JP2004120296A - アンテナおよびアンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小形のサイズで、広帯域な多周波数動作が可能なアンテナおよびアンテナ装置を提供すること。
【解決手段】螺旋導体パターン2を備えるアンテナであって、前記螺旋の形状を、螺旋の軸方向での長さ、前記螺旋の軸に垂直であり互いに直交する径方向の2つの長さ、およびターン数によって定めるとき、前記径方向の2つの長さが異なるアンテナとする。また、前記径方向の2つの長さのうち、少なくとも一方を、前記螺旋の軸方向での長さより長くする。また、前記螺旋導体パターン2の終端部に、グランドとの間に容量をもたらす容量板3が接続される。
【選択図】 図1
【解決手段】螺旋導体パターン2を備えるアンテナであって、前記螺旋の形状を、螺旋の軸方向での長さ、前記螺旋の軸に垂直であり互いに直交する径方向の2つの長さ、およびターン数によって定めるとき、前記径方向の2つの長さが異なるアンテナとする。また、前記径方向の2つの長さのうち、少なくとも一方を、前記螺旋の軸方向での長さより長くする。また、前記螺旋導体パターン2の終端部に、グランドとの間に容量をもたらす容量板3が接続される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth)などに好適なアンテナおよびアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、移動電話あるいはPHS(Personal Handy−phone System:商標登録)などの名称で呼ばれる無線通信装置が一般ユーザに普及しており、その小形軽量化が要望されている。
【0003】
ところで、無線通信装置における電波の送受信を行うアンテナ素子については、導体線路の全長と電波の波長には密接な関係がある。このため、単純に導体線路を短縮すると共振周波数が上昇するので、所望の周波数の電波を良好な効率で無線通信することが困難となる。そこで、必要な共振周波数を維持しながらアンテナ素子の全体形状を小形化するため、各種の技術が開発されている。
【0004】
例えば、ミアンダラインやヘリカルライン状のアンテナにより、アンテナの高さを短縮する方法がある。
【0005】
また、誘電体アンテナでは、アンテナ導線を誘電体の表面、もしくは内部に形成することにより、誘電体による波長短縮効果を使って、アンテナサイズの短縮を図る。
【0006】
また、移動体電話よりも周波数の低い領域では、装荷アンテナが使用されている。装荷アンテナでは、アンテナ頂上部にグランドとの間に容量を取るための容量板を置いたり、アンテナ中央にインダクタンスを増やすためのコイルを装荷する。これらは、グランドとの間に直列のLC回路を形成するため、共振長を短く取れる。
【0007】
一方、PDC、GPS、IMT2000などの周波数の異なる各種システムを同じ携帯電話に備える要望も高まってきており、それに伴い、一つのアンテナでこれらのシステムに対応する必要も生じている。これに対して、誘電体を用いて多周波数アンテナを小形化すると、アンテナの内蔵化が可能になる。従って、多周波数対応の小形誘電体アンテナに対するニーズは高い。
【0008】
多周波数アンテナの従来例を図12に示す。図12(a)はその外観を示す斜視図であり、図12(b)はその断面図である。
【0009】
図12は、大きさの異なる円形パッチアンテナを重ねた2周波数共用アンテナを示す。このような多周波数対応のパッチアンテナの詳細は、例えば 「図説・アンテナ」 後藤尚久著、電子情報通信学会(1995)、に示されているとおりである。
【0010】
図12において、下側の大きいパッチアンテナ101で低い周波数を、上側の小さいパッチアンテナ102で高い周波数を送受信する。103はグランドであり、106aおよび106bは誘電体、107aおよび107bは導体の円板である。104は給電線で、同軸ケーブル108の内部導体を兼ねる。同軸ケーブルの外部導体110は、グランド103とつながっている。
【0011】
104の給電線で上側のパッチアンテナ102が給電される。他方、下側のパッチアンテナ101は直接給電されないで、パッチの穴と給電線104との間の電磁界で給電される。105はショートピンである。
【0012】
このような構成により、2周波数での共用が可能になっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、移動体通信、無線LANあるいはブルートゥースなどで使用されるアンテナとしては、上記のような構成ではパッチアンテナ自体が大きい上に、パッチアンテナを2個重ねているために、サイズが大きくなるという問題がある。
【0014】
例えばPDCの800MHzでアンテナ動作をさせようとすると、周波数が低いため波長が長く、アンテナ長が長くなる。このため、誘電体を使用した誘電体アンテナであっても、アンテナのサイズが大きく、重さも重くなる。
【0015】
さらに、多周波数化を行おうとすると、従来の方法では、別のアンテナを外部に追加するので、サイズがさらに大きくなるという問題がある。
【0016】
また、パッチアンテナは帯域が狭いという問題もあり、多周波数化により付加された周波数においても、同じ問題がある。
【0017】
以上のように、低い周波数対応のアンテナあるいは多周波数対応のアンテナを、携帯端末の内蔵アンテナとして使用するには、サイズ、重さ、帯域幅の点で問題があった。
【0018】
そこで、本発明の目的は、サイズの小さなアンテナであって、なおかつ、広帯域な多周波数動作が可能なアンテナを提供することである。すなわち、携帯機器に内蔵できる小形で多周波数の広帯域なアンテナを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の構成のアンテナは、略直方体の面上に位置する帯状の導体が組み合わされ、全体として略螺旋の形状をなす螺旋形導体を備えるアンテナにおいて、前記螺旋形導体は、前記略螺旋の軸に垂直な面内における互いに直交する2方向での長さが異なることを特徴とする。
【0020】
前記螺旋形導体は、前記略螺旋の軸に垂直な面内における互いに直交する2方向での長さのうち、少なくとも一方が、前記略螺旋の軸に平行な方向での長さよりも長いとよい。
【0021】
また、前記螺旋形導体の終端部に、グランドとの間に容量をもたらす容量板が接続されているとよい。
