JP2004175298A - 舵取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】通常の操舵時における衝撃エネルギ吸収環の負担を低減できるとともに、衝撃エネルギ吸収時のこじり荷重を低減することができるようにする。
【解決手段】一端部が操舵輪に繋がる操舵軸を回転自在に支持する第1ハウジング3、又は、該第1ハウジング3に軸長方向へ離隔する2つの衝撃エネルギ吸収環6,7を介して軸長方向へ相対移動可能に嵌合された第2ハウジング5に、衝撃エネルギ吸収環6,7の間に軸長方向へ離隔して突設され、第1ハウジング3及び第2ハウジング5の他方の周面と接触する第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9を設け、衝撃エネルギ吸収凸部8,9によって通常の操舵時における衝撃エネルギ吸収環6,7の負担を低減し、衝撃エネルギ吸収環6,7によって衝撃エネルギ吸収時のこじり荷重を低減するようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】一端部が操舵輪に繋がる操舵軸を回転自在に支持する第1ハウジング3、又は、該第1ハウジング3に軸長方向へ離隔する2つの衝撃エネルギ吸収環6,7を介して軸長方向へ相対移動可能に嵌合された第2ハウジング5に、衝撃エネルギ吸収環6,7の間に軸長方向へ離隔して突設され、第1ハウジング3及び第2ハウジング5の他方の周面と接触する第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9を設け、衝撃エネルギ吸収凸部8,9によって通常の操舵時における衝撃エネルギ吸収環6,7の負担を低減し、衝撃エネルギ吸収環6,7によって衝撃エネルギ吸収時のこじり荷重を低減するようにした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の衝突等により運転者から操舵輪等の操舵手段に加わる衝撃エネルギを吸収することを可能とした衝撃エネルギ吸収式の舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
衝撃エネルギ吸収式の舵取装置は、例えば上部が操舵輪に繋がる操舵軸を転がり軸受を介して回転自在に支持する上部ハウジングと、該上部ハウジングに軸長方向への相対移動を可能に挿入され車体に固定される下部ハウジングと、前記上部ハウジングの下部に軸長方向へ離隔して一体に突設され、下部ハウジングの内周面に接触する第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部とを備えている。
【0003】
自動車の前面衝突等により操舵輪に加わる二次衝突の衝撃エネルギは前記転がり軸受から上部ハウジングに伝達され、該上部ハウジングが下部ハウジングに対して軸長方向へ移動する。この上部ハウジングが移動する際、衝撃エネルギ吸収凸部と下部ハウジングとの接触抵抗により前記衝撃エネルギを吸収する。
【0004】
ところが、二次衝突の衝撃エネルギは操舵軸の軸心に対して傾斜する方向から操舵軸に加わるため、操舵軸を支持した上部ハウジングに曲げモーメントが発生し、この曲げモーメントにより上部ハウジングが下部ハウジングに対して傾動し、上部ハウジングの下端が下部ハウジングの外周面に当接するとともに下部ハウジングの上端が上部ハウジングの内周面に当接し、この2つの当接箇所にこじり荷重が加わる。この結果、上部ハウジングの移動抵抗が増大し、運転者に加わる負荷が大きくなる。
【0005】
この運転者に加わる負荷を低減するには、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部間の距離を長くし、前記した2つの当接箇所に加わるこじり荷重を低減することにより達成できる。しかしながら、上部ハウジングの移動量、換言すれば、エネルギー吸収ストロークは車両のレイアウトにより必然的に決まるため、衝撃エネルギ吸収凸部間の距離を長くすることはできない。
【0006】
また、衝撃エネルギ吸収式の舵取装置として、上部が操舵輪に繋がる操舵軸を回転自在に支持する上部ハウジングに、軸長方向へ離隔する合成樹脂製の2つの衝撃エネルギ吸収環を介して下部ハウジングを軸長方向へ相対移動可能に嵌合してなる舵取装置も知られている。(例えば、特許文献1参照。)
【0007】
【特許文献1】
