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JP2004187476A - 電磁式アクチュエータ及びこれを用いたデファレンシャル装置 - Google Patents

電磁式アクチュエータ及びこれを用いたデファレンシャル装置 Download PDF

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JP2004187476A
JP2004187476A JP2002355272A JP2002355272A JP2004187476A JP 2004187476 A JP2004187476 A JP 2004187476A JP 2002355272 A JP2002355272 A JP 2002355272A JP 2002355272 A JP2002355272 A JP 2002355272A JP 2004187476 A JP2004187476 A JP 2004187476A
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JP
Japan
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plunger
differential case
differential
electromagnetic coil
electromagnetic actuator
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JP2002355272A
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Inventor
Masao Teraoka
正夫 寺岡
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

【課題】プランジャを小さな推力で円滑に移動でき、電磁コイルの小型化及び消費電流の低下及びレスポンスの向上となる。
【解決手段】デフケース5と共に回転し、差動回転を許容する位置と、差動回転をロックする位置との間で軸方向に移動自在であるクラッチリング59と、デフケース5の外側に配置された円筒状のガイド部材75と、ガイド部材75をガイド面として軸方向に移動自在に配置された円筒状のプランジャ73と、電磁コイル67とを有し、電磁コイル67の励磁によるプランジャ73の軸方向の変移によりデフケース5と共に回転するクラッチリング59を押圧する電磁式アクチュエータ1を備え、プランジャ73を、共に回転させる共回り手段77を介してクラッチリング59に連結した。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチ部材等の被操作部材を操作する電磁式アクチュエータと、このような電磁式アクチュエータを使用して作動モード(差動回転とそのロック)の変更を行うデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、特公平5−54574号公報(特許文献1)に記載されたデファレンシャル装置を示す。このデファレンシャル装置100は、パートタイム4輪駆動車の2輪切り換え時に駆動が絶たれるものであり、車両のフロントデフに適用される。
【0003】
デファレンシャル装置100は、インナデフケース103とアウタデフケース105とを備えている。インナデフケース103の内部には、ピニオンシャフト107が固定されており、ピニオンシャフト107にはピニオンギア109が回転可能に取り付けられている。ピニオンギア109にはドライブシャフト111,111がスプライン連結された左右のサイドギア113,113が噛み合っている。ドライブシャフト111,111は、インナデフケース103の左右のボス部115,117から外側に突出しており、突出部分に左右の車輪が装着されている。アウタデフケース105は、インナデフケース103のボス部115,117に配置されボールベアリング119を介して相対回転可能になっている。また、アウタデフケース105の左右のボス部121,123はテーパーローラベアリング125を介してデフキャリア127に回転可能に支持されている。
【0004】
