JP2004217131A - 制動システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の制動システムにおいては、通常のABS制御モードにおいて、車輪の横力を開放する条件が満たされた場合には、目標スリップ率を、ABS制御モードにおいて決定される目標スリップ率よりも増加させる方向に変更する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、制動システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
アンチスキッド(アンチロック)・ブレーキ・システム(ABS)は、急ブレーキ時のタイヤロックを防止して、急ブレーキ時のハンドル操作も可能にする制動システムであり、アクティブ安全装置として知られている。
【0003】
従来、以下のような制動システムが知られている。
(1)車両走行運動量を表す指標によリ、アンチロック制御を変化させるもの(下記、特許文献1参照)。
(2)ABS制御ストラテジーを決定する上で車両走行状態を表す物理量を考慮に入れるもの(下記、特許文献2参照)。
(3)目標ヨーレイトと実ヨーレイトとの偏差に基づき、アンチロック制御の要求制御量を設定するもの(下記、特許文献3参照)。
(4)車両のアンダーステア/オーバーステア状態においてアンチロック制御の目標スリップ率の閾値を制御するもの(下記、特許文献4参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−6968号公報
【特許文献2】
独国特許出願公開第19512766号明細書
【特許文献3】
特開平4−185562号公報
【特許文献4】
特開平2−283555号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の制動システムにおいては、ABS制御中にはスリップしないように制御するため、オーバーステアやアンダーステア状態が生じ、車両挙動が不安定となる。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ABS制御中における車両挙動の安定化を達成可能な制動システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載の制動システムは、ブレーキ液の液圧によってホイルシリンダを駆動することで車輪に制動力を与える制動装置と、この液圧を制御する液圧制御手段とを備える制動システムにおいて、液圧制御手段は、第1の制御モードにおいては、車輪の実スリップ率が目標スリップ率となるように液圧を制御しており、実スリップ率が基準値を超えた場合には、車輪の回転がロックしないように、液圧が低下する方向に目標スリップ率を設定し、第1の制御モードにおいて、車輪の横力を開放する条件が満たされた場合には、目標スリップ率を、第1の制御モードにおいて決定される目標スリップ率よりも増加させる方向に変更することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る制動システムにおいては、第1の制御モード(ABSモード)中においては、車輪回転のロックを防止して、制動中のハンドル操作を可能にするが、車輪の横力を開放する条件が満たされた場合には、当該モード時に決定される目標スリップ率よりも、意図的に目標スリップ率を増加させ、車両挙動を安定化させる。
【0009】
ここで、車輪の横力を開放する条件が満たされた場合とは、以下の場合が例示される。
【0010】
すなわち、車両がオーバーステア状態の場合は、旋回外側輪に荷重が掛かっており摩擦力が高くなっているため、左右いずれか一方輪の目標スリップ率は、当初の目標スリップ率よりも大きくなるように設定する。これにより、当該一方輪がスリップし易くなるため、車両挙動が安定する。ここで、選択される一方輪とは、旋回の外側輪である。
【0011】
また、請求項2に記載の制動システムにおいては、請求項1に記載の液圧制御手段が、前記条件が満たされた場合において前記目標スリップ率を増加させるため、前記ホイルシリンダ内の液圧を前記マスタシリンダ内の液圧よりも増加させることを特徴とする。
