JP2004342430A - 燃料電池システムおよびその運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池システムの停止中に、燃料電池内部で水が凍結するのを防止するために行なう保温運転の信頼性を高める。
【解決手段】燃料電池システムにおいて始動スイッチ58から停止の指示が出力された後は、制御部40の発電制御部42は、第1温度センサ31から燃料電池スタックの内部温度を示す温度を取得する。取得した温度が第1の基準温度以下であれば保温運転を開始する。保温運転開始後、取得した温度が、第1の基準温度よりも高い第2の基準温度以上となると、保温運転を停止する。このとき、異常判定部44は、第1温度センサ31における異常の有無を判定し、異常があるときには警告を発生する。
【選択図】 図2
【解決手段】燃料電池システムにおいて始動スイッチ58から停止の指示が出力された後は、制御部40の発電制御部42は、第1温度センサ31から燃料電池スタックの内部温度を示す温度を取得する。取得した温度が第1の基準温度以下であれば保温運転を開始する。保温運転開始後、取得した温度が、第1の基準温度よりも高い第2の基準温度以上となると、保温運転を停止する。このとき、異常判定部44は、第1温度センサ31における異常の有無を判定し、異常があるときには警告を発生する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池システムの使用環境の温度が低下するときに、燃料電池内で水が凍結することに起因して不都合が発生するのを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に燃料電池では、電気化学反応の進行に伴って水が生じる。また、燃料電池に供給する水素を生成するために水蒸気改質反応を利用する場合には、燃料電池に供給する水素含有ガス中には所定量の水蒸気が含まれることになる。そのため、燃料電池の内部温度が0℃以下になると、燃料電池内部で上記水が凍結してしまう可能性がある。例えば、環境温度が0℃以下であるときに燃料電池の発電を停止させると、燃料電池内部で水が凍結する場合がある。このようにガス流路内の水が凍結すると、凍結した水がガス流路を塞いでしまい、次回燃料電池を起動したときに、ガスの供給が妨げられて、電気化学反応が充分進行しない状態となる可能性がある。そのため、例えば特許文献1では、燃料電池停止時に温度が低下したときには燃料電池の発電を行ない、凍結を防止する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−231108号公報
【特許文献2】
特開平7−169476号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように燃料電池内の温度や外気温度に基づいて、システム停止中に燃料電池の発電を行なう場合に、検出する温度が正確でない場合には、凍結が起こる温度以下になっても発電(保温運転)が開始されなかったり、不必要に保温運転が行なわれる可能性がある。
【0005】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池システムの停止中に、燃料電池内部で水が凍結するのを防止するために行なう保温運転の信頼性を高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明の第1の燃料電池システムは、燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池の内部温度を反映する温度である電池動作温度を検出する温度検出部と、
前記燃料電池システムの運転停止時に、検出された前記電池動作温度が第1の基準値以下である場合には、前記燃料電池を運転する保温運転を実行させる保温運転制御部と、
前記温度検出部が前記電池動作温度を検出する動作における異常の有無を判定する異常判定部と、
前記異常判定部が異常があると判定したときに、警告を発生する警告発生部と
を備えることを要旨とする。
【0007】
本発明の第1の燃料電池システムによれば、燃料電池システム停止時に燃料電池内部温度が低下したときには保温運転を行なうことで電池内部で水が凍結するのを防止することができると共に、温度検出部が異常であると判断されるときには警告を発することで、誤った温度判断に基づいて保温運転を開始してしまうのを防止することができる。誤った温度判断に基づいて保温運転を開始すると、凍結のおそれのないときに保温運転が開始されてシステム全体のエネルギ効率が低したり、燃料電池内部で水が凍結してから保温運転が開始されてしまうという不都合を生じる可能性がある。異常時に警告を発生することで、このような不都合を回避することが可能となる。
【0008】
本発明の第1の燃料電池システムにおいて、
前記保温運転制御部は、前記燃料電池が前記保温運転を実行中に、前記温度検出部が検出した前記電池動作温度が、前記第1の基準値を超える第2の基準値以上となったときには、前記保温運転を停止させることとしても良い。
【0009】
このような構成とすれば、温度検出部が異常であると判断されるときには警告を発することで、誤った温度判断に基づいて保温運転を停止してしまうのを防止することができる。誤った温度判断に基づいて保温運転を停止すると、充分に燃料電池の内部温度が上昇したにもかかわらず保温運転が停止されないためにシステムのエネルギ効率が低下したり、充分に燃料電池温度が上昇する前に保温運転が停止されて水の凍結が起こるという不都合が生じる可能性がある。異常時に警告を発生することで、このような不都合を回避することが可能となる。
【0010】
また、本発明の第1の燃料電池システムにおいて、
前記温度検出部を複数備え、
前記異常判定部は、前記複数の温度検出部のそれぞれについて、異常の有無を判定し、
前記保温運転制御部は、前記複数の温度検出部のいずれかにおいて異常があると判定されたときには、異常がないと判定された他の前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記保温運転に関わる制御を行なうこととしても良い。
【0011】
このような構成とすれば、複数の温度検出部を用い、いずれかの温度検出部で異常が検出されたときには、警告を行なうと共に残りの温度検出部を用いて保温運転の制御を行なうため、保温運転の動作の信頼性を高めることができる。
【0012】
本発明の第2の燃料電池システムは、燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池の内部温度を反映する温度である電池動作温度を検出する複数の温度検出部と、
前記複数の温度検出部の各々について、前記電池動作温度を検出する動作における異常の有無を判定する異常判定部と、
前記燃料電池システムの運転停止時にいずれかの前記温度検出部が異常であると前記異常判定部が判定したときには、異常無しと判定された前記温度検出部が検出した前記電池動作温度が、第1の基準値以下である場合に、前記燃料電池を運転する保温運転を実行させる保温運転制御部と
を備えることを要旨とする。
【0013】
本発明の第2の燃料電池システムによれば、いずれかの温度検出部が異常であるときには、複数の温度検出部のうちで異常無しと判定された温度検出部が検出した電池動作温度に基づいて保温運転を行なうため、誤った温度判断に基づいて保温運転を開始してしまうのを防止して、保温運転を開始する動作の信頼性を高めることができる。
【0014】
本発明の第2の燃料電池システムにおいて、
前記保温運転制御部は、前記燃料電池が前記保温運転を実行中に、前記異常判定部によって異常無しと判定された前記温度検出部が検出した前記電池動作温度が、前記第1の基準値を超える第2の基準値以上となったときには、前記保温運転を停止させることとしても良い。
【0015】
このような構成とすれば、複数の温度検出部のうちで異常無しと判定された温度検出部が検出した電池動作温度に基づいて保温運転を停止させるため、誤った温度判断に基づいて保温運転を停止してしまうのを防止して、保温運転を開始する動作の信頼性を高めることができる。
【0016】
本発明の第1あるいは第2の燃料電池システムにおいて、前記異常判定部は、前記温度検出部から、該温度検出部における断線あるいは短絡を示す信号が出力されたときに異常があると判定することとしても良い。このような構成とすれば、温度検出部における異常を容易に判断することができる。
【0017】
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、燃料電池システムの運転方法などの形態で実現することが可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の全体構成:
B.動作:
C.効果:
D.第2実施例:
E.変形例:
【0019】
A.装置の全体構成:
図1は、本発明の一実施例としての燃料電池システム15を搭載する電気自動車10の構成の概略を表わすブロック図である。
