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JP2004208811A - 穴かがりミシン、その縫目データ作成プログラム及び記録媒体 - Google Patents

穴かがりミシン、その縫目データ作成プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Takahiko Sano
貴彦 佐野
Atsushi Kamano
淳 蒲野
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Abstract

【課題】穴かがり縫目の足部に直交して形成される閂止め部の縫い方向の傾きを補正すること。
【解決手段】送り台にセットされた加工布に鳩目部と足部とを含む鳩目穴かがりを縫製する鳩目穴かがりミシンにおいて、この操作パネルから入力設定された直線閂止め部54に関する特性データが、直線閂止め部54の縫い方向のX方向に対する傾きを補正する為の傾き補正データを含むため、この傾き補正データに基づいて直線閂止め部54の縫い方向のX方向に対する傾きψを補正して、直線閂止め部54をX方向に対して平行に形成することができる。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穴かがりミシン、そのデータ作成プログラム及び記録媒体に関し、特に、足部と直交する方向に形成される閂止め部の縫い方向の傾きを補正する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、閂止め部と足部とを含む穴かがりを縫製する穴かがりミシンには、種々の型式のものが提案されている。その中でも、例えば、本願出願人が提案している、鳩目部とこれに連続する直線状の足部とからなる鳩目穴かがりを縫製する鳩目穴かがりミシンには、針棒とこの針棒に対向するルーパーとを同期させて駆動する駆動機構と、ルーパーを設けたルーパー土台と針棒とを平面視で反時計回りに回動させる回動機構と、加工布を戴置する送り台を縫針に対して足部と平行なY方向とY方向に直交するX方向とに相対的に移動させる移動機構とが設けられており、鳩目穴かがりの為の縫目データに基づいて、これら駆動機構と回動機構と移動機構とを駆動制御することにより、鳩目部と足部とがかがり縫いされる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
さらに、この鳩目穴かがりミシンにおいては、鳩目穴かがりを縫製した後に、鳩目穴かがりの足部の鳩目部とは反対側の端部を補強する為に、この足部の端部に縫い方向がX方向と平行な直線閂止め部を閂止め縫いするようになっている。即ち、鳩目穴かがりの縫製後に、操作パネルから入力された直線閂止め部に関する種々の特性データに基づいて、直線閂止め部を閂止め縫いする為の縫目データが作成され、その縫目データに従って駆動機構と回動機構と移動機構とが駆動制御されて直線閂止め部が縫製される。
【0004】
【特許文献1】特開平9−135980号公報(第3−5頁、図7−10)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記の鳩目穴かがりミシンにおいては、鳩目穴かがり縫目の縫製後に続けて直線閂止め部を閂止め縫いすることができるものの、実際には、縫製中に生地に作用する外乱などに起因して、実施形態の図10に2点鎖線で示すように、直線閂止め部の縫い方向がX方向から幾分傾いてしまうことも多く、直線閂止め部の見映えが悪くなるという問題が生じていた。本発明の目的は、穴かがり縫目の足部に直交して形成される閂止め部の縫い方向の傾きを補正して閂止め部の見映えをよくすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の穴かがりミシンは、送り台にセットされた加工布に閂止め部と足部とを含む穴かがりを縫製する為に、針棒の上昇時に送り台とを前記足部と平行なY方向とY方向に直交するX方向とに相対的に移動させる移動機構と、1針毎の移動機構による移動量を指定した縫目データに基づいて移動機構を制御する制御装置とを備えた穴かがりミシンにおいて、前記閂止め部に関する特性データを入力設定する為の入力手段を有し、前記特性データが、前記閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きを補正する為の傾き補正データを含むものである。
