JP2004124977A - 動力伝達装置の潤滑構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイブリッド変速機等の動力伝達装置において、軸受の配置の制約や変速機の小型化による構成上の制約のもとでも、当該装置内での潤滑油による潤滑を良好なものとする。
【解決手段】ラビニョウ型プラネタリギヤセット2のキャリアCの公転が停止するとともに、そのキャリアCに支持されたピニオンギヤP1,P2が自転する運動状態が存在する動力伝達装置の潤滑構造を以下のように構成する。即ち、キャリアCのピニオン回転軸供給油路24を介してピニオンギヤP1,P2への潤滑を行なうとともに、固定壁21からその固定壁より中心寄りのインプットシャフト20を介してピニオン回転軸供給油路24への潤滑油供給を行なう潤滑油路を具え、その潤滑油路がインプットシャフト20と固定壁21とのインプットシャフト20の軸線方向に対向する面同士によって固定壁21からインプットシャフト20へ潤滑油を受け渡す空間26を画成した。
【選択図】 図2
【解決手段】ラビニョウ型プラネタリギヤセット2のキャリアCの公転が停止するとともに、そのキャリアCに支持されたピニオンギヤP1,P2が自転する運動状態が存在する動力伝達装置の潤滑構造を以下のように構成する。即ち、キャリアCのピニオン回転軸供給油路24を介してピニオンギヤP1,P2への潤滑を行なうとともに、固定壁21からその固定壁より中心寄りのインプットシャフト20を介してピニオン回転軸供給油路24への潤滑油供給を行なう潤滑油路を具え、その潤滑油路がインプットシャフト20と固定壁21とのインプットシャフト20の軸線方向に対向する面同士によって固定壁21からインプットシャフト20へ潤滑油を受け渡す空間26を画成した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、遊星歯車機構のキャリアの公転が停止しているときにそのキャリアに支持されたピニオンギヤが自転するという特定の運動状態が存在する動力伝達装置においてその装置内での潤滑油の潤滑を良好なものとする潤滑構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遊星歯車機構を備えた動力伝達装置において、回転自在に支持されたキャリアがピニオンシャフトを支持し、そのピニオンシャフトがピニオンギヤを支持する構造のものでは、そのピニオンギヤ内のベアリングやそのピニオンギヤのスラスト方向の力を支持するワッシャの焼き付きを防止するためにピニオンギヤを充分に潤滑することが必要とされる。このことに関し、従来、自動変速機では、例えば、停止中以外は、常時回転する出力部材のポンプ作用により全ての変速段においてピニオンギヤを充分に潤滑できる構造のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平H07−208586号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記自動変速機では、タイヤ回転の停止中はピニオンギヤの回転も停止している。従って、当該自動変速機においてタイヤ回転の停止中に歯車変速機のピニオンギヤを潤滑しなくても良い。
【0005】
しかしながら、例えばハイブリッド変速機では、エンジン等の原動機とモータ/ジェネレータとを搭載し、車両停止状態、即ちタイヤ回転の停止状態でエンジンを回転させることにより、モータ/ジェネレータを回転させて発電する場合がある。この車両停止状態のとき、ハイブリッド変速機の具える遊星歯車機構は、最終的にタイヤにつながるキャリアの回転は停止しているが、その近隣のサンギヤやリングギヤの回転に伴いピニオンギヤは回転することとなる。
【0006】
従って、車両停止状態においても上記した回転するピニオンギヤを潤滑する必要があるが、その周辺に配置されたキャリア等の出力部材の回転が停止しているためポンプ作用を利用できない。ところでハイブリッド変速機では、潤滑油をモータ/ジェネレータの冷却に使用するために潤滑油供給圧を非常に低くして冷却に必要な分だけの油を流すように構成することが考えられる。この場合に、モータ/ジェネレータの冷却等の油路から分岐してキャリアの油路へ潤滑油を導くと、直接絞りを設けても油を上方に上げることが難しく、キャリアの軸心に対して上側に位置しているピニオンギヤに潤滑油を送ることが極めて困難になることが想定される。従って、タイヤの回転の停止中に、潤滑油が少量かつ低圧という条件下で上記上側に位置しているピニオンギヤを充分に潤滑することは極めて困難であり、充分に潤滑油を送らないとピニオンギヤの焼き付きが発生する可能性がある。
【0007】
かかる問題を解決するために、部材の配置等の構成を変更することも考えられるが、軸受の配置の制約や変速機の小型化など構成上の理由があることから、これによっても停止しているキャリアの軸心に対して上側に位置するピニオンギヤを充分に潤滑することは難しい。
【0008】
また、通常はブッシュが介在するため流入抵抗の大きい回転部材に潤滑油を供給し、その回転部材内の受渡し部を介して回転部材の軸心に潤滑油を導き、軸心の潤滑油路から分岐してキャリアへ潤滑油を導き、回転部材の回転での遠心力による油圧でキャリアの軸心に対して上側に位置するピニオンギヤの軸受へ潤滑油を導く構成も考えられる。しかし、潤滑油供給油圧が低い状態でかつ、回転部材が回転していないか回転数が低い状態では、上方のピニオンギヤの軸受への潤滑油量が不足してしまうという問題点がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題点を有利に解決して、遊星歯車機構のキャリアの公転が停止しているときにそのキャリアに支持されたピニオンギヤが自転するという特定の運動状態が存在する動力伝達装置において、軸受の配置の制約や変速機の小型化による構成上の制約のもとでも、回転部材の回転の有無によらずその装置内における潤滑油の供給を良好なものとすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の動力伝達装置の潤滑構造は、請求項1に記載のものでは、以下の特徴を有する。
遊星歯車機構のキャリアの公転が停止するとともに、前記キャリアに支持されたピニオンギヤが自転する運動状態が存在する動力伝達装置の潤滑構造を前提とする。かかる動力伝達装置の潤滑構造が、前記キャリアの油路を介して前記ピニオンギヤへの潤滑を行なうとともに、固定壁からその固定壁より中心寄りの回転部材を介して前記キャリアの油路への潤滑油供給を行なう潤滑油路を具え、前記潤滑油路が、前記回転部材と前記固定壁との前記回転部材の軸線方向に対向する面同士によって、前記固定壁から前記回転部材へ潤滑油を受け渡す空間を画成する。
