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JP2004322816A - 車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造 - Google Patents

車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造 Download PDF

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JP2004322816A
JP2004322816A JP2003119720A JP2003119720A JP2004322816A JP 2004322816 A JP2004322816 A JP 2004322816A JP 2003119720 A JP2003119720 A JP 2003119720A JP 2003119720 A JP2003119720 A JP 2003119720A JP 2004322816 A JP2004322816 A JP 2004322816A
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Akira Suzuki
明 鈴木
Akira Horikoshi
旭 堀越
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Fuji Heavy Industries Ltd
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Abstract

【課題】挙動特性の把握可能でかつ安定した衝撃抵抗低減が確保できる信頼性に優れた車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造を提供する。
【解決手段】フロントプロペラシャフト2とリヤプロペラシャフト5をジョイント10を介して結合するプロペラシャフト1において、ジョイント10が、ベース部21および段差部24を介して小径範囲23と大径範囲25が連続する延長部22を有す円筒状のアウタケース20と、基部12がフロントプロペラシャフト2の後端部に結合されて先端軸部14がアウタケース20内に挿入されるジョイントシャフト11と、ベース部21と先端軸部14との間に配置されてアウタケース20とジョイントシャフト11とを軸方向移動自在に係合して回転トルクを伝達するトルク伝達部10Aとを有する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの駆動力を駆動輪に伝達する車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、四輪駆動車(4WD)やフロントエンジンリヤドライブ(FR)の車両の動力伝達系は、車体に対して前後方向に配設するプロペラシャフトの前端部が車体前部に搭載したエンジン側の出力軸に連結すると共に、後端部がディファレンシャル装置を介して駆動輪である後輪の駆動軸に連結している。
【0003】
このプロペラシャフトは、車体に対して前後方向に延在して配設されることから、例えば車両の衝突時に車体前方から作用する衝撃荷重による車体の変形に対してプロペラシャフトが突っ張る状態となり、車体変形による衝撃荷重の吸収に影響を及ぼす。
【0004】
そこで、車体前後方向に延在して配置されるプロペラシャフトを、その軸方向の荷重によって収縮させて車両の前方側からの衝撃荷重を吸収して搭乗者を保護する種々の衝撃抗力低減構造が提案されている。
【0005】
例えば、図10に動力伝達系を概略的に示し、かつ図11に図10のC部拡大断面図を示すように、フロントプロペラシャフト101と、このフロントプロペラシャフト101の後端部にユニバーサルジョイント110を介して連結したリヤプロペラシャフト105とによってプロペラシャフト100を形成する。フロントプロペラシャフト101の前端部をユニバーサルジョイント112を介してエンジンおよび変速機を備えたパワーユニット113の出力軸に連結すると共に、リヤプロペラシャフト105の後端部をユニバーサルジョイント114を介して駆動輪である後輪用のディファレンシャル装置116に連結する。さらに、フロントプロペラシャフト101を長尺の前部シャフト本体102と短尺の後部シャフト本体103により構成し、前部シャフト本体102の後端部と後部シャフト本体103の前端部とに所定以上の荷重により変形可能なコーン状の連結体104a、104bを設けて、これら両連結体104aと104bを相対向させて互いに端部を結合する。
【0006】
このように構成されたプロペラシャフト100を適用した車両において、衝突等に伴ってパワーユニット113が車体後方に向かって移動してフロントプロペラシャフト101に衝突荷重が作用すると、フロントプロペラシャフト101の前部シャフト本体102と後部シャフト本体103との間に配置された連結体104aおよび104bが座屈してフロントプロペラシャフト101が収縮すると共に、連結体104a、104bの座屈により衝撃荷重を吸収するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−309146号公報(段落番号0013、図1、図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載のプロペラシャフト100によると、車両の衝突時に車体前方から作用する衝撃荷重によって連結体104aおよび104bが座屈してプロペラシャフト100が収縮することによって、車体の変形による衝撃荷重の吸収が可能になる。
【0009】
しかし、コーン状の連結体104a、104bを座屈させるには比較的大きな荷重を要し、十分な車体変形による円滑な衝撃荷重の吸収が達成できないことが懸念される。
【0010】
