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JP2004116730A - 被操作装置及びこれを用いたデファレンシャル装置と動力断続装置 - Google Patents

被操作装置及びこれを用いたデファレンシャル装置と動力断続装置 Download PDF

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JP2004116730A
JP2004116730A JP2002283868A JP2002283868A JP2004116730A JP 2004116730 A JP2004116730 A JP 2004116730A JP 2002283868 A JP2002283868 A JP 2002283868A JP 2002283868 A JP2002283868 A JP 2002283868A JP 2004116730 A JP2004116730 A JP 2004116730A
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JP
Japan
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differential
clutch
operated
differential case
electromagnetic actuator
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Application number
JP2002283868A
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English (en)
Inventor
Tetsushi Tomita
富田 哲史
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
Application filed by Tochigi Fuji Sangyo KK filed Critical Tochigi Fuji Sangyo KK
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

【課題】被操作部材とケーシング間の貼り付きと移動操作力の低下を防止することにより、電磁式アクチュエータの大型化と励磁電流の増加を伴わずに、操作レスポンスを向上させ、円滑で安定した動作を得る。
【解決手段】電磁式アクチュエータ9のプランジャ81を介して被操作部材59が作動位置と作動停止位置の間を移動操作される被操作装置1であって、被操作部材59とケーシング5との接触部に、充分な機械的強度が得られる範囲内で接触面積を狭くし、これらの貼り付きによる移動抵抗を低減させる移動抵抗低減手段71を設けた。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電磁式アクチュエータによって操作される被操作装置(例えば、クラッチ)と、このクラッチによって差動を制限する、あるいは、駆動力を断続するデファレンシャル装置と、このクラッチによって駆動力を断続する動力断続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、特開昭64−22633号公報(特許文献1)に記載された車両用デフロック装置501を示している。
【0003】
この車両用デフロック装置501は、ベベルギア式差動機構503、その差動回転をロックするためのドッグクラッチ505、ドッグクラッチ505を噛み合わせ操作する電磁式アクチュエータ507、ドッグクラッチ505の噛み合いを解除するリターンスプリング509などから構成されている。
【0004】
デフケース511を回転させるエンジンの駆動力は、差動機構503のサイドギア513,515からそれぞれの車軸517,519を介して左右の車輪側に配分される。
【0005】
ドッグクラッチ505は、デフケース511と磁性材料製のプランジャ521との間に設けられており、このプランジャ521は左サイドギア513側の車軸517に軸方向移動自在にスプライン連結されている。また、プランジャ521はリターンスプリング509によってドッグクラッチ505の噛み合い解除方向(図8の左方)に付勢されている。
【0006】
電磁式アクチュエータ507は、プランジャ521の外周に同軸配置された磁性材料製のベアリングハウジング523上に巻線された電磁コイル525と、上記のプランジャ521などから構成されており、ベアリングハウジング523とプランジャ521とによって電磁コイル525の磁路が構成されている。
【0007】
電磁コイル525が励磁されていない間、プランジャ521はリターンスプリング509の付勢力によって、図8の位置に移動しており、この状態ではドッグクラッチ505の噛み合いと、差動機構503の差動ロックが解除されている。
【0008】
プランジャ521とベアリングハウジング523にはそれぞれストッパ部527、529が形成されており、左方へ戻ったプランジャ521は、ストッパ部527がベアリングハウジング523のストッパ部529と突き当たって停止する。
【0009】
また、電磁コイル525が励磁されると、上記の磁路に磁束ループが形成され、その磁力によって生じた移動操作力によりプランジャ521は右方に移動し、ドッグクラッチ505を噛み合わせて差動機構503の差動をロックする。
【0010】
悪路走行中のように、駆動輪が空転し易い状況で差動をロックさせると、空転車輪からの駆動力の逃げが防止されて、悪路などの脱出性、走破性が向上し、車両のスタックが防止される。
【0011】
電磁式アクチュエータ507は、電磁コイル525とプランジャ521とを同軸配置したことによって、コンパクトに構成され、ユニット性が高く、車載性に勝れている。
【0012】
【特許文献1】
特開昭64−22633号公報(明細書2頁右上欄7行〜右下欄17行、第2図参照)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、プランジャ521とベアリングハウジング523の各ストッパ部527、529は平面であり、面接触するから互いの接触面積が広く、例えば、オイルの粘性によって、プランジャ521がストッパ部529(ベアリングハウジング523)に貼り付き易い。
