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JP2004263296A - ファインパターンプリント配線用銅箔とその製造方法 - Google Patents

ファインパターンプリント配線用銅箔とその製造方法 Download PDF

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Kensaku Shinozaki
健作 篠崎
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Furukawa Circuit Foil Co Ltd
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Furukawa Techno Res Kk
Furukawa Circuit Foil Co Ltd
Furukawa Research Inc
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Abstract

【課題】 樹脂基板との間で充分な接着強度を有し、ファインパターン形成時の残銅、配線ラインの足喰われ等の問題を解消し、耐熱性、電気特性においても優れたファインパターンプリント配線用銅箔及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明は、未処理銅箔の表面に粗化処理を施してなるファインパターンプリント配線用銅箔において、前記粗化処理を施す前の未処理銅箔は、表面粗さが10点平均粗さRzで2.5μm以下であり、素地山の最小ピーク間距離が5μm以上であるファインパターンプリント配線用銅箔である。
また、未処理銅箔の表面に平均粒径2μm以下の結晶粒が表出する電解銅箔に前記同様の粗化処理を施すと良い。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ファインパターンプリント配線用銅箔及びその製造方法に関するものである。
通常、電解銅箔の製造は二工程からなる。第一工程として電解製箔装置により製箔を行い、第二工程として表面処理装置により密着性向上のための粗化処理、各種表面処理を行ってプリント配線板に使用される銅箔が製造される。
図1は電解銅箔製造の第一工程を示すもので、電解製箔装置と呼ばれる回転するドラム状の陰極(ステンレス又はチタン製)(カソード)2と、該陰極2に対して同心円状に配置された陽極(Pb又はDSA製)(アノード)1からなり、該陰極2と陽極1との間に銅めっき液3を通し、両極間に電流を流して、陰極2に所定の厚さに銅を析出させた後剥ぎ取り、銅箔4を製造する。この銅箔4を本明細書では未処理銅箔と言う。
未処理銅箔は、銅張り積層板に必要とされる性能を付与するため、第二工程として、図2に示すように電気化学的あるいは化学的に表面処理を連続的に行う。図2は未処理銅箔の表面を処理する表面処理装置で、未処理銅箔4を電解液5が充填された電解槽、電解液6が充填された電解槽を連続的に通過させ、電極7をアノードとし、銅箔自体をカソードとして表面処理を施し、表面処理銅箔8とする。このようにして表面処理を施した後の銅箔を本明細書では表面処理銅箔と言う。表面処理銅箔はプリント配線板に使用される。
未処理銅箔の表面処理方法は、銅箔を樹脂基板に強固に接合させるために、また、プリント配線板としての所要の電気特性、エッチング特性、耐熱性、耐薬品性を満足させるために、銅箔の樹脂基板との被接合面に粗化処理を施し、更には該粗化処理が施された面上に亜鉛めっきやニッケルめっき等を施し、また更に該亜鉛めっきやニッケルめっき等を施した面上にクロメート処理、シランカップリング剤処理等を施す。
一例として、酸性銅めっき浴中で銅箔を陰極とし、限界電流密度付近でいわゆる「やけめっき」を行うことにより銅箔の被接合表面を粗化面とする方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、やけめっきにより銅箔被接合面を粗化面とし、該粗化面の微細な突起群の表面を通常の銅めっきによる薄層(いわゆる「カプセル層」)で覆って、該粗化面の微細な突起群を銅箔に安定的に固定する方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。これら一連の処理を本明細書では粗化処理と言う。
上記のような表面処理銅箔を使用したプリント配線板は、通常次のようにして製造されている。
まず、ガラス・エポキシ樹脂やポリイミド樹脂などからなる電気絶縁性の基板の表面に、表面回路形成用の前記表面処理銅箔を置いたのち、加熱・加圧して銅張り積層板を製造する。
