JP2004276396A - 頭出し位置ずれの補正量算出方法及び印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷装置の駆動系の個体差や経時的変化を伴う駆動系の磨耗量によって変化するバックラッシュ量を正確に把握して、印刷用紙の搬送動作時におけるバックラッシュ誤差を補正するための補正量を算出する方法と装置を提供する。
【解決手段】マークを検出するまで印刷用紙を正方向に搬送してマーク前端を検出する(ステップS101〜S104)。次にマーク位置から駆動パルス数Aに相当する距離だけ、印刷用紙をさらにそのまま正方向に搬送して停止する(ステップS105、S106)。その後、その位置から、駆動パルス数をカウントしながら、マーク前端を検出するまで逆方向に印刷用紙を搬送する(ステップS107、S108)。次に駆動パルス数Aからカウントしたパルス数Bの差を補正量として算出して、記憶する(S109〜S111)。これにより上記課題を達成する。
【選択図】 図5
【解決手段】マークを検出するまで印刷用紙を正方向に搬送してマーク前端を検出する(ステップS101〜S104)。次にマーク位置から駆動パルス数Aに相当する距離だけ、印刷用紙をさらにそのまま正方向に搬送して停止する(ステップS105、S106)。その後、その位置から、駆動パルス数をカウントしながら、マーク前端を検出するまで逆方向に印刷用紙を搬送する(ステップS107、S108)。次に駆動パルス数Aからカウントしたパルス数Bの差を補正量として算出して、記憶する(S109〜S111)。これにより上記課題を達成する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷装置(プリンタ)に関するものであり、特に正逆反転して印刷用紙を搬送する際に生じるバックラッシュによる搬送位置のずれを精度良く補正するための補正量の算出方法及びこのような補正が可能な印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラベル紙、その他所定の印刷フォームを有する印刷用紙では、正確な位置に印刷を行なうために印刷開始時に印刷用紙の位置決め(本明細書ではこのような印刷用紙の位置決めを「頭出し」と称する)を行っている。特に、ラベル紙、マーク付き印刷用紙及び普通紙を含む複数の種類の連続印刷用紙に印刷する印刷装置において印刷用紙を交換する場合には、前方に印刷用紙が引き出された状態でセットされることがある。このような場合には、印刷用紙を無駄にしないために、前方に引き出された印刷用紙を逆方向に搬送して、頭出しをすることが求められる。しかし、このように正方向から逆方向に搬送方向を反転して、所定の長さを搬送することで印刷用紙の頭出しを行うと、ギヤのバックラッシュ等における駆動系のガタによって、頭出し位置がずれてしまう。このようなバックラッシュは、正方向から逆方向、又は逆方向から正方向へ搬送方向を逆転するときに発生する。
【0003】
そこで、従来技術では、固定の補正量を用いて上記位置ずれを補正している(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平7−30721号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような位置ずれの量は、印刷装置のギヤ等を含む駆動系の個体差や磨耗量によって異なるため、固定の補正量を用いた補正では、精度良く頭出し位置を補正することが困難であった。また、上記磨耗量は、経時的変化を伴うため、固定値では、対応できなくなる恐れがある。
【0006】
そこで、本発明は、印刷装置の駆動系の個体差や経時的変化を伴う駆動系の磨耗量によって変化するバックラッシュ量を正確に把握し、これに基づいて適正な頭出し位置を定める補正量を算出する補正量算出方法及び補正量を算出可能な印刷装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、印刷装置の駆動系の個体差や経時的変化を伴う駆動系の磨耗量によって変化するバックラッシュ量を実測し、これに基づいて適正な頭出し位置補正量を算出することにより上記課題を達成するものである。
【0008】
本発明の一態様に係る補正量算出方法は、印刷装置の印刷用紙の頭出し位置を設定する際に生ずる位置ずれ量を補正する補正量の算出方法であって、(a)印刷装置内の搬送路に沿って、印刷用紙を正方向または逆方向に搬送し、印刷用紙に対してマーク検知のために照射する光の透過光又は反射光のレベルを搬送中に検知し、マークの検出を行う工程と、(b)マークを検出した後、印刷用紙をその搬送した方向に所定の紙送り量を搬送する工程と、(c)前記印刷用紙を工程(b)と逆方向に搬送し、前記マークを検出するまでの紙送り量を算出する工程と、(d)(b)工程による所定の紙送り量と(c)工程による紙送り量の差分量から補正量を算出する工程とを備えたことを特徴とする。本態様では、マークを検出した位置から所定の距離だけ離れている位置の間を往復搬送することで、行きと帰りの差分量から補正量を算出する。適時、補正量を算出することにより印刷装置のギヤ等を含む駆動系の個体差や磨耗等による経時的変化に対応できる。
【0009】
本発明の他の態様に係る補正量算出方法は、(a)工程において、現在位置がマークを基準に、マークの周期長の半分の長さ以上または以下の位置にあるかによって、印刷用紙を正方向に搬送するか逆方向に搬送するかを判断する工程を備えたことを特徴とする。マークを検出するにあたって、現在位置から近い方のマークを検出することができ、処理時間を短縮することが可能である。
【0010】
