008】
【特許文献1】
特許第3123283号公報
【発明が解決しようとする課題】
情報記録再生装置に用いられるDCブラシレスタイプのスピンドルモータでは、従前より軸受としてボールベアリングが用いられてきており、ボールベアリングの内外輪間をボールが転動することに起因する振動,騒音が静音化に影響を与えていたが、上述したように軸受として流体動圧軸受を採用することにより、このような機械的な振動はなく、NRRO(non−repeatable runout),騒音ともボールベアリングを使用したものに比べ良好な性能を示している。
【0009】
しかしながら、上述した流体動圧軸受を使用したスピンドルモータでは、ボールベアリング使用時にはあまり問題視されなかった電磁的に発生するスラスト方向励振力がボールベアリングによる振動が取り去られることにより顕在化するようになっている。
【0010】
この電磁的な励振力は、周方向に多極着磁されたモータ駆動用磁石を装着したロータと、スイッチングにより通電電流の切換が行われる巻線を巻装したステータ間で発生する。モータ駆動用磁石の磁極がステータのティース部に対向するタイミングでは当該磁極に関連する磁束はティースに集中するが、この磁極がティース間のスロット部に対向するタイミングでは、磁極に関与する磁束は周方向や軸方向に逃げ、この磁束が静止部材側に作用することによりロータにスラスト力が発生し、励振力の発生源となる。ロータはステータの巻線電流のスイッチング周期に応じてその回転速度が変化し、ステータスロット部に対してはこの回転速度でモータ駆動用磁石の各磁極が対向して極変動を生じることになるため、ステータ部及び静止部材側でスイッチング周波数での高調波のスラスト励振力が発生することになり、これがロータ及びベースを加振してピュアトーンを発生する。
【0011】
静止部材側とモータ駆動用磁石との間のスラスト力に基づく励振力は、モータ駆動用磁石に対する静止部材側の距離が小さくなるほど大きくなる。加えて、モータ駆動用磁石のスラスト方向の中央位置とステータのスラスト方向の中央位置とを軸方向にずらせてスラスト力を得ている場合には、上述したスラスト方向の励振力に加えて、モータ駆動用磁石の磁極がステータのティースに対向するタイミングで、磁石とステータとの軸方向ずれに基づくスラスト力が作用することになり、加振が増幅される結果となる。
【0012】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に留意してなされたものであり、その目的とするところは、電磁気的な高調波励振力でロータや静止部材が加振されることがなく、ピュアトーンの発生のない静寂なスピンドルモータを提供することであり、本発明の他の目的は、このようなスピンドルモータを搭載した情報記録再生装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のスピンドルモータ及び情報記録再生装置にあっては、スラスト方向に付与する力をモータ部分以外の場所で発生させるような専用磁気回路を装着して、この部分では一定のバイアス力が安定して付与できるようにすると共に、モータ部分では、周囲の磁気回路を軸方向両側で対称にすることによりスラスト方向の励振力が発生しないようにする。
【0014】
すなわち、本発明のスピンドルモータは、静止部材に対して流体動圧軸受で回転自在に支持された回転部材のハブに、環状のモータ駆動用磁石を、静止部材のモータステータに径方向に対向するよう装着したものであって、モータ駆動用磁石の近辺の磁気回路構成を軸方向両端部で磁気的に略対称に形成し、ステータのスラスト方向の中央位置とモータ駆動用磁石のスラスト方向の中央位置とを略一致させ、かつモータ駆動用磁石とは別の磁石を静止部材側もしくは回転部材側の少なくとも一方に配置して他方の強磁性体に対向させることでスラスト方向に安定した軸力を発生させることを特徴としている。
【0015】
上述したスピンドルモータにおいて、ハブの材質は種々の要因によって決定され、例えばハブに記録用ディスクを搭載する形態のスピンドルモータでは専らディスク材料に応じてハブ材質が選定される。このハブが磁性体である場合には、構造上の制約から軸線方向における磁性的非対称性が顕著になりやすいが、ハブに装着されるモータ駆動用磁石の近辺の磁気回路構成を軸方向両端部で磁気的に略対称に形成するためには、モータ駆動用磁石の軸方向両端面にそれぞれ少なくともその近傍に磁性体が存在しない空隙部を設けたり、モータ駆動用磁石の軸方向両端面にそれぞれ磁性ヨークを配置する構成は、磁性体ハブにおける磁気的な非対称性を解消するための有力な手段となる。勿論、ハブが非磁性体の場合であってもこの方法はモータ駆動用磁石の近辺の磁気回路構成を軸方向両端部で磁気的に略対称に形成する際に有利である。特に、ハブを磁性体で構成した場合には、モータ駆動用磁石の軸方向一端面にこの磁性体ハブの一部を当接させた上でモータ駆動用磁石の軸方向他端面に磁性ヨークを配置すること構成を採用することもできる。
【0016】
スラスト方向の軸力を発生させる別の磁石は、ハブの外周部もしくはこれに対向する静止部材に配置することができ、ハブの内面部もしくはこれに対向する静止部材に配置してもよい。
【0017】
