JP2004149637A - 微多孔膜及びその製造方法並びに用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオレフィンと非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂とを含み、微多孔膜を構成するフィブリルが、ポリオレフィン中に分散した1〜10μmの径を有する微粒子を中心として開裂することにより、クレーズ状の空隙からなる細孔が形成されており、もって細孔中に微粒子が保持された構造を有する微多孔膜。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微多孔膜及びその製造方法並びに用途に関し、特に耐圧縮性、透過性、機械的特性及び耐熱性のバランスに優れた微多孔膜及びその製造方法並びに用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂微多孔膜は、リチウム二次電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池、ポリマー電池等に用いる電池用セパレーターをはじめ、電解コンデンサー用セパレーター、逆浸透濾過膜、限外濾過膜、精密濾過膜等の各種フィルター、透湿防水衣料、医療用材料等に幅広く使用されている。微多孔膜を電池用セパレーター、特にリチウムイオン電池用セパレーターとして用いる場合、その性能は電池特性、電池生産性及び電池安全性に深く関わっている。そのため微多孔膜には、優れた機械的特性、耐熱性、透過性、寸法安定性、シャットダウン特性、メルトダウン特性等が要求される。
【0003】
例えば強度に優れる微多孔膜を製造する方法として、特開昭60−242035号、特開昭60−255107号及び特開昭63−273651号は、超高分子量ポリオレフィンを用いた微多孔膜の製造方法を提案している。これらは超高分子量ポリオレフィンと各種可塑剤又は溶剤を溶融混練し、得られた溶融混練物を押出してゲル状シートを成形し、次いで延伸する方法である。しかし、これらの方法では超高分子量ポリオレフィンを用いるため、溶融混練物を押出成形するためには可塑剤又は溶剤を大量に使用しなければならず、可塑剤又は溶剤の除去に時間がかかり、生産性に問題がある上、得られる微多孔膜の強度も十分とは言えなかった。
【0004】
これに対して特開平3−064334号は、超高分子量ポリオレフィンを含有し、(重量平均分子量/数平均分子量)の値が特定の範囲内にあるポリオレフィン組成物からなる微多孔膜及びその製造方法を開示している。この方法によれば、溶融混練物の高濃度化すなわち溶媒の使用量を少なくすることが可能であり、しかも得られる微多孔膜は優れた強度と透水性を兼ね備えている。
【0005】
また微多孔膜の機械的特性及び耐熱性のバランスを向上する方法として、特開平4−126352号、特開平5−234578号、特開平6−093130号、特開平6−096753号及び特開平6−223802号は、ポリエチレン及びポリプロピレンを含む組成物からなる微多孔膜及び/又は係る組成物を用いる微多孔膜の製造方法を開示している。
【0006】
また機械的特性及び空孔率のバランスに優れた微多孔膜の製造方法として、特開2002−194134号は、高分子量ポリオレフィン樹脂及びこの高分子量ポリオレフィン樹脂の貧溶媒に可溶性の第2のポリマーを、係る高分子量ポリオレフィン樹脂の良溶媒中で、特定の割合で混合・加熱して得られた混練物をゲル状シートに成形し、圧延及び/又は延伸した後、脱溶媒して前駆体多孔質フィルムを調製し、次いで得られた多孔質フィルムから上記第2のポリマーの一部又は全部を抽出・除去する方法を開示している。また強度、空孔率、多孔質構造の均質微細性に優れ、特に電解液に対する親和性に優れた多孔質フィルム及びその製造方法として、特開2002−194133号は、高分子量ポリオレフィン樹脂及び係る高分子量ポリオレフィン樹脂との相溶性に優れるとともに電解液に対する親和性にも優れる第2のポリマーを含む樹脂組成物を用いる方法を開示している。
【0007】
ところが最近、電池特性については強度、透過性及び耐熱性だけでなく、サイクル特性、高温保存性等電池の寿命に関わる特性も重視される傾向にある。そのため機械的特性として、引張破断強度・伸度、突刺し強度だけでなく圧縮特性にも優れている必要がある。微多孔膜の圧縮特性が悪いと、電池セパレーターとして用いた場合に電池の容量不足(サイクル特性悪化)を招く恐れが高い。
【0008】
これに対して、ポリオレフィン樹脂と熱可塑性ポリエステルエーテルエラストマーとを特定の割合で含む多孔質フィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の多孔質フィルムは、加熱圧縮条件下での破膜温度及び破断温度が高く、非常に優れた耐熱性を有している。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−164016号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし特許文献1に記載の多孔質フィルムは、加圧・圧縮による透過性の低下が大きいという問題があった。この理由は、特許文献1に記載の多孔質フィルムのフィブリル構造が、通常のポリオレフィン又はポリオレフィン組成物からなる微多孔膜と同様であり、加熱・加圧による膜厚の変動が大きく、細孔が容易に塞がれてしまうためと考えられる。
【0011】
従って、本発明の目的は、耐圧縮性、透過性、機械的特性及び耐熱性のバランスに優れた微多孔膜及びその製造方法並びに用途を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、ポリオレフィンと非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂とを含み、微多孔膜を構成するフィブリルが、前記ポリオレフィン中に分散した1〜10μmの径を有する微粒子を中心として開裂することにより、クレーズ状の空隙からなる細孔が形成されており、もって前記細孔中に前記微粒子が保持された構造を有する微多孔膜は、耐圧縮性、透過性、機械的特性及び耐熱性のバランスに優れることを発見した。本発明者はまた、ポリオレフィンと、前記ポリオレフィンに対して非相溶性である非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂と、溶剤とを溶融混練し、得られた溶融混練物をダイより押出し、次いで冷却してゲル状シートとした後、前記ゲル状シートを延伸した後前記溶剤を除去するか、前記ゲル状シートから前記溶剤を除去した後延伸するか、又は前記ゲル状シートを延伸した後前記溶剤を除去しさらに延伸することにより、耐圧縮性、透過性、機械的特性及び耐熱性のバランスに優れた微多孔膜が得られることを発見した。本発明はかかる発明に基づき完成したものである。