【0022】
また、前記螺旋形導体の終端部が、2叉に分岐して、2つの分枝の長さが異なるとよい。
【0023】
また、前記螺旋形導体は、誘電体または磁性体の表面に形成されているとよい。
【0024】
また、前記螺旋形導体は、印刷、蒸着、メッキまたは板金張り付けによる導体膜であるとよい。
【0025】
また、前記螺旋形導体が、誘電体または磁性体の内部に形成されているとよい。
【0026】
また、前記螺旋形導体が略1ターンから2ターンで構成されるとよい。
【0027】
そして、前記誘電体または磁性体は、貫通穴もしくは座繰り部を有するとよい。
【0028】
本発明の第2の構成のアンテナは、アンテナ導線として、1方向に伸びる略直線状の導体部分と、前記導体部分の両端部のそれぞれにおいて、前記1方向とは略直角に接続され、かつ互いに略平行である2つの略直線状の導体とを備えることを特徴とする。
【0029】
前記第2の構成において、前記アンテナ導線は誘電体または磁性体の表面もしくは内部に形成されているとよい。
【0030】
また、誘電体または磁性体の表面もしくは内部にアンテナ導線と励振電極と接地電極とが設けられ、前記アンテナ導線は前記接地電極に接触して接続され、かつ前記アンテナ導線の中央付近より接地電極側において、前記アンテナ導線の一部は前記励振電極の近傍に位置するとよい。
【0031】
そして、誘電体または磁性体の表面もしくは内部にアンテナ導線と励振電極と接地電極とが設けられ、前記アンテナ導線は前記接地電極に接触して接続され、かつ前記アンテナ導線の中央付近より接地電極側において、前記アンテナ導線の一部は前記励振電極の近傍に位置するとともに、前記アンテナ導線は、1方向に伸びる略直線状の導体部分と、前記導体部分の両端部のそれぞれにおいて、前記1方向とは略直角に接続され、かつ互いに略平行である2つの略直線状の導体からなるとよい。
【0032】
本発明のアンテナ装置は、上記第1または第2の構成のアンテナが、グランド領域と非グランド領域とを有する基板上の前記非グランド領域に実装されてなることを特徴とする。
【0033】
次に、本発明の作用を説明する。基本波を小形の形状で得るために螺旋構造のアンテナとし、さらに螺旋の軸に垂直な直交する2方向で異なる寸法とし、かつ、螺旋を1ターン弱ないし1ターン半で構成する。こうすることにより、倍調波について、折り返しアンテナの効果が得られ、さらに周波数がシフトしても折り返しアンテナが部分的にでも形成されるため、広帯域が得られる。
【0034】
また、螺旋の軸方向に垂直な2方向の内、長い方の寸法を大きくするほど、周波数変化に対して、折り返しアンテナの帯域が広くなり、広帯域な倍調波が得られる。また、3倍調波の帯域を広くとるためには、螺旋を1ターン半〜2ターンで構成する。こうすることにより、3倍調波に対して電流の位相がそろい、折り返しアンテナとして機能する。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0036】
(実施の形態1)図1は、本発明のアンテナの第1の実施の形態を示す。1は、比誘電率6.7の直方体のセラミックブロックであり、長さ23mm、幅6mm、高さ5mmの大きさを有する。誘電体は波長短縮効果があるので、アンテナの小形化のため、この例ではセラミックを用いているが、樹脂でもよい。また、磁性体も誘電体と同じく、波長短縮効果があるので、磁性体を用いてもよい。
【0037】
セラミックブロック1の表面には、銀などの導体で印刷された導体パターンが形成されている。2はセラミックブロック1の周囲に印刷された螺旋導体パターンであり、3は螺旋の先端部に電気的につながり、セラミックブロック1の上面に導体印刷された容量板である。
【0038】
螺旋導体パターン2は、螺旋の軸に垂直な方向(紙面内の横方向)がセラミックブロック1の長手方向になるように印刷されている。4は、セラミックブロック1の裏面(紙面では向こう側)に導体印刷された励振電極であり、5は同じく裏面に設けられた固定用の固定電極である。6は、本アンテナの全体を示す。
【0039】
誘電体や磁性体を用いない場合、材質の誘電率や透磁率による波長短縮効果を得られないため、アンテナが小形化しにくくなるが、その代わり、高効率や広帯域が得られやすいため、セラミックブロック1を用いずに、板金などで、立体的な螺旋アンテナを空間中に作ることもできる。
【0040】
(実施の形態2)図2は、本発明の実施の形態2におけるアンテナ装置を示す斜視図であり、本発明のアンテナ6の実装例である。7はガラスエポキシ基板であり、寸法は186×43×0.7mmである。8はガラスエポキシ基板7の表面に貼られた銅箔であり、以降グランドと呼ぶ。グランド8のサイズは43×170mmである。また、アンテナ6はグランド8から9mm離して設置している。
【0041】
アンテナ6は、ガラスエポキシ基板7上のグランドのない領域に半田付けされる。10はガラスエポキシ基板7の上に銅箔で貼られた励振電極配線であり、9は同じく固定電極配線である。励振電極配線10は、アンテナ6の励振電極4と、そして、固定電極配線9はアンテナ6の固定電極5もしくは螺旋導体パターン2の一部と半田付けされる。
【0042】
13はアンテナ6を励振する同軸ケーブルであり、内導体はガラスエポキシ基板7上の導体箔よりなる整合回路配線11に半田付けされ、外導体はグランド8に半田付けされている。整合回路配線11は、チップキャパシタ14、チップインダクタ12とともに、整合回路を構成する。
【0043】
アンテナ6をグランド近傍に配置した場合、整合が劣化する。また、アンテナの放射効率は必ずしもアンテナの共振周波数で最大にならない。そこで、整合回路により、所要周波数で共振、整合、効率が良くなるように、調整する。
【0044】
図10に整合回路を示す。図2の実施の形態1では図10(a)の回路を用いているが、異なる周波数で2共振をとる場合には、図10(b)、図10(c)の構成が適する場合もある。図10の30は送受信アンテナ、31は電源、32は直列キャパシタ、33はグランドヘの接地インダクタである。また、34はグランド、35は直列インダクタである。
【0045】
本構成でリターンロスを測定した結果、824〜960MHz、1710〜1990MHz全域でリターンロス5dB以下の整合状態が得られた。また、効率を測定した結果、824〜960MHzで−3.5dB以上、1710〜1990MHzで−3dB以上の効率を得た。
