JP2004199962A - 低挿入力コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に嵌合することができる低挿入力コネクタを提供する。
【解決手段】低挿入力コネクタ1は、プラグコネクタハウジング10とレセプタクルコネクタハウジング20とから構成され、プラグコネクタハウジング10の嵌合本体部11には軸33及び引掛け本体部35から構成される引掛け部31,32が備えられ、レセプタクルコネクタハウジング20の嵌合部21には軸33が挿入されるスリット部22及び引掛け部31,32と係合するフック部41,42が備えられている。フック部41,42には、引掛け部31,32を引掛け本体部35と共に嵌合方向に移動させる形状のカム溝部44が形成されている。両コネクタハウジング10,20の嵌合時には、引掛け部31,32の引掛け本体部35をフック部41,42のカム溝部44と係合させ、フック部41,42を回動させて完全嵌合させる。
【選択図】 図1
【解決手段】低挿入力コネクタ1は、プラグコネクタハウジング10とレセプタクルコネクタハウジング20とから構成され、プラグコネクタハウジング10の嵌合本体部11には軸33及び引掛け本体部35から構成される引掛け部31,32が備えられ、レセプタクルコネクタハウジング20の嵌合部21には軸33が挿入されるスリット部22及び引掛け部31,32と係合するフック部41,42が備えられている。フック部41,42には、引掛け部31,32を引掛け本体部35と共に嵌合方向に移動させる形状のカム溝部44が形成されている。両コネクタハウジング10,20の嵌合時には、引掛け部31,32の引掛け本体部35をフック部41,42のカム溝部44と係合させ、フック部41,42を回動させて完全嵌合させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラグコネクタハウジング及びレセプタクルコネクタハウジング同士を相互に容易に嵌合させたり、離脱させたりすることができる低挿入力コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、エレクトロニクス化の急速な発展により、例えば自動車に搭載されるワイヤハーネスなどにおいても回路数(電線数)が年々増加する傾向にある。回路数の増加に伴いワイヤハーネスの端末部に取り付けられるコネクタも多極化(内蔵接続端子数の増加)が進展し、図14に示すような多極コネクタが多く使用されるようになってきた。この多極コネクタ100は、内部に複数のレセプタクル接続端子(図示せず)を収容するための端子収容孔101が形成されたプラグコネクタハウジング110と、このプラグコネクタハウジング110が内側に嵌合すると共に内部に複数のプラグ接続端子102を収容するための端子収容孔(図示せず)が形成されたレセプタクルコネクタハウジング120と、このレセプタクルコネクタハウジング120に別途取り付けられたレバー130とから構成されている。この多極コネクタ100のように、接続する接続端子数が増えれば、プラグコネクタハウジング110及びレセプタクルコネクタハウジング120同士の嵌合時/離脱時の接触抵抗が増加するため、両者の嵌合時の挿入力及び離脱時の引抜力もより高くなってしまう。そこで、これらの挿入力及び引抜力を低く抑えるために、レバー130等の倍力機構を備え、例えばプラグコネクタハウジング110の側面に突起111を形成し、レバー130にこの突起111と嵌合すると共にこの突起111をレセプタクルコネクタハウジング120の奥側に移動させるための溝121を形成して、レバー130を動かすことによりてこの原理を利用して両者を嵌合/離脱するようにしたいわゆるレバー式コネクタが知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2762897号公報(第2−3頁、第1−5図)
【特許文献2】
特許第2956498号公報(第3−5頁、第1−12図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなレバー式コネクタに備えられているレバー等の倍力機構は、その倍力機構を動作させるためのスペースを確保する必要があると共にてこの作用を大きくするために倍力機構を大きく(例えば、レバー130を大きくしたり、溝121を長くしたり)構成しなければならないため、レバー式コネクタ自体が大きくなる傾向にある。また、従来のレバー式コネクタでは、レバーの内側に溝121が形成されているので、レバーの部分の横幅が大きくなってしまう。
【0005】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、適度な大きさで安価に製造することができると共に容易に嵌合を行うことができる低挿入力コネクタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る低挿入力コネクタは、プラグコネクタハウジングと、このプラグコネクタハウジングと嵌合するレセプタクルコネクタハウジングとを有し、前記プラグコネクタハウジングは、側壁を有しこの側壁に沿って前記レセプタクルコネクタハウジングと嵌合する嵌合本体部と、この嵌合本体部の側壁の外面に設けられた、前記外面から前記側壁と直交する方向に突出する軸を有する引掛け部とを備え、前記レセプタクルコネクタハウジングは、壁部を有しこの壁部に沿って前記プラグコネクタハウジングの嵌合本体部が内側に嵌合し、嵌合時に前記引掛け部の軸が移動可能となるように前記壁部にスリット部が形成された縦断面が凹状の嵌合部と、このスリット部が形成された壁部の外面側に設けられた、前記壁部の外面に対して直交する方向に回転軸を形成する状態で回動可能な構造からなるフック部とを備え、前記フック部は、前記引掛け部に係合し前記フック部の回転運動を前記引掛け部の軸を前記スリット部のスリット形状に沿って移動させるための直線運動に変換するカム溝部を備えて構成されていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、従来のレバー等の倍力機構の代わりに引掛け部をプラグコネクタハウジングに備えると共にスリット部とカム溝部を有するフック部とをレセプタクルコネクタハウジングに備え、カム溝部に係合された引掛け部をフック部を回動させることでスリット部に沿ってレセプタクルコネクタハウジングへの嵌合方向にプラグコネクタハウジングと共に移動させて両コネクタハウジングを完全嵌合する。このため、別途作製したレバーをハウジングに取り付けて倍力機構を構成していた場合に比べ、フック部の動作スペースやコネクタ全体を小さく構成することができると共に、フック部を回動させるという簡単な動作でハウジング同士の嵌合を容易に低い挿入力で行うことができる。