【0020】
燃料電池システム15は、電気自動車10の主電源であり、燃料電池スタック20、水素供給装置24、ブロワ26、冷却装置30を備えている。燃料電池スタック20としては種々の種類のものを適用可能であるが、本実施例では、燃料電池スタック20として固体高分子型燃料電池を用いている。
【0021】
水素供給装置24は、内部に水素を貯蔵し、水素ガスを燃料ガスとして燃料電池スタック20のアノードに供給する装置である。例えば、水素供給装置24は、水素ボンベや、水素吸蔵合金を内部に有する水素タンクを備えることとすれば良い。なお、電気化学反応に供されてアノードから排出された燃料排ガスは、水素供給装置24と燃料電池スタック20とを接続する流路に導いて、再び電気化学反応に供することができる(図示せず)。また、燃料電池スタック20のカソードには、ブロワ26が取り込んだ空気が、酸化ガスとして供給される。
【0022】
冷却装置30は、燃料電池スタック20内部を通過するように形成された冷却水流路28と、ラジエータ36と、ポンプ34とを備えている。ポンプ34を駆動することで、冷却水流路28内で冷却水を循環させることができる。燃料電池スタック20では、電気化学反応の進行と共に熱が生じるため、発電中は、燃料電池スタック20内に冷却水を循環させ、この冷却水をラジエータ36で冷却することによって、燃料電池スタック20の動作温度を所定の範囲内に保つ。ラジエータ36は、図示しない冷却ファンを備えており、この冷却ファンを駆動することで、ラジエータ36における冷却水の冷却を促進することができる。なお、冷却水流路28において、燃料電池スタック20との接続部近傍であって、燃料電池スタック20内から冷却水が排出される側には、第1温度センサ31が設けられている。図1では、冷却水流路28内を冷却水が循環する方向を矢印で示している。
【0023】
電気自動車10は、上記燃料電池システム15の他に、補助電源としての2次電池52を備えている。2次電池52は、DC/DCコンバータ50を介して燃料電池スタック20と並列に接続されている。インバータ54は、これらの直流電源から三相交流電源を生成して、車両駆動用のモータ56に供給し、モータ56の回転数とトルクとを制御する。
【0024】
制御部40は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、燃料電池システム15をはじめとする電気自動車10の各部の動きを制御している。すなわち、上記第1温度センサ31の検出信号など、電気自動車10に設けられた種々のセンサから信号を受信すると共に、ブロワ26やポンプ34、あるいはDC/DCコンバータ50やインバータ54など各部に駆動信号を出力する。さらに、電気自動車10には、車両全体のシステムの始動と停止の指示を入力するための始動スイッチ58が設けられており、制御部40は、この始動スイッチ58におけるオン・オフ信号(始動と停止の指示)を受信する。また、電気自動車10には、温度センサに異常が生じたときに警告を発するための警告発生部59が設けられており、制御部40は、この警告発生部59に対して制御信号を出力する。図1では、制御部40が燃料電池システム15を含む電気自動車10全体の制御を行なうこととしたが、燃料電池システム15に関わる制御部と、車両駆動に関わる制御部とをそれぞれ別体で設けることとしても良い。このような場合にも、これら2つの制御部の間で情報のやり取りがなされ、以下に示すような動作を行なうための制御が車両全体として行なわれればよい。
【0025】
B.動作:
図2は、保温運転の要否および温度センサにおける異常の有無について判断する処理に関わる回路として、電気自動車10が備える回路の構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御部40は、保温運転制御部42および異常判定部44を備えている。また、図3は、電気自動車10の制御部40において実行される保温運転制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、電気自動車10において、始動スイッチ58がオン状態からオフ状態となり燃料電池システム15が停止されたときに、始動スイッチ58が次回にオン状態となるまでの間、繰り返し実行される。
【0026】
本ルーチンが実行されると、制御部40の保温運転制御部42は、まず、第1温度センサ31から冷却水温T1 を取得する(ステップS100)。冷却水温T1 を取得すると、次に保温運転制御部42は、この冷却水温T1 が第1の基準温度TA1以下であるか否かを判断する(ステップS110)。ここで、冷却水温T1 は、燃料電池スタック20内の温度を反映している。また、第1の基準温度TA1とは、燃料電池スタック20内で水が凍結する可能性がある場合に対応する冷却水温度であり、予め設定して制御部40内に記憶されている。例えば、本実施例では、この第1の基準温度TA1は2℃に設定されている。ステップS110において、冷却水温T1 が第1の基準温度TA1以下ではないと判断したときには、保温運転制御部42は、燃料電池スタック20内で水が凍結することはないと判断してステップS100に戻る。そして、ステップS110において検出した冷却水温T1 が第1の基準温度TA1以下であるか否かを判断する動作を繰り返す。
【0027】
ステップS110において、冷却水温T1 が第1の基準温度TA1以下であると判断すると、保温運転制御部42は、燃料電池システム15の各部に駆動信号を出力して、保温運転を開始する(ステップS120)。具体的には、制御部40は、水素供給装置24およびブロワ26を駆動して、燃料電池スタック20に対して、燃料ガスである水素ガスおよび酸化ガスである空気の供給を開始させる。また、ポンプ34を駆動して、冷却水流路28内で冷却水の循環を開始させる。なお、この保温運転は、燃料電池スタック20内の温度低下を防止するためのものであるため、保温運転を行なう際には、ラジエータ36が備える図示しない冷却ファンは駆動されない。また、モータ56を駆動する必要がないため、保温運転時における発電量は極めて低いレベルに保たれる。具体的には、燃料電池スタック20の発電量は、水素供給装置24やブロワ26やポンプ34などの燃料電池補機の消費電力量を賄うために要するレベルに抑えられる。ここで、燃料電池スタック20に供給されたガス量に対して発電可能な電力量は、燃料電池スタック20の内部温度によって変化するため、第1温度センサ31が検出した冷却水温T1 に基づいて、保温運転時における上記燃料電池補機の駆動量を調節することとしても良い。さらに、燃料電池スタック20の温度を上昇させるために、燃料電池スタック20あるいは冷却水を加熱するヒータを設けて、保温運転中は、燃料電池スタック20が発電した電力の一部を用いてこのヒータによる加熱を行なうこととしても良い。また、2次電池52の残存容量が低下しているときには、保温運転時に2次電池52の充電を同時に行なうこととしても良い。
【0028】
保温運転を開始すると、保温運転制御部42は、第1温度センサ31から冷却水温度T1 を取得する(ステップS130)。冷却水温T1 を取得すると、次に保温運転制御部42は、この冷却水温T1 が第2の基準温度TB1以上であるか否かを判断する(ステップS140)。ここで、第2の基準温度TB1とは、燃料電池スタック20内の温度が充分に昇温したことを示す基準となる温度であり、予め設定して制御部40内に記憶されている。例えば、本実施例では、この第2の基準温度TB1は7℃に設定されている。ステップS140において、冷却水温T1 が第2の基準温度TB1に達していないときには、燃料電池スタック20内で水が凍結する可能性があると判断してステップS130に戻り、ステップS140において検出した冷却水温T1 と第2の基準温度TB1とを比較する動作を繰り返す。
【0029】
ステップS140において、冷却水温T1 が第2の基準温度TB1以上であると判断すると、保温運転制御部42は、保温運転を停止し(ステップS150)、本ルーチンを終了する。このような動作を繰り返すことで、始動スイッチ58がオフ状態となった後にも、燃料電池スタック20は、内部で水が凍結する可能性の無い温度範囲に保たれる。ここで、第2の基準温度TB1をあまり高く設定すると、保温運転を行なうことでシステム外部に放出される熱量が多くなってしまう。そのため、第1温度センサ31の精度を考慮して、図3に示した保温運転の開始と停止の動作が良好に行なわれる範囲内で、第2の基準温度TB1は、できるだけ低く設定することが好ましい。例えば、本実施例では、第2の基準温度TB1は、第1の基準温度TA1よりも5℃高い温度に設定されている。
【0030】
図4は、電気自動車10の制御部40において実行される異常判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、既述した保温運転制御処理ルーチンが行なわれているときに、この保温運転制御処理ルーチンとは別個に繰り返し実行される。