【0046】
本アンテナ6で、広帯域な多周波数動作が可能な理由を以下に示す。本アンテナ6は、直方体セラミックの側面に印刷されているため、螺旋形導体の軸に垂直な長手方向の2面上に、螺旋の折り返した部分が平行に近い角度で向き合って隣接する。
【0047】
図3に、基本波および倍調波での電流分布を示す。モノポールアンテナでは、例えば、基本波が900MHzであるとすれば、アンテナ先端が開放端であり、給電点は1/4波長だけ離れた位置にとる。その場合、基本波では、モノポールアンテナ上の電流はどの位置でも同じ向きを有している。
【0048】
基本波900MHzの電流の向きを図3(a)に示す。周波数が高くなるにつれて、アンテナ上の電流分布は、図3(b)、図3(c)、図3(d)のように変化する。ここで、図3(b)は1710MHz、図3(c)は1800MHz、図3(d)は1990MHzの電流分布を示している。電流の向き15は実線および破線の矢印で示した。
【0049】
図3からわかるように、この周波数帯では、折り曲げアンテナの構成になっており、対応する導体面で同方向の電流が流れている。周波数が多少シフトしても、どこかの場所で部分的な折り曲げアンテナが構成されるため、広帯域な特性が得られる。このとき、倍調波で螺旋が折り曲げアンテナを構成するために、螺旋は1ターン程度、もしくは1ターン弱から1ターン半の間がよい。アンテナ先端部は電流密度が小さいため、1ターンを少し越えても、折り曲げアンテナの障害にならない。
【0050】
また、折り曲げ部は接近し、かつ長い方が、折り曲げアンテナを形成しやすいため、多くの場合、螺旋の軸に垂直な平面での直交する2軸の一方の長さは、螺旋の軸方向よりも、長くするとよい。
【0051】
ところで、図1の本アンテナ6は、容量板3を有している。容量板3がなくても倍調波は広帯域になるため、容量板は必ずしもなくても良いが、あった方が、基本波を広帯域にできる。
【0052】
また、図1では、セラミックブロック1の一面全体が容量板3になっているが、容量板と螺旋部分の全体が近くに位置していると、電磁相関により映像電流が流れ、アンテナの効率を劣化させる可能性が出てくるので、セラミックブロック1の一面すべてを使わずに、一部分のみを容量板としても良い。
【0053】
本アンテナの等価回路を図4に示す。等価回路の直列キャパシタンスC1は、図1の容量板3と図2のグランド8との間のキャパシタンスを示す。インダクタンスL1とキャパシタンスC2からなる並列回路は、図1の螺旋導体パターン2部分の等価回路を示す。ここで、インダクタンスL1は、螺旋導体パターン2の作るインダクタンスを示し、キャパシタンスC2は螺旋導体パターン2の線間キャパシタンスを示す。
【0054】
この容量板3により、アンテナの共振周波数を下げることができ、その結果、アンテナの線間キャパシタンスC2を下げても、低い周波数で共振が取れる。
【0055】
ところで、線間キャパシタンスC2が大きいと、ヘリカルアンテナ(螺旋形のアンテナ)の共振周波数を下げるが、同時に、共振時の帯域幅を狭くする。従って、線間キャパシタンスC2を下げることにより、共振時の帯域幅を増加できる。
【0056】
C2は螺旋導体パターン2の線間キャパシタンスであるが、基本波の帯域幅には、特に、螺旋の始点と終点との間のキャパシタンスが効いてくる。そのため、螺旋の始点・終点間距離を離すことにより、基本波に対して広帯域にできる。
【0057】
図1の例では、容量板3によって共振周波数を下げ、螺旋の始点・終点間距離を離すことにより、基本波で広帯域にしている。これらに伴い、螺旋は1ターン弱程度からなっている。
【0058】
図1の例では、リターンロス−5dBで、基本波800MHz〜1GHz、倍長波1700〜2GHzMHzで共振する。アンテナ寸法は、長さ22×幅5×4mm(基板面からの高さ)である。軽量化のため、セラミックブロック1の22×4mmの面、すなわち螺旋の軸に垂直な面に、垂直に貫通穴や座繰り部があっても良い。
【0059】
貫通穴や座繰り部による実効誘電率の変化はあまり大きくない。穴が容量板を貫通すれば、容量板のキャパシタンスは変化するが、螺旋の太さ、長さの調整で、アンテナの電気的特性は十分調整可能である。セラミックブロック全体の重さは約4gであるが、厚み1mmのみを残して貫通穴を開けた場合には、重量1gになり、軽量化される。
【0060】
(実施の形態3)図5は、本アンテナの実施の形態3を示す斜視図である。この例では容量板がついていない。容量板の代わりに、螺旋形導体の延長部分17が追加されている。延長部分17は、螺旋形導体と同じ側面にあっても良いが、この例では螺旋の始端部分から離すために、異なる面に付けている。螺旋形導体は、延長部分も含めて1ターン〜1ターン半の間にとっている。なお、螺旋形導体の延長部分17の先端に容量板(図示されていない)が接続されていてもよい。
【0061】
(実施の形態4)図6は、本アンテナの実施の形態4を示す斜視図である。映像電流によるアンテナ効率低下を防止するため、螺旋導体パターン20の大部分と容量板19を離した導体パターンが形成されている。それにより、螺旋導体パターン20の向かい合う面が平行になっている。また、容量板19は、セラミックブロックの一面の一部のみを使っている。
【0062】
(実施の形態5)図7は、本発明の実施の形態5を示す斜視図である。
【0063】
このアンテナ44においては、セラミックブロック43の表面にアンテナ導線と励振電極45と固定電極46が形成されている。
【0064】
さらに、アンテナ導線は、螺旋導体パターン41とともにアンテナ先端部分に42aと42bの2叉に分かれた分枝を有する。2叉の分枝42aと42bでは電気長が異なるため、2つの長さの異なるアンテナを合成したことになり、アンテナの帯域幅が増加する。また、2叉の分枝42a、42bの先端に導体の板を容量板として付けることもできる。
【0065】
(実施の形態6)図8は、本発明の実施の形態6を示す斜視図であり、螺旋導体パターン41は1ターン半から2ターン取っている。
【0066】
この構成では、図8に示すように3倍調波にて、丁度、折り曲げアンテナの構造となり、電流の向き16の矢印が示すように、螺旋の各半ターンで電流の向きがそろう。そのため、3倍調波で広帯域なアンテナ特性が得られる。螺旋導体パターンが1ターン半程度では、倍調波、3倍調波の両方にて、比較的広帯域な共振が得られる。