【0014】
プランジャ521がストッパ部529に貼り付くと、ドッグクラッチ505を噛み合い操作する際に、この貼り付き力が電磁式アクチュエータの移動抵抗になる。
【0015】
また、接触面積の広さだけオイルの粘性が大きく働くから、貼り付き力によって電磁式アクチュエータに掛かる移動抵抗が大きくなる上、貼り付き力による移動抵抗は、オイル粘度が高くなる低温時(寒冷期や寒冷地)に、特に大きくなる。
【0016】
また、プランジャ521とストッパ部529との接触面積が広いと、電磁式アクチュエータ(電磁コイル)からの磁束がこの接触部を通って漏れ易くなり、磁力と励磁電流のロスがそれだけ大きくなって、電磁式アクチュエータの移動操作力が低下する。
【0017】
このように、貼り付き力による移動抵抗を受ける上に、磁力のロスによって移動操作力が低下すると、電磁式アクチュエータによるドッグクラッチ505の操作レスポンスが低下すると共に、プランジャに倒れや囓りなどが生じたときの移動抵抗による影響を受け易くなり、操作レスポンスの低下にもバラツキが生じるから、電磁式アクチュエータとデファレンシャル装置(ドッグクラッチ505)の動作が円滑を欠き、不安定になり易い。
【0018】
また、電磁式アクチュエータの移動操作力が低下すると、上記のようなオイルの粘性による移動抵抗の影響を大きく受け易くなる。
【0019】
また、電磁式アクチュエータによるドッグクラッチ505の操作レスポンスが低下し、動作が不安定になると、悪路走行中の車両の脱出性や走破性の向上効果、スタックの防止効果などが損なわれ、あるいは、失われる恐れがある。
【0020】
しかし、移動操作力の低下を補うには、電磁式アクチュエータの磁力を強化する必要があり、そのためには電磁式アクチュエータ(電磁コイル)を大型化し、あるいは、励磁電流を増加する必要があるから、これらに伴って、バッテリーの負担が増加し、エンジンの燃費が低下し、大型化と重量増加によって電磁式アクチュエータとデファレンシャル装置(ドッグクラッチ505)の車載性が低下することになる。
【0021】
そこで、この発明は、電磁式アクチュエータにより被操作部材を介して操作される被操作装置であって、被操作部材とケーシング間の貼り付きと移動操作力の低下を防止することにより、電磁式アクチュエータ(電磁コイル)の大型化や励磁電流の増加を伴わずに、円滑で安定した動作と操作レスポンスが得られる被操作装置と、この被操作装置を用いて構成したデファレンシャル装置及び動力断続装置の提供を目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1の被操作装置は、ケーシングに収容され、前記ケーシングとの接触部で互いに接触する軸方向の一側位置と、軸方向の他側位置との間を往復移動可能に配置された被操作部材を有し、電磁コイルの磁力とスプリングの付勢力とによってプランジャを軸方向に往復移動させる電磁式アクチュエータの前記プランジャを介して前記被操作部材が、前記一側又は他側位置まで移動操作されると作動し、前記他側又は一側位置まで移動操作されると作動が停止する被操作装置であって、前記被操作部材と前記ケーシング間の前記接触部に、充分な機械的強度が得られる範囲内で接触面積を狭くし、貼り付きによる移動抵抗を低減させる移動抵抗低減手段を設けたことを特徴とする。
【0023】
このように、請求項1の被操作装置では、軸方向に移動操作される被操作部材が突き当たって停止するケーシングとの接触部において、充分な機械的強度が得られる範囲内で接触面積を狭くした移動抵抗低減手段を設けたことにより、オイルの粘性などによる貼り付きと、貼り付き力によって電磁式アクチュエータやスプリングに掛かる移動抵抗が大幅に軽減される上に、この効果は、オイル粘度が高くなる低温時(寒冷期や寒冷地)において特に著しい。
【0024】
また、被操作部材とケーシングとの接触面積を狭くしたことにより、この接触部(移動抵抗低減手段)で生じる電磁式アクチュエータ(電磁コイル)の磁束漏洩と、磁束漏洩による磁力及び励磁電流のロスと、電磁式アクチュエータの移動操作力低下などがそれだけ軽減されるから、同一サイズの電磁コイルに同一の励磁電流を与えた場合、より大きな移動操作力が得られる。
【0025】
また、このように貼り付き力による移動抵抗が軽減され、磁力のロスによる移動操作力の低下が軽減されるから、電磁式アクチュエータによる被操作装置の操作レスポンスが向上する上に、電磁式アクチュエータのプランジャに倒れや囓りが生じたときの移動抵抗による影響を受けにくくなり、操作レスポンスの低下とバラツキが軽減されるから、電磁式アクチュエータと被操作装置が円滑で安定に動作する。
【0026】
従って、本発明の被操作装置をデファレンシャル装置の差動制限用クラッチにする構成では、車両が悪路などを走行する際の脱出性や走破性の向上効果、スタックの防止効果などが高く保たれる。
【0027】
また、貼り付き力による移動抵抗と、磁力ロスによる移動操作力の低下を補うために、電磁式アクチュエータの電磁コイルを大型化し、あるいは、励磁電流を増加する必要がなくなるから、これらに伴うバッテリーの負担増加、エンジンの燃費低下、大型化と重量増加による電磁式アクチュエータと被操作装置の車載性低下などが防止される。
【0028】
請求項2の発明は、請求項1に記載された被操作装置であって、前記移動抵抗低減手段が、前記接触部において前記被操作部材と前記ケーシングの少なくともいずれか一方に設けられ、相手側との接触面積を狭くすることにより、貼り付きによる移動抵抗を低減させた突起であることを特徴とし、請求項1の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0029】
また、被操作部材やケーシングに設ける突起の大きさ、個数、形状などは、充分な機械的強度が得られる範囲内で任意に変えることが可能であり、これらを変えることによって、貼り付き力と磁力ロスの軽減効果などをチューニングすることが可能であり、被操作装置と電磁式アクチュエータの機能を最適なパフォーマンスにチューニングすることができる。
【0030】
なお、この突起は、被操作部材とケーシングのいずれに設けても、あるいは、両方に設けてもよい。
【0031】
