JP2004328670A - 高安定性発振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定した発振特性を有する高周波数の発振器を低いコストで容易に得ることが可能な高安定性発振器を提供する。
【解決手段】前段の低周波数発振器であり19.44MHzの信号を生成して出力する電圧制御型水晶発振器(VCXO)10と、VCXO10からの信号の周波数を32逓倍し、622.08MHzの高周波数の信号を生成する逓倍回路11とによって発振器1を構成するとともに、逓倍回路11の後段にSAWフィルタ12を設置する。SAWフィルタ12は、逓倍回路11での周波数622.08MHzから所定範囲内にある周波数を中心周波数とし、所定周波数範囲内の信号成分を通過させて出力することによって、余分な周波数成分をカットする。これにより、ジッタが少ない高安定性の発振器1が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】前段の低周波数発振器であり19.44MHzの信号を生成して出力する電圧制御型水晶発振器(VCXO)10と、VCXO10からの信号の周波数を32逓倍し、622.08MHzの高周波数の信号を生成する逓倍回路11とによって発振器1を構成するとともに、逓倍回路11の後段にSAWフィルタ12を設置する。SAWフィルタ12は、逓倍回路11での周波数622.08MHzから所定範囲内にある周波数を中心周波数とし、所定周波数範囲内の信号成分を通過させて出力することによって、余分な周波数成分をカットする。これにより、ジッタが少ない高安定性の発振器1が得られる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安定した発振特性を有する高安定性発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信の伝送速度が高くなるに伴って、光通信装置に用いられる発振器として、高周波数の発振器が求められている。例えば、伝送速度10Gbpsの光通信では、発振周波数622.08MHzの発振器が用いられている。
【0003】
水晶振動子や水晶SAW共振子などの圧電素子を用いた発振器では、高周波数の発振器を実現する方法として、現在、2つの方法が知られている。1つは、圧電素子のみを用いて622.08MHzの高周波数信号を直接に発振させる方法である。もう1つは、圧電素子を155.52MHzで発振させ、SAWフィルタを用いてその4次のオーバートーンを引き出す方法である。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−148614号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
高周波数の発振器を実現する上記した2つの方法のうち、圧電素子のみを用いて直接に発振させる方法では、発振周波数が高くなるにつれて、発振器に使用される水晶振動子や水晶SAW共振子自体での中心周波数や位相の制御、例えば水晶振動子の板厚精密制御が難しくなる。このため、発振器の歩留りは高周波数では低くなり、その結果として発振器の製造コストが高くなるという問題がある。一方、オーバートーンを用いる方法では、逆にオーバートーンが発生する水晶振動子以外を使用することができないので、発振器構成上の自由度が小さい。
【0006】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、安定した発振特性を有する高周波数の発振器を低いコストで容易に得ることが可能な高安定性発振器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明による高安定性発振器は、(1)第1周波数を有する第1信号を生成するとともに第1周波数が固定または電圧制御可能に構成された低周波数発振器と、(2)低周波数発振器から出力された第1信号の周波数を逓倍して第2周波数を有する第2信号を生成する逓倍回路と、(3)逓倍回路で逓倍された第2信号を入力し、所定の中心周波数から所定周波数範囲内の信号成分を通過させるSAWフィルタとを備えることを特徴とする。
【0008】
上記した高安定性発振器においては、元となる発振部分には低周波数の固定発振または電圧制御型の発振器を用いるとともに、発振信号の周波数を逓倍回路によって所望の周波数とする。そして、逓倍回路の後段に、特定周波数の信号成分を選択的に通過させるSAW(Surface Acoustic Wave、表面弾性波)フィルタを設置している。これにより、良好な特性を有する発振器を実現することができる。
【0009】
特に、SAWフィルタを通過した信号成分を出力する構成により、ジッタ(揺らぎ)が少なく安定した発振特性を有する発振器を得ることができる。また、SAWフィルタでは信号の位相は問題とならず、逓倍後の所望の周波数(第2周波数)と、SAWフィルタの中心周波数とのばらつきが所定範囲内であれば良い。したがって、高周波数で、かつ高安定性の発振器を低いコストで容易に製造することが可能となる。
【0010】
