JP2004151375A - 印刷システム - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置の画像処理系統の負担増や処理内容の複雑化を招くことなく、高画質の印刷画像を得る。
【解決手段】電子写真記録装置等の画像形成装置100を含む印刷システムにおいて、印刷データを展開した画素データから印字率(画像面積比率)または画像密度を算出し、その印字率または画像密度に基づいて、画像形成装置100のトナー補給量と、トナー補給を開始するトナー濃度閾値(またはトナー濃度センサの出力値)の変補正を行って、トナー補給動作と画像形成動作に係る画像形成装置100の動作順序を変更することで、トナー補給量の過不足に伴うトナー濃度の上昇またはトナー濃度の低下を防ぎ、常に安定した画質が得られるようにする。
【選択図】図2
【解決手段】電子写真記録装置等の画像形成装置100を含む印刷システムにおいて、印刷データを展開した画素データから印字率(画像面積比率)または画像密度を算出し、その印字率または画像密度に基づいて、画像形成装置100のトナー補給量と、トナー補給を開始するトナー濃度閾値(またはトナー濃度センサの出力値)の変補正を行って、トナー補給動作と画像形成動作に係る画像形成装置100の動作順序を変更することで、トナー補給量の過不足に伴うトナー濃度の上昇またはトナー濃度の低下を防ぎ、常に安定した画質が得られるようにする。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真記録装置等の画像形成装置を含む印刷システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真記録装置においては、プリンタコントローラとプリンタエンジンとの間に画素置換回路を挿入し、プリンタコントローラからの、白黒二値の低解像度のビデオ信号から高解像度のビデオ信号を生成し、そのビデオ信号でレーザー書込手段を駆動して静電潜像を形成し、電子写真記録手段で記録するという構成により、印刷プログラムを変更することなく、簡易な回路要素の付加によって印刷品質の良質な画像記録を実現している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような従来技術では、プリンタコントローラからの、白黒2値の低解像度のビデオ信号を、数ライン分だけ一時ラインメモリに格納し、レーザで記録するドットに対応する画素データ、及び、その周囲のドットに対応する画素データから、記録するドットの属性情報を場合分けし、それに対応する高解像度のビデオ信号を生成し、低解像度のビデオ信号を置換してプリンタエンジンに出力している。なお、属性情報とは、記録するドットがどのような図形の一部であるかを示すもので、通常十数通り程度の場合が定義され、それぞれに対応した高解像度のビデオ信号も事前に定義される情報のことである。
【0004】
ところが、上記の画像記録の技術では、電子写真記録手段の印刷濃度の変動について配慮がなされていないため、印刷濃度が濃い時は、印刷画像の細部が潰れたり、線幅が太くなってしまう。逆に、印刷濃度が薄い時には、印刷画像の細部が擦れたり、線幅が細くなったりする。
【0005】
次に、電子写真画像記録装置に用いられる2成分現像器の構成を図4を参照しながら説明する。
【0006】
現像器33内部には磁性キャリアとトナーが一定の割合(トナー濃度数%)で混合された現像剤が収容されており、印刷が実行されると、現像スリーブ33aから、感光体ドラム32にトナーだけが転移して現像されるため、現像剤中のトナー濃度が低下する。現像剤は、帯電のために常に攪拌部材(攪拌羽根)303で攪拌されている。その現像剤流路に透磁率式のトナー濃度センサSが設置されており、現像剤のトナー濃度が設定値よりも低下すると、センサ出力に応じてトナー補給用のトナー補給ローラ(図示せず)が回転し、トナーホッパ(図示せず)に収容されているトナーを現像器33の内部へ供給するようになっている。
【0007】
しかしながら、このようなトナー補給制御を施しても、トナー濃度は目標値から変動し、トナー濃度が設定値より高くなると、現像量が増加し、印刷画像の細部が潰れたり、線幅が太くなってしまう。また、トナー濃度が設定値より低くなると、印刷画像の細部が擦れたり、線幅が細くなったりする。
【0008】
具体的に説明すると、上記のようなトナー補給量制御では、文字原稿のように印字面積率が3%〜10%程度の比較的トナー消費量が少ない複写作業の場合には、現像剤に対するトナー補給量が過剰になり、トナー飛散や複写物の地肌汚れ(BG低下)等の問題が発生する。これに対し、グラフィック原稿や写真原稿のように印字面積率が高く、トナー消費量の多い複写作業の場合には、トナー消費量が補給されるトナー量よりも多くなるので、コピー濃度低下が発生する。
【0009】
また、白ベタ原稿(階調レベルで 0/255レベル)の連続コピーから、ハーフトーン原稿(階調で48/255レベル)の連続コピーに移行した時、現像器内の現像スリーブ上のトナー濃度の推移は、図23に破線で示すように、初期トナー濃度に対して±1wt%の制御範囲内に収まる。図23に示すグラフでは、横軸はコピー枚数であり、縦軸は、初期トナー濃度を基準にした、現像器33内の現像スリーブ上のトナー濃度としている。また、マイナス側がトナー濃度の低くなる方向で、プラス側がトナー濃度の高くなる方向である。さらに、コピー枚数は白ベタ原稿からハーフトーン原稿へ移行した時を0としている。なお、トナー濃度センサの出力値変化は、図23の実線で繋いだ白抜円で示される。トナー濃度すなわちセンサ出力値が規定値を下回ると、センサ出力値がプラスに転化するまでの期間中はトナー補給信号が常に出力され、トナー補給動作が継続的に実行される。
【0010】
これに対して、白ベタ原稿の連続コピーから黒ベタ原稿の連続コピーに移行する場合は、約−1.3wt%まで低下し、アンダシュート(図23のA部分を参照)する。このアンダシュートの原因は、黒ベタ原稿のコピーが始まった直後では、まず、現像スリーブに近い側の現像剤から現像部へ供給されトナー濃度が低下し、次第に現像器全体にトナー濃度が低下した現像剤が分布する割合が増加するので、トナー濃度センサからトナー補給ローラ62へトナー補給信号が即座に出力されず、少し遅れてからトナー補給信号が出力されるため、しばらくの間はトナーが消費される一方、全くトナー補給が実行されず過少補給となるためである。なお、この場合は、コピー枚数は白ベタ原稿から黒ベタ原稿へ移行した時を0としてある。
【0011】
逆に、黒ベタ原稿の連続コピーから白ベタ原稿の連続コピーに移行する場合には、トナー濃度の制御がオーバシュート(図23のB部分を参照)してしまう。ここで、図23におけるB部分の最初の点が黒ベタ原稿から白ベタ原稿に移った枚数である。このオーバシュートの原因は次の通りである。
【0012】
黒ベタ連続コピー中は、トナー補給がトナー消費量に見合うように最大に近い状態で実行されるので、トナー濃度センサからはトナー補給信号が連続的に出力される状態となり、これを受けてトナー補給ローラ62は、トナー補給信号が出力されなくなるまで連続的に回転する。そのため、白ベタ原稿の連続コピーが始まっても、現像剤中のトナーはさほど消費されず、現像器の奥側(現像剤搬送方向の上流側)からトナー濃度の過剰が始まり、この現像剤が現像器内の手前側へと搬送され、トナー濃度センサによって検知されるまでの期間は最大補給が続けられるためにオーバーシュートが生じる。
【0013】
一方、従来の画像形成装置においては、トナー濃度センサがトナー濃度を検知し、トナー濃度が一定値以下になると、画像形成動作と並行してトナー補給が行われるので、トナー濃度センサからのトナー補給信号に基づいて、新たに現像器へ補給されたトナーが現像器内部で十分に混合・攪拌を受けずに、帯電が不十分なままで現像部に搬送・供給される可能性もある。すなわち、コピー条件によっては画像形成動作とトナー補給動作とが同時進行する場合が存在するため、上記のような画像欠陥発生が懸念されるほかに、画像形成動作の進行中にトナー消費量に対してトナー補給量が追従できない場合や、トナーエンプティによって画像形成装置の停止が発生し、作業者に対して多大な負担を強いることがある。
【0014】
通常、画像形成装置においては、印刷濃度の変動に対して、記録手段の印刷動作と並行してトナー補給制御を行っている。
【0015】
例えば、原稿の印字率を割り出し、その印字率の高低に基づいて、画像形成動作と同時進行するトナー補給動作でのトナ−補給を開始するトナー濃度レベルを切り換えることによって、トナー補給開始タイミングの遅速制御や、印字率の高低をトナー補給量に関連付け、現像器の攪拌継続時間の長短制御を行うことによって、トナ−濃度の低下を防ぎ、常に安定した画質を得る技術が提案がなされている(例えば、特許文献2参照。)。
【0016】
【特許文献1】
特開平8−310057号公報
【特許文献2】
特開平4−204468号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した提案技術のように、画像データの印字率に基づいてトナー補給制御を行うと、トナー補給制御の高精度化を図ることができるものの、画像形成動作と並行してトナー補給が行われるので、トナー濃度センサからのトナー補給信号に基づいて、新たに現像器へ補給されたトナーが現像器内部で十分に混合・攪拌を受けずに、帯電が不十分な状態のままで現像部へ搬送・供給される可能性もある。すなわち、コピー条件によっては画像形成動作とトナー補給動作とが同時進行する場合が存在するため、トナー飛散、黒班点等の画像欠陥が発生すると予想される。また、容量的に大きい画像データを扱う必要がある場合には、画像データから印字率を算出することが画像形成装置側の画像処理系統の負担増や処理速度低下に繋がることがある。
【0018】
本発明はそのような実情に鑑みてなされたもので、電子写真記録装置等の画像形成装置側の画像処理系統の負担増や処理内容の複雑化を招くことなく、印刷濃度の変動を抑制することができ、もって高画質の印刷画像を得ることが可能な印刷システムの提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の印刷システムは、印刷データを画素データに展開する画素データ展開部と、画像形成装置(電子写真記録装置)を使用して記録する画像の印字率を前記画素データから算出する印字率算出部と、前記印字率に基づいて画像形成装置の現像器へのトナー補給量、トナー補給を開始する現像器内のトナー濃度閾値、並びに、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序を制御する制御部と、低解像度のビデオ信号を高解像度のビデオ信号に置換する画素置換部と、前記画素データを前記ビデオ信号として画像形成装置へ送信する送信部とを備え、その送信部からのビデオ信号に応じて前記画像形成装置が印刷を行うように構成されていることによって特徴づけられる。
【0020】
この発明の印刷システムにおいては、画像形成装置に接続されたPC端末等の外部機器から印字命令としてデータを転送する際に、保有している画像データの送出とともに、画像データの画像面積比率(印字率)に基づいて変補正したトナー補給量、トナー濃度閾値、並びに、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序(トナー補給動作と画像形成動作のいずれを先行して実行するかの順序)を付属情報として送出する。
【0021】
そして、外部機器が保有している画像データを展開した画素データから印字率(画像面積比率)を割り出し、その印字率に基づいてトナー補給量及びトナー補給を開始するトナー濃度閾値の変補正を行って、画像形成装置の各動作(トナー補給動作と画像形成動作)の動作順序を変更することにより、トナー補給量の過不足に伴うトナー濃度の上昇またはトナー濃度の低下を防ぎ、常に安定した画質が得られるようにする。
【0022】
また、印字データの各ページ毎に上記制御項目の設定変更を可能とすることにより、トナー濃度変化に対して時間的に遅速なく対応することができるので、印字率変化に伴う画像濃度変化の防止を適切に行える。
【0023】
しかも、大容量の画像データを扱う必要がある場合でも、上記制御項目の設定変更を外部機器側で実行することにより、画像形成装置側に依存することがないので、電子写真装置側の画像処理系統の負担増加や、処理の速度低下に繋がることがない。
【0024】
この発明の印刷システムにおいて、前記印字率に基づく制御情報を、ビデオ信号出力(画像形成実行)よりも前に送出することにより、画像形成装置側(現像容器内)のトナー濃度変動を極力小さくすることができるので、潰れや擦れのない高画質な画像を得ることができる。また、トナー補給動作と画像形成動作とが時期的に分離され、トナー補給動作が画像形成動作と並行することなく独立的に行われるので、画像欠陥の発生防止を図ることができる。
【0025】
この発明の印刷システムにおいて、印字データの各ページの画像形成毎に印字率を割り出し、その印字率に基づいてトナー濃度の閾値を変更するようにしてもよい。このようにすれば、印字データの各ページの内容に応じて、トナーの補給開始の濃度を設定でき、過剰なトナー補給、または、画像濃度の低下を防止することが可能となる。
【0026】
この発明の印刷システムにおいて、印字データの各ページの画像形成毎に画像データの印字率を割り出し、その印字率に基づいてトナー補給時期を変更するようにしてもよい。このようにすれば、印字データの各ページの内容によっては、画像形成動作への移行前にトナーを補給することが可能となり、トナー濃度の低下による画像濃度の低下を防止することが可能となる。
【0027】
この発明の印刷システムにおいて、印字データの各ページの画像形成毎に画像データの印字率を割り出し、その印字率に基づいてトナーの攪拌継続時間を変更するようにしてもよい。このようにすれば、トナー補給量に見合う充分なトナー攪拌時間を確保することができるので、トナー帯電の安定化を図ることが可能となる。
【0028】
本発明の印刷システムは、印刷データを画素データに展開する画素データ展開部と、画像形成装置(電子写真記録装置)を使用して記録する画像の画像密度を前記画素データから算出する画像密度算出部と、前記画像密度に基づいて、画像形成装置の現像器へのトナー補給量、トナー補給を開始する現像器内のトナー濃度閾値、並びに、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序とを制御する制御部と、低解像度のビデオ信号を高解像度のビデオ信号に置換する画素置換部と、前記画素データを前記ビデオ信号として画像形成装置へ送信する送信部とを備え、その送信部からのビデオ信号に応じて前記画像形成装置が印刷を行うように構成されていることによって特徴づけられる。
【0029】
この発明の印刷システムにおいては、画像形成装置に接続されたPC端末等の外部機器から印字命令としてデータを転送する際に、保有している画像データの送出とともに、画像データの画像密度に基づいて変補正したトナー補給量、トナー濃度閾値、並びに、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序(トナー補給動作と画像形成動作のいずれを先行して実行するかの順序)を付属情報として送出する。
【0030】
そして、外部機器が保有している画像データを展開した画素データから画像密度を割り出し、その画像密度に基づいてトナー補給量及びトナー補給を開始するトナー濃度閾値の変補正を行って、画像形成装置の各動作(トナー補給動作と画像形成動作)の動作順序を変更することにより、トナー補給量の過不足に伴うトナー濃度の上昇またはトナー濃度の低下を防ぎ、常に安定した画質が得られるようにする。
【0031】
また、印字データの各ページ毎に上記制御項目の設定変更を可能とすることにより、トナー濃度変化に対して時間的に遅速なく対応することができるので、印字率変化に伴う画像濃度変化の防止を適切に行える。この発明のように画像密度で扱うと、多値画像に関して画素単位のトナー付着量レベルまで考慮することができるので、単純に印字率で扱うよりも高精度な制御が可能となる。
【0032】
さらに、この発明の印刷システムにおいては、大容量の画像データを扱う必要がある場合でも、上記制御項目の設定変更を外部機器側で実行することにより、画像形成装置側に依存することがないので、画像形成装置側の画像処理系統の負担増加や、処理の速度低下に繋がることがない。
【0033】
この発明の印刷システムにおいて、前記画像密度に基づく制御情報を、ビデオ信号の出力(画像形成実行)よりも前に送出することにより、画像形成装置側(現像容器内)のトナー濃度変動を極力小さくすることができるので、潰れや擦れのない高画質な画像を得ることができる。また、トナー補給動作と画像形成動作とが時期的に分離され、トナー補給動作が画像形成動作と並行することなく独立的に行われるので、画像欠陥の発生防止を図ることができる。
【0034】
この発明の印刷システムにおいて、印字データの各ページの画像形成毎に画像密度を割り出し、その画像密度に基づいてトナー濃度の閾値を変更するようにしてもよい。このようにすれば、印字データの各ページの内容に応じて、トナーの補給開始の濃度を設定でき、過剰なトナー補給、または、画像濃度の低下を防止することが可能となる。
【0035】