特開平10−76958号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1の舵取装置にあっては、衝撃エネルギ吸収環の周面と上部ハウジング及び下部ハウジングの周面とが接触した状態で衝撃エネルギを吸収することになるため、こじり荷重を低減でき、衝撃エネルギ吸収凸部を有する舵取装置に比べて上部ハウジングの移動抵抗を低減できる。しかしながら、上部ハウジングには衝撃エネルギ吸収時に曲げモーメントが加わるだけでなく、通常の操舵時においても操舵力に応じた曲げモーメントが加わるため、前記衝撃エネルギ吸収環の負担が大きく、該衝撃エネルギ吸収環の耐久性を改善することが要望されていた。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は通常の操舵時における衝撃エネルギ吸収環の負担を低減できるとともに、衝撃エネルギ吸収時のこじり荷重を低減することができる舵取装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る舵取装置は、一端部が操舵手段に繋がる操舵軸を回転自在に支持する第1ハウジングに、軸長方向へ離隔する2つの衝撃エネルギ吸収環を介して第2ハウジングを軸長方向へ相対移動可能に嵌合してなる舵取装置において、前記第1ハウジング及び第2ハウジングの一方は、前記衝撃エネルギ吸収環の間に軸長方向へ離隔して突設され、第1ハウジング及び第2ハウジングの他方の周面と接触する第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部を有することを特徴とする。
【0011】
第1発明にあっては、二次衝突の衝撃エネルギを吸収するとき、衝撃エネルギ吸収環の周面と第1ハウジング及び第2ハウジングの周面とが接触し、さらに、衝撃エネルギ吸収凸部が第1ハウジング又は第2ハウジングの周面と接触した状態で衝撃エネルギを吸収することができるため、この衝撃エネルギ吸収時のこじり荷重を低減できる。また、通常の操舵時に第1ハウジングに加わる曲げモーメントは衝撃エネルギ吸収環及び衝撃エネルギ吸収凸部に分散して加えることができるため、通常の操舵時における衝撃エネルギ吸収環の負担を低減でき、衝撃エネルギ吸収環の耐久性を向上できる。
【0012】
第2発明に係る舵取装置は、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部は周方向に離隔して複数個有しており、前記衝撃エネルギ吸収環の一つは第1ハウジング又は第2ハウジングの端面に対接する環部、及び衝撃エネルギ吸収凸部に対応する位置の間で前記環部に連なる複数個の板片を有することを特徴とする。
【0013】
第2発明にあっては、衝撃エネルギ吸収環の板片間の空間部分を衝撃エネルギ吸収凸部に当接しない非当接路とすることができるため、2つの衝撃エネルギ吸収環を第1ハウジング又は第2ハウジングの周面に嵌合保持した状態で第1ハウジングを第2ハウジングに挿入するとき、衝撃エネルギ吸収環で阻止されることなく挿入することができ、組立て作業性を向上できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る舵取装置の構成を示す断面図である。
舵取装置は、一端部が舵取りのための操舵輪(操舵手段)Aに繋がる第1舵軸1と、該第1舵軸1を取り囲み、玉軸受2を介して第1舵軸1を回転自在に支持する筒形の第1ハウジング3と、第1舵軸1の他端部に軸長方向への相対移動を可能に嵌合された第2舵軸4と、該第2舵軸4を取り囲み、その一端部が第1ハウジング3の他端部に嵌合される第2ハウジング5と、第1ハウジング3及び第2ハウジング5の嵌合部Bに軸長方向へ離隔して嵌合保持された合成樹脂製の第1及び第2の衝撃エネルギ吸収環6,7と、該衝撃エネルギ吸収環6,7の間で第1ハウジング3に一体に突設された第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9と、第2舵軸4及び第2ハウジング5の他端側に配置されたトルクセンサ10と、該トルクセンサ10を支持する支持部材11とを備えている。尚、第1舵軸1及び第2舵軸4により操舵軸が構成されている。
【0015】
第1舵軸1は円筒形に形成され、その一端部が玉軸受2を介して第1ハウジング3の一端部内周面に回転自在に支持されており、他端部が棒状の第2舵軸4の一端部に相対回転が不可能であり、軸長方向への移動が可能に嵌合してある。この嵌合部には二次衝突の衝撃エネルギによって破断し、該衝撃エネルギを衝撃エネルギ吸収環6,7及び衝撃エネルギ吸収凸部8,9とともに吸収する例えば合成樹脂製の吸収部材12を設けている。
【0016】
第2舵軸4は、その他端部にダウエルピン13により結合されたセンサ支持筒14及び該センサ支持筒14に嵌合された軸受15とを介して支持部材11内に回転自在に支持されている。また、第2舵軸4の他端部にはセンサ支持筒14内に挿入され操舵輪Aに加わる操舵トルクの作用によって捩れるトーションバー16の一端部がダウエルピン13により結合されており、該トーションバー16の他端部が伝動軸17にダウエルピン18により結合されている。
【0017】
第1ハウジング3の内径寸法は、第2ハウジング5の外径寸法よりも大径に形成されており、該第1ハウジング3の他端部内周面3a(図2参照)及び第2ハウジング5の一端部外周面5a(図2参照)の間の嵌合部に衝撃エネルギ吸収環6,7を嵌合し、該衝撃エネルギ吸収環6,7を介して第1ハウジング3を第2ハウジング5に対し軸長方向へ移動を可能としてある。
