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JP2008537676A - 核酸の検出 - Google Patents

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JP2008537676A
JP2008537676A JP2008503209A JP2008503209A JP2008537676A JP 2008537676 A JP2008537676 A JP 2008537676A JP 2008503209 A JP2008503209 A JP 2008503209A JP 2008503209 A JP2008503209 A JP 2008503209A JP 2008537676 A JP2008537676 A JP 2008537676A
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スザスズ、ノラ
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Abstract

本発明は、サンプル中の核酸の量を検出するための方法を提供する。記載された方法は、PCRの方向を遮断および変化させる能力、ならびに参照配列を有するサンプル中の核酸分子を、同じく標的配列を有するサンプル中の核酸分子と物理的に対形成する能力を利用する。PCR反応の再方向化は、同じチューブ内の他の技術に対する予備的工程として部分的増幅を可能にする。対形成は、標的配列対参照配列の量における差異を示す、非対の標的または参照配列の存在をもたらす。当該方法は、診断および調査用途における核酸の量における差異の決定のために幅広く利用することができる。
【選択図】図1

Description

発明の分野
本発明は、核酸の検出の分野に関する。
発明の背景
核酸内容物におけるわずかな差異の検出は、分子診断の分野において重要な事項である。
少量の核酸を検出するために使用される最も共通の方法は、PCRまたはRT-PCRを使用することによる。これらの方法は、対象の配列が所与のサンプル中に存在するか否かを決定するのに例外的に良好に行われるが、二つの配列の濃度間に差異が存在するか否かを決定するためには、約2倍の差異が必要とされる。
核酸の定量分析は、例えば、品質管理、遺伝子発現解析、医療モニタリングおよび診断中において使用される。これらの測定の正確さを著しく向上させ、科学および医学の分野内に新しい可能性を開く方法を本明細書中に記載する。
発明の概要
一側面において、本発明は、核酸サンプル中の核酸配列の量を定量化するための改善された方法を提供する。クレームされた方法は、2倍未満の差異の正確な検出を含む、サンプル中の所与の配列を有する核酸の量の正確な検出を可能にする。
一側面において、該方法は、PCR反応を非平衡化する方法に依存する。反応がこの手法において非平衡化されるとき、非対称性が鋳型と相補鎖との間に生じ、反応における所望の生成物と非所望の生成物との間の後の差異化を可能にする。これは、核酸サンプル中の核酸配列の量におけるわずかな差異の高感度の検出を可能にする。
一実施態様において、PCR反応を非平衡化する方法は、a)対象(鋳型)の最初の核酸配列、相補的な核酸配列ならびに対応する第一および第二のPCRプライマーを含むPCR反応において生成物を産生し、かつb)第一および第二のPCRプライマーの一方または他方に相補的である過剰な核酸の遮断配列 (disruption sequence) を加える。以下の議論では、遮断配列 (disruption sequence) は、第一のプライマーと相補的である。遮断配列が次のアニーリングサイクルにおいてハイブリダイズすることができるとき、遮断配列は、第1のプライマーおよび最初の(鋳型)配列またはその相補鎖の一方または他方(但し、両方ではない(これら2つの鎖の一方が遮断配列の相補性を有することに依存する))にアニーリングさせることによって遮断配列対を優先的に形成する。一つの鎖、鋳型またはその相補鎖のいずれか一方(但し、両方ではない)が生成されるとき、後の伸長によって産生された生成物は、非平衡化される。すなわち、遮断配列のハイブリダイゼーション後の伸長において、a)一つの鎖および一本鎖の相補的配列中に開裂を含む二本鎖の最初の(鋳型)配列、またはb)一つの鎖および一本鎖の最初の(鋳型)配列中に開裂を含む二本鎖の相補的配列のいずれかが優先的に生成される。生成物が一本または二本鎖形態において生成されることの同一性は、2つのPCRプライマーのうちの一つが遮断配列に対して相補的であることによって決定される。一本鎖生成物の検出は、標的配列の最初の量の高感度の測定を可能にする。
他の側面において、架橋結合 (cross-linking) を介して二本鎖を固定することによって反応混合物中におけるさらなるPCRに基づいた増幅を遮断するための方法が提供される。架橋結合は増幅を防ぎ、その結果として架橋の時点で二本鎖であったDNAの検出を防ぐ。増幅のこの遮断は、架橋結合されなかった生成物のより高感度の検出を可能にすることができる。架橋結合は、例えばUVまたは化学処理によって達成することができる。
他の側面において、核酸サンプル中の参照の核酸の量に対する標的核酸の量を決定するための方法が提供される。前記方法には、参照および標的核酸の両方についてのフォワードおよびリバースPCRプライマーとともに、参照と標的核酸との組み合わされた混合物上でPCRを行うことが含まれる。参照のためのリバースPCRプライマーには、核酸配列上に見出された配列と同一である尾部配列が含まれる。PCRの所与のサイクル数の後、反応の対称性は、過剰量の二つの核酸の遮断配列を加え、かつこれらを一本鎖PCR産物にハイブリダイズさせることによって崩される。最初の遮断配列は、標的プローブのリバースプライマーに相補的であり、かつ第二の遮断配列は、参照プローブのリバースプライマーに相補的であるが、標的核酸配列上に見出される配列と同一である尾部領域を含まない。遮断後、残りの一本鎖の標的または参照が検出され、最初のサンプル中の標的の量が参照に関連して決定される。
図面の説明
図1は、一本鎖鋳型(ABC)および二本鎖相補鎖(C'B'A')を生み出すためのPCR反応の制御された遮断の概念図を示す。第1ステップは、最初のゲノムDNA配列(a.k.a. 鋳型、ABC)およびそれぞれのフォワードおよびリバースPCRプライマー(それぞれ、AおよびC')を示す。第2ステップにおいて、いくつかのPCRサイクルの生成物が示される。所望の数のPCRステップの完了後、この概念図は、PCRプライマーに対して過剰にあるリバースプライマー(C')に相補的な遮断配列(C)が加わったことを示す。冷却したとき、過剰な遮断配列はリバースプライマーおよび相補的配列と結合するであろう。同時に、フォワードプライマーが、相補鎖と結合して伸長し、BおよびCの結合点で破断した相補的な二本鎖を生成する。鋳型(ABC)はそれゆえ一本鎖のままであろう。
図2は、架橋結合を使用して後のPCRまたは他の検出反応から二本鎖DNAを除去する方法の概念図を示す。第1ステップは、一本鎖および二本鎖形態の両方における配列の存在を示す。架橋剤を加えることで、二本鎖DNAを永久的または半永久的に一緒に結合させ、PCRサイクルの高温ステップ(ステップ3)において完全に解離を防ぐ。これは、例えばPCRによる二本鎖DNAの増幅を防止するが、一本鎖DNAの増幅は選択的に制限しない。
図3は、本出願前に可能であると思われたよりもはるかに少量の核酸含量中の差異を検出することができる単一チューブ関連増幅技術の概念図を示す。ステップ1は、開始物質:比較対象の2つのゲノムDNA配列、ならびに部分的B配列である「尾部」を有する参照配列のリバースプライマーを含む、それぞれのフォワードおよびリバースPCRプライマーを示す。PCRのいくつかのサイクルを実行後、ステップ2に見られる生成物が生成されるであろう。このステップの後、過剰なCおよびFプライマーを反応物に加えると、これらはリバースプライマーおよび相補的配列にハイブリダイズすることができ、一方、鋳型鎖は新たに加えられたCおよびFプライマー、あるいは予め加えられたリバースプライマーのいずれによっても接触を受けない。一本鎖参照および標的鋳型はその後に互いにハイブリダイズし、対を形成することができる。非対の参照または標的鋳型は一本鎖のままであろう。ステップ4は、二本鎖DNAが架橋された場合に起こることを示す。架橋結合はC/C'およびpB/pB' 配列上でのみ起こらなければならない。架橋結合が永久的または半永久的に起こる場合、架橋部位をまたぐ (span) プライマーを使用して直接的なPCRを行い、一本鎖鋳型(図のようにABC)のみを検出することができる。
図4は、二本鎖鋳型対の架橋結合後にPCRを使用して一本鎖鋳型の検出を行う実施態様の概念図を示す。図は、さらなる分析のためのPCRプライマーの可能な選択を示す。ここで、フォワードプライマーAおよびDは、図3のステップ4において見られるように最終サンプル中において既に見出され、R1およびR2は後に加えられたものである。図のように、プライマーは一本鎖鋳型のみを増幅し、図上の架橋二本鎖鋳型を増幅することはできないであろう。
発明の詳細な説明
定義:
本明細書中に使用されたとき、「ポリヌクレオチド」または「核酸」とは、ヌクレオチド(すなわち、RNAについてはリボヌクレオチド、DNAについてはデオキシリボヌクレオチド)の共有結合配列をいう。ここでは、一つの核酸のペントースの3'位が、次のペントースの5'位にホスホジエステル基によって連結される。用語「ポリヌクレオチド」には、これらに制限されないが、一本鎖および二本鎖ポリヌクレオチドが含まれる。用語「ポリヌクレオチド」には、本明細書中で使用されるとき、例えば、DNA、RNA、PNA、これらの組み合わせおよび/または一以上のヌクレオチド類似体を含むポリマーを含む、化学的、酵素的または代謝的に修飾された形態のポリヌクレオチドが包含される。「ヌクレオチド類似体」とは、本明細書中で使用されるとき、ペントース糖および/または一以上のリン酸エステルがそのそれぞれの類似体で置き換えられたヌクレオチドをいう。例示的なリン酸エステルの類似体には、これらに限定されないが、もし存在すれば任意の付随した対イオンを含む、アルキルホスホネート、メチルホスホネート、ホスホルアミデート、ホスホトリエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホロアニリデート、ホスホロアミデート、ボロノホスフェート、等々が含まれる。「ヌクレオチド類似体」の定義内に含まれるものにはまた、DNA/RNAリン酸エステルおよび/または糖リン酸エステルバックボーンが異なる種類の結合で置き換えられたポリヌクレオチド類似体に重合され得る核酸塩基モノマーがある。さらに、「ヌクレオチド類似体」には、核酸塩基の部位が非保存的である、すなわち、G、A、T、UまたはCの一つが異なるヌクレオチドが含まれる。例えば、ハロゲン化されたヌクレオチド、例えばブロモデオキシウリジンが使用され得る。一般的に、非保存的な核酸塩基は、隣接した対方向のポリヌクレオチド鎖上に存在する少なくとも一つの核酸塩基部位と水素結合を形成する能力を有するか、あるいは非相互的、非干渉的塩基を提供するであろう。
