JP2004173360A - Dcブラシレスモータの回転数検出回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】センサレスでPWM回転制御を行うDCブラシレスモータの回転数を簡単な方法で検出できるようにする。
【解決手段】DCブラシレスモータのn相のステータコイルの内の一相U+ の検出電圧と基準電圧とをコンパレータ7で比較してパルスを生成する。このパルスには、出力段への駆動パルスと誘起電圧の混ざったものと、スイッチングノイズが含まれている。このパルス列をローパスフィルタ9を通過させスイッチングノイズを除去して、論理積回路6で駆動パルス出力との論理積を取ると、両者のパルスの論理レベルが一致した点でパルスが出力される。このとき、モータが停止して誘起電圧が誘起しないと検出電圧が低下してコンパレータ7からパルスが出力されないので、論理積回路6からはパルスが出力されない。このように回転に伴うパルスを簡単に出力できるので、DCブラシレスモータの回転数を簡単な方法で検出できる
【選択図】 図1
【解決手段】DCブラシレスモータのn相のステータコイルの内の一相U+ の検出電圧と基準電圧とをコンパレータ7で比較してパルスを生成する。このパルスには、出力段への駆動パルスと誘起電圧の混ざったものと、スイッチングノイズが含まれている。このパルス列をローパスフィルタ9を通過させスイッチングノイズを除去して、論理積回路6で駆動パルス出力との論理積を取ると、両者のパルスの論理レベルが一致した点でパルスが出力される。このとき、モータが停止して誘起電圧が誘起しないと検出電圧が低下してコンパレータ7からパルスが出力されないので、論理積回路6からはパルスが出力されない。このように回転に伴うパルスを簡単に出力できるので、DCブラシレスモータの回転数を簡単な方法で検出できる
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する利用分野】
この発明は、回転センサレスのDCブラシレスモータの回転数検出回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
DCブラシレスモータには、ロータの位置を検出するためのセンサ付(ホール素子)タイプのものと、センサレスタイプのものとがある。
【0003】
このセンサレスタイプのものは、センサを必要としないため、高温下でも使用できるし、部品コストも低減できる。また、センサのための配線が不要なのでモータ配線が少なくなり、組み立て工程の簡素化が図れ、かつ、モータの小型化や軽量化が図れるなどの特長がある。
【0004】
反面、センサを用いないため、センサに代わる複雑な処理が必要である。そのため、モータに中点配線を設け、例えば、図4(a)に示すように、各相U、V、Wに発生する誘起電圧を位置検出用コンパレータ1で検出し、マイコン2などで複雑な演算処理を行うことにより、ロータの位置検出を行っている。
【0005】
すなわち、図4(a)に示す3相センサレスDCモータの場合、電気角で120°通電で2相励磁となっており、図4(b)のように、6通りの組み合わせで各相のトランジスタを作動して回転させるようになっている。
【0006】
例えば、図4(b)のA1の期間では、出力トランジスタU+ とV− とがONとなり、モータ電流は図4(a)の破線のように電源+VDD→U相のコイル→V相のコイル→GNDと流れる。このとき、W相のコイルは、電位的にフローティング状態である。そのため、図5のようにW相ステータがロータのS極とN極の中央にある場合は両極の影響を受けて中立であり、この位置より少しでもロータが反時計方向にある場合はN極の影響を受けてS極となる。逆に、少しでも時計方向にある場合は、S極の影響を受けてN極となる。したがって、このS極からN極に変化する中立点(ゼロクロス点)Zのタイミングを中点配線とW相コイルとから取り出した誘起電圧から検出すれば、ロータの位置を検出できる。また、図5から判るように、次のゼロクロス点(ロータのS極とN極が中央になる)は、30°位相の遅れたV相で発生し、以後、U相→W相...と30°ごとになる。そのため、ゼロクロス点Zから常に30°位相を遅らせたタイミングで駆動回路をスイッチングすれば、モータを回転させることができる。
【0007】
このようにセンサレスタイプは、各相U、V、Wの駆動電圧と各相U、V、Wとモータの中点電圧とを比較することでロータ位置を検出することができるので、これから、回転数も検出するようにしていた。
【0008】
ところで、DCブラシレスモータの駆動方法には、PAM方式とPWM方式とがあって、PWM方式は消費電力を低減できるので有利である。
【0009】
ところが、PWM方式では、ゼロクロス点Zを検出する際に以下のような問題があった。
【0010】
すなわち、各相U、V、Wのトランジスタの動作の動作波形を示す図4(c)において、例えばA2の期間では、U相の上段及び下段出力のトランジスタU+ とU− がOFFしてU相には誘起電圧が発生しているが、その電圧波形には、V相の上段のトランジスタV+ とW相の下段のトランジスタW− がスイッチング動作を行っている影響を受けて、スイッチング波形が重畳しているのがわかる。これでは、誘起電圧がどれなのか検出できない。
【0011】
これを解決する一つの方法としてカウンタを用いる方法がある。この方法は、カウンタを使って例えば、W相の誘起電圧が入力される周期を計数し、その計数値から次の誘起電圧が入力する時間を予測して誘起電圧とそうでない信号とを選別して、ゼロクロス点Zを検出していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のカウンタを用いる方法では、マイコンが検出信号の入力する時間を予測して検出信号とそうでない信号とを選別し、時間によるフィルタリングを行ってノイズから誘起電圧を弁別している。このように誘起電圧を用いる方法では、ノイズから誘起電圧を弁別しなければ、ゼロクロス点を検出できないし、ゼロクロス点を検出しないと回転数も検出できないので、非常に複雑な処理を行わなければならないし、ノイズに対しても脆弱であるという問題がある。
