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JP2005002514A - 複合材料用三次元織編組物及びその製造方法並びに三次元プリフォーム - Google Patents

複合材料用三次元織編組物及びその製造方法並びに三次元プリフォーム Download PDF

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JP2005002514A
JP2005002514A JP2003168394A JP2003168394A JP2005002514A JP 2005002514 A JP2005002514 A JP 2005002514A JP 2003168394 A JP2003168394 A JP 2003168394A JP 2003168394 A JP2003168394 A JP 2003168394A JP 2005002514 A JP2005002514 A JP 2005002514A
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Atsushi Nohara
敦 野原
Kazutami Mitani
和民 三谷
Tomoo Sano
智雄 佐野
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

【課題】充分な層間強度を有する複雑な形状の繊維強化複合材料を安価に製造するための複合材料用三次元織編組物の開発。
【解決手段】強化繊維からなる複合材料用三次元織編組物であって、少なくともその一方の表面に露出しているループ糸の全部または一部が切断された複合材料用三次元織編組物、当該三次元織編組物を用いた三次元プリフォーム並びに当該三次元プリフォームに樹脂を含浸し、硬化もしくは固化した繊維強化複合材料。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、層間接着強度が向上した三次元繊維強化樹脂複合材料を低コストで製造するための三次元プリフォーム及びそれを用いて成形された三次元繊維強化樹脂系複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複雑な形状の繊維強化複合材料は、強化繊維を一方向に並べるか或いは強化繊維の織物に半硬化状態の樹脂を含浸させてシート状にしたプリプレグを目的とする製品形状に合わせて積み重ねて成形する方法が行われてきた。
しかしながらこの成形方法では、プリプレグを所要の寸法に切り出して、製品形状を単純形状要素に分割した各要素を製品形状に積み重ねるレイアップ作業や、重ね合わせたプリプレグの間に取り込まれた空気を吸い出すデバルク作業等の予備成型工程を成形前に幾度も繰り返す必要がある。また、シート状中間材が積層されたものであるため、面方向に比べて層間(厚み方向)の強度が低くなるという問題がある。
【0003】
そこで、プリプレグの積層にかかる手間や、それにより成形した繊維強化複合材料の厚み方向の強度が発現し難いことを克服するために、プリプレグを用いない方法として、厚み方向を含めた立体的な方向に連続繊維を立体的に絡め合わせて製品形状の三次元織編組物を製造し、厚み方向の力学的強度をも補強するようにした三次元複合材料の開発が進められてきた。
しかし、このような三次元織編組物を用いた場合においても、複雑な立体形状を有する製品を製作するには、前記三次元織編組物を所要の寸法に切り出して、製品形状を単純形状要素に分割した要素毎の形状に積み重ねる作業が必要である。特に三次元織編組物を安価に製造するためには規格化が必要であり、その場合、どうしても接合部が生じてしまう。すなわち、三次元織編組物を用いた場合でも層間を生じ、その層間強度を上げるという課題があった。
【0004】
このような課題を解消し、製品の厚み方向の力学的強度を向上させるために、層間に加工を施す以下のような方法が知られている。その方法の一つは、繊維状熱可塑性樹脂を三次元織編組物に導入して層間の靭性を向上する方法である(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法では繊維状熱可塑性樹脂の導入に伴う製造コストの上昇という問題がある。また、他の方法は、二次元の炭素繊維シート表層面に炭素繊維を静電植毛したのち、該シートを積み重ねて三次元織編組物を形成する方法である(例えば、特許文献2参照)。この方法では、二次元の炭素繊維シートを積み重ね、ずれないように仮止めをした上で静電気を与えた別の炭素繊維短繊維を植毛しなければならず、その製造に時間と手間を要する。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−303385号公報