請求項3の発明は、請求項2に記載された被操作装置であって、前記突起が、相手側と線接触する環状、または、環状の一部をなす凸部であることを特徴とし、請求項2の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0032】
また、環状、または、環状の一部をなす凸部は加工が容易であり、低コストに実施することができると共に、凸部が相手側部材と全周で接触し、あるいは、凸部を周方向の複数箇所で相手側部材と接触させることができるから、被操作部材の倒れ防止効果が得られる。
【0033】
請求項4のデファレンシャル装置は、原動機の駆動力を受けて回転するデフケースと、前記デフケースの回転を一対の出力側サイドギアから車輪側に配分する差動機構と、前記デフケースと前記出力側サイドギアのいずれか2者との間に配置され、前記差動機構の差動を制限するクラッチと、請求項1〜3のいずれかに記載され、前記クラッチとして用いられた被操作装置とを備え、前記電磁式アクチュエータによる前記クラッチの操作によって前記差動機構の差動を制限することを特徴とする。
【0034】
また、請求項4のデファレンシャル装置は、電磁式アクチュエータによって本発明の被操作装置(クラッチ)を連結すれば差動機構の差動が制限され、クラッチの連結を解除すれば差動が自由になる。
【0035】
また、請求項4のデファレンシャル装置は、請求項1〜3の被操作装置を用いたことにより、被操作部材とデフケースの貼り付きと移動操作力の低下が防止され、被操作部材とクラッチの操作レスポンスが向上し、円滑で安定した差動制限機能が得られると共に、電磁式アクチュエータ(電磁コイル)の大型化や励磁電流の増加、バッテリーの負担増加、エンジンの燃費低下、大型化と重量増加による車載性の低下などが防止される。
【0036】
請求項5のデファレンシャル装置は、原動機の駆動力を受けて回転するアウターデフケースと、前記アウターデフケースの内部に相対回転可能に配置されたインナーデフケースと、前記インナーデフケースに連結された差動機構と、前記アウターデフケースと前記インナーデフケースとの連結を断続するクラッチと、請求項1〜3のいずれかに記載され、前記クラッチとして用いられた被操作装置とを備え、前記電磁式アクチュエータによる前記クラッチの操作によって前記アウターデフケースと前記インナーデフケースとの間でトルクを断続することを特徴とする。
【0037】
請求項5のデファレンシャル装置は、差動機構の入力側で駆動力を断続するデファレンシャル装置であり、4輪駆動車で2輪駆動走行時に切り離される車輪側の動力伝達系に配置され、電磁式アクチュエータによって本発明の被操作装置(クラッチ)を連結すれば車両は4輪駆動状態になり、クラッチの連結を解除すれば車両は2輪駆動状態になる。
【0038】
また、請求項5のデファレンシャル装置は、請求項1〜3の被操作装置を用いたことにより、被操作部材とデフケースの貼り付きと移動操作力の低下が防止され、被操作部材とクラッチの操作レスポンスが向上し、円滑で安定した駆動力の断続機能が得られると共に、電磁式アクチュエータ(電磁コイル)の大型化や励磁電流の増加、バッテリーの負担増加、エンジンの燃費低下、大型化と重量増加による車載性の低下などが防止される。
【0039】
請求項6のデファレンシャル装置は、原動機の駆動力を受けて回転するデフケースと、前記デフケースの回転を一対の出力側サイドギアから車輪側に配分する差動機構と、前記出力側サイドギアのいずれか一方とその車輪との間に配置されたクラッチと、請求項1〜3のいずれかに記載され、前記クラッチとして用いられた被操作装置とを備え、前記電磁式アクチュエータによる前記クラッチの操作によって前記サイドギアと車輪との間でトルクを断続することを特徴とする。
【0040】
また、請求項6のデファレンシャル装置は、差動機構の出力側で駆動力を断続するデファレンシャル装置であり、請求項5のデファレンシャル装置と同様に、4輪駆動車で2輪駆動走行時に切り離される車輪側の動力伝達系に配置され、電磁式アクチュエータによって本発明の被操作装置(クラッチ)を連結すれば車両は4輪駆動状態になり、クラッチの連結を解除すれば、差動機構の差動回転によって駆動力が遮断され、車両は2輪駆動状態になる。
【0041】
また、請求項6のデファレンシャル装置は、請求項1〜3の被操作装置を用いたことにより、被操作部材とデフケースの貼り付きと移動操作力の低下が防止され、被操作部材とクラッチの操作レスポンスが向上し、円滑で安定した駆動力の断続機能が得られると共に、電磁式アクチュエータ(電磁コイル)の大型化や励磁電流の増加、バッテリーの負担増加、エンジンの燃費低下、大型化と重量増加による車載性の低下などが防止される。
【0042】
請求項7の動力断続装置は、一対のトルク伝達部材と、前記両トルク伝達部材の間に配置されたクラッチと、請求項1〜3のいずれかに記載され、前記クラッチとして用いられた被操作装置とを備え、前記電磁式アクチュエータによる前記クラッチの操作によって前記トルク伝達部材の間でトルクを断続することを特徴とする。
【0043】
請求項7の動力断続装置は、例えば、4輪駆動車で2輪駆動走行時に切り離される車輪側の動力伝達系に配置され、電磁式アクチュエータによって本発明の被操作装置(クラッチ)を連結すれば車両は4輪駆動状態になり、クラッチの連結を解除すれば車両は2輪駆動状態になる。
【0044】
また、請求項7の動力断続装置は、請求項1〜3の被操作装置を用いたことにより、被操作部材とデフケースの貼り付きと移動操作力の低下が防止され、被操作部材とクラッチの操作レスポンスが向上し、円滑で安定した駆動力の断続機能が得られると共に、電磁式アクチュエータ(電磁コイル)の大型化や励磁電流の増加、バッテリーの負担増加、エンジンの燃費低下、大型化と重量増加による車載性の低下などが防止される。
【0045】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1と図2によって本発明の第1実施形態であるドッグクラッチ1及びこれを用いたデファレンシャル装置3の説明をする。
【0046】
以下の説明の中で、左右の方向はデファレンシャル装置3が用いられた車両での左右の方向である。また、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0047】
デファレンシャル装置3は、ドッグクラッチ1(クラッチ:被操作装置)、デフケース5(ケーシング)、ベベルギア式の差動機構7、電磁式アクチュエータ9、リターンスプリング11(スプリング)、ポジションスイッチ13、コントローラなどから構成されている。
