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JP2005018649A - 2次元コードの読取方法および2次元コード読取装置 - Google Patents

2次元コードの読取方法および2次元コード読取装置 Download PDF

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Abstract

【課題】2次元モードに対する読取処理に失敗したとき、その読取失敗の原因を詳細に判別し、その判別結果をユーザーに報知できるようにする。
【解決手段】コントローラ2は、2次元コード7をカメラ3に撮像させる処理と、得られた画像上の2次元コードを読み取る処理とを繰り返し実行し、読取結果を出力する。またコントローラ2は、この読取処理に失敗したとき、読取処理におけるファインダパターンの抽出数に基づき、読取失敗の原因を判別し、その判別結果を示すコメント情報をモニタに表示する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定の情報がエンコードされた2次元コードを撮像し、生成された画像中の2次元コードに対する画像処理を行って、その2次元コードが表示する情報の内容を読み取る技術に関連する。なお、この明細書では、2次元コードが表す視覚認識可能な情報(一般に、白および黒のセルの配列パターンとして現れる。)を「光学情報」という。
【0002】
【従来の技術】
2次元コードは、「セル」と呼ばれる白または黒の小領域を2次元配列したコードである。各セルは光学情報の最小単位を表すもので、具体的な情報を構成するセルのほか、2次元コードの位置や向きを識別するためのファインダパターンを構成するセルや、コード内の各セルを切り分けて識別するためのタイミングパターンを構成するセルを含む。
【0003】
図8(1)(2)は、それぞれ代表的な2次元コードであるデータマトリクスとQRコードとを示す。データマトリクスは、直交する2辺にコードの方向を示すL字状のファインダパターン40が形成され、他の直交する2辺に同じくL字状のタイミングパターン41が形成される。ファインダパターン40は、黒いセルを配列することで構成され、タイミングパターン41は、白いセルと黒いセルとが交互に配列された構成をとる(以下、白いセルを「白セル」、黒いセルを「黒セル」という。)。
【0004】
一方、QRコードには、矩形状の3個の位置決めシンボル42a,42b,42cによるファインダパターン42が設けられる。各位置決めシンボル42a,42b,42cは、複数の黒セルによる矩形パターンの周囲に白セルの枠を配置し、さらにその外側に黒セルの枠を配置して成る。これら位置決めシンボル42a,42b,42cは、それぞれコードの頂点に対応する位置に配備され、それぞれのシンボル42a,42b,42cの内側の角部を結ぶように、白セルと黒セルとが交互に配列されたL字型のタイミングパターン43が形成される。
なお、データマトリクス、QRコードのいずれにおいても、図示の白セルと黒セルとの関係は、背景の状態によって逆転することがある。
【0005】
上記のような2次元コードを読み取る際には、まずエッジ抽出処理やパターンマッチング処理などによる画像処理により、画像上のファインダパターン40,42を抽出してコードの位置および向きを認識する。つぎに、抽出されたファインダパターン40,42に基づき、タイミングパターン41,43を抽出する。
【0006】
前記タイミングパターン41,43により囲まれた領域は、光学情報の具体的な内容がエンコードされた領域である(以下、この領域のことを「情報表示領域」という。)。前記タイミングパターン41,43が抽出されると、つぎはそのパターン内の白セルと黒セルとの配列に基づき、情報表示領域内の各セルの位置を特定する。そして、2値化処理などによって各セルが白黒いずれのセルであるかを判別し、その判別結果に応じて各セルが表す光学情報を符号化する。さらに、文字など1単位分の情報を表すセルのグループ(シンボルキャラクタ)毎に、各セルのコードを配列することにより、前記光学情報をデコードする。また、このデコードにおいては、セルの白黒状態を判別する際に生じた誤りを訂正する処理(誤り訂正処理)も実行される。以下では、前記タイミングパターンの抽出から光学情報のデコードを完了するまでの処理を「デコード処理」と呼ぶ。
【0007】
なお、上記の読取処理では、本来、ファインダパターンは1個しか抽出されないはずであるが、2次元コードの背景にファインダパターンの形状に似たノイズ(模様や影などによる。)があると、これらのノイズがファインダパターンの候補として抽出される場合がある。このようなノイズに対応するために、従来の2次元コード読取装置では、抽出されたファインダパターンの候補毎にデコード処理を実行し、いずれかのファインダパターンについてデコードに成功したとき、そのデコードされた情報の内容を示す読取データを出力するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の2次元コード読取装置を用いた読取処理では、導入時に、装置の設置位置、照明状態、カメラの視野に対するワークの送り込み位置などを調整してから読取処理を開始するようにしている。しかしながら、これらの調整が悪いと、光学情報の読取に失敗することがある(以下、この失敗を「読取失敗」という。)。また、調整が適正であっても、ワーク上の2次元コードのマーキング状態が悪かったり、2次元コードの背景に前記したノイズがあるために、光学情報の読取に失敗する場合がある。
【0009】
しかしながら、従来の読取処理においては、読取失敗が起こっても、その失敗がどのような原因によるものかを示す情報がないため、ユーザーは試行錯誤で原因を究明しなければならなかった。このため、導入時の設定に手間がかかり、本格的な読取処理の開始が遅れてしまう、という不具合がある。
【0010】