【0018】
トルクセンサ10はトーションバー16の捩れに応じた第2舵軸4及び伝動軸17の相対回転変位量によって操舵輪Aに加わる操舵トルクを検出するものであり、該トルクセンサ10が検出したトルク等に基づいて操舵補助用のモータ19が駆動制御されるように構成されている。尚、モータ19は支持部材11の外部に取付けられており、減速歯車機構20を介してモータ19の回転を伝動軸17に伝えるように構成されている。また、この伝動軸17はユニバーサルジョイントを介してラックピニオン式の舵取機構に連結される。
【0019】
図2は第1ハウジング及び第2ハウジングの嵌合部の拡大断面図、図3は図2のIII −III 線の断面図、図4は第1の衝撃エネルギ吸収環の構成を示す斜視図、図5は第2の衝撃エネルギ吸収環の構成を示す斜視図である。
第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9は、衝撃エネルギ吸収環6,7の近傍から周方向に離隔して一体に成形された例えば各々4個の凸起からなる。また、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9は軸長方向に離隔した位置で周方向の位置をほぼ等しくして配置されている。尚、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9の成形は、例えば油圧シリンダのピストンロツドに装着された成形工具によって第1ハウジング3の嵌合部を径方向内側へ押込むことにより加工する。また、衝撃エネルギ吸収凸部8,9の形状及び個数は特に制限されない。
【0020】
第1の衝撃エネルギ吸収環6は第2ハウジング5の一端面に対接する環部6a、及び周方向に離隔した位置で環部6aの外周部に連なる4個の板片6b,6b…を有する。この板片6b,6b…は第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9に対応して等配されている。また、環部6aの板片6b,6b…間の外径寸法を第2ハウジング5の他端部の外径寸法以下とし、環部6aの板片6b,6b…間の空間部分を第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9に当接しない非当接路6c,6c…としてある。尚、第1の衝撃エネルギ吸収環6の形状及び板片の個数は特に制限されない。
【0021】
第2の衝撃エネルギ吸収環7は第1ハウジング3の他端部内周面3aに嵌合保持される環部7aと、該環部7aの一端に連なり、第1ハウジング3の他端面に対接する外向きの鍔部7bとを有する。
【0022】
尚、第1ハウジング3の他端部には車体に取付けられる取付ブラケット21(図1参照)が着脱可能に取付けられている。この取付ブラケット21は、前記衝撃エネルギによって第1ハウジング3が軸長方向へ押圧されたとき破断して前記衝撃エネルギ吸収環6,7、衝撃エネルギ吸収凸部8,9及び吸収部材12とともに前記衝撃エネルギを吸収する衝撃エネルギ吸収部材(図示せず)を備えている。
【0023】
以上のように構成された舵取装置は、第1ハウジング3及び第2ハウジング5が嵌合されるとき、例えば第1の衝撃エネルギ吸収環6の板片6b,6b…を第2ハウジング5の一端部外周面5aに嵌合し、第2の衝撃エネルギ吸収環7を第1ハウジング3の他端部内周面3aに嵌合した状態で第1ハウジング3を軸長方向へ押圧することにより、衝撃エネルギ吸収環6,7及び衝撃エネルギ吸収凸部8,9を介して第1ハウジング3及び第2ハウジング5を嵌合する。この嵌合により、第1の衝撃エネルギ吸収環6が第1ハウジング3の内周面と接触し、第2の衝撃エネルギ吸収環7が第2ハウジング5の外周面と接触し、衝撃エネルギ吸収凸部8,9が第2ハウジング5の外周面と接触し、夫々の接触部に摩擦力が発生する。
【0024】
第1ハウジング3を第2ハウジング5に嵌合する際、第1の衝撃エネルギ吸収環6は非当接路6c,6c…を有するため、第2の衝撃エネルギ吸収凸部9が非当接路6c,6c…と対応するように位置合わせした状態で第1ハウジング3を軸長方向へ押圧することにより、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9が非当接路6c,6c…に挿入され、第1の衝撃エネルギ吸収環6で阻止されることなく挿入することができ、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収環6,7の間に第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9を配置させることができる。
【0025】