【0013】
すなわち、本発明の微多孔膜は、ポリオレフィンと非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂とを含み、微多孔膜を構成するフィブリルが、前記ポリオレフィン中に分散した1〜10μmの径を有する微粒子を中心として開裂することにより、クレーズ状の空隙からなる細孔が形成されており、もって前記細孔中に前記微粒子が保持された構造を有することを特徴とする。
【0014】
微多孔膜が一層優れた特性を得るために、下記条件(1)〜(3)を満たすのが好ましい。
(1) フィブリルはポリオレフィンを主成分とし、微粒子は非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を主成分とする。
(2) 非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂はポリオレフィンに対して非相溶性である。
(3) ポリオレフィンと非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂との配合割合は、両者の合計を100重量%として、非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂が3〜30 重量%である。
【0015】
本発明の微多孔膜の製造方法は、ポリオレフィンと、前記ポリオレフィンに対して非相溶性である非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂と、溶剤とを溶融混練し、得られた溶融混練物をダイより押出し、次いで冷却してゲル状シートとした後、前記ゲル状シートを延伸した後前記溶剤を除去するか、前記ゲル状シートから前記溶剤を除去した後延伸するか、又は前記ゲル状シートを延伸した後前記溶剤を除去しさらに延伸することを特徴とする。
【0016】
微多孔膜が一層優れた特性を得るために、非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂は下記条件(4)〜(12)を満たすのが好ましい。
(4) 上記非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂はポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド及びポリアリレンスルフィドからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(5) 上記(4)に記載のポリエステルはポリブチレンテレフタレートである。
(6) 上記(4)に記載のポリカーボネートはビスフェノールAタイプのものである。
(7) 上記(4)に記載のポリアミドは、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド12及びアモルファスポリアミドからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(8) 上記(4)に記載のポリアリレンスルフィドはポリフェニレンスルフィドである。
(9) 上記(8)に記載のポリフェニレンスルフィドは線状又は分岐状のものである。
(10) 上記非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂はポリエステル及び/又はポリカーボネートを含む組成物である。
(11) 上記(10)に記載の組成物はアクリル系ゴムを含む。
(12) 上記非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の重量平均分子量は5×103 以上 〜2×105 以下である。
【0017】
微多孔膜が一層優れた特性を得るために、ポリオレフィンは下記条件(13)〜(28)を満たすのが好ましい。
(13) 上記ポリオレフィンは、ポリエチレンを必須とするポリオレフィン組成物、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はエチレン・α−オレフィン共重合体である。
(14) 上記(13)に記載のポリエチレンの重量平均分子量は5×105 以上である。
(15) 上記(14)に記載の重量平均分子量5×105 以上のポリエチレンは超高分子量ポリエチレンである。
(16) 上記(15)に記載の超高分子量ポリエチレンの重量平均分子量は1×106 〜15×106 である。
(17) 上記(16)に記載の超高分子量ポリエチレンの重量平均分子量は1×106 〜5×106 である。
(18) 上記(13)に記載のポリプロピレンの重量平均分子量は1×104 〜4×106 である。
(19) 上記(13)に記載のエチレン・α−オレフィン共重合体のα−オレフィンは、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル及びスチレンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(20) 上記(13)に記載のポリオレフィン組成物が含むポリエチレンの重量平均分子量は5×105 以上である。
(21) 上記(20)に記載の重量平均分子量5×105 以上のポリエチレンは超高分子量ポリエチレンである。
(22) 上記(21)に記載の超高分子量ポリエチレンの重量平均分子量は1×106 〜15×106 である。
(23) 上記(22)に記載の超高分子量ポリエチレンの重量平均分子量は1×106 〜5×106 である。
(24) 上記(20)〜(23)のいずれかに記載のポリオレフィン組成物は、他のポリオレフィンとして重量平均分子量1×104 以上 〜5×105 未満のポリエチレン、重量平均分子量1×104 〜4×106 のポリプロピレン、重量平均分子量1×104 〜4×106 のポリブテン−1、重量平均分子量1×103 以上 〜1×104 未満のポリエチレンワックス、及び重量平均分子量1×104 〜4×106 のエチレン・α−オレフィン共重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種を含む。