【0007】
この穴かがりミシンは、1針毎の移動機構による移動量を指定した縫目データに基づいて、移動機構により送り台を縫針に対してX方向とY方向に夫々相対移動させながら、針棒を上下に駆動して送り台にセットされた加工布に閂止め部と足部とを含む穴かがりを縫製する。ここで、閂止め部の縫目データは入力手段により入力設定される閂止め部に関する特性データに基づくものであるが、この特性データに、閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きを補正する為の傾き補正データが含まれているため、閂止め部の縫製の際には、この傾き補正データに基づいて閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きが補正される。
【0008】
請求項2の穴かがりミシンは、送り台にセットされた加工布に鳩目部と足部とを含む鳩目穴かがりを縫製する為に、縫針とルーパーとの協働により加工布に縫目を形成する縫目形成動作を繰り返すように針棒とルーパーとを同時駆動する駆動機構と、針棒の上昇時に送り台を前記足部と平行なY方向とY方向に直交するX方向とに相対的に移動させる移動機構と、ルーパーが設けられたルーパー土台と針棒を回動させる回動機構と、1針毎の送り台の移動量と針棒及びルーパー土台の回動角度を指定した縫目データに基づいて駆動機構と移動機構と回動機構とを制御する制御装置を備えた穴かがりミシンにおいて、前記鳩目部と反対側の足部の端部に縫い方向がX方向と平行に形成される直線閂止め部に関する特性データを入力設定する為の入力手段を有し、前記特性データが、前記直線閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きを補正する為の傾き補正データを含むものである。
【0009】
この穴かがりミシンは、1針毎の送り台の移動量と針棒及びルーパー土台の回動角度を指定した縫目データに基づいて駆動機構と移動機構と回動機構を制御して、送り台を縫針に対してX方向及びY方向に相対移動させながら、針棒とルーパー土台を回動させて、送り台にセットされた加工布に鳩目穴かがりを縫製する。さらに、鳩目穴かがり縫目を縫製した後に、続けて鳩目部と反対側の足部の端部に縫い方向がX方向と平行な直線閂止め部を形成する。
【0010】
ここで、直線閂止め部の縫目データは、入力手段により入力設定された直線閂止め部に関する特性データに基づくものであるが、この特性データには、直線閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きを補正する為の傾き補正データが含まれているため、直線閂止め部の縫製の際には、この傾き補正データに基づいて直線閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きが補正される。
【0011】
請求項3の穴かがりミシンは、請求項1又は2の発明において、前記制御装置は、前記傾き補正データに基づいて閂止め部における1針毎の移動機構のY方向の移動量を補正するものである。傾き補正データに基づいて閂止め部における1針毎の移動機構のY方向の移動量が補正されて、閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きが補正される。
【0012】
請求項4の穴かがりミシンの縫目データ作成プログラムは、送り台にセットされた加工布に閂止め部と足部とを含む穴かがりを縫製する為に、針棒の上昇時に送り台を縫針に対して前記足部と平行なY方向とY方向に直交するX方向とに相対的に移動させる移動機構と、1針毎の移動機構による移動量を指定した縫目データに基づいて移動機構を制御する制御装置と前記直線閂止め部に関する特性データを入力設定する為の入力手段とを備えた穴かがりミシンにおける、前記入力手段から入力された特性データに基づいて閂止め部を閂止め縫いする為の縫目データを作成するために前記制御装置のコンピュータに実行させる縫目データ作成プログラムであって、前記特性データに含まれる傾き補正データに基づいて閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きを補正する傾き補正ルーチンを備えたものである。
【0013】
