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JP2004281087A - 有機elデバイスおよび有機elディスプレイ - Google Patents

有機elデバイスおよび有機elディスプレイ Download PDF

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JP2004281087A
JP2004281087A JP2003067165A JP2003067165A JP2004281087A JP 2004281087 A JP2004281087 A JP 2004281087A JP 2003067165 A JP2003067165 A JP 2003067165A JP 2003067165 A JP2003067165 A JP 2003067165A JP 2004281087 A JP2004281087 A JP 2004281087A
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light emitting
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JP2003067165A
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Seiji Tokito
静士 時任
Toshimitsu Tsuzuki
俊満 都築
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Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

【課題】高い発光効率を得ることができる有機ELデバイスおよび有機ELディスプレイを提供する。
【解決手段】透明陽極を備えるガラス基板上に、真空蒸着法で、白色発光を呈する有機ELデバイスを形成する。透明陽極上に、(α−NPD)からなる正孔輸送層、式1を有するIr(CFppy)(pic)をドープした発光層、Ir(btp)(acac)をドープした発光層、キノリノールアルミ鎖体誘導体(BAlq)からなる正孔阻止層、および陰極を順次形成する。作製したデバイスは、色度が(0.35,0.34)の白色発光を呈する。
Figure 2004281087

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機ELデバイスおよび有機ELディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
米国の企業の論文に端を発した有機EL(electroluminescence)の研究において、その後の基礎研究およびディスプレイ開発の両面において日本の企業が果たした役割は非常に大きく、世界初の有機ELディスプレイの実用化は日本の企業によって実現されている。この有機ELディスプレイは、ガラス基板上に画素を構成するRGB3原色の有機EL素子(デバイス)がマトリクス状に形成されたフラットパネルディスプレイである(非特許文献1参照。)。
【0003】
この実用化を機に、有機ELディスプレイへの関心は益々高まり、現在では、有機ELディスプレイは次世代の有力なフラットパネルディスプレイ候補としてして認められつつある。
【0004】
フラットパネルディスプレイとしては、既に商品化されたものとして液晶ディスプレイ(LCD)と、プラズマディスプレイ(PDP)とがあり、また電界放出ディスプレイ(FED)も実用化に向けた取り組みが行われている。
【0005】
これら他のフラットパネルディスプレイに比較したときの有機ELディスプレイの特徴は次のような点にある。
【0006】
まず、有機ELディスプレイは、他のフラットパネルディスプレイに比べて、非常に薄型、軽量に形成することができるとともに、例えば液晶ディスプレイがバックライトを必要とする非自発光型であるのに対して自発光型であるため、視野角依存性がなく視認性に優れ、かつ、表示速度が大きいために動画表示に適している点に特徴がある。
【0007】
また、有機ELディスプレイは、他のフラットパネルディスプレイに比べて、構造が簡単であり、コスト面でも優位であるとされている。
【0008】
有機EL素子は、発光体として用いる有機材料成分が低分子材料か高分子材料かによって、低分子EL素子と高分子EL素子とに分類される。
【0009】
低分子EL素子は、一般的には、例えば図1(a)に示すように、ガラス基板1上に、陽極2、正孔輸送層3、発光層4、電子輸送層5および陰極6がこの順に積層された構成を有する。発光層4は、有機材料成分として低分子有機化合物を用いている。なお、陽極2および陰極6を除く、正孔輸送層3、発光層4および電子輸送層5の各層は、いずれも有機薄膜で形成されており、これら有機薄膜で形成される、正孔輸送層3、発光層4および電子輸送層5の全体を発光層と呼ぶこともある。有機薄膜であるこれらの層3〜5は、それぞれ数十nm程度の厚みであり、全体としての厚みも100〜200nm程度と非常に薄い。これらの層3〜5は、通常、真空装置のなかでそれぞれの有機材料を加熱、蒸発させて被成膜材料に成膜する真空蒸着法で作製される。
【0010】