アウタデフケース105にはリングギア129が固定され、リングギア129がプロペラシャフト131に噛み合うことにより、エンジンからの回転力が入力されてアウタデフケース105が回転する。インナデフケース103のボス部115には、スプライン連結されたスリーブ133が軸方向に移動可能に配置されている。スリーブ133の外周には、環状の凹部135が形成されており、この凹部135にはシフトフォーク137が相対回転可能に係合している。シフトフォーク137は、デフキャリア127に設置された空圧、油圧等のシリンダ139に連結されており、シリンダ139の駆動によってスリーブ133が往復方向に移動するようになっている。シリンダ139は、運転席側からのリモート操作によって伸縮駆動する。
【0005】
スリーブ133とアウタデフケース105との対向部には、クラッチ手段141が設けられている。クラッチ手段141は、スリーブ133の端面に環状に形成されたドッグクラッチ143と、アウタデフケース105のボス部121の端面に形成され、ドッグクラッチ143と噛み合うドッグクラッチ145とからなっている。
【0006】
このデファレンシャル装置100では、シリンダ139を伸長駆動してスリーブ133を右方向に移動させ、ドッグクラッチ143をアウタデフケース105のドッグクラッチ145に噛み合わせることにより、アウタデフケース105とインナデフケース103とを結合させる。これにより、四輪駆動走行を行う。一方、シリンダ139を短縮駆動してスリーブ133を左方向に駆動して、ドッグクラッチ143,145の噛み合いを解除することにより、二輪駆動走行が可能となる。
【0007】
このようなデファレンシャル装置100では、ドッグクラッチ143,145の噛み合い及び離脱を行うためのアクチュエータとしてシリンダ139を用いているが、アクチュエータが空圧、油圧などの流体圧で駆動するため、大型化している。特に、高地等における走行では、流体圧が気圧に左右されやすいため、アクチュエータを大型化する必要がある。
【0008】
このような問題を解決するのに電磁式のアクチュエータを用いた車両用デフロック装置501が、特開昭64−22633号公報(特許文献2)に記載されている。この車両用デフロック装置501は、図5に示すように、ベベルギア式差動機構503、その差動回転をロックするためのドッグクラッチ505、ドッグクラッチ505を噛み合わせ操作する電磁式アクチュエータ507、ドッグクラッチ505の噛み合いを解除するリターンスプリング509などから構成されている。デフケース511を回転させるエンジンの駆動力は、差動機構503のサイドギア513,515からそれぞれの車軸517,519を介して左右の車輪側に配分される。
【0009】
ドッグクラッチ505は、デフケース511と磁性材料製のプランジャ521との間に設けられており、このプランジャ521は左サイドギア513側の車軸517に軸方向移動自在にスプライン連結されている。また、プランジャ521はリターンスプリング509によってドッグクラッチ505の噛み合い解除方向(図6の左方)に付勢されている。
【0010】
電磁式アクチュエータ507は、プランジャ521の外周に配置された磁性材料製のベアリングハウジング523上に巻線された電磁コイル525と、上記のプランジャ521などから構成されており、ベアリングハウジング523とプランジャ521とによって電磁コイル525の磁路が構成されている。電磁コイル525が励磁されていない間、プランジャ521はリターンスプリング509の付勢力によって、図6の位置に移動しており、この状態ではドッグクラッチ505の噛み合いと、差動機構503の差動ロックが解除されている。また、電磁コイル525が励磁されると、上記の磁路に磁束ループが形成され、その磁力によって生じた移動操作力によりプランジャ521は右方に移動し、ドッグクラッチ505を噛み合わせて差動機構503の差動をロックする。
【0011】
悪路走行中のように、駆動輪が空転し易い状況で差動をロックさせると、空転車輪からの駆動力の逃げが防止されて、悪路などの脱出性、走破性が向上し、車両のスタックが防止される。このように、電磁式アクチュエータ507は、電磁コイル525とプランジャ521とを同軸配置したことにより、コンパクトに構成されると共に、ユニット性が高く、従って、車載性に勝れている。
【0012】
【特許文献1】
特公平5−54574号
【0013】
【特許文献2】
特開昭64−22633号
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の電磁式アクチュエータ507では、プランジャ521がベアリングハウジング523にガイドされながら軸方向に移動するようになっているものの、プランジャ521の移動時にはベアリングハウジング523との間に静止摩擦抵抗が作用し、この静止摩擦抵抗に抗して移動しなければならないため、大きな推力が必要である。