【0012】
この場合、ホイルシリンダの圧力が高く設定されているので、車輪に対して制動力が高速に働き、上記効果に加えて更に、制動力の高速可変制御が可能となる。
【0013】
また、請求項3に記載の制動システムにおいては、請求項1又は2に記載の液圧制御手段が、前記条件が満たされた場合において前記目標スリップ率を増加させるため、前記ホイルシリンダ内の液圧の増減パターンを変更することを特徴とする。
【0014】
この場合、液圧の増減パターンが変化するため、すなわち、単位時間当たりの液圧の積分値が増加するように、増減パターンを変えれば、目標スリップ率が大きくなり、実スリップ率は、目標スリップ率に一致するので、目的とする車輪がスリップし易くなり、車両挙動が安定化する。
【0015】
また、請求項4に記載の制動システムにおいては、請求項1又は2に記載の液圧制御手段が、前記条件が満たされた場合において前記目標スリップ率を増加させるため、前記ホイルシリンダ内の液圧の減圧を抑制することを特徴とする。
【0016】
この場合、ホイルシリンダ内の液圧の減圧を抑制することにより、単位時間当たりの液圧の積分値が増加するので、目標スリップ率が大きくなり、実スリップ率は、目標スリップ率に一致するので、目的とする車輪がスリップし易くなり、車両挙動が安定化する。
【0017】
また、請求項5に記載の制動システムにおいては、請求項1又は2に記載の液圧制御手段が、前記条件が満たされた場合において目標スリップ率を増加させるため、目標スリップ率に到達後の液圧保持頻度を増加させることを特徴とする。
【0018】
この場合、目標スリップ率に到達後の液圧保持頻度を増加させることにより、単位時間当たりの液圧の積分値が増加するので、目標スリップ率が大きくなり、実スリップ率は、目標スリップ率に一致するので、目的とする車輪がスリップし易くなり、車両挙動が安定化する。
【0019】
車輪の横力を開放する条件が満たされた場合とは、車両がオーバーステア状態の場合であり、オーバーステア状態とは、車体速度とハンドルの操舵角から推定される目標ヨーレートよりも実ヨーレートが大きい場合である。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は実施の形態に係る制動システムの構成図である。
【0021】
本実施例の制動システムは液圧ブレーキ装置であり、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)10により制御される。なお、図1には、左前輪FL及び右後輪RRのブレーキ機構を実現する構成要素が示されている。
【0022】
図1に示す制動力制御装置は、ブレーキペダル12を備えている。ブレーキペダル12は、ブレーキブースタ14の作動軸15に連結されている。ブレーキブースタ14にはマスタシリンダ16が固定されている。ブレーキブースタ14は、その内部に、ダイヤフラム14aにより画成された定圧室14b及び変圧室14cを備えている。定圧室14bには、常時、エンジンの吸気管より負圧が供給されている。ブレーキペダル12が僅かに踏み込まれると、ストップランプ用のスイッチSTPがONとなり、更に踏み込まれると、基準値以上の踏み込み(設定荷重)を判定する踏力スイッチFがONとなる。
【0023】
本実施例において、定圧室14b内の負圧をブースタ負圧と称す。変圧室14cには、ブレーキペダル12が踏み込まれていない場合は、定圧室14bの負圧が供給される。一方、ブレーキペダル12が踏み込まれると、そのペダル踏力に応じて調圧された大気圧が変圧室14cに導入される。このため、変圧室14cと定圧室14bとの間には、ペダル踏力に応じた差圧が生ずる。かかる差圧によりペダル踏力に対して所定の倍力比を有するアシスト力が発生する。
【0024】
マスタシリンダ16が備える液圧室には、ペダル踏力とアシスト力との合力に応じたブレーキ液のマスタシリンダ圧PM/C が発生する。このように、ブレーキブースタ14は、ブースタ負圧を動力源としてブレーキ操作を助勢し、大きなマスタシリンダ圧PM/C を発生させる機能を有している。
【0025】
