JP2005026990A - デジタル記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像データに誤りが混入していた場合でも画像の再生を良好に行えるデジタル記録再生装置を提供する。
【解決手段】コンテンツデータ中のPESパケットがエラーを含むか否かを検出し、その検出結果を表すエラーフラグを含むインデックスデータを作成する。コンテンツデータの再生の際にこのインデックスデータを参照することで、エラーを含むPESパケットを再生しないことが可能となる。また、インデックスデータにPESパケットがピクチャ内符号化データを含むか否かを表すIフレームフラグ、PESパケットのコンテンツデータ中での相対位置を表すオフセットを含ませることで、Iフレームのみを再生し、早送り、早戻し等の特殊再生を効率的に行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】コンテンツデータ中のPESパケットがエラーを含むか否かを検出し、その検出結果を表すエラーフラグを含むインデックスデータを作成する。コンテンツデータの再生の際にこのインデックスデータを参照することで、エラーを含むPESパケットを再生しないことが可能となる。また、インデックスデータにPESパケットがピクチャ内符号化データを含むか否かを表すIフレームフラグ、PESパケットのコンテンツデータ中での相対位置を表すオフセットを含ませることで、Iフレームのみを再生し、早送り、早戻し等の特殊再生を効率的に行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル画像データを含むコンテンツデータを記録、再生するデジタル記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MPEG(Moving Picture Experts Group)方式により圧縮された画像データを記録、再生するデジタル記録再生装置が用いられている。
MPEG方式では、Iフレーム(ピクチャ内符号化画像)、Pフレーム(ピクチャ間予測符号化画像)等を含むGOP(Group of Picture)によって複数の画像を表現している。Iフレームは、DCT(Discrete Cosine Transform:離散コサイン変換)量子化によって画像データを符号化したものである。Pフレームは、過去の画像データから予測したデータと現在の画像データとの差分を符号化したものである。GOPは、PES(Packetized Elementary Stream)パケットに分割して、伝送、記録等がなされる。MPEG方式で圧縮された画像データを再生するには、Iフレームを復号化し、これを基礎としてPフレーム等を復号化する。この結果、複数の画像データが時系列的に再生される。
なお、Iフレームを含むPESパケットを検出し、インデックスファイルを作成することで、早送り再生等をスムーズに行う技術が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−224543
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のデジタル記録再生装置では画像データに誤りが混入していた場合に、画像の再生が良好に行われない場合があった。特にIフレームのデータに誤りが有るときには、画像の乱れが大きくなり易い。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、画像データに誤りが混入していた場合でも画像の再生を良好に行えるデジタル記録再生装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係るデジタル記録再生装置は、コンテンツデータに含まれ、かつピクチャ内符号化およびピクチャ間符号化されたデジタル画像データをパケット化したPESパケットが、ピクチャ内符号化データを含むか否かを検出するIフレーム検出部と、前記PESパケットがエラーを含むか否かを検出するエラー検出部と、前記PESパケットのコンテンツデータ中での相対位置を検出する相対位置検出部と、前記Iフレーム検出部による検出結果を表すIフレームフラグ、前記エラー検出部によるエラー検出結果を表すエラーフラグ、および前記相対位置検出部による検出結果を表すオフセット、を含むインデックスデータを作成するインデックス作成部と、を具備することを特徴とする。
【0006】
コンテンツデータ中のPESパケットがエラーを含むか否かを検出し、その検出結果を表すエラーフラグを含むインデックスデータが作成される。このため、コンテンツデータの再生の際にこのインデックスデータを参照することで、エラーを含むPESパケットを再生しないことが可能となる。また、インデックスデータはPESパケットがピクチャ内符号化データを含むか否かを表すIフレームフラグ、PESパケットのコンテンツデータ中での相対位置を表すオフセットを含む。このため、Iフレームのみを再生することで、早送り、早戻し等の特殊再生を効率的に行うことができる。
【0007】
(1)ここで、前記エラー検出部が、前記ピクチャ内符号化データがエラーを含むか否かを検出してもよい。
ピクチャ内符号化データは画像再生の基礎となるデータなので、これがエラーを含む場合にピクチャ間符号化データ等よりも影響が大きい。このため、ピクチャ内符号化データのみをチェックしてPESパケットの良否を判断できる。
【0008】
(2)デジタル記録再生装置が、前記インデックス作成部によって作成されたインデックスデータを記録媒体に記録するインデックスデータ保存部、をさらに具備してもよい。
インデックスデータを記録媒体等に記録しておくことで、コンテンツデータの再生を効率的に行える。
【0009】
(3)デジタル記録再生装置が、前記インデックス作成部によって作成されたインデックスデータに基づいて、コンテンツデータを再生するコンテンツデータ再生部をさらに具備してもよい。
インデックスデータを用いたコンテンツデータの再生が効率的に行える。
【0010】
ここで、前記コンテンツデータ再生部が、前記Iフレームフラグに基づいて、ピクチャ内符号化データを再生してもよい。
ピクチャ内符号化データのみを再生することで(ピクチャ間符号化データ等を再生から除外)、早送り、早戻し等の特殊再生を効率的に行える。
【0011】
前記コンテンツデータ再生部が、前記エラーフラグに基づいて、エラーを含まないPESパケットを再生してもよい。
エラーを含むPESパケットを再生から除外することで、画像の良好な再生が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るデジタル記録再生装置10を示すブロック図である。図1に示すように、デジタル記録再生装置10は、記録媒体20、記録装置30、再生装置40を備え、画像データおよび音声データを含むコンテンツデータの記録、再生を行う。
