JP2004114516A - インクジェットヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェットヘッド内のインク圧力室に異物が入り込んでも、異物がインク圧力室の下流側のノズルに詰まるおそれが少ない優れたインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
【解決手段】インクジェットヘッド1は、インクを吐出するノズル8aと、前記ノズル8aに直結するインク流路を構成する貫通孔10a〜16aと、前記貫通孔16aに繋がるインク圧力室17aとを備える。インク圧力室17aの下流側の貫通孔10aとノズル8aとの間に、異物を除去するフィルタ9aを設けた。
【選択図】図3
【解決手段】インクジェットヘッド1は、インクを吐出するノズル8aと、前記ノズル8aに直結するインク流路を構成する貫通孔10a〜16aと、前記貫通孔16aに繋がるインク圧力室17aとを備える。インク圧力室17aの下流側の貫通孔10aとノズル8aとの間に、異物を除去するフィルタ9aを設けた。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に印刷を行うための、インクジェットヘッドに関し、更に詳細には、インク流路内の異物を除去するフィルタを備えるインクジェットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、種々のインクジェットヘッド装置が提案されており、例えば、下記特許文献1及び特許文献2のインクジェットヘッド装置においては、インク圧力室にインクを貯留し、前記インク圧力室に隣接した圧電素子を駆動することにより、前記インクに圧力変動を与えてノズルからインクを吐出させることができる。そのインクジェットヘッドにおいては、インクの流路内へ異物が混入することを防止するため、インク圧力室の上流側にフィルターを設けていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平5ー104738号公報(図5、第4頁)
【特許文献2】
特開平6ー23979号公報(図2、第2頁及び第3頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、インク圧力室の上流側にフィルターを設けた場合、インクジェットヘッド製造時に、インクジェットヘッド内のインク圧力室に異物が入り込むと、異物がインク圧力室の下流側に流れてノズルに詰まるおそれがある。その場合、製品出荷の際のテスト印刷時に不良品として扱われ、インクジェットヘッドの歩留まりが低下するという問題があった。
そこで、本発明は、上述した問題を解決するべく、インクジェットヘッド内のインク圧力室に異物が入り込んでも、異物がインク圧力室の下流側のノズルに詰まるおそれが少ない優れたインクジェットヘッドを提供することを目的する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係る発明によれば、インクを吐出するノズルと、前記ノズルに直結するインク流路と、前記インク流路に繋がるインク圧力室とを備えるインクジェットヘッドにおいて、前記インク流路に、異物を除去するフィルタを設けたことを特徴とする。
請求項1に記載のインクジェットヘッドによれば、インク圧力室の下流のインク流路に、異物を除去するフィルタを設けたので、インクジェットヘッド内のインク圧力室に異物が入り込んでも、フィルタが異物を除去するため、異物がインク圧力室の下流側のノズルに詰まるおそれが少ない。また、インク圧力室の下流のインク流路に、フィルターを設けたので、ノズル部でのメニスカス破壊による流路内のエア侵入をフィルターで止めることができ、パージによって排出するインク量を少なくすることができる。