ここで、逓倍回路での第2周波数とSAWフィルタでの中心周波数との差は、絶対値で300ppm以下であることが好ましい。これにより、逓倍後の第2信号のうちで所望の周波数の信号成分を、充分な強度でSAWフィルタを介して出力することができる。
【0011】
また、SAWフィルタは、そのQ値が800以上、2次の温度係数が絶対値で0.1ppm/℃2以下、中心周波数から±0.5%以上離れた帯域外周波数での抑圧レベルが−30dBc以下のフィルタ特性を有することが好ましい。これにより、温度依存性等が小さく、かつ、ジッタが低減された良好な信号を出力することが可能となる。
【0012】
また、低周波数発振器及び逓倍回路は、逓倍後の第2周波数が2.4GHz以上となるように構成され、SAWフィルタは、ダイヤモンド基板を用いて構成されていることを特徴としても良い。このように出力しようとする信号の周波数が高い場合には、高周波数に適したダイヤモンドを使ったSAWフィルタを用いることが好ましい。
【0013】
また、低周波数発振器における電圧制御の周波数利得は、絶対値で250kHz/V以下であることが好ましい。このように周波数利得を小さくすることにより、発振器の周波数安定性を向上することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面とともに本発明による高安定性発振器の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0015】
図1は、本発明による高安定性発振器の一実施形態の構成を概略的に示すブロック図である。本実施形態の高安定性発振器1は、発振素子として圧電素子を用いた発振器であり、低周波数発振器10と、逓倍回路11と、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ12とを備えて構成されている。
【0016】
前段の発振器である低周波数発振器10は、圧電素子として水晶振動子を用いるとともに、その周波数が電圧制御可能に構成された電圧制御型水晶発振器(VCXO:Voltage−Controlled Crystal Oscillator)であり、発振周波数(第1周波数)19.44MHzの信号(第1信号)を生成して出力する。VCXO10から出力された周波数19.44MHzの信号は、×32の逓倍回路11に入力される。逓倍回路11は、その周波数を32逓倍し、周波数(第2周波数)622.08MHzの高周波数の信号(第2信号)を生成して出力する。
【0017】
VCXO10及び逓倍回路11の後段には、SAWフィルタ12が設置されている。SAWフィルタ12は、圧電体の表面を伝搬する表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)を介して、特性周波数の信号成分を選択的に通過させるフィルタである。ここでは、SAWフィルタ12は、前段にある逓倍回路11での第2周波数622.08MHzから所定範囲内にある周波数を中心周波数とする周波数特性で構成されており、逓倍回路11から入力された信号のうち、中心周波数から所定周波数範囲内の信号成分を通過させる。このSAWフィルタ12を通過した信号成分が、本高安定性発振器1から出力される発振信号となる。
【0018】
また、本実施形態においては、SAWフィルタ12の後段に、さらにPECLレベル変換回路13が設けられている。この変換回路13は、高速通信において用いられる信号レベルに合わせるためのPECLバッファアンプを含む回路である。SAWフィルタ12を通過した周波数622.08MHzの信号は、この変換回路13によってPECLレベルの信号へと変換された後、外部へと出力される。あるいは、CMOSレベル変換回路を用いる構成としても良い。
【0019】
本実施形態による高安定性発振器の効果について説明する。
【0020】
図1に示した高安定性発振器1においては、元となる発振部分には低周波数の発振器である19.44MHzのVCXO10を用いるとともに、発振信号の周波数を逓倍回路11によって所望の周波数622.08MHzまで逓倍する。そして、逓倍回路11の後段に、抑圧が良くQ値も大きいSAWフィルタ12を設置する構成としている。これにより、良好な特性を有する発振器を実現することができる。
【0021】
特に、SAWフィルタ12を通過した信号成分を出力する構成により、VCXO10及び逓倍回路11からの信号に含まれる余分な周波数成分がSAWフィルタ12でカットされる。したがって、逓倍回路11などによる波形の歪みをSAWフィルタ12で完全に除去して、ジッタが少なく安定した発振特性を有する発振器1を得ることができる。
【0022】
また、このようにSAWフィルタ12を用いた場合、SAWフィルタ12では信号の位相は問題とならず、逓倍回路11による逓倍後の周波数(第2周波数)と、SAWフィルタの中心周波数とのばらつきが所定範囲内であれば良い。したがって、高周波数で、かつ高安定性の発振器を低いコストで容易に製造することが可能となる。この周波数のばらつきについては、逓倍回路11での第2周波数とSAWフィルタ12での中心周波数との差が、絶対値で300ppm以下であることが好ましい。これにより、逓倍後の信号のうちで所望の周波数の信号成分を、充分な強度でSAWフィルタ12を介して出力することができる。
【0023】
