JP2004126959A - 通信管理装置、情報処理装置、プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ネットワークに接続されたコンピュータの省電力機能を有効に機能させると共に迅速な応答を可能にする。
【解決手段】各クライアント20A〜20Dが備えるドライバ部21には、省電力モード中でも電源が供給されており、通信管理装置10から自装置宛に送られてきたパケット以外は、応答しない。ネットワーク上を流れるパケットは、基本的には全て通信管理装置10が受け取って処理・対応する。通信管理装置10は、任意のクライアント間のSYNパケット等による接続要求を受信すると、相手先クライアントに復帰要求を送ると共に、代理で、要求元のクライアントとの通信準備処理を実行しておく。
【選択図】 図1
【解決手段】各クライアント20A〜20Dが備えるドライバ部21には、省電力モード中でも電源が供給されており、通信管理装置10から自装置宛に送られてきたパケット以外は、応答しない。ネットワーク上を流れるパケットは、基本的には全て通信管理装置10が受け取って処理・対応する。通信管理装置10は、任意のクライアント間のSYNパケット等による接続要求を受信すると、相手先クライアントに復帰要求を送ると共に、代理で、要求元のクライアントとの通信準備処理を実行しておく。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、省電力機能を備える情報処理装置がネットワークに接続されたシステムに関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
近年、パーソナルコンピュータ等において、サスペンドモード等と呼ばれる省電力の為のパワーセーブ機能(省電力機能)が設けられている場合がある。この省電力機能は、通常、ユーザによる操作開始に応じて省電力モードから通常モードへと復帰し、ユーザによる操作が終了したら、再び省電力モードへと移行する。つまり、ユーザが操作していないときは、省電力モードとなって、節電を行っている。
【0003】
しかしながら、このようなパーソナルコンピュータを、LAN等のネットワークに接続して使用する場合に、以下に述べる問題が発生していた。
すなわち、特にブロードキャストを受信した場合に、自装置は関係ない場合でも、これに応答する為に、逐一サスペンドモードから復帰する為、サスペンドモードを備えていても、省電力という目的が十分に果たせなくなるという問題があった。
【0004】
ブロードキャストは、例えば、IPアドレスからMACアドレスを求める為のARP(Address Resolution Protocol)、Windows(R)のマスタ・ブラウザの検出、DHCPサーバからのIPアドレス取得の為など、いたるところで利用されている。
【0005】
以下、DHCPサーバからのIPアドレス取得の為のブロードキャストについて、図7を参照して説明する。尚、IPアドレスの設定方法には、各機器毎に所謂“静的”に設定する方法もあるが、この方法はネットワークの変更等に弱いので、DHCPサーバを導入して動的にIPアドレスを割り振る構成とする場合も多い。
【0006】
図7に示すネットワークシステムは、DHCP(Dynamic Host ConfigurationProtocol;動的ホスト構成プロトコル)により、各クライアントに対してIPアドレスを動的に割り当てる(正確にはリースといい、リース期間内に限り有効となる)構成において、既に、クライアント70A〜クライアント70CがLAN等のネットワーク71に接続しており、IPアドレスを割り当てられているものとする。この状態で、新たにクライアント70Dを追加する場合、クライアント70Dをネットワーク71に接続した後、DHCPサーバ72にIPアドレスを割り当ててもらう必要があるが、未だIPアドレスが設定されていない為、まず、ブロードキャストのような特別なコマンドを発行して、ネットワーク71上の全ての装置に問い合わせる必要がある。
【0007】
このブロードキャスト(一般に、DHCP DISCOVERと呼ばれている)に対して、DHCPサーバ72が、IPアドレス群(アドレス・プール)から1つ選択して返信することで、クライアント70Dは自己のIPアドレスを取得することになるが、他のクライアント70A〜クライアント70Cも、このブロードキャストを受信して応答する為に、サスペンドモードから復帰しなければならなかった。(最近は、社内等でノート・パソコンを気軽に持ち運びできるが、もしサブネットを越えて移動してしまうと、移動先のサブネットのDHCPサーバから、新たにIPアドレスを取得する必要がある)。
【0008】
また、たとえ、IPアドレスが設定されているクライアントと通信する場合でも、上記の通り、IPアドレスは一時的にリースされるものであり、各クライアント毎に1対1で固定なものではない為(IPv4の場合)、相手先のIPアドレスが分かっていたとしても、どのクライアントであるのかをネットワーク内にある各クライアントに対して問い合わせる必要があり(ARP)、仮想伝送路を構築するまでは、関係がないクライアントも応答する必要がある為、サスペンドモードから復帰しなければならなかった。
【0009】
このような問題に対して、例えば、特許文献1に記載の発明が提案されている。この発明は、サスペンドモード機能を備える各コンピュータに設けられたNICにおいて、受信したパケットが自装置宛のパケットであるか否かを判定し、自装置宛のパケットである場合には、割り込み発生して、コンピュータ(自装置)をスタンバイ状態から通常電源ON状態へと移行させる手法を提案するものである。
【0010】
また、例えば、特許文献2に記載の発明では、ネットワーク代理応答サーバが、スリープ状態にある各クライアントの代わりにネットワーク上を流れるメッセージを受信して、このメッセージが特定のメッセージ(代理応答対象メッセージ)である場合には、代理応答メッセージを返信する手法が提案されている。また、このメッセージが代理応答対象メッセージではない場合には、対象となるクライアントにウェイクアップを指示して非スリープ状態に遷移させる。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−110089号公報
【特許文献2】
特開2000−165419号公報
上記何れの公知手法においても、ネットワークに接続されたコンピュータ(クライアント)の省電力機能を有効に発揮させて、消費電力を低減させることができる。
【0012】
しかしながら、スタンバイ状態から通常電源ON状態に移行するまでに時間が掛かり、レスポンスが遅れる場合がある。最悪の場合、パケットの送信元は、相手先がネットワーク上に存在しないものと認識してしまう可能性があった。
【0013】
本発明の課題は、ネットワークに接続されたコンピュータの省電力機能を有効に発揮させて十分な節電効果が得られるようにすると共に迅速な応答を可能にする通信管理装置、クライアント、プログラム等を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による通信管理装置は、省電力機能を備える情報処理装置がネットワークに接続されたシステムにおける通信管理装置であって、前記ネットワーク上を流れるパケットを受け取る受信手段と、該受信手段により受け取ったパケットを解析し、該パケットが任意の情報処理装置への接続要求パケットである場合、相手先の情報処理装置に対して復帰要求を送ると共に、要求元の情報処理装置との通信準備処理を代理で実行する仲介・代理応答手段とを有するように構成する。
【0015】
また、上記省電力機能を備える各情報処理装置は、省電力モード中に電源が供給されており、前記ネットワークからパケットを受信した場合、該パケットの送信元が予め決められている特定の装置であるか否かを判定し、特定の装置である場合であって復帰要求である場合には当該情報処理装置を省電力モードから復帰させるドライバ手段を有するように構成する。
【0016】
上記構成によれば、各情報処理装置は、省電力モード中は、特定の装置(通信管理装置)からのパケット以外は無視するので、例えばブロードキャストに対しては一切応答しないので、不必要な復帰は行わずに済み、省電力機能を有効に発揮させて十分な節電効果が得られるようになり、また有寿命部品の寿命を延ばすことができる。
【0017】
更に、ある情報処理装置が他の任意の情報処理装置と通信を行いたい場合、通信管理装置が、相手先の情報処理装置に対して復帰要求を送る一方で、要求元の情報処理装置との通信準備処理を代理で実行しておくので、迅速な応答が可能となる。
【0018】