【0006】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記インク流路及び前記インク圧力室は、複数のプレートによって構成され、前記インク流路を構成するプレートにおける前記インク流路の面積は、前記インク圧力室を構成するプレートにおける前記インク圧力室の面積より小さく形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載のインクジェットヘッドによれば、インク流路を構成するプレート及びインク圧力室を構成するプレートを用いてインクジェットヘッドを構成する場合、組立工程中に開口面積の広いインク圧力室に異物が混入しても、インク圧力室の下流のインク流路にフィルタを設けたため異物を除去することができ、また、インク流路の面積は小さいので、開口面積の広いインク圧力室を設ける場合と比較して、インク流路の組立中にノズルを閉塞させる異物が入り込む可能性が少なくなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るインクジェットヘッドにつき具体化した実施形態に基づいて図面参照しつつ詳細に説明する。図1は、本実施の形態のインクジェットヘッド1を分解して示す斜視図である。図2は、本実施の形態のインクジェットヘッド1を構成する積層体の一部を拡大して示す分解斜視図である。図3は、本実施の形態のインクジェットヘッド1を構成する積層体の一部を拡大して示す断面図である。図4は、本実施の形態のインクジェットヘッド1のインク流路を説明するため概念的に示す拡大斜視図である。
図5は、本実施の形態のインクジェットヘッド1の積層した第一、第二、第三マニホールドプレート11、12、13を第三マニホールドプレート13側から見た平面図である。図6は、第一、第二、第三マニホールドプレート11、12、13を分解して示す拡大斜視図である。図7は、積層した第一、第二、第三マニホールドプレート11、12、13の一部を拡大して示す斜視図である。図8は、本実施の形態のインク圧力室17aを拡大して示す平面図である。図9は、本実施の形態のフィルタプレート9のフィルタ9aを拡大して示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。
【0008】
最初に、図1及び図2を参照して、ヘッド本体7について説明する。ヘッド本体7は、略長方形の金属板の板材を10枚積層した10層構造になっている。具体的には、ヘッド本体7は、下層から、ノズルプレート8、フィルタプレート9、カバープレート10、第一マニホールドプレート11、第二マニホールドプレート12、第三マニホールドプレート13、サプライプレート14、アパーチャプレート15、ベースプレート16及びキャビティプレート17の9枚の薄い金属板を積層した構造となっている。これら10枚の薄い金属板は、接着材により相互に張り付けられる。
キャビティプレート17の上方には、図1に示す台形形状の4個の圧電素子ユニット18が接着材により張り付けられている。各圧電素子ユニット18には、4個のフレキシブルプリント基板19の先端部が固着される。尚、これらフレキシブルプリント基板19には、図示しない駆動用集積回路(駆動用IC)を搭載している。4個の圧電素子ユニット18(18a、18b、18c、18d)は、ヘッド本体8の長手方向を第1乃至第4の印字領域に分割して割り当てるためのものである。
【0009】
ノズルプレート8には、図2及び図3に示すように、微小径のインク噴出用のノズル8aが、多数個穿設されている。ノズル8aのピッチ間隔は、600(dpi)程度の印刷密度に対応する基本ピッチで形成されている。ノズルプレート8のノズル8aは、ノズルプレート8をエッチングすることにより安価且つ容易に形成される。
【0010】
フィルタプレート9には、図2、図5及び図9に示すように、前記ノズル8aに連通した微小径の異物除去用のフィルタ9aが、複数個(4個)設けられている。フィルタプレート9のフィルタ9aは、フィルタプレート9をエッチングすることにより安価且つ容易に形成される。フィルタ9aのインクを貫通させる貫通部9a1は15ミクロン程度であって、ノズルの大きさは20ミクロン程度であり、ノズルの詰まりを防止することができる。
また、カバープレート10には、前記フィルタ9aに連通した微小径のインクの通路である貫通孔10aが多数穿設されている。カバープレート10の貫通孔10aはカバープレート10をエッチングすることにより安価且つ容易に形成される。
【0011】
