JP2004137166A - 皮膚外用剤、細胞賦活剤、抗酸化剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮膚の老化症状の防止・改善に優れた効果を発揮する皮膚外用剤、優れた効果を有する細胞賦活剤、及び優れた効果を有する抗酸化剤を提供することを目的とする。
【解決手段】皮膚の老化症状の防止・改善のために、キダチキンバイ(Ludwigia octovalvis var. sessiliflora)の抽出物を皮膚外用剤に配合する。また、キダチキンバイ(Ludwigia octovalvis var. sessiliflora)の抽出物を細胞賦活剤及び抗酸化剤として用いる。
【選択図】 なし
【解決手段】皮膚の老化症状の防止・改善のために、キダチキンバイ(Ludwigia octovalvis var. sessiliflora)の抽出物を皮膚外用剤に配合する。また、キダチキンバイ(Ludwigia octovalvis var. sessiliflora)の抽出物を細胞賦活剤及び抗酸化剤として用いる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、老化症状の防止・改善に優れた効果を発揮する皮膚外用剤、細胞賦活剤、及び抗酸化剤に関する。さらに詳しくは、キダチキンバイ抽出物を含有する皮膚外用剤、キダチキンバイ抽出物を有効成分とする細胞賦活剤、及びキダチキンバイ抽出物を有効成分とする抗酸化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
加齢などによる真皮線維芽細胞の機能低下は、コラーゲンやエラスチン等の真皮マトリックスの減少や変性を惹き起こし、シワや皮膚の弾性低下といった老化症状の重要な要因となっている。また、紫外線等の外来ストレスによる酸化傷害も、シワ,シミ,皮膚の弾性低下といった老化症状の原因となっている。これまでの皮膚外用剤の分野では、係る細胞の機能低下や酸化傷害による老化症状を防止・改善するために、様々な細胞賦活剤や抗酸化剤の検索及び配合検討がなされてきた。細胞賦活剤としては、ポンカンのエッセンス(特許文献1参照)、ツリガネニンジン属,クサギ及びそれらの抽出物(特許文献2参照)、有機溶媒によるクロレラ抽出物(特許文献3参照)が知られており、抗酸化剤としては、キク科へテロテカ属植物抽出物(特許文献4参照)、サルオガセ科サルオガセ属植物の抽出物(特許文献5参照)が知られている。
【0003】
なお、本発明に係るキダチキンバイに関する従来技術としては、キダチキンバイを主体とする糖尿病治療薬(特許文献6参照)、植物ニトベギクまたは植物メキシコヒマワリをベースとする煎汁またはそのエキスおよび凍結乾燥等により濃縮し、粉体、錠型化したものと、植物キダチキンバイをベースとする煎汁またはそのエキスおよび凍結乾燥等により濃縮し、粉体、錠型化したものからなることを特徴とする糖尿病治療薬(特許文献7参照)が開示されている。しかし、これらの文献公知発明には、キダチキンバイの抽出物の皮膚外用剤、細胞賦活剤、及び抗酸化剤への利用に関する記載は全く認められなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−131045号公報
【特許文献2】
特開2000−178198号公報
【特許文献3】
特開平11−335293号公報
【特許文献4】
特開平11−180886号公報
【特許文献5】
特開平10−182413号公報
【特許文献6】
特開平8−127538号公報
【特許文献7】
特開平7−242559号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来用いられている細胞賦活剤及び抗酸化剤は、老化現象の一部の過程にのみ作用している場合が多く、本質的な老化改善効果としては不十分であると考えられた。また、皮膚外用剤の基剤中に配合した場合、有効な効果を得るにはかなりの高濃度を配合しなければならず、製剤に好ましくない色や臭いを付与してしまう場合があるなど、作用効果や安定性の面ですべてを満足できるものが少ないのが現状であった。このため、より優れた有効成分の開発が期待されており、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。従って、本発明の目的は、皮膚の老化症状の防止・改善に優れた効果を発揮する皮膚外用剤、優れた効果を有する細胞賦活剤、及び優れた効果を有する抗酸化剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、皮膚の老化症状の防止・改善に優れた成分を見出すために、種々の物質について細胞賦活作用と抗酸化作用に関する検討を行った。その結果、キダチキンバイ抽出物に優れた細胞賦活作用と抗酸化作用を見出し、さらに検討を重ね、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の原料として用いられるキダチキンバイ(Ludwigia octovalvis var. sessiliflora)は、アカバナ科(Onagraceae)チョウジタデ属(Ludwigia)の植物である。
【0008】
このキダチキンバイを使用する際は、抽出物を用いるのがよい。抽出には、キダチキンバイの幹,枝,果実,葉,花,種子,樹皮,樹液,根,芽などのいずれの部位を用いても構わないが、簡便に利用するには、葉や花などを用いるとよい。抽出の際は、生のまま用いてもよいが、抽出効率を考えると、細切,乾燥,粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。抽出は、抽出溶媒に浸漬するか、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出方法でも行うことができる。抽出効率を上げるため、撹拌や抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、1時間〜14日間程度とするのが適切である。