【0048】
デフケース5は、ケーシング本体15と左右のカバー17,19から構成されており、ケーシング本体15と左のカバー17は皿ビス21で固定され、ケーシング本体15と右のカバー19は溶接されている。
【0049】
デフケース5はデフキャリヤ23の内部に配置されており、カバー17,19に形成された各ボス部25,27はテーパーローラーベアリング29を介してそれぞれデフキャリヤ23に支承されている。
【0050】
デフキャリヤ23の内部にはオイル溜りが形成されている。
【0051】
デフケース5にはリングギアがボルトで固定されており、このリングギアは動力伝達系のギヤと噛み合っている。この動力伝達系はトランスミッション側に連結されており、デフケース5はトランスミッションとこの動力伝達系とを介して伝達されるエンジン(原動機)の駆動力により回転駆動される。
【0052】
差動機構7は、複数本のピニオンシャフト31、各ピニオンシャフト31上に支承されたピニオンギア33、出力側のサイドギア35,37から構成されている。
【0053】
各ピニオンシャフト31は、デフケース5(ケーシング本体15)に設けられた貫通孔39に端部を係合し、スプリングピン41によって抜け止めされている。また、サイドギア35,37は左右からそれぞれ各ピニオンギア33と噛み合っている。
【0054】
デフケース5と各ピニオンギア33との間には球面ワッシャ43が配置されており、ピニオンギア33の遠心力と、サイドギア35,37との噛み合いによってピニオンギア33に生じる噛み合い反力を受けている。
【0055】
各サイドギア35,37のボス部45,47は、カバー17,19に形成された支承部49,51によって回転自在に支承されており、各ボス部45,47はスプライン連結された車軸を介して左右の車輪側に連結されている。
【0056】
左サイドギア35とデフケース5との間にはスラストワッシャ53が配置され、サイドギア35の噛み合い反力を受けており、右サイドギア37とデフケース5との間にはスラストワッシャ55,55が配置され、サイドギア37の噛み合い反力を受けている。
【0057】
ドッグクラッチ1は、右サイドギア37に形成された噛み合い歯57と、クラッチリング59(被操作部材)に形成された噛み合い歯61によって構成されている。
【0058】
このクラッチリング59には脚部63が周方向等間隔に形成されている。クラッチリング59は各脚部63をカバー19に形成された周方向等間隔の開口65にそれぞれ貫通させてデフケース5に回り止めされ、軸方向移動自在に配置されている。
【0059】
図1の上半部のようにクラッチリング59が右(他側位置)に移動するとドッグクラッチ1の噛み合いが解除され、差動ロックが解除され、図1の下半部のようにクラッチリング59が左(一側位置)に移動するとドッグクラッチ1が噛み合って差動機構7の差動がロックされる。また、右に移動したクラッチリング59はカバー19のボス部27に設けられたストッパ部67と突き当たって停止する。
【0060】
クラッチリング59の内周側にはストッパ部69が設けられている。ストッパ部69には、ボス部27のストッパ部67に向かって、リングの一部をなす突起71(移動抵抗低減手段:凸部)が周方向等間隔に設けられており、ストッパ部67と突き当たったときの接触面積を低減し、これらを実質的に線接触させている。
【0061】
また、クラッチリング59とストッパ部67(デフケース5)との接触面積を低減し、これらを実質的に線接触させたことにより、オイルの粘性などによってデフケース5との間で発生するクラッチリング59の貼り付き力が大幅に軽減している。
【0062】
なお、各ストッパ部69の突起71は、ストッパ部67と突き当たったときに充分な機械的強度が得られる範囲内で、接触面積が最小になるように設定されている。
【0063】
リターンスプリング11は右サイドギア37とクラッチリング59との間に配置され、クラッチリング59をドッグクラッチ1の噛み合い解除側(右方)に付勢している。
【0064】
電磁式アクチュエータ9は、電磁コイル73、一対のコイルハウジング75,77、ガイド部材79、プランジャ81などから構成されている。
【0065】
コイルハウジング75,77は磁性材料(S10C)で作られており、電磁コイル73を左右から挟み込んで一体に形成されている。右のコイルハウジング77は連結部材を介してデフキャリヤ23に固定され、回り止めされている。また、電磁コイル73のリード線83はデフキャリヤ23の外部に引き出され、コネクター85によりコントローラ側のコネクターを介して車載のバッテリに接続されている。
【0066】
ガイド部材79はステンレス鋼のような非磁性材料で作られており、コイルハウジング77の内周側に溶接され、左右のスラストワッシャ87,89によりそれぞれデフケース5の右ボス部27と、テーパーローラーベアリング29のインナーレース91との間で軸方向に位置決めされている。
【0067】
プランジャ81は磁性材料(S10C)で作られており、コイルハウジング75,77とガイド部材79の間に配置され、ガイド部材79の外周で軸方向移動自在に支承されている。プランジャ81の内周にはテフロン(登録商標)のコーティングが施され、ガイド部材79との間で摺動抵抗を低減させている。
【0068】
なお、このテフロン(登録商標)コーティングは、ガイド部材79の外周に施しても、あるいは、プランジャ81の内周とガイド部材79の外周の両方に施してもよい。
【0069】
ドッグクラッチ1のクラッチリング59は、リターンスプリング11の付勢力により、プランジャ81を右方に押圧している。プレッシャープレート93は腕部95によって回転側のクラッチリング59(脚部63)に連結されており、静止側のプランジャ81との間で摺動(相対回転)を許容(吸収)している。
【0070】
コイルハウジング75,77とプランジャ81によって電磁コイル73の磁路が構成されており、プランジャ81はアーマチャになっている。
【0071】
また、コイルハウジング75には、電磁コイル73の磁力によってプランジャ81が左方へ移動したときに、プランジャ81と突き当たって停止させるストッパ部97が設けられている。
【0072】
コントローラは、電磁コイル73の励磁、励磁停止を行う。