【0008】
なお、引掛け部は、嵌合本体部の一対の対向する側壁にそれぞれ設けられ、スリット部及びフック部は、嵌合部の一対の対向する壁部にそれぞれ設けられていることが好ましい。このように構成し、複数のフック部を同期させて回動すれば、両コネクタハウジングの嵌合時のねじれやこじれの発生をより効果的に抑えることができる。
【0009】
また、引掛け部は、▲1▼軸と、この軸の突出方向先端側に形成された嵌合方向に貫通する貫通穴を有する引掛け本体部とから構成され、嵌合時に軸がスリット部に挿入され貫通穴の周辺部にフック部のカム溝部が係合する構造や、▲2▼軸と、この軸の突出方向先端側に形成された壁部の外面に沿って嵌合方向と直交する方向に貫通する貫通穴を有する引掛け本体部とから構成され、嵌合時に軸がスリット部に挿入され貫通穴の周辺部にフック部のカム溝部が係合する構造や、▲3▼軸と、この軸の突出方向先端側に形成された縦断面がU字状の引掛け本体部とから構成され、嵌合時に軸がスリット部に挿入され引掛け本体部のU字状底辺部にフック部のカム溝部が係合する構造からなるものであることが好ましい。
【0010】
なお、フック部は、フック部を回動させるためのレバー部を更に備えるものであることが好ましい。レバー部を備えれば、フック部の回転動作を行い易くすることができ、更に容易に低挿入力でハウジング同士を嵌合することが可能となる。
【0011】
また、フック部は、カム溝部に係合した引掛け部がカム溝部から外れないようにするための弾性ストッパ片を更に備えるものであることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、この発明の好ましい実施の形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図、図2及び図3は、この低挿入力コネクタにおける嵌合動作を説明するための一部断面図、図4は、この低挿入力コネクタにおける抜去動作を説明するための一部断面図である。
図1〜図3に示すように、低挿入力コネクタ1は、プラグコネクタハウジング10と、レセプタクルコネクタハウジング20とから構成されている。プラグコネクタハウジング10は、側壁9a,9bを有しこの側壁9a,9bに沿ってレセプタクルコネクタハウジング20と嵌合する嵌合本体部11と、この嵌合本体部11の両側壁9a,9bの外面にそれぞれ設けられた、外面から側壁9a,9bと直交する方向に突出する軸33を有する引掛け部31,32とから構成されている。このプラグコネクタハウジング10には、例えば複数のレセプタクル接続端子4(図2及び図3参照)をプラグコネクタハウジング10内に収容するための複数の端子収容孔14が形成されている。また、プラグコネクタハウジング10には、レセプタクルコネクタハウジング20との完全嵌合時に両コネクタハウジング10,20を係止固定するためのロック機構を後述するロック凹部と共に構成するロック凸部12を有する弾性係止片13が形成されている。
【0013】
引掛け部31,32は、この例ではそれぞれ軸33と、この軸33の突出方向先端側近傍に偏心した構造で形成された、側壁9a,9bの外面に沿ってレセプタクルコネクタハウジング20への嵌合方向と直交する方向に貫通する貫通穴34を有する引掛け本体部35とを備えて構成されている。
【0014】
一方、レセプタクルコネクタハウジング20は、壁部8a,8bを有しこの壁部8a,8bに沿ってプラグコネクタハウジング10の嵌合本体部11が内側に嵌合し、嵌合時に引掛け部31,32の軸33が移動可能となるように壁部8a,8bにスリット部22が形成された縦断面が凹状の嵌合部21と、このスリット部22が形成された両壁部8a,8bの外面側に設けられた、壁部8a,8bに対してそれぞれ直交する方向に回転軸43を有し外面に沿って回動する構造のフック部41,42(フック部42は図示せず)とを備えて構成されている。このレセプタクルコネクタハウジング20には、例えば複数のプラグ接続端子3をレセプタクルコネクタハウジング20内に収容するための複数の端子収容孔(図示せず)が形成されている。また、レセプタクルコネクタハウジング20には、プラグコネクタハウジング10との完全嵌合時に両コネクタハウジング10,20を係止固定するためのロック機構を上記ロック凸部12と共に構成するロック凹部23が形成されている。
【0015】
フック部41,42は、この例ではそれぞれ嵌合本体部11の引掛け部31,32の貫通穴34の周辺部における引掛け本体部35に係合するカム溝部44を備えている。このカム溝部44は、フック部41,42の回転運動を、引掛け部31,32の軸33をスリット部22のスリット形状に沿って嵌合方向に移動させる直線運動に変換するような形状で構成されている。また、フック部41,42には、カム溝部44に係合した引掛け本体部35がカム溝部44から外れないようにする弾性ストッパ片45が、カム溝部44の開口端近傍に備えられている。
【0016】