【0009】
抽出溶媒としては、水の他、メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール等の低級アルコール、1,3−ブチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル,プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸ブチル,酢酸エチル等のエステル類、アセトン,エチルメチルケトン等のケトン類などの溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。また、生理食塩水,リン酸緩衝液,リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。さらに、水や二酸化炭素,エチレン,プロピレン,エタノール,メタノール,アンモニアなどの1種又は2種以上の超臨界流体や亜臨界流体を用いてもよい。
【0010】
キダチキンバイの上記溶媒による抽出物は、そのままでも使用することができるが、濃縮,乾固した物を水や極性溶媒に再度溶解したり、或いはこれらの生理作用を損なわない範囲で脱色,脱臭,脱塩等の精製処理を行ったり、カラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。キダチキンバイの前記抽出物やその処理物及び分画物は、各処理及び分画後に凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
【0011】
本発明における老化症状の予防・改善に優れた効果を発揮する皮膚外用剤は、上述のキダチキンバイ抽出物を含有する。また、優れた効果を発揮する細胞賦活剤及び抗酸化剤は、係るキダチキンバイ抽出物を有効成分とする。
【0012】
本発明におけるキダチキンバイ抽出物の配合量は、皮膚外用剤の種類や目的等によって調整することができるが、皮膚外用剤の全量に対して、0.0001〜10.0重量%が好ましく、より好ましくは、0.001〜5.0重量%である。
【0013】
本発明に係る皮膚外用剤は、ローション,乳液,ゲル,クリーム,軟膏剤,粉末,顆粒等、種々の剤型で提供することができる。
【0014】
なお、本発明に係る皮膚外用剤には、キダチキンバイ抽出物の他に、通常医薬品,医薬部外品,皮膚化粧料,毛髪用化粧料及び洗浄料に配合される、油性成分,保湿剤,粉体,色素,乳化剤,可溶化剤,洗浄剤,紫外線吸収剤,増粘剤,薬剤,香料,樹脂,防菌防黴剤,アルコール類等を適宜配合することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲において、他の細胞賦活剤,抗酸化剤,植物抽出物との併用も可能である。
【0015】
【実施例】
さらに実施例により、本発明の特徴について詳細に説明する。まず、本発明のキダチキンバイ抽出物の調製方法について示す。
【0016】
[調製方法1]
キダチキンバイの葉の乾燥粉砕物1kgに50重量%エタノール水溶液を10リットル加え、室温で7日間浸漬した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去した後、キダチキンバイ抽出物を得た。
【0017】
[調製方法2]
キダチキンバイの葉の乾燥粉砕物1kgに水を9リットル加え、90℃にて6時間還流して抽出した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去した後、キダチキンバイ抽出物を得た。
【0018】
[調製方法3]
キダチキンバイの葉の乾燥粉砕物1kgにメタノールを9リットル加え、室温で7日間浸漬した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去した後、キダチキンバイ抽出物を得た。
【0019】
[調製方法4]
超臨界抽出装置にキダチキンバイの葉を投入し、40℃において15MPaの気圧下で二酸化炭素の超臨界流体を用いて抽出した。抽出物を回収し、キダチキンバイ抽出物を得た。
【0020】
次に、キダチキンバイ抽出物の真皮線維芽細胞賦活作用を示す。試料には、キダチキンバイの葉より調製方法1を用いて抽出したキダチキンバイ抽出物を用いた。
【0021】
評価は、以下の手順で行った。正常ヒト真皮線維芽細胞を1ウェル当たり2.0×104個となるように96穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。24時間培養後、任意の濃度の試料を添加した試験培地に交換し、さらに48時間培養した。次いで3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を400μg/mL含有する培地に交換して2時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活作用を評価した。また、測定法の妥当性を確認するために、試料を添加した培地の代わりに、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に5%のウシ胎児血清を添加したものを陽性コントロールとし、測定を行った。評価結果を、試料無添加のブランクにおける細胞賦活作用を100とした相対値にて表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
