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JP2004331742A - 付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物及びその硬化方法並びにその硬化物 - Google Patents

付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物及びその硬化方法並びにその硬化物 Download PDF

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JP2004331742A
JP2004331742A JP2003127056A JP2003127056A JP2004331742A JP 2004331742 A JP2004331742 A JP 2004331742A JP 2003127056 A JP2003127056 A JP 2003127056A JP 2003127056 A JP2003127056 A JP 2003127056A JP 2004331742 A JP2004331742 A JP 2004331742A
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silicone rubber
formula
rubber composition
addition reaction
conductive silicone
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Application number
JP2003127056A
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English (en)
Inventor
Yoshibumi Inoue
義文 井上
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

【解決手段】アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、導電性充填剤と、付加反応触媒とを含む付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物に、下記一般式(1)
【化1】
Figure 2004331742

(式中、nは3〜10の整数である。)
で表される環状オルガノポリシロキサン及び下記一般式(2)
【化2】
Figure 2004331742

(式中、mは0〜8の整数である。)
で表される直鎖状オルガノポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種を配合してなることを特徴とする付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物。
【効果】本発明によれば、電気抵抗値や電気抵抗率の低い硬化物を確実に与えることができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、付加反応により硬化して、電気抵抗値や電気抵抗率が低い導電性シリコーンゴム硬化物を形成できる付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物及びその硬化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
付加反応により硬化して、導電性のシリコーンゴム硬化物を形成する付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物は周知であり、例えば、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、銀微粉末、及び白金系付加反応用触媒からなる導電性シリコーンゴム組成物(特許文献1:特開平3−170581号公報、特許文献2:特開平7−133432号公報参照)が挙げられる。
【0003】
しかし、これらの付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物は、硬化して得られる導電性シリコーンゴム硬化物の電気抵抗値や電気抵抗率が高かったり、この電気抵抗値の温度依存性が大きかったり、更には、この電気抵抗値や電気抵抗率の経時変化が大きかったりするという問題があった。このため、付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物中の導電性金属系微粉末を増量するという方法があるが、この方法は、得られる組成物の粘度が著しく高くなり、その取扱作業性が極めて悪くなるという問題があった。また、付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物中の導電性金属系微粉末を増量すると共に、この組成物の粘度を低下させ、その取扱作業性を向上させるために揮発性溶剤を多量に配合する方法があるが、得られる組成物が不均一となったり、また、得られる硬化物が不均一となったりして、必ずしもこの硬化物の電気抵抗値や電気抵抗率が低くならず、この電気抵抗値や電気抵抗率の経時変化が小さい導電性シリコーンゴム硬化物を形成することができないという問題があった。
【0004】
更に、特開平10−130508号公報(特許文献3)の付加反応性硬化型導電性シリコーンゴム組成物においては、この組成物の硬化温度よりも高い沸点(但し、沸点は400℃以下である)を有する揮発性溶剤を使用している。しかし、揮発性有機溶剤は、毒性の問題があり、また、反応性シラン(アルコキシシラン)も提示しているが、これらはベースポリマーと反応して十分な揮発効果が得られず、従って、これでは十分な導電性を得ることはできなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−170581号公報
【特許文献2】
特開平7−133432号公報
【特許文献3】
特開平10−130508号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、電気抵抗値や電気抵抗率の低い硬化物を確実に与える付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物及びその硬化方法並びにその硬化物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物中の導電性金属系微粉末を増量したり、これに多量の揮発性溶剤を配合することなく、従来の付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物に特定の低分子シロキサンを極少量配合して、付加反応による硬化途上にこれらの低分子シロキサンの一部又は全部を除去することにより、硬化物の体積収縮を起こさせ、この硬化物の電気抵抗値や電気抵抗率を低くし得ることを知見し、本発明に至ったものである。
【0008】
従って、本発明は、アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、導電性充填剤と、付加反応触媒とを含む付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物に、下記一般式(1)
【化5】
Figure 2004331742
(式中、nは3〜10の整数である。)
で表される環状オルガノポリシロキサン及び下記一般式(2)
【化6】
Figure 2004331742
(式中、mは0〜8の整数である。)
で表される直鎖状オルガノポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種を配合してなることを特徴とする付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物、特に、
Figure 2004331742
を含有することを特徴とする付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物、及び、上記付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物を硬化させるに際し、その硬化途上で前記式(1)の環状オルガノポリシロキサン及び式(2)の直鎖状オルガノポリシロキサンの一部又は全部を揮発除去することを特徴とする付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物の硬化方法、並びにその方法によって得られる導電性シリコーンゴム硬化物を提供する。