自動車の前面衝突等により運転者が操舵輪Aに当ったときの衝撃エネルギは、第1舵軸1、玉軸受2、第1ハウジング3を介して衝撃エネルギー吸収環6,7及び衝撃エネルギ吸収凸部8,9に作用し、該衝撃エネルギ吸収環6,7及び衝撃エネルギ吸収凸部8,9により衝撃エネルギを吸収しつつ第1ハウジング3が第2の衝撃エネルギ吸収環7とともに第2ハウジング5に対し軸長方向へ移動する。また、前記衝撃エネルギは、第1舵軸1から吸収部材12に作用し、該吸収部材12が破断し、第1舵軸1の移動が許容される。
【0026】
この際、まず、第1ハウジング3が衝突時に軸長方向へ移動するにつれて衝撃エネルギ吸収環6,7間の軸長方向長さが長くなる。そして、軸長方向長さが長くなった衝撃エネルギ吸収環6,7の周面と第1ハウジング3及び第2ハウジング5の周面とが接触した状態で衝撃エネルギを吸収するため、嵌合部に加わるこじり荷重を充分に低減でき、第1ハウジング3の移動抵抗を低減できる。しかも、衝撃エネルギ吸収環6,7の間に第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9を設けてあるため、通常の操舵時に第1ハウジング3に加わる曲げモーメントを衝撃エネルギ吸収環6,7及び衝撃エネルギ吸収凸部8,9に分散して加えることができ、通常の操舵時における衝撃エネルギ吸収環6,7の負担を低減でき、衝撃エネルギ吸収環6,7の耐久性を向上できる。
【0027】
図6は第2の衝撃エネルギ吸収環の構成を示す斜視図である。
尚、以上説明した実施の形態において、嵌合部の長さ及び衝撃エネルギ吸収凸部8,9間の距離を変更することなく衝撃エネルギ吸収環6,7による衝撃エネルギ吸収荷重を高めるには、例えば第1の衝撃エネルギ吸収環6の板片6b,6b…を、第1の衝撃エネルギ吸収凸部8の位置よりも第2の衝撃エネルギ吸収環7側となる長さとし、さらに、第2の衝撃エネルギ吸収環7の環部7aの鍔部7bと反対側端に、第2の衝撃エネルギ吸収凸部9に対応する間隔で周方向へ離隔する複数の板片7cを突設し、第1ハウジング3及び第2ハウジング5との接触面積を増加する。この場合、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収環6,7の一方だけを前記接触面積が増加する構成としてもよい。
【0028】
また、以上説明した実施の形態では、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収環6,7を別部材としたが、その他、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収環6,7を、第1ハウジング3を第2ハウジング5に嵌合する際の押圧力によって破断する連結片で連結した構成としてもよい。さらには、第1ハウジング3を第2ハウジング5に嵌合後も第1及び第2の衝撃エネルギ吸収環6,7が連結片により一体になっており、衝撃エネルギ吸収時に連結片が破断するようにしてもよい。
【0029】
また、以上説明した実施の形態では、第1ハウジング3に衝撃エネルギ吸収凸部8,9を設けたが、その他、この衝撃エネルギ吸収凸部8,9は第2ハウジング5の嵌合部に設けてもよい。この場合、第2の衝撃エネルギ吸収環7は第1ハウジング3の他端面に対接する環部、及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部9に対応する位置の間で前記環部に連なる複数個の板片を有する構成とし、環部の板片間の空間部分を第2の衝撃エネルギ吸収凸部9に当接しない非当接路とする。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように第1発明によれば、衝撃エネルギ吸収時のこじり荷重を低減でき、しかも、通常の操舵時における衝撃エネルギ吸収環の負担を低減でき、衝撃エネルギ吸収環の耐久性を向上できる。
【0031】
第2発明によれば、2つの衝撃エネルギ吸収環を第1ハウジング又は第2ハウジングの周面に嵌合保持した状態で第1ハウジングを第2ハウジングに挿入するとき、衝撃エネルギ吸収環で阻止されることなく挿入することができ、組立て作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る舵取装置の構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る舵取装置の第1ハウジング及び第2ハウジングの嵌合部の拡大断面図である。
【図3】図2のIII −III 線の断面図である。
【図4】本発明に係る舵取装置の第1の衝撃エネルギ吸収環の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る舵取装置の第2の衝撃エネルギ吸収環の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る舵取装置の実施の形態3の第2の衝撃エネルギ吸収環の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 第1舵軸(操舵軸)