表1より明らかなように、キダチキンバイ抽出物を添加した培地では、有意な真皮線維芽細胞賦活作用が認められた。特に、キダチキンバイ抽出物を0.63〜10.0mg/mL添加した場合に、ブランクと比較して、危険率1%未満で有意な真皮線維芽細胞賦活作用が認められた。このことから、キダチキンバイ抽出物は、優れた真皮線維芽細胞賦活作用を有することが明らかとなった。
【0024】
次に、キダチキンバイ抽出物の抗酸化作用について示す。試料には、キダチキンバイの葉より調製方法1を用いて抽出したキダチキンバイ抽出物を用いた。
【0025】
評価は、以下の手順で行った。50重量%エタノール水溶液にて1mg/mLに希釈したキダチキンバイ抽出物溶液を96穴マイクロプレートに100μL添加した。次に、0.2mMの濃度になるようにエタノールにて調製した1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)溶液を96穴マイクロプレートに100μL添加した。攪拌しながら暗所に放置し、10分後に516nmの吸光度を測定した。試料が無添加のブランクの吸光度を(A)、試料を添加したときの吸光度を(B)としたとき、式(1)の値をラジカル消去率とした。
式(1) {1−(B)/(A)}×100(%)
キダチキンバイ抽出物の実験結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
表2より明らかなように、キダチキンバイ抽出物には強い抗酸化作用が認められた。このことから、キダチキンバイ抽出物は優れた抗酸化作用を有することが明らかとなった。
【0028】
続いて、本発明に係るキダチキンバイ抽出物を配合した皮膚外用剤の処方を示す。実施例1〜5の処方には、表3に示すキダチキンバイ抽出物を配合し、実施例6〜18の各処方には、それぞれの処方に記載のキダチキンバイの葉から得られた抽出物を配合した。
【0029】
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、冷却を開始し、(11)と(12)を順次加え、均一に混合する。
【0030】
【表3】
【0031】
[実施例6]化粧水
(1)エタノール 15.0(重量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 81.36
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 3.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)キダチキンバイ抽出物[調製方法3] 0.02
製法:(1)に(2)及び(3)を溶解する。溶解後、(4)〜(8)を順次添加した後、十分に攪拌し、(9)を加え、均一に混合する。
【0032】
[実施例7]クリーム
(1)スクワラン 10.0(重量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルギニン(20重量%水溶液) 15.0
(10)精製水 40.7
(11)カルボキシビニルポリマー(1重量%水溶液) 15.0
(12)キダチキンバイ抽出物[調製方法1] 1.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、(11)を加え、冷却を開始し、40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0033】
製法:(1)〜(6)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(14)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、50℃にて(15)を加える。さらに40℃まで冷却し、(16)を加え、均一に混合する。
【0034】
[実施例9]水性ジェル
(1)カルボキシビニルポリマー 0.5(重量%)
(2)精製水 86.6
(3)水酸化ナトリウム(10重量%水溶液) 0.5
(4)エタノール 10.0
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)香料 0.1
(7)キダチキンバイ抽出物[調製方法4] 0.1
(8)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 0.1
(9)グリセリン 2.0
製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)を加える。均一に攪拌した後,(4)に予め溶解した(5)を加える。均一に攪拌した後、予め混合しておいた(6)〜(8)を加える。均一に攪拌した後、(9)を加え、均一に混合する。
【0035】
[実施例10]クレンジング料
(1)スクワラン 81.9(重量%)
(2)イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 15.0
(3)精製水 3.0
(4)キダチキンバイ抽出物[調製方法4] 0.1
製法:(1)と(2)を均一に溶解する。これに、(3)と(4)を順次加え、均一に混合する。
【0036】
[実施例11]洗顔フォーム
(1)ステアリン酸 16.0(重量%)
(2)ミリスチン酸 16.0
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)グリセリン 20.0
(5)水酸化ナトリウム 7.5
(6)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0
(7)精製水 36.5
(8)キダチキンバイ抽出物[調製方法3] 1.0