【0013】
また、カウンタを用いる方法は、モータを回転させるためのもので、実際にロータが回転していなくとも予測時間にノイズなどかあれば、ニセ信号がでてしまうなどの問題がある。
【0014】
そこで、この発明の課題は、誘起電圧のみを抽出するような弁別をしなくても簡単にスイッチングノイズの影響を排除して回転数を検出できるようにすることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明では、センサレスでPWM回転制御を行うDCブラシレスモータの回転数検出回路を、DCブラシレスモータのn相のステータコイルの内の一相の検出電圧と、その検出電圧と予め設定された基準電圧とを比較するコンパレータ回路と、前記コンパレータ回路の比較出力が入力されるローパスフィルタと、そのローパスフィルタの出力を所定期間保持する第1の保持回路と、前記一相の上段あるいは下段の半導体素子の一方の出力段への駆動パルス出力を所定期間保持する第2の保持回路と、その第1と第2の保持回路出力が入力される論理積回路とで構成したのである。
【0016】
このような構成を採用することにより、検出回路は、コンパレータ回路が一相の検出電圧を基準電圧と比較することにより、正規化したパルスを生成する。このパルスには、出力段への駆動パルスと誘起電圧の混ざったもの(誘起電圧は回転にともなって常時出力されている)と、スイッチングノイズが含まれている。このパルス列を、まず、ローパスフィルタを通過させることで、スイッチングノイズを除去する。スイッチングノイズを除去したパルス列は、駆動パルスと誘起電圧を含んでいるが、論理積回路で、第2の保持回路で検出した駆動パルス出力との論理積を取ると、両者のパルスの論理レベルが一致した点でパルスが出力される。
このとき、コンパレータ回路で正規化されたパルスは、基準値を設けてコンパレートしたことにより正常に回転した際にのみパルスが出力されるので、駆動パルスと一致した点でパルスが出力されれば、回転パルスとして利用できる。
【0017】
また、このとき保持回路を用いるのは、両パルスが発生するのに位相差があるので、それを解消して論理積を取ることができるようにするためである。
【0018】
また、このとき、上記コンパレータ回路の反転出力が入力されるローパスフィルタと、そのローパスフィルタ出力を所定期間保持する第3の保持回路と、上記上段あるいは下段の他方の出力段への駆動パルス出力を所定期間保持する第4の保持回路と、前記第3と第4の保持回路出力が入力される第2の論理積回路とで構成される第2の検出回路を設け、その第2の検出回路の第2の論理積回路出力と上記検出回路の第1の論理積回路出力との論理積を出力とから回転パルスを出力するようにした構成を採用することができる。
【0019】
このような構成を採用することにより、出力段の上段と下段の半導体素子への駆動パルスを検出に使うので、回転パルスを倍にして検出精度を向上させることができる。
【0020】
さらに、上記各相の出力段が半導体素子をプッシュプル接続して、各半導体素子にフライホイールダイオードを並列に設けたものとするとともに、上記コンパレータ回路に入力する相と、第2あるいは第4の保持回路へ入力する駆動パルスの出力段を異なる相とした構成を採用することができる。
【0021】
このような構成を採用することにより、ロータが逆回転した場合は、誘起された誘起電圧をフライホイールダイオードが吸収して検出電圧が低下する。そのため、正回転の場合とパルスの発生パターンが異なるこれから逆回転を検出できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態を図1に示す。
図1は、この発明をU相に適用した3相センサレスDCモータの検出回路を示したものである。
【0023】
前記3相センサレスDCモータは、マイコン2を用いたPWM制御によって駆動されるもので、出力段にPNPトランジスタU+ 、V+ 、W+ とNPNトランジスタU− 、V− 、W− をプッシュプル接続したものを使用している。そのため、出力段のPNPトランジスタU+ 、V+ 、W+ は、スイッチングのスピードアップを図るため、NPNトランジスタを用いたドライブ回路介してマイコン2の出力ポートPC1に接続し、他方の出力段のNPNトランジスタU− 、V− 、W− は直接マイコン2の出力ポートPC2に接続してポート出力で駆動するようになっている。また、各トランジスタU+ 、V+ 、W+ 、U− 、V− 、W− には、フライホイールダイオードDfが並列に設けられている。
【0024】
検出回路3は、モータのステータコイルの電圧を検出するステータ電圧検出回路4と、スイッチング信号を抽出する参照信号発生回路5と、論理積回路6とで構成されている。
【0025】
ステータ電圧検出回路4は、コンパレータ7、基準電圧発生回路8、ローパスフィルタ(積分回路)9及び第1の保持回路10で構成されている。
【0026】
前記コンパレータ7は、非反転入力をU相のモータ駆動端子と接続し、反転入力に基準電圧発生回路8を接続してある。
【0027】
前記基準電圧発生回路8は、抵抗R1とR2を直列に接続して電源VDDと接続したもので、ここでは、R1=R2として駆動回路電源の1/2の電圧をしきい値としてある。したがって、U相のモータ駆動端子の電圧が駆動回路電源の1/2の電圧を上回るとコンパレータ7の出力は「L」となるようにしてある。
【0028】
なお、ここでは、コンパレータ出力が「L」となるようにしたが、コンパレータ出力が「H」となるように、非反転入力と反転入力への接続を逆にしても別段構わない。その際は、コンパレータ出力にインバータを設けたりすればよい。
【0029】
このコンパレータ出力は、ローパスフィルタ9に接続されている。ローパスフィルタ9は、抵抗R3とコンデンサC1とで構成されたもので、抵抗R3の一端を電源と接続し、他端をコンデンサC1(ここでは、逆流防止ダイオードD1を介している)と接続している。また、その接続点にコンバレータ7の出力を接続して抵抗R3をコンパレータ7のプルアップ抵抗として使用してコンデンサC1に充電電流を供給するようになっている。