4 第2舵軸(操舵軸)
3 第1ハウジング
5 第2ハウジング
6 第1の衝撃エネルギ吸収環
6a 環部
6b 板片
7 第2の衝撃エネルギ吸収環
8 第1の衝撃エネルギー吸収凸部
9 第2の衝撃エネルギー吸収凸部
A 操舵輪(操舵手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の衝突等により運転者から操舵輪等の操舵手段に加わる衝撃エネルギを吸収することを可能とした衝撃エネルギ吸収式の舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
衝撃エネルギ吸収式の舵取装置は、例えば上部が操舵輪に繋がる操舵軸を転がり軸受を介して回転自在に支持する上部ハウジングと、該上部ハウジングに軸長方向への相対移動を可能に挿入され車体に固定される下部ハウジングと、前記上部ハウジングの下部に軸長方向へ離隔して一体に突設され、下部ハウジングの内周面に接触する第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部とを備えている。
【0003】
自動車の前面衝突等により操舵輪に加わる二次衝突の衝撃エネルギは前記転がり軸受から上部ハウジングに伝達され、該上部ハウジングが下部ハウジングに対して軸長方向へ移動する。この上部ハウジングが移動する際、衝撃エネルギ吸収凸部と下部ハウジングとの接触抵抗により前記衝撃エネルギを吸収する。
【0004】
ところが、二次衝突の衝撃エネルギは操舵軸の軸心に対して傾斜する方向から操舵軸に加わるため、操舵軸を支持した上部ハウジングに曲げモーメントが発生し、この曲げモーメントにより上部ハウジングが下部ハウジングに対して傾動し、上部ハウジングの下端が下部ハウジングの外周面に当接するとともに下部ハウジングの上端が上部ハウジングの内周面に当接し、この2つの当接箇所にこじり荷重が加わる。この結果、上部ハウジングの移動抵抗が増大し、運転者に加わる負荷が大きくなる。
【0005】
この運転者に加わる負荷を低減するには、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部間の距離を長くし、前記した2つの当接箇所に加わるこじり荷重を低減することにより達成できる。しかしながら、上部ハウジングの移動量、換言すれば、エネルギー吸収ストロークは車両のレイアウトにより必然的に決まるため、衝撃エネルギ吸収凸部間の距離を長くすることはできない。
【0006】
また、衝撃エネルギ吸収式の舵取装置として、上部が操舵輪に繋がる操舵軸を回転自在に支持する上部ハウジングに、軸長方向へ離隔する合成樹脂製の2つの衝撃エネルギ吸収環を介して下部ハウジングを軸長方向へ相対移動可能に嵌合してなる舵取装置も知られている。(例えば、特許文献1参照。)
【0007】
【特許文献1】
特開平10−76958号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1の舵取装置にあっては、衝撃エネルギ吸収環の周面と上部ハウジング及び下部ハウジングの周面とが接触した状態で衝撃エネルギを吸収することになるため、こじり荷重を低減でき、衝撃エネルギ吸収凸部を有する舵取装置に比べて上部ハウジングの移動抵抗を低減できる。しかしながら、上部ハウジングには衝撃エネルギ吸収時に曲げモーメントが加わるだけでなく、通常の操舵時においても操舵力に応じた曲げモーメントが加わるため、前記衝撃エネルギ吸収環の負担が大きく、該衝撃エネルギ吸収環の耐久性を改善することが要望されていた。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は通常の操舵時における衝撃エネルギ吸収環の負担を低減できるとともに、衝撃エネルギ吸収時のこじり荷重を低減することができる舵取装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る舵取装置は、一端部が操舵手段に繋がる操舵軸を回転自在に支持する第1ハウジングに、軸長方向へ離隔する2つの衝撃エネルギ吸収環を介して第2ハウジングを軸長方向へ相対移動可能に嵌合してなる舵取装置において、前記第1ハウジング及び第2ハウジングの一方は、前記衝撃エネルギ吸収環の間に軸長方向へ離隔して突設され、第1ハウジング及び第2ハウジングの他方の周面と接触する第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部を有することを特徴とする。
【0011】
第1発明にあっては、二次衝突の衝撃エネルギを吸収するとき、衝撃エネルギ吸収環の周面と第1ハウジング及び第2ハウジングの周面とが接触し、さらに、衝撃エネルギ吸収凸部が第1ハウジング又は第2ハウジングの周面と接触した状態で衝撃エネルギを吸収することができるため、この衝撃エネルギ吸収時のこじり荷重を低減できる。また、通常の操舵時に第1ハウジングに加わる曲げモーメントは衝撃エネルギ吸収環及び衝撃エネルギ吸収凸部に分散して加えることができるため、通常の操舵時における衝撃エネルギ吸収環の負担を低減でき、衝撃エネルギ吸収環の耐久性を向上できる。
