JP2004357812A - 半身起床ベッド - Google Patents
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Abstract
【課題】上半身支持フレームを起立動作させた時に使用者の体位に無理がかかったり、身体が前方へずれるのを防止して、快適に使用可能とする。
【解決手段】上半身フレーム30を起伏動作させる背起こし機構60が、互いに平行な状態で揺動されるガイドアーム61,62と、このガイドアーム61,62の揺動部に跨って連結されると共に上半身フレーム30端部に相対回転可能に連結されてガイドアーム61,62の揺動方向へ併進運動する併進リンク63と、駆動装置66により俯仰回転されて上半身フレーム30を支持する駆動アーム64とを備え、併進リンク63と上半身フレーム30との連結部60eが、下半身フレーム20の上面よりも高い位置を仮想軸心Oとする円弧状軌跡を描いて移動され、上半身フレーム30の起立時に上半身マットレス50が下半身マットレス40から離間される。
【選択図】 図1
【解決手段】上半身フレーム30を起伏動作させる背起こし機構60が、互いに平行な状態で揺動されるガイドアーム61,62と、このガイドアーム61,62の揺動部に跨って連結されると共に上半身フレーム30端部に相対回転可能に連結されてガイドアーム61,62の揺動方向へ併進運動する併進リンク63と、駆動装置66により俯仰回転されて上半身フレーム30を支持する駆動アーム64とを備え、併進リンク63と上半身フレーム30との連結部60eが、下半身フレーム20の上面よりも高い位置を仮想軸心Oとする円弧状軌跡を描いて移動され、上半身フレーム30の起立時に上半身マットレス50が下半身マットレス40から離間される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体の上半身を支持する部分のフレームが起伏動作することによって、利用者が上半身を起こしたり横臥した状態で使用することのできる半身起床ベッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば身体の不自由な人や高齢者等が利用するベッドの一種として、上半身を支持するフレームを起伏動作可能とすることによって、利用者がベッド上に居ながらにして、上半身を起こし、食事をしたり読書をしたりすることができ、ベッドから起き出す場合も便利な半身起床ベッドがある。そしてこの種の背起こし機構を有する半身起床ベッドの典型的な従来例としては、例えば特許文献1に示されるようなものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−222652
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の半身起床ベッドに更なる改良を加え、上半身支持フレームを起立動作させた時に使用者の体位に無理がかかったり、身体が前方へずれるのを防止して、快適に使用可能とすることを技術的課題としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る半身起床ベッドは、下半身フレーム及びこの下半身フレームに支持される下半身マットレスと、上半身フレーム及びこの上半身フレームに支持され前記下半身マットレスと分離した上半身マットレスと、前記上半身フレームを起伏動作させる背起こし機構を備え、この背起こし機構が、互いに平行な状態で揺動される複数のガイドアームと、この複数のガイドアームの揺動部に跨って相対回転可能に連結されると共に上半身フレームの下半身フレーム側の端部に相対回転可能に連結されて前記ガイドアームの揺動方向へ併進運動する併進リンクと、駆動装置により俯仰回転可能であって前記上半身フレームを支持する駆動アームとを備え、前記併進リンクと上半身フレームとの連結部が、前記下半身フレームの上面よりも高い位置を仮想軸心とする円弧状軌跡を描くように移動され、前記上半身フレームの起立時に前記上半身マットレスが前記下半身マットレスから離間されるものである。
【0006】
請求項2の発明に係る半身起床ベッドは、請求項1に記載の構成において、下半身フレームが互いに屈伸動作可能に連結された中間フレーム及び下脚部フレームを備え、背起こし機構の背起こし動作に連動して前記下脚部フレームを隆起させる膝起こし機構を備えるものである。
【0007】
請求項3の発明に係る半身起床ベッドは、請求項1又は2に記載の構成において、上半身フレームが互いに所定の角度範囲で屈伸動作可能に連結された腰部フレーム及び背部フレームからなるものである。
【0008】
請求項4の発明に係る半身起床ベッドは、請求項1〜3のいずれかに記載の構成において、駆動装置が、上半身フレームを倒す方向に対しては、起立させる方向への駆動速度よりも低速で駆動するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る半身起床ベッドの好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1はこの形態による半身起床ベッドにおいて、上半身フレーム30を起立させた状態を示す説明図、図2は図1の半身起床ベッドにおける背起こし機構60を示す説明図、図3は図1の半身起床ベッドにおける背起こし機構60の動作軌跡を示す説明図、図4は図1の半身起床ベッドにおいて、上半身フレーム30を水平に倒した状態を示す説明図、図5は図1の半身起床ベッドにおいて、上半身フレーム30を背部フレーム31のみが持ち上がった状態とした説明図である。
【0010】
まず図1に示されるように、この半身起床ベッドは、基台フレーム10と、この基台フレーム10上に配置された下半身フレーム20及び上半身フレーム30と、下半身フレーム20及び上半身フレーム30のそれぞれに敷設され互いに分離した下半身マットレス40及び上半身マットレス50と、上半身フレーム30を起伏動作させる背起こし機構60と、この背起こし機構60と連動して下半身フレーム20を隆起させる膝起こし機構70とを備える。なお、図には利用者の身体が一点鎖線で示されており、Aは頭部、Bは背部、Cは腰部、Dは臀部、Eは大腿部、Fは膝部、Gは下脚部である。
【0011】