【0013】
記録媒体20は、ハードディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体一般を意味し、コンテンツファイル保存領域21、及びインデックスファイル保存領域22を有する。
コンテンツファイル保存領域21は、オーディオ(音声)及びビデオ(画像)のPESパケットを含むコンテンツファイルを保存する記録媒体20上の領域である。インデックスファイル保存領域22は、コンテンツファイル保存領域21に保存されたコンテンツファイルに対応するインデックスファイルを保存する記録媒体20上の領域である。
【0014】
記録装置30は、記録媒体20のコンテンツファイル保存領域21にオーディオ及びビデオのPESパケットを含むコンテンツファイルを、インデックスファイル保存領域22にインデックスファイルをそれぞれ保存する。
記録装置30は、受信部301、選択部302,復調・誤り訂正検出部303、デマルチプレクサ304、コンテンツファイル保存部305、PESヘッダ検出部306、アドレスカウンタ307、Iフレーム検出部308、Iフレーム誤り検出部309、インデックスファイル作成部310、及びインデックスファイル保存部311を備える。
【0015】
受信部301は、受信アンテナを有し、放送局より多重送信された送信信号を受信する。
選択部302には、視聴者が選択した番組チャネルのサービスID(番組No)が設定され、受信部301によって受信された放送信号から、そのサービスIDに対応した映像/音声のビットストリームを復調・誤り訂正検出部303に出力する。なお、サービスIDは図示しない入力装置(例えば、押しボタン、リモコン)により入力される。
【0016】
復調・誤り訂正検出部303は、選択部302から入力されたビットストリームの復調及び誤り訂正を行い、MPEGシステムで規定されているトランスポートストリーム(TS)パケットに変換し、これをデマルチプレクサ304に出力する。
デマルチプレクサ304は、復調・誤り訂正検出部303から入力されたTSパケットより、1プログラムのオーディオとビデオのPESパケットをデマルチプレクス(分離化)して、出力する。この出力先は、通常使用時には再生装置40であり、記録時には再生装置40およびコンテンツファイル保存部305(更に、PESヘッダ検出部306、およびIフレーム検出部308)である(映像を表示しながら記録できる)。
コンテンツファイル保存部305は、デマルチプレクサ304から入力されたオーディオとビデオのPESパケットをコンテンツファイルとしてコンテンツファイル保存領域21に保存する。
【0017】
PESヘッダ検出部306は、デマルチプレクサ304から入力されたビデオPESパケットよりPESヘッダの検出を行い、このPESヘッダ内に含まれるビデオPESパケットの先頭アドレス、及びPTS(Presentation Time Stamp)の情報をインデックスファイル作成部310に出力するものであり、相対位置検出部として機能する。ここで、PTSとは、再生出力の時刻管理情報である。
アドレスカウンタ307は、PESヘッダ検出部306でPESヘッダを検出したときビデオPESパケットのデータ数を計測するものである。
【0018】
Iフレーム検出部308は、デマルチプレクサ304から入力されたビデオPESパケットからIフレーム(ピクチャ内符号化データ)の検出を行い、その検出結果を表すIフレームフラグをIフレーム検出部308経由でインデックスファイル作成部310に出力する。Iフレーム検出部308は、ビデオPESパケットに「CI」および「I−VOP」が含まれる場合にIフレームが検出されたと判定する。
【0019】
Iフレーム誤り検出部309は、Iフレーム検出部308から入力されたビデオPESパケットからIフレームの誤り検出を行うものであり、エラー検出部として機能する。そして、検出結果たるエラーフラグを、Iフレーム検出部308から入力されたIフレームフラグと共に、インデックスファイル作成部310に出力する。
既述のように、復調・誤り訂正検出部303からは誤り訂正が行われたTSパケットが出力されるが、TSパケット中に誤りを訂正しきれなかったPESパケット(特に、Iフレーム)が残る場合がある。このため、Iフレーム誤り検出部309がPESパケットの所定の項目をチェックすることで誤り検出を行う。
【0020】
図2は、PESパケットのデータ内容を表す模式図である。ここで、図2の(1)の「PES_info_n」は、n番目(n=1〜N)のIフレームを含むビデオのES(Elementary Stream)に含まれるパラメータを示す。(2)は「PES_info_1」の細部、(3)は「PES_info_1」中の「PES_info」の細部、(4)は「PES_info_1」中の「I_picture_info」の細部をそれぞれ表す。
Iフレーム誤り検出部309は、図2(1)の「PES_info_1」で示す各パラメータの妥当性、(3)の「PTS_info」で示すPTSの値が正しいかのチェックを行なう。その結果、正しくないと判定されたIフレームに対応するエラーフラグを出力する。
【0021】
インデックスファイル作成部310は、PESヘッダ検出部306、及びIフレーム誤り検出部309から入力された各情報を基に、ビデオPESパケット(コンテンツデータ)に対応するインデックスファイルを作成する。
インデックスファイル保存部311は、インデックスファイル作成部310で作成されたインデックスファイルをインデックスファイル保存領域22に保存する。
【0022】
図3は、インデックスファイル作成部310によって作成されたインデックスファイルの例を表す模式図である。インデックスファイルには、各PESパケットに対応するように、Iフレームフラグ、エラーフラグ、オフセットが対応して順に記録される。
ここで、IフレームフラグはIフレーム検出部308から出力され、PESパケット中のIフレームの有無を表す情報である。Iフレームがある(CI+I−VOPが含まれる)場合に「1」、Iフレームがない(CI+I−VOPが含まれない)場合に「0」となる。
エラーフラグは、Iフレーム誤り検出部309から出力され、各Iフレーム中のエラーの有無を表す情報である。エラーが含まれる場合に「1」、エラーが含まれない場合に「0」となる。
オフセットは、コンテンツファイルの先頭よりのPESパケットの位置をバイトで表す情報である。オフセットは、PESヘッダ検出部306より出力されたPESパケットの先頭アドレスの情報に基づきインデックスファイル作成部310が作成する。
【0023】
再生装置40は、記録媒体20のインデックスファイル保存領域22に保存されたインデックスファイルに基づき、コンテンツファイル保存領域21に保存されたコンテンツファイルを再生する。