また、例えば、前記仲介・代理応答手段は、前記相手先の情報処理装置へのデータ書き込み要求であった場合、該データを代理で受信しておき、前記相手先の情報処理装置が復帰したら該データを転送する。
【0019】
上記構成によれば、たとえ復帰処理に時間が掛かっても、要求元の情報処理装置にとっては、待たされることなく、迅速に通信処理が完了することになる。
なお、上述した本発明の各構成により行なわれる機能と同様の制御をコンピュータに行なわせるプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から、そのプログラムをコンピュータに読み出させて実行させることによっても、前述した課題を解決することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態によるネットワークシステム全体の構成図である。
【0021】
同図において、ネットワーク1には、通信管理装置10、複数のコンピュータ(クライアント20A〜クライアント20D)、及びDHCPサーバ2が接続している。ネットワーク1は、例えばイーサネット(R)等のLANであり、また通信プロトコルとしてはTCP/IP、UDP/IP等が用いられる。以下、主に、TCP/IPを用いる場合を例にして説明する。
【0022】
クライアント20A〜クライアント20Dは、パーソナルコンピュータ等であってもよいし、他の何らかの情報処理装置であってもよいが、何れにしても、省電力機能を備えており、且つ、ドライバ部21部を備えている。ドライバ部21は、例えばNIC(ネットワーク・インタフェース・カード)等に備えられるネットワーク・ドライバである。少なくとも、ドライバ部21には、省電力モード中でも電源が供給されており、省電力モード時に後述する図3に示すステップS21〜S23等の処理を実行する。すなわち、簡単に説明するならば、通信管理装置10から自装置宛に送られてきたパケット以外は、応答しない(無視する)。よって、ブロードキャスト等によるパケットを受信したときには、これを無視するので、クライアント本体は、省電力モードを維持できる。
【0023】
DHCPサーバ2については、既に上記従来技術で説明してあるので、ここでは特に説明しない。
ここで、通信管理装置10が、DHCPサーバを兼用する構成であってもよく、以下の説明では、通信管理装置10がDHCPサーバを兼用する構成を例にして説明する。もし、図1の構成である場合には、通信管理装置10は、必要に応じて、DHCPサーバ2が保持する情報(各クライアントとIPアドレスの対応関係情報等)を、DHCPサーバ2から取得することになる。
【0024】
通信管理装置10は、ネットワーク情報格納部11、仲介・代理応答部12、受信部13を備える。上記の通り、各クライアント20は、基本的にはネットワーク上を流れるパケットは殆ど全て無視する(通信管理装置からのパケットは除く)のであり、ネットワーク上を流れるパケットは、基本的には全て通信管理装置10が受け取って処理・対応する。つまり、通信管理装置10の受信部13は、自装置宛のパケットだけでなく、自装置宛以外のパケットも全て受け取る。そして、通信管理装置10は、受け取ったパケットを解析して、後述する仲介・代理応答処理を実行する(但し、ネットワーク情報格納部11に登録済みのクライアントに係わるものだけ)。
【0025】
ネットワーク情報格納部11は、例えば後述する図4に示すネットワーク情報を格納している。すなわち、DHCPサーバ2から取得したデータに基づいて、各クライアント20の機器名、MACアドレス、割り当てられたIPアドレス等を対応付けたテーブルを格納している。
【0026】
仲介・代理応答部12は、受信したパケットが、例えばARPによるパケットであった場合には、問い合わせ先のクライアント20の代わりに、MACアドレスを返信する。例えば、クライアント20Bが、クライアント20AのIPアドレスは知っているが、MACアドレスは知らなかったとする。この場合、クライアント20Bは、クライアント20AのMACアドレス取得の為のブロードキャスト(ARP)を行う。クライアント20Aは、サスペンドモード中、ブロードキャストには応答しないので、通信管理装置10が代理で応答する。すなわち、仲介・代理応答部12は、上記ネットワーク情報格納部11を参照することで、クライアント20AのMACアドレスを知ることができるので、これをクライアント20Bに返信する。
【0027】
また、仲介・代理応答部12は、通常の(ユニキャストの)通信の場合、以下に説明する処理を実行する。すなわち、まず、受信したパケットが3ウェイハンドシェークのSYNパケット(SYNフラグが立ったパケット)であった場合、このパケットの送信先(相手先)クライアントに復帰要求パケットを送信すると共に、送信元(要求元)クライアントに対して、相手先クライアントの代わりに、「SYN+ACK」パケット(SYNフラグ及びACKフラグが立ったパケット)を返信する。そして、相手先クライアントが復帰したら、上記SYNパケットを相手先クライアントに転送する。尚、相手先クライアントは、このSYNパケットを受信すると、既に通信管理装置10が「SYN+ACK」パケットは返信済みであると認識するように設定されている。よって、相手先クライアントは、「SYN+ACK」パケットを返信しない。その後、相手先クライアントは、3ウェイハンドシェークにおけるACKパケット(ACKフラグが立ったパケット)を受信する。
【0028】
このようにして要求元−相手先クライアント間で仮想伝送路を構築したら、その後は、要求元−相手先クライアント間で、通常のデータ送受信処理が行われることになる。
【0029】
このように、本システムでは、相手先クライアントが実際に復帰するまで待つことなく、通信管理装置10が、相手先クライアントの代理で「SYN+ACK」パケットを返信しておくことで、要求元クライアントに対する迅速なレスポンスが可能となる。
【0030】
また、何らかの理由で相手先クライアントの復帰処理に非常に時間が掛かる場合も有り得る。この場合、代理応答部13は、代理で、要求元のクライアントからのコマンド/データを受信して保持しておき、相手先クライアントが復帰したら、保持しておいたコマンド/データを転送する。
【0031】
以上のように、特に要求元のクライアントにとっては、相手先クライアントの復帰を待つことなく、迅速に通信準備処理を行えたり、あるいは通信処理自体を完了することができる。
【0032】
図2は、上記通常通信の場合における図1に示すシステム全体の処理手順を示すフローチャート図である。
尚、図2に示す処理は、仮に図1におけるクライアント20Bがクライアント20Aに対して通信要求する場合を例にして示す。また、クライアント20Aは、サスペンドモード中であるものとする。尚、クライアント20Bは、例えばユーザの操作により、サスペンドモードから通常モードに復帰しているものとする。
【0033】
図2において、クライアント20Bが、クライアント20A宛のSYNパケットを送信すると(ステップS1)、上記の通り、通信管理装置10以外の全コンピュータ(クライアント)は、通信管理装置10からのパケット以外は無視(破棄)するので、クライアント20Aも、このパケットを受信しても、復帰/応答しない。代わりに、通信管理装置10が、このSYNパケットを取得して(ステップS2)、パケット内容を解析する(ステップS3)。
【0034】
この解析により、クライアント20Bが、クライアント20A(以下、ターゲット装置と呼ぶ場合もある)に対して、3ウェイハンドシェークによるコネクション確立要求を出したことが分かるので、通信管理装置10は、クライアント20Aに対して、復帰要求を出すが(ステップS4)、更に、クライアント20Aの代わりに、クライアント20Bに対して「SYN+ACK」パケットを返信しておく。クライアント20Bは、通信管理装置10の存在を意識することなく、クライアント20Aから「SYN+ACK」パケット返信があったものとし、更に通信準備を進めることができる。
【0035】
クライアント20A側では、上記通信管理装置10からの復帰要求を受信すると、サスペンドモードから通常モードへ復帰する為の処理を実行し、復帰したら、通信管理装置10に対して復帰通知を送る。
【0036】
通信管理装置10は、クライアント20Aが復帰通知を返信してきたら(ステップS5)、クライアント20Aに対して、クライアント20BのIPアドレス、MACアドレスと共に、コネクション確立要求があった旨を通知する(上記SYNパケットをそのまま転送してもよい)。これを受けて、クライアント20Aは、上記の通り、クライアント20Bからコネクション確立要求があったが、既に通信管理装置10が代理で「SYN+ACK」パケットを返信しているものと認識し、自分は「SYN+ACK」パケットを送信することなく、クライアント20BからのACKパケットを待ち、これを受信する。