マスタシリンダ16の上部にはリザーバタンク18が配設されている。リザーバタンク18の内部には、所定量のブレーキ液が貯留されている。ブレーキペダルの踏み込みが解除されている場合、マスタシリンダ16の液圧室とリザーバタンク18とは連通した状態となる。マスタシリンダ16の液圧室には、液圧通路20が接続されている。
【0026】
液圧通路20には、油圧センサ22が連通している。油圧センサ22の出力信号はECU10に供給されている。ECU10は油圧センサ22の出力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C を検出する。
【0027】
液圧通路20には、電磁三方弁24が接続されている。電磁三方弁24は、第1ポート24a、第2ポート24b、及び第3ポート24cを備える2位置3方の電磁弁である。第1ポート24aには上記の液圧通路20が連通している。また、第2ポート24bには液圧通路26及び28が連通している。更に、第3ポート24cには液圧通路30が連通している。
【0028】
電磁三方弁24は、オフ状態では、第1ポート24aと第2ポート24bとを導通させると共に、第3ポート24cを閉塞し、一方、ECU10からソレノイドリレー31を介して駆動信号が供給された状態、すなわち、オン状態では、第1ポート24aと第3ポート24cとを導通させると共に、第2ポート24bを閉塞する。なお、図1には、電磁三方弁24のオン状態を示す。
【0029】
液圧通路20と液圧通路26との間には、電磁三方弁24と並列に、逆止弁32、及びリリーフ弁34が配設されている。逆止弁32は、液圧通路20側から液圧通路26側へ向かう流体の流れのみを許容する一方向弁である。また、リリーフ弁34は、液圧通路26側の液圧が液圧通路20側の液圧に比して所定値以上高圧となった場合にのみ開弁する弁機構である。
【0030】
液圧通路26、28には、保持ソレノイド36、38が連通している。保持ソレノイド36、38は常態では開弁状態をとり、ECU10からソレノイドリレー31を介して駆動信号が供給されることにより閉弁状態となる2位置の電磁弁である。保持ソレノイド36、38は、それぞれ、右後輪RRのホイルシリンダ40及び左前輪FLのホイルシリンダ42に連通している。保持ソレノイド36、38には、それぞれ、逆止弁44、46が並列に設けられている。逆止弁44,46は、それぞれ、ホイルシリンダ40、42側から液圧通路26、28側へ向かう流体の流れのみを許容する一方向弁である。
【0031】
ホイルシリンダ40及び42には、それぞれ、減圧ソレノイド48及び50が連通している。減圧ソレノイド48、50は、常態で閉弁状態をとり、ECU10からソレノイドリレー31を介して駆動信号が供給されることにより開弁状態となる2位置の電磁弁である。減圧ソレノイド48、50は、共に、補助リザーバ52に連通している。
【0032】
補助リザーバ52には、逆止弁54を介してポンプ56の吸入側が連通している。逆止弁54は、補助リザーバ52側からポンプ56側へ向かう流体の流れのみを許容する一方向弁である。また、ポンプ56の吐出側は、逆止弁58を介して、液圧通路28に連通している。逆止弁58は、ポンプ56側から液圧通路28側へ向かう流体の流れのみを許容する一方向弁である。ポンプ56はECU10よりポンプリレー60を介して駆動信号が付与されることにより作動し、補助リザーバ52から汲み上げたブレーキ液を液圧通路26、28へ圧送する。
【0033】
補助リザーバ52の内部には、ピストン62及びスプリング64が配設されている。ピストン62はスプリング64によって補助リザーバ52の容積が減少する向きに付勢されている。このため、補助リザーバ52に貯留されたブレーキ液には所定の液圧が発生する。補助リザーバ52には、液圧通路30に連通するリザーバポート66が設けられている。リザーバポート66の内部には、ボール弁68と押圧軸70とが配設されている。
【0034】
また、リザーバポート66には、ボール弁68の弁座として機能するシート部72が設けられている。押圧軸70の両端は、それぞれ、ピストン62及びボール弁68に当接している。
【0035】
補助リザーバ52の内部にブレーキ液が流入していない場合は、ピストン62は図1中最上端位置(以下、原位置と称す)に位置する。補助リザーバ52の内部には、ピストン62が原位置に位置する場合に、液圧通路30と減圧ソレノイド48、50及び逆止弁54の吸入側との導通状態を確保する液圧経路が確保されている。
