JP2004327584A - 光インターコネクション回路、光インターコネクション回路の製造方法及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】光導波路に導入する光量制御を精度良く行うことができ、しかも容易に微細化でき、簡易に製造できる光インターコネクション回路を提供する。
【解決手段】光インターコネクション回路は、基板10上に設けられた微小タイル状素子からなる面発光レーザ1及び第1の受光素子5と、基板10上に設けられ、面発光レーザ1の発光部1a及び第1の受光素子5の受光部5aと光学的に結合された光導波路材を有する光導波路4と、基板10にフリップチップ実装され、光導波路4の少なくとも一部を覆うように配置された集積回路チップ20と、集積回路チップ20に含まれ光導波路4と対向する位置に設けられたフォトダイオード2とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】光インターコネクション回路は、基板10上に設けられた微小タイル状素子からなる面発光レーザ1及び第1の受光素子5と、基板10上に設けられ、面発光レーザ1の発光部1a及び第1の受光素子5の受光部5aと光学的に結合された光導波路材を有する光導波路4と、基板10にフリップチップ実装され、光導波路4の少なくとも一部を覆うように配置された集積回路チップ20と、集積回路チップ20に含まれ光導波路4と対向する位置に設けられたフォトダイオード2とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光インターコネクション回路、光インターコネクション回路の製造方法、電気光学装置及び電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、平面型表示装置として、エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ型表示装置、及び液晶表示装置等が用いられている。これらの表示装置において、大型化及び大容量表示化に伴う信号の遅延等を解消するために、データ伝達に光信号を利用する技術が検討されている。また、コンピュータにおいては集積回路の内部構造の微細化によりCPU内部の動作速度(動作クロック)が年々向上しているが、CPUと記憶装置等の周辺装置とを繋ぐバスにおけるデータ伝達速度はほぼ限界に達しつつあり、コンピュータの処理速度のボトルネックとなっている。このバスにおけるデータ伝達においても光信号を利用することができればコンピュータの処理速度の限界を著しく高めることができる。
【0003】
光信号を利用してデータ伝達するには発光素子から発光された光信号を所定の場所まで伝達して受光素子等に入力する光伝送手段が必要になる。従来のこのような光伝送手段として、光ファイバを利用した技術、あるいは基板上に形成した光導波路を利用した技術(例えば下記特許文献1)がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−167060号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光伝送手段として光ファイバを利用した場合、発光素子及び受光素子等の光部品との接続が繁雑になり、その製造に多大なコスト及び時間がかかるとともに光伝送手段の小型化が困難になるという問題がある。
【0006】
これに対し、基板上に形成した光導波路を利用することにより光伝送媒体と発光素子及び受光素子等との接続を簡単にすることが考えられ、そのため、上記平面型表示装置やコンピュータに適用可能な程度の微細化及び製造容易化が図られた光導波路を有する光伝送手段の確立が要望される。また、安定した光伝送を行うために、外部環境変化や素子劣化等の経年変化によらずに光導波路へ導入する光量を制御することも必要となる。特に発光素子として半導体レーザを用いた場合、この半導体レーザは周囲温度等によりレーザ効率が変化するため光学的に光量をモニタして制御することが求められる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、光導波路に導入する光量制御を精度良く行うことができ、しかも容易に微細化でき、簡易に製造できる光インターコネクション回路、光インターコネクション回路の製造方法及び電子機器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の光インターコネクション回路は、基板上に設けられた微小タイル状素子からなる発光素子及び第1の受光素子と、前記基板上に設けられ、前記発光素子の発光部及び前記第1の受光素子の受光部と光学的に結合された光導波路材を有する光導波路と、前記基板にフリップチップ実装され、前記光導波路の少なくとも一部を覆うように配置された集積回路チップと、前記集積回路チップに含まれ前記光導波路と対向する位置に設けられた第2の受光素子とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、微小タイル状素子からなる発光素子から発光した光信号は光導波路を伝播して受光機能を有する別の微小タイル状素子である第1の受光素子に到達することができ、微小タイル状素子間で光信号の送受信を行うことができる。したがって、非常に高速な信号伝送手段を簡易に実現することができる。また、微小タイル状素子を非常に小さな形状(例えば、数百μm四方以下の面積と数十μm以下の厚さをもつもの)にすることで、非常に微細な光信号伝送手段を簡易に製造することができる。ここで、光導波路を形成する光導波路材としては、透明樹脂あるいはゾルゲルガラス等の透明材料を適用することができる。ゾルゲルガラスとはガラス成分を含む溶液を加熱する等して固体ガラスに変質させたものである。
そして、発光素子から発光した光の一部は光導波路から漏洩する場合があるが、この光導波路と対向する位置に第2の受光素子を設けたことにより、第2の受光素子がこの漏洩した漏洩光を受光する。したがって、第2の受光素子は漏洩光に基づく受光信号に基づいて光導波路を伝播する光の光量、ひいては発光素子の出力(発光量)をモニタリングすることができる。そして、このモニタ結果に基づいて発光素子の出力を調整することにより光導波路に導入する光の光量を制御することができる。
また、本発明によれば、上記第2の受光素子を含む集積回路チップは導電部材であるバンプ等を介して基板上にフリップチップ実装されているので、集積回路チップと基板との間にクリアランスが形成される。したがって、光導波路や発光素子を前記クリアランスに設けることで、第2の受光素子を含む集積回路チップと光導波路及び発光素子との接触を回避でき、受光素子や発光素子、あるいは光導波路の損傷を防止することができる。
また、本発明によれば、上述したように前記クリアランスに光導波路や発光素子を配置可能であるとともに、発光素子を微小タイル状素子として形成しているので、発光素子の出力をモニタリングできる半導体集積回路を、極めてコンパクト化することができ、しかもこの半導体集積回路を既存の製造技術を用いて簡易に製造することができる。
ここで、微小タイル状素子は化合物半導体でもシリコン半導体でもよく、微小タイル状素子が接着される基板もシリコン半導体基板でも化合物半導体基板でもよい。したがって、従来、1つのモノリシック基板では形成することができなかった化合物半導体とシリコン半導体とが3次元に組み合わされたハイブリッド基板(面発光レーザの出力を高精度にモニタリングできる半導体集積回路)を極めてコンパクトに形成することができる。
【0009】
ここで、第2の受光素子は前記漏洩光を受光可能なように光導波路の一部と対向していればよく、発光素子と対向する位置に(発光素子近傍に)配置されていなくてもよい。
【0010】
一方、前記集積回路チップは前記発光素子を覆うように配置され、前記第2の受光素子は前記発光素子と対向する位置に設けられている構成とすることにより、漏洩光を介して発光素子の出力をより精度良くモニタリングすることができる。また、集積回路チップは発光素子を覆うように配置されているので、第2の受光素子に入射する外部からの外乱光を集積回路チップで遮ることができ、発光素子の出力を更に高精度にモニタリングすることができる。
【0011】
本発明の光インターコネクション回路において、前記集積回路チップは、前記第2の受光素子が受光した受光量に基づいて前記発光素子の発光量を制御する自動出力制御回路を有することを特徴とする。
本発明によれば、第2の受光素子の受光量に基づいて発光素子の発光量を制御する自動出力制御回路を設けたことにより、温度変化、経年変化及び製造品位等に影響されずに、所望発光量の発光光を長年に渡って安定に出力するコンパクトな半導体集積回路を安価に提供することができる。なお、この自動出力制御回路は基板に設けられている構成であってもよい。
【0012】
ここで、発光素子からの発光量と光導波路から漏洩する漏洩光の光量とが比例関係にある場合は、自動出力制御回路は第2の受光素子の受光量情報を比例計算した結果に基づいて発光素子の発光量を制御することができる。一方、例えば発光素子の発光位置と漏洩光の漏洩位置(第2の受光素子の漏洩光検出位置)との距離条件や、光導波路の光伝達特性(光伝達損失特性、導波損失特性)といった検出条件に起因して、発光素子からの発光量と光導波路から漏洩する漏洩光の光量とが比例関係にない場合は、発光素子からの発光量と光導波路から漏洩する漏洩光の光量との関係を前記検出条件に基づいて予め導出しておき、自動出力制御回路は前記導出した結果に基づいて前記発光素子の発光量を制御すればよい。
【0013】
本発明の光インターコネクション回路において、前記光導波路は前記発光素子からの光の一部を外部に漏洩する漏洩部を有し、前記第2の受光素子は前記漏洩した光を受光することを特徴とする。
本発明によれば、光導波路の一部にこの光導波路を伝播する光の一部を漏洩する漏洩部を積極的に設けることで、この光導波路を伝播する光の光量、ひいては発光素子の出力を精度良くモニタリングすることができる。つまり、光導波路を形成する光導波路材が上述したような透明材料である場合には光導波路を伝播する光の一部は自然に漏洩するが、不透明材料である場合等においては自然に漏洩しない場合が考えられる。そこで、このような不透明材料を使用した場合等においても漏洩部を設けることで発光素子の発光量を精度良くモニタリングすることができる。
【0014】
この場合において、前記光導波路を形成する光導波路材の表面に設けられた光反射膜を備え、前記漏洩部は前記光反射膜の一部に形成された開口部を有する構成とすることが可能である。これにより、光導波路を伝播する光の一部は前記開口部を介して外部に漏洩し、第2の受光素子に入射することができる。また、反射膜を設けることにより、漏洩部(開口部)以外からの光の漏洩を抑えることができるため、光導波路の導波損失(伝達損失)を抑えて良好な光伝達効率を得ることができる。
【0015】
なお、漏洩部としては、例えば光導波路が前記透明材料(透明樹脂やゾルゲルガラス)からなる場合、この光導波路の漏洩部形成予定領域を他の領域に対して異なる反射率(屈折率)になるように処理した領域とすることもできる。例えば、光導波路の漏洩部形成予定領域を構成する材料に光散乱粒子を混ぜたり、光散乱部材を設けたり、あるいはエンボス加工等により凹凸形状にしたりすることで光散乱部とし、この光散乱部を前記漏洩部としてもよい。また、漏洩部形成予定領域の材料を他の領域の材料と異なる材料で形成することも可能である。
【0016】
この場合において、前記漏洩部は前記光導波路のうち前記発光素子近傍に設けられていることが好ましい。これにより、第2の受光素子は発光素子近傍に設けられた漏洩部からの漏洩光を受光することで、発光素子の出力を精度良くモニタリングできる。
【0017】
更に、この場合において、前記漏洩部は前記発光素子の発光軸上に配置されていることが好ましく、これに伴って、前記第2の受光素子の受光部も前記発光素子の発光軸上に配置されていることが好ましい。これにより、発光素子の出力を更に精度良くモニタリングできる。
【0018】
本発明の光インターコネクション回路において、前記光導波路は前記基板の平面に沿って面状又は線状に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、発光機能を有する第1の微小タイル状素子(発光素子)と受光機能を有する第2の微小タイル状素子(第1の受光素子)との間を面状又は線状に設けられた光導波路材で繋ぐことで、光信号がその光導波路材を伝播し、第1の微小タイル状素子と第2の微小タイル状素子との間で光信号を伝送することができる。また、例えば、発光機能を有する1つの第1の微小タイル状素子と受光機能を有する複数の第2の微小タイル状素子とを被うように光導波路材を面状又は線状に設けることで、1つの第1の微小タイル状素子から出力された光信号を複数の第2のタイル状素子で同時に受信することができ、より高速な信号伝送を行うことができる。一方、発光機能を有する複数の第1の微小タイル状素子と受光機能を有する複数の第2微小タイル状素子とを被うように光導波路材を面状又は線状に設けることで、複数の第1の微小タイル状素子と複数の第2の微小タイル状素子との間で高速な信号伝達をすることもできる。ここで、各第1の微小タイル状素子毎に出力する光信号の光の波長を異なるものとすることで、光信号によるバスを簡易に構成することができる。