(25) 上記(20)〜(24)のいずれかに記載のポリオレフィン組成物は、重量平均分子量5×105 以上の超高分子量ポリエチレンと重量平均分子量1×104 以上 〜5×105 未満のポリエチレンとを含む。
(26) 上記(25)に記載のポリエチレン組成物中の重量平均分子量1×104 以上 〜5×105 未満のポリエチレンは高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン及びポリエチレンワックス(Mw:1×103以上 〜1×104 以下)からなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(27) 上記(25)又は(26)に記載のポリオレフィン組成物は重量平均分子量5×105 以上の超高分子量ポリエチレンと重量平均分子量1×104 以上 〜5×105 未満の高密度ポリエチレンからなる。
(28) 上記(13)〜(17)、上記(19)〜(27)のいずれかに記載のポリエチレンを必須とするポリオレフィン組成物、ポリエチレン、及びエチレン・α−オレフィン共重合体のMw/Mnは5 〜300である。
【0018】
本発明の微多孔膜の物性は、通常の場合、微粒子の径は1〜10μmであり、平均フィブリル径は、0.01 〜0.5 μmであり、平均孔径は0.01 〜10μmであり、好ましくは0.01 〜2μmであり、空孔率は25 〜80%であり、膜厚20μm換算の透気度は20 〜800秒/100ccであり、好ましくは20 〜500秒/100ccであり、突刺強度は1700 mN/20μm以上であり(膜厚20μm換算)、熱収縮率(105 ℃/8hr)はMD及びTDの両方向共に10%以下であり、好ましくは5%以下であり、90℃/50kg/cm2で5分間加熱圧縮した後の透気度変化量は500秒/100cc以下であり、90℃/50 kg/cm2で5分間加熱圧縮した後の膜厚変化は20%以下であり、室温で電解液に浸漬することにより吸液される電解液は0.2 〜0.5 g/gである。
【0019】
本発明の微多孔膜は、電池用セパレーターとして有用である。
【0020】
【発明の実施の形態】
[1] 熱可塑性樹脂
本発明の微多孔膜に使用する熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン及び非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を必須とする。
(a) ポリオレフィン
ポリオレフィンの種類に限定はなく、ホモポリマー又は共重合体のいずれでもよく、ホモポリマー及び/又は共重合体の混合物からなるポリオレフィン組成物でもよい。ホモポリマーとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1等を挙げることができ、共重合体としては、例えばエチレン・α−オレフィン共重合体を挙げることができる。中でもポリエチレンを必須とするポリオレフィン組成物、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はエチレン・α−オレフィン共重合体を用いるのが好ましい。
【0021】
ポリオレフィンとしてポリエチレンを用いる場合、その重量平均分子量は5×105 以上であるのが好ましい。ポリエチレンの種類としては、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンが挙げられる。中でも超高分子量ポリエチレンが好ましい。超高分子量ポリエチレンの重量平均分子量は1×106 〜15×106 であるのが好ましく、1×106 〜5×106であるのがより好ましい。重量平均分子量を15×106以下にすることにより、溶融押出を容易にすることができる。
【0022】
ポリオレフィンとしてポリプロピレンを用いる場合、その重量平均分子量に特に制限はないが、1×104 〜4×106 であるのが好ましい。
【0023】
ポリオレフィンとしてエチレン・α−オレフィン共重合体を用いる場合、α−オレフィンとしてはプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、スチレン等が好適である。
【0024】
ポリオレフィンとしてポリエチレンを必須とするポリオレフィン組成物を用いる場合、係るポリエチレンの重量平均分子量は5×105 以上であるのが好ましい。重量平均分子量が5×105 以上のポリエチレンとしては、上記超高分子量ポリエチレンが好ましい。重量平均分子量が5×105 以上のポリエチレンに混合する他のポリオレフィンとしては、重量平均分子量1×104 以上 〜5×105 未満のポリエチレン、重量平均分子量1×104 〜4×106 のポリプロピレン、重量平均分子量1×104 〜4×106 のポリブテン−1、重量平均分子量1×103 以上 〜1×104未満のポリエチレンワックス、及び重量平均分子量1×104 〜4×106 のエチレン・α−オレフィン共重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましい。他のポリオレフィンの添加量はポリオレフィン組成物全体を100重量部として50 〜80重量部であるのが好ましい。
【0025】
ポリオレフィン組成物としては、上記超高分子量ポリエチレンと重量平均分子量1×104 以上 〜5×105 未満のポリエチレンとからなる組成物がより好ましい。この組成物は、用途に応じて分子量分布(Mw/Mn)を容易に制御することができる。重量平均分子量が1×104 以上 〜5×105 未満のポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン及びポリエチレンワックス(Mw:1×103以上 〜1×104 以下)からなる群から選ばれた少なくとも一種を使用することができ、エチレンのホモポリマーのみならず、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフィンを少量含有する共重合体であってもよい。ポリオレフィン組成物としては、限定的ではないが、重量平均分子量5×105 以上の超高分子量ポリエチレンと重量平均分子量1×104 以上 〜5×105 未満の高密度ポリエチレンとからなる組成物が好適である。
