JP3777825B2 - 精密研削盤および砥石半径測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転砥石で工作物の外周面を精密に研削する研削盤の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
回転砥石を装備した研削盤においては、砥石の交換をした場合や、ツルーイング等の修正を施した場合には、砥石径を検出する必要がある。そこで通常は、ダミーワークなどの工作物や基準ブロックに回転を停止した砥石を接触させ、接触した際の砥石台の位置から砥石径を求めている。
【0003】
しかしながら、このような方法では、遠心力によって直径が拡大した回転中の砥石の砥石径を求めることはできない。
そこで回転中の砥石径を計測する目的で、AEセンサ(振動検出器)によってダミーワーク等に砥石が接触した瞬間を検出する試みもなされてきた。しかし、接触してから検出信号が出るまでの時間遅れや、接触検出の瞬間から砥石台が停止するまでの時間遅れが生じるので、やはり回転中の砥石径を正確に測定することはできなかった。その結果、極めて精密に研削を行うことは、従来の研削盤や砥石半径測定方法ではできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、工作物の外周面を極めて精密に研削することができる精密研削盤および砥石半径測定方法を提供するこ
とを解決すべき課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、発明者らは以下の手段を発明した。
(第1手段)
本発明の第1手段は、請求項1記載の精密研削盤である。
本手段には、砥石台の該砥石の軸芯からX軸に沿い主軸に対向して伸びるアームの端部に取り付けられたタッチプローブと、X軸に沿いタッチプローブに接触可能に主軸台に固定された転写棒とが装備されている。
【0006】
そして、砥石で転写棒を研削し、この時の砥石台の位置X1を記憶しておき、研削後の転写棒にタッチプローブを接触させて、この時の砥石台の位置X2を記憶しておく。しかる後、砥石台の位置X1とX2との差ΔXに基づいて、回転中の砥石の半径を演算するようにした。砥石台位置X2が、砥石台の砥石の軸芯から伸びるアームの端部に取り付けられたタッチプローブを転写棒の被研削面に接触させたときの値であるので、アームの長さ、すなわち砥石の軸芯からタッチプローブの先端までの距離をLとすると、L−(X1−X2)の演算をするだけで、砥石半径を求めることができる。また、Lは砥石台と主軸台間の熱変位の影響を受けないため、回転中の砥石半径を精密に検出することができ、工作物の外周面を極めて精密に研削することができる。
【0007】
したがって本手段の精密研削盤によれば、回転中の砥石の半径等の寸法ないし位置を精密に検出することができるので、工作物の外周面を極めて精密に研削することができるという効果がある。
(第2手段)
本発明の第2手段は、請求項2記載の精密研削盤である。
すなわち、本研削盤のアームは、インバー或いはスーパインバーから形成されているので、アームの線膨張係数が小さく、熱変位を受けることがない。したがって、砥石半径をより一層高精度に求めることができる。
【0008】
(第3手段)
本発明の第3手段は、請求項3に記載の砥石半径測定方法である。
すなわち本手段は、転写過程、測定過程および演算過程を有する。
転写過程は、研削盤の砥石台をX軸に沿って主軸台の方に送り、X軸に沿い主軸と直交して主軸台に固定された転写棒に回転中の砥石を接触させ、転写棒を研削して回転中の該砥石の外径の位置を転写棒に転写する過程である。転写過程により、回転中の砥石の砥石の有効な外径位置が転写棒に写し取られるので、研削された転写棒の先端の位置を計測することにより、回転中の砥石の有効な外径位置を計測することが可能になる。転写過程では、転写棒へ所定量だけ砥石を切り込んで研削後、砥石台の送りは停止させられるが、この際の砥石台のX軸方向の停止位置をX1とする。
【0009】
