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JP2004179348A - セラミック積層体の製法 - Google Patents

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JP2004179348A
JP2004179348A JP2002343005A JP2002343005A JP2004179348A JP 2004179348 A JP2004179348 A JP 2004179348A JP 2002343005 A JP2002343005 A JP 2002343005A JP 2002343005 A JP2002343005 A JP 2002343005A JP 2004179348 A JP2004179348 A JP 2004179348A
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pattern
sheet
laminate
ceramic green
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JP2002343005A
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Tomohiro Iwaida
智広 岩井田
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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Abstract

【課題】セラミックグリーンシートを薄層化して積層数を増加した場合にも、母体積層体の脱気を確実に行うことができるとともに、デラミネーションやクラックの発生を抑制できるセラミック積層体の製法を提供する。
【解決手段】母体積層体9、23は、前記セラミックパターン5、17が前記導体パターン3、15の全周辺に離間して形成された第1のパターンシート4a、18aと、前記セラミックパターン5、17が前記導体パターン3、15の全周辺の傾斜面7に重畳されている第2のパターンシート4b、18bとが積層されている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック積層体の製法に関し、特に、配線基板や積層セラミックコンデンサ、積層型圧電アクチュエータのようにセラミックグリーンシートおよび導体パターンが薄層多層化されたセラミック積層体の製法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、電子機器の小型化、高密度化に伴い、セラミック積層体中に導体パターンが形成された配線基板や積層セラミックコンデンサは、小型薄型化および高寸法精度が求められており、例えば、積層セラミックコンデンサでは小型高容量化が求められ、このためセラミックグリーンシートや導体パターンの薄層化および多層化が進められている。
【0003】
このようなセラミック積層体では、セラミックグリーンシートの薄層化および多層化に伴い、セラミックグリーンシート上に形成された導体パターンの厚みが大きく影響するようになり、導体パターンが形成されている部分と形成されていない部分との間で導体パターンの厚みによる段差が累積し、導体パターンの無い周囲のセラミックグリーンシート同士の密着が弱くなり、デラミネーションやクラックが発生しやすくなる。このためセラミックグリーンシート上の段差を無くす工夫が図られている。
【0004】
このようなセラミック積層体の製法として、例えば、下記の特許文献1に開示されるようなものが知られている。この特許文献1に開示されたセラミック積層体の製法では、図7に示すように、導体パターン83の端部は、セラミックグリーンシート81の主面に対して鋭角をもつ傾斜面87を与えるように形成され、セラミックペーストを、導体パターン83の傾斜面87に重なるように付与してセラミックパターン89を形成することを特徴としている。
【0005】
そして、この製法では、導体パターン83の全周囲の傾斜面87に重なるようにセラミックパターン89を形成するため、導体パターン83の厚みによる段差を実質的に無くすことができ、導体パターン83の厚みの影響を受けない状態で、導体パターン83が形成されたセラミックグリーンシート81を積層することができる。
【0006】
また、薄層化されたセラミックグリーンシートを用いて形成するセラミック積層体の製法に関して特許文献2に開示されたものが知られている。この特許文献2に開示された製法によれば、図8に示すように、支持体101上に載置した通常のセラミックグリーンシート103aの表面に、密着性のよい極薄のセラミックグリーンシート103bを重ね合わせ、次に、この密着性のよい極薄のセラミックグリーンシート103bの表面に導体ペーストを印刷して導体パターン105を形成し、次に、この密着性のよい極薄のセラミックグリーンシート103b上に形成された導体パターン105を覆うように、再び、密着性のよい極薄のセラミックグリーンシート103bを重ね合わせる。そして、導体パターン105を形成する工程と密着性のよい極薄のセラミックグリーンシート103bを重ね合わせる工程を繰り返して母体積層体113を形成するものである。即ち、逐次積層工程を用いることにより、前記した一括積層工程において問題となったセラミックグリーンシート103a、103bのシワや母体積層体113に発生するデラミネーションを防止できると、記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−311831号公報
【特許文献2】