ついで、前記銅張り積層板に、スルーホールの穿設,スルーホールめっきを順次行ったのち、該銅張り積層板の表面にある銅箔にエッチング処理を行って所望する線幅と所望する線間ピッチを備えた配線パターンを形成し、最後に、ソルダーレジストの形成やその他の仕上間ピッチを備えた配線パターンを形成し、最後にソルダーレジストの形成やその他の仕上げ処理が行われる。
このとき用いる銅箔については、基板に熱圧着される側の表面を粗化面とし、この粗化面で該基板に対するアンカー効果を発揮させ、もって該基板と銅箔との接合強度を高めてプリント配線板としての信頼性を確保している。
更に最近では、銅箔の粗化面を予めエポキシ樹脂のような接着用樹脂で被覆し、該接着用樹脂を半硬化状態(Bステージ)の絶縁樹脂層にした樹脂付き銅箔を表面回路形成用の銅箔として用い、その絶縁樹脂層の側を基板に熱圧着してプリント配線板、とりわけビルドアッププリント配線板を製造することが行われている。
また、各種電子部品の高集積化に対応して、こうしたビルドアッププリント配線板では、配線パターンも高密度化が要求され、微細な線幅や線間ピッチの配線からなる配線パターン、いわゆるファインパターンのプリント配線板が要求されるようになってきている。例えば、半導体パッケージに使用されるプリント配線板の場合は、線幅や線間ピッチがそれぞれ15μm前後という高密度極微細配線を有するプリント配線板が要求されている。
このようなプリント配線板形成用の銅箔として、表面の粗さが粗い銅箔を用いると、基板の表面までエッチングするために必要な時間が長くなり、その結果、図3に示すように基板Bに貼り合わされた銅箔Aの配線パターンにおける側壁の垂直性が崩れて、次式:
Ef=2T/(Wb−Wt)
(ここで、Tは銅箔の厚み、Wbは形成された配線パターンのボトム幅、Wtは形成された配線パターンのトップ幅である)で示されるエッチングファクター(Ef)が小さくなる。
このような問題は、形成する配線パターンにおける配線の線幅が広い場合にはそれほど深刻な問題にならないが、線幅が狭い配線パターンの場合には断線に結びつくことも起こり得る。
こうしたファインパターンの要求に対して、銅箔の性能でエッチング性に大きな影響のある要因の一つは表面の粗さである。特に、粗化処理を施して樹脂基板と接着する面の粗さの影響が大きい。銅箔の粗さに影響する要因には大きく分けて二つある。一つは未処理銅箔の粗面の表面粗さであり、もう一つは粗化処理(めっき処理)で付着した粒状の金属の付き方である。未処理銅箔の粗面の表面粗さが粗いと粗化処理後の銅箔表面の粗さも粗くなる。また、一般的に粒状の金属の付着量が多いと粗化処理後の銅箔表面の粗さは粗くなる。
未処理銅箔の粗面表面粗さは、銅箔を電解で製造する際のドラム状のカソードに銅を析出させる時の電解条件、特に電解液に加える添加剤によって決まるところが大きい。
また、粗化処理を構成する「やけめっき」の銅めっき液組成、めっき条件により、粒形状及び付き方は大きく影響を受ける。
一般的に未処理銅箔は、光沢面と呼ぶ製造時にドラムに接触していた側の面は比較的平滑であるが、逆の面である銅めっき液と接触していた面は凹凸を有する。そこで、粗面を平滑化する試みとして、例えば、チオ尿素などの活性イオウを銅めっき液中に添加して電解銅箔を製造する方法が開示されている(例えば特許文献3参照)。しかし、この方法により製造された未処理銅箔の粗面は、凹凸のRz値は確かに小さいが(なお、ここでいう表面粗さRzとはJISB06012で規定する10点平均粗さであり、以下同様である。)、図4に示すように被処理銅箔4の表面に山と谷の部分が存在する(以下これを本明細書では素地山と言う。)。
通常、こうした銅箔の素地山のピーク間距離は5μm未満であり、こうした表面に粗化処理を行うと微細粗化粒子層12は図4に示すように素地山の頂点の部分に粗化粒子12aが集中して電析して、谷の部分には余り電析しない。
また、粗化処理を行う銅めっき液の液組成、めっき条件によっては、図4に符号12bで示すように粗化粒子の異常析出が発生する。このような異常析出は、銅張積層板を作成し、エッチング後にいわゆる残銅となり、ファインパターンを切ることが出来ない。
また、光沢面は比較的平滑であることから、光沢面側に粒状の銅を付着させ樹脂基板との接合強度を上げる試みもなされている(例えば特許文献4参照)。
しかし、未処理箔の光沢面は一見光沢があり、平滑に見えるが、上記のように製造時にチタンドラムに接していた面であるので、ちょうどチタンドラムのレプリカになっている。従って、チタンドラムの表面キズの影響を受け、深いキズ状の欠陥が見られることがある。
こうした欠陥表面に粗化処理を行うと、図5に示すように凹凸のRz値は確かに小さいが、キズ部分に粗化粒子12aの異常析出12bが起こり、異常析出の部分はファインパターン作成時に残銅となり、ファインパターンの作成が困難になる。
特公昭40−15327号公報 米国特許第3293109号明細書 米国特許第5,171,417号明細書 特開平6−270331号公報