下記の特許文献1には、光学情報の読取処理において、デコード処理に失敗したときにその原因を解析し、その解析結果に基づいて読取エラーの原因やその対処方法を報知することが記載されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−236870号 公報
(段落[0008][0009]参照。)
【0012】
上記特許文献1では、読取処理の具体例としてバーコードに対する読取処理をあげ、画像の全体的な電圧レベル(波形)、バーの幅、コードの左右のマージンなどに基づき、読取エラーの原因を解析するようにしている(段落[0025]〜[0031]参照。)。しかしながら、2次元コードについては、段落[0039]に、バーコードと同様の方法を適用できる旨が記載されているだけであり、2次元コードの読取失敗に対する具体的な処理方法については、何も示されていない。
【0013】
この発明は、2次元コードに対する読取処理に失敗したとき、その読取失敗の原因を詳細に判別し、その判別結果をユーザーに報知できるようにすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる2次元コードの読取方法は、2次元コードを撮像対象とした画像から前記2次元コードに含まれる特定のパターンを抽出した後、抽出された特定のパターンを基準とする所定大きさの画像領域にデコード処理を施して、前記2次元コードが表す光学情報を読み取るものである。この発明では、前記光学情報を読み取ることができない読取失敗が生じたとき、前記特定のパターンの抽出数に基づき前記読取失敗の原因を判別し、その判別結果を出力するようにしている。
【0015】
上記方法において、「特定のパターン」は、読取対象の2次元コードの位置や向きを抽出するためのパターンであるのが望ましい。すなわち、既存の2次元コードにおいてファインダパターンと呼ばれているパターンを、特定のパターンとすることができる。ただし、特定のパターンはファインダパターンに限定されるものではなく、たとえば、ファインダパターンとタイミングパターンとの組み合わせを特定のパターンとしてもよい。
【0016】
特定のパターンを抽出するための画像処理の一例として、その特定のパターンのモデルを用いたパターンマッチング処理をあげることができる。また、特定のパターンが線形のパターン、または黒セルまたは白セルが直線状に並ぶ部分を含むパターンであれば、前記画像に含まれるエッジ点を抽出した後、抽出された各エッジ点につき、濃度勾配に直交する方向に所定長さの線分を設定し、線分の重なり度合が所定の値以上となる画像領域を抽出する方法を採用することもできる。
【0017】
特定のパターンを基準とする画像領域は、前記したタイミングパターンと情報表示領域とを含むものと考えることができる。前記デコード処理では、タイミングパターンを抽出する処理、情報表示領域内の各セルを識別して2値化する処理、2値化により符号化された情報をシンボルキャラクタ毎にまとめながらデコードする処理などを実行することができる。さらに、デコード処理では、シンボルキャラクタ毎に、個々のセルに対する識別において生じた誤りを訂正する処理を行うこともできる。
【0018】
なお、ファインダパターンの候補が複数抽出された場合には、抽出された候補毎に順にデコード処理を実行する必要がある。この場合、ファインダパターンである可能性が高い候補から順に選択してデコード処理を行うのが望ましい。また、デコードに成功したときは、以後の候補に対する処理を打ち切るようにしてもよい。
【0019】
つぎに、光学情報に対する読取失敗は、特定パターンの抽出の失敗によるものと、デコード処理の失敗によるものとに分けることができる。
特定パターンの抽出に失敗する原因の1つは照明状態である。すなわち、2次元コードに対する照明が明るすぎたり、暗すぎたりすると、画像上の濃度分布が一様化されてしまい、特定パターンを抽出できない状態となる。
【0020】
また、他の原因として、撮像装置の視野内に2次元コードが正しく含まれていないことが考えられる。たとえば、撮像装置の視野に対する2次元コードの位置決めが悪く、コード全体または特定パターンを含む一部分が視野外に位置する場合や、ユーザーの手違いにより2次元コードがマーキングされていない物体が撮像された場合が、この原因に相当する。
【0021】
デコード処理の失敗は、2次元コードによるものと、2次元コードの背景によるものとに大別することができる。前者の場合としては、たとえば、黒セルと白セルとの濃度差が小さかったり、セルの大きさが適正でない場合を考えることができる。このように2次元コードの状態に不備が生じると、タイミングパターンを抽出できなかったり、セルの白黒状態の判別時に生じた誤りが訂正可能な数を超え、デコードができない状態となる。
一方、後者の場合としては、背景に模様や影などのノイズがあり、前記特定のパターンの抽出数が増える場合を考えることができる。特定のパターンの抽出数が増えた場合、その抽出にかかる処理時間が長くなるため、デコード処理に要する時間が不足し、デコードが不可能になる可能性がある。
【0022】
前記特定パターンの抽出に失敗した場合には、その抽出数はゼロとなる。一方、2次元コードの背景のノイズによりデコードが不可能になった場合には、所定数以上の特定パターンが抽出されると考えることができる。また、2次元コードのマーキング状態に問題がある場合には、特定のパターンの抽出数がゼロより大きく、前記ノイズによりデコードが不可能になるときの抽出数よりも少なくなると、考えることができる。
【0023】
前記読取失敗の原因を判別する処理では、上記原理を応用して、特定パターンの抽出数に基づく判別処理を行う。たとえば、読取に失敗した時の特定のパターンの抽出数がゼロであれば、2次元コードに対する照明に不備があるか、撮像手段の視野に2次元コードが正しく含まれていなかったことが前記失敗の原因であると考えることができる。また、特定のパターンの抽出数がゼロより大きい所定数以上であれば、2次元コードの背景のノイズが読取失敗の原因であると考えることができる。また、特定のパターンの抽出数がゼロより大きく、前記所定数より小さいときは、2次元コードの状態が読取失敗の原因であると考えることができる。