【0015】
また、電磁コイル525の発生する磁力にばらつきがあったり、形成される磁束ループに偏りが生じていると、ベアリングハウジング523の内壁や、車軸517に対してプランジャ521が片当たりする(偏って摺動する)こととなり、摩擦抵抗が大きくなる。
【0016】
その上、プランジャ521の長さを、装置のコンパクト化等の理由により径方向に対して短く設定する場合には、こじり(軸傾斜)が発生し易く、こじりが発生すると方当たりが生じて静止摩擦抵抗が更に増大する。
【0017】
又、プランジャ521とベアリングハウジング523との間の隙間は円周方向に亘って一定になるよう加工することが望ましいが、実際にはこのように加工することは不可能であり、静止摩擦抵抗の増大をもたらす。プランジャ521の移動抵抗の増加は、電磁式アクチュエータ507の動作に円滑さを欠き、レスポンスの悪化になる。
【0018】
このようなプランジャ521の移動抵抗の増加に備えて、電磁式アクチュエータ507の電磁コイル525を大型化したり、電磁コイル525への励磁電流を大きくしたりしてプランジャ521への推力を大きくする必要があった。
【0019】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、プランジャを小さな推力で円滑に移動でき、電磁コイルの小型化及び消費電流の低下及びレスポンスの向上を図ることができる電磁式アクチュエータ及びこれを用いたデファレンシャル装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、回転体の回転軸中心を中心として前記回転体の外周側に配置された円筒状のガイド部材と、前記回転体の回転軸中心を中心として前記回転体の外周側に配置され、前記ガイド部材の円周面をガイド面として軸方向に移動自在に配置された円筒状のプランジャと、前記プランジャに軸方向の推力を励磁により作用させる電磁コイルとを有し、前記電磁コイルの励磁により前記プランジャを軸方向に変移させ、前記回転体と共に回転する被操作部材を押圧して軸方向に移動させる電磁式アクチュエータであって、前記プランジャを、共に回転させる共回り手段を介して前記被操作部材に連結したことを特徴とする。
【0021】
この電磁式アクチュエータでは、電磁コイルの励磁によりプランジャが移動する際には、回転体と共にプランジャが回転していることからプランジャとガイド部材とが回転方向に相対的に滑っているので軸方向のまさつが抑制され、このため、プランジャ軸方向移動(摺動した場合にも)が殆ど実質的に抵抗のない状態で移動する。
【0022】
請求項2の発明は、エンジンの駆動力を受けて回転するデフケースと、前記デフケースの回転を一対のサイドギアから車輪側に配分する差動機構と、前記デフケースと共に回転し、前記デフケースと一対の前記サイドギアとの相対的な回転を許容する差動位置と、前記デフケースと一対の前記サイドギアとを一体として回転させる差動ロック位置との間で軸方向に移動自在であるクラッチ部材とを備えると共に、前記デフケースの回転軸中心を中心として前記デフケースの外周側に配置された円筒状のガイド部材と、前記デフケースの回転軸中心を中心として前記デフケースの外周側に配置され、前記ガイド部材の円周面をガイド面として軸方向に移動自在に配置された円筒状のプランジャと、前記プランジャに軸方向の推力を励磁により作用させる電磁コイルとを有し、前記電磁コイルの励磁による前記プランジャの軸方向の変移により前記デフケースと共に回転する前記クラッチ部材を押圧して軸方向に移動させる電磁式アクチュエータを備え、前記プランジャを、共に回転させる共回り手段を介して前記クラッチ部材に連結したことを特徴とする。
【0023】
このデファレンシャル装置では、電磁コイルの励磁によりプランジャが移動する際には、デフケースと共にプランジャが回転していることからプランジャとガイド部材との間には静止摩擦抵抗より遙かに小さい動摩擦抵抗が作用し、プランジャが殆ど実質的に抵抗のない状態で移動する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1及び図2は本発明の一実施形態を示し、図1はデファレンシャル装置の断面図、図2(a)は電磁式アクチュエータの構成図、図2(b)は共回り手段の平面図である。以下の説明の中で、左右の方向はデファレンシャル装置3が用いられていた車両での左右の方向である。