下半身フレーム20は、利用者の臀部Dから下脚部Gにかけての下半身を支持できる長さ及び幅を有するもので、基台フレーム10における所定の高さにほぼ水平に固定されて利用者の臀部Dと対応する位置にある座部フレーム21と、この座部フレーム21における上半身フレーム30と反対側の端部にヒンジ20aを介して回転可能に連結され、利用者の大腿部Eと対応する位置にある中間フレーム22と、更にこの中間フレーム22における座部フレーム21と反対側の端部に利用者の膝部Fとほぼ対応する位置でヒンジ20bを介して互いに屈伸動作可能に連結され、利用者の下脚部Gと対応する位置にある下脚部フレーム23とからなる。
【0012】
一方、上半身フレーム30は、利用者の頭部Aから腰部Cまでの上半身を、余裕をもって支持できる長さ及び幅を有するもので、略水平に倒れた状態では下半身フレーム20の座部フレーム21と略同等の高さに支持される。また、この上半身フレーム30は、頭部A及び背部Bに対応する位置にある背部フレーム31と、腰部Cに対応する位置にある腰部フレーム32からなり、ヒンジ30aを介して、所定の角度範囲で互いに屈伸動作可能に連結されている。
【0013】
下半身マットレス40及び上半身マットレス50は、良く知られたベッド用マットレスとしての構造を有する。また、このうち下半身マットレス40は、下半身フレーム20における座部フレーム21上に敷設され利用者の臀部Dを受ける座部マットレス41と、下半身フレーム20における中間フレーム22及び下脚部フレーム23の上に跨って敷設され利用者の大腿部Eから下脚部Gにかけての部分を受ける脚部マットレス42からなり、互いに分離されている。
【0014】
背起こし機構60は、図2に最も明確に示されるように、一対のガイドアーム61,62と、併進リンク63と、駆動アーム64と、リンクアーム65と、油圧アクチュエータ66とからなる。
【0015】
ガイドアーム61,62は、互いに同じ長さであってそれぞれ一端が、基台フレーム10の上部枠11における座部フレーム21の固定位置に、軸心が当該ベッドの幅方向に延びる支持ピン60a,60bを介して回転可能に連結されている。併進リンク63は水平部63a及び立上り部63bからなり、水平部63aがガイドアーム61,62の揺動端部にリンクピン60c,60dを介して相対回転可能に連結されると共に、立上り部63bの上端部が、上半身フレーム30における腰部フレーム32の基部(背部フレーム31と反対側の端部)にリンクピン60eを介して相対回転可能に連結されている。駆動アーム64は、基台フレーム10の上部枠11に支持ピン60fを中心として回転可能に取り付けられており、この支持ピン60fによる連結部から上半身フレーム30の背面側へ延びる第一アーム部64aと、前記連結部から第一アーム部64aに対して適当な角度をなして延びる第二アーム部64bと、第一アーム部64aの先端に設けられて上半身フレーム30における背部フレーム31の背面に転動可能に当接される支持ローラ64cとからなる。リンクアーム65は、一端がリンクピン60gを介して併進リンク63における水平部63aの端部に連結され、他端がリンクピン60hを介して駆動アーム64における第一アーム部64aの中間位置に連結されている。
【0016】
油圧アクチュエータ66は、請求項1に記載された駆動装置に相当するものであって、図示されていない油圧ポンプによる圧油の給排により、ピストンロッド66aを軸方向往復動作させるものである。ピストンロッド66aは屈曲可能に構成されており、その先端が、リンクピン60iを介して、駆動アーム64における第二アーム部64bの揺動端に相対回転可能に連結されている。また、油圧アクチュエータ66を駆動させる油圧ポンプは、図示されていない制御装置を介して制御されている。
【0017】
上記背起こし機構60において、支持ピン60a,60b間の距離と、リンクピン60c,60d間の距離は同等であり、ガイドアーム61における支持ピン60aとリンクピン60c間の距離と、ガイドアーム62における支持ピン60bとリンクピン60d間の距離は同等である。このため、図3に示されるように、ガイドアーム61,62は、常に互いに平行な状態を保持しつつ、リンクピン60c,60dが支持ピン60a,60bを中心とする同一半径rの円弧状軌跡R1,R2を描くように、揺動可能となっている。またこのため、併進リンク63は、その各部が半径rの円弧状軌跡を描くように併進運動される。
【0018】
したがって、併進リンク63における立上り部63bの上端部と上半身フレーム30における腰部フレーム32の基部とを連結しているリンクピン60eは、仮想軸心Oを中心として、リンクピン60c,60dの円弧状軌跡R1,R2と同一半径rの円弧状軌跡R3を描くように移動される。また、前記仮想軸心Oは、図1に示されるように、下半身フレーム20よりも上側、更に詳しくは、下半身マットレス40における座部マットレス41と、上半身マットレス50との間で、かつ前記座部マットレス41の上面より僅かに高い位置にある。そしてこの位置は、利用者の骨盤あるいは腰部脊椎の位置とほぼ一致するものである。
【0019】
なお、図3において、参照符号R4は支持ローラ64cの移動軌跡、R5はリンクピン60hの移動軌跡であり、これら支持ローラ64c及びリンクピン60hは、駆動アーム64に設けられているため、その軌跡は、共に支持ピン60fを中心とする円弧状をなす。
【0020】
膝起こし機構70は、図1に示されるように、下半身フレーム20の下側にあって、一対の膝起こしアーム71,72と、水平アーム73と、リンクアーム74からなる。
【0021】
膝起こしアーム71,72は互いに同じ長さであって、それぞれ下端が基台フレーム10の下部枠12に軸心が当該ベッドの幅方向に延びる支持ピン70a,70bを介して回転可能に取り付けられ、上端に、下半身フレーム20における下脚部フレーム23の下面に転動可能に当接される支持ローラ71a,72aが設けられている。水平アーム73は、両端がリンクピン70c,70dを介して膝起こしアーム71,72における互いに対応する位置に連結されており、リンクピン70c,70d間の距離は、支持ピン70a,70b間の距離と同一である。リンクアーム74は、一端が背起こし機構60寄りの膝起こしアーム71にリンクピン70eを介して連結され、他端が背起こし機構60における駆動アーム64の第二アーム部64bの揺動端に、リンクピン60iを介して油圧アクチュエータ66のピストンロッド66aと共に連結されている。