再生装置40は、ユーザインターフェイス制御部401、インデックスファイル読出部402、コンテンツファイル読出部403、再生モード制御部404、PESパケットバッファ405、A/Vデコーダ406、画像復号部407、モニタ408,音声復号部409、スピーカ410を備える。
【0024】
ユーザインターフェイス制御部401は、ユーザにより入力された通常再生または特殊再生(早送り、早戻し等)の再生命令を再生モード制御部404に出力する。なお、再生命令の入力は図示しない入力装置(例えば、押しボタン、リモコン)を用いて行われる。
【0025】
インデックスファイル読出部402は、再生モード制御部404からの指示によりインデックスファイル保存領域22からインデックスファイルを読み出し、再生モード制御部404に出力する。
コンテンツファイル読出部403は、再生モード制御部404からの指示によりコンテンツファイル保存領域21からオーディオとビデオのPESパケットを取り出し、PESパケットバッファ405に出力する。
【0026】
再生モード制御部404は、ユーザインターフェイス制御部401より通常再生命令が入力されると、PESパケットバッファ405の空き容量に応じて、コンテンツファイル保存領域21からのデータ転送をコンテンツファイル読出部403に指示する。
また、再生モード制御部404は、ユーザインターフェイス制御部401より特殊再生命令が入力されると、インデックスファイル読出部402から得たインデックスファイルに基づいて、コンテンツファイル保存領域21からのデータ転送をコンテンツファイル読出部403に指示する。
【0027】
PESパケットバッファ405は、入力されたPESパケットデータを、A/Vデコーダ406からの要求信号を受けてA/Vデコーダ406に出力する。PESパケットデータの入力元は通常使用時および記録時にはデマルチプレクサ304であり、再生時にはコンテンツファイル読出部403である。
【0028】
A/Vデコーダ406は、入力されたオーディオとビデオのPESパケットデータをデコードし、ビデオデータは画像復号部407に、オーディオデータは音声復号部409にそれぞれ出力する。
画像復号部407は、A/Vデコーダ406から受け取ったビデオデータをテレビ出力信号に変換し、モニタ408に出力する。
音声復号部409は、A/Vデコーダ406から受け取ったオーディオデータをアナログ信号に変換し、スピーカ410に出力する。
【0029】
(デジタル記録再生装置10の動作)
次にデジタル記録再生装置10の動作を説明する。
A.通常使用時
まず、放送をそのまま視聴する場合につき説明する。
受信アンテナによって放送局より受信した放送信号は受信部301を経由して選択部302に出力される。選択部302は、放送信号から設定された番組チャネルのサービスIDに対応した映像/音声のビットストリームを選択する。
【0030】
復調・誤り訂正検出部303は、選択部302から入力されたビットストリームの復調及び誤り訂正を行い、TSパケットに変換する。デマルチプレクサ304は、TSパケットから1プログラムのオーディオとビデオのPESパケットを分離、出力する。
オーディオとビデオのPESパケットは、PESパケットバッファ405を経由して、A/Vデコーダ406でデコードされ、ビデオデータは画像復号部407に、オーディオデータは音声復号部409にそれぞれ出力する。この結果、モニタ408,スピーカ410によって放送を視聴できる。
【0031】
B.記録時
放送局から受信された画像データをコンテンツファイルとして記録媒体20に記録する場合を考える。
この記録時における受信部301、選択部302、復調・誤り訂正検出部303の動作内容は通常使用時と同様である。即ち、受信された放送信号から番組チャネルのサービスIDに対応した映像/音声のビットストリームが選択される。
【0032】
(1)コンテンツファイルの記録
デマルチプレクサ304は、オーディオとビデオのPESパケットを分離、出力することは通常使用時と変わりないが、その出力先にコンテンツファイル保存部305が加わる。その結果、PESパケットを含むコンテンツファイルがコンテンツファイル保存領域21に記録される。
なお、PESパケットはPESパケットバッファ405にも出力されるので、通常使用時と同様にモニタ408,スピーカ410によって放送を視聴できる。
【0033】
(2)インデックスファイルの作成・記録
コンテンツファイルの記録と並行して、インデックスファイル作成部310、及びインデックスファイル保存部311によるインデックスファイルの作成、記録が行われる。
インデックスファイルの作成に先だって以下の処理が行われる。即ち、Iフレーム検出部がビデオPESパケットからIフレームの検出を行い、Iフレームフラグを出力する。また、Iフレーム誤り検出部309が検出されたIフレーム中の誤りを検出し、エラーフラグを出力する。また、PESヘッダ検出部が入力されたビデオPESパケットよりPESヘッダの検出を行い、このPESヘッダ内に含まれるビデオPESパケットの先頭アドレスを出力する。インデックスファイル作成部310は、この先頭アドレスをコンテンツファイルの先頭から換算したオフセットに換算する。
【0034】
インデックスファイル作成部310は、これらIフレームフラグ、エラーフラグ、オフセットからインデックスファイルを生成し、インデックスファイル保存部311がこのインデックスファイルをインデックスファイル保存領域22に保存する。
【0035】
C.再生時
記録媒体20に記録されたコンテンツファイルを再生する場合を考える。
この場合、再生の速度(通常速度、早送り)、再生の方向(順方向、逆方向)がユーザインターフェイス制御部401から入力された再生命令により決定される。通常再生は通常速度での順方向再生であり、これ以外での再生は特殊再生となる。
【0036】
これらの再生状態の指定に従って、インデックスファイル保存領域22からのインデックスファイル読出部402によるインデックスファイルの読み出し、コンテンツファイル読出部403によるコンテンツファイル保存領域21からのコンテンツデータの読み出しが並行して行われる。
【0037】
(1)インデックスファイルの読み出し
再生命令に従い、再生モード制御部404がインデックスファイル読出部402によるインデックスファイルの読み出しの方向および読み出しの速度を制御する。
順再生の場合にはインデックスファイルが先頭から末尾の方向に、逆再生の場合にはインデックスファイルが末尾から先頭の方向に読み取られる。また、画像の再生を通常速度より大きい速度で行う場合には、これに応じてインデックスファイルの読み取りも高速で行われる。