【0031】
本ルーチンが実行されると、制御部40の異常判定部44は、まず、第1温度センサ31から冷却水温T1 を取得する(ステップS200)。冷却水温T1 を取得すると、次に異常判定部44は、この冷却水温T1 が、上限値以上、あるいは下限値以下の値であるかどうかを判断する(ステップS210)。ここで、上記上限値および下限値とは、通常考えられる燃料電池システム15の使用環境では第1温度センサ31が示さない異常な値として、予め設定して制御部40に記憶しておいた値である。本実施例では、一例として、上限値として約120℃、下限値として−30℃が設定されている。冷却水温T1 が、上限値と下限値との間の値であるときには、第1温度センサ31に異常はないものと判断して、そのまま本ルーチンを終了する。
【0032】
ステップS210において、冷却水温T1 が上限値以上あるいは下限値以下の値であると判断されると、次に異常判定部44は、冷却水温T1 が上限値以上あるいは下限値以下となる状態が、予め設定した所定の時間以上連続して成立しているかどうかを判断する(ステップS220)。このステップS220における所定の時間とは、ノイズ等の影響を排除するためのものであり、例えば本実施例では1秒に設定している。冷却水温T1 が上限値以上あるいは下限値以下となる状態が、所定の時間以上連続して成立していない場合には、このような異常な値が検出されたのはノイズ等によるものであり第1温度センサ31に異常はないものと判断して、そのまま本ルーチンを終了する。
【0033】
ステップS220において、冷却水温T1 が上限値以上あるいは下限値以下となる状態が、所定の時間以上連続して成立していると判断すると、異常判定部44は、第1温度センサ31が異常であると判断して警告発生部59に駆動信号を出力して(ステップS230)、本ルーチンを終了する。警告発生部59は、警告を発することによって、第1温度センサ31に異常が生じていることを電気自動車10の使用者に知らせる。警告発生部59としては、例えば、電気自動車10に設けた表示画面や、音声発生手段や、警告灯とすることができる。表示画面に警告を表示したり、音声で警告を行なったり、警告灯を点灯させたりすることによって、異常を知らせる。音声や警告灯を用いる場合には、使用者が電気自動車10から離れている場合であっても、警告に容易に気づくことができて好ましい。
【0034】
C.効果:
以上のように構成された第1実施例の燃料電池システム15によれば、システム停止時に燃料電池スタック20の内部温度が低下したときには保温運転を行なうことで電池内部で水が凍結するのを防止することができると共に、第1温度センサ31が異常であると判断されるときには警告を発することで、異常であることを使用者に知らせることができる。その結果、誤った温度判断に基づいて保温運転の開始及び停止の制御を継続してしまうのを防止することができる。すなわち、誤った温度判断に基づいて保温運転を開始することにより、凍結のおそれのないときに保温運転を行なってシステム全体のエネルギ効率を低下させたり、燃料電池スタック20内部で水が凍結してから保温運転を開始するという不都合を防止できる。また、誤った温度判断に基づいて保温運転を停止することにより、充分に燃料電池スタック20の温度が上昇したにもかかわらず保温運転を継続してシステムのエネルギ効率を低下させたり、充分に燃料電池スタック20の温度が上昇する前に保温運転を停止して水の凍結を引き起こすという不都合を防止できる。
【0035】
上記実施例では、第1温度センサ31における異常の有無の判定は、第1温度センサ31の出力信号から検出される冷却水温T1 に基づいて行なったが、第1温度センサ31の出力信号そのものに基づくこととしても良い。第1温度センサ31をサーミスタによって構成する場合には、印加電圧に対する出力電圧の値が、既述した温度の上限値や下限値に対応する値からはずれたときに、第1温度センサ31が異常であると判断することができる。例えば、印加電圧0.5Vに対して、出力電圧が、温度の上限値120℃に対応する0.49V以上の時、あるいは温度の下限値−30℃に対応する0.01V以下の時に、異常と判断する、というように基準値を定めることができる。このように、温度センサの出力電圧が通常の検出信号の範囲を超える大きな値となるときは、温度センサに接続する配線で短絡が起きていると考えられる。また、温度センサの出力電圧が通常の検出信号の範囲を超えて0Vに近い小さな値となる時には、温度センサに接続する配線で断線が起きていると考えられる。したがって、警告時には、表示画面等にこれら異常の種類をさらに示すこととしても良い。
【0036】
上記第1実施例では、検出した冷却水温T1 を上限値および下限値と比較することにより、第1温度センサ31において、主として断線や短絡等の異常を検出しているが、温度センサの異常としては、これ以外にも種々の異常が考えられる。図5は、第1実施例の変形例としての異常時判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。ここでは、第1実施例と同様の異常判定に加えて、さらに、第1温度センサ31における信号処理過程の異常も検出可能としている。
【0037】
図5の異常時判定処理ルーチンは、第1実施例と同様の電気自動車10の制御部40において、図4に示した処理に代えて、既述した保温運転制御処理ルーチンが行なわれているときにこの保温運転制御処理ルーチンとは別個に繰り返し実行される。
【0038】
本ルーチンのステップS300〜S330の処理は、図4に示した異常時判定処理ルーチンのステップS200〜S230とそれぞれ同様の処理であり、検出した冷却水温T1 が上限値以上あるいは下限値以下であるときには、異常判定部44は第1温度センサ31が異常であると判断して警告を行なう。ここで、図5では、ステップS310で冷却水温T1 が上限値以上あるいは下限値以下ではないと判断したときに、さらに異常判定部44は、この冷却水温T1 が所定時間以上一定温度を維持しているか否かを判断する(ステップS340)。このステップS340における所定時間および一定温度の幅は、燃料電池システム15を放置したときに通常であれば温度変化が生じると予測される時間および温度幅として、予め定めて制御部40内に記憶しておいたものである。例えば、本実施例では、上記所定時間は10分間、一定温度の幅は±1℃に設定されている。
【0039】
ステップS340において、冷却水温T1 が所定時間以上一定温度を維持しているときには、異常判定44は第1温度センサ31における信号処理過程に異常があるものと判断して、第1温度センサ31が異常であることを警告し(ステップS330)、本ルーチンを終了する。また、ステップS340において、冷却水温T1 が所定時間以上一定温度を維持していないには、第1温度センサ31は異常でないと判断して、そのまま本ルーチンを終了する。
【0040】
D.第2実施例:
図6は、第2実施例の燃料電池システム115を搭載する電気自動車110の構成の概略を現わすブロック図である。第2実施例の電気自動車110は、第1実施例の電気自動車10と類似する構成を有しているため、共通する構成要素には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。第2実施例の燃料電池システム115は、冷却水流路28において、第1温度センサ31に加えて、燃料電池スタック20に流入する冷却水温T2 を検出する第2温度センサ32を備えている。第2温度センサ32は、燃料電池スタック20内に冷却水が流入する側の接続部近傍に設けられている。
【0041】
図7は、第2実施例の電気自動車110の制御部40において実行される異常判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、図4に示した第1実施例の異常判定処理ルーチンに代えて、繰り返し実行される。
【0042】
本ルーチンが実行されると、制御部40の異常判定部44は、まず、第1温度センサ31および第2温度センサ32から、冷却水温T1 およびT2 を取得する(ステップS400)。次に、異常判定部44は、これら冷却水温T1 およびT2 のそれぞれについて、図4のステップS210と同様に、予め定めた上限値以上あるいは下限値以下の値となっているか否かの判断を行なう(ステップS410)。ステップS410で参照する上限値及び下限値は、冷却水温T1 およびT2 のそれぞれについて、第1実施例と同様に、通常では検出されない異常な値の基準値として予め定めて制御部40に記憶しておいたものである。ステップS410において、冷却水温T1 およびT2 のいずれも上限値と下限値の間の値であるときには、第1温度センサ31および第2温度センサ32は異常でないと判断して、本ルーチンを終了する。
【0043】
