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JP2004536599A - テロメア長の決定方法 - Google Patents

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JP2004536599A
JP2004536599A JP2003507308A JP2003507308A JP2004536599A JP 2004536599 A JP2004536599 A JP 2004536599A JP 2003507308 A JP2003507308 A JP 2003507308A JP 2003507308 A JP2003507308 A JP 2003507308A JP 2004536599 A JP2004536599 A JP 2004536599A
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primer
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ベアード,ダンカン,マーティン
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ユニバーシティ オブ ウェールズ カレッジ オブ メディスン
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    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
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Abstract

哺乳動物の染色体DNAのテロメア長を決定するための方法であって、
(a)一本鎖オリゴヌクレオチド(以下、「テロレット」と称する)の3’末端を、Gに富んだ側のテロメア鎖(TTAGGG繰り返し配列を有する)から形成されるテロメアの一本鎖オーバーハングにアニールし、前記テロレットをCに富んだ側のテロメア鎖(CCCTAA繰り返し配列を有する)の5’末端と共有結合させることによってライゲーション産物を生成する工程と、
(b)前記(a)工程で生成したライゲーション産物を増幅してプライマー伸長産物を生成する工程と、
(c)前記(b)工程のプライマー伸長産物の長さを検出する工程とを含む方法を開示する。好ましくは前記(b)工程は、
(i)DNAのテロメア隣接領域にアニール可能であるが、Cに富んだテロメア繰り返し配列(CCCTAA)にはアニールしない第1のプライマーと、(ii)前記(a)工程のテロレットの5’末端配列と同じ配列を有する第2のプライマー(以下、「テルテール」プライマーと称する)とを用いて行われ、該増幅反応は、前記第1のプライマーがCに富んだテロメア鎖(CCCTAA繰り返し配列からなる)とハイブリダイズし、伸長されて第1のプライマー伸長産物を形成するとともに、前記テルテールプライマーが前記第1のプライマーの伸長産物とハイブリダイズし、伸長されて第2のプライマー伸長産物を形成するような条件下で行われる。更に、本方法を行うためのテロレット及びテルテールなどの特定のプライマー、本方法で用いるためのキット、及びテロメア長の決定及びテロメア長に関連した生物学的条件の評価における本方法の使用法を開示する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は哺乳動物のテロメア長の決定、特にヒトのテロメア長の決定のための方法に関するものである。本発明は更に本方法で使用するためのプライマーや他の試薬、ならびにこうしたプライマーや試薬の1以上からなる本方法を行うためのキットに関するものである。
【0002】
テロメアは真核生物の染色体の端部をキャップするDNA構造であり、染色体の安定性及び機能の維持において重要である。ヒトのテロメアは例えば20kb程度とキロベース単位の塩基から構成され、TTAGGGのDNA配列のモチーフがタンデムに繰り返した構造となっている。これらの繰り返しは、グアニンに富んだ鎖が染色体端部へと5’→3’方向に延び、時として5’末端を越えて延出してTTAGGGの繰り返し単位からなる一本鎖のオーバーハングを形成するように配されている(図1に模式的に示す)。
【0003】
細胞分裂に際し、染色体の分裂にともなってテロメア配列は端部から失われてゆく。酵素であるテロメラーゼは、末端にTTAGGGの繰り返し単位を新たに合成し、DNAを伸長してこれが短くなることを防止することが可能である。この酵素は体細胞では殆どが不活性であるため、体細胞では細胞分裂毎にテロメアは短くなってゆく。テロメア配列が失われていく度合いは、年齢、複製歴や特定の組織でのテロメラーゼ活性に依存している。したがってテロメアの損失は、細胞老化として知られる、生化学的に活性ではあるが細胞分裂は行わない状態の誘導との相関が考えられる。
【0004】
対照的に生殖細胞ではテロメラーゼは活性であり、このため生殖細胞では後継世代にわたってテロメア長は維持される。更にこの酵素は悪性腫瘍細胞やある種の増殖性の体組織の幹細胞でも活性である。
【0005】
加齢の過程でテロメアDNAが失われる機序としては多くが考えられ、不完全な複製、末端の分解、及びより短いテロメアを有する細胞における不等組換えなどが考えられる。腫瘍が悪性に進行するためには、酵素テロメラーゼが活性化されることによって腫瘍細胞が分裂し続けなければならないことから、細胞老化は腫瘍の防御機構として進化してきた可能性が考えられる。このことは、正常な体細胞では、テロメラーゼが抑制された結果、テロメアDNAが失われるために加齢にともなう老化細胞の蓄積につながっている可能性を示唆するものである。このことは更に、加齢による椎間板の変性(繊維細胞の老化)、アテローマ性動脈硬化(血管内皮細胞の老化)、眼変性(網膜色素上皮細胞の老化)や免疫老化(T細胞の老化)ならびに創傷の治癒における障害(繊維芽細胞の老化)など、一部の加齢に関係した病態の素因となっている可能性がある。
【0006】
テロメア長及びテロメラーゼ活性の有無について知ることによって、細胞の複製歴及び増殖能についての情報を得ることも可能である。したがってたかだか1000個程度の細胞を用いることでテロメア長を決定する、さらには1個のDNA分子のテロメア長を決定するための正確な方法が求められている。
【0007】
ゲノムDNAの制限酵素による消化、ならびにプローブを含むTTAGGGの繰り返し配列へのサザンハイブリダイゼーションによって、すべての染色体の端部から得られる末端制限フラグメント(TRF)の平均サイズが同時に明らかとなる。TRFの分析は、現在、大半の生物のDNA試料でテロメア長を推定するための方法として選択されている。しかしながらこれらの試験方法は、充分なDNA(1μg)を得るために最低でも200,000個の細胞を必要とすること、また一回の試行では全テロメアの平均の長さが求められるだけであり、単一のテロメアの配列内容や長さについての詳細な情報を得ることはできない、といった多くの難点を有するものである。更にこれらの試験方法は、生成する制限フラグメントにテロメア周囲の異なる長さのDNAが含まれることから、TTAGGGの正確な含量が測定されないために比較的に不正確である。Q−FISHと呼ばれる別の方法では、分裂中期の染色体に対する定量的な(TTAGGG)n蛍光in situハイブリダイゼーションを用いている。この方法はTRF分析と異なり、すべての染色体端部におけるTTAGGG繰り返し配列の含量を個別に決定することができるという利点を有するが、得られるのは比較的小さなデータセットのみであり、高品質の中期染色体の調製が必要であることから、この分析法はカルチャー中で効率よく増殖する細胞に限定して用いられる。
【0008】
米国特許第5,741,677号明細書は、細胞や組織試料中のテロメアの平均長を測定するための一方法について述べている。この方法では、テロメアの3’末端とオリゴヌクレオチドリンカーとをリンカーがテロメアの3’末端に共有結合するような条件下で接触させる。次いでこのDNAを、例えばオリゴヌクレオチドリンカーと相補的な第1のプライマーと、染色体のサブテロメア領域、すなわち、テロメア配列の5’末端側の染色体部分と相補的な第2のプライマーとを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅する。伸長産物を生成する際に第1及び/または第2のプライマーが伸長された量を測定することによって、平均のテロメア長が求められる。
【0009】
米国特許第5,834,193号明細書は、テロメア長を測定するための一方法について述べている。この方法では、ゲル電気泳動によって画分化されなかった変性染色体DNAを、テロメアの繰り返し配列と相補的な配列を有する標識プローブと、プローブがテロメアDNAに特異的にハイブリダイズするような条件下で接触させる。次いで結合したプローブの量を測定し、既知のテロメア長のコントロールとの比較を行う。
【0010】
いずれの特許明細書も、テロメアの3’末端に非相補的オリゴヌクレオチドリンカーをライゲートさせることについて記載している(図2に模式的に示した)。米国特許第5,834,193号明細書では、「テロメアの繰り返し配列と異なるリンカー配列であれば任意の二本鎖リンカーの使用が可能である」旨述べている。当該明細書の好ましい一実施形態における開示では、図3に示されるように最初にヌクレアーゼにより末端の平滑化処理を行った後、オリゴヌクレオチドリンカー配列を平滑末端にライゲートする。
【0011】
ヒトテロメアのタンデム繰り返し配列であるTTAGGGと相同な一本鎖オリゴヌクレオチドリンカーを、Cに富んだ側のテロメア鎖の5’末端にライゲートし、その5’末端にPCRなどによる増幅に適したプライマーと同じ配列をライゲートして、このライゲーション産物を増幅することによって、従来の方法よりも少ない数の細胞(2桁程度)を用いてテロメア長を決定することが可能であることが示されている。更に、単一のDNA分子からの増幅が可能であることからそのテロメア上のTTAGGG繰り返し配列の正確な数を決定できる可能性がある(図4に模式的に示した)。
