JP2004142067A - Nc多軸研削盤及び研削方法 - Google Patents
Nc多軸研削盤及び研削方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004142067A JP2004142067A JP2002311759A JP2002311759A JP2004142067A JP 2004142067 A JP2004142067 A JP 2004142067A JP 2002311759 A JP2002311759 A JP 2002311759A JP 2002311759 A JP2002311759 A JP 2002311759A JP 2004142067 A JP2004142067 A JP 2004142067A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- end mill
- ball end
- tip
- center
- axis
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 46
- 238000013459 approach Methods 0.000 claims description 4
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 7
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 4
- 239000000523 sample Substances 0.000 description 3
- 238000013461 design Methods 0.000 description 2
- 239000012530 fluid Substances 0.000 description 2
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 1
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 1
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 1
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000000691 measurement method Methods 0.000 description 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 1
- 230000002269 spontaneous effect Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
Abstract
【課題】W軸の剛性を高めたNC多軸研削盤を提供すること。
【解決手段】所定の軸線周りに回転する研削工具とワークとの相対移動によってワークを研削加工するNC多軸研削盤が、ベッド12と、ベッド12の上部で互いに直交する水平2軸方向に直線移動可能に設けられたコラム14と、コラム14上を鉛直方向に直線移動し、研削工具30を装着する砥石軸24を回転可能に支持する砥石頭18と、ベッド12の上部で鉛直な軸線周りに回転可能に設けられた旋回台58と、旋回台58上に設けられ、ワーク76を固定するワーク主軸70を水平な軸線周りに回転可能に支持するワーク主軸頭68とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】所定の軸線周りに回転する研削工具とワークとの相対移動によってワークを研削加工するNC多軸研削盤が、ベッド12と、ベッド12の上部で互いに直交する水平2軸方向に直線移動可能に設けられたコラム14と、コラム14上を鉛直方向に直線移動し、研削工具30を装着する砥石軸24を回転可能に支持する砥石頭18と、ベッド12の上部で鉛直な軸線周りに回転可能に設けられた旋回台58と、旋回台58上に設けられ、ワーク76を固定するワーク主軸70を水平な軸線周りに回転可能に支持するワーク主軸頭68とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、NC多軸研削盤及び研削方法に関し、特に機上においてワークであるボールエンドミル等の工具を高精度に測定し、該測定結果に基づいてワークを研削するようにしたNC多軸研削盤及び研削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
5軸以上のNC研削盤では、一般に、回転砥石を装着する砥石軸を回転支持する砥石頭と、ワークを回転支持する主軸頭とが相対的にの直交3軸(XYZ軸)方向に直線移動可能となっており、主軸頭は更に鉛直軸線(W軸)周りに回転可能となっている。従来技術では、W軸はXYの移動軸上に配設されている。こうしたNC多軸研削盤は、ねじれ刃を有した工具などの複雑な形状のワークを研削するために用いられる。
【0003】
ところで、ボールエンドミル等のねじれ刃を有した工具の切刃先端の測定は、その形状の複雑さから非常に困難であり、従来から種々の測定方法や測定装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のNC多軸研削盤では、上述したように、W軸がXYの移動軸上に配設されており、W軸の剛性を高めることができない問題がある。また、ボールエンドミル等のねじれ刃を有した工具の測定では、工具形状の複雑さから測定誤差を払拭することが非常に困難である。特に、切刃先端を、工具のどの部分に対して測定すべきかについて明確な基準が無いことが問題解決を困難なものとしている。
【0005】
本発明は、こうした従来技術の問題点を解決することを技術課題としており、W軸の剛性を高めたNC多軸研削盤を提供することを目的としている。
本発明は、また、こうしたNC多軸研削盤により研削されたワークである工具、特に、ボールエンドミルの先端部の形状を精密に測定するボールエンドミルの形状測定方法および装置を提供することを目的としている。
本発明は、更に、該測定方法により得られた測定結果に基づき、ボールエンドミルを研削するためのボールエンドミル研削方法および装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、所定の軸線周りに回転する研削工具とワークとの相対移動によって、前記ワークを研削加工するNC多軸研削盤において、
基台となるベッドと、
前記ベッド上に互いに直交する水平2軸方向に直線移動可能に設けられたコラムと、
前記コラム上を鉛直方向に直線移動し、前記研削工具を装着する砥石軸を回転可能に支持する砥石頭と、
前記ベッド上に鉛直な軸線周りに回転可能に設けられた旋回台と、
前記旋回台上に設けられ、前記ワークを固定するワーク主軸を水平な軸線周りに回転可能に支持するワーク主軸頭と、
を具備することを特徴としたNC多軸研削盤を要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の本発明は、ボールエンドミルの研削方法において、
ボールエンドミルの先端球部の中心回りに所定の角度毎に測定すべき前記ボールエンドミルの切刃先端を決定し、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と決定された測定すべき切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方から座標位置読取り用のセンサを移動させ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端との間の距離を前記ボールエンドミルの先端球部の中心回りの所定の角度毎に測定し、該測定値からボールエンドミル先端球部の中心周りの前記所定の角度毎に研削量を求め、研削するようにしたボールエンドミルの研削方法を要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の本発明は、ボールエンドミルの研削方法において、
(a)ワーク支持手段により前記ボールエンドミルを長手の中心軸線周りおよび該中心軸線に垂直な軸線周りに回転可能に支持する工程と、
(b)前記中心軸線周りに前記ボールエンドミルを回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせる工程と、
(c)前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿って座標位置読取り用のセンサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定する工程と、
(d)前記ボールエンドミルの先端球部の中心を通り前記ボールエンドミルの長手の中心軸線と垂直に交差する軸線を中心として前記ボールエンドミルを所定角度回転させる工程と、
を含み、前記工程(b)、(c)、(d)を繰り返して前記ボールエンドミルの先端球部の中心周りに前記所定角度毎に前記ボールエンドミル先端部の形状を測定し、
求められたボールエンドミルの先端部の形状からボールエンドミル先端球部の中心周りに前記所定角度毎に研削量を求め、研削するようにしたボールエンドミルの研削方法を要旨とする。
【0009】
請求項5に記載の本発明は、所定の軸線周りに回転する研削工具とボールエンドミルとの相対移動によって、前記ボールエンドミルを研削加工するボールエンドミル研削装置において、
基台となるベッドと、
前記ベッド上に互いに直交する水平2軸方向に直線移動可能に設けられたコラムと、
前記コラム上を鉛直方向に直線移動し、前記研削工具を装着する砥石軸を回転可能に支持する砥石頭と、
前記ベッド上に鉛直な軸線周りに回転可能に設けられた旋回台と、
前記旋回台上に設けられ、前記ボールエンドミルを固定するワーク主軸を水平な軸線周りに回転可能に支持するワーク主軸頭と、
前記砥石頭に取り付けられた座標位置読取り用のセンサとを具備し、
前記旋回台を鉛直軸線周りに回転、割り出してボールエンドミルの先端球部の中心周りに所定の角度毎に測定すべき前記ボールエンドミルの切刃先端を決定し、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と決定された測定すべき切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方から前記センサを移動させ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端との間の距離を前記ボールエンドミルの先端球部の中心周りに所定の角度毎に測定し、該測定値からボールエンドミル先端球部の中心周りに前記所定の角度毎に研削量を求め、研削するようにしたボールエンドミルの研削装置を要旨とする。
【0010】
請求項6に記載の本発明は、所定の軸線周りに回転する研削工具とボールエンドミルとの相対移動によって前記ボールエンドミルを研削加工するボールエンドミル研削装置において、
基台となるベッドと、
前記ベッド上に互いに直交する水平2軸方向に直線移動可能に設けられたコラムと、