「ポリヌクレオチド」にはまた、しばしばオリゴヌクレオチド(例えば、プライマーまたはプローブ)として言及される短いポリヌクレオチドが包含される。ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドホスホジエステル結合が、置換モノヌクレオチドのペントース環の5'炭素および3'炭素を生じるために、「5'-末端」および「3'-末端」を有する。新しい結合が5'炭素にあるポリヌクレオチドの終端は、その5'末端のヌクレオチドである。新しい結合が3'炭素にあるポリヌクレオチドの終端は、その3'末端のヌクレオチドである。末端ヌクレオチドは、本明細書において使用されるとき、3'-または5'-末端の終点にあるヌクレオチドである。本明細書において使用されるとき、ポリヌクレオチド配列はまた、より大きなポリヌクレオチドに内在するもの(例えば、ポリヌクレオチド内の配列領域)であっても、5'-終端および3'-終端を有するものと言うこともできる。
本明細書中に使用されるとき、用語「化学的に修飾された」とは、ヌクレオチドの文脈において使用されるとき、標準的ATP、CTP、GTP、UTP、dATP、dCTP、dGTPまたはdTTPヌクレオチドに関連した少なくとも1つの化学結合における差異を有するヌクレオチドをいう。「化学的修飾」は、ヌクレオチドが5'-3' ホスホジエステル結合によってポリヌクレオチドに組込まれるときに生じる修飾ではない。
本明細書中に使用されるとき、用語「ハイブリダイゼーション」は、鎖が互いに逆平行に並べられるとき、相補的なヌクレオチド間の水素結合の形成による、相補的な(部分的に相補的なものを含む)ポリヌクレオチド鎖の物理的相互作用に関連して使用される。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションの強度(すなわち、ポリヌクレオチド鎖間の会合の強度)は、ポリヌクレオチド間の相補性、および関与した条件のストリンジェンシーの程度を含む当該技術において周知の数多くの因子によって影響を受ける。これらは、塩の濃度、他の成分の存在(例えば、ポリエチレングリコールの存在または欠如)、ハイブリダイズする鎖のモル濃度およびポリヌクレオチド鎖のG+C含量といった条件によって影響を受ける。これらの全ては形成されたハイブリッドの特有の融解温度(Tm)をもたらす。
本明細書中において、一つのポリヌクレオチドが他のポリヌクレオチドと「ハイブリダイズ」するというとき、2つのポリヌクレオチドが、強いストリンジェンシーな条件下で水素結合した逆平行のハイブリッドを形成することを意味する。ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイズするポリヌクレオチド間で相補的な部分的または完全な配列を必要とする。一つのポリヌクレオチドが他のポリヌクレオチドにハイブリダイズしないというとき、水素結合したハイブリッドを形成する2つのポリヌクレオチド間で不十分な配列相補性が存在すること、あるいは強いストリンジェンシーな条件下において2つのポリヌクレオチド間でハイブリッドが形成されないことを意味する。本明細書中において使用されるとき、「特異的なハイブリダイゼーション」とは、標的核酸配列のみに対する核酸分子の結合、二重化、またはハイブリダイゼーションをいい、標的および非標的核酸配列の両方の混合物中における他の非標的核酸分子に対するものではない。
本明細書中において使用されるとき、用語「弱いストリンジェンシー」、「中程度のストリンジェンシー」、「強いストリンジェンシー」または「非常に強いストリンジェンシー」は、核酸のハイブリダイゼーションおよび洗浄のための条件を記載する。ハイブリダイゼーション反応を行うガイダンスは、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1-6.3.6において見出すことができる(参照によってその全体が本明細書中に組み込まれる)。水性および非水性の方法は、参照およびいずれにおいても使用され得ることが記載されている。本明細書に言及された特定のハイブリダイゼーションの条件は以下のとおりである:(1)約45℃の6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)における弱いストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件は、少なくとも50℃(洗浄の温度を、弱いストリンジェンシーな条件のために55℃まで上昇させることができる)の0.2×SSC、0.1%SDSにおける2回の洗浄を伴う;(2)約45℃の6×SSCにおける中程度のストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件は、60℃の0.2×SSC、0.1%SDSにおける一回以上の洗浄を伴う;(3)約45℃の6×SSCにおける強いストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件は、65℃の0.2×SSC、0.1%SDSにおける一回以上の洗浄を伴う;および(4)非常に強いストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件は、65℃の0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDSの後、65℃の0.2×SSC、1%SDSで一回以上洗浄する。
本明細書中において使用されるとき、サンプルから「単離された」ポリヌクレオチドは、その通常細胞または非細胞環境から取り出されたそのサンプル内の天然に生じるポリヌクレオチド配列である。従って、通常細胞環境内に存在した「単離された」ポリヌクレオチドは、無細胞溶液中にあっても、あるいは異なる細胞環境中に置かれてもよい。同様に、正常な非細胞環境中に存在した「単離された」ポリヌクレオチドは、異なる無細胞溶液中にあっても、あるいは細胞環境中に置かれてもよい。
本明細書中において使用されるとき、「血液」、「血漿」および「血清」には、明らかにその画分または処理された部分が含まれる。同様に、サンプルが生検、粘液(swab)、塗抹(smear)などから取り出された場合、「サンプル」には、生検、塗抹標本などから誘導された処理された画分または部分が明らかに含まれる。
サンプルの文脈において本明細書中において使用されるとき、所与の供給源から「少なくとも部分的に」得られるサンプルには、このような供給源から得られた少なくとも一つのサンプル成分が含まれる。
「相補的な」配列とは、本明細書中において使用されたとき、逆平行の整列が一本鎖上のA残基をTまたはU残基と並列させ、Gをもう一方の鎖上のC残基と並列させ、A:T、A:U、およびG:Cの水素結合された塩基対が形成され得る配列をいう。これらは、インビボにおけるDNAおよびRNAハイブリッドの大多数において起こる標準的な「ワトソン-クリック」塩基対である。本明細書中において使用されたとき、そして、他に示されない限り、用語「相補性」は、第二のヌクレオチド配列に関連して第一のヌクレオチド配列を説明するために使用されるとき、第二のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドと一定の条件下でハイブリダイズして二重構造を形成する、第一のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの能力をいうものと、当業者によって理解されるであろう。「相補的」配列はまた、ハイブリダイズするその能力に関して上述した要件が満たされる限りにおいて、非ワトソン-クリック塩基対および/または非天然および修飾されたヌクレオチドから形成された塩基対からも形成することができる。
用語「相補的」、「完全に相補的」、および「実質的に相補的」は、本明細書中において、二本鎖の核酸ハイブリッドのセンス鎖とアンチセンス鎖との間の塩基のマッチングに関して使用される。「完全に相補的な」ハイブリッドは、一本鎖塩基上の全てのヌクレオチドがその反対鎖上の並列した対応する塩基と対を形成している。「実質的に相補的な」ハイブリッドでは、ハイブリダイゼーションにおいて、二本鎖が完全に相補的であるか、あるいは一以上、好ましくは10以下のミスマッチな塩基対を含むことができ、本明細書中において記載された方法において使用された条件下でハイブリダイズする能力を維持する。
「染色体の異常」とは、本明細書中において使用されるとき、所与の集団中の最も一般的な組成物または構造からのDNA組成物または染色体の構造における任意の偏向をいう。ここには、これらに限定されないが、欠失、変異、複製、転位、共有結合性の修飾、単為生殖二染色体、および変更されたクロマチン構造が含まれる。本明細書中に記載された方法は、例えば、異常な染色体のカウント(例えば、ダウン、クラインフェルター、パトー、エドワード、ターナー、3倍X、XYY、など)および異常な配列のカウント(染色体の一部のみが異常な量において存在するという異常性)を検出するために適している。
用語「オリゴヌクレオチド」は、2以上(好ましくは3以上)のデオキシリボヌクレオチドおよび/またはリボヌクレオチドから構成された分子として定義される。その正確なサイズは、多くの因子、言い換えると、最終的な機能およびオリゴヌクレオチドの使用に依存するであろう。本明細書に記載された方法において使用するオリゴヌクレオチドは、大半が15〜600ヌクレオチド長である。用語「プライマー」は、本明細書中で使用されたとき、精製された制限消化において自然に生じるかまたは合成的に生成されるオリゴヌクレオチドを意味し、鋳型依存の核酸合成の最初の地点として作用することができる。プライマーは、一本鎖または二本鎖のいずれであってもよく、選択されたポリメラーゼの存在中において所望の伸長生成物の合成を準備するために十分に長くなければならない。プライマーの正確な長さは、ハイブリダイゼーションおよび重合温度、プライマーの供給源および使用される方法を含む多くの因子に依存するであろう。例えば、診断の適用のために、標的配列の複雑さに依存して、オリゴヌクレオチドプライマーには、典型的には15〜25またはそれ以上のヌクレオチドが含まれる。但し、これより少ないまたは多いヌクレオチドを含んでいてもよい。プライマーの適切な長さを決定するのに関与する因子は、当業者に周知である。