一方、プロペラシャフト100は、主として回転トルクを伝達するものであるが、プロペラシャフト100を収縮するための前部シャフト本体102と後部シャフト本体103との間に連結体104a、104bを配置した場合、車両の発進時や急制動時あるいはバンプ・リバウンド時に軸方向の荷重が作用するので、常時の走行時に連結体104a、104bには回転トルクと軸方向の荷重が繰り返し作用するため疲労により破壊し易くなる可能性が高い。このため、連結体104a、104bの強度を予め高く設定することが考えられるが、連結体104a、104bの衝撃抗力が増大して車体変形による円滑な衝撃荷重の吸収が阻害される。また、連結体104a、104bによる抗力特性の経時変化を予想することは困難であり、かつ衝突等による衝撃荷重が作用する時期は知り得ないのであるから、実際に衝撃荷重が作用した場合のプロペラシャフトの挙動特性を予想することが極めて困難である。さらに、連結体104a、104bの配設により従来のプロペラシャフトと大きく構造が相違することから、従来のプロペラシャフトと挙動特性が大きく異なり、その挙動特性の予想が困難で挙動特性のチューニングが難しく信頼性の低下を招く要因となる。
【0011】
また、プロペラシャフトを形成する中空円筒状のシャフトチューブを部分的に拡管加工あるいは縮管加工して、衝撃荷重による収縮を可能にすることもあるが、拡管加工あるいは縮管加工は加工形状が制限されて、急変する断面形状が困難で緩やかに変化することから、衝撃抗力の低減が達成できないことが懸念される。
【0012】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、経時変化が極めて少なく衝撃荷重が作用した際のプロペラシャフトの挙動特性を予め想定可能で、かつ安定した衝撃抵抗低減が確保できる信頼性に優れた車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の車両用プロペラシャフトの抗力低減構造の発明は、フロントプロペラシャフトと、該フロントプロペラシャフトの後端部にジョイントを介して前端部が結合されるリヤプロペラシャフトを備えた車体前後方向に沿って延在するプロペラシャフトの衝撃抗力低減構造において、上記ジョイントは、ベース部および段差部を介して小径範囲と大径範囲が連続すると共に端部が上記リヤプロペラシャフトの前端部に結合された延長部が軸方向に連続して一体形成された円筒状のアウタケースと、基部が上記フロントプロペラシャフトの後端部に結合されて先端軸部が上記アウタケース内に挿入されるジョイントシャフトと、上記アウタケースのベース部とジョイントシャフトの先端軸部との間に配置されてアウタケースとジョイントシャフトとを軸方向に移動自在に係合し、かつ回転トルクを伝達するトルク伝達部とを有し、車体前方方向からの衝撃荷重によるフロントプロペラシャフトの軸方向移動に伴って上記アウタケースに当接して該衝撃荷重をアウタケースに伝達すると共にジョイントシャフトのアウタケース内への進入量を規制する荷重伝達手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項1の発明によると、通常の走行にけるパワーユニットから回転トルクが、フロントプロペラシャフト、ジョイントおよびリヤプロペラシャフトを介して伝達が円滑にされると共に、ジョイントによって車両車両の発進時や、急制動時あるいはバンプ・リバウンド時にフロントプロペラシャフトとリヤプロペラシャフトの軸方向の相対移動が許容され、車体の振動や騒音が低減されて優れた乗り心地および居住性が確保できる。
【0015】
一方、車体前方から衝撃荷重が作用したときには、フロントプロペラシャフトの後退に伴ってジョイントシャフトが、トルク伝達部によって極めて小さい荷重によって円滑にアウタケース内に進入して、フロントプロペラシャフトの後退に伴ってプロペラシャフトが収縮する。この収縮によりプロペラシャフトの突っ張りが回避されて車体変形が容易になり、車体変形による衝撃荷重の吸収による衝撃の緩和が得られる。しかる後、荷重伝達手段がアウタケースに当接すると、衝撃荷重がアウタケースに伝達され、延長部の小径範囲と段差部の連続部分および段差部と大径範囲の連続部分が座屈変形してさらに衝撃荷重を吸収して衝撃を緩和する。
【0016】
また、ジョイントやフロントプロペラシャフト、リヤプロペラシャフトにおける特性の経時変化がなく、実際に衝撃荷重が作用した場合のプロペラシャフトの挙動特性を予め実験あるいはシミュレーションに基づいて想定することが極めて容易であり、挙動特性のチューニングが容易にできる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造において、上記ジョイントシャフトの進入量が規制されたときは、上記トルク伝達部によるアウタケースとジョイントシャフトの係合が解除されることを特徴とする。
【0018】
請求項2の発明によると、ジョイントシャフトの進入量が規制されたときには、トルク伝達部によるアウタケースとジョイントシャフトの係合が解除され、アウタケースの延長部およびアウタケースに結合されたリヤプロペラシャフトの座屈が容易になり、延長部およびリヤプロペラシャフトの座屈による衝撃荷重の吸収が効率的に得られる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造において、上記延長部は、上記ベース部に連続する円筒状の小径範囲と、該小径範囲に連続して拡径する段差部と、該段差部に連続して端部が上記リヤプロペラシャフトに結合する円筒状の大径範囲とを備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項3の発明によると、延長部をベース部に連続する小径範囲に続いて段差部を介して大径範囲を形成することによって、ジョイントシャフトと延長部の干渉が回避されて延長部の座屈抵抗が小さくなり、座屈が容易になり座屈抗力の低減が期待できる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造において、上記段差部は、上記ジョイントシャフトの進入量が規制されたときの軸方向の先端軸部位置であることを特徴とする。
【0022】
請求項4の発明によると、ジョイントシャフトの先端軸部あるいは先端軸部に設けられたトルク伝達部が段差部に当接して衝撃荷重を伝達し、この段差部を変形の起点して比較的小さな荷重による座屈変形行われ、座屈抗力低減が得られる。
【0023】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造において、上記荷重伝達手段は、上記ジョイントシャフトを車体に回転自在に支持するセンタ軸受部に、上記アウタケースの端部に対向して設けられた凸部であることを特徴とする。
【0024】