本発明の他の態様に係る補正量算出方法は、前記(a)工程において、始めから前記マークが検知センサ上にある場合には、検知状態から非検知状態の変化を検出することにより、前記マークの検出を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明の他の態様に係る補正量算出方法は、印刷用紙がレシート印刷用紙である場合に、マークとなる領域を予め印刷する工程を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の他の態様に係る補正量算出方法は、印刷用紙の交換時及び/または電源投入時に補正量の算出を開始する工程を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の他の態様に係る補正量算出方法は、外部からの指令により補正量の算出を開始する工程を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様に係る印刷装置は、印刷用紙の頭出し位置を設定する際に生ずる位置ずれ量を補正する補正量を算出する印刷装置であって、連続状の印刷用紙に印刷する印刷部と、印刷用紙を正方向及び逆方向に搬送する搬送部と、印刷用紙のマーク位置を検出する位置検出部と、マーク位置から前記印刷用紙を所定の紙送り量だけ正方向または逆方向に搬送し、さらにその搬送方向と逆方向にマーク位置まで搬送したときの紙送り量との差分量を算出する補正量算出部と、各部の全体の制御を行う制御部とを備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様に係るプログラムは、印刷装置により印刷用紙の頭出し位置を設定する際に生ずる位置ずれ量を補正する補正量を算出するプログラムであって、(a)印刷装置内の搬送路に沿って、印刷用紙を正方向または逆方向に搬送し、印刷用紙に対してマーク検出のために照射する光の透過光又は反射光のレベルを搬送中に検知し、マークの検出を行う工程と、(b)マークを検出した後、印刷用紙を搬送した方向に所定の紙送り量を搬送する工程と、(c)前記印刷用紙を工程(b)と逆方向に搬送し、前記マークを検出するまでの紙送り量を算出する工程と、(d)(b)工程による所定の紙送り量と(c)工程による紙送り量の差分量から補正量を算出する工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る印刷装置を説明するための概略断面図である。
【0018】
印刷装置10は、印刷ヘッド11、プラテンローラ12、オートカッタ13、位置検知器14、蓋体15、筐体17及び印刷用紙排出口18、搬送路22、各種の搬送ローラ(図示せず)等を備えている。搬送路22内の印刷ヘッド11及びプラテンローラ12の上流近傍には、ロール紙20のマークを検知する位置検知器14が配置されている。位置検知器14は、ブラックマークを付したマーク付印刷用紙のマーク、またはラベル紙におけるラベル台紙の境界等を検知するための反射型または透過型発光素子、及び受光素子とにより構成することができる。印刷ヘッド11及びプラテンローラ12の下流側には、オートカッタ13及び印刷用紙排出口18が設けられている
図2は、本発明に係る印刷装置10の機能ブロック図である。印刷装置10は、印刷装置10の動作を制御するホスト装置との接続インタフェイス(I/F)31、ホスト装置とデータの送受信を行なうデータ送受信部32、印刷動作を行う印刷制御部34及び印刷機構35、印刷用紙を搬送する搬送制御部36及び搬送機構37、位置検知器14、バックラッシュの誤差を補正するための補正量算出部39、及びこれらの各部を制御する制御部33とを備えている。
【0019】
データ送受信部32、制御部33、印刷制御部34、搬送制御部36、補正量算出部39は、ハードウェアロジックにより構成することも可能であるが、一般的には、CPU、RAM、ROM、及びこれらに記憶されたソフトウェア、その他のロジック回路等により構成される。印刷機構35は、印刷ヘッド11を含んでいる。搬送機構は、搬送路22、プラテンローラ12、搬送ローラ(図示せず)、オートカッタ13等から構成される。位置検知器14は、光学センサ、超音波センサ等の各種センサを用いることができるが、本明細書では、光学センサを用いるものとして説明する。
【0020】
印刷装置10で使用するロール紙20は、ラベル紙、マーク付き印刷用紙及び普通紙を含む複数種類の連続印刷用紙を使用できる。ラベル紙は、連続状の台紙に所定の長さのラベルが所定の間隔(周期長)で複数貼着された状態で、ロール状に巻かれたものである。マーク付印刷用紙は、用紙の一側部に複数のブラックマーク(以下「マーク」と称する)が周期的に付されており、ロール状に巻かれたものである。さらに、普通紙は、マークの付されていない連続用紙がロール状に巻かれたものである。普通紙に、印刷ヘッド11によりマークを印刷することにより、マークつき印刷用紙として使用することも可能である。
【0021】
動作について説明する。
【0022】
印刷用紙の交換時には、ロール紙20は筐体17内に装填される。ロール紙20が装填されると、その先端部21が搬送制御部36の制御の下、搬送機構37により搬送方向23の方向に搬送路22内の所定の印刷位置まで搬送される。ロール紙20から引き出された印刷用紙には、印刷制御部34の制御により印刷機構35により所定の情報が印刷される。印刷された印刷用紙は、排出口18方向に搬送され、マニュアルにより又はオートカッタ13により切断されて印刷用紙排出口18から排出される。
【0023】
以上のような印刷動作に当っては、印刷用紙上の決められた位置に所定の情報を正確に印刷する必要がある。そのため、ロール紙の交換時及び電源投入時等に、印刷用紙を正しい印刷開始位置に配置させるための位置調整(頭出し)が行なわれる。この位置調整のための印刷用紙の頭だしは、マーク位置を基準にして、印刷用紙を印刷ヘッドの前後に搬送することにより行なわれる。マークの位置は、位置検知器14によって検知される。位置検知器14から出力される位置検知信号は制御部33に送信され、頭出し等の印刷用紙の搬送制御情報として制御部33から搬送制御部36及び補正量算出部36に出力される。
【0024】
印刷用紙の搬送は搬送ローラ(図示せず)を回転駆動することにより行なわれる。頭だしの際には、印刷用紙は正方向又は逆方向に搬送される。搬送ローラは、駆動源からギヤ等を用いて回転駆動されるため、搬送方向が正方向又は逆方向に反転すると、ギヤ等のバックラッシュにより搬送量に誤差が生じる。この誤差を、補正量により調整しなければならない。しかし、この誤差は、搬送機構の個体差及び稼動年数等の経年変化による変動等のために、個々の印刷装置毎に異なる。そのため、本発明の印刷装置では、その時点における個々の印刷装置10のバックラッシュ量にあわせて、適宜正しい補正量に更新することにより、正確な頭出し及び搬送制御を行う。