【0030】
第1の保持回路10は、逆流防止ダイオードD1、コンデンサC1及び放電抵抗R4とで構成されるもので、逆流防止ダイオードD1のアノード端子にコンパレータ出力を接続し、カソード端子にコンデンサC1と放電抵抗R4を並列に接続して、この並列回路の出力を論理積回路6の入力の一方に入力してある。
【0031】
このとき、抵抗R3とコンデンサC1で形成されるローパスフィルタの時定数C1・R3は、PWM制御に用いられるキャリア周波数の周期に対して十分小さく設定する。また、保持回路10のコンデンサC1と抵抗R4の時定数C1・R4を前記キャリア周波数に対して大きくなるように各定数を決めてある。
【0032】
すなわち、スイッチングキャリア周波数をf、キャリア周波数のON時間の最小値をtON MINとすると、設定条件は下記のように表すことができる。
【0033】
R3・C1<tON MIN
R4・C1>2(1/f−tON MIN)
一方、参照信号発生回路5は、バッファ用のトランジスタQ、第2の保持回路13とで構成されている。
【0034】
バッファ用のトランジスタQは、PNPトランジスタを用いたもので、図1のようにベースをマイコン2の出力ポートPC1に接続し、コレクタを第2の保持回路13と接続することにより、U相の上段のトランジスタU+ の駆動出力を反転した出力が入力されるようになっている。
【0035】
第2の保持回路13は、逆流防止ダイオードD2、コンデンサC2及び放電抵抗R5とで構成されている。
【0036】
逆流防止ダイオードD2は、アノード端子を前記バッファ用のトランジスタQ1のコレクタと接続し、カソード端子を直列抵抗Rsを介してコンデンサC2と放電抵抗R5との並列回路に接続してあり、前記トランジスタQがONすると、コンデンサC2に充電電流を供給するようになっている。
【0037】
また、並列回路の出力は、論理積回路6の入力の他方に入力してある。このため、論理積回路6の出力は、両方の入力レベルが論理積回路6のしきい値よりも高い場合は「H」となり、どちらか一方の入力が論理積回路のしきい値よりも下がると「L」となる。また、両方の入力レベルが論理積回路のしきい値よりも低い場合は「L」となるようになっている。
【0038】
この形態は、上記のように構成されており、次にその回路動作を図1(a)の回路の各点A〜Fの電圧波形を示す同図(b)を参照しつつ説明する。
【0039】
いま、ロータの回転によってU相のステータのモータ駆動端子には、例えば、図1(b)のA点のような電圧波形が出力しており、コンパレータ7の出力は、基準電圧発生回路8で設定した駆動回路電源VDDの1/2の基準電圧とを比較した図1(b)に示すB点の電圧波形となっている。
【0040】
例えば、いま、図1(b)のA点の波形が「H」のとき、すなわち、コンパレータ出力が「H」のとき、抵抗R3からダイオードD1を介してコンデンサC1に電荷が充電される。
【0041】
このとき、上述したように、抵抗R3とコンデンサC1で形成したローパスフィルタ9の時定数C1・R3をPWM制御に用いられるキャリア周波数の周期に比べて十分小さく、かつ、第1の保持回路10の時定数C1・R4をキャリア周波数の周期に比べて大きくなるように各定数を決めてあるので、スイッチング周波数に近い高域周波数をローパスフィルタがしゃ断する。
【0042】
同様に、第2の保持回路13には、U相の上段のトランジスタU+ を駆動するマイコン2のポート出力PC1が入力している。
【0043】
そのため、スイッチングの影響の排除された両信号(図1(b)のC点及びE点の波形参照)が論理積回路6に入力すると、論理積回路6から両信号が一致した期間がパルス出力として図1(b)のF点のように出力される。
【0044】
すなわち、ステータコイルの検出信号は、図1(b)のA点の電圧波形に示すように、ステータコイルの駆動パルス、誘起電圧及びスイッチングノイズを含んでいる。一方、図1(b)のD点の電圧波形に示すように、ポート出力は、駆動パルスとスイッチングノイズを含んでおり、両出力が一致する期間がパルスとして出力される。
【0045】
このとき、ステータコイルの検出信号は、コンパレータ7で基準電圧と比較して正規化しているので、回転が停止して誘起電圧が出力されないで検出信号全体のレベルが下がると、パルスが出力されない。その結果、両出力(検出信号とポート出力)が一致しないため、回転パルスは出力されない。
【0046】
また、このとき、第1と第2の保持回路10、13を設けて検出信号とポート出力の位相のずれを解消しているので、論理積回路6の結果に影響を生じない。
【0047】
また、第1と第2の保持回路10、13で保持した電荷は、次の検出までに放電抵抗R4、R5で放電するようにしているので、検出に影響を及ぼさない。
【0048】
このように論理積回路6から出力されるパルスは、ロータの回転に伴って出力されるので、回転数パルスとして使用できる。
【0049】
なお、実施形態では、U相について述べたが他の相でも構わない。
【0050】
図2に第2実施形態を示す。
この形態は、第1実施形態の検出回路(以後第1の検出回路)3に、第2の検出回路20を追加して回転数パルスを倍にするためのもので、回転数パルスを倍にすることにより検出精度を倍にできるというものである(例えば、4相の場合→2パルス/回転、2相の場合→1パルス/回転となる)。
【0051】
その際、図2(a)に示すように、U相の下段のトランジスタU− 出力を用いるとともに、コンパレータ7の反転入力と非反転入力への入力を逆に接続し、第1の検出回路3のコンパレータを共用できるようにしており、こうすることで、コストの低下などが図れるようにしている。
【0052】
すなわち、第2の検出回路20は、第1の検出回路3と同様に、ステータ電圧検出回路4’、参照信号発生回路5’と論理積回路6’で構成されている。
【0053】
ステータ電圧検出回路4’は、ローパスフィルタ14と第3の保持回路15とで構成されており、図2(a)に示すバッファ用のインバータトランジスタQ2を介して、第1の検出回路3のコンパレータ7の出力に接続してある。
【0054】