また、SAWフィルタ12のフィルタ特性については、その周波数特性の鋭さを示すQ値が800以上であることが好ましい。これにより、発振信号のうちで揺らぎの周波数成分を充分にカットすることができる。また、2次の温度係数が絶対値で0.1ppm/℃2以下と温度依存性が小さいことが好ましい。また、帯域外の信号成分の抑圧については、中心周波数から±0.5%以上離れた帯域外周波数での抑圧レベルが−30dBc以下のフィルタ特性を有することが好ましい。このような特性のSAWフィルタ12を用いることにより、温度依存性等が小さく、かつ、ジッタが低減された良好な信号を出力することができる。
【0024】
また、電圧制御型の低周波数発振器(図1においてはVCXO)10については、その電圧制御の周波数利得が絶対値で250kHz/V以下であることが好ましい。このように周波数利得を小さくすることにより、発振器の周波数安定性を向上することができる。このような周波数の安定性は、特に発振器を光通信に適用する上で重要となる。
【0025】
図1に示した高安定性発振器の具体的な構成例、及びそれによるジッタの低減効果について説明する。この構成例では、前段の発振器10としては上記した発振周波数19.44MHzのVCXOを用い、逓倍回路11で周波数を32逓倍して622.08MHzとする構成とした。
【0026】
また、SAWフィルタ12としては、水晶回転Yカット−Z伝搬でSH(Shear−Horizontal)波を用いたSAWフィルタを作製して用いた。また、このSAWフィルタ12のフィルタ特性は、中心周波数が622.13MHz、挿入損失が4.0dB、中心周波数から±0.5%離れた帯域外周波数での抑圧レベルが−30dBcであった。また、そのQ値は1300、2次の温度係数は−0.062ppm/℃2であった。ここで、SAWフィルタ12の中心周波数622.13MHzは、周波数622.08MHzから±300ppm以内の条件を満たしている。
【0027】
このような構成の高安定性発振器1の発振特性について、WAVECREST社製のジッタ解析システムSIA−3000を用いて評価を行った。図2(a)及び(b)は、ジッタ解析システムによって評価された発振器のジッタ特性を示すグラフであり、図2(a)は図1に示した高安定性発振器1のジッタ特性を示している。また、図2(b)は図1の構成からSAWフィルタ12を除いた発振器のジッタ特性を示している。また、これらのグラフは累積時間波形であり、横軸は時間(ns)を、縦軸はカウント数を示している。
【0028】
図2(b)に示す逓倍回路からの出力信号のジッタ特性では、デターミナントジッタ(DJ)が10.7ps、ランダムジッタ(RJ)が2.2ps、トータルジッタ(TJ)が40.6psであった。これに対して、図2(a)に示すSAWフィルタからの出力信号のジッタ特性では、ランダムジッタは2.2psであるが、デターミナントジッタはほぼ0psになっており、トータルジッタでは30.3psまで低減されている。このように、発振器の出力側にSAWフィルタを用いることにより、ジッタが低減された高安定性の発振器が得られる。
【0029】
なお、発振器10及び逓倍回路11の後段に設けられるSAWフィルタ12については、上記したものに限らず、要求されている発振特性や出力する信号の周波数などに応じて、適当なものを選択して用いて良い。特に、逓倍回路11での逓倍後の第2周波数が2.4GHz以上である場合、SAWフィルタ12としては、ダイヤモンド基板上に圧電体層を形成することによって構成されたフィルタを用いることが好ましい。ダイヤモンドは、物質中で最も大きな弾性率を持つため、これを媒体とする表面弾性波の伝搬速度は大きい。したがって、ダイヤモンドを使ったSAWフィルタは、このような高周波数でのフィルタに適している。
【0030】
図3は、図1に示した高安定性発振器1を用いたPLL回路の構成の一例を示すブロック図である。本実施形態のPLL回路2は、ジッタがある入力信号を回路内部でのジッタのない信号に置き換える622.08MHzの1対1のPLL回路である。このPLL回路2は、入力側から出力側へと順に、位相比較器21と、ループフィルタ22と、高安定性発振器1Aとを備えて構成されている。また、高安定性発振器1Aは、VCXO10、逓倍回路11、及びSAWフィルタ12を有し、図1に示した高安定性発振器1と同様の構成となっている。
【0031】
位相比較器21には、外部からの入力信号、及び後段の発振器1Aからのフィードバック信号が入力されている。位相比較器21は、これらの信号の位相を比較し、位相が揃うように発振器1Aを制御するための信号を出力する。この位相比較器21からの出力信号は、ループフィルタ22を介して高安定性発振器1Aへと入力される。これにより、位相の揃った信号が発振器1Aから出力されるとともに、位相比較器21へとフィードバックされる。
【0032】
図3に示したPLL回路2についてジッタ特性の評価を行った。図4は、PLL回路のジッタ特性を評価するためのジッタ評価系の構成を示すブロック図である。ここでは、送信機(Tx)31及び受信機(Rx)32を有するトランスポンダ3と、ジッタアナライザ4とを用い、図4に示す測定構成によって10Gbpsの光通信での伝送特性を評価した。
【0033】
