JP2004341321A - ハンマー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハンマー4は、2枚の質量板42を金属基板41bへ1のリベット43により固定可能に構成されている。よって、両質量板42及び金属基板41bへのリベット孔42b,41b1の穿設箇所を最小限として、その分、両質量板42及び金属基板41bの重量が軽量化されてしまうことを抑制することができる。その結果、質量板42及び金属基板41bをより小さな寸法で構成しつつ、必要な重量を確保することができるので、ハンマー4全体としての大型化を防止しつつ、タッチ重さを付与する質量体としての機能を確保することができる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、ハンマーに関し、特に、ハンマーの構造を簡素化して、そのコストの低減を図りつつ、タッチ重さを付与する質量体としての機能を確保することができるハンマーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子ピアノ等に用いられる鍵盤装置には、ハンマーが装着されている。このハンマーは、各鍵(例えば、88鍵)毎に設けられており、鍵が押鍵または離鍵された場合には、対応するハンマーがその鍵と連動して回動することによって、アコースティックピアノと同様のタッチ重さを付与するように構成されている。
【0003】
このようなハンマーは、鍵盤装置内での限られた配設スペース内にレイアウトするべく、比較的複雑な形状に成形する必要があり、また、タッチ重さを付与する質量体として機能するための重量も要求される。そのため、ハンマーは、形状の自由度が比較的大きな樹脂成形品で構成されるハンマ本体と、重量を嵩ませるべく比重の大きな金属材料から構成される錘とを備え、その錘をハンマ本体の先端部に取り付けて構成されるのが一般的である。
【0004】
ここで、ハンマ本体への錘の取り付け構造としては、リベット止めにより錘をハンマ本体へ固定する方法が知られている。例えば、特開2000−122652号公報には、ハンマ本体と、そのハンマ本体の左右の取り付け面にそのハンマ本体を挟み込むように取り付けられる2枚の質量板(錘)とを備えるハンマーが記載されている。このハンマーによれば、ハンマ本体の各取り付け面に突設された突起に両質量板に凹設された凹部を係合して位置決めした後、ハンマ本体および両質量板に穿設された2のリベット穴にそれぞれリベットを打ち込むことにより、ハンマ本体の取り付け面に両質量板が固定される(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−122652号公報(段落「0024」、第8図など)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した取り付け構造では、高価なリベットを複数箇所に打ち込む必要があり、部品点数が増加する。また、位置決め用突起および凹部の係合だけでは、ハンマ本体に対して各質量板を周方向へ位置決めすることができないため、リベット打ち込み時には、各リベット穴同士の位置合わせ作業が別途必要となる。その結果、部品点数の増加や取り付け作業の複雑化に起因して、部品コストや組み立てコストが嵩み、ハンマー全体としての製品コストが上昇するという問題点があった。
【0007】
なお、リベットには、かしめ時の塑性加工性を考慮してアルミ等の比較的比重の小さな金属が使用される。そのため、リベットの使用個数に比例して、質量板へのリベット穴の穿設箇所が増加すると、その分、ハンマー全体としての重量が軽量化されてしまい、タッチ重さを付与する質量体としての機能を十分に発揮することができなくなるという問題点があった。この場合、必要な重量を確保するべく質量板等を大型化する必要が生じ、ハンマー全体としての大型化を招くという問題点があった。
【0008】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、ハンマーの構造を簡素化して、部品・組み立てコストの低減を図りつつ、タッチ重さを付与する質量体としての機能を確保することができるハンマーを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、請求項1記載のハンマーは、複数の鍵を有する鍵盤装置に装着され、前記鍵の押鍵または離鍵に連動して回動することによりタッチ重さを付与するものであり、前記鍵盤装置に回動自在に支持され、3本の貫通孔を有するハンマ本体と、そのハンマ本体の両側面にハンマ本体を挟み込むように取り付けられる2枚の質量板と、一方の質量板の連通孔から前記ハンマ本体の貫通孔を介して他方の質量板の連通孔へ挿通するように打ち込まれるリベット部材とを備え、前記ハンマ本体には、3本の貫通孔が穿設される一方、前記質量板には、前記ハンマ本体へ取り付けられた場合に、前記3本の貫通孔の内の2本の貫通孔内へそれぞれ嵌め込まれる2個の突起部と、前記貫通孔の残りの1本に連通される連通孔とが突設および穿設されている。
【0010】
この請求項1記載のハンマーによれば、ハンマー本体に質量板を固定するに際しては、まず、ハンマ本体の両側面にそのハンマ本体を挟み込むように2枚の質量板をそれぞれ取り付けて、ハンマ本体の3本の貫通孔の内の2本の貫通孔内へ両質量板の2個の突起部をそれぞれ嵌め込む。その結果、ハンマ本体に対して両質量板が半径方向および周方向へ位置決めされ、ハンマ本体の残りの貫通孔と両質量板の連通孔とが連通されるので、一方の質量板の連通孔からハンマ本体の貫通孔を介して他方の質量板の連通孔へ挿通するようにリベット部材を打ち込む。これにより、ハンマ本体の両側面に2枚の質量板がそれぞれ固定される。