また、参照信号発生回路5’は、バッファ用トランジスタQを廃して第4の保持回路16を直接マイコン2の出力ポートPC2に接続することにより、ステータ電圧検出回路4’の出力信号の極性に合わせてある。
【0055】
なお、ローパスフィルタ14、第3の保持回路15、第4の保持回路16の回路構成は第1実施形態のローパスフィルタ9、第1の保持回路10、第2の保持回路13と同じである。また、他の構成も、第1実施形態と同じであるため、説明は省略する。
【0056】
そして、この第2の検出回路20のコンパレータ出力と第1の検出回路3のコンパレータ出力を第3の論理積回路21を設けて入力している。
【0057】
この形態は、上記のように構成されており、この回路の動作を図2(a)の各点A〜Lの電圧波形を示す図2(b)に基づいて説明する。
【0058】
図2(b)のA点の波形は、U相の駆動電圧波形である(図1のA点と同じものである)、この波形をコンパレータ7で比較し、トランジスタQ1をドライブした波形がG点である。このとき、トランジスタQ1で波形を反転するため、A点の波形が反転したものとなっている。この波形が第3の保持回路15に入力した波形がH点である。また、U相の下段のトランジスタU− の駆動電圧波形に基づく参照信号発生回路5’の波形はJ点となる。このため、H点とJ点の波形が入力される論理積回路6’の出力はK点のような波形となる。
【0059】
このK点の波形は、A点に示すU相の駆動電圧波形を電源電圧VDDの1/2の電圧でコンパレートして、そのコンパレートした1/2の電圧のしきい値よりも低い電圧の期間(インバータトランジスタで反転している)なので、J点とH点の波形の一致した期間を出力している。よって、このK点の波形と第1の検出回路3の出力であるF点の波形との論理積をとることで、L点の波形に示すように倍の回転パルスを得ることができる(このことは従来例の図4(b)のトランジスタのON/OFFの組み合わせからも明らかである)。
【0060】
このため、4相のモータの場合1回転あたり4パルスの出力を得ることができ、2相モータの場合、1回転あたり2パルスの出力を得ることができる。
【0061】
なお、実施形態では、U相について述べたが他の相でも構わない。
【0062】
図3に第3実施形態を示す。
この形態は、図3(a)のように、異なる2相の出力を用いて起動時にモータが逆回転しているかどうかを検出できるようにしたものである。
【0063】
すなわち、図3(a)に示すように、例えば、検出回路3のステータ電圧検出回路4をW相のモータ駆動端子に接続し、参照信号発生手段5をU相の上段のトランジスタU+ を駆動するポートPC1に接続して、異なる相の駆動電圧と誘起電圧との論理積をとる構成である。
なお、他の構成は第1実施形態と同じなので、説明は省略する。
【0064】
この形態は上記のように構成されており、次に、その動作を説明する。
いま、センサモードでモータのステータコイルがU→V→W相の順に励磁されるパータンを正方向とすると、ステータコイルに印加される駆動電圧もU→V→W相と順に印加される。このとき、各ステータコイルには、駆動電圧VDDの1/2よりも大きな電圧が印加される。
【0065】
そのため、正方向に回転しているのであれば、C点の波形のように誘起電圧が検出され、U相の上段のトランジスタU+ を励磁するタイミングを起点として、図3(b)F点の波形ように、遅れ時間τで論理積回路の出力が「L」→「H」へ変化する。この遅れ時間τはW相のスパイク電圧が発生して、出力を反転させているためである。
【0066】
一方、逆回転の場合は、中点電位を基準にして負電位となるので、フライホイールダイオードDfにより吸収される。そのため、もし、モータが逆回転すれば、W相に現れる誘起電圧が誘起電圧が1/2VDDに届かず、コンパレータ出力はゼロとなり、ステータ電圧検出回路4の出力は図3(b)のC’点の波形に示すように、出力トランジスタをONからOFFに切り替える駆動電圧ノイズのみを出力することになる。
【0067】
よって、この位置検出回路の出力と参照信号検出回路の出力が入力された論理積回路6の出力は、図3(b)のF’点の波形に示すように、U相の上段のトランジスタU+ を励磁するタイミングを起点として、遅れ時間τ1 で「L」→「H」へ変化する。
【0068】
したがって、回転数信号が「L」→「H」へ変化するまでの時間に遅れがあるかどうかをマイコン2で検出すれば逆転しているかどうかが判る。
【0069】
なお、この形態では、U相とW相を利用したが、これに限定されるものではなく、これ以外の組み合わせを用いてもよい。
【0070】
なお、実施形態では、論理積回路をAND回路のシンボルで示したが、これに限定されるものではなく、論理積をとれるものであれば、例えばNANDやNORを組み合わせたものやトランジスタなどのディスクリート回路のものでもよいのは明白である。
【0071】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成したことにより、簡単な方法でスイッチングノイズの影響を排除して回転数を検出できる。
【0072】
また、異なる2相の出力を用いるようにすれば、モータ起動時の逆回転も検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)第1実施形態の回路図
(b)(a)の各点の電圧波形
【図2】(a)第2実施形態の回路図
(b)(a)の各点の電圧波形
【図3】(a)第3実施形態の回路図
(b)(a)の各点の電圧波形
【図4】(a)従来例のブロック図
(b)(a)の出力トランジスタON/OFFのタイミング示す図
(c)(a)のU、V、W相の電圧波形
【図5】従来例の作用説明図
【符号の説明】
2 マイコン
3 検出回路
4 ステータ電圧検出回路
4’ ステータ電圧検出回路
5 参照信号発生回路
5’ 参照信号発生回路
6 論理積回路
6’ 論理積回路
7 コンパレータ
7’ コンパレータ
9 ローパスフィルタ
10 第1の保持回路
13 第2の保持回路
14 ローパスフィルタ
15 第3の保持回路
16 第4の保持回路
20 第2の検出回路