具体的には、トランスポンダ3としては、住友電工のトランスポンダSDG2111を用いた。また、ジッタアナライザ4としては、Sony Tektronix のジッタアナライザOTS9010を用いた。トランスポンダ3の送信機31とジッタアナライザ4との間にはアッテネータ41を設置し、アッテネータ41に対して入力信号光パワーを計測するパワーメータ43を接続した。また、受信器32とジッタアナライザ4との間にはアッテネータ42を設置した。そして、トランスポンダ3のRxクロックとTxクロックとの間にジッタフィルタとしてPLL回路2を挿入し、ジッタアナライザ4によって10Gbpsの光通信でのジッタ特性を評価した。
【0034】
図5は、図4に示したジッタ評価系でのジッタ生成(Jitter Generation)特性を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は時間(sec)を示し、縦軸はジッタ生成量(UIpp:peak to peak Unit Interval)を示している。ここでは、ジッタ測定帯域を50kHz〜80MHzとして測定を行っている。このグラフに示すように、上記したジッタ評価系では、ジッタ生成が充分に抑制されている。
【0035】
図6は、図4に示したジッタ評価系でのジッタ転送(Jitter Transfer)特性を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸はジッタ周波数(Hz)を示し、縦軸はジッタゲイン(dB)を示している。また、グラフA(実線)は測定されたジッタ転送特性を示すグラフであり、グラフB(破線)は光通信の規格である Telcordia GR−253 の OC−192 ジッタ転送マスク(Jitter Transfer Mask)を示すグラフである。このグラフに示すように、上記したジッタ評価系では、ジッタ転送がジッタ転送マスクを充分に下回っている。以上より、上記構成の高安定性発振器及びPLL回路を用いることにより、Telcordia GR−253 の規格を満たす良好な光通信の伝送特性が得られる。
【0036】
本発明による高安定性発振器は、上記した実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、前段の低周波数発振器については、上記実施形態では水晶振動子を用いたVCXOとしているが、これ以外の電圧制御型圧電発振器としても良い。あるいは、圧電素子を用いない発振器としても良い。さらに、低周波数発振器としては、電圧制御型ではなく、固定発振の発振器を用いても良い。
【0037】
【発明の効果】
本発明による高安定性発振器は、以上詳細に説明したように、次のような効果を得る。すなわち、元となる発振部分には低周波数の固定発振または電圧制御型の発振器を用いるとともに、発振信号の周波数を逓倍回路によって所望の周波数とし、さらに逓倍回路の後段にSAWフィルタを設置する構成によれば、良好な特性を有する高安定性発振器を実現することができる。
【0038】
特に、SAWフィルタを通過した信号成分を出力する構成により、ジッタが少なく安定した発振特性を有する発振器を得ることができる。また、SAWフィルタでは信号の位相は問題とならず、逓倍後の所望の周波数と、SAWフィルタの中心周波数とのばらつきが所定範囲内であれば良い。したがって、高周波数で、かつ高安定性の発振器を低いコストで容易に製造することが可能となる。このような発振器は、例えば、光通信に必要とされる高性能で安定な電圧制御型発振器として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高安定性発振器の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】ジッタ解析システムによって評価された(a)図1に示した高安定性発振器、及び(b)SAWフィルタを除いた発振器のジッタ特性を示すグラフである。
【図3】図1に示した発振器を用いたPLL回路の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示したPLL回路のジッタ特性を評価するためのジッタ評価系の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示したジッタ評価系でのジッタ生成特性を示すグラフである。
【図6】図4に示したジッタ評価系でのジッタ転送特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…高安定性発振器、10…低周波数電圧制御型水晶発振器(VCXO)、11…逓倍回路、12…SAWフィルタ、13…PECLレベル変換回路、2…PLL回路、21…位相比較器、22…ループフィルタ、
3…トランスポンダ、31…送信機、32…受信機、4…ジッタアナライザ、41、42…アッテネータ、43…パワーメータ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、安定した発振特性を有する高安定性発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信の伝送速度が高くなるに伴って、光通信装置に用いられる発振器として、高周波数の発振器が求められている。例えば、伝送速度10Gbpsの光通信では、発振周波数622.08MHzの発振器が用いられている。