流体動圧軸受としては、静止部材側のスリーブ及びこれに挿通される回転部材側の軸部を用いて構成されるラジアル軸受部と、スリーブの軸方向端面及びこれに対向するハブの一部を用いて構成されるスラスト軸受部とで構成することができ、ハブ及びスリーブをそれぞれ磁性体とし、スラスト軸受部における狭い間隙部分でスラスト方向の軸力を発生させる構成とすることができる。
【0018】
あるいは、流体動圧軸受を、静止部材側の有底筒状スリーブ体とこれに挿通される回転部材側の軸部とを用いて構成すると共に、軸部の先端にこの軸部のスリーブ体からの抜けを阻止する抜け止め部材を有し、抜け止め部材を磁性体で構成すると共に、抜け止め部材に対向するスリーブ体の一部に別の磁石を配置してスラスト方向の軸力を発生させるようにしてもよい。
【0019】
上述した別の磁石は周方向に異極が存在しない単極もしくは双極着磁を行って構成することができ、この別の磁石を静止部材側に配置すると共に、回転部材側との間で磁気的閉ループを構成できるように別の磁石における回転部材側との反対側またはその側面部にバックヨークを設置するのがよい。
【0020】
また、本発明の情報記録再生装置は、上述した構成のスピンドルモータを用いた上で、そのハブに記録用ディスクを装着し、回転するディスクに対して情報の記録・再生を行う手段を備えて構成することを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
<A>第1の実施形態
図1は、情報記録再生装置としてのハードディスク駆動装置に用いられるスピンドルモータの第1の実施形態の全体構成を示したものであり、情報記録再生装置のベース10がスピンドルモータの静止部材となり、ベース一体型モータを構成している。なお、本発明は、これに代えて、モータブラケットを静止部材としてスピンドルモータを構成し、このブラケットを装置のベースに取り付ける形態のものであってよいのは勿論である。また、回転部材側に搭載される記録用ディスクや、このディスクに対して上方の記録・再生を行う磁気ヘッド、この磁気ヘッドを駆動する手段等は図示を省略している。
【0023】
(1)静止部材の構成
ベース10におけるモータ構成部分は、その中心部に設けられた基板部11と、この基板部11の外周部に位置する周壁部12と、基板部11の中心部に設けられた環状ボス部13とを有して構成され、基板部11,周壁部12及び環状ボス部13にて上方に開口された環状凹部14が形成され、これにモータ磁気回路の一部が収容される。
【0024】
環状ボス部13には、その外周部寄りに上方へ突出した円筒支持壁15が一体に設けられ、この外周にモータステータ17が固定されている。モータステータ17は複数枚のラミネーションを積層して構成され外周に複数個のティースを周方向に配列してなる環状ステータコア17aと、ステータコア17aの各ティースに巻回された多相(例えば3相)の巻線17bとからなり、ステータコア17aの内周面を円筒支持壁15の外周面に外嵌し圧入,接着等の手段を用いて固定されている。
【0025】
ベース10における環状ボス部13の内側には、流体動圧軸受の一部を構成するスリーブ体20が内嵌固定されている。このスリーブ体20は、略円筒状のスリーブ21と、このスリーブ21の下端開口を閉塞するカウンタプレート22よりなり、スリーブ21の内周の貫通孔部には、このスリーブ21のほぼ全長に渡って形成された軸受用円筒内周面21aと、スリーブ21の下部に位置し円筒内周面21aより拡径された中径部内周面21bと、スリーブ21の最下端に位置し中径部内周面21bよりさらに拡径された大径部内周面21cとが連続して形成されており、大径部内周面21cにカウンタプレート22の外周部が嵌合され、圧入,かしめ等の手段を用いて、或いは接着剤を併用して固定されている。スリーブ21の下半部は基板部11における環状ボス部13の内周面に嵌合され、圧入,接着,溶接等の既存の固定方法にて固定されている。また、スリーブ21の上部外周面には、後述するテーパシール部の一方の周面を形成するテーパ面23が上方に行くに従い外径が拡大するように形成されている。
【0026】
(2)回転部材の構成
ベース10に対して回転自在のロータ30は、略逆カップ状のハブ31及び該ハブ31の回転中心位置に固定された軸部32を有して構成されている。このハブ31は鉄,ステンレス等の強磁性体よりなり、天板部を構成する円盤状部31aの外周部に円筒状部31bを垂下形成すると共に、この円筒状部31bの下端に鍔状部31cを径方向外方に張り出して形成し、さらに円盤状部31aにおける径方向中央部分より下方に突出するよう環状突状部31dを形成してなる。鍔状部31cはその上端部を残して環状凹部14に収容され、鍔状部31cの外周面と周壁部12の内周面間にラビリンスシールを構成する微小ギャップが形成されている。また、環状突状部31dはスリーブ21と円筒支持壁15との間に挿入され、スリーブ21の上部外周を囲む一方、円筒支持壁15との間にラビリンスシールを構成するラビリンスギャップを形成するようになっている。
【0027】