製法:(1)〜(4)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(5)〜(7)の水相成分を80℃にて加熱溶解し、油相成分と均一に混合撹拌する。冷却を開始し、40℃にて(8)を加え、均一に混合する。
【0037】
[実施例12]メイクアップベースクリーム
(1)スクワラン 10.0(重量%)
(2)セタノール 2.0
(3)グリセリントリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.5
(4)親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
(5)プロピレングリコール 11.0
(6)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(7)精製水 70.4
(8)酸化チタン 1.0
(9)ベンガラ 0.1
(10)黄酸化鉄 0.4
(11)香料 0.1
(12)キダチキンバイ抽出物[調製方法2] 0.2
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(5)〜(7)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(8)〜(10)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(11)と(12)の成分を加え、均一に混合する。
【0038】
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(10)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(11)〜(15)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散する。油相成分を加え、乳化を行う。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(16)と(17)の成分を順次加え、均一に混合する。
【0039】
[実施例14]油中水型エモリエントクリーム
(1)流動パラフィン 30.0(重量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジグリセリンオレイン酸エステル 5.0
(5)塩化ナトリウム 1.3
(6)塩化カリウム 0.1
(7)プロピレングリコール 3.0
(8)1,3−ブチレングリコール 5.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)キダチキンバイ抽出物[調製方法1] 1.0
(11)精製水 47.4
(12)香料 0.1
製法:(5)と(6)を(11)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に撹拌しながら徐々に加える。これを混合した後、70℃にて加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散する。これに(7)〜(10)を(11)の残部に70℃にて加熱溶解したものを撹拌しながら加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0040】
[実施例15]パック
(1)精製水 68.9(重量%)
(2)ポリビニルアルコール 12.0
(3)エタノール 10.0
(4)グリセリン 5.0
(5)ポリエチレングリコール(平均分子量1000) 2.0
(6)キダチキンバイ抽出物[調製方法2] 2.0
(7)香料 0.1
製法:(2)と(3)を混合し、80℃に加温した後、80℃に加温した(1)に溶解する。均一に溶解した後、(4)と(5)を加え、攪拌しながら冷却を開始する。40℃まで冷却し、(6)と(7)を加え、均一に混合する。
【0041】
[実施例16]入浴剤
(1)香料 0.3(重量%)
(2)キダチキンバイ抽出物[調製方法1] 1.0
(3)炭酸水素ナトリウム 50.0
(4)硫酸ナトリウム 48.7
製法:(1)〜(4)を均一に混合する。
【0042】
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解後する。一方、(7)〜(10)の水相成分を75℃にて加熱溶解し、前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(11)と(12)の成分を加え、均一に混合する。
【0043】
[実施例18]ヘアートニック
(1)エタノール 50.0(重量%)
(2)精製水 49.898
(3)キダチキンバイ抽出物[調製方法3] 0.002
(4)香料 0.1
製法:(1)〜(4)の成分を混合,均一化する。
【0044】
本発明の実施例1〜5について使用試験を行い、シワ,タルミ,肌のハリの改善効果を評価した。その際、実施例1において、配合したキダチキンバイ抽出物を精製水に代替し、比較例1として同時に使用試験を行った。
【0045】
各試料について、シワ,タルミ,肌のハリの低下といった症状が顕著に認められる50〜60才代の男女パネラー各20名を一群とし、ブラインドにて1カ月間使用させ、使用前後の皮膚状態の変化を観察して評価した。皮膚症状の指標として、シワ,タルミ,肌のハリについて、「改善」,「やや改善」,「変化なし」の三段階で評価し、表4に各評価を得たパネラー数にて示した。
【0046】
【表4】
【0047】
表4より、シワ,タルミ,肌のハリについて、キダチキンバイ抽出物を含有しない比較例使用群においては、6割以上のパネラーに改善は認められなかったが、キダチキンバイ抽出物を配合した実施例使用群においては、6割以上のパネラーに明確な改善が認められた。
【0048】