【0003】
水晶振動子や水晶SAW共振子などの圧電素子を用いた発振器では、高周波数の発振器を実現する方法として、現在、2つの方法が知られている。1つは、圧電素子のみを用いて622.08MHzの高周波数信号を直接に発振させる方法である。もう1つは、圧電素子を155.52MHzで発振させ、SAWフィルタを用いてその4次のオーバートーンを引き出す方法である。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−148614号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
高周波数の発振器を実現する上記した2つの方法のうち、圧電素子のみを用いて直接に発振させる方法では、発振周波数が高くなるにつれて、発振器に使用される水晶振動子や水晶SAW共振子自体での中心周波数や位相の制御、例えば水晶振動子の板厚精密制御が難しくなる。このため、発振器の歩留りは高周波数では低くなり、その結果として発振器の製造コストが高くなるという問題がある。一方、オーバートーンを用いる方法では、逆にオーバートーンが発生する水晶振動子以外を使用することができないので、発振器構成上の自由度が小さい。
【0006】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、安定した発振特性を有する高周波数の発振器を低いコストで容易に得ることが可能な高安定性発振器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明による高安定性発振器は、(1)第1周波数を有する第1信号を生成するとともに第1周波数が固定または電圧制御可能に構成された低周波数発振器と、(2)低周波数発振器から出力された第1信号の周波数を逓倍して第2周波数を有する第2信号を生成する逓倍回路と、(3)逓倍回路で逓倍された第2信号を入力し、所定の中心周波数から所定周波数範囲内の信号成分を通過させるSAWフィルタとを備えることを特徴とする。
【0008】
上記した高安定性発振器においては、元となる発振部分には低周波数の固定発振または電圧制御型の発振器を用いるとともに、発振信号の周波数を逓倍回路によって所望の周波数とする。そして、逓倍回路の後段に、特定周波数の信号成分を選択的に通過させるSAW(Surface Acoustic Wave、表面弾性波)フィルタを設置している。これにより、良好な特性を有する発振器を実現することができる。
【0009】
特に、SAWフィルタを通過した信号成分を出力する構成により、ジッタ(揺らぎ)が少なく安定した発振特性を有する発振器を得ることができる。また、SAWフィルタでは信号の位相は問題とならず、逓倍後の所望の周波数(第2周波数)と、SAWフィルタの中心周波数とのばらつきが所定範囲内であれば良い。したがって、高周波数で、かつ高安定性の発振器を低いコストで容易に製造することが可能となる。
【0010】
ここで、逓倍回路での第2周波数とSAWフィルタでの中心周波数との差は、絶対値で300ppm以下であることが好ましい。これにより、逓倍後の第2信号のうちで所望の周波数の信号成分を、充分な強度でSAWフィルタを介して出力することができる。
【0011】
また、SAWフィルタは、そのQ値が800以上、2次の温度係数が絶対値で0.1ppm/℃2以下、中心周波数から±0.5%以上離れた帯域外周波数での抑圧レベルが−30dBc以下のフィルタ特性を有することが好ましい。これにより、温度依存性等が小さく、かつ、ジッタが低減された良好な信号を出力することが可能となる。
【0012】
また、低周波数発振器及び逓倍回路は、逓倍後の第2周波数が2.4GHz以上となるように構成され、SAWフィルタは、ダイヤモンド基板を用いて構成されていることを特徴としても良い。このように出力しようとする信号の周波数が高い場合には、高周波数に適したダイヤモンドを使ったSAWフィルタを用いることが好ましい。
【0013】
また、低周波数発振器における電圧制御の周波数利得は、絶対値で250kHz/V以下であることが好ましい。このように周波数利得を小さくすることにより、発振器の周波数安定性を向上することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面とともに本発明による高安定性発振器の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0015】
図1は、本発明による高安定性発振器の一実施形態の構成を概略的に示すブロック図である。本実施形態の高安定性発振器1は、発振素子として圧電素子を用いた発振器であり、低周波数発振器10と、逓倍回路11と、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ12とを備えて構成されている。
【0016】