測定過程は、砥石台をX軸に沿って主軸台の方に送り、砥石台の砥石の軸芯からX軸に沿い主軸に対向して伸びるアームの端部に取り付けられたタッチプローブを転写棒に接触させて、転写棒の研削された先端と砥石台との間の相対間隔を測定する過程である。測定過程により、次の演算過程で示すように、回転中の砥石の外径位置が転写された転写棒の研削された先端と砥石台との間の相対間隔が測定されるので、回転中の砥石外径と砥石台との相対位置が測定される。測定過程では、タッチプローブが転写棒の先端に当接すると即座に砥石台の送りが停止させられるが、この際の砥石台のX軸方向の停止位置をX2とする。
【0010】
演算過程は、転写過程での砥石台のX軸方向の位置X1と測定過程での砥石台のX軸方向の位置X2とから、回転中の砥石の外周面の位置とタッチプローブの先端の位置との差ΔX=X1−X2を算出し、さらにタッチプローブの先端と砥石の回転軸芯との位置関係から回転中の砥石の半径を算出する過程である。X2は、砥石台の砥石の軸芯から伸びるアームの端部に取り付けられたタッチプローブを転写棒の被研削面に接触させたときの値であるので、アームの長さ、すなわち砥石の軸芯からタッチプローブの先端までの距離をLとすると、L−ΔXの演算をするだけで、砥石半径を求めることができる。
【0011】
したがって本手段の砥石半径測定方法によれば、回転中の砥石半径を精密に計測することができるので、工作物の外周面を極めて精密に研削することができるという効果がある。
(第4手段)
本発明の第4手段は、請求項4記載の砥石半径測定方法である。
【0012】
すなわち本手段では、転写過程の前または演算過程の後に、予備過程をさらに有する。予備過程は、砥石台をX軸に沿って主軸台の方に送り、X軸に沿い主軸と直交して主軸台に固定された基準ブロックにタッチプローブを接触させて、主軸台と砥石台との間の基準間隔を測定する過程である。
砥石の回転軸芯とタッチプローブとの位置関係は明確になっており、主軸の回転軸芯と基準ブロックとの位置関係も明確になっているので、砥石の回転軸芯と主軸の回転軸芯とのX軸上での位置関係が明確になる。砥石の回転軸芯と主軸の回転軸芯とのX軸上での位置関係とは、設計上では明確であるが、実運用中には熱変形等による研削盤のベッドの伸縮があるので、精密には設計値と誤差を生じている。そこで、予備過程により主軸台と砥石台との間の基準間隔、すなわち砥石の回転軸芯と主軸の回転軸芯とのX軸上での間隔が精密に計測されるので、前記誤差を補正することが可能になる。
【0013】
その結果、予備過程により精密に測定された砥石の回転軸芯と主軸の回転軸芯とのX軸上での間隔と、前述の第3手段により精密に測定された回転中の砥石半径とを組み合わせることにより、よりいっそう精密な研削が可能になる。
したがって本手段の砥石半径測定方法によれば、前述の第3手段の効果に加えて、工作物の外周面をよりいっそう精密に研削することができるという効果がある。
【0014】
(第5手段)
本発明の第5手段は、請求項4記載の砥石半径測定方法である。
本手段は、転写過程、測定過程、演算過程および予備過程の後に、ツルーイング開始位置算出過程をさらに有する。ツルーイング開始位置算出過程は、回転中の砥石の半径と、前述の基準間隔と、主軸台に固定されたツルアと基準ブロックとの位置関係と、タッチプローブの先端と砥石の回転軸芯との位置関係とから、ツルアによる適正な砥石のツルーイング開始位置を算出する過程である。
【0015】
本手段では、ツルアの位置に対する回転中の砥石の研削面(外周面)の位置が精密に算出されるので、所望のツルアの切り込み量に精密に従って砥石のツルーイングを行うことが可能である。その結果、所望の砥石半径に砥石が仕上がるばかりではなく、過不足なく理想的な切り込み深さで砥石のツルーイングを行うことができる。それゆえ、ツルーイングが深すぎることがなくなるので砥石の寿命も延び、逆にツルーイングが浅すぎることもなくなるので工作物の被研削面の仕上がりが良くなる。
【0016】
