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JP2004171806A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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JP2004171806A JP2002333266A JP2002333266A JP2004171806A JP 2004171806 A JP2004171806 A JP 2004171806A JP 2002333266 A JP2002333266 A JP 2002333266A JP 2002333266 A JP2002333266 A JP 2002333266A JP 2004171806 A JP2004171806 A JP 2004171806A
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Akio Nakamura
彰男 中村
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明の課題とするところは、薄型・軽量の有機EL素子を低コストに作製し、かつ外部からの水分を遮断し、長期にわたり有機EL素子の劣化を抑制することにある。
【解決手段】透光性基材上に、少なくとも透明導電層、有機発光媒体層、陰極層を順次積層し、接着層を介して金属箔が積層されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、当該金属箔の接着層側の表面粗さRaが10nmから1000nmの間にあることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子とする。さらに金属箔をアルミニウム箔とすると軽量で腐食に強い有機EL素子を作製することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報表示端末などのディスプレイや面発光光源として幅広い用途が期待される有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と表記する)に関するものであり、さらに詳しくは、長期にわたり耐湿性に優れた有機EL素子を製造するための封止方法に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、広視野角、応答速度が速い、低消費電力などの利点から、ブラウン管や液晶ディスプレイに変わるフラットパネルディスプレイとして期待されている。
【0003】
有機EL素子は、透明陽極と陰極との間に有機発光媒体層を挟持した構造であり、両電極間に電流を流すことにより有機発光媒体層で発光が生じるものである。
【0004】
有機発光媒体層は多層構造をとることが多く、その典型的な例としては、正孔注入層に銅フタロシアニン、正孔輸送層にN,N‘−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1‘−ビフェニル−4,4’−ジアミン、蛍光体層にトリス(8−キノリノール)アルミニウムなどが積層された低分子型有機EL素子や、正孔輸送層にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物、蛍光体層にポリフルオレンなどが積層された高分子型EL素子がある。
【0005】
有機EL素子の持つ大きな問題の一つは、発光媒体層や陰極層が大気暴露状態で放置されると、大気中の水分や酸素などにより劣化することである。具体例の一つとして、ダークスポットと呼ばれる非発光領域が発生し、時間の経過と共に拡大するといった現象がある。
【0006】
この問題を解決する手段が、特許文献1や特許文献2などで開示されている。これらは、陽極となる透明導電層を形成したガラス基板上に発光媒体層、陰極層を真空下で連続成膜し、金属製やガラス製の封止缶により乾燥窒素雰囲気下でEL素子を被覆封止する方法である。
【0007】
しかし、ガラスや金属製の封止缶を用いる為、有機EL素子を薄型・軽量化するのに限界があった。また、製造工程においては、気密ケースに光硬化性樹脂を塗布する工程、透光性基板と気密ケースを貼り合せる工程、光硬化性樹脂を硬化させる工程があるため、生産性・製造コストの面で問題があった。
【0008】
これに対し、近年、プラスチックフィルムやガラス上に、高分子発光媒体層をスピンコート法やグラビア印刷法、インクジェット法などの湿式法で成膜し、金属箔などのバリア性の高いフィルムで封止する方法が特許文献3等で提案されている。このように有機EL素子には、より確実性の高い封止方法が望まれている。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−182759号公報
【特許文献2】
特開平5−36475号公報
【特許文献3】
特開2002−50470号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、薄型・軽量の有機EL素子を低コストに作製し、かつ外部からの水分を遮断し、長期にわたり有機EL素子の劣化を抑制することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1に係る第1の発明は、透光性基材上に、少なくとも透明導電層、有機発光媒体層、陰極層を順次積層し、接着層を介して金属箔が積層されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、当該金属箔の接着層側の表面粗さRaが10nmから1000nmの範囲であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0012】
