JP2004270570A - 建設機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン冷却機器の良好な通風状態を得ることができるとともに、機械周囲の騒音を低減させることができること。
【解決手段】この油圧ショベルでは、機械室24内にラジエータ27とオイルクーラ28とを間隔を置いて相対向する状態で配置するとともに、上記ラジエータ27とオイルクーラ28とに別々の通風路A,Bが形成されるように空気入口と空気出口とを設け、上記両通風路A,Bから外れた位置にエンジン34を設置している。
【選択図】 図1
【解決手段】この油圧ショベルでは、機械室24内にラジエータ27とオイルクーラ28とを間隔を置いて相対向する状態で配置するとともに、上記ラジエータ27とオイルクーラ28とに別々の通風路A,Bが形成されるように空気入口と空気出口とを設け、上記両通風路A,Bから外れた位置にエンジン34を設置している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械室内に、エンジンと、ラジエータ、オイルクーラ等の複数の熱交換器とを配設した建設機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の建設機械では、上部旋回体の前端側に運転室を配置する一方、その後端側に機械室を配置しており、さらに機械室内にエンジンを横置して、このエンジンを挟んで左右にラジエータとオイルクーラとを配置することが多かった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−274242号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンを挟んで左右にそのエンジンの冷却機器であるラジエータとオイルクーラとが配置された場合には、通風路を介してラジエータとオイルクーラとに冷却風を供給するファンもその付近に配置されることとなる。このファンはエンジンとともに騒音源となって、通風路の開口部から騒音を放射するため、運転室を含む機械周囲の騒音レベルを増大させる。
【0005】
一方、通風路中の冷却風の流れから見ると、エンジンがラジエータやオイルクーラの下流側にある場合には、そのエンジンがラジエータやオイルクーラを冷却した後の排気抵抗となり、良好な通風状態が得られないため、ラジエータやオイルクーラの冷却効率を低下させる。逆に、エンジンがラジエータやオイルクーラの上流側にある場合には、そのエンジンが吸排気抵抗となり、良好な通風状態が得られないことに加えて、さらにエンジン本体から熱放射により、ラジエータやオイルクーラの前面で冷却風温度が上昇し、その冷却効率をさらに低下させる。
【0006】
このため、ファン容量やラジエータ及びオイルクーラの冷却容量が大きくなり、機械のコストアップとなる。また、ファン容量が大きくなれば、そのファンが発生する騒音も大きくなるので、通風路中の開口部から放射される騒音も大きくなる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、機械室内に配置された複数の熱交換器に対して良好な通風状態を得ることができるとともに、機械周囲の騒音レベルをも低減させることができる建設機械を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、機械室内に複数の熱交換器を、二組に分けて、かつ、両組の熱交換器を間隔を置いて相対向する状態で配置するとともに、上記両組の熱交換器ごとに別々の通風路が形成されるように空気入口と空気出口とを設け、上記両通風路から外れた位置にエンジンを設置したことを特徴とするものである。
【0009】
この構成によれば、機械室内に複数の熱交換器が、二組に分けられて、かつ、両組の熱交換器が間隔を置いて相対向する状態で配置されるとともに、上記両組の熱交換器ごとに別々の通風路が形成されるように空気入口と空気出口とが設けられ、上記両通風路から外れた位置にエンジンが設置されたので、冷却風の流れから見てエンジンが熱交換器の下流側や上流側にある場合に比べて、吸排気抵抗が小さくなり、良好な通風状態が得られるようになる。さらに、エンジン本体からの熱放射により、熱交換器の前面で冷却風温度が上昇することもない。したがって、熱交換器の冷却効率を低下させるおそれがなくなるので、これを冷却するためのファンの容量が小さくなり、そのファンが発生する騒音も小さくなるので、通風路の開口から放射される機械周囲の騒音レベルを低減させることができる。
【0010】
請求項2記載の発明のように、空気入口と空気出口とを、その一方が両通風路に共用される状態で設けたこととすれば、通風構造の簡素化が図られる。
【0011】
請求項3記載の発明のように、機械室の天井壁に第1開口、左右両壁に第2及び第3開口がそれぞれ設けられ、上記第1開口を上記共用される空気入口又は空気出口としてこの第1開口と上記第2開口とを結ぶ第1通風路と、第1開口と第3開口とを結ぶ第2通風路とが形成され、上記第1通風路に第1熱交換器、上記第2通風路に第2熱交換器がそれぞれ配置されたこととすれば、左右に形成される通風路により良好な通風状態が得られる。この場合、通風路中の適所に整流板を設ければ、さらに良好な通風状態が得られる。また、この整流板を含めて通風路中の適所に吸音材を取り付ければ、さらに機械周囲への騒音レベルを低減させることができる。
【0012】
請求項4記載の発明のように、機械室の底壁に、第1開口と対向する第4開口が設けられたこととすれば、上下に形成される通風路によりさらに良好な通風状態が得られる。
【0013】
請求項5記載の発明のように、第1通風路と第2通風路とが仕切り壁によって仕切られたこととすれば、その仕切り壁で第1,第2通風路間での通風が互いに干渉されなくなり、これにより冷却風量の偏流がなくなるので、さらに良好な通風状態が得られる。
【0014】
請求項6記載の発明のように、機械室が、隔壁により、通風路及び熱交換器が設けられた第1区画と、エンジンが設置された第2区画とに仕切られたこととすれば、エンジンは独立した区画内に完全に閉じ込められるので、上記各熱交換器に対してエンジンが給排気抵抗となることはなくなりさらに良好な通風状態が得られる。また、エンジンが発生する騒音は上記隔壁で遮られるので、通風路の開口を介して放射される機械周囲への騒音をさらに低減させることができる。この場合、その隔壁等に吸音材を取り付ければ、機械周囲の騒音レベルをさらに低減させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、建設機械として油圧ショベルを例にとり、いくつかの実施形態について説明する。
【0016】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのI−I線断面図である。なお、図1(a)中の上側が前、下側が後となっている(以下の図面についても同様である)。
【0017】
図1(a),(b)において、1は地上走行用の下部走行体、2はこの下部走行体1に旋回自在に搭載される上部旋回体である。
【0018】
下部走行体1は、左右に延びる箱状の支持フレーム11と、この支持フレーム11の左右両端に取り付けられて、図示しない走行モータでそれぞれ周回駆動されるクローラ12,12とを備えている。
【0019】
上部旋回体2は、上記支持フレーム11に縦軸まわりに旋回自在に支持される平面視で略四角形状の旋回フレーム21を備え、この旋回フレーム21上の前端略中央には図示しない作業用アタッチメントを起伏自在に取り付けることのできるブラケット状の取り付け部22が設けられている。そして、旋回フレーム21の前端左側には半密閉箱状の運転室23が搭載され、この運転室23から極力離間させてエンジン等の機械を内蔵する機械室24が搭載されている。
【0020】
この機械室24は、旋回フレーム21の後端左右に延び、さらに上記運転室23とは左右反対側となる同旋回フレーム21の右寄り前方に延びており、全体平面視で左右逆L字状に形成されている。この機械室24は、より具体的には旋回フレーム21の一部からなる底壁25と、この底壁25を覆う上部カバー26とから構成されており、この上部カバー26はさらに前壁26F、後壁26A、右壁26R、左壁26L及び天井壁26Uからなっている。
【0021】
この機械室24の後端側には、エンジン34を冷却するための熱交換器であるラジエータ27と、油圧ポンプ35により吐出される作動油を冷却するための熱交換器であるオイルクーラ28とが所定間隔(スペースS)を置いて左右方向に相対向する状態で配置されている。ラジエータ27、オイルクーラ28が第1,第2熱交換器のいずれかに相当する。なお、スペースSは機械室24の上部カバー26の天井壁26Uから外気をスムーズに導入するために上記左右方向の中央寄りに設けられているが、必ずしも正確に中央に位置する必要はなく、そのスペースSの左右に配置されるラジエータ27やオイルクーラ28等の冷却のためにそれぞれ要求される通風量やその他機械的な配置上等の条件に応じて設定される。