円盤状部31aの中央に透設された取付孔31eには軸部32の幾分小径となった上端部が圧入され、これによりハブ31と軸部32とが一体となっている。軸部32は中空状をなし、その外周は軸受用円筒状外周面32aが形成され、その内周面には雌ねじ32aがほぼ全長に渡って形成されており、上述したスリーブ21の内側に上方より挿通され、軸部32の円筒状外周面32aとスリーブ21の円筒状内周面21aとが僅かな隙間を介して径方向(ラジアル方向)に向かい合うようになっている。
【0028】
スリーブ21に挿通された軸部32はその先端が円筒状内周面21aより下方に僅かに突出する長さに形成されている。軸部32がスリーブ21から抜け出ることを防止する抜け止め部材33はスリーブ21の雌ねじ32aに螺合する雄ねじ部33 deg;yび鍔部33bを有しており、鍔部33bが軸部32の外径より大きく中径部内周面21bの内径より小さい外径に形成されていることから、抜け止め部材33の雄ねじ部33aをスリーブ21の下方より軸部32の雌ねじ32aに螺合し鍔部33bが軸部32の端面に当接する位置まで締着することにより、鍔部33bがスリーブ21の円筒状内周面21 deg;yび中径部内周面21b間の段部下面と中径部内周面21bとカウンタプレート22とで形成する凹所に収容された状態で、段部下面に若干の隙間を開けて軸方向に対向するようになる。
【0029】
ハブ31の円筒状部31bの内周面には、半径方向に着磁され周方向に多極が配列された環状のモータ駆動用磁石34がステータ17を外周から囲むように取り付けられ、磁性体製のハブ31がこの磁石34のバックヨークを兼ねている。この磁石34はそのスラスト方向の中央位置がステータ17におけるスラスト方向の中央位置に略一致するようハブ31に取り付けられており、加えて、この磁石34がベース10の基板部11との間に有する空隙とほぼ同等の空隙を円盤状部31aとの間に形成するよう、磁石34の円筒状部31bにおける取付位置の設定或いはハブ31の形状が工夫されている。これにより、モータ駆動用磁石34の近辺の磁気回路構成が軸方向両端部で略対称に形成されている。
【0030】
ハブ31の鍔状部31cには、中央孔を円筒状壁31bに嵌装させた1枚もしくは複数枚の図外の円盤状記録用ディスク(ハードディスク)が載置され(複数枚の場合はディスク間にスペーサが介在される)、このディスクの中央部上面を押圧するクランプ部材(図示せず)を軸部32の雌ねじ32bに上方より螺合されるねじを用いてねじ止めすることにより、ディスクが鍔状部31cとクランプ部材との間で挟持され、ハブ31と一体となって回転できるようになる。
【0031】
(3)軸受機構の構成
スリーブ21の円筒状内周面21aとこれに挿通された軸部32の円筒状外周面32aとの間、及びハブ31の円盤状部31aの内天井面(つまり下面)とスリーブ21の上端面との間にはそれぞれ微小間隙が形成され、オイル等の潤滑流体40が充填され保持されている。この潤滑流体40は、スリーブ21の中径部内周面21b,カウンタプレート22及び抜け止め部材33の鍔部33bで囲まれた空間にも連続して充填されており、他方、潤滑流体40の界面が、ハブ31の環状突状壁31dの内周面31eとスリーブ21の上部外周のテーパ面23とで形成されたテーパシール部41に位置している。このテーパシール部41は、内周下方に向いて拡開するようなテーパ形状であり、回転動作時にテーパシール部41の潤滑流体40を遠心力により上記した微少間隙内に押し込むような力を付与し、潤滑流体40の漏出を防止するような工夫がなされている。
【0032】
スリーブ21の円筒状内周面21aの上部・下部の潤滑流体保持部分にはそれぞれ、軸部32の回転に伴い潤滑流体40中に動圧を発生するヘリングボーン状の動圧発生溝が形成されている。この動圧発生溝は、モータ回転時に軸部32を半径方向に保持する支持力を発生し、これにより1対のラジアル動圧軸受部42,43が構成されている。また、スリーブ21の上端面にも、軸部32を伴って回転するハブ31の回転に伴って潤滑流体40中に動圧を発生するポンプインスパイラル状の動圧発生溝が形成され、モータ回転時にハブ31を軸線方向上方向に支持する(浮上する)力を発生するスラスト動圧軸受部44が構成されている。
【0033】
ここで、上記スリーブ21には、下端が中径部内周面21bの内部に開口し上端がスラスト微小間隙のうちスラスト動圧軸受部44より内周部側に開口する連通孔45が軸方向に貫通して形成され、潤滑流体40が充填されている。この連通孔45は二つのラジアル動圧軸受部42,43の両端部を連通する構成となっており、上述した動圧発生溝や軸受面の加工誤差等により所望のバランス状態が得られなくなった場合にこの圧力差に基づき連通孔45を通じて潤滑流体40が移動することにより圧力調整する。
【0034】
(4)磁気バイアスの構成
ベース10の基板部11における外周部上面には、ハブ31の鍔状部31cに軸方向に対向するよう円環状のスラスト用磁石50が環状ヨーク51を介在させて設けられている。環状ヨーク51は環状平板部51aとこの平板部51aの外周部より上方に立ち上がった立ち上げ筒部51bとを有し、例えば円環状磁性板材をプレス成形することにより形成されており、平板部51aを基板部11上面に,立ち上げ筒部51bを周壁部12の内周面にそれぞれ当接して接着剤等を用いて固定されている。また、スラスト用磁石50は周方向に異極が存在しないよう軸方向に着磁された単極磁石であり、一方の磁極つまり下面をヨーク51の平板部51a上面に当接させかつ立ち上げ筒部51bとの間に間隙を開けて取り付けられており、磁石50の他方の磁極つまり上面が鍔状部31cの下面に近接対向している。