一方、高分子EL素子は、一般的には、例えば図1(b)に示すように、ガラス基板1上に、陽極2、導電性高分子層3a、発光層4aおよび陰極6がこの順に積層された構成を有する。すなわち、有機薄膜(広義の発光層)としては、それぞれ厚みが数十nm程度の導電性高分子層3aおよび発光材料成分として高分子有機化合物を用いた発光層4aの2層構造となっており、素子構造が上記低分子EL素子に比べて簡易であり、安価に素子を製造することができる可能性がある。
【0011】
これらの有機EL素子は、陽極2と陰極6との間に電圧を印加することにより、電子および正孔をそれぞれの電極から放出し、各層を介して発光層(発光機能のみを分担する狭義の発光層、図1(a)、(b)中、発光層4、4a)に電子および正孔を注入して再結合させ、これにより発光体が励起されることにより発光を生じさせる。そして、この発光を外部に取り出して、視認するものである。なお、図1(a)、(b)では、これらの作用を模式的に示している。このとき、低分子EL素子の正孔輸送層3および電子輸送層5は、それぞれ正孔、電子の輸送性を高め、かつ発光層4での電荷バランスを適正化する役割を果たし、一方、高分子EL素子の導電性高分子層3aは正孔注入層としての役割を果たし、特に、高い導電性を有することで注入障壁を低下させる効果がある。
【0012】
有機EL素子は、例えば陰極として半透明あるいは不透明電極を用い、陰極からの反射光を含め、発生した光をガラス基板の側から取り出すボトムエミッション型が一般的であるが、陰極を透明電極として、光を陰極の側から取り出すトップエミッション型も用いられる。
【0013】
有機EL素子を用いたディスプレイ(以下、有機ELディスプレイという。)をフルカラー表示可能とするためには、有機EL素子から放出される光を3原色(RGB)に変換する必要がある。この変換方式には、次の3つの型がある。上記ボトムエミッション型を例にとって説明する。
【0014】
塗り分け方式は、図2(a)に示すように、3原色のうちのいずれか1色を呈することができる発光層4b〜4dを同一のガラス基板1上に形成するものである。なお、図2(a)中、参照符号2aは透明電極(陽極)を、参照符号6bは金属電極(陰極)をそれぞれ示す。図2(b)、(c)においても同様である。
【0015】
この他にも、図2(b)に示すように、例えば青色発光を呈する発光層4eの発光側に陽極2aを介して色変換層7a〜7cを設け、青色発光の高い励起エネルギにより緑色と赤色の色変換層の蛍光色素を励起して緑色と赤色の光を得る色変換方式や、図2(c)に示すように、白色発光を呈する発光層4fの発光側に陽極2aを介してカラーフィルタ8a〜8cを設け、それぞれのカラーフィルタで所定の色成分を透過させて3原色の光を得るカラーフィルタ方式等も提案されている。
【0016】
有機ELディスプレイの画素を駆動する方式には、マトリクス状に配列された画素を線順次駆動するパッシブ型と、画素単位に複数個配設するTFT(薄膜トランジスタ)で駆動するアクティブ型とがある。前者のパッシブ型が装置の構造が比較的簡易であるという利点を有するのに対して、後者のアクティブ型は高速動作が可能である等の利点を有する。初期の有機ELディスプレイにおいては、パッシブ型を中心として開発が進められてきたが、最近では、アクティブ型が主流となりつつある。TFTは、材料として低温ポリシリコンを用いることで100cm/Vsの電子移動度が得られている。一般に、5インチサイズ以上の有機ELディスプレイの場合、高輝度化、装置の小型化および長寿命化を図る観点から、駆動方式としてアクティブ型を用いることが必須とされている。
【0017】
最近、14.7インチのSXGA(1280×720)の試作品が公表されている(非特許文献2)。
【0018】
上記の有機ELディスプレイ試作品では、低分子有機化合物である発光体を複数種類配合してそれぞれの低分子有機化合物が3原色のいずれかの色の蛍光色を発することで白色発光を呈する発光層の光をカラーフィルタを通して3原色に変換する上記図2(c)の色変換方式が採用されている。また、TFT材料として上記の低温ポリシリコンが用いられている。そして、有機ELディスプレイ試作品では、表示色数26万色、コントラスト比200以上、輝度200〜300cd/mが実現されている。
【0019】
ところで、前記したように、有機EL素子は、発光層中で電子と正孔が再結合して有機成分を励起することにより発光する。この励起状態には、電子のスピンが上向きか下向きかによる状態の違いから1重項励起状態と3重項励起状態とがある。その生成確率は、ほぼ、1重項励起状態:3重項励起状態=1:3と見積もられている。図2(a)〜(c)で説明したものを含め、通常の有機EL素子で用いられる有機発光層は1重項励起状態からの蛍光発光のみを示す。この陰陽両電極間から投入された電気エネルギ(入力電子数)が上記の発光層内での発光過程を経て蛍光発光(フォトン数)として得られる効率は、内部発光効率(内部量子効率)と呼ばれ、上記した励起状態の生成比率より、理論上、最大25%まで可能である。しかしながら、膜内での多重反射と光吸収効果とにより、外部に実際に放出される発光エネルギは低下する。この発光した光が外部で観察されるまでの間のエネルギ効率は光取り出し効率と呼ばれ、デバイスに注入した総電荷量の約20%程度に見積もられている。したがって、実用上有用な、消費した電力が発光として観察されるまでの間の総括的な変換効率である外部発光効率(外部量子効率=内部発光効率×光取り出し効率)は、最大でも5%に止まることになる。