【0012】
具体的には、3’末端側のオーバーハングを形成するGに富んだ側のテロメア鎖に、6塩基からなるテロメア繰り返し単位の6つの可能な位置のいずれか1つの位置でアニールするようなオリゴヌクレオチドリンカー(後述する「テロレット」1〜6)を設計することが可能である。これらの特異的な「テロレット」リンカーはテロメアと相同な7塩基の配列と、20個のヌクレオチドからなる5’末端側の非相補的テール配列を有する。この「テロレット」リンカーの5’末端側テールと同じ配列を有する更なるオリゴヌクレオチドプライマー(「テルテール」)が設計されている。Cに富んだ側のテロメア鎖の5’末端側テールに「テロレット」をライゲートした後、例えばPCRを行うと、テロレットの5’末端側テールの相補的配列を合成しかつテルテールプライマーのアニーリング及びテルテールプライマーからの第2の鎖の合成を促進するテロメア隣接プライマーからの鎖伸長が起きる場合にのみ、特定のテロメア産物が指数関数的に増幅される(図9)。
【0013】
この方法は、テロメアに隣接するDNA配列が分かっているならば、任意の染色体のテロメアに適用することができるため有利である。この方法はまた、染色体が3’末端側のオーバーハングを有し、テロメアが25キロベース以下の大きさであり、かつテロメアの隣接配列が分かっているのであれば、ヒト以外の他の哺乳動物に適用することも可能である。
【0014】
したがって本発明の一態様に基づけば、哺乳動物の染色体DNAのテロメア長を決定するための方法であって、
(a)一本鎖オリゴヌクレオチド(以下、「テロレット」と称する)の3’末端を、Gに富んだ側のテロメア鎖(TTAGGG繰り返し配列を有する)から形成されるテロメアの一本鎖オーバーハングにアニールし、前記テロレットをCに富んだ側のテロメア鎖(CCCTAA繰り返し配列を有する)の5’末端と共有結合させることによってライゲーション産物を生成する工程と、
(b)前記(a)工程で生成したライゲーション産物を増幅してプライマー伸長産物を生成する工程と、
(c)前記(b)工程のプライマー伸長産物の長さを検出する工程とを含む方法が提供されるものである。
【0015】
前記(a)工程は、ライゲーションによる共有結合が起きるような条件下で行われることが好ましい。この条件は同じ工程(1回のポット反応)でアニーリングとライゲーションが行われるような条件であることが好ましい。
【0016】
前記(b)工程は、例えば、
(i)DNAのテロメア隣接領域にアニール可能であるが、Cに富んだテロメア繰り返し配列(CCCTAA)にはアニールしない第1のプライマーと、
(ii)前記(a)工程のテロレットの5’末端配列と同じ配列を有する第2のプライマー(以下、「テルテール」プライマーと称する)とを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって行われることが好ましく、
該増幅反応は、前記第1のプライマーがCに富んだテロメア鎖(CCCTAA繰り返し配列からなる)とハイブリダイズし、伸長されて第1のプライマー伸長産物を形成するとともに、前記テルテールプライマーが前記第1のプライマーの伸長産物とハイブリダイズし、伸長されて第2のプライマー伸長産物を形成するような条件下で行われる。
【0017】
このテルテールプライマーはそれ自体がテロレット配列全体を含んでいてもよいが、好ましくはテロレット配列の5’末端に固有かつこれと同じ配列を有する短い配列であり、いずれの場合もテロレットと相補的ではない。
【0018】
本発明の理解を助けるべく以下の記載で使用する用語を下記に定義する。
【0019】
「プライマー」とは、標的核酸とハイブリダイズ(結合)するように設計されたオリゴヌクレオチドであり、ハイブリダイズした配列がヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの付加によって伸長されることが可能なものを意味する。プライマーは通常、ポリメラーゼやリガーゼの作用によって伸長される。オリゴヌクレオチドプライマーは通常ヌクレオチド8個以上、好ましくは12〜15個の長さであるが、ヌクレオチド20個以上の長さであってもよい。
【0020】
「サブテロメアDNA」または「サブテロメア領域」は、「テロメア隣接」DNAまたは「テロメア隣接」領域と同じ意味で用いられている。これはテロメアDNA上のタンデムに配されたテロメア繰り返し配列に隣接して位置する(好ましくは繰り返し配列から100〜500bpの範囲に位置するが、最大で20kbの場合もあり、好ましくは最大で1kbまたは2kbの位置である)染色体DNAを意味する。したがって、上記の第1のプライマーが(増幅後に)テロメアDNA自体の内部に位置することはない。プライマーの伸長反応は、第1のプライマーがCに富むテロメア繰り返し配列(CCCTAA)を有するのと同じDNA鎖にアニールするような条件下で行われる。一般にサブテロメアDNAは、しばしばテロメア上に散在する「ミニサテライト」などの異なるクラスの繰り返し要素や変性(degenerate)テロメア繰り返し配列を含んでいる。
【0021】
「テロメアDNA」または「テロメア領域」とは、染色体の末端に位置する染色体DNAであり、タンデムに反復したヌクレオチド配列からなるものである。ヒトではテロメア領域は5’−TTAGGG−3’の繰り返しとこれに対応した相補的配列から構成される。ヒトテロメアのプロキシマルの2kbは、通常のテロメア繰り返し配列であるTTAGGGの他にも、TGAGGG、TCAGGG及びTTGGGGなどのテロメア繰り返し配列の変型配列も含んでいる。他の動物種のテロメア領域は、テロメア繰り返し配列及び全体のテロメア長に関して異なっているが、哺乳動物間ではテロメア配列は保存されている。
【0022】
したがってヒトまたは他の哺乳動物に用いるかによらず同じテロレット及びテルテールプライマーを本発明の方法で使用することが可能である。目的とする動物種の各染色体末端のテロメア隣接配列のみを詳細に分析すればよい。ヒトと同様、他の哺乳類でもこれらの配列でキャラクタライズされているものはほとんどない。チンパンジー、ゴリラ、及びオランウータンにおいてXpYpテロメア隣接配列が分析されているが、このうちオランウータンでのみXpYp配列がテロメアのすぐ近傍に位置していることの根拠が示されている。したがってXpYpEorang(下記に配列を示す)という特定のプライマーによってオランウータンのXpYpテロメア長を決定することが可能となる可能性がある。
【0023】
「プロキシマル」及び「ディスタル」とは当該技術分野における通常の意味を有するものであり、それぞれ染色体の「中心近く」か「末端」かを示すものである。すなわち、ヒトテロメアのプロキシマルの2kbとは最も中心体(染色体の中心)側に位置するヒトテロメアDNAの2kbの部分を示すものであり、逆に末端側2kbとはその染色体の末端に最も近いDNAの部分である。
【0024】
「テロレット」とは、3’末端にテロメア繰り返し配列(ヒトではTTAGGG)と相同なヌクレオチド配列を有する一本鎖のオリゴヌクレオチドを意味するものである。この3’末端は、テロメア配列への特異的ハイブリダイゼーションを可能とするうえで、特に、例えばPCRを用いる場合の比較的高いライゲーション温度(少なくとも約35℃)といった使用条件下でのアニーリングを可能とするうえで充分に長く、かつ、後の増幅反応においてテロレット内部の繰り返し配列へのハイブリダイゼーションが防止されるよう、例えば後のPCRにおいてアニーリングが防止されるように充分に短い相同領域を有する必要がある。一般にテロレットはその3’末端において、Gに富んだテロメアのオーバーハング(TTAGGGの繰り返し配列からなる)に対して相補的かつこれにアニールすることが可能な6〜12個、好ましくは7〜10個、最も好ましくは8〜9個のヌクレオチド塩基を有する。
【0025】
テロレットは更にその5’末端において、ヒトのDNA配列といかなる既知の実質的相同性も有さず、効率的なPCR増幅が行われるように選択された15〜30塩基、好ましくは18〜22塩基、最も好ましくは20塩基の配列を有する。ヒトDNAに対する実質的相同性がある場合、非テロメア生産物がアッセイで生じ、これによって、ライゲーションを行わない場合には指数関数的PCR増幅反応が見られないというアッセイの目的が損なわれる。こうした観点から、利用可能なゲノム配列ライブラリに照会することにより潜在的テロレット配列の適当性を判定することが可能である。
【0026】
したがって本発明の方法で用いる一本鎖オリゴヌクレオチド(テロレット)は上述の2つの米国特許明細書に関して述べた二本鎖のリンカーとは異なるものである。第1に、こうしたテロレットは好ましくは最初の7個の塩基においてテロメア配列(ヒトではTTAGGG)と相補的な配列を有している。このため、このオリゴヌクレオチドをテロメアの3’末端のオーバーハングにアニールすることが可能であり、テロメア末端に特異性を与えるものである。従来のオリゴヌクレオチドは相補的なものではなかったことからテロメアの3’末端にアニールされることがなくライゲートされるのみであった。更にテロメアに相補的な3’末端の塩基を充分に短く設計することによって、後の増幅(例、PCR)反応で用いるアニーリング温度においてテロレットリンカーが鎖の合成を開始できなくすることが好ましい。したがって重要な相違点としては、こうした一本鎖オリゴヌクレオチドリンカーすなわちテロレットは特定のゲノム構造すなわちテロメアの3’末端を標的として設計されていることである。米国特許第5,834,193号明細書に述べられる二本鎖リンカーはこうした構造に何らの特異性も有さないために任意のDNAの切断箇所にライゲートすることが可能である。このためこのリンカーが両端にライゲートされたDNAフラグメントが生成することが予想される。こうした分子は同様の(またはより高い)PCR効率で増幅されて(特にこうしたフラグメントが実際のテロメア分子よりも短い場合)アッセイにおいて多量の副産物を生ずる。更に、テロメア自体のDNA切断箇所にこうしたリンカーがライゲートする場合があり、こうした短い分子が選択的に増幅されてこれらの分子を本物のテロメア分子と区別することが不可能となる。