【0011】
請求項2記載のハンマーは、請求項1記載のハンマーにおいて、前記鍵盤装置には、前記鍵の押鍵に連動して回動する前記ハンマ本体に当接してその回動を規制する規制部材が設けられており、前記2枚の質量板は、その規制部材へ当接される側の面が前記ハンマ本体の前記規制部材への当接面と略面一となるように構成されている。
【0012】
請求項3記載のハンマーは、請求項1又は2に記載のハンマーにおいて、前記鍵盤装置には、前記鍵の離鍵に連動して回動する前記ハンマ本体に当接してその回動を規制する規制部材が設けられており、前記2枚の質量板は、その規制部材へ当接される側の面が前記ハンマ本体の前記規制部材への当接面よりも前記規制部材よりも反対側へ後退して構成されている。
【0013】
請求項4記載のハンマーは、請求項1から3のいずれかに記載のハンマーにおいて、前記2枚の質量板は、互いに略同一の形状に形成されると共に、前記ハンマ本体に対して略対称となる位置に取り付けられている。
【0014】
請求項5記載のハンマーは、請求項1から4のいずれかに記載のハンマーにおいて、前記質量板の2個の突起部は、それぞれハーフピアス加工により突出形成されるものであり、前記連通孔の略中心を通過する仮想線に対して略線対称となる位置に配設されている。
【0015】
請求項6記載のハンマーは、請求項1から5のいずれかに記載のハンマーにおいて、前記ハンマ本体は、金属材料から構成され前記3本の貫通孔が貫通形成される基板部材と、樹脂材料から構成されるホルダ部材と備えると共に、そのホルダ部材と前記基板部材とは、インサート成形により互いに接合されるものであり、前記基板部材に貫通形成される3本の貫通孔の内の少なくとも1本の貫通孔は、インサート成形時における前記基板部材の位置決め用穴として兼用可能に構成されている。
【0016】
請求項7記載の鍵盤装置は、請求項1から6のいずれかに記載のハンマーを複数有するものであって、前記各ハンマーの質量板は、その重量毎に異なる態様の形状にそれぞれ形成されており、その質量板の形状に基づいて前記ハンマーの重量または対応する鍵の種類の少なくとも一方を識別可能に構成されている。
【0017】
【発明の効果】本発明のハンマーによれば、ハンマ本体には3本の貫通孔が穿設されると共に、質量板には2個の突起部が形成されている。よって、ハンマ本体へ質量板を取り付けるに際しては、質量板の2個の突起部をハンマ本体の3本の貫通孔の内の2本の貫通孔へそれぞれ嵌め込むことにより、質量板をハンマ本体に対して半径方向だけでなく周方向へも位置決めすることができ、また、この位置決めによって、質量板の連通孔をハンマ本体の貫通孔へ連通させることができる。従って、従来のハンマーのように、リベット打ち込み時に各リベット穴同士の位置合わせ作業を別途行う必要がなく、取り付け作業が簡素化されるので、その分、組み立てコストを低減して、ハンマー全体としての製品コストを低減することができるという効果がある。
【0018】
また、本発明のハンマーによれば、各質量板は、その2個の突起部を貫通孔へそれぞれ嵌め込むことにより、ハンマー本体に対して半径方向だけでなく周方向へも位置決め固定されている。よって、打ち込まれるリベット部材の数が1のみである場合でも、各質量板を半径・周方向へがたつくことなく確実に固定することができる。その結果、従来のハンマーのように、高価なリベットを複数箇所に打ち込む必要がなく、部品点数および打ち込み作業の工程数が削減されるので、その分、部品コストや組み立てコストを低減して、ハンマー全体としての製品コストをより低減することができるという効果がある。
【0019】
更に、本発明のハンマーによれば、各質量板がハンマ本体へ1のリベット部材により固定される。よって、質量板およびハンマ本体への連通孔および貫通孔の穿設箇所を最小限として、質量板およびハンマ本体の重量低減を抑制することができるので、その分、ハンマー全体としての重量を確保することができるという効果がある。その結果、各構成部材は、より小さな外形寸法で、タッチ重さを付与する質量体として必要な重量を確保することができるので、ハンマー全体としての大型化を抑制することができるという効果がある。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例におけるハンマー4が使用された鍵盤装置1の斜視図である。なお、図1では、鍵盤装置1の左右方向(鍵3の列設方向)幅が省略され、12鍵分のみが図示されている。まず、図1を参照して、鍵盤装置1の外観構成について説明する。
【0021】
鍵盤装置1は、演奏者による鍵盤操作部として構成されると共に、その鍵盤の操作状態を検出するための装置であり、電子ピアノ(図示せず)などの電子楽器に搭載される。この鍵盤装置1は、図1に示すように、樹脂材料から一体に成形されるシャーシ2と、そのシャーシ2に回動自在に支持され白鍵3a及び黒鍵3bから構成される複数(例えば、88鍵)の鍵3と、それら各鍵3毎に配設されると共にその鍵3の押鍵または離鍵に連動して回動されるハンマー4とを主に備えて構成されている。
【0022】
図1に示すように、鍵3(白鍵3a及び黒鍵3b)は、シャーシ2の上面側(図1上側)において、ハンマー4は、各鍵3に対応しつつシャーシ2の内部において、それぞれシャーシ2の左右方向へ列設されている。また、シャーシ2の先端側(図1右側)は、図1に示すように、開放して構成されている。これにより、ハンマー4の先端部(図1右側)が鍵3の下方(図1下側)において露出され、その先端部の外観形状が外部から視認可能とされている。