【0025】
以下、補正量の算出動作及び算出手順を、図3乃至図5を用いて説明する。以下の補正量算出動作は、補正量算出部39及び制御33の制御の下、搬送制御部36及び搬送機構37により印刷用紙を搬送することにより行なわれる。
【0026】
図3は、位置検知器14がマーク51とマーク52の中間位置にある場合に、補正量を算出するために印刷用紙50がどのように搬送されるかを示す図である。
図3(1)は、位置検知器14がマーク51とマーク52の中間位置にある状態を示している。この場合には、まずマーク52の上端を検出するまで、印刷用紙50が正方向(矢印▲1▼方向)に搬送する(図3(2))。マーク52の上端を検出すると、そこからさらに正方向(矢印▲2▼方向)に所定の距離αだけ搬送する(図3(3))。所定の距離αは補正量算出部39に、搬送モータの駆動パルスの数として予め記憶された値(このパルス数を「A」とする)である。このように、マーク52の先端部を検知してからさらに正方向に搬送する場合には、それ以前の搬送方向と同方向の搬送であるので、この正方向の搬送ではバックラッシュは起こらない。したがって、印刷用紙50は駆動パルスに応じて正確に搬送される。
【0027】
次に印刷用紙50は、逆方向(矢印▲3▼方向)に、マーク52の上端を検出するまで搬送する(図3(4))。この矢印▲3▼方向の搬送時には、マーク52の上端を検出するまでの駆動パルスの数がカウントされる(駆動パルスのカウント数が「B」であるものとする)。図3(2)から図3(3)の位置までの搬送距離も、図3(3)から図3(4)の位置までの搬送距離は、どちらもマークの上端を基準にして搬送しているので、いずれも同じ距離αである。しかし、図3(3)から図3(4)の位置までの搬送では、搬送方向が正方向(矢印▲2▼方向)から逆方向(矢印▲3▼方向)へ反転しているので、バックラッシュが発生する。そのため駆動パルス数「B」は「A」より多い数となっている。したがって、搬送方向が反転する場合には、駆動パルスをその差分だけ多く出力して、バックラッシュを補正する必要がある。この差分である|A―B|がバックラッシュ補正量となる。
【0028】
図4は、位置検知器14がマーク51の上にある場合に、補正量算出のために印刷用紙50がどのように搬送されるかを示す図である。
【0029】
図4(1)は、位置検知器14がマーク上にある状態を示す図である。位置検知器14がマーク上にあるかどうかは、位置検知センサの出力信号で判断する。この場合には、まず逆方向(矢印▲1▼の方向)に少なくともマークの幅以上の距離だけ搬送する(図4(2))。以降は、図3の場合と同様の動作を行う。すなわち、印刷用紙を正方向(矢印▲2▼の方向)に搬送して、マークの上端を検出する(図4(3))。マーク52の上端を検出すると、そこからさらに補正量算出部39に記憶した駆動パルス数「A」に基づいて、正方向(矢印▲3▼方向)に所定の距離αだけ搬送する(図4(4))。この場合には、前述したようにバックラッシュは起こらない。したがって、印刷用紙50は駆動パルスに応じて正確に搬送される。
【0030】
次に印刷用紙50は、逆方向(矢印▲4▼方向)に、マーク52の上端を検出するまで搬送する(図4(5))。この矢印▲4▼方向の搬送時には、マーク52の上端を検出するまでの駆動パルスの数がカウントされる(駆動パルスのカウント数は同様に「B」であるものとする)。前述の通り、この逆方向の搬送は、搬送方向が正方向から逆方向へ反転しているので、バックラッシュが発生する。そのため駆動パルス数「B」は「A」より少ない数となっている。したがって、図3と同様に|A―B|が補正量となる。
【0031】
図5、頭出し補正量を算出する処理の手順を示すフローチャートである。
【0032】
以下に説明するような補正量の算出は、通常、電源投入直後、印刷用紙の交換時に行われる。
【0033】
まず、補正量算出手段により、位置検知器14がマーク51、52を検出している状態かどうかが確認される(S101)。マークを検出していない場合(マークとマークの中間にいる場合)には(S102;No)、まず、搬送機構37により印刷用紙50が正方向に搬送される(S103)。正方向への搬送はマーク前端を検知するまで続けられる(S104;No、S103)。マーク前端を検知すると(S104;Yes)、所定距離αを搬送するための駆動パルス数値を読み出して搬送制御部36に設定し、印刷用紙50を正方向へ搬送する(S105)。印刷用紙50は、所定の駆動パルス「A」に相当する距離だけ正方向に搬送される(S106;No)。
【0034】
印刷用紙50が駆動パルス「A」に相当する距離だけ搬送をされると(S106;Yes)、次に印刷用紙を逆方向に搬送する。この逆方向の搬送では、補正量算出手段により駆動パルス数をカウントする(S107)。逆方向の搬送は、マーク前端を検出するまで続けられる(S108;No)。マーク前端を検出すると(S108;Yes)、逆方向搬送中にカウントしたパルス数「B」を記憶する(S109)。次に所定の距離αを搬送する駆動パルス数「A」とカウントした駆動パルス数「B」との差から、バックラッシュによる誤差を算出する(S110)。この駆動パルス数の差|A―B|をバックラッシュ補正量として記憶する(S111)。
【0035】
位置検知器14がマーク上にある場合(S102;Yes)、少なくともマーク51、52の幅以上の距離、印刷用紙50を逆方向に搬送して、マーク51又は52を上流方向に移動させる。その後は、マークを検出していないときと同様の処理により、バックラッシュ補正量を算出し、記憶する。
【0036】
なお、経時的変化に対応させるには、過去に取得した補正量と新規に取得した補正量を完全に入れかえるのではなく、前回を含めた数回分の平均値を補正量とすることも可能である。これにより、偶然に起こった異常事態等により、誤った補正量が適用されることを防止することが可能となる。
【0037】
頭出し等の搬送動作の際に、バックラッシュが問題となる場合には駆動パルスにこの補正量を加算してバックラッシュによる誤差を補正する。