ステップS410において、冷却水温T1 およびT2 のいずれか一方の検出値が、上限値以上あるいは下限値以下であるときには、異常判定部44は、図4のステップS220と同様に、異常な値を示す状態が、予め設定した所定の時間以上連続して成立しているかどうかを判断する(ステップS420)。異常な値を示す状態が、所定の時間以上連続して成立していない場合には、この異常な値が検出された温度センサに異常はないものと判断して、異常判定44はそのまま本ルーチンを終了する。
【0044】
ステップS420において、いずれかの温度センサにおいて、異常な値が検出される状態が所定の時間以上連続して成立していると判断したときには、異常判定部44は、この異常な値を検出した温度センサが異常であると判断して警告発生部59に制御信号を出力し(ステップS430)、本ルーチンを終了する。なお、ステップS430において、いずれかの温度センサが異常であると判定したときには、異常判定部44は、いずれの温度センサが異常であるかに関する情報を保温運転制御部42に送出する。また、図7に示した異常判定の処理においても、図5に示した処理と同様に、信号処理過程の異常等をさらに考慮して異常判定を行なうこととしても良い。
【0045】
図8は、第2実施例の電気自動車110の制御部40において実行される保温運転制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、図3に示した第1実施例の保温運転処理ルーチンに代えて、繰り返し実行される。
【0046】
本ルーチンが実行されると、制御部40の保温運転制御部42は、まず、第1温度センサ31あるいは第2温度センサ32において、異常が検出されたかどうかを判断する(ステップS500)。この判断は、図7の異常判定処理ルーチンのステップS430において、いずれかのセンサが異常であるという情報が保温運転制御部42に伝えられたか否かに基づいて行なわれる。
【0047】
ステップS500で、異常が検出されたと判断したときには、保温運転制御部42は、その異常が、第1温度センサ31の異常であるか否かを判断する(ステップS510)。第1温度センサ31のではなく第2温度センサ32の異常であると判断した場合には、保温運転制御部42は、図3のステップS100〜ステップS150と同様の処理であるステップS520〜ステップS570の処理を行なって、本ルーチンを終了する。すなわち、第1温度センサ31が検出する冷却水温T1 に基づいて、保温運転の開始と停止の制御を行なう。
【0048】
これに対して、ステップS510で第1温度センサ31が異常であると判断したときには、保温運転制御部42は、第2温度センサ32が検出する冷却水温T2 に基づいて保温運転の開始と停止の制御を行ない(ステップS580〜ステップS620およびステップS570)、本ルーチンを終了する。これらの処理は、ステップS520〜ステップS570と同様の処理である。ここでは、冷却水温T1 に基づく判断のために定めた第1基準温度TA1および第2基準温度TB1に代えて、冷却水温T2 に基づく判断のために同様に定めた第1基準温度TA2および第2基準温度TB2に基づいて、判断を行なう。
【0049】
ステップS500において、いずれの温度センサでも異常が検出されなかった時には、いずれか一方の温度センサが検出した冷却水温に基づいて、保温運転の開始と停止の制御を行なう。本実施例では、両方の温度センサが正常であるときには、第1温度センサ31が検出する冷却水温T1 に基づいて制御を行なっている(ステップS520〜ステップS570)。
【0050】
以上のように構成された第2実施例の燃料電池システム115によれば、複数の温度センサを用い、いずれかの温度センサにおいて異常が検出されたときには、警告を行なうと共に残りの温度センサを用いて保温運転の制御を行なうため、保温運転の動作の信頼性を高めることができる。すなわち、誤った温度判断に基づいて保温運転の開始や停止を行なうのを防止することができる。なお、第2実施例では、燃料電池スタック20の内部温度を検出するために、第1温度センサ31および第2温度センサ32を用いたが、3つ以上の温度センサを用いて同様の制御を行なうこととしても良い。
【0051】
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0052】
E1.変形例1:
第1および第2実施例では、冷却水温に基づいて保温運転の動作を制御しているが、スタック内部温度を直接検出しても良く、燃料電池スタック20の内部温度を反映する値であれば種々の測定値を用いることができる。例えば、水素供給装置24として、水素ガスを貯蔵する装置に代えて改質器を備える装置を用いることとすれば、改質器の内部温度や、燃料電池スタック20に供給される燃料ガスの温度に基づいて判断することができる。
【0053】
保温運転を行なうために燃料電池システムを起動しているときには、燃料電池スタックからの出力電流および出力電圧に基づいて燃料電池スタック内部の温度状態を判断することも可能である。燃料電池における出力電流に対する出力電圧の値は、燃料電池スタックの内部温度に応じて変化するという性質を有しているため、出力電流と出力電圧を検出することによって、燃料電池スタック内部が充分に昇温したか否かを判断することができる。
【0054】
あるいは、燃料電池スタック20の内部温度を反映する値の一つとして、外気温を検出することとしても良い。ここで、他の温度検出部に異常が生じて、外気温だけに基づいて保温運転の要否を判断する場合には、外気温の温度が所定値以下の状態が長く続くと、保温運転が必要以上に継続される可能性がある。そのため、このような場合には、所定の時間保温運転を行ない、その後所定の時間停止する処理を繰り返すこととしても良い。
【0055】
E2.変形例2:
第1および第2実施例では、燃料電池スタック20と2次電池52とを負荷に対して平行に接続し、両方を電源として走行可能としたが、異なる構成としても良い。例えば、2次電池52は、車両補機を駆動するためだけに用い、車両の駆動用電源としては燃料電池のみを用いる構成も可能である。システムの起動中には燃料電池が負荷に対して電力を供給し、システム停止時には燃料電池の動作が停止されるシステムであれば、本発明を適用することで同様の効果を得ることができる。
【0056】
E3.変形例3:
また、既述した実施例では、燃料電池システムを電気自動車に搭載したが、燃料電池システムを定置型電源として用いる場合にも、本発明を適用して同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての燃料電池システム15を搭載する電気自動車10の構成の概略を表わすブロック図である。
【図2】保温運転の要否および温度センサにおける異常の有無について判断する処理に関わる回路の構成を示すブロック図である。
【図3】保温運転制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【図4】異常判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【図5】第1実施例の変形例としての異常時判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【図6】燃料電池システム115を搭載する電気自動車110の構成の概略を現わすブロック図である。
【図7】異常判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【図8】保温運転制御処理ルーチンを現わすフローチャートである。
【符号の説明】
10,110…電気自動車
15,115…燃料電池システム
20…燃料電池スタック
24…水素供給装置
26…ブロワ
28…冷却水流路
30…冷却装置
31…第1温度センサ
32…第2温度センサ
34…ポンプ
36…ラジエータ
40…制御部
42…保温運転制御部
44…異常判定部
50…DC/DCコンバータ
54…インバータ
56…モータ
58…始動スイッチ
59…警告発生部
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池システムの使用環境の温度が低下するときに、燃料電池内で水が凍結することに起因して不都合が発生するのを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に燃料電池では、電気化学反応の進行に伴って水が生じる。また、燃料電池に供給する水素を生成するために水蒸気改質反応を利用する場合には、燃料電池に供給する水素含有ガス中には所定量の水蒸気が含まれることになる。そのため、燃料電池の内部温度が0℃以下になると、燃料電池内部で上記水が凍結してしまう可能性がある。例えば、環境温度が0℃以下であるときに燃料電池の発電を停止させると、燃料電池内部で水が凍結する場合がある。このようにガス流路内の水が凍結すると、凍結した水がガス流路を塞いでしまい、次回燃料電池を起動したときに、ガスの供給が妨げられて、電気化学反応が充分進行しない状態となる可能性がある。そのため、例えば特許文献1では、燃料電池停止時に温度が低下したときには燃料電池の発電を行ない、凍結を防止する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−231108号公報