【0023】
ハンマー4は、後述するように、その先端部の外観形状からその重量や取り付け位置を識別可能に構成されている。よって、ハンマー4の先端部をシャーシ2から露出して構成することにより、例えば、鍵盤装置1の組み立て時や出荷時の検査においては、各ハンマー4の先端部形状を外部から容易に視認して確認することができるので、その検査を効率良く行うことができると共に、ハンマー4の取り付け間違いを確実に防止することができる。
【0024】
なお、シャーシ2の裏面側(鍵3と反対側)には、鍵3(白鍵3a及び黒鍵3b)の押鍵情報を検出するための鍵スイッチ5が取着されている。この鍵スイッチ5は、シャーシ2に螺着される基板51と、その基板51の上面に設けられる第1及び第2スイッチ52a,52bとを備えており、第1及び第2スイッチ52a,52bがハンマー4のスイッチ押圧部41a3(図8参照)により順次押圧されてオンされた場合には、各スイッチ52a,52bがオン動作される時間差に基づいて鍵3の押鍵情報(ベロシティー)を検出する。
【0025】
次に、図2及び図3を参照して、シャーシ2、鍵3およびハンマー4について説明する。図2は、鍵盤装置1の上面図であり、図3は、シャーシ2の斜視図である。なお、図2では、鍵盤装置1の左右方向(鍵3の列設方向であって図2左右方向)幅が省略され、6鍵分のみが図示されている。また、図2では、鍵3及びハンマー4の一部を取り外した状態が図示されている。
【0026】
シャーシ2は、鍵盤装置1の骨格をなす部材であり、図2に示すように、樹脂材料から構成され上面視略矩形状に構成されるシャーシ本体2aを備えると共に、そのシャーシ本体2aに鍵軸支突起21、ハンマ軸支凹部22、鍵案内部材23、リブ24、上側延設板25、下側延設板26などの各構成部材が一体に成形されて構成されている。
【0027】
鍵軸支突起21は、鍵3(白鍵3a及び黒鍵3b)を回動自在に軸支するための突起であり、図2及び図3に示すように、シャーシ2(シャーシ本体2a)の後端側(図2上側、図3左側)において、鍵3毎に形成されている。この鍵軸支突起21には、図2に示すように、鍵3の側壁部に穿設された軸支穴31a,31bが係合され、かかる係合により、シャーシ2は、鍵3を回動自在に軸支(支持)する。
【0028】
ハンマ軸支凹部22は、ハンマー4を回動自在に軸支するための凹部であり、図2に示すように、シャーシ2(シャーシ本体2a)の略中央部において、上側(図2紙面手前側)が開放した断面視略U字状の凹部としてハンマー4毎に形成されている。このハンマ軸支凹部22には、図2に示すように、ハンマー4の両側壁から突出する軸支突起41a1が係合され、かかる係合により、シャーシ2は、ハンマー4を回動自在に軸支(支持)する。
【0029】
なお、シャーシ2(シャーシ本体2a)の上面視においては、図2に示すように、上述した第1及び第2スイッチ52a,52bがハンマー軸支凹部22の上方(図2上側)に露出して配設されており、鍵3の押鍵に連動してハンマー4が回動された場合には、そのハンマー4の後端側(図2上側)裏面に形成されるスイッチ押圧部41a3により第1及び第2スイッチ52a,52bが押圧される(図8参照)。
【0030】
案内部材23は、押鍵または離鍵された鍵3を上下方向(図2紙面垂直方向、図3上下方向)へ案内して、その鍵3が左右方向(図2左右方向)にがたつくことを抑制するための部材であり、図2及び図3に示すように、シャーシ2(シャーシ本体2a)の先端側(図2下側、図3右側)において、鍵3毎に立設されている。この案内部材23は、鍵3の底面側(図2紙面奥側)からその側壁間に内挿され、鍵3の両側壁と内接することにより、その鍵3の左右方向へのがたつきを抑制する。
【0031】
なお、案内部材23は、白鍵案内部材23aと黒鍵案内部材23bとを備えて構成されている。白鍵案内部材23a及び黒鍵案内部材23bは、それぞれ白鍵3a及び黒鍵23bを案内するための部材であり、白鍵案内部材23aの立設高さは、白鍵3aの初期位置が黒鍵3bのそれよりも低い(図1参照)ことに起因して、図3に示すように、黒鍵案内部材23bの立設高さよりも若干低くされている。
【0032】
また、案内部材23(白鍵案内部材23a及び黒鍵案内部材23b)の一側(図2下側、図3右側)には、図2及び図3に示すように、リブ24(白鍵リブ24a及び黒鍵リブ24b)が立設されており、かかるリブ24によって、案内部材23の一側と後述する上側延設板25の上面側(図2紙面手前側、図3上側)とが互いに連結されている。
【0033】
この連結により、案内部材23の剛性強度を確保して、鍵3の左右方向へのがたつきを強固に抑制することができるだけでなく、上側延設板25の剛性強度をも同時に確保することができる。よって、鍵3の押鍵により上側延設板25が鍵3やハンマー4により強打されるような場合でも(図8参照)、その上側延設板25が破損したり、或いは、その変形により押鍵または離鍵時の演奏者の操作感が悪化することを未然に防止することができる。
【0034】
なお、上述したように、リブ24(白鍵リブ24a及び黒鍵リブ24b)は、上側延設板25の上面側に設けられているので、かかるリブ24を鍵3の底面側からその鍵3の側壁間に内挿させることができる。よって、かかるリブ24の配設により、鍵3の回動範囲が制限されることを回避して、その鍵3や他の部材などの配設スペースが縮小されることを抑制することができる。
【0035】