【0022】
このため、油圧アクチュエータ66のピストンロッド66aの駆動によってリンクアーム74が変位すると、水平アーム73で互いに連結された一対の膝起こしアーム71,72が、互いに平行な状態支持ピン70a,70bを中心として揺動し、すなわちその上端の支持ローラ71a,72aが、支持ピン70a,70bを中心とする互いに同一半径の円弧状軌跡を描いて移動しながら下半身フレーム20における下脚部フレーム23を隆起又は沈降させるものである。
【0023】
以上の構成において、図4に示されるように、上半身フレーム30が完全に倒れた状態にあるときは、この上半身フレーム30における背部フレーム31と腰部フレーム32は、基台フレーム10における上部枠11上に水平に並んだ状態に支持されている。一方、膝起こし機構70における膝起こしアーム71,72も倒れた状態にあって、下半身フレーム20の座部フレーム21,中間フレーム22及び下脚部フレーム23が前記上部枠11上に水平に並んだ状態に支持されている。このため、下半身マットレス40及び上半身マットレス50も水平であり、利用者は通常のベッドと同様に横臥することができる。
【0024】
なお、このとき利用者は、臀部Dから下脚部Gまでの下半身が下半身マットレス40(座部マットレス41及び脚部マットレス42)上に、また頭部Aから腰部Cまでの上半身が上半身マットレス50上に位置するように横臥する。また、図示は省略してあるが、下半身マットレス40及び上半身マットレス50上には、両マットレス40,50上に跨って連続したマットが敷設される。
【0025】
次に、利用者が上半身を起こす場合は、背起こし機構60を起動させ、すなわち図示されていない操作部のスイッチ操作によって、油圧アクチュエータ66を、そのピストンロッド66aを突出させる方向へ駆動させると、このピストンロッド66aの先端にリンクピン60iを介して第二アーム部64bが連結された駆動アーム64が、支持ピン60fを中心として時計回りの方向へ回転する。そしてこの駆動アーム64の第一アーム部64aに設けられた支持ローラ64cが図3に示される円弧状軌跡R4を描いて動作し、上半身フレーム30の背面を持ち上げる。
【0026】
一方、駆動アーム64が、図4に示される状態から、支持ピン60fを中心に図中時計回りの方向へ回転する過程では、この駆動アーム64の第一アーム部64aにリンクアーム65を介して引かれる併進リンク63が、互いに平行なガイドアーム61,62により移動を案内されて、図3に示されるように、半径rの円弧状軌跡を描くように時計回りの方向へ併進運動することになる。このため、上半身フレーム30における腰部フレーム32の端部と併進リンク63との連結部(リンクピン60e)は、仮想軸心Oを中心とする半径rの円周R3上を、時計回りの方向へリンクピン60c,60dの移動軌跡と等距離だけ移動する。
【0027】
したがって、上半身フレーム30は、その背部フレーム31が、油圧アクチュエータ66によって回転する駆動アーム64の支持ローラ64cで背面を持ち上げられると共に、前記上半身フレーム30における腰部フレーム31と併進リンク63との連結部(リンクピン60e)が、利用者の骨盤あるいは腰部脊椎の位置にある仮想軸心Oを中心とする半径rの円弧状軌跡R3を描くように押し上げられる。またこのため、上半身フレーム30上の上半身マットレス50は、その下半身マットレス40(座部マットレス41)側の上縁部50aが、図1に示されるように、座部マットレス41から離れていく。したがって、利用者は上半身マットレス50を介して背中を押し上げられて上半身を起こされていき、その過程で、腰部C及び臀部Dの圧迫が有効に防止される。
【0028】
ここで、上半身フレーム30における背部フレーム31と腰部フレーム32は、ヒンジ30aを介して互いに僅かな角度だけ屈曲可能に連結されたものであるため、駆動アーム64の支持ローラ64cによる支持部と、併進リンク63による支持部(リンクピン60e)との間に利用者の上半身の重量が作用していることによって、図4に示される水平状態からの起立動作開始時に、図3に斜線ハッチングを付して示されるように互いに屈曲した状態となり、これに倣って上半身マットレス50が撓む。通常、人体は、上半身を起こした時に、図1に示されるように、腰部Cから背部Bにかけて、やや屈んだ姿勢となるのが自然であり、このため、上述のように背部フレーム31と腰部フレーム32が互いに屈曲することによって、楽な姿勢で上半身を起こすことができる。
【0029】
なお、上半身フレーム30におけるヒンジ30aは、背部フレーム31と腰部フレーム32の屈曲を所定角度までの範囲に制限しているため、過度に屈曲することはない。
【0030】
一方、背起こし機構60による上半身フレーム30の起立過程では、これに連動して膝起こし機構70が下半身フレーム20の下脚部フレーム23に対する押上げ動作を行う。すなわち、図4に示される状態から、油圧アクチュエータ66のピストンロッド66aが突出動作して背起こし機構60による上半身フレーム30の起立動作が開始されると、これに伴って、ピストンロッド66aの先端にリンクピン60iを介して駆動アーム64と共に連結されたリンクアーム74が膝起こしアーム71を図4における反時計方向へ引き起こす。この膝起こしアーム71は、水平アーム73を介して他方の膝起こしアーム72と連結されているので、両膝起こしアーム71,72は、互いに平行な状態を保持しながら、支持ピン70a,70bを中心として引き起こされ、その先端の支持ローラ71a,72aが、下半身フレーム20における下脚部フレーム23の下面を転動しながら、この下脚部フレーム23の水平状態を保持した状態で押し上げる。
【0031】
また、下脚部フレーム23と、基台フレーム10上に固定された座部フレーム21との間には、中間フレーム22がヒンジ20a,20bを介して可動状態に連結されているので、膝起こし機構70による下脚部フレーム23の上昇変位に伴って、この中間フレーム22がヒンジ20aを中心に反時計方向へ揺動する。このため、下半身フレーム20は、上述した膝起こし機構70の動作に伴って、座部フレーム21と中間フレーム22の相対角度及び中間フレーム22と下脚部フレーム23の相対角度が互いに等しい錯角をなしながら、下脚部フレーム23及び図1に示される膝起こし状態に変形される。
【0032】