【0011】
【発明の効果】
上記構成の本発明の動力伝達装置の潤滑構造によれば、固定壁からその固定壁より中心寄りの回転部材を介してキャリアの油路への潤滑油供給を行なう潤滑油路が、回転部材と固定壁との、回転部材の軸線方向に対向する面同士によって、固定壁から回転部材へ潤滑油を受け渡す空間を画成する。これにより、回転部材の軸心に沿う油路から分岐してキャリアの油路へ潤滑油を導くよりも潤滑油供給油圧の高い上流側から油路を分岐させることで潤滑油供給油圧を高めることができる。従って、ピニオンギヤの周辺部材の回転によるポンプ作用を利用しなくても、キャリアの油路からピニオンギヤへ潤滑油を充分に供給することができ、車両停止状態であっても、停止しているキャリアの軸心に対して上側に位置しているピニオンギヤを充分に潤滑することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の動力伝達装置の潤滑構造を適用するための、動力伝達装置としてのハイブリッド変速機を例示し、これを本実施の形態においては、前輪駆動車(FF車)用のトランスアクスルとして用いるのに有用な以下に詳述する構成とする。
【0013】
図1において1は変速機ケースを示し、該変速機ケース1の軸線方向(図の左右方向)右側(エンジンENGに近い前側)に遊星歯車機構としてのラビニョウ型プラネタリギヤセット2を内蔵する。また図1の左側(エンジンENGから遠い後側)に例えば複合電流2層モータ4を可とするモータ/ジェネレータ組を内蔵する。
これらラビニョウ型プラネタリギヤセット2および複合電流2層モータ4は変速機ケース1の主軸線上に同軸に配置するが、この主軸線からオフセットさせて平行に配置したカウンターシャフト5およびディファレンシャルギヤ装置6をも変速機ケース1内に内蔵させる。
【0014】
ラビニョウ型プラネタリギヤセット2は、ロングピニオン(ピニオンギヤ)P1を共有するシングルピニオン遊星歯車組7およびダブルピニオン遊星歯車組8の組み合わせになる。ここでのシングルピニオン遊星歯車組7はサンギヤS2およびリングギヤR1にそれぞれロングピニオンP1を噛合させた構造とする。またダブルピニオン遊星歯車組8はサンギヤS1、ロングピニオンP1およびリングギヤR2の他に、大径のショートピニオン(ピニオンギヤ)P2を具え、ショートピニオンP2を、サンギヤS1およびロングピニオンP1に噛合させるとともにリングギヤR2にも噛合させた構造とする。
なおここでのラビニョウ型プラネタリギヤセット2は、ピニオンギヤを合計6個、つまりロングピニオンP1とショートピニオンP2とをそれぞれ3個ずつ具えた構成としている。
そして遊星歯車組7,8のピニオンギヤP1,P2を全て、共通なキャリアCにより回転自在に支持する。
また多板ブレーキで構成されるフォワードブレーキFWD/Bは、その締結によりリングギヤR2の回転を拘束するように作用するものであって、車両の前進走行時には常時締結される一方、車両の後退走行時にはその締結が解除される。
【0015】
以上の構成になるラビニョウ型プラネタリギヤセット2は、サンギヤS1、サンギヤS2、リングギヤR1、リングギヤR2、およびキャリアCの5個の回転メンバを主たる要素とし、これら5個の回転メンバのうち2個のメンバの回転速度を決定すると他のメンバの回転速度が決まる2自由度の差動装置を構成する。
そして5個の回転メンバの回転速度順は、サンギヤS1、リングギヤR1、キャリアC、リングギヤR2、サンギヤS2の順番である。
【0016】
また複合電流2層モータ4は、内側ロータ4riと、これを包囲する環状の外側ロータ4roとを、変速機ケース1内に同軸に回転自在に支持して具え、これら内側ロータ4riおよび外側ロータ4ro間における環状空間に同軸に配置した環状ステ−タ4sを変速機ケース1に固設して構成する。
環状コイル4sと内側ロータ4riとで内側のモータ/ジェネレータである第1のモータ/ジェネレータMG1が構成され、環状コイル4sと外側ロータ4roとで外側のモータ/ジェネレータである第2のモータ/ジェネレータMG2が構成される。
ここでモータ/ジェネレータMG1,MG2はそれぞれ、複合電流を供給される時は供給電流に応じた個々の方向の、また供給電流に応じた個々の速度(停止を含む)の回転を出力するモータとして機能し、複合電流を供給されない時は外力による回転に応じた電力を発生する発電機として機能する。
【0017】
ラビニョウ型プラネタリギヤセット2の上記した5個の回転メンバには、回転速度順に、サンギヤS1、リングギヤR1、キャリアC、リングギヤR2、サンギヤS2の順に、第1モータ/ジェネレータMG1、原動機であるエンジンENG、ディファレンシャギヤ装置6を含む車輪駆動系への出力(Out)、フォワードブレーキFWD/B、第2モータ/ジェネレータMG2をそれぞれ結合する。
【0018】
この結合を図1に基づき以下に詳述するに、リングギヤR1を上記の通りエンジン(ENG)回転が入力される入力要素とするため、このリングギヤR1を、クラッチCLを介してエンジンクランクシャフト9に結合する。
なおここでのクラッチCLは、リングギヤR1とエンジンクランクシャフト9との結合を断接するものである。このクラッチCLの断接により、エンジンを停止した状態でモータ/ジェネレータのみによる電気走行を行わせるべき電気走行中のエンジントルクの引きずりを防止することができる。
サンギヤS1は中空軸13を介して第1モータ/ジェネレータMG1の内側ロータ4riに結合し、このモータ/ジェネレータMG1および中空軸13を遊嵌する軸14を介してサンギヤS2を第2モータ/ジェネレータMG2の外側ロータ4roに結合する。
【0019】
キャリアCを前記のごとく、車輪駆動系へ回転を出力する出力要素とするため、このキャリアCに中空軸15を介して出力歯車16を結合し、これをカウンターシャフト5上のカウンター歯車17に噛合させる。
カウンターシャフト5には別にファイナルドライブピニオン18を一体的に設け、これを、ディファレンシャルギヤ装置6に設けたファイナルドライブリングギヤ19に噛合させる。
変速機からの出力回転は、ファイナルドライブピニオン18およびファイナルドライブリングギヤ19により構成されるファイナルドライブギヤ組を経てディファレンシャルギヤ装置6に至り、このディファレンシャルギヤ装置により左右駆動輪20に分配されるものとする。
【0020】
上記構成になるハイブリッド変速機では、先に述べたように、車両停止状態、即ち図1に示すタイヤTの回転の停止状態で、エンジンENGを回転させることにより、モータ/ジェネレータMG1,MG2を回転させて発電する場合がある。この車両停止状態のとき、ラビニョウ型プラネタリギヤセット2は、最終的にタイヤTにつながるキャリアCの公転が停止するとともに、サンギヤS1,S2やリングギヤR1の回転に伴いキャリアCに支持されたピニオンギヤP1,P2は自転することとなる。