【0037】
以上のようにして、クライアント20Aとクライアント20Bとの間で仮想伝送路が構築されたら(ステップS6)、その後は、クライアント20A−20B間で通常のデータ送受信処理等を実行すればよい。尚、通信管理装置10−クライアント20A間、及び通信管理装置10−クライアント20B間で仮想伝送路を構築し、通信管理装置10がクライアント20A−20B間で送受信するデータを中継・転送する構成としてもよい(ステップS7)。
【0038】
そして、データ送受信処理が終了したら仮想伝送路を解除する(ステップS8)。クライアント20Aは、再び、サスペンドモード(省電力モード)へと遷移することになる(ステップS9)。尚、従来より、現実問題として、FINパケットを送ってデータ送受信処理が完了した後にも、仮想伝送路が解除されずに残ってしまう場合があり、この為、通信処理が終了しても電源ON状態のままとなる場合があったが、上記ステップS8の処理により仮想伝送路を解除するので、このような問題が生じることがなくなる。
【0039】
一方、何らかの理由でクライアント20Aが復帰するまでに時間が掛かる場合がある。このような場合、クライアント20Bは、上記通信管理装置10が返信した「SYN+ACK」パケットを受けて、ACKパケットを送信後、データ送信処理を行うので、通信管理装置10は、クライアント20Aの代わりに、クライアント20Bからのデータ受信処理を実行しておく。
【0040】
すなわち、通信管理装置10は、クライアント20Aが未だ復帰していない状態のまま(ステップS5,NO)、クライアント20Bからコマンド・データが送られてくると、これをクライアント20Aの代わりに受け取る(ステップS10)。
【0041】
そして、もし、クライアント20Aへのデータ書き込み要求であった場合には(ステップS11,YES)、クライアント20Bから送られてくるデータ(クライアント20Aに書き込むべきデータ)を受け取って、これを一時的に保持しておく(ステップS12)。全てのデータを受け取ったら、クライアント20Bに対して終了応答(FINパケット)を送信する(ステップS13)。
【0042】
これより、クライアント20B側では、特に通信管理装置10の存在を意識することなく、クライアント20Aとのデータ送受信処理が完了したものとして、例えばサスペンドモードに戻ることになる。
【0043】
その後、通信管理装置10は、クライアント20Aから復帰通知がきた場合には(ステップS14,YES)、通信管理装置10−クライアント20A間の仮想伝送路を構築して(ステップS15)、上記保存しておいたデータをクライアント20Aに転送して、このデータを書き込ませる。
【0044】
一方、もしクライアント20Bからの要求が、クライアント20Aからのデータ読み出し要求であった場合には(ステップS11,NO)、クライアント20Aが復帰するまで待つ。
【0045】
一方、UDP/IPの場合には、TCP/IPの場合とは異なり、コネクションレス型の通信であるので、クライアント20Bからは、コネクション確立要求が送られてくることなくデータが送られてくるので、通信管理装置10は、最初のデータパケットを受信したときにクライアント20Aに対して復帰要求を送り、クライアント20Bから順次送られてくるデータパケットをクライアント20Aの代わりに受け取って、これを一時的に保持しておく。そして、クライアント20Aから復帰通知が返信されてきたら、上記保持しておいたデータパケットをクライアント20Aに転送する。
【0046】
図3は、各クライアントの処理フローチャート図である。
上記の通り、各クライアント20に備えられるNICのドライバ部21には、そのクライアント20本体がサスペンドモード状態であっても、電力が供給されている。このドライバ部21は、サスペンドモード中、パケットを受信する毎に、このパケットの送信元IPアドレスが予め登録されている特定のIPアドレスであるか否かを判定する(ステップS21)。つまり、通信管理装置10からのパケットであるか否か(勿論、自装置宛のパケットであることが前提)を判定する。通信管理装置10以外からのパケットは(ステップS21,NO)、全て無視して、再びパケット待ち状態となる。よって、ブロードキャストや不特定要求パケットに対しても、電源ON状態に復帰することなく、サスペンドモードを維持できる。
【0047】
通信管理装置10からのパケットを受信した場合であって(ステップS21,YES)、これが自装置に対する復帰要求パケットである場合には(ステップS22,YES)、当該クライアント20本体のCPUや電源管理部等に対して割り込み信号を送り、通常の電源ON状態へと復帰させる(ステップS23)。
【0048】
以上が、ドライバ部21の処理である。
当該クライアント20本体は、上記ステップS23の割り込み信号に応じて、復帰の為の処理を実行し、通常の電源ON状態へと復帰したら、通信管理装置10に対して復帰通知を送信する(ステップS24)。
【0049】
その後は、上述してある通り、通信管理装置10から、SYNパケット等が転送されてくるので(ステップS21,YES;ステップS22,NO)、仮想伝送路(要求元のクライアントまたは通信管理装置10との仮想伝送路)を構築する(ステップS25)。
【0050】
その後は、通信相手のクライアント又は通信管理装置との間で、通常通りのデータ送受信処理等を実行して(ステップS26)、当該処理が完了したら、仮想伝送路を解除して(ステップS27)、再び省電力モードへと遷移する(ステップS28)。
【0051】
図4は、通信管理装置が保持・管理する上記ネットワーク情報の一例を示す図である。
図示のネットワーク情報30は、装置名31、MACアドレス32、IPアドレス33等より成る。
【0052】
装置名31は、各クライアントの装置名称であり、MACアドレス32はその(正確にはNIC等の)MACアドレスである。IPアドレス33は、DHCPサーバ2により各クライアントに動的に割り当てられたIPアドレスである。また、特に図示しないが、これら以外のネットワーク構成に関する情報(スパニング・ツリーの構成に係わる情報等)を有するようにしてもよい。
【0053】
尚、上述した実施の形態の構成は、一例であり、これに限るわけではない。例えば、本出願人が係わるネットワークシステム等に適用してもよい。よく知られているように、ポート番号には、予め公的に割り当てられているポート番号(例えば、ポート番号=20はFTP、ポート番号=23はTELNET等)があるが、当該ネットワークシステムでは、それ以外の(ユーザが使える)任意のポート番号を各装置毎に決めておき、各装置は決められたポートを開けておく。例えば、クライアント20Aはポート番号=1503、クライアント20Bはポート番号=1504、通信管理装置10は、ポート番号=1507を開けておく。また、各クライアント20は、通信相手先を探しに行くツールを備えている。このツールは、同一サブネット内のポートスキャンを実行する。例えば、クライアント20Aとの通信を行いたい場合には、“ポート番号=1503を空けている装置”が存在するか否かを、同一サブネット内の全装置に問い合わせる処理を実行するものである。この為、この問い合わせに応答する為に、全装置が、サスペンドモードから復帰してしまうことになる。この構成の場合、各クライアント20が、ポートスキャンに対して一切応答しないように設定しておき、通信管理装置10が仮想的なクライアント20A〜20Dを有して、対応するようにすればよい。
【0054】
また、例えば、ネットワークに、各クライアントの共有ファイル等を格納するNAS(Network Attached Storage;ネットワークに直接接続できるデータストレージ機器)が接続された構成においては、このNASに省電力機能を備えても、上記の通り共有ファイル等を有するので、各クライアントからのアクセスが多いうえに、上記各クライアントと同様にブロードキャスト等によって復帰してしまう為、休止できない時間が多くなることになる。この為、HDD等の有寿命部品の寿命が短くなってしまい、最悪の場合、保証期限を守れなくなる可能性があったが、本発明によれば、このような問題も解消できる。
【0055】
図5は、上記通信管理装置またはクライアント(コンピュータ)のハードウェア構成の一例を示す図である。
同図に示すコンピュータ40は、CPU41、メモリ42、入力装置43、出力装置44、外部記憶装置45、媒体駆動装置46、ネットワーク接続装置47等を有し、これらがバス48に接続された構成となっている。同図に示す構成は一例であり、これに限るものではない。
【0056】
CPU41は、当該コンピュータ40全体を制御する中央処理装置である。