本明細書中において使用されたとき、「個体」とは、ヒトの被験者およびヒト以外の被験体、例えば、哺乳類、無脊椎動物、脊椎動物、ラット、ウマ、イヌ、ネコ、ウシ、ニワトリ、トリ、マウス、げっ歯動物、霊長動物、魚、カエル、シカ、菌類、酵母、細菌、およびウイルスをいう。本明細書中の例は、本発明の方法論をヒトの被験者のみに制限することを意味しない。この方法論はまた、獣医学、畜産学、調査試験場といった諸分野においても有用である。
本明細書中において使用されたとき、「診断」とは、個体がある特定の状態または複数の状態を有する可能性の増加を実証する能力をいう。診断はまた、個体がある特定の状態を有しない可能性の増加を実証する能力をいう。より詳しくは、「診断」は、個体がある第二の状態と比較したときに一つの状態を有する可能性の増加を実証する能力をいう。より詳しくは、「診断」とは、個体がある状態を有する(「真の陽性」)として適切に特徴づけられるか、あるいはある状態を有しない(「真の陰性」)として適切に特徴づけられる可能性の増加し、他方、個体が前記状態(「偽の陽性」)で不適切に特徴づけられるか、あるいは前記状態にない(「偽の陰性」)として不適切に特徴づけられる可能性を最小化するプロセスをいう。
本明細書中において使用されたとき、用語「対応する」とは、第一の核酸および参照の核酸配列が整列したとき、参照の核酸配列中の所与の核酸と整列する第一の核酸配列中のヌクレオチドをいう。整列は、例えば、この目的のために設計されたソフトウェアを使用して当業者によって行われる。「対応する」ヌクレオチドの例として、配列5'-GTATCACTGA TAAAGGAGAA-3'(配列番号1)の位置11のTは、TCRBのジーンバンク受託番号GI:1552506の位置 27,091のTヌクレオチドに対応する(逆もまた同じ)。用語「対応する」はまた、例えば、2つの特定の結合パートナー間の関係を意味する。すなわち、ある結合パートナー対の一つのメンバーは、このようなペアの他のメンバーに「対応する」。
本明細書中において、用語「参照または標的配列の存在の量に近い」は、プローブ濃度に関して使用されたとき、議論対象のプローブまたはプローブ群の濃度が参照または標的配列の濃度に対して80%以内の僅差であることを意味する。
本明細書中において使用されたとき、「プローブ」とは、他のポリヌクレオチド、例えば標的ポリヌクレオチドまたは他のオリゴヌクレオチドに相補的である配列を有するまたは含む、あるタイプのオリゴヌクレオチドをいう。本明細書中に記載された方法で使用するプローブは、理想的には600ヌクレオチド長以下であり、典型的には40〜600ヌクレオチドである。
本明細書中において使用されたとき、用語「対のプローブ」とは、互いに物理的に会合または結合する2つのプローブをいう。対のプローブは、2つの結合パートナー部位の会合によって互いに結合することができる。該用語が本明細書中において定義されるとき、核酸ハイブリッドの形成を介した結合、共有的化学結合を介した結合、またはタンパク質-タンパク質相互作用を介した結合による対の形成が含まれる。用語「対のプローブ」には、1:1の関係において対を形成したプローブのみではなく、より高いオーダーの関係、例えば、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、など(すなわち、2、3、4、5、6、7または8分子、等々の第二のプローブと対を形成する一つのプローブよりなる一分子)において会合したプローブも含まれる。これらの割合は知られており、プローブの所与のセットについて少なくとも一定である。「非対のプローブ」とは、他の(例えば第二の)プローブと物理的に会合または結合しないプローブ(例えば第一のプローブ)である。「対の形成」は、一以上のアダプター分子を通して行うことができる。
本明細書中において使用されたとき、用語「ハイブリダイズされたプローブに検出に対する耐性を与える」および「対のプローブに検出に対する耐性を与える」とは、非対のプローブを検出するために使用される核酸検出方法において実質的に検出されない、ハイブリダイズされたまたは対のプローブの処理をいう。「実質的に検出されない」とは、検出のための耐性を与えるために処理されたハイブリダイズされたまたは対のプローブが、非対のプローブを検出するために使用された核酸検出方法におけるシグナルの10%未満および好ましくは2%未満しか寄与しないことを意味する。用語「ハイブリダイズされたプローブに検出に対する耐性を与える」は、プローブに適用されたときに、用語「隠蔽」または「隔離」と等価である。ハイブリダイズされたプローブに検出に対する耐性を与える処理の制限のない例には、標的または参照配列または他のプローブに対するプローブの化学的およびU.V.架橋、あるいは前記ハイブリダイズされたまたは対のプローブの物理的除去が含まれる。
本明細書中において使用されたとき、「結合パートナー」または「結合パートナー基」は、特定の結合対のメンバーをいう。特定の結合対は、所与の設定の条件下で互いに特異的に結合する一対の基であり;「特異的な結合」とは、その環境中において存在する他の成分の結合の実質的な排除に対して、一つのメンバーの対の他のメンバーの対に対する結合をいう。
本明細書中において使用されたとき、用語「第一の結合パートナー部分を第二の結合パートナー部分と相互作用させる条件」とは、特定の結合対の2つのメンバーの物理的および/または化学的相互作用を支持するその環境条件をいう。このような条件は、結合対の相互作用の性質に依存して変化するであろうが、当業者によって決定することができる。模範的条件には、本明細書中に記載された、あるいは当業者に周知のハイブリダイズ条件、例えば、結合パートナーが相補的な核酸配列であるとき、強いまたは低いストリンジェンシーの条件が含まれる。このような条件にはまた、標的配列の量が決定される核酸サンプル中に存在する配列を含む競合的配列の実質的な欠失が含まれる。本明細書中に記載された方法において、これらを含む結合パートナー部分またはプローブを、第一の結合パートナー部分が第二の結合パートナー部分と相互作用する条件下に置く工程は、別個の工程として行うことができ、例えば、その後にプローブをサンプル核酸と接触させるか、またはこのような接触の間に起こすことができる。
本明細書中において使用されたとき、用語「標的核酸」は、「参照の核酸」と比較して、その量がサンプル中において決定されるポリヌクレオチドをいう。「標的核酸」には、少なくとも20ヌクレオチド、好ましくは少なくとも50ヌクレオチド、より好ましくは80〜500(但し、これ以上長くすることもできる)ヌクレオチドの既知の配列が含まれる。本発明の「標的核酸」は、天然に生じるポリヌクレオチド(すなわち、ヒトの介入のない天然に生じるもの)、または組み換えポリヌクレオチド(すなわち、ヒトの介入によってのみ生じるもの)とすることができる。ここには、これらに限定されないものの、ゲノムDNA、cDNA、プラスミドDNA、全RNA、mRNA、tRNA、rRNAが含まれる。標的ポリヌクレオチドにはまた、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応におけるそれ自体の増幅した生成物が含まれる。本明細書中において使用されたとき、「標的ポリヌクレオチド」または「標的核酸」にはまた、ホスホロチオネート、亜リン酸塩、環原子修飾誘導体、およびこれらに類するものが含まれ得る修飾されたヌクレオチドが含まれ得る。標的核酸配列は、参照核酸配列とは必然的に異なる。標的および参照核酸配列は、ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズすることができない。
本明細書中において使用されたとき、用語「架橋」とは、一つのプローブの他のプローブに対する共有結合をいう。
「相同性」または「同一性」または「類似性」とは、2つの核酸配列間または2つのポリペプチド配列間の配列類似性をいう。「相同性」は、比較の目的のために整列され得る各配列中の位置を比較することによって決定することができる。比較された配列のいくつかの位置が、同じ塩基またはアミノ酸によって占められるとき、その分子はその配列と相同的である。配列間の相同性の程度は、配列によって占められたマッチングまたは相同的な位置の数の関数である。「無関係」または「非相同性」の配列は、他の配列と40%未満の同一性、好ましくは25%未満の同一性を有する。
本明細書中において使用されたとき、用語「生物学的流体」は、生物学的供給源から取り出された液体をいい、例えば、血液、血清、血漿、痰、洗浄液体、脳脊髄液体、尿、精液、汗、涙、唾液、およびこれらに類するものが含まれる。
本明細書中において使用されたとき、用語「ヌクレアーゼ開裂に対する耐性」は、所与の核酸プローブが、修飾や構造的特徴のない類似の配列と比較してヌクレアーゼ開裂に対する感受性が低い一以上の化学的修飾または構造的特徴を含むことを意味する。非制限的な例には、ホスホジエステル結合に対する変化、例えば、チオール結合の封入、および二次構造の存在、例えば、プローブ分子の全てまたは一部にわたる一本鎖に対する二本鎖が含まれる。「感受性が低い」とは、同じヌクレアーゼ開裂条件下で、非修飾のプローブと比較して少なくとも10%未満の開裂現象を意味する。
本明細書中において使用されたとき、用語「異数性」とは、生物種の大多数のハプロイド数ではない染色体数を有する状態をいう。例えば、二倍体(diploid)細胞または組織は、染色体のハプロイド数が異数性である大多数の二倍体(two times)とは異なる(例えば、それよりも多いまたは少ない)染色体の総数を有する。
本明細書中において使用されたとき、「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」は、特定のポリヌクレオチド鋳型配列を増幅するためのインビトロ方法である。PCR反応は、温度サイクルの連続的反復を伴い、10〜100μlの容積内において典型的には行われる。反応混合物には、dNTP (4つのデオキシヌクレオチドdATP、dCTP、dGTP、およびdTTPの各々)、プライマー、緩衝液、DNAポリメラーゼ、例えば、耐熱性DNAポリメラーゼ、およびポリヌクレオチド鋳型が含まれる。一つのPCR反応は、例えば、ポリヌクレオチド分子の変性および合成の5〜100「サイクル」からなる。