前記コラム上を鉛直方向に直線移動し、前記研削工具を装着する砥石軸を回転可能に支持する砥石頭と、
前記ベッド上に鉛直な軸線周りに回転可能に設けられた旋回台と、
前記旋回台上に設けられ、前記ボールエンドミルを固定するワーク主軸を水平な軸線周りに回転可能に支持するワーク主軸頭と、
前記砥石頭に取り付けられた座標位置読取り用のセンサとを具備し、
(a)前記ワーク主軸に前記ボールエンドミルを支持する工程と、
(b)前記ワーク主軸を回転させることにより前記ボールエンドミルをその長手の中心軸線回りに回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせる工程と、
(c)前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿って前記センサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定する工程と、
(d)前記旋回台を回転させることにより前記ボールエンドミルの先端球部の中心を通り前記ボールエンドミルの長手の中心軸線と垂直に交差する軸線を中心として前記ボールエンドミルを所定角度回転させる工程と、
を含み、前記工程(b)、(c)、(d)を繰り返して前記ボールエンドミルの先端部の中心周りに前記所定角度毎に前記ボールエンドミル先端部の形状を測定し、
求められたボールエンドミルの先端部の形状からボールエンドミル先端球部の中心周りに前記所定角度毎に研削量を求め、研削するようにしたボールエンドミルの研削装置を要旨とする。
【0011】
請求項8に記載の本発明は、ボールエンドミルの形状測定方法において、
ボールエンドミルの先端球部の中心回りに所定の角度毎に測定すべき前記ボールエンドミルの切刃先端を決定し、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と決定された測定すべき切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方から座標位置読取り用のセンサを移動させ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端との間の距離を前記ボールエンドミルの先端球部の中心周りに所定の角度毎に測定するようにしたボールエンドミルの形状測定方法を要旨とする。
【0012】
請求項9に記載の本発明は、ボールエンドミルの形状測定方法において、
(a)前記ボールエンドミルを長手の中心軸線周りに回転可能に支持する工程と、
(b)前記中心軸線周りに前記ボールエンドミルを回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせる工程と、
(c)前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿って座標位置読取り用のセンサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定する工程と、
を含んで成るボールエンドミルの形状測定方法を要旨とする。
【0013】
請求項12に記載の本発明は、ボールエンドミルの形状測定装置において、
前記ボールエンドミルを長手の中心軸線および該中心軸線に対して垂直な軸線周りに回転可能に支持するワーク支持手段と、
前記ボールエンドミルに対して座標位置読取り用のセンサを直交3軸に沿って相対的に直線移動させる移動手段とを具備し、
前記中心軸線周りに前記ボールエンドミルを回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿って前記センサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定するようにしたボールエンドミルの形状測定装置を要旨とする。
【0014】
請求項18に記載の本発明は、回転工具の形状測定方法において、
(a)前記工具を長手の中心軸線周りに回転可能に支持する工程と、
(b)前記中心軸線周りに前記工具を回転させて前記工具の切刃先端を前記中心軸線の高さに合わせる工程と、
(c)前記工具の切刃先端と前記中心軸線との間の距離を測定する工程と、
を含んで成る回転工具の形状測定方法を要旨とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
先ず、NC多軸研削盤10は7軸のNC研削盤であって、工場の床面に固定され該NC多軸研削盤10の基台となるベッド12と、ベッド12の上面に立設されたコラム14と、コラム14の側面に鉛直方向(Z軸方向)に上下動自在に取り付けられた砥石頭送り台16とを有している。砥石頭送り台16には砥石頭18およびドレッササドル20が取り付けられており、コラム14の頂部には砥石頭送り台16をZ軸方向へ送るためのZ軸送りモータとしてのサーボモータ22が取り付けられている。砥石頭18は、また、Z軸に垂直(図1の紙面に対して垂直方向)な軸線Bを中心として回転自在に砥石頭送り台16に取り付けられている。
【0016】
砥石頭18は、軸受け18a、18bを介して砥石軸24を砥石頭18の中心軸線Oを中心として回転自在に支持し、砥石軸24を回転駆動するビルトインモータ26が組み込まれている。砥石軸24の先端にはHSK式の工具ホルダ28を介して回転砥石30が取り付けられる。また、砥石軸24の後端には砥石軸24に作用するスラスト力を測定するためのロードセル19が配設されている。更に、NC装置84に接続された座標位置読取り用のタッチセンサ88が、好ましくは、その測定プローブが砥石頭18から鉛直方向に垂下されるように、砥石頭18の外周面、特に前方フランジに取り付けられている。この場合、砥石頭18、特にそのハウジングがセンサ支持手段として作用する。
【0017】
ドレッササドル20は、砥石頭送り台16または砥石頭18に対して軸線Oに平行な方向に往復移動自在に取り付けられており、ドレッササドル20の先端部にはドレッサ送り台32が軸線Oに対して垂直な方向に往復移動自在に取り付けられている。より詳細には、ドレッササドル20は、サーボモータ38および送りネジ40により軸線Oに平行な方向に往復駆動され、ドレッサ送り台32はサーボモータ42および送りネジ44により軸線Oに対して垂直な方向に往復駆動される。また、ドレッサ送り台32の先端部には、油圧モータ34により回転駆動されるドレッサ工具36が取り付けられている。
【0018】
また、ベッド12の上面にはX軸に沿って水平方向に平行に延びる一対のX軸案内レール56が配設されており、該X軸案内レール56に沿ってテーブル46が移動可能に取付けられている。テーブル46はX軸送りネジ(図示せず)およびX軸送りモータとしてのサーボモータ54により往復駆動される。テーブル46の上面には、Y軸送りネジ50がX軸およびZ軸に垂直な方向に延設されており、該Y軸送りネジ50の後端部はY軸送りモータとしてのサーボモータ48に連結されている。また、コラム14の下端部には、Y軸送りネジ50に係合するナット14aが連結されている。これにより、コラム14は、X軸およびY軸に沿って往復駆動される。
【0019】
ベッド12上には旋回台58が、鉛直方向に延びる軸線(W軸)を中心として旋回自在に取り付けられている。より詳細には、旋回台58は、その一端に鉛直下方に延びる旋回台軸部58aを有しており、該旋回台軸部58aは、好ましくは、ベッド12の上面から上方に突き出したボス部12aに配設された軸受け78a、78bにより回転自在に支持されている。旋回台軸部58aの下端は、ベッド12内に配設されたW軸旋回モータとしてのサーボモータ66の出力軸に連結されており、旋回台58は鉛直方向に延びるW軸を中心として回転駆動される。
【0020】
本実施形態によれば、W軸をベッド12に固定したために、W軸の剛性を高めることが可能となる。特に、このように、ベッド12の上面から上方に突き出したボス部12aを設け、該ボス部12aにより旋回台58の旋回台軸部58aを回転自在に支持することにより、旋回台軸部58aを長くすることが可能となり、X、Yの移動軸上に旋回台を配置している従来技術と比較して本実施形態によればW軸の剛性を格段に高めることが可能となる。従って、本実施形態によれば、ワーク76の先端部を研削加工する際、W軸周りの位置決め精度を高めることが可能となる。これは特に、ワーク76がボールエンドミルである場合に、ボールエンドミルの先端のR形状を高精度に測定、研削する場合に有利である。
【0021】
旋回台58には、ワーク送り台60が水平な軸線(U軸)方向に往復移動自在に取り付けられており、旋回台58に取り付けられたU軸送りモータとしてのサーボモータ62およびU軸送りネジ64により往復駆動される。U軸送りモータを設けず、U軸を手動で送る構成でも良い。ワーク送り台60にはワーク主軸頭68が取り付けられており、ワーク主軸頭68は、ワーク主軸70をU軸に平行な軸線Aを中心として回転自在に支持している。ワーク主軸70は、主軸駆動モータとしてのサーボモータ72により回転駆動される。ワーク主軸70の先端には、ワークホルダ74を介してワーク76が取り付けられる。本実施形態においてワーク76は、NC多軸研削盤10により研削すべきボールエンドミルである。また、ワーク主軸70の後端には、給電ブラシ80が配設されており、該給電ブラシ70とタッチセンサ88との間には所定の電圧が印加される。ワーク76とタッチセンサ88とが接触すると、ワーク76とタッチセンサ88とが短絡し、NC装置84はこれをスキップ信号として、そのときの各軸の座標からワーク76の外形形状を測定することが可能となる。
【0022】
研削加工に先立ってワーク主軸70の先端にワーク76、好ましくはボールエンドミルが取り付けられる。次いで、ビルトインモータ26およびサーボモータ72により砥石軸24およびワーク主軸70を回転させ、サーボモータ62によりワーク送り台60をU軸方向に移動させてワーク76を回転砥石30に押圧する。その間、旋回台58をW軸を中心として旋回させたり、砥石頭18をB軸回りに回転させたりして、ワーク76の先端を研削する。研削加工中のワーク76の先端部の形状、寸法は、NC装置84から各軸の座標を読み取ることにより演算により求めることができる。然しながら、本実施形態では後述するように、タッチセンサ88をワーク76に接触させ、そのときの短絡電流をスキップ信号として捉えて、NC装置84から各軸の座標を読み取ることによりワーク76の先端形状を正確に求めることが可能となっている。タッチセンサは短絡式に限らず、他の形式のもので良い。またタッチセンサに替えて、変位検出式センサを用いても良い。
【0023】
このとき、研削加工の開始に際して、ワーク76を図1に示すように、回転砥石30に対向させた状態で、ワーク送り台60をY軸方向に移動させてワーク76を回転砥石30に接近させる。ワーク76が回転砥石30に接触すると、両者の接触により発生する音または振動が音響センサ81により検知される。なお、音響センサ81は、ボイスコイルと永久磁石とから成るマイクロフォンや、圧電素子から成るマイクロフォンにより形成することができるが、ワーク76と回転砥石30との接触により発生する音または振動を検知可能なあらゆるセンサとすることができる。