この発明の印刷システムにおいて、印字データの各ページの画像形成毎に画像データの画像密度を割り出し、その画像密度に基づいてトナー補給時期を変更するようにしてもよい。このようにすれば、印字データの各ページの内容によっては、画像形成動作への移行前にトナーを補給することが可能となり、トナー濃度の低下による画像濃度の低下を防止することが可能となる。
【0036】
この発明の印刷システムにおいて、印字データの各ページの画像形成毎に画像データの画像密度を割り出し、その画像密度に基づいてトナーの攪拌継続時間を変更するようにしてもよい。このようにすれば、トナー補給量に見合う充分なトナー攪拌時間を確保することができるので、トナー帯電の安定化を図ることが可能となる。
【0037】
本発明の印刷システムは、画像データに基づく印字率または画像密度の算出結果に応じて、画像形成装置の現像器へのトナー補給量と、トナー補給を開始する現像器内のトナー濃度閾値とを変更することにより、画像形成動作と全体的または部分的に並行して進行するトナー補給動作及び現像器の混合・攪拌動作を排除するとともに、非画像形成時に全てのトナー補給動作及び現像器の混合・攪拌動作を完了することを特徴としている。
【0038】
このように、画像形成期間中に発生する一切のトナー補給動作を排除し、トナー補給量に見合う充分なトナー攪拌時間を確保することで、現像器にトナーを補給した直後の、充分に混合・攪拌を受けない状態のトナーが供給されることにより発生する問題つまりトナー飛散、画像カブリ、黒班点等の画像欠陥の発生を防止することができる。
【0039】
この発明の印刷システムにおいて、トナー補給動作の時期(トナー補給時期)を、印字率または画像密度が高いときは画像形成開始の直前に変更し、印字率または画像密度が低いときは画像形成終了後に変更するように構成してもよい。このように、印字率または画像密度が高いときには、予め画像形成開始の直前にトナー補給を行うことによって、画像形成途中のトナー補給動作の実行を排除することができる。また、印字率または画像密度が低いときには、画像形成終了後にトナー補給を行うことによって、画像の読み込みから画像形成までの時間を短縮化することができる。
【0040】
本発明の印刷システムは、印刷データを画素データに展開する画素データ展開部と、画像形成装置(電子写真記録装置)を使用して記録する画像の印字率を前記画素データから算出する印字率算出部と、前記印字率に基づいて、画像形成装置の現像器へのトナー補給量、現像器内のトナー濃度の出力値(トナー濃度センサの出力値)、並びにトナー補給動作及び画像形成に係る画像形成装置の動作順序とを制御する制御部と、低解像度のビデオ信号を高解像度のビデオ信号に置換する画素置換部と、前記画素データを前記ビデオ信号として画像形成装置へ送信する送信部とを備え、その送信部からのビデオ信号に応じて前記画像形成装置が印刷を行うように構成されていることを特徴としている。
【0041】
この発明の印刷システムにおいては、画像形成装置に接続されたPC端末等の外部機器から印字命令としてデータを転送する際に、保有している画像データの送出とともに、画像データの画像面積比率(印字率)に基づいて変補正したトナー補給量、トナー濃度センサの出力値、並びに、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序(トナー補給動作と画像形成動作のいずれを先行して実行するかの順序)を付属情報として送出する。
【0042】
そして、外部機器が保有している画像データを展開した画素データから印字率(画像面積比率)を割り出し、その印字率に基づいてトナー補給量及びトナー濃度センサの出力値の変補正を行って、画像形成装置の各動作(トナー補給動作と画像形成動作)の動作順序を変更することにより、トナー補給量の過不足に伴うトナー濃度の上昇またはトナー濃度の低下を防ぎ、常に安定した画質が得られるようにする。
【0043】
また、印字データの各ページ毎に上記制御項目の設定変更を可能とすることにより、トナー濃度変化に対して時間的に遅速なく対応することができるので、印字率変化に伴う画像濃度変化の防止を適切に行える。
【0044】
しかも、大容量の画像データを扱う必要がある場合でも、上記制御項目の設定変更を外部機器側で実行することにより、画像形成装置側に依存することがないので、電子写真装置側の画像処理系統の負担増加や、処理の速度低下に繋がることがない。
【0045】
本発明の印刷システムは、印刷データを画素データに展開する画素データ展開部と、画像形成装置(電子写真記録装置)を使用して記録する画像の画像密度を前記画素データから算出する画像密度算出部と、前記画像密度に基づいて、画像形成装置の現像器へのトナー補給量、現像器内のトナー濃度の出力値(トナー濃度センサの出力値)、並びに、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序とを制御する制御部と、低解像度のビデオ信号を高解像度のビデオ信号に置換する画素置換部と、前記画素データを前記ビデオ信号として画像形成装置へ送信する送信部とを備え、その送信部からのビデオ信号に応じて前記画像形成装置が印刷を行うように構成されていることを特徴としている。
【0046】
この発明の印刷システムにおいては、画像形成装置に接続されたPC端末等の外部機器から印字命令としてデータを転送する際に、保有している画像データの送出とともに、画像データの画像密度に基づいて変補正したトナー補給量、トナー濃度センサの出力値、並びに、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序(トナー補給動作と画像形成動作のいずれを先行して実行するかの順序)を付属情報として送出する。
【0047】
外部機器が保有している画像データを展開した画素データから画像密度を割り出し、その画像密度に基づいてトナー補給量及びトナー濃度センサの出力値の変補正を行って、画像形成装置の各動作(トナー補給動作と画像形成動作)の動作順序を変更することにより、トナー補給量の過不足に伴うトナー濃度の上昇またはトナー濃度の低下を防ぎ、常に安定した画質が得られるようにする。
【0048】
また、印字データの各ページ毎に上記制御項目の設定変更を可能とすることにより、トナー濃度変化に対して時間的に遅速なく対応することができるので、印字率変化に伴う画像濃度変化の防止を適切に行える。この発明のように画像密度で扱うと、多値画像に関して画素単位のトナー付着量レベルまで考慮することができるので、単純に印字率で扱うよりも高精度な制御が可能となる。
【0049】
さらに、この発明の印刷システムにおいては、大容量の画像データを扱う必要がある場合でも、上記制御項目の設定変更を外部機器側で実行することにより、画像形成装置側に依存することがないので、画像形成装置側の画像処理系統の負担増加や、処理の速度低下に繋がることがない。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて各項目ごとに説明する。
【0051】
<印刷システムの説明>
図1は本発明を適用する印刷システムの構成を示すブロック図である。
【0052】
図1の印刷システムにおいて、汎用コンピュータシステム101は、印刷プログラムを実行して文字や図形・イメージ等の印刷データを作成し、それをプリンタコントローラ102へ送出する。
【0053】
プリンタコントローラ102は、CPU102a、I/F102b、フォントメモリ102c、印刷データメモリ102d、画素データメモリ102e、ビデオ信号生成回路102fなどを備えており、汎用コンピュータシステム101からの印刷データは、まずはI/F102bを介して印刷データメモリ102dに格納される。
【0054】
次に、印刷データは、プリンタコントローラ102内のCPU102aにおいて、フォントデータ等を使って展開され、白黒2値の画素データとなって画素データメモリ102eに格納される。画素データは、ビデオ信号生成回路102fによって、低解像度のビデオ信号になり、画素置換回路103に出力される。
【0055】
画素置換回路103は、低解像度のビデオ信号を高解像度のビデオ信号に置換して画像形成装置100に出力する。画像形成装置100では、高解像度のビデオ信号で内部のレーザ書込手段を駆動し、静電ドラム上に静電潜像を形成し、電子写真記録手段により印刷する。
【0056】
ここで、印刷データは、一般にページ記述言語と呼ばれる、コマンドとデータの集合体になっている。
【0057】
<印刷システムの動作説明>
図1の印刷システムの動作を図2を参照しながら説明する。
【0058】
コマンドスキャンプログラムPr1は、印刷データメモリ102dに格納された1ページ分の印刷データを検査し、文字や図形・イメージに関するコマンド情報を抽出する。例えば、代表的ページ記述言語であるPostScript(AdobeSystems社製)のコマンドでは、文字を描画する“show”、図形を描画する“stroke”,“fill”、イメージを描画する“image”等がある。これらは、印刷データのなかで、簡単なテキストデータになっているため、コマンドスキャンプログラムPr1は、印刷データを検索することにより容易に見つけ出すことができる。
【0059】
印刷データは、PostScriptデータ展開用プログラムPr2によって展開され、1ページ分の画素データとなって画素データメモリ102eに格納される。画素データメモリ102eは数ページ分備えており、最低でも3ページ程度遅延させて画素データを出力できる。
【0060】
次に、画素データスキャンプログラムPr3は、画素データメモリ102eに格納された1ページ分の画素データを検査し、ページ当たりの印字率データを抽出する。画素あたり1bitのモノクロ情報であれば、単純にページ当たりの黒のドット数を計数し、全画素数で割ることによってページ当たりの印字率データが求められる。また、画素あたり複数bitのモノクロ中間調情報の場合は、それらの情報を加算して、全画素が黒ベタ(最大濃度)として加算した値で割ることによってページ当たりの印字率データが求められる。求められたページ当たりの印字率データは、印字率データメモリ102gに一時格納される。
【0061】
次に、ビデオ信号生成回路102fは、画像形成装置100からの同期信号に従って画素データからビデオ信号を生成して出力する。
【0062】
<ビデオ信号の送信方法>
画像形成装置100からのページ同期信号は、各ページの印刷領域を示す信号である。従って、同期信号がONの期間すなわち印字領域内でビデオ信号が出力される。この実施形態では、同期信号がOFFの期間すなわち印字領域外(余白及び紙間に相当する部分)で属性情報テーブル及び印字率データの内容が、シリアルデータに直されて、画素置換回路103及び画像形成装置100にそれぞれ送られ、従来のビデオ信号に複合されるため、新たな信号線を増設する必要はない。
【0063】
そして、上記したようにプリンタコントローラ102内の画素データメモリ102eが最小でも3ページ分持てるとすると、印字率データに対し、ビデオ信号を3ページ分遅らせることができるので、例えばNページ目のビデオ信号の直前に(N+3)ページ目の印字率データを送るようにする。
【0064】
また、画像形成装置100が、連続紙プリンタのように印字領域外が存在しない装置の場合、属性情報テーブル102h及び印字率データメモリ102gについては、連続紙プリンタからのライン同期信号(各ラインの印刷位置を合わせるための同期信号)が発生しても、すぐには印字領域にならないので、それまでの非印字領域内で属性情報テーブル102h及び印字率データメモリ102gの内容を、シリアルデータに直して、画素置換回路103及び連続紙プリンタにそれぞれ送る。なお、1ラインで送りきれない場合は複数ラインで送ることも可能である。この場合も従来のビデオ信号に複合されるため、新たな信号線を増設する必要はない。
【0065】
<画像形成装置の説明>
本実施形態に用いる画像形成装置を図3に示す。
【0066】
画像形成装置100は、画像読取部10、レーザ書込部20、画像形成部30及び給紙部40などを備えている。
【0067】
画像読取部10は、棒状の照明ランプ11a及びミラー11bを備える第1ミラーユニット11と、一対のミラー12aが対向して配置している第2ミラーユニット12とからなる光学ユニットUを備えている。
【0068】
また、原稿台に載置される原稿Dの画像は、第1ミラーユニット11の実線から破線にて示す位置への平行移動と、第2ミラーユニット12の第1ミラーユニット11に対する1/2の速度の追従移動とにより露光走査される。そして、その画像は投影レンズ13を介して撮像素子14に結像され、光電変換された電気信号が画像処理部(図示せず)での画像処理を経て画像信号としてメモリに一旦格納される。
【0069】
次に、上記の画像信号がレーザ書込部20に入力されると、半導体レーザ(図示せず)で発生されたレーザビームは、駆動モータ21により回転されるポリゴンミラー22により回転走査される。その後、レーザビームは、fθレンズ23及びミラー24〜26からなる反射光学系を経て、帯電器31により予め一定電位に帯電された感光体ドラム32の感光面を走査露光する。これにより、原稿画像の静電潜像が形成される。
【0070】
このように、レーザビームによる主走査、及び、感光体ドラム32の回転に伴う副走査により感光体ドラム32の周面上に原稿画像の静電潜像が形成される。この潜像は、現像器33の現像スリーブ33aが担持するトナーによって反転現像されてトナー画像となる。
【0071】
一方、給紙部40には給紙カセット41,41が装填される。給紙部40に装填された各給紙カセット41からは、指定のサイズの転写紙Pが収納する給紙カセット41の搬出ローラ41aの作動により搬出される。その後、搬送ローラ43を介して画像の転写部に向け給紙される。この給紙された転写紙Pは、レジストローラ44により、前述した感光体ドラム32の周面上のトナー画像に、タイミングを調整された上で、同期して転写部へと給送され、転写器34により帯電されてトナー像が転写される。
【0072】
また、トナー像の転写がなされた転写紙Pは、分離器35の除電作用により感光体ドラム32の周面より分離し、搬送ベルト36を経て定着器37に搬送される。定着器37に搬送された転写紙Pは、上ローラ37aと下ローラ37bとの挟着と加熱によりトナーが溶着された後、搬送ローラ38を介して定着器37から排出される。最後に、排出された転写紙Pは、排紙ローラ45を経てトレイ5上に排紙される。
【0073】
一方、転写紙Pを分離した感光体ドラム32は、クリーニング装置39において圧接するブレード39aにより残留トナーを除去、清掃したのち再び帯電器31により電荷の付与を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0074】
<現像器の説明>
画像形成装置100の現像器33の構造を図4を参照しながら説明する。
【0075】
現像器33は、非磁性のトナーと磁性キャリアとを混合した2成分現像剤を収容している。上記2成分現像剤は、この現像剤を内包するマグネットローラの磁力により現像スリーブ33aの周面に吸着・保持される。そして、ドクターブレード302を介して所定の現像剤層厚として感光体ドラム32の周面に搬送された後、現像バイアス電圧の印加によりトナー成分のみを感光体ドラム32側に転移して潜像の現像を行う。
【0076】
現像器33には、上面部にトナー補給口306が設けられており、また、現像器33にはトナー濃度センサSが設けられている。トナー濃度センサSは、現像器33の底面部等の、現像剤流との接触が促進され易い位置(攪拌搬送部材等の先端部の対向位置)に配置されており、現像剤のトナー濃度を検出することができる。なお、トナー濃度センサSの詳細は後述する。
【0077】
上記2成分現像剤は、現像器33内に配置された攪拌部材303の回転と、相反する方向に推力を有する一対の搬送スクリュ304,305の回動とにより、トナーとキャリアとが均等に分布するよう混合される。また、現像の進行に伴ってトナーが消費されると、トナー濃度センサSによりトナー成分の減少が検知されて、その信号により制御系を介してトナーホッパ(図示せず)から、現像器33の上面部に設けたトナー補給口306を介して矢示方向からトナーの補給が開始される。
【0078】
ここで、トナーホッパから補給されるトナーは、まずは搬送スクリュ305の推進力によって現像器33の奥側(感光体ドラム32と反対側)に移送され、さらに搬送スクリュ304の推進力によって再び現像器33の手前側(感光体ドラム32側)に移送される。その後、攪拌部材303の回転作動を受けて、磁性キャリアと混合して均等に分布される。
【0079】
以上のように、現像剤中のトナーの比率が増加すると、トナー濃度センサSによりトナー成分の回復が検知され、トナーホッパによるトナー補給が終了する。
【0080】
<トナー濃度センサの説明>
トナー濃度センサSは、透磁率センサである差動トランス方式のトナー濃度センサである。トナー濃度センサSは、図5に示すように、作動トランス80、ねじコア85、位相比較回路87、平滑回路88、5個の入出力端子74a〜74e、及び、5個の引き出し線75a〜75eを備えている。差動トランス80の1次コイル81に交流電源84が供給される。
【0081】