【0020】
この蛍光発光による発光効率の低さを改善するものとして、発光体として白金原子やイリジウム原子を有する金属錯体を用い、3重項励起状態からの燐光発光を活用した有機EL素子が報告されている(非特許文献3参照。)。また、1重項励起状態と3重項励起状態との2つの状態を活用できれば、原理的には20%の超高効率の発光が可能であるとされている(非特許文献4参照。)。
【0021】
また、既に、イリジウム錯体を発光体に用いた有機EL素子について、3原色のいずれか1色の発光を呈するものについて、いずれも5%以上の外部量子効率が得られたという以下の報告がある。
【0022】
すなわち、下記式を有するビス(2−(2´−ベンゾ[4,5a]チエニル)ピリジネート−N,C3´)イリジウム(アセチルアセトネート)(以下、Ir(btp)(acac)と表記する。)を用いたデバイスは、7.0%程度の発光効率で赤色燐光を呈する(非特許文献5参照。)。
【0023】
【化2】
Figure 2004281087
また、下記式を有するトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(以下、Ir(ppy)と表記する。)を用いたデバイスは、15.4%程度の発光効率で緑色燐光を呈する(非特許文献6参照。)。
【0024】
【化3】
Figure 2004281087
また、下記式を有するイリジウム(III)ビス(4,6−ジーフルオロフェニル)ピリジネート−N,C2´)ピコリネート(以下、Ir(Fppy)(pic)と表記する。)を用いたデバイスは、5.7%程度の発光効率で青色燐光を呈する(非特許文献7参照。)。
【0025】
【化4】
Figure 2004281087
上記イリジウム錯体を発光体に用いた有機EL素子は、発光層の母体材料であるホスト成分として、フェニルカルバゾール誘導体やトリアゾール誘導体が用いられ、ホスト成分の3重項励起状態から添加材料であるドーパント成分としての上記のイリジウム錯体の3重項励起状態へのエネルギ移動によって発光することが確認されている。
【0026】
【非特許文献1】
Displays,22,pp.43(2001)
【0027】
【非特許文献2】
IDW´00 proceedings,pp.239(2000)
【0028】
【非特許文献3】
Nature,395,151(1998)
【0029】
【非特許文献4】
Appl.phys.,Lett.,79,1568(2001)
【0030】
【非特許文献5】
Appl.phys.,Lett.,78,1622 (2001)
【0031】
【非特許文献6】
Appl.phys.,Lett.,77,904 (2000)
【0032】
【非特許文献7】
Appl.phys.,Lett.,79,2082 (2001)
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した青色燐光を呈するIr(Fppy)(pic)は、発光中に緑色波長成分をほとんど含まないため、Ir(Fppy)(pic)のみをドーパントとして単一の発光層を形成するときの発光効率が必ずしも大きくない。また、このため、この単一の発光層に適宜の色変換方式を適用するときの、緑色および赤色の発光効率を大きくすることも難しい。
【0034】
なお、前記図2(a)に示した塗り分け方式は、発光層の光を陽極およびガラス基板を介してそのまま外部に取り出すため光の損失が少なく、発光効率が高いため、最も一般的に採用されているものであるが、蛍光発光を利用したものであるため、既に説明したように発光効率を向上させるには限界がある。また、この塗り分け方式において、発光層の発光材料成分を蛍光発光を呈するものから上記した燐光発光を呈するものに変えることも考えられるが、このときでも、上記のように、少なくとも高い発光効率で青色を呈することができる燐光成分については知られていないため、発光効率の低さが障害となると考えられる。また、塗り分け方式の場合、どのような発光材料成分を用いたとしても、発光層の構成が複雑となる不具合を避けることができない。
【0035】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、高い発光効率を得ることができる有機ELデバイスおよびその有機ELデバイスを用いた有機ELディスプレイを提供することを目的とする。
【0036】
また、本発明は、簡易な素子構成でフルカラー表示を高い発光効率で実現することができる有機ELデバイスおよびその有機ELデバイスを用いた有機ELディスプレイを提供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る有機ELデバイスは、1対の電極と該1対の電極間に挟まれる発光層とを備え、該発光層がドーパントとして、燐光成分である下記の一般式を有する化合物を含むことを特徴とする。
【0038】
【化5】
Figure 2004281087