【0027】
第2に、テロレットリンカーの残りの5’末端の塩基が、ヒトのDNA配列といかなる既知の実質的相同性をも有さず、かつ、サブテロメアDNAにアニールするように設計されたプライマーまたはテロメアのプロキシマル領域の変異繰り返し配列から開始される第1の鎖の合成が起きる場合にのみPCR増幅反応において効率的に用いられるように設計された配列を有している点である。(前述の米国特許で提案されているオリゴヌクレオチドリンカーに相補的なプライマーの代わりに)非相補的なプライマーを使用することにより、(テロメア隣接プライマーから開始される第1の鎖の合成により)リンカーに対して相補的な鎖が形成され、その結果、「非相補的」プライマーがアニールして第2の鎖の合成のプライマーとして機能することが可能となる。これによって反応の特異性が高くなり、テロメア隣接プライミング部位とライゲートされたテロレットの双方を有する分子のみが指数関数的に増幅されることとなる。これは、リンカーが両端にライゲートされたすべてのDNA分子が指数関数的に増幅される上述の米国特許の方法と比較して対照的である。
【0028】
サムブルック J、フリッシュ E.F、及びマニアティス Tにより述べられる標準的な実験手法を用いて哺乳動物の染色体DNAを細胞及び組織から抽出することが可能である(Sambrook J, Fritsch E F and Maniatis T in Molecular cloning: A laboratory manual (second edition) page 9.16)。また、アマシャム・ファーマシア社(Amersham Pharmacia)のBiotech−Nucleon DNA extraction kit、プロメガ社(Promega)のWizard(登録商標)Genomic DNA purification kit、キアゲン社(Qiagen)のDNeasy(登録商標)及びカムバイオ社(Cambio)のMasterPure(商標)などの市販のDNA抽出キットを使用することも可能である。
【0029】
本発明の方法は、ヒト染色体DNAのテロメア長を決定するために用いられることが好ましい。
【0030】
本発明の方法の前記(a)工程では、選択したDNAの抽出の後、例えばT4 DNAリガーゼ、DNAリガーゼ(E.coli)や、隣接DNA分子同士を5’末端側のリン酸基と3’末端側の水酸基との間で前記の反応条件下で連結することが可能な任意のDNAリガーゼなどの適当なリガーゼを用いて、Cに富んだ側のテロメア鎖の5’末端にテロレットをライゲートする。テロレットの3’末端の一般に最大で12個までの最初の塩基はヒトのテロメア配列であるTTAGGGと相同であるため、これらの塩基はGに富んだ側のテロメア鎖に必要に応じてアニールされる。
【0031】
テロレットリンカーの正確な配列は、プライマーがアニールするように設計された、TTAGGGの繰り返し配列の内部の位置においてのみ異なり得る。例えば、後述する実施例1の方法では2種類の異なるテロレットが用いられているが、このうちのテロレット2が好ましく、したがって示された結果はテロレット1ではなくテロレット2に関するものとなっている。後述の実施例3及び4に示されるようにこのリンカーの他の変型も考えられる。テロレットの効率は、後述するように一種類の分子の希釈液のポアソン分析によって計算される、ハプロイドのゲノム当たりの増幅可能な分子のパーセンテージとして定義される。効率を高めるため、各テロレットを別個にライゲートし、増幅(例、PCRによる)に先立ってこれらのライゲーション反応液を加え合わせることが可能である。TTAGGGのテロメア繰り返し配列の任意の部分にハイブリダイズするように設計された6種類のテロレットの組を使用することが有利である。したがってこのようなテロレットの組の6種類の要素の3’末端の配列としては以下のものが挙げられる:AATCCC、ATCCCA、TCCCAA、CCCAAT、CCAATC、及びCAATCC。ヒト以外の動物種にはこれに対応した配列が用いられる。
【0032】
テロレットのみを用いたこのライゲーション反応は、テロレットがCに富んだ側のテロメア鎖の5’末端に特異的にライゲートし、低温で生成する可能性のある他の非特異的ライゲーション産物の生成が防止されるように、35℃〜37℃の比較的高いライゲーション温度で行われることが好ましい。ライゲーションの後、温度を例えば15分間にわたって例えば70℃に昇温することによってリガーゼ酵素を熱失活させる。
【0033】
このライゲーション反応及び後の(PCR)増幅反応のフィデリティのネガティブコントロールとして、3’末端のオーバーハングを、例えばマング・ビーン・ヌクレアーゼなどの適当なヌクレアーゼによって平滑末端化することが可能である(図7及び図9に示した)。これによりテロメアの5’末端へのテロレットリンカーのライゲーションが防止され、ライゲーション反応が起こるためのテロレットプライマーとテロメアのオーバーハングとの間の塩基の対合条件が示される。
【0034】
本発明の方法の前記(b)工程では、ライゲーションの後、得られたライゲーション産物をPCRなどにより好ましくはロングレンジPCR条件を用いて増幅することによって長いテロメアを確実に増幅する(参照、Cheng, "Efficient PCR of Long Targets", New Horizons in Gene Amplification Technology: New Techniques and Applications, San Francisco, Calif. (1994))。
【0035】
PCR増幅反応を行うには、例えば12qやXp/Ypテロメアなどの特定のテロメアに隣接するDNAにアニールするように設計されているか、あるいはヒトテロメアのプロキシマルの2kbの部分の内部に見られるテロメアの変型繰り返し配列を検出するように設計された第1のオリゴヌクレオチドプライマーを、上述したようにテロレットの5’末端の配列と同じ配列を有する第2のプライマーとしての「テルテール」プライマーとともに使用する。
【0036】
テロメアの隣接DNA内の対立遺伝子特異的なPCRプライマーを用いてテロメアの隣接DNA内の配列多型についてヘテロである個体の単一のテロメア対立遺伝子を増幅することも可能である。これはプライマーであるXpYp−413AT及びXpYp−423GC(下記に配列を示した)を例えば約65〜68℃、好ましくは約66.5℃のアニーリング温度で用いることで行うことが可能である。
【0037】
これらのプライマーを使用すると、第1のプライマー、すなわちテロメアに隣接するDNAかまたは変型テロメア繰り返し配列にアニールするプライマーから特定のプライマー伸長産物が最初に生成する場合にのみ指数関数的なPCR増幅反応が見られる。この第1のプライマーからの、ライゲートされたテロメア配列にわたったプライマーの伸長によって、その3’末端に「テルテール」プライマーの配列に相補的な配列を有する一本鎖DNAが形成される。この後、PCRサイクル反応において、第2の「テルテール」プライマーの相補的な配列へのアニーリング、さらにこれに続くプライマー伸長反応によって、特定のテロメア産物が指数関数的に増幅される。この第2のプライマーすなわち「テルテール」プライマーは、第1のプライマーからの相補鎖が合成されない場合にはアニールできず伸長産物の形成を開始させることもできない。
【0038】
このPCR増幅反応は、バーンズによって述べられるような、ロングレンジPCR条件を用いて行うことが好ましい(Barnes W M, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 912216-2220 (1994))。この記載は、緩衝剤の使用によってpHを維持し、グリセロールなどの共溶媒の使用によって変性温度を限定することによってより低温かつより短時間で変性が起きるようにすることによってサイクル反応の際のDNAの損傷を抑える特定の条件の使用に関する最初の記述である。更に、標準的な熱安定性ポリメラーゼとプルーフリード機能を有するポリメラーゼの混合物の使用によって長鎖のPCR産物の生成が可能である。ロングレンジPCRは、ヒトの精子にみられるような長いテロメアの増幅を可能とするものであり、すべてのテロメアを確実に増幅することによって、長さの異なるすべてのテロメアの検出を可能とするものである。
【0039】
更に反応の特異性をできるだけ高める目的で「ホットスタート」及び「タッチダウン」サイクル法のいずれをも用いることが可能である。チョウ等(Chou Q et al, NAR 20 1717-1723 (1992))によって述べられるように、「ホットスタート」PCRはミスプライミング産物の生成を抑制し、反応の収率及び整合性を高めるものである。反応の成分は最初の変性工程に先立って物理的に分離されるかもしくは化学的に不活化される。この方法は最初の変性の前に誤ってアニールしたPCRプライマーの鎖の伸長を防止することによって機能すると考えられる。ドン等(Don R H et al, NAR 19 4008 (1991))によって述べられるように、「タッチダウン」PCRのプロトコルは反応の特異性を高め、ひいては収率を高めるものである。この方法は、アニーリング温度を高めに設定し、後のサイクルで最終的なアニーリング温度に下げてこの温度で複数のサイクルを行うというサイクル反応を行うものである。このプロトコルでは、PCR反応の最初のサイクルにおけるミスプライミングによって生成するノイズ産物よりも特定の産物が優先的に生成すると考えられる。「ホットスタート」法では市販の熱活性化DNAポリメラーゼや、反応系を加熱するまでの間、反応成分同士を分離するためのワックスビーズを使用することが可能である。また、最初のPCR変性工程の後で適当な反応成分を加えることも可能である。
【0040】