請求項5に記載の発明によると、既存のセンタ軸受部に凸部を設ける簡単な構成で荷重伝達手段が形成でき、かつこの凸部がアウタケースの端部に当接して、衝撃荷重がアウタケースの特定部位に伝達することによって、アウタケースに結合されたリヤプロペラシャフトを所望の方向に座屈させることができる。
【0025】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかの車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造において、上記大径範囲と段差部の連続部分の曲率が小径範囲と段差部の連続部分の曲率と異なることを特徴とする。
【0026】
請求項6の発明によると、小径範囲と段差部の連続部分に対し段差部と大径範囲の連続部分の曲率を大きくすることによって、断面の急変する部分が比較的大径に形成され、大径側が衝撃荷重を吸収しやすくなると共に、回転トルクに対する小径部位の強度低下が回避できる。また、小径範囲と段差部の連続部分に対し段差部と大径範囲の連続部分の曲率を小さくすることによって小径側が衝撃荷重を吸収しやすくなる。
【0027】
請求項7に記載の発明は、請求項1または2の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造において、上記延長部は、上記ベース部に連続する円筒状の第1小径範囲と、該第1小径範囲に連続して拡径する第1段差部と、該第1段差部に連続する円筒状の大径範囲と、該大径範囲に連続して縮径する第2段差部と、該第2段差部に連続して上記リヤプロペラシャフトに結合する円筒状の第2小径範囲とを有し、上記第2段差部は、ジョイントシャフトの進入量が規制されたときの軸方向の先端軸部位置であることを特徴とする。
【0028】
請求項7の発明によると、ジョイントシャフトの先端軸部あるいはトルク伝達部が第2段差部と第2小径範囲の連続部分に当接して該部に衝撃荷重が入力され、該部が座屈変形の起点となってより円滑に座屈変形することが可能になり、プロペラシャフトによる衝撃荷重の吸収が向上し、信頼性の向上が得られる。
【0029】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造において、延長部の端部は、上記リヤプロペラシャフトの中空円筒状のシャフトチューブの前端部に摩擦接合されたことを特徴とする。
【0030】
請求項8の発明によると、延長部の端部とシャフトチューブを摩擦圧接することによって、接合強度が確保でき、かつ電弧溶接のように溶接熱による延長部とシャフトチューブに「溶け落ち」の発生がなく、延長部とシャフトチューブの薄肉化が可能になり、プロペラシャフトの軽量化が期待できる。
【0031】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかの車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造において、上記トルク伝達部は、上記ジョイントシャフトの先端軸部に設けられ外周に軸方向に延在する複数のボール溝が形成されたインナレースと、上記アウタケースのベース部内周に上記ボール溝に対向して軸線方向に延在して形成されたボール溝と、上記対向してインナレースに形成されたボール溝とベース部に形成されたボール溝とに嵌合する複数のボールとを有することを特徴とする。
【0032】
請求項9の発明は、トルク伝達部の具体的構造であって、トルク伝達部を、ジョイントシャフトの先端軸部に設けられるインナレースおよびアウタケースのベース部に対向して形成されたボール溝にボールを嵌合する、いわゆるダブルオフセットジョイントによって形成することができる。
【0033】
請求項10に記載の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造の発明は、フロントプロペラシャフトと、該フロントプロペラシャフトの後端部にジョイントを介して前端部が結合されるリヤプロペラシャフトを備えた車体前後方向に沿って延在するプロペラシャフトの衝撃抗力低構造において、上記ジョイントは、段差部を介して円筒状の小径範囲と大径範囲が軸方向に連続して端部がフロントプロペラシャフトあるいはリヤプロペラシャフトに結合する延長部を備えたことを特徴とする。
【0034】
請求項10の発明によると、車体前方から衝撃荷重が作用したときには、フロントプロペラシャフトの後退に伴って、ジョイントシャフトの延長部の小径範囲と段差部の連続部分および段差部と大径範囲の連続部分が座屈変形して収縮し、車体変形による効率的な衝撃荷重の吸収が可能になり、衝撃が緩和できる。また、ジョイントやフロントプロペラシャフト、リヤプロペラシャフトにおける特性の経時変化がなく、実際に衝撃荷重が作用した場合のプロペラシャフトの挙動特性を実験あるいはシミュレーションに基づいて予め予想することが極めて容易であり、挙動特性のチューニングが容易にできる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造の実施の形態を図を参照して説明する。
【0036】
(第1実施の形態)
本発明の第1実施の形態を図1乃至図7を参照して説明する。なお、各図において矢印Fは車体前方方向を示している。
【0037】
図1は四輪駆動車やフロントエンジンリヤドライブの車両の駆動系に使用されるプロペラシャフト1の全体斜視図である。プロペラシャフト1は、フロントプロペラシャフト2と、このフロントプロペラシャフト2の後端部にジョイント10を介して連結したリヤプロペラシャフト5とによって構成される。フロントプロペラシャフト2の前端部がユニバーサルジョイント7を介して、車体前部に搭載された図示しないエンジンと変速機構とを備えたパワーユニットの出力軸に連結する。一方、リヤプロペラシャフト5の後端部がユニバーサルジョイント8を介して図示しない駆動輪である後輪のディファレシャル装置に連結される。さらに、フロントプロペラシャフト2とリヤプロペラシャフト5を連結するジョイント10を、図2に車体下部の要部斜視図を示すようにセンタ軸受部40によって車体60の下面61に回転自在に支持している。
【0038】
図3は、プロペラシャフト1の衝撃抗力低減構造を形成するフロントプロペラシャフト2の後端部とリヤプロペラシャフト5の前端部との連結部分を示す図1のI−I線断面図であり、図4は図3のA部拡大図、図5は図3のB部拡大図である。
【0039】
ジョイント10は、フロントプロペラシャフト2の後端部に結合されるジョイントシャフト11およびリヤプロペラシャフト5の前端部に結合されるアウタケース20を有している。