【0009】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
[(A)成分]
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、本組成物の主剤であり、1分子中に平均0.1個以上のケイ素原子結合アルケニル基を含有し、好ましくは1分子中に平均0.8個以上、より好ましくは1分子中に平均1個以上、更に好ましくは1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有することを特徴とする。また、1分子中のアルケニル基の数は、通常20個以下、特に10個以下程度であることが好ましい。これは、1分子中のケイ素原子結合アルケニル基の平均値が上記範囲の下限未満であると、得られる組成物が十分に硬化しなくなる場合があり、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーンゴム硬化物のゴム物性が低下する場合があるからである。
【0010】
なお、このアルケニル基の含有量は、1分子中のケイ素原子に結合する全有機基の0.01〜20モル%、特に、0.1〜10モル%とすることが好ましい。また、このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、前記両者に結合していてもよいが、組成物の硬化速度、硬化物の物性等の点から、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子、特に分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含んだものであることが好ましい。
【0011】
(A)成分のケイ素原子結合アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の、通常、炭素原子数2〜8個、好ましくは炭素原子数2〜6個程度のものが挙げられ、好ましくはビニル基である。また、(A)成分のアルケニル基以外のケイ素原子結合有機基(即ち、アルケニル基以外のケイ素原子に結合した非置換又は置換の1価炭化水素基)としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの水素原子が部分的に塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化炭化水素基等の、通常、炭素原子数1〜12個、好ましくは炭素原子数1〜8個程度のものが例示されるが、好ましくはアルキル基、アリール基であり、より好ましくはメチル基、フェニル基である。
【0012】
また、(A)成分の25℃における粘度は50〜100,000mPa・sであり、好ましくは100〜50,000mPa・sである。これは、25℃における粘度が上記範囲の下限未満であると、得られるシリコーンゴム組成物の物理的特性、例えば、ゴム硬度、引張り強度、引裂き強度等のゴム強度、伸び等のゴム物性が著しく低下する傾向があるからであり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーンゴム組成物の取扱作業が著しく低下する傾向があるからである。
【0013】
このような(A)成分のオルガノポリシロキサンの分子構造は限定されず、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、一部分岐を有する直鎖状、3次元網状構造が挙げられ、好ましくは主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された基本的に直鎖状構造のジオルガノポリシロキサンである。また、(A)成分はこれらの分子構造を有する単一の重合体、これらの分子構造からなる共重合体、又はこれらの重合体の混合物である。
【0014】
このオルガノポリシロキサンは、公知の方法によって得ることが可能である。一般的な製造方法を挙げると、オルガノシクロポリシロキサンとヘキサオルガノジシロキサンとをアルカリ又は酸触媒の存在下に平衡化反応を行うことによって得ることができる。
【0015】
(A)成分の具体例としては、下記一般式で示される化合物が挙げられる。なお、下記一般式中Rは、前記したアルケニル基を除く、ケイ素原子に結合した非置換又は置換の1価炭化水素基として例示したものと同様であり、好ましくはメチル基、フェニル基である。x、yはx≧1、y≧0の整数であり、好ましくはxは1〜20の整数、yは10〜1,000の整数であり、x+yはこのオルガノポリシロキサンの粘度を上述した値とする数である。
【0016】
【化7】
Figure 2004331742
【0017】
[(B)成分]
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、本組成物の架橋剤であり、1分子中に平均2個以上、好ましくは3個以上のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を含有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
【0018】
ここで、(B)成分は、(A)成分と反応し、架橋剤として作用するものであり、その分子構造に特に制限はなく、従来製造されている、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、3次元網状構造等、各種のものが使用可能であるが、1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を有する必要があり、好ましくは2〜200個、より好ましくは3〜100個有することが望ましい。オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均組成式(3)で示されるものが用いられる。
【0019】
SiO(4−a−b)/2 (3)
上記式(3)中、Rは、脂肪族不飽和結合を除く、好ましくは炭素原子数1〜10の、非置換又は置換の1価炭化水素基であり、このRとしては、(A)成分における前記したアルケニル基を除くケイ素原子に結合した非置換又は置換の1価炭化水素基として例示したものと同じものを挙げることができ、好ましくはアルキル基、アリール基であり、より好ましくはメチル基、フェニル基である。また、aは0.7〜2.1、bは0.001〜1.0で、かつa+bが0.8〜3.0を満足する正数であり、好ましくはaは1.0〜2.0、bは0.01〜1.0、a+bが1.5〜2.5である。
【0020】
1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上含有されるSiH基は、分子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置していてもよく、またこの両方に位置するものであってもよいが、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は通常2〜300個、好ましくは4〜150個程度のものが望ましく、25℃における粘度が、通常、1〜100,000mPa・s、好ましくは1〜5,000mPa・s程度の、室温(25℃)で液状のものが使用される。
【0021】
式(3)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして具体的には、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、(CHHSiO1/2単位と(CHSiO1/2単位と(CSiO1/2単位とからなる共重合体、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位と(CSiO1/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
【0022】
(B)成分は、公知の製造方法によって得ることが可能である。一般的な製造方法を挙げると、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン及び/又はテトラメチルシクロジシロキサンと末端基となり得るヘキサメチルジシロキサンあるいは1,1’−ジハイドロ−2,2’,3,3’−テトラメチルジシロキサン単位を含む化合物とを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に−10〜+40℃程度の温度で平衡化させることによって容易に得ることができる。
【0023】