【0024】
回転砥石30においてワーク76に接触して該ワーク76を研削する研削面には非常に大きな摩擦力が作用し摩耗する。また、回転砥石30の研削面の切れ味を維持すると共に、研削面の形状を平坦に維持するためのドレッシングによっても摩耗する。本実施形態のように、ワーク76と回転砥石30との接触を音響センサ81により検知し、これをスキップ信号としてNC装置84に送出し、そのときの各軸の座標を読みとることにより回転砥石30の研削面の後退位置を校正することが可能となる。
【0025】
ワーク主軸70および砥石軸24を回転させた状態でワーク76の先端部を回転砥石30の研削面に押しつけ、図示しない加工液ノズルから両者の接触点へ向けて加工液を供給することにより、ワーク76、特にボールエンドミルの先端部が研削される。このとき、従来のNC装置と同様に、7軸(A軸、B軸、X軸、Y軸、Z軸、U軸、W軸)の各々の送り量をNC装置84により制御することにより、ワーク76が所望形状に研削される。
【0026】
ワーク76の先端部を研削するとき、回転砥石30の研削面も同様に摩耗するが、回転砥石30へのワーク76の押しつけ力または加工圧力を最適な加工圧力とすることにより、回転砥石30の研削面では所謂自生発刃が生じ十分な切れ味が維持される。本実施形態では、ロードセル19が砥石軸24に作用するスラスト力を測定することにより加工圧力を監視している。すなわち、ロードセル19により検知される加工圧力が所定値を越えたときに、NC装置84は回転砥石30の研削面が摩滅して回転砥石30の切れ味が低下したと判断して、以下に説明するドレッシング工程を開始するようになっている。また、回転砥石30の切れ味が低下すると、サーボモータ、特にU軸送りモータとしてのサーボモータ62の電流値が増加するので、ロードセル19による砥石軸24のスラスト力測定に替えて、サーボモータ62のへ供給される電流値を測定し、該電流値が所定値を越えたときにドレッシング工程を開始するようにしてもよい。
【0027】
NC多軸研削盤10は、ワーク76の研削加工が終了すると、ワーク76をワーク主軸70に装着した状態で、ワーク76の外形を機上において測定可能である。次に、図3から図8を参照して、研削されたワーク76の形状測定方法を、ボールエンドミルの形状を測定する場合を例として説明する。
【0028】
(1)先ず、ボールエンドミル76の先端球部の中心ObをW軸上に配置する。これは、以下のようにして行うことができる。すなわち、B軸を回転させることにより、タッチセンサ88を鉛直方向に配向し、次いでサーボモータ48、54によりタッチセンサ88をXY軸方向に移動させてW軸上に配置する。このときの、タッチセンサ88のXY座標を原点W(0,0)とする。
【0029】
次いで、サーボモータ66により旋回台58をW軸を中心として回転させ、ボールエンドミル76の長手の中心軸線をX=0に一致させる。次いで、ボールエンドミル76を矢印Aで示すようにY軸方向に前進させ、タッチセンサ88に接触させる(図3参照)。これは、サーボモータ62を用いて、ボールエンドミル76をU軸に沿って前進させる、或いは、サーボモータ48を用いてコラム14をY軸に沿って前進させることにより行うことができる。
【0030】
次に、図3の矢印Bで示すようにタッチセンサ88をY軸に沿ってボールエンドミル76から離反させる。最後に、ボールエンドミル76をY軸に沿って更に前進させ、先端球部の中心Obを原点に合わせる(図4参照)。これは、ボールエンドミル76の半球形状の先端部の設計上の半径R0にタッチセンサ88の半径を加えた距離を以て、ボールエンドミル76をY軸に沿って前進させることにより行うことができる。
【0031】
(2)次に、W軸を中心として旋回台58を回転することにより、ボールエンドミル76を中心Ob周りに所定角度αを以て回転させ、図4において(i)で示す角度位置に配置する。図示する実施形態ではαは22.5°であるが、30°または15°などの他の角度を選択してもよい。このように、角度αを決定することにより、ボールエンドミル76の先端球部の中心Ob周りに角度α毎に、測定すべき切刃の先端が決定される。
【0032】
(3)次に、A軸を回転することにより、切刃の先端をボールエンドミル76の長手の中心軸線と同じ高さに合わせる。これは、以下のようにして行うことができる。先ず、図5において矢印Dで示すように、タッチセンサ88をY軸に沿って前進させて、ボールエンドミル76の先端球部の中心Obから設計上の半径R0の位置に移動させ、次に、タッチセンサ88の先端がボールエンドミル76の中心軸線と同じ高さとなるように、タッチセンサ88をZ軸に沿って下動させる。次に、ボールエンドミル76の切刃の先端がタッチセンサ88の先端に接触するまでA軸を回転させる。
【0033】
図5では、タッチセンサ88は比較的太い測定プローブを持っているかの如く図示されているが、切刃先端の欠けを防止するためには、タッチセンサ88は可及的に細い測定プローブを有していることが有利である。その場合には、ボールエンドミル76の切刃の先端をタッチセンサ88の先端に接触させることは難しくなるので、図7に示すように、許容誤差範囲内で、タッチセンサ88′を切刃先端よりも半径方向内側に配置することも許される。
【0034】
(4)次に、矢印Eで示すように、タッチセンサ88をY軸に沿ってボールエンドミル76から離反させ、タッチセンサ88をY軸に沿って直線移動させたときに、タッチセンサ88の側面に切刃の先端が接触可能なようにZ軸に沿って下動させる。そして、図6において矢印Fで示すように、タッチセンサ88をY軸に沿ってボールエンドミル76の切刃先端に接近させる。これにより、本実施形態によれば、タッチセンサ88は、測定すべき切刃先端とボールエンドミル76の先端球部中心Obとを結ぶ直線に沿って先端球部中心Obに対して半径方向外方から接近動作することとなる。そして、両者が接触したときのNC装置内の機械座標系から、ボールエンドミル76の先端球部中心Obと、切刃先端との間の距離を演算により求める。距離を演算するに際しては、タッチセンサ88の半径を考慮することが望ましい。このように、測定すべき切刃先端とボールエンドミル76の先端球部中心Obとを結ぶ直線に沿ってタッチセンサ88を先端球部中心Obに対して半径方向外方から接近動作させることにより、角度α毎に決定される切刃先端により実際に切削される最外径を測定することが可能となる。
【0035】
また、図1、2のボールエンドミル測定装置をも兼ね備えたNC多軸研削盤10では、タッチセンサ88は砥石頭18に取り付けられているために、XYZの直交3軸方向に移動可能となっている。従って、切刃先端の高さをボールエンドミル76の中心軸に合わせて、タッチセンサ88をY軸に沿って移動させることが、ボールエンドミル76の測定プログラムを作成する上で非常に分かりやすく有利である。本発明では、測定すべき切刃先端とボールエンドミル76の先端球部中心Obとを結ぶ直線に沿ってタッチセンサ88を先端球部中心Obに対して半径方向外方から接近動作させることが重要である。従って、NC多軸研削盤10のように、鉛直軸線を含む直交3軸系以外の軸構成を有しているなどの場合には、タッチセンサ88は水平方向に移動させなくともよい。つまり、「切刃先端の高さ」とは、タッチセンサ88の移動方向を水平基準とした場合の切刃先端の位置を意味していると言える。
【0036】
(5)次に、上記工程(2)〜(4)を繰り返し、ボールエンドミル76の先端部を180°にわたって、該先端部の外形を測定する。こうして測定を繰り返すことにより、図8に示すようなグラフを作成することができる。このグラフに基づき、ボールエンドミル76の先端部の各角度位置における研削量を決定し、NC多軸研削盤10によりボールエンドミル76の先端部の形状を高精度に仕上げることが可能となる。
【0037】
また、図8から理解されるように、0°と180°の位置はボールエンドミルの側面の半径に一致している。従って、上記の方法を用いて、例えばリーマ等の側面で切削を行う工具の長手の中心軸線と切刃先端との間を測定することにより、工具の半径を測定可能となる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、旋回台をベッドの上部で鉛直な軸線周りに回転可能に設けたので、W軸の剛性を高めることが可能となる。
請求項3に記載の本発明によれば、ボールエンドミルの先端部の中心周りに所定の角度毎に、測定すべき前記ボールエンドミルの切刃先端を決定し、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と決定された測定すべき切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方からセンサを移動させ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端との間の距離を、前記ボールエンドミルの先端球部の中心回りに所定の角度毎に測定し、該測定値からボールエンドミル先端球部の中心周りに前記所定の角度毎に研削量を求め、研削するようにしたので、研削量を精密に決定することができ、ボールエンドミルを高精度に研削可能となる。
【0039】
請求項4に記載の本発明によれば、ボールエンドミルの中心軸線周りに前記ボールエンドミルを回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿ってセンサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定するようにしたので、ボールエンドミル先端部の半径を正確に測定可能となる。更に、前記ボールエンドミルの先端球部の中心を通り前記ボールエンドミルの長手の中心軸線と垂直に交差する軸線を中心として前記ボールエンドミルを所定角度回転させることにより、ボールエンドミル先端部の全体にわたって正確に半径を測定可能となる。そして、求められたボールエンドミルの先端部の形状からボールエンドミル先端球部の中心周りに前記所定角度毎に研削量を求めるようにしたので、研削量を精密に決定することができ、ボールエンドミルを高精度に研削可能となる。
【0040】
請求項5に記載の本発明によれば、ボールエンドミルの先端球部の中心回りに所定の角度毎に、測定すべき前記ボールエンドミルの切刃先端を決定し、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と決定された測定すべき切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方からセンサを移動させて、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端との間の距離を、前記ボールエンドミルの先端球部の中心回りに所定の角度毎に測定し、該測定値からボールエンドミル先端球部の中心周りに前記所定の角度毎に研削量を求めるようにしたので、研削量を精密に決定することができ、ボールエンドミルを高精度に研削可能となる。
【0041】