【0036】
ピストン62が原位置に位置する場合は、ボール弁68はシート部72から離座する。ボール弁68とシート部72との間に形成されるクリアランスは、補助リザーバ52に貯留されるブレーキ液の量が増加するにつれて、すなわち、ピストン62の変位量が増加するにつれて減少する。そして、補助リザーバ52に貯留されるブレーキ液の量が所定値を達した時点で、ボール弁68はシート部72に着座する。
【0037】
ボール弁68がシート部72に着座した状態では、液圧通路30から補助リザーバ52へのブレーキ液の流入は阻止される。
【0038】
図1に示す制動力制御装置は、運転者によるブレーキ操作量に応じた制動量を発生する通常ブレーキ制御、及び、運転者によって緊急ブレーキ操作が実行された際に、通常時に比して大きな制動力を発生させるブレーキアシスト制御(以下、BA制御と称す)を実現する。ECU10による制動力制御としては、以下の(1)通常ブレーキ制御、(2)BA制御、(3)ABS(アンチロックブレーキ)制御が挙げられる。
【0039】
(1)通常ブレーキ制御時
▲1▼電磁三方弁24 :オフ(マスタシリンダとホイルシリンダを連通)
▲2▼保持ソレノイド36、38:開弁
▲3▼ポンプ56 :停止
通常ブレーキ制御時には、電磁三方弁24をオフ状態とし、保持ソレノイド36、38を開弁状態とし、減圧ソレノイド48、50を閉弁状態とし、かつ、ポンプ56を停止状態とすることで実現される。以下、この状態を通常ブレーキ状態と称す。
【0040】
通常ブレーキ状態が実現されると、マスタシリンダ16とホイルシリンダ40、42とが導通状態となる。この場合、ホイルシリンダ40、42のホイルシリンダ圧PW/C はマスタシリンダ圧PM/C に等しい液圧に制御される。従って、通常ブレーキ状態が実現されている場合は、車両に発生する制動力はブレーキ踏力に応じた大きさに制御される。
【0041】
(2)BA制御時
▲1▼電磁三方弁24 :オン(マスタシリンダとホイルシリンダを遮断しポンプ56からの帰還経路を確保)
▲2▼保持ソレノイド36、38:開弁
▲3▼ポンプ56 :運転
BA制御は、「緊急ブレーキ操作」が行われたと判定された場合に、図1に示す如く、電磁三方弁24をオン状態とし、保持ソレノイド36、38を開弁状態とし、かつ減圧ソレノイド48、50を閉弁状態とすると共に、ポンプ56を運転状態とすることにより実現される。この状態を、以下、BA状態と称す。
【0042】
電磁三方弁24がオン状態とされると、マスタシリンダ16と補助リザーバ52とが導通状態となる。マスタシリンダ16と補助リザーバ52とが導通状態となると、その後、ボール弁68がシート部72に着座するまで、ブレーキ液がマスタシリンダ16から補助リザーバ52へ流入する。
【0043】
補助リザーバ52に流入したブレーキ液は、ポンプ56により汲み上げられて液圧通路26へ圧送される。このため、BA制御が開始されると、液圧通路26、28には、ポンプ56を液圧源として高圧のブレーキ液が導かれる。
【0044】
BA制御の実行中に液圧通路26、28に導かれた高圧のブレーキ液は、保持ソレノイド36、38を介して、それぞれ、ホイルシリンダ40、42に導かれる。このため、BA制御が開始されると、ホイルシリンダ圧PW/C は速やかにマスタシリンダ圧PM/C に比して高い液圧へ上昇する。このように、BA制御によれば、緊急ブレーキ操作が開始された後、制動力を速やかに立ち上げることができる。
【0045】
(3)ABS制御時
▲1▼電磁三方弁24 :オフ
▲2▼保持ソレノイド36、38:車輪がロックしないように適宜開閉
減圧ソレノイド48、50:車輪がロックしないように適宜開閉
▲3▼ポンプ56 :運転
ABS制御は、BA制御やその他の特定の運転状態において、実スリップ率が閾値を超えた場合に切り替わるモードであり、上記通常ブレーキ制御及びブレーキアシスト機能の他、電磁三方弁24をオフ状態とし、ポンプ56を運転状態とし、かつ、保持ソレノイド36、38、及び、減圧ソレノイド48、50を適宜開閉させることにより実現することができる。