前段の発振器である低周波数発振器10は、圧電素子として水晶振動子を用いるとともに、その周波数が電圧制御可能に構成された電圧制御型水晶発振器(VCXO:Voltage−Controlled Crystal Oscillator)であり、発振周波数(第1周波数)19.44MHzの信号(第1信号)を生成して出力する。VCXO10から出力された周波数19.44MHzの信号は、×32の逓倍回路11に入力される。逓倍回路11は、その周波数を32逓倍し、周波数(第2周波数)622.08MHzの高周波数の信号(第2信号)を生成して出力する。
【0017】
VCXO10及び逓倍回路11の後段には、SAWフィルタ12が設置されている。SAWフィルタ12は、圧電体の表面を伝搬する表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)を介して、特性周波数の信号成分を選択的に通過させるフィルタである。ここでは、SAWフィルタ12は、前段にある逓倍回路11での第2周波数622.08MHzから所定範囲内にある周波数を中心周波数とする周波数特性で構成されており、逓倍回路11から入力された信号のうち、中心周波数から所定周波数範囲内の信号成分を通過させる。このSAWフィルタ12を通過した信号成分が、本高安定性発振器1から出力される発振信号となる。
【0018】
また、本実施形態においては、SAWフィルタ12の後段に、さらにPECLレベル変換回路13が設けられている。この変換回路13は、高速通信において用いられる信号レベルに合わせるためのPECLバッファアンプを含む回路である。SAWフィルタ12を通過した周波数622.08MHzの信号は、この変換回路13によってPECLレベルの信号へと変換された後、外部へと出力される。あるいは、CMOSレベル変換回路を用いる構成としても良い。
【0019】
本実施形態による高安定性発振器の効果について説明する。
【0020】
図1に示した高安定性発振器1においては、元となる発振部分には低周波数の発振器である19.44MHzのVCXO10を用いるとともに、発振信号の周波数を逓倍回路11によって所望の周波数622.08MHzまで逓倍する。そして、逓倍回路11の後段に、抑圧が良くQ値も大きいSAWフィルタ12を設置する構成としている。これにより、良好な特性を有する発振器を実現することができる。
【0021】
特に、SAWフィルタ12を通過した信号成分を出力する構成により、VCXO10及び逓倍回路11からの信号に含まれる余分な周波数成分がSAWフィルタ12でカットされる。したがって、逓倍回路11などによる波形の歪みをSAWフィルタ12で完全に除去して、ジッタが少なく安定した発振特性を有する発振器1を得ることができる。
【0022】
また、このようにSAWフィルタ12を用いた場合、SAWフィルタ12では信号の位相は問題とならず、逓倍回路11による逓倍後の周波数(第2周波数)と、SAWフィルタの中心周波数とのばらつきが所定範囲内であれば良い。したがって、高周波数で、かつ高安定性の発振器を低いコストで容易に製造することが可能となる。この周波数のばらつきについては、逓倍回路11での第2周波数とSAWフィルタ12での中心周波数との差が、絶対値で300ppm以下であることが好ましい。これにより、逓倍後の信号のうちで所望の周波数の信号成分を、充分な強度でSAWフィルタ12を介して出力することができる。
【0023】
また、SAWフィルタ12のフィルタ特性については、その周波数特性の鋭さを示すQ値が800以上であることが好ましい。これにより、発振信号のうちで揺らぎの周波数成分を充分にカットすることができる。また、2次の温度係数が絶対値で0.1ppm/℃2以下と温度依存性が小さいことが好ましい。また、帯域外の信号成分の抑圧については、中心周波数から±0.5%以上離れた帯域外周波数での抑圧レベルが−30dBc以下のフィルタ特性を有することが好ましい。このような特性のSAWフィルタ12を用いることにより、温度依存性等が小さく、かつ、ジッタが低減された良好な信号を出力することができる。
【0024】
また、電圧制御型の低周波数発振器(図1においてはVCXO)10については、その電圧制御の周波数利得が絶対値で250kHz/V以下であることが好ましい。このように周波数利得を小さくすることにより、発振器の周波数安定性を向上することができる。このような周波数の安定性は、特に発振器を光通信に適用する上で重要となる。
【0025】
図1に示した高安定性発振器の具体的な構成例、及びそれによるジッタの低減効果について説明する。この構成例では、前段の発振器10としては上記した発振周波数19.44MHzのVCXOを用い、逓倍回路11で周波数を32逓倍して622.08MHzとする構成とした。
【0026】
また、SAWフィルタ12としては、水晶回転Yカット−Z伝搬でSH(Shear−Horizontal)波を用いたSAWフィルタを作製して用いた。また、このSAWフィルタ12のフィルタ特性は、中心周波数が622.13MHz、挿入損失が4.0dB、中心周波数から±0.5%離れた帯域外周波数での抑圧レベルが−30dBcであった。また、そのQ値は1300、2次の温度係数は−0.062ppm/℃2であった。ここで、SAWフィルタ12の中心周波数622.13MHzは、周波数622.08MHzから±300ppm以内の条件を満たしている。
【0027】