請求項6に記載の本発明によれば、ボールエンドミルの中心軸線周りに前記ボールエンドミルを回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿ってセンサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定するようにしたので、ボールエンドミル先端部の半径を正確に測定可能となる。更に、前記ボールエンドミルの先端球部の中心を通り前記ボールエンドミルの長手の中心軸線と垂直に交差する軸線を中心として前記ボールエンドミルを所定角度回転させることにより、ボールエンドミル先端部の全体にわたって正確に半径を測定可能となる。そして、求められたボールエンドミルの先端部の形状からボールエンドミル先端部の中心周りに前記所定角度毎に研削量を求めるようにしたので、研削量を精密に決定することができ、ボールエンドミルを高精度に研削可能となる。
【0042】
請求項8に記載の本発明によれば、ボールエンドミルの先端球部の中心周りに所定の角度毎に、測定すべき前記ボールエンドミルの切刃先端を決定し、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と、決定された測定すべき切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方からセンサを移動させて、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端との間の距離を、前記ボールエンドミルの先端球部の中心周りに所定の角度毎に測定するようにしたので、ボールエンドミルの先端部の外形を正確に測定可能となる。
【0043】
請求項9、12に記載の本発明によれば、ボールエンドミルの中心軸線周りに前記ボールエンドミルを回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿ってセンサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定するようにしたので、ボールエンドミル先端部の半径を正確に測定可能となる。
【0044】
請求項18に記載の本発明によれば、回転工具の形状測定方法において、中心軸線周りに前記工具を回転させて前記工具の切刃先端を前記中心軸線の高さに合わせ、前記工具の切刃先端と前記中心軸線との間の距離を測定することにより、リーマ等の工具の半径を正確に測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるNC多軸研削盤の略図である。
【図2】図1のNC多軸研削盤の略示斜視図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態によるボールエンドミルの先端部の測定方法を説明するための図である。
【図4】本発明の好ましい実施形態によるボールエンドミルの先端部の測定方法を説明するための図である。
【図5】本発明の好ましい実施形態によるボールエンドミルの切刃の測定方法を説明するための図である。
【図6】本発明の好ましい実施形態によるボールエンドミルの切刃の測定方法を説明するための図である。
【図7】本発明の好ましい実施形態によるボールエンドミルの切刃の測定方法を説明するための図である。
【図8】本発明の好ましい実施形態によるボールエンドミルの切刃の測定方法により得られる測定結果を示したグラフである。
【符号の説明】
10…NC多軸研削盤
12…ベッド
12a…ボス
14…コラム
16…砥石頭送り台
18…砥石頭
19…ロードセル
20…ドレッササドル
24…砥石軸
30…回転砥石
32…ドレッサ送り台
36…ドレッサ工具
46…テーブル
50…Y軸送りネジ
58…旋回台
58a…旋回台軸部
60…ワーク送り台
66…電気絶縁プレート
68…ワーク主軸頭
70…ワーク主軸
76…ワーク
78…通電ブラシ
80…通電ブラシ
84…NC装置
88…タッチセンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、NC多軸研削盤及び研削方法に関し、特に機上においてワークであるボールエンドミル等の工具を高精度に測定し、該測定結果に基づいてワークを研削するようにしたNC多軸研削盤及び研削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
5軸以上のNC研削盤では、一般に、回転砥石を装着する砥石軸を回転支持する砥石頭と、ワークを回転支持する主軸頭とが相対的にの直交3軸(XYZ軸)方向に直線移動可能となっており、主軸頭は更に鉛直軸線(W軸)周りに回転可能となっている。従来技術では、W軸はXYの移動軸上に配設されている。こうしたNC多軸研削盤は、ねじれ刃を有した工具などの複雑な形状のワークを研削するために用いられる。
【0003】
ところで、ボールエンドミル等のねじれ刃を有した工具の切刃先端の測定は、その形状の複雑さから非常に困難であり、従来から種々の測定方法や測定装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のNC多軸研削盤では、上述したように、W軸がXYの移動軸上に配設されており、W軸の剛性を高めることができない問題がある。また、ボールエンドミル等のねじれ刃を有した工具の測定では、工具形状の複雑さから測定誤差を払拭することが非常に困難である。特に、切刃先端を、工具のどの部分に対して測定すべきかについて明確な基準が無いことが問題解決を困難なものとしている。
【0005】
本発明は、こうした従来技術の問題点を解決することを技術課題としており、W軸の剛性を高めたNC多軸研削盤を提供することを目的としている。
本発明は、また、こうしたNC多軸研削盤により研削されたワークである工具、特に、ボールエンドミルの先端部の形状を精密に測定するボールエンドミルの形状測定方法および装置を提供することを目的としている。
本発明は、更に、該測定方法により得られた測定結果に基づき、ボールエンドミルを研削するためのボールエンドミル研削方法および装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、所定の軸線周りに回転する研削工具とワークとの相対移動によって、前記ワークを研削加工するNC多軸研削盤において、
基台となるベッドと、
前記ベッド上に互いに直交する水平2軸方向に直線移動可能に設けられたコラムと、
前記コラム上を鉛直方向に直線移動し、前記研削工具を装着する砥石軸を回転可能に支持する砥石頭と、
前記ベッド上に鉛直な軸線周りに回転可能に設けられた旋回台と、
前記旋回台上に設けられ、前記ワークを固定するワーク主軸を水平な軸線周りに回転可能に支持するワーク主軸頭と、
を具備することを特徴としたNC多軸研削盤を要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の本発明は、ボールエンドミルの研削方法において、
ボールエンドミルの先端球部の中心回りに所定の角度毎に測定すべき前記ボールエンドミルの切刃先端を決定し、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と決定された測定すべき切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方から座標位置読取り用のセンサを移動させ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端との間の距離を前記ボールエンドミルの先端球部の中心回りの所定の角度毎に測定し、該測定値からボールエンドミル先端球部の中心周りの前記所定の角度毎に研削量を求め、研削するようにしたボールエンドミルの研削方法を要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の本発明は、ボールエンドミルの研削方法において、
(a)ワーク支持手段により前記ボールエンドミルを長手の中心軸線周りおよび該中心軸線に垂直な軸線周りに回転可能に支持する工程と、
(b)前記中心軸線周りに前記ボールエンドミルを回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせる工程と、
(c)前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿って座標位置読取り用のセンサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定する工程と、
(d)前記ボールエンドミルの先端球部の中心を通り前記ボールエンドミルの長手の中心軸線と垂直に交差する軸線を中心として前記ボールエンドミルを所定角度回転させる工程と、
を含み、前記工程(b)、(c)、(d)を繰り返して前記ボールエンドミルの先端球部の中心周りに前記所定角度毎に前記ボールエンドミル先端部の形状を測定し、
求められたボールエンドミルの先端部の形状からボールエンドミル先端球部の中心周りに前記所定角度毎に研削量を求め、研削するようにしたボールエンドミルの研削方法を要旨とする。
【0009】
請求項5に記載の本発明は、所定の軸線周りに回転する研削工具とボールエンドミルとの相対移動によって、前記ボールエンドミルを研削加工するボールエンドミル研削装置において、
基台となるベッドと、
前記ベッド上に互いに直交する水平2軸方向に直線移動可能に設けられたコラムと、
前記コラム上を鉛直方向に直線移動し、前記研削工具を装着する砥石軸を回転可能に支持する砥石頭と、
前記ベッド上に鉛直な軸線周りに回転可能に設けられた旋回台と、
前記旋回台上に設けられ、前記ボールエンドミルを固定するワーク主軸を水平な軸線周りに回転可能に支持するワーク主軸頭と、
前記砥石頭に取り付けられた座標位置読取り用のセンサとを具備し、
前記旋回台を鉛直軸線周りに回転、割り出してボールエンドミルの先端球部の中心周りに所定の角度毎に測定すべき前記ボールエンドミルの切刃先端を決定し、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と決定された測定すべき切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方から前記センサを移動させ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端との間の距離を前記ボールエンドミルの先端球部の中心周りに所定の角度毎に測定し、該測定値からボールエンドミル先端球部の中心周りに前記所定の角度毎に研削量を求め、研削するようにしたボールエンドミルの研削装置を要旨とする。
【0010】
請求項6に記載の本発明は、所定の軸線周りに回転する研削工具とボールエンドミルとの相対移動によって前記ボールエンドミルを研削加工するボールエンドミル研削装置において、
基台となるベッドと、
前記ベッド上に互いに直交する水平2軸方向に直線移動可能に設けられたコラムと、
前記コラム上を鉛直方向に直線移動し、前記研削工具を装着する砥石軸を回転可能に支持する砥石頭と、
前記ベッド上に鉛直な軸線周りに回転可能に設けられた旋回台と、
前記旋回台上に設けられ、前記ボールエンドミルを固定するワーク主軸を水平な軸線周りに回転可能に支持するワーク主軸頭と、