【特許文献2】
特開平11−348160号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、三次元織編組物を用いた成形法において、三次元織編組物層間の補強をするための、層間補強材の導入コスト、時間、手間を低減させ、且つ、充分な三次元織編組物層間強度を有する複雑な形状の繊維強化複合材料を安価に製造することができる複合材料用三次元織編組物及びこの織編組物を用いて形成される成形品を開発することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、下記1)〜4)項記載の複合材料用三次元織編組物、5)〜7)項記載の三次元プリフォームを提供するものであり、また、該三次元プリフォームに熱硬化性もしくは熱可塑性樹脂を含浸して、硬化もしくは固化した繊維強化複合材料を提供するものであり、さらには、ループ糸の切断による上記複合材料用三次元織編組物を製造する方法を提供するものである。
【0008】
1)強化繊維からなる複合材料用三次元織編組物であって、少なくともその一方の表面に露出しているループ糸の全部または一部が切断されたものであることを特徴とする複合材料用三次元織編組物。
2)式(1)で示される100mmあたりの切断されたループ糸の総断面積Sが、0.01mm以上のものである1)項記載の複合材料用三次元織編組物。
S(mm)=2×A×B×C・・・(1)
(A:強化繊維を構成するフィラメントの断面積(mm/本)、B:強化繊維のフィラメント数(本)、C:複合材料用三次元織編組物100mmあたりの切断されたループ糸の数)
【0009】
3)上記Sが、0.1mm以上のものである1)項または2)項に記載の複合材料用三次元織編組物。
4)強化繊維が、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ボロン繊維又はPBO繊維から選ばれた少なくとも1種以上の繊維からなる1)項〜3)項記載の複合材料用三次元織編組物。
【0010】
5)上記複合材料用三次元織編組物のループ糸の切断された部分同士を接触させて、複合材料用三次元織編組物の相互位置を固定した三次元プリフォーム。
6)上記複合材料用三次元織編組物の、ループ糸が切断された部分とループ糸が切断されていない部分とを接触させて、複合材料用三次元織編組物の相互位置を固定した三次元プリフォーム。
7)ループ糸が切断されていない複合材料用三次元織編組物のループ糸部分と上記複合材料用三次元織編組物のループ糸が切断された部分とを接触させて、複合材料用三次元織編組物の相互位置を固定した三次元プリフォーム。
本発明により、外部から新たに層間補強材を導入するコストを必要とせずに、層間の補強された繊維強化複合材料からなる成形品を安価に提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
複合材料用三次元織編組物の構成:本発明で用いることができる三次元型の織編組物の形態はいかなるものも用いることができる。その一例として、図1に、3軸三次元型の織編組物の断面図を示した。3軸三次元型の織編組物の場合、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に、強化繊維が並んでおり、X軸方向およびY軸方向の強化繊維は、通常の平織または綾織等の製織方法で製織された2次元織物と同じ構造をとっている。一方、Z軸方向の強化繊維は、X軸およびY軸に対して垂直方向に貫通して端部で往復して複数の積み重なった2次元織物を繋ぎ止める役割をはたしている。
また、5軸三次元型の織編組物の場合は、X軸方向およびY軸方向には3軸三次元型の織編組物と同様に2次元織物が配されているが、あとの強化繊維はX軸方向およびY軸方向の強化繊維を貫くようにZX軸方向、Z(−X)軸方向、ZY軸方向の3方向に並んでいる。
そして、これら2次元織物を貫く強化繊維は、いずれも端部で往復しており、三次元織編組物の表面付近でループ糸(輪)を形成している。
【0012】
強化繊維:本発明で好適に用いることのできる強化繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ボロン繊維又はPBO繊維等が挙げられる。また、これら強化繊維の複数を組み合わせて用いてもよい。特に、比強度、比弾性率が高い炭素繊維又は黒鉛繊維が好適に用いられる。弾性率200GPa以上、引張強度3500MPa以上、伸度1.7%以上の強化繊維が好ましい。
特に、引張強度4500MPa以上、伸度1.9%以上の高強度・高伸度の炭素繊維は充分な強度特性を発現する、という点で好ましい。ただし、ループ糸を構成する強化繊維は、表面で屈曲させる点からあまり高弾性率のものは好ましくなく、弾性率200GPa以上245GPa以下の繊維が好ましい。