【0024】
なお、前記した特許文献1には、画像の明るさレベル、コードの幅、左右のマージンに基づき読取失敗の原因を判別することが記載されているが、読取失敗の原因を判別する処理にコード内の特定のパターンの抽出数を使用する点については、何も示されていない。
【0025】
上記方法にかかる1番目の態様では、前記特定のパターンの抽出数がゼロより大きいときには、その抽出数をゼロより大きい所定のしきい値と比較する。そして、抽出数が前記しきい値を下回るときは2次元コードの状態が前記読取失敗の原因であると判別し、前記抽出数が前記しきい値を上回るときは2次元コードの背景の状態が前記読取失敗の原因であると判別する。
【0026】
上記の態様において、しきい値は、前記したデコード処理の時間が不足する場合の特定のパターンの抽出数に対応させることができる。この抽出数は、1つの2次元コードの読取処理に割り当てられた時間、特定のパターンの抽出処理に必要な時間、1回分のデコード処理に必要な時間などに基づき設定することができる。
【0027】
上記の態様によれば、デコード処理の失敗の原因が2次元コードの状態または2次元コードの背景の状態のいずれによるものかを判別し、ユーザーに明瞭に提示することができる。
【0028】
上記方法にかかる2番目の態様では、前記特定パターンの抽出数がゼロのとき、前記画像の明るさを所定の数値範囲と比較する。そして、前記明るさが前記数値範囲内にあれば撮像時の2次元コードの位置が前記読取失敗の原因であると判別し、前記明るさが前記数値範囲外にあれば2次元コードに対する照明の状態が前記読取失敗の原因であると判別する。
【0029】
上記の態様において、画像の明るさは、画像を構成する各画素毎の階調を平均することにより得ることができる。前記数値範囲は、画像がハレーションをおこすときの明るさや、照明されていないときの最低の明るさ(ノイズの影響のみの明るさ)に基づき設定するのが望ましい。前記明るさが数値範囲内であれば、画像の濃淡を識別することが可能であるから、画像内に特定パターンがあれば、これを抽出することができると考えられる。にもかかわらず、特定パターンの抽出数がゼロということは、撮像装置の視野内に特定パターンが含まれていない状態にあると考えることができる。
【0030】
一方、前記明るさが数値範囲を超える場合には、照明が明るすぎると考えることができる。また、前記明るさが数値範囲を下回る場合には、照明が暗すぎると考えることができる。
よって、上記の態様によれば、読取処理の失敗が撮像時の2次元コードの位置の不備によるものなのか、または照明の不備によるものなのかを的確に判別し、その原因を提示することができる。
【0031】
前記2次元コード読取方法の第3の態様では、判別結果の出力として、前記読取失敗の原因を示す情報を表示する。この表示情報は、前記原因をユーザーが簡単に理解できるようなコメント情報とするのが望ましい。
【0032】
つぎに、この発明にかかる2次元コード読取装置は、2次元コードを撮像対象とした画像を取得する画像取得手段と、前記取得した画像から2次元コードに含まれる特定のパターンを抽出する特定パターン抽出手段と、前記特定パターン抽出手段により抽出された特定のパターンを基準に所定大きさの処理対象領域を設定し、その領域内の画像を用いたデコード処理を実行するデコード処理手段と、前記デコード処理手段によりデコードされた情報の内容を示す読取データを出力する読取データ出力手段と、前記読取データ出力手段が読取データを出力できない読取失敗が生じたとき、前記特定パターンの抽出数に基づき前記読取失敗の原因を判別する判別手段と、前記判別手段による判別結果を出力する判別結果出力手段とを具備する。
【0033】
なお、この発明にかかる2次元コード読取装置は、読取に成功した場合には、必ず読取データを出力できるように構成されているので、読取データを出力できない状態をもって「読取失敗」と考えることができる。
【0034】
画像取得手段は、少なくともカメラなどの撮像部により生成された画像を入力する入力インターフェースを具備する。また、アナログ画像信号が入力される場合には、画像取得手段には、A/D変換回路を含ませるのが望ましい。
【0035】
特定パターン抽出手段、デコード処理手段、判別手段は、それぞれ前記2次元コードの読取方法において述べた特定パターンの抽出処理、デコード処理、読取失敗の原因を判別する処理を実行する。これらの手段は、プログラムを組み込んだコンピュータにより構成することができ、また各手段を1つのコンピュータにより構成することができる。ただし、各手段とも、2次元コードの画像に対する画像処理を行う機能については、別体のコンピュータまたは画像処理専用のハードウェア回路により構成することもできる。
【0036】
前記読取データ出力手段および判別結果出力手段は、それぞれ外部機器に対するインターフェース回路として構成することができる。また、これらの出力手段は、前記判別結果を表示する表示装置もしくは判別結果を音声出力する音声回路として構成することもできる。また、上記いずれの形態を用いる場合でも、各出力手段を一体に構成することができる。
【0037】
上記の2次元コード読取装置によれば、前記した2次元コード読取方法に基づき、読取処理に失敗したとき、その失敗の原因を示す情報を出力することができる。
【0038】
上記2次元コード読取装置の1番目の態様では、前記判別手段は、前記特定のパターンの抽出数がゼロより大きいとき、前記抽出数をゼロより大きい所定のしきい値と比較し、前記抽出数が前記しきい値を下回るときは2次元コードの状態が前記読取失敗の原因であると判別し、前記抽出数が前記しきい値を上回るときは2次元コードの背景の状態が前記読取失敗の原因であると判別する。
なお、この態様にかかる2次元コード読取装置では、前記しきい値として任意の数値を設定できるようにするのが望ましい。
【0039】