特公平8−4045号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に示すように、セラミックグリーンシート81の表面に導体パターン83を形成する工程や、予め導体パターン83が形成されたセラミックグリーンシート81を、一括で複数積層する工程を用いる製法では、用いるセラミックグリーンシート81が極めて薄いために、印刷時や積層中にセラミックグリーンシート81にシワが生じたり、積層後においては、このシワにできる空間によってセラミックグリーンシート81と導体パターン83との間にデラミネーションが発生しやすいという問題があった。
【0009】
また、上記特許文献1の製法において形成される母体積層体は、セラミックグリーンシート81上に形成された導体パターン83の端部の傾斜面87に対してセラミックパターン89が重なるように形成されたものが母体積層体の全層について用いられている。
【0010】
つまり、このように導体パターン83の端部の傾斜面87にセラミックパターン89が重畳されたパターンシートでは、多くの場合、印刷ずれなどにより、セラミックパターン89が過度に乗り上げた状態となることから、積層時にそれらの乗上げ部分が累積して母体積層体の内部に凹凸が発生し易くなり、このためデラミネーションが発生しやすいという問題があった。
【0011】
一方、セラミックグリーンシート81上の導体パターン81に対して、セラミックパターン89を所定間隔だけ離して形成されたパターンシートだけを用いた場合には、母体積層体中の導体パターンとセラミックパターンとの間が離れているために、この部分が累積して空隙になりやすく、このため空隙部分を埋めようとするセラミックグリーンシート81どうしの密着不良が発生しやすいという問題があった。
【0012】
即ち、近年の、電子部品の小型化および高性能化の要求に対して、より薄層化されたセラミックグリーンシート81を多層化することが求められる母体積層体では、上記のような、導体パターン83の端部の傾斜面87にセラミックパターン89が重畳されたパターンシート、あるいは、導体パターン83とセラミックパターン89とが離間されて形成されたパターンシートのいずれか一方のみを用いた場合には、デラミネーションや密着不良による形状欠陥が発生するという問題があり、さらには、このようなデラミネーションや密着不良により歩留まりや信頼性が低下するという問題があった。
【0013】
また、上記の特許文献2に開示された製法を用いたとしても、用いるセラミックグリーンシート103a、103bと導体パターン105との厚み差が無いほどにセラミックグリーンシート103a、103bの厚みが薄くなった場合には、やはり、層数の増加によって導体パターン105による段差の影響が現れ、このため母体積層体113や切断後の積層成形体に発生するデラミネーションを解消できないという問題が依然として残っていた。
【0014】
従って、本発明は、セラミックグリーンシートを薄層化して積層数を増加した場合にも、母体積層体の脱気を確実に行うことができるとともに、デラミネーションやクラックの発生を抑制できるセラミック積層体の製法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のセラミック積層体の製法は、積層された複数のセラミックグリーンシート間に矩形状の導体パターンとセラミックパターンとが形成された母体積層体を所定位置で切断して、側面に前記導体パターンの端面が交互に露出した積層成形体を複数個作製する工程を具備するセラミック積層体の製法であって、前記母体積層体は、前記セラミックグリーンシート上にて前記セラミックパターンが前記導体パターンの全周辺に離間して形成された第1のパターンシートと、前記セラミックグリーンシート上にて前記セラミックパターンが前記導体パターンの全周辺の傾斜面に重畳して形成された第2のパターンシートと、が積層されてなることを特徴とする。
【0016】
また、上記セラミック積層体の製法では、母体積層体は、(a)第1のセラミックグリーンシートの主面上に導体ペーストを印刷して矩形状の導体パターンを所定間隔をおいて複数形成した後に、該導体パターンの周囲に、該パターンと離間するようにセラミックペーストを印刷してセラミックパターンを形成して第1のパターンシートを形成する工程と、(b)第2のセラミックグリーンシートの主面上に導体ペーストを印刷して矩形状の導体パターンを所定間隔をおいて複数形成した後に、該導体パターンの周囲に、該導体パターン端部に形成された傾斜面と重畳するようにセラミックペーストを印刷してセラミックパターンを形成して第2のパターンシートを形成する工程と、(c)前記第1のパターンシートと、前記第2のパターンシートとを一括して複数積層する工程とを経て作製されることが望ましい。
【0017】
また、上記セラミック積層体の製法では、母体積層体は、(a)所定の基材表面に、セラミックグリーンシートを積層した後、該セラミックグリーンシートの主面上に導体ペーストを印刷して矩形状の導体パターンを所定間隔をおいて複数形成した後に、該導体パターンの周囲に、該パターンと離間するようにセラミックペーストを印刷してセラミックパターンを形成して第1のパターンシートを形成する工程と、(b)所定の基材表面に、セラミックグリーンシートを積層した後、該セラミックグリーンシートの主面上に導体ペーストを印刷して矩形状の導体パターンを所定間隔をおいて複数形成した後に、該導体パターンの周囲に、該導体パターン端部に形成された傾斜面と重畳するようにセラミックペーストを印刷してセラミックパターンを形成して第2のパターンシートを形成する工程と、(c)前記基材の表面に、前記(a)または(b)工程を順次施し積層する工程と、を具備して作製されることが望ましい。
【0018】