また、第一マニホールドプレート11には、前記貫通孔10aに連通した微小径のインクの通路である貫通孔11aが多数穿設されている。また、第一マニホールドプレート11には、インクを供給する第一マニホールド流路11bが第1乃至第4の印字領域毎に長手方向に4本形成されており、2本の第一マニホールド流路11bで囲まれるところには、第一島部11cが形成され、第一島部11cを支持する第一連結部11dが設けられている。第一マニホールドプレート11の貫通孔11a及びマニホールド流路11bは、第一マニホールドプレート11をフルエッチングすることにより、第一連結部11dはハーフエッチングにより、安価且つ容易に形成される。ハーフエッチングとは、プレートの積層方向にプレートの一部を残すようにエッチングすることをいう。第一連結部11dはハーフエッチングに形成されるため、薄くなって第一連結部11d以外の厚さ方向の流路が確保される。
【0012】
また、第二マニホールドプレート12には、前記貫通孔11aに連通した微小径のインクの通路である貫通孔12aが多数穿設されている。また、第二マニホールドプレート12における上記第二マニホールド流路11bと対応する位置には、第二マニホールド流路12bが形成されている。第二マニホールド流路12bは、第1乃至第4の印字領域毎に長手方向に4本形成されており、2本の第二マニホールド流路12bで囲まれるところには、第二島部12cが形成され、島部12cを支持する第二連結部12dが設けられている。第二マニホールドプレート12の貫通孔12a及びマニホールド流路12bは、第二マニホールドプレート12をフルエッチングすることにより、第二連結部12dはハーフエッチングにより、安価且つ容易に形成される。第二連結部12dはハーフエッチングに形成されるため、薄くなって第二連結部12d以外の厚さ方向の流路が確保される。
【0013】
また、第三マニホールドプレート13には、前記貫通孔12aに連通した微小径のインクの通路である貫通孔13aが多数穿設されている。また、第三マニホールドプレート13における上記マニホールド流路12bと対応する位置には、第三マニホールド流路13bが形成されている。第三マニホールド流路13bは、第1乃至第4の印字領域毎に長手方向に4本形成されており、2本のマニホールド流路13bで囲まれるところには、第三島部13cが形成され、第三島部13cを支持する第三連結部13dが設けられている。第三マニホールドプレート13の貫通孔13a及びマニホールド流路13bは、第三マニホールドプレート13をフルエッチングすることにより、第三連結部13dはハーフエッチングにより、安価且つ容易に形成される。第三連結部13dはハーフエッチングに形成されるため、薄くなって第三連結部13d以外の厚さ方向の流路が確保される。
【0014】
第一、第二、第三マニホールドプレート11、12、13が積層されると、図5に示すように、第一マニホールド流路11b、第二マニホールド流路12b及び第三マニホールド流路13bから構成されるマニホールド流路MN2(マニホールド流路11b、12b、13bを総称していう)を形成するが、所定量のインクを確保するため、マニホールド流路MN2は、所定の深さ及び幅となるように形成される。閉ループ状のマニホールド流路MN2で囲まれる第一島部11c、第二島部12c及び第三島部13cは、同一の形状であって、所定の厚さの島部MN3となる。マニホールド流路MN2の両端部には、インクが導入されるマニホールド口MN1が形成される。
【0015】
第一連結部11d、第二連結部12d及び第三連結部13dからなる連結部MN4は、第一、第二、第三マニホールドプレート11、12、13において積層方向の一部に流路を形成するようにハーフエッチングにより形成され、第一、第二、第三マニホールドプレート11、12、13毎に異なる位置に配置されている。このように第一連結部11d、第二連結部12d及び第三連結部13dの位置が、第一、第二、第三マニホールドプレート11、12、13毎にプレートの積層方向に異なるので、積層方向に同じ位置にある場合に比べて、マニホールドにおけるインク流路の流路抵抗は小さくなる。
【0016】
また、サプライプレート14には、前記貫通孔13aに連通した微小径のインクの通路である貫通孔14aが多数穿設されている。また、サプライプレート14には、上記マニホールド流路13bと対応する位置に、貫通孔14bが形成されている。サプライプレート14の貫通孔14a、及び貫通孔14bは、サプライプレート14をエッチングすることにより安価且つ容易に形成される。
【0017】