以上のように、本発明の実施例においては、従来の比較例よりも、シワ,タルミ,肌のハリの低下といった老化症状の改善に優れた効果を有していた。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、皮膚の老化症状の防止・改善に優れた効果を有する皮膚外用剤、優れた効果を有する細胞賦活剤、及び優れた効果を有する抗酸化剤を得ることが出来た。
【発明の属する技術分野】
本発明は、老化症状の防止・改善に優れた効果を発揮する皮膚外用剤、細胞賦活剤、及び抗酸化剤に関する。さらに詳しくは、キダチキンバイ抽出物を含有する皮膚外用剤、キダチキンバイ抽出物を有効成分とする細胞賦活剤、及びキダチキンバイ抽出物を有効成分とする抗酸化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
加齢などによる真皮線維芽細胞の機能低下は、コラーゲンやエラスチン等の真皮マトリックスの減少や変性を惹き起こし、シワや皮膚の弾性低下といった老化症状の重要な要因となっている。また、紫外線等の外来ストレスによる酸化傷害も、シワ,シミ,皮膚の弾性低下といった老化症状の原因となっている。これまでの皮膚外用剤の分野では、係る細胞の機能低下や酸化傷害による老化症状を防止・改善するために、様々な細胞賦活剤や抗酸化剤の検索及び配合検討がなされてきた。細胞賦活剤としては、ポンカンのエッセンス(特許文献1参照)、ツリガネニンジン属,クサギ及びそれらの抽出物(特許文献2参照)、有機溶媒によるクロレラ抽出物(特許文献3参照)が知られており、抗酸化剤としては、キク科へテロテカ属植物抽出物(特許文献4参照)、サルオガセ科サルオガセ属植物の抽出物(特許文献5参照)が知られている。
【0003】
なお、本発明に係るキダチキンバイに関する従来技術としては、キダチキンバイを主体とする糖尿病治療薬(特許文献6参照)、植物ニトベギクまたは植物メキシコヒマワリをベースとする煎汁またはそのエキスおよび凍結乾燥等により濃縮し、粉体、錠型化したものと、植物キダチキンバイをベースとする煎汁またはそのエキスおよび凍結乾燥等により濃縮し、粉体、錠型化したものからなることを特徴とする糖尿病治療薬(特許文献7参照)が開示されている。しかし、これらの文献公知発明には、キダチキンバイの抽出物の皮膚外用剤、細胞賦活剤、及び抗酸化剤への利用に関する記載は全く認められなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−131045号公報
【特許文献2】
特開2000−178198号公報
【特許文献3】
特開平11−335293号公報
【特許文献4】
特開平11−180886号公報
【特許文献5】
特開平10−182413号公報
【特許文献6】
特開平8−127538号公報
【特許文献7】
特開平7−242559号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来用いられている細胞賦活剤及び抗酸化剤は、老化現象の一部の過程にのみ作用している場合が多く、本質的な老化改善効果としては不十分であると考えられた。また、皮膚外用剤の基剤中に配合した場合、有効な効果を得るにはかなりの高濃度を配合しなければならず、製剤に好ましくない色や臭いを付与してしまう場合があるなど、作用効果や安定性の面ですべてを満足できるものが少ないのが現状であった。このため、より優れた有効成分の開発が期待されており、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。従って、本発明の目的は、皮膚の老化症状の防止・改善に優れた効果を発揮する皮膚外用剤、優れた効果を有する細胞賦活剤、及び優れた効果を有する抗酸化剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、皮膚の老化症状の防止・改善に優れた成分を見出すために、種々の物質について細胞賦活作用と抗酸化作用に関する検討を行った。その結果、キダチキンバイ抽出物に優れた細胞賦活作用と抗酸化作用を見出し、さらに検討を重ね、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の原料として用いられるキダチキンバイ(Ludwigia octovalvis var. sessiliflora)は、アカバナ科(Onagraceae)チョウジタデ属(Ludwigia)の植物である。
【0008】
このキダチキンバイを使用する際は、抽出物を用いるのがよい。抽出には、キダチキンバイの幹,枝,果実,葉,花,種子,樹皮,樹液,根,芽などのいずれの部位を用いても構わないが、簡便に利用するには、葉や花などを用いるとよい。抽出の際は、生のまま用いてもよいが、抽出効率を考えると、細切,乾燥,粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。抽出は、抽出溶媒に浸漬するか、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出方法でも行うことができる。抽出効率を上げるため、撹拌や抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、1時間〜14日間程度とするのが適切である。
【0009】
抽出溶媒としては、水の他、メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール等の低級アルコール、1,3−ブチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル,プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸ブチル,酢酸エチル等のエステル類、アセトン,エチルメチルケトン等のケトン類などの溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。また、生理食塩水,リン酸緩衝液,リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。さらに、水や二酸化炭素,エチレン,プロピレン,エタノール,メタノール,アンモニアなどの1種又は2種以上の超臨界流体や亜臨界流体を用いてもよい。