このような製法では、母体積層体を形成する場合に、セラミックグリーンシート上に形成された導体パターンに対してセラミックパターンが所定間隔だけ離して形成された第1のパターンシートと、導体パターンの端部の傾斜面に対してセラミックパターンが重なるように形成された第2のパターンシートと、を積層することにより、前記第1のパターンシートだけを用いた場合の空隙や前記第2のパターンシートのみを用いた場合に発生するセラミックパターンの乗上げを低減できる。このため、これら第1のパターンシートあるいは第2のパターンシートのいずれか一方のみを用いた場合のようなデラミネーションや密着不良による形状欠陥の発生を抑制することができる。
【0019】
さらに、母体積層体が逐次積層によって形成される製法によれば、積層時に、セラミックグリーンシートに発生するシワを防止でき、このためデラミネーションやクラックをさらに低減できる。
【0020】
また、上記セラミック積層体の製法では、第1のパターンシート上のセラミックパターンは、導体パターンの全周辺に対して25μm以上離間して形成されていることが望ましい。この場合、母体積層体からの脱気が促進され、導体パターンとグリーンシートとの密着性を向上できる。
【0021】
さらに、本発明のセラミック積層体の製法では、導体パターンと、セラミックパターンの厚みが実質的に同一であることが望ましい。これにより、導体パターンの変形を防止できるとともに積層成形体の表面の平坦化が可能となる。
【0022】
上記セラミック積層体の製法では、導体パターンの厚みをt1、セラミックグリーンシートの厚みをt2としたときに、t1/t2≧0.5の関係を満足することが望ましい。本発明によれば、セラミックグリーンシート上に形成された導体パターンによる段差を解消できるが、特に、上記にように導体パターンの厚みとの厚み差が無いほどにセラミックグリーンシートが薄層化された場合に好適に用いることができる。
【0023】
上記セラミック積層体の製法では、導体パターンおよびセラミックパターンの厚みが3μm以下であることが望ましい。このように導体パターンおよびセラミックパターンの厚みが3μm以下に薄く形成することにより、導体パターンの全周辺とセラミックパターン間に形成される凹部も無視できるほど小さくなり、段差を実質的になくすことができ、これによりデラミネーションやクラックを防止できる。
【0024】
また、上記セラミック積層体の製法では、セラミックグリーンシート中のセラミック成分と、セラミックパターン中のセラミック成分とが実質的に同一組成物からなることが望ましく、さらには、上記セラミック積層体の製法では、母体積層体が、焼成後に積層セラミックコンデンサの容量部を構成すること、および、母体積層体が、焼成後に積層型圧電アクチュエータの振動部を構成することが望ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明のセラミック積層体の製法を、積層セラミックコンデンサに適用した例について説明する。
【0026】
(製法1)
積層セラミックコンデンサを構成するセラミックグリーンシート1を、図1(a)に示すように、まず、キャリアフィルム2上にセラミックスラリを塗布して形成する。
【0027】
次に、図1(b)に示すように、このセラミックグリーンシート1の一方主面上に導体ペーストを印刷して導体パターン3を所定間隔をおいて複数形成する。
【0028】
この後、図1(c1)に示すように、導体パターン3の周囲にセラミックペーストを印刷して、この導体パターン3とは離間されたセラミックパターン5が形成された第1のパターンシート4aを形成する。この導体パターン3とセラミックパターン5とは厚みが実質的に同一であることが望ましい。
【0029】
また、第1のパターンシート4aの他に、図1(c2)に示すように、セラミックグリーンシート1の表面に形成された導体パターン3の端部にセラミックパターン5が重なるように形成された第2のパターンシート4bを形成する。この場合も第1のパターンシート4aと同様、導体パターン3の厚みによる段差を実質的に無くすようにセラミックペーストが印刷され、セラミックパターン5は導体パターン3の厚みと実質的に同一厚みとなることが望ましい。
【0030】
なお、本発明の第1のパターンシート4aでは、導体パターン3およびセラミックパターン5が形成されたセラミックグリーンシート1は、図2(a)に示したように、対向して形成された一対のエンドマージン側辺3aと、対向して形成された一対のサイドマージン側辺3bを有する矩形状とされている。
【0031】
また、セラミックグリーンシート1の一方主面側に、導体ペーストを印刷して形成された矩形状の導体パターン3が所定間隔Lをおいて複数形成され、この導体パターン3間には、導体パターン3の厚みによる段差を実質的に無くすようにセラミックペーストを印刷して形成されたセラミックパターン5が所定間隔Lをおいて形成されている。つまり、この場合、セラミックグリーンシート1の表面に形成された導体パターン3およびセラミックパターン5のそれぞれの外周端部は、図3(a)に示すように傾斜面7を有しており、第1のパターンシートでは、導体パターン3とセラミックパターン5とが離れて形成されていることを特徴とする。
【0032】
また、第1のパターンシート4aでは、導体パターン3のエンドマージン側辺3aおよびサイドマージン側辺3bとセラミックパターン5との間隔Lは25μm以上離間した状態で形成されていることが望ましい。そして、この間隔Lは、脱気を十分に行うという理由から、50μm以上、また、積層加圧した際に、両方のパターン間へのセラミックグリーンシート1の埋没を抑制し、セラミック積層体の変形を抑えるという理由から、100μm以下、特には75μm以下が望ましい。
【0033】
また、導体パターン3のサイドマージン側辺3bと対向するセラミックパターン5端部の傾斜面7の角度θは、セラミックグリーンシート1に対して0.5°〜40°の範囲であることが望ましく、特に、積層加圧した場合に、両方のパターン間へのセラミックグリーンシート1の埋没を抑制し、セラミック積層体の変形を抑えるという理由から、角度θは1°〜20°、さらに、2°〜10°がより望ましい。このような傾斜面7とするには、セラミックペースト中の粘度特性をチクソトロピック性にすることが必要である。