上側延設板25は、鍵3が押鍵された場合には、鍵3の下面及びハンマー4の上面に当接して鍵3の下限位置およびハンマー4の上限位置をそれぞれ規制する(図8参照)と共に、鍵3が離鍵された場合には、鍵3のストッパ部32に当接して鍵3の上限位置を規制する(図7参照)ための部材である。一方、下側延設板26は、鍵3が離鍵された場合にハンマー4の下面に当接してハンマー4の下限位置を規制する(図7参照)ための部材である。
【0036】
これら上側延設板25及び下側延設板26は、図3に示すように、シャーシ2(シャーシ本体2a)の先端側(図3右側)から外方へ向けて略水平に延設されており、互いに所定間隔を隔てつつ対向して配設されている。その結果、シャーシ2の先端側(図3右側)は、外方に向けて開口を有する側面視略コ字状の開口部として形成されている。これら上側延設板25と下側延設板26との対向面間には、ハンマー4の先端部が配設される(図1参照)。
【0037】
このように、シャーシ2(シャーシ本体2a)には、鍵3及びハンマー4の回動を規制するための上側及び下側延設板25,26が一体に成形されているので、従来のシャーシのように、規制部材を形成するべく連結バーなどをシャーシの先端側へ配設する必要がない(図1参照)。よって、ワイヤリングや口板等の配設スペースを確保して、シャーシ2の先端側にワイヤリングや口板等を適正に、即ち、外方へ突出させることなく配設することができるので、電子楽器の大型化やその外観が損なわれることを抑制することができる。
【0038】
また、従来のシャーシのように、連結バーが配設される分だけハンマー4の配設位置をシャーシ2(シャーシ本体2a)の後端側(図2上側、図3左側)へ移動させる必要がなく、その分、シャーシ2の奥行き(図2上下方向幅、図3左右方向幅)を短縮することができるので、この点からも電子楽器の大型化を抑制することができる。
【0039】
更に、シャーシ2の先端部(図3右側)を開口を有する開口部として構成することにより、上述したように、ハンマー4の先端部(図1右側)の外観形状を外部から視認可能とすることができるので(図1参照)、鍵盤装置1の組み立て時や出荷時の検査においては、各ハンマー4の先端部形状を外部から容易に視認して確認することができ、その検査を効率良く行うことができると共に、ハンマー4の取り付け間違いを確実に防止することができる。
【0040】
なお、図3に示すように、上側延設板25の上面(図3上側面)にはクッション材27a,27bが、上側延設板25の下面(図3下側面)には、クッション材27c,27dが、下側延設板26の上面(図3上側面)には、クッション材27eが、それぞれ貼設されている。これらクッション材27a〜27eは、緩衝材または消音材としての役割を担う部材であり、鍵3やハンマー4の回動を規制する際の衝撃を吸収するべく、例えば、フェルトや発泡ウレタンなどから構成されている。
【0041】
鍵3は、上述したように、白鍵3a及び黒鍵3bを備えて構成され、図2に示すように、シャーシ2(シャーシ本体2a)の上面側(図2紙面手前側)に配設されている。これら白鍵3a及び黒鍵3bは、樹脂材料から底面側(図2紙面奥側)が開放した断面略コ字状の長尺状体に形成され、その側壁内面には、底面側から内挿された上述した白鍵案内部材23a及び黒鍵案内部材23bがそれぞれ内接されている。かかる内接により、白鍵3a及び黒鍵3bは、その左右方向(図2左右方向)のがたつきが抑制されている。
【0042】
また、白鍵3a及び黒鍵3bは、その後端側(図2上側)の側壁に正面視略円形の軸支穴31a,31bが穿設されている。この軸支穴31a,31bは、上述したシャーシ2(シャーシ本体2a)の後端部(図2上側)に突設される鍵軸支突起21と係合される部位であり、かかる係合により、白鍵3a及び黒鍵3aは、シャーシ4に回動自在に軸支(支持)される。
【0043】
なお、白鍵3a及び黒鍵3bには、その側壁から下方(図2紙面奥方向)へ向けて延設される側面視L字状のストッパ部材32が形成されている(図7及び図8参照)。白鍵3a及び黒鍵3bは、このストッパ部材32がシャーシ2の上側延設板25(クッション材27c)に当接することにより、離鍵時の上限位置が規制される(図7参照)。
【0044】
また、白鍵3a及び黒鍵3bには、その底面部から下方(図2紙面奥方向)へ向けて延設される略尖形形状の連結突起33が形成されている(図7及び図8参照)。白鍵3a及び黒鍵3bは、この連結突起33を介して、ハンマー4と連結(接触)されており、かかるハンマー4との連結により、離鍵時にはハンマー4の重量により初期位置へ持ち上げられる一方(図7参照)、押鍵時にはハンマー4の重量により所定のタッチ重さが付与される(図8参照)。
【0045】
ハンマー4は、図2に示すように、上面視においては、シャーシ2(シャーシ本体2a)の内部に格納されており、シャーシ2の上面に白鍵3a及び黒鍵3bが取着された場合には、その白鍵3a及び黒鍵3bにより外部から視認不可能に被覆される。但し、ハンマー4の先端部は、上述したように、白鍵3aの下方において外部に露出され、外部から視認可能とされている(図1参照)。
【0046】
ハンマー4(ハンマー本体41)の両側面には、図2に示すように、正面視略円形の軸支突起41a1が突設されており、この軸支突起41a1は、シャーシ2(シャーシ本体2a)に凹設されたハンマ軸支凹部22に係合され、かかる係合により、ハンマー4は、シャーシ2に回動自在に軸支(支持)される。ここで、図4を参照して、ハンマー4の詳細構成について説明する。
【0047】