【0026】
図1に示すように、デファレンシャル装置3は、電磁式アクチュエータ1、回転体であるデフケース5,ベルルギア式の差動機構7、ドッグクラッチ9、リターンスプリング11、ポジションスイッチ13、コントローラなどから構成されている。
【0027】
回転体であるデフケース5は、ケーシング本体15と左右のカバー17,19から構成されており、ケーシング本体15と左のカバー17はボルト21で固定され、ケーシング本体15と右のカバー19は溶接されている。
【0028】
デフケース5は、デフキャリア23の内部に配置されており、カバー17,19に形成された各ボス部25,27はテーパーローラーベアリング29を介してそれぞれデフキャリア23に支持されている。デフキャリア23の内部にはオイル溜まりが形成されている。
【0029】
デフケース5には、リングギアがボルトで固定されており、このリングギアは動力伝達系のギアに噛み合っている。この動力伝達系はトランスミッション側に連結されており、デフケース5はトランスミッションとこの動力伝達系とを介して伝達されるエンジンの駆動力により回転駆動される。
【0030】
差動機構7は、複数本のピニオンシャフト31,各ピニオンシャフト31に回転自在に支持されたピニオンギア33,出力側のサイドギア35,37から構成されている。
【0031】
各ピニオンシャフト31は、デフケース5のケーシング本体15に設けられた貫通孔39に端部を係合し、スプリングピン41によって抜け止めされている。また、サイドギア35,37は、左右からそれぞれ各ピニオンギア33と噛み合っている。
【0032】
デフケース5とピニオンギア33との間には球面ワッシャ43が配置されており、ピニオンギア33の遠心力と、サイドギア35,37との噛み合いによってピニオンギア33に生じる噛み合い反力を受けている。
【0033】
各サイドギア35,37のボス部45,47は、カバー17,19に形成された支承部49,51によって支承されており、各ボス部45,47はスプライン連結された車軸を介して左右の車輪に連結されている。
【0034】
左サイドギア35とデフケース5との間にはスラストワッシャ53が配置され、サイドギア35の噛み合い反力を受けており、右サイドギア37とデフケース5との間にはスラストワッシャ55,56が配置され、サイドギア37の噛み合い反力を受けている。
【0035】
ドッグクラッチ9は、右サイドギア37に形成された噛み合い歯57と、被操作部材であるクラッチリング(クラッチ部材)59に形成された噛み合い歯61によって構成されている。
【0036】
このクラッチリング59には、脚部63が周方向に等間隔に形成されている。クラッチリング59は、各脚部63をカバー19に形成された周方向に等間隔の開口65にそれぞれ貫通させてデフケース5に回り止めされ、且つ、軸方向に移動自在に配置されており、クラッチリング59はデフケース5と共に回転される。又、クラッチリング59の右端にはリング状のプレッシャプレート89が固定されている。
【0037】
クラッチリング59が左に移動すると、ドッグクラッチ9が噛み合って差動機構7の差動がロックされ、図1のように、右に移動すると、ドッグクラッチ9の噛み合いが解除され、差動ロックが解除される。
【0038】
リターンスプリング11は、右サイドギア37とクラッチリング59との間に配置され、クラッチリング59をドッグクラッチ9の噛み合い解除側(右方)に付勢している。
【0039】
電磁式アクチュエータ1は、図2(a)に詳しく示すように、電磁コイル67、これを左右から挟み込んで一体に形成された一対のコイルハウジング69,71、ガイド部材75、プランジャ73などから構成されている。
【0040】
コイルハウジング71は連結部材を介してデフキャリア23に固定されており、電磁コイル67のリード線はデフキャリア23の外部に引き出され、コントローラを介して車載のバッテリに接続されている。
【0041】
また、コイルハウジング69,71は、強磁性材料にて形成され、左右のスラストワッシャ79,81によりデフケース5の右ボス部27と、デーパーローラーベアリング29のインナーレース83との間で軸方向に位置決めされている。
【0042】
ガイド部材75は、非磁性材料からほぼ円筒形状に形成され、デフケース5の回転軸中心を中心としてカバー19のボス部27の外周側に配置されている。ガイド部材75は、コイルハウジング71に溶接などで固定されており、デフケース5が回転しても回転しない。