このように構成された低挿入力コネクタ1における両コネクタハウジング10,20の嵌合動作は、図2及び図3に示すようにして行われる。まず、図2(a)に示すように、プラグコネクタハウジング10の嵌合本体部11が、レセプタクルコネクタハウジング20の嵌合部21の内側に嵌ると共に、引掛け部31,32の軸33がスリット部22に挿入されるように、両コネクタハウジング10,20を嵌合方向に近づける。そして、同図(b)に示すように、図中矢印A方向にフック部41,42を回動させ、スリット部22に軸33が僅かに挿入された状態の引掛け部31,32に、引掛け部31,32の引掛け本体部35にフック部41,42のカム溝部44が係合するように、フック部41,42を取り付ける。引掛け部31,32にフック部41,42を取り付けた後、更にフック部41,42を図中矢印A方向に回動させると、フック部41,42のカム溝部44の溝形状に沿って、引掛け部31,32が嵌合方向にスリット部22のスリット形状に沿って移動する引掛け本体部35と共に嵌合方向に引っ張られ、引掛け部31,32と軸33を介して固定された嵌合本体部11が嵌合部21の内側に挿入されて、プラグコネクタハウジング10のレセプタクル接続端子4とレセプタクルコネクタハウジング20のプラグ接続端子3とが僅かに嵌合した初期嵌合状態となる。その後、図3に示すように、更に図中矢印A方向にフック部41,42を回動させると、引掛け部31,32がカム溝部44の溝形状に沿って嵌合方向に移動する引掛け本体部35と共に嵌合方向に更に引っ張られ、引掛け部31,32と軸33を介して固定された嵌合本体部11が嵌合部21の内側に完全に嵌合される。
【0017】
このように、この低挿入力コネクタ1によれば、引掛け部31,32に係合したフック部41,42を回動させるという簡単な動作で両コネクタハウジング10,20を完全嵌合することができる。また、フック部41,42の回動範囲は、従来のレバー等に比べると小さいので、結果的に動作スペースを小さくすることができると共にコネクタの大きさを小さくすることができる。
【0018】
なお、図3において完全嵌合された両コネクタハウジング10,20を抜去する場合は、図4に示すようにすれば良い。即ち、フック部41,42を図中矢印B方向(上記A方向とは反対方向)に回動させると、引掛け部31,32がカム溝部44の溝形状に沿って嵌合方向と反対方向の図中矢印C方向(以下、「抜去方向」とする)に移動する引掛け本体部35と共に抜去方向に押し上げられ、引掛け部31,32と軸33を介して固定された嵌合本体部11が嵌合部21の内側から離れる方向に移動し、例えば上記プラグ及びレセプタクル接続端子3,4の初期嵌合状態位置まで抜去される。引掛け部31,32とフック部41,42との係合を解除するためには、弾性ストッパ片45を折りたたんだうえでフック部41,42を更に図中矢印B方向に回動させれば良い。このように、この低挿入力コネクタ1によれば、引掛け部31,32に係合したフック部41,42を回動させるという簡単な動作で両コネクタハウジング10,20を容易に抜去することも可能となる。
【0019】
また、この例ではプラグコネクタハウジング10の引掛け部31,32として、軸33と、側壁9a,9bの外面に沿って両コネクタハウジング10,20の嵌合方向と直交する方向に貫通する貫通穴34を有する引掛け本体部35とから構成されるものを挙げて説明したが、フック部41,42のカム溝部44が係合することができる形状であればこの形態に限定されるものではない。例えば、図5に示すように、引掛け本体部35が軸33の先端側に形成されている構造からなる引掛け部311,321や、図6に示すように、軸33の先端側に円盤状の鍔部36が形成されて軸33にカム溝部44を係合する構造からなる引掛け部312,322や、図7に示すように、軸33の先端側に縦断面がU字状の引掛け本体部35が形成されている構造からなる引掛け部313,323などが考えられる。また、図示はしないが、軸33と、この軸33の先端側に嵌合方向に貫通する貫通穴34を有する引掛け本体部35とから構成されている引掛け部31,32なども考えられる。
【0020】
更に、この例では、それぞれ引掛け部31,32がプラグコネクタハウジング10の嵌合本体部11の両側壁9a,9bに、またスリット部22とフック部41,42とがレセプタクルコネクタハウジング20の嵌合部21の両壁部8a,8bに備えられた場合について説明したが、これら引掛け部、スリット部及びフック部がいずれか一方の対応する側壁及び壁部(例えば、側壁9aなら壁部8a、又は側壁9bなら壁部8b)のみに形成されていても良い。
【0021】
図8は、この発明の他の実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図、図9は、この低挿入力コネクタにおける嵌合動作を説明するための一部断面図、図10は、この低挿入力コネクタにおける完全嵌合時の状態を説明するための一部断面図である。なお、以降において、既に説明した部分と重複する説明は割愛する。
図8に示すように、この低挿入力コネクタ1´は、フック部41´,42´(フック部42´は図示せず)に、フック部41´,42´を更に容易に回動させるためのレバー部46が備えられている点が、先の例の低挿入力コネクタ1と相違している。この低挿入力コネクタ1´によれば、図9(a)に示すように、両コネクタハウジング10,20の嵌合に際して、例えばレバー部46を把持してフック部41´,42´(フック部42´は図示せず)を図中矢印A方向に回動させ、同図(b)に示すように、引掛け部31,32(引掛け部32は図示せず)の引掛け本体部35をフック部41´,42´のカム溝部44に係合させて、更に図中矢印A方向に回動させれば、図10に示すように、両コネクタハウジング10,20を更に容易に完全嵌合することができる。
【0022】
図11は、この発明の更に他の実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図、図12は、この低挿入力コネクタにおける嵌合動作を説明するための一部断面図である。