前記砥石頭に取り付けられた座標位置読取り用のセンサとを具備し、
(a)前記ワーク主軸に前記ボールエンドミルを支持する工程と、
(b)前記ワーク主軸を回転させることにより前記ボールエンドミルをその長手の中心軸線回りに回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせる工程と、
(c)前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿って前記センサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定する工程と、
(d)前記旋回台を回転させることにより前記ボールエンドミルの先端球部の中心を通り前記ボールエンドミルの長手の中心軸線と垂直に交差する軸線を中心として前記ボールエンドミルを所定角度回転させる工程と、
を含み、前記工程(b)、(c)、(d)を繰り返して前記ボールエンドミルの先端部の中心周りに前記所定角度毎に前記ボールエンドミル先端部の形状を測定し、
求められたボールエンドミルの先端部の形状からボールエンドミル先端球部の中心周りに前記所定角度毎に研削量を求め、研削するようにしたボールエンドミルの研削装置を要旨とする。
【0011】
請求項8に記載の本発明は、ボールエンドミルの形状測定方法において、
ボールエンドミルの先端球部の中心回りに所定の角度毎に測定すべき前記ボールエンドミルの切刃先端を決定し、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と決定された測定すべき切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方から座標位置読取り用のセンサを移動させ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端との間の距離を前記ボールエンドミルの先端球部の中心周りに所定の角度毎に測定するようにしたボールエンドミルの形状測定方法を要旨とする。
【0012】
請求項9に記載の本発明は、ボールエンドミルの形状測定方法において、
(a)前記ボールエンドミルを長手の中心軸線周りに回転可能に支持する工程と、
(b)前記中心軸線周りに前記ボールエンドミルを回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせる工程と、
(c)前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿って座標位置読取り用のセンサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定する工程と、
を含んで成るボールエンドミルの形状測定方法を要旨とする。
【0013】
請求項12に記載の本発明は、ボールエンドミルの形状測定装置において、
前記ボールエンドミルを長手の中心軸線および該中心軸線に対して垂直な軸線周りに回転可能に支持するワーク支持手段と、
前記ボールエンドミルに対して座標位置読取り用のセンサを直交3軸に沿って相対的に直線移動させる移動手段とを具備し、
前記中心軸線周りに前記ボールエンドミルを回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿って前記センサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定するようにしたボールエンドミルの形状測定装置を要旨とする。
【0014】
請求項18に記載の本発明は、回転工具の形状測定方法において、
(a)前記工具を長手の中心軸線周りに回転可能に支持する工程と、
(b)前記中心軸線周りに前記工具を回転させて前記工具の切刃先端を前記中心軸線の高さに合わせる工程と、
(c)前記工具の切刃先端と前記中心軸線との間の距離を測定する工程と、
を含んで成る回転工具の形状測定方法を要旨とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
先ず、NC多軸研削盤10は7軸のNC研削盤であって、工場の床面に固定され該NC多軸研削盤10の基台となるベッド12と、ベッド12の上面に立設されたコラム14と、コラム14の側面に鉛直方向(Z軸方向)に上下動自在に取り付けられた砥石頭送り台16とを有している。砥石頭送り台16には砥石頭18およびドレッササドル20が取り付けられており、コラム14の頂部には砥石頭送り台16をZ軸方向へ送るためのZ軸送りモータとしてのサーボモータ22が取り付けられている。砥石頭18は、また、Z軸に垂直(図1の紙面に対して垂直方向)な軸線Bを中心として回転自在に砥石頭送り台16に取り付けられている。
【0016】
砥石頭18は、軸受け18a、18bを介して砥石軸24を砥石頭18の中心軸線Oを中心として回転自在に支持し、砥石軸24を回転駆動するビルトインモータ26が組み込まれている。砥石軸24の先端にはHSK式の工具ホルダ28を介して回転砥石30が取り付けられる。また、砥石軸24の後端には砥石軸24に作用するスラスト力を測定するためのロードセル19が配設されている。更に、NC装置84に接続された座標位置読取り用のタッチセンサ88が、好ましくは、その測定プローブが砥石頭18から鉛直方向に垂下されるように、砥石頭18の外周面、特に前方フランジに取り付けられている。この場合、砥石頭18、特にそのハウジングがセンサ支持手段として作用する。
【0017】
ドレッササドル20は、砥石頭送り台16または砥石頭18に対して軸線Oに平行な方向に往復移動自在に取り付けられており、ドレッササドル20の先端部にはドレッサ送り台32が軸線Oに対して垂直な方向に往復移動自在に取り付けられている。より詳細には、ドレッササドル20は、サーボモータ38および送りネジ40により軸線Oに平行な方向に往復駆動され、ドレッサ送り台32はサーボモータ42および送りネジ44により軸線Oに対して垂直な方向に往復駆動される。また、ドレッサ送り台32の先端部には、油圧モータ34により回転駆動されるドレッサ工具36が取り付けられている。
【0018】
また、ベッド12の上面にはX軸に沿って水平方向に平行に延びる一対のX軸案内レール56が配設されており、該X軸案内レール56に沿ってテーブル46が移動可能に取付けられている。テーブル46はX軸送りネジ(図示せず)およびX軸送りモータとしてのサーボモータ54により往復駆動される。テーブル46の上面には、Y軸送りネジ50がX軸およびZ軸に垂直な方向に延設されており、該Y軸送りネジ50の後端部はY軸送りモータとしてのサーボモータ48に連結されている。また、コラム14の下端部には、Y軸送りネジ50に係合するナット14aが連結されている。これにより、コラム14は、X軸およびY軸に沿って往復駆動される。
【0019】
ベッド12上には旋回台58が、鉛直方向に延びる軸線(W軸)を中心として旋回自在に取り付けられている。より詳細には、旋回台58は、その一端に鉛直下方に延びる旋回台軸部58aを有しており、該旋回台軸部58aは、好ましくは、ベッド12の上面から上方に突き出したボス部12aに配設された軸受け78a、78bにより回転自在に支持されている。旋回台軸部58aの下端は、ベッド12内に配設されたW軸旋回モータとしてのサーボモータ66の出力軸に連結されており、旋回台58は鉛直方向に延びるW軸を中心として回転駆動される。
【0020】
本実施形態によれば、W軸をベッド12に固定したために、W軸の剛性を高めることが可能となる。特に、このように、ベッド12の上面から上方に突き出したボス部12aを設け、該ボス部12aにより旋回台58の旋回台軸部58aを回転自在に支持することにより、旋回台軸部58aを長くすることが可能となり、X、Yの移動軸上に旋回台を配置している従来技術と比較して本実施形態によればW軸の剛性を格段に高めることが可能となる。従って、本実施形態によれば、ワーク76の先端部を研削加工する際、W軸周りの位置決め精度を高めることが可能となる。これは特に、ワーク76がボールエンドミルである場合に、ボールエンドミルの先端のR形状を高精度に測定、研削する場合に有利である。
【0021】
旋回台58には、ワーク送り台60が水平な軸線(U軸)方向に往復移動自在に取り付けられており、旋回台58に取り付けられたU軸送りモータとしてのサーボモータ62およびU軸送りネジ64により往復駆動される。U軸送りモータを設けず、U軸を手動で送る構成でも良い。ワーク送り台60にはワーク主軸頭68が取り付けられており、ワーク主軸頭68は、ワーク主軸70をU軸に平行な軸線Aを中心として回転自在に支持している。ワーク主軸70は、主軸駆動モータとしてのサーボモータ72により回転駆動される。ワーク主軸70の先端には、ワークホルダ74を介してワーク76が取り付けられる。本実施形態においてワーク76は、NC多軸研削盤10により研削すべきボールエンドミルである。また、ワーク主軸70の後端には、給電ブラシ80が配設されており、該給電ブラシ70とタッチセンサ88との間には所定の電圧が印加される。ワーク76とタッチセンサ88とが接触すると、ワーク76とタッチセンサ88とが短絡し、NC装置84はこれをスキップ信号として、そのときの各軸の座標からワーク76の外形形状を測定することが可能となる。
【0022】
研削加工に先立ってワーク主軸70の先端にワーク76、好ましくはボールエンドミルが取り付けられる。次いで、ビルトインモータ26およびサーボモータ72により砥石軸24およびワーク主軸70を回転させ、サーボモータ62によりワーク送り台60をU軸方向に移動させてワーク76を回転砥石30に押圧する。その間、旋回台58をW軸を中心として旋回させたり、砥石頭18をB軸回りに回転させたりして、ワーク76の先端を研削する。研削加工中のワーク76の先端部の形状、寸法は、NC装置84から各軸の座標を読み取ることにより演算により求めることができる。然しながら、本実施形態では後述するように、タッチセンサ88をワーク76に接触させ、そのときの短絡電流をスキップ信号として捉えて、NC装置84から各軸の座標を読み取ることによりワーク76の先端形状を正確に求めることが可能となっている。タッチセンサは短絡式に限らず、他の形式のもので良い。またタッチセンサに替えて、変位検出式センサを用いても良い。
【0023】
このとき、研削加工の開始に際して、ワーク76を図1に示すように、回転砥石30に対向させた状態で、ワーク送り台60をY軸方向に移動させてワーク76を回転砥石30に接近させる。ワーク76が回転砥石30に接触すると、両者の接触により発生する音または振動が音響センサ81により検知される。なお、音響センサ81は、ボイスコイルと永久磁石とから成るマイクロフォンや、圧電素子から成るマイクロフォンにより形成することができるが、ワーク76と回転砥石30との接触により発生する音または振動を検知可能なあらゆるセンサとすることができる。
【0024】