【0035】
このスラスト用磁石50による磁束は、磁石50の上面−磁性体製ハブ31における鍔状部31cの下面−鍔状部31c内部−環状ヨーク51の立ち上げ筒部51b−環状ヨーク51の平板部51a−磁石50の下面といった磁気ループを通り、磁石51と鍔状部31c間に磁気吸引力が作用し、ハブ31が軸線方向下方向に磁気吸引され、これがスラスト動圧軸受部44で発生する浮上力と釣り合うことで、モータ回転時にハブ31を軸線方向に保持する支持力が発生する。
【0036】
ここで、径方向に着磁されたモータ駆動用磁石34は磁性体の周壁部31bの内周面に取り付けられているため、これより径方向外側には磁界が漏れることはなく、周壁部31bより径方向外側に位置する鍔状部31cに軸方向に近接対向してスラスト用磁石50が設けられているため、スラスト用磁石50の磁界とモータ駆動用磁石34の磁界とが相互に干渉し合うことはない。
【0037】
(5)第1の実施形態の作用・効果
上述した構成のスピンドルモータにおいて、ステータ17の巻線17bにスイッチング電流を供給して駆動を開始すると、ステータ17による磁界とモータ駆動用磁石34による磁界との電磁相互作用により磁石34を介してハブ31に回転力が作用し、スリーブ21と軸部32間における一対のラジアル動圧軸受部42,43がそれぞれ機能してラジアル支持力が得られると共、スリーブ21とハブ31間におけるスラスト動圧軸受部44が機能してスラスト用磁石50によるスラスト磁気吸引力と相俟ってスラスト支持力が得られ、ロータ30が安定に回転することが可能となる。
【0038】
このとき、ステータ17とモータ駆動用磁石34とのそれぞれのスラスト方向の中央位置が一致つまりそれぞれの磁気センターが一致しており、しかも、この磁石34の近辺の磁気回路構成が軸方向両端部で磁気的に略対称に形成されているため、ステータ17とモータ駆動用磁石34との間にスラスト方向の力が作用することがないばかりでなく、磁石34の磁極がステータ17のスロット部に対向したタイミングであっても磁石34の軸方向両端部の磁界がほぼ対称に保たれることからスラスト方向磁気励振力が全く作用せず、スイッチングによるスラスト力は皆無となる。この結果、ロータ30及びベース10が加振されることはなく、スイッチング周波数での高調波の励振力によるピュアトーンの発生はなく、静寂な回転状態が得られる。
【0039】
さらに、スラスト方向の磁気吸引力をモータ駆動用磁石34とは別に独立して設けたスラスト用磁石50のみにより得るようにしているため、スラスト磁気吸引力がロータ31の回転に関わらず常に安定して得られる。しかも、このスラスト用磁石50は周方向に異極が存在しない単極構成となっているため、磁石50に相対する磁性体の鍔状部31cが回転しても渦電流を生じることはほどんどなく、渦電流損を小さく抑えることができる。
【0040】
加えて、スラスト用磁石50による磁気吸引力は断面L形のヨーク51を用いて磁気的閉ループを確保した上で得るようにしているため、磁気ヒステリシス損を小さく抑えることができると共に、漏れ磁束を最小限に抑えることができ、しかも、この磁気回路をベース10に形成した環状凹部14内に設定し、周壁部12の内周面に対し鍔状部31cを近接させて環状凹部14をほぼ閉塞しているため、モータ外部への磁気漏れがなく、ディスクに対する磁気的な書き込みや読み出しのエラーを生じることがない。
【0041】
<他の実施形態>
本発明の他の実施形態につき図2以下の図面を参照して説明する。なお、これらの図面において、図1で説明したものと同一もしくは相当するものについては同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0042】
図2は、本発明の第2の実施形態を示したものであり、ロータ30にスラスト磁気吸引力を与えるための環状スラスト用磁石60を周方向に異極が存在しないよう軸線方向に着磁した単極構成とし、このスラスト用磁石60をベース12の基板部11における外周部上面に、磁性体製ハブ31の鍔状部31cに対し軸方向に僅かな隙間を介して対向するようにして取り付けたことを特徴とするものである。
【0043】
この実施形態によれば、第1の実施形態のものに比べ磁気閉ループの構成が多少異なることになるが、第1の実施形態のものとほぼ同等のスラスト力が得られると共に、渦電流損も小さく抑えることができ、この磁石60をベース10に形成した環状凹部14内に設定し、周壁部12の内周面に対し鍔状部31cを近接させて環状凹部14をほぼ閉塞しているため、モータ外部への磁気漏れの心配もなく、加えて、ヨークを使用しないことから部品点数の削減効果が得られる。
【0044】
この場合、ベース10が磁性体材料で構成されている場合には、ベース10の基板部11及び周壁部12がこの磁石60のヨークとして機能し、磁石60の上面−磁性体製ハブ31における鍔状部31cの下面−鍔状部31c内部−周壁部12−基板部11−磁石60の下面といった磁気ループが形成され、より安定した磁気スラスト力が得られる。
【0045】