【0038】
補正量算出処理の開始タイミングについて説明する。補正量算出処理は、通常、電源投入直後における自己診断ルーチン内、または、印刷用紙交換時にイニシャライズルーチン内で開始する。この場合、補正量算出処理は、自動的にまたはオペレータの操作によって実行することができるように構成することも可能である。補正量算出処理のタイミングを変更することができるように構成することも可能である。
【0039】
さらに、ホストコンピュータからの補正量の算出を要求するコマンドを受け付けたときに、補正量算出処理を実行するよう構成することも可能である。これにより、ホストコンピュータからのコマンドにより、適時、補正量を得ることができ、また、電源投入時に自動的に補正量を得ることが可能であるため、ユーザの操作の軽減を図る効果もある。
【0040】
上記のようなタイミングで補正量算出処理を開始させることで、出荷時における個々の印刷装置の個体差や、出荷後における時間経過とともに発生する、機械系の磨耗等によるバックラッシュの変化量に対応して、個々の印刷装置ごとの補正量を算出することが可能となる。また、印刷装置の出荷時において上記処理を行うことにより、出荷台数全てに対して一度に補正量を算出することが可能となる。これにより、個体差に応じた補正量を設定して出荷することが可能となる。
【0041】
本発明は、ラベル紙やマーク紙だけではなく、レシート等の普通紙の場合にも適用可能である。この場合の補正量算出について説明する。レシートには、通常、光を照射し、その反射光または透過光を検出しても、そのレベル差を発生させる位置の基準となるものが存在しない。それゆえ、基準となるマークの代用が必要である。位置検知器14の光学センサが通過する場所に印刷ヘッド11により自らマークを印刷し、印刷したマークを基準位置として補正量算出を行う。このようにマークを印刷する場合、位置検知器14の光学センサは、印刷ヘッド近傍の上流の部分に存在するため、上記印刷したマークの位置が予め判っている。そのため、印刷後に逆方向に搬送してマークを検出するだけで補正量を算出することができる。位置検知器14は、図1と同様に、印刷ヘッドの上流に設けられている場合、まず、印刷用紙上に印刷ヘッド11によりマークを印刷する。次に、印刷したマークを検出するため、印刷したマークが位置検知器14を通過するまで、レシートを逆方向に搬送する。その後は、前述した処理手順にしたがって補正量を算出する。このように、マークが付されていないレシートを用いても、補正量を算出することが可能である。
【0042】
尚、以上の説明では、補正量を算出するためにマークの前端を検出する例を示したが、マーク後端を検出することにより、補正量を算出することも可能である。また、印刷用紙をマーク端から所定の距離αだけ逆方向に搬送した後、搬送方向を逆転し、マーク端を検出するまで正方向に搬送して補正量を検出するよう構成することも可能である。さらに、位置検知器14がマーク上にある場合に、まず正方向に搬送して、位置検知器14をマーク以外の位置に移動させた後、補正量を算出するように構成することも可能である。
【0043】
上記の実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものによって置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0044】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明は、印刷装置の駆動系の個体差や経時的変化を伴う駆動系の磨耗量によって変化するバックラッシュ量を実測し、その実測値に基づいて補正量を算出する方法及び装置を提供する。これにより、頭出し位置その他、印刷用紙の搬送時における位置ずれを正確に補正することが可能となった。
【0045】
また、本発明によると、ラベル紙、マーク付き印刷用紙及び普通紙を含む複数の種類の連続印刷用紙にも対応した適切な頭出し位置を定めるための補正量を算出することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る印刷装置を説明するための概略断面図。
【図2】本発明に係る印刷装置の機能ブロック図。
【図3】位置検知器がマークとマークの中間位置にある場合に、補正量算出のために印刷用紙がどのように搬送されるかを示す図。
【図4】位置検知器がマークの上にある場合に、補正量算出のために印刷用紙がどのように搬送されるかを示す図。
【図5】頭出し補正量を算出する処理の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10 印刷装置、 11 印刷ヘッド、
12 プラテンローラ、 13 オートカッタ、
14 位置検知器、 15 蓋体、
17 筐体、 18 印刷用紙排出口、
20 ロール紙、 21 先端部、
22 搬送路、 32 データ送受信部、
33 制御部、 34 印刷制御部
35 印刷機構 36 搬送制御部
37 搬送機構、 39 補正量算出部、
50 印刷用紙
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷装置(プリンタ)に関するものであり、特に正逆反転して印刷用紙を搬送する際に生じるバックラッシュによる搬送位置のずれを精度良く補正するための補正量の算出方法及びこのような補正が可能な印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラベル紙、その他所定の印刷フォームを有する印刷用紙では、正確な位置に印刷を行なうために印刷開始時に印刷用紙の位置決め(本明細書ではこのような印刷用紙の位置決めを「頭出し」と称する)を行っている。特に、ラベル紙、マーク付き印刷用紙及び普通紙を含む複数の種類の連続印刷用紙に印刷する印刷装置において印刷用紙を交換する場合には、前方に印刷用紙が引き出された状態でセットされることがある。このような場合には、印刷用紙を無駄にしないために、前方に引き出された印刷用紙を逆方向に搬送して、頭出しをすることが求められる。しかし、このように正方向から逆方向に搬送方向を反転して、所定の長さを搬送することで印刷用紙の頭出しを行うと、ギヤのバックラッシュ等における駆動系のガタによって、頭出し位置がずれてしまう。このようなバックラッシュは、正方向から逆方向、又は逆方向から正方向へ搬送方向を逆転するときに発生する。