PCR増幅反応において約65℃のアニーリング温度でアニーリングが行われるようにするためには、ホットスタートやタッチダウン法は用いないことが好ましい。PCR増幅反応の使用が好ましいが、他の増幅法を用いることも可能である。
【0041】
PCR反応の後、DNAプライマーの伸長産物を、アガロースゲル電気泳動の後に標準的なサザンブロット法やインゲルハイブリダイゼーション法によってゲルからナイロン膜にトランスファーすることによって分離することが可能である。次いで得られたDNAフラグメントを、目的とするテロメアのサブテロメアDNAの配列を有するDNAプローブとハイブリダイズさせることによって検出する。また、得られたDNAフラグメントは、必要に応じて例えば32Pなどで標識したTTAGGGの繰り返し配列のプローブとハイブリダイズさせることによって検出することも可能である。
【0042】
ハイブリダイゼーションの後、標準的なオートラジオグラフィー、ホスホイメージングや蛍光イメージングを用いてハイブリダイズしたフラグメントを検出することが可能である。フラグメントのサイズは1kbラダー(1〜12kbのサイズレンジ)や2.5kbラダー(2.5〜35kbのサイズレンジ)などのDNAサイズスタンダードとの比較によって算出する。
【0043】
ハイブリダイズしたフラグメントのサイズを求めるうえで、DNAサイズラダーが検出されるように更なるハイブリダイゼーションプローブを加えることが可能である。これは、ホスホイメージングによってPCR産物とともにDNAサイズラダーが検出されるようにして行う。ホスホイメージングによる検出は、コンピュータによるフラグメントサイズの計算が可能であるという利点を有する。
【0044】
フラグメントのサイズの計算法は、DNAサイズマーカーがゲル中を移動した距離をマーカーの分子量に対してプロットするという標準的な実験法である。得られたグラフを用いて目的のフラグメントのサイズを求める。
【0045】
増幅されるDNA分子が1種類である場合には、この方法を用いると一本のバンドとして観察されるためにテロメア長の計算が簡単であるが、増幅されるDNA分子が1種類よりも多い場合にはハイブリダイズしたフラグメントのスメアとなる。これはテロメア長が均一ではなく、平均のテロメア長を中心として異なる値を有するためであるが、これは恐らくテロメアの繰り返し配列がランダムに失われることによるものと考えられる。こうした場合には、スメアの平均テロメア長を計算する。モレキュラーダイナミクス社(Molecular Dynamics)のImageQuantソフトウェアなどの適当なコンピュータソフトウェアを用いることにより、ゲルの各レーンに例えば1×30列ずつ配されたグリッドによる容量分析を行うことが可能である。
【0046】
これらのデータをスプレッドシート化してオートラジオグラフを数値化することが可能である。グリッドを更にDNAマーカー上に置き、各分子量マーカーのグリッドにおける位置を求め、データをスプレッドシートに入力して分子サイズのグラフを求める。グリッド上の各位置におけるサイズをこの分子サイズのグラフより計算する。ここでMW=グリッド位置iにおける分子量、ODi=位置iにおける容積として、式、MTL=Σ(MWi×ODi)/Σ(ODi)によって平均テロメア長(MTL)を計算する。これはMTLを計算するための標準的な方法でありクルック等(Kruk et al, PNAS 92 258-262 (1995))によって述べられているものであるが、サザンハイブリダイゼーション工程でTTAGGG繰り返し配列を含むプローブが用いられる場合にはハーレイ等(Harley et al, Nature 345 458-60 (1990))によって述べられるような、MTL=Σ(ODi)/Σ(ODi/MWi)といった別の式を用いることも可能である。
【0047】
最終工程では、テロメア隣接DNA上のオリゴヌクレオチドプライマーのアニーリング点からテロメア開始点までの距離を、MTLまたは単一のバンド長から差し引く。これによりテロメア隣接DNAを除いたテロメア繰り返し配列の量を求めることが可能である。これは、各末端制限フラグメント上に未知量かつ可変量のテロメア隣接DNAが存在する標準的なテロメア長分析では不可能なことである。
【0048】
本発明のアッセイの感度は極めて高いことから単一のDNA分子を増幅してそのテロメア長を求めることが可能である。実際、このアッセイの感度は、1種類よりも多いDNA分子が増幅される場合には、テロメア長と相関するスメアがほぼ常に得られるというものである。試料を希釈して分析することでアッセイの精度を高めることが可能である。単一の分子が増幅されるようになるまで連続希釈を行うことが可能である。DNAを含有する試料を希釈、好ましくは連続希釈する。これはライゲーション反応の前に行うか、あるいはライゲーション後の反応混合物自体を希釈してもよい。しかしながらテロメア長の不均一度(平均テロメア長の外側の更なるフラグメント)の詳細な定量化を行う目的でこの方法を用いる場合には、一連のより高度な実験を行う必要がある。これは、既知量のDNAの単一の分子レベルにまでの連続希釈は不正確であり、ライゲーション反応の効率が100%ではなく各試料間で異なることによるものである。したがって単一分子のテロメア長分析によって試料の定量化及び異なる試料同士の比較が可能であるためには、希釈DNA中の増幅可能な分子の数が求められなければならない。これは、PCR反応の一部が増幅可能な分子を含まなくなるまでDNAを希釈することによって行うことが可能である。多数のPCR反応を行って(60以上)、ポジティブ及びネガティブな反応の数を計数する。次いでポアソン解析を用いることによって最初の試料中の単位量のDNA当たりの増幅可能な分子の数を求める。これらの実験はジェフリー等によって述べられる、特定の「ミニサテライト」座位に隣接するDNAのPCRにおいて単一分子の増幅効率の定量化を行うための実験に類似したものである(Jeffreys AJ et al, Nature Genetics 6 136-145 (1994))。
【0049】
従来のテロメア分析法では約10個の集団から平均のテロメア長が求められるだけであり、単一分子のテロメア長を決定することはできない。本発明の方法を用いることにより、単一のテロメアを求めることが可能であり、ひいてはテロメア長の不均一度を完全に求めることも可能である。例えば、標準的なテロメア長の検討において本発明の方法を用いてヒト生殖細胞系の分析を行った場合、テロメア長は12kbであり、最大で20kbのテロメア長がゲノムDNAで観察されているが、単一分子の分析では多くのテロメアが12kbよりも大幅に短いことが示されている。例えば、後述する実施例2でより詳細に述べる研究では、大半のバンドが約12kbに見出されたが、約2.2kb、4kb、及び7kbに更なるバンドが見られた。その長さのテロメアは従来のテロメア長分析法を用いた場合には見られなかったものである。
【0050】
可能な最小のテロメア長である406bpよりも小さい増幅産物は検出されていない(図9)。このことと、この増幅反応の量子的な性質(単一のバンドが同様の強度を有する)とを併せ考えると、この増幅反応は目立ったPCR産物の生成をともなうことなく高度にテロメア特異的であることが示される。この見方はまた生物学的データによっても裏打ちされるものであり、テロメアの生物学の現在の理解と符合する。各バンドの分子量はゲルから求めることが可能であり、テロメア隣接DNA上のPCRプライマーの位置が分かることから、テロメア繰り返し配列の正確な量をテロメアの各バンドについて求めることが可能である。更に、テロメアの変型繰り返し配列のマッピング(TVR−PCR)(Baird, et al, EMBO J 14 5433-5443 (1995); Coleman, et al, Hum. Mol. Genet. 8 1637-1646 (1999); and Baird, et al Am. J. Hum. Genet. 66 235-250 (2000))と併せると、各テロメア分子の正確な配列を決定することが可能である。
【0051】
本アッセイの感度の更なる利点としては、このアッセイによって分析用の試料が極少量しかない場合にもテロメア長の決定が可能であることがある。
【0052】
本発明の方法では複数の既存及び市販の製品の使用が可能であり、テロメア長の決定を行うためのいずれのキットもすべての反応成分を提供するものである必要は必ずしもない。しかしながら、本発明に基づくアッセイキットの不可欠な要素として、本明細書で定義した「テロレット」及び「テルテール」配列から選択される1以上のオリゴヌクレオチド、好ましくは更に、1以上のテロメア隣接(サブテロメア)染色体特異的プライマー(例、XpYpのみについて、及び/または12q)及び/またはハイブリダイゼーションプローブが挙げられる。
【0053】
完全なキットでは、更に必要に応じて、リガーゼ、ロングレンジPCRの反応成分、及びこれらの酵素用の各種バッファなどの上記に述べた各種反応成分の1以上を含んでいてもよい(ゲノムDNAの単離に必要な試薬は含まれていなくともよい)。更にキットには必要に応じてMTLの計算を可能とするコンピュータソフトウェア及び/またはスプレッドシートが含まれていてもよい。
【0054】
テロメア長の検討における用途の他にも、本発明の方法及びキットは、可能性のある抗癌療法の評価や、生検試料の分析などの他の癌関連の処置、または骨髄移植における幹細胞の効果の評価といった、テロメラーゼ阻害剤の効果の測定が重要と考えられる用途で用いることが可能である。本発明の方法及びキットは短いテロメアに偏らず、これを検出可能であることから、短いテロメアの場合に好適である。
【0055】
本発明は更に本発明の方法で用い、本発明のキットに組み入れるための特定のプライマーを提供するものである。このプライマーとしては以下のものが挙げられる。
XpYp-415GC: 5'-GGTTATCGACCAGGTGCTCC-3',
XpYp-415AT: 5'-GGTTATCAACCAGGTGCTCT-3'