【0013】
ループ糸の切断方法:ループ糸を切断して毛羽立たせた三次元織編組物を用いることにより、製品形状に合わせた後、マトリックス樹脂で固め、繊維強化複合材に形成された三次元織編組物の接合層間における強度を向上させる。ループ糸を切断する方法には特に制限が無いが、好適な例として、予め形成された三次元織物組物のループ糸をカッターで切断し起毛する方法、ループ糸をサンドペーパー等で研削して切断することで突出させる方法あるいはループ糸を回転刃で切断する方法等が考えられる。
ただし、100mmあたりの切断されたループ糸の切断側先端部の断面積が0.01mm未満では絡み合いが弱く、層間の接着強度の向上への寄与が少なくなるため、切断されたループ糸の切断側端部の総断面積は0.01mm以上、より好ましくは0.1mm以上であることが好ましい。
【0014】
ループ糸の切断面の総断面積の測定方法:ループ糸の切断面の総断面積Sは、光学顕微鏡を用いて、ループ糸を切断加工した三次元織編組物の表面を観察し、複合材料用三次元織編組物の表面積100mmあたりのループ糸の数を数え、その値から、次式(1)を用いて算出する。
S(mm)=2×A×B×C・・・(1)
(A:強化繊維を構成するフィラメントの断面積(mm/本)、B:強化繊維のフィラメント数(本)、C:複合材料用三次元織編組物100mmあたりの切断されたループ糸の数)
【0015】
三次元プリフォーム:本発明の三次元プリフォームは、上述の複合材料用三次元織編組物を用いて製造できる。本発明の三次元プリフォームの製造には、加熱や高圧を必要としない。複数個の複合材料用三次元織編組物のうち、一方の複合材料用三次元織編組物の切断加工されたループ糸が露出した部分を、他方の複合材料用三次元織編組物に手などで押し付けることで、切断されたループ糸が、他方の複合材料用三次元織編組物のループ糸と絡み合い、互いに相互位置が固定されて三次元プリフォームとなる。
【0016】
このとき、絡み合いによる層間接着強度が向上するので、一方の複合材料用三次元織編組物の切断加工されたループ糸が露出した面の切断側先端部の総表面積は、0.01mm以上、より好ましくは、0.1mm以上であることが好ましい。なお、複合材料用三次元織編組物に、別の複合材料用三次元織編組物が押し付けられる面のループ糸は、切断加工されていてもよく、切断加工されていなくとも問題はない。さらに、他方の複合材料用三次元織編組物として、本発明の複合材料用三次元織編組物とは異なる、ループ糸を有し、切断加工が施されていない複合材料用三次元織編組物を用いることも可能である。
【0017】
また、本発明の三次元プリフォームは、2個の複合材料用三次元織編組物の組合せに限定されるものではなく、3個以上組み合わせて所定の形状としたものであってもよい。例えば、本発明の複合材料用三次元織編組物Aの切断加工が施された部分を、本発明の複合材料用三次元織編組物Bの切断加工が施されていない部分に押し付けて相互位置を固定し、さらに、本発明の複合材料用三次元織編組物Bの切断加工が施された部分を複合材料用三次元織編組物Cに押し付ける、などを繰返して三次元プリフォームとすることもできる。
さらに応用として、1個の複合材料用三次元織編組物を折り曲げて、その複合材料用三次元織編組物の切断加工が施された部分を、同じ複合材料用三次元織編組物に押し付けて、折り曲げ形状に固定して、プリフォームとなすこともできる。
【0018】
繊維強化複合材料の製造方法:上記三次元プリフォームに樹脂を含浸して、金型内で硬化または固化することで、繊維強化複合材料を得ることができる。
三次元プリフォームにマトリックス樹脂を含浸する方法はいかなる方法でもよく、例えば、三次元プリフォームを金型内に配置して、金型内を減圧してから、金型内に低粘度化または融解したマトリックス樹脂を流し込む方法などがある。
【0019】
マトリックス樹脂:本発明の三次元織編組物またはプリフォームを用いて繊維強化複合材料を製造する際、そのマトリックス樹脂としては熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂のいずれも用いることができる。繊維強化複合材料の成形を考慮すると、三次元プリフォームへの含浸のしやすさから、低粘度で含浸可能な熱硬化性樹脂からなるものが適している。
【0020】
熱硬化性樹脂組成物の主成分としては、アミン類、フェノール類を前駆体とするエポキシ系の樹脂や多官能性マレイミド系の樹脂が好ましく用いられる。具体的には、エポキシ系の樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾールの各種異性体、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂及びこれらの2種以上の混合物等を挙げることができる。