21 第3の論理積回路
Df フライホイールダイオード
【発明の属する利用分野】
この発明は、回転センサレスのDCブラシレスモータの回転数検出回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
DCブラシレスモータには、ロータの位置を検出するためのセンサ付(ホール素子)タイプのものと、センサレスタイプのものとがある。
【0003】
このセンサレスタイプのものは、センサを必要としないため、高温下でも使用できるし、部品コストも低減できる。また、センサのための配線が不要なのでモータ配線が少なくなり、組み立て工程の簡素化が図れ、かつ、モータの小型化や軽量化が図れるなどの特長がある。
【0004】
反面、センサを用いないため、センサに代わる複雑な処理が必要である。そのため、モータに中点配線を設け、例えば、図4(a)に示すように、各相U、V、Wに発生する誘起電圧を位置検出用コンパレータ1で検出し、マイコン2などで複雑な演算処理を行うことにより、ロータの位置検出を行っている。
【0005】
すなわち、図4(a)に示す3相センサレスDCモータの場合、電気角で120°通電で2相励磁となっており、図4(b)のように、6通りの組み合わせで各相のトランジスタを作動して回転させるようになっている。
【0006】
例えば、図4(b)のA1の期間では、出力トランジスタU+ とV− とがONとなり、モータ電流は図4(a)の破線のように電源+VDD→U相のコイル→V相のコイル→GNDと流れる。このとき、W相のコイルは、電位的にフローティング状態である。そのため、図5のようにW相ステータがロータのS極とN極の中央にある場合は両極の影響を受けて中立であり、この位置より少しでもロータが反時計方向にある場合はN極の影響を受けてS極となる。逆に、少しでも時計方向にある場合は、S極の影響を受けてN極となる。したがって、このS極からN極に変化する中立点(ゼロクロス点)Zのタイミングを中点配線とW相コイルとから取り出した誘起電圧から検出すれば、ロータの位置を検出できる。また、図5から判るように、次のゼロクロス点(ロータのS極とN極が中央になる)は、30°位相の遅れたV相で発生し、以後、U相→W相...と30°ごとになる。そのため、ゼロクロス点Zから常に30°位相を遅らせたタイミングで駆動回路をスイッチングすれば、モータを回転させることができる。
【0007】
このようにセンサレスタイプは、各相U、V、Wの駆動電圧と各相U、V、Wとモータの中点電圧とを比較することでロータ位置を検出することができるので、これから、回転数も検出するようにしていた。
【0008】
ところで、DCブラシレスモータの駆動方法には、PAM方式とPWM方式とがあって、PWM方式は消費電力を低減できるので有利である。
【0009】
ところが、PWM方式では、ゼロクロス点Zを検出する際に以下のような問題があった。
【0010】
すなわち、各相U、V、Wのトランジスタの動作の動作波形を示す図4(c)において、例えばA2の期間では、U相の上段及び下段出力のトランジスタU+ とU− がOFFしてU相には誘起電圧が発生しているが、その電圧波形には、V相の上段のトランジスタV+ とW相の下段のトランジスタW− がスイッチング動作を行っている影響を受けて、スイッチング波形が重畳しているのがわかる。これでは、誘起電圧がどれなのか検出できない。
【0011】
これを解決する一つの方法としてカウンタを用いる方法がある。この方法は、カウンタを使って例えば、W相の誘起電圧が入力される周期を計数し、その計数値から次の誘起電圧が入力する時間を予測して誘起電圧とそうでない信号とを選別して、ゼロクロス点Zを検出していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のカウンタを用いる方法では、マイコンが検出信号の入力する時間を予測して検出信号とそうでない信号とを選別し、時間によるフィルタリングを行ってノイズから誘起電圧を弁別している。このように誘起電圧を用いる方法では、ノイズから誘起電圧を弁別しなければ、ゼロクロス点を検出できないし、ゼロクロス点を検出しないと回転数も検出できないので、非常に複雑な処理を行わなければならないし、ノイズに対しても脆弱であるという問題がある。
【0013】
また、カウンタを用いる方法は、モータを回転させるためのもので、実際にロータが回転していなくとも予測時間にノイズなどかあれば、ニセ信号がでてしまうなどの問題がある。
【0014】
そこで、この発明の課題は、誘起電圧のみを抽出するような弁別をしなくても簡単にスイッチングノイズの影響を排除して回転数を検出できるようにすることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明では、センサレスでPWM回転制御を行うDCブラシレスモータの回転数検出回路を、DCブラシレスモータのn相のステータコイルの内の一相の検出電圧と、その検出電圧と予め設定された基準電圧とを比較するコンパレータ回路と、前記コンパレータ回路の比較出力が入力されるローパスフィルタと、そのローパスフィルタの出力を所定期間保持する第1の保持回路と、前記一相の上段あるいは下段の半導体素子の一方の出力段への駆動パルス出力を所定期間保持する第2の保持回路と、その第1と第2の保持回路出力が入力される論理積回路とで構成したのである。
【0016】
このような構成を採用することにより、検出回路は、コンパレータ回路が一相の検出電圧を基準電圧と比較することにより、正規化したパルスを生成する。このパルスには、出力段への駆動パルスと誘起電圧の混ざったもの(誘起電圧は回転にともなって常時出力されている)と、スイッチングノイズが含まれている。このパルス列を、まず、ローパスフィルタを通過させることで、スイッチングノイズを除去する。スイッチングノイズを除去したパルス列は、駆動パルスと誘起電圧を含んでいるが、論理積回路で、第2の保持回路で検出した駆動パルス出力との論理積を取ると、両者のパルスの論理レベルが一致した点でパルスが出力される。