【0026】
ポリオレフィンの分子量分布Mw/Mnは限定的でないが、5〜300が好ましく、10〜100がより好ましい。Mw/Mnが5未満だと高分子量成分が多過ぎて溶融押出が困難であり、Mw/Mnが300超だと低分子量成分が多過ぎて強度低下を招く。Mw/Mnは分子量分布の尺度として用いられるものであり、この値が大きいほど分子量分布の幅は拡大する。すなわちホモポリマー及びエチレン・α−オレフィン共重合体の場合、Mw/Mnはその分子量分布の広がりを示し、その値が大きいほど分子量分布は広がっている。ホモポリマー及びエチレン・α−オレフィン共重合体のMw/Mnは、これらを多段重合により調製することにより適宜調整することができる。多段重合法としては、一段目で高分子量成分を重合し、次いで二段目で低分子量成分を重合する二段重合が好ましい。ポリオレフィン組成物の場合、Mw/Mnが大きいほど配合する各ポリオレフィンの重量平均分子量の差が大きく、またMw/Mnが小さいほど各ポリオレフィンの重量平均分子量の差が小さい。ポリオレフィン組成物のMw/Mnは、各成分の分子量や混合割合を調整することにより適宜調整することができる。
【0027】
(b) 非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂
非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂としては、後述する本発明の製造方法により微多孔膜を製造した場合に、フィブリルが、ポリオレフィン中に分散した1〜10μmの径を有する微粒子を中心として開裂することにより、クレーズ状の空隙からなる細孔が形成されており、もって細孔中に微粒子が保持された構造をとり得るのであれば、どのような非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂でも使用することができる。
【0028】
非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンに対して非相溶性であるのが好ましい。本明細書において、ポリオレフィンに対して非相溶性の非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂とは、微多孔膜を形成した時に微粒子を形成するものを意味する。
【0029】
非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の具体例としてはポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド及びポリアリレンスルフィドからなる群から選ばれた少なくとも一種が挙げられ、特にポリエステルが好ましい。
【0030】
ポリエステルとしては、ポリブチレンテレフタレート、ポリイソブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート及びポリシクロヘキセンテレフタレートからなる群から選ばれた少なくとも一種を使用するのが好ましく、ポリブチレンテレフタレートを使用するのがより好ましい。
【0031】
ポリカーボネートとしてはビスフェノールAタイプのものを使用するのが好ましい。
【0032】
ポリアミドとしてはポリアミド6(6−ナイロン)、ポリアミド66(6,6−ナイロン)、ポリアミド12(12−ナイロン)からなる群から選ばれた少なくとも一種を使用するのが好ましい。
【0033】
ポリアリレンスルフィドとしてはポリフェニレンスルフィドを使用するのが好ましい。ポリフェニレンスルフィドは線状又は分岐状のいずれのものでも使用することができる。
【0034】
非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂として組成物を使用する場合は、ポリエステル及びポリカーボネートを含む組成物が好ましく、係る組成物にアクリル系ゴムを添加したもの(例えば商品名「ゼノイ」、GEプラスチックス杜製)がより好ましい。
【0035】
非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、5×103 以上 〜2×105 以下であるのが好ましく、3×104 以上 〜1×105 以下であるのがより好ましい。重量平均分子量が5×103 未満だと得られる微多孔膜の耐熱性が低く、2×105 超だと微粒子の径が大きくなり過ぎ、フィブリルが開裂することにより形成された細孔中に微粒子が保持された構造をとり得なくなる。
【0036】
[2] 微多孔膜の製造方法
本発明の微多孔膜の製造方法は、(a) ポリオレフィン、非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂及び溶剤を溶融混練し、樹脂溶液を調製する工程、(b) 樹脂溶液をダイより押し出し、冷却してゲル状シートを形成する工程、(c) 延伸・溶剤除去工程、及び(d) 得られた膜を乾燥する工程を含む。更に(a)〜(d)の工程の後、必要に応じて(e) 熱処理、(f) 電離放射による架橋処理 、(g) 親水化処理等を行ってもよい。
【0037】
(a) 樹脂溶液の調製工程
まずポリオレフィン、非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂及び溶剤を溶融混練し、樹脂溶液を調製する。樹脂溶液には必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料、無機充填材等の各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。例えば孔形成剤として微粉珪酸を添加することができる。
【0038】
樹脂溶液を調製するための溶剤としては室温で液状の液体溶剤を用いるのが好ましい。液体溶剤を用いることにより比較的高倍率の延伸が可能となる。液体溶剤としてはノナン、デカン、デカリン、パラキシレン、ウンデカン、ドデカン、流動パラフィン等の脂肪族又は環式の炭化水素、及び沸点がこれらに対応する鉱油留分、並びにジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の室温では液状のフタル酸エステルを用いることができる。液体溶剤含有量が安定なゲル状シートを得るためには、流動パラフィンのような不揮発性の液体溶剤を用いるのが好ましい。なお加熱溶融混練状態においてはポリオレフィンと混和状態になるが、室温では固体状の固体溶剤を液体溶剤に混合してもよい。このような固体溶剤として、ステアリルアルコール、セリルアルコール、パラフィンワックス等を使用することができる。なお固体溶剤のみを使用すると、延伸むら等が発生する恐れがある。