【0067】
(実施の形態7)図9は、本発明の実施の形態7における、螺旋形のアンテナ以外の、同じ原理を適用したアンテナを示す斜視図である。
【0068】
本実施の形態7では、樹脂ブロック26上の同一面に、基本波アンテナ導線21と、倍調波アンテナ導線22と23がメッキにより形成されている。倍調波アンテナ導線22と23はほぼ平行であり、ともに、基本波アンテナ導線21と直交する。
【0069】
基本波に対しては、倍調波アンテナ導線22と23は伝送線路として、基本波アンテナ導線21はアンテナとして働く。
【0070】
一方、倍調波に対しては、倍調波アンテナ導線22と23は折り曲げアンテナとして機能し、基本波アンテナ導線21と共に、アンテナとして働く。
【0071】
24は、給電電極25から倍調波アンテナ導線22に接続する給電導線であるが、給電導線24自身も、基本波、倍調波に対して、アンテナとして働く。ここで、給電導線24は、基本波アンテナ導線21、倍調波アンテナ導線22および23のいずれとも直交するため、これらと伝送線路を作らず、アンテナとなる。
【0072】
28は、アンテナとしての給電導線24に対して、並列キャパシタンスを作り、リアクタンスを増やすことによりアンテナを短縮させる容量導線である。ただし、容量導線28はなくてもよい。また、27は固定電極である。
【0073】
さらに、図9には描かれていないが、螺旋形のアンテナである実施の形態1のように、倍調波アンテナ導線23に接続する容量板があってもよい。
【0074】
本アンテナも実施の形態2に対する図2の場合と同様に実装される。容量板がある場合には、実施の形態2の場合と同様に、グランドとの間で容量を作り、アンテナの共振周波数を低下させる。
【0075】
(実施の形態8)図11は、本実施の形態8におけるアンテナ装置を示す斜視図であり、図9に示した実施の形態7と同様のアンテナの実装において、さらに周波数を低下させるため、容量性の励振構造を取って、実装した例を示す。
【0076】
52と60は励振電極であり、同軸ケーブル55により、ガラスエポキシ基板56上の導線パターンである励振配線54に給電がなされる。同軸ケーブル55の外導体は、グランド57に電気的に接続している。なお、図11では省略したが、図2の場合と同様にチップインダクタおよびチップキャパシタで構成した整合回路を用いる。
【0077】
また、51はアンテナの励振導線であり、励振電極60により、容量結合により給電される。59は接地電極、58はガラスエポキシ基板56上の接地配線である。アンテナ電流は励振配線54および接地配線58を通るので、アンテナは励振配線54および接地配線58を通る2本のアンテナの合成となり、アンテナ長が増大し、共振周波数が低下する。
【0078】
【発明の効果】
以上述べたように、螺旋の軸に垂直な直交する二方向の長さ(差し渡し)が、同一サイズではない螺旋形のアンテナにおいて、螺旋を略1ターンから1ターン半で広帯域な倍調波が得られる。また、1ターン半から2ターンで広帯域な3倍調波が得られる。
【0079】
さらに、この構造で容量板を装荷することにより、基本波の帯域幅を改善できる。
【0080】
また、同様の原理により、螺旋構造でない、単一のコの字状導体を有するアンテナにおいても、倍調波において広帯域が得られる。
【0081】
そして、いずれの導体形状を有するアンテナおよびアンテナ装置も小形に作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のアンテナを示す斜視図。
【図2】本発明の実施の形態2のアンテナ装置を示す斜視図。
【図3】本発明の実施の形態1のアンテナにおける螺旋導体パターン上の電流分布の周波数変化を示す斜視図。図3(a)は900MHz、図3(b)は1710MHz、図3(c)は1800MHz、図3(d)は1990MHzの場合を示す。
【図4】本発明の実施の形態1のアンテナに対する等価回路を示す図。
【図5】本発明の実施の形態3のアンテナを示す斜視図。
【図6】本発明の実施の形態4のアンテナを示す斜視図。
【図7】本発明の実施の形態5のアンテナを示す斜視図。
【図8】本発明の実施の形態6のアンテナを示す斜視図。
【図9】本発明の実施の形態7のアンテナを示す斜視図。
【図10】本発明に用いる整合回路の等価回路を示す図。図10(a)、図10(b)、図10(c)はいずれも整合回路の構成例を示す。
【図11】本発明の実施の形態8のアンテナ装置を示す斜視図。
【図12】従来例のアンテナを示す図。図12(a)はその外観を示す斜視図、図12(b)はその断面図。
【符号の説明】
1,43 セラミックブロック
2,20,41 螺旋導体パターン
3,19 容量板
4,45,52,60 励振電極
5,27,46 固定電極
6,44 アンテナ
7,56 ガラスエポキシ基板
8,34,57 グランド
9 固定電極配線
10 励振電極配線
11 整合回路配線
12 チップインダクタ
13,55 同軸ケーブル
14 チップキャパシタ
15,16 電流の向き
17 延長部分
21 基本波アンテナ導線
22,23 倍調波アンテナ導線
24 給電導線
25 給電電極
26 樹脂ブロック
28 容量導線
30 送受信アンテナ
31 電源
32 直列キャパシタ
33 接地インダクタ
35 直列インダクタ
42a,42b 2叉の分枝
51 励振導線
54 励振配線
58 接地配線
59 接地電極
C1,C2 キャパシタンス
L1 インダクタンス
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth)などに好適なアンテナおよびアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、移動電話あるいはPHS(Personal Handy−phone System:商標登録)などの名称で呼ばれる無線通信装置が一般ユーザに普及しており、その小形軽量化が要望されている。
【0003】
ところで、無線通信装置における電波の送受信を行うアンテナ素子については、導体線路の全長と電波の波長には密接な関係がある。このため、単純に導体線路を短縮すると共振周波数が上昇するので、所望の周波数の電波を良好な効率で無線通信することが困難となる。そこで、必要な共振周波数を維持しながらアンテナ素子の全体形状を小形化するため、各種の技術が開発されている。
【0004】