【0040】
ジョイントシャフト11は、フロントプロペラシャフト2を形成する板金製で中空円筒状のシャフトチューブ3の後端部3aに結合される円柱状の基部12と、この基部12の後端に段部12bを介して連続する基部12より小径の主軸部13と、主軸部13の後端に段部13bを介して連続する主軸部13より小径の先端軸部14が同軸上で一体に連続形成された略柱状に形成されている。
【0041】
このジョイントシャフト11は、リング状に形成された基部12の前端部12aがシャフトチューブ3の後端部3aに摩擦圧接によって一体結合される。このようにジョイントシャフト11の前端部12aとシャフトチューブ3の後端部3aを摩擦圧接することによって、電弧溶接の場合に溶接熱により薄い基部12とシャフトチューブ3に発生することが懸念される「溶け落ち」が防止でき、基部12とシャフトチューブ3の薄肉化が可能になり、フロントプロペラシャフト2の重量軽減が期待できる。
【0042】
ジョイントシャフト11の先端軸部14の先端部に、外周に軸方向に沿って伸びる複数のボール溝16aが形成された環状のインナレース16がスプライン嵌合して装着され、かつクリップ17によって固定される。
【0043】
一方、リヤプロペラシャフト5の前端部に結合されるアウタケース20は、図3および図5に示すように機械加工によって円筒状のベース部21およびこのベース部21に一体に連続形成された延長部22を有する略円筒状に形成されている。
【0044】
ベース部21の内周面に、インナレース16の各ボール溝16aと対向して軸方向に延在する複数のボール溝21aが形成されている。さらにベース部21の内周面には各ボール溝21aの前端に沿って環状のクリップ溝21bが形成され、かつ各ボール溝21aの後端に沿って環状のジョイントキャップ装着部21cが形成されている。
【0045】
延長部22は、ベース部21の後端から同径で連続する円筒状の小径範囲23と、この小径範囲23の後端に内周端が連続して拡径する段差部24と、この段差部24の外周端に前端が連続して後方に同径で連続する円筒状の大径範囲25とが連続形成される。ここで、特に断面形状における小径範囲23の後端と段差部24の内周端との連続部分26の曲率に対し、段差部24の外周端と大径範囲25の前端との連続部分27の断面形状の曲率を大きく設定する。この連続部分26および27の曲率は、加工制限の少ない機械加工によって容易に所定の形状に加工できる。なお、断面形状における小径範囲23の後端と段差部24の内周端との連続部分26の曲率に対し、段差部24の外周端と大径範囲25の前端との連続部分27の断面形状の曲率を小さく設定してもよい。
【0046】
このアウタケース20は、そのジョイントキャップ装着部21cに円板状で外周にフランジが折曲形成されたジョイントキャップ28を圧入して内部をベース部21側と延長部22側とに区画する。そして、リヤプロペラシャフト5を形成する板金製で中空円筒状のシャフトチューブ6の前端部6aに、リング状に形成された延長部22の端部22aが摩擦圧接によって一体に結合される。すなわち、機械加工されたアウタケース20の端部22aと板金製のシャフトチューブ6の前端部6aを摩擦圧接することによって、この接合部における酸化物やその他の異物が圧接力で溶接面外に押し出されて均一な接合組織となり接合強度が確保でき、かつ電弧溶接のように溶接熱により発生することのある延長部22とシャフトチューブ6の「溶け落ち」がなく、延長部22とシャフトチューブ6の薄肉化が可能になり、リヤプロペラシャフト5の軽量化が期待できる。
【0047】
さらに、ジョイントシャフト11の先端軸部14に配設されたインナレース16の外周に形成された各ボール溝16aに、リング状のゲージ30に保持されたボール31をそれぞれ嵌合させて装着する。このゲージ30およびボール31が装着されたインナレース16をアウタケース20内に挿入して、互いに対向するインナレース16の各ボール溝16aとベース部21の各ボール溝21aとの間にゲージ30に保持されたボール31を嵌合させる。このジョイントシャフト11に取り付けられたインナレース16のボール溝16a、アウタケース20のボール溝21a、およびボール溝16aと21aに嵌合するボール31によってジョイントシャフト11とアウタケース20と間を軸方向移動自在に係合して回転トルクを伝達するトルク伝達部10Aが形成される。
【0048】
かつクリップ溝21bにリング状のクリップ32を嵌合装着してインナレース16がアウタケース20から抜け出すのを防止する。アウタケース20とジョイントシャフト11の先端軸部14との間は、アウタケース20内の潤滑剤を保護すると共に外部からの異物侵入を防止するためにゴム等の弾性部材からなる筒状のブーツ33によって封止している。
【0049】
このように構成されたジョイント10は、フロントプロペラシャフト2に取り付けられたジョイントシャフト11の先端軸部14に設けられたインナレース16、リヤプロペラシャフト5に取り付けられたアウタレース21、インナレース16およびアウタケース21に形成されたボール溝16aと21aとの間に嵌合するボール31等によってフロントプロペラシャフト2とリヤプロペラシャフト5とを等速で回転トルクを伝達すると共に、互いの相対角度および軸方向の相対移動を許容するダブルオフセットジョイント(DOJ)を構成する。
【0050】
次に、ジョイント10を車体60の下面61に支持するセンタ軸受部40を図2および図4によって説明する。
【0051】
センタ軸受部40は、ジョイントシャフト11に嵌合するベアリング41と、ベアリング41の外周に固定された内筒部材42と、この内筒部材42の外周にインシュレータ43を介して連結された外筒部材44と、この外筒部材44を車体60の下面61に取り付けるブラケット53を有している。
【0052】
ベアリング41は、そのインナレース41aがジョイントシャフト11の主軸部13に嵌合し、かつ主軸部13に形成されたクリップ溝に嵌合するクリップ46に係止された円筒状のスペーサ47と段差部12aとの間に挟持して支持される。
【0053】