このとき、コンパレータ回路で正規化されたパルスは、基準値を設けてコンパレートしたことにより正常に回転した際にのみパルスが出力されるので、駆動パルスと一致した点でパルスが出力されれば、回転パルスとして利用できる。
【0017】
また、このとき保持回路を用いるのは、両パルスが発生するのに位相差があるので、それを解消して論理積を取ることができるようにするためである。
【0018】
また、このとき、上記コンパレータ回路の反転出力が入力されるローパスフィルタと、そのローパスフィルタ出力を所定期間保持する第3の保持回路と、上記上段あるいは下段の他方の出力段への駆動パルス出力を所定期間保持する第4の保持回路と、前記第3と第4の保持回路出力が入力される第2の論理積回路とで構成される第2の検出回路を設け、その第2の検出回路の第2の論理積回路出力と上記検出回路の第1の論理積回路出力との論理積を出力とから回転パルスを出力するようにした構成を採用することができる。
【0019】
このような構成を採用することにより、出力段の上段と下段の半導体素子への駆動パルスを検出に使うので、回転パルスを倍にして検出精度を向上させることができる。
【0020】
さらに、上記各相の出力段が半導体素子をプッシュプル接続して、各半導体素子にフライホイールダイオードを並列に設けたものとするとともに、上記コンパレータ回路に入力する相と、第2あるいは第4の保持回路へ入力する駆動パルスの出力段を異なる相とした構成を採用することができる。
【0021】
このような構成を採用することにより、ロータが逆回転した場合は、誘起された誘起電圧をフライホイールダイオードが吸収して検出電圧が低下する。そのため、正回転の場合とパルスの発生パターンが異なるこれから逆回転を検出できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態を図1に示す。
図1は、この発明をU相に適用した3相センサレスDCモータの検出回路を示したものである。
【0023】
前記3相センサレスDCモータは、マイコン2を用いたPWM制御によって駆動されるもので、出力段にPNPトランジスタU+ 、V+ 、W+ とNPNトランジスタU− 、V− 、W− をプッシュプル接続したものを使用している。そのため、出力段のPNPトランジスタU+ 、V+ 、W+ は、スイッチングのスピードアップを図るため、NPNトランジスタを用いたドライブ回路介してマイコン2の出力ポートPC1に接続し、他方の出力段のNPNトランジスタU− 、V− 、W− は直接マイコン2の出力ポートPC2に接続してポート出力で駆動するようになっている。また、各トランジスタU+ 、V+ 、W+ 、U− 、V− 、W− には、フライホイールダイオードDfが並列に設けられている。
【0024】
検出回路3は、モータのステータコイルの電圧を検出するステータ電圧検出回路4と、スイッチング信号を抽出する参照信号発生回路5と、論理積回路6とで構成されている。
【0025】
ステータ電圧検出回路4は、コンパレータ7、基準電圧発生回路8、ローパスフィルタ(積分回路)9及び第1の保持回路10で構成されている。
【0026】
前記コンパレータ7は、非反転入力をU相のモータ駆動端子と接続し、反転入力に基準電圧発生回路8を接続してある。
【0027】
前記基準電圧発生回路8は、抵抗R1とR2を直列に接続して電源VDDと接続したもので、ここでは、R1=R2として駆動回路電源の1/2の電圧をしきい値としてある。したがって、U相のモータ駆動端子の電圧が駆動回路電源の1/2の電圧を上回るとコンパレータ7の出力は「L」となるようにしてある。
【0028】
なお、ここでは、コンパレータ出力が「L」となるようにしたが、コンパレータ出力が「H」となるように、非反転入力と反転入力への接続を逆にしても別段構わない。その際は、コンパレータ出力にインバータを設けたりすればよい。
【0029】
このコンパレータ出力は、ローパスフィルタ9に接続されている。ローパスフィルタ9は、抵抗R3とコンデンサC1とで構成されたもので、抵抗R3の一端を電源と接続し、他端をコンデンサC1(ここでは、逆流防止ダイオードD1を介している)と接続している。また、その接続点にコンバレータ7の出力を接続して抵抗R3をコンパレータ7のプルアップ抵抗として使用してコンデンサC1に充電電流を供給するようになっている。
【0030】
第1の保持回路10は、逆流防止ダイオードD1、コンデンサC1及び放電抵抗R4とで構成されるもので、逆流防止ダイオードD1のアノード端子にコンパレータ出力を接続し、カソード端子にコンデンサC1と放電抵抗R4を並列に接続して、この並列回路の出力を論理積回路6の入力の一方に入力してある。
【0031】
このとき、抵抗R3とコンデンサC1で形成されるローパスフィルタの時定数C1・R3は、PWM制御に用いられるキャリア周波数の周期に対して十分小さく設定する。また、保持回路10のコンデンサC1と抵抗R4の時定数C1・R4を前記キャリア周波数に対して大きくなるように各定数を決めてある。
【0032】
すなわち、スイッチングキャリア周波数をf、キャリア周波数のON時間の最小値をtON MINとすると、設定条件は下記のように表すことができる。
【0033】
R3・C1<tON MIN
R4・C1>2(1/f−tON MIN)
一方、参照信号発生回路5は、バッファ用のトランジスタQ、第2の保持回路13とで構成されている。
【0034】
バッファ用のトランジスタQは、PNPトランジスタを用いたもので、図1のようにベースをマイコン2の出力ポートPC1に接続し、コレクタを第2の保持回路13と接続することにより、U相の上段のトランジスタU+ の駆動出力を反転した出力が入力されるようになっている。
【0035】
第2の保持回路13は、逆流防止ダイオードD2、コンデンサC2及び放電抵抗R5とで構成されている。
【0036】
逆流防止ダイオードD2は、アノード端子を前記バッファ用のトランジスタQ1のコレクタと接続し、カソード端子を直列抵抗Rsを介してコンデンサC2と放電抵抗R5との並列回路に接続してあり、前記トランジスタQがONすると、コンデンサC2に充電電流を供給するようになっている。
【0037】