また、アパーチャプレート15には、貫通孔14aに連通した微小径のインクの通路である貫通孔15aが多数穿設されている。また、アパーチャプレート15には、貫通孔14bに対応する位置に貫通孔15bが形成されている。このアパーチャプレート15の貫通孔15bは、流路抵抗を大きくするためのしぼり流路15cと連通し、しぼり流路15cの貫通孔15bの反対側には、貫通孔15dが形成されている。
アパーチャプレート15の貫通孔15a、貫通孔15b、及びしぼり流路15c、貫通孔15dは、アパーチャプレート15をエッチングすることにより安価且つ容易に形成される。
【0018】
また、ベースプレート16には、前記貫通孔15aに連通した微小径のインクの通路である貫通孔16aが複数形成されている。ベースプレート16には、しぼり流路15cからインクを供給するため、貫通孔15dと対応する位置に貫通孔16bが複数形成されている。また、ベースプレート16の貫通孔16a、及び貫通孔16bは、ベースプレート16をエッチングすることにより安価且つ容易に形成される。
【0019】
さらに、キャビティプレート17には、図4に示すように、インク圧力室17aが縦横に多数配列され、インク圧力室17aの一方の鋭角部17a1は、インク圧力室17aにインクを供給するため、貫通孔16bと連設し、また、インク圧力室17aの他方の鋭角部17a2は、前記ノズル9aにインクを送り出すための、貫通孔16aと連設している。この場合、縦横に多数配置されるインク圧力室17aの鋭角部17a1、17a2を、隣接するインク圧力室17a間に入り込ませて配置するので、ほぼ菱形のインク圧力室17aを高密度に配列することができる。キャビティプレート17には、フィルタ孔16cに対応する位置に、インク供給源(図示せず)からインクを導入するインク導入口17bが形成されている(図1参照)。キャビティプレート17のインク圧力室17a及びインク導入口17bは、キャビティプレート17をエッチングすることにより安価且つ容易に形成される。
【0020】
キャビティプレート17の上方には、図1に示す台形形状の圧電素子ユニット18が接着材により張り付けられるが、圧電素子ユニット1は4枚の圧電シート(図示せず)が積層され、最上層に表面電極が形成され、4枚の圧電シートの内の第1層及び第2層間、第3層及び第4層間に内部電極が形成されている。そして、圧電素子ユニット18に設けられる複数の圧電素子単位構造18a(図2参照)は、インクの圧力室17aの形状と対応している(図8参照)。
【0021】
この場合、圧電素子単位構造18aの上面には、表面電極である駆動電極18bが形成されており、インク圧力室17aの形状に比べて少し小さくなっている。そして、フレキシブルプリント基板19から圧電素子単位構造18aの駆動電極18bに駆動信号を送出すると、1個の圧電素子単位構造18aは、1個のインク圧力室17aと対応することにより、インク圧力室17a内のインクに噴射圧力を与えることができる。
【0022】
そして、ヘッド本体8においては、図1、図3及び図4に示すように、圧電素子単位構造18aの配設位置に対応して形成された複数のインク圧力室17aにインクを供給するべく、インク供給源よりインク導入口17b、16c、15e、14cを介して供給されたインクは、マニホールドMN、貫通孔14b、貫通孔15b、しぼり流路15c、貫通孔15d及び貫通孔16bを経て、インク圧力室17aに供給される。そして、圧電素子単位構造18aにフレキシブルプリント基板19を介して駆動電圧が印加されると、圧電素子単位構造18aが変形して、インク圧力室17a内のインクは、貫通孔16a、15a、14a、13a、12a、11a、10aを経て、ノズル9aから噴射され、そのインクでもって印刷媒体に印刷可能となる。
【0023】
このようにインクジェットヘッド1は、ノズルプレート8、フィルタプレート9、カバープレート10、第一マニホールドプレート11、第二マニホールドプレート12、第三マニホールドプレート13、サプライプレート14、アパーチャプレート15、ベースプレート16及びキャビティプレート17の複数のプレートによって構成されており、貫通孔16a、15a、14a、13a、12a、11a、10a及びフィルタ9aはインクが流れるインク流路を構成し、貫通孔16a、15a、14a、13a、12a、11a、10a及びフィルタ9aのそれぞれは同程度の面積を有している。