例えば、ミアンダラインやヘリカルライン状のアンテナにより、アンテナの高さを短縮する方法がある。
【0005】
また、誘電体アンテナでは、アンテナ導線を誘電体の表面、もしくは内部に形成することにより、誘電体による波長短縮効果を使って、アンテナサイズの短縮を図る。
【0006】
また、移動体電話よりも周波数の低い領域では、装荷アンテナが使用されている。装荷アンテナでは、アンテナ頂上部にグランドとの間に容量を取るための容量板を置いたり、アンテナ中央にインダクタンスを増やすためのコイルを装荷する。これらは、グランドとの間に直列のLC回路を形成するため、共振長を短く取れる。
【0007】
一方、PDC、GPS、IMT2000などの周波数の異なる各種システムを同じ携帯電話に備える要望も高まってきており、それに伴い、一つのアンテナでこれらのシステムに対応する必要も生じている。これに対して、誘電体を用いて多周波数アンテナを小形化すると、アンテナの内蔵化が可能になる。従って、多周波数対応の小形誘電体アンテナに対するニーズは高い。
【0008】
多周波数アンテナの従来例を図12に示す。図12(a)はその外観を示す斜視図であり、図12(b)はその断面図である。
【0009】
図12は、大きさの異なる円形パッチアンテナを重ねた2周波数共用アンテナを示す。このような多周波数対応のパッチアンテナの詳細は、例えば 「図説・アンテナ」 後藤尚久著、電子情報通信学会(1995)、に示されているとおりである。
【0010】
図12において、下側の大きいパッチアンテナ101で低い周波数を、上側の小さいパッチアンテナ102で高い周波数を送受信する。103はグランドであり、106aおよび106bは誘電体、107aおよび107bは導体の円板である。104は給電線で、同軸ケーブル108の内部導体を兼ねる。同軸ケーブルの外部導体110は、グランド103とつながっている。
【0011】
104の給電線で上側のパッチアンテナ102が給電される。他方、下側のパッチアンテナ101は直接給電されないで、パッチの穴と給電線104との間の電磁界で給電される。105はショートピンである。
【0012】
このような構成により、2周波数での共用が可能になっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、移動体通信、無線LANあるいはブルートゥースなどで使用されるアンテナとしては、上記のような構成ではパッチアンテナ自体が大きい上に、パッチアンテナを2個重ねているために、サイズが大きくなるという問題がある。
【0014】
例えばPDCの800MHzでアンテナ動作をさせようとすると、周波数が低いため波長が長く、アンテナ長が長くなる。このため、誘電体を使用した誘電体アンテナであっても、アンテナのサイズが大きく、重さも重くなる。
【0015】
さらに、多周波数化を行おうとすると、従来の方法では、別のアンテナを外部に追加するので、サイズがさらに大きくなるという問題がある。
【0016】
また、パッチアンテナは帯域が狭いという問題もあり、多周波数化により付加された周波数においても、同じ問題がある。
【0017】
以上のように、低い周波数対応のアンテナあるいは多周波数対応のアンテナを、携帯端末の内蔵アンテナとして使用するには、サイズ、重さ、帯域幅の点で問題があった。
【0018】
そこで、本発明の目的は、サイズの小さなアンテナであって、なおかつ、広帯域な多周波数動作が可能なアンテナを提供することである。すなわち、携帯機器に内蔵できる小形で多周波数の広帯域なアンテナを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の構成のアンテナは、略直方体の面上に位置する帯状の導体が組み合わされ、全体として略螺旋の形状をなす螺旋形導体を備えるアンテナにおいて、前記螺旋形導体は、前記略螺旋の軸に垂直な面内における互いに直交する2方向での長さが異なることを特徴とする。
【0020】
前記螺旋形導体は、前記略螺旋の軸に垂直な面内における互いに直交する2方向での長さのうち、少なくとも一方が、前記略螺旋の軸に平行な方向での長さよりも長いとよい。
【0021】
また、前記螺旋形導体の終端部に、グランドとの間に容量をもたらす容量板が接続されているとよい。
【0022】
また、前記螺旋形導体の終端部が、2叉に分岐して、2つの分枝の長さが異なるとよい。
【0023】
また、前記螺旋形導体は、誘電体または磁性体の表面に形成されているとよい。
【0024】
また、前記螺旋形導体は、印刷、蒸着、メッキまたは板金張り付けによる導体膜であるとよい。
【0025】
また、前記螺旋形導体が、誘電体または磁性体の内部に形成されているとよい。
【0026】
また、前記螺旋形導体が略1ターンから2ターンで構成されるとよい。
【0027】
そして、前記誘電体または磁性体は、貫通穴もしくは座繰り部を有するとよい。
【0028】
本発明の第2の構成のアンテナは、アンテナ導線として、1方向に伸びる略直線状の導体部分と、前記導体部分の両端部のそれぞれにおいて、前記1方向とは略直角に接続され、かつ互いに略平行である2つの略直線状の導体とを備えることを特徴とする。
【0029】
前記第2の構成において、前記アンテナ導線は誘電体または磁性体の表面もしくは内部に形成されているとよい。
【0030】
また、誘電体または磁性体の表面もしくは内部にアンテナ導線と励振電極と接地電極とが設けられ、前記アンテナ導線は前記接地電極に接触して接続され、かつ前記アンテナ導線の中央付近より接地電極側において、前記アンテナ導線の一部は前記励振電極の近傍に位置するとよい。
【0031】
そして、誘電体または磁性体の表面もしくは内部にアンテナ導線と励振電極と接地電極とが設けられ、前記アンテナ導線は前記接地電極に接触して接続され、かつ前記アンテナ導線の中央付近より接地電極側において、前記アンテナ導線の一部は前記励振電極の近傍に位置するとともに、前記アンテナ導線は、1方向に伸びる略直線状の導体部分と、前記導体部分の両端部のそれぞれにおいて、前記1方向とは略直角に接続され、かつ互いに略平行である2つの略直線状の導体からなるとよい。
【0032】
本発明のアンテナ装置は、上記第1または第2の構成のアンテナが、グランド領域と非グランド領域とを有する基板上の前記非グランド領域に実装されてなることを特徴とする。
【0033】