したがって本手段によれば、前述の第4手段の効果に加えて、過不足なく理想的な切り込み深さで砥石のツルーイングを行うことができ、砥石の寿命が延び工作物の被研削面の仕上がりが一定になるなどの効果がある。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の精密研削盤および砥石半径測定方法の実施の形態については、当業者に実施可能な理解が得られるよう、以下の実施例で明確かつ十分に説明する。
[実施例1]
(実施例1の精密研削盤の構成)
本発明の実施例1としての精密研削盤は、図1に示すように、工作物Wを保持して回転駆動する主軸25をもつ主軸台24と、主軸25に平行な砥石軸周りに砥石42を回転駆動し、主軸24に対しX軸方向およびZ軸方向に相対的に平行移動可能な砥石台4と、主軸24および砥石台4を数値制御する制御装置8とを有する。
【0018】
すなわち、主軸台24および心押台23は、主軸テーブル2に互いに対向して搭載されており、主軸25と心押台23との間に工作物Wを挟持する主軸台24は、主軸テーブル2に固定装備されている。主軸テーブル2は、ベッド1に形成されたガイドレール13に沿ってZ軸方向に移動可能であり、Z軸モータ15に回転駆動されるボールねじ14によって移動させられる。それゆえ、主軸25は砥石台4に対してZ軸方向に移動可能である。
【0019】
一方、砥石台4は、回転する円盤状の砥石42とその砥石軸43と、両者42,43を回転駆動する砥石モータ46とを備えており、ベッド1に形成されたガイドレール17に沿ってX軸方向に移動可能である。砥石台4は、X軸モータ19に回転駆動されるボールねじ18によってX軸方向に送られる。それゆえ、砥石台4は主軸25に対してX軸方向に移動可能である。
【0020】
以上の主軸25および砥石台4等と、後述のタッチプローブ52およびツルア26等は、全て制御装置8によって、予め定められたプログラムに従い精密かつ迅速に数値制御される。
本実施例の精密研削盤はさらに、X軸に沿い主軸25に対向して砥石台4に取り付けられたタッチプローブ52と、X軸に沿いタッチプローブ52が接触することができるように主軸台24に固定された基準ブロック7および転写棒6とを有する。また、主軸台24の砥石台4側の側面には、基準ブロック7および転写棒6と並んで、モータにより回転駆動される円盤状の切刃をもったツルア26が固定装備されている。なお、転写棒6は、主軸台24に固定された台座60にしっかりと保持されており、転写棒6が摩滅した場合には容易に交換できるように台座60に取り付けられている。
【0021】
すなわち、図2に示すように、砥石42の回転軸芯と主軸25の回転軸芯とは同一の高さにあり、砥石台4の送りによって同一のX軸上を接近したり離間したりする。この同一のX軸線上に基準ブロック7、転写棒6およびツルア26がZ軸方向に互いにずれて配設されており、転写棒6、基準ブロック7およびツルア26と対向して同一のX軸線上にタッチプローブ52がL字アーム53によって保持されている。それゆえ、図2のように側面から見ると、基準ブロック7、転写棒6およびツルア26と、タッチプローブ52とは同一のX軸線上に配設されて見える。
【0022】
なお、タッチプローブ52は、基準ブロック7や転写棒6との接触によって内蔵されたリミットスイッチがオン・オフすることにより、基準ブロック7や転写棒6との接触を検知する機能をもつ。
また、L字アーム53は、再び図1に示すように、砥石42の軸芯上で旋回可能に一端が支持され、L字アーム53の他端には、タッチプローブ52が取り付けられいる。それゆえ、タッチプローブ52は、図1に実線で示す測定位置と同図に破線で示す待避位置とのいずれをも取ることができ、測定位置と待避位置との間を移動することができる。ここで、L字アーム53は、スーパーインバー等の低熱膨張材から形成されている。
【0023】
本実施例の精密研削盤は以上のように構成されているので、以下に示すように極めて精密な研削やツルーイングをすることができる。
(実施例1の砥石半径測定方法)
本実施例の精密研削盤は以上のように構成されているので、以下のような砥石半径測定方法を実施することが可能である。
【0024】