上記各特許文献で開示されている技術による銅箔、並びに粗化面の処理方法では、電子機器の小型化及び高性能化が進み、プリント基板の小型化及び高密度化が要求される近年のファインパターン化の要求には対応できず、樹脂基板との接着強度不足、ファインパターン形成時の残銅、配線ラインの足喰われ等の問題が指摘される。
本発明は、かかる従来の技術の課題を解決するためになされたもので、樹脂基板との間で充分な接着強度を有し、ファインパターン形成時の残銅、配線ラインの足喰われ等の問題を解消し、耐熱性、電気特性においても優れたファインパターンプリント配線用銅箔及びその製造方法を提供するものである。
本発明のファインパターンプリント配線用銅箔は、未処理銅箔の表面に粗化処理を施してなるファインパターンプリント配線用銅箔であって、前記粗化処理を施す前の未処理銅箔の表面粗さが10点平均粗さRzで2.5μm以下であり、素地山の最小ピーク間距離が5μm以上である電解銅箔であることを特徴とする。
また、本発明のファインパターンプリント配線用銅箔は、未処理銅箔の表面に粗化処理を施してなるファインパターンプリント配線用銅箔であって、前記粗化処理を施す前の前記未処理銅箔の表面粗さが10点平均粗さRzで2.5μm以下であり、素地山の最小ピーク間距離が5μm以上あり、表面に平均粒径2μm以下の結晶粒が表出する電解銅箔であることを特徴とする。
前記未処理銅箔の少なくとも一方の表面に、粗化処理としてモリブデンと、鉄、コバルト、ニッケル、タングステンの内の少なくとも一種を含有する銅のやけめっきにより銅のやけめっき層が成膜されていることが好ましい。
また、好適には前記やけめっき層の上に銅のめっき層が成膜されていると良い。
本発明のファインパターンプリント配線用銅箔の製造方法は、メルカプト基を有する化合物、塩化物イオン、並びに分子量10,000以下の低分子量膠又は/及び高分子多糖類を添加した銅めっき液で、電流密度範囲が50A/dm以上100A/dm以下で製箔した電解未処理銅箔表面に粗化処理を施すことを特徴とする。
また、本発明のファインパターンプリント配線用銅箔の製造方法は、表面粗さが10点平均粗さRzで2.5μm以下であり、素地山の最小ピーク間距離が5μm以上である未処理電解銅箔の少なくとも一方の表面に、0.001〜5g−Mo/l、0.01〜10g−M/l(M=Fe及び/又はCo及び/又はNi)、0.1〜1ppmWの内の少なくとも1種を含有するめっき浴で、めっき液温度を10〜30℃に保って、未処理電解銅箔を陰極とし、該浴の限界電流密度付近の電流密度で電解して銅のやけめっき層を設けることを特徴とする製造方法である。
更に、本発明のファインパターンプリント配線用銅箔の製造方法は、表面粗さが10点平均粗さRzで2.5μm以下であり、素地山の最小ピーク間距離が5μm以上であり、表面に平均粒径2μm以下の結晶粒が表出する未処理電解銅箔の少なくとも一方の表面に、0.001〜5g−Mo/l、0.01〜10g−M/l(M=Fe及び/又はCo及び/又はNi)、0.1〜1ppmWの内の少なくとも1種を含有するめっき浴で、めっき液温度を10〜30℃に保って、未処理電解銅箔を陰極とし、該浴の限界電流密度付近の電流密度で電解して銅のやけめっき層を設けることを特徴とする製造方法である。
本発明の銅箔は、樹脂基板との間で充分な接着強度を有し、電子機器の小型化及び高性能化が進み、プリント基板の小型化及び高密度化が要求される近年のファインパターン化の要求に対応し、ファインパターン形成時の足残り、配線ラインの足喰われ等の問題がなく、耐熱性、電気特性においても優れ、特にファインパターンプリント配線用として優れた銅箔である。
更に本発明は前記銅箔の優れた製造方法を提供し、特にファインパターンプリント配線用として優れた銅箔を効率良く製造することができる優れた効果を有するものである。
先ず本発明ファインパターンプリント配線用銅箔の製造方法につき説明する。
本発明で使用するメルカプト基を有する化合物としては、3−メルカプト1−プロパンスルホン酸塩が好適である。3−メルカプト1−プロパンスルホン酸塩は、HS(CH23 SO3 Na等で示される化合物を挙げることができる。このような化合物は、単独では銅の結晶を微細化する効果はそれほどないが、他の有機化合物と組み合わせて用いることにより、銅の結晶を微細化し、凹凸の少ないめっき表面を得ることができる。メルカプト基を有する化合物は当該分子が硫酸銅電解液中の銅イオンと反応し、錯体となることにより、或いはめっき界面に作用して過電圧を上昇させることによって銅の結晶を微細化し、凹凸の少ないめっき面を形成するものと推定される。
本発明で使用する高分子多糖類としては、デンプン、セルロース、植物ゴムなどの炭水化物で、一般に水中でコロイドとなるものが好ましい。工業的に安価に提供されているものとして、デンプンでは食用デンプン、工業用デンプン、デキストリン、セルロースとしては水溶性セルロースエーテル(カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースエーテル等)、また、植物ゴムとしてはアラビアゴムやトラカンドゴムが好ましい。