【0043】
プランジャ73は、円筒形状を有し、デフケース5の回転軸中心を中心としてカバー19のボス部27の外周側に配置され、ガイド部材75の外側の円周面をガイド面として軸方向に移動自在に配置されている。プランジャ73は、強磁性材料にて形成されており、コイルハウジング69,71と共に電磁コイル67の磁路を構成する。プランジャ73は、アマーチャになっており、電磁コイル67の励磁により左方向の推力が作用する。
【0044】
又、プランジャ73の左端は、図2(a)、(b)に詳しく示すように、軸方向の移動を許容し、且つ、共に回転させる共回り手段77を介してクラッチリング59のプレッシャプレート89に連結されている。共回り手段77は、プランジャ73の端面に形成された係止溝77aと、プレッシャプレート89に形成され、係止溝77aに挿入された係止突起77bとから構成されている。係止溝77aと係止突起77bとの係止状態は、プランジャ73が右方向に最大変移された位置においても保持されるように設定されている。
【0045】
ポジションスイッチ13は、デフキャリア23に装着され、プレッシャプレート89の位置によりオン・オフされる。このオン・オフ信号はコントローラに送られ、コントローラは電磁式アクチュエータ1の作動状態を検出する。
【0046】
コントローラは、電磁式アクチュエータ1の動作を制御する。
【0047】
次に、デファレンシャル装置3の動作を説明する。エンジンからの駆動力がリングギアに伝達されると、デフケース5が回転軸中心を中心として回転し、このデフケース5の回転がピニオンシャフト31、ピニオンギア33、サイドギア35,37の順に伝達され、左右の車輪が回転される。そして、車両の旋回などによって、左右の車輪からの反力に差異が発生すると、ピニオンギア33が公転しつつ自転して差動回転が行われる。
【0048】
このような状態にあって、差動ロックの指令がコントローラに出力されると、コントローラが電磁コイル67に通電する。すると、コイルハウジング69,71及びプランジャ73を磁路とするループ磁界が形成され、プランジャ73に左方向の推力が発生する。ここで、プランジャ73は共回り手段77を介してクラッチリング59に連結されているため、デフケース5と共に回転している。
【0049】
従って、プランジャ73の移動に際して、プランジャ73とガイド部材75とが回転方向に相対的に滑っているので軸方向のまさつが抑制され、このため、プランジャ73軸方向移動(摺動した場合にも)が殆ど実質的に抵抗のない状態で移動することができる。以上より、プランジャ73が小さな推力で円滑に移動され、電磁コイル67の小型化及び消費電流の低下及びレスポンスの向上を図ることができる。
【0050】
また、本実施形態では、プランジャ73が径方向への移動によりガイド部材75に対して方当たりした場合に生じる摩擦抵抗を、予めプランジャ73を共回り手段77を介してデフケース5と共に回転させることにより実質的に消失させることができる。この結果、プランジャ73の作動を妨げることがないのでレスポンスが向上すると共に、プランジャ73を作動させるための磁力も低減することができるので、電磁コイル67の消費電流も小さくすることができる。
【0051】
図3(a)、(b)は電磁式アクチュエータ1の変形例を示し、図3(a)は電気アクチュエータの構成図、図3(b)は共回り手段の平面図である。
【0052】
この変形例の電磁式アクチュエータ1では、上記実施形態のものと比較して、共回り手段77の構成のみが相違する。図3(a)及び(b)に示すように、共回り手段77は、プランジャ73の端面に形成された噛み合い歯77cと、プレッシャプレート89に形成され、噛み合い歯77cに噛み合う噛み合い歯77dとから構成されている。双方の噛み合い歯77c、77dの噛み合い状態は、プランジャ73が右方向に最大変移された位置においても保持されるように設定されている。
【0053】
他の構成は前記実施形態と同一であるため、同一箇所に同一符号を付して重複説明を省略する。
【0054】
この変形例の電磁式アクチュエータ1によっても、上記実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0055】