【0021】
また、多官能性マレイミド系の樹脂としては、1,2−ビスマレイミドエタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,12−ビスマレイミドドデカン、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、1,6−ビスマレイミド−(2,4,4−トリメチル)ヘキサン、1,3―ビスマレイミドベンゼン、1,4−ビスマレイミドベンゼン、3,3´−または4,4´−ビスマレイミドジフェニルメタン、及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。また用途によっては、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂を用いることもできる。
【0022】
硬化剤の例としては、4,4−ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミドをはじめとするアミン系硬化剤、またはメチルナジック酸、無水フタル酸などの酸無水物系硬化剤を挙げることができる。
さらに、これら熱硬化性樹脂組成物中には、硬化物に所望の特性を付与する変性剤、添加剤、あるいは硬化特性を調整する目的で硬化促進剤などを添加してもよい。
【0023】
一方、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリプロピレン樹脂などを挙げることができる。
【0024】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
【0025】
<剥離強度試験>
実施例、比較例にて製造した複合材料用三次元織物の試験片について、SACMASRM8R−94法に則り、それぞれ剥離強度試験を実施した。
ショートビーム法(L/d=4 ノーズ3.2R サポート1.6R CHS1.27mm/min.)
試験装置:UTM−25T
具体的には図2に示すように、各評価用試験板を長さ25.4mm、幅6.4mm、厚み2.0mmに切り出したものを用いた。
【0026】
試験は、図2に示すように試験板4を台座部5で支持した後、反対側の中心位置に設けた負荷点8より荷重9を加え、試験板4の中間層が剥離する時の最大荷重を剥離強度として計測した。
剥離強度の計算には下記式(2)を用いた。
S=0.75・P/(b・d)・・・(2)
ここでS:剥離強度(MPa)、P:荷重(kN)、b:試験片の幅(mm)、d:試験板の厚み(mm)を意味する。
【0027】
実施例1:
経糸、緯糸用強化繊維として三菱レイヨン製炭素繊維、MR50K−5M(フィラメント数4500本、フィラメント径6μm、引張強度5490MPa、弾性率295GPa、伸度1.8%)、垂直糸用強化繊維として三菱レイヨン製炭素繊維TR40−1L(フィラメント数1000本、フィラメント径7μm、引張強度4700MPa、弾性率235GPa、伸度2%)を用い、三次元織物(5軸三次元構造)を製造した。この三次元織物100mmあたりのループ糸の数は平均で9個であった。この三次元織物の表面ループ糸を回転刃で切断し、切断加工されたループ糸の総断面積が0.24mmの三次元織物を得た
【0028】
この三次元織物2組を、切断加工した面同士を押し合わせてプリフォーミングして三次元プリフォームを得た。この三次元プリフォームを、三菱レイヨン(株)製ビスマレイミド系マトリックス樹脂(#2050)を用いて、側面に排気口を備えた外枠と底板からなる下金型内に、未反応樹脂の板を形成し、その上に補強用三次元織物を積層した三次元織編組物を置き、滑り可能な落とし蓋型の上金型を閉じて、三次元織編組物内の空気を側面の排気口から排出し、三次元織編組物内を真空に保持したまま100℃に加熱することで、液状樹脂を三次元織編組物の厚さ方向に流して含浸した。その後金型を180℃に加熱し、6時間かけて液状樹脂を硬化し、金型から複合材料を取り出した。その後232℃、6時間の熱風加熱を行なった後硬化し、繊維強化複合材料からなる評価用試験板を得た。
【0029】
実施例2:
実施例1の複合材料用三次元織編組物の表面ループ糸を切断し、切断された総断面積が1.12mmとなった三次元織編組物を得た。この三次元織編組物を用いて実施例1と同様にして繊維強化複合材料からなる評価用試験板を得た。
【0030】
実施例3:
実施例1の複合材料用三次元織編組物の表面ループ糸を切断し、切断された総断面積が1.38mmとなった三次元織編組物を得た。この三次元織編組物を用いて実施例1と同様にして繊維強化複合材料からなる評価用試験板を得た。
【0031】
比較例:
ループ糸の切断加工を行わない以外は、実施例1と同様にして、繊維強化複合材料からなる評価用試験板を得た。
実施例および比較例の各評価用試験板について行なった層間剥離強度試験の結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 2005002514
【0033】
表1から明らかなように、台座部2と突起部3との間に切削加工を施さないものの場合では層間剥離強度は約65.9MPaであったが、パイル先端の総断面積が0.24mmのものは72.8MPa、パイル先端の総断面積が1.12mmでは84.1MPaという値を得、約31%の層間剥離強度の向上が確認された。パイル先端の総断面積が1.38mmのものは、86.6MPaと最も高い層間剥離強度を示した。
【0034】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明により、強化繊維からなる複合材料用三次元織編組物において、少なくともその一方の表面の露出しているループ糸の一部、もしくは全部が切断加工した複合材料用三次元織編組物を用いることによって、低い加工コストによって層間を補強した繊維強化複合材料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】三次元織編組物及びループ糸切断加工例の断面図である。
【図2】剥離強度試験装置(UTM−25T)の概要図である。
【符号の説明】
1.三次元織編組物
2.回転刃
3.切断されたループ糸
4.試験板
5.台座部
6.圧子部
7.剥離点
8.負荷点
9.荷重の方向

Claims (11)

  1. 強化繊維からなる複合材料用三次元織編組物であって、少なくともその一方の表面に露出しているループ糸の全部または一部が切断されたものであることを特徴とする複合材料用三次元織編組物。
  2. 式(1)で示される100mmあたりの切断されたループ糸の総断面積Sが、0.01mm以上のものである請求項1に記載の複合材料用三次元織編組物。
    S(mm)=2×A×B×C・・・(1)
    (A:強化繊維を構成するフィラメントの断面積(mm/本)、B:強化繊維のフィラメント数(本)、C:複合材料用三次元織編組物100mmあたりの切断されたループ糸の数)
  3. 上記総断面積Sが、0.1mm以上のものである請求項1または2に記載の複合材料用三次元織編組物。
  4. 強化繊維が、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ボロン繊維又はPBO繊維から選ばれた少なくとも1種以上の繊維である請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合材料用三次元織編組物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合材料用三次元織編組物のループ糸が切断された部分同士を接触させて、複合材料用三次元織編組物の相互位置を固定した三次元プリフォーム。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合材料用三次元織編組物のループ糸が切断された部分とループ糸が切断されていない部分とを接触させて、複合材料用三次元織編組物の相互位置を固定した三次元プリフォーム。
  7. ループ糸が切断されていない複合材料用三次元織編組物のループ糸部分と請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合材料用三次元織編組物のループ糸が切断された部分とを接触させて、複合材料用三次元織編組物の相互位置を固定した三次元プリフォーム。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の三次元プリフォームに、熱硬化性樹脂組成物を含浸して硬化させた繊維強化複合材料。
  9. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の三次元プリフォームに、熱可塑性樹脂組成物を含浸して固化させた繊維強化複合材料。
  10. 強化繊維からなる複合材料用三次元織編組物の、少なくともその一つの面から露出しているループ糸の全部または一部を、カッターまたは回転刃で切断することを特徴とする少なくとも一部のループ糸が切断された複合材料用三次元織編組物の製造方法。
  11. 強化繊維からなる複合材料用三次元織編組物の、少なくともその一つの面から露出しているループ糸の全部または一部を、研削により切断することを特徴とする少なくとも一部のループ糸が切断された複合材料用三次元織編組物の製造方法。
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