【0019】
本発明の光インターコネクション回路において、前記発光素子は面発光レーザであることを特徴とする。
本発明によれば、発光素子を面発光レーザにすることで、微小な発光素子を設けることができる。ここで、面発光レーザは、化合物半導体からなるものであるので、シリコンと格子整合せず、エピタキシーなどの半導体プロセスによって直接にシリコン集積回路上に形成することが非常に困難である。そこで、一旦、ガリウム・ヒ素基板に面発光レーザを形成し、次いで、その面発光レーザを微小タイル形状にチップ化することで形成する。このようにチップ化することで、シリコンなどの基板上の任意の位置に面発光レーザを配置することができる。
【0020】
本発明の光インターコネクション回路において、前記受光素子はフォトダイオードであることを特徴とする。
本発明によれば、1つのモノリシック基板では形成することができない、面発光レーザとフォトダイオードとの組み合わせを有する半導体集積回路を極めてコンパクトにかつ容易に形成することができる。
【0021】
本発明の光インターコネクション回路の製造方法は、基板上に微小タイル状素子からなる発光素子及び第1の受光素子を接着する工程と、前記基板上に前記発光素子の発光部及び前記第1の受光素子の受光部と光学的に結合される光導波路材を含む光導波路を設ける工程と、第2の受光素子を含む集積回路チップを前記光導波路の少なくとも一部を覆うにように前記基板にフリップチップ実装する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、微小タイル状素子からなる発光素子の出力を高精度にモニタリングできる光インターコネクション回路を、既存の製造技術を用いて簡易に製造することができる。また本発明によれば、上記光インターコネクション回路を容易にコンパクト化することができる。
【0022】
ここで、前記光導波路を形成する光導波路材の表面に、その一部に開口部を有する光反射膜を形成する工程を有し、前記光反射膜を、該光反射膜形成用材料を含む液体材料の液滴を吐出することで形成する構成とすることができる。これにより、光導波路を伝播する光の一部を漏洩する漏洩部を液滴吐出法に基づいて材料消費の無駄を抑えつつ所望の位置に容易に形成できる。
【0023】
本発明の電子機器は、上記記載の光インターコネクション回路を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、所望発光量の光信号を長年に渡って安定して光導波路に導入できるコンパクトな光インターコネクション回路を構成要素とする電子機器を安価に提供できる。そして、例えば集積回路に本発明の光インターコネクション回路を適用することで高速に信号処理でき且つコンパクトな電子機器を安価に提供できる。また、本発明によれば、例えば表示装置に光インターコネクション回路を適用することで高品位な画像を表示できる電気機器を提供できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光インターコネクション回路について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の光インターコネクション回路の一実施形態を示す概略断面図である。
図1において、光インターコネクション回路は、基板10上に設けられた微小タイル状素子からなる発光素子1及び第1の受光素子5と、基板10上に設けられ、発光素子1の発光部1a及び第1の受光素子5の受光部5aと光学的に結合された光導波路材を有する光導波路4と、基板10にフリップチップ実装され、光導波路4の少なくとも一部を覆うように配置された集積回路チップ20と、集積回路チップ20に含まれ、光導波路4と対向する位置に設けられた第2の受光素子2とを備えている。本実施形態において、発光素子1は面発光レーザであり、第2の受光素子2はフォトダイオードである。面発光レーザ(発光素子)1は基板10の表面(上面)に貼り付けられている。また、第1の受光素子5もフォトダイオードであり、フォトダイオード(第1の受光素子)5も基板10の表面(上面)に貼り付けられている。
【0025】
面発光レーザ1及びフォトダイオード5を含む微小タイル状素子は、微小なタイル形状(板形状)の半導体デバイスであり、例えば、厚さが数十μm以下であり、面積が数百μm2以下の四角形板状部材である。微小タイル状素子の製造方法については後で説明する。なお、面発光レーザ1を含む微小タイル状素子の形状は、四角形に限定されず他の形状であってもよい。
【0026】
基板10としては、ガラス、プラスチック、ガラスエポキシ基板、セラミック、半導体基板、シリコンなど任意のものを適用することができる。集積回路チップ20は、基板10の所望位置に設けられたボンディングパッド(図示せず)と、導電部材からなるバンプ21とを介して、基板10上にフリップチップ実装されている。そして、集積回路チップ20内の回路は、バンプ21及びボンディングパッドを介して基板10に設けられている配線(図示せず)と電気的に接続されている。その基板10の配線は面発光レーザ1と電気的に接続されている。したがって、面発光レーザ1はバンプ21等を介して集積回路チップ20内の回路と電気的に接続されている。
【0027】
本実施形態において、集積回路チップ20は基板10上の面発光レーザ1を覆うように配置されている。そして、集積回路チップ20は、第2の受光素子であるフォトダイオード2と、フォトダイオード2の検出値(受光量)に基づいて面発光レーザ1の発光量(出力)を制御するAPC(Auto Power Control)ドライバ回路(自動出力制御回路)3とを備えている。フォトダイオード2は面発光レーザ1の上面に対向するように配置されている。ここで、フォトダイオード2の受光部は面発光レーザ1の発光軸上に配置されていることが好ましい。
【0028】
図2は図1の平面図であって特に光導波路4について示した図である。光導波路4は透明樹脂あるいはゾルゲルガラス等の光導波路材からなるものであって、基板10の表面に線状に形成されている。そして、光導波路4の一端部は前記面発光レーザ(第1の微小タイル状素子)1の発光部1aを覆っており、他端部は第1の受光素子(第2の微小タイル状素子)5を覆っている。第1の受光素子5は基板10の表面に貼り付けられており、光導波路4を形成する光導波路材は少なくとも面発光レーザ1の発光部1aと第1の受光素子5の受光部5aとを被うように基板10の表面に形成されている。
なお、基板10がシリコンである場合、このシリコンからなる基板10に第1の受光素子5として直接フォトダイオードを形成することも可能である。あるいは、光信号受信用の第1の受光素子5を、発光素子1と対向する位置に設けられた集積回路チップ20に設ける構成とすることも可能である。この場合、光信号受信用の第1の受光素子5は発光素子1の発光軸上に配置され、一方、光量モニタ用の第2の受光素子であるフォトダイオード2は、例えば、発光素子1の発光軸とずれた位置であって且つ光導波路4からの漏洩光を受光可能な位置に配置される。
【0029】
このような構成により、第1の微小タイル状素子である面発光レーザ1の発光部1aから発光した光は、光導波路4を伝播し、第2の微小タイル状素子である第1の受光素子5の受光部5aに到達する。そこで、発光部1aの発光動作を制御して光信号を発光部1aから発光すると、その光信号が光導波路4を伝播し、光導波路4を伝播してきた光信号を受光部5aで検出することができる。
【0030】
また、面発光レーザ1から発光された光信号は、光導波路4を伝播して第1の受光素子5に入射するとともに、第1の受光素子5の上を通過する。これにより、1個の面発光レーザ1から複数個の発光素子5へ略同時に光信号を送信することができる。ここで、第1の発光素子5の厚さを20μm以下とすることにより、基板との段差が十分小さくなるため、図1のように段差を乗り越えて連続的に光導波路4を形成できる。段差部において連続的に光導波路4を形成しても、段差が小さいため、散乱などの光の伝達損失はほとんど無視できる。そのため段差部に段差緩和のための特別な構造や光学素子を必要としない。よって低コストかつ簡便に作製できる。また、光導波路4をなす光導波路材の厚さを数十μm以下にすることができる。
【0031】
一方、面発光レーザ1から発光した光の一部は、図1に示すように、光導波路4を上方向に伝播した後、外部に漏洩する漏洩光となる。そして、集積回路チップ20に設けられているフォトダイオード2はこの漏洩光を受光するようになっている。
【0032】
次に、APCドライバ回路3による面発光レーザ1の出力制御について図3を参照して説明する。先ず、面発光レーザ1から発光された光のうちの大部分は光信号L1として光導波路4を長手方向に伝播する。一方、光導波路4の外部に漏洩した漏洩光L2は第2の受光素子であるフォトダイオード2に入射する。ここで、面発光レーザ1から放射される光信号L1の光量と漏洩光(モニター光)L2の光量とは比例関係にある。すなわち、光信号L1の光量が減少したときはそれに比例して漏洩光L2の光量も減少する。
【0033】
漏洩光L2はフォトダイオード2に入射するので、フォトダイオード2には漏洩光L2の光量に対応した電流が流れる。APCドライバ回路3は、フォトダイオード2を流れる電流の値を検出値として検出信号に変換し、その検出値と所定の基準値とを比較する。さらに、APCドライバ回路3は、その比較結果が一定値となるように、面発光レーザ1の駆動電圧又は駆動電流を制御する。これらにより、面発光レーザ1の発光量(光信号L1及び漏洩光L2)はフィードバック制御され、周囲温度及び経年変化などに影響されずに長年に渡って所望の値に保たれる。
【0034】
なお、APCドライバ回路3を集積回路チップ20に設ける代わりに基板10に設けてもよい。また、APCドライバ回路3はAPC回路部とドライバ回路部とに分離した構成としてよい。さらに、APC回路部をフォトダイオード2の出力を検出する検出回路(プリアンプなどを含む)とAPC回路に分離した構成としてもよい。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、面発光レーザ1から発光した光信号は光導波路4を伝播して光信号受信用の第1の受光素子5に到達することができ、素子間で光信号の送受信を行うことができる。したがって、非常に高速な信号伝送手段を簡易に実現することができる。また、素子を非常に小さな形状にすることで、非常に微細な光信号伝送手段を簡易に製造することができる。そして、面発光レーザ1から発光した光のうち透明材料からなる光導波路4から漏洩する漏洩光を、光導波路4と対向する位置に設けられた光量モニタ用の第2の受光素子であるフォトダイオード2で受光することにより、フォトダイオード2は漏洩光に関する受光信号に基づいて光導波路4を伝播する光の光量、ひいては面発光レーザ1の出力(発光量)をモニタリングすることができる。したがって、このモニタ結果に基づいて面発光レーザ1の出力を調整することができ、光導波路4に導入する光の光量を制御することができる。
【0036】
また、フォトダイオード2を含む集積回路チップ20は基板10上にフリップチップ実装されているので、集積回路チップ20と基板10との間にクリアランスが形成される。したがって、光導波路4や面発光レーザ1をこのクリアランスに設けることで、フォトダイオード2を含む集積回路チップ20と光導波路4及び面発光レーザ1との接触を回避でき、フォトダイオード2や面発光レーザ1、あるいは光導波路4の損傷を防止することができる。そして、基板10と集積回路20とのクリアランスに光導波路4や面発光レーザ1を配置し、しかも面発光レーザ1を微小タイル状素子として形成しているので、面発光レーザ1の出力をモニタリングできる半導体集積回路を極めてコンパクト化することができ、しかもこの半導体集積回路を既存の製造技術を用いて簡易に製造することができる。
【0037】
図4は光導波路4の他の実施形態を示す図であって図4(a)は側断面図、図4(b)は平面図である。この光導波路4を形成する光導波路材の表面には、所定位置に開口部6aを有する光反射膜6が設けられている。すなわち、光導波路材の表面のうち開口部6a以外の全部に光反射膜6が設けられている。この光反射膜6は金属膜により構成されている。この金属膜(光反射膜)6の形成材料としては、例えば、金、銀、アルミニウム、マグネシウム、銅、ニッケル、チタン、クロム、亜鉛等が挙げられる。