インク流路を構成する貫通孔16a、15a、14a、13a、12a、11a、10a及びフィルタ9aのインク流路の面積は、図3及び図4に示すように、インク圧力室17aを構成するキャビティプレート17におけるインク圧力室17aの面積より小さく形成されている。それにより、インク圧力室17aから異物が混入しても、インク圧力室17aの下流のフィルタプレート9にフィルタ9aを設けたため、フィルタ9aは異物を除去することができる。この場合、貫通孔16a、15a、14a、13a、12a、11a、10a及びフィルタ9aのインク流路の面積は小さいので、開口面積の広いインク圧力室を設ける場合と比較して、インク流路の組立中にノズルを閉塞させる異物が入り込む可能性が少なくなる。
【0024】
以上説明したように、本実施の形態による発明によれば、インクを吐出するノズル8aと、前記ノズル8aに直結するインク流路を構成する貫通孔10a〜16aと、前記インク流路を構成する貫通孔16aに繋がるインク圧力室17aとを備えるインクジェットヘッド1において、前記インク圧力室17aの下流側の貫通孔10aとノズル8aとの間に、異物を除去するフィルタ9aを設けたので、インクジェットヘッド1内のインク圧力室17aに異物が入り込んでも、フィルタ9aが異物を除去するため、異物がインク圧力室17aの下流側のノズルに詰まるおそれが少ない。また、インク圧力室17aの下流のインク流路に、フィルタ9aを設けたので、ノズル8aのメニスカス破壊による流路内のエア侵入をフィルタ9aで止めることができ、パージによって排出するインク量を少なくすることができる。
また、本発明の実施の形態は上述した例に限らず、様々な形態に応用が可能である。例えば、実施の形態ではプレートを積層する構成としたが、この構成に限らず、一体型のインクジェットヘッドなどにも適用可能である。また、インクジェットヘッド内の異物を除去するフィルタは、インク圧力室の下流側であれば、必ずしもノズルの直前である必要はなく、その他の場所に設置することもできる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明した通り、請求項1に係るインクジェットヘッドによれば、インクを吐出するノズルと、前記ノズルに直結するインク流路と、前記インク流路に繋がるインク圧力室とを備えるインクジェットヘッドにおいて、前記インク流路に、異物を除去するフィルタを設けたので、インクジェットヘッド内のインク圧力室に異物が入り込んでも、フィルタが異物を除去するため、異物がインク圧力室の下流側のノズルに詰まるおそれが少なく、また、インク圧力室の下流のインク流路に、フィルタを設けたので、ノズル部でのメニスカス破壊による流路内のエア侵入をフィルタで止めることができ、パージによって排出するインク量を少なくすることができる。
【0026】
また、請求項2に係るインクジェットヘッドによれば、前記インク流路及び前記インク圧力室は、複数のプレートによって構成され、前記インク流路を構成するプレートにおける前記インク流路の面積は、前記インク圧力室を構成するプレートにおける前記インク圧力室の面積より小さく形成されているので、インク圧力室から異物が混入しても、インク圧力室の下流のインク流路にフィルタを設けたため異物を除去することができ、また、前記インク流路の面積は小さいので、開口面積の広いインク圧力室を設ける場合と比較して、インク流路の組立中にノズルを閉塞させる異物が入り込む可能性が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のインクジェットヘッドを分解して示す斜視図である。
【図2】本実施の形態のインクジェットヘッドを構成する積層体の一部を拡大して示す分解斜視図である。
【図3】本実施の形態のインクジェットヘッドを構成する積層体の一部を拡大して示す断面図である。
【図4】本実施の形態のインクジェットヘッドのインク流路を説明するため概念的に示す拡大斜視図である。
【図5】本実施の形態のインクジェットヘッドの積層した第一、第二、第三マニホールドプレートを第三マニホールドプレート側から見た平面図である。
【図6】本実施の形態のインクジェットヘッドの第一、第二、第三マニホールドプレートを分解して示す拡大斜視図である。
【図7】本実施の形態のインクジェットヘッドの積層した第一、第二、第三マニホールドプレートの一部を拡大して示す斜視図である。