【0073】
電磁コイル73が励磁されると、磁路に磁束ループ99が形成され、その磁力によってプランジャ81が左方に移動し、プレッシャープレート93を介し、リターンスプリング11を撓ませながら、クラッチリング59を押圧してドッグクラッチ1を噛み合わせ、上記のように、差動機構7の差動をロックさせる。
【0074】
悪路走行中のように、左右の駆動輪が空転し易い状況で差動をロックさせると、空転車輪からの駆動力の逃げが防止され、悪路などの脱出性、走破性が向上し、車両のスタックが防止される。
【0075】
また、電磁コイル73の励磁を停止すると、リターンスプリング11の付勢力によってクラッチリング59とプレッシャープレート93とプランジャ81が右方へ戻り、ドッグクラッチ1の噛み合いが解除され、差動機構7の差動が自由になる。
【0076】
このとき、クラッチリング59はストッパ部69に設けた突起71でボス部27(デフケース5)のストッパ部67と突き当たり、停止する。
【0077】
また、電磁コイル73の磁力によってクラッチリング59が左方に移動操作されるとき、上記のように、突起71によってストッパ部67との接触面積が狭くなっているから、オイルの粘性などによってクラッチリング59がデフケース5に貼り付く力と、この貼り付き力によって電磁コイル73に掛かる移動抵抗が大幅に軽減される。
【0078】
ポジションスイッチ13の取り付け軸101はデフキャリヤ23を貫通して螺着されており、取り付け軸101と同軸に設けられた位置検出軸103の先端にはプローブ105が形成されている。このプローブ105はプレッシャープレート93の左側面に係合している。また、位置検出軸103(プローブ105)は適度な強さのリターンスプリングによって右方へ付勢されている。
【0079】
ポジションスイッチ13のプローブ105(位置検出軸103)は、ドッグクラッチ1が噛み合うと、プレッシャープレート93の移動に伴って破線の位置まで移動し、ドッグクラッチ1の噛み合いが解除されると、上記のリターンスプリングによって実線の位置へ戻る。
【0080】
ポジションスイッチ13は位置検出軸103のこのような軸方向往復移動に伴ってON−OFFし、その信号をコントローラに送る。コントローラは受け取ったON−OFF信号に基づいて、デファレンシャル装置3(差動機構7)の差動回転がロックされているか否かを判断する。
【0081】
デフケース5には、右カバー19の開口65の他に、左カバー17とケーシング本体15にも開口107,109がそれぞれ形成されており、ボス部25,27の内周には螺旋状のオイル溝が形成されている。さらに、スラストワッシャ53,55と対向する部分には、前記の各螺旋状オイル溝にそれぞれ連通した径方向のオイル溝111,113が形成されている。
【0082】
開口65,107,109はいずれもデフケース5の径方向外側部分に形成されているから、デフキャリヤ23に形成されたオイル溜りのオイルに常時浸されており、デフケース5の回転に伴って開口65,107,109からオイルが流出入する。
【0083】
また、オイル溜りのオイルはデフケース5とリングギアの回転によって掻き上げられ、掻き上げられたオイルは、開口65,107,109から流出入すると共に、ボス部25,27の各螺旋状オイル溝から流入したオイルは、それぞれのネジポンプ作用によって移動を促進され、オイル溝111,113と、スラストワッシャ53,55の隙間などを通ってデフケース5の内部に流入する。
【0084】
デフケース5に流入したオイルは、差動機構7を構成する各ギア33,35,37の噛み合い部、ピニオンシャフト31とピニオンギア33の摺動部、デフケース5とクラッチリング59との摺動部、ドッグクラッチ1(噛み合い歯57,61)などに供給されてこれらを潤滑・冷却する。
【0085】
また、電磁式アクチュエータ9の下部もオイル溜りに浸されており、プランジャ81とプレッシャープレート93との摺動部、プランジャ81とガイド部材79との摺動部(テフロン(登録商標)コーティング部)、ポジションスイッチ13のプローブ105とプレッシャープレート93との摺動部なども潤滑・冷却される。
【0086】
上記の各潤滑・冷却部では、供給されたオイルによって磨耗が軽減され、耐久性が向上すると共に、各摺動部での摩擦抵抗の低減によってエンジンの燃費が向上する。
【0087】
こうして、ドッグクラッチ1を用いたデファレンシャル装置3が構成されている。
【0088】
ドッグクラッチ1は、クラッチリング59に突起71を設け、デフケース5のストッパ部67に対する接触面積を狭くし、これらを実質的に線接触させたことにより、オイルの粘性などによって発生するクラッチリング59の貼り付き力を大幅に軽減させたから、この貼り付き力によって電磁式アクチュエータ9に掛かる移動抵抗がそれだけ軽減され、オイル粘度が高くなる低温時(寒冷期や寒冷地)でも電磁式アクチュエータ9に大きな移動抵抗が掛かることはない。
【0089】
また、クラッチリング59とデフケース5(ストッパ部67)との接触面積を狭くしたことにより、これらの間で生じる電磁コイル73の磁束漏洩、磁束漏洩による磁力及び励磁電流のロス、電磁式アクチュエータ9の移動操作力低下などが大幅に軽減され、同一サイズの電磁コイル73に同一の励磁電流を与えた場合、より大きな移動操作力が得られる。
【0090】
このように貼り付き力による移動抵抗と、磁力のロスによる移動操作力の低下がそれぞれ軽減されたことにより、電磁式アクチュエータ9によるクラッチリング59(ドッグクラッチ1)の操作レスポンスが向上する上に、プランジャ81に倒れや囓りなどが生じたときの移動抵抗の影響や、オイルの粘性による移動抵抗の影響などを受けにくくなり、操作レスポンスの低下とバラツキが軽減される。
【0091】
従って、電磁式アクチュエータ9とデファレンシャル装置3(ドッグクラッチ1)が安定して円滑に動作するから、車両が悪路などを走行する際、必要に応じて差動機構7の差動を迅速にロックすることにより、悪路脱出性や悪路走破性の向上効果、スタックの防止効果などが高く保たれる。
【0092】
また、貼り付き力による移動抵抗と、磁力のロスによる移動操作力の低下を補うために、電磁式アクチュエータ9(電磁コイル73)を大型化し、あるいは、励磁電流を増加する必要がなくなるから、これらに伴うバッテリーの負担増加、エンジンの燃費低下、大型化と重量増加による電磁式アクチュエータ9とデファレンシャル装置3の車載性低下などが防止される。