差動トランス80の2次側には、ほぼ同じ巻き数であって、かつ、逆極性となる2個コイルが直列に配置されており、一方のコイルが基準コイル82、他方のコイルが検知コイル83となる。また、作動トランス80の1次コイル81及び基準コイル82の近傍には高透磁率のねじコア85が磁心として働くように挿入されている。そして、ねじコア85の位置を調整することにより、1次コイル81と基準コイル82との間のインダクタンスを調整することができる。
【0082】
次に、トナー濃度センサSのトナー濃度の測定原理について説明する。
【0083】
上述したとおり、上記2成分現像剤を構成しているトナーは非磁性体、キャリアは磁性体である。従って、単位体積当りでトナー成分が多い場合にはキャリア成分が少なくなるため、上記2成分現像剤の磁気抵抗は大きくなる。逆に、トナー成分が少ない場合にはキャリア成分が多くなるので、2成分現像剤の磁気抵抗は小さくなる。トナー濃度センサSは、この磁気抵抗を利用した磁気検出方式の透磁率センサであり、上記磁気抵抗の変動値を換算することによって所定のトナー濃度を検出する。
【0084】
具体的には、図6に示すように、トナー濃度が低いときにはトナー濃度センサ出力VNは高くなり、トナー濃度が高いときにはトナー濃度センサ出力VNは低くなる。つまり、トナー濃度がN0からN1に減少すると、それぞれに対応する透磁率センサ出力値はVN0からVN1に増加する。
【0085】
なお、この実施形態では、トナー濃度センサSとして、負特性を有する透磁率センサを用いているが、正特性を有する透磁率センサをトナー濃度センサSに用いてもよい。
【0086】
以上の図5に示すトナー濃度センサSにおいて、差動トランス80の1次コイル81と検知コイル83との近傍に、測定されるべき現像剤86あるいは磁性体(キャリア)が流れると、その現像剤86あるいは磁性体(キャリア)が磁心として働き、1次コイル81と検知コイル83との間のインダクタンスが変化することになる。このインダクタンスの大きさは、磁心として働いている現像剤86あるいは磁性トナーの磁粉量によって決まるため、検知コイル83の出力電圧によって磁粉量、すなわちキャリア濃度を測定することができる。
【0087】
さらに、基準コイル82と検知コイル83とは、上述したように、ほぼ同じ巻き数であって、かつ、逆極性のものが直列に結ばれているため、両コイルの差を出力として取り出すことができる。
【0088】
具体的には、まず、1次コイル81へ供給される交流電圧と、2次側のコイルである基準コイル82及び検知コイル83の出力とについて、位相比較回路87で排他的論理和を求める。次いで、位相比較回路87の出力信号を平滑回路88で平滑化して直流電圧として取り出すことにより、トナー濃度を測定することができる。
【0089】
<トナー補給動作の説明>
まず、トナー補給動作の制御系の構成を図7を参照しながら説明する。
【0090】
トナー濃度センサSの情報は、I/O53を介してCPU50に伝達される。このCPU50は、画像形成装置100全体の制御を行うものである。また、CPU50には、ROM51とRAM52とが接続されている。さらに、CPU50には、I/O53を介して、CCD61と、トナー補給ローラモータ駆動回路54及び攪拌ローラモータ駆動回路56とが接続されている。トナー補給ローラモータ駆動回路54はトナー補給ローラモータ55を駆動する回路であり、攪拌ローラモータ駆動回路56は攪拌ローラモータ57を駆動する回路である。
【0091】
ROM51には、制御プログラムが予め書き込まれている。また、RAM52には、メモリ52a及びタイマ(図示せず)等のワーキングエリアの領域が割り当てられている。
【0092】
CCD61の画像信号は、I/O53を介してCPU50へ入力される。CPU50は、このデータをRAM52のメモリ52aに記憶するとともに、それに基づいて印字率(画像面積比率)を演算する。
【0093】
なお、上記の図7を用いた説明からも対比できるが、図7のCPU50を図1のプリンタコントローラ102内のCPU102aに、同様にI/O53をプリンタコントローラ102内のI/F102bに、さらにCCD61を汎用コンピュータシステム101に置き換えて扱うことができる。
【0094】
また、図7にあって、図1にないトナー濃度センサSについては、プリンタコントローラ102内のI/F102bを介してその下位に多数分岐している一構成要素である。また、図1にあって、図7にない構成構成つまりビデオ信号生成回路102f以降の構成要素については、I/O53を介したCCD61と同一レベルの一構成要素として見做すことができる。
【0095】
従って、上記図1及び図2を用いて説明したように、印字率または画像密度が既知であるので、画像形成装置100が汎用コンピュータシステム101のプリンタとして動作する場合には、図3に示す画像形成装置100内のCPU50(図7)で印字率または画像密度を演算する必要がなくなり、直ちに画像形成動作の制御またはトナー補給動作の制御のいずれかに反映することができるので、画像形成装置100側のデータ処理時間の短縮化やデータ処理能力の負荷軽減を図ることができる。
【0096】
簡単に言い換えると、例えば画像形成装置100が汎用コンピュータシステム101のプリンタとして動作する場合、画像形成装置100の外部機器からの画像信号を、画像形成装置100本体の画像処理系によって処理し、印字率または画像密度の演算結果を基にトナー補給動作の詳細な制御内容を決定するのに替えて、このようなデータ処理の全てを画像形成装置100の本体外の外部機器、例えばプリンタコントローラ102内のCPU102aで実行することにより、画像形成装置100は、最終的な印字データとトナー補給動作に関する直接的な動作命令を受け取ることになる。
【0097】
ここで、上記印字率または画像密度に基づいてトナー補給制御のための閾値、つまりトナー濃度が減少した際にトナーの補給を開始するトナー濃度値が補正される。なお、上記印字率または画像密度に基づくトナー補給制御のための閾値の補正の詳細については後述する。
【0098】
また、上記プリンタコントローラ102内のCPU102a及び画像形成装置100内のCPU50は、上記印字率または画像密度を基にトナー補給量、トナー補給の時期及びトナーの攪拌時間を判断する。これらトナー補給量、トナー補給の時期及びトナーの攪拌時間についても後述する。
【0099】
さらに、画像形成装置100が複写機として動作する場合、CPU50は、複数枚の原稿を連続的に読み取ってメモリし、その後に印字を行う場合には、それぞれの印字率または画像密度を基に、必要となるトナー補給量を判断するものとする。
【0100】
<印字率の演算方法及び印字率を基にしたトナー補給量の設定>
印字率の演算方法及び印字率を基にしたトナー補給量の設定について、図8を参照しながら説明する。
【0101】
まず、印字率は、画像形成面積検出手段111によって得られた画像形成面積と、被現像面積検出手段112によって得られた被現像面積との比を、画像面積比率演算手段113により演算することにより得られる。つまり、画像形成面積と被現像面積との画像面積比率が印字率となる。
【0102】
ここで、複数ページ分に渡って連続する画像データの検索、または複数枚の原稿を連続して読み取り、この画像データを検索した情報または原稿を読み取った情報を一旦メモリする場合には、この印字率から全体としての平均の印字率を求め、この平均の印字率を、印字率データとして用いる。
【0103】
画像形成面積検出手段111は、画像データまたは原稿の画像面積を検出する手段であり、例えば、外部端末機器で保有する画像データの内容(例えば、印字命令時の用紙サイズ選択や拡大・縮小印字の指定)に基づいて、印字領域の総面積を計算するものである。
【0104】
被現像面積検出手段112は、画像形成面積のうちの現像される部分の面積、つまり感光体ドラム32に対してトナーが付着する潜像部分の面積を検出する手段であり、画像信号に相当するドット数のカウント値に基づいて被画像部分の面積を計算する。画像面積比率演算手段113は、例えば画像形成装置100内に内蔵されたCPU50等により構成される。
【0105】
また、この実施形態では、上記した印字率データ(画像面積比率)をもとに、トナー補給量設定手段114にて、画像形成で必要となるトナーの補給量を求める。上記トナー補給量設定手段114は、上記したトナー補給ローラモータ駆動回路54、トナー補給ローラモータ55、このトナー補給ローラモータ55により駆動するトナー補給ローラ62(図7参照)、及び、トナー補給ローラモータ55の作動時間を制御するタイマを含むものとする。
【0106】
<トナー補給ローラの回転時間と画像面積比率の関係>
上記トナーの補給量(画像面積比)は、図9に示すように、トナー補給ローラ62の回転時間にほぼ比例する。従って、本実施形態では、画像面積比率に見合ったトナー補給量すなわち現像によって消費されるトナー量に対応するように、トナー補給ローラ62の回転時間を設定する。なお、画像面積比率とトナー補給ローラ62の回転時間との関係は、トナー補給装置(トナーホッパ)のトナー補給能力に応じてあらかじめ実験的に決定されており、その関係式またはデータテーブルがROM51に記憶されている。
【0107】
そして、上記画像面積比率に基づいて、トナー補給ローラ62の回転時間が設定されるとトナー補給を開始し、次いでトナー補給ローラ62の回転時間の設定値に到達した時点で、トナー補給ローラ62の回転を停止して、トナー補給を終了する。
【0108】
<印字率に基づく閾値の補正>
印字率に基づくトナー補給制御のための閾値の補正について説明する。
【0109】
本実施形態においては、負特性のトナー濃度センサSを用いているので、低印字率(画像面積比率が低い)の場合は、トナー濃度過剰(オーバーシュート)を防止するために、閾値(仮にV0とする)を高出力側、つまり、V0+ΔV0へシフトすることにより、トナー補給動作の開始時期を遅延させる。なお、ジョブ完了後は、もとの閾値へ復帰する。
【0110】
一方、高印字率(画像面積比率が高い)の場合は、トナー濃度の低下(アンダーシュート)を防止するために、閾値V0を低出力側、つまり、V0−ΔV0へシフトすることにより、トナー補給動作の開始時期を早める。なお、ジョブ完了後は、もとの閾値へ復帰する。以上の閾値補正により、トナーの濃度値が安定して保たれることになる。
【0111】
また、この印字率に応じた閾値の補正量は、例えば図10及び図11に示すような補正データとしてテーブルデータ化されてROM51に格納されている。なお、上記閾値補正量は、数式化してROM51に格納してもよい。
【0112】
<トナー補給時期及びトナー攪拌時間>
トナー補給時期:低印字率の場合は、多くのトナーを消費しないため、一連の画像形成の動作が完了した後にトナー補給を行なう。高印字率の場合は、多くのトナーを消費するため、ジョブ開始前にトナー補給を行なう。ここで、印字実行中はトナー補給動作を行なわないこととする。
【0113】
トナー攪拌時間:低印字率の場合は、補給されるトナーの量が少ないので、現像器33の攪拌時間も短くすることができる。一方、高印字率の場合は、補給されるトナーの量が多いので、現像器33の攪拌時間を長くする必要がある。
【0114】
次に、上記印字率、トナー補給量、攪拌時間のそれぞれの関係について、図12〜図17に基づいて説明する。
【0115】
印字率とトナー補給量との関係は、図12に示すように、印字率を5段階(〜H1、〜H2、〜H3、〜H4、H4以上)に分け、それぞれの段階に対して、個々のトナー補給量を切換える(M0、M1、M2、M3、M4)という関係とする。また、図13に示すように、印字率とトナー補給量とを比例的に変化させる関係としても構わない。
【0116】
トナー補給量と攪拌時間(攪拌継続時間)との関係は、図14に示すように、トナー補給量を5段階(〜M0、〜M1、〜M2、〜M3以上)に分け、それぞれの段階に対して個々の攪拌時間を切換える(T0、T1、T2、T3)という関係とする。また、図15に示すように、トナー補給量と攪拌時間とを比例的に変化させる関係としても構わない。
【0117】
印字率と攪拌時間(攪拌継続時間)との関係は、図16に示すように、印字率を5段階(〜H1、〜H2、〜H3、〜H4、H4以上)に分け、それぞれの段階に対して、個々の攪拌時間を切換える(T0、T1、T2、T3、T4)という関係である。また、図17に示すように、印字率と攪拌時間とを比例的に変化させる関係としても構わない。
【0118】
次に、本実施形態における画像形成処理を図18のフローチャートを参照しながら説明する。
【0119】
まず、ステップS1において印刷部数Xを入力する。具体的には、汎用コンピュータシステム101におけるマウス操作やキーボードを操作して印刷部数Xを入力する。
【0120】
次に、ステップS2において、例えばアプリケーションの“印刷OK”ボタンをクリック操作し、印刷命令を出すことにより、Nページで構成される印刷データ(画像情報)の検索が開始される(ステップS3)。この後、画像形成面積を検出し(ステップS4)、被現像面積を検出する(ステップS5)。
【0121】
そして、ステップS6において、上記画像形成面積と被現像面積(被画像面積)とから、画像面積比率(印字率)を算出し、その画像面積比率に基づいてトナー補給量(トナー補給ローラの回転時間To)を設定する(ステップS7)。
【0122】
この後、ステップS8に進み、上記画像面積比率が、一定値よりも低いか、一定値よりも高いかを判定し、画像面積比率が一定値よりも低い場合つまり印字率が低い場合には、ステップS9において、例えば下記の表9に示すようなデータ・テーブルに基づいてトナー濃度制御の閾値の補正(Vo+ΔV)を行った後、印刷を実行する(ステップS11)。画像面積比率が一定値よりも高い場合つまり印字率が高い場合には、ステップS10に移行する。
【0123】
次に、ステップS12において、トータルの印刷枚数がページ数(N)×部数(X)に到達しているか否かを判定し、到達していなければステップS11に戻り、到達しているとステップS13に進む。ステップS13においては、トナー補給が開始されるとともに、現像器33も駆動され、現像剤とトナーの混合・攪拌が行われる。
【0124】
そして、ステップS14において、トナー補給量に見合う時間Toだけ(トナー補給ローラ62(図7)が稼動したか否かを判断し、その判断結果が「NO」であれば、ステップS13に戻りトナーの補給を続ける。ステップS14での判断結果が「YES」であれば、ステップS15においてトナーの補給を終了するが、この後においても、現像剤とトナーとの混合・攪拌を継続しながら、上記ステップS9で得た補正後の閾値に基づくトナー濃度制御を行い(ステップS16)、トナー濃度が補正後の閾値に対する適正値であれば、上記ステップS9で得た閾値を元の閾値Voに復帰させる(ステップS17)。この後、ステップS18に進み、次の印刷ジョブがあるか否かを判断し、印刷ジョブがあれば再びステップS1に戻り、印刷ジョブがなければジョブを終了する。
【0125】
一方、画像面積比率が一定値よりも高い場合(ステップS8の判断結果がHIGHである場合)、ステップS10において、例えば下記の表9に示すようなデータ・テーブルに基づいてトナー濃度制御の閾値の補正(Vo−ΔV)を行った後、ステップS19に進む。ステップS19においては、トナー補給が開始されるとともに、現像器33が駆動されて現像剤とトナーの混合・攪拌が行われる。次に、ステップS20へ進み、トナー補給量に見合う時間Toだけトナー補給ローラ62が稼動したか否かを判断する。その判断結果が「NO」であれば、ステップS19に戻りトナーの補給を続ける。ステップS20での判断結果が「YES」であれば、ステップS21に進む。
【0126】
ステップS21においては、トナーの補給を終了するが、この後も現像剤とトナーとの混合・攪拌を継続しながら、ステップS10で得た補正後の閾値に基づくトナー濃度制御を行い(ステップS22)、ステップS10で補正を行った閾値に対してトナー濃度が適正か否かを判断し、トナー濃度が適正でなければステップS21へ戻り、現像剤の混合・攪拌を継続する。トナー濃度が適正であればステップS23に進んで印刷を実行する。
【0127】
ステップS23の処理を終えた後は、ステップS24において、トータルの印刷枚数がページ数(N)×部数(X)になっているか否かを判定し、その判定結果が「NO」である場合はステップS23に戻り、「YES」である場合はステップS17へ進み、ステップS10で補正した閾値をもとに戻す。ステップS17の処理が終了した後は、ステップS18へ進み、次の印刷ジョブがあるか否かを判断し、印刷ジョブがあれば再びステップS1に戻り、印刷ジョブがなければジョブを終了する。
【0128】
以上の図18に示すフローでは、印字率の高低によって閾値が変更されるとともに、トナー補給時期ないしはトナー補給方法を異ならせながら、ジョブ実行毎にトナー補給が実行されるので、トナー補給の要否または有無判定は行わないが、図19に示すように、印字率の高低に基づいて閾値に対する補正量を異ならせるとともに、補正を受けた閾値に対してトナー補給の要否が異なってくるフローとすることもできる。なお、図19のフローにおいて、ステップS101〜ステップS108までの各処理は、図18のフローのステップS1〜ステップS8と同じである。
【0129】