次に、本発明の作用を説明する。基本波を小形の形状で得るために螺旋構造のアンテナとし、さらに螺旋の軸に垂直な直交する2方向で異なる寸法とし、かつ、螺旋を1ターン弱ないし1ターン半で構成する。こうすることにより、倍調波について、折り返しアンテナの効果が得られ、さらに周波数がシフトしても折り返しアンテナが部分的にでも形成されるため、広帯域が得られる。
【0034】
また、螺旋の軸方向に垂直な2方向の内、長い方の寸法を大きくするほど、周波数変化に対して、折り返しアンテナの帯域が広くなり、広帯域な倍調波が得られる。また、3倍調波の帯域を広くとるためには、螺旋を1ターン半〜2ターンで構成する。こうすることにより、3倍調波に対して電流の位相がそろい、折り返しアンテナとして機能する。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0036】
(実施の形態1)図1は、本発明のアンテナの第1の実施の形態を示す。1は、比誘電率6.7の直方体のセラミックブロックであり、長さ23mm、幅6mm、高さ5mmの大きさを有する。誘電体は波長短縮効果があるので、アンテナの小形化のため、この例ではセラミックを用いているが、樹脂でもよい。また、磁性体も誘電体と同じく、波長短縮効果があるので、磁性体を用いてもよい。
【0037】
セラミックブロック1の表面には、銀などの導体で印刷された導体パターンが形成されている。2はセラミックブロック1の周囲に印刷された螺旋導体パターンであり、3は螺旋の先端部に電気的につながり、セラミックブロック1の上面に導体印刷された容量板である。
【0038】
螺旋導体パターン2は、螺旋の軸に垂直な方向(紙面内の横方向)がセラミックブロック1の長手方向になるように印刷されている。4は、セラミックブロック1の裏面(紙面では向こう側)に導体印刷された励振電極であり、5は同じく裏面に設けられた固定用の固定電極である。6は、本アンテナの全体を示す。
【0039】
誘電体や磁性体を用いない場合、材質の誘電率や透磁率による波長短縮効果を得られないため、アンテナが小形化しにくくなるが、その代わり、高効率や広帯域が得られやすいため、セラミックブロック1を用いずに、板金などで、立体的な螺旋アンテナを空間中に作ることもできる。
【0040】
(実施の形態2)図2は、本発明の実施の形態2におけるアンテナ装置を示す斜視図であり、本発明のアンテナ6の実装例である。7はガラスエポキシ基板であり、寸法は186×43×0.7mmである。8はガラスエポキシ基板7の表面に貼られた銅箔であり、以降グランドと呼ぶ。グランド8のサイズは43×170mmである。また、アンテナ6はグランド8から9mm離して設置している。
【0041】
アンテナ6は、ガラスエポキシ基板7上のグランドのない領域に半田付けされる。10はガラスエポキシ基板7の上に銅箔で貼られた励振電極配線であり、9は同じく固定電極配線である。励振電極配線10は、アンテナ6の励振電極4と、そして、固定電極配線9はアンテナ6の固定電極5もしくは螺旋導体パターン2の一部と半田付けされる。
【0042】
13はアンテナ6を励振する同軸ケーブルであり、内導体はガラスエポキシ基板7上の導体箔よりなる整合回路配線11に半田付けされ、外導体はグランド8に半田付けされている。整合回路配線11は、チップキャパシタ14、チップインダクタ12とともに、整合回路を構成する。
【0043】
アンテナ6をグランド近傍に配置した場合、整合が劣化する。また、アンテナの放射効率は必ずしもアンテナの共振周波数で最大にならない。そこで、整合回路により、所要周波数で共振、整合、効率が良くなるように、調整する。
【0044】
図10に整合回路を示す。図2の実施の形態1では図10(a)の回路を用いているが、異なる周波数で2共振をとる場合には、図10(b)、図10(c)の構成が適する場合もある。図10の30は送受信アンテナ、31は電源、32は直列キャパシタ、33はグランドヘの接地インダクタである。また、34はグランド、35は直列インダクタである。
【0045】
本構成でリターンロスを測定した結果、824〜960MHz、1710〜1990MHz全域でリターンロス5dB以下の整合状態が得られた。また、効率を測定した結果、824〜960MHzで−3.5dB以上、1710〜1990MHzで−3dB以上の効率を得た。
【0046】
本アンテナ6で、広帯域な多周波数動作が可能な理由を以下に示す。本アンテナ6は、直方体セラミックの側面に印刷されているため、螺旋形導体の軸に垂直な長手方向の2面上に、螺旋の折り返した部分が平行に近い角度で向き合って隣接する。
【0047】
図3に、基本波および倍調波での電流分布を示す。モノポールアンテナでは、例えば、基本波が900MHzであるとすれば、アンテナ先端が開放端であり、給電点は1/4波長だけ離れた位置にとる。その場合、基本波では、モノポールアンテナ上の電流はどの位置でも同じ向きを有している。
【0048】
基本波900MHzの電流の向きを図3(a)に示す。周波数が高くなるにつれて、アンテナ上の電流分布は、図3(b)、図3(c)、図3(d)のように変化する。ここで、図3(b)は1710MHz、図3(c)は1800MHz、図3(d)は1990MHzの電流分布を示している。電流の向き15は実線および破線の矢印で示した。
【0049】
図3からわかるように、この周波数帯では、折り曲げアンテナの構成になっており、対応する導体面で同方向の電流が流れている。周波数が多少シフトしても、どこかの場所で部分的な折り曲げアンテナが構成されるため、広帯域な特性が得られる。このとき、倍調波で螺旋が折り曲げアンテナを構成するために、螺旋は1ターン程度、もしくは1ターン弱から1ターン半の間がよい。アンテナ先端部は電流密度が小さいため、1ターンを少し越えても、折り曲げアンテナの障害にならない。
【0050】
また、折り曲げ部は接近し、かつ長い方が、折り曲げアンテナを形成しやすいため、多くの場合、螺旋の軸に垂直な平面での直交する2軸の一方の長さは、螺旋の軸方向よりも、長くするとよい。
【0051】
ところで、図1の本アンテナ6は、容量板3を有している。容量板3がなくても倍調波は広帯域になるため、容量板は必ずしもなくても良いが、あった方が、基本波を広帯域にできる。
【0052】
また、図1では、セラミックブロック1の一面全体が容量板3になっているが、容量板と螺旋部分の全体が近くに位置していると、電磁相関により映像電流が流れ、アンテナの効率を劣化させる可能性が出てくるので、セラミックブロック1の一面すべてを使わずに、一部分のみを容量板としても良い。