【0021】
従って、かかる車両停止状態においてもキャリアCに支持されたピニオンギヤP1,P2の潤滑を充分に行なうことができるように、本実施の形態では上記ハイブリッド変速機に以下に示す潤滑構造を適用している。
【0022】
ここに図2は、上記構成になるハイブリッド変速機に適用した潤滑構造を実態構成により示す断面図であり、図3は、図2に示す実態構成の部分拡大断面図である。なおこの実態構成では、軸14とエンジンクランクシャフト9との間に回転部材としてのインプットシャフト20が介挿され、このインプットシャフト20の一端はエンジンクランクシャフト9に結合される一方、インプットシャフト20の他端は軸14に結合される。
【0023】
またこの実態構成においては、後に詳述するようにインプットシャフト20のスラスト方向の力を支持する軸受としてのニードルベアリング27を固定壁21の内周側端部付近に設ける必要があり、ここに示すレイアウトは変速機の小型化を実現するように構成されている。
【0024】
本実施の形態の潤滑構造では、図2及び図3に示すように、変速機ケース1に固定された固定壁21に、その変速機ケース1から流入する潤滑油を半径方向内方へ流通させる上流側潤滑油路21aを設けている。さらにその上流側潤滑油路21aの半径方向内側の部分は、固定壁21の内周面に開口する軸心供給油路21bと、軸線方向に延在し固定壁21の端面に開口する軸線方向潤滑油路21cとに分岐している。
【0025】
インプットシャフト20は、固定壁21に対向するフランジ20aを有し、固定壁21より変速機の中心よりに配置されている。そのインプットシャフト20の軸心には軸心油路20bを設けている。この軸心油路20bは、軸14の軸心に設けられた軸心油路14aに連通し、図1に示すモータ/ジェネレータMG1,MG2の冷却および各部材の潤滑のための油の供給を行なう。またインプットシャフト20には、そのインプットシャフト20の半径方向外方から軸心油路20bへ潤滑油を受け渡す第1の半径方向潤滑油路20cを設けている。なお固定壁21の軸心供給油路21bからインプットシャフト20の第1の半径方向潤滑油路20cへは、ブッシュ22を介して潤滑油を導いている。
【0026】
さらにインプットシャフト20には、キャリア連通油路20dと第2の半径方向潤滑油路20eとを設けている。ここでのキャリア連通油路20dは空間26内に配置されたスラストベアリング27の内側へ流入する潤滑油をキャリアCに導くものである。また第2の半径方向潤滑油路20eは、フランジ20aと軸部とで形成される固定壁21側の角部付近の内周面に、軸心に沿う軸心油路20bと空間26とを連通して設けられている。なお第2の半径方向潤滑油路20eは、流路断面積を第1の半径方向潤滑油路20cよりも小さくすることで、第1の半径方向潤滑油路20cより流路抵抗を大きくしている。
【0027】
またラビニョウ型プラネタリギヤセット2のキャリアCには、各ピニオンギヤ(ロングピニオンP1、ショートピニオンP2)のピニオン回転軸23のピニオンギヤ潤滑油路23aに通じるピニオン回転軸供給油路24を設けており、この油路を通じてピニオン回転軸23のピニオンギヤ潤滑油路23aからピニオンギヤP1,P2に潤滑油が供給される。なおインプットシャフト20のキャリア連通油路20dからキャリアCのピニオン回転軸供給油路24へは、キャリアCに圧入したブッシュ25を介して潤滑油を導いている。
【0028】
またインプットシャフト20と固定壁21との、インプットシャフト20の軸線方向に対向する面同士によって空間26が画成されており、前述のようにこの空間26の中心よりの部分には、インプットシャフト20のスラスト方向の力を支持するニードルベアリング27を設けている。一方、空間26の外周側の部分では、インプットシャフト20に設けられたクラッチCL用の油路のシールにより油漏れが防止されている。なお上記インプットシャフト20のスラスト方向の力を支持するベアリング27は、ニードルベアリング以外の軸受を用いても良い。
【0029】
従って、かかる潤滑構造によれば、図3に示すように、キャリアCに支持されたピニオンギヤP1,P2の潤滑についてはインプットシャフト20の低回転時は、変速機ケース1から固定壁21の上流側潤滑油路21aに流入した油が、矢印A1及び矢印A2に示すように、軸心供給油路21b及び軸線方向潤滑油路21cに流入する。このうち、矢印A2に示すように軸心供給油路21bに流入した油は、ブッシュ22を介して第1の半径方向潤滑油路20cから軸心油路20bへと流入し、さらに矢印A3に示すように、メインの油路である軸心油路14aへ流入して、モータ/ジェネレータMG1,MG2(図3では図示せず)の冷却や各部分の潤滑を行なう。
なおここでは、軸心油路14aから導かれてモータ/ジェネレータMG1,MG2を冷却した油が再び軸14の外周外方の油路へ戻されて部材の潤滑をするように構成している。
【0030】
この一方、軸線方向潤滑油路21cに流入した油は、軸線方向潤滑油路21cから空間26を介して、インプットシャフト20のキャリア連通油路20d及び第2の半径方向潤滑油路20eへ流入する。その際、空間26からキャリア連通油路20dへの潤滑油の流入は、矢印A4に示すように、空間26内に配置されたニードルベアリング27の外側から内側へ流入し、そこからキャリア連通油路20dへ流入する。さらにキャリア連通油路20dに流入した油はブッシュ25を介してキャリアCのピニオン回転軸供給油路24へと流入し、そこからピニオン回転軸23のピニオンギヤ潤滑油路23aを経て各ピニオンギヤP1,P2へ供給される。また空間26から第2の半径方向潤滑油路20eへ流入した油は、軸心油路20bへ流入し、先に述べたのと同様にモータ/ジェネレータMG1,MG2の冷却や各部分の潤滑を行なう。
【0031】
それゆえ、インプットシャフト20の低回転時においては、固定壁21からインプットシャフト20へ潤滑油を供給する際、ブッシュ22を介在したため流入抵抗が大きいインプットシャフト20の半径方向外方部分よりも潤滑油供給油圧の高い上流側から分岐した軸線方向潤滑油路21cから空間26を介してインプットシャフト20へ潤滑油を受け渡し、キャリアCのピニオン回転軸供給油路24を経てピニオンギヤP1,P2を潤滑する。従って、インプットシャフト20の軸心油路20bよりも高い潤滑油供給油圧でキャリアCのピニオン回転軸供給油路24に潤滑油が供給されるから、インプットシャフト20の低回転時において上側に位置するピニオンギヤへ充分に潤滑油を供給することができる。
【0032】