請求項2に係る第2の発明は、前記金属箔は圧延箔であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0013】
請求項3に係る第3の発明は、前記接着層は前記金属箔の全面に積層されていることを特徴とする請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0014】
請求項4に係る第4の発明は、前記透光性基材がガラス基材であり、前記金属箔が硬質アルミニウム箔であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0015】
請求項5に係る第5の発明は、前記透光性基材がプラスチックフィルム基材であり、前記の金属箔が軟質アルミニウム箔であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の有機EL素子及びその製造工程の1例を、図1に基づいて説明する。
【0017】
まず初めに、透光性基材1の一方の面に、スパッタリング法等により陽極となる透明導電層2を形成した後に、フォトリソグラフィー法及びウエットエッチング法で透明導電層2をパターニングした(図1(a))。
【0018】
ここで、本実施の形態において、透光性基材1の材料としては、透光性と絶縁性を有する基材であれば如何なる基材も使用することができる。例えば、ガラスや石英や、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシート、または、これらプラスチックフィルムやシートの片面もしくは両面にに酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素金属酸化物や、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マグネシウム等の金属酸化物、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等の金属弗化物、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化クロムなどの金属窒化物、酸窒化珪素などの金属酸窒化物、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスなどの金属材料、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂などの高分子樹脂膜を、透光性に支障が無い範囲で、単層もしくは積層して用いることができる。基材に耐湿性を付与するためには特に、金属酸化物などの無機薄膜が透明性とバリア性において好ましいが、ピンホールなどの膜欠陥を生じやすく、たとえ厚膜化しても下地の膜欠陥を反映してしまうため、無機薄膜の単独膜ではなく、高分子樹脂膜などをあらかじめ積層して基板表面を整えておくことがより好ましい。
【0019】
また、これらの基材には、必要に応じて、あらかじめ加熱処理を行うことにより、基材内部や表面に吸着した水分を極力低減することがより好ましい。また、透光性基材1と透明導電層2との密着性を向上させるために、透光性基材1表面は、超音波洗浄処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施すことが好ましく、さらには透光性に支障が無い範囲内で、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素などの無機絶縁薄膜や、クロム、チタンなどの金属薄膜などの薄膜を挿入することがより好ましい。
【0020】
陽極となる透明導電層2の材料としては、透光性があって薄膜化可能な導電性のある物質、具体的にはITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物や、金、白金などの金属材料や、これら金属酸化物や金属材料の微粒子をエポキシ樹脂やアクリル樹脂などに分散した微粒子分散膜を、単層もしくは積層して使用することができる。また、透明導電層の配線抵抗を低くするために、銅やアルミニウムなどの金属材料を補助電極として、透明導電層に併設してもよい。
【0021】
透明導電層2の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法などを用いることができる。透明導電層2のパターニング方法としては、材料や成膜方法に応じて、マスク蒸着法、フォトリソグラフィー法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法などの既存のパターニング法を用いることができる。
【0022】
次に、有機発光媒体層3及び陰極層4を順次成膜する(図1(b))。
【0023】
本発明における有機発光媒体層3としては、蛍光物質を含む単層膜、あるいは多層膜で形成することができる。多層膜で形成する場合の有機発光媒体層の構成例は正孔注入輸送層、電子輸送性発光層または正孔輸送性発光層、電子輸送層からなる2層構成や正孔注入輸送層、発光層、電子輸送層からなる3層構成等がある。さらにより多層で形成することも可能であり、各層を透明導電層2上に順に成膜する。以下に各層の具体的な材料を列挙するが、一般的に用いられている材料であれば特に制約はない。
【0024】
正孔注入輸送材料の例としては、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系低分子正孔注入輸送材料やポリチオフェン、ポリアニリン等の高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
【0025】
発光材料の例としては、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等の低分子材料や、ポリフルオレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェンなどの高分子材料、その他既存の発光材料を用いることができる。