【0053】
本アンテナの等価回路を図4に示す。等価回路の直列キャパシタンスC1は、図1の容量板3と図2のグランド8との間のキャパシタンスを示す。インダクタンスL1とキャパシタンスC2からなる並列回路は、図1の螺旋導体パターン2部分の等価回路を示す。ここで、インダクタンスL1は、螺旋導体パターン2の作るインダクタンスを示し、キャパシタンスC2は螺旋導体パターン2の線間キャパシタンスを示す。
【0054】
この容量板3により、アンテナの共振周波数を下げることができ、その結果、アンテナの線間キャパシタンスC2を下げても、低い周波数で共振が取れる。
【0055】
ところで、線間キャパシタンスC2が大きいと、ヘリカルアンテナ(螺旋形のアンテナ)の共振周波数を下げるが、同時に、共振時の帯域幅を狭くする。従って、線間キャパシタンスC2を下げることにより、共振時の帯域幅を増加できる。
【0056】
C2は螺旋導体パターン2の線間キャパシタンスであるが、基本波の帯域幅には、特に、螺旋の始点と終点との間のキャパシタンスが効いてくる。そのため、螺旋の始点・終点間距離を離すことにより、基本波に対して広帯域にできる。
【0057】
図1の例では、容量板3によって共振周波数を下げ、螺旋の始点・終点間距離を離すことにより、基本波で広帯域にしている。これらに伴い、螺旋は1ターン弱程度からなっている。
【0058】
図1の例では、リターンロス−5dBで、基本波800MHz〜1GHz、倍長波1700〜2GHzMHzで共振する。アンテナ寸法は、長さ22×幅5×4mm(基板面からの高さ)である。軽量化のため、セラミックブロック1の22×4mmの面、すなわち螺旋の軸に垂直な面に、垂直に貫通穴や座繰り部があっても良い。
【0059】
貫通穴や座繰り部による実効誘電率の変化はあまり大きくない。穴が容量板を貫通すれば、容量板のキャパシタンスは変化するが、螺旋の太さ、長さの調整で、アンテナの電気的特性は十分調整可能である。セラミックブロック全体の重さは約4gであるが、厚み1mmのみを残して貫通穴を開けた場合には、重量1gになり、軽量化される。
【0060】
(実施の形態3)図5は、本アンテナの実施の形態3を示す斜視図である。この例では容量板がついていない。容量板の代わりに、螺旋形導体の延長部分17が追加されている。延長部分17は、螺旋形導体と同じ側面にあっても良いが、この例では螺旋の始端部分から離すために、異なる面に付けている。螺旋形導体は、延長部分も含めて1ターン〜1ターン半の間にとっている。なお、螺旋形導体の延長部分17の先端に容量板(図示されていない)が接続されていてもよい。
【0061】
(実施の形態4)図6は、本アンテナの実施の形態4を示す斜視図である。映像電流によるアンテナ効率低下を防止するため、螺旋導体パターン20の大部分と容量板19を離した導体パターンが形成されている。それにより、螺旋導体パターン20の向かい合う面が平行になっている。また、容量板19は、セラミックブロックの一面の一部のみを使っている。
【0062】
(実施の形態5)図7は、本発明の実施の形態5を示す斜視図である。
【0063】
このアンテナ44においては、セラミックブロック43の表面にアンテナ導線と励振電極45と固定電極46が形成されている。
【0064】
さらに、アンテナ導線は、螺旋導体パターン41とともにアンテナ先端部分に42aと42bの2叉に分かれた分枝を有する。2叉の分枝42aと42bでは電気長が異なるため、2つの長さの異なるアンテナを合成したことになり、アンテナの帯域幅が増加する。また、2叉の分枝42a、42bの先端に導体の板を容量板として付けることもできる。
【0065】
(実施の形態6)図8は、本発明の実施の形態6を示す斜視図であり、螺旋導体パターン41は1ターン半から2ターン取っている。
【0066】
この構成では、図8に示すように3倍調波にて、丁度、折り曲げアンテナの構造となり、電流の向き16の矢印が示すように、螺旋の各半ターンで電流の向きがそろう。そのため、3倍調波で広帯域なアンテナ特性が得られる。螺旋導体パターンが1ターン半程度では、倍調波、3倍調波の両方にて、比較的広帯域な共振が得られる。
【0067】
(実施の形態7)図9は、本発明の実施の形態7における、螺旋形のアンテナ以外の、同じ原理を適用したアンテナを示す斜視図である。
【0068】
本実施の形態7では、樹脂ブロック26上の同一面に、基本波アンテナ導線21と、倍調波アンテナ導線22と23がメッキにより形成されている。倍調波アンテナ導線22と23はほぼ平行であり、ともに、基本波アンテナ導線21と直交する。
【0069】
基本波に対しては、倍調波アンテナ導線22と23は伝送線路として、基本波アンテナ導線21はアンテナとして働く。
【0070】
一方、倍調波に対しては、倍調波アンテナ導線22と23は折り曲げアンテナとして機能し、基本波アンテナ導線21と共に、アンテナとして働く。
【0071】
24は、給電電極25から倍調波アンテナ導線22に接続する給電導線であるが、給電導線24自身も、基本波、倍調波に対して、アンテナとして働く。ここで、給電導線24は、基本波アンテナ導線21、倍調波アンテナ導線22および23のいずれとも直交するため、これらと伝送線路を作らず、アンテナとなる。
【0072】
28は、アンテナとしての給電導線24に対して、並列キャパシタンスを作り、リアクタンスを増やすことによりアンテナを短縮させる容量導線である。ただし、容量導線28はなくてもよい。また、27は固定電極である。
【0073】
さらに、図9には描かれていないが、螺旋形のアンテナである実施の形態1のように、倍調波アンテナ導線23に接続する容量板があってもよい。
【0074】
本アンテナも実施の形態2に対する図2の場合と同様に実装される。容量板がある場合には、実施の形態2の場合と同様に、グランドとの間で容量を作り、アンテナの共振周波数を低下させる。
【0075】
(実施の形態8)図11は、本実施の形態8におけるアンテナ装置を示す斜視図であり、図9に示した実施の形態7と同様のアンテナの実装において、さらに周波数を低下させるため、容量性の励振構造を取って、実装した例を示す。
【0076】
52と60は励振電極であり、同軸ケーブル55により、ガラスエポキシ基板56上の導線パターンである励振配線54に給電がなされる。同軸ケーブル55の外導体は、グランド57に電気的に接続している。なお、図11では省略したが、図2の場合と同様にチップインダクタおよびチップキャパシタで構成した整合回路を用いる。