上記高分子多糖類は、メルカプト基を有する化合物と組み合わせることにより、銅の結晶を微細化し、凹凸のないめっき面を形成する。更に結晶の微細化に加えて、これらの高分子多糖類には、製造された銅箔の脆化を防止する働きがある。これらの高分子多糖類は銅箔に蓄積される内部応力を緩和するため、陰極から剥離され巻き取られる際の破れや銅箔が丸まってしまう現象を防止するばかりでなく、常温及び高温の伸び率も改善する。
本発明で使用する低分子量膠は、一般に提供されている膠、或いはゼラチンを酵素や酸もしくはアルカリで分解し、その分子量を小さくした膠で、例えばニッピゼラチン社製の「PBF」や米国Peter−Cooper社製の「PCRA」として市販されているものが使用できる。これらの膠の分子量は1万以下で、低分子量のためゼリー強度が著しく低いのが特徴である。
通常の膠は、マイクロポロシティーの防止や粗面の粗さを抑え、形状を整える効果があるが、伸び特性を低下させるという弊害もある。しかしながら通常の膠(やゼラチン)として市販されているものよりも分子量の小さい膠を使用すると、伸び特性などを大きく犠牲にせず、マイクロポロシティーの防止や粗面の粗さを抑えて形状を整える効果がある。
なお、メルカプト基を有する化合物に高分子多糖類と低分子量膠を同時に加えると、それぞれを単独で加えるよりも、銅箔の高温伸び率が改善されるとともに、マイクロポロシティーの防止や細かで均一な凹凸面を得ることが可能となる。
更に、上記の他、電解液に更に塩化物イオンを添加する。電解液中に塩化物イオンがまったく存在しないと、所望される銅箔粗面がロープロファイル化できないからである。その添加量としては、数ppmで効果が出てくるが、広い電流密度範囲で安定してロープロファイル銅箔を製造するためには、10〜60ppmの範囲に保つことが好ましい。60ppmを越える添加量でもロープロファイル化されるが、添加量を増加したほどにはその効果に著しい増進が認められず、逆に添加量が過剰になると、樹枝状の電析が起こり、或いは限界電流密度が低下するので好ましくない。
上述したように、電解液にメルカプト基を有する化合物、高分子多糖類、低分子量膠と微量の塩化物イオンを併用添加することにより、ファインパターン化のためのロープロファイル銅箔に求められる種々の特性が高いレベルで実現できる。更には、本発明により製造された銅箔(以下未処理銅箔という)の析出面の表面粗度RZ は該未処理銅箔の光沢面の表面粗度RZ と同程度か、それより小さい箔となるため、析出面上に後述する粗化処理を施した後の表面処理銅箔は従来のものに比較して更にロープロファイルとなり、大きなエッチングファクターを持った箔となる。
本発明者等は、既にこの未処理銅箔の製造方法については特許第3313227号を取得している。しかし、上記特許に示す方法は粗面の粗さは低くなっても、粗面上にうねりが存在し、必ずしもファインパターン用銅箔として適切ではなかった。
その原因は、図6に示すように、この発明による箔を使用して、15μm前後のファインパターン8を作成しようとすると、パターンの直線性があまり良くないという欠点が明らかになってきた。この直線性の悪さは銅箔表面のうねりと密接な関係があると考えられる。すなわち、うねりの山の部分は箔が厚く、谷の部分は箔が薄くなっている。こうした銅箔を使用してファインパターンを作成すると、山の部分の銅箔は溶けにくく、谷の部分に相当する銅箔は溶けやすく、直線性が悪くなると考えられる。ファインパターン用の銅箔として適切な銅箔は、表面粗さが低いとともに、こうしたうねりがなく、なだらかであることが理想で、うねりのない箔が最適である。
本発明者はこうしたうねりのない表面処理銅箔を追求した結果、粗化処理を施す前の未処理銅箔は、その表面粗さが10点平均粗さRzで2.5μm以下であり、素地山の最小ピーク間距離が5μm以上である電解銅箔である未処理銅箔に粗化処理を施すことで理想的なうねりのないファインパターン用銅箔が得られることを突き止め、さらには、粗化処理を施す前の前記未処理銅箔は、その表面粗さが10点平均粗さRzで2.5μm以下であり、素地山の最小ピーク間距離が5μm以上あり、表面に平均粒径2μm以下の結晶粒が表出する電解銅箔であることが好適であることを突き止め、本発明を完成した。
本発明において、未処理銅箔の表面のRzが2.5μm以下でなおかつ素地山の最小ピーク間距離が5μm以上必要な理由は、粗化粒子を電析した時に、素地山の頂点の部分に粗化粒子が集中することなく、全体的に均一に粗化粒子が電析するためである。
また、表面に平均粒径2μm以下の結晶粒が表出していると、その上に粗化粒子を電析した時に下地(極薄銅箔)の結晶粒の影響を受け、微細な粒を電析させることが可能である。