【0012】
第2発明に係る舵取装置は、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部は周方向に離隔して複数個有しており、前記衝撃エネルギ吸収環の一つは第1ハウジング又は第2ハウジングの端面に対接する環部、及び衝撃エネルギ吸収凸部に対応する位置の間で前記環部に連なる複数個の板片を有することを特徴とする。
【0013】
第2発明にあっては、衝撃エネルギ吸収環の板片間の空間部分を衝撃エネルギ吸収凸部に当接しない非当接路とすることができるため、2つの衝撃エネルギ吸収環を第1ハウジング又は第2ハウジングの周面に嵌合保持した状態で第1ハウジングを第2ハウジングに挿入するとき、衝撃エネルギ吸収環で阻止されることなく挿入することができ、組立て作業性を向上できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る舵取装置の構成を示す断面図である。
舵取装置は、一端部が舵取りのための操舵輪(操舵手段)Aに繋がる第1舵軸1と、該第1舵軸1を取り囲み、玉軸受2を介して第1舵軸1を回転自在に支持する筒形の第1ハウジング3と、第1舵軸1の他端部に軸長方向への相対移動を可能に嵌合された第2舵軸4と、該第2舵軸4を取り囲み、その一端部が第1ハウジング3の他端部に嵌合される第2ハウジング5と、第1ハウジング3及び第2ハウジング5の嵌合部Bに軸長方向へ離隔して嵌合保持された合成樹脂製の第1及び第2の衝撃エネルギ吸収環6,7と、該衝撃エネルギ吸収環6,7の間で第1ハウジング3に一体に突設された第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9と、第2舵軸4及び第2ハウジング5の他端側に配置されたトルクセンサ10と、該トルクセンサ10を支持する支持部材11とを備えている。尚、第1舵軸1及び第2舵軸4により操舵軸が構成されている。
【0015】
第1舵軸1は円筒形に形成され、その一端部が玉軸受2を介して第1ハウジング3の一端部内周面に回転自在に支持されており、他端部が棒状の第2舵軸4の一端部に相対回転が不可能であり、軸長方向への移動が可能に嵌合してある。この嵌合部には二次衝突の衝撃エネルギによって破断し、該衝撃エネルギを衝撃エネルギ吸収環6,7及び衝撃エネルギ吸収凸部8,9とともに吸収する例えば合成樹脂製の吸収部材12を設けている。
【0016】
第2舵軸4は、その他端部にダウエルピン13により結合されたセンサ支持筒14及び該センサ支持筒14に嵌合された軸受15とを介して支持部材11内に回転自在に支持されている。また、第2舵軸4の他端部にはセンサ支持筒14内に挿入され操舵輪Aに加わる操舵トルクの作用によって捩れるトーションバー16の一端部がダウエルピン13により結合されており、該トーションバー16の他端部が伝動軸17にダウエルピン18により結合されている。
【0017】
第1ハウジング3の内径寸法は、第2ハウジング5の外径寸法よりも大径に形成されており、該第1ハウジング3の他端部内周面3a(図2参照)及び第2ハウジング5の一端部外周面5a(図2参照)の間の嵌合部に衝撃エネルギ吸収環6,7を嵌合し、該衝撃エネルギ吸収環6,7を介して第1ハウジング3を第2ハウジング5に対し軸長方向へ移動を可能としてある。
【0018】
トルクセンサ10はトーションバー16の捩れに応じた第2舵軸4及び伝動軸17の相対回転変位量によって操舵輪Aに加わる操舵トルクを検出するものであり、該トルクセンサ10が検出したトルク等に基づいて操舵補助用のモータ19が駆動制御されるように構成されている。尚、モータ19は支持部材11の外部に取付けられており、減速歯車機構20を介してモータ19の回転を伝動軸17に伝えるように構成されている。また、この伝動軸17はユニバーサルジョイントを介してラックピニオン式の舵取機構に連結される。
【0019】
図2は第1ハウジング及び第2ハウジングの嵌合部の拡大断面図、図3は図2のIII −III 線の断面図、図4は第1の衝撃エネルギ吸収環の構成を示す斜視図、図5は第2の衝撃エネルギ吸収環の構成を示す斜視図である。
第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9は、衝撃エネルギ吸収環6,7の近傍から周方向に離隔して一体に成形された例えば各々4個の凸起からなる。また、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9は軸長方向に離隔した位置で周方向の位置をほぼ等しくして配置されている。尚、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9の成形は、例えば油圧シリンダのピストンロツドに装着された成形工具によって第1ハウジング3の嵌合部を径方向内側へ押込むことにより加工する。また、衝撃エネルギ吸収凸部8,9の形状及び個数は特に制限されない。