【0003】
そこで、従来技術では、固定の補正量を用いて上記位置ずれを補正している(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平7−30721号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような位置ずれの量は、印刷装置のギヤ等を含む駆動系の個体差や磨耗量によって異なるため、固定の補正量を用いた補正では、精度良く頭出し位置を補正することが困難であった。また、上記磨耗量は、経時的変化を伴うため、固定値では、対応できなくなる恐れがある。
【0006】
そこで、本発明は、印刷装置の駆動系の個体差や経時的変化を伴う駆動系の磨耗量によって変化するバックラッシュ量を正確に把握し、これに基づいて適正な頭出し位置を定める補正量を算出する補正量算出方法及び補正量を算出可能な印刷装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、印刷装置の駆動系の個体差や経時的変化を伴う駆動系の磨耗量によって変化するバックラッシュ量を実測し、これに基づいて適正な頭出し位置補正量を算出することにより上記課題を達成するものである。
【0008】
本発明の一態様に係る補正量算出方法は、印刷装置の印刷用紙の頭出し位置を設定する際に生ずる位置ずれ量を補正する補正量の算出方法であって、(a)印刷装置内の搬送路に沿って、印刷用紙を正方向または逆方向に搬送し、印刷用紙に対してマーク検知のために照射する光の透過光又は反射光のレベルを搬送中に検知し、マークの検出を行う工程と、(b)マークを検出した後、印刷用紙をその搬送した方向に所定の紙送り量を搬送する工程と、(c)前記印刷用紙を工程(b)と逆方向に搬送し、前記マークを検出するまでの紙送り量を算出する工程と、(d)(b)工程による所定の紙送り量と(c)工程による紙送り量の差分量から補正量を算出する工程とを備えたことを特徴とする。本態様では、マークを検出した位置から所定の距離だけ離れている位置の間を往復搬送することで、行きと帰りの差分量から補正量を算出する。適時、補正量を算出することにより印刷装置のギヤ等を含む駆動系の個体差や磨耗等による経時的変化に対応できる。
【0009】
本発明の他の態様に係る補正量算出方法は、(a)工程において、現在位置がマークを基準に、マークの周期長の半分の長さ以上または以下の位置にあるかによって、印刷用紙を正方向に搬送するか逆方向に搬送するかを判断する工程を備えたことを特徴とする。マークを検出するにあたって、現在位置から近い方のマークを検出することができ、処理時間を短縮することが可能である。
【0010】
本発明の他の態様に係る補正量算出方法は、前記(a)工程において、始めから前記マークが検知センサ上にある場合には、検知状態から非検知状態の変化を検出することにより、前記マークの検出を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明の他の態様に係る補正量算出方法は、印刷用紙がレシート印刷用紙である場合に、マークとなる領域を予め印刷する工程を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の他の態様に係る補正量算出方法は、印刷用紙の交換時及び/または電源投入時に補正量の算出を開始する工程を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の他の態様に係る補正量算出方法は、外部からの指令により補正量の算出を開始する工程を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様に係る印刷装置は、印刷用紙の頭出し位置を設定する際に生ずる位置ずれ量を補正する補正量を算出する印刷装置であって、連続状の印刷用紙に印刷する印刷部と、印刷用紙を正方向及び逆方向に搬送する搬送部と、印刷用紙のマーク位置を検出する位置検出部と、マーク位置から前記印刷用紙を所定の紙送り量だけ正方向または逆方向に搬送し、さらにその搬送方向と逆方向にマーク位置まで搬送したときの紙送り量との差分量を算出する補正量算出部と、各部の全体の制御を行う制御部とを備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様に係るプログラムは、印刷装置により印刷用紙の頭出し位置を設定する際に生ずる位置ずれ量を補正する補正量を算出するプログラムであって、(a)印刷装置内の搬送路に沿って、印刷用紙を正方向または逆方向に搬送し、印刷用紙に対してマーク検出のために照射する光の透過光又は反射光のレベルを搬送中に検知し、マークの検出を行う工程と、(b)マークを検出した後、印刷用紙を搬送した方向に所定の紙送り量を搬送する工程と、(c)前記印刷用紙を工程(b)と逆方向に搬送し、前記マークを検出するまでの紙送り量を算出する工程と、(d)(b)工程による所定の紙送り量と(c)工程による紙送り量の差分量から補正量を算出する工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る印刷装置を説明するための概略断面図である。
【0018】
印刷装置10は、印刷ヘッド11、プラテンローラ12、オートカッタ13、位置検知器14、蓋体15、筐体17及び印刷用紙排出口18、搬送路22、各種の搬送ローラ(図示せず)等を備えている。搬送路22内の印刷ヘッド11及びプラテンローラ12の上流近傍には、ロール紙20のマークを検知する位置検知器14が配置されている。位置検知器14は、ブラックマークを付したマーク付印刷用紙のマーク、またはラベル紙におけるラベル台紙の境界等を検知するための反射型または透過型発光素子、及び受光素子とにより構成することができる。印刷ヘッド11及びプラテンローラ12の下流側には、オートカッタ13及び印刷用紙排出口18が設けられている