【0046】
運転者は、制動力の速やかな立ち上がりを要求する場合に、ブレーキペダル12を速やかに、かつ、大きな踏力で踏み込む。かかるブレーキ操作が行われると、マスタシリンダ圧PM/C は大きな勾配で高い圧力まで上昇する。
【0047】
したがって、マスタシリンダ圧PM/C が閾値THPM/C以上となり、かつ、マスタシリンダ圧PM/C の上昇勾配dPM/C/dtが閾値THdPM/C/dt以上となった場合等に「緊急ブレーキ操作」が行われたと判定する手法が考えられる。
【0048】
さて、ABS制御時においては、如何なる制動力制御が行われるかについて、説明するが、その前に、ABS制御について説明しておく。
【0049】
図2は、車輪のスリップ率(%)と、車輪(タイヤ)と路面の間に働く力(摩擦力)との関係について示すグラフである。
【0050】
車輪のスリップ率は、車体速度VBと車輪速VHの差が車体速度VBに占める割合である。すなわち、車両がブレーキをかけずに惰性走行している場合、車体速度と車輪の回転速度は等しく、スリップ率は0%となり、車輪が完全にロックした時、スリップ率は100%となるように定義される。
【0051】
車体速度は回転中の車輪の回転速度の平均値、縦方向加速度センサの積分値、GPSから得られる位置情報の時間変化率、あるいは、これらの値に基づく推定値から得ることができる。
【0052】
車輪速は、各車輪速センサの出力値を用いることができる。すなわち、当該車両は、車体速度を求める車体速度検出手段と、車輪の回転速度を求める車輪速検出手段とを備えている。
【0053】
車輪の縦方向(進行方向)に発生する制動力(縦力)は、スリップ率がSLL以上SUL以下で最大(最大値近傍)となる。当該範囲の下限スリップ率SLLは10%程度であり、上限スリップ率SULは20%程度である。これらのスリップ率SLL,SULの間の領域(μピーク領域)は、ABS制御において最大の制動力が得られるスリップ率の目標領域であり、当該範囲から逸脱する強いスリップ率が生じた場合には、スリップ率が低下するように液圧を低下させることによって、縦方向の制動力を増加させることができる。
【0054】
車輪の横方向の制動力(横力)は、スリップ率が0%の時が最大であり、スリップ率の増加と共に単調に減少し、100%の時に殆ど0となる。縦横両方向の制動力を確保し、車体制御性と制動力特性を両立させるため、上述のμピーク領域は、スリップ率10〜20%程度に設定される。このようにスリップ率を設定するためのホイルシリンダ内液圧は以下のように制御される。
【0055】
図3は、車体速度VB、車輪速VH及びホイルシリンダ内の液圧の時間依存性を示すグラフである。
【0056】
上述のように、スリップ率は車体速度VBと車輪速VHの差ΔVe(=VB−VH)に依存し、車輪速は制動装置を駆動するためのホイルシリンダ内の液圧によって制御することができる。すなわち、スリップ率は当該液圧によって制御することができる。液圧を増加させれば、上述の差ΔVeは、すなわちスリップ率は増加する傾向にあり、液圧を減少させれば、スリップ率は低下する傾向にある。このように、ABS制御中においては、スリップ率のμピーク範囲内に保てるように、液圧制御を行う。
【0057】
詳説すれば、ホイルシリンダの液圧を増加させてブレーキをかけると、車輪速と車体速度が共に低下するが、ホイルシリンダ内の液圧の時間積分値が過大となると、スリップ率、換言すれば、車輪速と車体速度との差ΔVeが閾値以上となるため、この場合にはABS作動を開始し、ホイルシリンダ内の液圧を低下させる(t1)。車輪速が回復すると再びホイルシリンダ内の液圧を上昇させ、スリップ率が10〜20%の間になるように制御を繰り返す。液圧は、実スリップ率を計測しつつ、これが目標スリップ率に一致するように、制御される。
【0058】
例えば、車体速度及び車輪速から求められる実スリップ率SRがX%(X=過大)の場合、目標スリップ率STを例えば15%とし、これらの偏差(X−15)%に比例させて、液圧の単位時間当たりの時間積分値PI(液圧)を減少させれば、上記差ΔVeが減少し、実スリップ率が目標スリップ率に一致する。逆に、実スリップ率SRがY%(Y=過小)の場合、目標スリップ率STを上記と同様に例えば15%とし、これらの偏差(15−Y)%分に比例させて、液圧の単位時間当たりの時間積分値PIを増加させれば、上記差ΔVeが増加し、実スリップ率が目標スリップ率に一致する。