メモリ42は、プログラム実行、データ更新等の際に、外部記憶装置45(あるいは可搬記録媒体49)に記憶されているプログラムあるいはデータを一時的に格納するRAM等のメモリである。CPU41は、メモリ42に読み出したプログラム/データを用いて、上述してある各種処理を実行する。
【0057】
入力装置43は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等である。
出力装置44は、例えばディスプレイ、プリンタ等である。
尚、入力装置43、出力装置44は、無くてもよい。
【0058】
外部記憶装置45は、例えばハードディスク装置等であり、上記各種機能を実現させる為のプログラム/データ等(例えば図2に示す処理をコンピュータ40に実行させるプログラム/データ等)が格納されている。また、当該プログラム/データ等は、可搬記録媒体49に記憶されており、媒体駆動装置46が、可搬記録媒体49に記憶されているプログラム/データ等を読み出して、例えば図2に示す処理をコンピュータ40に実行させるようにしてもよい。可搬記録媒体49は、例えば、FD(フレキシブルディスク)、CD−ROM、その他、DVD、光磁気ディスク等である。
【0059】
ネットワーク接続装置47は、ネットワーク(インターネット等)に接続して、外部の情報処理装置とプログラム/データ等の送受信を可能にする構成である。
【0060】
図6は、上記プログラムを記録した記録媒体又はプログラムのダウンロードの一例を示す図である。
図示のように、上記本発明の機能を実現するプログラム/データが記憶されている可搬記録媒体49を情報処理装置40の本体に挿入する等して、当該プログラム/データを読み出してメモリ42に格納し実行するものであってもよいし、また、上記プログラム/データは、ネットワーク接続装置47により接続しているネットワーク50(インターネット等)を介して、外部のプログラム/データ提供者側のサーバ60に記憶されているプログラム/データ61をダウンロードするものであってもよい。
【0061】
また、本発明は、装置/方法に限らず、上記プログラム/データを格納した記録媒体(可搬記録媒体49等)自体として構成することもできるし、これらプログラム自体として構成することもできる。
【0062】
(付記1) 省電力機能を備える情報処理装置がネットワークに接続されたシステムにおける通信管理装置であって、
前記ネットワーク上を流れるパケットを受け取る受信手段と、
該受信手段により受け取ったパケットを解析し、該パケットが任意の情報処理装置への接続要求パケットである場合、相手先の情報処理装置に対して復帰要求を送ると共に、要求元の情報処理装置との通信準備処理を代理で実行する仲介・代理応答手段と、
を有することを特徴とする通信管理装置。
【0063】
(付記2) 前記仲介・代理応答手段は、前記相手先の情報処理装置へのデータ書き込み要求であった場合、該データを代理で受信しておき、前記相手先の情報処理装置が復帰したら該データを転送することを特徴とする付記1記載の通信管理装置。
【0064】
(付記3) 各情報処理装置のネットワーク情報を格納するネットワーク情報格納手段を更に有し、
前記仲介・代理応答手段は、ARPによるパケットを受信した場合、該ネットワーク情報を参照して、問合せ先の情報処理装置の代わりに該情報処理装置のMACアドレスを返答することを特徴とする付記1または2記載の通信管理装置。
【0065】
(付記4) ネットワークに接続され、省電力機能を備える情報処理装置において、
省電力モード中に電源が供給されており、前記ネットワークからパケットを受信した場合、該パケットの送信元が予め決められている特定の装置であるか否かを判定し、特定の装置である場合であって復帰要求である場合には当該情報処理装置を省電力モードから復帰させるドライバ手段、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【0066】
(付記5) ネットワークに接続するコンピュータに、
前記ネットワーク上を流れるパケットを受け取る機能と、
該パケットを解析し、該パケットが任意の情報処理装置への接続要求パケットである場合、相手先の情報処理装置に対して復帰要求を送ると共に、要求元の情報処理装置との通信準備処理を代理で実行する機能と、
を実現させる為のプログラム。
【0067】
(付記6) 前記復帰要求によって前記相手先の情報処理装置が復帰するまで時間が掛かる場合、要求元の情報処理装置との通信処理を代理で実行するものであって、前記相手先の情報処理装置へのデータ書き込み要求であった場合、該データを代理で受信しておき、前記相手先の情報処理装置が復帰したら該データを転送する機能を更に有することを特徴とする付記5載のプログラム。
【0068】
(付記7) ネットワークに接続され、省電力機能を備えるコンピュータに、
省電力モード中に電源が供給されており、前記ネットワークからパケットを受信した場合、該パケットの送信元が予め決められている特定の装置であるか否かを判定し、特定の装置である場合であって復帰要求である場合には当該コンピュータ本体を省電力モードから復帰させる機能を実現させる為のプログラム。
【0069】
(付記8) ネットワークに接続するコンピュータに、
前記ネットワーク上を流れるパケットを受け取る機能と、
該パケットを解析し、該パケットが任意の情報処理装置への接続要求パケットである場合、相手先の情報処理装置に対して復帰要求を送ると共に、要求元の情報処理装置との通信準備処理を代理で実行する機能と、
を実現させるプログラムを記録した前記コンピュータ読取り可能な記録媒体。
【0070】
(付記9) ネットワークに接続され、省電力機能を備えるコンピュータに、
省電力モード中に電源が供給されており、前記ネットワークからパケットを受信した場合、該パケットの送信元が予め決められている特定の装置であるか否かを判定し、特定の装置である場合であって復帰要求である場合には当該コンピュータ本体を省電力モードから復帰させる機能を実現させるプログラムを記録した前記コンピュータ読取り可能な記録媒体。
【0071】
(付記10) 省電力機能を備える各情報処理装置と通信管理装置がネットワークに接続したシステムにおける省電力管理方法であって、
前記通信管理装置は、ネットワーク上を流れるパケットを受け取って、該パケットを解析し、該パケットが任意の情報処理装置への接続要求パケットである場合、相手先の情報処理装置に対して復帰要求を送ると共に、要求元の情報処理装置との通信準備処理を代理で実行し、
前記相手先の情報処理装置は、前記通信管理装置からの前記復帰要求を受信すると、省電力モードから通常モードへと復帰して、前記要求元の情報処理装置との通信処理を実行することを特徴とする省電力管理方法。
【0072】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の通信管理装置、クライアントによれば、ネットワークに接続されたコンピュータの省電力機能を有効に発揮させて十分な節電効果が得られるようにすると共に迅速な応答を可能にすることができる。 また、例えばHDD等の有寿命部品を使用している装置において、必要時以外は動作を休止できるので、有寿命部品の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ネットワークシステムの全体構成図である。
【図2】通常通信の場合におけるシステム全体の処理手順を示すフローチャート図である。
【図3】各クライアントの処理フローチャート図である。
【図4】通信管理装置が保持・管理する上記ネットワーク情報の一例を示す図である。
【図5】コンピュータのハードウェア構成図である。
【図6】プログラムを記録した記録媒体又はプログラムのダウンロードの一例を示す図である。
【図7】DHCPサーバによりIPアドレスが割り当てられるネットワークシステムを示す図である。
【符号の説明】
1 ネットワーク
2 DHCPサーバ
10 通信管理装置
11 ネットワーク情報格納部
12 仲介・代理応答部
20(20A〜20D) クライアント
21 ドライバ部
30 ネットワーク情報
31 装置名
32 MACアドレス
33 IPアドレス
40 コンピュータ
41 CPU
42 メモリ
43 入力装置
44 出力装置
45 外部記憶装置
46 媒体駆動装置
47 ネットワーク接続装置
48 バス
49 可搬記録媒体
50 ネットワーク
60 サーバ
61 プログラム/データ
【発明の属する技術分野】
本発明は、省電力機能を備える情報処理装置がネットワークに接続されたシステムに関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