図4(a)は、ハンマー4の上面図であり、図4(b)は、ハンマー4の側面図である。なお、図4(a)ではハンマー4の組み立て前の状態が、図4(b)ではハンマー4の組み立て後の状態が、それぞれ図示されている。
【0048】
ここで、本実施例の鍵盤装置1には、それぞれ重量が異なる6種類のハンマー4が使用されているが(図6参照)、これら各ハンマー4は、後述するように、質量板42の外形形状が異なる以外は、それぞれ略同一に構成されるものである。よって、以下においては、1のハンマー4(図6(a)参照)をその代表例として説明する。
【0049】
ハンマー4は、鍵3の押鍵または離鍵に連動して回動することによって、アコースティックピアノと同様のタッチ重さを付与するための部材であり、ハンマ本体41と、2枚の質量板42と、リベット43とを備えている。ハンマ本体41は、樹脂材料から構成される樹脂ホルダ41aと、その樹脂ホルダ41aへインサート成形により接合され金属材料から構成される金属基板41bとを備えており、図4(b)に示すように、側面視略S字状に屈曲する板状体として構成されている。
【0050】
樹脂ホルダ41aの両側面には、図4(a),(b)に示すように、上述した正面視略円形の軸支突起41a1が突設されている。また、樹脂ホルダ41aの後端部(図4(a),(b)左側)には、その上面側(図4(b)上側)に連結凹部41a2が、その下面側(図4(b)下側)にスイッチ押圧部41a3が、それぞれ形成されている。連結凹部41a2は、上述した鍵3の連結突起33と連結するための凹部であり、スイッチ押圧部41a3は、上述した鍵スイッチ5の第1及び第2スイッチ52a,52bをそれぞれ押圧してオンするための突起である。
【0051】
金属基板41bの先端部(図4右側)であって、後述する質量板42が取り付けられる取り付け面には、図4(a)に示すように、3つの貫通孔が穿設されている。中央の貫通孔は、後述するリベット43が挿通されるリベット孔41b1であり、残りの2つの貫通孔は、後述する質量板42の位置決め突起42aが嵌め込まれる位置決め孔41b2である。これらリベット孔41b1及び位置決め孔41b2は、図4(b)に示すように、略等間隔かつ直線状に、即ち、リベット孔41b1の略中心を通過する仮想線に対して各位置決め孔41b2が線対称となるように配設されている。
【0052】
また、金属基板41bの後端部(図4左側)には、位置決め孔41b3が穿設されている。この位置決め孔41b3は、インサート成形時おいて金属基板41bを位置決めするための孔であり、成形金型内に突設される位置決め用突起に係合される。なお、上述したリベット孔41b1は、インサート成形時の位置決め孔も兼ねており、このリベット孔41b1及び位置決め孔41b3が成形金型内に突設された位置決め用突起と係合することにより、金属基板41bは、成形金型内で位置決めされる。
【0053】
このように、金属基板41bは、リベット孔41b1がインサート成形時における位置決め孔としても兼用可能に構成されている。よって、かかるインサート成形時における位置決め孔が金属基板41bに別途穿設されることを回避して、その分、金属基板41bの重量を確保することができる。その結果、金属基板41bをより小さな寸法で必要な重量に構成することができるので、ハンマー4全体としての大型化を防止しつつ、タッチ重さを付与する質量体としての機能を確保することができる。
【0054】
質量板42は、ハンマー4の重量を嵩ませる錘としての役割を担う部材であり、金属基板41bの左右の側面(取り付け面)にその金属基板41bを挟み込むように2枚が取り付けられる。2枚の質量板42は、互いに略同一の外形形状に形成されており、金属基板41bに対して略対称となる位置に取り付けられている。これにより、ハンマー4全体としての左右のバランスを適正化することができるので、鍵3が押鍵または離鍵された場合には、ハンマー4の回動時の横ぶれを防止して、かかるハンマー4を円滑に回動させることができるので、メカニカルノイズの発生を低減することができる。
【0055】
各質量板42の一側面(金属基板41bとの合わせ面)には、図4(a)に示すように、2個の位置決め突起42aがいわゆるハーフピアス加工により突設されており、これら位置決め突起42aの略中間部には、リベット孔42bが穿設されている。これら位置決め突起42a及びリベット孔42bは、略等間隔かつ直線状に、即ち、リベット孔42bの略中心を通過する仮想線に対して各位置決め突起42aが線対称となるように配設されている。
【0056】
よって、加工面(加工方向)が互いに異なる2枚の質量板42に対して、その位置決め突起42aのハーフピアス加工およびリベット孔42bの打ち抜き加工を行うためのパンチ型を2枚の質量板42で共通化して、高価な金型コストの低減を図ることができる。その結果、質量板42の製造コストを低減して、その分、ハンマー4全体としての製品コストを低減することができる。
【0057】
なお、位置決め突起42aは、質量板42を金属基板41bに対して位置決めするための突起であり、上述したように、金属基板41bの位置決め孔41b2に嵌入される。また、リベット孔42bは、後述するリベット43が挿通される貫通孔であり、位置決め突起42aが位置決め孔41b2へ嵌入された場合には、後述するように、金属基板41bのリベット孔41b1と連通されるように構成されている(図5(a)参照)。
【0058】
リベット43は、金属基板41bへ2枚の質量板42を固定するための部材であり、塑性加工性に優れ比重が比較的小さな金属材料(例えば、アルミなど)から一端に座面を有する円筒状体として構成されている。ここで、図5(a)を参照して、ハンマー4の組み立て方法について説明する。