すなわち、図3に示すように、本実施例の精密研削盤が起動されると、処理ステップS1で砥石半径が精密に計測される。この砥石半径測定方法については、後ほど図面を参照しつつ詳しく説明する。
次に、判断ステップS2で次に研削すべき工作物があるか否かが判定され、次の工作物Wがない場合には自動的に運転が中断され、その旨が操作員に報知される。次の工作物Wがある場合には、同工作物Wが本実施例の精密研削盤に搬入されて主軸25に自動的に固定される。そして、処理ステップS3で工作物Wの研削が予め設定されたプログラムに従って数値制御されつつ行われ、判断ステップS4で処理した工作物Wが所定の個数に達したと判定されるまで、次々と工作物Wの研削が行われる。工作物Wの研削加工個数が砥石42のツルーイングを必要とするまでに達すると、判断ステップS4を抜けて精密なツルーイングに必要な処理ステップS5,6,7に制御プログラムが進む。なお、工作物Wの研削加工個数は、判断ステップS4に入った段階で一つ加えられ、判断ステップS4が所定の個数に達したと判定した段階でゼロにリセットされる。
【0025】
処理ステップS5では、本実施例としての砥石半径測定方法が実施され、砥石半径等が精密に測定される。続く処理ステップS6では、適正な切り込み深さを加味して砥石台4の送り位置としてのツルーイング開始位置が算出され、さらに処理ステップS7で精密にツルーイングが行われる。なお、処理ステップS6のツルーイング開始位置算出過程については、後ほど改めて図面を参照しつつ説明する。
【0026】
ここで、以上の処理フローのうち処理ステップS1,S5で実施される本実施例の砥石半径測定方法について、図4(a)〜(c)を参照しつつ説明する。
本実施例の砥石半径測定方法は、予備過程、転写過程、測定過程および演算過程を有する。
予備過程は、図4(a)に示すように、砥石台4をX軸に沿って主軸台24の方に送り、X軸に沿い主軸25(図1参照)と直交して主軸台24に固定された基準ブロック7にタッチプローブ52を接触させて、主軸台24と砥石台4との間の基準間隔を測定する過程である。
【0027】
すると、砥石42の回転軸芯とタッチプローブ52との位置関係は明確になっており、主軸25の回転軸芯と基準ブロック7との位置関係も明確になっているので、砥石42の回転軸芯と主軸25の回転軸芯とのX軸上での位置関係が明確になる。ここで、砥石42の回転軸芯と主軸25の回転軸芯とのX軸上での位置関係とは、設計上では明確であるが、実運用中には熱変形等による研削盤のベッドの伸縮があるので、精密には設計値と誤差を生じている。そこで、予備過程により主軸台24と砥石台4との間の基準間隔、すなわち砥石42の回転軸芯と主軸25の回転軸芯とのX軸上での間隔が精密に計測されるので、熱変形等のよる誤差を補正することが可能になる。
【0028】
転写過程は、図4(b)に示すように、砥石台4をX軸に沿って主軸台24の方に所定量だけ送り、X軸に沿い主軸25と直交して主軸台に固定された転写棒6に回転中の砥石42を接触させ、転写棒6を研削して回転中の砥石42の外径の位置を転写棒6に転写する過程である。転写過程により、回転中の砥石42の砥石の有効な外径位置が転写棒6に写し取られるので、研削された転写棒6の先端の位置を計測することにより、回転中の砥石42の有効な外径位置を計測することが可能になる。転写過程では、転写棒6の研削が始まると即座に砥石台4の送りは停止させられるが、この際の砥石台4のX軸方向の停止位置をX1とする。
【0029】
測定過程は、図4(c)に示すように、砥石台4をX軸に沿って主軸台24の方に送り、X軸に沿い主軸25と直交して砥石台4に取り付けられたタッチプローブ52を転写棒6に接触させて、転写棒6の研削された先端と砥石台4との間の相対間隔を測定する過程である。測定過程により、次の演算過程で示すように、回転中の砥石42の外径位置が転写された転写棒6の研削された先端と砥石台4との間の相対間隔が測定されるので、回転中の砥石42の外径位置と砥石台4との相対位置が測定される。測定過程では、タッチプローブ52が転写棒6の先端に当接すると即座に砥石台4の送りが停止させられるが、この際の砥石台4のX軸方向の停止位置をX2とする。