したがって、当該ベッド上の利用者は、図1に示されるように、上半身フレーム30の起立動作によって上半身を起こされる過程で、下半身フレーム20における中間フレーム22及び下脚部フレーム23の隆起動作によって、大腿部E及び下脚部Gが適当に持ち上げられる。このため、上半身が起こされるのに伴って腰部Cや臀部Dが前方へずれるのを防止することができる。また、利用者が図1に示される起床状態を長時間継続しているときの、腰部Cや臀部Dのずれも、有効に防止することができる。
【0033】
なお、図1に示される最大の起立角度まで上半身フレーム30を起立させたときの、下脚部フレーム23の上昇高さは、10cm程度とする。
【0034】
次に、図1の半身起床状態から、図示されていない操作部のスイッチ操作によって、油圧アクチュエータ66を、そのピストンロッド66aをシリンダ内へ没入させる方向へ駆動させれば、背起こし機構60及び膝起こし機構70における各部は、上述の起立過程とは逆の方向へ動作するので、図4に示される水平状態に戻すことができる。
【0035】
また、一般に、上半身が完全な水平状態となるように横臥するよりも、頭部A側が僅かに高くなるように傾斜した状態で横臥したときに最も寝心地が良いと言われている。したがって、図5に示されるように、上半身フレーム30を、その背部フレーム31のみが持ち上がった状態で油圧アクチュエータ66の駆動を固定しておけば、利用者は最良の寝心地を得ることができる。
【0036】
なお、背起こし機構60には、油圧アクチュエータ66等による駆動装置に加え、上半身フレーム30(背部フレーム31)に対する持ち上げ力を補助するためのエアスプリング等を付加しても良い。
【0037】
また、油圧アクチュエータ66にオイルを給排する油圧ポンプは、図示されていない制御装置によって、上半身フレーム30を倒す時の駆動速度を、起立させる時の速度よりも低速となるように切換制御することができる。この場合、起立させる時と倒す時とで異なるモータで油圧ポンプを駆動させるようにしても良いし、供給電力を変えることによってモータの回転数を変えても良いし、減速機で回転数を変えるようにしても良い。そして、このようにすれば、例えば操作パネルのスイッチ操作で「安眠コース」を選択することによって、油圧アクチュエータ66のピストンロッド66aの没入動作速度を、突出動作速度よりも著しく低速とすることができるので、上半身フレーム30は、利用者が身体に感じない程度のきわめて緩やかな速度で倒れて行き、数分〜数十分かかって、図4又は図5に示される状態となる。
【0038】
また、上述のように操作パネルのスイッチ操作で例えば「安眠コース」を選択した場合には、図示されていないタイマがカウントダウンを開始し、予めこのタイマによって設定された時刻に、テレビ、オーディオ機器あるいは照明灯がOFFになるようにすることも好ましい。この場合は、テレビを観たり、オーディオ機器で音楽を聴きながら、自分でも感じないほどの微速度で上半身が倒れて行くことによって、自然に眠りに就くことができ、設定時刻になれば、テレビ又はオーディオ機器の電源が自動的にOFFになり、消灯される。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る半身起床ベッドによると、背起こし機構によって、上半身フレームにおける下半身フレーム側の端部が、下半身フレームの上面よりも高い位置を仮想軸心とする円弧状軌跡を描くように移動されて、上半身マットレスが下半身マットレスから離間するように動作するため、上半身フレームを起立動作させる過程で、利用者の腰部が前方へ押し出されたり圧迫されるのを防止することができる。
【0040】
請求項2の発明に係る半身起床ベッドによると、上半身フレームを起立動作させる過程で、膝起こし機構によって、下半身フレームにおける中間フレーム及び下脚部フレームが隆起して利用者の脚部を持ち上げるため、上半身支持フレームを起立動作させる過程、あるいは長時間にわたって上半身を起こした状態を維持している過程で、腰部や臀部が前方へずれるのを一層有効に防止することができる。
【0041】
請求項3の発明に係る半身起床ベッドによると、上半身フレームの起立時に、この上半身フレームにおける背部フレームと腰部フレームが、制限された角度で互いに屈曲するため、利用者は楽な姿勢で上半身を起こすことができる。
【0042】
請求項4の発明に係る半身起床ベッドによると、上半身を起こした状態から、上半身フレームを極めて低速で倒すことによって、上半身をゆっくり倒しながら自然に眠りに就くのに有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態による半身起床ベッドにおいて、上半身フレームを起立させた状態を示す説明図である。
【図2】図1の半身起床ベッドにおける背起こし機構を示す説明図である。
【図3】図1の半身起床ベッドにおける背起こし機構の動作軌跡を示す説明図である。
【図4】図1の半身起床ベッドにおいて、上半身フレームを水平に倒した状態を示す説明図である。
【図5】図1の半身起床ベッドにおいて、上半身フレームを背部フレームのみが持ち上がった状態とした説明図である。
【符号の説明】
10 基台フレーム
20 下半身フレーム
21 座部フレーム
22 中間フレーム
23 下脚部フレーム
30 上半身フレーム
31 背部フレーム
32 腰部フレーム
40 下半身マットレス
41 座部マットレス
42 脚部マットレス
50 上半身マットレス
60 背起こし機構
60e リンクピン(併進リンクと上半身フレームとの連結部)
61,62 ガイドアーム
63 併進リンク
64 駆動アーム
65,74 リンクアーム
66 油圧アクチュエータ(駆動装置)
70 膝起こし機構
71,72 膝起こしアーム
73 水平アーム
O 仮想軸心
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体の上半身を支持する部分のフレームが起伏動作することによって、利用者が上半身を起こしたり横臥した状態で使用することのできる半身起床ベッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば身体の不自由な人や高齢者等が利用するベッドの一種として、上半身を支持するフレームを起伏動作可能とすることによって、利用者がベッド上に居ながらにして、上半身を起こし、食事をしたり読書をしたりすることができ、ベッドから起き出す場合も便利な半身起床ベッドがある。そしてこの種の背起こし機構を有する半身起床ベッドの典型的な従来例としては、例えば特許文献1に示されるようなものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−222652