【0059】
図5(a)は、図4(b)のVa−Va線におけるハンマー4の断面図であり、金属基板41bの一部が省略して図示されている。
【0060】
ハンマー4を組み立てるに際しては、まず、2枚の質量板42を金属基板41bの左右の取り付け面に取り付けて、図5(a)に示すように、2個の位置決め突起42aを位置決め孔41b2へ嵌め込む。これにより、各質量板42は、金属基板41bに対して、半径方向(平行方向)だけでなく周方向(回転方向)へも位置決めされ、また、この位置決めによって、両質量板42のリベット孔42bは、図5(a)に示すように、金属基板41bのリベット孔41b1と連通される。
【0061】
よって、従来のハンマーの組み立て作業のように、リベットを打ち込むために、質量板の取り付け位置を調整して、各リベット穴同士の位置合わせ作業を別途行う必要がなく、その取り付け作業が簡素化されるので、その分、質量板42の取り付けコストを低減して、ハンマー4全体としての製品コストを低減することができる。
【0062】
質量板42を取り付けた後は、次いで、リベット43を一方(図5(a)下側)の質量板42のリベット孔42bから金属基板41bのリベット孔41b1を介して他方(図5(a)上側)の質量板42のリベット孔41b1へ挿通するように打ち込み、先端部をかしめ加工する。これにより、図5(a)に示すように、2枚の質量板42が金属基板41bに固定され、ハンマー4の組み立てが完了する。
【0063】
このように、各質量板42は、その2個の位置決め突起42aを位置決め孔41b2へ嵌め込むように構成され、これにより、金属基板41bに対して半径方向だけでなく周方向へも位置決め固定される。よって、1のリベット43を打ち込むだけで、各質量板42と金属基板41bとの固定を確実に行うことができるので、従来のハンマーのように、高価なリベットを複数箇所に打ち込む必要がなく、部品点数および打ち込み作業の工程数が削減されるので、その分、部品コストや組み立てコストを低減して、ハンマー4全体としての製品コストをより低減することができる。
【0064】
更に、両質量板42を金属基板41bへ1のリベット43により固定可能とすることにより、両質量板42及び金属基板41bへのリベット孔42b,41b1の穿設箇所を最小限として、その分、両質量板42及び金属基板41bの重量が軽量化されてしまうことを抑制することができる。その結果、質量板42及び金属基板41bをより小さな寸法で構成しつつ、必要な重量を確保することができるので、ハンマー4全体としての大型化を防止しつつ、タッチ重さを付与する質量体としての機能を確保することができる。
【0065】
図4に戻って説明する。上述したように、2枚の質量板42が金属基板41bの左右の側面(取り付け面)に取り付けられ、ハンマー4の組み立てが完了すると、図4(b)に示すように、そのハンマー4には、質量板42の取り付け部の上面側及び下面側(図4(b)上側及び下側)に上側及び下側当接面部44a,44bがそれぞれ形成される。
【0066】
上側当接面部44aは、鍵3が押鍵された場合に、上限規制部材としての上側延設板25(クッション材27d)に当接される部位であり(図8参照)、下側当接面部44bは、鍵3が離鍵された場合に、下限規制部材としての下側延設板26(クッション材27e)に当接される部位である(図7参照)。ここで、図5(b)を参照して、上側及び下側当接面部44a,44bの詳細構成について説明する。
【0067】
図5(b)は、図4(b)のVb−Vb線におけるハンマー4の断面図である。上側当接面部44aは、図5(b)に示すように、両質量板42が金属基板41bに対して略同一の高さに取り付けられることにより、略面一の平坦面として構成されている。よって、クッション材27d(図8参照)との接触面積を確保することができるので、鍵3の押鍵時にクッション材27dへ作用する圧力を低減して、かかるクッション材27dへの負荷を抑制することができる。その結果、クッション材27dの長寿命化を図り、使用によりクッション材27dの緩衝材または消音材としての機能が低下することを抑制することができる。
【0068】
一方、下側当接面部44bは、図5(b)に示すように、両質量板42が金属基板41bに対して後方(図5(b)上方向)へ後退して取り付けられることにより、全体としてテーパ状の略尖形形状に構成されている。よって、クッション材27e(図7参照)との接触を円滑にして、衝撃吸収特性を向上させることができるので、鍵3の離鍵時にメカニカルノイズが発生することを抑制することができる。その結果、不要な音の発生によって演奏性が阻害されることを抑制することができる。
【0069】
図6は、本実施例の鍵盤装置1に使用される全6種類のハンマー4を示す図であり、図6(a)から図6(d)は、白鍵3aに使用されるハンマー4の正面図であり、図6(e)及び図6(f)は、黒鍵3bに使用されるハンマー4の正面図である。なお、図6では、図面を簡素化して理解を容易とするために、各構成部材の符号(例えば、金属基板を示す「41b」など)が省略されている。
【0070】
本実施例の鍵盤装置1には、上述したように、それぞれ重量が異なる6種類のハンマー4が使用されている。なお、図6(a)〜(d)に示すハンマー4は、白鍵3a用のものであり、図6(a)に示すものが最も重く(即ち、低音用)されると共に、図6(d)に向かうに従って順にその重量が軽く(即ち、高音用)されている。また、図6(e),(f)に示すハンマー4は、黒鍵3b用のものであり、図6(e)に示すものが図6(f)に示すものよりも重く(即ち、低音用)されている。