【0034】
また、導体パターン3のサイドマージン側辺3bの傾斜面7とセラミックパターン5の端部の傾斜面7との角度θは120°〜179°の範囲であることが望ましく、特に、積層加圧した場合に、両方のパターン間へのセラミックグリーンシート1の埋没を抑制し、セラミック積層体の凹変形を抑えるという理由から、角度θは、135°〜178°、さらに、密着性を高めるという理由から150°〜170°がより望ましい。
【0035】
一方、第2のパターンシート4bでは、導体パターン3の端部にセラミックパターン5が重畳されていることを特徴とする。つまり、セラミックパターン5は、図2(b)および図3(b)に示すように、導体パターン3のエンドマージン側辺3aおよびサイドマージン側辺3bに対して、導体パターン3に形成された傾斜面7の角度θは前記第1のパターンシート4aと同じ角度で形成されていることが望ましい。
【0036】
また、この第2のパターンシート4bにおいては、導体パターン3の端部におけるセラミックパターン5との重なり幅Lはセラミックパターン5による乗上げを抑制するという理由から0〜100μmであることが望ましく、特に、0〜50μm、さらには、0〜30μmであることがより望ましい。
【0037】
ここで、導体パターン3およびセラミックパターン5の厚みt1は、コンデンサの小型、高信頼性化という点から3μm以下、特には1μm以下であることが望ましい。さらには、セラミックグリーンシート1の厚みと、導体パターン3およびセラミックパターン5の厚みの関係は、導体パターン3およびセラミックパターン5の厚みをt1、第1および第2のセラミックグリーンシート4a、4bの厚みをt2としたときに、t1/t2≧0.5の関係を満足するほどに、導体パターン3よる段差の影響が大きくなるような厚み差を構成する場合に、特に本発明の製法が好適である。そして、t1/t2比は0.7以上であることがさらに好ましい。
【0038】
次に、図1(d1)、(d2)に示すように、上記第1のパターンシート4aおよび第2のパターンシート4bとを組み合わせて複数積層し母体積層体9を作製する。この場合、これらの第1のパターンシート4aと第2のパターンシート4bとは任意の組み合わせで積層することもできるが、第1のパターンシート4aが複数積層されたときに累積して発生する空隙や、第2のパターンシート4bが複数積層されたときに累積して発生するセラミックパターン5による乗上げを抑制する点で、これらの両パターンシート4a、4bとを交互に積層することがより望ましい。
【0039】
そして、第1のパターンシート4aおよび第2のパターンシート4bの積層数は、セラミックパターン5の乗上げや脱気性の影響が大きくなる100層以上の場合に本発明は好適に用いられる。
【0040】
さらに、この母体積層体9は、セラミックグリーンシート1間に、エンドマージン側辺3aとサイドマージン側辺3bを有する矩形状の導体パターン3が複数介在しており、この導体パターン3は、エンドマージン側辺3aが積層方向に対して一層毎に交互にずれるように形成されている。即ち、セラミックグリーンシート1を介して対向配置される導体パターン3は、エンドマージン側辺3aがずれており、積層方向に見ると、エンドマージン側辺3aが交互にずれている。尚、図1(d1)はサイドマージン側辺3bを、図1(d2)はエンドマージン側辺3aを分割する断面図である。
【0041】
次に、この母体積層体9を所定個所で切断して積層体成形体を作製する。この積層成形体の対向する側面には、導体パターン3のエンドマージン側辺3aが交互に積層方向に一層毎に露出している。
【0042】
この後、所定の雰囲気下、温度条件で焼成して複数のセラミック積層体である積層セラミックコンデンサが形成される。
【0043】
以上のようなセラミック積層体の製法について具体的な例を挙げて説明する。
【0044】
まず、キャリアフィルム2上にセラミックスラリを塗布し、スリップキャスト法によりセラミックグリーンシート1が形成される。ここで用いるキャリアフィルム2として、例えば、PETフィルムからなるキャリアフィルム2が用いられ、薄層化したセラミックグリーンシート1の剥離性を良くするために、その表面にシリコン樹脂をコーティングして離型処理されていることが望ましい。
【0045】
また、セラミックスラリは、例えば、セラミック粉末と、有機バインダと、この有機バインダを溶解する溶媒とを混合したものが好適に用いられる。
【0046】
セラミック材料としては、BaTiOを主成分とし、これに耐還元性を付与する助剤を添加したものが好適に用いられる。
【0047】
そして、このセラミックグリーンシート1に用いるセラミック粉末の平均粒径は、セラミックグリーンシート1の薄層化という理由から1.5μm以下が望ましく、また、高誘電性、高絶縁性という理由から0.1〜0.9μmが望ましい。
【0048】
このセラミックグリーンシート1の厚みは、小型、大容量化という理由から1〜4μmであることが望ましい。
【0049】
本発明の第1のパターンシート4aおよび第2のパターンシート4bを形成するために用いられる導体ペーストは、金属粒子と、有機溶剤と、この有機溶剤に対して可溶性の有機粘結剤とを含有するものである。
【0050】
また、この導体ペーストの粘度は、この導体ペースト中の金属粉末、有機粘結剤、有機溶媒を適正化して制御でき、このように導体ペーストの粘度特性を制御することにより導体パターン3の端部に傾斜面7を形成し、その角度を制御することができる。
【0051】
導電性ペースト中に含まれる金属粒子としては、平均粒径0.05〜0.5μmの卑金属粒子が用いられる。卑金属としては、Ni、Co、Cu、Ag、Pdがあり、金属の焼成温度が一般の絶縁体の焼成温度と一致する点、およびコストが安いという点からNiが望ましい。
【0052】