回転砥石30においてワーク76に接触して該ワーク76を研削する研削面には非常に大きな摩擦力が作用し摩耗する。また、回転砥石30の研削面の切れ味を維持すると共に、研削面の形状を平坦に維持するためのドレッシングによっても摩耗する。本実施形態のように、ワーク76と回転砥石30との接触を音響センサ81により検知し、これをスキップ信号としてNC装置84に送出し、そのときの各軸の座標を読みとることにより回転砥石30の研削面の後退位置を校正することが可能となる。
【0025】
ワーク主軸70および砥石軸24を回転させた状態でワーク76の先端部を回転砥石30の研削面に押しつけ、図示しない加工液ノズルから両者の接触点へ向けて加工液を供給することにより、ワーク76、特にボールエンドミルの先端部が研削される。このとき、従来のNC装置と同様に、7軸(A軸、B軸、X軸、Y軸、Z軸、U軸、W軸)の各々の送り量をNC装置84により制御することにより、ワーク76が所望形状に研削される。
【0026】
ワーク76の先端部を研削するとき、回転砥石30の研削面も同様に摩耗するが、回転砥石30へのワーク76の押しつけ力または加工圧力を最適な加工圧力とすることにより、回転砥石30の研削面では所謂自生発刃が生じ十分な切れ味が維持される。本実施形態では、ロードセル19が砥石軸24に作用するスラスト力を測定することにより加工圧力を監視している。すなわち、ロードセル19により検知される加工圧力が所定値を越えたときに、NC装置84は回転砥石30の研削面が摩滅して回転砥石30の切れ味が低下したと判断して、以下に説明するドレッシング工程を開始するようになっている。また、回転砥石30の切れ味が低下すると、サーボモータ、特にU軸送りモータとしてのサーボモータ62の電流値が増加するので、ロードセル19による砥石軸24のスラスト力測定に替えて、サーボモータ62のへ供給される電流値を測定し、該電流値が所定値を越えたときにドレッシング工程を開始するようにしてもよい。
【0027】
NC多軸研削盤10は、ワーク76の研削加工が終了すると、ワーク76をワーク主軸70に装着した状態で、ワーク76の外形を機上において測定可能である。次に、図3から図8を参照して、研削されたワーク76の形状測定方法を、ボールエンドミルの形状を測定する場合を例として説明する。
【0028】
(1)先ず、ボールエンドミル76の先端球部の中心ObをW軸上に配置する。これは、以下のようにして行うことができる。すなわち、B軸を回転させることにより、タッチセンサ88を鉛直方向に配向し、次いでサーボモータ48、54によりタッチセンサ88をXY軸方向に移動させてW軸上に配置する。このときの、タッチセンサ88のXY座標を原点W(0,0)とする。
【0029】
次いで、サーボモータ66により旋回台58をW軸を中心として回転させ、ボールエンドミル76の長手の中心軸線をX=0に一致させる。次いで、ボールエンドミル76を矢印Aで示すようにY軸方向に前進させ、タッチセンサ88に接触させる(図3参照)。これは、サーボモータ62を用いて、ボールエンドミル76をU軸に沿って前進させる、或いは、サーボモータ48を用いてコラム14をY軸に沿って前進させることにより行うことができる。
【0030】
次に、図3の矢印Bで示すようにタッチセンサ88をY軸に沿ってボールエンドミル76から離反させる。最後に、ボールエンドミル76をY軸に沿って更に前進させ、先端球部の中心Obを原点に合わせる(図4参照)。これは、ボールエンドミル76の半球形状の先端部の設計上の半径R0にタッチセンサ88の半径を加えた距離を以て、ボールエンドミル76をY軸に沿って前進させることにより行うことができる。
【0031】
(2)次に、W軸を中心として旋回台58を回転することにより、ボールエンドミル76を中心Ob周りに所定角度αを以て回転させ、図4において(i)で示す角度位置に配置する。図示する実施形態ではαは22.5°であるが、30°または15°などの他の角度を選択してもよい。このように、角度αを決定することにより、ボールエンドミル76の先端球部の中心Ob周りに角度α毎に、測定すべき切刃の先端が決定される。
【0032】
(3)次に、A軸を回転することにより、切刃の先端をボールエンドミル76の長手の中心軸線と同じ高さに合わせる。これは、以下のようにして行うことができる。先ず、図5において矢印Dで示すように、タッチセンサ88をY軸に沿って前進させて、ボールエンドミル76の先端球部の中心Obから設計上の半径R0の位置に移動させ、次に、タッチセンサ88の先端がボールエンドミル76の中心軸線と同じ高さとなるように、タッチセンサ88をZ軸に沿って下動させる。次に、ボールエンドミル76の切刃の先端がタッチセンサ88の先端に接触するまでA軸を回転させる。
【0033】
図5では、タッチセンサ88は比較的太い測定プローブを持っているかの如く図示されているが、切刃先端の欠けを防止するためには、タッチセンサ88は可及的に細い測定プローブを有していることが有利である。その場合には、ボールエンドミル76の切刃の先端をタッチセンサ88の先端に接触させることは難しくなるので、図7に示すように、許容誤差範囲内で、タッチセンサ88′を切刃先端よりも半径方向内側に配置することも許される。
【0034】
(4)次に、矢印Eで示すように、タッチセンサ88をY軸に沿ってボールエンドミル76から離反させ、タッチセンサ88をY軸に沿って直線移動させたときに、タッチセンサ88の側面に切刃の先端が接触可能なようにZ軸に沿って下動させる。そして、図6において矢印Fで示すように、タッチセンサ88をY軸に沿ってボールエンドミル76の切刃先端に接近させる。これにより、本実施形態によれば、タッチセンサ88は、測定すべき切刃先端とボールエンドミル76の先端球部中心Obとを結ぶ直線に沿って先端球部中心Obに対して半径方向外方から接近動作することとなる。そして、両者が接触したときのNC装置内の機械座標系から、ボールエンドミル76の先端球部中心Obと、切刃先端との間の距離を演算により求める。距離を演算するに際しては、タッチセンサ88の半径を考慮することが望ましい。このように、測定すべき切刃先端とボールエンドミル76の先端球部中心Obとを結ぶ直線に沿ってタッチセンサ88を先端球部中心Obに対して半径方向外方から接近動作させることにより、角度α毎に決定される切刃先端により実際に切削される最外径を測定することが可能となる。
【0035】
また、図1、2のボールエンドミル測定装置をも兼ね備えたNC多軸研削盤10では、タッチセンサ88は砥石頭18に取り付けられているために、XYZの直交3軸方向に移動可能となっている。従って、切刃先端の高さをボールエンドミル76の中心軸に合わせて、タッチセンサ88をY軸に沿って移動させることが、ボールエンドミル76の測定プログラムを作成する上で非常に分かりやすく有利である。本発明では、測定すべき切刃先端とボールエンドミル76の先端球部中心Obとを結ぶ直線に沿ってタッチセンサ88を先端球部中心Obに対して半径方向外方から接近動作させることが重要である。従って、NC多軸研削盤10のように、鉛直軸線を含む直交3軸系以外の軸構成を有しているなどの場合には、タッチセンサ88は水平方向に移動させなくともよい。つまり、「切刃先端の高さ」とは、タッチセンサ88の移動方向を水平基準とした場合の切刃先端の位置を意味していると言える。
【0036】
(5)次に、上記工程(2)〜(4)を繰り返し、ボールエンドミル76の先端部を180°にわたって、該先端部の外形を測定する。こうして測定を繰り返すことにより、図8に示すようなグラフを作成することができる。このグラフに基づき、ボールエンドミル76の先端部の各角度位置における研削量を決定し、NC多軸研削盤10によりボールエンドミル76の先端部の形状を高精度に仕上げることが可能となる。
【0037】
また、図8から理解されるように、0°と180°の位置はボールエンドミルの側面の半径に一致している。従って、上記の方法を用いて、例えばリーマ等の側面で切削を行う工具の長手の中心軸線と切刃先端との間を測定することにより、工具の半径を測定可能となる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、旋回台をベッドの上部で鉛直な軸線周りに回転可能に設けたので、W軸の剛性を高めることが可能となる。
請求項3に記載の本発明によれば、ボールエンドミルの先端部の中心周りに所定の角度毎に、測定すべき前記ボールエンドミルの切刃先端を決定し、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と決定された測定すべき切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方からセンサを移動させ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端との間の距離を、前記ボールエンドミルの先端球部の中心回りに所定の角度毎に測定し、該測定値からボールエンドミル先端球部の中心周りに前記所定の角度毎に研削量を求め、研削するようにしたので、研削量を精密に決定することができ、ボールエンドミルを高精度に研削可能となる。
【0039】
請求項4に記載の本発明によれば、ボールエンドミルの中心軸線周りに前記ボールエンドミルを回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿ってセンサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定するようにしたので、ボールエンドミル先端部の半径を正確に測定可能となる。更に、前記ボールエンドミルの先端球部の中心を通り前記ボールエンドミルの長手の中心軸線と垂直に交差する軸線を中心として前記ボールエンドミルを所定角度回転させることにより、ボールエンドミル先端部の全体にわたって正確に半径を測定可能となる。そして、求められたボールエンドミルの先端部の形状からボールエンドミル先端球部の中心周りに前記所定角度毎に研削量を求めるようにしたので、研削量を精密に決定することができ、ボールエンドミルを高精度に研削可能となる。
【0040】
請求項5に記載の本発明によれば、ボールエンドミルの先端球部の中心回りに所定の角度毎に、測定すべき前記ボールエンドミルの切刃先端を決定し、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と決定された測定すべき切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方からセンサを移動させて、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端との間の距離を、前記ボールエンドミルの先端球部の中心回りに所定の角度毎に測定し、該測定値からボールエンドミル先端球部の中心周りに前記所定の角度毎に研削量を求めるようにしたので、研削量を精密に決定することができ、ボールエンドミルを高精度に研削可能となる。
【0041】