ここで、発光層は、電子と正孔の再結合により発光する機能とともに電子輸送性等の機能を合わせもつ単一の層のみではなく、電子と正孔の再結合により発光する機能のみを分担する層とともに電子輸送層等の他の有機薄膜層も含む有機薄膜の積層構造も含む意である。したがって、上記燐光成分は、電子輸送層等の他の有機薄膜層にも含まれ得る。また、ドーパントは、後述する発光層の母体材料であるホストにドーピングされる添加成分をいう。
【0039】
本発明の上記の構成により、高い発光効率を得ることができる。
【0040】
また、本発明に係る有機ELディスプレイは、上記の有機ELデバイスを有すると、上記有機ELデバイスの効果を好適に奏することができる。
【0041】
また、本発明に係る有機ELディスプレイは、上記の有機ELデバイスの前記発光層からの発光を放出する側に光の3原色を呈することができる色変換層が設けられてなると、上記の一般式を有する化合物の燐光発光が青色波長を主波長成分とするとともに緑色波長も波長成分として含むため、簡易な素子構成で、フルカラー表示を好適に行うことができる。
【0042】
また、本発明に係る有機ELデバイスにおいて、発光層がドーパントとして、前記化合物とともに発光するときに合成色として白色を呈することができる、少なくとも1種類または2種類以上の燐光成分化合物をさらに含むと、高い発光効率の白色光を得ることができる。
【0043】
この場合、燐光成分化合物に変えて、蛍光成分化合物をさらに含む構成としてもよい。
【0044】
また、本発明に係る有機ELディスプレイは、上記の有機ELデバイスを有すると、上記有機ELデバイスの効果を好適に奏することができる。
【0045】
また、本発明に係る有機ELディスプレイは、上記の有機ELデバイスの前記発光層からの発光を放出する側に光の3原色を呈することができる色変換層が設けられてなると、発光効率やカラーバランスの調整の自由度が増し、より望ましいフルカラー表示を得ることができる。
【0046】
また、本発明に係る有機ELディスプレイは、上記の有機ELデバイスの前記発光層からの発光を放出する側に光の3原色を呈することができるカラーフィルタが設けられてなると、カラーフィルタを設けない場合に比べて青色の純度を上げることができる。
【0047】
また、本発明に係る有機ELデバイスにおいて、前記発光層がホストとして、励起3重項エネルギが2.7eV以上の有機成分を含むと、ホストの励起エネルギをドーパントである上記化合物に転移するときに、効率的に上記化合物を3重項励起状態とすることができる。また、逆に、上記化合物からホストへの逆エネルギ移動を抑えることができ、効率的な発光が可能となる。
【0048】
また、本発明に係る有機ELディスプレイにおいて、画素単位に駆動源として少なくとも2個以上の薄膜トランジスタが設けられてなると、高速の動画表示を得ることができ、好適である。
【0049】
【発明の実施の形態】
本発明に係る有機ELデバイスおよび有機ELディスプレイの好適な実施の形態(以下、本実施の形態例という。)について、図を参照して、以下に説明する。
【0050】
まず、本実施の形態例に係る有機ELデバイスについて説明する。
【0051】
本実施の形態例に係る有機ELデバイスは、1対の電極と1対の電極間に挟まれる発光層とを備える。このような有機ELデバイスの積層構造は特に限定するものではなく、例えば、図1(a)に示したような、ガラス基板上に、陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および陰極がこの順に積層された構成であってもよく、また、図1(b)に示したような、ガラス基板上に、陽極、導電性高分子層、発光層および陰極がこの順に積層された構成であってもよい。さらにまた、これらの構成に適宜の層を追加した積層構造であってもよい。なお、本実施の形態例では、広義の発光層の各有機薄膜の材料は、低分子有機材料であってもよく、また、高分子有機材料であってもよい。
【0052】
発光層以外の各層については、通常の有機ELデバイスの場合と同様の適宜の材料を用い、適宜の方法により、適宜の膜厚等に形成することができるため、詳細な説明を省略し、実施例の項で適宜説明する。
【0053】
発光層は、望ましくは、ドーパントとして、少なくとも2種類以上の燐光成分を含む。2種類以上の燐光成分のうちの1種類の燐光成分は、下記の一般式を有する化合物であり、残余の種類の燐光成分は、下記化合物とともに発光するときに合成色として白色を呈することができる化合物である。なお、発光層は、下記の一般式を有する化合物のみを含む構成であってもよい。
【0054】
【化6】
Figure 2004281087
上記の一般式を有する化合物として、例えば、下記式の化合物を挙げることができる。
【0055】
【化7】
Figure 2004281087
上記式の化合物は、イリジウム(III)ビス[2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−ピリジネイト−N,C]ピコリネイト(以下、Ir(CFppy)(pic))と表記する。)である。Ir(Fppy)(pic)は、後述する図4に示すように、472nmの波長に最大ピークを有するとともに、510nmの波長にも大きなピークを有し、青色および緑色の燐光発光色を得ることができる。
【0056】