【0093】
また、リングの一部をなす突起71は加工が容易であり、低コストに実施することができる上に、各突起71を介してクラッチリング59がボス部27(デフケース5)のストッパ部67と周方向等間隔に接触するから、クラッチリング59の倒れを防止する効果が得られる。
【0094】
また、クラッチリング59に設ける突起71の大きさ、個数、形状、位置などは、充分な機械的強度が得られる範囲内で変えることが可能であり、これらを変えることによって、貼り付き力と磁力ロスの軽減効果などをチューニングすることが可能であり、ドッグクラッチ1と電磁式アクチュエータ9の機能を最適なパフォーマンスにチューニングすることができる。
【0095】
なお、移動抵抗低減手段である突起71は、クラッチリング59にではなく、ボス部27(デフケース5)のストッパ部67側に設けてもよい。
【0096】
[第2実施形態]
図3によって本発明の第2実施形態を説明する。
【0097】
第2実施形態はドッグクラッチ1とこれを用いたデファレンシャル装置3のそれぞれ変形例であり、以下、同一の部材等には同一の符号を与えて引用しながら相違点を説明する。
【0098】
第2実施形態では、電磁式アクチュエータ9のガイド部材79が省略されており、プランジャ81の内周はボス部27の外周201で移動自在に支承され、センターリングされている。
【0099】
また、プランジャ81には左方への延長部203が周方向等間隔に設けられている。これらの延長部203は、カバー19の開口65をそれぞれ貫通してドッグクラッチ1のクラッチリング59に圧入され、プランジャ81とクラッチリング59とを一体にしている。
【0100】
また、クラッチリング59はストッパ部69の内周側でデフケース5のボス部27に軸方向移動自在に支承され、センターリングされている。
【0101】
こうして構成された第2実施形態では、プランジャ81をクラッチリング59と一体にしたことにより、プランジャ81のセンターリング部がクラッチリング59(ストッパ部69の内周)のセンターリング部まで延長されて軸方向に長くなったから、偏荷重を受けてもプランジャ81が極めて倒れにくくなっている。
【0102】
例えば、プランジャ81が倒れると、支承部であるボス部27の外周201との間で移動抵抗が増加する上に、倒れに伴ってプランジャ81と外周201との間で囓りが発生するから、電磁式アクチュエータ9の動作が円滑を欠き、不安定になる恐れがある。
【0103】
また、プランジャ81が倒れると、これに伴う移動抵抗の増加や囓りに備えて電磁コイル73の移動操作力(磁力)を強化する必要が生じ、そのためには電磁コイル73の大型化や励磁電流の増加が必要になるから、これに伴ってバッテリーの負担が増加し、エンジンの燃費が低下し、大型化と重量増加によって電磁式アクチュエータ9とデファレンシャル装置3の車載性が低下する。
【0104】
また、プランジャ81の軸方向寸法を長くすれば倒れを軽減できるが、これに伴って電磁式アクチュエータ9が軸方向に大型化し、車載性が低下するから、プランジャ81を、倒れが軽減するまで軸方向に充分長くすることは難しい。
【0105】
しかし、第2実施形態では、上記のようにプランジャ81を倒れにくくし、囓りを防止したことにより、プランジャ81を軸方向に長くする必要がなくなると共に、倒れと囓りによる移動抵抗の増加に備えて、電磁コイル73を大型化し、励磁電流を増加する必要もなくなり、バッテリーの負担増加、エンジンの燃費低下、大型化(特に、軸方向の大型化)と重量増加による電磁式アクチュエータ9とデファレンシャル装置3の車載性低下などが防止される。
【0106】
また、プランジャ81と一体化したことによってクラッチリング59の倒れも軽減され、移動が円滑になるから、ドッグクラッチ1の動作がさらに安定する。
【0107】
また、突起71による磁束漏洩の軽減効果によって、プランジャ81とクラッチリング59を一体にしたことに伴う電磁コイル73の磁束漏洩が相殺されるから、電磁コイル73の磁力と励磁電流のロスが防止され、電磁式アクチュエータ9の移動操作力が高く保たれる。
【0108】
[第3実施形態]
図4〜図7によって本発明の第3実施形態であるドッグクラッチ1及びこれを用いたデファレンシャル装置301の説明をする。
【0109】
デファレンシャル装置301は、第1実施形態のデファレンシャル装置3が用いられた車両において、デファレンシャル装置3と置き換えて用いられており、以下、同一の部材等には同一の符号を与えて引用しながら、相違点を説明する。
【0110】
デファレンシャル装置301は、ドッグクラッチ1、デフケース5、ベベルギア式の差動機構7、電磁式アクチュエータ303、リターンスプリング11、ポジションスイッチ13、コントローラなどから構成されている。
【0111】
電磁式アクチュエータ303は、電磁コイル73、コイルハウジング305、アーマチャ307、レバー309などから構成されている。
【0112】
アーマチャ307は磁性材料(S10C)で作られており、レバー309はステンレス鋼のような非磁性材料で作られている。
【0113】
図5と図6と図7のように、アーマチャ307とレバー309は軸311によって揺動自在に連結され、リンク機構を構成しており、コイルハウジング305の左側に配置されている。
【0114】
また、レバー309には、軸311側の端部に梃子の支点313がコイルハウジング305に向かって形成され、反対側の自由端部に凸部315がプレッシャープレート93に向かって形成されている。
【0115】
コイルハウジング305とアーマチャ307によって電磁コイル73の磁路が構成されている。
【0116】
電磁コイル73を励磁すると、この磁路に磁束ループ317が形成され、図7のように、アーマチャ307がコイルハウジング305側に吸引され、軸311を介してレバー309の軸311側端部がコイルハウジング305に押し付けられる。
【0117】
その結果、図7のように、レバー309の自由端部が支点313を中心に揺動し、凸部315がプレッシャープレート93を介してクラッチリング59を矢印319のように左に押圧し、ドッグクラッチ1を噛み合わせて差動機構7の差動をロックする。
【0118】
また、電磁コイル73の励磁を解除すると、リターンスプリング11の付勢力によってクラッチリング59とプレッシャープレート93が右方へ戻り、ドッグクラッチ1の噛み合いが解除され、差動機構7の差動が自由になる。