このような構成の高安定性発振器1の発振特性について、WAVECREST社製のジッタ解析システムSIA−3000を用いて評価を行った。図2(a)及び(b)は、ジッタ解析システムによって評価された発振器のジッタ特性を示すグラフであり、図2(a)は図1に示した高安定性発振器1のジッタ特性を示している。また、図2(b)は図1の構成からSAWフィルタ12を除いた発振器のジッタ特性を示している。また、これらのグラフは累積時間波形であり、横軸は時間(ns)を、縦軸はカウント数を示している。
【0028】
図2(b)に示す逓倍回路からの出力信号のジッタ特性では、デターミナントジッタ(DJ)が10.7ps、ランダムジッタ(RJ)が2.2ps、トータルジッタ(TJ)が40.6psであった。これに対して、図2(a)に示すSAWフィルタからの出力信号のジッタ特性では、ランダムジッタは2.2psであるが、デターミナントジッタはほぼ0psになっており、トータルジッタでは30.3psまで低減されている。このように、発振器の出力側にSAWフィルタを用いることにより、ジッタが低減された高安定性の発振器が得られる。
【0029】
なお、発振器10及び逓倍回路11の後段に設けられるSAWフィルタ12については、上記したものに限らず、要求されている発振特性や出力する信号の周波数などに応じて、適当なものを選択して用いて良い。特に、逓倍回路11での逓倍後の第2周波数が2.4GHz以上である場合、SAWフィルタ12としては、ダイヤモンド基板上に圧電体層を形成することによって構成されたフィルタを用いることが好ましい。ダイヤモンドは、物質中で最も大きな弾性率を持つため、これを媒体とする表面弾性波の伝搬速度は大きい。したがって、ダイヤモンドを使ったSAWフィルタは、このような高周波数でのフィルタに適している。
【0030】
図3は、図1に示した高安定性発振器1を用いたPLL回路の構成の一例を示すブロック図である。本実施形態のPLL回路2は、ジッタがある入力信号を回路内部でのジッタのない信号に置き換える622.08MHzの1対1のPLL回路である。このPLL回路2は、入力側から出力側へと順に、位相比較器21と、ループフィルタ22と、高安定性発振器1Aとを備えて構成されている。また、高安定性発振器1Aは、VCXO10、逓倍回路11、及びSAWフィルタ12を有し、図1に示した高安定性発振器1と同様の構成となっている。
【0031】
位相比較器21には、外部からの入力信号、及び後段の発振器1Aからのフィードバック信号が入力されている。位相比較器21は、これらの信号の位相を比較し、位相が揃うように発振器1Aを制御するための信号を出力する。この位相比較器21からの出力信号は、ループフィルタ22を介して高安定性発振器1Aへと入力される。これにより、位相の揃った信号が発振器1Aから出力されるとともに、位相比較器21へとフィードバックされる。
【0032】
図3に示したPLL回路2についてジッタ特性の評価を行った。図4は、PLL回路のジッタ特性を評価するためのジッタ評価系の構成を示すブロック図である。ここでは、送信機(Tx)31及び受信機(Rx)32を有するトランスポンダ3と、ジッタアナライザ4とを用い、図4に示す測定構成によって10Gbpsの光通信での伝送特性を評価した。
【0033】
具体的には、トランスポンダ3としては、住友電工のトランスポンダSDG2111を用いた。また、ジッタアナライザ4としては、Sony Tektronix のジッタアナライザOTS9010を用いた。トランスポンダ3の送信機31とジッタアナライザ4との間にはアッテネータ41を設置し、アッテネータ41に対して入力信号光パワーを計測するパワーメータ43を接続した。また、受信器32とジッタアナライザ4との間にはアッテネータ42を設置した。そして、トランスポンダ3のRxクロックとTxクロックとの間にジッタフィルタとしてPLL回路2を挿入し、ジッタアナライザ4によって10Gbpsの光通信でのジッタ特性を評価した。
【0034】
図5は、図4に示したジッタ評価系でのジッタ生成(Jitter Generation)特性を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は時間(sec)を示し、縦軸はジッタ生成量(UIpp:peak to peak Unit Interval)を示している。ここでは、ジッタ測定帯域を50kHz〜80MHzとして測定を行っている。このグラフに示すように、上記したジッタ評価系では、ジッタ生成が充分に抑制されている。
【0035】
図6は、図4に示したジッタ評価系でのジッタ転送(Jitter Transfer)特性を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸はジッタ周波数(Hz)を示し、縦軸はジッタゲイン(dB)を示している。また、グラフA(実線)は測定されたジッタ転送特性を示すグラフであり、グラフB(破線)は光通信の規格である Telcordia GR−253 の OC−192 ジッタ転送マスク(Jitter Transfer Mask)を示すグラフである。このグラフに示すように、上記したジッタ評価系では、ジッタ転送がジッタ転送マスクを充分に下回っている。以上より、上記構成の高安定性発振器及びPLL回路を用いることにより、Telcordia GR−253 の規格を満たす良好な光通信の伝送特性が得られる。