「ヘアピン配列」は、本明細書中において使用されたとき、ループ配列によって分離された、二本鎖ステム領域を形成することができる2つの自己相補的な配列が含まれる。二本鎖ステム領域を含むオリゴヌクレオチドの2つの領域は、互いに実質的に相補的であり、自己ハイブリダイゼーションをもたらす。しかしながら、該ステムは、一以上のミスマッチ、挿入、側面ループ、または欠失を含むことができる。「ヘアピン配列」は、本明細書中において使用されるとき、さらに二本鎖ステム部位から延びる一本鎖領域を含むことができる。
説明
プロセスの再配向を可能にする好ましい時間でのPCR反応の非平衡化
PCRは分子生物学の一般に容認された方法論であるが、この方法論の背景にある基本的概念は過去20年においてほとんど変わっていない。このことについての主な理由は、PCRが分子生物学の世界でよく役立ってきたということである。これは、極端に低量の核酸配列を検出することができるツールであり、大雑把な定量分析を提供することができる。PCRで問題を解決する方法は、しかしながら、最終PCR混合物中において多数の副生物の形成を伴うため、これらのPCR産物は多くの用途において有用ではない。
PCR反応が選択的に非平衡化することができる方法が明細書中において記載される。本明細書中において使用されたとき、PCRに関連して用語「不均衡」または「非平衡」は、一本鎖および二本鎖核酸の両方を含む増幅産物を生成するPCRまたは種々のPCRの使用をいう。すなわち、一本鎖鋳型および二本鎖相補鎖のいずれかを生成するか、あるいは二本鎖鋳型および一本鎖相補鎖を生成する。この非平衡化の目的は、鋳型およびその相補鎖間の差異を促進し、それによってある一つのものとの下流の反応を可能にし、その他の反応を遮断するためである。
いくつかのPCRサイクル後、反応混合物は、生成物の組合せを含む。この段階での反応を非平衡化する方法は、フォワードまたはリバースプライマー(または潜在的に、両方)に対して完全または部分的な相補鎖を多量に導入することである。添加された過剰なプライマーは、本明細書中において、「遮断する配列(disrupt sequence)」または「遮断配列(disruption sequence)」と呼ばれる。この遮断された配列が、一本の標準的なPCR産物にハイブリダイズすることができる場合、生成物の半分は二本鎖になり、一方、他の半分は一本鎖のままである(図1)。二本鎖相補鎖または鋳型は連続的な鎖にはならず、むしろ遮断する配列が、遮断する配列によって相補化されない最初のプライマーの伸長と合致する配列において破断を示すであろう。
それゆえ、最終的なPCR反応を非平衡化するこの単純な方法を通して、この方法は、意図されたPCR生成物とその相補鎖とを区別する。
一本鎖DNAを必要とするPCRまたは他の方法による後の検出から核酸をノッキングアウトする
所望の生成物が一本鎖であり、かつ非所望の生成物が二本鎖である状態がいったん達成されると、永続的または半永続的(すなわち、安定な)架橋結合(cross-linking)によって二本鎖核酸を固定することができる(図2)。架橋二本鎖DNAは、それ以降、一本鎖形状を必要とする大部分の反応、例えば、核酸のハイブリダイゼーション、一本鎖核酸、PCRおよびPCR'の様々な修飾された形態に特異的な一定の蛍光色素での相互作用において不活性なプレーヤーになるであろう。
主に、架橋結合を通して活性化されたものは、それゆえに、この不必要な相補鎖によってさらなる活性を阻害される。そして、さらなる試験または他の用途のための所望の生成物の単離を可能にする。
PCR非平衡および架橋結合を用いて核酸含量の小さな差異を検出する
核酸含量中のわずかな差異を検出すること、あるいは低濃度の核酸の正確な定量化を提供することは、広範囲の診断および調査手法にとって重要な到達点である。以下に記載された方法は、化学量論的な対形成(一対一である必要はない)を通して共通のバックグラウンドを除去することによって2つの核酸の相対的濃度を比較する。以下の記述は、核酸の一対一の対形成を議論し、かつ図3の図解の目的および図3中に使用された記号について言及する。
この手法のために、相互に比較されるべき2つの核酸、標的(ABC)および参照(DEF)は低濃度にあることを仮定する。PCRを行うことによって、所望の配列の量を増加させることができる。ここで、参照のためのリバースプライマー(F')が、標的鋳型(B)上のある領域とおおよそ等しい部分配列(pB)を含むように修飾されている状態でPCR工程が行われることを仮定する。おおよそ等しいとは、おおよそ等しい部分配列(pB')の相補鎖が、標的鋳型(B)上の最初の配列の所望の領域と結合するであろうことを意味する。この参照鋳型のためのリバースプライマーは、pBF'として言及される。
幾つかのPCRステップ、例えば2, 3, 4, 5, 10, 15, 等々の後、図3のステップ2に示された生成物が、混合物中において見出されるであろう。その困難性は、多くの後の分析が、我々の所望の生成物と結合することができる多数の断片の存在によって阻害されることにあり、後の多くの方法論を阻害している。これが、PCR反応を非平衡化することが重要になる理由である。
過剰な相補鎖(C, F)を、標的(C')のリバースプライマーおよび参照(F')のリバースプライマーの両方に加え、かつハイブリダイゼーション条件を確立することは、これらのプライマーの二本鎖形成にとって好ましい。この条件が正しい場合、リバースプライマー上の後の伸長がpB領域をpB'相補鎖との二本鎖にするであろう。CおよびFは遮断配列として言及される。遮断配列はハイブリダイズ/伸長条件下で両方のリバースプライマーを二本鎖で停止しないであろう。これらはまた、相補的鋳型(C'B'A'およびpBF'E'D')と結合するであろう。また、参照鋳型上で、pB配列を二本鎖にする短い伸長が起こるであろう。フォワードプライマーはいずれも不活性のままであろう。これらは最終的には(相対的濃度に起因して後には統計学的ではあるが)相補的な鋳型を見つけるであろうし、かつハイブリダイゼーションおよび伸長によって、これらは、フォワードプライマーの伸長が遮断配列と接触する新しい二本鎖内の短い断絶箇所を含む相補的鋳型の残部を二本鎖形成するであろう。
ここで、より高濃度の遮断プライマーおよびフォワードプライマーは、これらの機能を発揮し、最初の鋳型が互いに結合する時間および空間を見出し、予め定義された1対1の割合において伸長する。残余物は図3のステップ3において示される。最初の鋳型の1対1の対形成のために、標的が過剰に存在する場合、残余の一本鎖のABCが存在するであろう。たとえ鋳型の対形成の反応が完全ではないとしても、標的および参照鋳型間の相対的差異は、絶対的差異を維持し、かつ等しい絶対量によって共通のバックグラウンドを除去することによって増加するであろう。
次の工程は、さらなる反応から二本鎖核酸を「隠蔽」ことである。これは、例えば、これらを選択的、物理的に除去するか、これらを酵素的に低下させるか、あるいはこれらを架橋結合することによって達成することができる。図3のステップ4では、これらを互いに永続的または半永続的に架橋することによる二本鎖核酸の「隠蔽」が示される。以下の検出方法が、一本鎖DNAまたは一本鎖になることができるDNAに特異的である場合、これは全ての二本鎖存在物由来の相互作用物をうまく除去する。
永続的または半永続的架橋後に十分に機能する一つの検出ツールは、PCRである。少量の核酸の大きな相対的差異は、PCRによって容易に検出することができるが、PCRのために二本鎖分子のさらなる架橋を防ぐ必要がある。前述の記載において、標的および参照鋳型のためのフォワードプライマー(それぞれ、AおよびD)は、既に存在する。必要なことは、新しいリバースプライマーを加えることだけである(図4)。
上述した方法論は、標的および参照がリバースされるように単純に修飾することができる。これは、最初の鋳型配列というより、むしろその相補鎖を回収することに焦点を合わせる。
他の実施態様において、標的が比較される参照核酸が既知の濃度の標準的な稀釈物の一部になる系を作り出すことができる。これは、2つの標準濃度間に標的核酸が入ることを決定し、かつ標的および参照の最終相対量を調べ、例えば、いずれかまたは両方の標準からの相違を推定することによって、核酸濃度の正確な境界化を可能にするであろう。
核酸サンプル:
本明細書中に記載された方法が適用される核酸サンプルには、あらゆる供給源が存在し得る。しばしば、サンプルは、その自然環境から単離されたポリヌクレオチドを含む生物学的材料であってもよい。サンプルは、精製または単離されたポリヌクレオチドからなるものであっても、または生物学的サンプル、例えば組織サンプル、生物学的液体サンプル、ポリヌクレオチドを含む細胞サンプルを含んでいてもよい。生物学的流体には、非制限的な例として、血液、血漿、唾液、尿、脳脊髄液、洗浄液および白血球除去サンプルが含まれる。核酸サンプルは、植物、動物、細菌またはウイルス源に由来するものであってもよい。サンプルは、異なる供給源から得ることができ、これらに限定されないが、異なる個体、異なる成長段階の同一または異なる個体、異なる疾患個体(例えば、癌または遺伝子疾患の疑いのある個体)、正常な個体、異なる疾患段階の同一または異なる個体、異なる疾患治療を受けた個体、異なる環境因子を受けた個体、または病状に対して素因をもつ個体、または感染疾患物質(例えばHIV)にさらされた個体からのサンプルが含まれる。
サンプルはまた、インビトロで培養された組織、細胞、または他のポリヌクレオチド含有供給源から得ることもできる。培養されたサンプルは、これらに限定されないが、異なる培地および条件(例えば、pH、圧力または温度)中において維持された培養物(例えば、組織または細胞)、異なる期間にわたって維持された培養物(例えば、組織または細胞)、異なる因子または試薬(例えば、薬剤候補、または修飾因子)で治療された培養物(例えば、組織または細胞)、組織または細胞の異なる種類の培養物を含む供給源から採取され得る。
さらに、サンプルは、ポリヌクレオチド合成の産物から得ることもできる。
サンプルには、好ましくは上述した供給源から単離された核酸が含まれる。生物学的供給源から核酸を単離する方法は周知であり、供給源の性質に応じて異なっている。当業者は、本明細書中に記載された方法を必要とするとき、供給源から核酸を容易に単離することができる。いくつかの例において、核酸サンプル中の核酸分子を断片化することが有利である。断片化は無作為に行うこともできるし、あるいは例えば、制限エンドヌクレアーゼ消化を使用して達成されるとき、特異的に行うこともできる。無作為断片化の方法は当業者に周知であり、例えば、制限DNAse消化、アルカリ処理および物理的せん断が含まれる。
一実施態様において、サンプルは、妊娠したメス、例えば妊娠女性から収集される。この例において、サンプルは、本明細書中に記載された方法を使用して分析され、胎児の染色体異常を出生前に診断することができる。サンプルは、生物学的流体、例えば血液、血清、血漿、またはこれらのいくつかの画分から収集してもよい。好ましい実施態様において、サンプルは、妊娠女性の血液から単離された精製核酸からなる。