【0022】
そして、上部カバー26の天井壁26Uの上記スペースSの真上に開口29が設けられている。ラジエータ27の左側には電動或いは油圧駆動の冷却ファン30が設けられ、オイルクーラ28の右側には同様の冷却ファン31が設けられている。上部カバー26の左壁26Lには開口32が設けられ、右壁26Rには開口33が設けられている。開口29が第1開口に相当し、開口32,33が第2,第3開口のいずれかに相当する。
【0023】
そして、開口29からスペースSとラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路Aと、開口29からスペースSとオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路Bとが形成される。通風路A,Bが第1,第2通風路のいずれかに相当する。開口29,32,33は、その開口面積が給排気の縮流を生じないようにそれぞれ設定されているが、さらに図示しないルーバーを設けて雨水等の混入を防止している。
【0024】
一方、エンジン34が、この通風路Bの外となるように機械室24の右寄りにその出力軸が前後方向に向けて配置されている。そして、エンジン34の出力軸の後端には、エンジン駆動の油圧ポンプ35が取り付けられており、図示しない油圧系統に圧油を供給するようになっている。
【0025】
この油圧ポンプ35は上記通風路B中にあって、冷却ファン31によって吸引される冷却風によりオイルクーラ28とともに強制冷却されるようになっている。また、ラジエータ27は上記通風路A中にあって、冷却ファン30によって吸引される冷却風により、別途強制冷却されるようになっている。
【0026】
この構成によれば、冷却風の流れから見てエンジン34がラジエータ27やオイルクーラ28の下流側や上流側にある場合に比べて、エンジン34が吸排気抵抗とならないので、良好な通風状態が得られる。なお、通風路A,B中の特に乱流を生じやすい上記スペースS内等に整流板を設ければ、冷却風の通風抵抗がさらに減少するので、さらに良好な通風状態が得られる。
【0027】
また、この構成によれば、エンジン34の本体からの熱放射により、ラジエータ27やオイルクーラ28の前面で冷却風温度が上昇しない。したがって、ラジエータ27やオイルクーラ28の冷却効率を低下させるおそれがなくなり、冷却ファン30,31の容量や、ラジエータ27やオイルクーラ28の冷却容量を小さくして機械のコストダウンを図ることができる。
【0028】
また、冷却ファン30,31の容量が小さくなるとそのファンが発生する騒音も小さくなるので、通風路A,Bの各開口29,32,33を介して放射される騒音を低減させて、機械周囲の騒音レベルを低減させることができる。
【0029】
ところで、ラジエータ27とオイルクーラ28とをまとめて通風することも考えられるが、その場合には両者が互いに通風抵抗となり、上流側のラジエータ又はオイルクーラからの廃熱で温度上昇した冷却風が下流側に流れるといった不具合がある。この点、本実施形態1ではラジエータ27とオイルクーラ28とが別個に通風されるので、両者が互いに通風抵抗にならず、いずれに対しても良好な通風状態が得られる。また、本実施形態1では上流側のラジエータ27又はオイルクーラ28からの廃熱で温度上昇した冷却風が下流側に流れるといったことがないので、その下流側の熱交換器の冷却効率を低下させることもない。
【0030】
さらに、ラジエータ27とオイルクーラ28とを水平配置することも考えられるが、その場合には、これらの内部を流れる熱媒に気泡が混合したとすれば、その気泡が外部に排出されにくく、残留気泡による伝熱面積が減少して、その熱交換が阻害されるおそれがある。この点、本実施形態1ではラジエータ27とオイルクーラ28とが直立して配置されているので、そのような不具合はない。
【0031】
したがって、本実施形態1によれば、ラジエータ27とオイルクーラ28との容量が小さくなるとともに、ファン容量も小さくなり、その冷却ファン30,31による騒音が減少する。また、ラジエータ27とオイルクーラ28との各通風路A,Bの冷却風の取入口又は排出口を個別には設けていないので、そこ外部に放射される騒音によって機械周囲の騒音レベルが増大することもない。
【0032】
なお、上記整流板を含めて通風路A,B中の適所に例えばグラスウール、ロックウール等の多孔質材料からなる吸音材を取り付ければ、その吸音効果によって上記騒音をさらに低減させることができる。
【0033】
ところで、上記では、機械室24の通風路A,Bが上下方向で1ルートづつしか形成されていないので、例えば上部カバー26の天井壁26Uが高くとれる大型ショベル等の場合には、その通風路A,B中において、高さ方向での偏流を生じないように改善することが好ましい。そこで、本発明者らはかかる点に着目してさらに以下のような発明をした。
【0034】
(実施形態2)
図2は本発明の実施形態2に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのII−II線断面図である。なお、上記実施形態1と共通する要素には同一番号を付してその重複記載を省略する。
【0035】
図2(a),(b)において、下部走行体1、上部旋回体2の全体構成は、その機械室24内の通風路を除いて上記実施形態1と同様である。
【0036】
すなわち、本実施形態2の機械室24の後端側では、上部カバー26の天井壁26Uの上記開口29に加えて、さらにこの開口29に対向する底壁25の部位に開口29’が設けられている。この開口29’が第4開口に相当する。なお、ラジエータ27の左側には電動或いは油圧駆動の冷却ファン30が設けられ、オイルクーラ28の右側には同様の冷却ファン31が設けられており、上部カバー26の左右側壁26L,26Rにはそれぞれ開口32,33が設けられている点は上記実施形態1と同様である。
【0037】
そして、本実施形態2では、開口29からスペースSとラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路A1と、開口29からスペースSとオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路B1とが形成されるとともに、開口29’からスペースSとラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路A2と、開口29’からスペースSとオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路B2とが形成される。開口29’は、他の開口29,32,33と同様に、その開口面積が給排気の縮流を生じないように設定されているが、さらに図示しないルーバーを設けて地上から舞い上がる塵埃等の混入を防止している。
【0038】
一方、エンジン34が、この通風路B1,B2から外れた機械室24の右側にその出力軸が前後方向に向くようにして配置されている。そして、エンジン34の出力軸の後端には、上記実施形態1と同様の油圧ポンプ35が取り付けられている。
【0039】
この油圧ポンプ35は上記通風路B1,B2中にあって、冷却ファン31によって吸引される冷却風によりオイルクーラ28とともに強制冷却されるようになっている。また、ラジエータ27は上記通風路A1,A2中にあって、冷却ファン30によって吸引される冷却風により、別途強制冷却されるようになっている。
【0040】
この構成によれば、機械室24内の通風路A1,B1とA2,B2とが上下方向に別個に形成されるので、その上下方向での偏流が生じにくくなり、より良好な通風状態が得られるので、ファン容量等を小さくして機械のコストダウンを図ることができるとともに、冷却ファン30,31の発生する騒音を小さくして機械周囲への騒音の低減とを図ることができる。この構成は、特に、天井の高い機械室24を有する建設機械の場合に好適である。
【0041】
また、上記実施形態1,2では機械室24の通風路AとB(A1,B1とA2,B2)が左右方向には独立してないので、その上部カバー26の天井壁26Uが低い場合等には、その通風路AとB(A1,B1とA2,B2)中において、左右方向での通風量に偏りが生じないようにさらに改善することが好ましい。そこで、本発明者らはかかる点に着目してさらに以下のような発明をした。
【0042】
(実施形態3)
図3は本発明の実施形態3に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのIII−III線断面図である。なお、上記実施形態1,2と共通する要素には同一番号を付してその重複記載を省略する。