卑金属粒子の平均粒径は、金属粉末の分散性の向上と焼成時の金属肥大化を防止するために、0.1〜0.5μmの範囲が望ましい。そして、緻密で表面平滑な金属膜を形成するという理由から卑金属の平均粒径は0.15〜0.4μmが望ましい。
【0053】
また、導体ペーストには、固形分として、金属粉末以外に、導体パターン3の焼結性を抑えるために微細なセラミック粉末を混合して用いることが好ましく、導体パターン3の均一な粒子径の形成と、平滑性を向上させるために、セラミック粉末の粒径は0.05〜0.3μmが望ましい。
【0054】
導体パターン3厚みは、コンデンサの小型、高信頼性化という点から3μm以下、特には1μm以下であることが望ましい。
【0055】
また、セラミックペーストのバインダ組成は、導体パターン3を形成した導体ペーストと同組成もしくは異なる組成のセラミックペーストの両方を適用できるが、特に、導体ペーストの印刷と同じ条件を採用できることおよびセラミックグリーンシート1の表面からの粘結剤の揮発速度を一致させるという理由から、セラミックペーストは導体ペーストのバインダ組成と同じ組成であることが望ましい。
【0056】
また、このセラミックスラリに用いるセラミック粉末組成は、セラミックグリーンシート1の粉末組成もしくは異なる粉末組成のセラミックペーストの両方を適用できるが、セラミックグリーンシート1とセラミックパターン5との密着性を高め、焼成収縮率を合致させるという理由から、セラミックペーストはセラミックグリーンシート1を形成するセラミックスラリと同じ粉末組成であることが望ましい。
【0057】
また、このセラミックペーストの粘度は、このセラミックペースト中のセラミック粉末、有機粘結剤、有機溶媒等の添加量を適正化して制御でき、このことによりセラミックペーストにチクソトロピック性を付与することができる。そして、このようにセラミックペーストの粘度特性を制御することによりセラミックパターン5の端部に傾斜面7を形成し、その角度を制御することができる。
【0058】
以上のようなセラミック積層体の製法では、上記のような第1のパターンシート4aと第2のパターンシート4bとを組み合わせて積層することにより、第1のパターンシート4aのみを積層した場合に累積されて発生する空隙や第2のパターンシート4bのみを積層した場合に累積されて発生するセラミックパターン5の乗上げを抑制でき、セラミック積層体の変形を抑制できるとともに、焼成後におけるデラミネーションやクラックを防止して歩留まりや信頼性を向上できる。
【0059】
(製法2)
次に、本発明の、他の製法について、図4をもとに詳細に説明する。なお、この製法に用いるセラミックスラリ、導体ペーストおよびセラミックペースト、並びに、これらの組成物により形成されるセラミックグリーンシート、導体パターンおよびセラミックパターンは前記した製法1において用いたものに他ならない。
【0060】
図4(a)に示すように、まず、基材1上に複数のセラミックグリーンシート13aを載置して、積層セラミックコンデンサのマージン部となる所定厚みの無電極部を形成する。
【0061】
次に、図4(b)に示すように、積層されたセラミックグリーンシート13aの最上層の一方主面上に導体ペーストを印刷して矩形状の導体パターン15を等間隔に離間して複数形成する。
【0062】
この後、図4(c)に示すように、導体パターン15の周囲にセラミックペーストを印刷して、この導体パターン15に対してセラミックパターン17が離間した第1のパターンシート18aを形成する。
【0063】
ここでセラミックグリーンシート13a上に形成される導体パターン15およびセラミックパターン17は、前記した製法1において作製される導体パターン15およびセラミックパターン17と同様の形状および配置になるように形成される。即ち、図2および図3に示すパターン配置となる。
【0064】
次に、図4(d)に示すように、上記のように導体パターン15およびセラミックパターン17が形成されたセラミックグリーンシート13aの上面側に、これら導体パターン15およびセラミックパターン17を覆うように、別のセラミックグリーンシート13bを重ね合わせて、導体パターン15およびセラミックパターン17とセラミックグリーンシート13bとを密着させる。
【0065】
次に、本発明では、例えば、図4(e)に示すように、セラミックグリーンシート13bの上面に導体パターン15を形成した後、この導体パターン15の端部に重なるようにセラミックパターン17を形成して第2のパターンシート18bを形成する。
【0066】
この後は、所望の積層数になるように、図4(b)〜(e)の工程を繰り返し、最後に、再び、セラミックグリーンシート13aを用いて、図4(a)工程において形成したと同様の厚みの無電極部を形成して母体積層体23を形成する。
【0067】
この場合も、製法1において示した積層方法と同様、第1のパターンシート18aと第2のパターンシート18bとを交互に積層することが望ましいが、交互積層による方法の他に任意に組み合わせて積層することも可能である。
【0068】
なお、本発明は、上記したように、セラミックグリーンシート13aもしくは13bを重ね合わせた後に、逐次、その上面にスクリーン印刷により導体パターン15やセラミックパターン17を形成していく工法である。この点、導体パターン15やセラミックパターン17を予め形成したセラミックグリーンシート13a、13bを複数準備して一括積層する工法に比較して積層時の位置ずれを含みにくいことから、形成された母体積層体23中の導体パターン15およびセラミックパターン17の位置精度は印刷精度のみの位置ずれだけで済むため、積層精度が良好になり、容量ばらつきを低減できるとともに、サイドマージンやエンドマージンを小さくでき、しいては、セラミック積層体の小型化にも対応が可能となる。
【0069】