この縫目データ作成プログラムが制御装置のコンピュータで実行されると、入力手段から入力された特性データに基づいて閂止め部を閂止め縫いする為の縫目データが作成されるが、その際に、傾き補正ルーチンにおいて、特性データに含まれる傾き補正データに基づいて閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きが補正される。
【0014】
請求項5の記録媒体は、請求項4に記載のデータ作成プログラムを読み取り可能に記録したものである。この記録媒体としては、マイクロコンピュータのROMや、ハードディスクの他、CD−ROMや、フレキシブルディスク(FD)など、他のミシンのメモリにこのデータ作成プログラムをインストールするために用いられるような記録媒体も含まれる。この記録媒体の作用は、請求項3と略同様であるので説明を省略する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態は、加工布に形成する鳩目状の穴の周囲をかがり縫いした後に、続けて直線閂止め縫いを実行可能な鳩目穴かがりミシンに本発明を適用したものである。
【0016】
図1に示すように、鳩目穴かがりミシンMは、略矩形箱状をなすベッド部1に、その後方部上部から前方に連続して延びるアーム部2を一体的に有して構成され、ミシンテーブル16上に載置されている。このミシンテーブル16には、針棒4やルーパーなどを同期駆動させる駆動機構の駆動源となるミシンモータ24(図3参照)、図5の鳩目穴かがり縫目50及び直線閂止め部54に関する特性データ(図4参照)等を設定するための操作パネル23(図3参照)、足踏み式の起動・停止スイッチ20などが設けられ、さらに、各機構の作動を制御するマイクロコンピュータなどからなる制御装置35も設けられている。
【0017】
前記アーム部2の先端部下部には、縫針3を備えた針棒4が上下動可能に設けられ、詳しく図示はしないが、前記ミシンモータ24の駆動により回転される主軸5の回転力がカム機構により伝達され、所定幅分だけ左右に揺動しながら上下駆動されるようになっている。この場合、前記主軸5の一回転により、針棒4は左側揺動位置と右側揺動位置とに2回上下動するようになっている。また、前記ベッド部1には、針棒4に対向して、前記主軸5の回転力がカム機構により伝達された針棒4に同期して作動される2個のルーパーを備えたルーパー土台6が設けられ、主軸5の回転が図示しないカム機構を介してルーパーにも伝達され、このルーパーが針棒4の上下動と同期して駆動されるようになっている。ここで、駆動機構は、これらミシンモータ24、主軸5、カム機構等から構成されている。
【0018】
また、針棒4及びルーパー土台6は、ベッド部1内に設けられたステッピングモータからなるθ方向駆動モータ26及びギヤ機構7からなる回動機構8により、夫々水平面において、鉛直軸回りに一体的に回動するようにっている。前記ベッド部1には、ルーパー土台6の後方側に位置して固定配置された下メス9が設けられるとともに、この下メス9に対して上方より接離する打ち抜き用ハンマー10が揺動可能に設けられている。このハンマー10は、ベッド部1内に設けられたエアシリンダ11(図3参照)などからなるハンマー駆動機構12により駆動され、下メス9との協働により、図5に示すように、鳩目穴部とこれに連なる直線状の足穴部とからなる鳩目穴51を加工布に形成するようになっている。
【0019】
そして、ベッド部1の上面部には、加工布がセットされる送り台13が設けられている。この送り台13は、全体として薄形の矩形箱状をなし、その下面のうち、ルーパー土台6及び下メス9に対応する部位が開放されている。また、この送り台13の上面には、図2に示すように、開口部14aを有する金属製のクロスプレート14が設けられている。そして、この送り台13は、詳しく図示はしないが、ベッド部1内に設けられたX方向駆動モータ30及びY方向駆動モータ32などからなる移動機構15(図3参照)により、鳩目穴かがり縫目50の足部53と平行なY方向(前後方向)と、このY方向に直交するX方向(左右方向)と縫針3に対して相対的に移動可能になっている。尚、前記クロスプレート14上には、前記開口部14aの左右両側に位置して加工布を押さえる為の布押え(図示略)が設けられている。
【0020】
図3に示すように、操作パネル23(入力手段に相当する)には、図9の鳩目穴かがり縫目50及び直線閂止め部54に関する複数の特性データを入力する為の種々の入力キー23aと、選択された特性データの内容やその数値等を表示するディスプレイ23bが設けられている。入力キー23aとしては、複数の特性データに対する数値の設定を順次切換えて指示する為のセレクトキーや、各項目に入力する数値を変更する為の数値アップキー及び数値ダウンキーなどが設けられている。