【0038】
本実施形態において、金属膜6は液滴吐出法に基づいて形成される。液滴吐出法は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルから液体材料の液滴を所定面に対して吐出することによりこの所定面上に膜パターンを形成する方法である。本実施形態では、金属微粒子を分散媒に分散した液体材料の液滴を光導波路材の表面に吐出して配置することで金属膜6を形成する。これにより、材料消費の無駄を抑えつつ、所望の位置に開口部6aを有する金属膜6を容易に形成することができる。なお、光導波路材の表面に液体材料の液滴を配置するに際し、この光導波路材の表面に対して撥液性(または親液性)を制御する表面処理を予め施しておくことが好ましい。
【0039】
そして、この開口部6aが、光導波路4を伝播する光の一部を漏洩する漏洩部となっており、集積回路チップ20に設けられたフォトダイオード2はこの開口部6aを介して漏洩した漏洩光L2を受光する。ここで、開口部(漏洩部)6aは光導波路4を形成する光導波路材の表面のうちフォトダイオード2近傍に設けられていることが好ましく、更に、面発光レーザ1の発光軸上に配置されていることが好ましい。
【0040】
以上説明したように、面発光レーザ1から発光する光の一部を外部に積極的に漏洩する漏洩部6aを設けることにより、フォトダイオード2は漏洩光を良好にモニタリングできる。また、本実施形態のように、光導波路材の開口部(漏洩部)6a以外の全面に反射膜6を設けることにより、漏洩部6a以外からの光の漏洩を抑えることができるので、光導波路4は良好な光伝達効率を得ることができる。
【0041】
なお、漏洩部は、他の領域より光の漏洩量が多ければよく、例えばこの漏洩部形成予定領域を他の領域と異なる材料により形成したり、光反射率(屈折率)を他の領域と異ならせる処理、例えば、漏洩部形成予定領域に光散乱粒子を混ぜたり、光散乱部材を設けたり、あるいはエンボス加工等により凹凸形状にしたりすることで漏洩部を形成してもよい。
【0042】
なお、上記各実施形態において、発光素子1としては、VCSEL(面発光レーザ)の他、例えば、LED、又はDFB(Distributed Feedback)レーザを備えるものとすることができる。発光デバイスとして、LEDはもっとも構造が単純で作製が容易であるが、光信号の変調速度が数百Mbps程度と遅い。これに対してVCSELは、10Gbpsを超える非常に高速な変調が可能である上、しきい値電流が小さく発光効率が高いので低消費電力で駆動できる。DFBレーザは、変調速度は1Gbps程度と面発光レーザには及ばないものの、微小タイル形状の端部から基板10の平面と平行な方向、すなわち光導波路4に沿った方向へレーザ光を出射するため、面発光レーザより効率よく光信号を伝播することができる。なお、DFBレーザには、電界吸収変調器を内蔵させることもできる。こうすると10Gbpsを越える変調速度が得られるため、DFBの効率的な光信号伝播性と高速変調とを両立することも可能となる。
【0043】
第2の受光素子2や第1の受光素子5は、例えば、フォトダイオードの他、例えばフォトトランジスタを備えるものとすることができる。ここで、フォトダイオードとしては、PIN型フォトダイオード、APD(アバランシェフォトダイオード)、MSM(Metal−Semiconductor−Metal)型フォトダイオードを用途に応じて選ぶことができる。APDは、光感度、応答周波数ともに高い。MSM型フォトダイオードは、構造が単純で増幅用トランジスタとともに集積化しやすい。
なお、第1の受光素子5と第2の受光素子2とで異なる特性を有する受光素子を用いることができる。例えば、第2の受光素子2は光量モニタ用であるため、入射光量と出力信号とのリニアリティ(直線性)が重要である一方、光量の時間平均を計測するため高速応答性はある程度許容される。一方、第1の受光素子5は光信号受信用であるため、高速応答性が重要である一方、受信する光信号はON・OFFパルス信号であるためリニアリティはある程度許容される。このような観点に基づいて、第1及び第2の受光素子として用いるデバイスは適宜選択される。
【0044】
そして、面発光レーザ1及び第1の受光素子5は、基板10に設けられた集積回路、又はEL表示回路、プラズマディスプレイ、液晶表示回路などの電子回路(図示せず)と電気的に接続されている。これにより、集積回路などからなるコンピュータシステムをコンパクトでありながら従来よりも高速にすることができる。また、基板10に設けられた平面ディスプレイなどの走査信号を本実施形態の光インターコネクション回路によって高速に伝送することができ、平面型表示装置における画面の大型化及び高品位化を促進することができる。
【0045】
図1においては、面発光レーザ1と第1の受光素子5とがそれぞれ1つずつ、一本の光導光路4に結合されているが、第1の受光素子5の個数は複数個であってもよい。この場合、一つの面発光レーザ1から送信された光信号は、一本の光導光路4を伝播して、複数の第1の受光素子5で同時に検出される。これは一対多のバスラインと同じである。また、面発光レーザ1と第1の受光素子5とのそれぞれが複数個であってもよい。ここで、各面発光レーザ1は、放射する光の波長が異なるものとしてもよい。また、各第1の受光素子5は、少なくとも1つの面発光レーザ1が放射する光の波長に対応して、波長選択機能をもつ受光手段であることが好ましい。これらにより、複数の面発光レーザ1からそれぞれ送信された複数の光信号が、1つの光導波路4を同時に伝播して、複数の第1の受光素子5のそれぞれに検出されることができる。したがって、複数の光信号を並列に送受信することができるバスを簡易に構成することができる。
【0046】
また、光導波路4は、図1においては直線状に形成されているが、曲線状に形成したり複数に分岐させることもできる。また、ループ状に形成してもかまわない。また、複数のタイル状素子を覆うようにシート状(面状)に形成してもよい。もちろん一つの基板10の表面に複数の組の面発光レーザ1、第1の受光素子5、及び光導波路30を形成してもかまわない。さらに、基板10の表裏両面に面発光レーザ1、受光素子、及び光導波路4を形成することもできる。
【0047】
上記フォトダイオード2には、所望波長(例えば面発光レーザ1の発光波長)の光のみを透過させるフィルタを設けてもよい。このようにすると、フォトダイオード2に入射する光が面発光レーザ1から放射された光のみとなるので、外乱光の影響を受けずに面発光レーザ1の発光量を高精度に検出することができる。
【0048】
上記集積回路チップ20は、パラレル信号をシリアル信号に変換する変換回路を含むものとしてもよい。このようにすると、CPUなどから出力されたパラレル信号を集積回路チップ20においてシリアル信号に変換し、そのシリアル信号で面発光レーザ1を駆動させることで、光信号にかかるシリアル信号を含ませることができる。
【0049】
<光導波路の製造方法>
次に、上記実施形態に係る光インターコネクション回路における光導波路4の製造方法について、図5〜図8を参照して説明する。図5は光導波路4の製造方法を示す模式側面図である。
【0050】
先ず、基板10の上面に上記第1微小タイル状素子(面発光レーザ)及び第2微小タイル状素子(第1の受光素子)を接着しておく。その後、光導波路4の製造工程に入る。そして、図5(a)に示すように、基板10の上面と第1微小タイル状素子及び第2微小タイル状素子(図示せず)の上面の全体に、液状の光硬化樹脂4cをコーティングする。このコーティングは、スピンコート法、ロールコート法、スプレイコート法などで行う。
【0051】
次いで液状の光硬化樹脂4cに対して、所望パターンのマスクを介して紫外線(UV)を照射する。これにより、液状の光硬化樹脂4cにおける所望領域だけが硬化しパターニングされる。そして、硬化していない樹脂を洗浄などにより除去することで、図5(b)に示すように、硬化された光導波路材からなる光導波路4dが形成される。
【0052】
図6は光導波路4の製造方法についての他の例を示す模式側面図である。先ず、基板10の上面に上記第1微小タイル状素子及び第2微小タイル状素子を接着しておく。その後、光導波路4の製造工程に入る。そして、図6(a)に示すように、基板10の上面と第1微小タイル状素子及び第2微小タイル状素子(図示せず)の上面全体に樹脂4eをコーティングして硬化させる。このコーティングは、スピンコート法、ロールコート法、スプレイコート法などで行う。次いで、樹脂4eにおける所望領域にレジストマスク41を形成する。このレジストマスク41の形成領域は光導波路4を形成する領域と同じである。
【0053】
次いで、図6(b)に示すように、レジストマスク41の上から基板10全体についてドライエッチング又はウエットエッチングを施し、レジストマスク41の下以外にある樹脂4eを除去する。このようにフォトリソパターニングして、レジストマスク41を除去することで、光導波路材からなる光導波路4fが形成される。基本的にエピタキシャルリフトオフ法に基づくものである。
【0054】
図7は光導波路4の製造方法についての他の例を示す模式側面図である。先ず、基板10の上面に上記第1微小タイル状素子及び第2微小タイル状素子を接着しておく。その後、光導波路4の製造工程に入る。そして、基板10の上面と第1微小タイル状素子及び第2微小タイル状素子(図示せず)の上面全体に、撥液処理を施して撥液表面51を設ける。
【0055】
次いで、図7(a)に示すように、撥液表面51における所望パターン領域に紫外線を照射することなどして、撥液表面51のなかに所望パターンの親液表面52を設ける。次いで、図7(b)に示すように、親液表面52のなかに、インクジェットノズルまたはディスペンサなどから液状の光導波路材4gを滴下する。光導波路材4gとしては、透明樹脂又はゾルゲルガラスを用いる。そして、基板10上に滴下された光導波路材4gを硬化させることで、光導波路材からなる光導波路4hが形成される。ゾルゲルガラスで光導波路4gを形成する場合は、金属アルコキシドに酸を加えて加水分解した溶液などをインクジェットノズルまたはディスペンサなどから親液表面52に滴下する。次いで、滴下した溶液に熱などのエネルギーを加えてガラス化し光導波路4hとする。
【0056】
図8は光導波路4の製造方法についての他の例を示す模式側面図である。先ず、基板10の上面に上記第1微小タイル状素子及び第2微小タイル状素子を接着しておく。その後、光導波路4の製造工程に入る。そして、図8(a)に示すように、基板10の上面並びに第1微小タイル状素子及び第2微小タイル状素子の上面であって、光導波路4を設けようとする領域を被うように、液状の樹脂4iを塗布する。
【0057】
次いで、光導波路30のパターン形状52をもつ型であるスタンパ51を、基板10の上方から基板10の表面に押し付ける。次いで、図8(b)に示すように、基板10の表面からスタンパ51を持ち上げる。これらにより、スタンパ51を用いたパターン転写法により、基板10上に所望パターン形状の光導波路材からなる光導波路4jが形成される。
【0058】
光導波路4の製造方法は、上記図5〜図8に示す方法以外に、次に述べる方法を用いてもよい。例えば、スクリーン印刷又はオフセット印刷などの印刷法を用いて、光導波路4をなす光導波路材を設けてもよい。また、スリット状の隙間から液状の樹脂を吐出するスリットコート法を用いて、光導波路4をなす光導波路材を設けてもよい。スリットコート法としては、毛細管現象を用いて樹脂などの所望部材を基板10に塗布する手法を採用してもよい。
【0059】
<微小タイル状素子の製造方法>
次に、上記面発光レーザ1をなす微小タイル状素子の製造方法と、その微小タイル状素子を基板(最終基板)に接着する方法とについて、図9〜図18を参照して説明する。本製造方法では、微小タイル状素子としての化合物半導体デバイス(化合物半導体素子)を最終基板となるシリコン・LSIチップ上に接着する場合について説明するが、半導体デバイスの種類及びLSIチップの種類に関係なく本発明を適用することができる。なお、本実施形態における「半導体基板」とは、半導体物資から成る物体をいうが、板形状の基板に限らず、どのような形状であっても半導体物資であれば「半導体基板」に含まれる。本微小タイル状素子の製造方法では、エピタキシャルリフトオフ法を基礎として用いている。
【0060】
(第1工程)