図3は、本発明の第3の実施形態を示したものであり、ロータ30にスラスト磁気吸引力を与えるための環状スラスト用磁石70を、周方向に異極が存在しないよう軸線方向に着磁した双極を径方向に配置し、このスラスト用磁石70をベース12の基板部11における外周部上面に、磁性体製ハブ31の鍔状部31cに対し軸方向に僅かな隙間を介して対向するようにして取り付けたことを特徴とするものである。
【0046】
この実施形態の場合、スラスト磁石70の内外周部の双極がそれぞれ鍔状部31cに近接対向するため、磁気閉ループの形成が容易であり、別途ヨークを用いる必要もなく、安定した磁気スラスト力を得ることができる。勿論、既述した実施形態の場合と同様、渦電流損や磁気ヒステリシス損を小さく抑えることができる。
【0047】
図4は、本発明の第4の実施形態を示したものであり、既述の実施形態と異なる点は、スラスト磁気吸引力を発生するための磁気回路をロータ30の回転中心部に配置した点である。すなわち、ロータ30の軸部32の先端に螺着される抜け止め部材33を強磁性体材料で構成する一方、スリーブ21の下端開口を閉塞するカウンタプレート80に軸線方向に着磁した円盤状スラスト用磁石81を組み込むようにし、スラスト用磁石81の磁力により抜け止め部材33の鍔部33bを磁気吸引し、軸部32を介してハブ31に磁気スラスト力を得るようにしたものである。この場合、カウンタプレート80をスラスト用磁石81を樹脂等でモールドした構成とすることができる。
【0048】
第4の実施形態にあっては、磁気スラスト力を得るための磁気回路部を、軸受部構成部品である抜け止め部材33及び(磁石81内蔵)カウンタプレート80で構成しているため、部品数の増大を招く心配がなく、加えて、この磁気回路部を回転中心部に配置しているため、磁気回路の設置半径が小さくなり、磁気スラストを得るための構造・メカニズムに起因する渦電流損や磁気ヒステリシス損等の損失を小さく抑えることが可能となる。特にこの場合、モータの傾きに対する負のモーメント剛性の発生を小さく抑えることができ、より安定な回転システムとすることができる。
【0049】
なお、図4の実施形態の場合、ハブ31を非磁性体で構成することができる。この場合、モータ駆動用磁石34を円環状のバックヨークを介して非磁性体製ハブ31に取り付けるようにすればよい。
【0050】
図5は、本発明の第5の実施形態を示したものであり、ロータ30に対しスラスト方向の軸力を発生させるための磁石を磁性体製ハブ31の内周部寄りに配置したものである。すなわち、ベース10の環状ボス部13における支持壁15にはステータ17が固定されているが、このステータ17を利用し、ステータコア17aの環状内周部(バックコア部)の上面に、周方向に異極が存在しなく軸線方向に着磁された単極の円環状スラスト用磁石90を円環板状ヨーク91を介して配置している。
【0051】
スラスト用磁石90の上面の磁極面はハブ31の円盤状部31aの内天井面に近接対向し、また、磁石90の下面の磁極面はヨーク91に当接し、このヨーク91の内周部が磁石90より内方に突き出たかたちとなってその内周面がハブ31の環状突状部31dに近接対向している。
【0052】
スラスト用磁石90による磁束は、磁石90の上面−磁性体製ハブ31における円盤状部31aの下面−円盤状部31a内部−環状突部31d内部−環状突部31dの外周面−ヨーク91−磁石90の下面といった磁気ループを通り、磁石90と円盤状部31a間に磁気吸引力が作用し、ハブ31が軸線方向下方向に磁気吸引され、これがスラスト動圧軸受部44で発生する浮上力と釣り合うことで、モータ回転時にハブ31を軸線方向に保持する支持力が発生する。
【0053】
図6に示す本発明の第6の実施形態においても、ロータ30に対しスラスト方向の軸力を発生させるための磁石を磁性体製ハブ31の内周部寄りに配置しているが、この場合は、ベース10の環状ボス部13の上面における支持壁15の内周側を利用し、周方向に異極が存在しなく軸線方向に着磁された単極の円環状スラスト用磁石100を断面L形の環状ヨーク101を介して環状ボス部13の上面に配置している。
【0054】
環状ヨーク101は環状平板部101aとこの平板部101aの内周部より上方に立ち上がった立ち上げ筒部101bとを有し、例えば円環状磁性板材をプレス成形することにより形成されており、立ち上げ筒部101bの上面はハブ31の環状突状部31dの下部内面に内周側から近接対向するように傾斜状に形成されている。
【0055】
スラスト用磁石100はその下面の磁極をヨーク101の平板部101aの上面に当接させかつ立ち上げ筒部101bとの間に間隙を開けて取り付けられており、磁石100の上面の磁極はハブ31の環状突状部31dの下面に近接対向している。従って、スラスト用磁石100による磁束は、磁石100の上面−磁性体製ハブ31における環状突部31dの下面−環状突状部31d内部−ヨーク101の立ち上げ筒部101b−ヨーク101の平板部101a−磁石100の下面といった磁気ループを通り、磁石100と環状突部31d間に磁気吸引力が作用する。
【0056】
図7は、本発明の第7の実施形態を示したものであり、第6の実施形態と同様に環状ボス部13の上面を利用してスラスト用磁石110を配置すると共に、この磁石110による磁束の磁路をスラスト動圧軸受部を利用して形成したものである。