Ir(Fppy)(pic)は、塩化イリジウム水和物を出発原料として、配位子である3,5−ビストリフルオロメチルフェニルピリジンを反応させてイリジウム二核錯体を合成し、これにピコリン酸ナトリウム塩を反応させることにより合成した(J. Am. Chem. Soc., 123,4304(2001)参照。)。
【0057】
残余の種類の化合物は、上記Ir(CFppy)(pic)とともに発光するときに燐光発光を生じ、合成色として白色を呈することができる化合物である限り、適宜の燐光成分を用いることができる。このような化合物として、例えば、前記したIr(btp)(acac)を用いることで赤色の燐光発光を得ることができる。
【0058】
また、上記Ir(btp)(acac)とともに、あるいはIr(btp)(acac)に変えて、例えば、前記したIr(ppy)と表記する。)を用いることで緑色の燐光発光を得ることができる。
【0059】
また、残余の種類の化合物は、必要に応じて燐光成分に変えて蛍光成分を用いてもよい。
【0060】
上記各燐光成分化合物は、それぞれ0.1〜10質量%程度の含有量で発光層に含まれる。
【0061】
発光層は、上記のドーパントとしての各化合物を含有する母体材料であるホストとして、有機成分(有機化合物)を含む。有機成分は、好ましくは、励起3重項エネルギをもつ成分を用い、より、好ましくは、後述する図4に示す白色有機ELデバイスの燐光成分の発光スペクトルの最大ピークの波長成分の3重項励起準位のエネルギよりも高い励起3重項エネルギをもつ成分を用いる。また、さらに好ましくは、有機成分は、上記燐光成分の発光スペクトルの最大ピークの波長成分の3重項励起準位のエネルギよりも十分に大きな2.7eV以上の励起3重項エネルギをもつ成分を用いる。
【0062】
このような2.7eV以上の励起3重項エネルギをもつ成分としては、例えば、フェニルカルバゾール誘導体、オキザジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、バソクプロイン誘導体等を挙げることができる。
【0063】
なお、発光層は、通常の有機ELデバイスの発光層と同様に、適宜の成膜法により、適宜の厚みに形成することができ、例えば数十〜200nm程度の厚みとすることができる。
【0064】
発光層は、単一の層で形成してもよく、また、複数の層を積層して形成してもよい。
【0065】
例えば、発光層を単一の層で形成する場合、上記複数の種類の燐光成分は、単一の層に含まれる。一方、発光層を複数の層の積層構造とする場合、単一の層に上記複数の種類の燐光成分をまとめて含ませてもよく、また、発光層の各層に上記複数の種類の燐光成分を別々に含ませてもよい。発光層の各層に上記複数の種類の燐光成分を別々に含ませるとき、発光層の各層のホスト材料は、同一の材料を用いてもよく、このとき、各層の層間に正孔阻止層(正孔ブロック層)を設けると、発光を容易に制御することができる。また、発光層の各層のホスト材料は、各層に含まれる燐光成分の励起3重項エネルギよりも大きな励起3重項エネルギをもつ別々の種類のホスト材料を各層ごとに選択して用いてもよい。
【0066】
以上説明した本実施の形態例に係る有機ELデバイスは、Ir(CFppy)(pic)の燐光発光が主波長成分である青色について高い発光効率を有するとともに、緑色波長も波長成分として含むため、高い発光効率を得ることができる。また、Ir(CFppy)(pic)とともにIr(btp)(acac)やIr(ppy)を含むため、発光合成色として高い発光効率の白色光を得ることができ、また、上記化合物の3重項励起状態からホストへの逆エネルギ移動を抑えることができる。
【0067】
また、本実施の形態例に係る有機ELデバイスは、発光層がホストとして、励起3重項エネルギが2.7eV以上の有機成分を含むため、ホストの励起エネルギをドーパントである上記化合物に転移するときに、効率的に上記化合物を3重項励起状態とすることができる。
【0068】
また、上記本実施の形態例に関わらず、本発明の有機ELデバイスは、発光層がドーパントとして上記Ir(CFppy)(pic)で代表される化合物のみを含み、他の燐光成分を含まないように構成してもよい。これにより、緑色波長成分を含む青色を高い発光効率で発光することができる。
【0069】
つぎに、本実施の形態例に係る有機ELディスプレイについて説明する。
【0070】
本実施の形態例に係る有機ELディスプレイは、上記本実施の形態例に係る白色有機ELデバイスを用い、前記図2(b)に示したデバイスと同様の構成にして、発光層からの発光を放出する側に光の3原色を呈することができる色変換層を設け、または、前記図2(c)に示したデバイスと同様の構成にして、発光層からの発光を放出する側に光の3原色を呈することができるカラーフィルタを設ける。
【0071】
有機ELデバイスに色変換層を設ける場合、色変換層は、それぞれ光の3原色のいずれかの色の発光を得ることができる蛍光色素を例えば高分子樹脂に含む3つの独立した層に形成される。
【0072】
これにより、有機ELデバイスの白色発光中の青色成分や緑色成分で緑や赤色の色変換層を励起して緑色や赤色の発光を得ることができるとともに、さらに、青色成分で緑色の変換層を励起して緑色の発光を得、また、白色発光中の青色成分や緑色成分で赤色の変換層を励起して赤色の発光を得ることができるため、発光効率やカラーバランスを自由に調整することができ、高い発光効率および輝度を有するとともにカラーバランスに優れるフルカラー表示を得ることができる。