図9は本半導体集積回路の製造方法の第1工程を示す概略断面図である。図9において、基板110は半導体基板であり、例えばガリウム・ヒ素化合物半導体基板とする。基板110における最下位層には、犠牲層111を設けておく。犠牲層111は、アルミニウム・ヒ素(AlAs)からなり、厚さが例えば数百nmの層である。例えば、犠牲層111の上層には機能層112を設ける。機能層112の厚さは、例えば1μmから10(20)μm程度とする。そして、機能層112において半導体デバイス(面発光レーザ1)113を作成する。半導体デバイス113としては、例えば面発光レーザ(VCSEL)のほかに他の機能素子、例えば高電子移動度トランジスタ(HEMT)、ヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)などからなるドライバ回路又はAPC回路などを形成してもよい。これらの半導体デバイス113は、何れも基板110上に多層のエピタキシャル層を積層して素子が形成されたものである。また、各半導体デバイス113には、電極も形成し、動作テストも行う。
【0061】
(第2工程)
図10は本半導体集積回路の製造方法の第2工程を示す概略断面図である。本工程においては、各半導体デバイス113を分割するように分離溝121を形成する。分離溝121は、少なくとも犠牲層111に到達する深さをもつ溝とする。例えば、分離溝の幅及び深さともに10μmから数百μmとする。また、分離溝121は、後述するところの選択エッチング液が当該分離溝121を流れるように、行き止まりなく繋がっている溝とする。さらに、分離溝121は、碁盤のごとく格子状に形成することが好ましい。また、分離溝121相互の間隔を数十μmから数百μmとすることで、分離溝121によって分割・形成される各半導体デバイス113のサイズを、数十μmから数百μm四方の面積をもつものとする。分離溝121の形成方法としては、フォトリソグラフィとウェットエッチングによる方法、またはドライエッチングによる方法を用いる。また、クラックが基板に生じない範囲でU字形溝のダイシングで分離溝121を形成してもよい。
【0062】
(第3工程)
図11は本半導体集積回路の製造方法の第3工程を示す概略断面図である。本工程においては、中間転写フィルム131を基板110の表面(半導体デバイス113側)に貼り付ける。中間転写フィルム131は、表面に粘着剤が塗られたフレキシブルなフィルムである。
【0063】
(第4工程)
図12は本半導体集積回路の製造方法の第4工程を示す概略断面図である。本工程においては、分離溝121に選択エッチング液141を注入する。本工程では、犠牲層111のみを選択的にエッチングするために、選択エッチング液141として、アルミニウム・ヒ素に対して選択性が高い低濃度の塩酸を用いる。
【0064】
(第5工程)
図13は本半導体集積回路の製造方法の第5工程を示す概略断面図である。本工程においては、第4工程での分離溝121への選択エッチング液141の注入後、所定時間の経過により、犠牲層111のすべてを選択的にエッチングして基板110から取り除く。
【0065】
(第6工程)
図14は本半導体集積回路の製造方法の第6工程を示す概略断面図である。第5工程で犠牲層111が全てエッチングされると、基板110から機能層112が切り離される。そして、本工程において、中間転写フィルム131を基板110から引き離すことにより、中間転写フィルム131に貼り付けられている機能層112を基板110から引き離す。これらにより、半導体デバイス113が形成された機能層112は、分離溝121の形成及び犠牲層111のエッチングによって分割されて、所定の形状(例えば、微小タイル形状)の半導体素子(上記実施形態の「面発光レーザ1」)とされ、中間転写フィルム131に貼り付け保持されることとなる。ここで、機能層の厚さが例えば1μmから10μm程度、大きさ(縦横)が例えば数十μmから数百μmであるのが好ましい。
【0066】
(第7工程)
図15は本半導体集積回路の製造方法の第7工程を示す概略断面図である。本工程においては、(微小タイル状素子161が貼り付けられた)中間転写フィルム131を移動させることで、最終基板171(透明基板10)の所望の位置に微小タイル状素子161(面発光レーザ1)をアライメントする。ここで、最終基板171は、例えば、シリコン半導体からなり、LSI領域172が形成されている。また、最終基板171の所望の位置には、微小タイル状素子161を接着するための接着剤173を塗布しておく。接着剤は微小タイル状素子に塗布してもかまわない。
【0067】
(第8工程)
図16は本半導体集積回路の製造方法の第8工程を示す概略断面図である。本工程においては、最終基板171の所望の位置にアライメントされた微小タイル状素子161を、中間転写フィルム131越しに裏押し治具181で押しつけて最終基板171に接合する。ここで、所望の位置には接着剤173が塗布されているので、その最終基板171の所望の位置に微小タイル状素子161が接着される。
【0068】
(第9工程)
図17は本半導体集積回路の製造方法の第9工程を示す概略断面図である。本工程においては、中間転写フィルム131の粘着力を消失させて、微小タイル状素子161から中間転写フィルム131を剥がす。中間転写フィルム131の粘着剤は、UV硬化性又は熱硬化性のものにしておく。UV硬化性の粘着剤とした場合は、裏押し治具181を透明な材質にしておき、裏押し治具181の先端から紫外線(UV)を照射することで中間転写フィルム131の粘着力を消失させる。熱硬化性の接着剤とした場合は、裏押し治具181を加熱すればよい。あるいは第6工程の後で、中間転写フィルム131を全面紫外線照射するなどして粘着力を全面消失させておいてもよい。粘着力が消失したとはいえ実際には僅かに粘着性が残っており、微小タイル状素子161は非常に薄く軽いので中間転写フィルム131に保持される。
【0069】
(第10工程)
本工程は、図示していない。本工程においては、加熱処理などを施して、微小タイル状素子161を最終基板171に本接合する。
【0070】
(第11工程)
図18は本半導体集積回路の製造方法の第11工程を示す概略断面図である。本工程においては、微小タイル状素子161(面発光レーザ1)の電極と最終基板171(透明基板10)上の回路を配線191により電気的に繋ぎ、一つのLSIチップなどの半導体集積回路を完成させる。最終基板171としては、シリコン半導体のみならず、ガラス基板、石英基板又はプラスチックフィルムを適用してもよい。
【0071】
これらにより、最終基板171である透明基板10が例えばプラスチックであっても、その透明基板10上の所望位置にガリウム・ヒ素製の面発光レーザ1を形成するというように、面発光レーザ1をなす半導体素子を当該半導体素子とは材質の異なる基板上に形成することが可能となる。また、半導体基板上で面発光レーザ1を完成させてから微小タイル形状に切り離すので、半導体集積回路を作成する前に、予め面発光レーザ1をテストして選別することが可能となる。
【0072】
また、上記製造方法によれば、半導体素子(面発光レーザ1)を含む機能層のみを、微小タイル状素子として半導体基板から切り取り、フィルムにマウントしてハンドリングすることができるので、面発光レーザ1を個別に選択して透明基板10に接合することができ、ハンドリングできる面発光レーザ1のサイズを従来の実装技術のものよりも小さくすることができる。したがって、所望発光量及び所望状態のレーザ光を出力するコンパクトな半導体集積回路を、簡便に低コストで提供することができる。
【0073】
そして、図9〜図18を参照して説明した工程により形成した微小タイル状素子からなる面発光レーザを基板上に接着した後、図5〜図8を参照して説明した工程により基板上に発光素子の発光部と光学的に結合される光導波路材を含む光導波路を設け、次いでフォトダイオード2を含む集積回路チップ20を面発光レーザ1(光導波路4)を被うように基板にフリップチップ実装することで、図1に示した光インターコネクション回路が製造される。
【0074】
<電子機器>
上記実施形態の光インターコネクション回路を備えた電子機器の例について説明する。図19は上述した実施形態に係る表示装置を備えたモバイル型のパーソナルコンピュータ(情報処理装置)の構成を示す斜視図である。同図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、上述した表示装置ユニット1106とから構成されている。
【0075】
図19に示す電子機器は、上記実施形態の光インターコネクション回路を備えているので、所望発光量の光信号を長年に渡って安定して光導波路に導入できるコンパクトな光インターコネクション回路を構成要素とする電子機器を安価に提供できる。そして、例えば集積回路に本発明の光インターコネクション回路を適用することで高速に信号処理でき且つコンパクトな電子機器を安価に提供できる。また、本発明によれば、例えば表示装置に光インターコネクション回路を適用することで高品位な画像を表示できる電気機器を提供できる。
【0076】
なお、上述した例に加えて、他の例として、携帯電話、腕時計型電子機器、液晶テレビ、ビューファインダ型やモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、電子ペーパー、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。本発明の電気光学装置は、こうした電子機器の表示部としても適用できる。なお、本実施形態の電子機器は液晶装置を備えるもの、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ型表示装置等、他の電気光学装置を備えた電子機器とすることもできる。
【0077】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光インターコネクション回路の一実施形態を示す概略側断面図である。
【図2】光導波路を含む要部を示す平面図である。
【図3】本実施形態に係る自動出力制御回路の動作を示す説明図である。
【図4】本発明の光インターコネクション回路の他の実施形態を示す図であって光導波路を含む要部を示す図である。
【図5】光導波路の製造方法の一例を示す説明図である。
【図6】光導波路の製造方法の他の例を示す説明図である。
【図7】光導波路の製造方法の他の例を示す説明図である。
【図8】光導波路の製造方法の他の例を示す説明図である。
【図9】微小タイル状素子の製造方法の第1工程を示す概略断面図である。
【図10】同上の製造方法の第2工程を示す概略断面図である。
【図11】同上の製造方法の第3工程を示す概略断面図である。
【図12】同上の製造方法の第4工程を示す概略断面図である。
【図13】同上の製造方法の第5工程を示す概略断面図である。
【図14】同上の製造方法の第6工程を示す概略断面図である。
【図15】同上の製造方法の第7工程を示す概略断面図である。
【図16】同上の製造方法の第8工程を示す概略断面図である。
【図17】同上の製造方法の第9工程を示す概略断面図である。
【図18】同上の製造方法の第11工程を示す概略断面図である。
【図19】本発明の電子機器の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…面発光レーザ(発光素子)、1a…発光部、
2…フォトダイオード(第2の受光素子)、
3…APCドライバ回路(自動出力制御回路)、4…光導波路、
5…第1の受光素子、5a…受光部、6…光反射膜、
6a…開口部(漏洩部)、10…基板、20…集積回路チップ、
21…バンプ、L1…光信号、L2…漏洩光
【発明の属する技術分野】
本発明は、光インターコネクション回路、光インターコネクション回路の製造方法、電気光学装置及び電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、平面型表示装置として、エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ型表示装置、及び液晶表示装置等が用いられている。これらの表示装置において、大型化及び大容量表示化に伴う信号の遅延等を解消するために、データ伝達に光信号を利用する技術が検討されている。また、コンピュータにおいては集積回路の内部構造の微細化によりCPU内部の動作速度(動作クロック)が年々向上しているが、CPUと記憶装置等の周辺装置とを繋ぐバスにおけるデータ伝達速度はほぼ限界に達しつつあり、コンピュータの処理速度のボトルネックとなっている。このバスにおけるデータ伝達においても光信号を利用することができればコンピュータの処理速度の限界を著しく高めることができる。
【0003】