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の半身起床ベッドに更なる改良を加え、上半身支持フレームを起立動作させた時に使用者の体位に無理がかかったり、身体が前方へずれるのを防止して、快適に使用可能とすることを技術的課題としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る半身起床ベッドは、下半身フレーム及びこの下半身フレームに支持される下半身マットレスと、上半身フレーム及びこの上半身フレームに支持され前記下半身マットレスと分離した上半身マットレスと、前記上半身フレームを起伏動作させる背起こし機構を備え、この背起こし機構が、互いに平行な状態で揺動される複数のガイドアームと、この複数のガイドアームの揺動部に跨って相対回転可能に連結されると共に上半身フレームの下半身フレーム側の端部に相対回転可能に連結されて前記ガイドアームの揺動方向へ併進運動する併進リンクと、駆動装置により俯仰回転可能であって前記上半身フレームを支持する駆動アームとを備え、前記併進リンクと上半身フレームとの連結部が、前記下半身フレームの上面よりも高い位置を仮想軸心とする円弧状軌跡を描くように移動され、前記上半身フレームの起立時に前記上半身マットレスが前記下半身マットレスから離間されるものである。
【0006】
請求項2の発明に係る半身起床ベッドは、請求項1に記載の構成において、下半身フレームが互いに屈伸動作可能に連結された中間フレーム及び下脚部フレームを備え、背起こし機構の背起こし動作に連動して前記下脚部フレームを隆起させる膝起こし機構を備えるものである。
【0007】
請求項3の発明に係る半身起床ベッドは、請求項1又は2に記載の構成において、上半身フレームが互いに所定の角度範囲で屈伸動作可能に連結された腰部フレーム及び背部フレームからなるものである。
【0008】
請求項4の発明に係る半身起床ベッドは、請求項1〜3のいずれかに記載の構成において、駆動装置が、上半身フレームを倒す方向に対しては、起立させる方向への駆動速度よりも低速で駆動するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る半身起床ベッドの好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1はこの形態による半身起床ベッドにおいて、上半身フレーム30を起立させた状態を示す説明図、図2は図1の半身起床ベッドにおける背起こし機構60を示す説明図、図3は図1の半身起床ベッドにおける背起こし機構60の動作軌跡を示す説明図、図4は図1の半身起床ベッドにおいて、上半身フレーム30を水平に倒した状態を示す説明図、図5は図1の半身起床ベッドにおいて、上半身フレーム30を背部フレーム31のみが持ち上がった状態とした説明図である。
【0010】
まず図1に示されるように、この半身起床ベッドは、基台フレーム10と、この基台フレーム10上に配置された下半身フレーム20及び上半身フレーム30と、下半身フレーム20及び上半身フレーム30のそれぞれに敷設され互いに分離した下半身マットレス40及び上半身マットレス50と、上半身フレーム30を起伏動作させる背起こし機構60と、この背起こし機構60と連動して下半身フレーム20を隆起させる膝起こし機構70とを備える。なお、図には利用者の身体が一点鎖線で示されており、Aは頭部、Bは背部、Cは腰部、Dは臀部、Eは大腿部、Fは膝部、Gは下脚部である。
【0011】
下半身フレーム20は、利用者の臀部Dから下脚部Gにかけての下半身を支持できる長さ及び幅を有するもので、基台フレーム10における所定の高さにほぼ水平に固定されて利用者の臀部Dと対応する位置にある座部フレーム21と、この座部フレーム21における上半身フレーム30と反対側の端部にヒンジ20aを介して回転可能に連結され、利用者の大腿部Eと対応する位置にある中間フレーム22と、更にこの中間フレーム22における座部フレーム21と反対側の端部に利用者の膝部Fとほぼ対応する位置でヒンジ20bを介して互いに屈伸動作可能に連結され、利用者の下脚部Gと対応する位置にある下脚部フレーム23とからなる。
【0012】
一方、上半身フレーム30は、利用者の頭部Aから腰部Cまでの上半身を、余裕をもって支持できる長さ及び幅を有するもので、略水平に倒れた状態では下半身フレーム20の座部フレーム21と略同等の高さに支持される。また、この上半身フレーム30は、頭部A及び背部Bに対応する位置にある背部フレーム31と、腰部Cに対応する位置にある腰部フレーム32からなり、ヒンジ30aを介して、所定の角度範囲で互いに屈伸動作可能に連結されている。
【0013】
下半身マットレス40及び上半身マットレス50は、良く知られたベッド用マットレスとしての構造を有する。また、このうち下半身マットレス40は、下半身フレーム20における座部フレーム21上に敷設され利用者の臀部Dを受ける座部マットレス41と、下半身フレーム20における中間フレーム22及び下脚部フレーム23の上に跨って敷設され利用者の大腿部Eから下脚部Gにかけての部分を受ける脚部マットレス42からなり、互いに分離されている。
【0014】
背起こし機構60は、図2に最も明確に示されるように、一対のガイドアーム61,62と、併進リンク63と、駆動アーム64と、リンクアーム65と、油圧アクチュエータ66とからなる。
【0015】