このような本発明の銅箔は、極細幅のパターンを切った場合、直線性が非常に良好である。その理由は、未処理箔にうねりがないため、箔の厚さにばらつきが少なく、しかも未処理銅箔上に付着している銅粒が小さく、粒径がそろっているため、極細幅のパターンを切った場合、エッチングによる銅箔の溶解のばらつきが少ないためであると考えられる。
本発明の表面処理銅箔を得るための基礎となる未処理銅箔の製造方法は、メルカプト基を有する化合物、塩化物イオン、及び必要に応じて低分子量膠、高分子多糖類を添加した銅電解液で製造した電解銅箔であり、製箔時の電流密度範囲が50A/dm以上100A/dmで製造する。
ここで電流密度が50Aを下回るところでは、うねりが目立つようになり、うねりの山と山のピーク間隔も狭くなる。電流密度が高い程うねりはなくなるが、過大に電流密度を上げ過ぎると、製箔時にチタンドラム界面への液中銅の供給が間に合わなくなり限界電流密度を超え、やけ状のめっきとなり、或いは粉状のめっきとなり、実用上100A/dm程度が限界である。また、こうした電流密度でうねりを少なくするためには、めっき液の流速が重要な要素である。めっき液の流速を0.05m/分〜5m/分、さらに好ましくは0.2m/分〜2m/分にすることが好ましい。
これは、0.05m/分を下回るとうねりが目立つようになり、5m/分を超えるのは設備構造上無理があり、実用的でないからである。
未処理銅箔の表面に粗化処理を施す方法としては、未処理箔の少なくとも一方の表面に、モリブデン、鉄、コバルト、ニッケル、タングステンの内の少なくとも1種を含有する銅めっき浴で、めっき液温度を10〜30℃に保ち、被処理銅箔を陰極とし、該浴の限界電流密度付近の電流密度で電解し、銅のやけめっき層として銅合金粒子を突起群として付着させる製造方法である。
さらに、やけめっき層の上を銅の薄めっき層で覆って、該突起群の粉落ちを防止すると良い。
粗化処理のやけめっき電解液には、従来酸性銅めっき浴のめっき液中にセレン、テルル、ヒ素、アンチモン、ビスマスの少なくとも一種を0.01〜1g−M/l(M=Se、Te、As、Sb、Bi)添加する方法が知られている(特公昭53−39327号公報参照)。
しかし、この電解液を使用して本発明による未処理銅箔上にやけめっきを施しても、樹脂基板との密着強度が充分でない。またこれらの添加剤を使用しない場合は、密着力は比較的良くなるが、異常電析が発生する。
また、本発明者等は、モリブデンと、鉄、コバルト、ニッケル、タングステンの内の少なくとも1種を含有する銅めっき浴使用したやけめっきを、通常の未処理箔(凹凸のある箔)に行う方法を既に見いだしている(特開平11−256389公報参照)が、このめっき液を使用しても、未処理銅箔を本願に示す未処理銅箔を使用し、さらにめっき液温度を10〜30℃にしないとファインパターンに適した粗化処理とはならない。
上記温度範囲に設定して、初めて粗化処理粒径が小さく、大きさが揃った、異常電析のない粗化処理を行うことができる。
本願発明による未処理銅箔上に設けるやけめっき層の見かけ膜厚は、0.2〜2.5μm であることが好ましく、0.4〜1.5μm であることが更に好ましい。ここで、「見かけ膜厚」とは、「やけめっき」の処理電流を流した時に電析する粒状のめっき層を平滑めっきに換算して求めた膜厚である。
本発明の銅箔は、前記のやけめっき層の上に銅のめっき層(いわゆる「カプセル層」)を形成したものであってもよく、カプセル層の見かけ膜厚は、0.2〜2.5μmであることが好ましく、0.4〜1.5μm であることが更に好ましい。
なお、本発明の銅箔は、所望により、更に前記のやけめっき層又はカプセル層の上にニッケル又はその合金のめっき層、亜鉛又はその合金のめっき層、コバルト又はその合金のめっき層、クロム又はその合金のめっき層を形成したものであってもよく、更にはこれらカプセル層又は前記各種金属、合金めっき層の上にクロメート処理、シランカップリング剤処理を施したものであってもよい。このように本発明の銅箔表面には、ニッケル、亜鉛、コバルト、クロム又はその合金の少なくとも何れか一つのめっき層を所望により施すことで、目的とする性能を有するファインパターンプリント配線に適した表面処理銅箔とすることができる。
一方、本発明のやけめっき層を形成する方法は、酸性銅電解浴を用い、被処理銅箔を陰極とし、該電解浴の限界電流密度付近の電流密度で電解して銅箔表面に銅のやけめっき層を形成する製造方法であり、該電解浴の電解液中にモリブデン、鉄、コバルト、ニッケル、タングステンの少なくとも1種を含有させると良い。
ここで、モリブデンの濃度は0.001〜5g−Mo/lが好ましい。モリブデンの濃度が0.001−Mo/l未満では所望の効果が顕著でなく、一方5−Mo/lを超えて添加しても所望の効果がその存在量の増加に比し顕著に増大しないので経済的ではない。更にやけめっき層が粉状化しやすくなるので好ましくない。