上記の一方、インプットシャフト20が高回転する場合、インプットシャフト20と固定壁21との空間26において、インプットシャフト20の壁が高回転数で回転するのに伴い、ニードルベアリング27のニードルローラもその半分の回転数で回転することとなる。従って、インプットシャフト20の高回転時には、この空間26内の油には遠心力が働き、この遠心力により軸線方向潤滑油路21cから空間26内への潤滑油の流入が阻止される可能性がある。しかしこの場合には、上流側潤滑油路21aから軸心供給油路21bを介して軸心油路20bへ流入した油(空間26内への流入を阻止された油を含む)が、遠心力により軸心油路20bから第2の半径方向潤滑油路20eへ流れるようになる。なお低回転時にはインプットシャフト20の回転による遠心力が働かないため、第1の半径方向潤滑油路20cよりも流入抵抗の大きい第2の半径方向潤滑油路20eへは潤滑油が流れにくくなっている。
【0033】
従って、本実施の形態の潤滑構造によれば、インプットシャフト20の高回転時においては、矢印A7に示すように、軸心油路20bから第2の半径方向潤滑油路20eを介して空間26に配置されたニードルベアリング27の内側へ流入し、先に説明したようにキャリア連通油路20d、キャリアCのピニオン回転軸供給油路24を経てピニオンギヤP1,P2へ潤滑油が供給される。これにより、キャリアCのピニオン回転軸供給油路24に充分な量の潤滑油が供給されるから、インプットシャフト20の高回転時においても上側に位置するピニオンギヤP1,P2へ充分に潤滑油を供給することができる。
【0034】
従って、本実施の形態のハイブリッド変速機の潤滑構造にあっては、キャリアCのピニオン回転軸供給油路24を介してピニオンギヤP1,P2への潤滑を行なうとともに、固定壁21からその固定壁より中心寄りのインプットシャフト20を介してピニオン回転軸供給油路24への潤滑油供給を行なう潤滑油路21a,21c,20dを具えている。そしてその潤滑油路が、インプットシャフト20と固定壁21とのインプットシャフト20の軸線方向に対向する面同士によって、固定壁21からインプットシャフト20へ潤滑油を受け渡す空間26を画成している。
【0035】
上記構成の本実施の形態のハイブリッド変速機の潤滑構造によれば、インプットシャフト20の軸心に沿う軸心油路20bから分岐してキャリアCのピニオン回転軸供給油路24へ潤滑油を導くよりも潤滑油供給油圧の高い上流側から油路を分岐させた軸線方向潤滑油路21cによりキャリアCのピニオン回転軸供給油路24へ潤滑油を供給することで、潤滑油供給油圧を高めることができる。これにより、ピニオンギヤP1,P2の周辺部材の回転によるポンプ作用を利用しなくても、キャリアCのピニオン回転軸供給油路24からピニオンギヤP1,P2へ潤滑油を充分に供給することができる。それゆえ、車両停止状態であっても、停止しているキャリアCの軸心に対して上側に位置しているピニオンギヤP1,P2を充分に潤滑することができる。
【0036】
ところで、インプットシャフト20の、キャリアCからピニオン回転軸23へと潤滑油を供給するための油路を設ける部分の半径を極力小さくするようなレイアウトにするには、軸線方向潤滑油路21cよりもキャリア連通油路20dを半径方向内方へ配置するのが有利である。しかしながらこの場合、インプットシャフト20の回転数が上昇するにつれて潤滑油に加わる遠心力が大きくなるためにキャリア連通油路20dへの潤滑油の供給量が減少し、高回転になると流れなくなってしまう可能性がある。これに対して、本実施の形態のハイブリッド変速機の潤滑構造にあっては、インプットシャフト20の半径方向からそのインプットシャフト20の軸心の軸線に沿う軸心油路20bへ潤滑油を受け渡してそこからハイブリッド変速機内の各部を潤滑するとともに、軸心油路20bと空間26とを連通する抵抗の大きい第2の半径方向潤滑油路20eを設けている。
【0037】
上記構成により、本実施の形態のハイブリッド変速機の潤滑構造によれば、インプットシャフト20の高回転時には、そのインプットシャフト20の軸心油路20bから遠心力により第2の半径方向潤滑油路20eに潤滑油を充分に供給することができる。従って、キャリアCのピニオン回転軸供給油路24への潤滑油の供給量を多くすることができ、モータ等の冷却用となるメインの油路の圧力よりもピニオンギヤP1,P2へ潤滑油を供給するための油路の圧力を高めることができる。
【0038】
しかも本実施の形態のハイブリッド変速機の潤滑構造にあっては、インプットシャフト20のスラスト方向の力を支持するニードルベアリング27を空間26に設けている。これにより、空間26がニードルベアリング27の配置スペースと潤滑油の油路とを兼ねることとなり、スペース効率を向上させ得て、ピニオンギヤP1,P2への潤滑油路を形成するに際して変速機が軸方向に長くなるのを防止することができる。
【0039】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものではない。例えば上記実施の形態では、本発明の動力伝達装置の潤滑構造をハイブリッド変速機に適用したが、遊星歯車機構のキャリアの公転が停止するとともに、キャリアに支持されたピニオンギヤが自転するという運動状態が存在する動力伝達装置であれば適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による変速制御装置を適用し得るハイブリッド変速機を例示する線図的構成図である。
【図2】上記線図的構成図に基づき本実施の形態の要部となるハイブリッド変速機の潤滑構造を示す実態構成図である。
【図3】図2に示す上記実態構成図の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 変速機ケース
2 ラビニョウ型プラネタリギヤセット(差動装置)
ENG エンジン(原動機)
4 複合電流2層モータ
MG1 第1モータ/ジェネレータ
MG2 第2モータ/ジェネレータ
7 シングルピニオン遊星歯車組
8 ダブルピニオン遊星歯車組
9 エンジンクランクシャフト
14 軸
14a 軸心油路
20 インプットシャフト(回転部材)
20a フランジ
20b 軸心油路
20c 第1の半径方向潤滑油路
20d キャリア連通油路
20e 第2の半径方向潤滑油路
21 固定壁
21a 上流側潤滑油路
21b 軸心供給油路
21c 軸線方向潤滑油路
22 ブッシュ
23 ピニオン回転軸
23a ピニオンギヤ潤滑油路
24 ピニオン回転軸供給油路
25 ブッシュ
26 空間
27 ニードルベアリング
S1 サンギヤ
S2 サンギヤ
P1 ロングピニオン
P2 ショートピニオン
C キャリア
R リングギヤ
T タイヤ
CL クラッチ
【発明の属する技術分野】