【0010】
キダチキンバイの上記溶媒による抽出物は、そのままでも使用することができるが、濃縮,乾固した物を水や極性溶媒に再度溶解したり、或いはこれらの生理作用を損なわない範囲で脱色,脱臭,脱塩等の精製処理を行ったり、カラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。キダチキンバイの前記抽出物やその処理物及び分画物は、各処理及び分画後に凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
【0011】
本発明における老化症状の予防・改善に優れた効果を発揮する皮膚外用剤は、上述のキダチキンバイ抽出物を含有する。また、優れた効果を発揮する細胞賦活剤及び抗酸化剤は、係るキダチキンバイ抽出物を有効成分とする。
【0012】
本発明におけるキダチキンバイ抽出物の配合量は、皮膚外用剤の種類や目的等によって調整することができるが、皮膚外用剤の全量に対して、0.0001〜10.0重量%が好ましく、より好ましくは、0.001〜5.0重量%である。
【0013】
本発明に係る皮膚外用剤は、ローション,乳液,ゲル,クリーム,軟膏剤,粉末,顆粒等、種々の剤型で提供することができる。
【0014】
なお、本発明に係る皮膚外用剤には、キダチキンバイ抽出物の他に、通常医薬品,医薬部外品,皮膚化粧料,毛髪用化粧料及び洗浄料に配合される、油性成分,保湿剤,粉体,色素,乳化剤,可溶化剤,洗浄剤,紫外線吸収剤,増粘剤,薬剤,香料,樹脂,防菌防黴剤,アルコール類等を適宜配合することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲において、他の細胞賦活剤,抗酸化剤,植物抽出物との併用も可能である。
【0015】
【実施例】
さらに実施例により、本発明の特徴について詳細に説明する。まず、本発明のキダチキンバイ抽出物の調製方法について示す。
【0016】
[調製方法1]
キダチキンバイの葉の乾燥粉砕物1kgに50重量%エタノール水溶液を10リットル加え、室温で7日間浸漬した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去した後、キダチキンバイ抽出物を得た。
【0017】
[調製方法2]
キダチキンバイの葉の乾燥粉砕物1kgに水を9リットル加え、90℃にて6時間還流して抽出した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去した後、キダチキンバイ抽出物を得た。
【0018】
[調製方法3]
キダチキンバイの葉の乾燥粉砕物1kgにメタノールを9リットル加え、室温で7日間浸漬した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去した後、キダチキンバイ抽出物を得た。
【0019】
[調製方法4]
超臨界抽出装置にキダチキンバイの葉を投入し、40℃において15MPaの気圧下で二酸化炭素の超臨界流体を用いて抽出した。抽出物を回収し、キダチキンバイ抽出物を得た。
【0020】
次に、キダチキンバイ抽出物の真皮線維芽細胞賦活作用を示す。試料には、キダチキンバイの葉より調製方法1を用いて抽出したキダチキンバイ抽出物を用いた。
【0021】
評価は、以下の手順で行った。正常ヒト真皮線維芽細胞を1ウェル当たり2.0×104個となるように96穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。24時間培養後、任意の濃度の試料を添加した試験培地に交換し、さらに48時間培養した。次いで3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を400μg/mL含有する培地に交換して2時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活作用を評価した。また、測定法の妥当性を確認するために、試料を添加した培地の代わりに、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に5%のウシ胎児血清を添加したものを陽性コントロールとし、測定を行った。評価結果を、試料無添加のブランクにおける細胞賦活作用を100とした相対値にて表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
表1より明らかなように、キダチキンバイ抽出物を添加した培地では、有意な真皮線維芽細胞賦活作用が認められた。特に、キダチキンバイ抽出物を0.63〜10.0mg/mL添加した場合に、ブランクと比較して、危険率1%未満で有意な真皮線維芽細胞賦活作用が認められた。このことから、キダチキンバイ抽出物は、優れた真皮線維芽細胞賦活作用を有することが明らかとなった。
【0024】
次に、キダチキンバイ抽出物の抗酸化作用について示す。試料には、キダチキンバイの葉より調製方法1を用いて抽出したキダチキンバイ抽出物を用いた。
【0025】