XpYpE: 5'-GCGGTACCTAGGGGTTGTCTCAGGGTCC-3'
12qA: 5'-GGGACAGCATATTCTGGTTACC-3'
XpYpEorang: 5'-CTGTCTCAGGGTCCTAGTG-3'
XpYpE2: 5'-TTGTCTCAGGGTCCTAGTG-3'
XpYpB2: 5'-TCTGAAAGTGGACC(AT)ATCAG-3'
12qB: 5'-ATTTTCATTGCTGTCTTAGCACTGCAC-3'
(XpYpB2及び12qBはテロメアから遠ざかる向きであり、それぞれXpYpE/E2及び12qAと共に使用して、これらのテロメアに対するテロメア隣接プローブを形成する。)
7qA 5'-GGGACAGCATATTCTGGTTTCC-3'
Nitu14eD 5'-CTCTGAGTCAGGAGCGTCTCC-3'
テロレット1: 5'-TGCTCCGTGCATCTGGCATCCCCTAAC-3'
テロレット2: 5'-TGCTCCGTGCATCTGGCATCTAACCCT-3'
テロレット3: 5'-TGCTCCGTGCATCTGGGATCCCTAACC-3'
テロレット4: 5'-TGCTCCGTGCATCTGGCATCCTAACCC-3'
テロレット5: 5'-TGCTCCGTGCATCTGGCATCAACCCTA-3'
テロレット6: 5'-TGCTCCGTGCATCTGGCATCACCCTAA-3'
テルテール: 5'-TGCTCCGTGCATCTGGCATC-3'
【0056】
染色体特異的プライマーは、特定の染色体の末端からテロメア隣接DNA上にアニールし、合成をプライミングするように設計されたものである。ハイブリダイゼーションプローブは、目的とする染色体のテロメア隣接DNAに対して特異的であるか、またはTTAGGGのテロメア繰り返し配列に対して特異的である。そのためこれらはテロメア特異的プライマーとも呼ばれる。テロメア特異的プライマーの例としては以下のものが挙げられる。
【0057】
12qA 5'-GGGACAGCATATTCTGGTTACC-3' (12qのテロメアを特異的に検出する)
7qA 5'-GGGACAGCATATTCTGGTTTCC-3' (7qのテロメアを特異的に検出する)
Nitu14ED 5'-CTCTGAGTCAGGAGCGTCTCC-3' (16p及び16qの特定のコピー上のテロメアを検出する)
【0058】
上記の記載より、本発明によれば更に本発明の方法における上述のプライマーまたはキットの使用法が提供されることは明らかであろう。また更に下記のものが提供される。
(a)可能性のある抗癌療法及び/または他の癌に関連した方法の評価に用いるための本明細書に記載の方法、キット、またはプライマー。
(b)生検試料の分析または骨髄移植における幹細胞の効果の評価に用いるための本明細書に記載の方法、キット、またはプライマー。
(c)加齢にともなうテロメアの動力学の評価に用いるための本明細書に記載の方法、キット、またはプライマー。
(d)テロメラーゼ活性の調節の効果の評価に用いるための本明細書に記載の方法、キット、またはプライマー。
(e)男性の不妊症の評価、治療、または診断に用いるための本明細書に記載の方法、キット、またはプライマー。
(f)上記に実質的に述べたような、本明細書に記載の方法、キット、プライマー、または使用法。
本発明を以下の実施例にもとづいて更に説明する。
【0059】
実施例1
【0060】
材料及び方法
DNAの抽出に用いた材料はすべて分子生物学グレードの試薬(DNアーゼやRNアーゼを含まないことを確認したもの)であり、シグマ・アルドリッチ・カンパニー社(Sigma-Aldrich Company Ltd. 英国、ドーセット州、プール所在)から購入した。
【0061】
DNA抽出及び定量化
1.500μlの100mM NaCl溶液、10mM TrisHCl(pH8.0)及び0.5%SDS中で細胞溶解する。
2.プロテイナーゼKを最終濃度1μg/mlとなるように加えた上記の溶液中で50℃にて一晩消化する。
3.フェノール/クロロフォルム/イソアミルアルコール(25:24:1)(500μl)で2回抽出、13,000rpmでスピンし、水相を除去する。
4.300mMの酢酸ナトリウム及び3倍量の100%エタノールの存在下でエタノール沈澱する(ヘイマン社(Hayman Limited, イーストウェイズパーク、ウィサム、エセックス州 CM6 3YE)より入手した無水アルコールA.R.品質)。
5.13,000rpmで5分間スピンして上清を捨てる。
6.70%エタノールでDNAペレットを洗浄し、風乾する。
7.DNAペレットを50μlの10mM TrisHCl(pH8.0)中に再懸濁する。
8.蛍光測定や他の方法によってDNA濃度を定量する。
【0062】
ライゲーション
アマシャム/ファーマシア社(Amersham/Pharmacia)から入手したT4 DNAリガーゼと反応バッファを用い、下記の要領でライゲーション反応を行った。
【0063】
1.10ng以下のゲノムDNA、製造者のリガーゼ反応バッファ×1、及び0.9μlのオリゴヌクレオチドリンカーである「テロレット」の10μM溶液を含む5μlの反応溶液を調製する。
2.標準的な実験用サーマルサイクラーで反応溶液を60℃に5分間加熱してから35℃に冷却する。
3.反応溶液が35℃となった時点で5μlの次の溶液を各反応に加える(0.5単位のT4 DNAリガーゼを含む製造者のリガーゼ反応バッファ×1)。
4.反応溶液を6〜12時間にわたって35℃でインキュベートし、70℃で15分間酵素を加熱して失活させる。
【0064】
PCR増幅反応
市販のロングレンジPCR反応成分(ここではABGene社から販売されるExtensor Hi−Fidelity PCRキット)を用い、最初の変性後に反応成分を加える「ホットスタート」法によって次のPCR反応を行った。ロングレンジPCR反応は、低変性温度を可能とするためのグリセロールなどの添加物、高いpHを維持するためのTris塩基の添加、及びTaqポリメラーゼとプルーフリード能を有するポリメラーゼ(例、Pwo、Pfu及びVent)との混合物を用いたものであればいずれの市販のシステムを用いたものでもよい。20μlのPCR反応では、
1.ロングレンジ反応バッファ×1(ここではExtensor Hi−Fidelity PCRキットのバッファ(このバッファはMgClを22.5mMの濃度で含む))を含む最初の反応液を調製する。MgClの最終濃度は0.6μlの25mM MgClのストック溶液を加えることによって6mMに調整する。オリゴヌクレオチドプライマーである「テルテール」及び適当なサブテロメアプライマー(この場合、「XpYpE」(XpYpテロメアの分析用)または「12qA」(12qテロメアの分析用))を最終濃度が2μMとなるように混合物に加える。最後に1μlのライゲーション反応溶液をこの反応混合物に加える。
【0065】
2.反応混合物を94℃で1分間熱変性し、80℃に冷却し、1×反応バッファ1、濃度0.6mMの各NTP、及び1単位のABGene製Taq/Pwoミックスを含み、80℃に予備加温した混合物10μlを加える。
【0066】
3.したがって各反応成分の最終濃度は以下のとおり:MgCl=3mM、オリゴヌクレオチドプライマー=1μM、NTPs=0.3mM。
【0067】
4.サイクル反応は次のように行う:68℃で10分の後、94℃で15秒、68℃で30秒(1サイクル毎に0.3℃づつ下げる)、及び68℃で10分を10サイクル行う。この後、94℃で15秒、65℃で30秒、及び68℃で10分間を14サイクル行う。
【0068】
ゲル電気泳動/サザンブロッティング
PCR反応の産物は以下の要領でアガロースゲル電気泳動で分離した。0.8%のゲルを調製した。ゲルは、長鎖のテロメアが充分に分離するように20cm以上の長さであれば理想的である。また、分析を行う組織のテロメア長に応じて、高分子量のDNAフラグメントの分離が可能なゲル電気泳動システムを使用することも可能である。こうしたシステムとしては、フィールドインバージョンゲル電気泳動(FIGE)やパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)が挙げられる。この例ではDNAフラグメントは0.8%アガロースゲル電気泳動及びFIGEによって分離した。FIGEは0.5×TBE中で1%アガロース(SeaKem(登録商標)Gold、エフエムシー・バイオプロダクツ社(FMC Bioproducts,米国メーン州ロックランド所在))を用い、下記のスイッチ条件で行った:0.2〜0.4秒(直線状)順方向電圧180、逆方向電圧120にて20時間とし、16〜18℃の温度でバッファを再循環させた。フィコールに基づいたゲルローディングバッファをPCR反応液に加え、20μlのPCR反応液の半分をゲルのウェルにロードした。DNAサイズマーカーも用いた。電気泳動は70Vで一晩行った(ゲルの長さ1cm当たり2.5〜3ボルト)。ゲルをエチジウムブロマイド染色し、増幅産物が充分に分離したことを確認した。標準的なサザンブロッティング法によってDNAをゲルからナイロンメンブレンにトランスファーした。この場合、ゲルを0.25MのHCl中で10分間洗浄してDNAをまず脱プリン化し、0.5M NaOHと1.5M NaClを含むトランスファーバッファ中で15分間ゲルを洗浄することによって変性を行ってアルカリトランスファーを行った。このDNAを、正に帯電したナイロンメンブレン(この場合、アマシャム/ファーマシア社の製造するHybond N+)上に最低4時間にわたってキャピラリーブロッティングすることによってトランスファーした。次いでこのメンブレンを100mMのTris−HCl(pH7.5)及びNaCl500mMを含む溶液中で20秒間洗浄して中和を行った。
【0069】
増幅されたテロメアフラグメントの検出