【0020】
第1の衝撃エネルギ吸収環6は第2ハウジング5の一端面に対接する環部6a、及び周方向に離隔した位置で環部6aの外周部に連なる4個の板片6b,6b…を有する。この板片6b,6b…は第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9に対応して等配されている。また、環部6aの板片6b,6b…間の外径寸法を第2ハウジング5の他端部の外径寸法以下とし、環部6aの板片6b,6b…間の空間部分を第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9に当接しない非当接路6c,6c…としてある。尚、第1の衝撃エネルギ吸収環6の形状及び板片の個数は特に制限されない。
【0021】
第2の衝撃エネルギ吸収環7は第1ハウジング3の他端部内周面3aに嵌合保持される環部7aと、該環部7aの一端に連なり、第1ハウジング3の他端面に対接する外向きの鍔部7bとを有する。
【0022】
尚、第1ハウジング3の他端部には車体に取付けられる取付ブラケット21(図1参照)が着脱可能に取付けられている。この取付ブラケット21は、前記衝撃エネルギによって第1ハウジング3が軸長方向へ押圧されたとき破断して前記衝撃エネルギ吸収環6,7、衝撃エネルギ吸収凸部8,9及び吸収部材12とともに前記衝撃エネルギを吸収する衝撃エネルギ吸収部材(図示せず)を備えている。
【0023】
以上のように構成された舵取装置は、第1ハウジング3及び第2ハウジング5が嵌合されるとき、例えば第1の衝撃エネルギ吸収環6の板片6b,6b…を第2ハウジング5の一端部外周面5aに嵌合し、第2の衝撃エネルギ吸収環7を第1ハウジング3の他端部内周面3aに嵌合した状態で第1ハウジング3を軸長方向へ押圧することにより、衝撃エネルギ吸収環6,7及び衝撃エネルギ吸収凸部8,9を介して第1ハウジング3及び第2ハウジング5を嵌合する。この嵌合により、第1の衝撃エネルギ吸収環6が第1ハウジング3の内周面と接触し、第2の衝撃エネルギ吸収環7が第2ハウジング5の外周面と接触し、衝撃エネルギ吸収凸部8,9が第2ハウジング5の外周面と接触し、夫々の接触部に摩擦力が発生する。
【0024】
第1ハウジング3を第2ハウジング5に嵌合する際、第1の衝撃エネルギ吸収環6は非当接路6c,6c…を有するため、第2の衝撃エネルギ吸収凸部9が非当接路6c,6c…と対応するように位置合わせした状態で第1ハウジング3を軸長方向へ押圧することにより、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9が非当接路6c,6c…に挿入され、第1の衝撃エネルギ吸収環6で阻止されることなく挿入することができ、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収環6,7の間に第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9を配置させることができる。
【0025】
自動車の前面衝突等により運転者が操舵輪Aに当ったときの衝撃エネルギは、第1舵軸1、玉軸受2、第1ハウジング3を介して衝撃エネルギー吸収環6,7及び衝撃エネルギ吸収凸部8,9に作用し、該衝撃エネルギ吸収環6,7及び衝撃エネルギ吸収凸部8,9により衝撃エネルギを吸収しつつ第1ハウジング3が第2の衝撃エネルギ吸収環7とともに第2ハウジング5に対し軸長方向へ移動する。また、前記衝撃エネルギは、第1舵軸1から吸収部材12に作用し、該吸収部材12が破断し、第1舵軸1の移動が許容される。
【0026】
この際、まず、第1ハウジング3が衝突時に軸長方向へ移動するにつれて衝撃エネルギ吸収環6,7間の軸長方向長さが長くなる。そして、軸長方向長さが長くなった衝撃エネルギ吸収環6,7の周面と第1ハウジング3及び第2ハウジング5の周面とが接触した状態で衝撃エネルギを吸収するため、嵌合部に加わるこじり荷重を充分に低減でき、第1ハウジング3の移動抵抗を低減できる。しかも、衝撃エネルギ吸収環6,7の間に第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部8,9を設けてあるため、通常の操舵時に第1ハウジング3に加わる曲げモーメントを衝撃エネルギ吸収環6,7及び衝撃エネルギ吸収凸部8,9に分散して加えることができ、通常の操舵時における衝撃エネルギ吸収環6,7の負担を低減でき、衝撃エネルギ吸収環6,7の耐久性を向上できる。
【0027】
図6は第2の衝撃エネルギ吸収環の構成を示す斜視図である。