また、2次元コード読取装置の2番目の態様では、前記判別手段は、前記特定のパターンの抽出数がゼロのとき、前記画像の明るさを所定の数値範囲と比較し、前記明るさが前記数値範囲内にあれば撮像時の2次元コードの位置が前記読取失敗の原因であると判別し、前記明るさが前記数値範囲外にあれば2次元コードに対する照明の状態が前記読取失敗の原因であると判別する。
【0040】
さらに、この発明では、前記判別手段に、上記の2つの態様にかかる判別処理機能をともに具備させることができる。この場合の判別手段は、特定パターン抽出手段やデコード処理手段の処理結果に応じて、第1または第2の態様にかかる判別処理を実行することになる。すなわち、特定パターン抽出手段による特定のパターンの抽出数がゼロであったときは、第2の態様にかかる判別処理を実行する。また、前記抽出数がゼロより大きければ、デコード処理手段による処理を実行し、この処理においてデコードに失敗したとき、1番目の態様にかかる判別処理を実行することになる。
【0041】
さらに、上記2次元コード読取装置にかかる第3の態様では、前記出力手段は、前記判別手段が判別した原因を示す情報を表示する表示手段を含むものとして構成される。このようにすれば、読取失敗が生じたとき、2次元コード読取装置自身に失敗の原因を示す情報を表示させることができるので、読取処理の現場にいるユーザーに、失敗の原因を、迅速かつ、わかりやすく知らせることができる。
【0042】
つぎに、この発明にかかる他の2次元コード読取装置は、2次元コードを撮像対象とした画像を取得する画像取得手段と、前記取得した画像から2次元コードに含まれる特定のパターンを抽出する特定パターン抽出手段と、前記特定パターン抽出手段により抽出された特定のパターンを基準に所定大きさの処理対象領域を設定し、その領域内の画像を用いたデコード処理を実行するデコード処理手段と、前記デコード処理手段によりデコードされた情報の内容を示す読取データを出力する読取データ出力手段と、前記読取データ出力手段が読取データを出力できない読取失敗が生じたとき、前記特定パターン抽出手段により抽出された特定のパターンの数を出力する抽出数出力手段とを具備する。
【0043】
上記において、画像取得手段、特定パターン抽出手段、デコード処理手段、読取データ出力手段は、先に記載した2次元コード読取装置と同様の構成にすることができる。抽出数出力手段は、外部機器に対するインターフェース回路とするのが望ましいが、これに加えて、抽出数を表示する表示手段または音声出力手段を含ませることもできる。
【0044】
上記の2次元コード読取装置では、読取失敗が生じたときは、前記特定のパターンの抽出数を、読取失敗の原因を示す情報として外部機器に出力することができる。よって、外部機器側で、読取失敗の原因を判断することが可能となり、読取失敗に的確かつ速やかに対応することができる。
【0045】
上記した各構成にかかる2次元コード読取装置は、2次元コードを撮像する撮像部(カメラ、スキャナなど)や、2次元コードの読取結果などを表示するためのモニタを接続することができる。あるいは、これら撮像部やモニタを上記した各種手段にかかる構成とともに、単一の筐体の内外に一体化することもできる。
【0046】
上記した2次元コード読取方法および装置によれば、読取失敗が生じた場合には、その失敗の原因をユーザーに提示することができる。よって、たとえば、本格的な読取処理を開始する前の調整時に、読取失敗の原因を速やかに取り除いて適切な調整を行うことができ、設定作業の効率化をはかることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明にかかる2次元コード読取装置の構成を示す。図中、レンズ101および撮像素子(CCD)102は、2次元コード7を撮像するためのもの、照明ランプ6は、処理対象の2次元コード7を照明するためのものである。
【0048】
さらに、この2次元コード読取装置1には、撮像制御部104、照明制御部105、トリガ入力部106、A/D変換部107、画像記憶部108、画像処理部109、デコード処理部110、判定処理部111、出力処理部112などを具備する。また、図中の11は、この2次元コード読取装置1の動作を制御する上位システムであり、パーソナルコンピュータやプログラマブルコントローラ(PLC)などにより構成される。また、モニタ4は、後記するように、2次元コード読取装置1の構成要素として設定することもできる。
【0049】
トリガ入力部106は、上位システム11から撮像開始を指示するトリガ信号を受け付ける。このトリガ信号は、撮像制御部104および照明制御部105に与えられる。これにより、照明ランプ6による照明の下でCCD102が作動し、2次元コード7が撮像される。
【0050】
CCD102からの画像信号は、A/D変換部107においてディジタル変換された後、画像記憶部108に格納される。画像処理部109は、画像記憶部108に格納された画像データ(以下、「処理対象画像」という。)から2次元コード7のファインダパターンを抽出した後、その抽出結果に基づき、処理対象画像中の2次元コードの位置や傾きを判別する。また画像処理部109は、タイミングパターンを抽出し、その配列に基づき、コード内の各セルの位置、大きさを認識する。さらに2値化処理などにより、各セルが黒セル、白セルのいずれであるかの判別や、セルの大きさを判別する処理などを実行する。
【0051】
デコード処理部110は、画像処理部109の処理結果に基づき、各セル毎の光学情報を符号化する。さらに、デコード処理部110は、これらの符号をシンボルキャラクタ毎にまとめながら、そのシンボルキャラクタの示す値(コードワード)に誤りが生じていないかどうかを判別し、誤りがある場合にはこれを訂正する。これにより、光学情報がデコードされると、そのデコード結果は出力処理部113に出力される。
【0052】
判定処理部111は、前記画像処理部109やデコード処理部110による一連の処理において光学情報の読取に失敗したとき、その失敗の原因を判別する処理を実行する。この判別結果も出力処理部112に与えられる。出力処理部112は、デコード処理部110や判定処理部111からの処理結果を前記上位システム11やモニタ4に出力する。