図11に示すように、この低挿入力コネクタ2は、フック部47,48のカム溝部44´の形状が、レバー部46を先の例の低挿入力コネクタ1´のときとは反対方向(図12(b)中矢印B方向)に動かすことで、引掛け部31,32を嵌合方向に引っ張る形状となるように構成されている点が、先の例の低挿入力コネクタ1´と相違している。この低挿入力コネクタ2によれば、図12(a)に示すように、例えばレバー部46を把持してフック部47,48(フック部48は図示せず)を図中矢印B方向に回動させ、同図(b)に示すように、引掛け部31,32(引掛け部32は図示せず)の引掛け本体部35をフック部47,48のカム溝部44´に係合させて、更に図中矢印B方向に回動させれば、同様に両コネクタハウジング10,20を容易に完全嵌合することが可能となる。
【0023】
図13は、この発明の更に他の実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図である。
図13に示すように、この低挿入力コネクタ2aは、フック部47,48のレバー部46のそれぞれの一端部が棒状部材49により連結されており、フック部47,48をそれぞれ同期させて動かすことができる点が、先の例の低挿入力コネクタ2と相違している。この低挿入力コネクタ2aによれば、複数のフック部47,48を同期させて動作させることができるので、両コネクタハウジング10,20をより容易に完全嵌合することができると共に、嵌合時のねじれやよじれの発生を効果的に抑えることも期待できる。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、従来のレバー等の倍力機構の代わりに引掛け部をプラグコネクタハウジングに備えると共にスリット部とカム溝部を有するフック部とをレセプタクルコネクタハウジングに備え、カム溝部に係合された引掛け部をフック部を回動させることでスリット部に沿ってレセプタクルコネクタハウジングへの嵌合方向にプラグコネクタハウジングと共に移動させて両コネクタハウジングを完全嵌合する。このため、別途作製したレバーをハウジングに取り付けて倍力機構を構成していた場合に比べ、フック部の動作スペースやコネクタ全体を小さく構成することができると共に、フック部を回動させるという簡単な動作でハウジング同士の嵌合を容易に低い挿入力で行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図である。
【図2】同低挿入力コネクタにおける嵌合動作を説明するための一部断面図である。
【図3】同低挿入力コネクタにおける嵌合動作を説明するための一部断面図である。
【図4】同低挿入力コネクタにおける抜去動作を説明するための一部断面図である。
【図5】同低挿入力コネクタのプラグコネクタハウジングの他の引掛け部を示す外観斜視図である。
【図6】同低挿入力コネクタのプラグコネクタハウジングの更に他の引掛け部を示す外観斜視図である。
【図7】同低挿入力コネクタのプラグコネクタハウジングの更に他の引掛け部を示す外観斜視図である。
【図8】この発明の他の実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図である。
【図9】同低挿入力コネクタにおける嵌合動作を説明するための一部断面図である。
【図10】同低挿入力コネクタにおける完全嵌合時の状態を説明するための一部断面図である。
【図11】この発明の更に他の実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図である。
【図12】同低挿入力コネクタにおける嵌合動作を説明するための一部断面図である。
【図13】この発明の更に他の実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図である。
【図14】従来の低挿入力コネクタを示す外観斜視図である。
【符号の説明】1,1´,2,2a…低挿入力コネクタ、3…プラグ接続端子、4…レセプタクル接続端子、8…壁部、9…側壁、10…プラグコネクタハウジング、11…嵌合本体部、12…ロック凸部、13…弾性係止片、14…端子収容孔、20…レセプタクルコネクタハウジング、21…嵌合部、22…スリット部、23…ロック凹部、31,32…引掛け部、33…軸、34…貫通穴、35…引掛け本体部、36…鍔部、41,42,41´,42´,47,48…フック部、43…回転軸、44,44´…カム溝部、45…弾性ストッパ片、46…レバー部。
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラグコネクタハウジング及びレセプタクルコネクタハウジング同士を相互に容易に嵌合させたり、離脱させたりすることができる低挿入力コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、エレクトロニクス化の急速な発展により、例えば自動車に搭載されるワイヤハーネスなどにおいても回路数(電線数)が年々増加する傾向にある。回路数の増加に伴いワイヤハーネスの端末部に取り付けられるコネクタも多極化(内蔵接続端子数の増加)が進展し、図14に示すような多極コネクタが多く使用されるようになってきた。この多極コネクタ100は、内部に複数のレセプタクル接続端子(図示せず)を収容するための端子収容孔101が形成されたプラグコネクタハウジング110と、このプラグコネクタハウジング110が内側に嵌合すると共に内部に複数のプラグ接続端子102を収容するための端子収容孔(図示せず)が形成されたレセプタクルコネクタハウジング120と、このレセプタクルコネクタハウジング120に別途取り付けられたレバー130とから構成されている。この多極コネクタ100のように、接続する接続端子数が増えれば、プラグコネクタハウジング110及びレセプタクルコネクタハウジング120同士の嵌合時/離脱時の接触抵抗が増加するため、両者の嵌合時の挿入力及び離脱時の引抜力もより高くなってしまう。そこで、これらの挿入力及び引抜力を低く抑えるために、レバー130等の倍力機構を備え、例えばプラグコネクタハウジング110の側面に突起111を形成し、レバー130にこの突起111と嵌合すると共にこの突起111をレセプタクルコネクタハウジング120の奥側に移動させるための溝121を形成して、レバー130を動かすことによりてこの原理を利用して両者を嵌合/離脱するようにしたいわゆるレバー式コネクタが知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2762897号公報(第2−3頁、第1−5図)