【特許文献2】
特開平7−169476号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように燃料電池内の温度や外気温度に基づいて、システム停止中に燃料電池の発電を行なう場合に、検出する温度が正確でない場合には、凍結が起こる温度以下になっても発電(保温運転)が開始されなかったり、不必要に保温運転が行なわれる可能性がある。
【0005】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池システムの停止中に、燃料電池内部で水が凍結するのを防止するために行なう保温運転の信頼性を高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明の第1の燃料電池システムは、燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池の内部温度を反映する温度である電池動作温度を検出する温度検出部と、
前記燃料電池システムの運転停止時に、検出された前記電池動作温度が第1の基準値以下である場合には、前記燃料電池を運転する保温運転を実行させる保温運転制御部と、
前記温度検出部が前記電池動作温度を検出する動作における異常の有無を判定する異常判定部と、
前記異常判定部が異常があると判定したときに、警告を発生する警告発生部と
を備えることを要旨とする。
【0007】
本発明の第1の燃料電池システムによれば、燃料電池システム停止時に燃料電池内部温度が低下したときには保温運転を行なうことで電池内部で水が凍結するのを防止することができると共に、温度検出部が異常であると判断されるときには警告を発することで、誤った温度判断に基づいて保温運転を開始してしまうのを防止することができる。誤った温度判断に基づいて保温運転を開始すると、凍結のおそれのないときに保温運転が開始されてシステム全体のエネルギ効率が低したり、燃料電池内部で水が凍結してから保温運転が開始されてしまうという不都合を生じる可能性がある。異常時に警告を発生することで、このような不都合を回避することが可能となる。
【0008】
本発明の第1の燃料電池システムにおいて、
前記保温運転制御部は、前記燃料電池が前記保温運転を実行中に、前記温度検出部が検出した前記電池動作温度が、前記第1の基準値を超える第2の基準値以上となったときには、前記保温運転を停止させることとしても良い。
【0009】
このような構成とすれば、温度検出部が異常であると判断されるときには警告を発することで、誤った温度判断に基づいて保温運転を停止してしまうのを防止することができる。誤った温度判断に基づいて保温運転を停止すると、充分に燃料電池の内部温度が上昇したにもかかわらず保温運転が停止されないためにシステムのエネルギ効率が低下したり、充分に燃料電池温度が上昇する前に保温運転が停止されて水の凍結が起こるという不都合が生じる可能性がある。異常時に警告を発生することで、このような不都合を回避することが可能となる。
【0010】
また、本発明の第1の燃料電池システムにおいて、
前記温度検出部を複数備え、
前記異常判定部は、前記複数の温度検出部のそれぞれについて、異常の有無を判定し、
前記保温運転制御部は、前記複数の温度検出部のいずれかにおいて異常があると判定されたときには、異常がないと判定された他の前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記保温運転に関わる制御を行なうこととしても良い。
【0011】
このような構成とすれば、複数の温度検出部を用い、いずれかの温度検出部で異常が検出されたときには、警告を行なうと共に残りの温度検出部を用いて保温運転の制御を行なうため、保温運転の動作の信頼性を高めることができる。
【0012】
本発明の第2の燃料電池システムは、燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池の内部温度を反映する温度である電池動作温度を検出する複数の温度検出部と、
前記複数の温度検出部の各々について、前記電池動作温度を検出する動作における異常の有無を判定する異常判定部と、
前記燃料電池システムの運転停止時にいずれかの前記温度検出部が異常であると前記異常判定部が判定したときには、異常無しと判定された前記温度検出部が検出した前記電池動作温度が、第1の基準値以下である場合に、前記燃料電池を運転する保温運転を実行させる保温運転制御部と
を備えることを要旨とする。
【0013】
本発明の第2の燃料電池システムによれば、いずれかの温度検出部が異常であるときには、複数の温度検出部のうちで異常無しと判定された温度検出部が検出した電池動作温度に基づいて保温運転を行なうため、誤った温度判断に基づいて保温運転を開始してしまうのを防止して、保温運転を開始する動作の信頼性を高めることができる。
【0014】
本発明の第2の燃料電池システムにおいて、
前記保温運転制御部は、前記燃料電池が前記保温運転を実行中に、前記異常判定部によって異常無しと判定された前記温度検出部が検出した前記電池動作温度が、前記第1の基準値を超える第2の基準値以上となったときには、前記保温運転を停止させることとしても良い。
【0015】
このような構成とすれば、複数の温度検出部のうちで異常無しと判定された温度検出部が検出した電池動作温度に基づいて保温運転を停止させるため、誤った温度判断に基づいて保温運転を停止してしまうのを防止して、保温運転を開始する動作の信頼性を高めることができる。
【0016】
本発明の第1あるいは第2の燃料電池システムにおいて、前記異常判定部は、前記温度検出部から、該温度検出部における断線あるいは短絡を示す信号が出力されたときに異常があると判定することとしても良い。このような構成とすれば、温度検出部における異常を容易に判断することができる。
【0017】
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、燃料電池システムの運転方法などの形態で実現することが可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の全体構成:
B.動作:
C.効果:
D.第2実施例:
E.変形例:
【0019】
A.装置の全体構成:
図1は、本発明の一実施例としての燃料電池システム15を搭載する電気自動車10の構成の概略を表わすブロック図である。
【0020】
燃料電池システム15は、電気自動車10の主電源であり、燃料電池スタック20、水素供給装置24、ブロワ26、冷却装置30を備えている。燃料電池スタック20としては種々の種類のものを適用可能であるが、本実施例では、燃料電池スタック20として固体高分子型燃料電池を用いている。
【0021】
水素供給装置24は、内部に水素を貯蔵し、水素ガスを燃料ガスとして燃料電池スタック20のアノードに供給する装置である。例えば、水素供給装置24は、水素ボンベや、水素吸蔵合金を内部に有する水素タンクを備えることとすれば良い。なお、電気化学反応に供されてアノードから排出された燃料排ガスは、水素供給装置24と燃料電池スタック20とを接続する流路に導いて、再び電気化学反応に供することができる(図示せず)。また、燃料電池スタック20のカソードには、ブロワ26が取り込んだ空気が、酸化ガスとして供給される。
【0022】
冷却装置30は、燃料電池スタック20内部を通過するように形成された冷却水流路28と、ラジエータ36と、ポンプ34とを備えている。ポンプ34を駆動することで、冷却水流路28内で冷却水を循環させることができる。燃料電池スタック20では、電気化学反応の進行と共に熱が生じるため、発電中は、燃料電池スタック20内に冷却水を循環させ、この冷却水をラジエータ36で冷却することによって、燃料電池スタック20の動作温度を所定の範囲内に保つ。ラジエータ36は、図示しない冷却ファンを備えており、この冷却ファンを駆動することで、ラジエータ36における冷却水の冷却を促進することができる。なお、冷却水流路28において、燃料電池スタック20との接続部近傍であって、燃料電池スタック20内から冷却水が排出される側には、第1温度センサ31が設けられている。図1では、冷却水流路28内を冷却水が循環する方向を矢印で示している。
【0023】
電気自動車10は、上記燃料電池システム15の他に、補助電源としての2次電池52を備えている。2次電池52は、DC/DCコンバータ50を介して燃料電池スタック20と並列に接続されている。インバータ54は、これらの直流電源から三相交流電源を生成して、車両駆動用のモータ56に供給し、モータ56の回転数とトルクとを制御する。
【0024】