【0053】
つぎに、図2および図3は、前記2次元コード読取装置1の具体的な構成例を示す。まず、図2は、2次元コード読取装置1の外観とその使用状態を示すものである。この実施例の2次元コード読取装置1は、プリント配線基板の組立製造ラインにおける情報管理システムに組み込まれるもので、コンピュータが内蔵されたコントローラ2と、このコントローラ2にケーブル接続されるCCDカメラ3(以下、単に「カメラ3」という。)とを基本構成とする。なお、コントローラ2の前面には、カメラ接続用のコネクタ8aが2つ設けられるほか、モニタ4,コンソール5(いずれも図3に示す。)を接続するためのコネクタ8b,8cなどが設けられる。また、カメラ3の内部には、前記した照明ランプ6が収容されている。
【0054】
この実施例にかかる2次元コード読取装置1は、前記プリント配線基板に実装される部品9の表面に付された2次元コード7を読み取る目的で設置される。なお、この2次元コード7のマーキングは、コンベア10の上流において、図示しないマーキング装置により行われる。また、このマーキングは、黒セルに相当する部分にピンで孔を形成する方法や、レーザー光により黒セルを印刷する方法など、部品9に2次元コード7を直接マークする方法(ダイレクトマーキング)により行われる。
【0055】
前記カメラ3は、部品の搬送用コンベア10(以下、単に「コンベア10」という。)の上方に設置される。コントローラ2は、このコンベア10の近傍位置に設置されており、前記した上位システム11に接続される。コントローラ2は、この上位システム11からのコマンドを受けてカメラ3を作動させて前記2次元コード7を撮像させた後、その画像中の2次元コードが有する光学情報をデコードする。
【0056】
前記コントローラ2で最終的に得られたデコード結果は、上位システム11に送信される。なお前記2次元コード7には、部品の種類,部品番号,部品の搬送先,部品が組み付けられる基板の番号など、組立処理に必要な種々の情報が格納される。上位システム11は、これらの情報を用いて、前記コンベア10の経路を切り替えたり、図示しない組立ロボットにコマンドを送るなどの制御を実行する。
【0057】
図3は、前記コントローラ2を中心とした2次元コード読取装置1のハードウェアブロック図を示す。この実施例のコントローラ2は、CPU21、メインメモリ22、入出力制御部23、画像処理部24、モデルメモリ25、画像メモリ26などを主要構成として含む。前記したカメラ3、モニタ4、コンソール5、およびカメラ3内の照明ランプ6は、それぞれインターフェース回路203,204,205,206を介して入出力制御部23に接続される。なお、カメラインターフェース回路203には、前記したA/D変換部107が含まれる。
【0058】
またCPU21は、通信インターフェース回路201を介して、前記上位システム11とデータやコマンドのやりとりを実行する。前記図1のトリガ入力部106は、通信インターフェース回路201およびCPU21におけるトリガ信号を受け付ける機能により構成されるものである。
【0059】
前記入出力制御部23および画像処理部24は、CPUバス27を介してCPU21に接続されるとともに、画像バス28を介して相互に画像データをやりとりできるように構成されている。カメラ3から出力された画像は、入出力制御部23から画像処理部24に提供されて、画像メモリ26に格納される。この画像メモリ26は、図1の画像記憶部108に対応する。画像処理部24は、この画像メモリ26に格納された画像をCPU21からの指示に応じて読み出して、入出力制御部23に提供する。
【0060】
入出力制御部23は、モニタ4に対し、前記画像処理部24から提供された画像およびカメラ3から入力したリアルタイムの画像を切り替えて表示させることができる。また、画像の表示とともに、その画像に対する読取処理の結果を表示させることもできる。さらに、2次元コードの読取に失敗したときには、入出力制御部23は、CPU21から後記するコメント情報の提供を受け、これを前記モニタ4に表示させる。また、CPU21は、上位システム11に対し、コメント情報と同じ内容を示すエラーコードを出力する。
【0061】
メインメモリ22は、CPU21の動作に必要なプログラムを格納するほか、処理の過程で生じたデータを一時保存したり、コメント情報の設定テーブル(図4に示す。)や後記するしきい値NM,Lmax,Lminを記憶するなどの目的で使用される。
【0062】
モデルメモリ25は、2次元コードのファインダパターンの抽出に使用するモデルを登録するためのもので、画像メモリ26とともに画像処理部24に接続される。画像処理部24は、画像処理専用のプロセッサやディジタル演算回路を具備するもので、前記図1の画像処理部109に対応する。
【0063】
前記メインメモリ22には、前記図1の撮像制御部104、照明制御部105、デコード処理部110、判定処理部111、出力処理部112の各処理部に対応するプログラムが格納される。CPU21は、これらのプログラムに基づく処理を実行することにより、各処理部として機能することができる。
【0064】
この実施例のコントローラ2は、前記コンベア10上に搬送される各部品9に対し、カメラ3を作動させて2次元コード7の画像を取り込む処理と、その画像の2次元コードを読み取る処理とを、高速で繰り返し実行するように設定されている。なお、「読取処理」とは、2次元コードの画像をコントローラ2内に取り込んでからデコードを終了するまでの一連の処理を意味するもので、ファインダパターンの抽出処理とデコード処理とに大別される。
【0065】
なお、この実施例のファインダパターンの抽出処理では、前記モデルメモリ25内のモデルを処理対象画像に走査しながら相関演算を実行するパターンマッチング処理を実行する(以下では、このパターンマッチングによりファインダパターンを検索する処理を「相関サーチ」という。)。ただし、この相関サーチに代えて、画像上のエッジ点やその濃度勾配方向を利用した処理により、ファインダパターンを抽出することもできる。