【特許文献2】
特許第2956498号公報(第3−5頁、第1−12図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなレバー式コネクタに備えられているレバー等の倍力機構は、その倍力機構を動作させるためのスペースを確保する必要があると共にてこの作用を大きくするために倍力機構を大きく(例えば、レバー130を大きくしたり、溝121を長くしたり)構成しなければならないため、レバー式コネクタ自体が大きくなる傾向にある。また、従来のレバー式コネクタでは、レバーの内側に溝121が形成されているので、レバーの部分の横幅が大きくなってしまう。
【0005】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、適度な大きさで安価に製造することができると共に容易に嵌合を行うことができる低挿入力コネクタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る低挿入力コネクタは、プラグコネクタハウジングと、このプラグコネクタハウジングと嵌合するレセプタクルコネクタハウジングとを有し、前記プラグコネクタハウジングは、側壁を有しこの側壁に沿って前記レセプタクルコネクタハウジングと嵌合する嵌合本体部と、この嵌合本体部の側壁の外面に設けられた、前記外面から前記側壁と直交する方向に突出する軸を有する引掛け部とを備え、前記レセプタクルコネクタハウジングは、壁部を有しこの壁部に沿って前記プラグコネクタハウジングの嵌合本体部が内側に嵌合し、嵌合時に前記引掛け部の軸が移動可能となるように前記壁部にスリット部が形成された縦断面が凹状の嵌合部と、このスリット部が形成された壁部の外面側に設けられた、前記壁部の外面に対して直交する方向に回転軸を形成する状態で回動可能な構造からなるフック部とを備え、前記フック部は、前記引掛け部に係合し前記フック部の回転運動を前記引掛け部の軸を前記スリット部のスリット形状に沿って移動させるための直線運動に変換するカム溝部を備えて構成されていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、従来のレバー等の倍力機構の代わりに引掛け部をプラグコネクタハウジングに備えると共にスリット部とカム溝部を有するフック部とをレセプタクルコネクタハウジングに備え、カム溝部に係合された引掛け部をフック部を回動させることでスリット部に沿ってレセプタクルコネクタハウジングへの嵌合方向にプラグコネクタハウジングと共に移動させて両コネクタハウジングを完全嵌合する。このため、別途作製したレバーをハウジングに取り付けて倍力機構を構成していた場合に比べ、フック部の動作スペースやコネクタ全体を小さく構成することができると共に、フック部を回動させるという簡単な動作でハウジング同士の嵌合を容易に低い挿入力で行うことができる。
【0008】
なお、引掛け部は、嵌合本体部の一対の対向する側壁にそれぞれ設けられ、スリット部及びフック部は、嵌合部の一対の対向する壁部にそれぞれ設けられていることが好ましい。このように構成し、複数のフック部を同期させて回動すれば、両コネクタハウジングの嵌合時のねじれやこじれの発生をより効果的に抑えることができる。
【0009】
また、引掛け部は、▲1▼軸と、この軸の突出方向先端側に形成された嵌合方向に貫通する貫通穴を有する引掛け本体部とから構成され、嵌合時に軸がスリット部に挿入され貫通穴の周辺部にフック部のカム溝部が係合する構造や、▲2▼軸と、この軸の突出方向先端側に形成された壁部の外面に沿って嵌合方向と直交する方向に貫通する貫通穴を有する引掛け本体部とから構成され、嵌合時に軸がスリット部に挿入され貫通穴の周辺部にフック部のカム溝部が係合する構造や、▲3▼軸と、この軸の突出方向先端側に形成された縦断面がU字状の引掛け本体部とから構成され、嵌合時に軸がスリット部に挿入され引掛け本体部のU字状底辺部にフック部のカム溝部が係合する構造からなるものであることが好ましい。
【0010】
なお、フック部は、フック部を回動させるためのレバー部を更に備えるものであることが好ましい。レバー部を備えれば、フック部の回転動作を行い易くすることができ、更に容易に低挿入力でハウジング同士を嵌合することが可能となる。
【0011】
また、フック部は、カム溝部に係合した引掛け部がカム溝部から外れないようにするための弾性ストッパ片を更に備えるものであることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、この発明の好ましい実施の形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図、図2及び図3は、この低挿入力コネクタにおける嵌合動作を説明するための一部断面図、図4は、この低挿入力コネクタにおける抜去動作を説明するための一部断面図である。