なお、本発明の製法では、図5に示すように、セラミックグリーンシート13a、13bは、キャリアフィルム30が貼り合わされたものであることがよく、この場合、キャリアフィルム30のついたセラミックグリーンシート13a、13bを重ね合わせた後に前記キャリアフィルム30を剥離する。この方法によれば、セラミックグリーンシート13a、13bがキャリアフィルム30によって支持されているために、導体パターン15やセラミックパターン17の上面側に重ね合わせた後に加圧加熱して密着させる場合においてもセラミックグリーンシート13a、13bの伸びや変形を抑制することもできる。また、この方法ではセラミックグリーンシート13a、13b自体を吸着することがないため、セラミックグリーンシート13a、13bの欠陥を防止することができる。
【0070】
図4(f1)は母体積層体13のサイドマージン側、図4(f2)はエンドマージン側の断面図である。図4(f1)、(f2)に示すように、この母体積層体23を点線部Cで切断して積層成形体を形成した後、さらに、この積層成形体を所定の雰囲気および温度条件下で焼成して、外部導体を形成してセラミック層と内部電極層を具備する積層セラミックコンデンサを形成する。
【0071】
この製法によれば、導体パターン15やセラミックパターン17の形成精度がさらに良好になり、容量ばらつきを低減できるとともに、積層数を増大しても導体パターン15の形成精度には影響しないことから、セラミック積層体の高積層化や大型化を実現できる。
【0072】
また、図6(a)〜(f2)に示すように、本発明の製法において、母体積層体23は、セラミックグリーンシート13a、13bの主面上における導体パターン15が形成される領域を囲む部分にセラミックパターン17を形成した後に、該セラミックパターン17の内側に導体パターン15を形成して作製することもできる。この場合、セラミックパターン17の後に形成される導体パターン15の印刷時の乗上げを抑制するとともに、にじみによるパターンの広がりを防止するという理由から、セラミックパターン17の周辺部の傾斜面の角度がセラミックグリーンシート13a、13bの主面に対して0.5°以上であることが望ましく、特に、その角度は1〜40°であることが望ましい。この場合も導体パターン15がセラミックパターン17の周辺部の傾斜面に重なっていることがより望ましい。
【0073】
【実施例】
実施例1
セラミック積層体の一つである積層セラミックコンデンサを以下のように作製した。
【0074】
セラミックグリーンシートは、BaTiOを主成分とするセラミック粉末に耐還元性の助剤を添加し、これに有機バインダと有機溶剤とを混合してセラミックスラリを作成し、ダイコーター法を用いてポリエステルより成る帯状のキャリアフィルム上に成膜した。厚みは2μmとした。
【0075】
導体ペーストは、平均粒径0.2μmのNi粉末45重量%と、有機粘結剤と有機溶媒からなるビヒクル55重量%とを3本ロールで混練して調製した。
【0076】
また、セラミックパターン用のセラミックペーストは、上記のセラミックスラリの一部をBaTiOの粒子径が0.5μmになるまで粉砕し、導電ペーストと同様にペースト化して調製した。セラミックペーストはチクソトロピック性を有するように粘度調整した。
【0077】
次に、得られたセラミックグリーンシートの主面状に、150mm角の印刷スクリーンを有するスクリーン印刷装置を用いて、上記した導体ペーストを矩形状に印刷し、乾燥させ、平均厚み1μmの導体パターンを形成した。その際、導体パターンの外周端部の傾斜面の角度を変化させた。
【0078】
さらに、このセラミックグリーンシート上に形成された導体パターンの周囲に、図3(a)に示すように、導体パターンのサイドマージン側辺およびエンドマージン側辺とは、25μm(L)だけ離間するように、150mm角の印刷スクリーンを用いてセラミックペーストを印刷、乾燥させ、導体パターンとともにセラミックパターンが塗布形成された第1のパターンシートを作製した。
【0079】
また、図3(b)に示すように、導体パターンの端部に重なるようにセラミックパターンを形成して第2のパターンシートを作成した。この場合、サイドマージン側辺およびエンドマージン側辺とは、10μm(L)だけ重畳するように、導体パターンおよびセラミックパターンの外周端部の傾斜面の角度θを5°とした。
【0080】
次に、これらの第1のパターンシートおよび第2のパターンシートを用いて300層一括積層し、さらにその上下に、導体パターン、セラミックパターンが形成されていないセラミックグリーンシートを各10枚積層し、第1回目の加圧プレスを行い、100個の母体積層体を形成した。積層方法は第2のパターンシートと第1のパターンシートとを交互に積層したもの、その他に重畳パターン2層毎に1層の第1のパターンシートを挿入したものを作製した。
【0081】
この条件で作製した母体積層体は、セラミックグリーンシートが完全に密着されていない状態であり、導体パターンのサイドマージン側辺、エンドマージン側辺と、セラミックパターン間、即ち、導体パターンおよびセラミックパターンのグリーンシートで囲まれる部分に、僅かな空間が形成されていた。
【0082】
次に、この母体積層体を温度100℃、圧力20MPaで第2回目の積層プレスを行い、母体積層体内のエアを脱気するとともに、導体パターンを塗布したセラミックグリーンシートおよびその上下のセラミックグリーンシートと同一材料からなるセラミックグリーンシートを積層して完全に密着一体化させた。
【0083】
次に、この母体積層体を積層方向に格子状に切断して、導体パターンのエンドマージン側端が側面に交互に露出する積層体成形体を得た。次に、この積層体成形体を大気中250℃に加熱し、脱バイ処理を行った。この後、10−7Paの酸素/窒素雰囲気中、1250℃で2時間焼成し、さらに、10−2Paの酸素窒素雰囲気中にて900℃で4時間の再酸化処理を行い、セラミック積層体を得た。焼成後、セラミック焼結体の端面にCuペーストを900℃で焼き付け、さらにNi/Snメッキを施し、内部導体と接続する外部導体を形成した。