制御部40は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、燃料電池システム15をはじめとする電気自動車10の各部の動きを制御している。すなわち、上記第1温度センサ31の検出信号など、電気自動車10に設けられた種々のセンサから信号を受信すると共に、ブロワ26やポンプ34、あるいはDC/DCコンバータ50やインバータ54など各部に駆動信号を出力する。さらに、電気自動車10には、車両全体のシステムの始動と停止の指示を入力するための始動スイッチ58が設けられており、制御部40は、この始動スイッチ58におけるオン・オフ信号(始動と停止の指示)を受信する。また、電気自動車10には、温度センサに異常が生じたときに警告を発するための警告発生部59が設けられており、制御部40は、この警告発生部59に対して制御信号を出力する。図1では、制御部40が燃料電池システム15を含む電気自動車10全体の制御を行なうこととしたが、燃料電池システム15に関わる制御部と、車両駆動に関わる制御部とをそれぞれ別体で設けることとしても良い。このような場合にも、これら2つの制御部の間で情報のやり取りがなされ、以下に示すような動作を行なうための制御が車両全体として行なわれればよい。
【0025】
B.動作:
図2は、保温運転の要否および温度センサにおける異常の有無について判断する処理に関わる回路として、電気自動車10が備える回路の構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御部40は、保温運転制御部42および異常判定部44を備えている。また、図3は、電気自動車10の制御部40において実行される保温運転制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、電気自動車10において、始動スイッチ58がオン状態からオフ状態となり燃料電池システム15が停止されたときに、始動スイッチ58が次回にオン状態となるまでの間、繰り返し実行される。
【0026】
本ルーチンが実行されると、制御部40の保温運転制御部42は、まず、第1温度センサ31から冷却水温T1 を取得する(ステップS100)。冷却水温T1 を取得すると、次に保温運転制御部42は、この冷却水温T1 が第1の基準温度TA1以下であるか否かを判断する(ステップS110)。ここで、冷却水温T1 は、燃料電池スタック20内の温度を反映している。また、第1の基準温度TA1とは、燃料電池スタック20内で水が凍結する可能性がある場合に対応する冷却水温度であり、予め設定して制御部40内に記憶されている。例えば、本実施例では、この第1の基準温度TA1は2℃に設定されている。ステップS110において、冷却水温T1 が第1の基準温度TA1以下ではないと判断したときには、保温運転制御部42は、燃料電池スタック20内で水が凍結することはないと判断してステップS100に戻る。そして、ステップS110において検出した冷却水温T1 が第1の基準温度TA1以下であるか否かを判断する動作を繰り返す。
【0027】
ステップS110において、冷却水温T1 が第1の基準温度TA1以下であると判断すると、保温運転制御部42は、燃料電池システム15の各部に駆動信号を出力して、保温運転を開始する(ステップS120)。具体的には、制御部40は、水素供給装置24およびブロワ26を駆動して、燃料電池スタック20に対して、燃料ガスである水素ガスおよび酸化ガスである空気の供給を開始させる。また、ポンプ34を駆動して、冷却水流路28内で冷却水の循環を開始させる。なお、この保温運転は、燃料電池スタック20内の温度低下を防止するためのものであるため、保温運転を行なう際には、ラジエータ36が備える図示しない冷却ファンは駆動されない。また、モータ56を駆動する必要がないため、保温運転時における発電量は極めて低いレベルに保たれる。具体的には、燃料電池スタック20の発電量は、水素供給装置24やブロワ26やポンプ34などの燃料電池補機の消費電力量を賄うために要するレベルに抑えられる。ここで、燃料電池スタック20に供給されたガス量に対して発電可能な電力量は、燃料電池スタック20の内部温度によって変化するため、第1温度センサ31が検出した冷却水温T1 に基づいて、保温運転時における上記燃料電池補機の駆動量を調節することとしても良い。さらに、燃料電池スタック20の温度を上昇させるために、燃料電池スタック20あるいは冷却水を加熱するヒータを設けて、保温運転中は、燃料電池スタック20が発電した電力の一部を用いてこのヒータによる加熱を行なうこととしても良い。また、2次電池52の残存容量が低下しているときには、保温運転時に2次電池52の充電を同時に行なうこととしても良い。
【0028】
保温運転を開始すると、保温運転制御部42は、第1温度センサ31から冷却水温度T1 を取得する(ステップS130)。冷却水温T1 を取得すると、次に保温運転制御部42は、この冷却水温T1 が第2の基準温度TB1以上であるか否かを判断する(ステップS140)。ここで、第2の基準温度TB1とは、燃料電池スタック20内の温度が充分に昇温したことを示す基準となる温度であり、予め設定して制御部40内に記憶されている。例えば、本実施例では、この第2の基準温度TB1は7℃に設定されている。ステップS140において、冷却水温T1 が第2の基準温度TB1に達していないときには、燃料電池スタック20内で水が凍結する可能性があると判断してステップS130に戻り、ステップS140において検出した冷却水温T1 と第2の基準温度TB1とを比較する動作を繰り返す。
【0029】
ステップS140において、冷却水温T1 が第2の基準温度TB1以上であると判断すると、保温運転制御部42は、保温運転を停止し(ステップS150)、本ルーチンを終了する。このような動作を繰り返すことで、始動スイッチ58がオフ状態となった後にも、燃料電池スタック20は、内部で水が凍結する可能性の無い温度範囲に保たれる。ここで、第2の基準温度TB1をあまり高く設定すると、保温運転を行なうことでシステム外部に放出される熱量が多くなってしまう。そのため、第1温度センサ31の精度を考慮して、図3に示した保温運転の開始と停止の動作が良好に行なわれる範囲内で、第2の基準温度TB1は、できるだけ低く設定することが好ましい。例えば、本実施例では、第2の基準温度TB1は、第1の基準温度TA1よりも5℃高い温度に設定されている。
【0030】
図4は、電気自動車10の制御部40において実行される異常判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、既述した保温運転制御処理ルーチンが行なわれているときに、この保温運転制御処理ルーチンとは別個に繰り返し実行される。
【0031】
本ルーチンが実行されると、制御部40の異常判定部44は、まず、第1温度センサ31から冷却水温T1 を取得する(ステップS200)。冷却水温T1 を取得すると、次に異常判定部44は、この冷却水温T1 が、上限値以上、あるいは下限値以下の値であるかどうかを判断する(ステップS210)。ここで、上記上限値および下限値とは、通常考えられる燃料電池システム15の使用環境では第1温度センサ31が示さない異常な値として、予め設定して制御部40に記憶しておいた値である。本実施例では、一例として、上限値として約120℃、下限値として−30℃が設定されている。冷却水温T1 が、上限値と下限値との間の値であるときには、第1温度センサ31に異常はないものと判断して、そのまま本ルーチンを終了する。
【0032】
ステップS210において、冷却水温T1 が上限値以上あるいは下限値以下の値であると判断されると、次に異常判定部44は、冷却水温T1 が上限値以上あるいは下限値以下となる状態が、予め設定した所定の時間以上連続して成立しているかどうかを判断する(ステップS220)。このステップS220における所定の時間とは、ノイズ等の影響を排除するためのものであり、例えば本実施例では1秒に設定している。冷却水温T1 が上限値以上あるいは下限値以下となる状態が、所定の時間以上連続して成立していない場合には、このような異常な値が検出されたのはノイズ等によるものであり第1温度センサ31に異常はないものと判断して、そのまま本ルーチンを終了する。
【0033】
ステップS220において、冷却水温T1 が上限値以上あるいは下限値以下となる状態が、所定の時間以上連続して成立していると判断すると、異常判定部44は、第1温度センサ31が異常であると判断して警告発生部59に駆動信号を出力して(ステップS230)、本ルーチンを終了する。警告発生部59は、警告を発することによって、第1温度センサ31に異常が生じていることを電気自動車10の使用者に知らせる。警告発生部59としては、例えば、電気自動車10に設けた表示画面や、音声発生手段や、警告灯とすることができる。表示画面に警告を表示したり、音声で警告を行なったり、警告灯を点灯させたりすることによって、異常を知らせる。音声や警告灯を用いる場合には、使用者が電気自動車10から離れている場合であっても、警告に容易に気づくことができて好ましい。
【0034】
C.効果:
以上のように構成された第1実施例の燃料電池システム15によれば、システム停止時に燃料電池スタック20の内部温度が低下したときには保温運転を行なうことで電池内部で水が凍結するのを防止することができると共に、第1温度センサ31が異常であると判断されるときには警告を発することで、異常であることを使用者に知らせることができる。その結果、誤った温度判断に基づいて保温運転の開始及び停止の制御を継続してしまうのを防止することができる。すなわち、誤った温度判断に基づいて保温運転を開始することにより、凍結のおそれのないときに保温運転を行なってシステム全体のエネルギ効率を低下させたり、燃料電池スタック20内部で水が凍結してから保温運転を開始するという不都合を防止できる。また、誤った温度判断に基づいて保温運転を停止することにより、充分に燃料電池スタック20の温度が上昇したにもかかわらず保温運転を継続してシステムのエネルギ効率を低下させたり、充分に燃料電池スタック20の温度が上昇する前に保温運転を停止して水の凍結を引き起こすという不都合を防止できる。
【0035】
上記実施例では、第1温度センサ31における異常の有無の判定は、第1温度センサ31の出力信号から検出される冷却水温T1 に基づいて行なったが、第1温度センサ31の出力信号そのものに基づくこととしても良い。第1温度センサ31をサーミスタによって構成する場合には、印加電圧に対する出力電圧の値が、既述した温度の上限値や下限値に対応する値からはずれたときに、第1温度センサ31が異常であると判断することができる。例えば、印加電圧0.5Vに対して、出力電圧が、温度の上限値120℃に対応する0.49V以上の時、あるいは温度の下限値−30℃に対応する0.01V以下の時に、異常と判断する、というように基準値を定めることができる。このように、温度センサの出力電圧が通常の検出信号の範囲を超える大きな値となるときは、温度センサに接続する配線で短絡が起きていると考えられる。また、温度センサの出力電圧が通常の検出信号の範囲を超えて0Vに近い小さな値となる時には、温度センサに接続する配線で断線が起きていると考えられる。したがって、警告時には、表示画面等にこれら異常の種類をさらに示すこととしても良い。
【0036】
上記第1実施例では、検出した冷却水温T1 を上限値および下限値と比較することにより、第1温度センサ31において、主として断線や短絡等の異常を検出しているが、温度センサの異常としては、これ以外にも種々の異常が考えられる。図5は、第1実施例の変形例としての異常時判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。ここでは、第1実施例と同様の異常判定に加えて、さらに、第1温度センサ31における信号処理過程の異常も検出可能としている。
【0037】
図5の異常時判定処理ルーチンは、第1実施例と同様の電気自動車10の制御部40において、図4に示した処理に代えて、既述した保温運転制御処理ルーチンが行なわれているときにこの保温運転制御処理ルーチンとは別個に繰り返し実行される。
【0038】
本ルーチンのステップS300〜S330の処理は、図4に示した異常時判定処理ルーチンのステップS200〜S230とそれぞれ同様の処理であり、検出した冷却水温T1 が上限値以上あるいは下限値以下であるときには、異常判定部44は第1温度センサ31が異常であると判断して警告を行なう。ここで、図5では、ステップS310で冷却水温T1 が上限値以上あるいは下限値以下ではないと判断したときに、さらに異常判定部44は、この冷却水温T1 が所定時間以上一定温度を維持しているか否かを判断する(ステップS340)。このステップS340における所定時間および一定温度の幅は、燃料電池システム15を放置したときに通常であれば温度変化が生じると予測される時間および温度幅として、予め定めて制御部40内に記憶しておいたものである。例えば、本実施例では、上記所定時間は10分間、一定温度の幅は±1℃に設定されている。
【0039】
ステップS340において、冷却水温T1 が所定時間以上一定温度を維持しているときには、異常判定44は第1温度センサ31における信号処理過程に異常があるものと判断して、第1温度センサ31が異常であることを警告し(ステップS330)、本ルーチンを終了する。また、ステップS340において、冷却水温T1 が所定時間以上一定温度を維持していないには、第1温度センサ31は異常でないと判断して、そのまま本ルーチンを終了する。
【0040】
D.第2実施例:
図6は、第2実施例の燃料電池システム115を搭載する電気自動車110の構成の概略を現わすブロック図である。第2実施例の電気自動車110は、第1実施例の電気自動車10と類似する構成を有しているため、共通する構成要素には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。第2実施例の燃料電池システム115は、冷却水流路28において、第1温度センサ31に加えて、燃料電池スタック20に流入する冷却水温T2 を検出する第2温度センサ32を備えている。第2温度センサ32は、燃料電池スタック20内に冷却水が流入する側の接続部近傍に設けられている。
【0041】
図7は、第2実施例の電気自動車110の制御部40において実行される異常判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、図4に示した第1実施例の異常判定処理ルーチンに代えて、繰り返し実行される。
【0042】
本ルーチンが実行されると、制御部40の異常判定部44は、まず、第1温度センサ31および第2温度センサ32から、冷却水温T1 およびT2 を取得する(ステップS400)。次に、異常判定部44は、これら冷却水温T1 およびT2 のそれぞれについて、図4のステップS210と同様に、予め定めた上限値以上あるいは下限値以下の値となっているか否かの判断を行なう(ステップS410)。ステップS410で参照する上限値及び下限値は、冷却水温T1 およびT2 のそれぞれについて、第1実施例と同様に、通常では検出されない異常な値の基準値として予め定めて制御部40に記憶しておいたものである。ステップS410において、冷却水温T1 およびT2 のいずれも上限値と下限値の間の値であるときには、第1温度センサ31および第2温度センサ32は異常でないと判断して、本ルーチンを終了する。
【0043】
ステップS410において、冷却水温T1 およびT2 のいずれか一方の検出値が、上限値以上あるいは下限値以下であるときには、異常判定部44は、図4のステップS220と同様に、異常な値を示す状態が、予め設定した所定の時間以上連続して成立しているかどうかを判断する(ステップS420)。異常な値を示す状態が、所定の時間以上連続して成立していない場合には、この異常な値が検出された温度センサに異常はないものと判断して、異常判定44はそのまま本ルーチンを終了する。
【0044】
ステップS420において、いずれかの温度センサにおいて、異常な値が検出される状態が所定の時間以上連続して成立していると判断したときには、異常判定部44は、この異常な値を検出した温度センサが異常であると判断して警告発生部59に制御信号を出力し(ステップS430)、本ルーチンを終了する。なお、ステップS430において、いずれかの温度センサが異常であると判定したときには、異常判定部44は、いずれの温度センサが異常であるかに関する情報を保温運転制御部42に送出する。また、図7に示した異常判定の処理においても、図5に示した処理と同様に、信号処理過程の異常等をさらに考慮して異常判定を行なうこととしても良い。
【0045】
図8は、第2実施例の電気自動車110の制御部40において実行される保温運転制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、図3に示した第1実施例の保温運転処理ルーチンに代えて、繰り返し実行される。
【0046】
本ルーチンが実行されると、制御部40の保温運転制御部42は、まず、第1温度センサ31あるいは第2温度センサ32において、異常が検出されたかどうかを判断する(ステップS500)。この判断は、図7の異常判定処理ルーチンのステップS430において、いずれかのセンサが異常であるという情報が保温運転制御部42に伝えられたか否かに基づいて行なわれる。
【0047】
ステップS500で、異常が検出されたと判断したときには、保温運転制御部42は、その異常が、第1温度センサ31の異常であるか否かを判断する(ステップS510)。第1温度センサ31のではなく第2温度センサ32の異常であると判断した場合には、保温運転制御部42は、図3のステップS100〜ステップS150と同様の処理であるステップS520〜ステップS570の処理を行なって、本ルーチンを終了する。すなわち、第1温度センサ31が検出する冷却水温T1 に基づいて、保温運転の開始と停止の制御を行なう。
【0048】