【0021】
次に、鳩目穴かがりミシンMの制御系の概要について、図3のブロック図に基づいて説明する。ミシンMの制御装置35は、CPU36とROM37及びRAM38とを含むマイクロコンピュータと、そのマイクロコンピュータにデータバスなどのバス39を介して接続された入力インターフェース40及び出力インターフェース41とから構成され、入力インターフェース40には、起動・停止スイッチ20と、布押えに連結された布押えスイッチ21と、タイミング信号発生器22と、操作パネル23からの信号が送られる。
【0022】
また出力インターフェース41からは、ミシンモータ24の為の駆動回路25と、θ方向駆動モータ26の為の駆動回路27と、ハンマー駆動機構12に設けられたエアシリンダ11を駆動する電磁切換え弁28の為の駆動回路29と、移動機構15のX方向駆動モータ30の為の駆動回路31とY方向駆動モータ32の為の駆動回路33に加えて、操作パネル23の各々に駆動信号や駆動パルス信号が供給される。ここで、これらX方向駆動モータ30とY方向駆動モータ32は、夫々ステッピングモータで構成されている。前記タイミング信号発生器22は、ミシンMの主軸5に連係させて設けられ、主軸5の回転位相を検出して、位相信号を出力するものである。
【0023】
ROM37には、鳩目穴かがり縫目50の縫目データを作成する鳩目穴かがり縫目データ作成プログラム、鳩目穴かがり縫いを実行する為のかがり縫い制御プログラム、直線閂止め部54の縫目データを作成する閂止め部縫目データ作成プログラム、閂止め縫いを実行する為の閂止め縫いプログラムなどが格納されている。RAM38には、作成した鳩目穴かがり縫目50の縫目データを格納する鳩目穴穴かがり縫いデータメモリ38a、直線閂止め部54の縫目データを格納する閂止め縫いデータメモリ38b(図3参照)など、各種のメモリやバッファなどが設けられている。
【0024】
次に、鳩目穴かがりミシンMの制御装置35により実行される閂止め縫い付き鳩目穴かがり縫製制御のルーチンについて、図6のフローチャートに基づいて説明する。但し、図中符号Si(i=10、11、12・・・)は各ステップである。ところで、閂止め縫い付き鳩目穴かがり縫いを実行するに先立って、操作パネル23から入力キー23aを操作して、図4に示す複数の特性データに対して数値が夫々入力される。そして、これら特性データ毎に設定された数値は、RAM38のワークメモリに夫々格納される。
【0025】
そして、鳩目穴かがり縫目データ作成処理が行われて、操作パネル23から入力された図4の特性データのうち、鳩目形状(図4の特性データ番号01)、鳩目部針数(特性データ番号06)等の鳩目穴かがり縫目50に関する複数の特性データに基づいて、鳩目穴かがり縫いの縫目50の為の縫目データが作成される(S10)。即ち、図7に示すように、例えば、鳩目部針数が17針の場合に、17針の針数の各々について、内針に対する外針の針落ち位置を決定する為に、X方向駆動モータ30とY方向駆動モータ32とθ方向駆動モータ26の各々の駆動パルス数が設定され、これらのデータは、RAM38の鳩目穴かがり縫いデータメモリ38aに格納される。
【0026】
ここで、図5、図7に示すように、17針のうち、1針目1N〜5針目5Nが右側足部53aのかがり縫いの為の縫目データであり、6針目6N〜13針目13Nが鳩目部52のかがり縫いの為の縫目データであり、14針目14N〜17針目17Nが左側足部53bのかがり縫いの為の縫目データである。尚、図5においては、例えば、1針目1Nの内針を〈1〉、1針目の外針を(1)で示す。また、X方向のうち送り台13の左方向移動を「+」側として定義し、更にY方向のうち前方向移動を「+」側として定義している。
【0027】
次に、鳩目穴かがり縫いに連続して実行される直線閂止め縫いの閂止め縫目データ作成処理が行われる(S11)。図8の閂止め縫目データ作成処理においては、直線閂長さD(図4の特性データ番号03)、直線閂針数n(特性データ番号04)、直線閂幅補正BW(特性データ番号18)、直線閂重ね量G(特性データ番号19)、針振り幅補正W(特性データ番号22)、直線閂X位置補正XA(特性データ番号23)、直線閂傾き補正BA(特性データ番号24)の7つの特性データに基づいて、n針目までの各々について、外針と内針のX座標とY座標が算出された後、X方向駆動モータ30,Y方向駆動モータ32、θ方向駆動モータ26の駆動パルス数が夫々演算される。