光信号を利用してデータ伝達するには発光素子から発光された光信号を所定の場所まで伝達して受光素子等に入力する光伝送手段が必要になる。従来のこのような光伝送手段として、光ファイバを利用した技術、あるいは基板上に形成した光導波路を利用した技術(例えば下記特許文献1)がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−167060号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光伝送手段として光ファイバを利用した場合、発光素子及び受光素子等の光部品との接続が繁雑になり、その製造に多大なコスト及び時間がかかるとともに光伝送手段の小型化が困難になるという問題がある。
【0006】
これに対し、基板上に形成した光導波路を利用することにより光伝送媒体と発光素子及び受光素子等との接続を簡単にすることが考えられ、そのため、上記平面型表示装置やコンピュータに適用可能な程度の微細化及び製造容易化が図られた光導波路を有する光伝送手段の確立が要望される。また、安定した光伝送を行うために、外部環境変化や素子劣化等の経年変化によらずに光導波路へ導入する光量を制御することも必要となる。特に発光素子として半導体レーザを用いた場合、この半導体レーザは周囲温度等によりレーザ効率が変化するため光学的に光量をモニタして制御することが求められる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、光導波路に導入する光量制御を精度良く行うことができ、しかも容易に微細化でき、簡易に製造できる光インターコネクション回路、光インターコネクション回路の製造方法及び電子機器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の光インターコネクション回路は、基板上に設けられた微小タイル状素子からなる発光素子及び第1の受光素子と、前記基板上に設けられ、前記発光素子の発光部及び前記第1の受光素子の受光部と光学的に結合された光導波路材を有する光導波路と、前記基板にフリップチップ実装され、前記光導波路の少なくとも一部を覆うように配置された集積回路チップと、前記集積回路チップに含まれ前記光導波路と対向する位置に設けられた第2の受光素子とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、微小タイル状素子からなる発光素子から発光した光信号は光導波路を伝播して受光機能を有する別の微小タイル状素子である第1の受光素子に到達することができ、微小タイル状素子間で光信号の送受信を行うことができる。したがって、非常に高速な信号伝送手段を簡易に実現することができる。また、微小タイル状素子を非常に小さな形状(例えば、数百μm四方以下の面積と数十μm以下の厚さをもつもの)にすることで、非常に微細な光信号伝送手段を簡易に製造することができる。ここで、光導波路を形成する光導波路材としては、透明樹脂あるいはゾルゲルガラス等の透明材料を適用することができる。ゾルゲルガラスとはガラス成分を含む溶液を加熱する等して固体ガラスに変質させたものである。
そして、発光素子から発光した光の一部は光導波路から漏洩する場合があるが、この光導波路と対向する位置に第2の受光素子を設けたことにより、第2の受光素子がこの漏洩した漏洩光を受光する。したがって、第2の受光素子は漏洩光に基づく受光信号に基づいて光導波路を伝播する光の光量、ひいては発光素子の出力(発光量)をモニタリングすることができる。そして、このモニタ結果に基づいて発光素子の出力を調整することにより光導波路に導入する光の光量を制御することができる。
また、本発明によれば、上記第2の受光素子を含む集積回路チップは導電部材であるバンプ等を介して基板上にフリップチップ実装されているので、集積回路チップと基板との間にクリアランスが形成される。したがって、光導波路や発光素子を前記クリアランスに設けることで、第2の受光素子を含む集積回路チップと光導波路及び発光素子との接触を回避でき、受光素子や発光素子、あるいは光導波路の損傷を防止することができる。
また、本発明によれば、上述したように前記クリアランスに光導波路や発光素子を配置可能であるとともに、発光素子を微小タイル状素子として形成しているので、発光素子の出力をモニタリングできる半導体集積回路を、極めてコンパクト化することができ、しかもこの半導体集積回路を既存の製造技術を用いて簡易に製造することができる。
ここで、微小タイル状素子は化合物半導体でもシリコン半導体でもよく、微小タイル状素子が接着される基板もシリコン半導体基板でも化合物半導体基板でもよい。したがって、従来、1つのモノリシック基板では形成することができなかった化合物半導体とシリコン半導体とが3次元に組み合わされたハイブリッド基板(面発光レーザの出力を高精度にモニタリングできる半導体集積回路)を極めてコンパクトに形成することができる。
【0009】
ここで、第2の受光素子は前記漏洩光を受光可能なように光導波路の一部と対向していればよく、発光素子と対向する位置に(発光素子近傍に)配置されていなくてもよい。
【0010】
一方、前記集積回路チップは前記発光素子を覆うように配置され、前記第2の受光素子は前記発光素子と対向する位置に設けられている構成とすることにより、漏洩光を介して発光素子の出力をより精度良くモニタリングすることができる。また、集積回路チップは発光素子を覆うように配置されているので、第2の受光素子に入射する外部からの外乱光を集積回路チップで遮ることができ、発光素子の出力を更に高精度にモニタリングすることができる。
【0011】
本発明の光インターコネクション回路において、前記集積回路チップは、前記第2の受光素子が受光した受光量に基づいて前記発光素子の発光量を制御する自動出力制御回路を有することを特徴とする。
本発明によれば、第2の受光素子の受光量に基づいて発光素子の発光量を制御する自動出力制御回路を設けたことにより、温度変化、経年変化及び製造品位等に影響されずに、所望発光量の発光光を長年に渡って安定に出力するコンパクトな半導体集積回路を安価に提供することができる。なお、この自動出力制御回路は基板に設けられている構成であってもよい。
【0012】
ここで、発光素子からの発光量と光導波路から漏洩する漏洩光の光量とが比例関係にある場合は、自動出力制御回路は第2の受光素子の受光量情報を比例計算した結果に基づいて発光素子の発光量を制御することができる。一方、例えば発光素子の発光位置と漏洩光の漏洩位置(第2の受光素子の漏洩光検出位置)との距離条件や、光導波路の光伝達特性(光伝達損失特性、導波損失特性)といった検出条件に起因して、発光素子からの発光量と光導波路から漏洩する漏洩光の光量とが比例関係にない場合は、発光素子からの発光量と光導波路から漏洩する漏洩光の光量との関係を前記検出条件に基づいて予め導出しておき、自動出力制御回路は前記導出した結果に基づいて前記発光素子の発光量を制御すればよい。
【0013】
本発明の光インターコネクション回路において、前記光導波路は前記発光素子からの光の一部を外部に漏洩する漏洩部を有し、前記第2の受光素子は前記漏洩した光を受光することを特徴とする。
本発明によれば、光導波路の一部にこの光導波路を伝播する光の一部を漏洩する漏洩部を積極的に設けることで、この光導波路を伝播する光の光量、ひいては発光素子の出力を精度良くモニタリングすることができる。つまり、光導波路を形成する光導波路材が上述したような透明材料である場合には光導波路を伝播する光の一部は自然に漏洩するが、不透明材料である場合等においては自然に漏洩しない場合が考えられる。そこで、このような不透明材料を使用した場合等においても漏洩部を設けることで発光素子の発光量を精度良くモニタリングすることができる。
【0014】
この場合において、前記光導波路を形成する光導波路材の表面に設けられた光反射膜を備え、前記漏洩部は前記光反射膜の一部に形成された開口部を有する構成とすることが可能である。これにより、光導波路を伝播する光の一部は前記開口部を介して外部に漏洩し、第2の受光素子に入射することができる。また、反射膜を設けることにより、漏洩部(開口部)以外からの光の漏洩を抑えることができるため、光導波路の導波損失(伝達損失)を抑えて良好な光伝達効率を得ることができる。
【0015】
なお、漏洩部としては、例えば光導波路が前記透明材料(透明樹脂やゾルゲルガラス)からなる場合、この光導波路の漏洩部形成予定領域を他の領域に対して異なる反射率(屈折率)になるように処理した領域とすることもできる。例えば、光導波路の漏洩部形成予定領域を構成する材料に光散乱粒子を混ぜたり、光散乱部材を設けたり、あるいはエンボス加工等により凹凸形状にしたりすることで光散乱部とし、この光散乱部を前記漏洩部としてもよい。また、漏洩部形成予定領域の材料を他の領域の材料と異なる材料で形成することも可能である。
【0016】
この場合において、前記漏洩部は前記光導波路のうち前記発光素子近傍に設けられていることが好ましい。これにより、第2の受光素子は発光素子近傍に設けられた漏洩部からの漏洩光を受光することで、発光素子の出力を精度良くモニタリングできる。
【0017】
更に、この場合において、前記漏洩部は前記発光素子の発光軸上に配置されていることが好ましく、これに伴って、前記第2の受光素子の受光部も前記発光素子の発光軸上に配置されていることが好ましい。これにより、発光素子の出力を更に精度良くモニタリングできる。
【0018】
本発明の光インターコネクション回路において、前記光導波路は前記基板の平面に沿って面状又は線状に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、発光機能を有する第1の微小タイル状素子(発光素子)と受光機能を有する第2の微小タイル状素子(第1の受光素子)との間を面状又は線状に設けられた光導波路材で繋ぐことで、光信号がその光導波路材を伝播し、第1の微小タイル状素子と第2の微小タイル状素子との間で光信号を伝送することができる。また、例えば、発光機能を有する1つの第1の微小タイル状素子と受光機能を有する複数の第2の微小タイル状素子とを被うように光導波路材を面状又は線状に設けることで、1つの第1の微小タイル状素子から出力された光信号を複数の第2のタイル状素子で同時に受信することができ、より高速な信号伝送を行うことができる。一方、発光機能を有する複数の第1の微小タイル状素子と受光機能を有する複数の第2微小タイル状素子とを被うように光導波路材を面状又は線状に設けることで、複数の第1の微小タイル状素子と複数の第2の微小タイル状素子との間で高速な信号伝達をすることもできる。ここで、各第1の微小タイル状素子毎に出力する光信号の光の波長を異なるものとすることで、光信号によるバスを簡易に構成することができる。
【0019】
本発明の光インターコネクション回路において、前記発光素子は面発光レーザであることを特徴とする。
本発明によれば、発光素子を面発光レーザにすることで、微小な発光素子を設けることができる。ここで、面発光レーザは、化合物半導体からなるものであるので、シリコンと格子整合せず、エピタキシーなどの半導体プロセスによって直接にシリコン集積回路上に形成することが非常に困難である。そこで、一旦、ガリウム・ヒ素基板に面発光レーザを形成し、次いで、その面発光レーザを微小タイル形状にチップ化することで形成する。このようにチップ化することで、シリコンなどの基板上の任意の位置に面発光レーザを配置することができる。
【0020】
本発明の光インターコネクション回路において、前記受光素子はフォトダイオードであることを特徴とする。
本発明によれば、1つのモノリシック基板では形成することができない、面発光レーザとフォトダイオードとの組み合わせを有する半導体集積回路を極めてコンパクトにかつ容易に形成することができる。
【0021】
本発明の光インターコネクション回路の製造方法は、基板上に微小タイル状素子からなる発光素子及び第1の受光素子を接着する工程と、前記基板上に前記発光素子の発光部及び前記第1の受光素子の受光部と光学的に結合される光導波路材を含む光導波路を設ける工程と、第2の受光素子を含む集積回路チップを前記光導波路の少なくとも一部を覆うにように前記基板にフリップチップ実装する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、微小タイル状素子からなる発光素子の出力を高精度にモニタリングできる光インターコネクション回路を、既存の製造技術を用いて簡易に製造することができる。また本発明によれば、上記光インターコネクション回路を容易にコンパクト化することができる。
【0022】
ここで、前記光導波路を形成する光導波路材の表面に、その一部に開口部を有する光反射膜を形成する工程を有し、前記光反射膜を、該光反射膜形成用材料を含む液体材料の液滴を吐出することで形成する構成とすることができる。これにより、光導波路を伝播する光の一部を漏洩する漏洩部を液滴吐出法に基づいて材料消費の無駄を抑えつつ所望の位置に容易に形成できる。
【0023】