【0039】
液体溶剤の粘度は25 ℃において30 〜500 cStであるのが好ましく、50 〜200 cStであるのがより好ましい。25 ℃における粘度が30 cSt未満では発泡し易く、混練が困難である。一方500 cSt超では液体溶剤の除去が困難である。
【0040】
溶融混練の方法は特に限定されないが、通常は二軸押出機中で均一に混練することにより行う。この方法はポリオレフィンの高濃度溶液を調製するのに適する。溶融温度はポリオレフィンの融点+10 ℃ 〜+100 ℃であるのが好ましい。よって一般的に溶融温度は160 〜300 ℃であるのが好ましく、180 〜250 ℃であるのがより好ましい。本明細書において融点とはJIS K7121に基づいて示差走査熱量測定(DSC)により求められる値を言う。液体溶剤は混練開始前に添加しても、混練中に押出機の途中から添加してもよいが、混練開始前に添加して予め溶液化するのが好ましい。溶融混練にあたってはポリオレフィンの酸化を防止するために酸化防止剤を添加するのが好ましい。
【0041】
ポリオレフィンと非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂との配合割合は、両者の合計を100重量%として、非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂が3〜30 重量%であるのが好ましく、5〜20 重量%であるのがより好ましい。
【0042】
樹脂溶液中、樹脂(ポリオレフィン及び非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂)と液体溶剤との配合割合は、両者の合計を100重量%として、樹脂が1 〜50重量%、好ましくは20 〜40重量%である。樹脂が1重量%未満ではゲル状シートを形成する際にダイス出口でスウェルやネックインが大きくなり、ゲル状シートの成形性及び自己支持性が低下する。一方50重量%を超えるとゲル状シートの成形性が低下する。
【0043】
(b) ゲル状シートの形成工程
溶融混練した樹脂溶液を直接に又は別の押出機を介して、或いは一旦冷却してペレット化した後再度押出機を介してダイから押し出す。ダイとしては、通常は長方形の口金形状をしたシート用ダイを用いるが、二重円筒状の中空状ダイ、インフレーションダイ等も用いることができる。シート用ダイの場合、ダイのギャップは通常0.1 〜5mmであり、押し出し時にはこれを140 〜250 ℃に加熱する。加熱溶液の押し出し速度は0.2 〜15 m/分であるのが好ましい。
【0044】
このようにしてダイから押し出した溶液を冷却することによりゲル状シートを形成する。冷却は少なくともゲル化温度以下までは50 ℃/分以上の速度で行うのが好ましい。また25 ℃以下まで冷却するのが好ましい。このようにしてポリオレフィンと溶剤とからなる相がゲル化するとともに、非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂が微粒子としてポリオレフィン相に分散した相分離構造を固定化することができる。一般に冷却速度が遅いと得られるゲル状シートの高次構造が粗くなり、それを形成する擬似細胞単位も大きなものとなるが、冷却速度が速いと密な細胞単位となる。冷却速度が50 ℃/分未満では結晶化度が上昇し、延伸に適したゲル状シートとなりにくい。冷却方法としては冷風、冷却水、その他の冷却媒体に直接接触させる方法、冷媒で冷却したロールに接触させる方法等を用いることができる。
【0045】
(c) 延伸・溶剤除去工程
次いで、得られたゲル状シートを延伸した後液体溶剤を除去するか、ゲル状シートから液体溶剤を除去した後延伸するか、又はゲル状シートを延伸した後液体溶剤を除去しさらに延伸する。
【0046】
ゲル状シートに延伸を施すことにより、ポリオレフィン相が引き延ばされてフィブリルが形成されるとともに、フィブリルが、ポリオレフィン中に分散した非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を主成分とする微粒子を中心として開裂することにより、クレーズ状の空隙からなる細孔が形成され、もって細孔中に微粒子が保持された構造が形成される。
【0047】
延伸は、ゲル状シートを加熱後、通常のテンター法、ロール法、インフレーション法、圧延法又はこれらの方法の組合せによって所定の倍率で行う。延伸は一軸延伸でも二軸延伸でもよいが、二軸延伸が好ましい。また二軸延伸の場合は、同時二軸延伸、逐次延伸又は多段延伸(同時二軸延伸及び逐次延伸の組合せ)のいずれでもよいが、特に同時二軸延伸が好ましい。延伸により機械的強度が向上する。
【0048】
延伸倍率はゲル状シートの厚みによって異なるが、一軸延伸を行う場合は2倍以上とするのが好ましく、3〜30倍とするのがより好ましい。二軸延伸ではいずれの方向でも少なくとも3倍以上とし、面倍率で9倍以上とするのが好ましく、面倍率で25倍以上とするのがより好ましい。面倍率で9倍以上とすることにより、突刺強度を向上させることができる。一方面倍率を400倍超とすると、延伸装置、延伸操作等の点で制約が生じる。
【0049】
延伸温度は、ポリオレフィンがホモポリマーの場合、その融点+10℃以下にするのが好ましく、結晶分散温度から結晶融点未満の範囲にするのがより好ましい。延伸温度が融点+10℃を超えるとポリオレフィンが溶融し、延伸による分子鎖の配向ができない。また延伸温度が結晶分散温度未満ではポリオレフィンの軟化が不十分で、延伸において破膜しやすく、高倍率の延伸ができない。但し逐次延伸又は多段延伸を行う場合は、一次延伸を結晶分散温度未満で行ってもよい。ここで結晶分散温度とは、ASTM D 4065に基づいて動的粘弾性の温度特性測定により求められる値を言う。ポリエチレンの結晶分散温度は、一般的に90℃である。
【0050】
ポリオレフィンがポリエチレンを含む組成物である場合、延伸温度は、係るポリエチレンの結晶分散温度以上〜結晶融点+10℃以下の範囲にするのが好ましい。ポリオレフィンとしてポリエチレン又はそれを含む組成物を用いる場合、本発明では延伸温度を通常は100〜140℃、好ましくは110〜120℃にする。