内筒部材42は、ベアリング41のアウタレース41bの外周に本体部42aが嵌合し、この本体部42aのから拡径して環状に形成された大径部42bと、本体部42aからアウタレース41bの後面に沿って縮径する段差部42cを介してスペーサ47に沿って円筒状に延在する小径部42dとが一体形成された略円筒状に形成されている。さらに、段差部42cから小径部42dの上面に沿って延伸してアウタケース20の前端部の上部に対向する荷重伝達部手段である凸部48が設けてある。なお、この凸部48からアウタケース10の前端までの距離と、ジョイント10におけるインナレース16から段差部24までの距離がほぼ等しく設定されている。
【0054】
内筒部材42の小径部42d内に断面略C字状或いはU字状で環状に形成されたリテーナ49が設けてある。ベアリング41の両側にリテーナ49および内筒部材42の小径部42dとジョイントシャフト11との間を封止するリング状のオイルシール51a、51bが配設されている。
【0055】
インシュレータ43は、ゴム等の弾性部材製であって、内周が内筒部材42に結合され外周が外筒部材44に結合された断面略C字状で連続する環状に形成されインシュレータ部43aおよび、インシュレータ部43aから内筒部材42に沿って延設されて小径部44dおよび凸部48を覆う円筒状の延設部43bを有している。
【0056】
外筒部材44には、外筒部材44を車体に固定するためのブラケット53が取り付けられる。ブラケット53は、図1および図2に示すように外筒部材44の下面に沿って結合される帯状であって、その両端に形成された取付部54に車体前側がスリット状に開放されたボルト孔55が形成され、かつボルト孔55を貫通するボルト56によって車体60の下面61に取り付けられる。この構成により、所定以上の車体前方方向からの衝撃荷重によって取付部54が破損して車体60の下面61から脱落するように構成される。
【0057】
次にこのように構成されたプロペラシャフト10の衝撃抗力低減構造の作用について説明する。
【0058】
通常の走行において、パワーユニットからの回転トルクが、フロントプロペラシャフト2からジョイント10を介してリヤプロペラシャフト5に伝達され、リヤプロペラシャフト5からディファレンシャルを介して後輪にトルク伝達される。この走行に際し、ジョイント10によってフロントプロペラシャフト2とリヤプロペラシャフト5の軸方向の相対移動が許容され、車両車両の発進時や、急制動時あるいはバンプ・リバウンド時にパワーユニットおよびディファレンシャルの揺動等に伴うプロペラシャフト1を介してパワープラント側からディファレンシャル装置側およびディファレンシャル装置側からパワープラント側への振動伝達が防止されて車体60への振動伝達が減少する。また、プロペラシャフト1の中間部であるフロントプロペラシャフト2とリヤプロペラシャフト5を連結するジョイント10をセンタ軸受部40を介して車体60に回転自在に支承することによって、プロペラシャフト1が高速回転した際の振れが防止されて車両の振動および騒音が有効的に抑制されて、乗り心地および居住性の向上が確保できる。
【0059】
一方、車両衝突等によって車体前方から車体前部に所定以上の衝撃荷重が作用した際には、その衝撃荷重によってパワーユニットが車体の後方に向かって移動、すなわち後退すると、ユニバーサルジョイント7を介してフロントプロペラシャフト2に衝撃荷重が作用し、フロントプロペラシャフト2が後退する。このフロントプロペラシャフト2の後退によりジョイントシャフト11を支持するセンタ軸受部40が共に後退移動し、センタ軸受部40の僅かな後退によって、車体60にボルト56で結合されたブラケット53の取付部54が破損して、センタ軸受部40と共にジョイント10が脱落する。このジョイント10の脱落によって車体60との関係が遮断されてフロントプロペラシャフト2の後退が容易になる。
【0060】
フロントプロペラシャフト2の後退に伴って、ジョイントシャフト11が、リヤプロペラシャフト5に取り付けられたアウタケース20のボール溝21aとインナレース16のボール溝16aの間に嵌合するボール31の転動によって極めて小さい荷重によって円滑にアウタケース20内に進入して後退する。ジョイントシャフト11のアウタケース20内への進入によって先端軸部14の先端でジョイントキャップ装着部21cに嵌合支持されたジョイントキャップ28を押動して外し、さらにジョイントシャフト11の後退によるインナレース16の後退によってアウタケース20のボール溝21aからボール31が抜け出してジョイントシャフト11とアウタケース20の係合が解除される。
【0061】
このフロントプロペラシャフト2の後退に伴うプロペラシャフト1の収縮によって、プロペラシャフト1による車体に対する突っ張りが回避されて車体変形が容易になり、車体変形による衝撃荷重の吸収が確実に行われ、円滑な衝撃の緩和が得られる。
【0062】
しかる後、図6に示すようにフロントプロペラシャフト2と一体的に後退するセンタ軸受部40に設けられた凸部48が、アウタケース20の前端上部に当たり、ジョイント11のアウタケース20に対する進入量が規制され、かつフロントプロペラシャフト2の後退による衝撃荷重がセンタ軸受部40の凸部48からリヤプロペラシャフト5の前端部に結合されたアウタケース20に入力される。
【0063】
前方から衝撃荷重が入力されたアウタケース20は、その断面形状が急変する延長部22の小径範囲23と段差部24の連続部分26および段差部24と大径範囲25の連続部分27が座屈変形して衝撃荷重を吸収して衝撃を緩和する。特に、比較的曲率が大きく形成された段差部24と大径範囲25の連続部分27が比較的小さな荷重で座屈変形することから、円滑な衝撃荷重の吸収特性が得られ、有効的な衝撃緩和が確保できる。
【0064】
このアウタケース20の座屈変形にあたり、延長部22に形成された段差部24と大径範囲25の連続部分27が変形の起点となって比較的小さな荷重により円滑に座屈変形することによって座屈抗力低減が得られる。アウタケース20の延長部22をベース部21に連続する小径範囲23に対して段差部24を介して大径範囲25およびシャフトチューブ6を大径に形成されてアウタケース20およびシャフトチューブ6と進入するジョイントシャフト11の先端軸部14やインナレース16等の干渉が抑制されてアウタケース20の延長部22の座屈抵抗が小さくでき、座屈が容易になりさらに座屈抗力の低減が期待できる。
【0065】