図19のフローにおいては、ステップS108の判定結果が「低印字率」である場合、ステップS109においてトナー濃度制御の閾値の補正(Vo+ΔV)を行った後、トナー補給を実行せずに、まずは画像形成動作(ステップS111〜S112)を実行し、画像形成が完了した後に、ステップS109において補正を受けた閾値を適用するトナー濃度制御(ステップS113、ステップS116〜ステップS119)を行っている。これによると、画像形成動作完了後に、補正を受けた閾値を適用するトナー濃度制御のループで、トナー補給の要否または有無判定のステップを通過するので、トナー補給量設定手段114(図8)で求めたトナー補給量相当分だけ、前段のジョブでトナーを消費しても、補正後の閾値に対してトナー濃度が適正範囲に入る場合には、トナー補給を伴わないので合理的である。
【0130】
一方、ステップS108の判定結果が「高印字率」である場合には、ステップS110においてトナー濃度制御の閾値の補正(Vo−ΔV)を行った後、補正を受けた閾値を適用するトナー濃度制御を行うループ(ステップS120〜ステップS126)において、トナー補給の要否または有無判定のステップを通過するので、トナー補給量設定手段114で求めたトナー補給量への相当分だけ補正を受けた閾値に対しても、トナー濃度が適正範囲に入る場合には、トナー補給を伴わずに、画像形成動作へ移行するので合理的である。
【0131】
以上の実施形態では、印字率(画像面積比率)の高低を基に、トナー濃度制御の閾値を補正する方法を示したが、本発明はこれに限らず、画像密度を基にトナー濃度制御の閾値を補正してもよい。また、トナー濃度制御の閾値を補正する代わりに、トナー濃度センサSのセンサ出力値を補正してもよい。
【0132】
まず、画像密度を基にしたトナー濃度制御の閾値の補正について説明する。
【0133】
トナー補給量を決定するために、画素レベルの画像密度(画像濃度)を用いると更に高精度な制御が可能である。すなわち、画像の濃淡も判断要素とすると、印字率を用いた場合以上に、トナーの消費量を正確に判断できる。
【0134】
例えば、二値画像の場合は、印字率に基づく処理を行うと処理時間の短縮化を図ることができる。また、画像の濃淡レベルを考慮しなければならない多値画像の場合は、画像密度に基づく処理を行うと高精度な処理を行うことができる。なお、上記画像密度の情報は、制御装置に画像密度を得るためのプログラムを設定することにより、容易に得ることができる。
【0135】
具体的には、先に図1及び図2を用いて説明したように、テキストデータ形式の印刷データは、コマンドスキャンプログラムPr1で検索され、画像情報に対応したビデオ信号として最終的に出力されるので、予めビデオ信号のレベルとそれに対する画像密度の関係を数式化あるいはデータ・テーブル化し、プリンタコントローラ102側のROM部等に記憶しておく。そして、読み取られた印刷データのビデオ信号に対応する画像密度を、上記のROM部の数式あるいはテーブルから読み出して、印刷データの画像密度とすればよい。ここで、印刷データの画像密度が高い場合は、印字率が高い場合と同様な閾値の補正を行い、原稿の密度が低い場合は、印字率が低い場合と同様な閾値の補正を行えばよい。
【0136】
次に、トナー濃度制御の閾値を補正する代わりに、トナー濃度センサSのセンサ出力値を補正する方法について説明する。
【0137】
上記の実施形態では、例えば、印字率等が高い場合はトナーの消費が多くなるため、トナー濃度センサの閾値の補正を予め行い、またトナーの補給が必要でない濃度であってもトナーの補給を開始するように設定しているが、このような処理に替えて、閾値の補正を行わずに、トナー濃度センサSのセンサ出力値を補正するという処理を行っても、同様の効果を得ることができる。
【0138】
具体的には、負特性のトナー濃度センサSを用いている点を考慮して、低印字率である場合には、トナー濃度センサSのセンサ出力(Vt)を低出力側(Vt−ΔVt)に補正する。つまり、低出力側に補正することにより、見かけ上、閾値を高出力側に補正したのと同様になる。また、高印字率である場合には、トナー濃度センサSのセンサ出力(Vt)を高出力側(Vt+ΔVt)に補正する。つまり、高出力側に補正することにより、見かけ上、閾値を低出力側に補正したのと同様になる。これにより、トナー補給動作の開始時期を早める。
【0139】
トナー濃度センサSのセンサ出力値を補正する場合の処理を図20のフローチャートを参照しながら説明する。
【0140】
図20のフローにおいて、ステップS201〜ステップS208までの各処理は、図18のフローのステップS1〜ステップS8と同じである。
【0141】
図20のフローにおいては、ステップS208の判定結果が「低印字率」である場合(画像面積比率が低い場合)、ステップS209において、例えば下記の表9に示すようなデータ・テーブルに基づいてセンサ出力Vtの補正(Vt→Vt−ΔV)を行った後、印刷を実行する(ステップS211)。ステップS208の判定結果が「高印字率」である場合(画像面積比率が高い場合)、ステップS210に移行する。
【0142】
次に、ステップS212において、トータルの印刷枚数がページ数(N)×部数(X)に到達しているか否かを判定し、到達していなければステップS211に戻り、到達しているとステップS213に進む。ステップS213においては、トナー補給が開始されるとともに、現像器33も駆動され、現像剤とトナーの混合・攪拌が行われる。
【0143】
そして、ステップS214において、トナー補給量に見合う時間だけトナー補給ローラ62(図7)が稼動したか否かを判断し、その判断結果が「NO」であれば、ステップS213に戻りトナーの補給を続ける。ステップS214での判断結果が「YES」であれば、ステップS215においてトナーの補給を終了するが、この後においても、現像剤とトナーとの混合・攪拌を継続しながら、上記ステップS209で得たセンサ出力の補正値に基づくトナー濃度制御を行い(ステップS216)、トナー濃度が適正値であれば、センサ出力の補正を解除する(ステップS217)。この後、ステップS218に進み、次の印刷ジョブがあるか否かを判断し、印刷ジョブがあれば再びステップS201に戻り、印刷ジョブがなければジョブを終了する。
【0144】
一方、ステップS208の判定結果が「低印字率」である場合(画像面積比率が低い場合)、ステップS210において例えば下記の表9に示すようなデータ・テーブルに基づいてセンサ出力Vtの補正(Vt→Vt+ΔV)を行った後、ステップS219に進む。ステップS19においては、トナー補給が開始されるとともに、現像器33が駆動されて現像剤とトナーの混合・攪拌が行われる。次に、ステップS220へ進み、トナー補給量に見合う時間だけトナー補給ローラ62が稼動したか否かを判断する。その判断結果が「NO」であれば、ステップS219に戻りトナーの補給を続ける。ステップS220での判断結果が「YES」であれば、ステップS221に進む。
【0145】
ステップS221においては、トナーの補給を終了するが、この後も現像剤とトナーとの混合・攪拌を継続しながら、ステップS210で得たセンサ出力の補正値に基づくトナー濃度制御を行い、トナー濃度が適正か否かを判断し(ステップS222)、トナー濃度が適正でなければステップS221へ戻り、現像剤の混合・攪拌を継続する。トナー濃度が適正であればステップS223に進んで印刷を実行する。
【0146】
ステップS223の処理を終えた後は、ステップS224において、トータルの印刷枚数がページ数(N)×部数(X)になっているか否かを判定し、その判定結果が「NO」である場合はステップS223に戻り、「YES」である場合はステップS217へ進み、センサ出力Vtの補正を解除する。ステップS217の処理が終了した後は、ステップS218へ進み、次の印刷ジョブがあるか否かを判断し、印刷ジョブがあれば再びステップS201に戻り、印刷ジョブがなければジョブを終了する。
【0147】
以上の図20に示すフローでは、印字率の高低によって閾値が変更されるとともに、トナー補給時期ないしはトナー補給方法を異ならせながら、ジョブ実行毎にトナー補給が実行されるので、トナー補給の要否または有無判定は行わないが、前記した図19に示すように、印字率の高低に基づいて閾値に対する補正量を異ならせるとともに、補正を受けた閾値に対してトナー補給の要否が異なってくるフローとすることもできる。
【0148】
最後に、下記の表1〜表8に、印字率の高低あるいは画像密度の高低に対する閾値またはセンサ出力の補正方向、補正幅、トナー補給量、トナー補給時期、及び、現像器攪拌時間について、トナー濃度センサの特性(正/負)毎に分類してまとめる。
【0149】
【表1】
【0150】
【表2】
【0151】
【表3】
【0152】
【表4】
【0153】
【表5】
【0154】
【表6】
【0155】
【表7】
【0156】
【表8】
【0157】
以上の閾値の補正量またはトナー濃度センサ出力値の補正量の例を下記の表9にまとめて示す。表9に示す補正量は、センサ特性に関係する正負の符号を含む絶対値である。印刷データに対する印刷部数や印字率に基づき、閾値またはセンサ出力値に対して補正値ΔVを、センサの正負特性に合わせて加算または減算することになる。上記表1〜表8に示すように、センサ特性が同じとすると、閾値に対する補正方向と、センサ出力値に対する補正方向とは互いに逆方向となる。
【0158】
【表9】
【0159】
<本発明の比較例>
図21は、トナー濃度の変動要因の一つである現像量の急激な変動時のトナー濃度の変動を示す図である。
【0160】
図21(A)は、ビデオ信号印字率を示す図であり、横軸が印刷するページ番号、縦軸が印字率データである。ページ1から5までは印字率10%の印字、ページ5から10までは印字率50%の印字、そして、ページ11からページ16までは再び印字率10%の印字という設定である。
【0161】
図21(B)は、現像部における現像剤のトナー濃度を示す図であり、点線で示す値が設定値である。
【0162】
図21(C)は、トナー濃度センサの検出値を示す図であり、点線で示す値はトナー補給制御の目標設定値である。この図21(C)に示すトナー濃度センサSの検出値とトナー補給制御の目標設定値との差をに基づいて、トナーホッパからのトナー補給量を操作する。
【0163】
図21(D)は、トナーホッパからのトナー補給量を示す図である。
【0164】
この比較例において、ページ1から4までは10%印字に対する現像されるトナー量と、補給されるトナー量が一致して安定に稼動している。ぺージ5から急に印字率が50%に上昇すると、補給されるトナー量より現像されるトナー量が多くなり、現像剤のトナー濃度は設定値から増々低下する。トナー濃度センサSは若干(約0.5秒程度)遅延してこのトナー濃度低下を検知し、トナー補給量の増加を指示する。トナー補給量が増加しても、補給された新しいトナーが攪拌器で攪拌・混合及び帯電されながら移動し、現像スリーブ上に到達し、そのトナー濃度が適正値に復帰するまでに2秒ないし3秒程度の時間を要する。その間、現像剤のトナー濃度は設定値より大幅に低下することになり、回復するまでの数ページ分程度の画像濃度は低下する。
【0165】
更にぺージ11から急に印字率が10%に戻ると、補給されるトナー量より現像されるトナー量が少なくなり、現像剤のトナー濃度は設定値から増々増加する。トナー濃度センサSは若干(約0.5秒程度)遅延してこのトナー濃度増加を検知し、トナー補給の停止を指示する。トナー補給が停止されても、その前に補給されたトナーが攪拌帯電されながら移動し、現像スリーブ上に到達するため、2秒程度、現像部のトナー濃度は増加し続ける。その結果、現像剤のトナー濃度は設定値よりも大幅に高くなり、今度はトナー消費量が少ないため、回復するまでかなりの間の画像濃度は高くなる。
【0166】
<本発明の実施例>
図22は、本発明によるトナー補給量の補正手段の説明図である。なお、ビデオ信号に複合された印字率データは、プリンタエンジンに送信される。
【0167】
図22(E)は印字率データを示す図である。前記したように実際に印字するビデオ信号は、画素データメモリに格納されて数ページ分(3秒間程度)遅延して出力されるため、印字率データは、図示するように印字するビデオ信号の印字率より数ページ分前に得ることができる。
【0168】
図22(F)に示すように、数ページ前の印字率信号との差から設定補正データを作成し、その設定補正データをトナー補給制御の目標値に重畳する。図22(B)の線図は、その結果のトナー濃度の変動を示しており、この図22(B)から、図21に示した比較例よりもトナー濃度の変動量をかなり小さくできることがわかる。なお、この実施例において、トナー濃度センサSの検出値及びトナーホッパからのトナー補給量はそれぞれ図22(C)及び(D)に示すような線図となる。
【0169】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の印刷システムによれば、印刷データを展開した画素データ(もしくは画像データ)から印字率(画像面積比率)または画像密度を算出し、その印字率または画像密度に基づいてトナー補給量と、トナー補給を開始するトナー濃度閾値またはトナー濃度センサの出力値の変補正を行って、トナー補給動作と画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序を変更するので、トナー補給量の過不足に伴うトナー濃度の上昇またはトナー濃度の低下を防ぐことができ、常に安定した画質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の印刷システムの動作説明図である。
【図3】本発明の実施形態に用いる画像形成装置の構成を模式的に示す側面図である。
【図4】画像形成装置の現像器の構成を模式的に示す断面図である。
【図5】トナー濃度センサの回路構成図である。
【図6】トナー濃度と透過率センサの出力値との関係を示すグラフである。
【図7】画像形成装置のトナー補給系の構成を示すブロック図である。
【図8】印字率の演算方法及び印字率を基にしたトナー補給量の設定方法の説明図である。
【図9】トナー補給ローラの回転時間と画像面積比との関係を示すグラフである。
【図10】印字率と閾値補正量との関係を示すグラフである。
【図11】連続コピー枚数と閾値補正量との関係を示すグラフである。
【図12】印字率とトナー補給量との関係を示すグラフである。
【図13】印字率とトナー補給量との関係を示すグラフである。
【図14】トナー補給量と攪拌継続時間との関係を示すグラフである。
【図15】トナー補給量と攪拌継続時間とのとの関係を示すグラフである。
【図16】印字率と攪拌継続時間とのとの関係を示すグラフである。
【図17】印字率と攪拌継続時間とのとの関係を示すグラフである。
【図18】本発明の実施形態において実行する画像形成処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施形態において実行する画像形成処理の他の例を示すフローチャートである。
【図20】本発明の実施形態において実行する画像形成処理の別の例を示すフローチャートである。
【図21】本発明の比較例の説明図である。
【図22】本発明の実施例の説明図である。
【図23】従来のトナー補給制御の問題点の説明図である。
【符号の説明】
100 画像形成装置
10 画像読取部
20 レーザ書込部
30 画像形成部
33 現像器
40 給紙部
50 CPU
51 ROM
52 RAM
53 I/O
54 トナー補給ローラモータ駆動回路
55 トナー補給ローラモータ
56 攪拌ローラモータ駆動回路
57 攪拌ローラモータ
61 CCD
62 トナー補給ローラ
S トナー濃度センサ
101 汎用コンピュータシステム
102 プリンタコントローラ
102a CPU
102b I/F
102c フォントメモリ
102d 印刷データメモリ
102e 画素データメモリ
102f ビデオ信号生成回路(送信部)
102g 印字率データメモリ
103 画素置換回路
111 画像形成面積検出手段
112 被現像面積検出手段
113 画像面積比率演算手段
114 トナー補給量設定手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真記録装置等の画像形成装置を含む印刷システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真記録装置においては、プリンタコントローラとプリンタエンジンとの間に画素置換回路を挿入し、プリンタコントローラからの、白黒二値の低解像度のビデオ信号から高解像度のビデオ信号を生成し、そのビデオ信号でレーザー書込手段を駆動して静電潜像を形成し、電子写真記録手段で記録するという構成により、印刷プログラムを変更することなく、簡易な回路要素の付加によって印刷品質の良質な画像記録を実現している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような従来技術では、プリンタコントローラからの、白黒2値の低解像度のビデオ信号を、数ライン分だけ一時ラインメモリに格納し、レーザで記録するドットに対応する画素データ、及び、その周囲のドットに対応する画素データから、記録するドットの属性情報を場合分けし、それに対応する高解像度のビデオ信号を生成し、低解像度のビデオ信号を置換してプリンタエンジンに出力している。なお、属性情報とは、記録するドットがどのような図形の一部であるかを示すもので、通常十数通り程度の場合が定義され、それぞれに対応した高解像度のビデオ信号も事前に定義される情報のことである。