評価は、以下の手順で行った。50重量%エタノール水溶液にて1mg/mLに希釈したキダチキンバイ抽出物溶液を96穴マイクロプレートに100μL添加した。次に、0.2mMの濃度になるようにエタノールにて調製した1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)溶液を96穴マイクロプレートに100μL添加した。攪拌しながら暗所に放置し、10分後に516nmの吸光度を測定した。試料が無添加のブランクの吸光度を(A)、試料を添加したときの吸光度を(B)としたとき、式(1)の値をラジカル消去率とした。
式(1) {1−(B)/(A)}×100(%)
キダチキンバイ抽出物の実験結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
表2より明らかなように、キダチキンバイ抽出物には強い抗酸化作用が認められた。このことから、キダチキンバイ抽出物は優れた抗酸化作用を有することが明らかとなった。
【0028】
続いて、本発明に係るキダチキンバイ抽出物を配合した皮膚外用剤の処方を示す。実施例1〜5の処方には、表3に示すキダチキンバイ抽出物を配合し、実施例6〜18の各処方には、それぞれの処方に記載のキダチキンバイの葉から得られた抽出物を配合した。
【0029】
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、冷却を開始し、(11)と(12)を順次加え、均一に混合する。
【0030】
【表3】
【0031】
[実施例6]化粧水
(1)エタノール 15.0(重量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 81.36
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 3.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)キダチキンバイ抽出物[調製方法3] 0.02
製法:(1)に(2)及び(3)を溶解する。溶解後、(4)〜(8)を順次添加した後、十分に攪拌し、(9)を加え、均一に混合する。
【0032】
[実施例7]クリーム
(1)スクワラン 10.0(重量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルギニン(20重量%水溶液) 15.0
(10)精製水 40.7
(11)カルボキシビニルポリマー(1重量%水溶液) 15.0
(12)キダチキンバイ抽出物[調製方法1] 1.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、(11)を加え、冷却を開始し、40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0033】
製法:(1)〜(6)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(14)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、50℃にて(15)を加える。さらに40℃まで冷却し、(16)を加え、均一に混合する。
【0034】
[実施例9]水性ジェル
(1)カルボキシビニルポリマー 0.5(重量%)
(2)精製水 86.6
(3)水酸化ナトリウム(10重量%水溶液) 0.5
(4)エタノール 10.0
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)香料 0.1
(7)キダチキンバイ抽出物[調製方法4] 0.1
(8)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 0.1
(9)グリセリン 2.0
製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)を加える。均一に攪拌した後,(4)に予め溶解した(5)を加える。均一に攪拌した後、予め混合しておいた(6)〜(8)を加える。均一に攪拌した後、(9)を加え、均一に混合する。
【0035】
[実施例10]クレンジング料
(1)スクワラン 81.9(重量%)
(2)イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 15.0
(3)精製水 3.0
(4)キダチキンバイ抽出物[調製方法4] 0.1
製法:(1)と(2)を均一に溶解する。これに、(3)と(4)を順次加え、均一に混合する。
【0036】
[実施例11]洗顔フォーム
(1)ステアリン酸 16.0(重量%)
(2)ミリスチン酸 16.0
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)グリセリン 20.0
(5)水酸化ナトリウム 7.5
(6)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0
(7)精製水 36.5
(8)キダチキンバイ抽出物[調製方法3] 1.0
製法:(1)〜(4)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(5)〜(7)の水相成分を80℃にて加熱溶解し、油相成分と均一に混合撹拌する。冷却を開始し、40℃にて(8)を加え、均一に混合する。
【0037】
[実施例12]メイクアップベースクリーム
(1)スクワラン 10.0(重量%)
(2)セタノール 2.0
(3)グリセリントリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.5
(4)親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
(5)プロピレングリコール 11.0
(6)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(7)精製水 70.4
(8)酸化チタン 1.0
