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JP2005024075A - 歯付ベルト - Google Patents

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JP2005024075A
JP2005024075A JP2003270603A JP2003270603A JP2005024075A JP 2005024075 A JP2005024075 A JP 2005024075A JP 2003270603 A JP2003270603 A JP 2003270603A JP 2003270603 A JP2003270603 A JP 2003270603A JP 2005024075 A JP2005024075 A JP 2005024075A
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belt
tooth
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JP2003270603A
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Mamoru Sawada
守 澤田
Takayuki Tagawa
孝之 田川
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

【課題】心線の伸びを小さくして、起動時あるいは停止時の従動側のオーバーシュートを小さくして応答性を高め、ジャンピングを低減して伝達能力を高め、そして高温高張力下および高温多湿下での走行における耐久性を改善した歯付ベルトを提供することにある。
【解決手段】長さ方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部2と、心線3を埋設した背部4とを有し、上記歯部2の表面に歯布5を被覆した歯付ベルト1であり、上記心線3が総デニール数1,000〜10,000の炭素繊維のマルチフィラメント糸にゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させた後、これを5〜10回/10cmで片撚りし、その表面に接着層を被覆したコードであり該コードに接着層を付着させたものであり、更にコード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、かつベルトの引張り弾性率が50〜85N/mmである。
【選択図】図1

Description

本発明は歯付ベルトに係り、ロボットアームや自動車の駆動装置に使用するもので、心線の伸びを小さくして、起動時あるいは停止時の従動側のオーバーシュートを小さくして応答性を高め、ジャンピングを低減して伝達能力を高め、そして高温高張力下および高温多湿下での走行における耐久性を改善した歯付ベルトに関する。
歯付ベルトは、その内面側において長手方向に沿って複数設けられる歯部と、心線を埋設した背部とからなるものであり、歯部の表面及び隣り合う歯部間の歯底部の表面に沿って補強部材が貼着してある。この補強部材は歯付ベルトの長手方向と平行な緯糸と、これと交差するように織った織布が用いられる。
ここで、歯付ベルトの耐久性に関する問題は、心線の疲労によるベルト切断と、過負荷や補強部材の摩耗による歯部の歯欠けに大別される。そして心線の疲労によるベルト切断に関しては、アラミド心線や高強度ガラスの細径心線の使用、及び耐熱性に優れるゴム配合物の使用、さらにはベルト張力を起動時及び走行時共に一定に保つオートテンショナーの使用などにより、改良がなされてきている。
また、上記心線として、ガラス繊維やアラミド繊維に代わって炭素繊維を使用した伝動ベルトも提案されている。例えば、特許文献1にはウレタンエラストマーのベルト素材に心線として炭素繊維コードを使用し、また特許文献2には熱可塑性エラストマーのベルト素材に、片撚りの炭素繊維コードで撚る前にベルト本体と同じ材質の熱可塑性エラストマーで処理して接着を改善したものが使用されている。また特許文献2には、上撚り係数が2.0〜4.0であって、下撚り係数が上撚り係数の1/2〜3/2にして、初期強力が大きく、伸びが小さく、耐水性、耐屈曲疲労性を改善した歯付ベルトが開示されている。
しかし、従来の駆動軸と従動軸に歯付ベルトを懸架したロボットアームの駆動装置では、高度な応答性が求められ、起動時と停止時の従動側のオーバーシュートを小さくすることが要求されている。即ち、駆動軸と従動軸に懸架した歯付ベルトが僅かに伸張するために、駆動側の停止時において従動側のオーバーシュートによる停止により、応答性を悪くしていた。このため、従来の歯付ベルトよりも更に伸びの小さなものが要求され、心線の材質や構成の開発が望まれていた。
また、従来の歯付ベルトでは、高負荷伝動の場合には、心線の伸びによってベルトのジャンピングが発生し、また走行後のベルト残存強力も走行前に比べて大きく低下することがあった。
特許第2954554号 特開平10−2379号公報 特公平03−4782号公報