【0028】
ここで、図10に示すように、鳩目穴51のY方向中心線と直線閂止め部54の第1針目の外針aからX方向に延びる直線との交点を座標原点Oとする。この座標原点Oは、鳩目かがり縫目50の第18針目の内針〈18〉から、直線閂止め部の幅をFとすると、Y方向に(F−G)だけ離れた位置にある点である。ここで、F=L+W+BWである(Lは針振り幅)。尚、送り台13を左方(X方向の+方向)及び前方(Y方向の+方向)に移動させて縫製していくと、直線閂止め部54は右方及び後方に形成されていく。従って、以下説明する直線閂止め部54の縫目データにおけるX座標及びY座標の+方向(図9、図10において(+)と記載)は、送り台13のX方向及びY方向の+方向とは逆になり、右方及び後方が夫々+方向となることに留意する。
【0029】
尚、針振り幅補正W及び直線閂幅補正BWは、針振り幅Lと異なる幅の鳩目穴かがり縫目50や直線閂止め部54を縫製するために設定されるものであり、これら針振り幅補正W及び直線閂幅補正BWが設定されている場合には、針振りと同時にBW及びWだけ送り台13がX方向駆動モータ30及びY方向駆動モータ32によりX方向及びY方向に駆動されて、鳩目穴かがり縫目50や直線閂止め部54の幅が所定の幅になるように調整される。
【0030】
以下、閂止め縫目データ作成処理について詳しく説明する。図8に示すように、針目kの初期値を1とし(S20)、k=1〜nまでの針目の外針と内針のX座標、Y座標をS20〜S25により求める。図10より、第k番目の針目における外針と内針のX座標Xko,Xkiは、
Xko=−D/2+XA+P×(k−1)
Xki=−D/2+XA+P×(k−1)
となる(S21)。ここで、Pは直線閂止め部54のピッチであり、P=D/ (n−1)である。
【0031】
次に、第k番目の針目における外針と内針のY座標Yko,Ykiは、Yko=0、Yki=Fとなる(S22)。しかしながら、このようにY座標を設定しただけでは、実際には、縫製中に生地に作用する外乱などに起因して、図10の2点鎖線で示すように、直線閂止め部54の縫い方向がX方向(図10の1点鎖線)から幾分傾いてしまうことも多く、直線閂止め部の見映えが悪くなる場合がある。
【0032】
そこで、S23において、直線閂傾き補正BAに基づいて各針目の外針及び内針の位置をY方向に所定量ずらして(つまり、移動機構15による送り台13のY方向への移動量を補正して)、直線閂止め部54の縫い方向のX方向に対する傾きψを補正する。この直線閂傾き補正BAが傾き補正データに相当する。即ち、最終針の第n番目の針目の外針及び内針については、それらのY方向補正量はBAそのものであり、途中の第k番目の針目の外針及び内針については、直線閂傾き補正BAの値を第1針目の外針aからの距離に応じて配分した量だけY方向へ補正される。従って、第k番目の針目における外針と内針のY座標Yko,Ykiに、−P×(k−1)×tanψ=−P×(k−1)×BA/DのY方向の補正量が加えられることになる。尚、このS23が傾き補正ルーチンに相当する。
【0033】
このようにして、第1番目の針目から第n番目の針目までの、外針及び内針のX座標及びY座標が求められると、これらの座標データから、X方向駆動モータ30、Y方向駆動モータ32及びθ方向駆動モータ26の駆動パルス数が演算される(S26)。これら駆動パルス数のデータ、つまり閂止め縫いの縫目データが作成され、閂止め縫いデータメモリ38bに格納される。
【0034】
そして、起動・停止スイッチ20が操作されて、閂止め縫い付き鳩目穴かがりの縫製処理が開始されると、まず、作成された鳩目穴かがり縫いの縫目データに基づいて、鳩目穴かがりの縫製処理が実行される(S12)。即ち、図5に示すように、第1番目の針目1Nから第17番目の針目17Nまでの運針により、右側足部53aと鳩目部52と左側足部53bとからなる鳩目穴かがり縫目50が縫製される。
【0035】
そして、閂止め縫い縫目データに従って直線閂止め部54の縫製処理が行われる。即ち、まず、θ方向駆動モータ26により針棒4とルーパー土台6を90度回動駆動させてから、閂止め縫いデータメモリ38bの縫目データに基づいて、1針目の外針aから針棒4をY方向に揺動させつつ送り台13を左方に移動させることにより、直線閂止め部54が縫製され(S13)、閂止め縫い終了後、メインルーチンにリターンする。つまり、図10に示すように、1針目の縫目データにより、鳩目穴かがり縫い50の最終の18針目の内針<18>から、閂止め縫いの為の1針目の外針aとその内針bとが縫製され、その後2針目以降の各縫目データにより、2針目からn針目までの各針目毎に、c、d、e、・・・t、u、終点Eまで順次縫製され、入力設定した特性データに基づく直線閂止め部54が、鳩目部52と反対側の足部53の端部に閂止め縫いされる。