本発明の電子機器は、上記記載の光インターコネクション回路を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、所望発光量の光信号を長年に渡って安定して光導波路に導入できるコンパクトな光インターコネクション回路を構成要素とする電子機器を安価に提供できる。そして、例えば集積回路に本発明の光インターコネクション回路を適用することで高速に信号処理でき且つコンパクトな電子機器を安価に提供できる。また、本発明によれば、例えば表示装置に光インターコネクション回路を適用することで高品位な画像を表示できる電気機器を提供できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光インターコネクション回路について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の光インターコネクション回路の一実施形態を示す概略断面図である。
図1において、光インターコネクション回路は、基板10上に設けられた微小タイル状素子からなる発光素子1及び第1の受光素子5と、基板10上に設けられ、発光素子1の発光部1a及び第1の受光素子5の受光部5aと光学的に結合された光導波路材を有する光導波路4と、基板10にフリップチップ実装され、光導波路4の少なくとも一部を覆うように配置された集積回路チップ20と、集積回路チップ20に含まれ、光導波路4と対向する位置に設けられた第2の受光素子2とを備えている。本実施形態において、発光素子1は面発光レーザであり、第2の受光素子2はフォトダイオードである。面発光レーザ(発光素子)1は基板10の表面(上面)に貼り付けられている。また、第1の受光素子5もフォトダイオードであり、フォトダイオード(第1の受光素子)5も基板10の表面(上面)に貼り付けられている。
【0025】
面発光レーザ1及びフォトダイオード5を含む微小タイル状素子は、微小なタイル形状(板形状)の半導体デバイスであり、例えば、厚さが数十μm以下であり、面積が数百μm2以下の四角形板状部材である。微小タイル状素子の製造方法については後で説明する。なお、面発光レーザ1を含む微小タイル状素子の形状は、四角形に限定されず他の形状であってもよい。
【0026】
基板10としては、ガラス、プラスチック、ガラスエポキシ基板、セラミック、半導体基板、シリコンなど任意のものを適用することができる。集積回路チップ20は、基板10の所望位置に設けられたボンディングパッド(図示せず)と、導電部材からなるバンプ21とを介して、基板10上にフリップチップ実装されている。そして、集積回路チップ20内の回路は、バンプ21及びボンディングパッドを介して基板10に設けられている配線(図示せず)と電気的に接続されている。その基板10の配線は面発光レーザ1と電気的に接続されている。したがって、面発光レーザ1はバンプ21等を介して集積回路チップ20内の回路と電気的に接続されている。
【0027】
本実施形態において、集積回路チップ20は基板10上の面発光レーザ1を覆うように配置されている。そして、集積回路チップ20は、第2の受光素子であるフォトダイオード2と、フォトダイオード2の検出値(受光量)に基づいて面発光レーザ1の発光量(出力)を制御するAPC(Auto Power Control)ドライバ回路(自動出力制御回路)3とを備えている。フォトダイオード2は面発光レーザ1の上面に対向するように配置されている。ここで、フォトダイオード2の受光部は面発光レーザ1の発光軸上に配置されていることが好ましい。
【0028】
図2は図1の平面図であって特に光導波路4について示した図である。光導波路4は透明樹脂あるいはゾルゲルガラス等の光導波路材からなるものであって、基板10の表面に線状に形成されている。そして、光導波路4の一端部は前記面発光レーザ(第1の微小タイル状素子)1の発光部1aを覆っており、他端部は第1の受光素子(第2の微小タイル状素子)5を覆っている。第1の受光素子5は基板10の表面に貼り付けられており、光導波路4を形成する光導波路材は少なくとも面発光レーザ1の発光部1aと第1の受光素子5の受光部5aとを被うように基板10の表面に形成されている。
なお、基板10がシリコンである場合、このシリコンからなる基板10に第1の受光素子5として直接フォトダイオードを形成することも可能である。あるいは、光信号受信用の第1の受光素子5を、発光素子1と対向する位置に設けられた集積回路チップ20に設ける構成とすることも可能である。この場合、光信号受信用の第1の受光素子5は発光素子1の発光軸上に配置され、一方、光量モニタ用の第2の受光素子であるフォトダイオード2は、例えば、発光素子1の発光軸とずれた位置であって且つ光導波路4からの漏洩光を受光可能な位置に配置される。
【0029】
このような構成により、第1の微小タイル状素子である面発光レーザ1の発光部1aから発光した光は、光導波路4を伝播し、第2の微小タイル状素子である第1の受光素子5の受光部5aに到達する。そこで、発光部1aの発光動作を制御して光信号を発光部1aから発光すると、その光信号が光導波路4を伝播し、光導波路4を伝播してきた光信号を受光部5aで検出することができる。
【0030】
また、面発光レーザ1から発光された光信号は、光導波路4を伝播して第1の受光素子5に入射するとともに、第1の受光素子5の上を通過する。これにより、1個の面発光レーザ1から複数個の発光素子5へ略同時に光信号を送信することができる。ここで、第1の発光素子5の厚さを20μm以下とすることにより、基板との段差が十分小さくなるため、図1のように段差を乗り越えて連続的に光導波路4を形成できる。段差部において連続的に光導波路4を形成しても、段差が小さいため、散乱などの光の伝達損失はほとんど無視できる。そのため段差部に段差緩和のための特別な構造や光学素子を必要としない。よって低コストかつ簡便に作製できる。また、光導波路4をなす光導波路材の厚さを数十μm以下にすることができる。
【0031】
一方、面発光レーザ1から発光した光の一部は、図1に示すように、光導波路4を上方向に伝播した後、外部に漏洩する漏洩光となる。そして、集積回路チップ20に設けられているフォトダイオード2はこの漏洩光を受光するようになっている。
【0032】
次に、APCドライバ回路3による面発光レーザ1の出力制御について図3を参照して説明する。先ず、面発光レーザ1から発光された光のうちの大部分は光信号L1として光導波路4を長手方向に伝播する。一方、光導波路4の外部に漏洩した漏洩光L2は第2の受光素子であるフォトダイオード2に入射する。ここで、面発光レーザ1から放射される光信号L1の光量と漏洩光(モニター光)L2の光量とは比例関係にある。すなわち、光信号L1の光量が減少したときはそれに比例して漏洩光L2の光量も減少する。
【0033】
漏洩光L2はフォトダイオード2に入射するので、フォトダイオード2には漏洩光L2の光量に対応した電流が流れる。APCドライバ回路3は、フォトダイオード2を流れる電流の値を検出値として検出信号に変換し、その検出値と所定の基準値とを比較する。さらに、APCドライバ回路3は、その比較結果が一定値となるように、面発光レーザ1の駆動電圧又は駆動電流を制御する。これらにより、面発光レーザ1の発光量(光信号L1及び漏洩光L2)はフィードバック制御され、周囲温度及び経年変化などに影響されずに長年に渡って所望の値に保たれる。
【0034】
なお、APCドライバ回路3を集積回路チップ20に設ける代わりに基板10に設けてもよい。また、APCドライバ回路3はAPC回路部とドライバ回路部とに分離した構成としてよい。さらに、APC回路部をフォトダイオード2の出力を検出する検出回路(プリアンプなどを含む)とAPC回路に分離した構成としてもよい。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、面発光レーザ1から発光した光信号は光導波路4を伝播して光信号受信用の第1の受光素子5に到達することができ、素子間で光信号の送受信を行うことができる。したがって、非常に高速な信号伝送手段を簡易に実現することができる。また、素子を非常に小さな形状にすることで、非常に微細な光信号伝送手段を簡易に製造することができる。そして、面発光レーザ1から発光した光のうち透明材料からなる光導波路4から漏洩する漏洩光を、光導波路4と対向する位置に設けられた光量モニタ用の第2の受光素子であるフォトダイオード2で受光することにより、フォトダイオード2は漏洩光に関する受光信号に基づいて光導波路4を伝播する光の光量、ひいては面発光レーザ1の出力(発光量)をモニタリングすることができる。したがって、このモニタ結果に基づいて面発光レーザ1の出力を調整することができ、光導波路4に導入する光の光量を制御することができる。
【0036】
また、フォトダイオード2を含む集積回路チップ20は基板10上にフリップチップ実装されているので、集積回路チップ20と基板10との間にクリアランスが形成される。したがって、光導波路4や面発光レーザ1をこのクリアランスに設けることで、フォトダイオード2を含む集積回路チップ20と光導波路4及び面発光レーザ1との接触を回避でき、フォトダイオード2や面発光レーザ1、あるいは光導波路4の損傷を防止することができる。そして、基板10と集積回路20とのクリアランスに光導波路4や面発光レーザ1を配置し、しかも面発光レーザ1を微小タイル状素子として形成しているので、面発光レーザ1の出力をモニタリングできる半導体集積回路を極めてコンパクト化することができ、しかもこの半導体集積回路を既存の製造技術を用いて簡易に製造することができる。
【0037】
図4は光導波路4の他の実施形態を示す図であって図4(a)は側断面図、図4(b)は平面図である。この光導波路4を形成する光導波路材の表面には、所定位置に開口部6aを有する光反射膜6が設けられている。すなわち、光導波路材の表面のうち開口部6a以外の全部に光反射膜6が設けられている。この光反射膜6は金属膜により構成されている。この金属膜(光反射膜)6の形成材料としては、例えば、金、銀、アルミニウム、マグネシウム、銅、ニッケル、チタン、クロム、亜鉛等が挙げられる。
【0038】
本実施形態において、金属膜6は液滴吐出法に基づいて形成される。液滴吐出法は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルから液体材料の液滴を所定面に対して吐出することによりこの所定面上に膜パターンを形成する方法である。本実施形態では、金属微粒子を分散媒に分散した液体材料の液滴を光導波路材の表面に吐出して配置することで金属膜6を形成する。これにより、材料消費の無駄を抑えつつ、所望の位置に開口部6aを有する金属膜6を容易に形成することができる。なお、光導波路材の表面に液体材料の液滴を配置するに際し、この光導波路材の表面に対して撥液性(または親液性)を制御する表面処理を予め施しておくことが好ましい。
【0039】
そして、この開口部6aが、光導波路4を伝播する光の一部を漏洩する漏洩部となっており、集積回路チップ20に設けられたフォトダイオード2はこの開口部6aを介して漏洩した漏洩光L2を受光する。ここで、開口部(漏洩部)6aは光導波路4を形成する光導波路材の表面のうちフォトダイオード2近傍に設けられていることが好ましく、更に、面発光レーザ1の発光軸上に配置されていることが好ましい。
【0040】
以上説明したように、面発光レーザ1から発光する光の一部を外部に積極的に漏洩する漏洩部6aを設けることにより、フォトダイオード2は漏洩光を良好にモニタリングできる。また、本実施形態のように、光導波路材の開口部(漏洩部)6a以外の全面に反射膜6を設けることにより、漏洩部6a以外からの光の漏洩を抑えることができるので、光導波路4は良好な光伝達効率を得ることができる。
【0041】
なお、漏洩部は、他の領域より光の漏洩量が多ければよく、例えばこの漏洩部形成予定領域を他の領域と異なる材料により形成したり、光反射率(屈折率)を他の領域と異ならせる処理、例えば、漏洩部形成予定領域に光散乱粒子を混ぜたり、光散乱部材を設けたり、あるいはエンボス加工等により凹凸形状にしたりすることで漏洩部を形成してもよい。
【0042】
なお、上記各実施形態において、発光素子1としては、VCSEL(面発光レーザ)の他、例えば、LED、又はDFB(Distributed Feedback)レーザを備えるものとすることができる。発光デバイスとして、LEDはもっとも構造が単純で作製が容易であるが、光信号の変調速度が数百Mbps程度と遅い。これに対してVCSELは、10Gbpsを超える非常に高速な変調が可能である上、しきい値電流が小さく発光効率が高いので低消費電力で駆動できる。DFBレーザは、変調速度は1Gbps程度と面発光レーザには及ばないものの、微小タイル形状の端部から基板10の平面と平行な方向、すなわち光導波路4に沿った方向へレーザ光を出射するため、面発光レーザより効率よく光信号を伝播することができる。なお、DFBレーザには、電界吸収変調器を内蔵させることもできる。こうすると10Gbpsを越える変調速度が得られるため、DFBの効率的な光信号伝播性と高速変調とを両立することも可能となる。