【0071】
これら各ハンマー4は、図6(a)〜(f)に示すように、各質量板42,45〜49の外形形状を変更することにより、それぞれ異なる重量に構成されるものであり、ハンマー本体41(樹脂ホルダ41a及び金属基板41b)自体は共通のものが使用されている。その結果、各質量板42,45〜49の打ち抜き型と比較して、その外形寸法が大きな分だけより高価となる金属基板41bの打ち抜き型、及び、金属基板41bを樹脂ホルダ41aへ接合するためのインサート成形型を各ハンマー4(即ち、鍵盤装置1)で共通とすることができるので、全体として、金型コストを低減することができ、その分、ハンマー4の製品コストの低減を図ることができる。
【0072】
また、このように、ハンマ本体41を各ハンマー4において共通とすることにより、各質量板42,45〜49の外形形状を変更するだけで、即ち、樹脂ホルダ41aや金属基板41bの外形形状を変更することなく、あらゆる重量のハンマー4を製造することができる。よって、高価なインサート成形型の変更を不要とするだけでなく、シャーシ2の成形型の変更も不要とすることができるので、ハンマー4のバリエーションを容易に増加させることができ、その分、設計の自由度を向上することができる。その結果、例えば、突発的な設計変更にも柔軟に対応することができる。
【0073】
更に、各質量板42,45〜49の外形形状が各ハンマー4の重量毎に変更されることにより、かかる質量板42,45〜49の外形形状を各ハンマー4の重量やその取り付け位置を示す識別情報として利用することができる。その結果、本実施例のシャーシ2のように、先端部側に開口部を形成して、各質量板42,45〜49の外形形状を外部から視認可能に構成した場合には、例えば、鍵盤装置1の組み立て時や出荷時の検査においては、各ハンマー4の先端部形状を外部から容易に視認して確認することができるので、その検査を効率良く行うことができると共に、ハンマー4の取り付け間違いを確実に防止することができる。
【0074】
次に、図7及び図8を参照して、以上のように構成された鍵盤装置1の鍵3が押鍵または離鍵された場合の動作について説明する。図7及び図8は、鍵盤装置1の側面図であり、図7は鍵3が離鍵された、即ち、初期状態を、図8は鍵3が押鍵された状態を、それぞれ示している。
【0075】
シャーシ2は、図7及び図8に示すように、シャーシ本体2aの下端面(図7及び図8下側面)の2カ所が棚板6に当接され、かかる当接面に図示しないねじにを螺号することにより、棚板6に螺着固定されている。なお、以下においては、白鍵3aが押鍵または離鍵される場合を説明するが、黒鍵3bの場合も同様であるので、その説明は省略する。
【0076】
図7に示す初期状態において、白鍵3aが押鍵されると、かかる白鍵3aは、軸支突起21を回動中心として下方(図7下方向)へ回動され、図8に示すように、その下面がクッション材27a,27bに当接されることにより、下限位置が規制される。この場合、白鍵3aは、白鍵ガイド23aにより、左右方向へがたつくことなく下方へ案内される。
【0077】
一方、ハンマー4は、白鍵3aの押鍵に連動して、その連結凹部41a2が白鍵3aの連結突起33で下方に押圧されることにより、軸支突起41a1を回動中心として先端部(図7及び図8右側)が上方へ回動される。これにより、ハンマー4は、図8に示すように、その上側当接面部44aがクッション部材27dに当接され、上限位置が規制される。この場合、上側当接面部44aは、略面一の平坦面として構成されているので(図5(b)参照)、クッション材27dへ過大な負荷が作用することを抑制して、そのクッション材27eの長寿命化が図られる。
【0078】
また、このハンマー4の回動に伴って、図8に示すように、ハンマー4のスイッチ押圧部41a3が鍵スイッチ5の第1及び第2スイッチ52a,52bを押圧してオンさせることにより、白鍵3aの押鍵情報(ベロシティーなど)が検出され、その検出結果に応じて、図示しないスピーカから楽音が放音される。
【0079】
図8に示す押鍵状態において、白鍵3aが離鍵されると、かかる白鍵3aは、軸支突起21を回動中心として上方(図8上方向)、即ち、初期位置へ復帰回動され、図7に示すように、そのストッパ部材32がクッション材27cに当接されることにより、上限位置が規制される。
【0080】
一方、ハンマー4は、白鍵3aの離鍵に連動して、その連結凹部41a2への白鍵3a(連結突起33)による下方への押圧が解除されることにより、軸支突起41a1を回動中心として先端部(図7及び図8右側)が下方へ回動される。これにより、ハンマー4は、図7に示すように、その下側当接面部44bがクッション部材27eに当接され、下限位置が規制される。この場合、下側当接面部44bは、全体としてテーパ状の略尖形形状に構成されているので(図5(b)参照)、クッション材27eと円滑に接触して、メカニカルノイズの発生が抑制される。
【0081】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0082】
例えば、本実施例では、リベット43の打ち込みにより、2枚の質量板42,45〜49を金属基板41bへ固定する場合を説明したが、かかる固定方法は必ずしもこれに限られるわけではなく、例えば、溶接により2枚の質量板42,45〜49を金属基板41bへ固定するように構成しても良い。
【0083】