【図8】本実施の形態のインク圧力室を拡大して示す平面図である。
【図9】本実施の形態のフィルタプレートに形成されたフィルタを拡大して示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド
8 ノズルプレート
9 フィルタプレート
9a インク流路
9a1 貫通部
9b フィルタ
10 カバープレート
11 第1マニホールドプレート
12 第2マニホールドプレート
13 第3マニホールドプレート
14 サプライプレート
15 アパーチャプレート
16 ベースプレート
17 キャビティプレート
17a インク圧力室
18 圧電素子ユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に印刷を行うための、インクジェットヘッドに関し、更に詳細には、インク流路内の異物を除去するフィルタを備えるインクジェットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、種々のインクジェットヘッド装置が提案されており、例えば、下記特許文献1及び特許文献2のインクジェットヘッド装置においては、インク圧力室にインクを貯留し、前記インク圧力室に隣接した圧電素子を駆動することにより、前記インクに圧力変動を与えてノズルからインクを吐出させることができる。そのインクジェットヘッドにおいては、インクの流路内へ異物が混入することを防止するため、インク圧力室の上流側にフィルターを設けていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平5ー104738号公報(図5、第4頁)
【特許文献2】
特開平6ー23979号公報(図2、第2頁及び第3頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、インク圧力室の上流側にフィルターを設けた場合、インクジェットヘッド製造時に、インクジェットヘッド内のインク圧力室に異物が入り込むと、異物がインク圧力室の下流側に流れてノズルに詰まるおそれがある。その場合、製品出荷の際のテスト印刷時に不良品として扱われ、インクジェットヘッドの歩留まりが低下するという問題があった。
そこで、本発明は、上述した問題を解決するべく、インクジェットヘッド内のインク圧力室に異物が入り込んでも、異物がインク圧力室の下流側のノズルに詰まるおそれが少ない優れたインクジェットヘッドを提供することを目的する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係る発明によれば、インクを吐出するノズルと、前記ノズルに直結するインク流路と、前記インク流路に繋がるインク圧力室とを備えるインクジェットヘッドにおいて、前記インク流路に、異物を除去するフィルタを設けたことを特徴とする。
請求項1に記載のインクジェットヘッドによれば、インク圧力室の下流のインク流路に、異物を除去するフィルタを設けたので、インクジェットヘッド内のインク圧力室に異物が入り込んでも、フィルタが異物を除去するため、異物がインク圧力室の下流側のノズルに詰まるおそれが少ない。また、インク圧力室の下流のインク流路に、フィルターを設けたので、ノズル部でのメニスカス破壊による流路内のエア侵入をフィルターで止めることができ、パージによって排出するインク量を少なくすることができる。
【0006】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記インク流路及び前記インク圧力室は、複数のプレートによって構成され、前記インク流路を構成するプレートにおける前記インク流路の面積は、前記インク圧力室を構成するプレートにおける前記インク圧力室の面積より小さく形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載のインクジェットヘッドによれば、インク流路を構成するプレート及びインク圧力室を構成するプレートを用いてインクジェットヘッドを構成する場合、組立工程中に開口面積の広いインク圧力室に異物が混入しても、インク圧力室の下流のインク流路にフィルタを設けたため異物を除去することができ、また、インク流路の面積は小さいので、開口面積の広いインク圧力室を設ける場合と比較して、インク流路の組立中にノズルを閉塞させる異物が入り込む可能性が少なくなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るインクジェットヘッドにつき具体化した実施形態に基づいて図面参照しつつ詳細に説明する。図1は、本実施の形態のインクジェットヘッド1を分解して示す斜視図である。図2は、本実施の形態のインクジェットヘッド1を構成する積層体の一部を拡大して示す分解斜視図である。図3は、本実施の形態のインクジェットヘッド1を構成する積層体の一部を拡大して示す断面図である。図4は、本実施の形態のインクジェットヘッド1のインク流路を説明するため概念的に示す拡大斜視図である。