【0043】
図3(a),(b)において、下部走行体1、上部旋回体2の全体構成は、その機械室24内に通風路を仕切るための仕切り壁を設けたことを除いて上記実施形態1,2と同様である。
【0044】
すなわち、本実施形態3の機械室24では、その後端側におけるラジエータ27とオイルクーラ28との間の上記スペースSを左右方向に分割する仕切り壁に26Bを設けており、この仕切り壁26Bによってラジエータ27とオイルクーラ28とを別室R1,R2に配置している。ただし、その上部カバー26の天井壁26Uの上記開口29は、上記分割されたスペースS1,S2にまたがって設けられている。
【0045】
上記仕切り壁26Bは、必ずしもこのスペースS1,S2を同じ大きさとするものではなく、その仕切り壁26Bによって分離配置されるラジエータ27やオイルクーラ28等の冷却のためにそれぞれ要求される通風量やその他機械的な配置上等の条件に応じて設定される。なお、左室R1内のラジエータ27のさらに左側には電動或いは油圧駆動の冷却ファン30が設けられ、右室R2内のオイルクーラ28のさらに右側には同様の冷却ファン31が設けられており、上部カバー26の左右側壁26L,26Rにはそれぞれ開口32,33が設けられている。
【0046】
そして、本実施形態3では、左室R1内においては開口29からスペースS1とラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路Cが形成されるとともに、右室R2内においては開口29からスペースS2とオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路Dが形成されている。左右両室R1,R2にまたがる開口29は、他の開口32,33と同様に、それぞれの室R1,R2内での開口面積が給排気の縮流を生じないように設定されている。
【0047】
一方、エンジン34が、オイルクーラ28と同じ右室R2内に配置されており、具体的にはこの通風路Dを回避するように同右室R2内のさらに右側にその出力軸が前後方向に向くようにして配置されている。そして、エンジン34の出力軸の後端には、上記実施形態1,2と同様の油圧ポンプ35が取り付けられている。
【0048】
この油圧ポンプ35は上記右室R2内の通風路D中にあって、冷却ファン31によって吸引される冷却風によりオイルクーラ28とともに強制冷却されるようになっている。また、ラジエータ27は上記左室R1内の通風路C中にあって、冷却ファン30によって吸引される冷却風により、別途強制冷却されるようになっている。
【0049】
この構成によれば、機械室24内の通風路C,Dが互いに干渉しないように形成されるので、その左右方向で通風量の偏りが全く生じなくなり、さらに良好な通風状態が得られる。したがって、ファン容量等を小さくして機械のコストダウンを図ることができるとともに、冷却ファン30,31の発生する騒音を小さくして機械周囲への騒音の低減とを図ることができる。この構成は、特に扁平な機械室24を有する建設機械に好適である。
【0050】
また、上記実施形態1〜3では、いずれも良好な通風状態を得て、その冷却ファン30,31からの騒音を減少させることができる。しかし、ラジエータ27及びオイルクーラ28とエンジン34とがいずれも共通の区画内にあるので、通風路(A,B等)中の開口(29等)から放射されるエンジン34による騒音を減少させることは困難である。そこで、本発明者らはかかる点に着目してさらに以下のような発明をした。
【0051】
(実施形態4)
図4は本発明の実施形態4に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのIV−IV線断面図である。なお、上記実施形態1〜3と共通する要素には同一番号を付してその重複記載を省略する。
【0052】
図4(a),(b)において、下部走行体1、上部旋回体2の全体構成は、その機械室24内の区画を仕切るための隔壁をさらに設けたことを除いて上記実施形態1と同様である。
【0053】
すなわち、本実施形態4の機械室24では、後端左右に延びる部分(第1区画)と右側前方に延びる部分(第2区画)とを仕切る隔壁26Cを設けており、この隔壁26Cによって仕切られた後室R3にラジエータ27及びオイルクーラ28を配置し、前室R4内にエンジン34を配置している。
【0054】
上記隔壁26Cは、その隔壁26Cによって分離配置されるラジエータ27及びオイルクーラ28とエンジン34との機械的な配置上等の条件に応じて設定され、例えば前室R4の内側にはグラスウール、ロックウール等の多孔質材料からなる吸音材が取り付けられている。なお、前室R4内にはエンジン34とこのエンジンによって駆動される油圧ポンプ35とが配置される。また後室R3内にはラジエータ27とオイルクーラ28とがスペースSを介して対向配置されるとともに、そのラジエータ27のさらに左側には電動或いは油圧駆動の冷却ファン30が設けられ、オイルクーラ28のさらに右側には同様の冷却ファン31が設けられており、上部カバー26の左右側壁26L,26Rにはそれぞれ開口32,33が設けられている。
【0055】
そして、上記実施形態1と同様に、開口29からスペースSとラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路Aと、開口29からスペースSとオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路Bとが形成されている。
【0056】
このオイルクーラ28は上記通風路B中にあって、冷却ファン31によって吸引される冷却風により強制冷却されるようになっている。また、ラジエータ27は上記通風路A中にあって、冷却ファン30によって吸引される冷却風により、別途強制冷却されるようになっている。
【0057】
一方、エンジン34は、上記前室R4内にその出力軸が前後方向に向くようにして配置されている。そして、エンジン34の出力軸の後端には、エンジン駆動の油圧ポンプ35が取り付けられている。
【0058】
この構成によれば、機械室24内が隔壁26Cによって前後に独立した室R3,R4として区画されているので、その後室R3内での良好な通風状態が得られる。これにより、ファン容量等を小さくして機械のコストダウンを図ることができるとともに、冷却ファン30,31の発生する騒音を小さくして機械周囲への騒音の低減とを図ることができる。さらに、エンジン34が前室R4に閉じ込められているので、後室R3の開口29,32,33を介して機械周囲への騒音を増大させることがない。この場合、隔壁26Cの上記吸音材による吸音効果によって、機械周囲への騒音がさらに低減される。
【0059】
(実施形態5)
図5は本発明の実施形態5に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのV−V線断面図である。なお、上記実施形態1〜4と共通する要素には同一番号を付してその重複記載を省略する。
【0060】
図5(a),(b)において、下部走行体1、上部旋回体2の全体構成は、その機械室24内の通風路を除いて上記実施形態4と同様である。
【0061】
すなわち、本実施形態5の機械室24の上記後室R3では、上部カバー26の天井壁26Uの上記開口29に加えて、さらにこの開口29に対向する底壁25の部位に開口29’が設けられている。なお、ラジエータ27の左側には冷却ファン30が設けられ、オイルクーラ28の右側には冷却ファン31が設けられており、上部カバー26の左右側壁26L,26Rにはそれぞれ開口32,33が設けられている点は上記実施形態4と同様であり、また通風路については上記実施形態2と同様である。
【0062】
すなわち、本実施形態5では、開口29からスペースSとラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路A1と、開口29からスペースSとオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路B1とが形成されるとともに、開口29’からスペースSとラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路A2と、開口29’からスペースSとオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路B2とが形成される。
【0063】
このオイルクーラ28は上記通風路B1,B2中にあって、冷却ファン31によって吸引される冷却風により強制冷却されるようになっている。また、ラジエータ27は上記通風路A1,A2中にあって、冷却ファン30によって吸引される冷却風により、別途強制冷却されるようになっている。
【0064】