【0084】
このようにして得られた積層セラミックコンデンサの外形寸法は、幅0.8mm、長さ1.6mmであった。また内部導体に起因する段差はなく、この内部導体は湾曲することなく平坦であった。
【0085】
次に、焼成後に得られた100個の積層セラミックコンデンサについて、端面及び側面からそれぞれ研磨し、内部導体周縁部のデラミネーションの発生率を評価した。また、焼成後の積層セラミックコンデンサ300個について、300℃の半田槽に1秒間浸漬した後、引き上げる熱衝撃試験を施したものについてもデラミネーションの発生率を評価した。静電容量のばらつきは、焼成後の積層セラミックコンデンサ100個の静電容量の測定値から算出した。
【0086】
さらに、比較例として、第1のパターンシートのみあるいは第2のパターンシートのみにより作製し、本発明の試料と同様の評価を行った。
【0087】
【表1】
Figure 2004179348
【0088】
この表1の結果から、第1のパターンシートと第2のパターンシートとを組み合わせて積層し作製した試料No.3、4では、密着不良が無く、焼成後および熱衝撃試験後のデラミネーションも0%であった。また、静電容量のばらつきも、いずれの試料とも2%にできた。
【0089】
一方、第1のパターンシートのみを用いて作製した試料No.1では、エア溜まりが発生し、また焼成後にデラミネーションが7%発生した。また、第2のパターンシートのみを用いて作製した試料No.2では、セラミックパターンによる導体パターン上への乗り上げのために凹凸ができ、焼成後および熱衝撃試験後において5%のデラミネーション発生となった。静電容量のばらつきも試料1、2においてそれぞれ2.6.2.7%と大きかった。
【0090】
実施例2
次に、前記製法2の工法を用いて試料を作製した。得られたセラミックグリーンシートを複数枚支持体上に載置した。次に、(a)その主面状に、スクリーン印刷装置を用いて、導体パターンを印刷し、次に、この導体パターンの周囲に離間してセラミックパターンを形成した(第1のパターンシート)。この場合、導体パターンの厚みは1.4μmとした。また、セラミックパターンの傾斜面はセラミックペーストの粘度とレジストの傾斜角により調整した。
【0091】
次に、(b)この導体パターンとともにセラミックパターンが塗布形成されたセラミックグリーンシートの上面に、再び、セラミックグリーンシートを重ね合わせた。
【0092】
次に、(c)このセラミックグリーンシートの表面に、再び、上記と同様所定間隔をおいて導体パターンを形成し、さらに、この導体パターンの周囲に、今度は、この導体パターンの端部にセラミックパターンが一部重なるように形成した(第2のパターンシート)。
【0093】
次に、(a)〜(c)工程を300回繰り返しさらにその上に、導体パターンおよびセラミックパターンが形成されていないセラミックグリーンシートを各10枚積層し、第1回目の加圧プレスを行い母体積層体を形成した。なお、上記の工程においては、いずれもセラミックグリーンシートを重ね合わせる毎にキャリアフィルムを剥離する工法を用いた。第1のパターンシートと第2のパターンシートとは上記のように交互に積層する場合の他に、第2のパターンシート2層ごとに第1のパターンシートを積層して形成した試料も作製した。
【0094】
次に、この工程で作製した母体積層体を格子状に切断して積層体成形体を得、この後、実施例1と同じ条件で脱バイ、焼成を行って積層セラミックコンデンサであるセラミック積層体を作製し、これも実施例1と同様の評価を行った。
【0095】
なお、本製法においては、セラミックグリーンシートの主面上にセラミックパターンを形成した後に導体パターンを形成する工法を用いたが、導体パターンを形成した後にセラミックパターンを形成する工法においても同様の結果が得られた。
【0096】
比較例として、実施例1と同じように、第1パターンシートあるいは第2パターンシートのみを用いて形成した試料を作製して本発明の試料と同様の評価を行った。
【0097】
【表2】
Figure 2004179348
【0098】
表2の結果から明らかなように、本発明である第1のパターンシートと第2のパターンシートとを組み合わせて作製した試料No.7、8では、エア溜まりもなく、焼成後及び熱衝撃試験後もデラミネーションが全く発生しなかった。特に、本製法においては、静電容量のばらつきを1.6%以下にできた。
【0099】
一方、第1のパターンシートあるいは第2のパターンシートのいずれか一方のみを用いて作製した試料No.5、6では、実施例1の場合と同様に、エア溜まりや焼成後および熱衝撃試験後に多くのデラミネーションが発生した。また、これらは静電容量のばらつきも試料No.5、6において、それぞれ2.5、2.4%と大きかった。
【0100】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明によれば、母体積層体を、導体パターンに対して、セラミックパターンを所定間隔だけ離して形成した第1のパターンシートと、セラミックグリーンシート上に形成された導体パターンの端部の傾斜面に対してセラミックパターンが重なるように形成された第2のパターンシートと、を積層して形成することにより、第1のパターンシートだけを用いた場合の空隙や第2のパターンシートのみを用いた場合に発生するセラミックパターンの乗上げを低減でき、デラミネーションの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック積層体を製造するための工程図を示す。
【図2】(a)は本発明の第1のパターンシート、(b)は重畳を示す概略斜視図である。
【図3】本発明のセラミックグリーンシート上の導体パターンの周囲にセラミックパターンを形成した上を示すもので、(a)はサイドマージン側辺を分割する断面図、(b)はエンドマージン側辺を分割する断面図である。