(B)成分の含有量は、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)が0.1〜3.0モル、好ましくは0.2〜2.0モルとなる量である。これは、(B)成分の含有量が上記範囲の下限未満となる量であると、得られるシリコーンゴム組成物が十分に硬化しなくなるからであり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーンゴム組成物が非常に硬質となり、表面に多数のクラックが生じたりするためである。
【0024】
[(C)成分]
(C)成分は、本組成物を硬化して得られる導電性シリコーンゴム硬化物に導電性を付与するための導電性充填剤であり、好ましくは導電性金属系微粉末である。この(C)成分としては、金、銀、ニッケル、銅等の金属微粉末;セラミック、ガラス、石英、有機樹脂等の微粉末の表面に金、銀、ニッケル、銅等の金属を蒸着又はメッキした微粉末が例示される。
【0025】
本組成物において、体積抵抗率が0.1Ω・cm以下である高導電性シリコーンゴム硬化物を得るためには、(C)成分として、金微粉末又は銀微粉末を用いることが好ましく、実用的には銀微粉末を用いることが好ましい。この銀微粉末の形状としては、球状、フレーク状、フレーク樹枝状が例示され、体積抵抗率が1×10−3Ω・cm以下、特に5×10−4Ω・cm以下である高導電性シリコーンゴム硬化物を得るためには、フーク状又はフレーク樹枝状であることが好ましい。
【0026】
このような(C)成分の平均粒子径は、例えば、0.1〜20μm、好ましくは0.5〜15μm、特に1〜10μmの範囲内であることが好ましい。
【0027】
(C)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対して10〜2,500重量部であり、好ましくは100〜2,500重量部、より好ましくは300〜2,000重量部、特に好ましくは500〜1,000重量部である。これは、(C)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、得られるシリコーンゴム組成物の導電性が不十分となるおそれがあるからであり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーンゴム組成物の配合が難しくなり、組成物の粘度が高くなり成形加工性が悪くなるおそれがあるからである。
【0028】
[(D)成分]
(D)成分の付加反応触媒は、本組成物の硬化を促進するための触媒であり、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸アルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のカルボニル錯体等の白金触媒が好ましい。
【0029】
(D)成分の含有量は、触媒としての有効量でよく、特に限定されないが、例えば(A)成分と(B)成分の合計重量に対して、本成分中の金属白金分が重量基準で0.01〜1,000ppmとなる量であり、好ましくは0.05〜500ppm、特に好ましくは0.1〜500ppmとなる量である。これは、(D)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、得られるシリコーンゴム組成物が十分に硬化しなくなるからであり、一方、上記範囲の上限を超える量を配合しても、得られるシリコーンゴム組成物の硬化速度は向上しないからである。
【0030】
[(E)成分]
(E)成分は、下記一般式(1)
【化8】
Figure 2004331742
(式中、nは3〜10の整数である。)
で表される環状オルガノポリシロキサン及び下記一般式(2)
【化9】
Figure 2004331742
(式中、mは0〜8の整数である。)
で表される直鎖状オルガノポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する。
【0031】
(E)成分の添加量は、(C)成分100重量部に対して0.05〜5重量部であり、好ましくは0.1〜5重量部、特に好ましくは0.5〜3重量部である。これは、(E)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、良好な電気特性が得られず、一方、上記範囲の上限を超えると、それ以上の効果が期待できず、無駄であるばかりでなく、(E)成分のメチルポリシロキサンがブリードするおそれがあるからである。
【0032】
[その他の成分]
更に、その他任意の添加成分として、組成物の硬化速度、保存安定性を調節する目的で、例えば、メチルビニルシクロテトラシロキサン等のビニル基含有オルガノポリシロキサン、トリアリルイソシアヌレート、アセチレンアルコール及びそのシロキサン変性物などを含有してもよい。また、本組成物には、本発明の目的を損なわない限り、シリコーンレジン、ヒュームドシリカ、沈降シリカ等の補強性シリカ、石英粉等の結晶性シリカ、着色剤、酸化鉄、酸化セリウム等の耐熱性向上剤、難燃性付与剤、可塑剤、接着付与剤を含有してもよい。
【0033】
本発明の組成物を硬化させる場合、その方法は常法によって行うことができ、本組成物を室温(通常5〜35℃、特に25℃程度)〜200℃、特に50〜200℃で0.5〜48時間、特に0.5〜12時間程度の条件で加熱する方法が挙げられる。この場合、必要に応じて所定の形状に成形することは任意である。更にこの場合、本発明においては、上記(E)成分の低分子シロキサンの一部又は全部、通常50〜100重量%、好ましくは70〜99重量%、より好ましくは80〜98重量%を硬化途上において揮散除去することが必要であり、この硬化途上の低分子シロキサンの揮散量が少なすぎると、硬化後のシリコーンゴム組成物中に残存する低分子シロキサン含有量が同等のものであっても、結果的に得られたシリコーンゴム硬化物が導電性に劣るものとなる場合があり、また通常の硬化条件においては、配合した(E)成分の低分子シロキサンを完全に(即ち100重量%)揮散させるのが困難な場合がある。
【0034】
また、このようにして得られるシリコーンゴム硬化物(成形品)の性状は限定されず、高硬度のゴム状から低硬度のゴム状、即ちゲル状に至るものとする。
【0035】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0036】
[実施例、比較例]
実施例及び比較例の付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物を、下記の成分を表1中に示した組成(重量部)により調製した。なお、各組成物中のケイ素原子に結合したビニル基に対するケイ素原子に結合した水素原子のモル比は、いずれも約1.4である。
【0037】
(A)成分
成分a−1:25℃における粘度が30,000mPa・sのジメチルビニルシロキシ基で両末端を封止したジメチルポリシロキサン
成分a−2:25℃における粘度が600mPa・sのジメチルビニルシロキシ基で両末端を封止したジメチルポリシロキサン
(B)成分
成分b:25℃の粘度が5mPa・sの(CHSiO[SiH(CH)O]20Si(CHで表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(Siに結合したH含有量:0.0147mol/g)
(C)成分
成分c−1:平均粒径5μmの球状銀粉末
(D)成分
成分d:塩化白金酸のビニルシロキサン錯体(白金含有量1重量%)
(E)成分
成分e−1:オクタメチルトリシロキサン
【化10】
Figure 2004331742
成分e−2:
【0038】
【化11】
Figure 2004331742
(F)成分(任意添加成分)
成分f−1:トリアリルイソシアヌレート
【0039】
また、表1に示した特性は、硬化後に得られた成形品について、25℃において測定した値であり、その特性は次のようにして測定した。
まず、表1に示す成分を品川ミキサーを用いて室温で20分間混練りし、付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物を調製した。
これらのシリコーンゴム組成物を150℃×1時間の硬化条件で硬化させ、それぞれ電気抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 2004331742
【0041】
なお、実施例1〜3のシリコーンゴム硬化物について、ヘキサンに浸漬し、低分子シロキサン(即ち、成分e−1,e−2)をヘキサンにより抽出し、その抽出量をガスクロマトグラフのFID法により測定するという方法で分析した結果、これら硬化物中の成分e−1,e−2の含有量はいずれも0.04重量%以下である(即ち、配合した成分e−1,e−2の75重量%以上が硬化途上で揮散している)ことが確認された。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、電気抵抗値や電気抵抗率の低い硬化物を確実に与えることができる。