図2は、本発明に係る印刷装置10の機能ブロック図である。印刷装置10は、印刷装置10の動作を制御するホスト装置との接続インタフェイス(I/F)31、ホスト装置とデータの送受信を行なうデータ送受信部32、印刷動作を行う印刷制御部34及び印刷機構35、印刷用紙を搬送する搬送制御部36及び搬送機構37、位置検知器14、バックラッシュの誤差を補正するための補正量算出部39、及びこれらの各部を制御する制御部33とを備えている。
【0019】
データ送受信部32、制御部33、印刷制御部34、搬送制御部36、補正量算出部39は、ハードウェアロジックにより構成することも可能であるが、一般的には、CPU、RAM、ROM、及びこれらに記憶されたソフトウェア、その他のロジック回路等により構成される。印刷機構35は、印刷ヘッド11を含んでいる。搬送機構は、搬送路22、プラテンローラ12、搬送ローラ(図示せず)、オートカッタ13等から構成される。位置検知器14は、光学センサ、超音波センサ等の各種センサを用いることができるが、本明細書では、光学センサを用いるものとして説明する。
【0020】
印刷装置10で使用するロール紙20は、ラベル紙、マーク付き印刷用紙及び普通紙を含む複数種類の連続印刷用紙を使用できる。ラベル紙は、連続状の台紙に所定の長さのラベルが所定の間隔(周期長)で複数貼着された状態で、ロール状に巻かれたものである。マーク付印刷用紙は、用紙の一側部に複数のブラックマーク(以下「マーク」と称する)が周期的に付されており、ロール状に巻かれたものである。さらに、普通紙は、マークの付されていない連続用紙がロール状に巻かれたものである。普通紙に、印刷ヘッド11によりマークを印刷することにより、マークつき印刷用紙として使用することも可能である。
【0021】
動作について説明する。
【0022】
印刷用紙の交換時には、ロール紙20は筐体17内に装填される。ロール紙20が装填されると、その先端部21が搬送制御部36の制御の下、搬送機構37により搬送方向23の方向に搬送路22内の所定の印刷位置まで搬送される。ロール紙20から引き出された印刷用紙には、印刷制御部34の制御により印刷機構35により所定の情報が印刷される。印刷された印刷用紙は、排出口18方向に搬送され、マニュアルにより又はオートカッタ13により切断されて印刷用紙排出口18から排出される。
【0023】
以上のような印刷動作に当っては、印刷用紙上の決められた位置に所定の情報を正確に印刷する必要がある。そのため、ロール紙の交換時及び電源投入時等に、印刷用紙を正しい印刷開始位置に配置させるための位置調整(頭出し)が行なわれる。この位置調整のための印刷用紙の頭だしは、マーク位置を基準にして、印刷用紙を印刷ヘッドの前後に搬送することにより行なわれる。マークの位置は、位置検知器14によって検知される。位置検知器14から出力される位置検知信号は制御部33に送信され、頭出し等の印刷用紙の搬送制御情報として制御部33から搬送制御部36及び補正量算出部36に出力される。
【0024】
印刷用紙の搬送は搬送ローラ(図示せず)を回転駆動することにより行なわれる。頭だしの際には、印刷用紙は正方向又は逆方向に搬送される。搬送ローラは、駆動源からギヤ等を用いて回転駆動されるため、搬送方向が正方向又は逆方向に反転すると、ギヤ等のバックラッシュにより搬送量に誤差が生じる。この誤差を、補正量により調整しなければならない。しかし、この誤差は、搬送機構の個体差及び稼動年数等の経年変化による変動等のために、個々の印刷装置毎に異なる。そのため、本発明の印刷装置では、その時点における個々の印刷装置10のバックラッシュ量にあわせて、適宜正しい補正量に更新することにより、正確な頭出し及び搬送制御を行う。
【0025】
以下、補正量の算出動作及び算出手順を、図3乃至図5を用いて説明する。以下の補正量算出動作は、補正量算出部39及び制御33の制御の下、搬送制御部36及び搬送機構37により印刷用紙を搬送することにより行なわれる。
【0026】
図3は、位置検知器14がマーク51とマーク52の中間位置にある場合に、補正量を算出するために印刷用紙50がどのように搬送されるかを示す図である。
図3(1)は、位置検知器14がマーク51とマーク52の中間位置にある状態を示している。この場合には、まずマーク52の上端を検出するまで、印刷用紙50が正方向(矢印▲1▼方向)に搬送する(図3(2))。マーク52の上端を検出すると、そこからさらに正方向(矢印▲2▼方向)に所定の距離αだけ搬送する(図3(3))。所定の距離αは補正量算出部39に、搬送モータの駆動パルスの数として予め記憶された値(このパルス数を「A」とする)である。このように、マーク52の先端部を検知してからさらに正方向に搬送する場合には、それ以前の搬送方向と同方向の搬送であるので、この正方向の搬送ではバックラッシュは起こらない。したがって、印刷用紙50は駆動パルスに応じて正確に搬送される。
【0027】
次に印刷用紙50は、逆方向(矢印▲3▼方向)に、マーク52の上端を検出するまで搬送する(図3(4))。この矢印▲3▼方向の搬送時には、マーク52の上端を検出するまでの駆動パルスの数がカウントされる(駆動パルスのカウント数が「B」であるものとする)。図3(2)から図3(3)の位置までの搬送距離も、図3(3)から図3(4)の位置までの搬送距離は、どちらもマークの上端を基準にして搬送しているので、いずれも同じ距離αである。しかし、図3(3)から図3(4)の位置までの搬送では、搬送方向が正方向(矢印▲2▼方向)から逆方向(矢印▲3▼方向)へ反転しているので、バックラッシュが発生する。そのため駆動パルス数「B」は「A」より多い数となっている。したがって、搬送方向が反転する場合には、駆動パルスをその差分だけ多く出力して、バックラッシュを補正する必要がある。この差分である|A―B|がバックラッシュ補正量となる。
【0028】
図4は、位置検知器14がマーク51の上にある場合に、補正量算出のために印刷用紙50がどのように搬送されるかを示す図である。
【0029】