【0051】
所望の物性に応じて、膜厚方向に温度分布を設けて延伸したり、比較的低温で一次延伸した後さらに高温で二次延伸する逐次延伸又は多段延伸をしたりすることができる。膜厚方向に温度分布を設けて延伸することにより一般的に機械的強度に優れた微多孔膜が得られる。その方法としては、例えば特開平7−188440号に開示の方法を適用することができる。
【0052】
液体溶剤の除去(洗浄)には洗浄溶媒を用いる。ポリオレフィン相は溶剤によりミクロ相分離されているので、液体溶剤を除去すると多孔質の膜が得られる。液体溶剤の除去(洗浄)は、公知の洗浄溶媒を用いて行うことができる。公知の洗浄溶媒としては、例えば塩化メチレン、四塩化炭素等の塩素化炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、三フッ化エタン等のフッ化炭化水素、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル、メチルエチルケトン等の易揮発性溶媒が挙げられる。また洗浄溶媒としては、上記公知の洗浄溶媒の他に、特開2002−256099号に開示されている、25℃における表面張力が24mN/m以下になる洗浄溶媒を用いることができる。このような表面張力を有する洗浄溶媒を用いることにより、洗浄後の乾燥時に微多孔内部で生じる気−液界面の表面張力によって起る網状組織の収縮緻密化を抑制することができ、その結果微多孔膜の空孔率及び透過性が一層向上する。
【0053】
洗浄方法は、延伸後の膜又はゲル状シートを洗浄溶媒に浸漬する方法、延伸後の膜又はゲル状シートに洗浄溶媒をシャワーする方法、又はこれらの組合せによる方法等により行うことができる。洗浄溶媒は、ゲル状シート100重量部に対し300 〜30000重量部使用するのが好ましい。洗浄溶媒による洗浄は、残留した液体溶剤がその添加量に対して1重量%未満になるまで行うのが好ましい。
【0054】
(e) 膜の乾燥工程
延伸及び溶剤除去により得られた膜を、加熱乾燥法又は風乾法等により乾燥することができる。乾燥温度は、ポリオレフィンの結晶分散温度以下の温度であるのが好ましく、特に結晶分散温度より5℃以上低い温度であるのが好ましい。
【0055】
乾燥処理により、微多孔膜中に残存する洗浄溶媒の含有量を5重量%以下にするのが好ましく(乾燥後の膜重量を100重量%とする)、3重量%以下にするのがより好ましい。乾燥が不十分で膜中に洗浄溶媒が多量に残存していると、後の熱処理で空孔率が低下し、透過性が悪化するので好ましくない。
【0056】
(f) 熱処理工程
洗浄溶媒除去後に熱処理を行うのが好ましい。熱処理によって結晶が安定化し、ラメラ層が均一化される。熱処理方法としては、熱延伸処理、熱固定処理又は熱収縮処理のいずれの方法を用いてもよく、これらは微多孔膜に要求される物性に応じて適宜選択される。これらの熱処理は、微多孔膜の融点以下、好ましくは60℃以上融点−10℃以下で行う。
【0057】
熱延伸処理は、通常用いられるテンター方式、ロール方式又は圧延方式により行い、少なくとも一方向に延伸倍率1.01 〜2.0倍で行うのが好ましく、1.01 〜1.5倍で行うのがより好ましい。
【0058】
熱固定処理は、テンター方式、ロール方式又は圧延方式により行う。また熱収縮処理は、テンター方式、ロール方式若しくは圧延方式により行うか、又はベルトコンベア若しくはフローティングを用いて行ってもよい。なお熱収縮処理は、少なくとも一方向に50%以下の範囲で行うのが好ましく、30%以下の範囲で行うのがより好ましい。
【0059】
なお上述の熱延伸処理、熱固定処理及び熱収縮処理を多数組み合せて行ってもよい。特に熱固定処理後に熱延伸処理を行うと、得られる微多孔膜の透過性が向上するとともに、孔径が拡大する。また熱延伸処理後に熱収縮処理を行うと、低収縮率で高強度の微多孔膜が得られるため好ましい。
【0060】
(g) 膜の架橋処理工程
延伸・溶剤除去により得られた膜を加熱乾燥法、風乾法等により乾燥した微多孔膜に対して電離放射により架橋処理を施すのが好ましい。電離放射線としてはα線、β線、γ線、電子線等が用いられ、電子線量0.1 〜100 Mrad、加速電圧100 〜300 kVにて行うことができる。これによりメルトダウン温度を向上させることができる。
【0061】
(h) 親水化処理工程
延伸・溶剤除去により得られた微多孔膜に親水化処理を施してもよい。親水化処理としては、モノマーグラフト、界面活性剤処理、コロナ放電処理等を用いる。なおモノマーグラフト処理は電離放射後に行うのが好ましい。
【0062】
界面活性剤を使用する場合、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤又は両イオン系界面活性剤のいずれも使用することができるが、ノニオン系界面活性剤を使用するのが好ましい。界面活性剤を使用する場合、界面活性剤を水溶液にするか又はメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールの溶液にして、ディッピングするか、又はドクターブレードを用いる方法により親水化する。
【0063】
得られた親水化微多孔膜を乾燥する。このとき透過性を向上させるため、微多孔膜の融点以下の温度で収縮を防止しながら熱処理するのが好ましい。収縮を防止しながら熱処理する方法としては、例えば延伸しながら熱処理する方法が挙げられる。
【0064】
[3] 微多孔膜
本発明の好ましい実施態様によるポリオレフィン微多孔膜は、次の物性を有する。
(1) 微粒子の径は1〜10μmである。
(2) 平均フィブリル径は、0.01 〜0.5 μmである。
(3) 平均孔径は0.01 〜10μmであり、好ましくは0.01 〜2μmである。0.01μm未満だと透過性が著しく低下する上に電解液の浸透性が低下し、10μmを超えるとデンドライト成長を抑えられなくなり、短絡が起こり易くなる。
(4) 空孔率は25 〜80%である。空孔率が25%未満では良好な透気度が得られない。80%を超えると電池安全性とインピーダンスのバランスがとれなくなる。
(5) 透気度は20 〜800秒/100ccであり、好ましくは20 〜500秒/100ccである(膜厚20μm換算)。透気度が20 〜800秒/100ccであることにより電池容量が大きくなり、電池のサイクル特性も良好となる。透気度が800秒/100ccを超えると、微多孔膜を電池用セパレーターとして用いた場合に、電池容量が小さくなる。一方20秒/100cc未満では電池内部の温度上昇時にシャットダウンが十分に行われない。