また、凸部48とアウタケース20の前端部が当接したときに、ジョイントシャフト11の先端軸部14に設けたインナレース16が段差部24と当接して先端軸部14およびインナレース16によってフロントプロペラシャフト2からの衝撃荷重が該部に集中的に作用し、リヤプロペラシャフト5のシャフトチューブ6に屈曲力が付与される。この屈曲力によってアウタケース20の座屈変形に連続してシャフトチューブ6の座屈変形が円滑に実行でき、リヤプロペラシャフト5の変形による衝撃荷重の吸収が円滑にできる。特にこのリヤプロペラシャフト5の座屈変形に際して、フロントプロペラシャフト2と共に後退するセンタ軸受部40の凸部48によってアウタケース20の後端上部が押圧され、衝突後のプロペラシャフト1の回転角が微細なことから、リヤプロペラシャフト5の前部が有効的に押し下げられてプロペラシャフト1による車体60の下面61や、その下面61に配置された燃料タンクを損傷させる不具合を回避できる。
【0066】
よって、車両の衝突に伴うパワーユニットの後退開始からセンタ軸受部40の凸部48がアウタケース20に当接するまでの全範囲に亘って極めて小さい荷重でプロペラシャフト1が収縮し、プロペラシャフト1が突っ張ることなくパワーユニットの後退が可能になり、円滑な車体前部の変形による衝撃荷重の吸収が達成できる。さらに、凸部48がアウタケース20に当接した後においても、断面形状が急変する延長部22の変形によって緩やかに衝撃荷重が吸収できて有効的な衝撃抗力の低減が可能になり、車体前部の変形およびプロペラシャフト1の変形による衝撃の緩和が得られる。
【0067】
また、アウタケース20の小径範囲23と段差部24の連続部分26に対し段差部24と大径範囲25の連続部分27の曲率を大きくして、断面形状を急変するように形成して連続部分27の回転トルク伝達に対する強度低下が懸念されるが、該部が大径に形成されることから十分な強度が確保できる。
【0068】
また、ジョイント10やフロントプロペラシャフト2、リヤプロペラシャフト5における特性の経時変化がなく、実際に衝撃荷重が作用した場合のプロペラシャフト1の挙動特性を実験あるいはシミュレーションに基づいて予め予想することが極めて容易になり、かつ従来のプロペラシャフトと基本構成が同であり、よりプロペラシャフト1の挙動特性の予想が容易になると共に、挙動特性のチューニングが容易になる。
【0069】
なお、図7に図1乃至図6と対応する部分に同一符号を付することによって詳細な説明を省略するが、センタ軸受部40に凸部を48を設けずに、フロントプロペラシャフト2と一体的に後退するセンタ軸受部40の内筒部材42によってジョイント11のアウタケース20に対する進入量が規制され、かつフロントプロペラシャフト2の後退による衝撃荷重がセンタ軸受部40内の内筒部材42からリヤプロペラシャフト5の前端部に結合されたアウタケース20に入力されるようにしてもよい。
【0070】
(第2実施の形態)
図8は、本発明の衝撃抗力低減構造の第2実施の形態の概要を示す上記図6に対応する断面図である。なお、図8において図1乃至図6と対応する部位に同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略する。
【0071】
本実施の形態は、リヤプロペラシャフト5の前端に結合されるジョイント10のアウタケース20は、第1実施の形態と同様にベース部21の内周面にインナレース16の各ボール溝16aと対向して軸方向に延在して複数のボール溝21aが形成されている。
【0072】
ベース部21に連続形成される延長部72は、ベース部21の後端から同径で連続する円筒状の第1小径範囲73と、小径範囲73の後端に内周端が連続して拡径する第1段差部74と、第1段差部74の外周端に前端が連続して後方に同径で連続する大径範囲75と、大径範囲75の後端に外周端が連続して縮径する第2段差部76と、第2段差部76の内周端に前端が連続する第2小径範囲77が連続形成され、第2小径範囲77の端部72aがリヤプロペラシャフト5のシャフトチューブ6の前端6aに摩擦圧接によって結合される。
【0073】
第1小径範囲73と第1段差部74の連続部分に対し第1段差部74と大径範囲75の連続部分の曲率が大きく、かつ第2段差部76と第2小径範囲77の連続部分に対し大径範囲75と第2段差部76の連続部分の曲率が大きく設定されている。
【0074】
また、第2段差部76と第2小径範囲77の連続部分が、車両衝突によって車体前方から車体前部に作用する衝撃荷重によるパワーユニットが後退に伴って、フロントプロペラシャフト2が後退してセンタ軸受部40の凸部48がアウタケース20の前端上部に当たった状態で、ジョイントシャフト11の先端軸部14あるいはインナレース16が当接する位置に設定されている。他の構成は第1実施の形態と同様である。
【0075】
この構成により、第1実施の形態に加え、フロントプロペラシャフト2と一体的に後退するセンタ軸受部40に設けられた凸部48が、アウタケース20の前端上部に当接した際に、ジョイントシャフト11の先端軸部14あるいはインナレース16が第2段差部76と第2小径範囲77の連続部分に当接して該部に衝撃荷重が入力され、該部がアウターケース20の変形の起点となってより確実に座屈変形することが可能になり、プロペラシャフト1による衝撃荷重の吸収が向上し、信頼性の向上が得られる。
【0076】
なお、第1小径範囲73と第1段差部74の連続部分に対し第1段差部74と大径範囲75の連続部分の曲率が小さく設定し、第2段差部76と第2小径範囲77の連続部分に対し大径範囲75と第2段差部76の連続部分の曲率が小さく設定してもよい。
【0077】
(第3実施の形態)
本発明の衝撃抗力低減構造の第3実施の形態の概要を図9を参照して説明する。
図9は、車体前後方向に延在するプロペラシャフト1の要部断面図であって、プロペラシャフト1は上記第1実施の形態と同様に、フロントプロペラシャフト2と、フロントプロペラシャフト2の後端にジョイント90を介して連結したリヤプロペラシャフト5とにより構成される。フロントプロペラシャフト2の前端部がユニバーサルジョイントを介して、車体前部に搭載されたパワーユニットの出力軸に連結する。一方、リヤプロペラシャフト5の後端部がユニバーサルジョイントを介して後輪のディファレンシャル装置に連結される。
【0078】
ジョイント90は、フロントプロペラシャフト2の後端部に結合されるジョイントシャフト91と、ジョイントシャフト91に結合されるジョイントヨーク95と、リヤプロペラシャフト5に結合されるジョイントヨーク96と、ジョイントヨーク95と96とをクロシスパイダ97を介在して連結するカルダンジョイントによって構成される。
【0079】