解決しようとする問題点は、心線の伸びを小さくして、起動時あるいは停止時の従動側のオーバーシュートを小さくして応答性を高め、ジャンピングを低減して伝達能力を高め、そして高温高張力下および高温多湿下での走行における耐久性を改善した歯付ベルトを提供することにある。
本願請求項1記載の発明は、長さ方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部とを有し、上記歯部の表面に歯布を被覆した歯付ベルトにおいて、
上記心線が総デニール数1,000〜10,000の炭素繊維のマルチフィラメント糸にゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させた後、これを5〜10回/10cmで片撚りし、その表面に接着層を被覆したコードであり、更にコード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、かつベルトの引張り弾性率が50〜85N/mmである歯付ベルトにある。
本願請求項2記載の発明は、長さ方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部とを有し、上記歯部の表面に歯布を被覆した歯付ベルトにおいて、
上記心線が総デニール数1,000〜10,000の炭素繊維のマルチフィラメント糸にゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させた後、これを5〜10回/10cmで下撚りをし、更に2.5〜5回/10cmで上撚りし、その表面に接着層を被覆したコードであり、更にコード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、かつベルトの引張り弾性率が50〜85N/mmである歯付ベルトにある。
本願請求項3載の発明は、接着層がレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液から得られた1層である歯付ベルトにある。
本願請求項4の発明は、接着層がゴム糊から得られた1層である歯付ベルトにある。
本願請求項5発明は、接着層がレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液からなる下層とゴム糊からなる上層の2層からなる歯付ベルトにある。
本発明の歯付ベルトでは、炭素繊維のマルチフィラメント糸にゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させたために、フィラメント同士の擦れも緩和されて機械的な損傷も軽減され、屈曲疲労性も向上し、また特定の撚りを付与した撚糸したコードにすることで強力を保持して伸びを小さくしてモジュラスを向上させ、さらに屈曲疲労性も向上させている。また、接着層を付着させたことにより背部との接着力を向上させ、更にコード断面積に占める繊維断面積の割合を70〜90%にして炭素繊維を多く充填して、ベルトの引張り弾性率を50〜85N/mmに設定したことで、これにより心線の伸びを小さくして、起動時あるいは停止時の従動側のオーバーシュートを小さくすることができて応答性を高めることができ、またジャンピングを低減して伝達容量も高くでき、そして高温高張力下および高温多湿下での走行における耐久性を改善することができる。
図1は本実施形態に係る歯付ベルトの部分正面図であり、歯付ベルト1は長手方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部2と、歯部2と連続する背部4と、背部4に埋設された心線3と、歯部2の表面に被覆された歯布5を有している。歯布5はベルトの長手方向に延在する緯糸と、ベルトの幅方向に延在する経糸とを織成して成る繊維材料を基材として構成される。
心線3は総デニール数1,000〜10,000の炭素繊維のマルチフィラメント糸をゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させた後、これを5〜10回/10cmで片撚り、あるいは5〜10回/10cmで下撚りをし、更に2.5〜5回/10cmで上撚りをした諸撚りコードであってもよい。
炭素繊維のマルチフィラメント糸を構成するモノフィラメント(単繊維)は、その断面形状が実質的に真円形状に近いものであり、数多くのフィラメントを効率よく集合して、密接したフィラメント間の空間を減少させてコードの強度を高めている。具体的には、コード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、フィラメント群が効率よく高充填しており、ベルトの引張り弾性率が50〜85N/mmになる。もし楕円形になると、モノフィラメント同士が擦れ合いよりコードが破断しやすくなる。また、これ以外の形状になると、フィラメントを集合しても密接したフィラメント間の空間が多くなってコードの強度が向上しなくなる。
コード中の処理液(固形分)の含有量は、炭素繊維のマルチフィラメント糸100質量部に対して10〜40質量部、好ましくは15〜35質量部である。10質量部未満であると、モノフィラメント同士の擦れ合いによりコードの耐疲労性が低下することがあり、一方40質量部を越えるとコードの耐熱性、耐水性、耐溶剤性が低下することがある。