得られたDNAフラグメントは、目的とするテロメアのサブテロメアDNAの配列を有するDNAプローブ(この場合、XpYpテロメアに隣接するDNAの配列を有するDNAプローブ)とのハイブリダイゼーションによって検出した。TTAGGGの繰り返し配列を有するプローブとのハイブリダイゼーションによってフラグメントを検出することも可能である。これらのプローブは、市販のアマシャム/ファーマシア社製Rediprime plus kitによって与えられるような標準的なランダムヘキサ−プライミング反応によって32Pで標識した。ハイブリダイゼーションは、500mM NaHPO(pH7.2)、7%SDS、1mM EDTA、及び1%BSAを含む15mlのバッファ中で一晩、60℃にて行った。ハイブリダイゼーションの後、メンブレンを60℃にて0.1×SSC、0.1%SDS中で、洗浄液が検出可能な放射能を示さなくなるまで洗浄した。ハイブリダイズしたフラグメントは標準的なオートラジオグラフィかホスホイメージングによって検出した。
【0070】
PCRプライマー配列
2種類のテロレットを使用したが、テロレット2はテロレットよりも約20倍効率が高く、示した結果はテロレット2のものである。これらのリンカーは最も3’末端側の塩基の設計においてのみ異なっている。
テロレット1: 5'-TGCTCCGTGCATCTGGCATCCCCTAAC-3'
テロレット2: 5'-TGCTCCGTGCATCTGOCATCTAACCCT-3'
テルテール: 5'-TGCTCCGTGCATCTGGCATC-3'
XpYpE2: 5'-TTGTCTCAGGGTCCTAGTG-3'
12qA: 5'-GGGACAGCATATTCTGGTTACC-3'
【0071】
結果
この分析はXpYpテロメアに行った。
【0072】
レーン1〜6はヒト甲状腺癌細胞系(異なる6つのクローン)である。
【0073】
レーン7〜9は3人の無関係な男性から採取したヒト精子試料である。
【0074】
FIGEゲルのレーン1〜2、4〜5、7〜9についてMTL分析を行った(レーン3及び6はFIGEゲルの下部から低分子量のフラグメントが失われたために除外した。これらのフラグメントは0.8%アガロースゲルで確認される。)。FIGEゲルの結果を図5に、0.8%アガロースゲルの結果を図8に示す。MTL分析の結果は以下のとおり:
【0075】
レーン1 3.30kb
レーン2 2.25kb
レーン3 ――――――
レーン4 5.24kb
レーン5 2.07kb
レーン6 ――――――
レーン7 11.23kb
レーン8 12.42kb
レーン9 14.58kb
【0076】
本発明の方法を用いた上の結果(図5)と、従来のTRF分析を用いた結果(図6)との比較によって本発明の方法は分離能が高く、より鮮明であることが示される。
【0077】
実施例2−単一分子分析
更に、実施例1で述べたロングレンジPCRの条件を用いてヒト精子から得たDNAからテロメア長を求めることが可能である。ヒト精子のDNAは、人体で見られる最長のテロメアを有している(一般に10〜18kbの長さ)。PCRによるテロメア長の決定法の一例を図7に示した。ここでは、「テロレット」リンカーに4ng、1ng、及び250pgのDNAがライゲートするように後に詳述する要領でライゲーション工程に先立ってヒト精子から得たDNAを希釈した。後のPCR反応はこのライゲーション反応液の1/10、したがって400pg、100pg、及び25pgのDNAを含むようにした。これはそれぞれハプロイドゲノムの133、33、および8当量に相当する量である。4ngのライゲーション反応(PCR反応では400pg)では平均長が12kbのフラグメントのスメアが認められた。ライゲーション反応液中のDNA量が減少するのにしたがって、単一のフラグメントが認められるようになった。これらのフラグメントは単一分子から増幅されたテロメアを表すものである。
【0078】
連続希釈
ライゲーション反応で500ngのDNAを用いた場合、したがってPCR反応で50ngのDNAを用いた場合には、標準的なテロメア長分析から予想されるテロメア長と相関したスメアが得られたが、このスメアには結果の解釈を困難にするような多くの他のバンドが重複して認められた。PCRの条件(サイクル数)を32Pプローブへのハイブリダイゼーションによる増幅産物の検出と併せると、単一分子が増幅されたことが示される。したがってこの方法はこの量のDNAに対しては感度が高すぎるといえる。付加的なバンドパターンを低減させるべく希釈実験を行ってDNA量を減らした。一部の反応で単一の増幅産物が認められるようになるまで(一部の反応に増幅産物が含まれなくなるまで)DNAを連続希釈した。DNAは、連続希釈し、(Tris−HCl(pH8.5)で5倍に希釈)、10μlのライゲーション反応液に100ngのDNAを加え、次いでこの反応液を5倍づつ希釈して20ng/μl、4ng/μl、800pg/μl、160pg/μl、32pg/μl、6.4pg/μl、1.3pg/μlの連続希釈液を調製した。ハプロイドのヒトのゲノムの重さは3pgであるので、この連続希釈液の最終希釈液に含まれる分子は1μl当たり1個よりも少ないことになる。
【0079】
これら一連の希釈液のそれぞれに上記の要領でPCR反応を行って希釈の効果を観察した。希釈の効果は、DNA量が多い場合には反応の結果、ハイブリダイズしたフラグメントのスメアが得られるが、低濃度の希釈液ではこのスメアは単一のハイブリダイズバンドに分離して現れるというものである。この効果を図7に見ることができる。この場合、12kbの生殖細胞のテロメアのスメアが400pg/μlの希釈液で見られ、このスメアは25pg/μlの希釈液では2本のバンドに分かれている。これらの実験は単一分子の増幅が行われたことを示すものである。
【0080】
したがって本発明の方法は単一分子のレベルでテロメア長を検出するように構成されたものであり、少量の試料から平均のテロメア長を求めるうえで充分である。ヒト生殖細胞の標準的なテロメア長分析の結果、テロメアの長さは12kbであることが明らかとなった。これに対し単一分子分析によれば、図7に示されるように12kbよりも大幅に短い多くの更なるテロメアの存在が示された。図中、大半のバンドは12kbのサイズの周辺に見られ、これらのバンドは400pgのPCR反応ではスメアを形成している。しかしながら、約2.2kb、4kb、及び7kb付近に小さなバンドも確認される。この長さのテロメアは従来のテロメア長分析では見られなかったものである。
【0081】
他の結果
この実験はまた、制限酵素による消化によって可溶化された(これにより正確なDNA濃度の測定が可能となる)DNAにおいてテロメアの検出が可能であることを実証するものである。更にこの実験では、ライゲーションに先立ってマング・ビーン・ヌクレアーゼによる処理を行う。この処理はテロメア末端を平滑末端化するものであり、ライゲーション反応を効果的に防止することによってテロレットリンカーの3’鎖に対する塩基対合の必要条件が示されるものである。
【0082】
実施例3:改変例
(a)下記のオリゴヌクレオチドを用い、上記の要領で実施例1及び2の方法を行った。これらのオリゴヌクレオチドは上記の実施例で詳述したようにライゲーション反応液に等モル量で加え、同じ最終濃度とすることが可能である。これらのテロレットは3’末端の7個の塩基を除けば相同である。これら7個の塩基はテロメアの繰り返し配列内の可能な6つの位置をすべて網羅するような相違を有する。
【0083】
テロレット1: 5'-TGCTCCGTGCATCTGGCATCCCCTAAC-3'
テロレット2: 5'-TGCTCCGTGCATCTGGCATCTAACCCT-3'
【0084】
実施例1で使用したもの。この他に以下の更なるテロレットを用いる。
【0085】
テロレット3: 5'-TGCTCCGTGCATCTGGCATCCCTAACC-3'
テロレット4: 5'-TGCTCCGTGCATCTGGCATCCTAACCC-3'
テロレット5: 5'-TGCTCCGTGCATCTGGCATCAACCCTA-3'
テロレット6: 5'-TGCTCCGTGCATCTGGCATCACCCTAA-3'
【0086】
テロレット2、3及び4は約10%の同様の効率を有するのに対し、他のテロレットの効率は約0.43%であることが示された。
【0087】
(b)別の改変例は、オリゴヌクレオチドとテロメア鎖の5’末端との間のすべてのギャップをDNAポリメラーゼを用いて充填するというものである。この方法では、5’→3’のエキソヌクレアーゼ活性を欠く任意のDNAポリメラーゼを用いることが可能である。充填反応は、DNAポリメラーゼ(例、1単位のDNAポリメラーゼIのKlenowフラグメント(アマシャム/ファルマシア社))ならびにdCTP、dATP、dTTP(いずれも濃度0.02mM(プロメガ社))、をライゲーション反応液自体に添加することによってライゲーション工程で行う(ライゲーションバッファとDNAポリメラーゼがそれぞれ影響を及ぼさないものとして)ことが可能である。
【0088】
実施例4:単一テロメア長分析(STELA)
【0089】
材料及び方法
細胞培養
繊維芽細胞株であるIMR−90、IMR−91、WI−38、AG08049、AG08048、AG11241、AG07119A、AG10937、及びAG10938をコリエール細胞レポジトリ(Coriell Cell Repository(キャムデン、米国))より入手した。ヒト2倍体繊維芽細胞であるMRC−5をECACC(ヨーロピアン・コレクション・オブ・セルカルチャーズ(European Collection of Cell Cultures)(ポートンダウン、英国))より入手した。HCA2繊維芽細胞、HCA2−hTERT(Wyllie, F.S. et al.. Nat. Genet. 24, 16-17 (2000))、MRC5 hTERT(McSharry, B.P., et al J. Gen. Virol. 82, 855-63 (2001))、及びK1 ヒト甲状腺癌細胞株(Jones, C.J. et al. Exp. Cell Res. 240, 333-339 (1998).)。
【0090】