血漿DNAの分析は、それが主として短いDNA断片で構成されていることを明らかにする。興味深いことに、平均的な断片サイズは、妊娠していない女性よりも妊娠した女性においてより大きかった。さらに、妊娠女性の血漿DNAにおける胎児の断片は、母親の断片よりも平均して短かった(Chan et al., 2004, Clin. Chem. 50: 88-92)。血液、血清またはこれらの処理された画分からの核酸の単離方法は、当業者に周知である。血液または血清からの核酸の単離方法は、例えばChen et al., 1996, Nature Med. 2: 1033-1035 and Lo et al., 1997, Lancet 350: 485-487に記載されている。Lo et al. 参照文献は特に、母親の血漿または血清中における胎児のDNAの存在を認識した。さらに、Dhallan et al (2004, J.A.M.A. 291: 1114-1119)およびWO 95/08646には、母親の血清由来の胎児のDNAを濃縮する方法が記載されている。このような濃縮は本明細書中に記載された出生前診断の実施態様にとって必要ではないが、このような濃縮の可能性は本明細書中に記載された方法のいくつかの側面において有利でもある。胎児の細胞はまた、母親の循環系から選択および入手することができ(例えば、Bischoff et al., Hum. Reprod. Update 8, 493-500 (2002) および Merchant et al., Hum. Reprod. Update 8, 509-521 (2002)を参照)、標的および参照核酸配列のための供給源として役立つことができる。例えば、分取された胎児の細胞は、PCRによって得られた標的および参照配列のための供給源として役立つことができる(例えば、Geifman-Holtzman et al., Am. J. Obstet. Gynecol. 174:818-22 (1996)を参照)。胎児が男児である場合、他の手法では、Y染色体由来の参照配列を使用する。このような配列は、母親の循環系中の無細胞胎児DNAから得ることができる (例えば、Sekizawa et al., Am. J. Pharmacogenomics 1:111-7 (2001)を参照)。
出生異常の早期検出に加えて、本明細書中に記載された方法は、ゲノム内の遺伝子配列の表現におけるあらゆる異常の検出に適用することができる。癌患者由来の血漿および血清DNAには、検出可能な量の腫瘍DNAが含まれることが示されている(Chen et al., 1996, Nature Med. 2: 1035; Nawroz et al., 1996, Nature Med. 2: 1035-1037)。腫瘍は、異数体、または不相応な数の遺伝子配列または同等の全染色体によって特徴づけられる。従って、個体由来のサンプル中の所与の配列の量における差異の検出は、癌の診断に使用することができる。
標的核酸:
本明細書中に記載された方法は、参照核酸配列に対する標的核酸の量における差異の検出を容易にする。標的核酸には、疾患個体に対する健康体の配列表現における差異と関連した全ての核酸配列が含まれる。ゲノムDNAは、標的および参照核酸の供給源として特に有用である。従って、標的核酸配列は、疾患において誤伝達された染色体上の配列、例えば表1に記載された染色体上の配列とすることができる。
標的配列にはまた、例えば、多形状態において存在することが知られている配列が含まれる。標的配列にはまた、例えば、全個体ではないが、個体のある細胞(例えば、いくつかの癌の細胞)においては増幅または過剰発現されることが知られている配列が含まれる。
最後に、標的核酸にはまた、調査(例えば、異なる遺伝子発現について)下の配列が含まれる。RNA転写産物の量は、本明細書中に記載された方法を対象のRNA供給源の逆転写反応生成物を含むサンプルに適用することによって、参照配列と比較して測定することができる。
参照核酸:
本明細書中に記載された方法において求められる参照核酸は、標的配列の量が比較されることに対する配列である。ほとんどの場合、参照配列は、核酸サンプル中の既知または予期された表現を有するものであろう。ゲノムDNAについて、例えば、参照配列は、ゲノム当り1コピー、例えば、ヘテロ接合の個体中または2コピー、例えばホモ接合の個体中に存在する配列であってもよい。例えば、所与の情報の発現のレベルを決定するために、標的配列がRNA中において測定されるべき場合、参照は、例えばハウスキーピング遺伝子配列、例えばGAPDH、アクチンまたはヒストン配列、またはレベルが知られている他の配列、または少なくとも比較的不変であることが知られている配列とすることができる。
ほとんどの場合、参照配列は、生物学的サンプル中に既に存在するもの、好ましくは既知の表現で存在するものであろう。例えば、遺伝子疾患であるダウン症候群を示す21番染色体のトリソミーに関連した配列の量を調査しようとする場合、参照配列は21番染色体上に存在しない配列であり、一方、標的配列は21番染色体上に存在する配列である。この例において、参照配列が2コピー(ホモ接合配列)中に存在する場合、標的配列が本明細書中に記載された方法を使用する参照配列よりも母親の血清中においてより多量にあることが見出される場合、このデータは、胎児のダウン症候群の指標になるであろう。
代わりに、参照配列は、既知または一定量でサンプル中に注入される、標的配列とは異なるものであってもよい。この手法は、外部注入された参照配列の量のみに対する標的配列の量を示す結果を与えるであろう。この手法は、サンプルに内在する他の参照配列のレベルをサンプル間で標準化するために使用され得る。内部の標準配列の使用は、当業者に一般的に知られているように、特に、増幅効率の差異を決定および訂正するために特に有用である。
プローブ:
本明細書中に記載された方法において使用するプローブとは、これらのセットがさらなる調査対象になることに依存して、一本鎖の増幅された標的および参照の鋳型または相補鎖をいうであろう。これらのプローブは、元の配列の正確なPCR増幅されたコピーまたは相補鎖であってもよく、あるいは最初のPCR工程中に導入された修飾体であってもよい。標的プローブは、標的配列から誘導された調査対象の配列と一致するであろう。参照プローブは、参照配列から誘導された調査対象の配列と一致するであろう。
結合パートナー:
各例において、プローブにはまた、一定条件下で標的および参照プローブの物理的な対形成を可能にする領域または部分が含まれる。
物理的な対形成を可能にする領域または部分(「結合パートナー部分」として言及される)には、他の核酸配列を結合するプローブに対して、一つのプローブを特異的に(一定の条件下で)結合する手段が含まれるであろう。参照プローブを結合する標的プローブのこの能力は、標的および参照プローブの比例的な数の「移動」または隔離を可能にする。この「移動」は、核酸サンプル中の他の配列に対する一つの配列の量における差異の指標である非対の標的または参照の配列の検出を可能にする。
好ましい態様において、参照プローブを標的プローブに結合させる領域または部分は、各々の標的および参照プローブに対応する数の特異的な結合パートナー対を組み込むことによって作製される。結合パートナーは、例えば、ハイブリダイゼーション(水素結合を含む)、タンパク質相互作用、共有結合、イオン結合、ファンデルワールス相互作用および疎水性相互作用によって相互に作用することができる。結合パートナーは、良好に定義された化学量論で必要に応じて互いに結合するであろう。これは、結合パートナーが1:1の化学量論で結合することをいうものではない。むしろ、重要なことは、化学量論が知られているということである。例えば、アビジンは8:1までの化学量論でビオチンを結合する。しかしながら、実際に観察されたビオチン:アビジンの化学量論は、付加された核酸配列によって引き起こされる立体障害の影響に依存しながら変化しうる。与えられたビオチン化されたプローブには、しかしながら、アビジンまたはストレプトアビジンの化学量論は、一定のままであると予期される。
本明細書中に記載された方法において有用な結合パートナーは、好ましくは互いに条件的に結合できるのが好ましい。「互いに条件的に結合できること」とは、それが起こることを望むときに検出可能な結合のみを起こすように、一方のパートナーの他方に対する結合が操作できることを意味する。条件的な側面は、例えば、環境の温度、塩またはいくつかの他の物理的または化学的パラメーターを変化させることによって操作することができる。例えば、核酸結合対のために溶液の温度をTm値以下に下げることによって、その対は互いに結合することができる。また、条件的な結合を、容易に「除去可能な」競合物質による結合部位についての競合によって達成することができる。「除去可能な」競合物質とは、プローブの結合について競合する分子を意味するが、意図的に物理的に除去あるいは不活性化することができ、プローブを結合させることができる。
条件的な結合はまた、結合を引き起こす触媒の添加を通して達成することができる。例えば、ハロゲン化されたヌクレオシドを含む相補的配列のUVに対する曝露は、配列の共有結合の架橋をもたらすことができる。化学的な架橋剤はまた、当業者に周知である。
一実施態様において、結合パートナーは、それぞれのプローブ毎に実質的に相補的な核酸配列である。この側面において、あるプローブ上の結合パートナーの核酸配列は、条件の所与の設定下で他のプローブ上の結合パートナー核酸配列にハイブリダイズすることができる。
PCRプライマー配列を設計するのに考慮されたものと同様のパラメーターが、本明細書中に記載されたプローブ上で含む結合パートナー核酸配列の配列を設計するのに考慮される。例えば、当業者は、結合パートナー配列のハイブリダイゼーションの挙動について長さおよびG+C含量の影響を考慮するであろう。しばしば、絶対的ではないが、結合パートナーとして核酸を使用するプローブの結合パートナー配列は、参照または標的配列を結合するプローブのその部分と比較して等しいまたは短い(例えば、少なくとも一つのヌクレオチドまたはより短い)長さになるであろう。