但し、インデックスファイルの読み出しが、再生命令で表されるコンテンツファイルの再生方向、速度と必ずしも対応しなくてもよい。例えば、インデックスファイルの内容を一時的に保持するバッファを用いれば、再生命令の内容に依存することなくインデックスファイルの読み取りを行える。
【0038】
(2)コンテンツファイルの読み出し、再生
読み出されたインデックスファイルに従って、再生モード制御部404がコンテンツファイル読出部403によるコンテンツデータの読み出しを制御する。インデックスファイルに従ってコンテンツファイルの読み出しが行われることで、再生される画像の乱れの防止や早送り再生の容易化が実現される。
【0039】
エラーの無いIフレームに基づく画像の再生を行う(エラーの有るIフレームは用いない)ことで、再生画像の乱れを防止できる。例えば、図3に示したインデックスファイルで、番号1,2、4,5,14,16,17の順に再生を行ない、その途中の番号のPESパケットは画像の再生に用いないことができる。
この例では、エラーの無い(エラーフラグ:0)Iフレーム(Iフレームフラグ:1)のみを再生に用いている。エラーの有るIフレーム(エラーフラグ:1)を再生に用いないことで、不良な画像の再生を防止できる。なお、Iフレームが含まれないPESパケットを画像の再生に用いないのは、早送りを容易に行うためである。
通常誤ったIフレームを再生すれば画像が壊れて表示されたり、最悪の場合は表示されず表示が途切れたりするが、誤ったIフレームを再生しないので画像が壊れることなく、画像表示が途切れることなくコンテンツの早送りが実現可能となる。
【0040】
早送りを行わないような場合に、エラーの無い(エラーフラグ:0)Iフレーム(Iフレームフラグ:1)のみでなく、その後に続くPフレーム等を含むPESパケットを画像の再生に用いることも可能である。例えば、図3に示したインデックスファイルで、番号1〜9、14〜17の順に再生を行ない、エラーの無いIフレームの間に存在するIフレームを含まないPESパケット(Pフレーム等)を再生に利用できる。
【0041】
また、Iフレームを間引いて再生することで再生の速度をより大きくすることが容易になる。
図4は、再生速度と「CI+I−VOP」データの抽出(Iフレームの間引き)との関係を表す模式図である。
図4の(1)の通常再生ではIフレーム以外のPフレーム等も含めて画像の再生を行い、時間に対して多数の画像を再生することで滑らかな動きでの動画の再生を可能としている。
これに対して、(2)の早送り1ではIフレームに対応する「CI+I−VOP」を抽出することで早送り・早戻しを容易に実現している。さらに、(3)の早送り2ではIフレームに対応する「CI+I−VOP」(Iフレーム)を間引いて抽出することで、より速度の速い早送り・早戻しを容易に実現している。
【0042】
このようなIフレームの間引きは、例えば、インデックスファイルの作成時にIフレームフラグとして1を付与するPESファイルを削減することで行える。また、インデックスファイル上ではIフレームを間引かず、再生時に再生に利用するIフレームを間引くことで行っても差し支えない。
【0043】
このようなIフレームの間引きを行う場合にIフレームに誤りが有れば、Iフレームが飛び越して再生される。
図5(A)〜(C)は、早送りにおけるIフレームの誤りと再生状態との関係を表す模式図である。図中「○」が誤りの無いIフレームを「×」が誤りの有るIフレームを表す。
図5の(A)はIフレームに誤りがない場合を表し、Iフレームを1個置きに間引いて再生している。(B)はIフレームに誤りがある場合を表し、誤りの有るIフレームを飛び越して再生している。(C)は誤りが有るIフレームが複数続く場合であり、誤りの無いIフレームに至るまで飛んで画像の再生を行っている。
図6(A)〜(C)は、早戻しにおけるIフレームの誤りと再生状態との関係を表す模式図である。「○」が誤りの無いIフレームを「×」が誤りの有るIフレームを表す。図5と同様に、誤りがあるIフレームを飛び越し、誤りの無いIフレームのみを用いて画像の再生を行っている。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば画像データに誤りが混入していた場合でも画像の再生を良好に行えるデジタル記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態に係るデジタル記録再生装置の構成を表すブロック図である。
【図2】PESパケットのデータ内容を表す模式図である。
【図3】インデックスファイル作成部によって作成されたインデックスファイルの例を表す模式図である。
【図4】再生速度とIフレームの間引きとの関係を表す模式図である。
【図5】早送りにおけるIフレームの誤りと再生状態との関係を表す模式図である。
【図6】早戻しにおけるIフレームの誤りと再生状態との関係を表す模式図である。
【符号の説明】
10…デジタル記録再生装置、 20…記録媒体、 21…コンテンツファイル保存領域、 22…インデックスファイル保存領域、 30…記録装置、 40…再生装置、301…受信部、302…選択部、303…復調・誤り訂正検出部、304…デマルチプレクサ、305…コンテンツファイル保存部、306…PESヘッダ検出部、307…アドレスカウンタ、308…Iフレーム検出部、309…Iフレーム誤り検出部、310…インデックスファイル作成部、311…インデックスファイル保存部、401…ユーザインターフェイス制御部、402…インデックスファイル読出部、403…コンテンツファイル読出部、404…再生モード制御部、405…PESパケットバッファ、406…A/Vデコーダ、407…画像復号部、408…モニタ、409…音声復号部、410…スピーカ
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル画像データを含むコンテンツデータを記録、再生するデジタル記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MPEG(Moving Picture Experts Group)方式により圧縮された画像データを記録、再生するデジタル記録再生装置が用いられている。
MPEG方式では、Iフレーム(ピクチャ内符号化画像)、Pフレーム(ピクチャ間予測符号化画像)等を含むGOP(Group of Picture)によって複数の画像を表現している。Iフレームは、DCT(Discrete Cosine Transform:離散コサイン変換)量子化によって画像データを符号化したものである。Pフレームは、過去の画像データから予測したデータと現在の画像データとの差分を符号化したものである。GOPは、PES(Packetized Elementary Stream)パケットに分割して、伝送、記録等がなされる。MPEG方式で圧縮された画像データを再生するには、Iフレームを復号化し、これを基礎としてPフレーム等を復号化する。この結果、複数の画像データが時系列的に再生される。