一方、エンジン34は、上記前室R4内にあって、その出力軸が前後方向に向くようにして配置されている。そして、エンジン34の出力軸の後端には、エンジン駆動の油圧ポンプ35が取り付けられている。
【0065】
この構成によれば、機械室24内の上記後室R3内の通風路A1,B1とA2,B2とが上下方向に別個に形成されるので、その上下方向での偏流が生じにくくなり、より良好な通風状態が得られるので、ファン容量等を小さくして機械のコストダウンを図ることができるとともに、冷却ファン30,31の発生する騒音を小さくして機械周囲への騒音の低減を図ることができる。この構成は、上記実施形態2と同様に、特に天井の高い機械室24を有する建設機械の場合に好適である。
【0066】
(実施形態6)
図6は本発明の実施形態6に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのVI−VI線断面図である。なお、上記実施形態4,5と共通する要素には同一番号を付してその重複記載を省略する。
【0067】
図6(a),(b)において、下部走行体1、上部旋回体2の全体構成は、その機械室24内の後室R3内に仕切り壁をさらに設けたことを除いて上記実施形態4,5と同様である。また、この仕切り壁を設けた点は上記実施形態3と同様である。
【0068】
すなわち、本実施形態6の機械室24内における後室R3では、ラジエータ27とオイルクーラ28との間の上記スペースSを前後方向に分割する仕切り壁26Bを設けており、この仕切り壁26Bによってラジエータ27とオイルクーラ28とを別室R31,R32に配置している。ただし、その上部カバー26の天井壁26Uの上記開口29は、上記分割されたスペースS1,S2にまたがって設けられている。
【0069】
上記仕切り壁26Bは、必ずしもこのスペースS1,S2を同じ大きさとするものではなく、その仕切り壁26Bによって分離配置されるラジエータ27やオイルクーラ28等の冷却のためにそれぞれ要求される通風量やその他機械的な配置上の条件に応じて設定される。なお、左室R1内のラジエータ27のさらに左側には電動或いは油圧駆動の冷却ファン30が設けられ、右室R2内のオイルクーラ28のさらに右側には同様の冷却ファン31が設けられており、上部カバー26の左右側壁26L,26Rにはそれぞれ開口32,33が設けられている。
【0070】
そして、本実施形態6では、左室R31内においては開口29からスペースS1とラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路Cが形成されるとともに、右室R32内においては開口29からスペースS2とオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路Dが形成される。左右両室R31,R32にまたがる開口29は、他の開口32,33と同様に、それぞれの室R31,R32内での開口面積が給排気の縮流を生じないように設定されている。
【0071】
このオイルクーラ28は上記通風路D中にあって、冷却ファン31によって吸引される冷却風により強制冷却されるようになっている。また、ラジエータ27は上記通風路C中にあって、冷却ファン30によって吸引される冷却風により、別途強制冷却されるようになっている。
【0072】
一方、エンジン34は、上記前室R4内にあって、その出力軸が前後方向に向くようにして配置されている。そして、エンジン34の出力軸の後端には、エンジン駆動の油圧ポンプ35が取り付けられている。
【0073】
この構成によれば、機械室24内の上記前後両室R31,R32内の通風路C,Dが左右方向に独立して形成されているので、その左右方向で通風量の偏りが生じなくなり、さらに良好な通風状態が得られるので、ファン容量等を小さくして機械のコストダウンを図ることができるとともに、冷却ファン30,31の発生する騒音を小さくして機械周囲への騒音の低減とを図ることができる。さらに、エンジン34が前室R4内に閉じ込められているので、後室31,32の開口29,32,33を介して機械周囲への騒音を増大させることがない。この構成は、上記実施形態3と同様に、特に扁平な機械室24を有する建設機械に好適である。
【0074】
なお、上記実施形態1〜6では、いずれも運転室23が旋回フレーム21上の前端左側に搭載されているので、機械室24は同旋回フレーム21の左側前方に向かって延びるように形成されているが、この逆に運転室23が旋回フレーム21上の前側右側に搭載されている場合には、これに応じて機械室24も同旋回フレーム21の右側前方に向かって延びるように形成されるのはいうまでもない。
【0075】
また、上記実施形態1〜6では、いずれも上部カバー26の天井壁26Uに設けた開口29(或いは底壁25に設けた開口29’)から、左右両側壁26L,26Rにそれぞれ設けられた開口32,33に向けて通風を行っているが、この逆に、開口32,33から開口29(29’)に向けて通風してもよい。また、開口29(29’)は通風構造の簡素化を目的として、空気入口と空気出口のいずれかを共用するものであるが、必要に応じてこの開口29を別個に設けてもよい。
【0076】
また、上記実施形態1〜6では、二組の熱交換器としてラジエータ27とオイルクーラ28とを例示したが、その他の熱交換器(例えばインタークーラやエアコン用の熱交換器など)があれば、それを上記二組のいずれかに含めて構成することもできる。また、上記では、機械室24内でラジエータ27を左側に、オイルクーラ28とエンジン34とを右側にそれぞれ配置したが、左右逆配置としてもよい。
【0077】
また、上記実施形態1〜6を適宜組み合わせ適用することもできる。例えば、実施形態2の開口29’を実施形態3に設けることができる。その場合には、左右上下にそれぞれ別個の通風路が形成され、さらに良好な通風状態が得られる。
【0078】
また、上記実施形態1〜6では、建設機械として油圧ショベルを例示して説明したが、その他クレーン等の他の建設機械についての本発明を適用できる。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、機械室内に複数の熱交換器が、二組に分けられて、かつ、両組熱交換器が間隔を置いて相対向する状態で配置されるとともに、上記両組の熱交換器ごとに別々の通風路が形成されるように空気入口と空気出口とが設けられ、上記両通風路から外れた位置にエンジンが設置されたので、冷却風の流れから見てエンジンが熱交換器の下流側や上流側にある場合に比べて、吸排気抵抗が小さくなり、良好な通風状態が得られるようになる。さらに、エンジン本体からの熱放射により、熱交換器の前面で冷却風温度が上昇することもない。したがって、熱交換器の冷却効率を低下させるおそれがなくなるので、これを冷却するためのファンの容量が小さくなり、そのファンが発生する騒音も小さくなるので、通風路の開口から放射される機械周囲の騒音レベルを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのI−I線断面図である。
【図2】本発明の実施形態2に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのII−II線断面図である。
【図3】本発明の実施形態3に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのIII−III線断面図である。
【図4】本発明の実施形態4に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのIV−IV線断面図である。
【図5】本発明の実施形態5に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのV−V線断面図である。
【図6】本発明の実施形態6に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
1 下部走行体
2 上部旋回体
21 旋回フレーム
24 機械室
25 底壁
26 上部カバー
26B 仕切り壁
26C 隔壁
27 ラジエータ(熱交換器)
28 オイルクーラ(熱交換器)
29,29’ 開口(第1,第4開口)
32,33 開口(第2,第3開口)
31,31 冷却ファン
34 エンジン
35 油圧ポンプ
A,B、A1,A2,B1,B2,C,D 通風路
S,S1,S2 スペース
R1,R2,R3(R31,R32),R4 室