【0036】
以上説明した鳩目穴かがりミシンMによれば、直線閂止め部54に関する特性データが、直線閂止め部54の縫い方向のX方向に対する傾きを補正する為の傾き補正データである直線閂傾き補正BAを含むので、直線閂止め部54の縫製の際に、この直線閂傾き補正BAの値に基づいて直線閂止め部54の縫い方向のX方向に対する傾きを補正することができ、直線閂止め部54をX方向に対して平行に形成して直線閂止め部54の見映えをよくすることができる。
【0037】
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。
1]鳩目穴かがりだけではなく、図11に示すような、閂止め部61と足部62とを含む穴かがり縫目60を縫製可能な穴かがりミシンにも本発明を適用できる。このような穴かがりミシンは、X方向に針棒を揺動させるとともに、Y方向に送り台を移動させるように構成されていればよく、針棒を回動させる回動機構を備えていないものでもよい。つまり、閂止め部61を縫製する場合においても、足部62を縫製する場合と同様に、X方向に針を揺動させながらY方向に送り台を移動させることで、足部62と直交する閂止め部61を縫製することが可能である。また、前記実施形態のルーパーの代わりに、上糸と下糸を交絡させる為の釜機構を備えた穴かがりミシンに本発明を適用することもできる。
【0038】
2]前記実施形態の閂止め縫目データ作成プログラムをCD−ROMやFD等の読み取り可能な記録媒体に記録させることもできる。さらに、そのような記録媒体により、種々の穴かがりミシンの制御装置のメモリに、閂止め縫目データ作成プログラムをインストールすることもできる。
【0039】
3]前記実施形態では、直線閂止め部54の縫目データを作成する際に、直線閂止め部54の縫い方向のX方向に対する傾きを補正するようになっているが、直線閂止め部54の縫目データをパーソナルコンピュータ等のデータ作成手段により予め作成しておき、その縫目データを制御装置の35のRAM38の閂止め縫いデータメモリ38bに読み込んだ後、操作パネル23から直線閂傾き補正BAが入力設定された場合に、直線閂止め部54の縫い方向のX方向に対する傾きを補正(即ち、傾きが補正された新たな直線閂止め部54の縫目データの作成とも言える)するように構成してもよい。
【0040】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、閂止め部に関する特性データが、閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きを補正する為の傾き補正データを含むので、閂止め部の縫製の際に、この傾き補正データに基づいて閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きを補正することができるため、閂止め部をX方向に対して平行に形成して縫目を見映えよくすることができる。
【0041】
請求項2の発明によれば、直線閂止め部に関する特性データが、直線閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きを補正する為の傾き補正データを含むので、直線閂止め部の縫製の際に、この傾き補正データに基づいて直線閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きを補正することができるため、直線閂止め部をX方向に対して平行に形成して縫目の見映えをよくすることができる。
【0042】
請求項3の発明によれば、制御装置は、傾き補正データに基づいて閂止め部における1針毎の移動機構のY方向の移動量を補正するので、傾き補正データに基づいて閂止め部における1針毎の移動機構のY方向の移動量を補正して、閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きを補正することができる。
【0043】