なお、Iフレームを含むPESパケットを検出し、インデックスファイルを作成することで、早送り再生等をスムーズに行う技術が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−224543
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のデジタル記録再生装置では画像データに誤りが混入していた場合に、画像の再生が良好に行われない場合があった。特にIフレームのデータに誤りが有るときには、画像の乱れが大きくなり易い。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、画像データに誤りが混入していた場合でも画像の再生を良好に行えるデジタル記録再生装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係るデジタル記録再生装置は、コンテンツデータに含まれ、かつピクチャ内符号化およびピクチャ間符号化されたデジタル画像データをパケット化したPESパケットが、ピクチャ内符号化データを含むか否かを検出するIフレーム検出部と、前記PESパケットがエラーを含むか否かを検出するエラー検出部と、前記PESパケットのコンテンツデータ中での相対位置を検出する相対位置検出部と、前記Iフレーム検出部による検出結果を表すIフレームフラグ、前記エラー検出部によるエラー検出結果を表すエラーフラグ、および前記相対位置検出部による検出結果を表すオフセット、を含むインデックスデータを作成するインデックス作成部と、を具備することを特徴とする。
【0006】
コンテンツデータ中のPESパケットがエラーを含むか否かを検出し、その検出結果を表すエラーフラグを含むインデックスデータが作成される。このため、コンテンツデータの再生の際にこのインデックスデータを参照することで、エラーを含むPESパケットを再生しないことが可能となる。また、インデックスデータはPESパケットがピクチャ内符号化データを含むか否かを表すIフレームフラグ、PESパケットのコンテンツデータ中での相対位置を表すオフセットを含む。このため、Iフレームのみを再生することで、早送り、早戻し等の特殊再生を効率的に行うことができる。
【0007】
(1)ここで、前記エラー検出部が、前記ピクチャ内符号化データがエラーを含むか否かを検出してもよい。
ピクチャ内符号化データは画像再生の基礎となるデータなので、これがエラーを含む場合にピクチャ間符号化データ等よりも影響が大きい。このため、ピクチャ内符号化データのみをチェックしてPESパケットの良否を判断できる。
【0008】
(2)デジタル記録再生装置が、前記インデックス作成部によって作成されたインデックスデータを記録媒体に記録するインデックスデータ保存部、をさらに具備してもよい。
インデックスデータを記録媒体等に記録しておくことで、コンテンツデータの再生を効率的に行える。
【0009】
(3)デジタル記録再生装置が、前記インデックス作成部によって作成されたインデックスデータに基づいて、コンテンツデータを再生するコンテンツデータ再生部をさらに具備してもよい。
インデックスデータを用いたコンテンツデータの再生が効率的に行える。
【0010】
ここで、前記コンテンツデータ再生部が、前記Iフレームフラグに基づいて、ピクチャ内符号化データを再生してもよい。
ピクチャ内符号化データのみを再生することで(ピクチャ間符号化データ等を再生から除外)、早送り、早戻し等の特殊再生を効率的に行える。
【0011】
前記コンテンツデータ再生部が、前記エラーフラグに基づいて、エラーを含まないPESパケットを再生してもよい。
エラーを含むPESパケットを再生から除外することで、画像の良好な再生が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るデジタル記録再生装置10を示すブロック図である。図1に示すように、デジタル記録再生装置10は、記録媒体20、記録装置30、再生装置40を備え、画像データおよび音声データを含むコンテンツデータの記録、再生を行う。
【0013】
記録媒体20は、ハードディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体一般を意味し、コンテンツファイル保存領域21、及びインデックスファイル保存領域22を有する。
コンテンツファイル保存領域21は、オーディオ(音声)及びビデオ(画像)のPESパケットを含むコンテンツファイルを保存する記録媒体20上の領域である。インデックスファイル保存領域22は、コンテンツファイル保存領域21に保存されたコンテンツファイルに対応するインデックスファイルを保存する記録媒体20上の領域である。
【0014】
記録装置30は、記録媒体20のコンテンツファイル保存領域21にオーディオ及びビデオのPESパケットを含むコンテンツファイルを、インデックスファイル保存領域22にインデックスファイルをそれぞれ保存する。
記録装置30は、受信部301、選択部302,復調・誤り訂正検出部303、デマルチプレクサ304、コンテンツファイル保存部305、PESヘッダ検出部306、アドレスカウンタ307、Iフレーム検出部308、Iフレーム誤り検出部309、インデックスファイル作成部310、及びインデックスファイル保存部311を備える。
【0015】
受信部301は、受信アンテナを有し、放送局より多重送信された送信信号を受信する。
選択部302には、視聴者が選択した番組チャネルのサービスID(番組No)が設定され、受信部301によって受信された放送信号から、そのサービスIDに対応した映像/音声のビットストリームを復調・誤り訂正検出部303に出力する。なお、サービスIDは図示しない入力装置(例えば、押しボタン、リモコン)により入力される。
【0016】
復調・誤り訂正検出部303は、選択部302から入力されたビットストリームの復調及び誤り訂正を行い、MPEGシステムで規定されているトランスポートストリーム(TS)パケットに変換し、これをデマルチプレクサ304に出力する。
デマルチプレクサ304は、復調・誤り訂正検出部303から入力されたTSパケットより、1プログラムのオーディオとビデオのPESパケットをデマルチプレクス(分離化)して、出力する。この出力先は、通常使用時には再生装置40であり、記録時には再生装置40およびコンテンツファイル保存部305(更に、PESヘッダ検出部306、およびIフレーム検出部308)である(映像を表示しながら記録できる)。
コンテンツファイル保存部305は、デマルチプレクサ304から入力されたオーディオとビデオのPESパケットをコンテンツファイルとしてコンテンツファイル保存領域21に保存する。
【0017】