近年、パーソナルコンピュータ等において、サスペンドモード等と呼ばれる省電力の為のパワーセーブ機能(省電力機能)が設けられている場合がある。この省電力機能は、通常、ユーザによる操作開始に応じて省電力モードから通常モードへと復帰し、ユーザによる操作が終了したら、再び省電力モードへと移行する。つまり、ユーザが操作していないときは、省電力モードとなって、節電を行っている。
【0003】
しかしながら、このようなパーソナルコンピュータを、LAN等のネットワークに接続して使用する場合に、以下に述べる問題が発生していた。
すなわち、特にブロードキャストを受信した場合に、自装置は関係ない場合でも、これに応答する為に、逐一サスペンドモードから復帰する為、サスペンドモードを備えていても、省電力という目的が十分に果たせなくなるという問題があった。
【0004】
ブロードキャストは、例えば、IPアドレスからMACアドレスを求める為のARP(Address Resolution Protocol)、Windows(R)のマスタ・ブラウザの検出、DHCPサーバからのIPアドレス取得の為など、いたるところで利用されている。
【0005】
以下、DHCPサーバからのIPアドレス取得の為のブロードキャストについて、図7を参照して説明する。尚、IPアドレスの設定方法には、各機器毎に所謂“静的”に設定する方法もあるが、この方法はネットワークの変更等に弱いので、DHCPサーバを導入して動的にIPアドレスを割り振る構成とする場合も多い。
【0006】
図7に示すネットワークシステムは、DHCP(Dynamic Host ConfigurationProtocol;動的ホスト構成プロトコル)により、各クライアントに対してIPアドレスを動的に割り当てる(正確にはリースといい、リース期間内に限り有効となる)構成において、既に、クライアント70A〜クライアント70CがLAN等のネットワーク71に接続しており、IPアドレスを割り当てられているものとする。この状態で、新たにクライアント70Dを追加する場合、クライアント70Dをネットワーク71に接続した後、DHCPサーバ72にIPアドレスを割り当ててもらう必要があるが、未だIPアドレスが設定されていない為、まず、ブロードキャストのような特別なコマンドを発行して、ネットワーク71上の全ての装置に問い合わせる必要がある。
【0007】
このブロードキャスト(一般に、DHCP DISCOVERと呼ばれている)に対して、DHCPサーバ72が、IPアドレス群(アドレス・プール)から1つ選択して返信することで、クライアント70Dは自己のIPアドレスを取得することになるが、他のクライアント70A〜クライアント70Cも、このブロードキャストを受信して応答する為に、サスペンドモードから復帰しなければならなかった。(最近は、社内等でノート・パソコンを気軽に持ち運びできるが、もしサブネットを越えて移動してしまうと、移動先のサブネットのDHCPサーバから、新たにIPアドレスを取得する必要がある)。
【0008】
また、たとえ、IPアドレスが設定されているクライアントと通信する場合でも、上記の通り、IPアドレスは一時的にリースされるものであり、各クライアント毎に1対1で固定なものではない為(IPv4の場合)、相手先のIPアドレスが分かっていたとしても、どのクライアントであるのかをネットワーク内にある各クライアントに対して問い合わせる必要があり(ARP)、仮想伝送路を構築するまでは、関係がないクライアントも応答する必要がある為、サスペンドモードから復帰しなければならなかった。
【0009】
このような問題に対して、例えば、特許文献1に記載の発明が提案されている。この発明は、サスペンドモード機能を備える各コンピュータに設けられたNICにおいて、受信したパケットが自装置宛のパケットであるか否かを判定し、自装置宛のパケットである場合には、割り込み発生して、コンピュータ(自装置)をスタンバイ状態から通常電源ON状態へと移行させる手法を提案するものである。
【0010】
また、例えば、特許文献2に記載の発明では、ネットワーク代理応答サーバが、スリープ状態にある各クライアントの代わりにネットワーク上を流れるメッセージを受信して、このメッセージが特定のメッセージ(代理応答対象メッセージ)である場合には、代理応答メッセージを返信する手法が提案されている。また、このメッセージが代理応答対象メッセージではない場合には、対象となるクライアントにウェイクアップを指示して非スリープ状態に遷移させる。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−110089号公報
【特許文献2】
特開2000−165419号公報
上記何れの公知手法においても、ネットワークに接続されたコンピュータ(クライアント)の省電力機能を有効に発揮させて、消費電力を低減させることができる。
【0012】
しかしながら、スタンバイ状態から通常電源ON状態に移行するまでに時間が掛かり、レスポンスが遅れる場合がある。最悪の場合、パケットの送信元は、相手先がネットワーク上に存在しないものと認識してしまう可能性があった。
【0013】
本発明の課題は、ネットワークに接続されたコンピュータの省電力機能を有効に発揮させて十分な節電効果が得られるようにすると共に迅速な応答を可能にする通信管理装置、クライアント、プログラム等を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による通信管理装置は、省電力機能を備える情報処理装置がネットワークに接続されたシステムにおける通信管理装置であって、前記ネットワーク上を流れるパケットを受け取る受信手段と、該受信手段により受け取ったパケットを解析し、該パケットが任意の情報処理装置への接続要求パケットである場合、相手先の情報処理装置に対して復帰要求を送ると共に、要求元の情報処理装置との通信準備処理を代理で実行する仲介・代理応答手段とを有するように構成する。
【0015】
また、上記省電力機能を備える各情報処理装置は、省電力モード中に電源が供給されており、前記ネットワークからパケットを受信した場合、該パケットの送信元が予め決められている特定の装置であるか否かを判定し、特定の装置である場合であって復帰要求である場合には当該情報処理装置を省電力モードから復帰させるドライバ手段を有するように構成する。
【0016】
上記構成によれば、各情報処理装置は、省電力モード中は、特定の装置(通信管理装置)からのパケット以外は無視するので、例えばブロードキャストに対しては一切応答しないので、不必要な復帰は行わずに済み、省電力機能を有効に発揮させて十分な節電効果が得られるようになり、また有寿命部品の寿命を延ばすことができる。
【0017】
更に、ある情報処理装置が他の任意の情報処理装置と通信を行いたい場合、通信管理装置が、相手先の情報処理装置に対して復帰要求を送る一方で、要求元の情報処理装置との通信準備処理を代理で実行しておくので、迅速な応答が可能となる。
【0018】
また、例えば、前記仲介・代理応答手段は、前記相手先の情報処理装置へのデータ書き込み要求であった場合、該データを代理で受信しておき、前記相手先の情報処理装置が復帰したら該データを転送する。
【0019】
上記構成によれば、たとえ復帰処理に時間が掛かっても、要求元の情報処理装置にとっては、待たされることなく、迅速に通信処理が完了することになる。
なお、上述した本発明の各構成により行なわれる機能と同様の制御をコンピュータに行なわせるプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から、そのプログラムをコンピュータに読み出させて実行させることによっても、前述した課題を解決することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態によるネットワークシステム全体の構成図である。
【0021】
同図において、ネットワーク1には、通信管理装置10、複数のコンピュータ(クライアント20A〜クライアント20D)、及びDHCPサーバ2が接続している。ネットワーク1は、例えばイーサネット(R)等のLANであり、また通信プロトコルとしてはTCP/IP、UDP/IP等が用いられる。以下、主に、TCP/IPを用いる場合を例にして説明する。
【0022】
クライアント20A〜クライアント20Dは、パーソナルコンピュータ等であってもよいし、他の何らかの情報処理装置であってもよいが、何れにしても、省電力機能を備えており、且つ、ドライバ部21部を備えている。ドライバ部21は、例えばNIC(ネットワーク・インタフェース・カード)等に備えられるネットワーク・ドライバである。少なくとも、ドライバ部21には、省電力モード中でも電源が供給されており、省電力モード時に後述する図3に示すステップS21〜S23等の処理を実行する。すなわち、簡単に説明するならば、通信管理装置10から自装置宛に送られてきたパケット以外は、応答しない(無視する)。よって、ブロードキャスト等によるパケットを受信したときには、これを無視するので、クライアント本体は、省電力モードを維持できる。