【0059】
要するに、ABS制御モードにおいては、液圧の時間積分値PIを上記偏差に比例させて調整すれば、目標スリップ率に実スリップ率が一致することとなる。
【0060】
液圧の時間積分値PIを増加させるためには、以下の方法がある。
▲1▼上述の(2)ABS制御時に記載のように、ポンプ56を駆動して、減圧ソレノイド48,50を閉じた状態で、保持ソレノイド36,38を開放期間T1だけ開け、保持期間T2だけ閉じつつ、ホイルシリンダ40,42内の液圧を増加させる。1つの制御周期内において、保持期間T2の占める割合が増加すると、液圧の時間積分値PIは増加する。
【0061】
ECU10は、後述の条件(X)が満たされた場合において目標スリップ率を増加させるため、ホイルシリンダ40,42内の液圧の増減パターンを変更している。この場合、液圧の増減パターンが変化するため、すなわち、単位時間当たりの液圧の積分値が増加するように、増減パターンを変えているので、目標スリップ率が大きくなり、実スリップ率は、目標スリップ率に一致するので、目的とする車輪がスリップし易くなり、後述の条件(X)が満たされた場合においては、車両挙動が安定化する。
【0062】
詳説すれば、ECU10は、後述の条件(X)が満たされた場合において目標スリップ率を増加させるため、目標スリップ率に到達後の液圧保持頻度を増加させている。この場合、目標スリップ率に到達後の液圧保持頻度を増加させることにより、単位時間当たりの液圧の積分値が増加するので、目標スリップ率が大きくなり、実スリップ率は、目標スリップ率に一致するので、目的とする車輪がスリップし易くなり、車両挙動が安定化する。
▲2▼この際、電磁三方弁24はオン状態にすることもでき、ホイルシリンダ40,42内の液圧をマスタシリンダの液圧よりも増加させることができ、液圧の時間積分値PIは増加する。
【0063】
すなわち、ECU10は、後述の条件(X)が満たされた場合において目標スリップ率STを増加させるため、ホイルシリンダ40,42内の液圧をマスタシリンダ16内の液圧よりも増加させている。この場合、ホイルシリンダ40,42の圧力が高く設定されているので、車輪RR,RLに対して制動力が高速に働き、上記効果に加えて更に、制動力の高速可変制御が可能となる。
▲3▼上述の(2)ABS制御時に記載のように、ポンプ56を駆動して、保持ソレノイド36,38を開放期間T1だけ開け、保持期間T2だけ閉じ、ホイルシリンダ40,42内の液圧を増加させつつ、減圧ソレノイド48,50を減圧期間T3だけ開放する。1つの制御周期内において、減圧期間T3の占める割合が減少すると、液圧の時間積分値PIは増加する。この際も、電磁三方弁24はオン状態にすることもできる。すなわち、本例では、減圧しにくくするように減圧感度を低下させている。
【0064】
すなわち、ECU10は、後述の条件(X)が満たされた場合において、液圧の増減パターンを変えているのであるが、目標スリップ率を増加させるため、ホイルシリンダ内の液圧の減圧を抑制している。この場合、ホイルシリンダ40,42内の液圧の減圧を抑制することにより、単位時間当たりの液圧の積分値が増加するので、目標スリップ率が大きくなり、実スリップ率は、目標スリップ率に一致するので、目的とする車輪がスリップし易くなり、車両挙動が安定化する。
【0065】
以上、液圧の時間積分値PIは、▲1▼保持期間の増加、▲2▼減圧期間の減少、▲3▼ポンプ駆動による増圧によって、増加させることができる。
【0066】
液圧の時間積分値PIが増加すると、車輪速は低下するので、実スリップ率が増加する。ECU10は、車両挙動安定化に必要な目標スリップ率を算出し、現在の実スリップ率を求め、その偏差が小さくなるように、上述の方法によって液圧の時間積分値PIを増加又は減少させる。
【0067】
図4は、ECU10による制御手順を示すフローチャートである。
【0068】
まず、車両状態量によるABS目標スリップ率の可変制御が許可されたかどうかを判定している(S1)。
【0069】