上記処理液(固形分)に含まれるゴムラテックス(固形分)の含有量は、処理液(固形分)100質量部に対して20〜80質量部、好ましくは30〜70質量部である。20質量部未満であると、コードの柔軟性が低下してベルトの耐屈曲疲労性が低下することがあり、一方80質量部を越えるとコードに粘着性が過剰になり、取扱い性が悪くなる。
上記ゴムラテックスの具体例としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、水素化ニトリルゴムラテックス(H−NBRラテックス)、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体(VPラテックス)、EPDMゴムラテックスの一種又は二種以上のブレンド物が使用される。
上記処理液(固形分)に含まれる処理液中のエポキシ樹脂の含有量は、処理液(固形分)100質量部に対して20〜80質量部、好ましくは30〜70質量部である。20質量部未満であると、コードとゴム界面の接着性が低下することがあり、80質量部を越えるとコードの柔軟性が低下してベルトの耐屈曲疲労性が低下することがある。
エポキシ樹脂の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の一種又は二種以上が使用される。
上記のコードには、その表面に接着層を付着させるが、ここでは接着層がレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液(RFL液)から得られた1層であってもよく、またゴム糊から得られた1層であってもよく、更にはRFL液からなる下層とゴム糊からなる上層の2層であってもよい。
RFL液は、レゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物とゴムラテックスとを混合したものであり、この場合レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は3/1〜1/3にすることが接着力を高めるうえで好適である。また、レゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物は、これをゴムラテックスのゴム分100質量部に対して樹脂分が5〜50質量部になるようにゴムラテックスと混合し、更にフェノール樹脂を含むレゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物とゴムラテックスとの固形分の質量比が5/95〜40/60に調節する。5/95未満では接着性が著しく低下し、また40/60を超えるとゴムラテックス分が少なくなり、耐熱性が悪くなって屈曲疲労性が低下する。
RFL処理液に使用するゴムラテックスとしては、水素化ニトリルゴムラテックス(H−NBRラテックス)、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体(VPラテックス)、クロロプレンゴムラテックス、EPDMゴムラテックスの一種又は二種以上のブレンド物が使用される。水素化ニトリルゴムラテックスとビニルピリジンゴムラテックスとは、固形分の質量比が60/40〜95/5で混合される。その水素化ニトリルゴムの質量比が60未満であれば、耐熱性が悪くなり屈曲疲労性が低下し、95を超えると、耐水性が著しく低下する。
使用する炭素繊維コードは下記方法によって処理される。まず未処理無撚りマルチフィラメント糸をゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液に含浸処理し、その後130〜250℃に調節したオ−ブンに通して熱処理する。続いて、上記処理したマルチフィラメント糸を5〜10回/10cmで片撚り、あるいは5〜10回/10cmで下撚りをし、更に2.5〜5回/10cmで上撚りをした諸撚りコードにした後、このコードをRFL液に含浸処理して接着層を形成する。
また、該処理コードをゴム糊に漬けてゴム層を付着し、この後130〜180℃前後に調節したオ−ブンに通して熱処理する。
このゴム糊としては、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)以外に、NBR、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、エチレンプロピレン共重合体(EPR)、SBR、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)のゴム配合物トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などの溶剤に溶かして得られたものである。
また、該処理コードを前述と同様にRFL液に含浸処理して下層を形成した後、ゴム糊でオーバーコート処理して上層の2層を形成してもよい。
歯部2と背部4を形成するゴム配合物の原料ゴムには、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)以外に、NBR、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、エチレンプロピレン共重合体(EPR)、SBR、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、フッ素ゴム等何れの場合も使用可能であるが、好ましくは水素化ニトリルゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)である。この原料ゴムに、充填剤、カーボンブラックのような補強剤、加硫助剤、加硫剤等が配合される。