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械室内に、エンジンと、ラジエータ、オイルクーラ等の複数の熱交換器とを配設した建設機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の建設機械では、上部旋回体の前端側に運転室を配置する一方、その後端側に機械室を配置しており、さらに機械室内にエンジンを横置して、このエンジンを挟んで左右にラジエータとオイルクーラとを配置することが多かった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−274242号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンを挟んで左右にそのエンジンの冷却機器であるラジエータとオイルクーラとが配置された場合には、通風路を介してラジエータとオイルクーラとに冷却風を供給するファンもその付近に配置されることとなる。このファンはエンジンとともに騒音源となって、通風路の開口部から騒音を放射するため、運転室を含む機械周囲の騒音レベルを増大させる。
【0005】
一方、通風路中の冷却風の流れから見ると、エンジンがラジエータやオイルクーラの下流側にある場合には、そのエンジンがラジエータやオイルクーラを冷却した後の排気抵抗となり、良好な通風状態が得られないため、ラジエータやオイルクーラの冷却効率を低下させる。逆に、エンジンがラジエータやオイルクーラの上流側にある場合には、そのエンジンが吸排気抵抗となり、良好な通風状態が得られないことに加えて、さらにエンジン本体から熱放射により、ラジエータやオイルクーラの前面で冷却風温度が上昇し、その冷却効率をさらに低下させる。
【0006】
このため、ファン容量やラジエータ及びオイルクーラの冷却容量が大きくなり、機械のコストアップとなる。また、ファン容量が大きくなれば、そのファンが発生する騒音も大きくなるので、通風路中の開口部から放射される騒音も大きくなる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、機械室内に配置された複数の熱交換器に対して良好な通風状態を得ることができるとともに、機械周囲の騒音レベルをも低減させることができる建設機械を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、機械室内に複数の熱交換器を、二組に分けて、かつ、両組の熱交換器を間隔を置いて相対向する状態で配置するとともに、上記両組の熱交換器ごとに別々の通風路が形成されるように空気入口と空気出口とを設け、上記両通風路から外れた位置にエンジンを設置したことを特徴とするものである。
【0009】
この構成によれば、機械室内に複数の熱交換器が、二組に分けられて、かつ、両組の熱交換器が間隔を置いて相対向する状態で配置されるとともに、上記両組の熱交換器ごとに別々の通風路が形成されるように空気入口と空気出口とが設けられ、上記両通風路から外れた位置にエンジンが設置されたので、冷却風の流れから見てエンジンが熱交換器の下流側や上流側にある場合に比べて、吸排気抵抗が小さくなり、良好な通風状態が得られるようになる。さらに、エンジン本体からの熱放射により、熱交換器の前面で冷却風温度が上昇することもない。したがって、熱交換器の冷却効率を低下させるおそれがなくなるので、これを冷却するためのファンの容量が小さくなり、そのファンが発生する騒音も小さくなるので、通風路の開口から放射される機械周囲の騒音レベルを低減させることができる。
【0010】
請求項2記載の発明のように、空気入口と空気出口とを、その一方が両通風路に共用される状態で設けたこととすれば、通風構造の簡素化が図られる。
【0011】
請求項3記載の発明のように、機械室の天井壁に第1開口、左右両壁に第2及び第3開口がそれぞれ設けられ、上記第1開口を上記共用される空気入口又は空気出口としてこの第1開口と上記第2開口とを結ぶ第1通風路と、第1開口と第3開口とを結ぶ第2通風路とが形成され、上記第1通風路に第1熱交換器、上記第2通風路に第2熱交換器がそれぞれ配置されたこととすれば、左右に形成される通風路により良好な通風状態が得られる。この場合、通風路中の適所に整流板を設ければ、さらに良好な通風状態が得られる。また、この整流板を含めて通風路中の適所に吸音材を取り付ければ、さらに機械周囲への騒音レベルを低減させることができる。
【0012】
請求項4記載の発明のように、機械室の底壁に、第1開口と対向する第4開口が設けられたこととすれば、上下に形成される通風路によりさらに良好な通風状態が得られる。
【0013】
請求項5記載の発明のように、第1通風路と第2通風路とが仕切り壁によって仕切られたこととすれば、その仕切り壁で第1,第2通風路間での通風が互いに干渉されなくなり、これにより冷却風量の偏流がなくなるので、さらに良好な通風状態が得られる。
【0014】
請求項6記載の発明のように、機械室が、隔壁により、通風路及び熱交換器が設けられた第1区画と、エンジンが設置された第2区画とに仕切られたこととすれば、エンジンは独立した区画内に完全に閉じ込められるので、上記各熱交換器に対してエンジンが給排気抵抗となることはなくなりさらに良好な通風状態が得られる。また、エンジンが発生する騒音は上記隔壁で遮られるので、通風路の開口を介して放射される機械周囲への騒音をさらに低減させることができる。この場合、その隔壁等に吸音材を取り付ければ、機械周囲の騒音レベルをさらに低減させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、建設機械として油圧ショベルを例にとり、いくつかの実施形態について説明する。
【0016】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのI−I線断面図である。なお、図1(a)中の上側が前、下側が後となっている(以下の図面についても同様である)。
【0017】
図1(a),(b)において、1は地上走行用の下部走行体、2はこの下部走行体1に旋回自在に搭載される上部旋回体である。
【0018】
下部走行体1は、左右に延びる箱状の支持フレーム11と、この支持フレーム11の左右両端に取り付けられて、図示しない走行モータでそれぞれ周回駆動されるクローラ12,12とを備えている。
【0019】
上部旋回体2は、上記支持フレーム11に縦軸まわりに旋回自在に支持される平面視で略四角形状の旋回フレーム21を備え、この旋回フレーム21上の前端略中央には図示しない作業用アタッチメントを起伏自在に取り付けることのできるブラケット状の取り付け部22が設けられている。そして、旋回フレーム21の前端左側には半密閉箱状の運転室23が搭載され、この運転室23から極力離間させてエンジン等の機械を内蔵する機械室24が搭載されている。
【0020】
この機械室24は、旋回フレーム21の後端左右に延び、さらに上記運転室23とは左右反対側となる同旋回フレーム21の右寄り前方に延びており、全体平面視で左右逆L字状に形成されている。この機械室24は、より具体的には旋回フレーム21の一部からなる底壁25と、この底壁25を覆う上部カバー26とから構成されており、この上部カバー26はさらに前壁26F、後壁26A、右壁26R、左壁26L及び天井壁26Uからなっている。
【0021】
この機械室24の後端側には、エンジン34を冷却するための熱交換器であるラジエータ27と、油圧ポンプ35により吐出される作動油を冷却するための熱交換器であるオイルクーラ28とが所定間隔(スペースS)を置いて左右方向に相対向する状態で配置されている。ラジエータ27、オイルクーラ28が第1,第2熱交換器のいずれかに相当する。なお、スペースSは機械室24の上部カバー26の天井壁26Uから外気をスムーズに導入するために上記左右方向の中央寄りに設けられているが、必ずしも正確に中央に位置する必要はなく、そのスペースSの左右に配置されるラジエータ27やオイルクーラ28等の冷却のためにそれぞれ要求される通風量やその他機械的な配置上等の条件に応じて設定される。
【0022】
そして、上部カバー26の天井壁26Uの上記スペースSの真上に開口29が設けられている。ラジエータ27の左側には電動或いは油圧駆動の冷却ファン30が設けられ、オイルクーラ28の右側には同様の冷却ファン31が設けられている。上部カバー26の左壁26Lには開口32が設けられ、右壁26Rには開口33が設けられている。開口29が第1開口に相当し、開口32,33が第2,第3開口のいずれかに相当する。
【0023】
そして、開口29からスペースSとラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路Aと、開口29からスペースSとオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路Bとが形成される。通風路A,Bが第1,第2通風路のいずれかに相当する。開口29,32,33は、その開口面積が給排気の縮流を生じないようにそれぞれ設定されているが、さらに図示しないルーバーを設けて雨水等の混入を防止している。
【0024】
