JP2004160987A - ガスバリア性多層構造物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メタキシリレンジアミンとα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を主成分として重縮合して得られるポリアミド樹脂であって、脱偏光光度法における定温結晶化による半結晶化時間が特定の範囲である結晶性のポリアミド樹脂を含む少なくとも1層のガスバリア層および少なくとも1層の熱可塑性樹脂層が積層してなるガスバリア性多層構造物、並びに該多層構造物を使用してなる多層容器。
【選択図】 無
Description
ナイロンMXD6は、その他のガスバリア性樹脂と比べて溶融時の熱安定性が良好であることから、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと省略する)、ナイロン6およびポリプロピレンなど種々の熱可塑性樹脂との共押出や共射出成形等が可能であり、多層構造物を構成するガスバリア層としての利用が最近積極的に進められている。
また、本発明は、前記多層構造物を利用してなる多層容器に関する。
従って、本発明においては、酸素透過係数が0.1〜1.5ml・mm/m2・day・MPaを満たすポリアミド樹脂を使用し、且つ多層構造物総厚みに対するガスバリア層(A)の厚み比率が1〜50%である多層構造物を得る事で、ガスバリア性能と良好な二次加工性、および良好な機械物性を兼ね備えた多層構造物を得る事が出来る。 上記厚み比が1%未満であると、多層構造物のガスバリア性能が充分に得られなくなる。厚み比が50%を超えると充分なガスバリア性能が得られるが、深絞り等の二次加工性が低下するため好ましくない。
(1)相対粘度
ポリアミド樹脂1gを精秤し、96%硫酸100mlに20〜30℃で攪拌溶解した。完全に溶解した後、速やかにキャノンフェンスケ型粘度計に溶液5mlを採り、25℃±0.03℃の恒温槽中で10分放置後、落下時間(t)を測定した。また96%硫酸そのものの落下時間(t0)も同様に測定した。tおよびt0から次式(A)により相対粘度を求めた。
相対粘度=t/t0 ・・・(A)
(2)半結晶化時間
脱偏光光度法により測定した。
使用したポリマー結晶化速度測定装置は、(株)コタキ製作所製、型式:MK701であり以下の条件で測定した。
試料溶融温度:260℃
試料溶融時間:3分
結晶化浴温度:160℃
(3)ポリマー融点
(株)島津製作所製流速示差走査熱量計DSC‐50により、以下の条件にて測定した。
標準物質:α−アルミナ
試料量:10mg
昇温速度:10℃/分
測定温度範囲:25〜300℃
雰囲気:窒素ガス 30ml/分
(4)曇価、黄色度の測定
JIS K−7105(ASTM D−1003)に準じて測定した。
測定装置は、日本電色工業(株) 色差・濁度測定装置 COH−300Aを使用した。
(5)酸素透過係数/酸素透過率
JIS K−7126(ASTM D3985)に準じて測定した。使用した測定機器は、モダンコントロールズ社製酸素透過率測定装置(型式:OX−TRAN 10/50A)であり、測定条件は、23℃、相対湿度60%で行った。
撹拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付反応缶に、モル比でアジピン酸が96モル%とイソフタル酸が4モル%となる様に投入し、十分窒素置換した後、さらに窒素気流下で170℃まで昇温してジカルボン酸を流動状態とした後、メタキシリレンジアミンを撹拌下に滴下した。この間、内温を連続的に245℃まで昇温させ、またメタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミン滴下終了後、内温を連続的に255℃まで昇温し、15分間反応を継続した。その後、反応系内圧を600mmHg(80.0kPa)まで10分間で連続的に減圧し、その後、40分間反応を継続した。この間、反応温度を260℃まで連続的に昇温させた。
得られたポリアミド1の相対粘度は2.5、融点は234℃、ガラス転移点91℃であった。ポリアミド1をTダイ付きの単軸小型押出機(東洋精機製作所製ラボプラストミル)にて単層無延伸フィルムを作製した。得られたフィルムの半結晶化時間は、47秒であった。フィルムの酸素透過係数は、0.7ml・mm/m2・day・MPaであった。
得られた容器に水を入れて、ヒートシール層を有するアルミ箔を被せて、ヒートシールマシーンにより溶着密閉した状態での容器の23℃、外気相対湿度50%RHでの酸素透過率は、0.006ml/容器・day・0.02MPaであった。