【0036】
本発明による高安定性発振器は、上記した実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、前段の低周波数発振器については、上記実施形態では水晶振動子を用いたVCXOとしているが、これ以外の電圧制御型圧電発振器としても良い。あるいは、圧電素子を用いない発振器としても良い。さらに、低周波数発振器としては、電圧制御型ではなく、固定発振の発振器を用いても良い。
【0037】
【発明の効果】
本発明による高安定性発振器は、以上詳細に説明したように、次のような効果を得る。すなわち、元となる発振部分には低周波数の固定発振または電圧制御型の発振器を用いるとともに、発振信号の周波数を逓倍回路によって所望の周波数とし、さらに逓倍回路の後段にSAWフィルタを設置する構成によれば、良好な特性を有する高安定性発振器を実現することができる。
【0038】
特に、SAWフィルタを通過した信号成分を出力する構成により、ジッタが少なく安定した発振特性を有する発振器を得ることができる。また、SAWフィルタでは信号の位相は問題とならず、逓倍後の所望の周波数と、SAWフィルタの中心周波数とのばらつきが所定範囲内であれば良い。したがって、高周波数で、かつ高安定性の発振器を低いコストで容易に製造することが可能となる。このような発振器は、例えば、光通信に必要とされる高性能で安定な電圧制御型発振器として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高安定性発振器の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】ジッタ解析システムによって評価された(a)図1に示した高安定性発振器、及び(b)SAWフィルタを除いた発振器のジッタ特性を示すグラフである。
【図3】図1に示した発振器を用いたPLL回路の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示したPLL回路のジッタ特性を評価するためのジッタ評価系の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示したジッタ評価系でのジッタ生成特性を示すグラフである。
【図6】図4に示したジッタ評価系でのジッタ転送特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…高安定性発振器、10…低周波数電圧制御型水晶発振器(VCXO)、11…逓倍回路、12…SAWフィルタ、13…PECLレベル変換回路、2…PLL回路、21…位相比較器、22…ループフィルタ、
3…トランスポンダ、31…送信機、32…受信機、4…ジッタアナライザ、41、42…アッテネータ、43…パワーメータ。
Claims (5)
- 第1周波数を有する第1信号を生成するとともに前記第1周波数が固定または電圧制御可能に構成された低周波数発振器と、
前記低周波数発振器から出力された前記第1信号の周波数を逓倍して第2周波数を有する第2信号を生成する逓倍回路と、
前記逓倍回路で逓倍された前記第2信号を入力し、所定の中心周波数から所定周波数範囲内の信号成分を通過させるSAWフィルタと
を備えることを特徴とする高安定性発振器。 - 前記逓倍回路での前記第2周波数と前記SAWフィルタでの前記中心周波数との差は、絶対値で300ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の高安定性発振器。
- 前記SAWフィルタは、そのQ値が800以上、2次の温度係数が絶対値で0.1ppm/℃2以下、前記中心周波数から±0.5%以上離れた帯域外周波数での抑圧レベルが−30dBc以下のフィルタ特性を有することを特徴とする請求項1記載の高安定性発振器。
- 前記低周波数発振器及び前記逓倍回路は、逓倍後の前記第2周波数が2.4GHz以上となるように構成され、前記SAWフィルタは、ダイヤモンド基板を用いて構成されていることを特徴とする請求項1記載の高安定性発振器。
- 前記低周波数発振器における電圧制御の周波数利得は、絶対値で250kHz/V以下であることを特徴とする請求項1記載の高安定性発振器。
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JP2003124302A JP2004328670A (ja) | 2003-04-28 | 2003-04-28 | 高安定性発振器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102035473A (zh) * | 2009-10-01 | 2011-04-27 | 邓加慧 | 高稳定性正弦波信号发生器 |
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2003
- 2003-04-28 JP JP2003124302A patent/JP2004328670A/ja active Pending
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