【0004】
ところが、上記の画像記録の技術では、電子写真記録手段の印刷濃度の変動について配慮がなされていないため、印刷濃度が濃い時は、印刷画像の細部が潰れたり、線幅が太くなってしまう。逆に、印刷濃度が薄い時には、印刷画像の細部が擦れたり、線幅が細くなったりする。
【0005】
次に、電子写真画像記録装置に用いられる2成分現像器の構成を図4を参照しながら説明する。
【0006】
現像器33内部には磁性キャリアとトナーが一定の割合(トナー濃度数%)で混合された現像剤が収容されており、印刷が実行されると、現像スリーブ33aから、感光体ドラム32にトナーだけが転移して現像されるため、現像剤中のトナー濃度が低下する。現像剤は、帯電のために常に攪拌部材(攪拌羽根)303で攪拌されている。その現像剤流路に透磁率式のトナー濃度センサSが設置されており、現像剤のトナー濃度が設定値よりも低下すると、センサ出力に応じてトナー補給用のトナー補給ローラ(図示せず)が回転し、トナーホッパ(図示せず)に収容されているトナーを現像器33の内部へ供給するようになっている。
【0007】
しかしながら、このようなトナー補給制御を施しても、トナー濃度は目標値から変動し、トナー濃度が設定値より高くなると、現像量が増加し、印刷画像の細部が潰れたり、線幅が太くなってしまう。また、トナー濃度が設定値より低くなると、印刷画像の細部が擦れたり、線幅が細くなったりする。
【0008】
具体的に説明すると、上記のようなトナー補給量制御では、文字原稿のように印字面積率が3%〜10%程度の比較的トナー消費量が少ない複写作業の場合には、現像剤に対するトナー補給量が過剰になり、トナー飛散や複写物の地肌汚れ(BG低下)等の問題が発生する。これに対し、グラフィック原稿や写真原稿のように印字面積率が高く、トナー消費量の多い複写作業の場合には、トナー消費量が補給されるトナー量よりも多くなるので、コピー濃度低下が発生する。
【0009】
また、白ベタ原稿(階調レベルで 0/255レベル)の連続コピーから、ハーフトーン原稿(階調で48/255レベル)の連続コピーに移行した時、現像器内の現像スリーブ上のトナー濃度の推移は、図23に破線で示すように、初期トナー濃度に対して±1wt%の制御範囲内に収まる。図23に示すグラフでは、横軸はコピー枚数であり、縦軸は、初期トナー濃度を基準にした、現像器33内の現像スリーブ上のトナー濃度としている。また、マイナス側がトナー濃度の低くなる方向で、プラス側がトナー濃度の高くなる方向である。さらに、コピー枚数は白ベタ原稿からハーフトーン原稿へ移行した時を0としている。なお、トナー濃度センサの出力値変化は、図23の実線で繋いだ白抜円で示される。トナー濃度すなわちセンサ出力値が規定値を下回ると、センサ出力値がプラスに転化するまでの期間中はトナー補給信号が常に出力され、トナー補給動作が継続的に実行される。
【0010】
これに対して、白ベタ原稿の連続コピーから黒ベタ原稿の連続コピーに移行する場合は、約−1.3wt%まで低下し、アンダシュート(図23のA部分を参照)する。このアンダシュートの原因は、黒ベタ原稿のコピーが始まった直後では、まず、現像スリーブに近い側の現像剤から現像部へ供給されトナー濃度が低下し、次第に現像器全体にトナー濃度が低下した現像剤が分布する割合が増加するので、トナー濃度センサからトナー補給ローラ62へトナー補給信号が即座に出力されず、少し遅れてからトナー補給信号が出力されるため、しばらくの間はトナーが消費される一方、全くトナー補給が実行されず過少補給となるためである。なお、この場合は、コピー枚数は白ベタ原稿から黒ベタ原稿へ移行した時を0としてある。
【0011】
逆に、黒ベタ原稿の連続コピーから白ベタ原稿の連続コピーに移行する場合には、トナー濃度の制御がオーバシュート(図23のB部分を参照)してしまう。ここで、図23におけるB部分の最初の点が黒ベタ原稿から白ベタ原稿に移った枚数である。このオーバシュートの原因は次の通りである。
【0012】
黒ベタ連続コピー中は、トナー補給がトナー消費量に見合うように最大に近い状態で実行されるので、トナー濃度センサからはトナー補給信号が連続的に出力される状態となり、これを受けてトナー補給ローラ62は、トナー補給信号が出力されなくなるまで連続的に回転する。そのため、白ベタ原稿の連続コピーが始まっても、現像剤中のトナーはさほど消費されず、現像器の奥側(現像剤搬送方向の上流側)からトナー濃度の過剰が始まり、この現像剤が現像器内の手前側へと搬送され、トナー濃度センサによって検知されるまでの期間は最大補給が続けられるためにオーバーシュートが生じる。
【0013】
一方、従来の画像形成装置においては、トナー濃度センサがトナー濃度を検知し、トナー濃度が一定値以下になると、画像形成動作と並行してトナー補給が行われるので、トナー濃度センサからのトナー補給信号に基づいて、新たに現像器へ補給されたトナーが現像器内部で十分に混合・攪拌を受けずに、帯電が不十分なままで現像部に搬送・供給される可能性もある。すなわち、コピー条件によっては画像形成動作とトナー補給動作とが同時進行する場合が存在するため、上記のような画像欠陥発生が懸念されるほかに、画像形成動作の進行中にトナー消費量に対してトナー補給量が追従できない場合や、トナーエンプティによって画像形成装置の停止が発生し、作業者に対して多大な負担を強いることがある。
【0014】
通常、画像形成装置においては、印刷濃度の変動に対して、記録手段の印刷動作と並行してトナー補給制御を行っている。
【0015】
例えば、原稿の印字率を割り出し、その印字率の高低に基づいて、画像形成動作と同時進行するトナー補給動作でのトナ−補給を開始するトナー濃度レベルを切り換えることによって、トナー補給開始タイミングの遅速制御や、印字率の高低をトナー補給量に関連付け、現像器の攪拌継続時間の長短制御を行うことによって、トナ−濃度の低下を防ぎ、常に安定した画質を得る技術が提案がなされている(例えば、特許文献2参照。)。
【0016】
【特許文献1】
特開平8−310057号公報
【特許文献2】
特開平4−204468号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した提案技術のように、画像データの印字率に基づいてトナー補給制御を行うと、トナー補給制御の高精度化を図ることができるものの、画像形成動作と並行してトナー補給が行われるので、トナー濃度センサからのトナー補給信号に基づいて、新たに現像器へ補給されたトナーが現像器内部で十分に混合・攪拌を受けずに、帯電が不十分な状態のままで現像部へ搬送・供給される可能性もある。すなわち、コピー条件によっては画像形成動作とトナー補給動作とが同時進行する場合が存在するため、トナー飛散、黒班点等の画像欠陥が発生すると予想される。また、容量的に大きい画像データを扱う必要がある場合には、画像データから印字率を算出することが画像形成装置側の画像処理系統の負担増や処理速度低下に繋がることがある。
【0018】
本発明はそのような実情に鑑みてなされたもので、電子写真記録装置等の画像形成装置側の画像処理系統の負担増や処理内容の複雑化を招くことなく、印刷濃度の変動を抑制することができ、もって高画質の印刷画像を得ることが可能な印刷システムの提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の印刷システムは、印刷データを画素データに展開する画素データ展開部と、画像形成装置(電子写真記録装置)を使用して記録する画像の印字率を前記画素データから算出する印字率算出部と、前記印字率に基づいて画像形成装置の現像器へのトナー補給量、トナー補給を開始する現像器内のトナー濃度閾値、並びに、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序を制御する制御部と、低解像度のビデオ信号を高解像度のビデオ信号に置換する画素置換部と、前記画素データを前記ビデオ信号として画像形成装置へ送信する送信部とを備え、その送信部からのビデオ信号に応じて前記画像形成装置が印刷を行うように構成されていることによって特徴づけられる。
【0020】
この発明の印刷システムにおいては、画像形成装置に接続されたPC端末等の外部機器から印字命令としてデータを転送する際に、保有している画像データの送出とともに、画像データの画像面積比率(印字率)に基づいて変補正したトナー補給量、トナー濃度閾値、並びに、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序(トナー補給動作と画像形成動作のいずれを先行して実行するかの順序)を付属情報として送出する。
【0021】
そして、外部機器が保有している画像データを展開した画素データから印字率(画像面積比率)を割り出し、その印字率に基づいてトナー補給量及びトナー補給を開始するトナー濃度閾値の変補正を行って、画像形成装置の各動作(トナー補給動作と画像形成動作)の動作順序を変更することにより、トナー補給量の過不足に伴うトナー濃度の上昇またはトナー濃度の低下を防ぎ、常に安定した画質が得られるようにする。
【0022】
また、印字データの各ページ毎に上記制御項目の設定変更を可能とすることにより、トナー濃度変化に対して時間的に遅速なく対応することができるので、印字率変化に伴う画像濃度変化の防止を適切に行える。
【0023】
しかも、大容量の画像データを扱う必要がある場合でも、上記制御項目の設定変更を外部機器側で実行することにより、画像形成装置側に依存することがないので、電子写真装置側の画像処理系統の負担増加や、処理の速度低下に繋がることがない。
【0024】
この発明の印刷システムにおいて、前記印字率に基づく制御情報を、ビデオ信号出力(画像形成実行)よりも前に送出することにより、画像形成装置側(現像容器内)のトナー濃度変動を極力小さくすることができるので、潰れや擦れのない高画質な画像を得ることができる。また、トナー補給動作と画像形成動作とが時期的に分離され、トナー補給動作が画像形成動作と並行することなく独立的に行われるので、画像欠陥の発生防止を図ることができる。
【0025】
この発明の印刷システムにおいて、印字データの各ページの画像形成毎に印字率を割り出し、その印字率に基づいてトナー濃度の閾値を変更するようにしてもよい。このようにすれば、印字データの各ページの内容に応じて、トナーの補給開始の濃度を設定でき、過剰なトナー補給、または、画像濃度の低下を防止することが可能となる。
【0026】
この発明の印刷システムにおいて、印字データの各ページの画像形成毎に画像データの印字率を割り出し、その印字率に基づいてトナー補給時期を変更するようにしてもよい。このようにすれば、印字データの各ページの内容によっては、画像形成動作への移行前にトナーを補給することが可能となり、トナー濃度の低下による画像濃度の低下を防止することが可能となる。
【0027】
この発明の印刷システムにおいて、印字データの各ページの画像形成毎に画像データの印字率を割り出し、その印字率に基づいてトナーの攪拌継続時間を変更するようにしてもよい。このようにすれば、トナー補給量に見合う充分なトナー攪拌時間を確保することができるので、トナー帯電の安定化を図ることが可能となる。
【0028】
本発明の印刷システムは、印刷データを画素データに展開する画素データ展開部と、画像形成装置(電子写真記録装置)を使用して記録する画像の画像密度を前記画素データから算出する画像密度算出部と、前記画像密度に基づいて、画像形成装置の現像器へのトナー補給量、トナー補給を開始する現像器内のトナー濃度閾値、並びに、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序とを制御する制御部と、低解像度のビデオ信号を高解像度のビデオ信号に置換する画素置換部と、前記画素データを前記ビデオ信号として画像形成装置へ送信する送信部とを備え、その送信部からのビデオ信号に応じて前記画像形成装置が印刷を行うように構成されていることによって特徴づけられる。
【0029】
この発明の印刷システムにおいては、画像形成装置に接続されたPC端末等の外部機器から印字命令としてデータを転送する際に、保有している画像データの送出とともに、画像データの画像密度に基づいて変補正したトナー補給量、トナー濃度閾値、並びに、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序(トナー補給動作と画像形成動作のいずれを先行して実行するかの順序)を付属情報として送出する。
【0030】
そして、外部機器が保有している画像データを展開した画素データから画像密度を割り出し、その画像密度に基づいてトナー補給量及びトナー補給を開始するトナー濃度閾値の変補正を行って、画像形成装置の各動作(トナー補給動作と画像形成動作)の動作順序を変更することにより、トナー補給量の過不足に伴うトナー濃度の上昇またはトナー濃度の低下を防ぎ、常に安定した画質が得られるようにする。
【0031】
また、印字データの各ページ毎に上記制御項目の設定変更を可能とすることにより、トナー濃度変化に対して時間的に遅速なく対応することができるので、印字率変化に伴う画像濃度変化の防止を適切に行える。この発明のように画像密度で扱うと、多値画像に関して画素単位のトナー付着量レベルまで考慮することができるので、単純に印字率で扱うよりも高精度な制御が可能となる。
【0032】
さらに、この発明の印刷システムにおいては、大容量の画像データを扱う必要がある場合でも、上記制御項目の設定変更を外部機器側で実行することにより、画像形成装置側に依存することがないので、画像形成装置側の画像処理系統の負担増加や、処理の速度低下に繋がることがない。
【0033】
この発明の印刷システムにおいて、前記画像密度に基づく制御情報を、ビデオ信号の出力(画像形成実行)よりも前に送出することにより、画像形成装置側(現像容器内)のトナー濃度変動を極力小さくすることができるので、潰れや擦れのない高画質な画像を得ることができる。また、トナー補給動作と画像形成動作とが時期的に分離され、トナー補給動作が画像形成動作と並行することなく独立的に行われるので、画像欠陥の発生防止を図ることができる。
【0034】
この発明の印刷システムにおいて、印字データの各ページの画像形成毎に画像密度を割り出し、その画像密度に基づいてトナー濃度の閾値を変更するようにしてもよい。このようにすれば、印字データの各ページの内容に応じて、トナーの補給開始の濃度を設定でき、過剰なトナー補給、または、画像濃度の低下を防止することが可能となる。
【0035】
この発明の印刷システムにおいて、印字データの各ページの画像形成毎に画像データの画像密度を割り出し、その画像密度に基づいてトナー補給時期を変更するようにしてもよい。このようにすれば、印字データの各ページの内容によっては、画像形成動作への移行前にトナーを補給することが可能となり、トナー濃度の低下による画像濃度の低下を防止することが可能となる。
【0036】
この発明の印刷システムにおいて、印字データの各ページの画像形成毎に画像データの画像密度を割り出し、その画像密度に基づいてトナーの攪拌継続時間を変更するようにしてもよい。このようにすれば、トナー補給量に見合う充分なトナー攪拌時間を確保することができるので、トナー帯電の安定化を図ることが可能となる。
【0037】
本発明の印刷システムは、画像データに基づく印字率または画像密度の算出結果に応じて、画像形成装置の現像器へのトナー補給量と、トナー補給を開始する現像器内のトナー濃度閾値とを変更することにより、画像形成動作と全体的または部分的に並行して進行するトナー補給動作及び現像器の混合・攪拌動作を排除するとともに、非画像形成時に全てのトナー補給動作及び現像器の混合・攪拌動作を完了することを特徴としている。
【0038】
このように、画像形成期間中に発生する一切のトナー補給動作を排除し、トナー補給量に見合う充分なトナー攪拌時間を確保することで、現像器にトナーを補給した直後の、充分に混合・攪拌を受けない状態のトナーが供給されることにより発生する問題つまりトナー飛散、画像カブリ、黒班点等の画像欠陥の発生を防止することができる。
【0039】
この発明の印刷システムにおいて、トナー補給動作の時期(トナー補給時期)を、印字率または画像密度が高いときは画像形成開始の直前に変更し、印字率または画像密度が低いときは画像形成終了後に変更するように構成してもよい。このように、印字率または画像密度が高いときには、予め画像形成開始の直前にトナー補給を行うことによって、画像形成途中のトナー補給動作の実行を排除することができる。また、印字率または画像密度が低いときには、画像形成終了後にトナー補給を行うことによって、画像の読み込みから画像形成までの時間を短縮化することができる。
【0040】
本発明の印刷システムは、印刷データを画素データに展開する画素データ展開部と、画像形成装置(電子写真記録装置)を使用して記録する画像の印字率を前記画素データから算出する印字率算出部と、前記印字率に基づいて、画像形成装置の現像器へのトナー補給量、現像器内のトナー濃度の出力値(トナー濃度センサの出力値)、並びにトナー補給動作及び画像形成に係る画像形成装置の動作順序とを制御する制御部と、低解像度のビデオ信号を高解像度のビデオ信号に置換する画素置換部と、前記画素データを前記ビデオ信号として画像形成装置へ送信する送信部とを備え、その送信部からのビデオ信号に応じて前記画像形成装置が印刷を行うように構成されていることを特徴としている。