鉄、コバルト、ニッケルは0.1〜10g−M/l(MはFe、Co、Ni)含有させるのが好ましく、タングステンの濃度は0.1ppm〜1ppm含有させるのが好ましい。上記鉄等の規定濃度外の挙動はモリブデンのそれと同様である。
なお、これらの添加剤は電解液に溶解するものであれば特に限定されないが、代表的な化合物としては下記のものが挙げられる。
1.モリブデン :モリブデン酸ナトリウム(2水塩)
2.鉄 :硫酸第1鉄(7水塩)
3.コバルト :硫酸コバルト(7水塩)
4.ニッケル :硫酸ニッケル(7水塩)
5.タングステン:タングステン酸ナトリウム(2水塩)
酸性銅電解浴としては、鉱酸であればいずれの酸でも使用し得るが、通常は、硫酸浴(銅として硫酸銅含有)を用いることが好ましい。
一例として、酸性銅電解浴の液条件を例示すると、
1.銅 :5〜50g−Cu/l
2.モリブデン:0.001〜5g−Mo/l
3.その他 :0.01〜10g−M/l(M=Fe,Co,Ni)又は0.1ppm〜1ppm−W、の一種以上
4.酸 :10〜200g−HSO/l
5.液温 :10〜30℃
本発明の銅箔の製造方法においては、前記のやけめっき層を形成する工程に次いで、該やけめっき層の上に銅のめっき層を設けてもよい。
また、本発明の銅箔の製造方法においては、前記のやけめっき層を形成する工程に次いで、該やけめっき層の上にニッケル又はその合金のめっき層、亜鉛又はその合金のめっき層、コバルト又はその合金のめっき層、若しくはクロム又はその合金のめっき層を形成する工程を加えてもよい。
更に前記銅のめっき層形成工程に次いで、ニッケル又はその合金のめっき層、亜鉛又はその合金のめっき層若しくはコバルト又はその合金のめっき層、若しくはクロム又はその合金のめっき層を形成する工程を加えてもよい。
更にまた前記銅のめっき層或いは前記ニッケル、亜鉛、コバルト、クロム又はそれらの合金のめっき層の形成工程に次いで、その上にクロメート処理、シランカップリング剤処理工程を設けてもよい。これら工程の条件は、公知の方法に従って設定することができる。
以下に、本発明を実施例に基づき更に詳しく説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例]
(1)未処理銅箔の製造
a.実施例1〜4
銅70〜130g/l−硫酸80〜140g/lの酸性銅電解浴に表1に示す組成の添加剤を添加した。表中、MPSは3−メルカプト1−プロパンスルホン酸ナトリウム、HEC(高分子多糖類)はヒドロキシエチルセルロース、膠は分子量3,000の低分子量膠である。MPS、HEC(高分子多糖類)、膠及び塩化物イオンを表1に示す濃度となるように、それぞれ添加し製箔用電解液を調製した。なお、塩化物イオン濃度を全て30ppmに調整したが、塩化物イオン濃度は上述したようにこの濃度に限定されるものではない。
調製した電解液を用い、アノードには貴金属酸化物被覆チタン電極、カソードにはチタン製回転ドラムを用いて表1に示す電解条件の下に、12μm厚みの未処理銅箔を電解製箔によって製造した。
[比較例]
b.比較例1〜4
銅70〜130g/l−硫酸80〜140g/lの酸性銅電解浴に表1に示す組成の添加剤(膠は分子量60,000の膠を使用)を添加し、実施例と同様の製法で比較例の未処理銅箔を製造した。
各実施例、比較例で製造した未処理銅箔の表面粗さRZ 、Ra は表面粗さ計(小坂研究所製SE−3C型)を用いて測定した(ここで、表面粗さRZ 、Ra とは、JIS B 0601-1994 「表面粗さの定義と表示」に規定されたRZ 、Ra である)。
幅方向の常温での伸び率、及び180°Cの温度における5分間保持後での伸び率並びに各々の温度での引張り強さは引張り試験機(インストロン社製1122型)を用いて、それぞれ測定した。結果を表2に示す。
Figure 2004263296
Figure 2004263296
表2から明らかなように未処理銅箔の粗面の粗さRzは低い。さらにうねりが小さい。
(2)やけめっき層の形成
実施例1〜4及び比較例1〜4で製造した未処理銅箔に表3の条件にて直流による陰極電解処理を施し、該未処理銅箔の粗面上に微細な突起群からなるやけめっき層を電析させた。
表3 粗化液組成
Figure 2004263296
やけめっきの条件
Figure 2004263296
上記実施例では液組成、めっき条件でやけめっきを2回行ったが、やけめっきは1回又は複数回行なってもよい。
(3)カプセルめっきの形成
粗面上に微細な突起群が形成された前記の表面処理銅箔に下記の条件にて直流による陰極電解処理を施し、微細な突起群を銅の薄層で覆った。
電解液と電流条件
Figure 2004263296
上記実施例では液組成、めっき条件でやけめっきを、及びカプセルめっきをそれぞれ2回行ったが、やけめっき及びカプセルめっきは1回又は複数回行なってもよい。
(5)性能測定
表1の実施例1の方法にて作成した未処理銅箔を用いて表3の粗化液中にて同一条件下で粗化処理を施した箔についてのFR−4基板との接着強度を表4に示す。