この発明は、遊星歯車機構のキャリアの公転が停止しているときにそのキャリアに支持されたピニオンギヤが自転するという特定の運動状態が存在する動力伝達装置においてその装置内での潤滑油の潤滑を良好なものとする潤滑構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遊星歯車機構を備えた動力伝達装置において、回転自在に支持されたキャリアがピニオンシャフトを支持し、そのピニオンシャフトがピニオンギヤを支持する構造のものでは、そのピニオンギヤ内のベアリングやそのピニオンギヤのスラスト方向の力を支持するワッシャの焼き付きを防止するためにピニオンギヤを充分に潤滑することが必要とされる。このことに関し、従来、自動変速機では、例えば、停止中以外は、常時回転する出力部材のポンプ作用により全ての変速段においてピニオンギヤを充分に潤滑できる構造のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平H07−208586号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記自動変速機では、タイヤ回転の停止中はピニオンギヤの回転も停止している。従って、当該自動変速機においてタイヤ回転の停止中に歯車変速機のピニオンギヤを潤滑しなくても良い。
【0005】
しかしながら、例えばハイブリッド変速機では、エンジン等の原動機とモータ/ジェネレータとを搭載し、車両停止状態、即ちタイヤ回転の停止状態でエンジンを回転させることにより、モータ/ジェネレータを回転させて発電する場合がある。この車両停止状態のとき、ハイブリッド変速機の具える遊星歯車機構は、最終的にタイヤにつながるキャリアの回転は停止しているが、その近隣のサンギヤやリングギヤの回転に伴いピニオンギヤは回転することとなる。
【0006】
従って、車両停止状態においても上記した回転するピニオンギヤを潤滑する必要があるが、その周辺に配置されたキャリア等の出力部材の回転が停止しているためポンプ作用を利用できない。ところでハイブリッド変速機では、潤滑油をモータ/ジェネレータの冷却に使用するために潤滑油供給圧を非常に低くして冷却に必要な分だけの油を流すように構成することが考えられる。この場合に、モータ/ジェネレータの冷却等の油路から分岐してキャリアの油路へ潤滑油を導くと、直接絞りを設けても油を上方に上げることが難しく、キャリアの軸心に対して上側に位置しているピニオンギヤに潤滑油を送ることが極めて困難になることが想定される。従って、タイヤの回転の停止中に、潤滑油が少量かつ低圧という条件下で上記上側に位置しているピニオンギヤを充分に潤滑することは極めて困難であり、充分に潤滑油を送らないとピニオンギヤの焼き付きが発生する可能性がある。
【0007】
かかる問題を解決するために、部材の配置等の構成を変更することも考えられるが、軸受の配置の制約や変速機の小型化など構成上の理由があることから、これによっても停止しているキャリアの軸心に対して上側に位置するピニオンギヤを充分に潤滑することは難しい。
【0008】
また、通常はブッシュが介在するため流入抵抗の大きい回転部材に潤滑油を供給し、その回転部材内の受渡し部を介して回転部材の軸心に潤滑油を導き、軸心の潤滑油路から分岐してキャリアへ潤滑油を導き、回転部材の回転での遠心力による油圧でキャリアの軸心に対して上側に位置するピニオンギヤの軸受へ潤滑油を導く構成も考えられる。しかし、潤滑油供給油圧が低い状態でかつ、回転部材が回転していないか回転数が低い状態では、上方のピニオンギヤの軸受への潤滑油量が不足してしまうという問題点がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題点を有利に解決して、遊星歯車機構のキャリアの公転が停止しているときにそのキャリアに支持されたピニオンギヤが自転するという特定の運動状態が存在する動力伝達装置において、軸受の配置の制約や変速機の小型化による構成上の制約のもとでも、回転部材の回転の有無によらずその装置内における潤滑油の供給を良好なものとすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の動力伝達装置の潤滑構造は、請求項1に記載のものでは、以下の特徴を有する。
遊星歯車機構のキャリアの公転が停止するとともに、前記キャリアに支持されたピニオンギヤが自転する運動状態が存在する動力伝達装置の潤滑構造を前提とする。かかる動力伝達装置の潤滑構造が、前記キャリアの油路を介して前記ピニオンギヤへの潤滑を行なうとともに、固定壁からその固定壁より中心寄りの回転部材を介して前記キャリアの油路への潤滑油供給を行なう潤滑油路を具え、前記潤滑油路が、前記回転部材と前記固定壁との前記回転部材の軸線方向に対向する面同士によって、前記固定壁から前記回転部材へ潤滑油を受け渡す空間を画成する。
【0011】
【発明の効果】
上記構成の本発明の動力伝達装置の潤滑構造によれば、固定壁からその固定壁より中心寄りの回転部材を介してキャリアの油路への潤滑油供給を行なう潤滑油路が、回転部材と固定壁との、回転部材の軸線方向に対向する面同士によって、固定壁から回転部材へ潤滑油を受け渡す空間を画成する。これにより、回転部材の軸心に沿う油路から分岐してキャリアの油路へ潤滑油を導くよりも潤滑油供給油圧の高い上流側から油路を分岐させることで潤滑油供給油圧を高めることができる。従って、ピニオンギヤの周辺部材の回転によるポンプ作用を利用しなくても、キャリアの油路からピニオンギヤへ潤滑油を充分に供給することができ、車両停止状態であっても、停止しているキャリアの軸心に対して上側に位置しているピニオンギヤを充分に潤滑することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の動力伝達装置の潤滑構造を適用するための、動力伝達装置としてのハイブリッド変速機を例示し、これを本実施の形態においては、前輪駆動車(FF車)用のトランスアクスルとして用いるのに有用な以下に詳述する構成とする。
【0013】
図1において1は変速機ケースを示し、該変速機ケース1の軸線方向(図の左右方向)右側(エンジンENGに近い前側)に遊星歯車機構としてのラビニョウ型プラネタリギヤセット2を内蔵する。また図1の左側(エンジンENGから遠い後側)に例えば複合電流2層モータ4を可とするモータ/ジェネレータ組を内蔵する。
これらラビニョウ型プラネタリギヤセット2および複合電流2層モータ4は変速機ケース1の主軸線上に同軸に配置するが、この主軸線からオフセットさせて平行に配置したカウンターシャフト5およびディファレンシャルギヤ装置6をも変速機ケース1内に内蔵させる。
【0014】