(6) 突刺強度は1700 mN/20μm以上である(膜厚20μm換算)。突刺強度が1700 mN/20μm未満では、微多孔膜を電池用セパレーターとして電池に組み込んだ場合に短絡が発生する恐れがある。
(7) 105 ℃・8時間暴露後の熱収縮率は機械方向(MD)及び垂直方向(TD)ともに10%以下である。熱収縮率が10%を超えると微多孔膜をリチウム電池用セパレーターとして用いた場合、発熱するとセパレーター端部が収縮し、短絡が発生する可能性が高くなる。
(8) 微多孔膜を90℃/50 kg/cm2で5分間加熱圧縮した後の透気度変化量は500秒/100cc以下である。また同加熱圧縮した後の膜厚変化は、20%以下である。
(9) 微多孔膜を室温で電解液に浸漬することにより吸液される電解液は、0.2 〜0.5 g/gである。
【0065】
このように、本発明の微多孔膜は、耐圧縮性、耐熱性及び透過性のバランスに優れているので、電池用セパレーター、フィルター等として好適に使用できる。なお微多孔膜の膜厚は用途に応じて適宜選択しうるが、例えば電池用セパレーターとして使用する場合は5 〜200μmにするのが好ましい。
【0066】
【実施例】
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0067】
実施例1
重量平均分子量(Mw)が2.0×106 の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)20重量%、Mwが3.5×105 の高密度ポリエチレン(HDPE)70重量%、及びMwが3.8×104 のポリブチレンテレフタレート(PBT)10重量%からなる熱可塑性樹脂組成物(UHMWPE及びHDPEからなるポリエチレン組成物について、Mw/Mnは16であり、融点は135 ℃であり、結晶分散温度は90 ℃である)に、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]メタンを熱可塑性樹脂組成物100重量部当たり0.25重量部ドライブレンドした熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた熱可塑性樹脂組成物30重量部を二軸押出機(内径58 mm、L/D=42、強混練タイプ)に投入し、この二軸押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン[35 cst(40℃)]70重量部を供給し、230 ℃及び200 rpmの条件で溶融混練して、押出機中で樹脂溶液を調製した。続いてこの樹脂溶液を押出機の先端に設置されたTダイから押し出し、0℃に温調された冷却ロールで引き取りながら冷却し、ゲル状シートを形成した。得られたゲル状シートについて、テンター延伸機を用いて115℃で機械方向(MD)及び垂直方向(TD)ともに5倍となるように同時二軸延伸し、延伸膜を得た。得られた延伸膜を20 cm×20 cmのアルミニウム製の枠に固定し、25 ℃に温調された塩化メチレン[表面張力27.3 mN/m(25 ℃)、沸点40.0 ℃]を含有する洗浄槽中に浸漬し、100 rpmで3分間揺動させながら洗浄した。得られた膜を室温で風乾した後、テンターに膜を保持しながら125 ℃で10分間熱固定処理することにより微多孔膜を作製した。
【0068】
実施例2
熱可塑性樹脂組成物として、HDPE(Mw:3.5×105)の割合が75重量%、PBT(Mw:3.8×104)の割合が5重量%のものを用いた以外は実施例1と同様に微多孔膜を作製した。
【0069】
実施例3
熱可塑性樹脂組成物として、HDPE(Mw:3.5×105)の割合が60重量%、PBT(Mw:3.8×104)の割合が20重量%のものを用いた以外は実施例1と同様に微多孔膜を作製した。
【0070】
実施例4
熱可塑性樹脂組成物として、PBTのMwが11.7×104のものを用いた以外は実施例1と同様に微多孔膜を作製した。
【0071】
実施例5
溶融混練において、熱可塑性樹脂組成物20重量部、流動パラフィン80重量部の割合で混合し、樹脂溶液を調製した以外は実施例1と同様に微多孔膜を作製した。
【0072】
実施例6
溶融混練において、熱可塑性樹脂組成物40重量部、流動パラフィン60重量部の割合で混合し、樹脂溶液を調製した以外は実施例1と同様に微多孔膜を作製した。
【0073】
比較例1
熱可塑性樹脂組成物として、UHMWPE(Mw:2.0×106)20重量%及びHDPE(Mw:3.5×105)80重量%からなるポリエチレン組成物を用い、溶融混練温度を200℃とした以外は実施例1と同様に微多孔膜を作製した。
【0074】
比較例2
熱可塑性樹脂組成物として、UHMWPE(Mw:2.0×106)20重量%、HDPE(Mw:3.5×105)70重量%及びポリプロピレン(PP、Mw:4.4×105)10重量%からなるポリオレフィン組成物を用いた以外は実施例1と同様に微多孔膜を作製した。
【0075】
比較例3
熱可塑性樹脂組成物として、UHMWPE(Mw:2.0×106)20重量%、HDPE(Mw:3.5×105)70重量%及びポリエステルエーテルエラストマー「ハイトレル4047」(東レ・デュポン(株)製)10重量%からなる組成物を用い、同時二軸延伸を120℃で行った以外は実施例1と同様に微多孔膜を作製した。
【0076】
比較例4
熱可塑性樹脂組成物として、UHMWPE(Mw:2.0×106)20重量%、HDPE(Mw:3.5×105)70重量%及びポリエチレングリコールジメタクリレート「ブレンマーPPE−400」(日本油脂(株)製)10重量%からなる組成物を用い、同時二軸延伸を120℃で行った以外は実施例1と同様に微多孔膜を作製した。
【0077】