図1〜図3に示すように、低挿入力コネクタ1は、プラグコネクタハウジング10と、レセプタクルコネクタハウジング20とから構成されている。プラグコネクタハウジング10は、側壁9a,9bを有しこの側壁9a,9bに沿ってレセプタクルコネクタハウジング20と嵌合する嵌合本体部11と、この嵌合本体部11の両側壁9a,9bの外面にそれぞれ設けられた、外面から側壁9a,9bと直交する方向に突出する軸33を有する引掛け部31,32とから構成されている。このプラグコネクタハウジング10には、例えば複数のレセプタクル接続端子4(図2及び図3参照)をプラグコネクタハウジング10内に収容するための複数の端子収容孔14が形成されている。また、プラグコネクタハウジング10には、レセプタクルコネクタハウジング20との完全嵌合時に両コネクタハウジング10,20を係止固定するためのロック機構を後述するロック凹部と共に構成するロック凸部12を有する弾性係止片13が形成されている。
【0013】
引掛け部31,32は、この例ではそれぞれ軸33と、この軸33の突出方向先端側近傍に偏心した構造で形成された、側壁9a,9bの外面に沿ってレセプタクルコネクタハウジング20への嵌合方向と直交する方向に貫通する貫通穴34を有する引掛け本体部35とを備えて構成されている。
【0014】
一方、レセプタクルコネクタハウジング20は、壁部8a,8bを有しこの壁部8a,8bに沿ってプラグコネクタハウジング10の嵌合本体部11が内側に嵌合し、嵌合時に引掛け部31,32の軸33が移動可能となるように壁部8a,8bにスリット部22が形成された縦断面が凹状の嵌合部21と、このスリット部22が形成された両壁部8a,8bの外面側に設けられた、壁部8a,8bに対してそれぞれ直交する方向に回転軸43を有し外面に沿って回動する構造のフック部41,42(フック部42は図示せず)とを備えて構成されている。このレセプタクルコネクタハウジング20には、例えば複数のプラグ接続端子3をレセプタクルコネクタハウジング20内に収容するための複数の端子収容孔(図示せず)が形成されている。また、レセプタクルコネクタハウジング20には、プラグコネクタハウジング10との完全嵌合時に両コネクタハウジング10,20を係止固定するためのロック機構を上記ロック凸部12と共に構成するロック凹部23が形成されている。
【0015】
フック部41,42は、この例ではそれぞれ嵌合本体部11の引掛け部31,32の貫通穴34の周辺部における引掛け本体部35に係合するカム溝部44を備えている。このカム溝部44は、フック部41,42の回転運動を、引掛け部31,32の軸33をスリット部22のスリット形状に沿って嵌合方向に移動させる直線運動に変換するような形状で構成されている。また、フック部41,42には、カム溝部44に係合した引掛け本体部35がカム溝部44から外れないようにする弾性ストッパ片45が、カム溝部44の開口端近傍に備えられている。
【0016】
このように構成された低挿入力コネクタ1における両コネクタハウジング10,20の嵌合動作は、図2及び図3に示すようにして行われる。まず、図2(a)に示すように、プラグコネクタハウジング10の嵌合本体部11が、レセプタクルコネクタハウジング20の嵌合部21の内側に嵌ると共に、引掛け部31,32の軸33がスリット部22に挿入されるように、両コネクタハウジング10,20を嵌合方向に近づける。そして、同図(b)に示すように、図中矢印A方向にフック部41,42を回動させ、スリット部22に軸33が僅かに挿入された状態の引掛け部31,32に、引掛け部31,32の引掛け本体部35にフック部41,42のカム溝部44が係合するように、フック部41,42を取り付ける。引掛け部31,32にフック部41,42を取り付けた後、更にフック部41,42を図中矢印A方向に回動させると、フック部41,42のカム溝部44の溝形状に沿って、引掛け部31,32が嵌合方向にスリット部22のスリット形状に沿って移動する引掛け本体部35と共に嵌合方向に引っ張られ、引掛け部31,32と軸33を介して固定された嵌合本体部11が嵌合部21の内側に挿入されて、プラグコネクタハウジング10のレセプタクル接続端子4とレセプタクルコネクタハウジング20のプラグ接続端子3とが僅かに嵌合した初期嵌合状態となる。その後、図3に示すように、更に図中矢印A方向にフック部41,42を回動させると、引掛け部31,32がカム溝部44の溝形状に沿って嵌合方向に移動する引掛け本体部35と共に嵌合方向に更に引っ張られ、引掛け部31,32と軸33を介して固定された嵌合本体部11が嵌合部21の内側に完全に嵌合される。
【0017】
このように、この低挿入力コネクタ1によれば、引掛け部31,32に係合したフック部41,42を回動させるという簡単な動作で両コネクタハウジング10,20を完全嵌合することができる。また、フック部41,42の回動範囲は、従来のレバー等に比べると小さいので、結果的に動作スペースを小さくすることができると共にコネクタの大きさを小さくすることができる。
【0018】
なお、図3において完全嵌合された両コネクタハウジング10,20を抜去する場合は、図4に示すようにすれば良い。即ち、フック部41,42を図中矢印B方向(上記A方向とは反対方向)に回動させると、引掛け部31,32がカム溝部44の溝形状に沿って嵌合方向と反対方向の図中矢印C方向(以下、「抜去方向」とする)に移動する引掛け本体部35と共に抜去方向に押し上げられ、引掛け部31,32と軸33を介して固定された嵌合本体部11が嵌合部21の内側から離れる方向に移動し、例えば上記プラグ及びレセプタクル接続端子3,4の初期嵌合状態位置まで抜去される。引掛け部31,32とフック部41,42との係合を解除するためには、弾性ストッパ片45を折りたたんだうえでフック部41,42を更に図中矢印B方向に回動させれば良い。このように、この低挿入力コネクタ1によれば、引掛け部31,32に係合したフック部41,42を回動させるという簡単な動作で両コネクタハウジング10,20を容易に抜去することも可能となる。
【0019】