PESヘッダ検出部306は、デマルチプレクサ304から入力されたビデオPESパケットよりPESヘッダの検出を行い、このPESヘッダ内に含まれるビデオPESパケットの先頭アドレス、及びPTS(Presentation Time Stamp)の情報をインデックスファイル作成部310に出力するものであり、相対位置検出部として機能する。ここで、PTSとは、再生出力の時刻管理情報である。
アドレスカウンタ307は、PESヘッダ検出部306でPESヘッダを検出したときビデオPESパケットのデータ数を計測するものである。
【0018】
Iフレーム検出部308は、デマルチプレクサ304から入力されたビデオPESパケットからIフレーム(ピクチャ内符号化データ)の検出を行い、その検出結果を表すIフレームフラグをIフレーム検出部308経由でインデックスファイル作成部310に出力する。Iフレーム検出部308は、ビデオPESパケットに「CI」および「I−VOP」が含まれる場合にIフレームが検出されたと判定する。
【0019】
Iフレーム誤り検出部309は、Iフレーム検出部308から入力されたビデオPESパケットからIフレームの誤り検出を行うものであり、エラー検出部として機能する。そして、検出結果たるエラーフラグを、Iフレーム検出部308から入力されたIフレームフラグと共に、インデックスファイル作成部310に出力する。
既述のように、復調・誤り訂正検出部303からは誤り訂正が行われたTSパケットが出力されるが、TSパケット中に誤りを訂正しきれなかったPESパケット(特に、Iフレーム)が残る場合がある。このため、Iフレーム誤り検出部309がPESパケットの所定の項目をチェックすることで誤り検出を行う。
【0020】
図2は、PESパケットのデータ内容を表す模式図である。ここで、図2の(1)の「PES_info_n」は、n番目(n=1〜N)のIフレームを含むビデオのES(Elementary Stream)に含まれるパラメータを示す。(2)は「PES_info_1」の細部、(3)は「PES_info_1」中の「PES_info」の細部、(4)は「PES_info_1」中の「I_picture_info」の細部をそれぞれ表す。
Iフレーム誤り検出部309は、図2(1)の「PES_info_1」で示す各パラメータの妥当性、(3)の「PTS_info」で示すPTSの値が正しいかのチェックを行なう。その結果、正しくないと判定されたIフレームに対応するエラーフラグを出力する。
【0021】
インデックスファイル作成部310は、PESヘッダ検出部306、及びIフレーム誤り検出部309から入力された各情報を基に、ビデオPESパケット(コンテンツデータ)に対応するインデックスファイルを作成する。
インデックスファイル保存部311は、インデックスファイル作成部310で作成されたインデックスファイルをインデックスファイル保存領域22に保存する。
【0022】
図3は、インデックスファイル作成部310によって作成されたインデックスファイルの例を表す模式図である。インデックスファイルには、各PESパケットに対応するように、Iフレームフラグ、エラーフラグ、オフセットが対応して順に記録される。
ここで、IフレームフラグはIフレーム検出部308から出力され、PESパケット中のIフレームの有無を表す情報である。Iフレームがある(CI+I−VOPが含まれる)場合に「1」、Iフレームがない(CI+I−VOPが含まれない)場合に「0」となる。
エラーフラグは、Iフレーム誤り検出部309から出力され、各Iフレーム中のエラーの有無を表す情報である。エラーが含まれる場合に「1」、エラーが含まれない場合に「0」となる。
オフセットは、コンテンツファイルの先頭よりのPESパケットの位置をバイトで表す情報である。オフセットは、PESヘッダ検出部306より出力されたPESパケットの先頭アドレスの情報に基づきインデックスファイル作成部310が作成する。
【0023】
再生装置40は、記録媒体20のインデックスファイル保存領域22に保存されたインデックスファイルに基づき、コンテンツファイル保存領域21に保存されたコンテンツファイルを再生する。
再生装置40は、ユーザインターフェイス制御部401、インデックスファイル読出部402、コンテンツファイル読出部403、再生モード制御部404、PESパケットバッファ405、A/Vデコーダ406、画像復号部407、モニタ408,音声復号部409、スピーカ410を備える。
【0024】
ユーザインターフェイス制御部401は、ユーザにより入力された通常再生または特殊再生(早送り、早戻し等)の再生命令を再生モード制御部404に出力する。なお、再生命令の入力は図示しない入力装置(例えば、押しボタン、リモコン)を用いて行われる。
【0025】
インデックスファイル読出部402は、再生モード制御部404からの指示によりインデックスファイル保存領域22からインデックスファイルを読み出し、再生モード制御部404に出力する。
コンテンツファイル読出部403は、再生モード制御部404からの指示によりコンテンツファイル保存領域21からオーディオとビデオのPESパケットを取り出し、PESパケットバッファ405に出力する。
【0026】
再生モード制御部404は、ユーザインターフェイス制御部401より通常再生命令が入力されると、PESパケットバッファ405の空き容量に応じて、コンテンツファイル保存領域21からのデータ転送をコンテンツファイル読出部403に指示する。
また、再生モード制御部404は、ユーザインターフェイス制御部401より特殊再生命令が入力されると、インデックスファイル読出部402から得たインデックスファイルに基づいて、コンテンツファイル保存領域21からのデータ転送をコンテンツファイル読出部403に指示する。
【0027】
PESパケットバッファ405は、入力されたPESパケットデータを、A/Vデコーダ406からの要求信号を受けてA/Vデコーダ406に出力する。PESパケットデータの入力元は通常使用時および記録時にはデマルチプレクサ304であり、再生時にはコンテンツファイル読出部403である。
【0028】
A/Vデコーダ406は、入力されたオーディオとビデオのPESパケットデータをデコードし、ビデオデータは画像復号部407に、オーディオデータは音声復号部409にそれぞれ出力する。
画像復号部407は、A/Vデコーダ406から受け取ったビデオデータをテレビ出力信号に変換し、モニタ408に出力する。
音声復号部409は、A/Vデコーダ406から受け取ったオーディオデータをアナログ信号に変換し、スピーカ410に出力する。
【0029】
(デジタル記録再生装置10の動作)
次にデジタル記録再生装置10の動作を説明する。
A.通常使用時
まず、放送をそのまま視聴する場合につき説明する。