実施例1及び比較例3,4の微多孔膜の一断面を透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察した。結果を図1〜5に示す。なお倍率は3,000倍(図1,図5)、9,000倍(図2,図5)及び30,000倍(図3)である。図1〜3に示す通り、実施例1の微多孔膜は、微多孔膜を構成するフィブリルが、粒径3μm程度の微粒子を中心として開裂することにより、クレーズ状の空隙からなる細孔が形成されており、もって細孔中に微粒子が保持された構造を有する。なお延伸方向は、フィブリルが延びている方向(例えば図1のほぼ左右方向)及び顕微鏡写真に対して垂直な方向である。一方図4及び5に示すように、比較例3及び4の微多孔膜は、1μm未満の径を有する微粒子が僅かに形成されているものの、微粒子の周辺にクレーズ状の空隙からなる細孔が形成されていないか(比較例4)、僅かしか形成されておらず(比較例5)、本発明の微多孔膜のように細孔中に微粒子が保持された構造を有さない。
【0078】
また実施例1〜6及び比較例1〜4で得られた微多孔膜の物性を以下の方法で測定した。
・膜厚:接触厚み計により測定した。
・透気度:JIS P8117に準拠して測定した(膜厚20μm換算)。
・空孔率:重量法により測定した。
・突刺強度:微多孔膜を直径1mm(0.5 mm R)の針を用いて速度2mm/秒で突刺したときの最大荷重を測定した(膜厚20μm換算)。
・熱収縮率:微多孔膜を105 ℃で8時間暴露したときのMD及びTDの収縮率をそれぞれ測定した。
・引張破断強度:幅10mm短冊状試験片の引張破断強度をASTM D882に準拠して測定。
・引張破断伸度:幅10mm短冊状試験片の引張破断伸度をASTM D882に準拠して測定。
・熱収縮率:微多孔膜を105℃で8時間暴露したときの機械方向(MD)、垂直方向(TD)の収縮率をそれぞれ測定した。
・シャットダウン温度:所定温度に加熱することによって、透気度が10万秒/100cc以上となる温度として測定した。
・メルトダウン温度:所定温度に加熱することによって、膜が溶融して破膜する温度として測定した。
・微粒子の平均粒径:透過型電子顕微鏡(TEM)により300個の微粒子について測定した粒径の平均を算出した。
・加熱圧縮後の膜厚変化率:微多孔膜をアルミニウム箔で挟み、プレス機で90℃/50 kg/cm2/5分間加熱圧縮した後の膜厚変化を、加熱圧縮前の膜厚を100%として算出した。
・加熱圧縮後の透気度変化量:微多孔膜をアルミニウム箔で挟み、プレス機で90℃/50 kg/cm2/5分間加熱圧縮した後の透気度を測定し、加熱圧縮前との差を算出した。
・電解液吸収量:微多孔膜サンプル(約4m×約60 mm、150回巻き)を、ガラス管(直径18 mm×高さ65 mm)に入れ、市販の電解液注液装置により電解液[電解質:LiPF6、溶媒:ポリカーボネート/エチルメチルカーボネート=40/60(重量比)、電解質濃度:1mol/L]を注入し、1分間サンプルを浸漬した後取り出し、重量増加を調べ、サンプル重量当たりの吸収量を算出した。
【0079】
表1
表1つづき
表1つづき
【0080】
表1に示すように、実施例1〜6の微多孔膜は、フィブリルが、ポリエチレン組成物中に分散した1〜10μmの径(平均粒径2〜6μm)を有する微粒子を中心として開裂することにより、クレーズ状の空隙からなる細孔が形成されており、もって細孔中に微粒子が保持された構造を有し、そのため優れた透過性(透気度、空孔率及び電解液吸収性)、機械的特性(突刺強度、引張破断強度及び引張破断伸度)、及び耐熱性(熱収縮率、メルトダウン温度及び引張破断温度)を有する上に、非常に優れた耐圧縮性(加熱圧縮後の膜厚変化率・透気度変化量)を有することが分かる。一方比較例1及び2の熱可塑性樹脂組成物は非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を含まない。そのため本発明の微多孔膜のように細孔中に微粒子が保持された構造を有さず、実施例1〜6と比較して、加熱圧縮後の膜厚変化率・透気度変化量が大きく、熱収縮率も劣っている。また比較例3及び4の熱可塑性樹脂組成物は、非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を含むものの、本発明の微多孔膜のように細孔中に微粒子が保持された構造を有さず、実施例1〜6と比較して、比較例3では加熱圧縮後の透気度変化量が大きく熱収縮率も劣っており、比較例4では加熱圧縮後の膜厚変化率・透気度変化量が大きく熱収縮率も劣っている。
【0081】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の微多孔膜は、微多孔膜を構成するフィブリルが、ポリオレフィン中に分散した1〜10μmの径を有する微粒子を中心として開裂することにより、クレーズ状の空隙からなる細孔が形成されており、もって細孔中に微粒子が保持された構造を有するので、耐圧縮性、透過性、機械的特性及び耐熱性のバランスに優れる。得られた微多孔膜を電池用セパレーターとして用いることにより、容量特性、サイクル特性、低温域での放電特性等の電池特性だけでなく、電池生産性及び電池安全性をも含めた全ての向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微多孔膜の組織を示す透過型電子顕微鏡写真(3,000倍)である。
【図2】本発明の微多孔膜の組織を示す透過型電子顕微鏡写真(9,000倍)である。
【図3】本発明の微多孔膜の組織を示す透過型電子顕微鏡写真(30,000倍)である。
【図4】比較例1の微多孔膜の組織を示す透過型電子顕微鏡写真(9,000倍)である。
【図5】比較例2の微多孔膜の組織を示す透過型電子顕微鏡写真(3,000倍)である。
Claims (3)
- ポリオレフィンと非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂とを含む微多孔膜であって、前記微多孔膜を構成するフィブリルが、前記ポリオレフィン中に分散した1〜10μmの径を有する微粒子を中心として開裂することにより、クレーズ状の空隙からなる細孔が形成されており、もって前記細孔中に前記微粒子が保持された構造を有することを特徴とする微多孔膜。
- ポリオレフィンと、前記ポリオレフィンに対して非相溶性である非ポリオレフィン系熱可塑性樹脂と、溶剤とを溶融混練し、得られた溶融混練物をダイより押出し、次いで冷却してゲル状シートとした後、前記ゲル状シートを延伸した後前記溶剤を除去するか、前記ゲル状シートから前記溶剤を除去した後延伸するか、又は前記ゲル状シートを延伸した後前記溶剤を除去しさらに延伸することを特徴とする微多孔膜の製造方法。
- 請求項1に記載の微多孔膜からなることを特徴とする電池用セパレーター。
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