【0041】
この発明の印刷システムにおいては、画像形成装置に接続されたPC端末等の外部機器から印字命令としてデータを転送する際に、保有している画像データの送出とともに、画像データの画像面積比率(印字率)に基づいて変補正したトナー補給量、トナー濃度センサの出力値、並びに、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序(トナー補給動作と画像形成動作のいずれを先行して実行するかの順序)を付属情報として送出する。
【0042】
そして、外部機器が保有している画像データを展開した画素データから印字率(画像面積比率)を割り出し、その印字率に基づいてトナー補給量及びトナー濃度センサの出力値の変補正を行って、画像形成装置の各動作(トナー補給動作と画像形成動作)の動作順序を変更することにより、トナー補給量の過不足に伴うトナー濃度の上昇またはトナー濃度の低下を防ぎ、常に安定した画質が得られるようにする。
【0043】
また、印字データの各ページ毎に上記制御項目の設定変更を可能とすることにより、トナー濃度変化に対して時間的に遅速なく対応することができるので、印字率変化に伴う画像濃度変化の防止を適切に行える。
【0044】
しかも、大容量の画像データを扱う必要がある場合でも、上記制御項目の設定変更を外部機器側で実行することにより、画像形成装置側に依存することがないので、電子写真装置側の画像処理系統の負担増加や、処理の速度低下に繋がることがない。
【0045】
本発明の印刷システムは、印刷データを画素データに展開する画素データ展開部と、画像形成装置(電子写真記録装置)を使用して記録する画像の画像密度を前記画素データから算出する画像密度算出部と、前記画像密度に基づいて、画像形成装置の現像器へのトナー補給量、現像器内のトナー濃度の出力値(トナー濃度センサの出力値)、並びに、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序とを制御する制御部と、低解像度のビデオ信号を高解像度のビデオ信号に置換する画素置換部と、前記画素データを前記ビデオ信号として画像形成装置へ送信する送信部とを備え、その送信部からのビデオ信号に応じて前記画像形成装置が印刷を行うように構成されていることを特徴としている。
【0046】
この発明の印刷システムにおいては、画像形成装置に接続されたPC端末等の外部機器から印字命令としてデータを転送する際に、保有している画像データの送出とともに、画像データの画像密度に基づいて変補正したトナー補給量、トナー濃度センサの出力値、並びに、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序(トナー補給動作と画像形成動作のいずれを先行して実行するかの順序)を付属情報として送出する。
【0047】
外部機器が保有している画像データを展開した画素データから画像密度を割り出し、その画像密度に基づいてトナー補給量及びトナー濃度センサの出力値の変補正を行って、画像形成装置の各動作(トナー補給動作と画像形成動作)の動作順序を変更することにより、トナー補給量の過不足に伴うトナー濃度の上昇またはトナー濃度の低下を防ぎ、常に安定した画質が得られるようにする。
【0048】
また、印字データの各ページ毎に上記制御項目の設定変更を可能とすることにより、トナー濃度変化に対して時間的に遅速なく対応することができるので、印字率変化に伴う画像濃度変化の防止を適切に行える。この発明のように画像密度で扱うと、多値画像に関して画素単位のトナー付着量レベルまで考慮することができるので、単純に印字率で扱うよりも高精度な制御が可能となる。
【0049】
さらに、この発明の印刷システムにおいては、大容量の画像データを扱う必要がある場合でも、上記制御項目の設定変更を外部機器側で実行することにより、画像形成装置側に依存することがないので、画像形成装置側の画像処理系統の負担増加や、処理の速度低下に繋がることがない。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて各項目ごとに説明する。
【0051】
<印刷システムの説明>
図1は本発明を適用する印刷システムの構成を示すブロック図である。
【0052】
図1の印刷システムにおいて、汎用コンピュータシステム101は、印刷プログラムを実行して文字や図形・イメージ等の印刷データを作成し、それをプリンタコントローラ102へ送出する。
【0053】
プリンタコントローラ102は、CPU102a、I/F102b、フォントメモリ102c、印刷データメモリ102d、画素データメモリ102e、ビデオ信号生成回路102fなどを備えており、汎用コンピュータシステム101からの印刷データは、まずはI/F102bを介して印刷データメモリ102dに格納される。
【0054】
次に、印刷データは、プリンタコントローラ102内のCPU102aにおいて、フォントデータ等を使って展開され、白黒2値の画素データとなって画素データメモリ102eに格納される。画素データは、ビデオ信号生成回路102fによって、低解像度のビデオ信号になり、画素置換回路103に出力される。
【0055】
画素置換回路103は、低解像度のビデオ信号を高解像度のビデオ信号に置換して画像形成装置100に出力する。画像形成装置100では、高解像度のビデオ信号で内部のレーザ書込手段を駆動し、静電ドラム上に静電潜像を形成し、電子写真記録手段により印刷する。
【0056】
ここで、印刷データは、一般にページ記述言語と呼ばれる、コマンドとデータの集合体になっている。
【0057】
<印刷システムの動作説明>
図1の印刷システムの動作を図2を参照しながら説明する。
【0058】
コマンドスキャンプログラムPr1は、印刷データメモリ102dに格納された1ページ分の印刷データを検査し、文字や図形・イメージに関するコマンド情報を抽出する。例えば、代表的ページ記述言語であるPostScript(AdobeSystems社製)のコマンドでは、文字を描画する“show”、図形を描画する“stroke”,“fill”、イメージを描画する“image”等がある。これらは、印刷データのなかで、簡単なテキストデータになっているため、コマンドスキャンプログラムPr1は、印刷データを検索することにより容易に見つけ出すことができる。
【0059】
印刷データは、PostScriptデータ展開用プログラムPr2によって展開され、1ページ分の画素データとなって画素データメモリ102eに格納される。画素データメモリ102eは数ページ分備えており、最低でも3ページ程度遅延させて画素データを出力できる。
【0060】
次に、画素データスキャンプログラムPr3は、画素データメモリ102eに格納された1ページ分の画素データを検査し、ページ当たりの印字率データを抽出する。画素あたり1bitのモノクロ情報であれば、単純にページ当たりの黒のドット数を計数し、全画素数で割ることによってページ当たりの印字率データが求められる。また、画素あたり複数bitのモノクロ中間調情報の場合は、それらの情報を加算して、全画素が黒ベタ(最大濃度)として加算した値で割ることによってページ当たりの印字率データが求められる。求められたページ当たりの印字率データは、印字率データメモリ102gに一時格納される。
【0061】
次に、ビデオ信号生成回路102fは、画像形成装置100からの同期信号に従って画素データからビデオ信号を生成して出力する。
【0062】
<ビデオ信号の送信方法>
画像形成装置100からのページ同期信号は、各ページの印刷領域を示す信号である。従って、同期信号がONの期間すなわち印字領域内でビデオ信号が出力される。この実施形態では、同期信号がOFFの期間すなわち印字領域外(余白及び紙間に相当する部分)で属性情報テーブル及び印字率データの内容が、シリアルデータに直されて、画素置換回路103及び画像形成装置100にそれぞれ送られ、従来のビデオ信号に複合されるため、新たな信号線を増設する必要はない。
【0063】
そして、上記したようにプリンタコントローラ102内の画素データメモリ102eが最小でも3ページ分持てるとすると、印字率データに対し、ビデオ信号を3ページ分遅らせることができるので、例えばNページ目のビデオ信号の直前に(N+3)ページ目の印字率データを送るようにする。
【0064】
また、画像形成装置100が、連続紙プリンタのように印字領域外が存在しない装置の場合、属性情報テーブル102h及び印字率データメモリ102gについては、連続紙プリンタからのライン同期信号(各ラインの印刷位置を合わせるための同期信号)が発生しても、すぐには印字領域にならないので、それまでの非印字領域内で属性情報テーブル102h及び印字率データメモリ102gの内容を、シリアルデータに直して、画素置換回路103及び連続紙プリンタにそれぞれ送る。なお、1ラインで送りきれない場合は複数ラインで送ることも可能である。この場合も従来のビデオ信号に複合されるため、新たな信号線を増設する必要はない。
【0065】
<画像形成装置の説明>
本実施形態に用いる画像形成装置を図3に示す。
【0066】
画像形成装置100は、画像読取部10、レーザ書込部20、画像形成部30及び給紙部40などを備えている。
【0067】
画像読取部10は、棒状の照明ランプ11a及びミラー11bを備える第1ミラーユニット11と、一対のミラー12aが対向して配置している第2ミラーユニット12とからなる光学ユニットUを備えている。
【0068】
また、原稿台に載置される原稿Dの画像は、第1ミラーユニット11の実線から破線にて示す位置への平行移動と、第2ミラーユニット12の第1ミラーユニット11に対する1/2の速度の追従移動とにより露光走査される。そして、その画像は投影レンズ13を介して撮像素子14に結像され、光電変換された電気信号が画像処理部(図示せず)での画像処理を経て画像信号としてメモリに一旦格納される。
【0069】
次に、上記の画像信号がレーザ書込部20に入力されると、半導体レーザ(図示せず)で発生されたレーザビームは、駆動モータ21により回転されるポリゴンミラー22により回転走査される。その後、レーザビームは、fθレンズ23及びミラー24〜26からなる反射光学系を経て、帯電器31により予め一定電位に帯電された感光体ドラム32の感光面を走査露光する。これにより、原稿画像の静電潜像が形成される。
【0070】
このように、レーザビームによる主走査、及び、感光体ドラム32の回転に伴う副走査により感光体ドラム32の周面上に原稿画像の静電潜像が形成される。この潜像は、現像器33の現像スリーブ33aが担持するトナーによって反転現像されてトナー画像となる。
【0071】
一方、給紙部40には給紙カセット41,41が装填される。給紙部40に装填された各給紙カセット41からは、指定のサイズの転写紙Pが収納する給紙カセット41の搬出ローラ41aの作動により搬出される。その後、搬送ローラ43を介して画像の転写部に向け給紙される。この給紙された転写紙Pは、レジストローラ44により、前述した感光体ドラム32の周面上のトナー画像に、タイミングを調整された上で、同期して転写部へと給送され、転写器34により帯電されてトナー像が転写される。
【0072】
また、トナー像の転写がなされた転写紙Pは、分離器35の除電作用により感光体ドラム32の周面より分離し、搬送ベルト36を経て定着器37に搬送される。定着器37に搬送された転写紙Pは、上ローラ37aと下ローラ37bとの挟着と加熱によりトナーが溶着された後、搬送ローラ38を介して定着器37から排出される。最後に、排出された転写紙Pは、排紙ローラ45を経てトレイ5上に排紙される。
【0073】
一方、転写紙Pを分離した感光体ドラム32は、クリーニング装置39において圧接するブレード39aにより残留トナーを除去、清掃したのち再び帯電器31により電荷の付与を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0074】
<現像器の説明>
画像形成装置100の現像器33の構造を図4を参照しながら説明する。
【0075】
現像器33は、非磁性のトナーと磁性キャリアとを混合した2成分現像剤を収容している。上記2成分現像剤は、この現像剤を内包するマグネットローラの磁力により現像スリーブ33aの周面に吸着・保持される。そして、ドクターブレード302を介して所定の現像剤層厚として感光体ドラム32の周面に搬送された後、現像バイアス電圧の印加によりトナー成分のみを感光体ドラム32側に転移して潜像の現像を行う。
【0076】
現像器33には、上面部にトナー補給口306が設けられており、また、現像器33にはトナー濃度センサSが設けられている。トナー濃度センサSは、現像器33の底面部等の、現像剤流との接触が促進され易い位置(攪拌搬送部材等の先端部の対向位置)に配置されており、現像剤のトナー濃度を検出することができる。なお、トナー濃度センサSの詳細は後述する。
【0077】
上記2成分現像剤は、現像器33内に配置された攪拌部材303の回転と、相反する方向に推力を有する一対の搬送スクリュ304,305の回動とにより、トナーとキャリアとが均等に分布するよう混合される。また、現像の進行に伴ってトナーが消費されると、トナー濃度センサSによりトナー成分の減少が検知されて、その信号により制御系を介してトナーホッパ(図示せず)から、現像器33の上面部に設けたトナー補給口306を介して矢示方向からトナーの補給が開始される。
【0078】
ここで、トナーホッパから補給されるトナーは、まずは搬送スクリュ305の推進力によって現像器33の奥側(感光体ドラム32と反対側)に移送され、さらに搬送スクリュ304の推進力によって再び現像器33の手前側(感光体ドラム32側)に移送される。その後、攪拌部材303の回転作動を受けて、磁性キャリアと混合して均等に分布される。
【0079】
以上のように、現像剤中のトナーの比率が増加すると、トナー濃度センサSによりトナー成分の回復が検知され、トナーホッパによるトナー補給が終了する。
【0080】
<トナー濃度センサの説明>
トナー濃度センサSは、透磁率センサである差動トランス方式のトナー濃度センサである。トナー濃度センサSは、図5に示すように、作動トランス80、ねじコア85、位相比較回路87、平滑回路88、5個の入出力端子74a〜74e、及び、5個の引き出し線75a〜75eを備えている。差動トランス80の1次コイル81に交流電源84が供給される。
【0081】
差動トランス80の2次側には、ほぼ同じ巻き数であって、かつ、逆極性となる2個コイルが直列に配置されており、一方のコイルが基準コイル82、他方のコイルが検知コイル83となる。また、作動トランス80の1次コイル81及び基準コイル82の近傍には高透磁率のねじコア85が磁心として働くように挿入されている。そして、ねじコア85の位置を調整することにより、1次コイル81と基準コイル82との間のインダクタンスを調整することができる。
【0082】
次に、トナー濃度センサSのトナー濃度の測定原理について説明する。
【0083】
上述したとおり、上記2成分現像剤を構成しているトナーは非磁性体、キャリアは磁性体である。従って、単位体積当りでトナー成分が多い場合にはキャリア成分が少なくなるため、上記2成分現像剤の磁気抵抗は大きくなる。逆に、トナー成分が少ない場合にはキャリア成分が多くなるので、2成分現像剤の磁気抵抗は小さくなる。トナー濃度センサSは、この磁気抵抗を利用した磁気検出方式の透磁率センサであり、上記磁気抵抗の変動値を換算することによって所定のトナー濃度を検出する。
【0084】
具体的には、図6に示すように、トナー濃度が低いときにはトナー濃度センサ出力VNは高くなり、トナー濃度が高いときにはトナー濃度センサ出力VNは低くなる。つまり、トナー濃度がN0からN1に減少すると、それぞれに対応する透磁率センサ出力値はVN0からVN1に増加する。
【0085】
なお、この実施形態では、トナー濃度センサSとして、負特性を有する透磁率センサを用いているが、正特性を有する透磁率センサをトナー濃度センサSに用いてもよい。
【0086】
以上の図5に示すトナー濃度センサSにおいて、差動トランス80の1次コイル81と検知コイル83との近傍に、測定されるべき現像剤86あるいは磁性体(キャリア)が流れると、その現像剤86あるいは磁性体(キャリア)が磁心として働き、1次コイル81と検知コイル83との間のインダクタンスが変化することになる。このインダクタンスの大きさは、磁心として働いている現像剤86あるいは磁性トナーの磁粉量によって決まるため、検知コイル83の出力電圧によって磁粉量、すなわちキャリア濃度を測定することができる。
【0087】
さらに、基準コイル82と検知コイル83とは、上述したように、ほぼ同じ巻き数であって、かつ、逆極性のものが直列に結ばれているため、両コイルの差を出力として取り出すことができる。
【0088】
具体的には、まず、1次コイル81へ供給される交流電圧と、2次側のコイルである基準コイル82及び検知コイル83の出力とについて、位相比較回路87で排他的論理和を求める。次いで、位相比較回路87の出力信号を平滑回路88で平滑化して直流電圧として取り出すことにより、トナー濃度を測定することができる。
【0089】
<トナー補給動作の説明>
まず、トナー補給動作の制御系の構成を図7を参照しながら説明する。
【0090】