【0119】
このとき、凸部315をプレッシャープレート93に押圧されたレバー309が支点313を中心にして反対方向に揺動しコイルハウジング305とほぼ平行になる。さらに、この揺動に伴い、軸311を介してアーマチャ307が左方に移動して、図6のような初期状態に戻る。
【0120】
さらに、レバー309に突き出して設けられた支点313により、この初期状態で、レバー309とコイルハウジング305とが密着しオイルの粘性によって貼り付くことが防止されるから、オイル粘度が高くなる低温時(寒冷期や寒冷地)でもこの貼り付き力によって電磁式アクチュエータ303のレバー309に掛かる揺動抵抗が大幅に軽減される。
【0121】
こうして構成された第3実施形態では、電磁式アクチュエータ303が、軸方向に摺動するプランジャを持たないから、プランジャの倒れと囓りに伴う移動抵抗の増加、操作レスポンスの低下、動作不安定などから本質的に解放されている。
【0122】
また、プランジャを用いないから、プランジャのセンターリング機能が不要である上に、プランジャの倒れと囓りを防止するために軸方向寸法を長くする必要がなくなり、プランジャが往復移動することによるレイアウト上の制約からも解放されている。
【0123】
これらの理由により、電磁式アクチュエータ303及びデファレンシャル装置301は軸方向コンパクトに構成されており、大型化と重量増加による車載性低下が防止される。
【0124】
また、上記のように、オイル粘性によるレバー309とコイルハウジング305との貼り付きが防止されたことにより、電磁式アクチュエータ303の操作力が強化されて、ドッグクラッチ1の操作レスポンスが向上し、デファレンシャル装置301(ドッグクラッチ1)が安定して円滑に動作するから、車両が悪路などを走行する際、必要に応じて差動機構7の差動を迅速にロックすることにより、悪路脱出性や悪路走破性の向上効果、スタックの防止効果などが高く保たれる。
【0125】
また、上記のプランジャの倒れと囓りに備えるために、さらに、貼り付き力による操作力の低下を補うために、電磁コイル73を大型化し、励磁電流を増加して磁力を強化する必要がなくなるから、これに伴うバッテリーの負担増加、エンジンの燃費低下、大型化と重量増加による電磁式アクチュエータ303とデファレンシャル装置301の車載性低下などが防止される。
【0126】
また、上記の各実施形態での電磁式アクチュエータ9と同様に、電磁コイル73を用いたこの電磁式アクチュエータ303は、流体圧式アクチュエータと異なって、高価なポンプとその駆動源及び圧力ラインの引き回しなどが不要であり、構造簡単、低コストで、配置スペースが狭くてすみ、デファレンシャル装置301(デファレンシャル装置3)が軽量で車載性に優れる上に、差動ロックとロック解除のレスポンスが速く、高い信頼性が得られるなどの利点が得られる。
【0127】
なお、本発明では、第1と第2の各実施形態と異なり、電磁コイルを励磁するとプランジャの移動によって被操作装置の作動が停止し、電磁コイルの励磁を解除するとシフトスプリング(スプリング)によって被操作装置が作動するように電磁式アクチュエータを構成してもよい。
【0128】
また、本発明の被操作装置はクラッチに限らない。また、クラッチも、各実施形態のようなドッグクラッチ(噛み合いクラッチ)だけでなく、多板クラッチやコーンクラッチのような摩擦クラッチでもよい。
【0129】
また、本発明のデファレンシャル装置において、差動機構は、ベベルギア式の差動機構に限らず、プラネタリーギア式の差動機構、デフケースの収容孔に回転自在に収容されたピニオンギアで出力側のサイドギアを連結した差動機構、ウォームギアを用いた差動機構などでもよい。
【0130】
また、本発明のデファレンシャル装置は、フロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に配分するデファレンシャル装置)と、リヤデフ(エンジンの駆動力を左右の後輪に配分するデファレンシャル装置)と、センターデフ(エンジンの駆動力を前輪と後輪に配分するデファレンシャル装置)のいずれにも用いることができる。
【0131】
【発明の効果】
請求項1の被操作装置は、被操作部材とケーシングとの接触面積を狭くする移動抵抗低減手段により、貼り付き力によって被操作部材に掛かる移動抵抗が軽減される上に、被操作部材とケーシングとの接触部で生じる磁束漏洩と磁力のロスが軽減され、電磁式アクチュエータの移動操作力低下が軽減される。
【0132】
従って、被操作装置の電磁式アクチュエータによる操作レスポンスが向上すると共に、電磁式アクチュエータのプランジャに倒れや囓りが生じても、これに伴う移動抵抗の影響や、オイルの粘性による移動抵抗の影響などを受けにくくなり、操作レスポンスの低下とバラツキが軽減され、電磁式アクチュエータと被操作装置が円滑で安定に動作するから、例えば、悪路などで車両の脱出性や走破性の向上効果、スタック防止効果などが高く保たれる。
【0133】
また、貼り付き力による移動抵抗と、磁力のロスによる移動操作力の低下を補うために、電磁式アクチュエータを大型化し、励磁電流を増加する必要がなくなるから、バッテリーの負担増加、エンジンの燃費低下、大型化と重量増加による電磁式アクチュエータと被操作装置の車載性低下などが防止される。
【0134】
請求項2の被操作装置は、請求項1の構成と同等の効果を得ることができる。
【0135】
また、突起の大きさ、個数、形状などを変えることによって、貼り付き力及び磁力ロスの軽減効果と、被操作装置と電磁式アクチュエータの機能とを最適なパフォーマンスにチューニングすることができる。
【0136】
請求項3の被操作装置は、請求項2の構成と同等の効果を得ることができる。
【0137】
また、環状の凸部は加工が容易であり、低コストに実施することができる上に、凸部を介して被操作部材が相手側部材と全周または周方向の複数箇所で接触するから、被操作部材の倒れ防止効果が得られる。
【0138】
請求項4のデファレンシャル装置は、請求項1〜3の被操作装置を用いたことにより、被操作部材とデフケースの貼り付きと移動操作力の低下が防止され、被操作部材とクラッチの操作レスポンスが向上し、円滑で安定した差動制限機能が得られると共に、電磁式アクチュエータ(電磁コイル)の大型化や励磁電流の増加、バッテリーの負担増加、エンジンの燃費低下、大型化と重量増加による車載性の低下などが防止される。