ABS目標スリップ率の可変制御が許可された場合には、既にABS制御に入っているかどうかを判定する(S2)。ここで言うABS制御は、車輪の回転ロックを抑制するために、目標スリップ率をμピーク領域内に設定したものである。なお、ABS制御モードは、実スリップ率が閾値を超えた場合に実行される。この閾値は、車体速度等の車両状態量によって可変である。
【0070】
ABS制御モードである場合、車輪横力を開放するために、スリップ率を大きくする必要があるかどうかについて判定し(S3)、必要があると考えられる場合には、「スリップ率可変型」のABS制御を実行してスリップが深い状態を保持させ(S4)、そうでない場合には通常のABS制御を実行する(S5)。
【0071】
通常のABS制御は、目標スリップ率をμピーク領域内に設定する(例えば15%)ものであるが、「スリップ率可変型」のABS制御は、必要に応じて目標スリップ率をμピーク領域から外れた領域内に設定し、車輪回転ロックを抑制しつつも、意図的にスリップを生じさせる制御であることとする。
【0072】
目標スリップ率が決定されれば、実スリップ率との偏差を最小化するようにECU10は、ホイルシリンダ内液圧を調整することができる。すなわち、スリップ率がμピーク領域外の値、例えば25%であって、実スリップ率が10%である場合には、これらの偏差15%を係数として、上述の▲1▼〜▲3▼の手法に従って液圧の時間積分値PIを増加させつつ、実スリップ率をモニタし、実スリップ率が目標スリップ率に到達した場合には、偏差が零となるため、時間積分値PIの増加は停止し、実スリップ率が目標スリップ率よりも大きくなった場合には、偏差(例えば−5%)による液圧の時間積分値PIの増加が負方向に働くので、実スリップ率は小さくなり、設定された目標スリップ率に一致する。
【0073】
スリップ率可変型のABS制御において、目標スリップ率がμピーク領域外に設定される条件(車輪の横力を開放する条件:X)とは、以下の通りである。
(条件X)
車両がオーバーステア状態の場合は、旋回外側輪に荷重が掛かっており摩擦力が高くなっているため、左右いずれか一方輪の目標スリップ率は、当初の目標スリップ率(通常のABS制御時の目標スリップ率)よりも大きくなるように設定する。これにより、当該一方輪がスリップし易くなるため、車両挙動が安定する。ここで、選択される一方輪とは、旋回の外側輪である。
【0074】
ここで、車両がオーバーステア状態であるか、アンダーステア状態であるかは、車両に搭載したヨーレートセンサ出力に基づいて決定することができる。すなわち、車体速度とハンドルの操舵角から推定される目標ヨーレイトと、実際のヨーレイトとを比較し、実際のヨーレイトが大きければ、オーバーステア状態であると判定でき、また、小さければアンダーステア状態であると判定することができる。
【0075】
以上、説明したように、上述の実施形態に係る制動システムは、内部に導入されるブレーキ液の液圧によってホイルシリンダ40,42を駆動することで車輪に制動力を与える制動装置(ブレーキパッド)と、この液圧を制御する液圧制御手段(ECU10)とを備える制動システムにおいて、ECU10は、第1の制御モード(通常のABS制御モード)においては、車輪RR,FLの実スリップ率SRが目標スリップ率STとなるように当該液圧を制御しており、実スリップ率SRが基準値(ABS制御開始閾値)を超えた場合には、車輪RR,FLの回転がロックしないように、液圧が低下する方向に目標スリップ率STを設定し(上記例では、μピーク領域内)、第1の制御モード(通常のABS制御モード)において、車輪RR,FLの横力を開放する条件(X)が満たされた場合には、目標スリップ率STを、第1の制御モード(通常のABS制御モード)において決定される目標スリップ率よりも増加させる方向に変更(目標スリップ率可変型のABS制御に移行)している。なお、上述の例では、変更後に目標スリップ率はμピーク領域外に設定されている。
【0076】
上述の制動システムにおいては、第1の制御モード(通常のABSモード)中においては、車輪回転のロックを防止して、制動中のハンドル操作を可能にするが、車輪の横力を開放する条件が満たされた場合には、当該モード時に決定される目標スリップ率STよりも、意図的に目標スリップ率を増加させ(ST+ΔS)、車両挙動を安定化させる。