ラビニョウ型プラネタリギヤセット2は、ロングピニオン(ピニオンギヤ)P1を共有するシングルピニオン遊星歯車組7およびダブルピニオン遊星歯車組8の組み合わせになる。ここでのシングルピニオン遊星歯車組7はサンギヤS2およびリングギヤR1にそれぞれロングピニオンP1を噛合させた構造とする。またダブルピニオン遊星歯車組8はサンギヤS1、ロングピニオンP1およびリングギヤR2の他に、大径のショートピニオン(ピニオンギヤ)P2を具え、ショートピニオンP2を、サンギヤS1およびロングピニオンP1に噛合させるとともにリングギヤR2にも噛合させた構造とする。
なおここでのラビニョウ型プラネタリギヤセット2は、ピニオンギヤを合計6個、つまりロングピニオンP1とショートピニオンP2とをそれぞれ3個ずつ具えた構成としている。
そして遊星歯車組7,8のピニオンギヤP1,P2を全て、共通なキャリアCにより回転自在に支持する。
また多板ブレーキで構成されるフォワードブレーキFWD/Bは、その締結によりリングギヤR2の回転を拘束するように作用するものであって、車両の前進走行時には常時締結される一方、車両の後退走行時にはその締結が解除される。
【0015】
以上の構成になるラビニョウ型プラネタリギヤセット2は、サンギヤS1、サンギヤS2、リングギヤR1、リングギヤR2、およびキャリアCの5個の回転メンバを主たる要素とし、これら5個の回転メンバのうち2個のメンバの回転速度を決定すると他のメンバの回転速度が決まる2自由度の差動装置を構成する。
そして5個の回転メンバの回転速度順は、サンギヤS1、リングギヤR1、キャリアC、リングギヤR2、サンギヤS2の順番である。
【0016】
また複合電流2層モータ4は、内側ロータ4riと、これを包囲する環状の外側ロータ4roとを、変速機ケース1内に同軸に回転自在に支持して具え、これら内側ロータ4riおよび外側ロータ4ro間における環状空間に同軸に配置した環状ステ−タ4sを変速機ケース1に固設して構成する。
環状コイル4sと内側ロータ4riとで内側のモータ/ジェネレータである第1のモータ/ジェネレータMG1が構成され、環状コイル4sと外側ロータ4roとで外側のモータ/ジェネレータである第2のモータ/ジェネレータMG2が構成される。
ここでモータ/ジェネレータMG1,MG2はそれぞれ、複合電流を供給される時は供給電流に応じた個々の方向の、また供給電流に応じた個々の速度(停止を含む)の回転を出力するモータとして機能し、複合電流を供給されない時は外力による回転に応じた電力を発生する発電機として機能する。
【0017】
ラビニョウ型プラネタリギヤセット2の上記した5個の回転メンバには、回転速度順に、サンギヤS1、リングギヤR1、キャリアC、リングギヤR2、サンギヤS2の順に、第1モータ/ジェネレータMG1、原動機であるエンジンENG、ディファレンシャギヤ装置6を含む車輪駆動系への出力(Out)、フォワードブレーキFWD/B、第2モータ/ジェネレータMG2をそれぞれ結合する。
【0018】
この結合を図1に基づき以下に詳述するに、リングギヤR1を上記の通りエンジン(ENG)回転が入力される入力要素とするため、このリングギヤR1を、クラッチCLを介してエンジンクランクシャフト9に結合する。
なおここでのクラッチCLは、リングギヤR1とエンジンクランクシャフト9との結合を断接するものである。このクラッチCLの断接により、エンジンを停止した状態でモータ/ジェネレータのみによる電気走行を行わせるべき電気走行中のエンジントルクの引きずりを防止することができる。
サンギヤS1は中空軸13を介して第1モータ/ジェネレータMG1の内側ロータ4riに結合し、このモータ/ジェネレータMG1および中空軸13を遊嵌する軸14を介してサンギヤS2を第2モータ/ジェネレータMG2の外側ロータ4roに結合する。
【0019】
キャリアCを前記のごとく、車輪駆動系へ回転を出力する出力要素とするため、このキャリアCに中空軸15を介して出力歯車16を結合し、これをカウンターシャフト5上のカウンター歯車17に噛合させる。
カウンターシャフト5には別にファイナルドライブピニオン18を一体的に設け、これを、ディファレンシャルギヤ装置6に設けたファイナルドライブリングギヤ19に噛合させる。
変速機からの出力回転は、ファイナルドライブピニオン18およびファイナルドライブリングギヤ19により構成されるファイナルドライブギヤ組を経てディファレンシャルギヤ装置6に至り、このディファレンシャルギヤ装置により左右駆動輪20に分配されるものとする。
【0020】
上記構成になるハイブリッド変速機では、先に述べたように、車両停止状態、即ち図1に示すタイヤTの回転の停止状態で、エンジンENGを回転させることにより、モータ/ジェネレータMG1,MG2を回転させて発電する場合がある。この車両停止状態のとき、ラビニョウ型プラネタリギヤセット2は、最終的にタイヤTにつながるキャリアCの公転が停止するとともに、サンギヤS1,S2やリングギヤR1の回転に伴いキャリアCに支持されたピニオンギヤP1,P2は自転することとなる。
【0021】
従って、かかる車両停止状態においてもキャリアCに支持されたピニオンギヤP1,P2の潤滑を充分に行なうことができるように、本実施の形態では上記ハイブリッド変速機に以下に示す潤滑構造を適用している。
【0022】
ここに図2は、上記構成になるハイブリッド変速機に適用した潤滑構造を実態構成により示す断面図であり、図3は、図2に示す実態構成の部分拡大断面図である。なおこの実態構成では、軸14とエンジンクランクシャフト9との間に回転部材としてのインプットシャフト20が介挿され、このインプットシャフト20の一端はエンジンクランクシャフト9に結合される一方、インプットシャフト20の他端は軸14に結合される。
【0023】
またこの実態構成においては、後に詳述するようにインプットシャフト20のスラスト方向の力を支持する軸受としてのニードルベアリング27を固定壁21の内周側端部付近に設ける必要があり、ここに示すレイアウトは変速機の小型化を実現するように構成されている。
【0024】
本実施の形態の潤滑構造では、図2及び図3に示すように、変速機ケース1に固定された固定壁21に、その変速機ケース1から流入する潤滑油を半径方向内方へ流通させる上流側潤滑油路21aを設けている。さらにその上流側潤滑油路21aの半径方向内側の部分は、固定壁21の内周面に開口する軸心供給油路21bと、軸線方向に延在し固定壁21の端面に開口する軸線方向潤滑油路21cとに分岐している。
【0025】