細胞はすべて、2×非不可欠アミノ酸、15%(v/v)ウシ胎児血清、1×10IU/Iのペニシリン、100mg/lのストレプトマイシン、2mMのグルタミンを含むEarle’s塩類を加えたイーグルMEM培地で培養した。少なくとも2週間の細胞増殖停止期間をもって細胞が分裂老化状態となったことを判定し、ボンド等により述べられるようにBrdU標識率が1%未満であることによって確認した(Bond, J.A. et al in Mol. Cell Biol. 19, 3103-3114 (1999))。
【0091】
DNA抽出およびPCR
細胞にトリプシン処理を行ってPBSで洗浄し、ゲノムDNAをプロテイナーゼK、RNアーゼA、フェノール/クロロフォルムを用いた標準的なプロトコルによって抽出した(Sambrook et al, T. Molecular Cloning: A Laboratory Manual. 2nd Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, CITY (1989))。このDNAをEcoRIで消化して可溶化し、ヘキスト33258蛍光測定法(バイオラド社(Biorad、ハーキュリーズ、米国))によって定量し、10mM Tris−HCl(pH7.5)で10ng/μlにまで希釈した。10ng ゲノムDNA、0.9μMの本発明のテロレットリンカー(下記参照)、0.5単位のT4DNAリガーゼ(アマシャムバイオサイエンス社(Amersham Biosciences)リトルシャルフォント、英国)、及び1×の同製造業者によるライゲーションバッファを含んだ10μlの反応液中、35℃にて12時間、DNAをライゲートした。
【0092】
コントロールとして、40単位のマングビーンヌクレアーゼ(アマシャムバイオサイエンス社、リトルシャルフォント、英国)及び1×の同製造業者によるヌクレアーゼバッファを用いて2μgのゲノムDNAを消化することによって5’末端のオーバーハングを除去したものを用いた。フェノール/クロロフォルムによる抽出後、DNAをエタノール沈澱し、70%エタノール中で洗浄してから10ml Tris−HCl(pH8.0)に再懸濁し、ヘキスト33258蛍光測定法(バイオラド社(ハーキュリーズ、米国))によって定量した。
【0093】
ライゲートしたDNAをHOで250pg/μlにまで希釈した。100〜250pgのライゲートしたDNA、0.5μMの本発明のテロメア隣接プライマー及びテルテールプライマー(下記参照)、75mM Tris−HCl(pH8.8)、20mM (NHSO、0.01%トウィーン20、1.5mM MgCl、及び、1単位のTaqポリメラーゼ(AbGene社、エプソム、英国)とPwoポリメラーゼ(ロシュ・モレキュラーバイオケミカルズ社、ルイス、英国)の25:1混合物を含んだ10μlの反応液中で、各試験DNAについて複数回のPCR(各試料につき9〜18回の反応)を行った。MJ PTC−225サーマルサイクラー(MJリサーチ社(MJ Research)、ウォータータウン、米国)を用い、次の条件でサイクル反応をおこなった:94℃で15秒、65℃(XpYpE2)または66.5℃(XpYp−415GC/AT対立遺伝子特異的プライマー)で30秒、及び68℃で10分間を25サイクル。
【0094】
0.5%TAEアガロースゲル電気泳動によってDNAフラグメントを分離し、XpYpE2とXpYpB2プライマーの間のPCR(図9)で作成した32P標識(アマシャムバイオサイエンス社、リトルシャルフォント、英国)テロメア隣接プローブと、32P標識(アマシャムバイオサイエンス社、リトルシャルフォント、英国)した25ngの1kb分子量マーカー(ストラタジーン社(Stratagene)ラホーヤ、米国)からなる1kb分子量マーカー(ストラタジーン社、ラホーヤ、米国)を検出するためのプローブ500pgを用いたサザンハイブリダイゼーションによってDNAフラグメントを検出した。モレキュラーダイナミクス Storm860ホスホイメージャー(アマシャムバイオサイエンス社、リトルシャルフォント、英国)を用いたホスホイメージングによってハイブリダイズしたフラグメントを検出した。Phoretix1D定量器(ノンリニアダイナミクス社(Nonlinear Dynamics)タイン州ニューカッスル、英国)を用いてこれらのDNAフラグメントの分子量を計算した。
【0095】
使用したオリゴヌクレオチドは以下のとおり。
【0096】
XpYpE2: 5´- TTGTCTCAGGGTCCTAGTG -3´
XpYpB2: 5´- TCTGAAAGTGGACC(AT)ATCAG -3´
XpYp-415GC: 5´- GGTTATCGACCAGGTGCTCC -3´
XpYp-415AT: 5´- GGTTATCAACCAGGTGCTCT -3´
テロレット1: 5´- TGCTCCGTGCATCTGGCATCCCCTAAC -3´
テロレット2: 5´- TGCTCCGTGCATCTGGCATCTAACCCT -3´
テロレット3: 5´- TGCTCCGTGCATCTGGCATCCCTAACC -3´
テロレット4: 5´- TGCTCCGTGCATCTGGCATCCTAACCC -3´
テロレット5: 5´- TGCTCCGTGCATCTGGCATCAACCCTA -3´
テロレット6: 5´- TGCTCCGTGCATCTGGCATCACCCTAA -3´
テルテール: 5´- TGCTCCGTGCATCTGGCATC -3´
【0097】
結果
要約すると、これらの結果は、in vitroで加齢したヒト2倍体繊維芽細胞の分析にSTELAを適用したものである。TTAGGGの繰り返し配列の量に関して最大で8kbと対立遺伝子間で大きな差異が認められたが、この差異はテロメラーゼ(hTERT)のエクトピック(ectopic)な発現によって解消された。更に注目すべき点として、テロメア長の不均一度が徐々に大きくなっている点と、老化時の最短のテロメア対立遺伝子は個人に固有であり(1.2kb〜7.4kb)、テロメア繰り返し配列が事実上存在しないテロメアが含まれる点である。したがってSTELAは、多くの生物学的状況においてテロメア繰り返し配列の動力学の果たす役割の完全な評価を可能とする技術といえる。
【0098】
表1にSTELAデータをまとめたデータを示した。一次繊維芽細胞については老化の時点のデータのみを示している。a.両方の対立遺伝子から得られたSTELAデータは次のとおり。全体の平均値に基づいて分布を割り、分布の商の平均値を計算することによって上方及び下方分布の平均値を計算した。テロメア長の変化は分布の全体の平均値を用いて計算した。IMR−90では老化時の下方分布のデータの大半が失われたようで、下方分布の平均値及びテロメア崩壊速度を正確に決定することが不可能であった。b.表に示した対立遺伝子に固有のSTELAデータは、対立遺伝子に固有のテロメア長の変化を示したものである。
【0099】
【表1a】
Figure 2004536599
【0100】
【表1b】
Figure 2004536599
【0101】
この実施例を以下に図9〜11に基づいて更に説明する。
【0102】
図9は3つの部分からなる。すなわち、a.XpYpテロメアにおけるSTELAの模式図。b.2個のK1クローンのSTELA分析結果をコントロールとともに示したもの。A及びB=テロレット2をライゲートしたクローン3及び4。C及びD=無関係なリンカーをライゲートしたクローン3及び4。E=リンカーをライゲートさせないクローン3及び4、F及びG=ヌクレアーゼ処理によって5’末端のオーバーハングを除去し、テロレット2をDNAにライゲートしたクローン3及び4。同じライゲーション反応液を用いた4つのPCR反応と使用したプライマーを上記に詳しく示した。これらのフラグメントはXpYpテロメア隣接プローブとのサザンハイブリダイゼーションによって検出した。c.K1 DNAの希釈によって示されるSTELAの感度、各反応のDNA量を下記に詳しく示した。A=クローン3、B=クローン4。
【0103】
図10は3つの部分からなる。a.若い一次繊維芽細胞株及び老化した一次繊維芽細胞株に行ったSTELAの結果。HY=HCA2「若い」PD28.5、HS=HCA2老化PD64、MY=MRC5「若い」PD29、MS=MRC5老化PD55、M=1kb DNA分子量マーカー(ストラタジーン社、ラホーヤ、米国)、TL=第1番目のテロメア反復配列から計算したテロメア長。b.特定の家系に由来する老化一次繊維芽細胞に行ったSTELAの結果。A=AG11241(兄弟)、B=AG08049(系図の出発点である個人、男性)、C=AG0119A(母)。老化したMRC5クローン5,3及び7。c.対立遺伝子特異的STELA。bと同じDNAを使用。AはGCハプロタイプについてホモである。B及びCは、GC/ATハプロタイプについてヘテロである。老化したMRC5クローン1及び3。MRC5はGC/ATハプロタイプについてヘテロである。パネルb及びc中の矢印は、それぞれの平均値に標準偏差の3倍を加えた値よりもテロメア長が大きいことを示す。
【0104】
図11は、MRC5細胞に行った対立遺伝子特異的STELA分析から得られた4つのヒストグラムであり、AT対立遺伝子についての分布は青、GC対立遺伝子については赤で示されている。X軸はキロベースで表したテロメアのサイズ、Y軸は相対比率、テロメアのサイズは1kb間隔で示した。a.MRC5「若い」PD29、b.MRC5老化PD55、c.MRC5 クローン8老化PD24、d.MRC5 hTERT PD200+。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】5’末端を越えて延出してTTAGGGの繰り返し単位からなる一本鎖のオーバーハングの模式図。
【図2】テロメアの3’末端に非相補的オリゴヌクレオチドリンカーをライゲートさせる従来技術の模式図。
【図3】本発明の好ましい一実施形態を説明する模式図。
【図4】本発明の好ましい一実施形態を説明する模式図。
【図5】実施例1のFIGEゲルの結果を示す図。
【図6】従来のTRF分析を用いた結果を示す図。
【図7】3’末端のオーバーハングを、マング・ビーン・ヌクレアーゼによって平滑末端化した例を示す図。