トナー濃度センサSの情報は、I/O53を介してCPU50に伝達される。このCPU50は、画像形成装置100全体の制御を行うものである。また、CPU50には、ROM51とRAM52とが接続されている。さらに、CPU50には、I/O53を介して、CCD61と、トナー補給ローラモータ駆動回路54及び攪拌ローラモータ駆動回路56とが接続されている。トナー補給ローラモータ駆動回路54はトナー補給ローラモータ55を駆動する回路であり、攪拌ローラモータ駆動回路56は攪拌ローラモータ57を駆動する回路である。
【0091】
ROM51には、制御プログラムが予め書き込まれている。また、RAM52には、メモリ52a及びタイマ(図示せず)等のワーキングエリアの領域が割り当てられている。
【0092】
CCD61の画像信号は、I/O53を介してCPU50へ入力される。CPU50は、このデータをRAM52のメモリ52aに記憶するとともに、それに基づいて印字率(画像面積比率)を演算する。
【0093】
なお、上記の図7を用いた説明からも対比できるが、図7のCPU50を図1のプリンタコントローラ102内のCPU102aに、同様にI/O53をプリンタコントローラ102内のI/F102bに、さらにCCD61を汎用コンピュータシステム101に置き換えて扱うことができる。
【0094】
また、図7にあって、図1にないトナー濃度センサSについては、プリンタコントローラ102内のI/F102bを介してその下位に多数分岐している一構成要素である。また、図1にあって、図7にない構成構成つまりビデオ信号生成回路102f以降の構成要素については、I/O53を介したCCD61と同一レベルの一構成要素として見做すことができる。
【0095】
従って、上記図1及び図2を用いて説明したように、印字率または画像密度が既知であるので、画像形成装置100が汎用コンピュータシステム101のプリンタとして動作する場合には、図3に示す画像形成装置100内のCPU50(図7)で印字率または画像密度を演算する必要がなくなり、直ちに画像形成動作の制御またはトナー補給動作の制御のいずれかに反映することができるので、画像形成装置100側のデータ処理時間の短縮化やデータ処理能力の負荷軽減を図ることができる。
【0096】
簡単に言い換えると、例えば画像形成装置100が汎用コンピュータシステム101のプリンタとして動作する場合、画像形成装置100の外部機器からの画像信号を、画像形成装置100本体の画像処理系によって処理し、印字率または画像密度の演算結果を基にトナー補給動作の詳細な制御内容を決定するのに替えて、このようなデータ処理の全てを画像形成装置100の本体外の外部機器、例えばプリンタコントローラ102内のCPU102aで実行することにより、画像形成装置100は、最終的な印字データとトナー補給動作に関する直接的な動作命令を受け取ることになる。
【0097】
ここで、上記印字率または画像密度に基づいてトナー補給制御のための閾値、つまりトナー濃度が減少した際にトナーの補給を開始するトナー濃度値が補正される。なお、上記印字率または画像密度に基づくトナー補給制御のための閾値の補正の詳細については後述する。
【0098】
また、上記プリンタコントローラ102内のCPU102a及び画像形成装置100内のCPU50は、上記印字率または画像密度を基にトナー補給量、トナー補給の時期及びトナーの攪拌時間を判断する。これらトナー補給量、トナー補給の時期及びトナーの攪拌時間についても後述する。
【0099】
さらに、画像形成装置100が複写機として動作する場合、CPU50は、複数枚の原稿を連続的に読み取ってメモリし、その後に印字を行う場合には、それぞれの印字率または画像密度を基に、必要となるトナー補給量を判断するものとする。
【0100】
<印字率の演算方法及び印字率を基にしたトナー補給量の設定>
印字率の演算方法及び印字率を基にしたトナー補給量の設定について、図8を参照しながら説明する。
【0101】
まず、印字率は、画像形成面積検出手段111によって得られた画像形成面積と、被現像面積検出手段112によって得られた被現像面積との比を、画像面積比率演算手段113により演算することにより得られる。つまり、画像形成面積と被現像面積との画像面積比率が印字率となる。
【0102】
ここで、複数ページ分に渡って連続する画像データの検索、または複数枚の原稿を連続して読み取り、この画像データを検索した情報または原稿を読み取った情報を一旦メモリする場合には、この印字率から全体としての平均の印字率を求め、この平均の印字率を、印字率データとして用いる。
【0103】
画像形成面積検出手段111は、画像データまたは原稿の画像面積を検出する手段であり、例えば、外部端末機器で保有する画像データの内容(例えば、印字命令時の用紙サイズ選択や拡大・縮小印字の指定)に基づいて、印字領域の総面積を計算するものである。
【0104】
被現像面積検出手段112は、画像形成面積のうちの現像される部分の面積、つまり感光体ドラム32に対してトナーが付着する潜像部分の面積を検出する手段であり、画像信号に相当するドット数のカウント値に基づいて被画像部分の面積を計算する。画像面積比率演算手段113は、例えば画像形成装置100内に内蔵されたCPU50等により構成される。
【0105】
また、この実施形態では、上記した印字率データ(画像面積比率)をもとに、トナー補給量設定手段114にて、画像形成で必要となるトナーの補給量を求める。上記トナー補給量設定手段114は、上記したトナー補給ローラモータ駆動回路54、トナー補給ローラモータ55、このトナー補給ローラモータ55により駆動するトナー補給ローラ62(図7参照)、及び、トナー補給ローラモータ55の作動時間を制御するタイマを含むものとする。
【0106】
<トナー補給ローラの回転時間と画像面積比率の関係>
上記トナーの補給量(画像面積比)は、図9に示すように、トナー補給ローラ62の回転時間にほぼ比例する。従って、本実施形態では、画像面積比率に見合ったトナー補給量すなわち現像によって消費されるトナー量に対応するように、トナー補給ローラ62の回転時間を設定する。なお、画像面積比率とトナー補給ローラ62の回転時間との関係は、トナー補給装置(トナーホッパ)のトナー補給能力に応じてあらかじめ実験的に決定されており、その関係式またはデータテーブルがROM51に記憶されている。
【0107】
そして、上記画像面積比率に基づいて、トナー補給ローラ62の回転時間が設定されるとトナー補給を開始し、次いでトナー補給ローラ62の回転時間の設定値に到達した時点で、トナー補給ローラ62の回転を停止して、トナー補給を終了する。
【0108】
<印字率に基づく閾値の補正>
印字率に基づくトナー補給制御のための閾値の補正について説明する。
【0109】
本実施形態においては、負特性のトナー濃度センサSを用いているので、低印字率(画像面積比率が低い)の場合は、トナー濃度過剰(オーバーシュート)を防止するために、閾値(仮にV0とする)を高出力側、つまり、V0+ΔV0へシフトすることにより、トナー補給動作の開始時期を遅延させる。なお、ジョブ完了後は、もとの閾値へ復帰する。
【0110】
一方、高印字率(画像面積比率が高い)の場合は、トナー濃度の低下(アンダーシュート)を防止するために、閾値V0を低出力側、つまり、V0−ΔV0へシフトすることにより、トナー補給動作の開始時期を早める。なお、ジョブ完了後は、もとの閾値へ復帰する。以上の閾値補正により、トナーの濃度値が安定して保たれることになる。
【0111】
また、この印字率に応じた閾値の補正量は、例えば図10及び図11に示すような補正データとしてテーブルデータ化されてROM51に格納されている。なお、上記閾値補正量は、数式化してROM51に格納してもよい。
【0112】
<トナー補給時期及びトナー攪拌時間>
トナー補給時期:低印字率の場合は、多くのトナーを消費しないため、一連の画像形成の動作が完了した後にトナー補給を行なう。高印字率の場合は、多くのトナーを消費するため、ジョブ開始前にトナー補給を行なう。ここで、印字実行中はトナー補給動作を行なわないこととする。
【0113】
トナー攪拌時間:低印字率の場合は、補給されるトナーの量が少ないので、現像器33の攪拌時間も短くすることができる。一方、高印字率の場合は、補給されるトナーの量が多いので、現像器33の攪拌時間を長くする必要がある。
【0114】
次に、上記印字率、トナー補給量、攪拌時間のそれぞれの関係について、図12〜図17に基づいて説明する。
【0115】
印字率とトナー補給量との関係は、図12に示すように、印字率を5段階(〜H1、〜H2、〜H3、〜H4、H4以上)に分け、それぞれの段階に対して、個々のトナー補給量を切換える(M0、M1、M2、M3、M4)という関係とする。また、図13に示すように、印字率とトナー補給量とを比例的に変化させる関係としても構わない。
【0116】
トナー補給量と攪拌時間(攪拌継続時間)との関係は、図14に示すように、トナー補給量を5段階(〜M0、〜M1、〜M2、〜M3以上)に分け、それぞれの段階に対して個々の攪拌時間を切換える(T0、T1、T2、T3)という関係とする。また、図15に示すように、トナー補給量と攪拌時間とを比例的に変化させる関係としても構わない。
【0117】
印字率と攪拌時間(攪拌継続時間)との関係は、図16に示すように、印字率を5段階(〜H1、〜H2、〜H3、〜H4、H4以上)に分け、それぞれの段階に対して、個々の攪拌時間を切換える(T0、T1、T2、T3、T4)という関係である。また、図17に示すように、印字率と攪拌時間とを比例的に変化させる関係としても構わない。
【0118】
次に、本実施形態における画像形成処理を図18のフローチャートを参照しながら説明する。
【0119】
まず、ステップS1において印刷部数Xを入力する。具体的には、汎用コンピュータシステム101におけるマウス操作やキーボードを操作して印刷部数Xを入力する。
【0120】
次に、ステップS2において、例えばアプリケーションの“印刷OK”ボタンをクリック操作し、印刷命令を出すことにより、Nページで構成される印刷データ(画像情報)の検索が開始される(ステップS3)。この後、画像形成面積を検出し(ステップS4)、被現像面積を検出する(ステップS5)。
【0121】
そして、ステップS6において、上記画像形成面積と被現像面積(被画像面積)とから、画像面積比率(印字率)を算出し、その画像面積比率に基づいてトナー補給量(トナー補給ローラの回転時間To)を設定する(ステップS7)。
【0122】
この後、ステップS8に進み、上記画像面積比率が、一定値よりも低いか、一定値よりも高いかを判定し、画像面積比率が一定値よりも低い場合つまり印字率が低い場合には、ステップS9において、例えば下記の表9に示すようなデータ・テーブルに基づいてトナー濃度制御の閾値の補正(Vo+ΔV)を行った後、印刷を実行する(ステップS11)。画像面積比率が一定値よりも高い場合つまり印字率が高い場合には、ステップS10に移行する。
【0123】
次に、ステップS12において、トータルの印刷枚数がページ数(N)×部数(X)に到達しているか否かを判定し、到達していなければステップS11に戻り、到達しているとステップS13に進む。ステップS13においては、トナー補給が開始されるとともに、現像器33も駆動され、現像剤とトナーの混合・攪拌が行われる。
【0124】
そして、ステップS14において、トナー補給量に見合う時間Toだけ(トナー補給ローラ62(図7)が稼動したか否かを判断し、その判断結果が「NO」であれば、ステップS13に戻りトナーの補給を続ける。ステップS14での判断結果が「YES」であれば、ステップS15においてトナーの補給を終了するが、この後においても、現像剤とトナーとの混合・攪拌を継続しながら、上記ステップS9で得た補正後の閾値に基づくトナー濃度制御を行い(ステップS16)、トナー濃度が補正後の閾値に対する適正値であれば、上記ステップS9で得た閾値を元の閾値Voに復帰させる(ステップS17)。この後、ステップS18に進み、次の印刷ジョブがあるか否かを判断し、印刷ジョブがあれば再びステップS1に戻り、印刷ジョブがなければジョブを終了する。
【0125】
一方、画像面積比率が一定値よりも高い場合(ステップS8の判断結果がHIGHである場合)、ステップS10において、例えば下記の表9に示すようなデータ・テーブルに基づいてトナー濃度制御の閾値の補正(Vo−ΔV)を行った後、ステップS19に進む。ステップS19においては、トナー補給が開始されるとともに、現像器33が駆動されて現像剤とトナーの混合・攪拌が行われる。次に、ステップS20へ進み、トナー補給量に見合う時間Toだけトナー補給ローラ62が稼動したか否かを判断する。その判断結果が「NO」であれば、ステップS19に戻りトナーの補給を続ける。ステップS20での判断結果が「YES」であれば、ステップS21に進む。
【0126】
ステップS21においては、トナーの補給を終了するが、この後も現像剤とトナーとの混合・攪拌を継続しながら、ステップS10で得た補正後の閾値に基づくトナー濃度制御を行い(ステップS22)、ステップS10で補正を行った閾値に対してトナー濃度が適正か否かを判断し、トナー濃度が適正でなければステップS21へ戻り、現像剤の混合・攪拌を継続する。トナー濃度が適正であればステップS23に進んで印刷を実行する。
【0127】
ステップS23の処理を終えた後は、ステップS24において、トータルの印刷枚数がページ数(N)×部数(X)になっているか否かを判定し、その判定結果が「NO」である場合はステップS23に戻り、「YES」である場合はステップS17へ進み、ステップS10で補正した閾値をもとに戻す。ステップS17の処理が終了した後は、ステップS18へ進み、次の印刷ジョブがあるか否かを判断し、印刷ジョブがあれば再びステップS1に戻り、印刷ジョブがなければジョブを終了する。
【0128】
以上の図18に示すフローでは、印字率の高低によって閾値が変更されるとともに、トナー補給時期ないしはトナー補給方法を異ならせながら、ジョブ実行毎にトナー補給が実行されるので、トナー補給の要否または有無判定は行わないが、図19に示すように、印字率の高低に基づいて閾値に対する補正量を異ならせるとともに、補正を受けた閾値に対してトナー補給の要否が異なってくるフローとすることもできる。なお、図19のフローにおいて、ステップS101〜ステップS108までの各処理は、図18のフローのステップS1〜ステップS8と同じである。
【0129】
図19のフローにおいては、ステップS108の判定結果が「低印字率」である場合、ステップS109においてトナー濃度制御の閾値の補正(Vo+ΔV)を行った後、トナー補給を実行せずに、まずは画像形成動作(ステップS111〜S112)を実行し、画像形成が完了した後に、ステップS109において補正を受けた閾値を適用するトナー濃度制御(ステップS113、ステップS116〜ステップS119)を行っている。これによると、画像形成動作完了後に、補正を受けた閾値を適用するトナー濃度制御のループで、トナー補給の要否または有無判定のステップを通過するので、トナー補給量設定手段114(図8)で求めたトナー補給量相当分だけ、前段のジョブでトナーを消費しても、補正後の閾値に対してトナー濃度が適正範囲に入る場合には、トナー補給を伴わないので合理的である。
【0130】
一方、ステップS108の判定結果が「高印字率」である場合には、ステップS110においてトナー濃度制御の閾値の補正(Vo−ΔV)を行った後、補正を受けた閾値を適用するトナー濃度制御を行うループ(ステップS120〜ステップS126)において、トナー補給の要否または有無判定のステップを通過するので、トナー補給量設定手段114で求めたトナー補給量への相当分だけ補正を受けた閾値に対しても、トナー濃度が適正範囲に入る場合には、トナー補給を伴わずに、画像形成動作へ移行するので合理的である。
【0131】
以上の実施形態では、印字率(画像面積比率)の高低を基に、トナー濃度制御の閾値を補正する方法を示したが、本発明はこれに限らず、画像密度を基にトナー濃度制御の閾値を補正してもよい。また、トナー濃度制御の閾値を補正する代わりに、トナー濃度センサSのセンサ出力値を補正してもよい。
【0132】
まず、画像密度を基にしたトナー濃度制御の閾値の補正について説明する。
【0133】
トナー補給量を決定するために、画素レベルの画像密度(画像濃度)を用いると更に高精度な制御が可能である。すなわち、画像の濃淡も判断要素とすると、印字率を用いた場合以上に、トナーの消費量を正確に判断できる。
【0134】
例えば、二値画像の場合は、印字率に基づく処理を行うと処理時間の短縮化を図ることができる。また、画像の濃淡レベルを考慮しなければならない多値画像の場合は、画像密度に基づく処理を行うと高精度な処理を行うことができる。なお、上記画像密度の情報は、制御装置に画像密度を得るためのプログラムを設定することにより、容易に得ることができる。
【0135】
具体的には、先に図1及び図2を用いて説明したように、テキストデータ形式の印刷データは、コマンドスキャンプログラムPr1で検索され、画像情報に対応したビデオ信号として最終的に出力されるので、予めビデオ信号のレベルとそれに対する画像密度の関係を数式化あるいはデータ・テーブル化し、プリンタコントローラ102側のROM部等に記憶しておく。そして、読み取られた印刷データのビデオ信号に対応する画像密度を、上記のROM部の数式あるいはテーブルから読み出して、印刷データの画像密度とすればよい。ここで、印刷データの画像密度が高い場合は、印字率が高い場合と同様な閾値の補正を行い、原稿の密度が低い場合は、印字率が低い場合と同様な閾値の補正を行えばよい。