受信アンテナによって放送局より受信した放送信号は受信部301を経由して選択部302に出力される。選択部302は、放送信号から設定された番組チャネルのサービスIDに対応した映像/音声のビットストリームを選択する。
【0030】
復調・誤り訂正検出部303は、選択部302から入力されたビットストリームの復調及び誤り訂正を行い、TSパケットに変換する。デマルチプレクサ304は、TSパケットから1プログラムのオーディオとビデオのPESパケットを分離、出力する。
オーディオとビデオのPESパケットは、PESパケットバッファ405を経由して、A/Vデコーダ406でデコードされ、ビデオデータは画像復号部407に、オーディオデータは音声復号部409にそれぞれ出力する。この結果、モニタ408,スピーカ410によって放送を視聴できる。
【0031】
B.記録時
放送局から受信された画像データをコンテンツファイルとして記録媒体20に記録する場合を考える。
この記録時における受信部301、選択部302、復調・誤り訂正検出部303の動作内容は通常使用時と同様である。即ち、受信された放送信号から番組チャネルのサービスIDに対応した映像/音声のビットストリームが選択される。
【0032】
(1)コンテンツファイルの記録
デマルチプレクサ304は、オーディオとビデオのPESパケットを分離、出力することは通常使用時と変わりないが、その出力先にコンテンツファイル保存部305が加わる。その結果、PESパケットを含むコンテンツファイルがコンテンツファイル保存領域21に記録される。
なお、PESパケットはPESパケットバッファ405にも出力されるので、通常使用時と同様にモニタ408,スピーカ410によって放送を視聴できる。
【0033】
(2)インデックスファイルの作成・記録
コンテンツファイルの記録と並行して、インデックスファイル作成部310、及びインデックスファイル保存部311によるインデックスファイルの作成、記録が行われる。
インデックスファイルの作成に先だって以下の処理が行われる。即ち、Iフレーム検出部がビデオPESパケットからIフレームの検出を行い、Iフレームフラグを出力する。また、Iフレーム誤り検出部309が検出されたIフレーム中の誤りを検出し、エラーフラグを出力する。また、PESヘッダ検出部が入力されたビデオPESパケットよりPESヘッダの検出を行い、このPESヘッダ内に含まれるビデオPESパケットの先頭アドレスを出力する。インデックスファイル作成部310は、この先頭アドレスをコンテンツファイルの先頭から換算したオフセットに換算する。
【0034】
インデックスファイル作成部310は、これらIフレームフラグ、エラーフラグ、オフセットからインデックスファイルを生成し、インデックスファイル保存部311がこのインデックスファイルをインデックスファイル保存領域22に保存する。
【0035】
C.再生時
記録媒体20に記録されたコンテンツファイルを再生する場合を考える。
この場合、再生の速度(通常速度、早送り)、再生の方向(順方向、逆方向)がユーザインターフェイス制御部401から入力された再生命令により決定される。通常再生は通常速度での順方向再生であり、これ以外での再生は特殊再生となる。
【0036】
これらの再生状態の指定に従って、インデックスファイル保存領域22からのインデックスファイル読出部402によるインデックスファイルの読み出し、コンテンツファイル読出部403によるコンテンツファイル保存領域21からのコンテンツデータの読み出しが並行して行われる。
【0037】
(1)インデックスファイルの読み出し
再生命令に従い、再生モード制御部404がインデックスファイル読出部402によるインデックスファイルの読み出しの方向および読み出しの速度を制御する。
順再生の場合にはインデックスファイルが先頭から末尾の方向に、逆再生の場合にはインデックスファイルが末尾から先頭の方向に読み取られる。また、画像の再生を通常速度より大きい速度で行う場合には、これに応じてインデックスファイルの読み取りも高速で行われる。
但し、インデックスファイルの読み出しが、再生命令で表されるコンテンツファイルの再生方向、速度と必ずしも対応しなくてもよい。例えば、インデックスファイルの内容を一時的に保持するバッファを用いれば、再生命令の内容に依存することなくインデックスファイルの読み取りを行える。
【0038】
(2)コンテンツファイルの読み出し、再生
読み出されたインデックスファイルに従って、再生モード制御部404がコンテンツファイル読出部403によるコンテンツデータの読み出しを制御する。インデックスファイルに従ってコンテンツファイルの読み出しが行われることで、再生される画像の乱れの防止や早送り再生の容易化が実現される。
【0039】
エラーの無いIフレームに基づく画像の再生を行う(エラーの有るIフレームは用いない)ことで、再生画像の乱れを防止できる。例えば、図3に示したインデックスファイルで、番号1,2、4,5,14,16,17の順に再生を行ない、その途中の番号のPESパケットは画像の再生に用いないことができる。
この例では、エラーの無い(エラーフラグ:0)Iフレーム(Iフレームフラグ:1)のみを再生に用いている。エラーの有るIフレーム(エラーフラグ:1)を再生に用いないことで、不良な画像の再生を防止できる。なお、Iフレームが含まれないPESパケットを画像の再生に用いないのは、早送りを容易に行うためである。
通常誤ったIフレームを再生すれば画像が壊れて表示されたり、最悪の場合は表示されず表示が途切れたりするが、誤ったIフレームを再生しないので画像が壊れることなく、画像表示が途切れることなくコンテンツの早送りが実現可能となる。
【0040】
早送りを行わないような場合に、エラーの無い(エラーフラグ:0)Iフレーム(Iフレームフラグ:1)のみでなく、その後に続くPフレーム等を含むPESパケットを画像の再生に用いることも可能である。例えば、図3に示したインデックスファイルで、番号1〜9、14〜17の順に再生を行ない、エラーの無いIフレームの間に存在するIフレームを含まないPESパケット(Pフレーム等)を再生に利用できる。
【0041】
また、Iフレームを間引いて再生することで再生の速度をより大きくすることが容易になる。
図4は、再生速度と「CI+I−VOP」データの抽出(Iフレームの間引き)との関係を表す模式図である。
図4の(1)の通常再生ではIフレーム以外のPフレーム等も含めて画像の再生を行い、時間に対して多数の画像を再生することで滑らかな動きでの動画の再生を可能としている。
これに対して、(2)の早送り1ではIフレームに対応する「CI+I−VOP」を抽出することで早送り・早戻しを容易に実現している。さらに、(3)の早送り2ではIフレームに対応する「CI+I−VOP」(Iフレーム)を間引いて抽出することで、より速度の速い早送り・早戻しを容易に実現している。
【0042】