【図8】実施例1の0.8%アガロースゲルの結果を示す図。
【図9】特定のテロメア産物が指数関数的に増幅されることを示す図。
【図10】a.若い一次繊維芽細胞株及び老化した一次繊維芽細胞株に行ったSTELAの結果を示す図。 b.特定の家系に由来する老化一次繊維芽細胞に行ったSTELAの結果を示す図。 c.対立遺伝子特異的STELAを示す図。
【図11】MRC5細胞に行った対立遺伝子特異的STELA分析から得られた4つのヒストグラムを示す図。

Claims (29)

  1. 哺乳動物の染色体DNAのテロメア長を決定するための方法であって、
    (a)一本鎖オリゴヌクレオチド(以下、「テロレット」と称する)の3’末端を、Gに富んだ側のテロメア鎖(TTAGGG繰り返し配列を有する)から形成されるテロメアの一本鎖オーバーハングにアニールし、前記テロレットをCに富んだ側のテロメア鎖(CCCTAA繰り返し配列を有する)の5’末端と共有結合させることによってライゲーション産物を生成する工程と、
    (b)前記(a)工程で生成したライゲーション産物を増幅してプライマー伸長産物を生成する工程と、
    (c)前記(b)工程のプライマー伸長産物の長さを検出する工程とを含む方法。
  2. 前記(b)工程は、
    (i)DNAのテロメア隣接領域にアニール可能であるが、Cに富んだテロメア繰り返し配列(CCCTAA)にはアニールしない第1のプライマーと、
    (ii)前記(a)工程のテロレットの5’末端配列と同じ配列を有する第2のプライマー(以下、「テルテール」プライマーと称する)とを用いて行われ、
    該増幅反応は、前記第1のプライマーがCに富んだテロメア鎖(CCCTAA繰り返し配列からなる)とハイブリダイズし、伸長されて第1のプライマー伸長産物を形成するとともに、前記テルテールプライマーが前記第1のプライマーの伸長産物とハイブリダイズし、伸長されて第2のプライマー伸長産物を形成するような条件下で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記テルテールプライマーは前記テロレットの固有の配列からなることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記テロレットは、3’末端においてヒトテロメア繰り返し配列TTAGGGに相補的であるとともにこれにアニール可能な6〜12個のヌクレオチドからなる一本鎖オリゴヌクレオチドからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記テロレットは、更に5’末端においてヒトDNA配列といかなる既知の相同性も有さないように選択された15〜30個の塩基からなる配列を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  6. テロメアに相補的な前記テロレットの3’末端の塩基は、前記(b)工程で用いられるアニーリング温度においてテロレットリンカーがDNA鎖の合成を開始できないように充分に短いことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
  7. テロレットリンカーの残りの5’末端の塩基が、ヒトのDNA配列といかなる既知の実質的相同性をも有さず、かつサブテロメアDNAにアニール可能なプライマーまたはテロメアのプロキシマル領域の変異繰り返し配列から開始される第1の鎖の合成が起きる場合にのみPCR増幅反応において効率的に用いられるように設計された配列を有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
  8. テロメアは、一般的なテロメア繰り返し配列であるTTAGGG、及び場合によりTGAGGG、TCAGGG及びTTGGGGといったテロメア繰り返し配列の変型からなるヒトテロメアであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記テロメアはヒト染色体DNAのテロメアであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記(a)工程において、前記テロレットは、前記反応条件下で、隣接DNA分子同士を5’末端のリン酸基と3’末端の水酸基の間で連結することが可能なリガーゼを用いてCに富んだ側のテロメア鎖の5’末端にライゲートされることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記テロレットは、以下の配列(3’→5’方向で示してある):AATCCC、ATCCCA、TCCCAA、CCCAAT、CCAATC、及びCAATCCの1以上を有する1以上の一本鎖オリゴヌクレオチドから選択されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記(a)工程のライゲーション反応は35℃〜37℃の範囲の温度で行われることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の方法。
  13. ライゲーションの後に、温度を上げることによってリガーゼ酵素を熱失活することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
  14. ライゲーション後の前記(b)工程において得られるライゲーション産物をPCRによって増幅することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の方法。
  15. ロングレンジPCR条件を用いることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記増幅工程は60〜70℃の範囲の温度で行われることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の方法。
  17. 重さが10〜1000pgの範囲であるDNA試料に行われることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の方法。
  18. 請求項1乃至17のいずれかに記載の方法を行うための要素からなるキットであって、
    (a)上記に定義したテロレット及びテルテール配列から選択される1以上のオリゴヌクレオチドからなるキット。
  19. 更に、
    (b)染色体特異的プライマー、対立遺伝子特異的プライマー、及び/またはハイブリダイゼーションプローブの1以上を含む請求項18に記載のキット。
  20. 更に、
    (c)リガーゼ、(d)ロングレンジPCR用の特定の成分、及び/または(e)要素(c)及び/または(d)用の1以上のバッファを含むことを特徴とする請求項18または19に記載のキット。
  21. 更に、
    (f)コンピュータソフトウェア及び/または(g)MTLの計算を可能とするためのスプレッドシートを含む請求項18乃至20のいずれかに記載のキット。
  22. 請求項1乃至17のいずれかに記載の方法を行うためのインストラクションが付属していることを特徴とする請求項18乃至21のいずれかに記載のキット。
  23. 以下から選択される請求項1乃至22のいずれかに記載の方法またはキットで使用するためのプライマー:
    XpYp-415GC: 5´- GGTTATCGACCAGGTGCTCC -3´,
    XpYp-415AT: 5´- GGTTATCAACCAGGTGCTCT -3´
    XpYpE: 5'-gcggtacctaggggTTGTCTCAGGGTCC-3'
    12qA: 5'-GGGACAGCATATTCTGGTTACC-3'
    XpYpEorang: 5´-CTGTCTCAGGGTCCTAGTG-3´
    XpYpE2: 5´- TTGTCTCAGGGTCCTAGTG -3´
    XpYpB2: 5´- TCTGAAAGTGGACC(AT)ATCAG -3´
    テロレット1: 5´- TGCTCCGTGCATCTGGCATCCCCTAAC -3´
    テロレット2: 5´- TGCTCCGTGCATCTGGCATCTAACCCT -3´
    テロレット3: 5´- TGCTCCGTGCATCTGGCATCCCTAACC -3´
    テロレット4: 5´- TGCTCCGTGCATCTGGCATCCTAACCC -3´
    テロレット5: 5´- TGCTCCGTGCATCTGGCATCAACCCTA -3´
    テロレット6: 5´- TGCTCCGTGCATCTGGCATCACCCTAA -3´
    テルテール: 5´- TGCTCCGTGCATCTGGCATC -3´
    12qA 5´- GGGACAGCATATTCTGGTTACC -3´
    7qA 5´- gggacagcatattctggtttcc-3´; 及び
    Nitu14eD 5´- CTCTGAGTCAGGAGCGTCTCC -3´
  24. 可能性のある抗癌療法及び/または他の癌に関連した方法の評価に用いるための請求項1乃至23のいずれかに記載の方法、キット、またはプライマー。
  25. 生検試料の分析または骨髄移植における幹細胞の効果の評価に用いるための請求項24に記載の方法、キット、またはプライマー。
  26. 加齢にともなうテロメアの動力学の評価に用いるための請求項1乃至23のいずれかに記載の方法、キット、またはプライマー。
  27. テロメラーゼ活性の調節の効果の評価に用いるための請求項1乃至23のいずれかに記載の方法、キット、またはプライマー。
  28. 男性の不妊症の評価、治療、または診断に用いるための請求項1乃至23のいずれかに記載の方法、キットまたはプライマー。
  29. 実施例及び図面に基づいて上記に概ね記載された請求項1乃至28のいずれかに記載の方法、プライマーまたは使用法。
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