【0136】
次に、トナー濃度制御の閾値を補正する代わりに、トナー濃度センサSのセンサ出力値を補正する方法について説明する。
【0137】
上記の実施形態では、例えば、印字率等が高い場合はトナーの消費が多くなるため、トナー濃度センサの閾値の補正を予め行い、またトナーの補給が必要でない濃度であってもトナーの補給を開始するように設定しているが、このような処理に替えて、閾値の補正を行わずに、トナー濃度センサSのセンサ出力値を補正するという処理を行っても、同様の効果を得ることができる。
【0138】
具体的には、負特性のトナー濃度センサSを用いている点を考慮して、低印字率である場合には、トナー濃度センサSのセンサ出力(Vt)を低出力側(Vt−ΔVt)に補正する。つまり、低出力側に補正することにより、見かけ上、閾値を高出力側に補正したのと同様になる。また、高印字率である場合には、トナー濃度センサSのセンサ出力(Vt)を高出力側(Vt+ΔVt)に補正する。つまり、高出力側に補正することにより、見かけ上、閾値を低出力側に補正したのと同様になる。これにより、トナー補給動作の開始時期を早める。
【0139】
トナー濃度センサSのセンサ出力値を補正する場合の処理を図20のフローチャートを参照しながら説明する。
【0140】
図20のフローにおいて、ステップS201〜ステップS208までの各処理は、図18のフローのステップS1〜ステップS8と同じである。
【0141】
図20のフローにおいては、ステップS208の判定結果が「低印字率」である場合(画像面積比率が低い場合)、ステップS209において、例えば下記の表9に示すようなデータ・テーブルに基づいてセンサ出力Vtの補正(Vt→Vt−ΔV)を行った後、印刷を実行する(ステップS211)。ステップS208の判定結果が「高印字率」である場合(画像面積比率が高い場合)、ステップS210に移行する。
【0142】
次に、ステップS212において、トータルの印刷枚数がページ数(N)×部数(X)に到達しているか否かを判定し、到達していなければステップS211に戻り、到達しているとステップS213に進む。ステップS213においては、トナー補給が開始されるとともに、現像器33も駆動され、現像剤とトナーの混合・攪拌が行われる。
【0143】
そして、ステップS214において、トナー補給量に見合う時間だけトナー補給ローラ62(図7)が稼動したか否かを判断し、その判断結果が「NO」であれば、ステップS213に戻りトナーの補給を続ける。ステップS214での判断結果が「YES」であれば、ステップS215においてトナーの補給を終了するが、この後においても、現像剤とトナーとの混合・攪拌を継続しながら、上記ステップS209で得たセンサ出力の補正値に基づくトナー濃度制御を行い(ステップS216)、トナー濃度が適正値であれば、センサ出力の補正を解除する(ステップS217)。この後、ステップS218に進み、次の印刷ジョブがあるか否かを判断し、印刷ジョブがあれば再びステップS201に戻り、印刷ジョブがなければジョブを終了する。
【0144】
一方、ステップS208の判定結果が「低印字率」である場合(画像面積比率が低い場合)、ステップS210において例えば下記の表9に示すようなデータ・テーブルに基づいてセンサ出力Vtの補正(Vt→Vt+ΔV)を行った後、ステップS219に進む。ステップS19においては、トナー補給が開始されるとともに、現像器33が駆動されて現像剤とトナーの混合・攪拌が行われる。次に、ステップS220へ進み、トナー補給量に見合う時間だけトナー補給ローラ62が稼動したか否かを判断する。その判断結果が「NO」であれば、ステップS219に戻りトナーの補給を続ける。ステップS220での判断結果が「YES」であれば、ステップS221に進む。
【0145】
ステップS221においては、トナーの補給を終了するが、この後も現像剤とトナーとの混合・攪拌を継続しながら、ステップS210で得たセンサ出力の補正値に基づくトナー濃度制御を行い、トナー濃度が適正か否かを判断し(ステップS222)、トナー濃度が適正でなければステップS221へ戻り、現像剤の混合・攪拌を継続する。トナー濃度が適正であればステップS223に進んで印刷を実行する。
【0146】
ステップS223の処理を終えた後は、ステップS224において、トータルの印刷枚数がページ数(N)×部数(X)になっているか否かを判定し、その判定結果が「NO」である場合はステップS223に戻り、「YES」である場合はステップS217へ進み、センサ出力Vtの補正を解除する。ステップS217の処理が終了した後は、ステップS218へ進み、次の印刷ジョブがあるか否かを判断し、印刷ジョブがあれば再びステップS201に戻り、印刷ジョブがなければジョブを終了する。
【0147】
以上の図20に示すフローでは、印字率の高低によって閾値が変更されるとともに、トナー補給時期ないしはトナー補給方法を異ならせながら、ジョブ実行毎にトナー補給が実行されるので、トナー補給の要否または有無判定は行わないが、前記した図19に示すように、印字率の高低に基づいて閾値に対する補正量を異ならせるとともに、補正を受けた閾値に対してトナー補給の要否が異なってくるフローとすることもできる。
【0148】
最後に、下記の表1〜表8に、印字率の高低あるいは画像密度の高低に対する閾値またはセンサ出力の補正方向、補正幅、トナー補給量、トナー補給時期、及び、現像器攪拌時間について、トナー濃度センサの特性(正/負)毎に分類してまとめる。
【0149】
【表1】
【0150】
【表2】
【0151】
【表3】
【0152】
【表4】
【0153】
【表5】
【0154】
【表6】
【0155】
【表7】
【0156】
【表8】
【0157】
以上の閾値の補正量またはトナー濃度センサ出力値の補正量の例を下記の表9にまとめて示す。表9に示す補正量は、センサ特性に関係する正負の符号を含む絶対値である。印刷データに対する印刷部数や印字率に基づき、閾値またはセンサ出力値に対して補正値ΔVを、センサの正負特性に合わせて加算または減算することになる。上記表1〜表8に示すように、センサ特性が同じとすると、閾値に対する補正方向と、センサ出力値に対する補正方向とは互いに逆方向となる。
【0158】
【表9】
【0159】
<本発明の比較例>
図21は、トナー濃度の変動要因の一つである現像量の急激な変動時のトナー濃度の変動を示す図である。
【0160】
図21(A)は、ビデオ信号印字率を示す図であり、横軸が印刷するページ番号、縦軸が印字率データである。ページ1から5までは印字率10%の印字、ページ5から10までは印字率50%の印字、そして、ページ11からページ16までは再び印字率10%の印字という設定である。
【0161】
図21(B)は、現像部における現像剤のトナー濃度を示す図であり、点線で示す値が設定値である。
【0162】
図21(C)は、トナー濃度センサの検出値を示す図であり、点線で示す値はトナー補給制御の目標設定値である。この図21(C)に示すトナー濃度センサSの検出値とトナー補給制御の目標設定値との差をに基づいて、トナーホッパからのトナー補給量を操作する。
【0163】
図21(D)は、トナーホッパからのトナー補給量を示す図である。
【0164】
この比較例において、ページ1から4までは10%印字に対する現像されるトナー量と、補給されるトナー量が一致して安定に稼動している。ぺージ5から急に印字率が50%に上昇すると、補給されるトナー量より現像されるトナー量が多くなり、現像剤のトナー濃度は設定値から増々低下する。トナー濃度センサSは若干(約0.5秒程度)遅延してこのトナー濃度低下を検知し、トナー補給量の増加を指示する。トナー補給量が増加しても、補給された新しいトナーが攪拌器で攪拌・混合及び帯電されながら移動し、現像スリーブ上に到達し、そのトナー濃度が適正値に復帰するまでに2秒ないし3秒程度の時間を要する。その間、現像剤のトナー濃度は設定値より大幅に低下することになり、回復するまでの数ページ分程度の画像濃度は低下する。
【0165】
更にぺージ11から急に印字率が10%に戻ると、補給されるトナー量より現像されるトナー量が少なくなり、現像剤のトナー濃度は設定値から増々増加する。トナー濃度センサSは若干(約0.5秒程度)遅延してこのトナー濃度増加を検知し、トナー補給の停止を指示する。トナー補給が停止されても、その前に補給されたトナーが攪拌帯電されながら移動し、現像スリーブ上に到達するため、2秒程度、現像部のトナー濃度は増加し続ける。その結果、現像剤のトナー濃度は設定値よりも大幅に高くなり、今度はトナー消費量が少ないため、回復するまでかなりの間の画像濃度は高くなる。
【0166】
<本発明の実施例>
図22は、本発明によるトナー補給量の補正手段の説明図である。なお、ビデオ信号に複合された印字率データは、プリンタエンジンに送信される。
【0167】
図22(E)は印字率データを示す図である。前記したように実際に印字するビデオ信号は、画素データメモリに格納されて数ページ分(3秒間程度)遅延して出力されるため、印字率データは、図示するように印字するビデオ信号の印字率より数ページ分前に得ることができる。
【0168】
図22(F)に示すように、数ページ前の印字率信号との差から設定補正データを作成し、その設定補正データをトナー補給制御の目標値に重畳する。図22(B)の線図は、その結果のトナー濃度の変動を示しており、この図22(B)から、図21に示した比較例よりもトナー濃度の変動量をかなり小さくできることがわかる。なお、この実施例において、トナー濃度センサSの検出値及びトナーホッパからのトナー補給量はそれぞれ図22(C)及び(D)に示すような線図となる。
【0169】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の印刷システムによれば、印刷データを展開した画素データ(もしくは画像データ)から印字率(画像面積比率)または画像密度を算出し、その印字率または画像密度に基づいてトナー補給量と、トナー補給を開始するトナー濃度閾値またはトナー濃度センサの出力値の変補正を行って、トナー補給動作と画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序を変更するので、トナー補給量の過不足に伴うトナー濃度の上昇またはトナー濃度の低下を防ぐことができ、常に安定した画質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の印刷システムの動作説明図である。
【図3】本発明の実施形態に用いる画像形成装置の構成を模式的に示す側面図である。
【図4】画像形成装置の現像器の構成を模式的に示す断面図である。
【図5】トナー濃度センサの回路構成図である。
【図6】トナー濃度と透過率センサの出力値との関係を示すグラフである。
【図7】画像形成装置のトナー補給系の構成を示すブロック図である。
【図8】印字率の演算方法及び印字率を基にしたトナー補給量の設定方法の説明図である。
【図9】トナー補給ローラの回転時間と画像面積比との関係を示すグラフである。
【図10】印字率と閾値補正量との関係を示すグラフである。
【図11】連続コピー枚数と閾値補正量との関係を示すグラフである。
【図12】印字率とトナー補給量との関係を示すグラフである。
【図13】印字率とトナー補給量との関係を示すグラフである。
【図14】トナー補給量と攪拌継続時間との関係を示すグラフである。
【図15】トナー補給量と攪拌継続時間とのとの関係を示すグラフである。
【図16】印字率と攪拌継続時間とのとの関係を示すグラフである。
【図17】印字率と攪拌継続時間とのとの関係を示すグラフである。
【図18】本発明の実施形態において実行する画像形成処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施形態において実行する画像形成処理の他の例を示すフローチャートである。
【図20】本発明の実施形態において実行する画像形成処理の別の例を示すフローチャートである。
【図21】本発明の比較例の説明図である。
【図22】本発明の実施例の説明図である。
【図23】従来のトナー補給制御の問題点の説明図である。
【符号の説明】
100 画像形成装置
10 画像読取部
20 レーザ書込部
30 画像形成部
33 現像器
40 給紙部
50 CPU
51 ROM
52 RAM
53 I/O
54 トナー補給ローラモータ駆動回路
55 トナー補給ローラモータ
56 攪拌ローラモータ駆動回路
57 攪拌ローラモータ
61 CCD
62 トナー補給ローラ
S トナー濃度センサ
101 汎用コンピュータシステム
102 プリンタコントローラ
102a CPU
102b I/F
102c フォントメモリ
102d 印刷データメモリ
102e 画素データメモリ
102f ビデオ信号生成回路(送信部)
102g 印字率データメモリ
103 画素置換回路
111 画像形成面積検出手段
112 被現像面積検出手段
113 画像面積比率演算手段
114 トナー補給量設定手段
Claims (10)
- 印刷データを画素データに展開する画素データ展開部と、
画像形成装置を使用して記録する画像の印字率を前記画素データから算出する印字率算出部と、
前記印字率に基づいて画像形成装置の現像器へのトナー補給量と、トナー補給を開始する現像器内のトナー濃度閾値と、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序とを制御する制御部と、
低解像度のビデオ信号を高解像度のビデオ信号に置換する画素置換部と、
前記画素データを前記ビデオ信号として画像形成装置へ送信する送信部とを備え、その送信部からのビデオ信号に応じて前記画像形成装置が印刷を行うように構成されていることを特徴とする印刷システム。 - 印刷データを画素データに展開する画素データ展開部と、
画像形成装置を使用して記録する画像の画像密度を前記画素データから算出する画像密度算出部と、
前記画像密度に基づいて画像形成装置の現像器へのトナー補給量と、トナー補給を開始する現像器内のトナー濃度閾値と、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序とを制御する制御部と、
低解像度のビデオ信号を高解像度のビデオ信号に置換する画素置換部と、
前記画素データを前記ビデオ信号として画像形成装置へ送信する送信部とを備え、その送信部からのビデオ信号に応じて前記画像形成装置が印刷を行うように構成されていることを特徴とする印刷システム。 - 前記画像形成装置内の現像器のトナー補給動作に係る制御情報の出力を、ビデオ信号出力よりも先行して行うことを特徴とする請求項1または2記載の印刷システム。
- 前記印字率または画像密度に応じて、画像形成毎に前記トナー濃度閾値を変更し、画像形成終了時にトナー濃度閾値を変更する前のトナー濃度閾値に戻すことを特徴とする請求項1または2記載の印刷システム。
- 前記印字率または画像密度に応じて、画像形成毎にトナー補給時期を変更することを特徴とする請求項1または2記載の印刷システム。
- 前記印字率または画像密度に応じて、画像形成毎にトナーの攪拌時間を設定することを特徴とする請求項1または2記載の印刷システム。
- 画像データに基づく印字率または画像密度の算出結果に応じて、画像形成装置の現像器へのトナー補給量と、トナー補給を開始する現像器内のトナー濃度閾値とを変更することにより、画像形成動作と全体的または部分的に並行して進行するトナー補給動作及び現像器の混合・攪拌動作を排除するとともに、非画像形成時に全てのトナー補給動作及び現像器の混合・攪拌動作を完了することを特徴とする印刷システム。
- 前記トナー補給動作の時期を、前記印字率または画像密度が高いときは画像形成開始の直前に変更し、前記印字率または画像密度が低いときは画像形成終了後に変更することを特徴とする請求項7記載の印刷システム。
- 印刷データを画素データに展開する画素データ展開部と、
画像形成装置を使用して記録する画像の印字率を前記画素データから算出する印字率算出部と、
前記印字率に基づいて画像形成装置の現像器へのトナー補給量と、現像器内のトナー濃度の出力値と、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序とを制御する制御部と、
低解像度のビデオ信号を高解像度のビデオ信号に置換する画素置換部と、
前記画素データを前記ビデオ信号として画像形成装置へ送信する送信部とを備え、その送信部からのビデオ信号に応じて前記画像形成装置が印刷を行うように構成されていることを特徴とする印刷システム。 - 印刷データを画素データに展開する画素データ展開部と、
画像形成装置を使用して記録する画像の画像密度を前記画素データから算出する画像密度算出部と、
前記画像密度に基づいて画像形成装置の現像器へのトナー補給量と、現像器内のトナー濃度の出力値と、トナー補給動作及び画像形成動作に係る画像形成装置の動作順序とを制御する制御部と、
低解像度のビデオ信号を高解像度のビデオ信号に置換する画素置換部と、
前記画素データを前記ビデオ信号として画像形成装置へ送信する送信部とを備え、その送信部からのビデオ信号に応じて前記画像形成装置が印刷を行うように構成されていることを特徴とする印刷システム。
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