【0073】
上記本実施の形態例に関わらず、本発明の有機ELディスプレイは、有機ELデバイスとして上記Ir(CFppy)(pic)で代表される化合物のみをドーパントとして含み、他の燐光成分を含まないように構成したものを用いてもよい。これによっても、上記化合物の発光中の青色成分や緑色成分で赤色の変換層を励起して赤色の発光を得ることができるため、フルカラー表示を得ることができる。
【0074】
一方、本実施の形態例に係る有機ELディスプレイにおいて、有機ELデバイスにカラーフィルタを設ける場合、カラーフィルタそれぞれ光の3原色のいずれかの色成分を透過することができるように着色した3つの独立したフィルタに形成される。
【0075】
これにより、有機ELデバイスの白色発光を各カラーフィルタを透過させることで、緑色および赤色の発光を得ることができるとともに、青色の色純度を上げることができ、高い発光効率および輝度を有するフルカラー表示を得ることができる。
【0076】
また、上記本実施の形態例に係る有機ELディスプレイに関わらず、本発明の有機ELディスプレイは、色変換層やカラーフィルタを設けることなく、上記本実施の形態例に係る白色発光を呈することができる有機ELデバイスを用いてもよく、あるいはまた、上記(Ir(CFppy)(pic)で代表される化合物のみをドーパントとして含み、他の燐光成分を含まないように構成した有機ELデバイスを用いてもよく、それぞれの有機ELデバイスの発光特性を生かした有機ELディスプレイを得ることができる。
【0077】
また、上記本実施の形態例に係る有機ELディスプレイにおいて、画素単位に駆動源として少なくとも2個以上の薄膜トランジスタ(TFT)を設けると、高い発光効率および輝度を有するフルカラーの高速な動画表示を得ることができる。
【0078】
ここで、複数の薄膜トランジスタは、例えば図6に示すように、TFT1はスイッチング作用を有し、TFT2は駆動作用を有する。さらに設けられる他の薄膜トランジスタは、パネル内でのTFT特性のばらつきを補正する作用を有する。なお、図6中、記号OLEDは、有機発光層を有機ダイオードとして表示したものである。
【0079】
このとき、薄膜トランジスタは、低温ポリシリコンやアモルファスシリコンを用いた形成したものであってもよく、また、有機半導体を用いた有機薄膜トランジスタであってもよい。有機半導体材料としては、ペンタセン誘導体、ペリレン誘導体等の低分子系と、ポリフルオレン誘導体、ポリチオフェン誘導体等の高分子系を挙げることができる。低分子系を用いる場合は真空蒸着法により、また、高分子系を用いる場合は塗布法により、それぞれ活性層を形成する。
【0080】
以上説明した本実施の形態例に係る有機ELデバイスあるいはその変形例は、その用途として、例えば省電力の携帯電話やPDA等の情報機器や、あるいは、小型のテレビ、さらには壁掛け大型テレビにも適用することができる有機ELディスプレイについて説明したが、これに限らず、種々の自在な発光色を生かすことができる照明機器等にも適用することができる。
【0081】
【実施例】
実施例を挙げて、本発明をさらに説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
(第1実施例)
ITOがパターン化された透明陽極10を備えるガラス基板12上に、真空蒸着法で、白色発光を呈する、図3に示す有機ELデバイスを形成した。
【0082】
まず、下記式を有する芳香族アミン誘導体(α−NPD)を透明陽極10に40nmの厚みに成膜して正孔輸送層14を形成した。
【0083】
【化8】
Figure 2004281087
つぎに、下記式を有するオキサジアゾール誘導体(OXD−7)をホスト材料して、正孔輸送層14上に前記Ir(CFppy)(pic)を3質量%ドープした層を35nmの厚みに成膜して発光層16を形成し、引き続き、同じくオキサジアゾール誘導体(OXD−7)をホスト材料して、発光層16上に前記Ir(btp)(acac)を8質量%ドープした層を5nmの厚みに成膜して発光層18を形成し、発光層を積層構造とした。
【0084】
【化9】
Figure 2004281087
さらに、下記式を有するキノリノールアルミ錯体誘導体(BAlq)を発光層18に30nmの厚みに成膜して正孔阻止層(正孔ブロック層)20を形成した。この正孔阻止層20は、電子輸送層の機能を兼ねるものである。
【0085】
【化10】
Figure 2004281087
最後に、正孔阻止層20上に、LiFを1nmの厚みに、さらにその上にアルミニウムを150nmの厚みに、それぞれ蒸着し、陰極22を形成した。
【0086】
作製したデバイスは、グローブボックス内で紫外線硬化樹脂とガラス基板で封止した後にグローブボックスから取り出し、特性を評価した。
【0087】
上記デバイスに5Vの電圧を印加することで、白色発光が観察された。この白色発光の発光スペクトルを図4に示す。発光スペクトルは、472nmの波長に最大ピークを有するとともに、510nm、620〜680の波長にも大きなピークを有し、それぞれ、青色燐光成分、緑色燐光成分および赤色燐光成分の混色であることがわかる。得られた白色発光は色度が(0.35,0.34)であり、また、従来の青色の燐光成分の発光効率の最大値である5.7%に比べて顕著に高い、8%の外部発光効率(外部量子効率)が得られた。また、視感度を考慮した発光効率(視感効率)も20cd/Aという高い値が得られた。