このようなIフレームの間引きは、例えば、インデックスファイルの作成時にIフレームフラグとして1を付与するPESファイルを削減することで行える。また、インデックスファイル上ではIフレームを間引かず、再生時に再生に利用するIフレームを間引くことで行っても差し支えない。
【0043】
このようなIフレームの間引きを行う場合にIフレームに誤りが有れば、Iフレームが飛び越して再生される。
図5(A)〜(C)は、早送りにおけるIフレームの誤りと再生状態との関係を表す模式図である。図中「○」が誤りの無いIフレームを「×」が誤りの有るIフレームを表す。
図5の(A)はIフレームに誤りがない場合を表し、Iフレームを1個置きに間引いて再生している。(B)はIフレームに誤りがある場合を表し、誤りの有るIフレームを飛び越して再生している。(C)は誤りが有るIフレームが複数続く場合であり、誤りの無いIフレームに至るまで飛んで画像の再生を行っている。
図6(A)〜(C)は、早戻しにおけるIフレームの誤りと再生状態との関係を表す模式図である。「○」が誤りの無いIフレームを「×」が誤りの有るIフレームを表す。図5と同様に、誤りがあるIフレームを飛び越し、誤りの無いIフレームのみを用いて画像の再生を行っている。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば画像データに誤りが混入していた場合でも画像の再生を良好に行えるデジタル記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態に係るデジタル記録再生装置の構成を表すブロック図である。
【図2】PESパケットのデータ内容を表す模式図である。
【図3】インデックスファイル作成部によって作成されたインデックスファイルの例を表す模式図である。
【図4】再生速度とIフレームの間引きとの関係を表す模式図である。
【図5】早送りにおけるIフレームの誤りと再生状態との関係を表す模式図である。
【図6】早戻しにおけるIフレームの誤りと再生状態との関係を表す模式図である。
【符号の説明】
10…デジタル記録再生装置、 20…記録媒体、 21…コンテンツファイル保存領域、 22…インデックスファイル保存領域、 30…記録装置、 40…再生装置、301…受信部、302…選択部、303…復調・誤り訂正検出部、304…デマルチプレクサ、305…コンテンツファイル保存部、306…PESヘッダ検出部、307…アドレスカウンタ、308…Iフレーム検出部、309…Iフレーム誤り検出部、310…インデックスファイル作成部、311…インデックスファイル保存部、401…ユーザインターフェイス制御部、402…インデックスファイル読出部、403…コンテンツファイル読出部、404…再生モード制御部、405…PESパケットバッファ、406…A/Vデコーダ、407…画像復号部、408…モニタ、409…音声復号部、410…スピーカ
Claims (6)
- コンテンツデータに含まれ、かつピクチャ内符号化およびピクチャ間符号化されたデジタル画像データをパケット化したPESパケットが、ピクチャ内符号化データを含むか否かを検出するIフレーム検出部と、
前記PESパケットがエラーを含むか否かを検出するエラー検出部と、
前記PESパケットのコンテンツデータ中での相対位置を検出する相対位置検出部と、
前記Iフレーム検出部による検出結果を表すIフレームフラグ、前記エラー検出部によるエラー検出結果を表すエラーフラグ、および前記相対位置検出部による検出結果を表すオフセット、を含むインデックスデータを作成するインデックス作成部と、
を具備することを特徴とするデジタル記録再生装置。 - 前記エラー検出部が、前記ピクチャ内符号化データがエラーを含むか否かを検出する
ことを特徴とする請求項1記載のデジタル記録再生装置。 - 前記インデックス作成部によって作成されたインデックスデータを記録媒体に記録するインデックスデータ保存部、
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載のデジタル記録再生装置。 - 前記インデックス作成部によって作成されたインデックスデータに基づいて、コンテンツデータを再生するコンテンツデータ再生部を
さらに具備することを特徴とする請求項1記載のデジタル記録再生装置。 - 前記コンテンツデータ再生部が、前記Iフレームフラグに基づいて、ピクチャ内符号化データを再生する
ことを特徴とする請求項4記載のデジタル記録再生装置。 - 前記コンテンツデータ再生部が、前記エラーフラグに基づいて、エラーを含まないPESパケットを再生する
ことを特徴とする請求項4記載のデジタル記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003189818A JP2005026990A (ja) | 2003-07-01 | 2003-07-01 | デジタル記録再生装置 |
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JP2003189818A JP2005026990A (ja) | 2003-07-01 | 2003-07-01 | デジタル記録再生装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005026990A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007109329A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Canon Inc | 画像データ記録装置、画像データ再生装置、画像データ記録方法、プログラム及び記録媒体 |
US7688726B2 (en) | 2007-10-30 | 2010-03-30 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Broadcast reception apparatus, TS packet reproduction apparatus, broadcast reception method and program |
-
2003
- 2003-07-01 JP JP2003189818A patent/JP2005026990A/ja not_active Withdrawn
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JP2007109329A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Canon Inc | 画像データ記録装置、画像データ再生装置、画像データ記録方法、プログラム及び記録媒体 |
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