ガイドアーム61,62は、互いに同じ長さであってそれぞれ一端が、基台フレーム10の上部枠11における座部フレーム21の固定位置に、軸心が当該ベッドの幅方向に延びる支持ピン60a,60bを介して回転可能に連結されている。併進リンク63は水平部63a及び立上り部63bからなり、水平部63aがガイドアーム61,62の揺動端部にリンクピン60c,60dを介して相対回転可能に連結されると共に、立上り部63bの上端部が、上半身フレーム30における腰部フレーム32の基部(背部フレーム31と反対側の端部)にリンクピン60eを介して相対回転可能に連結されている。駆動アーム64は、基台フレーム10の上部枠11に支持ピン60fを中心として回転可能に取り付けられており、この支持ピン60fによる連結部から上半身フレーム30の背面側へ延びる第一アーム部64aと、前記連結部から第一アーム部64aに対して適当な角度をなして延びる第二アーム部64bと、第一アーム部64aの先端に設けられて上半身フレーム30における背部フレーム31の背面に転動可能に当接される支持ローラ64cとからなる。リンクアーム65は、一端がリンクピン60gを介して併進リンク63における水平部63aの端部に連結され、他端がリンクピン60hを介して駆動アーム64における第一アーム部64aの中間位置に連結されている。
【0016】
油圧アクチュエータ66は、請求項1に記載された駆動装置に相当するものであって、図示されていない油圧ポンプによる圧油の給排により、ピストンロッド66aを軸方向往復動作させるものである。ピストンロッド66aは屈曲可能に構成されており、その先端が、リンクピン60iを介して、駆動アーム64における第二アーム部64bの揺動端に相対回転可能に連結されている。また、油圧アクチュエータ66を駆動させる油圧ポンプは、図示されていない制御装置を介して制御されている。
【0017】
上記背起こし機構60において、支持ピン60a,60b間の距離と、リンクピン60c,60d間の距離は同等であり、ガイドアーム61における支持ピン60aとリンクピン60c間の距離と、ガイドアーム62における支持ピン60bとリンクピン60d間の距離は同等である。このため、図3に示されるように、ガイドアーム61,62は、常に互いに平行な状態を保持しつつ、リンクピン60c,60dが支持ピン60a,60bを中心とする同一半径rの円弧状軌跡R1,R2を描くように、揺動可能となっている。またこのため、併進リンク63は、その各部が半径rの円弧状軌跡を描くように併進運動される。
【0018】
したがって、併進リンク63における立上り部63bの上端部と上半身フレーム30における腰部フレーム32の基部とを連結しているリンクピン60eは、仮想軸心Oを中心として、リンクピン60c,60dの円弧状軌跡R1,R2と同一半径rの円弧状軌跡R3を描くように移動される。また、前記仮想軸心Oは、図1に示されるように、下半身フレーム20よりも上側、更に詳しくは、下半身マットレス40における座部マットレス41と、上半身マットレス50との間で、かつ前記座部マットレス41の上面より僅かに高い位置にある。そしてこの位置は、利用者の骨盤あるいは腰部脊椎の位置とほぼ一致するものである。
【0019】
なお、図3において、参照符号R4は支持ローラ64cの移動軌跡、R5はリンクピン60hの移動軌跡であり、これら支持ローラ64c及びリンクピン60hは、駆動アーム64に設けられているため、その軌跡は、共に支持ピン60fを中心とする円弧状をなす。
【0020】
膝起こし機構70は、図1に示されるように、下半身フレーム20の下側にあって、一対の膝起こしアーム71,72と、水平アーム73と、リンクアーム74からなる。
【0021】
膝起こしアーム71,72は互いに同じ長さであって、それぞれ下端が基台フレーム10の下部枠12に軸心が当該ベッドの幅方向に延びる支持ピン70a,70bを介して回転可能に取り付けられ、上端に、下半身フレーム20における下脚部フレーム23の下面に転動可能に当接される支持ローラ71a,72aが設けられている。水平アーム73は、両端がリンクピン70c,70dを介して膝起こしアーム71,72における互いに対応する位置に連結されており、リンクピン70c,70d間の距離は、支持ピン70a,70b間の距離と同一である。リンクアーム74は、一端が背起こし機構60寄りの膝起こしアーム71にリンクピン70eを介して連結され、他端が背起こし機構60における駆動アーム64の第二アーム部64bの揺動端に、リンクピン60iを介して油圧アクチュエータ66のピストンロッド66aと共に連結されている。
【0022】
このため、油圧アクチュエータ66のピストンロッド66aの駆動によってリンクアーム74が変位すると、水平アーム73で互いに連結された一対の膝起こしアーム71,72が、互いに平行な状態支持ピン70a,70bを中心として揺動し、すなわちその上端の支持ローラ71a,72aが、支持ピン70a,70bを中心とする互いに同一半径の円弧状軌跡を描いて移動しながら下半身フレーム20における下脚部フレーム23を隆起又は沈降させるものである。
【0023】
以上の構成において、図4に示されるように、上半身フレーム30が完全に倒れた状態にあるときは、この上半身フレーム30における背部フレーム31と腰部フレーム32は、基台フレーム10における上部枠11上に水平に並んだ状態に支持されている。一方、膝起こし機構70における膝起こしアーム71,72も倒れた状態にあって、下半身フレーム20の座部フレーム21,中間フレーム22及び下脚部フレーム23が前記上部枠11上に水平に並んだ状態に支持されている。このため、下半身マットレス40及び上半身マットレス50も水平であり、利用者は通常のベッドと同様に横臥することができる。
【0024】
なお、このとき利用者は、臀部Dから下脚部Gまでの下半身が下半身マットレス40(座部マットレス41及び脚部マットレス42)上に、また頭部Aから腰部Cまでの上半身が上半身マットレス50上に位置するように横臥する。また、図示は省略してあるが、下半身マットレス40及び上半身マットレス50上には、両マットレス40,50上に跨って連続したマットが敷設される。
【0025】
次に、利用者が上半身を起こす場合は、背起こし機構60を起動させ、すなわち図示されていない操作部のスイッチ操作によって、油圧アクチュエータ66を、そのピストンロッド66aを突出させる方向へ駆動させると、このピストンロッド66aの先端にリンクピン60iを介して第二アーム部64bが連結された駆動アーム64が、支持ピン60fを中心として時計回りの方向へ回転する。そしてこの駆動アーム64の第一アーム部64aに設けられた支持ローラ64cが図3に示される円弧状軌跡R4を描いて動作し、上半身フレーム30の背面を持ち上げる。
【0026】