結合パートナーは、代わりに、核酸ハイブリダイゼーションに必要な環境に適合した任意の特異的な結合対のそれぞれのメンバーにすることができる。すなわち、結合パートナー部分は、ハイブリダイゼーション以外の手段を通して相互作用することができる。例えば、結合パートナー部分を、共有結合性または非共有結合性の相互作用を通して互いに結合する一対の部分とすることができる。このような結合パートナー部分の例には、これらに限定されないが、ビオチン-ストレプトアビジン、ビオチン-アビジン、受容体-リガンド対、ヘテロ二量体化モチーフ対(例えば、相補的ロイシンジッパーモチーフ、相補的へリックス-ループ-へリックスモチーフ、など)、抗原-抗体相互作用、アプタマー-リガンド相互作用、または多成分化学反応が含まれる。プローブに対する非核酸結合パートナーの結合のための方法は当業者に周知である。さらに、当業者は、核酸ハイブリダイゼーションに必要とされる環境が結合パートナー部分に悪影響を与えるかどうか、あるいは互いに結合するその能力を容易に決定することができる。
結合パートナー部分はまた、「アダプター分子」を通して間接的に相互作用することもできる。本明細書中に使用されたとき、アダプター分子は、結合パートナー部分と特異的に結合することができ、その結果として参照および標的プローブ配列を架橋することができる任意の分子である。一実施態様において、アダプター分子は、第一および第二のプローブの核酸結合パートナー部分にハイブリダイズすることができる核酸配列を含む。アダプター分子は、一本鎖、二本鎖または一以上のオーバーハングを含む二本鎖とすることができる。アダプターの一つの制限のない例として、2つの異なる一本鎖オーバーハングを含む二本鎖核酸を使用することができる。この場合、一つのオーバーハングは標的プローブ上の結合パートナー配列と実質的に相補的であり、もう一方のオーバーハングは参照プローブ上の結合パートナー配列と実質的に相補的である。
アダプター分子を使用するとき、結合パートナー部分と相互作用する部分を、第一および第二のプローブの結合パートナー部分間と区別することができる。また、各アダプター分子が相互作用することができる第一および第二のプローブの割合は定義された割合であることが好ましい。一実施態様において、アダプター分子は第一および第二のプローブを1:1の割合で結合させることができる。
アダプター分子は、第一および第二のプローブを1:1の割合で相互作用させる必要はない。代替的な実施態様において、一つのアダプター分子が、第一および第二のプローブの多数のコピー(例えば、2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 等々)と結合することができる。例えば、アダプター分子は、第一および第二のプローブが特異的に相互作用することができる多数の部位を含む固相支持体を含む。制限のない例として、第一のプローブの結合パートナー部分はポリA尾部からなり、第二のプローブの結合パートナー部分はポリC尾部からなる。アダプター分子は、多数のポリTおよびポリGオリゴヌクレオチドを含む、固相支持体、例えばビーズを含むことができ、これに対して第一および第二のプローブがその結合パートナー部分を通してそれぞれ特異的に相互作用することができる。他の代替の実施態様において、一以上(例えば、2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 等々)のアダプター分子を使用することができる。
標的:参照プローブ複合体の隔離または除去:
本明細書中に記載された方法は、参照プローブと標的プローブとの間の複合体の形成を利用する。プローブが互いに結合した後に複合体を形成していないかあるいは「余剰の」プローブ分子を検出するために、標的:参照プローブ複合体を除去、「隠蔽」または隔離することができる。この除去、「隠蔽」または隔離を達成するための幾つかの方法が存在する。
一つの手法は、標的:参照プローブ複合体を検出から「隠蔽」することである。これは、検出方法を妨げるような標的:参照プローブの永続的な架橋結合によって達成することができる。例えば、PCRが非対プローブの検出のために使用される場合、標的および参照プローブ上の相補的配列を使用してこれらを結合させ、この二重鎖を化学的または物理的手段、例えば、UV、マイトマイシンC、または前述した他のものによって架橋結合することができる。検出のためのプライマーが永続的な架橋部位と重なるように設計された場合、あるいはその架橋部位の反対側に見出された場合、対のプローブのPCR増幅は阻害され、結果、非対のプローブが増幅され、検出されるであろう。
ハロゲン化されたヌクレオチドを、例えば、PCRプライマーまたは遮断配列に導入することによって、U.V.架橋の効果を向上させることができる(Qiagenのウェブサイトを参照)。ヌクレオシドまたはヌクレオチドに対する他の有用な化学的修飾には、制限のない例として、チオール化、アミド化およびビオチニル化が含まれる。反応における一以上(例えば、2, 3, 4またはそれ以上)のプライマーについて、異なるプライマーに異なる修飾を含ませるように、必要に応じて修飾することができる。また、.化学的架橋剤、例えば、マイトマイシンC (Bizanek et al. Biochemistry 1992, 31, 3084-3091) またはその類似体、一酸化窒素 (Caulfield et al. Chem Res Toxicology, 16(5):571-574, 2003)、ピロール/イミダゾールCPI共役体 (Bando et al., J. Am. Chem. Soc., 2003, 125, 3471-3485)、カルジノフィリン、ビゼレシン、窒素マスタード、ネトロプシンまたはこれらの誘導体を使用することもできる。上述したように、架橋ハイブリッドは、例えばPCRによる検出にとって有効な鋳型ではない。それゆえ、標的および/または参照プローブまたは配列を増幅するプライマーを使用するPCRは、架橋されていない鋳型配列が存在する場所でのみ増幅産物を産生するであろう。最終検出方法について本明細書中において議論したように、増幅産物は、プローブが架橋結合される領域にハイブリダイズするか、あるいは増幅配列が架橋領域を含み、PCR鎖の伸長を阻害するように設計されるべきである。いずれの例においても、架橋結合されたプローブの存在は、PCR増幅を妨げ、その結果、PCRの読み取りは、これらの方法を通して架橋されなかった配列に対応することになる。
非対プローブの検出
存在する標的配列の量に比例した標的および参照プローブの物理的な対形成の後、本明細書中に記載された方法は、非対のプローブの検出を必要とする。この検出は、いくつかの異なる手法のうちの一つによって行うことができる。
非対のプローブを検出する一つの方法は、増幅鋳型として役立つことができるプローブ分子のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅を使用する。PCRは当業者に周知であり、耐熱性の鋳型依存型ポリメラーゼ、ならびにプライマーのアニーリング、プライマーの伸長および鎖の分離のサイクル中において反対側の鎖上で鋳型の核酸にアニールするオリゴヌクレオチドプライマーを使用し、鋳型配列の複製コピーの数を指数関数的に増加させる。例えば、Mullis et al., 米国特許第4,683,202号を参照されたい。
非対プローブのPCR検出は、非対プローブ配列を増幅するPCRプライマーの使用を通して行うことができる。PCRプライマーは、非対プローブの性質を利用するように設計することができる。例えば、標的および参照プローブが、相補的な配列タグのハイブリダイゼーションを通して互いに結合する場合、非対プローブの増幅のために使用されるプライマーの一つは、配列タグに相補的になるよう設計することができる。例えば、標的および参照プローブが相補的な配列タグのハイブリダイゼーション後に互いに連結される場合、架橋分子のタグは、増幅プライマーの結合に利用することはできず、これは、タグにハイブリダイズするプライマーを使用する増幅から架橋プローブを除くであろう。このような手法は、増幅および後の検出に利用可能な非対プローブのみを残す。
非対プローブおよび標的核酸の量における差異を示すPCR産物の検出は、PCR産物を検出するために一般に使用される任意の手段によって行うことができる。例えば、PCRは、蛍光または放射標識されたヌクレオチドまたはプライマーを導入することができ、蛍光またはアイソトープの検出は、読み取りを行うために使用することができる。代わりに、リアルタイム法、例えばTaqManTMおよびMolecular Beacon法、またはこれらに関連した方法を使用することができる。
TaqManアッセイ(例えば、米国特許第5,723,591号を参照)では、2つのPCRプライマーが、中央プローブオリゴヌクレオチドに隣接する。プローブオリゴヌクレオチドは2つの蛍光部位を含む。PCRプロセスの重合工程の間、ポリメラーゼはプローブオリゴヌクレオチドを切断する。切断によって2つの蛍光部位が物理的に分離し、蛍光発光の波長における変化を引き起こす。PCR産物が生成されるに従って、新規波長の強度が増す。
Molecular Beacon(米国特許第6,277,607号; 6,150,097号; 6,037,130号を参照)は、TaqManの代用である。Molecular Beaconは、相補的鋳型に結合することで高次構造変化を起こす。Beaconの高次構造変化は、Beacon上のフルオロフォア基とクエンチャー基との間の物理的距離を増加させる。この物理的距離における増加は、クエンチャーの効果を消失させ、フルオロフォアから誘導されたシグナルを増加させる。
他の適用可能な蛍光および酵素のPCR技術、例えばScorpionsTM(Solinas et al., 2001, Nucleic Acids Res. 29: e96)、SunriseTMプライマー(Nazarenko et al., 1997, Nucleic Acids Res., 25, 2516-2521)、およびDNA酵素を使用することもできる。
非対プローブのPCRに基づいた検出はまた、迅速な検出のためにキャピラリー電気泳動方法を使用することもできる。一般的に、キャピラリー電気泳動方法が使用される場合、配列の増幅によって、サンプルがキャピラリーを通過するときに検出される蛍光ヌクレオチドまたはプライマーが組み込まれる。
キャピラリー電気泳動方法はまた、非対プローブからのシグナルが信頼可能なシグナルとして十分であるとき、PCR増幅を必要とせずに使用することができる。代わりに、非対プローブと選択的に結合する蛍光タグまたは蛍光タグ「ドッカー(docker)」を使用することができる。蛍光タグ「ドッカー」とは、検出のために所定の数の蛍光タグと直接またはアダプター分子を介して結合することができるものを意味する。さらに他の方法は、選択的に非対のプローブによって直接またはアダプター分子を介して活性化することができる不活性酵素を加えることである。酵素活性は、色の変化、蛍光または類似の読み取りによって後に検出することができる。他の検出方法は、放射活性タグおよび他の方法を含むことができる。