また、並列回路の出力は、論理積回路6の入力の他方に入力してある。このため、論理積回路6の出力は、両方の入力レベルが論理積回路6のしきい値よりも高い場合は「H」となり、どちらか一方の入力が論理積回路のしきい値よりも下がると「L」となる。また、両方の入力レベルが論理積回路のしきい値よりも低い場合は「L」となるようになっている。
【0038】
この形態は、上記のように構成されており、次にその回路動作を図1(a)の回路の各点A〜Fの電圧波形を示す同図(b)を参照しつつ説明する。
【0039】
いま、ロータの回転によってU相のステータのモータ駆動端子には、例えば、図1(b)のA点のような電圧波形が出力しており、コンパレータ7の出力は、基準電圧発生回路8で設定した駆動回路電源VDDの1/2の基準電圧とを比較した図1(b)に示すB点の電圧波形となっている。
【0040】
例えば、いま、図1(b)のA点の波形が「H」のとき、すなわち、コンパレータ出力が「H」のとき、抵抗R3からダイオードD1を介してコンデンサC1に電荷が充電される。
【0041】
このとき、上述したように、抵抗R3とコンデンサC1で形成したローパスフィルタ9の時定数C1・R3をPWM制御に用いられるキャリア周波数の周期に比べて十分小さく、かつ、第1の保持回路10の時定数C1・R4をキャリア周波数の周期に比べて大きくなるように各定数を決めてあるので、スイッチング周波数に近い高域周波数をローパスフィルタがしゃ断する。
【0042】
同様に、第2の保持回路13には、U相の上段のトランジスタU+ を駆動するマイコン2のポート出力PC1が入力している。
【0043】
そのため、スイッチングの影響の排除された両信号(図1(b)のC点及びE点の波形参照)が論理積回路6に入力すると、論理積回路6から両信号が一致した期間がパルス出力として図1(b)のF点のように出力される。
【0044】
すなわち、ステータコイルの検出信号は、図1(b)のA点の電圧波形に示すように、ステータコイルの駆動パルス、誘起電圧及びスイッチングノイズを含んでいる。一方、図1(b)のD点の電圧波形に示すように、ポート出力は、駆動パルスとスイッチングノイズを含んでおり、両出力が一致する期間がパルスとして出力される。
【0045】
このとき、ステータコイルの検出信号は、コンパレータ7で基準電圧と比較して正規化しているので、回転が停止して誘起電圧が出力されないで検出信号全体のレベルが下がると、パルスが出力されない。その結果、両出力(検出信号とポート出力)が一致しないため、回転パルスは出力されない。
【0046】
また、このとき、第1と第2の保持回路10、13を設けて検出信号とポート出力の位相のずれを解消しているので、論理積回路6の結果に影響を生じない。
【0047】
また、第1と第2の保持回路10、13で保持した電荷は、次の検出までに放電抵抗R4、R5で放電するようにしているので、検出に影響を及ぼさない。
【0048】
このように論理積回路6から出力されるパルスは、ロータの回転に伴って出力されるので、回転数パルスとして使用できる。
【0049】
なお、実施形態では、U相について述べたが他の相でも構わない。
【0050】
図2に第2実施形態を示す。
この形態は、第1実施形態の検出回路(以後第1の検出回路)3に、第2の検出回路20を追加して回転数パルスを倍にするためのもので、回転数パルスを倍にすることにより検出精度を倍にできるというものである(例えば、4相の場合→2パルス/回転、2相の場合→1パルス/回転となる)。
【0051】
その際、図2(a)に示すように、U相の下段のトランジスタU− 出力を用いるとともに、コンパレータ7の反転入力と非反転入力への入力を逆に接続し、第1の検出回路3のコンパレータを共用できるようにしており、こうすることで、コストの低下などが図れるようにしている。
【0052】
すなわち、第2の検出回路20は、第1の検出回路3と同様に、ステータ電圧検出回路4’、参照信号発生回路5’と論理積回路6’で構成されている。
【0053】
ステータ電圧検出回路4’は、ローパスフィルタ14と第3の保持回路15とで構成されており、図2(a)に示すバッファ用のインバータトランジスタQ2を介して、第1の検出回路3のコンパレータ7の出力に接続してある。
【0054】
また、参照信号発生回路5’は、バッファ用トランジスタQを廃して第4の保持回路16を直接マイコン2の出力ポートPC2に接続することにより、ステータ電圧検出回路4’の出力信号の極性に合わせてある。
【0055】
なお、ローパスフィルタ14、第3の保持回路15、第4の保持回路16の回路構成は第1実施形態のローパスフィルタ9、第1の保持回路10、第2の保持回路13と同じである。また、他の構成も、第1実施形態と同じであるため、説明は省略する。
【0056】
そして、この第2の検出回路20のコンパレータ出力と第1の検出回路3のコンパレータ出力を第3の論理積回路21を設けて入力している。
【0057】
この形態は、上記のように構成されており、この回路の動作を図2(a)の各点A〜Lの電圧波形を示す図2(b)に基づいて説明する。
【0058】
図2(b)のA点の波形は、U相の駆動電圧波形である(図1のA点と同じものである)、この波形をコンパレータ7で比較し、トランジスタQ1をドライブした波形がG点である。このとき、トランジスタQ1で波形を反転するため、A点の波形が反転したものとなっている。この波形が第3の保持回路15に入力した波形がH点である。また、U相の下段のトランジスタU− の駆動電圧波形に基づく参照信号発生回路5’の波形はJ点となる。このため、H点とJ点の波形が入力される論理積回路6’の出力はK点のような波形となる。
【0059】
このK点の波形は、A点に示すU相の駆動電圧波形を電源電圧VDDの1/2の電圧でコンパレートして、そのコンパレートした1/2の電圧のしきい値よりも低い電圧の期間(インバータトランジスタで反転している)なので、J点とH点の波形の一致した期間を出力している。よって、このK点の波形と第1の検出回路3の出力であるF点の波形との論理積をとることで、L点の波形に示すように倍の回転パルスを得ることができる(このことは従来例の図4(b)のトランジスタのON/OFFの組み合わせからも明らかである)。