【0057】
スラスト用磁石110は周方向に異極が存在しなく軸線方向に着磁された単極の環状磁石として構成され、これが平板環状のヨーク111を介して環状ボス部13の周壁部15より内周側の上面に取り付けられ、磁石110の上面の磁極は磁性体製ハブ31の環状突状部31dの下面に近接対向している。ヨーク111の内周部はスリーブ21の外周面に近接対向している。また、スリーブ21は磁性体により構成されている。
【0058】
従って、スラスト用磁石110による磁束は、磁石110の上面−磁性体製ハブ31における環状突部31dの下面−環状突状部31d内部−ハブ31の円盤状部31aの内部−スラスト動圧軸受部44−磁性体製スリーブ21の内部−スリーブ21の外周面−ヨーク111−磁石110の下面といった磁気ループを通り、磁石110と環状突部31d間及びスラスト動圧軸受部44を構成する円盤状部31dとスリーブ21間に磁気吸引力が作用する。
【0059】
特にこの第7の実施形態の場合のように、スラスト動圧軸受部44を通してスラスト方向の力を得る場合には、非常に狭い(数十μm)のギャップを介して力を得るので、より効率的な磁気回路構成となり、スラスト用磁石110としては非常に小型の磁石を用いることが可能となり、コンパクトで安価なスピンドルモータとなる。
【0060】
また、上述した第5〜第7の実施形態のように、スラスト用磁石を設置半径の小さい磁性体製ハブ31の内周部に設けた場合には、渦電流損や磁気ヒステリシス損等の小さい構造とすることができ、傾きに対しても負のモーメント剛性の発生を小さくでき、より安定な回路システムを構築できることになる。
【0061】
次に、図8に示す本発明の第8の実施形態について説明する。この実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、磁性体製ハブ31の円筒状部31bにおける内周面に装着されたモータ駆動用磁石34の軸方向両端面にそれぞれ環状の磁性ヨーク121,122を配置した点である。ハブ31に装着されたモータ駆動用磁石34は、そのスラスト方向中央位置がステータ17のスラスト方向中央位置に略一致するように装着されており、加えて、この磁石34の軸方向両端面にヨーク121,122を配置することで、モータ駆動用磁石34の近辺の磁気回路構成を軸方向両端部で磁気的に略対称に形成される。
【0062】
このような構成にすることにより、モータ駆動用磁石34の各磁極がステータ17のティース間のスロット部に対向した場合であっても、磁石34の周辺の磁束が軸方向両端部でアンバランスを生じることがなく、スイッチングによるスラスト励振力の発生を抑えることができる。なお、図8では、上側のヨーク121がハブ31の円盤状部31aと円筒状部31bとの角部下面に当接する構造になっており、こうすることにより磁石34を軸方向に位置決めでき、組立がより簡単になるが、上記角部と上側のヨーク121との間に空隙が形成される構成であってもよい。
【0063】
図9に示す本発明の第9の実施形態は、第8の実施形態における上側の環状磁性ヨークを磁性体製ハブ31で代用するようにしたものである。すなわち、ハブ31の円筒状部31bの内周側上部には、下側の環状ヨーク122の径方向幅と同等の厚みの厚肉部31fが環状に形成され、モータ駆動用磁石34の上端面がこの厚肉部31fの下面に当接する位置で、磁石34のスラスト方向中央位置がステータ17のスラスト方向中央位置に略一致するようになっている。
【0064】
従って、この実施形態のものにあっても、第8の実施形態の場合と同様、モータ駆動用磁石34の近辺の磁気回路構成を軸方向両端部で磁気的に略対称に形成することができ、特にこの実施形態の場合は1個のみのヨーク122でよく、部品数が削減できる。
【0065】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明はこれら実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【0066】
例えば、上述した実施形態では何れも、スラスト用磁石を静止部材側に装着した場合を示したが、これに限らず回転部材側に装着してもよく、また、スラスト用磁石に対向する部分(強磁性体)を一様な平面構造としたが、周状につながるフリンジ形状にして渦電流損失の増加を防止するようにしてもよい。
【0067】
さらに、スラスト用磁石を用いてスラスト方向の軸力を得る場合に、このスラスト用磁石と強磁性体とは軸線方向に対向させる以外に、周方向に配置させてもよい。その場合には、周方向に対向する一方の側に周方向にフリンジを設け、他方の側の磁気的な中心位置をそのフリンジ位置よりも軸方向にずらせることにより所望の軸力を得ることができる。
【0068】
本発明が対象とするスピンドルモータは、上述したようなステータ17に対しその外周側にモータ駆動用磁石34が対向するアウターロータタイプに限らず、ステータの内周側にモータ駆動用磁石が対向するインナーロータタイプのスピンドルモータにも適用可能である。
【0069】