【0077】
【発明の効果】
以上、本発明に記載の制動システムによれば、ABS制御中における車両挙動の安定化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】制動力制御装置のシステム構成図である。
【図2】車輪のスリップ率(%)と、車輪(タイヤ)と路面の間に働く力(摩擦力)との関係について示すグラフである。
【図3】車体速度VB、車輪速VH及びホイルシリンダ内の液圧の時間依存性を示すグラフである。
【図4】ECU10による制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
12…ブレーキペダル、14a…ダイヤフラム、14…ブレーキブースタ、14c…変圧室、14b…定圧室、15…作動軸、15…偏差、16…マスタシリンダ、18…リザーバタンク、20…液圧通路、22…油圧センサ、24a…ポート、24b…ポート、24c…ポート、24…電磁三方弁、26…液圧通路、28…液圧通路、30…液圧通路、31…ソレノイドリレー、32…逆止弁、34…リリーフ弁、36,38…保持ソレノイド、40,42…ホイルシリンダ、44,46…逆止弁、48,50…減圧ソレノイド、52…補助リザーバ、54…逆止弁、56…ポンプ、58…逆止弁、60…ポンプリレー、62…ピストン、64…スプリング、66…リザーバポート、68…ボール弁、70…押圧軸、72…シート部、F…踏力スイッチ、PM/C…マスタシリンダ圧、PW/C…ホイルシリンダ圧、RR,FL…車輪、STP…スイッチ、VB…車体速度、VH…車輪速、X…条件。
Claims (7)
- ブレーキ液の液圧によってホイルシリンダを駆動することで車輪に制動力を与える制動装置と、前記液圧を制御する液圧制御手段とを備える制動システムにおいて、
前記液圧制御手段は、
第1の制御モードにおいては、前記車輪の実スリップ率が目標スリップ率となるように前記液圧を制御しており、実スリップ率が基準値を超えた場合には、前記車輪の回転がロックしないように、前記液圧が低下する方向に目標スリップ率を設定し、
前記第1の制御モードにおいて、前記車輪の横力を開放する条件が満たされた場合には、目標スリップ率を、前記第1の制御モードにおいて決定される目標スリップ率よりも増加させる方向に変更することを特徴とする制動システム。 - 前記液圧制御手段は、
前記条件が満たされた場合において前記目標スリップ率を増加させるため、前記ホイルシリンダ内の液圧を前記マスタシリンダ内の液圧よりも増加させることを特徴とする請求項1に記載の制動システム。 - 前記液圧制御手段は、
前記条件が満たされた場合において前記目標スリップ率を増加させるため、前記ホイルシリンダ内の液圧の増減パターンを変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の制動システム。 - 前記液圧制御手段は、
前記条件が満たされた場合において前記目標スリップ率を増加させるため、前記ホイルシリンダ内の液圧の減圧を抑制することを特徴とする請求項3に記載の制動システム。 - 前記液圧制御手段は、
前記条件が満たされた場合において前記目標スリップ率を増加させるため、
目標スリップ率に到達後の液圧保持頻度を増加させることを特徴とする請求項3に記載の制動システム。 - 前記車輪の横力を開放する条件が満たされた場合とは、車両がオーバーステア状態の場合であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の制動システム。
- 前記オーバーステア状態とは、車体速度とハンドルの操舵角から推定される目標ヨーレートよりも実際のヨーレートが大きい場合であることを特徴とする請求項6に記載の制動システム。
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- 2003-01-16 JP JP2003008820A patent/JP2004217131A/ja active Pending
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