一方、駆動アーム64が、図4に示される状態から、支持ピン60fを中心に図中時計回りの方向へ回転する過程では、この駆動アーム64の第一アーム部64aにリンクアーム65を介して引かれる併進リンク63が、互いに平行なガイドアーム61,62により移動を案内されて、図3に示されるように、半径rの円弧状軌跡を描くように時計回りの方向へ併進運動することになる。このため、上半身フレーム30における腰部フレーム32の端部と併進リンク63との連結部(リンクピン60e)は、仮想軸心Oを中心とする半径rの円周R3上を、時計回りの方向へリンクピン60c,60dの移動軌跡と等距離だけ移動する。
【0027】
したがって、上半身フレーム30は、その背部フレーム31が、油圧アクチュエータ66によって回転する駆動アーム64の支持ローラ64cで背面を持ち上げられると共に、前記上半身フレーム30における腰部フレーム31と併進リンク63との連結部(リンクピン60e)が、利用者の骨盤あるいは腰部脊椎の位置にある仮想軸心Oを中心とする半径rの円弧状軌跡R3を描くように押し上げられる。またこのため、上半身フレーム30上の上半身マットレス50は、その下半身マットレス40(座部マットレス41)側の上縁部50aが、図1に示されるように、座部マットレス41から離れていく。したがって、利用者は上半身マットレス50を介して背中を押し上げられて上半身を起こされていき、その過程で、腰部C及び臀部Dの圧迫が有効に防止される。
【0028】
ここで、上半身フレーム30における背部フレーム31と腰部フレーム32は、ヒンジ30aを介して互いに僅かな角度だけ屈曲可能に連結されたものであるため、駆動アーム64の支持ローラ64cによる支持部と、併進リンク63による支持部(リンクピン60e)との間に利用者の上半身の重量が作用していることによって、図4に示される水平状態からの起立動作開始時に、図3に斜線ハッチングを付して示されるように互いに屈曲した状態となり、これに倣って上半身マットレス50が撓む。通常、人体は、上半身を起こした時に、図1に示されるように、腰部Cから背部Bにかけて、やや屈んだ姿勢となるのが自然であり、このため、上述のように背部フレーム31と腰部フレーム32が互いに屈曲することによって、楽な姿勢で上半身を起こすことができる。
【0029】
なお、上半身フレーム30におけるヒンジ30aは、背部フレーム31と腰部フレーム32の屈曲を所定角度までの範囲に制限しているため、過度に屈曲することはない。
【0030】
一方、背起こし機構60による上半身フレーム30の起立過程では、これに連動して膝起こし機構70が下半身フレーム20の下脚部フレーム23に対する押上げ動作を行う。すなわち、図4に示される状態から、油圧アクチュエータ66のピストンロッド66aが突出動作して背起こし機構60による上半身フレーム30の起立動作が開始されると、これに伴って、ピストンロッド66aの先端にリンクピン60iを介して駆動アーム64と共に連結されたリンクアーム74が膝起こしアーム71を図4における反時計方向へ引き起こす。この膝起こしアーム71は、水平アーム73を介して他方の膝起こしアーム72と連結されているので、両膝起こしアーム71,72は、互いに平行な状態を保持しながら、支持ピン70a,70bを中心として引き起こされ、その先端の支持ローラ71a,72aが、下半身フレーム20における下脚部フレーム23の下面を転動しながら、この下脚部フレーム23の水平状態を保持した状態で押し上げる。
【0031】
また、下脚部フレーム23と、基台フレーム10上に固定された座部フレーム21との間には、中間フレーム22がヒンジ20a,20bを介して可動状態に連結されているので、膝起こし機構70による下脚部フレーム23の上昇変位に伴って、この中間フレーム22がヒンジ20aを中心に反時計方向へ揺動する。このため、下半身フレーム20は、上述した膝起こし機構70の動作に伴って、座部フレーム21と中間フレーム22の相対角度及び中間フレーム22と下脚部フレーム23の相対角度が互いに等しい錯角をなしながら、下脚部フレーム23及び図1に示される膝起こし状態に変形される。
【0032】
したがって、当該ベッド上の利用者は、図1に示されるように、上半身フレーム30の起立動作によって上半身を起こされる過程で、下半身フレーム20における中間フレーム22及び下脚部フレーム23の隆起動作によって、大腿部E及び下脚部Gが適当に持ち上げられる。このため、上半身が起こされるのに伴って腰部Cや臀部Dが前方へずれるのを防止することができる。また、利用者が図1に示される起床状態を長時間継続しているときの、腰部Cや臀部Dのずれも、有効に防止することができる。
【0033】
なお、図1に示される最大の起立角度まで上半身フレーム30を起立させたときの、下脚部フレーム23の上昇高さは、10cm程度とする。
【0034】
次に、図1の半身起床状態から、図示されていない操作部のスイッチ操作によって、油圧アクチュエータ66を、そのピストンロッド66aをシリンダ内へ没入させる方向へ駆動させれば、背起こし機構60及び膝起こし機構70における各部は、上述の起立過程とは逆の方向へ動作するので、図4に示される水平状態に戻すことができる。
【0035】
また、一般に、上半身が完全な水平状態となるように横臥するよりも、頭部A側が僅かに高くなるように傾斜した状態で横臥したときに最も寝心地が良いと言われている。したがって、図5に示されるように、上半身フレーム30を、その背部フレーム31のみが持ち上がった状態で油圧アクチュエータ66の駆動を固定しておけば、利用者は最良の寝心地を得ることができる。
【0036】
なお、背起こし機構60には、油圧アクチュエータ66等による駆動装置に加え、上半身フレーム30(背部フレーム31)に対する持ち上げ力を補助するためのエアスプリング等を付加しても良い。
【0037】
また、油圧アクチュエータ66にオイルを給排する油圧ポンプは、図示されていない制御装置によって、上半身フレーム30を倒す時の駆動速度を、起立させる時の速度よりも低速となるように切換制御することができる。この場合、起立させる時と倒す時とで異なるモータで油圧ポンプを駆動させるようにしても良いし、供給電力を変えることによってモータの回転数を変えても良いし、減速機で回転数を変えるようにしても良い。そして、このようにすれば、例えば操作パネルのスイッチ操作で「安眠コース」を選択することによって、油圧アクチュエータ66のピストンロッド66aの没入動作速度を、突出動作速度よりも著しく低速とすることができるので、上半身フレーム30は、利用者が身体に感じない程度のきわめて緩やかな速度で倒れて行き、数分〜数十分かかって、図4又は図5に示される状態となる。