【0088】
また、上記デバイスの寿命は、初期輝度100cd/mの条件で比較するとき、従来の3色燐光成分を用いたデバイスよりも50%程度長いことが確認された。
(第2実施例)
上記実施例1と同様の手順で、真空蒸着法により、白色発光を呈する、図5に示す有機ELデバイスを形成した。
【0089】
まず、ガラス基板12に設けられた透明陽極10上に、前記芳香族アミン誘導体(α−NPD)を40nmの厚みに成膜して正孔輸送層14を形成した。
【0090】
つぎに、前記オキサジアゾール誘導体(OXD−7)をホスト材料して、正孔輸送層14上に、前記した青色の燐光発光を呈するIr(CFppy)(pic)を3質量%の濃度でドープした30nmの厚みの層に成膜して発光層24を形成した。
【0091】
引き続き、発光層24上に、緑色の燐光発光を呈する、前記したIr(ppy)を3質量%の濃度でドープした10nmの厚みの層に成膜して発光層26を形成した。
【0092】
さらに、引き続き、発光層26上に、前記Ir(btp)(acac)を8質量%の濃度でドープした5nmの厚みの層に成膜して発光層28を形成した。
【0093】
さらに、前記キノリノールアルミ錯体誘導体(BAlq)を発光層28に30nmの厚みに成膜して正孔阻止層(正孔ブロック層)20を形成した。
【0094】
最後に、正孔阻止層20上に、LiFを1nmの厚みに、さらにその上にアルミニウムを150nmの厚みに、それぞれ蒸着し、陰極22を形成した。
【0095】
作製したデバイスは、グローブボックス内で紫外線硬化樹脂とガラス基板で封止した後にグローブボックスから取り出し、特性を評価した。
【0096】
上記デバイスに6Vの電圧を印加することで、実施例1と同様の白色発光が観察された。この白色発光は、色度が(0.35,0.39)であり、また、10%の高い外部発光効率(外部量子効率)が得られた。また、視感効率も30cd/Aという高い値が得られた。
(実施例3)
第1および第2実施例と異なり、Ir(CFppy)(pic)を3質量%、Ir(ppy)を2質量%およびIr(btp)(acac)を1質量%の比率で同時蒸着でドーピングして発光層を1層のみ形成した。また、陰極はフッ化リチウムとアルミニウムの積層構造とした。これ以外は、実施例1、2と同様の条件で有機デバイスを形成した。
【0097】
作製した有機デバイスは、実施例1、2と同様の性能が得られた。
(実施例4)
前記した図2(c)のように、ガラス基板上に3原色(赤緑青)のカラーフィルタをマトリクス状に形成し、高分子樹脂で平坦化した後、RFマグネトロンスパッタ法でITOを全面に200nmの厚みに成膜した。さらに、このITO膜をエッチング加工して、カラーフィルタ上にITOのラインを残して陽極を形成した。
【0098】
つぎに、カラーフィルタおよび陽極がパターン化されたガラス基板上に、実施例1と同様の手順で、2層の発光層、正孔阻止層および陰極を形成した。
【0099】
作製したデバイスは、グローブボックス内で紫外線硬化樹脂とガラス基板で封止した後にグローブボックスから取り出し、特性を評価した。
【0100】
上記デバイスに5Vの電圧を印加することで、3色のカラーフィルタを通して3色の発光色が観察された。このデバイスを線順次駆動することでフルカラーの動画画像を表示することができた。カラーフィルタを通した後の外部発光効率は、青色で5%、緑色で8%、赤色で5%であり、従来の蛍光発光体を利用した有機ELディスプレイや、報告されている従来の燐光発光を利用した有機ELディスプレイに比べて、青色での大幅に高い外部発光効率を得ることができた。
(実施例5)
前記した図2(b)のように、ガラス基板上に3原色(赤緑青)の色変換層フォトリソプロセスでマトリクス状に形成し、高分子樹脂で平坦化した後、RFマグネトロンスパッタ法でITOを全面に200nmの厚みに成膜した。さらに、このITO膜をエッチング加工して、カラーフィルタ上にITOのラインを残して陽極を形成した。
【0101】
つぎに、色変換層および陽極がパターン化されたガラス基板上に、実施例1と同様の手順で、2層の発光層、正孔阻止層および陰極を形成した。
【0102】
作製したデバイスは、グローブボックス内で紫外線硬化樹脂とガラス基板で封止した後にグローブボックスから取り出し、特性を評価した。
【0103】
上記デバイスに5Vの電圧を印加することで、3色の色変換層を通して3色の発光色が観察された。このデバイスを線順次駆動することでフルカラーの動画画像を表示することができた。色変換層を通したときの外部発光効率は、青色で6%、緑色で8%、赤色で5%であり、従来の蛍光発光を利用した有機ELディスプレイや報告されている従来の燐光発光を利用した有機ELディスプレイに比べても、青色での大幅に高い外部発光効率を得ることができた。
【0104】
【発明の効果】
本発明に係る有機ELデバイスによれば、1対の電極と1対の電極間に挟まれる発光層とを備え、発光層がドーパントとして、燐光成分である下記の一般式を有する化合物を含むため、高い発光効率を得ることができる。
【0105】
【化11】
Figure 2004281087