インプットシャフト20は、固定壁21に対向するフランジ20aを有し、固定壁21より変速機の中心よりに配置されている。そのインプットシャフト20の軸心には軸心油路20bを設けている。この軸心油路20bは、軸14の軸心に設けられた軸心油路14aに連通し、図1に示すモータ/ジェネレータMG1,MG2の冷却および各部材の潤滑のための油の供給を行なう。またインプットシャフト20には、そのインプットシャフト20の半径方向外方から軸心油路20bへ潤滑油を受け渡す第1の半径方向潤滑油路20cを設けている。なお固定壁21の軸心供給油路21bからインプットシャフト20の第1の半径方向潤滑油路20cへは、ブッシュ22を介して潤滑油を導いている。
【0026】
さらにインプットシャフト20には、キャリア連通油路20dと第2の半径方向潤滑油路20eとを設けている。ここでのキャリア連通油路20dは空間26内に配置されたスラストベアリング27の内側へ流入する潤滑油をキャリアCに導くものである。また第2の半径方向潤滑油路20eは、フランジ20aと軸部とで形成される固定壁21側の角部付近の内周面に、軸心に沿う軸心油路20bと空間26とを連通して設けられている。なお第2の半径方向潤滑油路20eは、流路断面積を第1の半径方向潤滑油路20cよりも小さくすることで、第1の半径方向潤滑油路20cより流路抵抗を大きくしている。
【0027】
またラビニョウ型プラネタリギヤセット2のキャリアCには、各ピニオンギヤ(ロングピニオンP1、ショートピニオンP2)のピニオン回転軸23のピニオンギヤ潤滑油路23aに通じるピニオン回転軸供給油路24を設けており、この油路を通じてピニオン回転軸23のピニオンギヤ潤滑油路23aからピニオンギヤP1,P2に潤滑油が供給される。なおインプットシャフト20のキャリア連通油路20dからキャリアCのピニオン回転軸供給油路24へは、キャリアCに圧入したブッシュ25を介して潤滑油を導いている。
【0028】
またインプットシャフト20と固定壁21との、インプットシャフト20の軸線方向に対向する面同士によって空間26が画成されており、前述のようにこの空間26の中心よりの部分には、インプットシャフト20のスラスト方向の力を支持するニードルベアリング27を設けている。一方、空間26の外周側の部分では、インプットシャフト20に設けられたクラッチCL用の油路のシールにより油漏れが防止されている。なお上記インプットシャフト20のスラスト方向の力を支持するベアリング27は、ニードルベアリング以外の軸受を用いても良い。
【0029】
従って、かかる潤滑構造によれば、図3に示すように、キャリアCに支持されたピニオンギヤP1,P2の潤滑についてはインプットシャフト20の低回転時は、変速機ケース1から固定壁21の上流側潤滑油路21aに流入した油が、矢印A1及び矢印A2に示すように、軸心供給油路21b及び軸線方向潤滑油路21cに流入する。このうち、矢印A2に示すように軸心供給油路21bに流入した油は、ブッシュ22を介して第1の半径方向潤滑油路20cから軸心油路20bへと流入し、さらに矢印A3に示すように、メインの油路である軸心油路14aへ流入して、モータ/ジェネレータMG1,MG2(図3では図示せず)の冷却や各部分の潤滑を行なう。
なおここでは、軸心油路14aから導かれてモータ/ジェネレータMG1,MG2を冷却した油が再び軸14の外周外方の油路へ戻されて部材の潤滑をするように構成している。
【0030】
この一方、軸線方向潤滑油路21cに流入した油は、軸線方向潤滑油路21cから空間26を介して、インプットシャフト20のキャリア連通油路20d及び第2の半径方向潤滑油路20eへ流入する。その際、空間26からキャリア連通油路20dへの潤滑油の流入は、矢印A4に示すように、空間26内に配置されたニードルベアリング27の外側から内側へ流入し、そこからキャリア連通油路20dへ流入する。さらにキャリア連通油路20dに流入した油はブッシュ25を介してキャリアCのピニオン回転軸供給油路24へと流入し、そこからピニオン回転軸23のピニオンギヤ潤滑油路23aを経て各ピニオンギヤP1,P2へ供給される。また空間26から第2の半径方向潤滑油路20eへ流入した油は、軸心油路20bへ流入し、先に述べたのと同様にモータ/ジェネレータMG1,MG2の冷却や各部分の潤滑を行なう。
【0031】
それゆえ、インプットシャフト20の低回転時においては、固定壁21からインプットシャフト20へ潤滑油を供給する際、ブッシュ22を介在したため流入抵抗が大きいインプットシャフト20の半径方向外方部分よりも潤滑油供給油圧の高い上流側から分岐した軸線方向潤滑油路21cから空間26を介してインプットシャフト20へ潤滑油を受け渡し、キャリアCのピニオン回転軸供給油路24を経てピニオンギヤP1,P2を潤滑する。従って、インプットシャフト20の軸心油路20bよりも高い潤滑油供給油圧でキャリアCのピニオン回転軸供給油路24に潤滑油が供給されるから、インプットシャフト20の低回転時において上側に位置するピニオンギヤへ充分に潤滑油を供給することができる。
【0032】
上記の一方、インプットシャフト20が高回転する場合、インプットシャフト20と固定壁21との空間26において、インプットシャフト20の壁が高回転数で回転するのに伴い、ニードルベアリング27のニードルローラもその半分の回転数で回転することとなる。従って、インプットシャフト20の高回転時には、この空間26内の油には遠心力が働き、この遠心力により軸線方向潤滑油路21cから空間26内への潤滑油の流入が阻止される可能性がある。しかしこの場合には、上流側潤滑油路21aから軸心供給油路21bを介して軸心油路20bへ流入した油(空間26内への流入を阻止された油を含む)が、遠心力により軸心油路20bから第2の半径方向潤滑油路20eへ流れるようになる。なお低回転時にはインプットシャフト20の回転による遠心力が働かないため、第1の半径方向潤滑油路20cよりも流入抵抗の大きい第2の半径方向潤滑油路20eへは潤滑油が流れにくくなっている。
【0033】
従って、本実施の形態の潤滑構造によれば、インプットシャフト20の高回転時においては、矢印A7に示すように、軸心油路20bから第2の半径方向潤滑油路20eを介して空間26に配置されたニードルベアリング27の内側へ流入し、先に説明したようにキャリア連通油路20d、キャリアCのピニオン回転軸供給油路24を経てピニオンギヤP1,P2へ潤滑油が供給される。これにより、キャリアCのピニオン回転軸供給油路24に充分な量の潤滑油が供給されるから、インプットシャフト20の高回転時においても上側に位置するピニオンギヤP1,P2へ充分に潤滑油を供給することができる。
【0034】
従って、本実施の形態のハイブリッド変速機の潤滑構造にあっては、キャリアCのピニオン回転軸供給油路24を介してピニオンギヤP1,P2への潤滑を行なうとともに、固定壁21からその固定壁より中心寄りのインプットシャフト20を介してピニオン回転軸供給油路24への潤滑油供給を行なう潤滑油路21a,21c,20dを具えている。そしてその潤滑油路が、インプットシャフト20と固定壁21とのインプットシャフト20の軸線方向に対向する面同士によって、固定壁21からインプットシャフト20へ潤滑油を受け渡す空間26を画成している。