また、この例ではプラグコネクタハウジング10の引掛け部31,32として、軸33と、側壁9a,9bの外面に沿って両コネクタハウジング10,20の嵌合方向と直交する方向に貫通する貫通穴34を有する引掛け本体部35とから構成されるものを挙げて説明したが、フック部41,42のカム溝部44が係合することができる形状であればこの形態に限定されるものではない。例えば、図5に示すように、引掛け本体部35が軸33の先端側に形成されている構造からなる引掛け部311,321や、図6に示すように、軸33の先端側に円盤状の鍔部36が形成されて軸33にカム溝部44を係合する構造からなる引掛け部312,322や、図7に示すように、軸33の先端側に縦断面がU字状の引掛け本体部35が形成されている構造からなる引掛け部313,323などが考えられる。また、図示はしないが、軸33と、この軸33の先端側に嵌合方向に貫通する貫通穴34を有する引掛け本体部35とから構成されている引掛け部31,32なども考えられる。
【0020】
更に、この例では、それぞれ引掛け部31,32がプラグコネクタハウジング10の嵌合本体部11の両側壁9a,9bに、またスリット部22とフック部41,42とがレセプタクルコネクタハウジング20の嵌合部21の両壁部8a,8bに備えられた場合について説明したが、これら引掛け部、スリット部及びフック部がいずれか一方の対応する側壁及び壁部(例えば、側壁9aなら壁部8a、又は側壁9bなら壁部8b)のみに形成されていても良い。
【0021】
図8は、この発明の他の実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図、図9は、この低挿入力コネクタにおける嵌合動作を説明するための一部断面図、図10は、この低挿入力コネクタにおける完全嵌合時の状態を説明するための一部断面図である。なお、以降において、既に説明した部分と重複する説明は割愛する。
図8に示すように、この低挿入力コネクタ1´は、フック部41´,42´(フック部42´は図示せず)に、フック部41´,42´を更に容易に回動させるためのレバー部46が備えられている点が、先の例の低挿入力コネクタ1と相違している。この低挿入力コネクタ1´によれば、図9(a)に示すように、両コネクタハウジング10,20の嵌合に際して、例えばレバー部46を把持してフック部41´,42´(フック部42´は図示せず)を図中矢印A方向に回動させ、同図(b)に示すように、引掛け部31,32(引掛け部32は図示せず)の引掛け本体部35をフック部41´,42´のカム溝部44に係合させて、更に図中矢印A方向に回動させれば、図10に示すように、両コネクタハウジング10,20を更に容易に完全嵌合することができる。
【0022】
図11は、この発明の更に他の実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図、図12は、この低挿入力コネクタにおける嵌合動作を説明するための一部断面図である。
図11に示すように、この低挿入力コネクタ2は、フック部47,48のカム溝部44´の形状が、レバー部46を先の例の低挿入力コネクタ1´のときとは反対方向(図12(b)中矢印B方向)に動かすことで、引掛け部31,32を嵌合方向に引っ張る形状となるように構成されている点が、先の例の低挿入力コネクタ1´と相違している。この低挿入力コネクタ2によれば、図12(a)に示すように、例えばレバー部46を把持してフック部47,48(フック部48は図示せず)を図中矢印B方向に回動させ、同図(b)に示すように、引掛け部31,32(引掛け部32は図示せず)の引掛け本体部35をフック部47,48のカム溝部44´に係合させて、更に図中矢印B方向に回動させれば、同様に両コネクタハウジング10,20を容易に完全嵌合することが可能となる。
【0023】
図13は、この発明の更に他の実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図である。
図13に示すように、この低挿入力コネクタ2aは、フック部47,48のレバー部46のそれぞれの一端部が棒状部材49により連結されており、フック部47,48をそれぞれ同期させて動かすことができる点が、先の例の低挿入力コネクタ2と相違している。この低挿入力コネクタ2aによれば、複数のフック部47,48を同期させて動作させることができるので、両コネクタハウジング10,20をより容易に完全嵌合することができると共に、嵌合時のねじれやよじれの発生を効果的に抑えることも期待できる。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、従来のレバー等の倍力機構の代わりに引掛け部をプラグコネクタハウジングに備えると共にスリット部とカム溝部を有するフック部とをレセプタクルコネクタハウジングに備え、カム溝部に係合された引掛け部をフック部を回動させることでスリット部に沿ってレセプタクルコネクタハウジングへの嵌合方向にプラグコネクタハウジングと共に移動させて両コネクタハウジングを完全嵌合する。このため、別途作製したレバーをハウジングに取り付けて倍力機構を構成していた場合に比べ、フック部の動作スペースやコネクタ全体を小さく構成することができると共に、フック部を回動させるという簡単な動作でハウジング同士の嵌合を容易に低い挿入力で行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図である。
【図2】同低挿入力コネクタにおける嵌合動作を説明するための一部断面図である。
【図3】同低挿入力コネクタにおける嵌合動作を説明するための一部断面図である。
【図4】同低挿入力コネクタにおける抜去動作を説明するための一部断面図である。
【図5】同低挿入力コネクタのプラグコネクタハウジングの他の引掛け部を示す外観斜視図である。
【図6】同低挿入力コネクタのプラグコネクタハウジングの更に他の引掛け部を示す外観斜視図である。
【図7】同低挿入力コネクタのプラグコネクタハウジングの更に他の引掛け部を示す外観斜視図である。
【図8】この発明の他の実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図である。