水を入れた容器をレトルト処理用のオートクレーブ((株)トミー精工製)を用いて120℃で30分間加圧熱水処理を行った。加圧熱水処理後の容器底部の曇価は30%であり、加圧熱水処理後も本実施例の容器は、良好な透明性と原形を保っている事を確認できた。加圧熱水処理後にアルミ箔を剥がして容器内部の臭いを嗅いだが、特に臭気は感じられなかった。
(A)層に用いるポリアミド樹脂のジカルボン酸成分を、アジピン酸94モル%、イソフタル酸6モル%とした以外は、実施例1と同様にポリアミド樹脂(ポリアミド2)の合成、単層無延伸フィルム、多層シートおよび容器の作製を行った。
得られたポリアミド2の相対粘度は2.5、融点は232℃、ガラス転移点92℃であった。単層無延伸フィルムの半結晶化時間は、62秒であった。フィルムの酸素透過係数は、0.7ml・mm/m2・day・MPaであった。
シート作成時の各樹脂の押出温度は、(A)層が240℃、接着層が220℃、(B)層が240℃であり、フィードブロック温度は245℃とした。押出し時のポリプロピレン劣化による臭気は僅かであった。
得られた多層シートの曇価は、26%、黄色度は、0.9であった。シートの全厚みは0.8mm、(A)層の厚みは0.04mmであった。
容器への熱成形性は非常に良好であり、(A)層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。容器底部の曇価は、26%であった。
得られた容器に水を入れて、ヒートシール層を有するアルミ箔を被せて、ヒートシールマシーンにより溶着密閉した状態での容器の23℃、外気相対湿度50%RHでの酸素透過率は、0.006ml/容器・day・0.02MPaであった。
水を入れた容器を実施例1と同様に加圧熱水処理を行った。加圧熱水処理後の容器底部の曇価は28%であり、加圧熱水処理後も本実施例の容器は、良好な透明性と原形を保っている事を確認できた。加圧熱水処理後にアルミ箔を剥がして容器内部の臭いを嗅いだが、特に臭気は感じられなかった。
(A)層に用いるポリアミド樹脂のジカルボン酸成分を、アジピン酸85モル%、イソフタル酸15モル%とした以外は、実施例1と同様にポリアミド樹脂(ポリアミド3)の合成、単層無延伸フィルム、多層シートおよび容器の作製を行った。
得られたポリアミド3の相対粘度は2.5、融点は216℃、ガラス転移点98℃であった。単層無延伸フィルムの半結晶化時間は、455秒であった。フィルムの酸素透過係数は、0.7ml・mm/m2・day・MPaであった。
シート作成時の各樹脂の押出温度は、(A)層が230℃、接着層が220℃、(B)層が240℃であり、フィードブロック温度は235℃とした。押出し時のポリプロピレン劣化による臭気は極僅かであった。
得られた多層シートの曇価は、27%、黄色度は、0.9であった。シートの全厚みは0.8mm、(A)層の厚みは0.04mmであった。
容器への熱成形性は非常に良好であり、(A)層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。容器底部の曇価は、28%であった。
得られた容器に水を入れて、ヒートシール層を有するアルミ箔を被せて、ヒートシールマシーンにより溶着密閉した状態での容器の23℃、外気相対湿度50%RHでの酸素透過率は、0.006ml/容器・day・0.02MPaであった。
水を入れた容器を実施例1と同様に加圧熱水処理を行った。加圧熱水処理後の容器底部の曇価は28%であり、加圧熱水処理後も本実施例の容器は、良好な透明性と原形を保っている事を確認できた。加圧熱水処理後にアルミ箔を剥がして容器内部の臭いを嗅いだが、特に臭気は感じられなかった。
(A)層に用いるポリアミド樹脂のジカルボン酸成分を、アジピン酸80モル%、イソフタル酸20モル%とした以外は、実施例1と同様にポリアミド樹脂(ポリアミド4)の合成、単層無延伸フィルム、多層シートおよび容器の作製を行った。
得られたポリアミド4の相対粘度は2.4、融点は207℃、ガラス転移点102℃であった。単層無延伸フィルムの半結晶化時間は、1570秒であった。フィルムの酸素透過係数は、0.8ml・mm/m2・day・MPaであった。
シート作成時の各樹脂の押出温度は、(A)層が220℃、接着層が220℃、(B)層が240℃であり、フィードブロック温度は235℃とした。押出し時のポリプロピレン劣化による臭気は極僅かであった。
得られた多層シートの曇価は、29%、黄色度は、1.0であった。シートの全厚みは0.8mm、(A)層の厚みは0.04mmであった。
容器への熱成形性は非常に良好であり、(A)層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。容器底部の曇価は、29%であった。