ここで、溶接方法としては、金属基板41bの両側面に密着状態に取り付けられた2枚の質量板42,45〜49を一対の電極間に挟み込み、この電極で加圧しつつ電流を流すことにより、局部的に加熱して行うスポット溶接(抵抗溶接)を使用することが好ましい。
【0084】
なお、2枚の質量板42の金属基板42bへの固定を溶接(スポット溶接に限らない)により行う場合には、金属基板41b及び各質量板42,45〜49へのリベット孔41b1,42bの穿設を省略することができる。これにより、金属基板41bや質量板42,45〜49に穿設される貫通孔を低減して、より小さな外形寸法で必要な重量を確保することができるので、ハンマー4全体としての大型化を防止しつつ、タッチ重さを付与する質量体としての機能を確保することができる。
【0085】
また、本実施例では特に説明しなかったが、各クッション材27a〜27eの材質(特性)は、全て同一に構成する必要はなく、配設位置等に応じて、各クッション材27a〜27e毎に異なる材質で構成しても良い。なお、各クッション材27a〜27eは、材質が異なる複数の部材を厚み方向へ積層した状態に構成されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるハンマーが使用された鍵盤装置の斜視図である。
【図2】鍵盤装置の上面図である。
【図3】シャーシの斜視図である。
【図4】(a)は、ハンマーの上面図であり、(b)は、ハンマーの側面図である。
【図5】(a)は、図4(b)のVa−Va線におけるハンマーの断面図であり、(b)は、図4(b)のVb−Vb線におけるハンマーの断面図である。
【図6】鍵盤装置に使用される全6種類のハンマーを示す正面図である。
【図7】鍵盤装置の側面図である。
【図8】鍵盤装置の側面図である。
【符号の説明】
1 鍵盤装置
2 シャーシ
23 案内部材
23a 白鍵案内部材
23b 黒鍵案内部材
24 リブ
24a 白鍵リブ
24b 黒鍵リブ
25 上側延設板(規制部材の一部)
26 下側延設板(規制部材の一部)
27a〜27e クッション材(規制部材の一部)
3 鍵
3a 白鍵(鍵の一部)
3b 黒鍵(鍵の一部)
4 ハンマー
41 ハンマ本体
41a 樹脂ホルダ(ホルダ部材)
41b 金属基板(基板部材)
41b1 リベット孔(貫通孔、位置決め用孔)
41b2 位置決め孔(貫通孔)
42 質量板
42a 位置決め突起(突起部)
42b リベット孔(連通孔)
43 リベット(リベット部材)
Claims (7)
- 複数の鍵を有する鍵盤装置に装着され、前記鍵の押鍵または離鍵に連動して回動することによりタッチ重さを付与するハンマーにおいて、
前記鍵盤装置に回動自在に支持され、3本の貫通孔を有するハンマ本体と、
そのハンマ本体の両側面にハンマ本体を挟み込むように取り付けられる2枚の質量板と、
一方の質量板の連通孔から前記ハンマ本体の貫通孔を介して他方の質量板の連通孔へ挿通するように打ち込まれるリベット部材とを備え、
前記ハンマ本体には、3本の貫通孔が穿設される一方、
前記質量板には、前記ハンマ本体へ取り付けられた場合に、前記3本の貫通孔の内の2本の貫通孔内へそれぞれ嵌め込まれる2個の突起部と、前記貫通孔の残りの1本に連通される連通孔とが突設および穿設されていることを特徴とするハンマー。 - 前記鍵盤装置には、前記鍵の押鍵に連動して回動する前記ハンマ本体に当接してその回動を規制する規制部材が設けられており、
前記2枚の質量板は、その規制部材へ当接される側の面が前記ハンマ本体の前記規制部材への当接面と略面一となるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のハンマー。 - 前記鍵盤装置には、前記鍵の離鍵に連動して回動する前記ハンマ本体に当接してその回動を規制する規制部材が設けられており、
前記2枚の質量板は、その規制部材へ当接される側の面が前記ハンマ本体の前記規制部材への当接面よりも前記規制部材と反対側へ後退して構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のハンマー。 - 前記2枚の質量板は、互いに略同一の形状に形成されると共に、前記ハンマ本体に対して略対称となる位置に取り付けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のハンマー。
- 前記質量板の2個の突起部は、それぞれハーフピアス加工により突出形成されるものであり、前記連通孔の略中心を通過する仮想線に対して略線対称となる位置に配設されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のハンマー。
- 前記ハンマ本体は、金属材料から構成され前記3本の貫通孔が貫通形成される基板部材と、樹脂材料から構成されるホルダ部材と備えると共に、そのホルダ部材と前記基板部材とは、インサート成形により互いに接合されるものであり、
前記基板部材に貫通形成される3本の貫通孔の内の少なくとも1本の貫通孔は、インサート成形時における前記基板部材の位置決め用穴として兼用可能に構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のハンマー。 - 請求項1から6のいずれかに記載のハンマーを複数有する鍵盤装置であって、
前記各ハンマーの質量板は、その重量毎に異なる態様の形状にそれぞれ形成されており、その質量板の形状に基づいて前記ハンマーの重量または対応する鍵の種類の少なくとも一方を識別可能に構成されていることを特徴とする鍵盤装置。
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