【図4】本発明の、導体パターンを形成した後にセラミックパターンを形成し、逐次積層工程を行い、セラミック積層体を製造するための工程図である。
【図5】図4のセラミック積層体の製法において、キャリアフィルムのついたセラミックグリーンシートを用い、重ね合わせ後に剥離する工程を具備する工程を示す工程図である。
【図6】本発明の、セラミックパターンを形成した後に導体パターンを形成し、逐次積層を行い、セラミック積層体を製造するための工程図である。
【図7】従来のセラミック積層体を製造するための工程図を示すもので、(a)は導体パターンの全周囲に重なるようにセラミックパターンを形成した断面図、(b)は、導体パターンのサイドマージン周辺のみに重畳させ、エンドマージン周辺には重畳させないセラミックパターンを形成した平面図である。
【図8】セラミックグリーンシート上に導体パターンのみを形成し、逐次積層を行う、従来のセラミック積層体を製造するための工程図である。
【符号の説明】
1、13a、13b セラミックグリーンシート
3、15 導体パターン
3a エンドマージン側辺
3b サイドマージン側辺
4a、18a 第1のパターンシート
4b、18b 第2のパターンシート
5、17 セラミックパターン
7 傾斜面
9、23 母体積層体

Claims (10)

  1. 積層された複数のセラミックグリーンシート間に矩形状の導体パターンとセラミックパターンとが形成された母体積層体を所定位置で切断して、側面に前記導体パターンの端面が交互に露出した積層成形体を複数個作製する工程を具備するセラミック積層体の製法であって、前記母体積層体は、前記セラミックグリーンシート上にて前記セラミックパターンが前記導体パターンの全周辺に離間して形成された第1のパターンシートと、前記セラミックグリーンシート上にて前記セラミックパターンが前記導体パターンの全周辺の傾斜面に重畳して形成された第2のパターンシートと、が積層されてなることを特徴とするセラミック積層体の製法。
  2. 母体積層体は、(a)第1のセラミックグリーンシートの主面上に導体ペーストを印刷して矩形状の導体パターンを所定間隔をおいて複数形成した後に、該導体パターンの周囲に、該パターンと離間するようにセラミックペーストを印刷してセラミックパターンを形成して第1のパターンシートを形成する工程と、(b)第2のセラミックグリーンシートの主面上に導体ペーストを印刷して矩形状の導体パターンを所定間隔をおいて複数形成した後に、該導体パターンの周囲に、該導体パターン端部に形成された傾斜面と重畳するようにセラミックペーストを印刷してセラミックパターンを形成して第2のパターンシートを形成する工程と、(c)前記第1のパターンシートと、前記第2のパターンシートとを一括して複数積層する工程とを経て作製されることを特徴とする請求項1記載のセラミック積層体の製法。
  3. 母体積層体は、(a)所定の基材表面に、セラミックグリーンシートを積層した後、該セラミックグリーンシートの主面上に導体ペーストを印刷して矩形状の導体パターンを所定間隔をおいて複数形成した後に、該導体パターンの周囲に、該パターンと離間するようにセラミックペーストを印刷してセラミックパターンを形成して第1のパターンシートを形成する工程と、(b)所定の基材表面に、セラミックグリーンシートを積層した後、該セラミックグリーンシートの主面上に導体ペーストを印刷して矩形状の導体パターンを所定間隔をおいて複数形成した後に、該導体パターンの周囲に、該導体パターン端部に形成された傾斜面と重畳するようにセラミックペーストを印刷してセラミックパターンを形成して第2のパターンシートを形成する工程と、(c)前記基材の表面に、前記(a)または(b)工程を順次施し積層する工程と、を具備して作製されることを特徴とする請求項1に記載のセラミック積層体の製法。
  4. 第1のパターンシート上のセラミックパターンは、導体パターンの全周辺に対して25μm以上離間して形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか記載のセラミック積層体の製法。
  5. 導体パターンと、セラミックパターンの厚みが実質的に同一であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか記載のセラミック積層体の製法。
  6. 導体パターンの厚みをt1、セラミックグリーンシートの厚みをt2としたときに、t1/t2≧0.5の関係を満足することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか記載のセラミック積層体の製法。
  7. 導体パターンおよびセラミックパターンの厚みが3μm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか記載のセラミック積層体の製法。
  8. セラミックグリーンシートに含まれるセラミック成分と、前記セラミックパターンに含まれるセラミック成分とが実質的に同一組成物からなることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか記載のセラミック積層体の製法。
  9. 母体積層体が、焼成後に積層セラミックコンデンサの容量部を構成することを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか記載のセラミック積層体の製法。
  10. 母体積層体が、焼成後に積層型圧電アクチュエータの振動部を構成することを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか記載のセラミック積層体の製法。
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