一方、エンジン34が、この通風路Bの外となるように機械室24の右寄りにその出力軸が前後方向に向けて配置されている。そして、エンジン34の出力軸の後端には、エンジン駆動の油圧ポンプ35が取り付けられており、図示しない油圧系統に圧油を供給するようになっている。
【0025】
この油圧ポンプ35は上記通風路B中にあって、冷却ファン31によって吸引される冷却風によりオイルクーラ28とともに強制冷却されるようになっている。また、ラジエータ27は上記通風路A中にあって、冷却ファン30によって吸引される冷却風により、別途強制冷却されるようになっている。
【0026】
この構成によれば、冷却風の流れから見てエンジン34がラジエータ27やオイルクーラ28の下流側や上流側にある場合に比べて、エンジン34が吸排気抵抗とならないので、良好な通風状態が得られる。なお、通風路A,B中の特に乱流を生じやすい上記スペースS内等に整流板を設ければ、冷却風の通風抵抗がさらに減少するので、さらに良好な通風状態が得られる。
【0027】
また、この構成によれば、エンジン34の本体からの熱放射により、ラジエータ27やオイルクーラ28の前面で冷却風温度が上昇しない。したがって、ラジエータ27やオイルクーラ28の冷却効率を低下させるおそれがなくなり、冷却ファン30,31の容量や、ラジエータ27やオイルクーラ28の冷却容量を小さくして機械のコストダウンを図ることができる。
【0028】
また、冷却ファン30,31の容量が小さくなるとそのファンが発生する騒音も小さくなるので、通風路A,Bの各開口29,32,33を介して放射される騒音を低減させて、機械周囲の騒音レベルを低減させることができる。
【0029】
ところで、ラジエータ27とオイルクーラ28とをまとめて通風することも考えられるが、その場合には両者が互いに通風抵抗となり、上流側のラジエータ又はオイルクーラからの廃熱で温度上昇した冷却風が下流側に流れるといった不具合がある。この点、本実施形態1ではラジエータ27とオイルクーラ28とが別個に通風されるので、両者が互いに通風抵抗にならず、いずれに対しても良好な通風状態が得られる。また、本実施形態1では上流側のラジエータ27又はオイルクーラ28からの廃熱で温度上昇した冷却風が下流側に流れるといったことがないので、その下流側の熱交換器の冷却効率を低下させることもない。
【0030】
さらに、ラジエータ27とオイルクーラ28とを水平配置することも考えられるが、その場合には、これらの内部を流れる熱媒に気泡が混合したとすれば、その気泡が外部に排出されにくく、残留気泡による伝熱面積が減少して、その熱交換が阻害されるおそれがある。この点、本実施形態1ではラジエータ27とオイルクーラ28とが直立して配置されているので、そのような不具合はない。
【0031】
したがって、本実施形態1によれば、ラジエータ27とオイルクーラ28との容量が小さくなるとともに、ファン容量も小さくなり、その冷却ファン30,31による騒音が減少する。また、ラジエータ27とオイルクーラ28との各通風路A,Bの冷却風の取入口又は排出口を個別には設けていないので、そこ外部に放射される騒音によって機械周囲の騒音レベルが増大することもない。
【0032】
なお、上記整流板を含めて通風路A,B中の適所に例えばグラスウール、ロックウール等の多孔質材料からなる吸音材を取り付ければ、その吸音効果によって上記騒音をさらに低減させることができる。
【0033】
ところで、上記では、機械室24の通風路A,Bが上下方向で1ルートづつしか形成されていないので、例えば上部カバー26の天井壁26Uが高くとれる大型ショベル等の場合には、その通風路A,B中において、高さ方向での偏流を生じないように改善することが好ましい。そこで、本発明者らはかかる点に着目してさらに以下のような発明をした。
【0034】
(実施形態2)
図2は本発明の実施形態2に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのII−II線断面図である。なお、上記実施形態1と共通する要素には同一番号を付してその重複記載を省略する。
【0035】
図2(a),(b)において、下部走行体1、上部旋回体2の全体構成は、その機械室24内の通風路を除いて上記実施形態1と同様である。
【0036】
すなわち、本実施形態2の機械室24の後端側では、上部カバー26の天井壁26Uの上記開口29に加えて、さらにこの開口29に対向する底壁25の部位に開口29’が設けられている。この開口29’が第4開口に相当する。なお、ラジエータ27の左側には電動或いは油圧駆動の冷却ファン30が設けられ、オイルクーラ28の右側には同様の冷却ファン31が設けられており、上部カバー26の左右側壁26L,26Rにはそれぞれ開口32,33が設けられている点は上記実施形態1と同様である。
【0037】
そして、本実施形態2では、開口29からスペースSとラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路A1と、開口29からスペースSとオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路B1とが形成されるとともに、開口29’からスペースSとラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路A2と、開口29’からスペースSとオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路B2とが形成される。開口29’は、他の開口29,32,33と同様に、その開口面積が給排気の縮流を生じないように設定されているが、さらに図示しないルーバーを設けて地上から舞い上がる塵埃等の混入を防止している。
【0038】
一方、エンジン34が、この通風路B1,B2から外れた機械室24の右側にその出力軸が前後方向に向くようにして配置されている。そして、エンジン34の出力軸の後端には、上記実施形態1と同様の油圧ポンプ35が取り付けられている。
【0039】
この油圧ポンプ35は上記通風路B1,B2中にあって、冷却ファン31によって吸引される冷却風によりオイルクーラ28とともに強制冷却されるようになっている。また、ラジエータ27は上記通風路A1,A2中にあって、冷却ファン30によって吸引される冷却風により、別途強制冷却されるようになっている。
【0040】
この構成によれば、機械室24内の通風路A1,B1とA2,B2とが上下方向に別個に形成されるので、その上下方向での偏流が生じにくくなり、より良好な通風状態が得られるので、ファン容量等を小さくして機械のコストダウンを図ることができるとともに、冷却ファン30,31の発生する騒音を小さくして機械周囲への騒音の低減とを図ることができる。この構成は、特に、天井の高い機械室24を有する建設機械の場合に好適である。
【0041】
また、上記実施形態1,2では機械室24の通風路AとB(A1,B1とA2,B2)が左右方向には独立してないので、その上部カバー26の天井壁26Uが低い場合等には、その通風路AとB(A1,B1とA2,B2)中において、左右方向での通風量に偏りが生じないようにさらに改善することが好ましい。そこで、本発明者らはかかる点に着目してさらに以下のような発明をした。
【0042】
(実施形態3)
図3は本発明の実施形態3に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのIII−III線断面図である。なお、上記実施形態1,2と共通する要素には同一番号を付してその重複記載を省略する。
【0043】
図3(a),(b)において、下部走行体1、上部旋回体2の全体構成は、その機械室24内に通風路を仕切るための仕切り壁を設けたことを除いて上記実施形態1,2と同様である。
【0044】
すなわち、本実施形態3の機械室24では、その後端側におけるラジエータ27とオイルクーラ28との間の上記スペースSを左右方向に分割する仕切り壁に26Bを設けており、この仕切り壁26Bによってラジエータ27とオイルクーラ28とを別室R1,R2に配置している。ただし、その上部カバー26の天井壁26Uの上記開口29は、上記分割されたスペースS1,S2にまたがって設けられている。
【0045】
上記仕切り壁26Bは、必ずしもこのスペースS1,S2を同じ大きさとするものではなく、その仕切り壁26Bによって分離配置されるラジエータ27やオイルクーラ28等の冷却のためにそれぞれ要求される通風量やその他機械的な配置上等の条件に応じて設定される。なお、左室R1内のラジエータ27のさらに左側には電動或いは油圧駆動の冷却ファン30が設けられ、右室R2内のオイルクーラ28のさらに右側には同様の冷却ファン31が設けられており、上部カバー26の左右側壁26L,26Rにはそれぞれ開口32,33が設けられている。
【0046】