これに対して、ステップS510で第1温度センサ31が異常であると判断したときには、保温運転制御部42は、第2温度センサ32が検出する冷却水温T2 に基づいて保温運転の開始と停止の制御を行ない(ステップS580〜ステップS620およびステップS570)、本ルーチンを終了する。これらの処理は、ステップS520〜ステップS570と同様の処理である。ここでは、冷却水温T1 に基づく判断のために定めた第1基準温度TA1および第2基準温度TB1に代えて、冷却水温T2 に基づく判断のために同様に定めた第1基準温度TA2および第2基準温度TB2に基づいて、判断を行なう。
【0049】
ステップS500において、いずれの温度センサでも異常が検出されなかった時には、いずれか一方の温度センサが検出した冷却水温に基づいて、保温運転の開始と停止の制御を行なう。本実施例では、両方の温度センサが正常であるときには、第1温度センサ31が検出する冷却水温T1 に基づいて制御を行なっている(ステップS520〜ステップS570)。
【0050】
以上のように構成された第2実施例の燃料電池システム115によれば、複数の温度センサを用い、いずれかの温度センサにおいて異常が検出されたときには、警告を行なうと共に残りの温度センサを用いて保温運転の制御を行なうため、保温運転の動作の信頼性を高めることができる。すなわち、誤った温度判断に基づいて保温運転の開始や停止を行なうのを防止することができる。なお、第2実施例では、燃料電池スタック20の内部温度を検出するために、第1温度センサ31および第2温度センサ32を用いたが、3つ以上の温度センサを用いて同様の制御を行なうこととしても良い。
【0051】
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0052】
E1.変形例1:
第1および第2実施例では、冷却水温に基づいて保温運転の動作を制御しているが、スタック内部温度を直接検出しても良く、燃料電池スタック20の内部温度を反映する値であれば種々の測定値を用いることができる。例えば、水素供給装置24として、水素ガスを貯蔵する装置に代えて改質器を備える装置を用いることとすれば、改質器の内部温度や、燃料電池スタック20に供給される燃料ガスの温度に基づいて判断することができる。
【0053】
保温運転を行なうために燃料電池システムを起動しているときには、燃料電池スタックからの出力電流および出力電圧に基づいて燃料電池スタック内部の温度状態を判断することも可能である。燃料電池における出力電流に対する出力電圧の値は、燃料電池スタックの内部温度に応じて変化するという性質を有しているため、出力電流と出力電圧を検出することによって、燃料電池スタック内部が充分に昇温したか否かを判断することができる。
【0054】
あるいは、燃料電池スタック20の内部温度を反映する値の一つとして、外気温を検出することとしても良い。ここで、他の温度検出部に異常が生じて、外気温だけに基づいて保温運転の要否を判断する場合には、外気温の温度が所定値以下の状態が長く続くと、保温運転が必要以上に継続される可能性がある。そのため、このような場合には、所定の時間保温運転を行ない、その後所定の時間停止する処理を繰り返すこととしても良い。
【0055】
E2.変形例2:
第1および第2実施例では、燃料電池スタック20と2次電池52とを負荷に対して平行に接続し、両方を電源として走行可能としたが、異なる構成としても良い。例えば、2次電池52は、車両補機を駆動するためだけに用い、車両の駆動用電源としては燃料電池のみを用いる構成も可能である。システムの起動中には燃料電池が負荷に対して電力を供給し、システム停止時には燃料電池の動作が停止されるシステムであれば、本発明を適用することで同様の効果を得ることができる。
【0056】
E3.変形例3:
また、既述した実施例では、燃料電池システムを電気自動車に搭載したが、燃料電池システムを定置型電源として用いる場合にも、本発明を適用して同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての燃料電池システム15を搭載する電気自動車10の構成の概略を表わすブロック図である。
【図2】保温運転の要否および温度センサにおける異常の有無について判断する処理に関わる回路の構成を示すブロック図である。
【図3】保温運転制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【図4】異常判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【図5】第1実施例の変形例としての異常時判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【図6】燃料電池システム115を搭載する電気自動車110の構成の概略を現わすブロック図である。
【図7】異常判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【図8】保温運転制御処理ルーチンを現わすフローチャートである。
【符号の説明】
10,110…電気自動車
15,115…燃料電池システム
20…燃料電池スタック
24…水素供給装置
26…ブロワ
28…冷却水流路
30…冷却装置
31…第1温度センサ
32…第2温度センサ
34…ポンプ
36…ラジエータ
40…制御部
42…保温運転制御部
44…異常判定部
50…DC/DCコンバータ
54…インバータ
56…モータ
58…始動スイッチ
59…警告発生部
Claims (8)
- 燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池の内部温度を反映する温度である電池動作温度を検出する温度検出部と、
前記燃料電池システムの運転停止時に、検出された前記電池動作温度が第1の基準値以下である場合には、前記燃料電池を運転する保温運転を実行させる保温運転制御部と、
前記温度検出部が前記電池動作温度を検出する動作における異常の有無を判定する異常判定部と、
前記異常判定部が異常があると判定したときに、警告を発生する警告発生部と
を備える燃料電池システム。 - 請求項1記載の燃料電池システムであって、
前記保温運転制御部は、前記燃料電池が前記保温運転を実行中に、前記温度検出部が検出した前記電池動作温度が、前記第1の基準値を超える第2の基準値以上となったときには、前記保温運転を停止させる
燃料電池システム。 - 請求項1または2記載の燃料電池システムであって、
前記温度検出部を複数備え、
前記異常判定部は、前記複数の温度検出部のそれぞれについて、異常の有無を判定し、
前記保温運転制御部は、前記複数の温度検出部のいずれかにおいて異常があると判定されたときには、異常がないと判定された他の前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記保温運転に関わる制御を行なう
燃料電池システム。 - 燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池の内部温度を反映する温度である電池動作温度を検出する複数の温度検出部と、
前記複数の温度検出部の各々について、前記電池動作温度を検出する動作における異常の有無を判定する異常判定部と、
前記燃料電池システムの運転停止時にいずれかの前記温度検出部が異常であると前記異常判定部が判定したときには、異常無しと判定された前記温度検出部が検出した前記電池動作温度が、第1の基準値以下である場合に、前記燃料電池を運転する保温運転を実行させる保温運転制御部と
を備える燃料電池システム。 - 請求項4記載の燃料電池システムであって、
前記保温運転制御部は、前記燃料電池が前記保温運転を実行中に、前記異常判定部によって異常無しと判定された前記温度検出部が検出した前記電池動作温度が、前記第1の基準値を超える第2の基準値以上となったときには、前記保温運転を停止させる
燃料電池システム。 - 請求項1ないし5いずれか記載の燃料電池システムであって、
前記異常判定部は、前記温度検出部から、該温度検出部における断線あるいは短絡を示す信号が出力されたときに異常があると判定する
燃料電池システム。 - 燃料電池を備える燃料電池システムの運転方法であって、
(a)前記燃料電池の内部温度を反映する温度である電池動作温度を検出する工程と、
(b)前記燃料電池システムの運転停止時に、前記(a)工程で検出した前記電池動作温度が第1の基準値以下である場合には、前記燃料電池を運転する保温運転を実行させる工程と、
(c)前記(a)工程において前記電池動作温度を検出する動作における異常の有無を判定する工程と、
(d)前記(c)工程において異常があると判定したときに、警告を発生する工程と、
を備える燃料電池システムの運転方法。 - 請求項7記載の燃料電池システムの運転方法であって、さらに、
(e)前記(b)工程により前記燃料電池が前記保温運転を実行中に、前記(a)工程で検出した前記電池動作温度が、前記第1の基準値を超える第2の基準値以上となったときには、前記保温運転を停止させる工程を備える
燃料電池システムの運転方法。
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