【0077】
また、51はアンテナの励振導線であり、励振電極60により、容量結合により給電される。59は接地電極、58はガラスエポキシ基板56上の接地配線である。アンテナ電流は励振配線54および接地配線58を通るので、アンテナは励振配線54および接地配線58を通る2本のアンテナの合成となり、アンテナ長が増大し、共振周波数が低下する。
【0078】
【発明の効果】
以上述べたように、螺旋の軸に垂直な直交する二方向の長さ(差し渡し)が、同一サイズではない螺旋形のアンテナにおいて、螺旋を略1ターンから1ターン半で広帯域な倍調波が得られる。また、1ターン半から2ターンで広帯域な3倍調波が得られる。
【0079】
さらに、この構造で容量板を装荷することにより、基本波の帯域幅を改善できる。
【0080】
また、同様の原理により、螺旋構造でない、単一のコの字状導体を有するアンテナにおいても、倍調波において広帯域が得られる。
【0081】
そして、いずれの導体形状を有するアンテナおよびアンテナ装置も小形に作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のアンテナを示す斜視図。
【図2】本発明の実施の形態2のアンテナ装置を示す斜視図。
【図3】本発明の実施の形態1のアンテナにおける螺旋導体パターン上の電流分布の周波数変化を示す斜視図。図3(a)は900MHz、図3(b)は1710MHz、図3(c)は1800MHz、図3(d)は1990MHzの場合を示す。
【図4】本発明の実施の形態1のアンテナに対する等価回路を示す図。
【図5】本発明の実施の形態3のアンテナを示す斜視図。
【図6】本発明の実施の形態4のアンテナを示す斜視図。
【図7】本発明の実施の形態5のアンテナを示す斜視図。
【図8】本発明の実施の形態6のアンテナを示す斜視図。
【図9】本発明の実施の形態7のアンテナを示す斜視図。
【図10】本発明に用いる整合回路の等価回路を示す図。図10(a)、図10(b)、図10(c)はいずれも整合回路の構成例を示す。
【図11】本発明の実施の形態8のアンテナ装置を示す斜視図。
【図12】従来例のアンテナを示す図。図12(a)はその外観を示す斜視図、図12(b)はその断面図。
【符号の説明】
1,43 セラミックブロック
2,20,41 螺旋導体パターン
3,19 容量板
4,45,52,60 励振電極
5,27,46 固定電極
6,44 アンテナ
7,56 ガラスエポキシ基板
8,34,57 グランド
9 固定電極配線
10 励振電極配線
11 整合回路配線
12 チップインダクタ
13,55 同軸ケーブル
14 チップキャパシタ
15,16 電流の向き
17 延長部分
21 基本波アンテナ導線
22,23 倍調波アンテナ導線
24 給電導線
25 給電電極
26 樹脂ブロック
28 容量導線
30 送受信アンテナ
31 電源
32 直列キャパシタ
33 接地インダクタ
35 直列インダクタ
42a,42b 2叉の分枝
51 励振導線
54 励振配線
58 接地配線
59 接地電極
C1,C2 キャパシタンス
L1 インダクタンス
Claims (14)
- 略直方体の面上に位置する帯状の導体が組み合わされ、全体として略螺旋の形状をなす螺旋形導体を備えるアンテナにおいて、前記螺旋形導体は、前記略螺旋の軸に垂直な面内における互いに直交する2方向での長さが異なることを特徴とするアンテナ。
- 前記螺旋形導体は、前記略螺旋の軸に垂直な面内における互いに直交する2方向での長さのうち、少なくとも一方が、前記略螺旋の軸に平行な方向での長さよりも長いことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
- 前記螺旋形導体の終端部に、グランドとの間に容量をもたらす容量板が接続されていることを特徴とする請求項1または2記載のアンテナ。
- 前記螺旋形導体の終端部が、2叉に分岐して、2つの分枝の長さが異なることを特徴とする請求項1、2または3記載のアンテナ。
- 前記螺旋形導体が、誘電体または磁性体の表面に形成されたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のアンテナ。
- 前記螺旋形導体は、印刷、蒸着、メッキまたは板金張り付けによる導体膜であることを特徴とする請求項5記載のアンテナ。
- 前記螺旋形導体が、誘電体または磁性体の内部に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のアンテナ。
- 前記螺旋形導体が略1ターンから2ターンで構成されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のアンテナ。
- 前記誘電体または磁性体は、貫通穴もしくは座繰り部を有することを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載のアンテナ。
- アンテナ導線として、1方向に伸びる略直線状の導体部分と、前記導体部分の両端部のそれぞれにおいて、前記1方向とは略直角に接続され、かつ互いに略平行である2つの略直線状の導体とを備えることを特徴とするアンテナ。
- 前記アンテナ導線は誘電体または磁性体の表面もしくは内部に形成されていることを特徴とする請求項10に記載のアンテナ。
- 誘電体または磁性体の表面もしくは内部にアンテナ導線と励振電極と接地電極とが設けられ、前記アンテナ導線は前記接地電極に接触して接続され、かつ前記アンテナ導線の中央付近より接地電極側において、前記アンテナ導線の一部は前記励振電極の近傍に位置することを特徴とするアンテナ。
- 誘電体または磁性体の表面もしくは内部にアンテナ導線と励振電極と接地電極とが設けられ、前記アンテナ導線は前記接地電極に接触して接続され、かつ前記アンテナ導線の中央付近より接地電極側において、前記アンテナ導線の一部は前記励振電極の近傍に位置することを特徴とする請求項11に記載のアンテナ。
- 請求項1から13のいずれかに記載のアンテナが、グランド領域と非グランド領域とを有する基板上の前記非グランド領域に実装されてなることを特徴とするアンテナ装置。
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