【0035】
上記構成の本実施の形態のハイブリッド変速機の潤滑構造によれば、インプットシャフト20の軸心に沿う軸心油路20bから分岐してキャリアCのピニオン回転軸供給油路24へ潤滑油を導くよりも潤滑油供給油圧の高い上流側から油路を分岐させた軸線方向潤滑油路21cによりキャリアCのピニオン回転軸供給油路24へ潤滑油を供給することで、潤滑油供給油圧を高めることができる。これにより、ピニオンギヤP1,P2の周辺部材の回転によるポンプ作用を利用しなくても、キャリアCのピニオン回転軸供給油路24からピニオンギヤP1,P2へ潤滑油を充分に供給することができる。それゆえ、車両停止状態であっても、停止しているキャリアCの軸心に対して上側に位置しているピニオンギヤP1,P2を充分に潤滑することができる。
【0036】
ところで、インプットシャフト20の、キャリアCからピニオン回転軸23へと潤滑油を供給するための油路を設ける部分の半径を極力小さくするようなレイアウトにするには、軸線方向潤滑油路21cよりもキャリア連通油路20dを半径方向内方へ配置するのが有利である。しかしながらこの場合、インプットシャフト20の回転数が上昇するにつれて潤滑油に加わる遠心力が大きくなるためにキャリア連通油路20dへの潤滑油の供給量が減少し、高回転になると流れなくなってしまう可能性がある。これに対して、本実施の形態のハイブリッド変速機の潤滑構造にあっては、インプットシャフト20の半径方向からそのインプットシャフト20の軸心の軸線に沿う軸心油路20bへ潤滑油を受け渡してそこからハイブリッド変速機内の各部を潤滑するとともに、軸心油路20bと空間26とを連通する抵抗の大きい第2の半径方向潤滑油路20eを設けている。
【0037】
上記構成により、本実施の形態のハイブリッド変速機の潤滑構造によれば、インプットシャフト20の高回転時には、そのインプットシャフト20の軸心油路20bから遠心力により第2の半径方向潤滑油路20eに潤滑油を充分に供給することができる。従って、キャリアCのピニオン回転軸供給油路24への潤滑油の供給量を多くすることができ、モータ等の冷却用となるメインの油路の圧力よりもピニオンギヤP1,P2へ潤滑油を供給するための油路の圧力を高めることができる。
【0038】
しかも本実施の形態のハイブリッド変速機の潤滑構造にあっては、インプットシャフト20のスラスト方向の力を支持するニードルベアリング27を空間26に設けている。これにより、空間26がニードルベアリング27の配置スペースと潤滑油の油路とを兼ねることとなり、スペース効率を向上させ得て、ピニオンギヤP1,P2への潤滑油路を形成するに際して変速機が軸方向に長くなるのを防止することができる。
【0039】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものではない。例えば上記実施の形態では、本発明の動力伝達装置の潤滑構造をハイブリッド変速機に適用したが、遊星歯車機構のキャリアの公転が停止するとともに、キャリアに支持されたピニオンギヤが自転するという運動状態が存在する動力伝達装置であれば適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による変速制御装置を適用し得るハイブリッド変速機を例示する線図的構成図である。
【図2】上記線図的構成図に基づき本実施の形態の要部となるハイブリッド変速機の潤滑構造を示す実態構成図である。
【図3】図2に示す上記実態構成図の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 変速機ケース
2 ラビニョウ型プラネタリギヤセット(差動装置)
ENG エンジン(原動機)
4 複合電流2層モータ
MG1 第1モータ/ジェネレータ
MG2 第2モータ/ジェネレータ
7 シングルピニオン遊星歯車組
8 ダブルピニオン遊星歯車組
9 エンジンクランクシャフト
14 軸
14a 軸心油路
20 インプットシャフト(回転部材)
20a フランジ
20b 軸心油路
20c 第1の半径方向潤滑油路
20d キャリア連通油路
20e 第2の半径方向潤滑油路
21 固定壁
21a 上流側潤滑油路
21b 軸心供給油路
21c 軸線方向潤滑油路
22 ブッシュ
23 ピニオン回転軸
23a ピニオンギヤ潤滑油路
24 ピニオン回転軸供給油路
25 ブッシュ
26 空間
27 ニードルベアリング
S1 サンギヤ
S2 サンギヤ
P1 ロングピニオン
P2 ショートピニオン
C キャリア
R リングギヤ
T タイヤ
CL クラッチ
Claims (3)
- 遊星歯車機構のキャリアの公転が停止するとともに、前記キャリアに支持されたピニオンギヤが自転する運動状態が存在する動力伝達装置の潤滑構造において、
前記キャリアの油路を介して前記ピニオンギヤへの潤滑を行なうとともに、
固定壁からその固定壁より中心寄りの回転部材を介して前記キャリアの油路への潤滑油供給を行なう潤滑油路を具え、
前記潤滑油路が、前記回転部材と前記固定壁との前記回転部材の軸線方向に対向する面同士によって、前記固定壁から前記回転部材へ潤滑油を受け渡す空間を画成することを特徴とする、動力伝達装置の潤滑構造。 - 請求項1の動力伝達装置の潤滑構造において、前記回転部材の半径方向外方から前記回転部材の軸心に沿う潤滑油路へ潤滑油を受け渡す第1の半径方向潤滑油路と、前記軸心に沿う潤滑油路と前記空間とを連通する、前記第1の半径方向潤滑油路より流路抵抗の大きい第2の半径方向潤滑油路とを前記回転部材に設けたことを特徴とする動力伝達装置の潤滑構造。
- 請求項1または請求項2記載の動力伝達装置の潤滑構造において、前記回転部材のスラスト方向の力を支持する軸受を前記空間に設けたことを特徴とする動力伝達装置の潤滑構造。
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JP2002285814A JP2004124977A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 動力伝達装置の潤滑構造 |
US10/654,984 US6890280B2 (en) | 2002-09-30 | 2003-09-05 | Lubricating device for automatic power transmission |
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