尚、前記実施形態の電磁式アクチュエータ1は、デフケース5とサイドギア37とをクラッチリング59によって固定し、デフケース5とサイドギア37とを一体回転させることによって差動回転をロックするために使用したが、本発明の電磁式アクチュエータはこれに限定されるものではなく、電磁式アクチュエータによって操作される被操作部材が回転体と共に回転する場合に適用可能である。例えば、図4に示す従来例のように、デフケースをアウタデフケースとインナデフケースとに分割し、この分割されたアウタデフケースとインナデフケースとを一体回転させたり、別個独立に回転させたりして四輪駆動と二輪駆動とを切り換えするために使用しても良い。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、プランジャを、共に回転させる共回り手段を介して被操作部材に連結したので、回転体と共にプランジャが回転することからプランジャとガイド部材とが回転方向に相対的に滑っているので、軸方向のまさつが抑制され、このため、プランジャ軸方向移動(摺動した場合にも)が殆ど実質的に抵抗のない状態で移動する。従って、プランジャを小さな推力で円滑に移動でき、電磁コイルの小型化及び消費電流の低下及びレスポンスの向上となる。
【0057】
請求項2の発明によれば、プランジャを、共に回転させる共回り手段を介してクラッチ部材に連結したので、デフケースと共にプランジャが回転することからプランジャとガイド部材との間には静止摩擦抵抗より遙かに小さい動摩擦抵抗が作用し、電磁コイルの励磁によってプランジャが殆ど実質的な抵抗のない状態で移動する。従って、プランジャを小さな推力で円滑に移動でき、電磁コイルの小型化及び消費電流の低下及びレスポンスの向上となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、デファレンシャル装置の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、(a)は電磁式アクチュエータの構成図、図2(b)は共回り手段の平面図である。
【図3】上記実施形態の電磁式アクチュエータの変形例を示し、(a)は電磁式アクチュエータの構成図、図2(b)は共回り手段の平面図である。
【図4】従来例を示し、デファレンシャル装置の断面図である。
【図5】多能従来例を示し、デファレンシャル装置の断面図である。
【符号の説明】
1 電磁式アクチュエータ
3 デファレンシャル装置
5 デフケース(回転体)
7 差動機構
35,37 サイドギア
59 クラッチリング(被操作部材,クラッチ部材)
67 電磁コイル
73 プランジャ
75 ガイド部材
77 共回り手段

Claims (2)

  1. 回転体の回転軸中心を中心として前記回転体の外周側に配置された円筒状のガイド部材と、
    前記回転体の回転軸中心を中心として前記回転体の外周側に配置され、前記ガイド部材の円周面をガイド面として軸方向に移動自在に配置された円筒状のプランジャと、
    前記プランジャに軸方向の推力を励磁により作用させる電磁コイルとを有し、
    前記電磁コイルの励磁により前記プランジャを軸方向に変移させ、前記回転体と共に回転する被操作部材を押圧して軸方向に移動させる電磁式アクチュエータであって、
    前記プランジャを、共に回転させる共回り手段を介して前記被操作部材に連結したことを特徴とする電磁式アクチュエータ。
  2. エンジンの駆動力を受けて回転するデフケースと、
    前記デフケースの回転を一対のサイドギアから車輪側に配分する差動機構と、
    前記デフケースと共に回転し、前記デフケースと一対の前記サイドギアとの相対的な回転を許容する差動位置と、前記デフケースと一対の前記サイドギアとを一体として回転させる差動ロック位置との間で軸方向に移動自在であるクラッチ部材とを備えると共に、
    前記デフケースの回転軸中心を中心として前記デフケースの外周側に配置された円筒状のガイド部材と、
    前記デフケースの回転軸中心を中心として前記デフケースの外周側に配置され、前記ガイド部材の円周面をガイド面として軸方向に移動自在に配置された円筒状のプランジャと、
    前記プランジャに軸方向の推力を励磁により作用させる電磁コイルとを有し、
    前記電磁コイルの励磁による前記プランジャの軸方向の変移により前記デフケースと共に回転する前記クラッチ部材を押圧して軸方向に移動させる電磁式アクチュエータを備え、
    前記プランジャを、共に回転させる共回り手段を介して前記クラッチ部材に連結したことを特徴とするデファレンシャル装置。
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