【0043】
第2の受光素子2や第1の受光素子5は、例えば、フォトダイオードの他、例えばフォトトランジスタを備えるものとすることができる。ここで、フォトダイオードとしては、PIN型フォトダイオード、APD(アバランシェフォトダイオード)、MSM(Metal−Semiconductor−Metal)型フォトダイオードを用途に応じて選ぶことができる。APDは、光感度、応答周波数ともに高い。MSM型フォトダイオードは、構造が単純で増幅用トランジスタとともに集積化しやすい。
なお、第1の受光素子5と第2の受光素子2とで異なる特性を有する受光素子を用いることができる。例えば、第2の受光素子2は光量モニタ用であるため、入射光量と出力信号とのリニアリティ(直線性)が重要である一方、光量の時間平均を計測するため高速応答性はある程度許容される。一方、第1の受光素子5は光信号受信用であるため、高速応答性が重要である一方、受信する光信号はON・OFFパルス信号であるためリニアリティはある程度許容される。このような観点に基づいて、第1及び第2の受光素子として用いるデバイスは適宜選択される。
【0044】
そして、面発光レーザ1及び第1の受光素子5は、基板10に設けられた集積回路、又はEL表示回路、プラズマディスプレイ、液晶表示回路などの電子回路(図示せず)と電気的に接続されている。これにより、集積回路などからなるコンピュータシステムをコンパクトでありながら従来よりも高速にすることができる。また、基板10に設けられた平面ディスプレイなどの走査信号を本実施形態の光インターコネクション回路によって高速に伝送することができ、平面型表示装置における画面の大型化及び高品位化を促進することができる。
【0045】
図1においては、面発光レーザ1と第1の受光素子5とがそれぞれ1つずつ、一本の光導光路4に結合されているが、第1の受光素子5の個数は複数個であってもよい。この場合、一つの面発光レーザ1から送信された光信号は、一本の光導光路4を伝播して、複数の第1の受光素子5で同時に検出される。これは一対多のバスラインと同じである。また、面発光レーザ1と第1の受光素子5とのそれぞれが複数個であってもよい。ここで、各面発光レーザ1は、放射する光の波長が異なるものとしてもよい。また、各第1の受光素子5は、少なくとも1つの面発光レーザ1が放射する光の波長に対応して、波長選択機能をもつ受光手段であることが好ましい。これらにより、複数の面発光レーザ1からそれぞれ送信された複数の光信号が、1つの光導波路4を同時に伝播して、複数の第1の受光素子5のそれぞれに検出されることができる。したがって、複数の光信号を並列に送受信することができるバスを簡易に構成することができる。
【0046】
また、光導波路4は、図1においては直線状に形成されているが、曲線状に形成したり複数に分岐させることもできる。また、ループ状に形成してもかまわない。また、複数のタイル状素子を覆うようにシート状(面状)に形成してもよい。もちろん一つの基板10の表面に複数の組の面発光レーザ1、第1の受光素子5、及び光導波路30を形成してもかまわない。さらに、基板10の表裏両面に面発光レーザ1、受光素子、及び光導波路4を形成することもできる。
【0047】
上記フォトダイオード2には、所望波長(例えば面発光レーザ1の発光波長)の光のみを透過させるフィルタを設けてもよい。このようにすると、フォトダイオード2に入射する光が面発光レーザ1から放射された光のみとなるので、外乱光の影響を受けずに面発光レーザ1の発光量を高精度に検出することができる。
【0048】
上記集積回路チップ20は、パラレル信号をシリアル信号に変換する変換回路を含むものとしてもよい。このようにすると、CPUなどから出力されたパラレル信号を集積回路チップ20においてシリアル信号に変換し、そのシリアル信号で面発光レーザ1を駆動させることで、光信号にかかるシリアル信号を含ませることができる。
【0049】
<光導波路の製造方法>
次に、上記実施形態に係る光インターコネクション回路における光導波路4の製造方法について、図5〜図8を参照して説明する。図5は光導波路4の製造方法を示す模式側面図である。
【0050】
先ず、基板10の上面に上記第1微小タイル状素子(面発光レーザ)及び第2微小タイル状素子(第1の受光素子)を接着しておく。その後、光導波路4の製造工程に入る。そして、図5(a)に示すように、基板10の上面と第1微小タイル状素子及び第2微小タイル状素子(図示せず)の上面の全体に、液状の光硬化樹脂4cをコーティングする。このコーティングは、スピンコート法、ロールコート法、スプレイコート法などで行う。
【0051】
次いで液状の光硬化樹脂4cに対して、所望パターンのマスクを介して紫外線(UV)を照射する。これにより、液状の光硬化樹脂4cにおける所望領域だけが硬化しパターニングされる。そして、硬化していない樹脂を洗浄などにより除去することで、図5(b)に示すように、硬化された光導波路材からなる光導波路4dが形成される。
【0052】
図6は光導波路4の製造方法についての他の例を示す模式側面図である。先ず、基板10の上面に上記第1微小タイル状素子及び第2微小タイル状素子を接着しておく。その後、光導波路4の製造工程に入る。そして、図6(a)に示すように、基板10の上面と第1微小タイル状素子及び第2微小タイル状素子(図示せず)の上面全体に樹脂4eをコーティングして硬化させる。このコーティングは、スピンコート法、ロールコート法、スプレイコート法などで行う。次いで、樹脂4eにおける所望領域にレジストマスク41を形成する。このレジストマスク41の形成領域は光導波路4を形成する領域と同じである。
【0053】
次いで、図6(b)に示すように、レジストマスク41の上から基板10全体についてドライエッチング又はウエットエッチングを施し、レジストマスク41の下以外にある樹脂4eを除去する。このようにフォトリソパターニングして、レジストマスク41を除去することで、光導波路材からなる光導波路4fが形成される。基本的にエピタキシャルリフトオフ法に基づくものである。
【0054】
図7は光導波路4の製造方法についての他の例を示す模式側面図である。先ず、基板10の上面に上記第1微小タイル状素子及び第2微小タイル状素子を接着しておく。その後、光導波路4の製造工程に入る。そして、基板10の上面と第1微小タイル状素子及び第2微小タイル状素子(図示せず)の上面全体に、撥液処理を施して撥液表面51を設ける。
【0055】
次いで、図7(a)に示すように、撥液表面51における所望パターン領域に紫外線を照射することなどして、撥液表面51のなかに所望パターンの親液表面52を設ける。次いで、図7(b)に示すように、親液表面52のなかに、インクジェットノズルまたはディスペンサなどから液状の光導波路材4gを滴下する。光導波路材4gとしては、透明樹脂又はゾルゲルガラスを用いる。そして、基板10上に滴下された光導波路材4gを硬化させることで、光導波路材からなる光導波路4hが形成される。ゾルゲルガラスで光導波路4gを形成する場合は、金属アルコキシドに酸を加えて加水分解した溶液などをインクジェットノズルまたはディスペンサなどから親液表面52に滴下する。次いで、滴下した溶液に熱などのエネルギーを加えてガラス化し光導波路4hとする。
【0056】
図8は光導波路4の製造方法についての他の例を示す模式側面図である。先ず、基板10の上面に上記第1微小タイル状素子及び第2微小タイル状素子を接着しておく。その後、光導波路4の製造工程に入る。そして、図8(a)に示すように、基板10の上面並びに第1微小タイル状素子及び第2微小タイル状素子の上面であって、光導波路4を設けようとする領域を被うように、液状の樹脂4iを塗布する。
【0057】
次いで、光導波路30のパターン形状52をもつ型であるスタンパ51を、基板10の上方から基板10の表面に押し付ける。次いで、図8(b)に示すように、基板10の表面からスタンパ51を持ち上げる。これらにより、スタンパ51を用いたパターン転写法により、基板10上に所望パターン形状の光導波路材からなる光導波路4jが形成される。
【0058】
光導波路4の製造方法は、上記図5〜図8に示す方法以外に、次に述べる方法を用いてもよい。例えば、スクリーン印刷又はオフセット印刷などの印刷法を用いて、光導波路4をなす光導波路材を設けてもよい。また、スリット状の隙間から液状の樹脂を吐出するスリットコート法を用いて、光導波路4をなす光導波路材を設けてもよい。スリットコート法としては、毛細管現象を用いて樹脂などの所望部材を基板10に塗布する手法を採用してもよい。
【0059】
<微小タイル状素子の製造方法>
次に、上記面発光レーザ1をなす微小タイル状素子の製造方法と、その微小タイル状素子を基板(最終基板)に接着する方法とについて、図9〜図18を参照して説明する。本製造方法では、微小タイル状素子としての化合物半導体デバイス(化合物半導体素子)を最終基板となるシリコン・LSIチップ上に接着する場合について説明するが、半導体デバイスの種類及びLSIチップの種類に関係なく本発明を適用することができる。なお、本実施形態における「半導体基板」とは、半導体物資から成る物体をいうが、板形状の基板に限らず、どのような形状であっても半導体物資であれば「半導体基板」に含まれる。本微小タイル状素子の製造方法では、エピタキシャルリフトオフ法を基礎として用いている。
【0060】
(第1工程)
図9は本半導体集積回路の製造方法の第1工程を示す概略断面図である。図9において、基板110は半導体基板であり、例えばガリウム・ヒ素化合物半導体基板とする。基板110における最下位層には、犠牲層111を設けておく。犠牲層111は、アルミニウム・ヒ素(AlAs)からなり、厚さが例えば数百nmの層である。例えば、犠牲層111の上層には機能層112を設ける。機能層112の厚さは、例えば1μmから10(20)μm程度とする。そして、機能層112において半導体デバイス(面発光レーザ1)113を作成する。半導体デバイス113としては、例えば面発光レーザ(VCSEL)のほかに他の機能素子、例えば高電子移動度トランジスタ(HEMT)、ヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)などからなるドライバ回路又はAPC回路などを形成してもよい。これらの半導体デバイス113は、何れも基板110上に多層のエピタキシャル層を積層して素子が形成されたものである。また、各半導体デバイス113には、電極も形成し、動作テストも行う。
【0061】
(第2工程)
図10は本半導体集積回路の製造方法の第2工程を示す概略断面図である。本工程においては、各半導体デバイス113を分割するように分離溝121を形成する。分離溝121は、少なくとも犠牲層111に到達する深さをもつ溝とする。例えば、分離溝の幅及び深さともに10μmから数百μmとする。また、分離溝121は、後述するところの選択エッチング液が当該分離溝121を流れるように、行き止まりなく繋がっている溝とする。さらに、分離溝121は、碁盤のごとく格子状に形成することが好ましい。また、分離溝121相互の間隔を数十μmから数百μmとすることで、分離溝121によって分割・形成される各半導体デバイス113のサイズを、数十μmから数百μm四方の面積をもつものとする。分離溝121の形成方法としては、フォトリソグラフィとウェットエッチングによる方法、またはドライエッチングによる方法を用いる。また、クラックが基板に生じない範囲でU字形溝のダイシングで分離溝121を形成してもよい。
【0062】
(第3工程)
図11は本半導体集積回路の製造方法の第3工程を示す概略断面図である。本工程においては、中間転写フィルム131を基板110の表面(半導体デバイス113側)に貼り付ける。中間転写フィルム131は、表面に粘着剤が塗られたフレキシブルなフィルムである。
【0063】
(第4工程)
図12は本半導体集積回路の製造方法の第4工程を示す概略断面図である。本工程においては、分離溝121に選択エッチング液141を注入する。本工程では、犠牲層111のみを選択的にエッチングするために、選択エッチング液141として、アルミニウム・ヒ素に対して選択性が高い低濃度の塩酸を用いる。
【0064】
(第5工程)
図13は本半導体集積回路の製造方法の第5工程を示す概略断面図である。本工程においては、第4工程での分離溝121への選択エッチング液141の注入後、所定時間の経過により、犠牲層111のすべてを選択的にエッチングして基板110から取り除く。
【0065】