請求項6に記載の本発明によれば、ボールエンドミルの中心軸線周りに前記ボールエンドミルを回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿ってセンサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定するようにしたので、ボールエンドミル先端部の半径を正確に測定可能となる。更に、前記ボールエンドミルの先端球部の中心を通り前記ボールエンドミルの長手の中心軸線と垂直に交差する軸線を中心として前記ボールエンドミルを所定角度回転させることにより、ボールエンドミル先端部の全体にわたって正確に半径を測定可能となる。そして、求められたボールエンドミルの先端部の形状からボールエンドミル先端部の中心周りに前記所定角度毎に研削量を求めるようにしたので、研削量を精密に決定することができ、ボールエンドミルを高精度に研削可能となる。
【0042】
請求項8に記載の本発明によれば、ボールエンドミルの先端球部の中心周りに所定の角度毎に、測定すべき前記ボールエンドミルの切刃先端を決定し、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と、決定された測定すべき切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方からセンサを移動させて、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端との間の距離を、前記ボールエンドミルの先端球部の中心周りに所定の角度毎に測定するようにしたので、ボールエンドミルの先端部の外形を正確に測定可能となる。
【0043】
請求項9、12に記載の本発明によれば、ボールエンドミルの中心軸線周りに前記ボールエンドミルを回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿ってセンサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定するようにしたので、ボールエンドミル先端部の半径を正確に測定可能となる。
【0044】
請求項18に記載の本発明によれば、回転工具の形状測定方法において、中心軸線周りに前記工具を回転させて前記工具の切刃先端を前記中心軸線の高さに合わせ、前記工具の切刃先端と前記中心軸線との間の距離を測定することにより、リーマ等の工具の半径を正確に測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるNC多軸研削盤の略図である。
【図2】図1のNC多軸研削盤の略示斜視図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態によるボールエンドミルの先端部の測定方法を説明するための図である。
【図4】本発明の好ましい実施形態によるボールエンドミルの先端部の測定方法を説明するための図である。
【図5】本発明の好ましい実施形態によるボールエンドミルの切刃の測定方法を説明するための図である。
【図6】本発明の好ましい実施形態によるボールエンドミルの切刃の測定方法を説明するための図である。
【図7】本発明の好ましい実施形態によるボールエンドミルの切刃の測定方法を説明するための図である。
【図8】本発明の好ましい実施形態によるボールエンドミルの切刃の測定方法により得られる測定結果を示したグラフである。
【符号の説明】
10…NC多軸研削盤
12…ベッド
12a…ボス
14…コラム
16…砥石頭送り台
18…砥石頭
19…ロードセル
20…ドレッササドル
24…砥石軸
30…回転砥石
32…ドレッサ送り台
36…ドレッサ工具
46…テーブル
50…Y軸送りネジ
58…旋回台
58a…旋回台軸部
60…ワーク送り台
66…電気絶縁プレート
68…ワーク主軸頭
70…ワーク主軸
76…ワーク
78…通電ブラシ
80…通電ブラシ
84…NC装置
88…タッチセンサ
Claims (19)
- 所定の軸線周りに回転する研削工具とワークとの相対移動によって、前記ワークを研削加工するNC多軸研削盤において、
基台となるベッドと、
前記ベッド上に互いに直交する水平2軸方向に直線移動可能に設けられたコラムと、
前記コラム上を鉛直方向に直線移動し、前記研削工具を装着する砥石軸を回転可能に支持する砥石頭と、
前記ベッド上に鉛直な軸線周りに回転可能に設けられた旋回台と、
前記旋回台上に設けられ、前記ワークを固定するワーク主軸を水平な軸線周りに回転可能に支持するワーク主軸頭と、
を具備することを特徴としたNC多軸研削盤。 - 前記ワーク主軸頭は、前記旋回台上で前記主軸頭の軸線と平行な軸線に沿って手動又は数値制御によって直線移動可能に構成された請求項1に記載のNC多軸研削盤。
- ボールエンドミルの研削方法において、
ボールエンドミルの先端球部の中心回りに所定の角度毎に測定すべき前記ボールエンドミルの切刃先端を決定し、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と決定された測定すべき切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方から座標位置読取り用のセンサを移動させ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端との間の距離を前記ボールエンドミルの先端球部の中心回りの所定の角度毎に測定し、該測定値からボールエンドミル先端球部の中心周りの前記所定の角度毎に研削量を求め、研削するようにしたボールエンドミルの研削方法。 - ボールエンドミルの研削方法において、
(a)ワーク支持手段により前記ボールエンドミルを長手の中心軸線周りおよび該中心軸線に垂直な軸線周りに回転可能に支持する工程と、
(b)前記中心軸線周りに前記ボールエンドミルを回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせる工程と、
(c)前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿って座標位置読取り用のセンサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定する工程と、
(d)前記ボールエンドミルの先端球部の中心を通り前記ボールエンドミルの長手の中心軸線と垂直に交差する軸線を中心として前記ボールエンドミルを所定角度回転させる工程と、
を含み、前記工程(b)、(c)、(d)を繰り返して前記ボールエンドミルの先端球部の中心周りに前記所定角度毎に前記ボールエンドミル先端部の形状を測定し、
求められたボールエンドミルの先端部の形状からボールエンドミル先端球部の中心周りに前記所定角度毎に研削量を求め、研削するようにしたボールエンドミルの研削方法。 - 所定の軸線周りに回転する研削工具とボールエンドミルとの相対移動によって前記ボールエンドミルを研削加工するボールエンドミル研削装置において、
基台となるベッドと、
前記ベッド上に互いに直交する水平2軸方向に直線移動可能に設けられたコラムと、
前記コラム上を鉛直方向に直線移動し、前記研削工具を装着する砥石軸を回転可能に支持する砥石頭と、
前記ベッド上に鉛直な軸線周りに回転可能に設けられた旋回台と、
前記旋回台上に設けられ、前記ボールエンドミルを固定するワーク主軸を水平な軸線周りに回転可能に支持するワーク主軸頭と、
前記砥石頭に取り付けられた座標位置読取り用のセンサとを具備し、
前記旋回台を鉛直軸線周りに回転、割り出してボールエンドミルの先端球部の中心周りに所定の角度毎に測定すべき前記ボールエンドミルの切刃先端を決定し、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と決定された測定すべき切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方から前記センサを移動させ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端との間の距離を前記ボールエンドミルの先端球部の中心周りに所定の角度毎に測定し、該測定値からボールエンドミル先端球部の中心周りに前記所定の角度毎に研削量を求め、研削するようにしたボールエンドミルの研削装置。 - 所定の軸線周りに回転する研削工具とボールエンドミルとの相対移動によって前記ボールエンドミルを研削加工するボールエンドミル研削装置において、
基台となるベッドと、
前記ベッド上に互いに直交する水平2軸方向に直線移動可能に設けられたコラムと、
前記コラム上を鉛直方向に直線移動し、前記研削工具を装着する砥石軸を回転可能に支持する砥石頭と、
前記ベッド上に鉛直な軸線周りに回転可能に設けられた旋回台と、
前記旋回台上に設けられ、前記ボールエンドミルを固定するワーク主軸を水平な軸線周りに回転可能に支持するワーク主軸頭と、
前記砥石頭に取り付けられた座標位置読取り用のセンサとを具備し、
(a)前記ワーク主軸に前記ボールエンドミルを支持する工程と、
(b)前記ワーク主軸を回転させることにより前記ボールエンドミルをその長手の中心軸線回りに回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせる工程と、
(c)前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿って前記センサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定する工程と、
(d)前記旋回台を回転させることにより前記ボールエンドミルの先端球部の中心を通り前記ボールエンドミルの長手の中心軸線と垂直に交差する軸線を中心として前記ボールエンドミルを所定角度回転させる工程と、
を含み、前記工程(b)、(c)、(d)を繰り返して前記ボールエンドミルの先端部の中心周りに前記所定角度毎に前記ボールエンドミル先端部の形状を測定し、
求められたボールエンドミルの先端部の形状からボールエンドミル先端球部の中心周りに前記所定角度毎に研削量を求め、研削するようにしたボールエンドミルの研削装置。 - 前記ワーク主軸頭は、前記旋回台上で前記主軸頭の軸線と平行な軸線に沿って手動又は数値制御によって直線移動可能に構成された請求項5または6に記載のボールエンドミルの研削装置。
- ボールエンドミルの形状測定方法において、
ボールエンドミルの先端球部の中心回りに所定の角度毎に測定すべき前記ボールエンドミルの切刃先端を決定し、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と決定された測定すべき切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方から座標位置読取り用のセンサを移動させ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端との間の距離を前記ボールエンドミルの先端球部の中心周りに所定の角度毎に測定するようにしたボールエンドミルの形状測定方法。 - ボールエンドミルの形状測定方法において、
(a)前記ボールエンドミルを長手の中心軸線周りに回転可能に支持する工程と、
(b)前記中心軸線周りに前記ボールエンドミルを回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせる工程と、