前記歯部2のゴム硬度は、高負荷伝動のためにも少なくとも67度以上、好ましくは73度以上(JISA)である。ゴム配合物としては、耐熱性の観点から水素添加率が少なくとも90%以上、好ましくは92〜98%の水素化ニトリルゴムを使用するか、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を総ポリマーに対して20〜60質量部添加したものが好ましい。これにより、モジュラス(引張弾性率)や切断伸度、さらに高い引き裂き強度や硬度を確保することができる。
更に、耐熱性を高めるためには水素化ニトリルゴムあるいは水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を添加したものを主成分とし、過酸化物加硫系を配合することが望ましい。
上記有機過酸化物としては、例えばジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等を挙げることができる。この有機過酸化物は、単独もしくは混合物として、通常原料ゴム100gに対して0.005〜0.02モルgの範囲で使用される
歯布4を構成する緯糸、経糸の材質としては、それぞれポリアミド、アラミド、ポリエステル、ポリベンゾオキサゾール繊維の何れか又は組み合わせが採用できる。繊維の形態は、フィラメント糸及び紡績糸の何れでも良く、単独組成の撚糸又は混撚糸、混紡糸の何れであっても良い。RFL液を繊維内部にまで含浸できる程度に紡績糸又はフィラメントが集まった糸が好ましい。また、アラミド繊維又はポリベンゾオキサゾール繊維は、それ自体が低摩擦係数の繊維であるため、少なくともベルト長手方向の緯糸に含ませることにより、耐歯欠け性を向上させる。また、織成構成は綾織り、朱子織り、平織り等何れであっても良い。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1〜3
炭素繊維の無撚のマルチフィラメント糸(T700GC・6K・31E(型番、東レ(株)製)繊度4,300デニール)を、処理液(固定分濃度40質量%のビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス:JSR社製200質量部とエチレングルコールジグリシジルエーテル200質量部を水500質量部に溶かした水溶液)を含む処理液槽に通過させて含浸させた後、140℃の温度調節したオ−ブンに通して熱処理する。続いて、上記処理したマルチフィラメント糸を5回/10cmで片撚りしてコードにした後、このコードを表1に示すRFL液に浸漬し、130〜180℃の範囲で熱処理して接着層を形成した。
Figure 2005024075
上記処理コードの片撚り数と強力の関係をオートグラフで測定した結果を図2に示す。これによると、片撚りコードでは撚り数が5〜10回/10cmであれば、高強度を維持できることが判る。
歯部と背部用のゴムシートとして、表2に示すH−NBR配合からなるゴムを通常の方法で混練してカレンダーロールによって所定の厚さに調整した。
Figure 2005024075
歯布としては、経糸に6,6ナイロン、緯糸に6,6ナイロンとウレタン弾性糸を混撚した糸を用いて綾織したものを用いた。
次に、ベルト作製用のSTPD歯形120歯数の金型に上記歯布を巻き付け、心線としてSZ撚一対の前記炭素繊維コード(片撚り数、5回/10cm)をピッチ(1.0mm/本)にてスパイラルに所定の張力で巻き付けた。この心線の上に、表3のゴムシートを巻き付けた後、ジャケットを被せて加硫缶に投入し、通常の圧入方式により加圧加硫して歯形を形成させた。その後、ベルト背面を一定厚さに研磨し一定幅(10.0mm)にカットして走行用歯付ベルトを得た。
作製したベルトは3種あり、ベルト幅10.0mm、ベルト歯形STPD、歯数120、歯ピッチ5.00mmのタイプ1、ベルト幅19.0mm、ベルト歯形STPD、歯数105歯、歯ピッチ8.00mmのタイプ2、そしてベルト幅30.0mm、ベルト歯形STPD、歯数100歯、歯ピッチ14.00mmのタイプ3であった。
比較例1
心線として、無撚のガラス繊維(E−ガラス)を3本引き揃えたものを表2に示すRFL処理液に浸漬した後、200〜280℃で熱処理した。これを撚り数8回/cmでSおよびZ方向に片撚りコードを準備した。これを11本引き揃え、12回/cmで上撚りした。更に、これをゴム糊に浸漬し、130〜180℃の範囲で熱処理した。その後、実施例1と同じ歯部と背部用のゴムシート、歯布を用い、また同様の製造条件にして3種の歯付ベルトを作製した。
作製したベルトは3種あり、ベルト幅10.0mm、ベルト歯形STPD、歯数120、歯ピッチ5.00mmのタイプ1、ベルト幅19.0mm、ベルト歯形STPD、歯数105歯、歯ピッチ8.00mmのタイプ2、そしてベルト幅30.0mm、ベルト歯形STPD、歯数100歯、歯ピッチ14.00mmのタイプ3であった。