【0023】
DHCPサーバ2については、既に上記従来技術で説明してあるので、ここでは特に説明しない。
ここで、通信管理装置10が、DHCPサーバを兼用する構成であってもよく、以下の説明では、通信管理装置10がDHCPサーバを兼用する構成を例にして説明する。もし、図1の構成である場合には、通信管理装置10は、必要に応じて、DHCPサーバ2が保持する情報(各クライアントとIPアドレスの対応関係情報等)を、DHCPサーバ2から取得することになる。
【0024】
通信管理装置10は、ネットワーク情報格納部11、仲介・代理応答部12、受信部13を備える。上記の通り、各クライアント20は、基本的にはネットワーク上を流れるパケットは殆ど全て無視する(通信管理装置からのパケットは除く)のであり、ネットワーク上を流れるパケットは、基本的には全て通信管理装置10が受け取って処理・対応する。つまり、通信管理装置10の受信部13は、自装置宛のパケットだけでなく、自装置宛以外のパケットも全て受け取る。そして、通信管理装置10は、受け取ったパケットを解析して、後述する仲介・代理応答処理を実行する(但し、ネットワーク情報格納部11に登録済みのクライアントに係わるものだけ)。
【0025】
ネットワーク情報格納部11は、例えば後述する図4に示すネットワーク情報を格納している。すなわち、DHCPサーバ2から取得したデータに基づいて、各クライアント20の機器名、MACアドレス、割り当てられたIPアドレス等を対応付けたテーブルを格納している。
【0026】
仲介・代理応答部12は、受信したパケットが、例えばARPによるパケットであった場合には、問い合わせ先のクライアント20の代わりに、MACアドレスを返信する。例えば、クライアント20Bが、クライアント20AのIPアドレスは知っているが、MACアドレスは知らなかったとする。この場合、クライアント20Bは、クライアント20AのMACアドレス取得の為のブロードキャスト(ARP)を行う。クライアント20Aは、サスペンドモード中、ブロードキャストには応答しないので、通信管理装置10が代理で応答する。すなわち、仲介・代理応答部12は、上記ネットワーク情報格納部11を参照することで、クライアント20AのMACアドレスを知ることができるので、これをクライアント20Bに返信する。
【0027】
また、仲介・代理応答部12は、通常の(ユニキャストの)通信の場合、以下に説明する処理を実行する。すなわち、まず、受信したパケットが3ウェイハンドシェークのSYNパケット(SYNフラグが立ったパケット)であった場合、このパケットの送信先(相手先)クライアントに復帰要求パケットを送信すると共に、送信元(要求元)クライアントに対して、相手先クライアントの代わりに、「SYN+ACK」パケット(SYNフラグ及びACKフラグが立ったパケット)を返信する。そして、相手先クライアントが復帰したら、上記SYNパケットを相手先クライアントに転送する。尚、相手先クライアントは、このSYNパケットを受信すると、既に通信管理装置10が「SYN+ACK」パケットは返信済みであると認識するように設定されている。よって、相手先クライアントは、「SYN+ACK」パケットを返信しない。その後、相手先クライアントは、3ウェイハンドシェークにおけるACKパケット(ACKフラグが立ったパケット)を受信する。
【0028】
このようにして要求元−相手先クライアント間で仮想伝送路を構築したら、その後は、要求元−相手先クライアント間で、通常のデータ送受信処理が行われることになる。
【0029】
このように、本システムでは、相手先クライアントが実際に復帰するまで待つことなく、通信管理装置10が、相手先クライアントの代理で「SYN+ACK」パケットを返信しておくことで、要求元クライアントに対する迅速なレスポンスが可能となる。
【0030】
また、何らかの理由で相手先クライアントの復帰処理に非常に時間が掛かる場合も有り得る。この場合、代理応答部13は、代理で、要求元のクライアントからのコマンド/データを受信して保持しておき、相手先クライアントが復帰したら、保持しておいたコマンド/データを転送する。
【0031】
以上のように、特に要求元のクライアントにとっては、相手先クライアントの復帰を待つことなく、迅速に通信準備処理を行えたり、あるいは通信処理自体を完了することができる。
【0032】
図2は、上記通常通信の場合における図1に示すシステム全体の処理手順を示すフローチャート図である。
尚、図2に示す処理は、仮に図1におけるクライアント20Bがクライアント20Aに対して通信要求する場合を例にして示す。また、クライアント20Aは、サスペンドモード中であるものとする。尚、クライアント20Bは、例えばユーザの操作により、サスペンドモードから通常モードに復帰しているものとする。
【0033】
図2において、クライアント20Bが、クライアント20A宛のSYNパケットを送信すると(ステップS1)、上記の通り、通信管理装置10以外の全コンピュータ(クライアント)は、通信管理装置10からのパケット以外は無視(破棄)するので、クライアント20Aも、このパケットを受信しても、復帰/応答しない。代わりに、通信管理装置10が、このSYNパケットを取得して(ステップS2)、パケット内容を解析する(ステップS3)。
【0034】
この解析により、クライアント20Bが、クライアント20A(以下、ターゲット装置と呼ぶ場合もある)に対して、3ウェイハンドシェークによるコネクション確立要求を出したことが分かるので、通信管理装置10は、クライアント20Aに対して、復帰要求を出すが(ステップS4)、更に、クライアント20Aの代わりに、クライアント20Bに対して「SYN+ACK」パケットを返信しておく。クライアント20Bは、通信管理装置10の存在を意識することなく、クライアント20Aから「SYN+ACK」パケット返信があったものとし、更に通信準備を進めることができる。
【0035】
クライアント20A側では、上記通信管理装置10からの復帰要求を受信すると、サスペンドモードから通常モードへ復帰する為の処理を実行し、復帰したら、通信管理装置10に対して復帰通知を送る。
【0036】
通信管理装置10は、クライアント20Aが復帰通知を返信してきたら(ステップS5)、クライアント20Aに対して、クライアント20BのIPアドレス、MACアドレスと共に、コネクション確立要求があった旨を通知する(上記SYNパケットをそのまま転送してもよい)。これを受けて、クライアント20Aは、上記の通り、クライアント20Bからコネクション確立要求があったが、既に通信管理装置10が代理で「SYN+ACK」パケットを返信しているものと認識し、自分は「SYN+ACK」パケットを送信することなく、クライアント20BからのACKパケットを待ち、これを受信する。
【0037】
以上のようにして、クライアント20Aとクライアント20Bとの間で仮想伝送路が構築されたら(ステップS6)、その後は、クライアント20A−20B間で通常のデータ送受信処理等を実行すればよい。尚、通信管理装置10−クライアント20A間、及び通信管理装置10−クライアント20B間で仮想伝送路を構築し、通信管理装置10がクライアント20A−20B間で送受信するデータを中継・転送する構成としてもよい(ステップS7)。
【0038】
そして、データ送受信処理が終了したら仮想伝送路を解除する(ステップS8)。クライアント20Aは、再び、サスペンドモード(省電力モード)へと遷移することになる(ステップS9)。尚、従来より、現実問題として、FINパケットを送ってデータ送受信処理が完了した後にも、仮想伝送路が解除されずに残ってしまう場合があり、この為、通信処理が終了しても電源ON状態のままとなる場合があったが、上記ステップS8の処理により仮想伝送路を解除するので、このような問題が生じることがなくなる。
【0039】
一方、何らかの理由でクライアント20Aが復帰するまでに時間が掛かる場合がある。このような場合、クライアント20Bは、上記通信管理装置10が返信した「SYN+ACK」パケットを受けて、ACKパケットを送信後、データ送信処理を行うので、通信管理装置10は、クライアント20Aの代わりに、クライアント20Bからのデータ受信処理を実行しておく。
【0040】
すなわち、通信管理装置10は、クライアント20Aが未だ復帰していない状態のまま(ステップS5,NO)、クライアント20Bからコマンド・データが送られてくると、これをクライアント20Aの代わりに受け取る(ステップS10)。