また、本発明の情報記録再生装置は、ハードディスクドライブ装置に限定されるものではなく、記録用ディスクを回転して情報の記録・再生を行う他の装置、例えばCD−RWやDVD−RW等にも適用可能である。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のスピンドルモータ及びこれを用いた情報記録再生装置によれば、以下に記載の効果を奏する。
【0071】
請求項1記載のスピンドルモータにあっては、モータ駆動用磁石の近辺の磁気回路構成が軸方向両端部で磁気的に略対称に形成されており、しかも、ステータとモータ駆動用磁石とのそれぞれのスラスト方向の中央位置が一致つまりそれぞれの磁気センターが一致しているため、ステータとモータ駆動用磁石との間にスラスト方向の力が作用することがないばかりでなく、モータ駆動用磁石の磁極がステータのスロット部に対向したタイミングであってもスラスト方向磁気励振力が全く作用せず、スイッチングによるスラスト力は皆無となり、この結果、回転部材及び静止部材が加振されることはなく、スイッチング周波数での高調波の励振力によるピュアトーンの発生はなく、静寂な回転状態が得られるものである。
【0072】
加えて、スラスト方向の軸力をモータ駆動用磁石とは別に独立して設けたスラスト用磁石のみにより得るようにしているため、スラスト磁気吸引力がロータの回転に関わらず常に安定して得られ、上述した励振力の抑制と相俟って、ピュアトーンの発生のない静寂で安定した回転性能を有するスピンドルモータを得ることができるものである。
【0073】
請求項2記載のスピンドルモータにあっては、請求項1における磁性体製のハブの一部に対向するよう別の磁石を静止部材側に配置する構成としたので、磁性体製ハブを直接磁気吸引して軸力を発生させることができる。
【0074】
請求項3記載のスピンドルモータにあっては、請求項1又は2において、モータ駆動用磁石の軸方向両端面にそれぞれ磁性体が存在しない空隙部を設ける構成としているので、簡単な構成でモータ駆動用磁石の近辺の磁気回路構成を軸方向両端部で磁気的に略対称に形成することができる。
【0075】
請求項4記載のスピンドルモータにあっては、請求項1又は2において、モータ駆動用磁石の軸方向両端面にそれぞれ磁性ヨークを配置しているので、特にモータの軸方向寸法に制約がありこの部分に十分な空隙を設けることが困難な場合であっても、モータ駆動用磁石の近辺の磁気回路構成を軸方向両端部で磁気的に略対称に形成することが可能になる。
【0076】
請求項5記載のスピンドルモータにあっては、請求項1におけるハブを磁性体製とする一方、このハブの一部を利用してモータ駆動用磁石の近辺の磁気回路構成を軸方向両端部で磁気的に略対称に形成することができるので、磁石両端にヨークを配置する場合に比べ部品数を削減でき、構造が簡単になる。
【0077】
請求項6記載のスピンドルモータにあっては、請求項1〜5における別の磁石をハブの外周部もしくはこれに対向する静止部材に配置したので、軸力をハブの全周で得ることができ、安定したスラスト力を得ることができる。
【0078】
請求項7記載のスピンドルモータにあっては、請求項1〜5における別の磁石をハブの内周部もしくはこれに対向する静止部材に配置したので、設置半径が小さくなり、渦電流損やヒステリシス損等を小さく抑えることができる。
【0079】
請求項8記載のスピンドルモータにあっては、請求項7において、ハブ及びスリーブをそれぞれ磁性体で構成し、スリーブ端面とハブとで構成するスラスト軸受部を介してスラスト方向の軸力を発生させるようにしたので、狭いギャップを介して力を得ることができ、別の磁石による磁力を小さくすることが可能となり、非常に小さな磁石とすることができ、コンパクトで安価なスピンドルモータを提供することができる。
【0080】
請求項9記載のスピンドルモータにあっては、請求項1〜5において、流体動圧軸受を構成するスリーブ体と軸部とを用い、軸部のスリーブ体からの抜けを阻止する抜け止め部材を磁性体としてこれに対向するスリーブ体に別の磁石を配置するようにしたので、回転部材の回転中心部分でスラスト方向の軸力を得る構成とすることができ、渦電流損や磁気ヒステリシス損等、構造・メカニズムに起因するロスを最小限に抑えることができる上、傾きに関する負のモーメント剛性の発生を小さく抑えることができ、安定な回転システムを得ることができる。
【0081】
請求項10記載のスピンドルモータにあっては、請求項1〜9における別の磁石を周方向に異極が存在しない単極もしくは双極着磁を行って構成したため、渦電流損の発生を抑えることができ、加えて、別の磁石による磁気吸引力をバックヨークを用いて磁気的閉ループを確保した上で得るようにしているため、磁気ヒステリシス損を小さく抑えることができると共に、漏れ磁束を最小限に抑えることができ、モータ外部への磁気漏れがなく、ディスクに対する磁気的な書き込みや読み出しのエラーを生じることがない。
【0082】