【0030】
演算過程は、転写過程での砥石台4のX軸方向の位置X1と、測定過程での砥石台4のX軸方向の位置X2とから、回転中の砥石42の外周面の位置とタッチプローブ52の先端の位置との差ΔX=X1−X2を算出し、さらにタッチプローブ52の先端と砥石42の回転軸芯との位置関係から回転中の砥石42の半径を算出する過程である。ここで、タッチプローブ52の先端と砥石42の回転軸芯との位置関係は、設計上明確になっており製作後の計測でも確認されている。それゆえ、タッチプローブ52の先端と砥石42の回転軸芯との位置関係と前述のΔXとから、回転中の砥石の半径RはR=L−ΔXという幾何学的演算により容易に算出される。ここでLは、砥石42の回転軸芯からX軸に沿って測定したL字アーム54の長さである。
【0031】
以上の過程の詳細を、図5のフローチャートに示す。
その結果、本実施例の砥石半径測定方法によれば、回転中の砥石半径を精密に計測することができるので、工作物Wの外周面を極めて精密に研削することができる。また、予備過程により精密に測定された砥石42の回転軸芯と主軸25の回転軸芯とのX軸上での間隔と、前述のようにして精密に測定された回転中の砥石半径とを組み合わせることにより、さらに精密な研削が可能になる。
【0032】
したがって、本実施例の砥石半径測定方法によれば、工作物Wの外周面を極めて精密に研削することができるという効果がある。
(実施例1のツルーイング開始位置算出過程)
再び図3に示すように、ツルーイング開始位置算出過程は、処理ステップS6として、処理ステップS5で前述の砥石半径測定方法が実施された直後に実施される。ツルーイング開始位置算出過程は、回転中の砥石42の半径と、前述の基準間隔と、主軸台24に固定されたツルア26と基準ブロック7との位置関係と、タッチプローブ52の先端と砥石42の回転軸芯との位置関係とから、ツルア26による適正な砥石のツルーイング開始位置を算出する過程である。
【0033】
ツルーイング開始位置算出過程では、ツルア26の位置に対する回転中の砥石42の研削面(外周面)の位置が精密に算出されるので、所望のツルア26の切り込み量に精密に従って砥石42のツルーイングを行うことが可能である。すなわち、砥石半径が精密に測定された後に、図6(a)に示すようにタッチプローブ52を基準ブロック7に当接させて、砥石台4と主軸25の回転軸芯との相対位置が精密に確認される。しかる後、図6(b)に示すように、前回のツルーイング時の砥石台4の送り位置を基にして、基準ブロック7とツルア26の段差Dと砥石半径の低減量ΔXを加えた値(ΔX+D)だけの修正を加えれば、精密にツルーイング開始位置を算出することができる。この際、タッチプローブ52が邪魔になるようであれば、L字アーム54の根本に装備されている回動装置58を駆動させることにより、タッチプローブ52を引っ込めてツルーイングを行うことができる。
【0034】
その結果、所望の砥石半径に砥石42が仕上がるばかりではなく、過不足なく理想的な切り込み深さで砥石42のツルーイングを行うことができる。それゆえ、ツルーイングが深すぎることがなくなるので砥石42の寿命も延び、逆にツルーイングが浅すぎることもなくなるので工作物Wの被研削面の仕上がりが良くなる。
【0035】
したがって、本実施例のツルーイング開始位置算出過程によれば、過不足なく理想的な切り込み深さで砥石42のツルーイングを行うことができ、砥石42の寿命が延び工作物Wの被研削面の仕上がりが一定になるなどの効果がある。
(実施例1の効果)
以上詳述したように、本実施例の精密研削盤および砥石半径測定方法によれば、回転中の砥石半径を精密に計測することができるので、工作物の外周面を極めて精密に研削することができるという効果がある。そればかりではなく、ツルーイング開始位置算出過程をも採用すれば、過不足なく理想的な切り込み深さで砥石のツルーイングを行うことができ、砥石の寿命が延び工作物の被研削面の仕上がりが一定になるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1としての精密研削盤の構成を示す平面図