得られた容器に水を入れて、ヒートシール層を有するアルミ箔を被せて、ヒートシールマシーンにより溶着密閉した状態での容器の23℃、外気相対湿度50%RHでの酸素透過率は、0.007ml/容器・day・0.02MPaであった。
水を入れた容器を実施例1と同様に加圧熱水処理を行った。加圧熱水処理後の容器底部の曇価は32%であり、加圧熱水処理後も本実施例の容器は、良好な透明性と原形を保っている事を確認できた。加圧熱水処理後にアルミ箔を剥がして容器内部の臭いを嗅いだが、特に臭気は感じられなかった。
多層シートの全厚みを0.8mm、(A)層の厚みを0.10mmとした以外は、実施例2と同様に多層シートおよび容器の作製を行った。
得られた多層シートの曇価は、26%、黄色度は、0.9であった。
容器への熱成形性は非常に良好であり、(A)層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。容器底部の曇価は、26%であった。
得られた容器に水を入れて、ヒートシール層を有するアルミ箔を被せて、ヒートシールマシーンにより溶着密閉した状態での容器の23℃、外気相対湿度50%RHでの酸素透過率は、0.003ml/容器・day・0.02MPaであった。
水を入れた容器を実施例1と同様に加圧熱水処理を行った。加圧熱水処理後の容器底部の曇価は28%であり、加圧熱水処理後も本実施例の容器は、良好な透明性と原形を保っている事を確認できた。加圧熱水処理後にアルミ箔を剥がして容器内部の臭いを嗅いだが、特に臭気は感じられなかった。
(A)層に用いるポリアミド樹脂として、ポリアミド2を97質量部と、層状珪酸塩[白石工業(株)製「オルベン」(膨潤化剤として、トリメチルオクタデシルアンモニウムを34wt%含有)]を3質量部ドライブレンドした後、逆エレメントによる滞留部を設けたスクリューを設置したシリンダー径20mmφの同方向回転型二軸押出機に6kg/hrの速度で上記材料を供給し、シリンダー温度270℃の条件で溶融混練を行い、押出機ヘッドからストランド押し出し、冷却後、ペレタイズ化して得た複合ポリアミド樹脂(ポリアミド9)を用いた以外は、実施例2と同様に単層無延伸フィルム、多層シートおよび容器の作製を行った。
ポリアミド9の相対粘度は2.5、融点は232℃、ガラス転移点92℃であった。単層無延伸フィルムの半結晶化時間は、58秒であった。フィルムの酸素透過係数は、0.4ml・mm/m2・day・MPaであった。
シート作成時の各樹脂の押出温度は、(A)層が240℃、接着層が220℃、(B)層が240℃であり、フィードブロック温度は245℃とした。押出し時のポリプロピレン劣化による臭気は僅かであった。
得られた多層シートの曇価は、26%、黄色度は、1.0であった。シートの全厚みは0.8mm、(A)層の厚みは0.04mmであった。
容器への熱成形性は非常に良好であり、(A)層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。容器底部の曇価は、26%であった。
得られた容器に水を入れて、ヒートシール層を有するアルミ箔を被せて、ヒートシールマシーンにより溶着密閉した状態での容器の23℃、外気相対湿度50%RHでの酸素透過率は、0.004ml/容器・day・0.02MPaであった。
水を入れた容器を実施例1と同様に加圧熱水処理を行った。加圧熱水処理後の容器底部の曇価は28%であり、加圧熱水処理後も本実施例の容器は、良好な透明性と原形を保っている事を確認できた。加圧熱水処理後にアルミ箔を剥がして容器内部の臭いを嗅いだが、特に臭気は感じられなかった。
(A)層に用いるポリアミド樹脂のジカルボン酸成分を、アジピン酸100モル%とした以外は、実施例1と同様にポリアミド樹脂(ポリアミド5)の合成、単層無延伸フィルム、多層シートおよび容器の作製を行った。
得られたポリアミド5の相対粘度は2.6、融点は240℃、ガラス転移点88℃であった。単層無延伸フィルムの半結晶化時間は、25秒であった。フィルムの酸素透過係数は、0.9ml・mm/m2・day・MPaであった。
シート作成時の各樹脂の押出温度は、(A)層が260℃、接着層が220℃、(B)層が240℃であり、フィードブロック温度は255℃とした。ポリプロピレン劣化による臭気が発生し、樹脂吐出部では白煙が観察された。
得られた多層シートの曇価は、33%、黄色度は、1.2であった。シートの全厚みは0.8mm、(A)層の厚みは0.04mmであった。
容器への熱成形性時には、(A)層の結晶化による伸びムラや部分的な白化がみられ、中間層の厚みも不均一なものであった。白化部分以外の容器底部の曇価は、52%であった。