そして、本実施形態3では、左室R1内においては開口29からスペースS1とラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路Cが形成されるとともに、右室R2内においては開口29からスペースS2とオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路Dが形成されている。左右両室R1,R2にまたがる開口29は、他の開口32,33と同様に、それぞれの室R1,R2内での開口面積が給排気の縮流を生じないように設定されている。
【0047】
一方、エンジン34が、オイルクーラ28と同じ右室R2内に配置されており、具体的にはこの通風路Dを回避するように同右室R2内のさらに右側にその出力軸が前後方向に向くようにして配置されている。そして、エンジン34の出力軸の後端には、上記実施形態1,2と同様の油圧ポンプ35が取り付けられている。
【0048】
この油圧ポンプ35は上記右室R2内の通風路D中にあって、冷却ファン31によって吸引される冷却風によりオイルクーラ28とともに強制冷却されるようになっている。また、ラジエータ27は上記左室R1内の通風路C中にあって、冷却ファン30によって吸引される冷却風により、別途強制冷却されるようになっている。
【0049】
この構成によれば、機械室24内の通風路C,Dが互いに干渉しないように形成されるので、その左右方向で通風量の偏りが全く生じなくなり、さらに良好な通風状態が得られる。したがって、ファン容量等を小さくして機械のコストダウンを図ることができるとともに、冷却ファン30,31の発生する騒音を小さくして機械周囲への騒音の低減とを図ることができる。この構成は、特に扁平な機械室24を有する建設機械に好適である。
【0050】
また、上記実施形態1〜3では、いずれも良好な通風状態を得て、その冷却ファン30,31からの騒音を減少させることができる。しかし、ラジエータ27及びオイルクーラ28とエンジン34とがいずれも共通の区画内にあるので、通風路(A,B等)中の開口(29等)から放射されるエンジン34による騒音を減少させることは困難である。そこで、本発明者らはかかる点に着目してさらに以下のような発明をした。
【0051】
(実施形態4)
図4は本発明の実施形態4に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのIV−IV線断面図である。なお、上記実施形態1〜3と共通する要素には同一番号を付してその重複記載を省略する。
【0052】
図4(a),(b)において、下部走行体1、上部旋回体2の全体構成は、その機械室24内の区画を仕切るための隔壁をさらに設けたことを除いて上記実施形態1と同様である。
【0053】
すなわち、本実施形態4の機械室24では、後端左右に延びる部分(第1区画)と右側前方に延びる部分(第2区画)とを仕切る隔壁26Cを設けており、この隔壁26Cによって仕切られた後室R3にラジエータ27及びオイルクーラ28を配置し、前室R4内にエンジン34を配置している。
【0054】
上記隔壁26Cは、その隔壁26Cによって分離配置されるラジエータ27及びオイルクーラ28とエンジン34との機械的な配置上等の条件に応じて設定され、例えば前室R4の内側にはグラスウール、ロックウール等の多孔質材料からなる吸音材が取り付けられている。なお、前室R4内にはエンジン34とこのエンジンによって駆動される油圧ポンプ35とが配置される。また後室R3内にはラジエータ27とオイルクーラ28とがスペースSを介して対向配置されるとともに、そのラジエータ27のさらに左側には電動或いは油圧駆動の冷却ファン30が設けられ、オイルクーラ28のさらに右側には同様の冷却ファン31が設けられており、上部カバー26の左右側壁26L,26Rにはそれぞれ開口32,33が設けられている。
【0055】
そして、上記実施形態1と同様に、開口29からスペースSとラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路Aと、開口29からスペースSとオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路Bとが形成されている。
【0056】
このオイルクーラ28は上記通風路B中にあって、冷却ファン31によって吸引される冷却風により強制冷却されるようになっている。また、ラジエータ27は上記通風路A中にあって、冷却ファン30によって吸引される冷却風により、別途強制冷却されるようになっている。
【0057】
一方、エンジン34は、上記前室R4内にその出力軸が前後方向に向くようにして配置されている。そして、エンジン34の出力軸の後端には、エンジン駆動の油圧ポンプ35が取り付けられている。
【0058】
この構成によれば、機械室24内が隔壁26Cによって前後に独立した室R3,R4として区画されているので、その後室R3内での良好な通風状態が得られる。これにより、ファン容量等を小さくして機械のコストダウンを図ることができるとともに、冷却ファン30,31の発生する騒音を小さくして機械周囲への騒音の低減とを図ることができる。さらに、エンジン34が前室R4に閉じ込められているので、後室R3の開口29,32,33を介して機械周囲への騒音を増大させることがない。この場合、隔壁26Cの上記吸音材による吸音効果によって、機械周囲への騒音がさらに低減される。
【0059】
(実施形態5)
図5は本発明の実施形態5に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのV−V線断面図である。なお、上記実施形態1〜4と共通する要素には同一番号を付してその重複記載を省略する。
【0060】
図5(a),(b)において、下部走行体1、上部旋回体2の全体構成は、その機械室24内の通風路を除いて上記実施形態4と同様である。
【0061】
すなわち、本実施形態5の機械室24の上記後室R3では、上部カバー26の天井壁26Uの上記開口29に加えて、さらにこの開口29に対向する底壁25の部位に開口29’が設けられている。なお、ラジエータ27の左側には冷却ファン30が設けられ、オイルクーラ28の右側には冷却ファン31が設けられており、上部カバー26の左右側壁26L,26Rにはそれぞれ開口32,33が設けられている点は上記実施形態4と同様であり、また通風路については上記実施形態2と同様である。
【0062】
すなわち、本実施形態5では、開口29からスペースSとラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路A1と、開口29からスペースSとオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路B1とが形成されるとともに、開口29’からスペースSとラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路A2と、開口29’からスペースSとオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路B2とが形成される。
【0063】
このオイルクーラ28は上記通風路B1,B2中にあって、冷却ファン31によって吸引される冷却風により強制冷却されるようになっている。また、ラジエータ27は上記通風路A1,A2中にあって、冷却ファン30によって吸引される冷却風により、別途強制冷却されるようになっている。
【0064】
一方、エンジン34は、上記前室R4内にあって、その出力軸が前後方向に向くようにして配置されている。そして、エンジン34の出力軸の後端には、エンジン駆動の油圧ポンプ35が取り付けられている。
【0065】
この構成によれば、機械室24内の上記後室R3内の通風路A1,B1とA2,B2とが上下方向に別個に形成されるので、その上下方向での偏流が生じにくくなり、より良好な通風状態が得られるので、ファン容量等を小さくして機械のコストダウンを図ることができるとともに、冷却ファン30,31の発生する騒音を小さくして機械周囲への騒音の低減を図ることができる。この構成は、上記実施形態2と同様に、特に天井の高い機械室24を有する建設機械の場合に好適である。
【0066】
(実施形態6)
図6は本発明の実施形態6に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのVI−VI線断面図である。なお、上記実施形態4,5と共通する要素には同一番号を付してその重複記載を省略する。
【0067】
図6(a),(b)において、下部走行体1、上部旋回体2の全体構成は、その機械室24内の後室R3内に仕切り壁をさらに設けたことを除いて上記実施形態4,5と同様である。また、この仕切り壁を設けた点は上記実施形態3と同様である。
【0068】