(9)ベンガラ 0.1
(10)黄酸化鉄 0.4
(11)香料 0.1
(12)キダチキンバイ抽出物[調製方法2] 0.2
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(5)〜(7)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(8)〜(10)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(11)と(12)の成分を加え、均一に混合する。
【0038】
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(10)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(11)〜(15)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散する。油相成分を加え、乳化を行う。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(16)と(17)の成分を順次加え、均一に混合する。
【0039】
[実施例14]油中水型エモリエントクリーム
(1)流動パラフィン 30.0(重量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジグリセリンオレイン酸エステル 5.0
(5)塩化ナトリウム 1.3
(6)塩化カリウム 0.1
(7)プロピレングリコール 3.0
(8)1,3−ブチレングリコール 5.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)キダチキンバイ抽出物[調製方法1] 1.0
(11)精製水 47.4
(12)香料 0.1
製法:(5)と(6)を(11)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に撹拌しながら徐々に加える。これを混合した後、70℃にて加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散する。これに(7)〜(10)を(11)の残部に70℃にて加熱溶解したものを撹拌しながら加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0040】
[実施例15]パック
(1)精製水 68.9(重量%)
(2)ポリビニルアルコール 12.0
(3)エタノール 10.0
(4)グリセリン 5.0
(5)ポリエチレングリコール(平均分子量1000) 2.0
(6)キダチキンバイ抽出物[調製方法2] 2.0
(7)香料 0.1
製法:(2)と(3)を混合し、80℃に加温した後、80℃に加温した(1)に溶解する。均一に溶解した後、(4)と(5)を加え、攪拌しながら冷却を開始する。40℃まで冷却し、(6)と(7)を加え、均一に混合する。
【0041】
[実施例16]入浴剤
(1)香料 0.3(重量%)
(2)キダチキンバイ抽出物[調製方法1] 1.0
(3)炭酸水素ナトリウム 50.0
(4)硫酸ナトリウム 48.7
製法:(1)〜(4)を均一に混合する。
【0042】
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解後する。一方、(7)〜(10)の水相成分を75℃にて加熱溶解し、前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(11)と(12)の成分を加え、均一に混合する。
【0043】
[実施例18]ヘアートニック
(1)エタノール 50.0(重量%)
(2)精製水 49.898
(3)キダチキンバイ抽出物[調製方法3] 0.002
(4)香料 0.1
製法:(1)〜(4)の成分を混合,均一化する。
【0044】
本発明の実施例1〜5について使用試験を行い、シワ,タルミ,肌のハリの改善効果を評価した。その際、実施例1において、配合したキダチキンバイ抽出物を精製水に代替し、比較例1として同時に使用試験を行った。
【0045】
各試料について、シワ,タルミ,肌のハリの低下といった症状が顕著に認められる50〜60才代の男女パネラー各20名を一群とし、ブラインドにて1カ月間使用させ、使用前後の皮膚状態の変化を観察して評価した。皮膚症状の指標として、シワ,タルミ,肌のハリについて、「改善」,「やや改善」,「変化なし」の三段階で評価し、表4に各評価を得たパネラー数にて示した。
【0046】
【表4】
【0047】
表4より、シワ,タルミ,肌のハリについて、キダチキンバイ抽出物を含有しない比較例使用群においては、6割以上のパネラーに改善は認められなかったが、キダチキンバイ抽出物を配合した実施例使用群においては、6割以上のパネラーに明確な改善が認められた。
【0048】
以上のように、本発明の実施例においては、従来の比較例よりも、シワ,タルミ,肌のハリの低下といった老化症状の改善に優れた効果を有していた。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、皮膚の老化症状の防止・改善に優れた効果を有する皮膚外用剤、優れた効果を有する細胞賦活剤、及び優れた効果を有する抗酸化剤を得ることが出来た。
Claims (5)
- キダチキンバイ抽出物を含有する皮膚外用剤。
- キダチキンバイ抽出物を有効成分とする細胞賦活剤。
- 請求項2に記載の細胞賦活剤を含有する皮膚外用剤。
- キダチキンバイ抽出物を有効成分とする抗酸化剤。
- 請求項4に記載の抗酸化剤を含有する皮膚外用剤。
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