【0038】
また、上述のように操作パネルのスイッチ操作で例えば「安眠コース」を選択した場合には、図示されていないタイマがカウントダウンを開始し、予めこのタイマによって設定された時刻に、テレビ、オーディオ機器あるいは照明灯がOFFになるようにすることも好ましい。この場合は、テレビを観たり、オーディオ機器で音楽を聴きながら、自分でも感じないほどの微速度で上半身が倒れて行くことによって、自然に眠りに就くことができ、設定時刻になれば、テレビ又はオーディオ機器の電源が自動的にOFFになり、消灯される。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る半身起床ベッドによると、背起こし機構によって、上半身フレームにおける下半身フレーム側の端部が、下半身フレームの上面よりも高い位置を仮想軸心とする円弧状軌跡を描くように移動されて、上半身マットレスが下半身マットレスから離間するように動作するため、上半身フレームを起立動作させる過程で、利用者の腰部が前方へ押し出されたり圧迫されるのを防止することができる。
【0040】
請求項2の発明に係る半身起床ベッドによると、上半身フレームを起立動作させる過程で、膝起こし機構によって、下半身フレームにおける中間フレーム及び下脚部フレームが隆起して利用者の脚部を持ち上げるため、上半身支持フレームを起立動作させる過程、あるいは長時間にわたって上半身を起こした状態を維持している過程で、腰部や臀部が前方へずれるのを一層有効に防止することができる。
【0041】
請求項3の発明に係る半身起床ベッドによると、上半身フレームの起立時に、この上半身フレームにおける背部フレームと腰部フレームが、制限された角度で互いに屈曲するため、利用者は楽な姿勢で上半身を起こすことができる。
【0042】
請求項4の発明に係る半身起床ベッドによると、上半身を起こした状態から、上半身フレームを極めて低速で倒すことによって、上半身をゆっくり倒しながら自然に眠りに就くのに有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態による半身起床ベッドにおいて、上半身フレームを起立させた状態を示す説明図である。
【図2】図1の半身起床ベッドにおける背起こし機構を示す説明図である。
【図3】図1の半身起床ベッドにおける背起こし機構の動作軌跡を示す説明図である。
【図4】図1の半身起床ベッドにおいて、上半身フレームを水平に倒した状態を示す説明図である。
【図5】図1の半身起床ベッドにおいて、上半身フレームを背部フレームのみが持ち上がった状態とした説明図である。
【符号の説明】
10 基台フレーム
20 下半身フレーム
21 座部フレーム
22 中間フレーム
23 下脚部フレーム
30 上半身フレーム
31 背部フレーム
32 腰部フレーム
40 下半身マットレス
41 座部マットレス
42 脚部マットレス
50 上半身マットレス
60 背起こし機構
60e リンクピン(併進リンクと上半身フレームとの連結部)
61,62 ガイドアーム
63 併進リンク
64 駆動アーム
65,74 リンクアーム
66 油圧アクチュエータ(駆動装置)
70 膝起こし機構
71,72 膝起こしアーム
73 水平アーム
O 仮想軸心
Claims (4)
- 下半身フレーム(20)及びこの下半身フレーム(20)に支持される下半身マットレス(40)と、上半身フレーム(30)及びこの上半身フレーム(30)に支持され前記下半身マットレス(40)と分離した上半身マットレス(50)と、前記上半身フレーム(30)を起伏動作させる背起こし機構(60)を備え、この背起こし機構(60)が、互いに平行な状態で揺動される複数のガイドアーム(61,62)と、この複数のガイドアーム(61,62)の揺動部に跨って相対回転可能に連結されると共に上半身フレーム(30)の下半身フレーム(20)側の端部に相対回転可能に連結されて前記ガイドアーム(61,62)の揺動方向へ併進運動する併進リンク(63)と、駆動装置(66)により俯仰回転可能であって前記上半身フレーム(30)を支持する駆動アーム(64)とを備え、前記併進リンク(63)と上半身フレーム(30)との連結部(60e)が、前記下半身フレーム(20)の上面よりも高い位置を仮想軸心(O)とする円弧状軌跡を描くように移動され、前記上半身フレーム(30)の起立時に前記上半身マットレス(50)が前記下半身マットレス(40)から離間されることを特徴とする半身起床ベッド。
- 下半身フレーム(20)が互いに屈伸動作可能に連結された中間フレーム(22)及び下脚部フレーム(23)を備え、背起こし機構(60)の背起こし動作に連動して前記下脚部フレーム(23)を隆起させる膝起こし機構(70)を備えることを特徴とする請求項1に記載の半身起床ベッド。
- 上半身フレーム(30)が互いに所定の角度範囲で屈伸動作可能に連結された腰部フレーム(31)及び背部フレーム(32)からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の半身起床ベッド。
- 駆動装置(66)が、上半身フレーム(30)を倒す方向に対しては、起立させる方向への駆動速度よりも低速で駆動することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半身起床ベッド。
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Cited By (2)
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JP2007185333A (ja) * | 2006-01-13 | 2007-07-26 | Shinei Kogyo Kk | ベッドおよび介護ベッドの起倒装置 |
-
2003
- 2003-06-03 JP JP2003157549A patent/JP2004357812A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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