図4(1)は、位置検知器14がマーク上にある状態を示す図である。位置検知器14がマーク上にあるかどうかは、位置検知センサの出力信号で判断する。この場合には、まず逆方向(矢印▲1▼の方向)に少なくともマークの幅以上の距離だけ搬送する(図4(2))。以降は、図3の場合と同様の動作を行う。すなわち、印刷用紙を正方向(矢印▲2▼の方向)に搬送して、マークの上端を検出する(図4(3))。マーク52の上端を検出すると、そこからさらに補正量算出部39に記憶した駆動パルス数「A」に基づいて、正方向(矢印▲3▼方向)に所定の距離αだけ搬送する(図4(4))。この場合には、前述したようにバックラッシュは起こらない。したがって、印刷用紙50は駆動パルスに応じて正確に搬送される。
【0030】
次に印刷用紙50は、逆方向(矢印▲4▼方向)に、マーク52の上端を検出するまで搬送する(図4(5))。この矢印▲4▼方向の搬送時には、マーク52の上端を検出するまでの駆動パルスの数がカウントされる(駆動パルスのカウント数は同様に「B」であるものとする)。前述の通り、この逆方向の搬送は、搬送方向が正方向から逆方向へ反転しているので、バックラッシュが発生する。そのため駆動パルス数「B」は「A」より少ない数となっている。したがって、図3と同様に|A―B|が補正量となる。
【0031】
図5、頭出し補正量を算出する処理の手順を示すフローチャートである。
【0032】
以下に説明するような補正量の算出は、通常、電源投入直後、印刷用紙の交換時に行われる。
【0033】
まず、補正量算出手段により、位置検知器14がマーク51、52を検出している状態かどうかが確認される(S101)。マークを検出していない場合(マークとマークの中間にいる場合)には(S102;No)、まず、搬送機構37により印刷用紙50が正方向に搬送される(S103)。正方向への搬送はマーク前端を検知するまで続けられる(S104;No、S103)。マーク前端を検知すると(S104;Yes)、所定距離αを搬送するための駆動パルス数値を読み出して搬送制御部36に設定し、印刷用紙50を正方向へ搬送する(S105)。印刷用紙50は、所定の駆動パルス「A」に相当する距離だけ正方向に搬送される(S106;No)。
【0034】
印刷用紙50が駆動パルス「A」に相当する距離だけ搬送をされると(S106;Yes)、次に印刷用紙を逆方向に搬送する。この逆方向の搬送では、補正量算出手段により駆動パルス数をカウントする(S107)。逆方向の搬送は、マーク前端を検出するまで続けられる(S108;No)。マーク前端を検出すると(S108;Yes)、逆方向搬送中にカウントしたパルス数「B」を記憶する(S109)。次に所定の距離αを搬送する駆動パルス数「A」とカウントした駆動パルス数「B」との差から、バックラッシュによる誤差を算出する(S110)。この駆動パルス数の差|A―B|をバックラッシュ補正量として記憶する(S111)。
【0035】
位置検知器14がマーク上にある場合(S102;Yes)、少なくともマーク51、52の幅以上の距離、印刷用紙50を逆方向に搬送して、マーク51又は52を上流方向に移動させる。その後は、マークを検出していないときと同様の処理により、バックラッシュ補正量を算出し、記憶する。
【0036】
なお、経時的変化に対応させるには、過去に取得した補正量と新規に取得した補正量を完全に入れかえるのではなく、前回を含めた数回分の平均値を補正量とすることも可能である。これにより、偶然に起こった異常事態等により、誤った補正量が適用されることを防止することが可能となる。
【0037】
頭出し等の搬送動作の際に、バックラッシュが問題となる場合には駆動パルスにこの補正量を加算してバックラッシュによる誤差を補正する。
【0038】
補正量算出処理の開始タイミングについて説明する。補正量算出処理は、通常、電源投入直後における自己診断ルーチン内、または、印刷用紙交換時にイニシャライズルーチン内で開始する。この場合、補正量算出処理は、自動的にまたはオペレータの操作によって実行することができるように構成することも可能である。補正量算出処理のタイミングを変更することができるように構成することも可能である。
【0039】
さらに、ホストコンピュータからの補正量の算出を要求するコマンドを受け付けたときに、補正量算出処理を実行するよう構成することも可能である。これにより、ホストコンピュータからのコマンドにより、適時、補正量を得ることができ、また、電源投入時に自動的に補正量を得ることが可能であるため、ユーザの操作の軽減を図る効果もある。
【0040】
上記のようなタイミングで補正量算出処理を開始させることで、出荷時における個々の印刷装置の個体差や、出荷後における時間経過とともに発生する、機械系の磨耗等によるバックラッシュの変化量に対応して、個々の印刷装置ごとの補正量を算出することが可能となる。また、印刷装置の出荷時において上記処理を行うことにより、出荷台数全てに対して一度に補正量を算出することが可能となる。これにより、個体差に応じた補正量を設定して出荷することが可能となる。
【0041】
本発明は、ラベル紙やマーク紙だけではなく、レシート等の普通紙の場合にも適用可能である。この場合の補正量算出について説明する。レシートには、通常、光を照射し、その反射光または透過光を検出しても、そのレベル差を発生させる位置の基準となるものが存在しない。それゆえ、基準となるマークの代用が必要である。位置検知器14の光学センサが通過する場所に印刷ヘッド11により自らマークを印刷し、印刷したマークを基準位置として補正量算出を行う。このようにマークを印刷する場合、位置検知器14の光学センサは、印刷ヘッド近傍の上流の部分に存在するため、上記印刷したマークの位置が予め判っている。そのため、印刷後に逆方向に搬送してマークを検出するだけで補正量を算出することができる。位置検知器14は、図1と同様に、印刷ヘッドの上流に設けられている場合、まず、印刷用紙上に印刷ヘッド11によりマークを印刷する。次に、印刷したマークを検出するため、印刷したマークが位置検知器14を通過するまで、レシートを逆方向に搬送する。その後は、前述した処理手順にしたがって補正量を算出する。このように、マークが付されていないレシートを用いても、補正量を算出することが可能である。
【0042】