得られた容器に水を入れて、ヒートシール層を有するアルミ箔を被せて、ヒートシールマシーンにより溶着密閉した状態での容器の23℃、外気相対湿度50%RHでの酸素透過率は、0.009ml/容器・day・0.02MPaであった。
水を入れた容器を実施例1と同様に加圧熱水処理を行った。加圧熱水処理後の容器底部の曇価は55%であり、加圧熱水処理による容器の変形はなかった。加圧熱水処理後にアルミ箔を剥がして容器内部の臭いを嗅いだところ、劣化した樹脂の臭気がした。
(A)層に用いるポリアミド樹脂のジカルボン酸成分を、アジピン酸98モル%、イソフタル酸2モル%とした以外は、実施例1と同様にポリアミド樹脂(ポリアミド6)の合成、単層無延伸フィルム、多層シートおよび容器の作製を行った。
得られたポリアミド6の相対粘度は2.6、融点は237℃、ガラス転移点90℃であった。単層無延伸フィルムの半結晶化時間は、35秒であった。フィルムの酸素透過係数は、0.7ml・mm/m2・day・MPaであった。
シート作成時の各樹脂の押出温度は、(A)層が260℃、接着層が220℃、(B)層が240℃であり、フィードブロック温度は255℃とした。ポリプロピレン劣化による臭気が発生し、樹脂吐出部では白煙が観察された。
得られた多層シートの曇価は、32%、黄色度は、1.2であった。シートの全厚みは0.8mm、(A)層の厚みは0.04mmであった。
容器への熱成形性時には、(A)層の結晶化による伸びムラや部分的な白化がみられ、中間層の厚みも不均一なものであった。白化部分以外の容器底部の曇価は、41%であった。
得られた容器に水を入れて、ヒートシール層を有するアルミ箔を被せて、ヒートシールマシーンにより溶着密閉した状態での容器の23℃、外気相対湿度50%RHでの酸素透過率は、0.006ml/容器・day・0.02MPaであった。
水を入れた容器を実施例1と同様に加圧熱水処理を行った。加圧熱水処理後の容器底部の曇価は50%であり、加圧熱水処理による容器の変形はなかった。加圧熱水処理後にアルミ箔を剥がして容器内部の臭いを嗅いだところ、劣化した樹脂の臭気がした。
(A)層に用いるポリアミド樹脂として、ポリアミド6を70重量%と非晶ナイロン樹脂(三井・デュポンケミカル株式会社製、SELAR PA)を30重量%の混合物とした以外は、実施例1と同様に単層無延伸フィルム、多層シートおよび容器の作製した。
単層無延伸フィルムの半結晶化時間は、297秒であった。フィルムの酸素透過係数は、1.6ml・mm/m2・day・MPaであった。
シート作成時の各樹脂の押出温度は、(A)層が260℃、接着層が220℃、(B)層が240℃であり、フィードブロック温度は255℃とした。ポリプロピレン劣化による臭気が発生し、樹脂吐出部では白煙が観察された。
得られた多層シートの曇価は、36%、黄色度は、1.2であった。シートの全厚みは0.8mm、(A)層の厚みは0.04mmであった。
容器への熱成形性は良好であり、(A)層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。容器底部の曇価は、30%であった。
得られた容器に水を入れて、ヒートシール層を有するアルミ箔を被せて、ヒートシールマシーンにより溶着密閉した状態での容器の23℃、外気相対湿度50%RHでの酸素透過率は、0.014ml/容器・day・0.02MPaであった。
水を入れた容器を実施例1と同様に加圧熱水処理を行った。加圧熱水処理後の容器底部の曇価は30%であり、加圧熱水処理による変形は無かった。加圧熱水処理後にアルミ箔を剥がして容器内部の臭いを嗅いだところ、劣化した樹脂の臭気がした。
(A)層に用いるポリアミド樹脂のジカルボン酸成分を、アジピン酸75モル%、イソフタル酸25モル%とした以外は、実施例1と同様にポリアミド樹脂(ポリアミド7)の合成、単層無延伸フィルム、多層シートおよび容器の作製を行った。
得られたポリアミド7の相対粘度は2.5、融点は検出されず、ガラス転移点105℃であった。単層無延伸フィルムは、160℃の定温結晶化条件で、2000秒以上経過しても結晶化による脱偏光が観察されなかった。フィルムの酸素透過係数は、0.9ml・mm/m2・day・MPaであった。
シート作成時の各樹脂の押出温度は、(A)層が220℃、接着層が220℃、(B)層が220℃であり、フィードブロック温度は230℃とした。押出し時のポリプロピレン劣化による臭気は極僅かであった。
得られた多層シートの曇価は、28%、黄色度は、2.2であった。シートの全厚みは0.8mm、(A)層の厚みは0.04mmであった。
容器への熱成形性は非常に良好であり、(A)層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。容器底部の曇価は、26%であった。