(第6工程)
図14は本半導体集積回路の製造方法の第6工程を示す概略断面図である。第5工程で犠牲層111が全てエッチングされると、基板110から機能層112が切り離される。そして、本工程において、中間転写フィルム131を基板110から引き離すことにより、中間転写フィルム131に貼り付けられている機能層112を基板110から引き離す。これらにより、半導体デバイス113が形成された機能層112は、分離溝121の形成及び犠牲層111のエッチングによって分割されて、所定の形状(例えば、微小タイル形状)の半導体素子(上記実施形態の「面発光レーザ1」)とされ、中間転写フィルム131に貼り付け保持されることとなる。ここで、機能層の厚さが例えば1μmから10μm程度、大きさ(縦横)が例えば数十μmから数百μmであるのが好ましい。
【0066】
(第7工程)
図15は本半導体集積回路の製造方法の第7工程を示す概略断面図である。本工程においては、(微小タイル状素子161が貼り付けられた)中間転写フィルム131を移動させることで、最終基板171(透明基板10)の所望の位置に微小タイル状素子161(面発光レーザ1)をアライメントする。ここで、最終基板171は、例えば、シリコン半導体からなり、LSI領域172が形成されている。また、最終基板171の所望の位置には、微小タイル状素子161を接着するための接着剤173を塗布しておく。接着剤は微小タイル状素子に塗布してもかまわない。
【0067】
(第8工程)
図16は本半導体集積回路の製造方法の第8工程を示す概略断面図である。本工程においては、最終基板171の所望の位置にアライメントされた微小タイル状素子161を、中間転写フィルム131越しに裏押し治具181で押しつけて最終基板171に接合する。ここで、所望の位置には接着剤173が塗布されているので、その最終基板171の所望の位置に微小タイル状素子161が接着される。
【0068】
(第9工程)
図17は本半導体集積回路の製造方法の第9工程を示す概略断面図である。本工程においては、中間転写フィルム131の粘着力を消失させて、微小タイル状素子161から中間転写フィルム131を剥がす。中間転写フィルム131の粘着剤は、UV硬化性又は熱硬化性のものにしておく。UV硬化性の粘着剤とした場合は、裏押し治具181を透明な材質にしておき、裏押し治具181の先端から紫外線(UV)を照射することで中間転写フィルム131の粘着力を消失させる。熱硬化性の接着剤とした場合は、裏押し治具181を加熱すればよい。あるいは第6工程の後で、中間転写フィルム131を全面紫外線照射するなどして粘着力を全面消失させておいてもよい。粘着力が消失したとはいえ実際には僅かに粘着性が残っており、微小タイル状素子161は非常に薄く軽いので中間転写フィルム131に保持される。
【0069】
(第10工程)
本工程は、図示していない。本工程においては、加熱処理などを施して、微小タイル状素子161を最終基板171に本接合する。
【0070】
(第11工程)
図18は本半導体集積回路の製造方法の第11工程を示す概略断面図である。本工程においては、微小タイル状素子161(面発光レーザ1)の電極と最終基板171(透明基板10)上の回路を配線191により電気的に繋ぎ、一つのLSIチップなどの半導体集積回路を完成させる。最終基板171としては、シリコン半導体のみならず、ガラス基板、石英基板又はプラスチックフィルムを適用してもよい。
【0071】
これらにより、最終基板171である透明基板10が例えばプラスチックであっても、その透明基板10上の所望位置にガリウム・ヒ素製の面発光レーザ1を形成するというように、面発光レーザ1をなす半導体素子を当該半導体素子とは材質の異なる基板上に形成することが可能となる。また、半導体基板上で面発光レーザ1を完成させてから微小タイル形状に切り離すので、半導体集積回路を作成する前に、予め面発光レーザ1をテストして選別することが可能となる。
【0072】
また、上記製造方法によれば、半導体素子(面発光レーザ1)を含む機能層のみを、微小タイル状素子として半導体基板から切り取り、フィルムにマウントしてハンドリングすることができるので、面発光レーザ1を個別に選択して透明基板10に接合することができ、ハンドリングできる面発光レーザ1のサイズを従来の実装技術のものよりも小さくすることができる。したがって、所望発光量及び所望状態のレーザ光を出力するコンパクトな半導体集積回路を、簡便に低コストで提供することができる。
【0073】
そして、図9〜図18を参照して説明した工程により形成した微小タイル状素子からなる面発光レーザを基板上に接着した後、図5〜図8を参照して説明した工程により基板上に発光素子の発光部と光学的に結合される光導波路材を含む光導波路を設け、次いでフォトダイオード2を含む集積回路チップ20を面発光レーザ1(光導波路4)を被うように基板にフリップチップ実装することで、図1に示した光インターコネクション回路が製造される。
【0074】
<電子機器>
上記実施形態の光インターコネクション回路を備えた電子機器の例について説明する。図19は上述した実施形態に係る表示装置を備えたモバイル型のパーソナルコンピュータ(情報処理装置)の構成を示す斜視図である。同図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、上述した表示装置ユニット1106とから構成されている。
【0075】
図19に示す電子機器は、上記実施形態の光インターコネクション回路を備えているので、所望発光量の光信号を長年に渡って安定して光導波路に導入できるコンパクトな光インターコネクション回路を構成要素とする電子機器を安価に提供できる。そして、例えば集積回路に本発明の光インターコネクション回路を適用することで高速に信号処理でき且つコンパクトな電子機器を安価に提供できる。また、本発明によれば、例えば表示装置に光インターコネクション回路を適用することで高品位な画像を表示できる電気機器を提供できる。
【0076】
なお、上述した例に加えて、他の例として、携帯電話、腕時計型電子機器、液晶テレビ、ビューファインダ型やモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、電子ペーパー、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。本発明の電気光学装置は、こうした電子機器の表示部としても適用できる。なお、本実施形態の電子機器は液晶装置を備えるもの、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ型表示装置等、他の電気光学装置を備えた電子機器とすることもできる。
【0077】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光インターコネクション回路の一実施形態を示す概略側断面図である。
【図2】光導波路を含む要部を示す平面図である。
【図3】本実施形態に係る自動出力制御回路の動作を示す説明図である。
【図4】本発明の光インターコネクション回路の他の実施形態を示す図であって光導波路を含む要部を示す図である。
【図5】光導波路の製造方法の一例を示す説明図である。
【図6】光導波路の製造方法の他の例を示す説明図である。
【図7】光導波路の製造方法の他の例を示す説明図である。
【図8】光導波路の製造方法の他の例を示す説明図である。
【図9】微小タイル状素子の製造方法の第1工程を示す概略断面図である。
【図10】同上の製造方法の第2工程を示す概略断面図である。
【図11】同上の製造方法の第3工程を示す概略断面図である。
【図12】同上の製造方法の第4工程を示す概略断面図である。
【図13】同上の製造方法の第5工程を示す概略断面図である。
【図14】同上の製造方法の第6工程を示す概略断面図である。
【図15】同上の製造方法の第7工程を示す概略断面図である。
【図16】同上の製造方法の第8工程を示す概略断面図である。
【図17】同上の製造方法の第9工程を示す概略断面図である。
【図18】同上の製造方法の第11工程を示す概略断面図である。
【図19】本発明の電子機器の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…面発光レーザ(発光素子)、1a…発光部、
2…フォトダイオード(第2の受光素子)、
3…APCドライバ回路(自動出力制御回路)、4…光導波路、
5…第1の受光素子、5a…受光部、6…光反射膜、
6a…開口部(漏洩部)、10…基板、20…集積回路チップ、
21…バンプ、L1…光信号、L2…漏洩光
Claims (13)
- 基板上に設けられた微小タイル状素子からなる発光素子及び第1の受光素子と、
前記基板上に設けられ、前記発光素子の発光部及び前記第1の受光素子の受光部と光学的に結合された光導波路材を有する光導波路と、
前記基板にフリップチップ実装され、前記光導波路の少なくとも一部を覆うように配置された集積回路チップと、
前記集積回路チップに含まれ前記光導波路と対向する位置に設けられた第2の受光素子とを備えることを特徴とする光インターコネクション回路。 - 前記集積回路チップは前記発光素子を覆うように配置され、前記第2の受光素子は前記発光素子と対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光インターコネクション回路。
- 前記集積回路チップは、前記第2の受光素子が受光した受光量に基づいて前記発光素子の発光量を制御する自動出力制御回路を有することを特徴とする請求項1又は2記載の光インターコネクション回路。
- 前記光導波路は前記発光素子からの光の一部を外部に漏洩する漏洩部を有し、前記第2の受光素子は前記漏洩した光を受光することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の光インターコネクション回路。
- 前記光導波路を形成する光導波路材の表面に設けられた光反射膜を備え、前記漏洩部は前記光反射膜の一部に形成された開口部を有することを特徴とする請求項4記載の光インターコネクション回路。
- 前記漏洩部は前記光導波路のうち前記発光素子近傍に設けられていることを特徴とする請求項4又は5記載の光インターコネクション回路。
- 前記漏洩部は前記発光素子の発光軸上に配置されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項記載の光インターコネクション回路。
- 前記第2の受光素子の受光部は前記発光素子の発光軸上に配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の光インターコネクション回路。
- 前記光導波路は前記基板の平面に沿って面状又は線状に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の光インターコネクション回路。
- 前記発光素子は面発光レーザであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項記載の光インターコネクション回路。
- 前記第2の受光素子はフォトダイオードであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項記載の光インターコネクション回路。
- 基板上に微小タイル状素子からなる発光素子及び第1の受光素子を接着する工程と、
前記基板上に前記発光素子の発光部及び前記第1の受光素子の受光部と光学的に結合される光導波路材を含む光導波路を設ける工程と、
第2の受光素子を含む集積回路チップを前記光導波路の少なくとも一部を覆うにように前記基板にフリップチップ実装する工程とを有することを特徴とする光インターコネクション回路の製造方法。 - 請求項1〜請求項11のいずれか一項記載の光インターコネクション回路を備えたことを特徴とする電子機器。
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WO2009078399A1 (ja) * | 2007-12-17 | 2009-06-25 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | 可視光導波用光導波路 |
JP2014096597A (ja) * | 2007-02-15 | 2014-05-22 | Massachusetts Institute Of Technology | 凹凸化された表面を備えた太陽電池 |
-
2003
- 2003-04-23 JP JP2003118225A patent/JP2004327584A/ja active Pending
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