【0066】
ここで、上記のファインダパターンの抽出処理について簡単に説明する。この処理では、まず、処理対象画像に対しエッジ抽出のための微分処理を実行する。つぎに抽出された各エッジ点において、その濃度勾配方向(黒から白に向かう方向)に直交する方向に沿って所定長さの線分を設定する。
【0067】
この処理は、刻印マーキングによる2次元コードのように、黒セルがドットのパターンとして表されるコードを処理するのに向いている。たとえば、データマトリクスのファインダパターンでは、黒セルを示すドットが所定間隔をおいてL字状に配列されるから、これらのドットの輪郭線上の各エッジ点に対し、ドットの接線に近似する線分を設定することができる。ここで、これらの線分の重なり度合いに着目すると、前記L字状の配列方向に沿う重なり度合いが最も大きくなると考えられる。よって、処理対象画像に設定された線分の中から、重なり度合いが所定値以上となる画像領域を抽出し、その中でファインダパターンの形状に近似する画像領域を抽出する方法により、ファインダパターンの位置や向きを特定することができる。
【0068】
この実施例のコントローラ2では、上記の読取処理において、2次元コードの読取に失敗したとき、その失敗の原因を判別する処理を実行するようにしている。判別処理の結果は、所定のコメント情報に変換されてモニタ4に表示される。
【0069】
図4は、前記コメント情報の設定テーブルの例を示す。この設定テーブルは、前記メインメモリ22に格納されるもので、5つのコメント情報にそれぞれ個別の識別番号を対応づけた構成をとる。なお、以下では、各コメント情報を、その識別番号を用いて、「コメント1」「コメント2」・・・というように示す。
【0070】
図4において、コメント1は2次元コード7に対する照明が明るすぎることを、コメント2は、前記照明が暗すぎることを、それぞれ示す。コメント3は、2次元コード7がカメラ3の視野に正しく含まれていないことを示すもので、2次元コード7全体、または少なくともファインダパターンを含む一部分が欠落している場合に適用される。
【0071】
コメント4は、画像上の2次元コード7がデコードできない状態にあることを示す。たとえば、コントラストが足らないためにタイミングパターンを抽出できなかったときや、白セルと黒セルとの識別処理において、2次元コードのマーキング状態が悪いために訂正が不可能な数の誤りが生じたときに、このコメント4が適用されることになる。
【0072】
コメント5は、2次元コード7の背景状態が悪いことを示す。ここで、悪い背景状態とは、凹凸や模様などにより、ファインダパターンとして誤抽出されるノイズが多い状態のことである。この実施例のように、カメラ3の視野内に2次元コード7を順次送り込んで読取処理を行う場合、毎回の読取処理には所定の割り当て時間を設定する必要がある。コメント5は、割り当て時間内にデコード処理を終了できないほどのファインダパターンの候補が抽出されたことを意味するものとなる。
【0073】
なお、図4には示していないが、この設定テーブルには、各コメント情報に対応するエラーコードも格納される。エラーコードは上位システム11に出力されるほか、コメント情報とともにモニタ4にも表示される。
【0074】
図5は、前記コントローラ2において、1つの2次元コードの画像データに対する読取処理の手順(ST1〜17)を示す。
まず上位システム11からの読取開始信号が入力されると、前記カメラ3を駆動して処理対象の2次元コードを撮像させる。カメラ3からの画像は、前記したように、入出力制御部23から画像処理部24に渡された後、画像メモリ26に格納される(ST1〜3)。
【0075】
つぎのST4で、画像処理部24は、前記画像メモリ26に格納された画像に対し、モデルメモリ25内のモデルを用いた相関サーチを行って、ファインダパターンを抽出する。なお、この相関サーチの結果は、画像処理部24からCPU21に伝送される。CPU21は、抽出されたファインダパターンの候補の数(以下、「候補数N」とする。)、およびモデルに対する各候補の類似度をメインメモリ22に一時保存する。
【0076】
前記候補数Nが0より大きい場合には、ST5が「YES」となってST6のデコード処理に進む。ここで、このデコード処理の具体的な手順について、図6を用いて説明する。
【0077】
このデコード処理は、前記ST4で抽出されたファインダパターンの各候補に対し、順に行われる。なお、処理の順序は、モデルへの類似度が高いものからとなる。
【0078】
最初のST61では、前記ファインダパターンの候補に基づき、タイミングパターンを抽出する。つぎのST62では、前記タイミングパターンのセルの配列状態に基づき、コード内部の各セルの位置を抽出する。ついで、ST63では、前記タイミングパターンに囲まれる情報表示領域について、その領域内の各セル毎に濃度値を2値化するなどして、セルが白であるか黒であるかを判別し、その判別結果に基づき、各セルの表わす光学情報を符号化する。さらに、ST64では、これらの符号を誤り訂正処理を行いつつデコードする(ST64)。
【0079】
なお、図6には記載していないが、前記ST61〜64のいずれかのステップにおいて、処理を途中で実行できない状態になった場合には、以下のステップをキャンセルしてST65へと進む。このST65では、上記各ステップによる処理に成功したかどうかを判別する。ここでいずれかのステップにおいて処理に失敗している場合には、ST65が「NO」となってST66に進み、抽出されたファインダパターンの候補すべてに対する処理を終了したかどうかをチェックする。ここで未処理の候補があれば、ST66からST61に戻り、つぎの候補に対し、同様に、ST61〜64の処理を実行することになる。
【0080】
所定の候補に対し、ST61〜64の処理により情報がデコードされると、ST65は「YES」となり、デコード処理を終了する。すなわち、前記所定の候補に対するデコードに成功した場合には、未処理の候補があっても、その候補に対するST61〜64の処理はキャンセルされることになる。