すなわち、本実施形態6の機械室24内における後室R3では、ラジエータ27とオイルクーラ28との間の上記スペースSを前後方向に分割する仕切り壁26Bを設けており、この仕切り壁26Bによってラジエータ27とオイルクーラ28とを別室R31,R32に配置している。ただし、その上部カバー26の天井壁26Uの上記開口29は、上記分割されたスペースS1,S2にまたがって設けられている。
【0069】
上記仕切り壁26Bは、必ずしもこのスペースS1,S2を同じ大きさとするものではなく、その仕切り壁26Bによって分離配置されるラジエータ27やオイルクーラ28等の冷却のためにそれぞれ要求される通風量やその他機械的な配置上の条件に応じて設定される。なお、左室R1内のラジエータ27のさらに左側には電動或いは油圧駆動の冷却ファン30が設けられ、右室R2内のオイルクーラ28のさらに右側には同様の冷却ファン31が設けられており、上部カバー26の左右側壁26L,26Rにはそれぞれ開口32,33が設けられている。
【0070】
そして、本実施形態6では、左室R31内においては開口29からスペースS1とラジエータ27とを経由して開口32にいたる通風路Cが形成されるとともに、右室R32内においては開口29からスペースS2とオイルクーラ28とを経由して開口33にいたる通風路Dが形成される。左右両室R31,R32にまたがる開口29は、他の開口32,33と同様に、それぞれの室R31,R32内での開口面積が給排気の縮流を生じないように設定されている。
【0071】
このオイルクーラ28は上記通風路D中にあって、冷却ファン31によって吸引される冷却風により強制冷却されるようになっている。また、ラジエータ27は上記通風路C中にあって、冷却ファン30によって吸引される冷却風により、別途強制冷却されるようになっている。
【0072】
一方、エンジン34は、上記前室R4内にあって、その出力軸が前後方向に向くようにして配置されている。そして、エンジン34の出力軸の後端には、エンジン駆動の油圧ポンプ35が取り付けられている。
【0073】
この構成によれば、機械室24内の上記前後両室R31,R32内の通風路C,Dが左右方向に独立して形成されているので、その左右方向で通風量の偏りが生じなくなり、さらに良好な通風状態が得られるので、ファン容量等を小さくして機械のコストダウンを図ることができるとともに、冷却ファン30,31の発生する騒音を小さくして機械周囲への騒音の低減とを図ることができる。さらに、エンジン34が前室R4内に閉じ込められているので、後室31,32の開口29,32,33を介して機械周囲への騒音を増大させることがない。この構成は、上記実施形態3と同様に、特に扁平な機械室24を有する建設機械に好適である。
【0074】
なお、上記実施形態1〜6では、いずれも運転室23が旋回フレーム21上の前端左側に搭載されているので、機械室24は同旋回フレーム21の左側前方に向かって延びるように形成されているが、この逆に運転室23が旋回フレーム21上の前側右側に搭載されている場合には、これに応じて機械室24も同旋回フレーム21の右側前方に向かって延びるように形成されるのはいうまでもない。
【0075】
また、上記実施形態1〜6では、いずれも上部カバー26の天井壁26Uに設けた開口29(或いは底壁25に設けた開口29’)から、左右両側壁26L,26Rにそれぞれ設けられた開口32,33に向けて通風を行っているが、この逆に、開口32,33から開口29(29’)に向けて通風してもよい。また、開口29(29’)は通風構造の簡素化を目的として、空気入口と空気出口のいずれかを共用するものであるが、必要に応じてこの開口29を別個に設けてもよい。
【0076】
また、上記実施形態1〜6では、二組の熱交換器としてラジエータ27とオイルクーラ28とを例示したが、その他の熱交換器(例えばインタークーラやエアコン用の熱交換器など)があれば、それを上記二組のいずれかに含めて構成することもできる。また、上記では、機械室24内でラジエータ27を左側に、オイルクーラ28とエンジン34とを右側にそれぞれ配置したが、左右逆配置としてもよい。
【0077】
また、上記実施形態1〜6を適宜組み合わせ適用することもできる。例えば、実施形態2の開口29’を実施形態3に設けることができる。その場合には、左右上下にそれぞれ別個の通風路が形成され、さらに良好な通風状態が得られる。
【0078】
また、上記実施形態1〜6では、建設機械として油圧ショベルを例示して説明したが、その他クレーン等の他の建設機械についての本発明を適用できる。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、機械室内に複数の熱交換器が、二組に分けられて、かつ、両組熱交換器が間隔を置いて相対向する状態で配置されるとともに、上記両組の熱交換器ごとに別々の通風路が形成されるように空気入口と空気出口とが設けられ、上記両通風路から外れた位置にエンジンが設置されたので、冷却風の流れから見てエンジンが熱交換器の下流側や上流側にある場合に比べて、吸排気抵抗が小さくなり、良好な通風状態が得られるようになる。さらに、エンジン本体からの熱放射により、熱交換器の前面で冷却風温度が上昇することもない。したがって、熱交換器の冷却効率を低下させるおそれがなくなるので、これを冷却するためのファンの容量が小さくなり、そのファンが発生する騒音も小さくなるので、通風路の開口から放射される機械周囲の騒音レベルを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのI−I線断面図である。
【図2】本発明の実施形態2に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのII−II線断面図である。
【図3】本発明の実施形態3に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのIII−III線断面図である。
【図4】本発明の実施形態4に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのIV−IV線断面図である。
【図5】本発明の実施形態5に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのV−V線断面図である。
【図6】本発明の実施形態6に係る油圧ショベルの旋回フレーム上の機械配置を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそのVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
1 下部走行体
2 上部旋回体
21 旋回フレーム
24 機械室
25 底壁
26 上部カバー
26B 仕切り壁
26C 隔壁
27 ラジエータ(熱交換器)
28 オイルクーラ(熱交換器)
29,29’ 開口(第1,第4開口)
32,33 開口(第2,第3開口)
31,31 冷却ファン
34 エンジン
35 油圧ポンプ
A,B、A1,A2,B1,B2,C,D 通風路
S,S1,S2 スペース
R1,R2,R3(R31,R32),R4 室
Claims (6)
- 機械室内に複数の熱交換器を、二組に分けて、かつ、両組の熱交換器を間隔を置いて相対向する状態で配置するとともに、上記両組の熱交換器ごとに別々の通風路が形成されるように空気入口と空気出口とを設け、上記両通風路から外れた位置にエンジンを設置したことを特徴とする建設機械。
- 空気入口と空気出口とを、その一方が両通風路に共用される状態で設けたことを特徴とする請求項1記載の建設機械。
- 機械室の天井壁に第1開口、左右両壁に第2及び第3開口がそれぞれ設けられ、上記第1開口を上記共用される空気入口又は空気出口としてこの第1開口と上記第2開口とを結ぶ第1通風路と、第1開口と第3開口とを結ぶ第2通風路とが形成され、上記第1通風路に第1熱交換器、上記第2通風路に第2熱交換器がそれぞれ配置されたことを特徴とする請求項2記載の建設機械。
- 機械室の底壁に、第1開口と対向する第4開口が設けられたことを特徴とする請求項3記載の建設機械。
- 第1通風路と第2通風路とが仕切り壁によって仕切られたことを特徴とする請求項3又は4記載の建設機械。
- 機械室が、隔壁により、通風路及び熱交換器が設けられた第1区画と、エンジンが設置された第2区画とに仕切られたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の建設機械。
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2003
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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