尚、以上説明した実施の形態において、嵌合部の長さ及び衝撃エネルギ吸収凸部8,9間の距離を変更することなく衝撃エネルギ吸収環6,7による衝撃エネルギ吸収荷重を高めるには、例えば第1の衝撃エネルギ吸収環6の板片6b,6b…を、第1の衝撃エネルギ吸収凸部8の位置よりも第2の衝撃エネルギ吸収環7側となる長さとし、さらに、第2の衝撃エネルギ吸収環7の環部7aの鍔部7bと反対側端に、第2の衝撃エネルギ吸収凸部9に対応する間隔で周方向へ離隔する複数の板片7cを突設し、第1ハウジング3及び第2ハウジング5との接触面積を増加する。この場合、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収環6,7の一方だけを前記接触面積が増加する構成としてもよい。
【0028】
また、以上説明した実施の形態では、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収環6,7を別部材としたが、その他、第1及び第2の衝撃エネルギ吸収環6,7を、第1ハウジング3を第2ハウジング5に嵌合する際の押圧力によって破断する連結片で連結した構成としてもよい。さらには、第1ハウジング3を第2ハウジング5に嵌合後も第1及び第2の衝撃エネルギ吸収環6,7が連結片により一体になっており、衝撃エネルギ吸収時に連結片が破断するようにしてもよい。
【0029】
また、以上説明した実施の形態では、第1ハウジング3に衝撃エネルギ吸収凸部8,9を設けたが、その他、この衝撃エネルギ吸収凸部8,9は第2ハウジング5の嵌合部に設けてもよい。この場合、第2の衝撃エネルギ吸収環7は第1ハウジング3の他端面に対接する環部、及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部9に対応する位置の間で前記環部に連なる複数個の板片を有する構成とし、環部の板片間の空間部分を第2の衝撃エネルギ吸収凸部9に当接しない非当接路とする。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように第1発明によれば、衝撃エネルギ吸収時のこじり荷重を低減でき、しかも、通常の操舵時における衝撃エネルギ吸収環の負担を低減でき、衝撃エネルギ吸収環の耐久性を向上できる。
【0031】
第2発明によれば、2つの衝撃エネルギ吸収環を第1ハウジング又は第2ハウジングの周面に嵌合保持した状態で第1ハウジングを第2ハウジングに挿入するとき、衝撃エネルギ吸収環で阻止されることなく挿入することができ、組立て作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る舵取装置の構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る舵取装置の第1ハウジング及び第2ハウジングの嵌合部の拡大断面図である。
【図3】図2のIII −III 線の断面図である。
【図4】本発明に係る舵取装置の第1の衝撃エネルギ吸収環の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る舵取装置の第2の衝撃エネルギ吸収環の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る舵取装置の実施の形態3の第2の衝撃エネルギ吸収環の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 第1舵軸(操舵軸)
4 第2舵軸(操舵軸)
3 第1ハウジング
5 第2ハウジング
6 第1の衝撃エネルギ吸収環
6a 環部
6b 板片
7 第2の衝撃エネルギ吸収環
8 第1の衝撃エネルギー吸収凸部
9 第2の衝撃エネルギー吸収凸部
A 操舵輪(操舵手段)
Claims (2)
- 一端部が操舵手段に繋がる操舵軸を回転自在に支持する第1ハウジングに、軸長方向へ離隔する2つの衝撃エネルギ吸収環を介して第2ハウジングを軸長方向へ相対移動可能に嵌合してなる舵取装置において、前記第1ハウジング及び第2ハウジングの一方は、前記衝撃エネルギ吸収環の間に軸長方向へ離隔して突設され、第1ハウジング及び第2ハウジングの他方の周面と接触する第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部を有することを特徴とする舵取装置。
- 前記第1及び第2の衝撃エネルギ吸収凸部は周方向に離隔して複数個有しており、前記衝撃エネルギ吸収環の一つは第1ハウジング又は第2ハウジングの端面に対接する環部、及び衝撃エネルギ吸収凸部に対応する位置の間で前記環部に連なる複数個の板片を有する請求項1記載の舵取装置。
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JP2008062876A (ja) | ステアリング装置 |
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