ジョイントシャフト91は、センタ軸受部40によって車体下面に回転自在に支持される主軸部92と、主軸部92に連続形成されてジョイントヨーク94が結合される先端軸部93と、主軸部92に連続形成されて先端部94aがフロントプロペラシャフト2を形成する板金製で中空円筒状のシャフトチューブ3の後端部3aに結合される延長部94を有する略円柱状に形成されている。
【0080】
延長部94は、主軸部92の前端から同径で連続する円筒状の小径範囲94Aと、この小径範囲94Aの前端に内周端が連続して拡径する段差部94Bと、この段差部94Bの外径端に後端が連続して前方に同径で連続する大径範囲94Cとが連続形成される。ここで、特に小径範囲94Aと段差部94Bの連続部分の曲率に対し、段差部94Bと大径範囲94Cの連続部分の曲率を大きく設定する。この連続部分およびの曲率は、機械加工によって容易に所定の設定値が得られる。
【0081】
リング状に形成された大径範囲94Cの端部94aがフロントプロペラシャフト2を形成する板金製で中空円筒状のシャフトチューブ3の後端部3aに摩擦圧接によって結合され、シャフトチューブ3の薄肉化が可能になり、プロペラシャフト1の軽量化が期待できる。
【0082】
そして、通常の走行において、パワーユニットからの回転トルクが、フロントプロペラシャフト2からジョイント90を介してリヤプロペラシャフト5に伝達され、リヤプロペラシャフト5からディファレンシャルを介して後輪にトルク伝達される。また、プロペラシャフト1の中間部であるフロントプロペラシャフト2とリヤプロペラシャフト5を連結するジョイント90をセンタ軸受部40を介して車体に回転自在に支承することによって、プロペラシャフト1が高速回転した際の振れは防止されて車両の振動および騒音が有効的に抑制されて居住性の向上が確保できる。
【0083】
そして、車両衝突によって車体前方から車体前部に作用する衝撃荷重に伴ってパワーユニットが後方に向かって移動、すなわち後退すると、フロントプロペラシャフト2に衝撃荷重が作用し、フロントプロペラシャフト2が後退する。
【0084】
このフロントプロペラシャフト2の後退に伴って、ジョイントシャフト90に前方から衝撃荷重が入力され、断面形状が急変する延長部94の大径範囲94Cと段差部94Bの連続部分および段差部94Bと小径範囲94Aの連続部分が座屈変形して衝撃荷重を吸収して衝撃を緩和する。
【0085】
特に、比較的曲率が大きく形成された大径範囲94Cと段差部94Bの連続部分が比較的小さな荷重で座屈変形することから、円滑な衝撃荷重の吸収特性が得られ、有効的な衝撃緩和が確保できる。
【0086】
この延長部94の座屈変形にあたり、延長部94に形成された段差部94Bと大径範囲94Cの連続部分が変形の起点となって比較的小さな荷重により円滑に座屈変形することによって座屈抗力低減が得られる。
【0087】
よって、車両の衝突に伴うフロントプロペラシャフト2の後退の全範囲に亘って極めて小さい荷重でプロペラシャフト1が収縮し、プロペラシャフト1が突っ張ることなくパワーユニットの後退が可能になり、円滑な車体前部の変形による衝撃荷重の吸収が達成できる。
【0088】
また、ジョイント90やフロントプロペラシャフト2、リヤプロペラシャフト5における特性の経時変化がなく、あるいは極めて少なく実際に衝撃荷重が作用した場合のプロペラシャフト1の挙動特性を実験あるいはシミュレーションによって予め予想することが極めて容易になり、かつ従来のプロペラシャフトと基本構成が同じく、より挙動特性の予想が容易になると共に、挙動特性のチューニングが容易になる。
【0089】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記第1実施の形態および第2実施の形態では、センタ軸受部40の凸部48を、アウタケース20の前端上部に対向させて配置したが、所望のリヤプロペラシャフト5の座屈方向に応じて配置位置を変更することもできる。
【0090】
また、第2実施の形態において、第1小径範囲73と第1段差部74の連続部分に対し第1段差部74と大径範囲75の連続部分の曲率が小さく設定し、かつ第2段差部76と第2小径範囲77の連続部分に対し大径範囲75と第2段差部76の連続部分の曲率が小さく設定することもできる。
【0091】
また、第3実施の形態において、ジョイント90をカルダンジョイントに変えて、フレキシブルジョイント等の他のジョイントを使用することもできる。さらに、スリーブシャフトを有するプロペラシャフトの連結部に同様の構成を採用することもできる。
【0092】
【発明の効果】
以上説明した本発明の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造によると、車体前方から衝撃荷重が作用したときには、フロントプロペラシャフトの後退に伴ってジョイントシャフトが、リヤプロペラシャフトに取り付けられたアウタケースとジョイントシャフトの間に配置されたトルク伝達部によって極めて小さい荷重によって円滑にアウタケース内に進入してプロペラシャフトが収縮する。このプロペラシャフトの短縮によってプロペラシャフトによる突っ張りが回避されて車体変形による衝撃荷重の吸収が確実になり衝撃の緩和が得られる。しかる後、荷重伝達手段がアウタケースに当接すると、衝撃荷重がアウタケースに伝達され、延長部の小径範囲と段差部の連続部分および段差部と大径範囲の連続部分が座屈変形して衝撃荷重を吸収して衝撃を緩和できる。さらに、ジョイントやフロントプロペラシャフト、リヤプロペラシャフトにおける特性の経時変化がなく、プロペラシャフトの挙動特性を実験あるいはシミュレーションに基づいて予め予想することが極めて容易であり、挙動特性のチューニングが容易にできる。
【0093】
また、本発明の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造によると、車体前方から衝撃荷重が作用したときには、フロントプロペラシャフトの後退に伴って、ジョイントシャフトの延長部の小径範囲と段差部の連続部分および段差部と大径範囲の連続部分が座屈変形して車体変形による効率的な衝撃荷重の吸収が可能になり衝撃が緩和できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造の第1実施の形態の概要を示すプロペラシャフトの全体斜視図である。
【図2】車体下部の要部斜視図である。
【図3】フロントプロペラシャフトとリヤプロペラシャフトの連結部分を示す図1のI−I線断面図である。