【0026】
有機電子輸送材料の例としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、および浜田らの合成したオキサジアゾール誘導体(日本化学会誌、1540頁、1991年)やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、特開平7−90260号で述べられているトリアゾール化合物等が挙げられる。
【0027】
有機発光媒体層3の形成方法は、材料に応じて、真空蒸着法や、スピンコート、スプレーコート、フレキソ、グラビア、マイクログラビア、凹版オフセットなどのコーティング法、印刷法を用いることができる。有機発光媒体層の膜厚は、単層または積層により形成する場合においても1000nm以下であり、有機EL素子全体の薄型化のためにも好ましくは50〜150nmである。
【0028】
陰極層4の材料としては電子注入効率の高い物質を用いる。具体的にはMg、Al、Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li、LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いる。または電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系が用いられる。具体的にはMgAg、AlLi、CuLi等の合金が使用できる。
【0029】
陰極の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。陰極の厚さは、10nm〜1000nm程度が望ましい。
【0030】
最後に、外部からの水分を遮断し、長期にわたり有機EL素子の劣化を抑制するために、接着層5を介して、金属箔6を積層する(図1(c))。
【0031】
接着層5の材料としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの酸変性物からなる熱可塑性接着性樹脂などを用いることができる。特に、耐湿性、耐水性に優れ、硬化時の収縮が少ないエポキシ系熱硬化型接着性樹脂を用いることが好ましい。
【0032】
また、接着層5の形成方法としては、材料に応じて、ロールコート、スピンコート、スクリーン印刷法、スプレーコートなどのコーティング法、印刷法を用いることができる。また、接着層5内部の含有水分を除去するために、酸化バリウムや酸化カルシウムなどの乾燥剤を混入してもよい。
金属箔として軟質アルミニウム箔を使用する際は特に、陰極層及びその周囲全面に接着層となる樹脂材料を塗布することが望ましい。これによって完成後の有機EL素子が平滑で均一な厚みになり、また有機EL素子内に余分な気体や水分が残留するのを防止できる。
【0033】
金属箔6の材料としては、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属材料や、ステンレス、アルミニウム合金などの合金材料を用いることができる。箔加工性のある金属または合金を用いることが好ましく、柔軟で箔加工性やコストの面で優れ、比重が小さく、腐食に強いアルミニウムが最も好ましい。
また、製造時の取り扱いを容易にするために、基材としてポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどのフィルムをあらかじめラミネートしたアルミニウム箔を用いても良いが、この場合、有機EL素子と反対側の面(すなわち外側)にラミネートすることが望ましい。
【0034】
また、アルミニウム箔の製造は通常、最終工程において2枚のアルミニウム箔を重ねながら圧延する(重合圧延)ため、圧延ロールに接触する面が鏡面光沢(つや面)を有し、2枚の箔が互いに接触する面が微細な凹凸を有するつやの無い白色光沢(けし面)となる。そのため、つやの無いけし面を接着層5側に配置すると接触面積が向上するため、より強い接着力が得られ、長期にわたり有機EL素子の劣化を抑制することができるため、より好ましい。
接着層側に配置される、アルミニウム箔のつやの無いけし面の表面粗さRaは10nm以上必要であり、より好ましくは50nm、最も好ましくは100nm以上である。この値が小さいと、つや面について比較例で示したように、接着層との剥離が起きやすく、有機EL素子に発光不良が生じる原因となる。表面粗さRaは粗い方が接着層との接触面積が広がるのでより大きな接着力を得ることができ好ましいが、あまり凹凸が大きいと、接着剤が凹凸を埋められなくなり隙間が生じる、ピンホールが発生する、有機EL素子が傷ついたりするなどの不都合が生じない程度であることが必要であり、上限は1000nm程度である。
アルミニウム箔の厚さは、取り扱いの面で5μm以上あれば良いが、アルミニウム箔のピンホールを予防するためには15μm以上であることが望ましい。
【0035】
アルミニウム箔の製造時には、圧延工程で付着した圧延油を除去するために熱処理が行われるが、この処理を行うとアルミニウム箔は軟質状態となる。この軟質アルミニウム箔は柔軟性があるため、ロール圧着に適している。従って有機EL素子の基材として可撓性のあるプラスチックフィルム等を用い、封止に軟質アルミニウム箔を使用すれば、全ての製造工程をロール巻き取りで行うことができるため大量生産に非常に有利である。
【0036】
また、透光性基材として、一般に多用されているガラス基材等、ある程度の硬度を有する基材を用いた場合は、熱処理を行っていない硬質アルミニウム箔を用いると、金属箔のしわやよれを防げるだけではなく、有機EL素子のそりも防止することができ、より高品質の有機EL素子を提供することができる。この場合、圧延油はアセトンなどの有機溶剤や、UVオゾン洗浄、プラズマ洗浄などにより除去することが、より好ましい。