【0081】
図5に戻って、上記図6の手順によりデコードに成功すると、ST7が「YES」となってST8に進む。ST8では、デコード結果を配列して最終形式の読取データを編集し、これを上位システム11およびモニタ4に出力する。
【0082】
一方、ファインダパターンの候補のいずれに対しても情報をデコードできなかった場合には、ST7が「NO」となり、ST9において、前記候補数Nを所定のしきい値NM(NM>0)と比較する。候補数Nが前記しきい値NMより小さい場合には、ST9からST10に進み、前記モニタ4にコメント4を出力する。また、候補数Nがしきい値NM以上の値をとる場合には、ST9からST11に進み、前記モニタ4にコメント5を出力する。
【0083】
つぎに、前記ST4において、ファインダパターンを抽出できなかった場合には、ST5が「NO」となってST12に進み、処理対象画像の明るさLを算出する。なお、この算出処理は、処理対象画像中の全画素の階調を平均する方法により行われるが、これに限らず、たとえば明るさの最大値と最小値との平均値を求めてもよい。
【0084】
つぎに、ST13,14では、前記明るさLを所定のしきい値Lmax,Lmin(Lmax<Lmin)と比較する。ここで明るさLがLmaxより大きい場合には、ST13が「YES」となってST17に進み、前記モニタ4にコメント1を出力するまた、明るさLがLminより小さい場合には、ST13が「NO」、ST14が「YES」となってST16に進み、前記モニタ4にコメント2を出力する。
【0085】
前記明るさLが、Lmin≦L≦Lmaxの範囲にあれば、ST13,14がともに「NO」となってST15に進み、前記モニタ5にコメント3を出力する。
【0086】
なお、前記ST9において、候補数Nをしきい値NMと比較する場合に、ある候補が示す2次元コードの領域内に他の候補が含まれる場合には、これらの候補を1候補とみなして候補数Nを減数してもよい。
【0087】
上記図5の手順において、前記しきい値NMは、ファインダパターンの抽出のためにデコード処理のための時間を確保できなくなる場合の候補数Nに基づき設定することができる。1つの2次元コード7の読取には、あらかじめ一定の処理時間Tが割り当てられるから、前記ファインダパターンの抽出処理が終了した時点の残り時間は、候補数Nが多くなるほど少なくなると考えられる。よって、たとえば、下記の(1)式を満たすNの最小の値を、前記しきい値NMとすることができる。
T−T1<N×t ・・・(1)
【0088】
上記(1)式において、T1はN個のファインダパターンの抽出に必要な時間に所定の余裕時間を加味した値である。またtは、1つの候補に対するデコード処理に必要な時間である。tの値はコントローラ2の処理能力に応じた一定値であり、T1の値は候補数Nに応じて定めることができる。なお、割り当て時間Tは、あらかじめ所定の値に固定しておくこともできるが、これに限らず、上位システム11やコンソール5を介して設定することもできる。
このように割り当て時間Tを可変設定できるようにした場合、前記しきい値NMは、Tの値によって変動することになる。なお、割り当て時間Tは部品9の搬送速度に応じて設定することができる。
【0089】
前記明るさのしきい値Lmax,Lminの設定については、下記のようにする。
たとえば、明るさの階調を256階調にした装置の場合、濃淡識別のために必要な分解能が10階調程度であることを考慮して、Lmaxを245階調程度に設定しておく。また、Lminについては、ノイズの影響による明るさのレベルと、判別のために必要な分解能が10階調程度であることを考慮して、50階調程度に設定しておく。
上記の設定によれば、ハレーション現象などにより画像が明るすぎる場合には、明るさLはLmaxより大きくなる。また、2次元コードの黒セルと背景の黒とを視認できないほど画像が暗い場合には、明るさLはLminより小さくなる。
【0090】
上記図5の手順によれば、デコード処理に失敗した場合には、ファインダパターンの候補数Nに基づき、その失敗の原因が2次元コードにあるのか、背景にあるのかを判別することができる。また、ファインダパターンの抽出に失敗した場合には、処理対象画像の明るさに基づき、前記失敗の原因が照明にあるのか、またはカメラ3の視野に対する2次元コードの位置によるものかを、判別することができる。
【0091】
特に、照明や2次元コードの位置に不備がある場合には、判別結果に基づき、速やかにその不備を修正することができるから、装置導入時に、照明、カメラ3の視野、2次元コードの位置などを調整する際に、調整作業を効率良く進めることができる。
【0092】
また、2次元コードの状態に不備があると判別された場合には、デコード処理のいずれのステップで失敗が生じたかにより、不備の内容をより具体的に判別することができる。
たとえば、タイミングパターンが抽出できなかった場合には、コントラストが足りないと考えられるので、照明状態に問題があると判別することができる。また、タイミングパターンは抽出できたが、デコードができなかった場合には、2次元コードのマーキング状態に不備があると判別することができる。
【0093】
図7(1)(2)は、前記図5の読取処理が終了したときのモニタ4における表示例を示す。図7(1)は、読取成功時の表示例であって、2次元コードの画像31を含む処理対象画像30が表示されるとともに、前記2次元コードから得た読取データ32や「OK」のマーク33などが表示されている。
【0094】
図7(2)は、前記読取処理に失敗したときの表示例であって、読取失敗の原因の判別結果に基づくコメント情報34(図示例ではコメント1)が、対応するエラーコード35や「NG」のマーク36とともに表示されている。また、この例でも処理対象画像が表示されている。ただし、画像上の2次元コードを識別できない状態にあるため、便宜上、処理対象画像30は空白状態として図示する。