【図9】同低挿入力コネクタにおける嵌合動作を説明するための一部断面図である。
【図10】同低挿入力コネクタにおける完全嵌合時の状態を説明するための一部断面図である。
【図11】この発明の更に他の実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図である。
【図12】同低挿入力コネクタにおける嵌合動作を説明するための一部断面図である。
【図13】この発明の更に他の実施形態に係る低挿入力コネクタを示す外観斜視図である。
【図14】従来の低挿入力コネクタを示す外観斜視図である。
【符号の説明】1,1´,2,2a…低挿入力コネクタ、3…プラグ接続端子、4…レセプタクル接続端子、8…壁部、9…側壁、10…プラグコネクタハウジング、11…嵌合本体部、12…ロック凸部、13…弾性係止片、14…端子収容孔、20…レセプタクルコネクタハウジング、21…嵌合部、22…スリット部、23…ロック凹部、31,32…引掛け部、33…軸、34…貫通穴、35…引掛け本体部、36…鍔部、41,42,41´,42´,47,48…フック部、43…回転軸、44,44´…カム溝部、45…弾性ストッパ片、46…レバー部。
Claims (7)
- プラグコネクタハウジングと、
このプラグコネクタハウジングと嵌合するレセプタクルコネクタハウジングとを有し、
前記プラグコネクタハウジングは、
側壁を有しこの側壁に沿って前記レセプタクルコネクタハウジングと嵌合する嵌合本体部と、この嵌合本体部の側壁の外面に設けられた、前記外面から前記側壁と直交する方向に突出する軸を有する引掛け部とを備え、
前記レセプタクルコネクタハウジングは、
壁部を有しこの壁部に沿って前記プラグコネクタハウジングの嵌合本体部が内側に嵌合し、嵌合時に前記引掛け部の軸が移動可能となるように前記壁部にスリット部が形成された縦断面が凹状の嵌合部と、このスリット部が形成された壁部の外面側に設けられた、前記壁部の外面に対して直交する方向に回転軸を形成する状態で回動可能な構造からなるフック部とを備え、
前記フック部は、前記引掛け部に係合し前記フック部の回転運動を前記引掛け部の軸を前記スリット部のスリット形状に沿って移動させるための直線運動に変換するカム溝部を備えて構成されている
ことを特徴とする低挿入力コネクタ。 - 前記引掛け部は、前記嵌合本体部の一対の対向する側壁にそれぞれ設けられ、
前記スリット部及びフック部は、前記嵌合部の一対の対向する壁部にそれぞれ設けられている
ことを特徴とする低挿入力コネクタ。 - 前記引掛け部は、前記軸と、この軸の突出方向先端側に形成された嵌合方向に貫通する貫通穴を有する引掛け本体部とから構成され、嵌合時に前記軸が前記スリット部に挿入され前記貫通穴の周辺部に前記フック部のカム溝部が係合する構造からなるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の低挿入力コネクタ。
- 前記引掛け部は、前記軸と、この軸の突出方向先端側に形成された前記壁部の外面に沿って嵌合方向と直交する方向に貫通する貫通穴を有する引掛け本体部とから構成され、嵌合時に前記軸が前記スリット部に挿入され前記貫通穴の周辺部に前記フック部のカム溝部が係合する構造からなるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の低挿入力コネクタ。
- 前記引掛け部は、前記軸と、この軸の突出方向先端側に形成された縦断面がU字状の引掛け本体部とから構成され、嵌合時に前記軸が前記スリット部に挿入され前記引掛け本体部のU字状底辺部に前記フック部のカム溝部が係合する構造からなるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の低挿入力コネクタ。
- 前記フック部は、前記フック部を回動させるためのレバー部を更に備えるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の低挿入力コネクタ。
- 前記フック部は、前記カム溝部に係合した前記引掛け部が前記カム溝部から外れないようにするための弾性ストッパ片を更に備えるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の低挿入力コネクタ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002365811A JP2004199962A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | 低挿入力コネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002365811A JP2004199962A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | 低挿入力コネクタ |
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Cited By (2)
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JP2012108214A (ja) * | 2010-11-02 | 2012-06-07 | Fourte Design & Development | 光ファイバ送受信機モジュールの解放機構 |
JP2017045670A (ja) * | 2015-08-28 | 2017-03-02 | 住友電装株式会社 | コネクタ |
-
2002
- 2002-12-17 JP JP2002365811A patent/JP2004199962A/ja active Pending
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