Claims (5)

  1. アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、導電性充填剤と、付加反応触媒とを含む付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物に、下記一般式(1)
    Figure 2004331742
    (式中、nは3〜10の整数である。)
    で表される環状オルガノポリシロキサン及び下記一般式(2)
    Figure 2004331742
    (式中、mは0〜8の整数である。)
    で表される直鎖状オルガノポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種を配合してなることを特徴とする付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物。
  2. (A)25℃における粘度が50〜100,000mPa・sであり、1分子中に平均0.1個以上のケイ素原子結合アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100重量部、
    (B)25℃における粘度が1〜100,000mPa・sであり、1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    上記(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.1〜3.0モルとなる量、
    (C)導電性充填剤 10〜2,500重量部、
    (D)付加反応触媒 触媒量、
    (E)下記一般式(1)
    Figure 2004331742
    (式中、nは3〜10の整数である。)
    で表される環状オルガノポリシロキサン及び下記一般式(2)
    Figure 2004331742
    (式中、mは0〜8の整数である。)
    で表される直鎖状オルガノポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種 0.05〜5重量部
    を含有することを特徴とする付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物。
  3. 前記導電性粉末が、アルミニウム、銅、銀、ニッケル、鉄及び金からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物を硬化させるに際し、その硬化途上で前記式(1)の環状オルガノポリシロキサン及び式(2)の直鎖状オルガノポリシロキサンの一部又は全部を揮発除去することを特徴とする付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物の硬化方法。
  5. 請求項4記載の方法により得られる導電性シリコーンゴム硬化物。
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