【図4】図3のA部拡大図である。
【図5】図3のB部拡大図である。
【図6】プロペラシャフトによる衝撃抗力低減作用の概要を示す断面図である。
【図7】本実施の形態の変形例を示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施の形態の概要を示すフロントプロペラシャフトとリヤプロペラシャフトの連結部分の断面図である。
【図9】本発明の第3実施の形態の概要を示すフロントプロペラシャフトとリヤプロペラシャフトの連結部分の断面図である。
【図10】従来の駆動系の概要を示す説明図である。
【図11】図10のC部断面拡大図でる。
【符号の説明】
1 プロペラシャフト
2 フロントプロペラシャフト
3 シャフトチューブ
3a 後端部
5 リヤプロペラシャフト
6 シャフトチューブ
6a 前端部
10 ジョイント
10A トルク伝達部
11 ジョイントシャフト
12 基部
13 主軸部
14 先端軸部
16 インナレース
16a ボール溝
20 アウタケース
21 ベース部
21a ボール溝
22 延長部
22a 端部
23 小径範囲
24 段差部
25 大径範囲
26 連続部分
27 連続部分
31 ボール
40 センタ軸受部
42 内筒部材
48 凸部(荷重伝達手段)
53 ブラケット
54 取付部
60 車体
61 下面
72 延長部
73 第1小径範囲
74 第1段差部
75 大径範囲
76 第2段差部
77 第2小径範囲
77a 後端
90 ジョイント
91 ジョイントシャフト
92 主軸部
93 先端軸部
94 延長部
94A 小径範囲
94B 段差部
94C 大径範囲
94a 先端部

Claims (10)

  1. フロントプロペラシャフトと、該フロントプロペラシャフトの後端部にジョイントを介して前端部が結合されるリヤプロペラシャフトを備えた車体前後方向に沿って延在するプロペラシャフトの衝撃抗力低減構造において、
    上記ジョイントは、
    ベース部および段差部を介して小径範囲と大径範囲が連続すると共に端部が上記リヤプロペラシャフトの前端部に結合された延長部が軸方向に連続して一体形成された円筒状のアウタケースと、
    基部が上記フロントプロペラシャフトの後端部に結合されて先端軸部が上記アウタケース内に挿入されるジョイントシャフトと、
    上記アウタケースのベース部とジョイントシャフトの先端軸部との間に配置されてアウタケースとジョイントシャフトとを軸方向に移動自在に係合し、かつ回転トルクを伝達するトルク伝達部とを有し、
    車体前方方向からの衝撃荷重によるフロントプロペラシャフトの軸方向移動に伴って上記アウタケースに当接して該衝撃荷重をアウタケースに伝達すると共にジョイントシャフトのアウタケース内への進入量を規制する荷重伝達手段を備えたことを特徴とする車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造。
  2. 上記ジョイントシャフトの進入量が規制されたときは、上記トルク伝達部によるアウタケースとジョイントシャフトの係合が解除されることを特徴とする請求項1に記載の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造。
  3. 上記延長部は、
    上記ベース部に連続する円筒状の小径範囲と、
    該小径範囲に連続して拡径する段差部と、
    該段差部に連続して端部が上記リヤプロペラシャフトに結合する円筒状の大径範囲とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造。
  4. 上記段差部は、
    上記ジョイントシャフトの進入量が規制されたときの軸方向の先端軸部位置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造。
  5. 上記荷重伝達手段は、
    上記ジョイントシャフトを車体に回転自在に支持するセンタ軸受部に、上記アウタケースの端部に対向して設けられた凸部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造。
  6. 上記大径範囲と段差部の連続部分の曲率が小径範囲と段差部の連続部分の曲率と異なることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造。
  7. 上記延長部は、
    上記ベース部に連続する円筒状の第1小径範囲と、
    該第1小径範囲に連続して拡径する第1段差部と、
    該第1段差部に連続する円筒状の大径範囲と、
    該大径範囲に連続して縮径する第2段差部と、
    該第2段差部に連続して上記リヤプロペラシャフトに結合する円筒状の第2小径範囲とを有し、
    上記第2段差部は、ジョイントシャフトの進入量が規制されたときの軸方向の先端軸部位置であることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造。
  8. 上記延長部の端部は、
    上記リヤプロペラシャフトの中空円筒状のシャフトチューブの前端部に摩擦接合されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造。
  9. 上記トルク伝達部は、
    上記ジョイントシャフトの先端軸部に設けられ外周に軸方向に延在する複数のボール溝が形成されたインナレースと、
    上記アウタケースのベース部内周に上記ボール溝に対向して軸線方向に延在して形成されたボール溝と、
    上記対向してインナレースに形成されたボール溝とベース部に形成されたボール溝とに嵌合する複数のボールとを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造。
  10. フロントプロペラシャフトと、該フロントプロペラシャフトの後端部にジョイントを介して前端部が結合されるリヤプロペラシャフトを備えた車体前後方向に沿って延在するプロペラシャフトの衝撃抗力低構造において、
    上記ジョイントは、
    段差部を介して円筒状の小径範囲と大径範囲が軸方向に連続して端部がフロントプロペラシャフトあるいはリヤプロペラシャフトに結合する延長部を備えたことを特徴とするプロペラシャフトの衝撃抗力低構造。
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