上記実施例と比較例に係る歯付ベルトのコード径、コードの断面積、コード断面積中の繊維断面積占有率、ベルト弾性率(幅当り)を求めた結果を表3に示す。ベルト弾性率はベルトの軸間距離変化率と軸荷重の関係を室温下においてオートグラフによって測定した。
Figure 2005024075
これによると、実施例は比較例に比べて高強度、高弾性率により、伸びが小さくなっていることが判り、ベルト高張力時における寸法変化が小さくなっている。また、コード断面積中の繊維断面積占有率については、実施例の炭素繊維コードは比較例のガラス繊維コードに比べて繊維の充填量が多くなっていることが判る。
続いて、実施例と比較例で作製された歯付ベルトの評価として、ロボットアームの駆動等の位置決め精度の評価として応答性評価を行った。この走行試験装置としては、駆動モータに連結した35歯の駆動プーリ、フライホイール(GD=0.402kgm)を取り付けた35歯の従動プーリに、上記歯付ベルトを張力10kgfで懸架し、トルク80.4g・mを与えて、試験パターンとして回転速度90度/秒、加減速度450度/秒でプーリ回転角度360度の正逆回転を各20回繰り返し、駆動プーリと従動プーリの回転差をロータリエンコーダにより起動/停止時のオーバーシュート検出した。その結果を図3に示す。
また、歯付ベルトの伝動容量比較を行うため、ジャンピング試験を行った。このジャンピング試験では、ベルト走行中に従動軸の負荷を上げて行き、ジャンピング(歯飛び)が発生した際の負荷値を測定した。試験条件としては、22歯の駆動プーリ、20歯の従動プーリに歯付ベルトを懸架し、回転数3,600rpm、軸荷重10.6kgfで測定した。その結果を表4に併記する。
Figure 2005024075
これによると、実施例の歯付ベルトは、応答性評価では起動/停止時の駆動プーリと従動プーリの回転差が小さくて応答性が高く、更にジャンピング試験でもジャンピングが発生しにくく、伝達容量が高いことが判る。
本発明の歯付ベルトは、駆動側の回転により従動側のロボットアームを移動させる駆動装置や自動車のオーバーヘッドカムシャフトの駆動装置に使用するものであり、歯付ベルトがコード断面積に占める繊維断面積の割合を70〜90%にして炭素繊維を多く充填するで、ベルトの引張り弾性率を50〜85N/mmに設定し、これにより心線の伸びを小さくして、起動時あるいは停止時の従動側のオーバーシュートを小さくすることができて、応答性を高めることができ、また伝達容量も高くなる。
本実施形態に係る歯付ベルトの部分正面図である。 上記処理コードの片撚り数と強力の関係を示すグラフである。 実施例1における駆動プーリと従動プーリの回転差をロータリエンコーダにより起動/停止時のオーバーシュート検出した結果を示す。 比較例1における駆動プーリと従動プーリの回転差をロータリエンコーダにより起動/停止時のオーバーシュート検出した結果を示す。
符号の説明
1 歯付ベルト
2 歯部
3 心線
4 背部
5 歯布

Claims (5)

  1. 長さ方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部とを有し、上記歯部の表面に歯布を被覆した歯付ベルトにおいて、
    上記心線が総デニール数1,000〜10,000の炭素繊維のマルチフィラメント糸にゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させた後、これを5〜10回/10cmで片撚りし、その表面に接着層を被覆したコードであり、更にコード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、かつベルトの引張り弾性率が50〜85N/mmであることを特徴とする歯付ベルト。
  2. 長さ方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部とを有し、上記歯部の表面に歯布を被覆した歯付ベルトにおいて、
    上記心線が総デニール数1,000〜10,000の炭素繊維のマルチフィラメント糸にゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させた後、これを5〜10回/10cmで下撚りをし、更に2.5〜5回/10cmで上撚りし、その表面に接着層を被覆したコードであり、更にコード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、かつベルトの引張り弾性率が50〜85N/mmであることを特徴とする歯付ベルト。
  3. 接着層がレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液から得られた1層である請求項1または2記載の歯付ベルト。
  4. 接着層がゴム糊から得られた1層である請求項1または2記載の歯付ベルト。
  5. 接着層がレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液からなる下層とゴム糊からなる上層の2層からなる請求項1または2記載の歯付ベルト。
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