【0095】
【発明の効果】
この発明によれば、2次元コードの読取処理に失敗したとき、その読取処理における特定パターンの抽出数に基づき失敗の原因を判別し、その判別結果をユーザーに提示することができる。したがって、ユーザーは読取失敗の原因を的確に把握することができ、失敗に対し、正確な対応をとることができる。よって、本格的な読取処理を開始する前の調整時などにおいて、照明、撮像手段の視野、2次元コードの位置などの設定条件に不備があっても、その不備を速やかに取り除いて対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用された2次元コード読取装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】2次元コード読取装置の外観および使用状態を示す図である。
【図3】2次元コード読取装置の電気構成を示すブロック図である。
【図4】コメント情報の設定テーブルを示す図である。
【図5】読取処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】デコード処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図7】読取終了時の表示例を示す図である。
【図8】2次元コードの代表例および各コードにおけるファインダパターン,タイミングパターンを示す説明図である。
【符号の説明】
1 2次元コード読取装置
2 コントローラ
3 カメラ
4 モニタ
7 2次元コード
21 CPU
22 メインメモリ
23 入出力制御部
24 画像処理部
26 画像メモリ

Claims (9)

  1. 2次元コードを撮像対象とした画像から前記2次元コードに含まれる特定のパターンを抽出した後、抽出された特定のパターンを基準とする所定大きさの画像領域にデコード処理を施して、前記2次元コードが表す光学情報を読み取る方法において、
    前記光学情報を読み取ることができない読取失敗が生じたとき、前記特定のパターンの抽出数に基づき前記読取失敗の原因を判別し、その判別結果を出力することを特徴とする2次元コードの読取方法。
  2. 請求項1に記載された方法において、
    前記特定のパターンの抽出数がゼロより大きいとき、前記抽出数をゼロより大きい所定のしきい値と比較し、前記抽出数が前記しきい値を下回るときは2次元コードの状態が前記読取失敗の原因であると判別し、前記抽出数が前記しきい値を上回るときは2次元コードの背景の状態が前記読取失敗の原因であると判別する2次元コードの読取方法。
  3. 請求項1に記載された方法において、
    前記特定パターンの抽出数がゼロのとき、前記画像の明るさを所定の数値範囲と比較し、前記明るさが前記数値範囲内にあれば撮像時の2次元コードの位置が前記読取失敗の原因であると判別し、前記明るさが前記数値範囲外にあれば2次元コードに対する照明の状態が前記読取失敗の原因であると判別する2次元コードの読取方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載された方法において、
    前記判別結果の出力として、前記読取失敗の原因を示す情報を表示することを特徴とする2次元コードの読取方法。
  5. 2次元コードを撮像対象とした画像を取得する画像取得手段と、
    前記取得した画像から2次元コードに含まれる特定のパターンを抽出する特定パターン抽出手段と、
    前記特定パターン抽出手段により抽出された特定のパターンを基準に所定大きさの処理対象領域を設定し、その領域内の画像を用いたデコード処理を実行するデコード処理手段と、
    前記デコード処理手段によりデコードされた情報の内容を示す読取データを出力する読取データ出力手段と、
    前記読取データ出力手段が読取データを出力できない読取失敗が生じたとき、前記特定パターンの抽出数に基づき前記読取失敗の原因を判別する判別手段と、
    前記判別手段による判別結果を出力する出力手段とを具備して成る2次元コード読取装置。
  6. 前記判別手段は、前記特定のパターンの抽出数がゼロより大きいとき、前記抽出数をゼロより大きい所定のしきい値と比較し、前記抽出数が前記しきい値を下回るときは2次元コードの状態が前記読取失敗の原因であると判別し、前記抽出数が前記しきい値を上回るときは2次元コードの背景の状態が前記読取失敗の原因であると判別する請求項5に記載された2次元コード読取装置。
  7. 前記判別手段は、前記特定のパターンの抽出数がゼロのとき、前記画像の明るさを所定の数値範囲と比較し、前記明るさが前記数値範囲内にあれば撮像時の2次元コードの位置が前記読取失敗の原因であると判別し、前記明るさが前記数値範囲外にあれば2次元コードに対する照明の状態が前記読取失敗の原因であると判別する請求項5に記載された2次元コード読取装置。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載された装置であって、
    前記出力手段は、前記判別手段が判別した原因を示す情報を表示する表示手段を含んで成る2次元コード読取装置。
  9. 2次元コードを撮像対象とした画像を取得する画像取得手段と、
    前記取得した画像から2次元コードに含まれる特定のパターンを抽出する特定パターン抽出手段と、
    前記特定パターン抽出手段により抽出された特定のパターンを基準に所定大きさの処理対象領域を設定し、その領域内の画像を用いたデコード処理を実行するデコード処理手段と、
    前記デコード処理手段によりデコードされた情報の内容を示す読取データを出力する読取データ出力手段と、
    前記読取データ出力手段が読取データを出力できない読取失敗が生じたとき、前記特定パターン抽出手段により抽出された特定のパターンの数を出力する抽出数出力手段とを具備して成る2次元コード読取装置。
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