【図2】 実施例1の精密研削盤の要部構成を示す模式断面図
【図3】 実施例1の研削加工の全工程を示すフローチャート
【図4】 実施例1としての砥石半径測定方法を示す組図
(a)予備過程を示す平面図
(b)転写過程を示す平面図
(c)測定過程を示す平面図
【図5】 実施例1の砥石半径測定方法の手順を示すフローチャート
【図6】 実施例1の精密研削盤のツルーイング動作を示す組図
(a)予備過程を示す平面図
(b)ツルーイングを示す平面図
【符号の説明】
1:ベッド
13:ガイドレール 14:ボールねじ 15:Z軸モータ
17:ガイドレール 18:ボールねじ 19:X軸モータ
2:主軸テーブル
23:心押台
25:主軸 24:主軸台 26:ツルア
6:転写棒 60:台座
7:基準ブロック
4:砥石台
42:砥石 43:砥石軸 46:砥石モータ
50:タッチプローブ装置
52:タッチプローブ 53:L字アーム 58:回動装置
8:制御装置
Claims (5)
- 工作物を保持して回転駆動する主軸をもつ主軸台と、該主軸に平行な砥石軸周りに砥石を回転駆動し、該主軸に対しX軸方向およびZ軸方向に相対的に平行移動可能な砥石台と、 該主軸および該砥石台を数値制御する制御装置と、を有する研削盤であって、
該砥石台の該砥石の軸芯からX軸に沿い該主軸に対向して伸びるアームの端部に取り付けられたタッチプローブと、
該X軸に沿い該タッチプローブに接触可能に該主軸台に固定された転写棒と、
該砥石台を該主軸台に対してX方向に所定量だけ相対移動させ、該砥石に該転写棒を研削させる転写棒研削手段と、
該転写棒研削手段によって該転写棒が研削されたときの砥石台位置X1を記憶する研削位置記憶手段と、
該転写棒研削手段により該転写棒の研削が実行された後に、該タッチプローブを該転写棒の被研削面に接触させ、接触したことを検知する接触検知手段と、
該接触検知手段によって該タッチプローブが該転写棒に接触したときの砥石台位置X2を記憶する接触位置記憶手段と、
該研削位置記憶手段に記憶された該砥石台位置X1と、該接触位置記憶手段に記憶された該砥石台位置X2との差に基づいて、回転中の該砥石の半径を算出する砥石半径演算手段と、
を有することを特徴とする精密研削盤。 - 前記アームは、インバー或いはスーパインバーから形成されている請求項1記載の精密研削盤。
- 研削盤の砥石台をX軸に沿って主軸台の方に送り、該X軸に沿い主軸と直交して該主軸台に固定された転写棒に砥石軸周りに回転中の砥石を接触させ、該転写棒を研削して回転中の該砥石の外径の位置を該転写棒に転写する転写過程と、
該砥石台を該X軸に沿って該主軸台の方に送り、該砥石台の該砥石の軸芯からX軸に沿い該主軸に対向して伸びるアームの端部に取り付けられたタッチプローブを該転写棒に接触させて、該転写棒の研削された先端と該砥石台との間の相対間隔を測定する測定過程と、
該転写過程での該砥石台のX軸方向の位置X1と該測定過程での該砥石台のX軸方向の位置X2とから、該砥石の外周面の位置と該タッチプローブの先端の位置との差ΔX=X1−X2を算出し、さらに該タッチプローブの該先端と該砥石の回転軸芯との位置関係から回転中の該砥石の半径を算出する演算過程と、
を有することを特徴とする砥石半径測定方法。 - 前記転写過程の前または前記演算過程の後に、
前記砥石台を前記X軸に沿って前記主軸台の方に送り、該X軸に沿い前記主軸と直交して該主軸台に固定された基準ブロックに前記タッチプローブを接触させて、該主軸台と該砥石台との間の基準間隔を測定する予備過程をさらに有する、
請求項3記載の砥石半径測定方法。 - 前記転写過程、前記測定過程、前記演算過程および前記予備過程の後に、
前記砥石の前記半径と、前記基準間隔と、前記主軸台に固定されたツルアと前記基準ブロックとの位置関係と、前記タッチプローブの前記先端と該砥石の回転軸芯との位置関係とから、該ツルアによる該砥石のツルーイング開始位置を算出するツルーイング開始位置算出過程をさらに有する、
請求項4記載の砥石半径測定方法。
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