【0139】
請求項5のデファレンシャル装置は、請求項1〜3の被操作装置を用いたことにより、被操作部材とデフケースの貼り付きと移動操作力の低下が防止され、被操作部材とクラッチの操作レスポンスが向上し、円滑で安定した駆動力の断続機能が得られると共に、電磁式アクチュエータ(電磁コイル)の大型化や励磁電流の増加、バッテリーの負担増加、エンジンの燃費低下、大型化と重量増加による車載性の低下などが防止される。
【0140】
請求項6のデファレンシャル装置は、請求項1〜3の被操作装置を用いたことにより、被操作部材とデフケースの貼り付きと移動操作力の低下が防止され、被操作部材とクラッチの操作レスポンスが向上し、円滑で安定した駆動力の断続機能が得られると共に、電磁式アクチュエータ(電磁コイル)の大型化や励磁電流の増加、バッテリーの負担増加、エンジンの燃費低下、大型化と重量増加による車載性の低下などが防止される。
【0141】
請求項7の動力断続装置は、請求項1〜3の被操作装置を用いたことにより、被操作部材とデフケースの貼り付きと移動操作力の低下が防止され、被操作部材とクラッチの操作レスポンスが向上し、円滑で安定した駆動力の断続機能が得られると共に、電磁式アクチュエータ(電磁コイル)の大型化や励磁電流の増加、バッテリーの負担増加、エンジンの燃費低下、大型化と重量増加による車載性の低下などが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の被操作装置とこれを用いたデファレンシャル装置を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の要部拡大断面図である。
【図3】第2実施形態の被操作装置とこれを用いたデファレンシャル装置を示す断面図である。
【図4】第3実施形態の被操作装置とこれを用いたデファレンシャル装置を示す断面図である。
【図5】第3実施形態の要部を示す図面であり、図4のA矢視図である。
【図6】第3実施形態の要部を示す図面であり、電磁式アクチュエータの作動を停止させた状態を示している。
【図7】第3実施形態の要部を示す図面であり、電磁式アクチュエータを作動させた状態を示している。
【図8】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 ドッグクラッチ(クラッチ:被操作装置)
3,301 デファレンシャル装置
5 デフケース(ケーシング)
7 差動機構
9,303 電磁式アクチュエータ
11 リターンスプリング(スプリング)
35,37 差動機構7の出力側サイドギア
59 クラッチリング(被操作部材)
67 デフケース5に設けられたストッパ部
71 クラッチリング59に設けられた突起(移動抵抗低減手段:凸部)
73 電磁コイル
81 プランジャ

Claims (7)

  1. ケーシングに収容され、
    前記ケーシングとの接触部で互いに接触する軸方向の一側位置と、軸方向の他側位置との間を往復移動可能に配置された被操作部材を有し、
    電磁コイルの磁力とスプリングの付勢力とによってプランジャを軸方向に往復移動させる電磁式アクチュエータの前記プランジャを介して前記被操作部材が、前記一側又は他側位置まで移動操作されると作動し、前記他側又は一側位置まで移動操作されると作動が停止する被操作装置であって、
    前記被操作部材と前記ケーシング間の前記接触部に、充分な機械的強度が得られる範囲内で接触面積を狭くし、貼り付きによる移動抵抗を低減させる移動抵抗低減手段を設けたことを特徴とする被操作装置。
  2. 請求項1に記載された発明であって、
    前記移動抵抗低減手段が、前記接触部において前記被操作部材と前記ケーシングの少なくともいずれか一方に設けられ、相手側との接触面積を狭くすることにより、貼り付きによる移動抵抗を低減させた突起であることを特徴とする被操作装置。
  3. 請求項2に記載された発明であって、
    前記突起が、相手側と線接触する環状、または、環状の一部をなす凸部であることを特徴とする被操作装置。
  4. 原動機の駆動力を受けて回転するデフケースと、
    前記デフケースの回転を一対の出力側サイドギアから車輪側に配分する差動機構と、
    前記デフケースと前記出力側サイドギアのいずれか2者との間に配置され、前記差動機構の差動を制限するクラッチと、
    請求項1〜3のいずれかに記載され、前記クラッチとして用いられた被操作装置とを備え、
    前記電磁式アクチュエータによる前記クラッチの操作によって前記差動機構の差動を制限することを特徴とするデファレンシャル装置。
  5. 原動機の駆動力を受けて回転するアウターデフケースと、
    前記アウターデフケースの内部に相対回転可能に配置されたインナーデフケースと、
    前記インナーデフケースに連結された差動機構と、
    前記アウターデフケースと前記インナーデフケースとの連結を断続するクラッチと、
    請求項1〜3のいずれかに記載され、前記クラッチとして用いられた被操作装置とを備え、
    前記電磁式アクチュエータによる前記クラッチの操作によって前記アウターデフケースと前記インナーデフケースとの間でトルクを断続することを特徴とするデファレンシャル装置。
  6. 原動機の駆動力を受けて回転するデフケースと、
    前記デフケースの回転を一対の出力側サイドギアから車輪側に配分する差動機構と、
    前記出力側サイドギアのいずれか一方とその車輪との間に配置されたクラッチと、
    請求項1〜3のいずれかに記載され、前記クラッチとして用いられた被操作装置とを備え、
    前記電磁式アクチュエータによる前記クラッチの操作によって前記サイドギアと車輪との間でトルクを断続することを特徴とするデファレンシャル装置。
  7. 一対のトルク伝達部材と、
    前記両トルク伝達部材の間に配置されたクラッチと、
    請求項1〜3のいずれかに記載され、前記クラッチとして用いられた被操作装置とを備え、
    前記電磁式アクチュエータによる前記クラッチの操作によって前記トルク伝達部材の間でトルクを断続することを特徴とする動力断続装置。
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