(c)前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿って座標位置読取り用のセンサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定する工程と、
を含んで成るボールエンドミルの形状測定方法。 - 前記測定方法は、更に、(d)前記ボールエンドミルの先端球部の中心を通り前記ボールエンドミルの長手の中心軸線と垂直に交差する軸線を中心として前記ボールエンドミルを所定角度回転させる工程を含み、
前記工程(b)、(c)、(d)を繰り返すようにした請求項9に記載のボールエンドミルの形状測定方法。 - 前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定する工程は、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記切刃先端とを結ぶ直線に沿って前記ボールエンドミルの先端球部の中心に対して半径方向外方から座標位置読取り用のセンサを前記切刃先端に接近させ、前記センサと前記切刃先端とを接触させることにより行われる請求項9または10に記載の方法。
- ボールエンドミルの形状測定装置において、
前記ボールエンドミルを長手の中心軸線および該中心軸線に対して垂直な軸線周りに回転可能に支持するワーク支持手段と、
前記ボールエンドミルに対して座標位置読取り用のセンサを直交3軸に沿って相対的に直線移動させる移動手段とを具備し、
前記中心軸線周りに前記ボールエンドミルを回転させて前記ボールエンドミルの刃先先端を前記中心軸線の高さに合わせ、前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端とを結ぶ直線に沿って前記センサを移動させて前記ボールエンドミルの先端球部の中心と前記刃先先端との間の距離を測定するようにしたボールエンドミルの形状測定装置。 - 前記ワーク支持手段は、水平に配向され先端に前記ボールエンドミルを装着するワーク主軸を回転可能に支持するワーク主軸頭と、前記ワーク主軸頭を鉛直軸線回りに回転可能に支持する旋回台とを具備する請求項12に記載のボールエンドミルの形状測定装置。
- 前記ワーク主軸頭は、手動または数値制御により前記ワーク主軸の中心軸線方向に直線移動可能に前記旋回台上に設けられている請求項13に記載のボールエンドミルの形状測定装置。
- 前記移動手段は、前記センサを互いに直交する水平2軸および該水平2軸に垂直な鉛直軸に沿って直線移動させる請求項13または14に記載のボールエンドミルの形状測定装置。
- 前記移動手段は、基台となるベッドの上部で互いに直交する水平2軸方向に直線移動可能に設けられたコラムと、前記コラム上を鉛直方向に直線移動し前記センサを支持するセンサ取付部材とを具備する請求項15に記載のボールエンドミルの形状測定装置。
- 前記旋回台は、前記ベッド上に前記鉛直軸線を中心として回転可能に設けられている請求項16に記載のボールエンドミルの形状測定装置。
- 回転工具の形状測定方法において、
(a)前記工具を長手の中心軸線周りに回転可能に支持する工程と、
(b)前記中心軸線周りに前記工具を回転させて前記工具の切刃先端を前記中心軸線の高さに合わせる工程と、
(c)前記工具の切刃先端と前記中心軸線との間の距離を測定する工程と、
を含んで成る回転工具の形状測定方法。 - 前記工具の切刃先端と前記中心軸線との間の距離を測定する工程は、座標位置読取り用のセンサを半径方向外方から前記切刃先端に接近させ、前記センサと前記切刃先端とを接触させることにより行われる請求項18に記載の回転工具の形状測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002311759A JP2004142067A (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | Nc多軸研削盤及び研削方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002311759A JP2004142067A (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | Nc多軸研削盤及び研削方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004142067A true JP2004142067A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32456886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002311759A Pending JP2004142067A (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | Nc多軸研削盤及び研削方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004142067A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107671610A (zh) * | 2017-11-07 | 2018-02-09 | 东莞市千岛机械制造有限公司 | 一种高性能刀具生产及修磨用立式机床 |
CN110116373A (zh) * | 2019-05-21 | 2019-08-13 | 浙江维克机械科技有限公司 | 一种万能数控螺纹磨床 |
CN110712124A (zh) * | 2019-10-11 | 2020-01-21 | 胡功明 | 九轴智控工具磨床 |
CN112318222A (zh) * | 2020-11-25 | 2021-02-05 | 芜湖洪金机床有限公司 | 一种四刃立铣刀多工位加工系统及方法 |
CN112935949A (zh) * | 2021-04-09 | 2021-06-11 | 江苏吉斯特科技有限公司 | 气门精锥面磨床 |
US11344994B2 (en) * | 2017-07-18 | 2022-05-31 | Fabio Perini S.P.A. | Grinding unit for cutting machine and machine comprising said unit |
WO2024027597A1 (zh) * | 2022-08-05 | 2024-02-08 | 湖南中大创远数控装备有限公司 | 一种工具磨床 |
-
2002
- 2002-10-25 JP JP2002311759A patent/JP2004142067A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11344994B2 (en) * | 2017-07-18 | 2022-05-31 | Fabio Perini S.P.A. | Grinding unit for cutting machine and machine comprising said unit |
CN107671610A (zh) * | 2017-11-07 | 2018-02-09 | 东莞市千岛机械制造有限公司 | 一种高性能刀具生产及修磨用立式机床 |
CN107671610B (zh) * | 2017-11-07 | 2023-08-25 | 东莞市千岛机械制造有限公司 | 一种高性能刀具生产及修磨用立式机床 |
CN110116373A (zh) * | 2019-05-21 | 2019-08-13 | 浙江维克机械科技有限公司 | 一种万能数控螺纹磨床 |
CN110712124A (zh) * | 2019-10-11 | 2020-01-21 | 胡功明 | 九轴智控工具磨床 |
CN112318222A (zh) * | 2020-11-25 | 2021-02-05 | 芜湖洪金机床有限公司 | 一种四刃立铣刀多工位加工系统及方法 |
CN112935949A (zh) * | 2021-04-09 | 2021-06-11 | 江苏吉斯特科技有限公司 | 气门精锥面磨床 |
WO2024027597A1 (zh) * | 2022-08-05 | 2024-02-08 | 湖南中大创远数控装备有限公司 | 一种工具磨床 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6711829B2 (en) | Method for measuring work portion and machining method | |
US6244928B1 (en) | Machine tool system and machining method | |
CN106041740B (zh) | 一种砂轮精密修整自动对刀方法及装置 | |
JP2590531B2 (ja) | ねじ軸有効径のインプロセス測定方法および装置 | |
JP2004142067A (ja) | Nc多軸研削盤及び研削方法 | |
JP2016083707A (ja) | ドレッシング砥石を搭載するnc研削盤加工装置 | |
JP2003311535A (ja) | Nc研削盤 | |
JP2009214217A (ja) | 砥石先端位置補正方法及び装置 | |
JP5402546B2 (ja) | 筒状ワークの研削方法 | |
JP2020011366A (ja) | 工具振れ調整方法および工作機械 | |
JP2019063962A (ja) | 工作機械 | |
JP4148166B2 (ja) | 接触検出装置 | |
JPS59219156A (ja) | 工具研削盤における研削位置の設定方法と装置 | |
JP5296509B2 (ja) | 研削方法および研削装置 | |
JP2006320970A (ja) | 加工装置 | |
JP2022063713A (ja) | 工作機械におけるドレス原点計測方法 | |
JP2002052465A (ja) | 振れ止め装置 | |
JP4088071B2 (ja) | 複合加工用工作機械におけるワ−ク端面位置検出手段およびワ−ク端面位置検出方法 | |
JP3786327B2 (ja) | 研削盤の砥石台におけるタッチプローブ支持機構 | |
JP3777825B2 (ja) | 精密研削盤および砥石半径測定方法 | |
JP3834493B2 (ja) | 複合研削方法及び装置 | |
JP4988534B2 (ja) | センタレス研削盤の段取り装置、その段取り方法およびセンタレス研削盤 | |
JP2007125644A (ja) | 砥石車のツルーイング装置 | |
JPS62102960A (ja) | エンドミル用工具研削装置 | |
JP7609665B2 (ja) | 平面研削装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041220 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050222 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050927 |