染色体異常および疾患
本明細書中に記載された方法において、ターゲット対参照遺伝子の1:1の比からの偏差は、染色体異常の可能性を示す。疾病と関連し、かつ本明細書中に記載された方法に従った方法を使用して評価することができる染色体異常の制限のない例は、以下の表1に提供される。
Figure 2008537676
Figure 2008537676
Figure 2008537676
一般的には、染色体または遺伝子配列の評価は、他の評価、例えば、患者の症状の臨床評価と組み合わせて行われる。例えば、患者が流産、また新生児死亡の病歴をもつ場合、または母親の高齢、異常な母血清マーカー結果、もしくは染色体異常の家族病歴が存在する場合、出生前評価は特に適している。多数の先天的異常、既知の染色体症候群、説明のつかない精神遅滞、1次および2次無月経、不妊症、およびこれらの類する症状と一致した臨床症状が存在する場合、出生後試験は適しているであろう。
疾病および疾患の検出
上述したように、本明細書中に記載された方法は、核酸濃度間の差異を検出することができる。例えば、前記方法は、DNAまたはRNA濃度における遺伝的不均衡に結びつく疾病および疾患を検出するために使用することができる。ここでは、正常からのいかなる偏差がその疾病を表わすのかを定義するのみで足りる。以下の可能な説明を与え、上述した方法を使用する潜在的解決方法の例を以下に示す。
標的濃度が内部参照と通常は等しいが、疾病の場合において、参照と比較して標的濃度が減少または増加する:
この場合における標的および参照は、いったん生物学的サンプルから抽出されると、上述した分析において、それぞれ標的および参照と等しい。開始サンプルは、標的および参照の相対量は維持されるように調製され、最初の項目において記載されたステップを行うことができる。最終的なPCR検出工程は、標的および内部参照が等しいか否か、あるいは代わりに、参照と比較して標的の濃度において偏差が存在するか否かを検出する。この知見は、疾病または疾患の有無を決する指標になる。
標的濃度が内部参照よりも通常は少ない(多い)が、疾病の場合において、標的濃度が、内部参照よりも相対的に多く(少なく)なる:
この場合における標的および参照は、いったん生物学的サンプルから抽出されると、上述した分析において、それぞれ標的および参照と等しい。開始サンプルは、標的および参照の相対量が維持されるように調製され、最初の項目において記載されたステップを行うことができる。最終的なPCR検出工程は、標的濃度が内部参照の濃度よりも大きいか否か、あるいは少ないか否かを検出する。この知見は、疾病または疾患の有無を決する指標になる。
標的濃度が閾値濃度Xよりも通常は少ない(多い)が、疾病の場合において、標的の濃度は、閾値濃度Xよりも多く(少なく)なる:
この場合における標的は、いったん生物学的サンプルから抽出されると、上述した分析における標的と等しい、参照は閾値濃度Xで加えられた外部標準である。開始サンプルは、標的および参照の相対量が維持されるように調製され、前述の項目において記載されたステップを行うことができる。最終的なPCR検出工程は、標的濃度が、閾値濃度Xである参照の濃度よりも多いか否か、あるいは少ないか否かを検出する。この知見は、疾病または疾患の有無を決する指標になる。
母系血清または血漿中に見出された遊離胎児DNAからのダウン症候群または他の遺伝子疾患の検出
20人の赤ん坊のうち1人は、遺伝病をもって生まれる。ダウン症は、750の出生中約1人に影響を与える最も一般的な染色体疾患である(表2)。ダウン症の発症は、女性が子供を産む平均年齢が増加するにつれて増加していく。
Figure 2008537676
ダウン症は、トリソミー21 −正常な2コピーの21番染色体に代わる3コピーの発生− によって引き起こされる。ダウン症の患者は、精神遅滞、心臓欠陥、若死および解剖学的奇形に苦しみ、大部分の患者は生涯にわたる治療を必要とする。彼らは、家族および社会に対して莫大な心情的、身体的および財政的負担をかける。それゆえ、多くの女性は、ダウン症の子供をこの世に生むことについて選択を欲するし、生むにしても心の中で準備をしておきたい。
ダウン症は、早期の検出が望まれる疾病の一例である。今日使用されている試験は、羊水穿刺、慢性的絨毛サンプリング(CVS)、臍の緒のサンプリング、胎児の生検、および母血清、尿、および超音波スクリーンである。
羊水穿刺は、母親の腹部を通した、胎児を囲む羊水の超音波にガイドされた針生検を必要とする侵襲性の試験である。羊水からの胎児細胞が培養され、染色体が蛍光in situ ハイブリダイゼーション(FISH)によって視覚化される。結果は、2〜4週間かかる。羊水穿刺は、妊娠15〜18週目でのみ推奨される。それは、流産の1%の可能性をもたらし、手足の障害の危険性をわずかながら増加させる。羊水穿刺は、99.3%の感度と99.9%の特異性を有すると推定される。
ダウン症の血清スクリーンは、特定の血清マーカーのレベルを測定する非侵襲的試験である。マーカーには、α-フェトタンパク質(AFP)、ヒト慢性的ゴナドトロピン(hCG)、非共役型エストリオール、インヒビンA、およびPAPP-Aが含まれる。大部分のマーカーは、妊娠16〜18週目での試験に使用され、これらの組み合わせは、95%特異性で75%未満の感度を有する。
1979年には、母血が胎児赤血球(fRBC)を含むことが発見されたが、商業的診断は今日までこの知見を利用してこなかった。1997年には、遊離胎児DNAもまた母血清および血漿中において見出された(米国特許第5,641,268号)。しかしながら、これらの胎児細胞およびDNAは、多量の母細胞およびDNAによって稀釈され(Lo et al., J. Hum Genet. 1998 62, 768-75)、胎児の遺伝子異常の検出を複雑にする。
それでもなお、母血清および血漿中に見出された遊離の胎児DNAは、平均して20〜25%までの平均相対濃度(母DNAと比較したときの)で存在すると仮定されてきた(Dhallan et al, JAMA 291:1114-1119, 2004. Benachi, Clin Chem 51:1-3, 2004. Lo et al, Am J Hum Genet 64:218-224, 1999.)。健康な母親とダウン症の胎児の20%胎児、80%母DNA混合物では、参照染色体含量、例えば、第10染色体DNA含量よりも第21染色体DNA含量が10%ほど多い。この10%の差異は、上述した方法によって検出することができる。
遊離のDNAを母血清または血漿からいったん単離すれば、上述した方法を行うことによって標的および参照配列の相対的量を決定することができる。例えば、ダウン症の検出には、21番目の染色体上の標的配列と任意の他の染色体、例えば10番目の染色体を選択する。有効な問題は、標的配列の濃度が、健康な胎児を示す参照配列の濃度と等しいか否か、あるいは標的配列を参照配列と比較して過剰に見出すことができるか否かである。上述した方法論の結果は、この相対的濃度の測定を提供し、母血サンプルから胎児ダウン症を検出する方法を提供する。この手法は、広範囲の類似の遺伝的疾患にも適用可能である。
本明細書中に記載された新規な方法をさらに指示する追加的方法および材料の記述は、2005年1月14日に出願された米国特許出願第11/036,833号および2004年10月27日に出願された米国特許出願第60/622,522号において提供され、両文献の全体が参照によって本明細書中に組み込まれる。
例1. 参照のビオチン固定化を使用する第10染色体配列と比較した第18染色体配列の量の検出
本明細書中に記載された方法は、次のように母血清中のトリソミー21の検出に適用される。使用される標的および参照プローブは、以下のとおりである(各配列の名称は図3のとおりである)。
18qの標的配列:
5'-
GAGGAGACCAGGGGCTCAAG

TGAGCCCCTCCGAGGGGATGGCTGTGCTGCAGCAGAGATATGACTAGAGACAACCCTCCT GGGCCGACTGCTAGAGAACA

GCAGCGCCACTGTTGCGTCT
- 3'(配列番号2)
上記配列中、第1のラインは図3に示した配列Aと等しく、第2および第3のラインは配列Bと等しく、また、第3のラインは配列pBとも等しく、第4のラインは配列Cと等しい。
10pの参照配列:
5'-
ACAAGCTGCAAGCTCACGAC

TTACCATTCCGTAACGCTTTTATGGGCTCTGATGACCGAGGT

CTCAATGTCGATTGGGTGGT
- 3'(配列番号3)
上記配列中、第1のラインは図3に示した配列Dと等しく、第2のラインは配列Eと等しく、第3のラインは配列Fと等しい。
上述した配列は、PCRによって最初に増幅される。使用されるプライマーは以下のとおりである:
標的のフォワードプライマー(A): 5'- GAGGAGACCAGGGGCTCAAG - 3'
(配列番号:4)
標的のリバースプライマー(c): 5' - AGACGCAACAGTGGCGCTGC - 3'
(配列番号:5)
参照のフォワードプライマー(D):5' - ACAAGCTGCAAGCTCACGAC - 3'
(配列番号:6)
参照のリバースプライマー(pBF'):5' - GGGCCGACTGCTAGAGAACA
ACCACCCAATCGACATTGAG? - 3'
(配列番号:7)
参照のリバースプライマーの最初の半分は、上述した標的配列の第3のラインの配列と等しい20bpの配列である。なお、これは、図3の配列pBでもある。
このPCR増幅工程について、450nMの各プライマーを含む10μlのプライマー溶液を加え、15μlの2×PCR混合物(例えば、Advanced BiotechnologiesバッファーIV)を加えた。例示的なPCRサイクルの条件は以下のとおりである:
a.15分間にわたって95℃ (必要に応じて活性化酵素)
b.以下のサイクル10〜20回
i) 20秒間にわたって94℃
ii) 30秒間にわたって55℃
iii) 40秒間にわたって72℃
c.4℃で維持
上述のPCR後の混合物を回収後、上述したように10μMの最終濃度で遮断配列を加える:
標的遮断配列(C):5'- GCAGCGCCACTGTTGCGTCT -3'(配列番号:8)
参照遮断配列(F):5'- CTCAATGTCGATTGGGTGGT -3'(配列番号:9)
これは、次の熱サイクルによって追従される:
d.15分間にわたって95℃(必要に応じて活性酵素)
e.次のステップを一回だけ行う:
i) 20秒間にわたって94℃
ii) 30秒間にわたって55℃
iii) 40秒間にわたって72℃
iv) 1時間にわたって55℃
v) 40秒間にわたって72℃
f.4℃で維持