尚、以上の説明では、補正量を算出するためにマークの前端を検出する例を示したが、マーク後端を検出することにより、補正量を算出することも可能である。また、印刷用紙をマーク端から所定の距離αだけ逆方向に搬送した後、搬送方向を逆転し、マーク端を検出するまで正方向に搬送して補正量を検出するよう構成することも可能である。さらに、位置検知器14がマーク上にある場合に、まず正方向に搬送して、位置検知器14をマーク以外の位置に移動させた後、補正量を算出するように構成することも可能である。
【0043】
上記の実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものによって置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0044】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明は、印刷装置の駆動系の個体差や経時的変化を伴う駆動系の磨耗量によって変化するバックラッシュ量を実測し、その実測値に基づいて補正量を算出する方法及び装置を提供する。これにより、頭出し位置その他、印刷用紙の搬送時における位置ずれを正確に補正することが可能となった。
【0045】
また、本発明によると、ラベル紙、マーク付き印刷用紙及び普通紙を含む複数の種類の連続印刷用紙にも対応した適切な頭出し位置を定めるための補正量を算出することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る印刷装置を説明するための概略断面図。
【図2】本発明に係る印刷装置の機能ブロック図。
【図3】位置検知器がマークとマークの中間位置にある場合に、補正量算出のために印刷用紙がどのように搬送されるかを示す図。
【図4】位置検知器がマークの上にある場合に、補正量算出のために印刷用紙がどのように搬送されるかを示す図。
【図5】頭出し補正量を算出する処理の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10 印刷装置、 11 印刷ヘッド、
12 プラテンローラ、 13 オートカッタ、
14 位置検知器、 15 蓋体、
17 筐体、 18 印刷用紙排出口、
20 ロール紙、 21 先端部、
22 搬送路、 32 データ送受信部、
33 制御部、 34 印刷制御部
35 印刷機構 36 搬送制御部
37 搬送機構、 39 補正量算出部、
50 印刷用紙
Claims (8)
- 印刷装置の印刷用紙の頭出し位置を設定する際に生ずる位置ずれ量を補正する補正量の算出方法であって、
(a)前記印刷装置内の搬送路に沿って、前記印刷用紙を正方向または逆方向に搬送し、前記印刷用紙に対してマーク検知のために照射する光の透過光又は反射光のレベルを前記搬送中に検知し、前記マークの検出を行う工程と、
(b)前記マークを検出した後、前記印刷用紙を前記搬送した方向に所定の紙送り量を搬送する工程と、
(c)前記印刷用紙を工程(b)と逆方向に搬送し、前記マークを検出するまでの紙送り量を算出する工程と、
(d)前記(b)工程による前記所定の紙送り量と前記(c)工程による前記紙送り量の差分量から前記補正量を算出する工程と、
を備えたことを特徴とする補正量算出方法。 - 前記(a)工程において、現在の印刷用紙位置が前記マークを基準に、前記マークの周期長の半分の長さ以上または以下の位置にあるかによって、前記印刷用紙を前記正方向に搬送するか前記逆方向に搬送するかを判断する工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載の補正量算出方法。
- 前記(a)工程において、始めから前記マークが検知センサ上にある場合には、検知状態から非検知状態の変化を検出することにより、前記マークの検出を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の補正量算出方法。
- 前記印刷用紙がレシート印刷用紙である場合に、前記マークとなる領域を予め印刷する工程を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の補正量算出方法。
- 前記印刷用紙の交換時及び/または電源投入時に前記補正量の算出を開始する工程を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の補正量算出方法。
- 外部からの指令により、前記補正量の算出を開始する工程を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の補正量算出方法。
- 印刷用紙の頭出し位置を設定する際に生ずる位置ずれ量を補正する補正量を算出する印刷装置であって、
連続状の前記印刷用紙に印刷する印刷部と、
前記印刷用紙を正方向及び逆方向に搬送する搬送部と、
前記印刷用紙のマーク位置を検出する位置検出部と、
前記マーク位置から前記印刷用紙を所定の紙送り量だけ正方向または逆方向に搬送し、さらに該搬送方向と逆方向にマーク位置まで搬送したときの紙送り量との差分量を算出する補正量算出部と、
前記各部の全体の制御を行う制御部と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 印刷装置により印刷用紙の頭出し位置を設定する際に生ずる位置ずれ量を補正する補正量を算出するプログラムであって、
(a)前記印刷装置内の搬送路に沿って、前記印刷用紙を正方向または逆方向に搬送し、前記印刷用紙に対してマーク検出のために照射する光の透過光又は反射光のレベルを前記搬送中に検知し、前記マークの検出を行う工程と、
(b)前記マークを検出した後、前記印刷用紙を前記搬送した方向に所定の紙送り量を搬送する工程と、
(c)前記印刷用紙を前記所定の紙送り量を搬送した方向と逆方向に搬送し、前記マークを検出したときの紙送り量を算出する工程と、
(d)前記(b)工程による前記所定の紙送り量と前記(c)工程による前記所定の紙送り量の差分量から前記補正量を算出する工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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