また、本発明に係る有機ELディスプレイによれば、上記の有機ELデバイスの発光層からの発光を放出する側に光の3原色を呈することができる色変換層が設けられてなるため、簡易な素子構成で、緑色および赤色についても高い発光効率を得ることができ、フルカラー表示を行うことができる。
【0106】
また、本発明に係る有機ELデバイスによれば、発光層がドーパントとして、上記化合物とともに発光するときに合成色として白色を呈することができる、少なくとも1種類または2種類以上の燐光成分化合物をさらに含むため、高い発光効率の白色光を得ることができる。
【0107】
また、本発明に係る有機ELディスプレイによれば、上記の有機ELデバイスの発光層からの発光を放出する側に光の3原色を呈することができる色変換層が設けられてなると、発光効率やカラーバランスの調整の自由度が増し、より望ましいフルカラー表示を得ることができる。
【0108】
また、本発明に係る有機ELディスプレイによれば、上記の有機ELデバイスの発光層からの発光を放出する側に光の3原色を呈することができるカラーフィルタが設けられてなるため、カラーフィルタを設けない場合に比べて青色の純度を上げることができる。
【0109】
また、本発明に係る有機ELデバイスによれば、発光層がホストとして、励起3重項エネルギが2.7eV以上の有機成分を含むため、効率的に上記化合物を3重項励起状態とすることができる。また、逆に、上記化合物からホストへの逆エネルギ移動を抑えることができ、効率的な発光が可能となる。
【0110】
また、本発明に係る有機ELディスプレイによれば、画素単位に駆動源として少なくとも2個以上の薄膜トランジスタが設けられてなるため、高速の動画表示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機ELデバイスの概略構成を示す図であり、(a)および(b)は、広義の発光層の構成の異なる2例を示す。
【図2】白色発光可能な有機ELディスプレイの概略構成を示す図であり、(a)は発光層自体が3色発光可能な3つの分離層で構成される例を、(b)は単一の発光層に3色の色変換層を設けた例を、(c)は単一の発光層に3色のカラーフィルタを設けた例を、それぞれ示す。
【図3】第1実施例の有機ELデバイスの概略構成を示す図である。
【図4】第1実施例の有機ELデバイスの発光スペクトルを示す図である。
【図5】第2実施例の有機ELデバイスの概略構成を示す図である。
【図6】本実施の形態例に係る有機ELディスプレイの駆動回路の1画素分の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 透明陽極
12 ガラス基板
14 正孔輸送層
16、18、24、26、28 発光層
20 正孔阻止層
22 陰極

Claims (9)

  1. 1対の電極と該1対の電極間に挟まれる発光層とを備え、該発光層がドーパントとして、燐光成分である下記の一般式を有する化合物を含むことを特徴とする有機ELデバイス。
    Figure 2004281087
  2. 発光層がドーパントとして、前記化合物とともに発光するときに合成色として白色を呈することができる、少なくとも1種類または2種類以上の燐光成分化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の有機ELデバイス。
  3. 発光層がドーパントとして、前記化合物とともに発光するときに合成色として白色を呈することができる、少なくとも1種類または2種類以上の蛍光成分化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の有機ELデバイス。
  4. 前記発光層がホストとして、励起3重項エネルギが2.7eV以上の有機成分を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機ELデバイス。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機ELデバイスを有することを特徴とする有機ELディスプレイ。
  6. 請求項1記載の有機ELデバイスの前記発光層からの発光を放出する側に光の3原色を呈することができる色変換層が設けられてなることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  7. 請求項2または3記載の有機ELデバイスの前記発光層からの発光を放出する側に光の3原色を呈することができる色変換層が設けられてなることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  8. 請求項2または3記載の有機ELデバイスの前記発光層からの発光を放出する側に光の3原色を呈することができるカラーフィルタが設けられてなることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  9. 画素単位に駆動源として少なくとも2個以上の薄膜トランジスタが設けられてなることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイ。
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