請求項11記載の情報記録再生装置にあっては、請求項1〜10記載のスピンドルモータを用いて構成するため、スイッチング周波数での高調波励振力,ピュアトーンを生じない静寂な状態で記録用ディスクを回転させることができ、情報の記録・再生をエラーを生じることなく安定な状態で実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すスピンドルモータの断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示すスピンドルモータの半断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態を示すスピンドルモータの半断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態を示すスピンドルモータの半断面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態を示すスピンドルモータの半断面図である。
【図6】本発明の第6の実施形態を示すスピンドルモータの半断面図である。
【図7】本発明の第7の実施形態を示すスピンドルモータの半断面図である。
【図8】本発明の第8の実施形態を示すスピンドルモータの半断面図である。
【図9】本発明の第9の実施形態を示すスピンドルモータの半断面図である。
【符号の説明】
10 ベース
17 ステータ
20 スリーブ体
21 スリーブ
22,80 カウンタプレート
30 ロータ
31 ハブ
32 軸部
33 抜け止め部材
34 モータ駆動用磁石
42,43 ラジアル軸受部
44 スラスト軸受部
50,60,70,81,90,100,110 スラスト用磁石(別の磁石)
51、91,101,111 ヨーク
121,122 磁性ヨーク

Claims (11)

  1. 静止部材に対して流体動圧軸受で回転自在に支持された回転部材のハブに、環状のモータ駆動用磁石を、静止部材のモータステータに径方向に対向するよう装着してなるスピンドルモータにおいて、
    前記モータ駆動用磁石の近辺の磁気回路構成を軸方向両端部で磁気的に略対称に形成し、前記ステータのスラスト方向の中央位置と前記モータ駆動用磁石のスラスト方向の中央位置とを略一致させ、かつ前記モータ駆動用磁石とは別の磁石を静止部材側もしくは回転部材側の少なくとも一方に配置して他方の強磁性体と対向させることでスラスト方向に安定した軸力を発生させることを特徴としたスピンドルモータ。
  2. 前記ハブは磁性体で構成され、前記別の磁石が静止部材側に配置され、当該別の磁石に対向する強磁性体が前記磁性体ハブの一部であることを特徴とする請求項1記載のスピンドルモータ。
  3. モータ駆動用磁石の軸方向両端面にはそれぞれ少なくともその近傍には磁性体が存在しない空隙部が設けられることで、前記モータ駆動用磁石の近辺の磁気回路構成が軸方向両端部で磁気的に略対称に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のスピンドルモータ。
  4. モータ駆動用磁石の軸方向両端面にそれぞれ磁性ヨークを配置することで、前記モータ駆動用磁石の近辺の磁気回路構成が軸方向両端部で磁気的に略対称に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のスピンドルモータ。
  5. モータ駆動用磁石の軸方向一端面には前記磁性体ハブの一部が当接しており、モータ駆動用磁石の軸方向他端面に磁性ヨークを配置することで、前記モータ駆動用磁石の近辺の磁気回路構成が軸方向両端部で磁気的に略対称に形成されていることを特徴とする請求項1記載のスピンドルモータ。
  6. スラスト方向の軸力を発生させる前記別の磁石は、前記ハブの外周部もしくはこれに対向する前記静止部材に配置したことを特徴とする請求項1〜5記載のスピンドルモータ。
  7. スラスト方向の軸力を発生させる前記別の磁石は、前記ハブの内面部もしくはこれに対向する前記静止部材に配置したことを特徴とする請求項1〜5記載のスピンドルモータ。
  8. 前記流体動圧軸受は、静止部材側のスリーブとこれに挿通される回転部材側の軸部とを用いて構成されるラジアル軸受部と、前記スリーブの軸方向端面とこれに対向する前記ハブの一部とを用いて構成されるスラスト軸受部とを有し、前記ハブ及びスリーブはそれぞれ磁性体により構成され、前記スラスト軸受部における狭い間隙部分でスラスト方向の軸力を発生させることを特徴とする請求項7記載のスピンドルモータ。
  9. 前記流体動圧軸受は、静止部材側の有底筒状スリーブ体とこれに挿通される回転部材側の軸部とを用いて構成されると共に、前記軸部の先端に該軸部の前記スリーブ体からの抜けを阻止する抜け止め部材を有し、該抜け止め部材を磁性体で構成すると共に、該抜け止め部材に対向する前記スリーブ体の一部に前記別の磁石を配置してスラスト方向の軸力を発生させることを特徴とする請求項1〜5記載のスピンドルモータ。
  10. 前記別の磁石は周方向に異極が存在しない単極もしくは双極着磁を行って構成され、該別の磁石が前記静止部材側に配置されると共に、回転部材側との間で磁気的閉ループを構成できるように前記別の磁石における回転部材側との反対側またはその側面部にバックヨークを設置したことを特徴とする請求項1〜9記載のスピンドルモータ。
  11. 請求項1〜10記載のスピンドルモータのハブに記録用ディスクを装着し、回転する前記ディスクに対して情報の記録・再生を行う手段を備えたことを特徴とする情報記録再生装置。
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