【0060】
このため、4相のモータの場合1回転あたり4パルスの出力を得ることができ、2相モータの場合、1回転あたり2パルスの出力を得ることができる。
【0061】
なお、実施形態では、U相について述べたが他の相でも構わない。
【0062】
図3に第3実施形態を示す。
この形態は、図3(a)のように、異なる2相の出力を用いて起動時にモータが逆回転しているかどうかを検出できるようにしたものである。
【0063】
すなわち、図3(a)に示すように、例えば、検出回路3のステータ電圧検出回路4をW相のモータ駆動端子に接続し、参照信号発生手段5をU相の上段のトランジスタU+ を駆動するポートPC1に接続して、異なる相の駆動電圧と誘起電圧との論理積をとる構成である。
なお、他の構成は第1実施形態と同じなので、説明は省略する。
【0064】
この形態は上記のように構成されており、次に、その動作を説明する。
いま、センサモードでモータのステータコイルがU→V→W相の順に励磁されるパータンを正方向とすると、ステータコイルに印加される駆動電圧もU→V→W相と順に印加される。このとき、各ステータコイルには、駆動電圧VDDの1/2よりも大きな電圧が印加される。
【0065】
そのため、正方向に回転しているのであれば、C点の波形のように誘起電圧が検出され、U相の上段のトランジスタU+ を励磁するタイミングを起点として、図3(b)F点の波形ように、遅れ時間τで論理積回路の出力が「L」→「H」へ変化する。この遅れ時間τはW相のスパイク電圧が発生して、出力を反転させているためである。
【0066】
一方、逆回転の場合は、中点電位を基準にして負電位となるので、フライホイールダイオードDfにより吸収される。そのため、もし、モータが逆回転すれば、W相に現れる誘起電圧が誘起電圧が1/2VDDに届かず、コンパレータ出力はゼロとなり、ステータ電圧検出回路4の出力は図3(b)のC’点の波形に示すように、出力トランジスタをONからOFFに切り替える駆動電圧ノイズのみを出力することになる。
【0067】
よって、この位置検出回路の出力と参照信号検出回路の出力が入力された論理積回路6の出力は、図3(b)のF’点の波形に示すように、U相の上段のトランジスタU+ を励磁するタイミングを起点として、遅れ時間τ1 で「L」→「H」へ変化する。
【0068】
したがって、回転数信号が「L」→「H」へ変化するまでの時間に遅れがあるかどうかをマイコン2で検出すれば逆転しているかどうかが判る。
【0069】
なお、この形態では、U相とW相を利用したが、これに限定されるものではなく、これ以外の組み合わせを用いてもよい。
【0070】
なお、実施形態では、論理積回路をAND回路のシンボルで示したが、これに限定されるものではなく、論理積をとれるものであれば、例えばNANDやNORを組み合わせたものやトランジスタなどのディスクリート回路のものでもよいのは明白である。
【0071】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成したことにより、簡単な方法でスイッチングノイズの影響を排除して回転数を検出できる。
【0072】
また、異なる2相の出力を用いるようにすれば、モータ起動時の逆回転も検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)第1実施形態の回路図
(b)(a)の各点の電圧波形
【図2】(a)第2実施形態の回路図
(b)(a)の各点の電圧波形
【図3】(a)第3実施形態の回路図
(b)(a)の各点の電圧波形
【図4】(a)従来例のブロック図
(b)(a)の出力トランジスタON/OFFのタイミング示す図
(c)(a)のU、V、W相の電圧波形
【図5】従来例の作用説明図
【符号の説明】
2 マイコン
3 検出回路
4 ステータ電圧検出回路
4’ ステータ電圧検出回路
5 参照信号発生回路
5’ 参照信号発生回路
6 論理積回路
6’ 論理積回路
7 コンパレータ
7’ コンパレータ
9 ローパスフィルタ
10 第1の保持回路
13 第2の保持回路
14 ローパスフィルタ
15 第3の保持回路
16 第4の保持回路
20 第2の検出回路
21 第3の論理積回路
Df フライホイールダイオード
Claims (3)
- センサレスでPWM回転制御を行うDCブラシレスモータの回転数検出回路を、DCブラシレスモータのn相のステータコイルの内の一相の検出電圧と、その検出電圧と予め設定された基準電圧とを比較するコンパレータ回路と、前記コンパレータ回路の比較出力が入力されるローパスフィルタと、そのローパスフィルタの出力を所定期間保持する第1の保持回路と、前記一相の上段あるいは下段の半導体素子の一方の出力段への駆動パルス出力を所定期間保持する第2の保持回路と、その第1と第2の保持回路出力が入力される論理積回路とで構成したDCブラシレスモータの回転数検出回路。
- 上記コンパレータ回路の反転出力が入力されるローパスフィルタと、そのローパスフィルタ出力を所定期間保持する第3の保持回路と、上記上段あるいは下段の他方の出力段への駆動パルス出力を所定期間保持する第4の保持回路と、前記第3と第4の保持回路出力が入力される第2の論理積回路とで構成される第2の検出回路を設け、その第2の検出回路の第2の論理積回路出力と上記検出回路の第1の論理積回路出力との論理積出力から回転パルスを出力するようにした請求項1に記載のDCブラシレスモータの回転数検出回路。
- 上記各相の出力段が半導体素子をプッシュプル接続して、各半導体素子にフライホイールダイオードを並列に設けたものとするとともに、上記コンパレータ回路に入力する相と、第2あるいは第4の保持回路へ入力する駆動パルスの出力段を異なる相とした請求項1または2に記載のDCブラシレスモータの回転数検出回路。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050322 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050712 |