表4 FR−4との接着強度
Figure 2004263296
銅箔の接着強度の測定は、銅箔をFR−4基板に張り付けた後10mm幅で行った。各実施例に於いて比較例よりも低粗度・高接着強度を有する銅箔が得られている。
しかしながら、前述したように近年の銅箔のファインパターン化に於いて、銅箔に求められる特性は多様化しており、例えば異常析出の無いこと、局部的なラインの剥離が無いこと、エッチング性に優れること、直線性に優れること等が要求されている。
本発明に於ける銅箔についてこれらの項目についての評価を行った。
実施例1〜4、比較例1〜4で作成した未処理箔に実施例A、比較例Hの粗化処理を施した箔について評価した結果を表5、6に示した。
Figure 2004263296
Figure 2004263296
ピール強度
銅箔のピール強度を測定した。測定は、銅箔をFR−4基板に張り付けた後、10mm幅で行った。実施例1〜4と比較例1〜2ではむしろ比較例の方がピール強度は大きい。
比較例の方がピール強度が大きいのは、粗化前の銅箔表面に山谷(凹凸)があるため、山の部分に粗化粒子が集中して電析し、谷の部分には粗化粒子がほとんど電析していないが、測定が10mm幅と広い幅であるため粗化粒子のアンカー効果によりピール強度が大きくなっているものである。なお比較例3は銅箔の光沢面上に粗化処理を行っているので、本発明と同様表面の山谷(凹凸)がなく、ピール強度自体は本発明例と同程度である。しかし、この銅箔の場合は異常電析が避けられないという致命的欠陥がある。
また、本発明による粗化処理液を用いてやけめっきを行った表5の値に比較して、従来の粗化処理液を用いてやけめっきを行った表6の結果を比較してわかるように、未処理箔の表面がフラットな箔にやけめっきを行った場合、本発明めっき浴による方がピール強度が高い。これは、Rzそのものの値はそれほど差がないが、本発明法によるやけめっきの方が粒子形状が球状(従来のやけめっきは偏平状)に近いためである。
しかし、30μm幅以下というような極細幅になってくると、山谷(凹凸)がある箔のピール強度は、以下に示すように減少してくる。
剥離強度
前記した比較例で作成した銅箔の剥離強度は、幅が30μm以下というような極細幅になってくるとピール強度が減少する。その原因は、線幅が細くなるに従って線幅内での粗化粒子の付着量がまばらになるためである。このような現象を確認するためにテープ剥離テストをライン/スペース=30μm/30μmとした本発明表面処理銅箔並びに比較例の銅箔で作成したプリント配線板により実施し、その結果を表5,6に併記した。
なお、テープ剥離テスト(テープ粘着力=0.80kN/cmのテープを使用した。)は、上記のL/S=30/30のテストパターンに、粘着テープを貼り付けて引き剥がした時、パターンが樹脂基板から剥離するかどうかで評価した。
表5に示したようにライン/スペース=30/30μmというような極細幅になると、本発明の銅箔に比較して比較例の銅箔配線は剥離し易くなっている。
なお、表6では粗化処理の形状が本発明例と異なり、粗化処理の粒形状が扁平なものとなり、10mm幅でのピール強度自体が低く、ライン/スペース=30/30μmでも剥離が起こってしまい、本発明のように、未処理箔と粗化処理の組み合わせで初めて良好な密着性とファインパターン性が達成できるのである。
エッチング性の評価
各銅箔をFR−4基板にプレス接着した後、銅箔表面に、ライン/スペース=10/10μm、15/15μm、20/20μm、25/25μm、30/30μm、35/35μm、40/40μm、45/45μm、50/50μmのテストパターン(ライン長さ30mm、ライン本数10本)を印刷し、塩化銅のエッチング液でエッチングを行った。
10本のラインがブリッジすることなくエッチングできた場合の線幅を数値で表5,6に示した。実施例で作成した表面処理銅箔では15μmまでエッチング可能であるのに対し、比較例で作成した銅箔では25μmが最低であった。
なお、上記で作成したパターンについて、パターンの直線性について×100の実体顕微鏡で調査し、表5,6にパターンの直線性として示した。直線性に優れるものを○とし、図6のようにパターンが波打っているものを×とした。本発明の高電流密度で製箔した銅箔実施例1〜4は、従来の低電流密度で製箔した銅箔比較例4に比較し、パターンの波打ちがなく直線性に優れている。この直線性に優れる点はファインパターンになるほど重要な要素になる。パターンの波打ちがひどくなると、隣同士のパターンの短絡に結びつくからである。
上述したように、本発明はライン/スペースが15μmの極細幅までエッチングが可能であり、なおかつ15μmのラインをエッチングした後でも、15μmラインに粗化粒子が多数付着しているため、粗さが低いにもかかわらず、微細ラインと配線基板とが高い密着強度を持ち、なおかつパターンの直線性に優れることから本発明表面処理銅箔により、超ファインパターンのプリント配線板、および超ファインパターンの多層プリント配線板を提供することができるものである。