非平衡化されたPCR混合物に対し、100μMの最終濃度で以下(Paz et al., J Med Chem, 47:3308-3319, 2004から引用した二量体の化学構造式)に示したマイトマイシン二量体を加える。
Figure 2008537676
マイトマイシン二量体を、酸性pH(pH 4.0)を使用して活性化し、架橋結合の最大の効率を達成するために3時間にわたってサンプルをインキュベートする。架橋結合のステップの後、中性のpHを回復し、後のPCR反応を可能にさせる。
上述したものからの架橋結合のサンプルのアリコートを、PCRの他の回において使用する。ここには、これまでのPCRのために必要なフォワードプライマーがすでに含まれており、2つの新しいリバースプライマーを加えるのみで足りる(図4)。
これらは、例えば:
R1 プライマー 5'- AGGAGGGTTGTCTCTAGTCA -3' (配列番号:10)
R2 プライマー 5'- AGGAGGGTTGTCTCTAGTCA -3' (配列番号:11)
架橋混合物内の新しいリバースプライマー、古いフォワードプライマーおよびサンプルのアリコートを使用して、等容積における2×PCR混合物を加え、マルチプレックスTaqmanプローブを使用して一回のリアルタイムPCRを行い、標的および配列プローブの相対的濃度を検出する。再度、サンプルPCRの熱サイクルが以下のとおりに行われる:
a.15分間にわたって95℃ (必要に応じて活性化酵素)
b.以下のサイクル50回:
i) 20秒間にわたって94℃
ii) 30秒間にわたって55℃
iii) 40秒間にわたって72℃
c.15秒間にわたって72℃で維持
d.4℃で維持。
他の実施態様
他の実施態様は当業者にとって明らかになるであろう。前述の詳述された説明は、本発明を明瞭化させるために与えたものであり、単なる一例に過ぎないことを理解すべきである。本発明の精神および範囲は、上述した例に限定されないが、以下の特許請求の範囲の各請求項に係る発明によって包含される。
図1は、一本鎖鋳型(ABC)および二本鎖相補鎖(C'B'A')を生み出すためのPCR反応の制御された遮断の概念図を示す。 図2は、架橋結合を使用して後のPCRまたは他の検出反応から二本鎖DNAを除去する方法の概念図を示す。 図3は、本出願前に可能であると思われたよりもはるかに少量の核酸含量中の差異を検出することができる単一チューブ関連増幅技術の概念図を示す。 図4は、二本鎖鋳型対の架橋結合後にPCRを使用して一本鎖鋳型の検出を行う実施態様の概念図を示す。

Claims (43)

  1. 以下の工程を含むポリメラーゼ連鎖反応を非平衡化する方法:
    (a)鋳型にハイブリダイズする第一のプライマーと鋳型の相補鎖にハイブリダイズする第二のプライマーとを使用してポリメラーゼ連鎖反応の一以上のサイクルを行うことによって、鋳型核酸配列およびその相補鎖を増幅する工程と;
    (b)第一のプライマーに相補的である遮断配列を加える工程(遮断配列は第一のプライマーの量と比較して過剰に加える)。
  2. 前記遮断配列、第1のプライマー、または第2のプライマーが、ハロゲン化されたヌクレオチドを含む請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、さらに以下の工程を含む方法:
    (c)第2のプライマーを鋳型鎖の相補鎖にアニーリングする工程と;
    (d)第2のプライマーを伸長する工程(鋳型鎖の相補鎖が二本鎖生成物に転換され、かつ鋳型鎖が一本鎖のままである)。
  4. 一本鎖および二本鎖核酸の両方を含む混合物中において一本鎖の鋳型核酸配列を選択的に増幅する方法であって、以下の工程を含む方法。
    (a)二本鎖核酸を混合物中において架橋結合する工程と;
    (b)鋳型にハイブリダイズする第一のプライマーと鋳型の相補鎖にハイブリダイズする第二のプライマーとを使用してポリメラーゼ連鎖反応の一以上のサイクルを行うことによって、一本鎖の鋳型核酸配列およびその相補鎖を増幅する工程。
  5. 前記二本鎖核酸が、ハロゲン化されたヌクレオチドを含む請求項4に記載の方法。
  6. 前記架橋結合が、紫外線光を使用して行われる請求項4に記載の方法。
  7. 前記架橋結合が、化学的架橋剤を使用して行われる請求項4に記載の方法。
  8. 前記化学的架橋剤が、マイトマイシン、カルジノフィリン、ビゼレシン、窒素マスタード、ネトロプシン、およびこれらの誘導体からなる群から選択される請求項7に記載の方法。
  9. 標的核酸および参照核酸がサンプル中により多量に存在することを決定する方法であって、以下の工程を含む方法:
    (a)標的のためのフォワードプライマーとリバースプライマー、および参照のためのフォワードプライマーとリバースプライマーとを使用するポリメラーゼ連鎖反応によって標的および参照核酸を増幅する工程(参照のためのリバースプライマーは標的配列の一部と同一である尾部配列を含む)と;
    (b)標的のためのリバースプライマーと相補的である第一の遮断配列を加え、かつ参照のためのリバースプライマーの一部(但し、尾部配列ではない)と相補的である第二の遮断配列を加える工程と;
    (c)一本鎖標的または参照の存在を検出する工程(一本鎖の標的の存在が、より多量の標的が最初のサンプル中に存在していたことを示し、かつ一本鎖の参照の存在が、より多量の参照が最初のサンプル中に存在していたことを示す)。
  10. 前記方法がさらに、第一および第二の遮断配列の添加後かつ検出の工程の前に、以下の工程を含む方法:
    標的のためのリバースプライマーを標的の相補鎖にアニーリングし;参照のためのリバースプライマーを参照の相補鎖にアニーリングし;かつ参照のためのリバースプライマーの尾部配列を標的にアニーリングする工程と;
    標的および参照のためのリバースプライマーと参照のためのリバースプライマーの尾部配列とを伸長させる工程(標的の相補鎖、参照の相補鎖、および標的の少なくとも一部および参照の少なくとも一部が各々、二本鎖生成物に転換され、かつ全ての過剰な標的または参照が一本鎖のままである)。
  11. 前記二本鎖核酸が、ハロゲン化されたヌクレオチドを含む請求項10に記載の方法。
  12. 前記二本鎖核酸が、第一および第二の遮断配列の添加後かつ検出の工程の前に架橋結合される請求項9に記載の方法。
  13. 前記架橋結合が、紫外線光を使用して行われる請求項12に記載の方法。
  14. 前記架橋結合が、化学的架橋剤を使用して行われる請求項12に記載の方法。
  15. 前記化学的架橋剤が、マイトマイシン、カルジノフィリン、ビゼレシン、窒素マスタード、ネトロプシン、およびこれらの誘導体からなる群から選択される請求項14に記載の方法。
  16. 前記検出の工程が、ポリメラーゼ連鎖反応を使用して行われる請求項9に記載の方法。
  17. 前記検出の工程が、蛍光、キャピラリー電気泳動法、放射活性、または酵素活性を使用して行われる請求項9に記載の方法。
  18. 前記サンプルが、生物学的サンプルである請求項9に記載の方法。
  19. 前記生物学的サンプルが、血液、血清、血漿、生検、粘液、塗抹、細胞培養液、RNA、およびcDNAからなる群から選択される請求項18に記載の方法。
  20. 前記サンプルが、生物学的サンプルではない請求項9に記載の方法。
  21. 前記サンプルが、妊娠女性から得られる請求項18に記載の方法。
  22. 前記標的または参照の核酸配列が、胎児の核酸配列である請求項21に記載の方法。
  23. 前記標的および参照の核酸配列の量における差異が、胎児の染色体異常に関係する請求項22に記載の方法。
  24. 前記差異が、胎児のダウン症に関係する請求項23に記載の方法。
  25. 前記差異が、胎児のターナー症候群、エドワード症候群、パトー症候群、クラインフェルター症候群、3倍X症候群、またはXYY症候群に関係する請求項23に記載の方法。
  26. 標的および参照の核酸配列の量における差異が、異数体に関係する請求項9に記載の方法。
  27. 前記異数体が、癌に関係する請求項26に記載の方法。
  28. 標的核酸および参照核酸がサンプル中により多量に存在することを決定する方法であって、以下の工程を含む方法:
    (a)ポリメラーゼ連鎖反応の一以上のサイクルを行うことによって、標的および参照核酸を増幅する工程と;
    (b)ポリメラーゼ連鎖反応を非平衡化し、一本鎖および二本鎖標的核酸の両方を含む、増幅生成物の混合物を提供する工程と;
    (c)混合物中の二本鎖核酸を架橋結合する工程と;
    (d)一本鎖標的または参照の存在を検出する工程(一本鎖の標的の存在が、より多量の標的が最初のサンプル中に存在していたことを示し、かつ一本鎖の参照の存在が、より多量の参照が最初のサンプル中に存在していたことを示す)。
  29. 前記架橋結合が、紫外線光を使用して行われる請求項28に記載の方法。
  30. 前記架橋結合が、化学的架橋剤を使用して行われる請求項29に記載の方法。
  31. 前記化学的架橋剤が、マイトマイシン、カルジノフィリン、ビゼレシン、窒素マスタード、ネトロプシン、およびこれらの誘導体からなる群から選択される請求項30に記載の方法。
  32. 前記検出の工程が、ポリメラーゼ連鎖反応を使用して行われる請求項28に記載の方法。
  33. 前記検出の工程が、蛍光、キャピラリー電気泳動法、放射活性、または酵素活性を使用して行われる請求項28に記載の方法。
  34. 前記サンプルが、生物学的サンプルである請求項28に記載の方法。
  35. 前記生物学的サンプルが、血液、血清、血漿、生検、粘液、塗抹、細胞培養液、RNA、およびcDNAからなる群から選択される請求項34に記載の方法。
  36. 前記サンプルが、生物学的サンプルではない請求項28に記載の方法。
  37. 前記サンプルが、妊娠した女性から得られる請求項35に記載の方法。
  38. 前記標的または参照の核酸配列が、胎児の核酸配列である請求項37に記載の方法。
  39. 前記標的および参照の核酸配列の量における差異が、胎児の染色体異常に関係する請求項38に記載の方法。
  40. 前記差異が、胎児のダウン症に関係する請求項39に記載の方法。
  41. 前記差異が、胎児のターナー症候群、エドワード症候群、パトー症候群、クラインフェルター症候群、3倍X症候群、またはXYY症候群に関係する請求項39に記載の方法。
  42. 標的および参照の核酸配列の量における差異が、異数体に関係する請求項28に記載の方法。
  43. 前記異数体が、癌に関係する請求項42に記載の方法。
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