請求項4の発明によれば、傾き補正ルーチンにより、特性データに含まれる傾き補正データに基づいて前記縫目データのうちの閂止め部のX方向に対する傾きを補正することができるので、閂止め部をX方向に対して平行に形成して穴かがり縫目の見映えをよくすることができる。
請求項5の発明によれば、請求項4と同様の効果が得られるため、その説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る鳩目穴かがりミシンの側面図である。
【図2】送り台の部分平面図である。
【図3】鳩目穴かがりミシンの制御系を示すブロック図である。
【図4】鳩目穴かがり縫目及び直線閂止め部に関する特性データを示す図表である。
【図5】加工布に形成された鳩目穴かがりの縫目を説明する説明図である。
【図6】閂止め縫い付き鳩目穴かがり縫製処理の概略フローチャートである。
【図7】鳩目穴かがり縫いの縫目データを説明する説明図である。
【図8】閂止め縫目データ作成処理のフローチャートである。
【図9】閂止め縫いを含む鳩目穴かがりの縫目を説明する説明図である。
【図10】直線閂止め部の縫目を説明する説明図である。
【図11】変更形態における図9相当図である。
【符号の説明】
M 鳩目穴かがりミシン
3 縫針
4 針棒
6 ルーパー土台
8 回動機構
15 移動機構
23 操作パネル
35 制御装置
50 鳩目穴かがり縫目
52 鳩目部
53 足部
54 直線閂止め部
60 穴かがり縫目
61 閂止め部
62 足部

Claims (5)

  1. 送り台にセットされた加工布に閂止め部と足部とを含む穴かがりを縫製する為に、針棒の上昇時に送り台を縫針に対して前記足部と平行なY方向とY方向に直交するX方向とに相対的に移動させる移動機構と、1針毎の移動機構による移動量を指定した縫目データに基づいて移動機構を制御する制御装置とを備えた鳩目穴かがりミシンにおいて、
    前記閂止め部に関する特性データを入力設定する為の入力手段を有し、
    前記特性データが、前記閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きを補正する為の傾き補正データを含むことを特徴とする穴かがりミシン。
  2. 送り台にセットされた加工布に鳩目部と足部とを含む鳩目穴かがりを縫製する為に、縫針とルーパーとの協働により加工布に縫目を形成する縫目形成動作を繰り返すように針棒とルーパーとを同時駆動する駆動機構と、針棒の上昇時に送り台を縫針に対して前記足部と平行なY方向とY方向に直交するX方向とに相対的に移動させる移動機構と、ルーパーが設けられたルーパー土台と針棒を回動させる回動機構と、1針毎の送り台の移動量と針棒及びルーパー土台の回動角度を指定した縫目データに基づいて駆動機構と移動機構と回動機構とを制御する制御装置を備えた穴かがりミシンにおいて、
    前記鳩目部と反対側の足部の端部に縫い方向がX方向と平行に形成される直線閂止め部に関する特性データを入力設定する為の入力手段を有し、
    前記特性データが、前記直線閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きを補正する為の傾き補正データを含むことを特徴とする穴かがりミシン。
  3. 前記制御装置は、前記傾き補正データに基づいて閂止め部における1針毎の移動機構のY方向の移動量を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の穴かがりミシン。
  4. 送り台にセットされた加工布に閂止め部と足部とを含む穴かがりを縫製する為に、針棒の上昇時に送り台を縫針に対して前記足部と平行なY方向とY方向に直交するX方向とに相対的に移動させる移動機構と、1針毎の移動機構による移動量を指定した縫目データに基づいて移動機構を制御する制御装置と前記直線閂止め部に関する特性データを入力設定する為の入力手段とを備えた穴かがりミシンにおける、前記入力手段から入力された特性データに基づいて閂止め部を閂止め縫いする為の縫目データを作成するために前記制御装置のコンピュータに実行させる縫目データ作成プログラムであって、
    前記特性データに含まれる傾き補正データに基づいて閂止め部の縫い方向のX方向に対する傾きを補正する傾き補正ルーチンを備えたことを特徴とする穴かがりミシンの縫目データ作成プログラム。
  5. 請求項4に記載のデータ作成プログラムを読み取り可能に記録した記録媒体。
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