本発明表面処理銅箔を用いることによりファインパターン回路に適用可能な表面粗度が非常に小さく、なおかつ高接着強度を有する銅箔及びその製造方法を提供することが出来る。
本発明に従えば、ファインパターンプリント配線用銅箔としての所定の性能を充分に満足する環境に優れた銅箔及びそのための製造方法を提供することができる。
本発明は上述したように、樹脂基板との間で充分な接着強度を有し、電子機器の小型化及び高性能化が進み、プリント基板の小型化及び高密度化が要求される近年のファインパターン化の要求に対応し、ファインパターン形成時の足残り、配線ラインの足喰われ等の問題がなく、耐熱性、電気特性においても優れたファインパターンプリント配線用銅箔を提供し、更に該銅箔の優れた製造方法を提供するものである。
未処理銅箔の製造工程を示す説明図である。 未処理銅箔を粗化処理する工程を示す説明図である。 銅箔積層基板の銅箔をエッチング処理した時の状態の一例を示す説明図である。 未処理銅箔の凹凸面に粒子を付着させた状態の一例を示す説明図である。 未処理銅箔の平滑面に粒子を付着させた状態の一例を示す説明図である。 配線パターンにおける銅箔のうねりによる非直線性を説明する図である。
符号の説明
1 電極
2 電極(ドラム)
3 電解液
4 未処理銅箔
5 電解槽
6 電解槽
7 電極
8 表面処理銅箔
B 樹脂基板
12 粒子

Claims (8)

  1. 未処理銅箔の表面に粗化処理を施してなるファインパターンプリント配線用銅箔において、前記粗化処理を施す前の未処理銅箔は、表面粗さが10点平均粗さRzで2.5μm以下であり、素地山の最小ピーク間距離が5μm以上である電解銅箔であることを特徴とするファインパターンプリント配線用銅箔。
  2. 未処理銅箔の表面に粗化処理を施してなるファインパターンプリント配線用銅箔において、前記粗化処理を施す前の前記未処理銅箔は、その表面粗さが10点平均粗さRzで2.5μm以下であり、素地山の最小ピーク間距離が5μm以上あり、表面に平均粒径2μm以下の結晶粒が表出する電解銅箔であることを特徴とするファインパターンプリント配線用銅箔。
  3. 前記未処理銅箔の少なくとも一方の表面に、粗化処理としてモリブデンと、鉄、コバルト、ニッケル、タングステンの内の少なくとも一種を含有する銅のやけめっきにより銅のやけめっき層が成膜されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のファインパターンプリント配線用銅箔。
  4. 前記やけめっき層の上に銅のめっき層が成膜されていることを特徴とする請求項3に記載のファインパターンプリント配線用銅箔。
  5. 前記銅のやけめっき層又は前記銅のめっき層の上にニッケル又はその合金めっき層、亜鉛又はその合金めっき層、コバルト又はその合金めっき層、クロム又はその合金めっき層の少なくとも一つの層を設け、さらにその上に必要によりクロメート処理、シランカップリング剤の層を設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載のファインパターンプリント配線用銅箔。
  6. メルカプト基を有する化合物、塩化物イオン、並びに分子量10,000以下の低分子量膠又は/及び高分子多糖類を添加した銅めっき液で、電流密度範囲が50A/dm以上100A/dm以下で製箔した電解未処理銅箔表面に粗化処理を施すことを特徴とするファインパターンプリント配線用銅箔の製造方法。
  7. 表面粗さが10点平均粗さRzで2.5μm以下であり、素地山の最小ピーク間距離が5μm以上である未処理電解銅箔の少なくとも一方の表面に、0.001〜5g−Mo/l、0.01〜10g−M/l(M=Fe及び/又はCo及び/又はNi)、0.1〜1ppmWの内の少なくとも1種を含有するめっき浴で、めっき液温度を10〜30℃に保って、未処理電解銅箔を陰極とし、該浴の限界電流密度付近の電流密度で電解して銅のやけめっき層を設けることを特徴とするファインパターンプリント配線用銅箔の製造方法。
  8. 表面粗さが10点平均粗さRzで2.5μm以下であり、素地山の最小ピーク間距離が5μm以上であり、表面に平均粒径2μm以下の結晶粒が表出する未処理電解銅箔の少なくとも一方の表面に、0.001〜5g−Mo/l、0.01〜10g−M/l(M=Fe及び/又はCo及び/又はNi)、0.1〜1ppmWの内の少なくとも1種を含有するめっき浴で、めっき液温度を10〜30℃に保って、未処理電解銅箔を陰極とし、該浴の限界電流密度付近の電流密度で電解して銅のやけめっき層を設けることを特徴とするファインパターンプリント配線用銅箔の製造方法。

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