【0037】
【実施例】
実施の形態に基づいた実施例1及び比較例1、2を図1に従って説明する。
【0038】
<実施例1>
まず、透光性基材1として、ガラス基材を用い、スパッタリング法で透明導電層2としてITO膜を150nm形成した後に、フォトリソグラフィー法及びウェットエッチング法によって、ITO膜をパターンニングした(図1(a))。
次に、有機発光媒体層3として、正孔輸送層にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物(20nm)、蛍光体層にポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシロキシ)−1,4−フェニレン ビニレン](MEHPPV)(100nm)をそれぞれスピンコート法により形成した後に、陰極層4として、真空蒸着法によりCa(20nm)とAg(200nm)をこの順に積層形成した(図1(b))。次に、接着層5としてエポキシ樹脂系熱硬化型接着剤を積層した後に、金属箔6として硬質アルミニウム箔(50μm)の片面つや品を用い、つやの無いけし面を接着層5側に積層することにより、有機EL素子を作製した(図1(c))。このアルミニウム箔のつやの無いけし面の表面粗さはRa=470nm、つや面の表面粗さRaは1nm以下であった。得られたEL素子は、60℃90RH%恒温恒湿層中で1000時間保存しても、アルミニウム箔の剥離は生じなかった。
【0039】
<実施例2>
実施例1に記載した有機EL素子において、透光性基材1としてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み100μm)上に、アクリル樹脂(厚み3μm)、酸化ケイ素(厚み100nm)、アクリル樹脂(厚み3μm)、チッ化ケイ素(厚み1nm)、ITO(厚み150nm)を順に積層した導電性バリア基材を用い、金属箔として硬質アルミニウム箔に換えて軟質アルミニウムを積層した。
得られたEL素子は、60℃90RH%恒温恒湿層中で1000時間保存しても、アルミニウム箔の剥離は生じなかった。
【0040】
<比較例1>
実施例1に記載した有機EL素子において、アルミニウム箔を積層する際に、つやのある面を接着層6側に積層して作製した。得られた有機EL素子を、60℃90RH%恒温恒湿層中で1000時間保存した結果、アルミニウム箔の端部において、接着層との界面で剥離が生じ、有機EL素子に非発光部が発生した。
【0041】
<比較例2>
実施例1に記載した有機EL素子において、硬質アルミニウム箔に換えて軟質アルミニウム箔を積層した。得られた有機EL素子は、封止の取り扱い時に、軟質アルミニウム箔にしわが生じてしまい、60℃90RH%恒温恒湿層中で1000時間保存した結果、軟質アルミニウム箔に生じたしわ部分から、水分が侵入し、有機EL素子に非発光部が発生した。
【0042】
<比較例3>
実施例2に記載した有機EL素子において、軟質アルミニウム箔に換えて硬質アルミニウム箔を積層した。得られた有機EL素子は、ロール巻き取り時に硬質アルミニウム箔にそりが生じたため有機EL素子にアルミニウム箔を均一に貼り合わせることができなかった。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、有機EL素子を金属箔で封止する際に、金属箔のつやの無い面を接着層側に積層することにより、外部からの水分を遮断し、長期にわたり有機EL素子の劣化を抑制し、かつ薄型・軽量・低コストの有機EL素子を提供できる。アルミニウムは柔軟で加工性に優れ、軽量で腐食にも強くさびにくいため、有機EL素子を封止する金属箔として用いるのに最も好ましい。アルミニウム箔として、硬質アルミニウム箔を使用することにより、しわや傷がつきにくいため、ガラス基板上に作製した有機EL素子でも容易に封止することができる。また、アルミニウム箔として、軟質アルミニウム箔を使用することにより、柔軟性に優れ、プラスチックフィルム上に作製した有機EL素子でも容易に封止することができる。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の断面構造の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1…透光性基材
2…透明導電層
3…有機発光媒体層
4…陰極層
5…接着層
6…金属箔
6a…金属箔のけし面(凹凸面)
6b…金属箔のつや面(平滑面)

Claims (5)

  1. 透光性基材上に、少なくとも透明導電層、有機発光媒体層、陰極層を順次積層し、接着層を介して金属箔が積層されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、当該金属箔の接着層側の表面粗さRaが10nmから1000nmの範囲であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記金属箔は圧延箔であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記接着層は前記金属箔の全面に積層されていることを特徴とする請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記透光性基材がガラス基材であり、前記金属箔が硬質アルミニウム箔であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記透光性基材がプラスチックフィルム基材であり、前記の金属箔が軟質アルミニウム箔であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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