得られた容器に水を入れて、ヒートシール層を有するアルミ箔を被せて、ヒートシールマシーンにより溶着密閉した状態での容器の23℃、外気相対湿度50%RHでの酸素透過率は、0.009ml/容器・day・0.02MPaであった。
水を入れた容器を実施例1と同様に加圧熱水処理を行った。加圧熱水処理後の容器底部の曇価は35%であり、加圧熱水処理後に容器は変形していた。加圧熱水処理後にアルミ箔を剥がして容器内部の臭いを嗅いだが、特に臭気は感じられなかった。
(A)層に用いるポリアミド樹脂のジカルボン酸成分を、アジピン酸60モル%、イソフタル酸40モル%とした以外は、実施例1と同様にポリアミド樹脂(ポリアミド8)の合成、単層無延伸フィルム、多層シートおよび容器の作製を行った。
得られたポリアミド8の相対粘度は2.3、融点は検出されず、ガラス転移点115℃であった。単層無延伸フィルムは、160℃の定温結晶化条件で、2000秒以上経過しても結晶化による脱偏光が観察されなかった。フィルムの酸素透過係数は、1.0ml・mm/m2・day・MPaであった。
シート作成時の各樹脂の押出温度は、(A)層が200℃、接着層が220℃、(B)層が220℃であり、フィードブロック温度は215℃とした。押出し時のポリプロピレン劣化による臭気は極僅かであった。
得られた多層シートの曇価は、26%、黄色度は、2.4であった。シートの全厚みは0.8mm、(A)層の厚みは0.04mmであった。(A)層の酸素透過係数は、1.0ml・mm/m2・day・MPaであった。
容器への熱成形性は非常に良好であり、(A)層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。容器底部の曇価は、30%であった。
得られた容器に水を入れて、ヒートシール層を有するアルミ箔を被せて、ヒートシールマシーンにより溶着密閉した状態での容器の23℃、外気相対湿度50%RHでの酸素透過率は、0.010ml/容器・day・0.02MPaであった。
水を入れた容器を実施例1と同様に加圧熱水処理を行った。加圧熱水処理後の容器底部の曇価は41%であった。加圧熱水処理後に容器は変形しており、一部中間層がはみ出していた。
Claims (9)
- メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸80〜97モル%とイソフタル酸3〜20モル%を含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミド樹脂であって、脱偏光光度法における定温結晶化による半結晶化時間が、測定温度範囲(該ポリアミド樹脂のガラス転移点以上、融点未満)における最短時間として40〜2000秒の範囲である結晶性のポリアミド樹脂を含む少なくとも1層のガスバリア層(A)および少なくとも1層の熱可塑性樹脂層(B)が積層してなるガスバリア性多層構造物。
- (A)層に用いるポリアミド樹脂の23℃、相対湿度60%条件下での酸素透過係数が、0.1〜1.5ml・mm/m2・day・MPaである請求項1記載のガスバリア性多層構造物。
- (A)層に用いるポリアミド樹脂の融点が180〜235℃である請求項1または2記載のガスバリア性多層構造物。
- (A)層に用いるポリアミド樹脂のガラス転移点が85〜110℃である請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性多層構造物。
- (B)層に用いる熱可塑性樹脂のビカット軟化点(JIS K−7206)がTg〜Tg+70℃(Tgは(A)層に用いるポリアミド樹脂のガラス転移点)である請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア性多層構造物。
- (B)層に用いる熱可塑性樹脂がポリオレフィンである請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性多層構造物。
- 多層構造物総厚みに対するガスバリア層(A)の厚み比率が1〜50%である請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性多層構造物。
- ガスバリア層(A)と熱可塑性樹脂層(B)を、接着性樹脂層を介して積層したものである請求項1〜7のいずれかに記載のガスバリア性多層構造物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のガスバリア性多層構造物を少なくとも一部に使用してなる多層容器。
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