【0041】
そして、もし、クライアント20Aへのデータ書き込み要求であった場合には(ステップS11,YES)、クライアント20Bから送られてくるデータ(クライアント20Aに書き込むべきデータ)を受け取って、これを一時的に保持しておく(ステップS12)。全てのデータを受け取ったら、クライアント20Bに対して終了応答(FINパケット)を送信する(ステップS13)。
【0042】
これより、クライアント20B側では、特に通信管理装置10の存在を意識することなく、クライアント20Aとのデータ送受信処理が完了したものとして、例えばサスペンドモードに戻ることになる。
【0043】
その後、通信管理装置10は、クライアント20Aから復帰通知がきた場合には(ステップS14,YES)、通信管理装置10−クライアント20A間の仮想伝送路を構築して(ステップS15)、上記保存しておいたデータをクライアント20Aに転送して、このデータを書き込ませる。
【0044】
一方、もしクライアント20Bからの要求が、クライアント20Aからのデータ読み出し要求であった場合には(ステップS11,NO)、クライアント20Aが復帰するまで待つ。
【0045】
一方、UDP/IPの場合には、TCP/IPの場合とは異なり、コネクションレス型の通信であるので、クライアント20Bからは、コネクション確立要求が送られてくることなくデータが送られてくるので、通信管理装置10は、最初のデータパケットを受信したときにクライアント20Aに対して復帰要求を送り、クライアント20Bから順次送られてくるデータパケットをクライアント20Aの代わりに受け取って、これを一時的に保持しておく。そして、クライアント20Aから復帰通知が返信されてきたら、上記保持しておいたデータパケットをクライアント20Aに転送する。
【0046】
図3は、各クライアントの処理フローチャート図である。
上記の通り、各クライアント20に備えられるNICのドライバ部21には、そのクライアント20本体がサスペンドモード状態であっても、電力が供給されている。このドライバ部21は、サスペンドモード中、パケットを受信する毎に、このパケットの送信元IPアドレスが予め登録されている特定のIPアドレスであるか否かを判定する(ステップS21)。つまり、通信管理装置10からのパケットであるか否か(勿論、自装置宛のパケットであることが前提)を判定する。通信管理装置10以外からのパケットは(ステップS21,NO)、全て無視して、再びパケット待ち状態となる。よって、ブロードキャストや不特定要求パケットに対しても、電源ON状態に復帰することなく、サスペンドモードを維持できる。
【0047】
通信管理装置10からのパケットを受信した場合であって(ステップS21,YES)、これが自装置に対する復帰要求パケットである場合には(ステップS22,YES)、当該クライアント20本体のCPUや電源管理部等に対して割り込み信号を送り、通常の電源ON状態へと復帰させる(ステップS23)。
【0048】
以上が、ドライバ部21の処理である。
当該クライアント20本体は、上記ステップS23の割り込み信号に応じて、復帰の為の処理を実行し、通常の電源ON状態へと復帰したら、通信管理装置10に対して復帰通知を送信する(ステップS24)。
【0049】
その後は、上述してある通り、通信管理装置10から、SYNパケット等が転送されてくるので(ステップS21,YES;ステップS22,NO)、仮想伝送路(要求元のクライアントまたは通信管理装置10との仮想伝送路)を構築する(ステップS25)。
【0050】
その後は、通信相手のクライアント又は通信管理装置との間で、通常通りのデータ送受信処理等を実行して(ステップS26)、当該処理が完了したら、仮想伝送路を解除して(ステップS27)、再び省電力モードへと遷移する(ステップS28)。
【0051】
図4は、通信管理装置が保持・管理する上記ネットワーク情報の一例を示す図である。
図示のネットワーク情報30は、装置名31、MACアドレス32、IPアドレス33等より成る。
【0052】
装置名31は、各クライアントの装置名称であり、MACアドレス32はその(正確にはNIC等の)MACアドレスである。IPアドレス33は、DHCPサーバ2により各クライアントに動的に割り当てられたIPアドレスである。また、特に図示しないが、これら以外のネットワーク構成に関する情報(スパニング・ツリーの構成に係わる情報等)を有するようにしてもよい。
【0053】
尚、上述した実施の形態の構成は、一例であり、これに限るわけではない。例えば、本出願人が係わるネットワークシステム等に適用してもよい。よく知られているように、ポート番号には、予め公的に割り当てられているポート番号(例えば、ポート番号=20はFTP、ポート番号=23はTELNET等)があるが、当該ネットワークシステムでは、それ以外の(ユーザが使える)任意のポート番号を各装置毎に決めておき、各装置は決められたポートを開けておく。例えば、クライアント20Aはポート番号=1503、クライアント20Bはポート番号=1504、通信管理装置10は、ポート番号=1507を開けておく。また、各クライアント20は、通信相手先を探しに行くツールを備えている。このツールは、同一サブネット内のポートスキャンを実行する。例えば、クライアント20Aとの通信を行いたい場合には、“ポート番号=1503を空けている装置”が存在するか否かを、同一サブネット内の全装置に問い合わせる処理を実行するものである。この為、この問い合わせに応答する為に、全装置が、サスペンドモードから復帰してしまうことになる。この構成の場合、各クライアント20が、ポートスキャンに対して一切応答しないように設定しておき、通信管理装置10が仮想的なクライアント20A〜20Dを有して、対応するようにすればよい。
【0054】
また、例えば、ネットワークに、各クライアントの共有ファイル等を格納するNAS(Network Attached Storage;ネットワークに直接接続できるデータストレージ機器)が接続された構成においては、このNASに省電力機能を備えても、上記の通り共有ファイル等を有するので、各クライアントからのアクセスが多いうえに、上記各クライアントと同様にブロードキャスト等によって復帰してしまう為、休止できない時間が多くなることになる。この為、HDD等の有寿命部品の寿命が短くなってしまい、最悪の場合、保証期限を守れなくなる可能性があったが、本発明によれば、このような問題も解消できる。
【0055】
図5は、上記通信管理装置またはクライアント(コンピュータ)のハードウェア構成の一例を示す図である。
同図に示すコンピュータ40は、CPU41、メモリ42、入力装置43、出力装置44、外部記憶装置45、媒体駆動装置46、ネットワーク接続装置47等を有し、これらがバス48に接続された構成となっている。同図に示す構成は一例であり、これに限るものではない。
【0056】
CPU41は、当該コンピュータ40全体を制御する中央処理装置である。
メモリ42は、プログラム実行、データ更新等の際に、外部記憶装置45(あるいは可搬記録媒体49)に記憶されているプログラムあるいはデータを一時的に格納するRAM等のメモリである。CPU41は、メモリ42に読み出したプログラム/データを用いて、上述してある各種処理を実行する。
【0057】
入力装置43は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等である。
出力装置44は、例えばディスプレイ、プリンタ等である。
尚、入力装置43、出力装置44は、無くてもよい。
【0058】
外部記憶装置45は、例えばハードディスク装置等であり、上記各種機能を実現させる為のプログラム/データ等(例えば図2に示す処理をコンピュータ40に実行させるプログラム/データ等)が格納されている。また、当該プログラム/データ等は、可搬記録媒体49に記憶されており、媒体駆動装置46が、可搬記録媒体49に記憶されているプログラム/データ等を読み出して、例えば図2に示す処理をコンピュータ40に実行させるようにしてもよい。可搬記録媒体49は、例えば、FD(フレキシブルディスク)、CD−ROM、その他、DVD、光磁気ディスク等である。
【0059】
ネットワーク接続装置47は、ネットワーク(インターネット等)に接続して、外部の情報処理装置とプログラム/データ等の送受信を可能にする構成である。
【0060】
図6は、上記プログラムを記録した記録媒体又はプログラムのダウンロードの一例を示す図である。
図示のように、上記本発明の機能を実現するプログラム/データが記憶されている可搬記録媒体49を情報処理装置40の本体に挿入する等して、当該プログラム/データを読み出してメモリ42に格納し実行するものであってもよいし、また、上記プログラム/データは、ネットワーク接続装置47により接続しているネットワーク50(インターネット等)を介して、外部のプログラム/データ提供者側のサーバ60に記憶されているプログラム/データ61をダウンロードするものであってもよい。
【0061】
また、本発明は、装置/方法に限らず、上記プログラム/データを格納した記録媒体(可搬記録媒体49等)自体として構成することもできるし、これらプログラム自体として構成することもできる。
【0062】
(付記1) 省電力機能を備える情報処理装置がネットワークに接続されたシステムにおける通信管理装置であって、
前記ネットワーク上を流れるパケットを受け取る受信手段と、
該受信手段により受け取ったパケットを解析し、該パケットが任意の情報処理装置への接続要求パケットである場合、相手先の情報処理装置に対して復帰要求を送ると共に、要求元の情報処理装置との通信準備処理を代理で実行する仲介・代理応答手段と、
を有することを特徴とする通信管理装置。
【0063】
(付記2) 前記仲介・代理応答手段は、前記相手先の情報処理装置へのデータ書き込み要求であった場合、該データを代理で受信しておき、前記相手先の情報処理装置が復帰したら該データを転送することを特徴とする付記1記載の通信管理装置。
【0064】
(付記3) 各情報処理装置のネットワーク情報を格納するネットワーク情報格納手段を更に有し、
前記仲介・代理応答手段は、ARPによるパケットを受信した場合、該ネットワーク情報を参照して、問合せ先の情報処理装置の代わりに該情報処理装置のMACアドレスを返答することを特徴とする付記1または2記載の通信管理装置。
【0065】
(付記4) ネットワークに接続され、省電力機能を備える情報処理装置において、
省電力モード中に電源が供給されており、前記ネットワークからパケットを受信した場合、該パケットの送信元が予め決められている特定の装置であるか否かを判定し、特定の装置である場合であって復帰要求である場合には当該情報処理装置を省電力モードから復帰させるドライバ手段、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【0066】
(付記5) ネットワークに接続するコンピュータに、
前記ネットワーク上を流れるパケットを受け取る機能と、
該パケットを解析し、該パケットが任意の情報処理装置への接続要求パケットである場合、相手先の情報処理装置に対して復帰要求を送ると共に、要求元の情報処理装置との通信準備処理を代理で実行する機能と、
を実現させる為のプログラム。
【0067】
(付記6) 前記復帰要求によって前記相手先の情報処理装置が復帰するまで時間が掛かる場合、要求元の情報処理装置との通信処理を代理で実行するものであって、前記相手先の情報処理装置へのデータ書き込み要求であった場合、該データを代理で受信しておき、前記相手先の情報処理装置が復帰したら該データを転送する機能を更に有することを特徴とする付記5載のプログラム。
【0068】
(付記7) ネットワークに接続され、省電力機能を備えるコンピュータに、
省電力モード中に電源が供給されており、前記ネットワークからパケットを受信した場合、該パケットの送信元が予め決められている特定の装置であるか否かを判定し、特定の装置である場合であって復帰要求である場合には当該コンピュータ本体を省電力モードから復帰させる機能を実現させる為のプログラム。
【0069】
(付記8) ネットワークに接続するコンピュータに、
前記ネットワーク上を流れるパケットを受け取る機能と、
該パケットを解析し、該パケットが任意の情報処理装置への接続要求パケットである場合、相手先の情報処理装置に対して復帰要求を送ると共に、要求元の情報処理装置との通信準備処理を代理で実行する機能と、
を実現させるプログラムを記録した前記コンピュータ読取り可能な記録媒体。
【0070】
(付記9) ネットワークに接続され、省電力機能を備えるコンピュータに、
省電力モード中に電源が供給されており、前記ネットワークからパケットを受信した場合、該パケットの送信元が予め決められている特定の装置であるか否かを判定し、特定の装置である場合であって復帰要求である場合には当該コンピュータ本体を省電力モードから復帰させる機能を実現させるプログラムを記録した前記コンピュータ読取り可能な記録媒体。
【0071】
(付記10) 省電力機能を備える各情報処理装置と通信管理装置がネットワークに接続したシステムにおける省電力管理方法であって、
前記通信管理装置は、ネットワーク上を流れるパケットを受け取って、該パケットを解析し、該パケットが任意の情報処理装置への接続要求パケットである場合、相手先の情報処理装置に対して復帰要求を送ると共に、要求元の情報処理装置との通信準備処理を代理で実行し、
前記相手先の情報処理装置は、前記通信管理装置からの前記復帰要求を受信すると、省電力モードから通常モードへと復帰して、前記要求元の情報処理装置との通信処理を実行することを特徴とする省電力管理方法。
【0072】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の通信管理装置、クライアントによれば、ネットワークに接続されたコンピュータの省電力機能を有効に発揮させて十分な節電効果が得られるようにすると共に迅速な応答を可能にすることができる。 また、例えばHDD等の有寿命部品を使用している装置において、必要時以外は動作を休止できるので、有寿命部品の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ネットワークシステムの全体構成図である。
【図2】通常通信の場合におけるシステム全体の処理手順を示すフローチャート図である。
【図3】各クライアントの処理フローチャート図である。
【図4】通信管理装置が保持・管理する上記ネットワーク情報の一例を示す図である。
【図5】コンピュータのハードウェア構成図である。
【図6】プログラムを記録した記録媒体又はプログラムのダウンロードの一例を示す図である。
【図7】DHCPサーバによりIPアドレスが割り当てられるネットワークシステムを示す図である。
【符号の説明】
1 ネットワーク
2 DHCPサーバ
10 通信管理装置
11 ネットワーク情報格納部
12 仲介・代理応答部
20(20A〜20D) クライアント
21 ドライバ部
30 ネットワーク情報
31 装置名
32 MACアドレス
33 IPアドレス
40 コンピュータ
41 CPU
42 メモリ
43 入力装置
44 出力装置
45 外部記憶装置
46 媒体駆動装置
47 ネットワーク接続装置
48 バス
49 可搬記録媒体
50 ネットワーク
60 サーバ
61 プログラム/データ
Claims (5)
- 省電力機能を備える情報処理装置がネットワークに接続されたシステムにおける通信管理装置であって、
前記ネットワーク上を流れるパケットを受け取る受信手段と、
該受信手段により受け取ったパケットを解析し、該パケットが任意の情報処理装置への接続要求パケットである場合、相手先の情報処理装置に対して復帰要求を送ると共に、要求元の情報処理装置との通信準備処理を代理で実行する仲介・代理応答手段と、
を有することを特徴とする通信管理装置。 - 前記仲介・代理応答手段は、前記相手先の情報処理装置へのデータ書き込み要求であった場合、該データを代理で受信しておき、前記相手先の情報処理装置が復帰したら該データを転送することを特徴とする請求項1記載の通信管理装置。
- ネットワークに接続され、省電力機能を備える情報処理装置において、
省電力モード中に電源が供給されており、前記ネットワークからパケットを受信した場合、該パケットの送信元が予め決められている特定の装置であるか否かを判定し、特定の装置である場合であって復帰要求である場合には当該情報処理装置を省電力モードから復帰させるドライバ手段、
を有することを特徴とする情報処理装置。 - ネットワークに接続するコンピュータに、
前記ネットワーク上を流れるパケットを受け取る機能と、
該パケットを解析し、該パケットが任意の情報処理装置への接続要求パケットである場合、相手先の情報処理装置に対して復帰要求を送ると共に、要求元の情報処理装置との通信準備処理を代理で実行する機能と、
を実現させる為のプログラム。 - ネットワークに接続され、省電力機能を備えるコンピュータに、
省電力モード中に電源が供給されており、前記ネットワークからパケットを受信した場合、該パケットの送信元が予め決められている特定の装置であるか否かを判定し、特定の装置である場合であって復帰要求である場合には当該コンピュータ本体を省電力モードから復帰させる機能を実現させる為のプログラム。
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