図5は、本実施の形態のインクジェットヘッド1の積層した第一、第二、第三マニホールドプレート11、12、13を第三マニホールドプレート13側から見た平面図である。図6は、第一、第二、第三マニホールドプレート11、12、13を分解して示す拡大斜視図である。図7は、積層した第一、第二、第三マニホールドプレート11、12、13の一部を拡大して示す斜視図である。図8は、本実施の形態のインク圧力室17aを拡大して示す平面図である。図9は、本実施の形態のフィルタプレート9のフィルタ9aを拡大して示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。
【0008】
最初に、図1及び図2を参照して、ヘッド本体7について説明する。ヘッド本体7は、略長方形の金属板の板材を10枚積層した10層構造になっている。具体的には、ヘッド本体7は、下層から、ノズルプレート8、フィルタプレート9、カバープレート10、第一マニホールドプレート11、第二マニホールドプレート12、第三マニホールドプレート13、サプライプレート14、アパーチャプレート15、ベースプレート16及びキャビティプレート17の9枚の薄い金属板を積層した構造となっている。これら10枚の薄い金属板は、接着材により相互に張り付けられる。
キャビティプレート17の上方には、図1に示す台形形状の4個の圧電素子ユニット18が接着材により張り付けられている。各圧電素子ユニット18には、4個のフレキシブルプリント基板19の先端部が固着される。尚、これらフレキシブルプリント基板19には、図示しない駆動用集積回路(駆動用IC)を搭載している。4個の圧電素子ユニット18(18a、18b、18c、18d)は、ヘッド本体8の長手方向を第1乃至第4の印字領域に分割して割り当てるためのものである。
【0009】
ノズルプレート8には、図2及び図3に示すように、微小径のインク噴出用のノズル8aが、多数個穿設されている。ノズル8aのピッチ間隔は、600(dpi)程度の印刷密度に対応する基本ピッチで形成されている。ノズルプレート8のノズル8aは、ノズルプレート8をエッチングすることにより安価且つ容易に形成される。
【0010】
フィルタプレート9には、図2、図5及び図9に示すように、前記ノズル8aに連通した微小径の異物除去用のフィルタ9aが、複数個(4個)設けられている。フィルタプレート9のフィルタ9aは、フィルタプレート9をエッチングすることにより安価且つ容易に形成される。フィルタ9aのインクを貫通させる貫通部9a1は15ミクロン程度であって、ノズルの大きさは20ミクロン程度であり、ノズルの詰まりを防止することができる。
また、カバープレート10には、前記フィルタ9aに連通した微小径のインクの通路である貫通孔10aが多数穿設されている。カバープレート10の貫通孔10aはカバープレート10をエッチングすることにより安価且つ容易に形成される。
【0011】
また、第一マニホールドプレート11には、前記貫通孔10aに連通した微小径のインクの通路である貫通孔11aが多数穿設されている。また、第一マニホールドプレート11には、インクを供給する第一マニホールド流路11bが第1乃至第4の印字領域毎に長手方向に4本形成されており、2本の第一マニホールド流路11bで囲まれるところには、第一島部11cが形成され、第一島部11cを支持する第一連結部11dが設けられている。第一マニホールドプレート11の貫通孔11a及びマニホールド流路11bは、第一マニホールドプレート11をフルエッチングすることにより、第一連結部11dはハーフエッチングにより、安価且つ容易に形成される。ハーフエッチングとは、プレートの積層方向にプレートの一部を残すようにエッチングすることをいう。第一連結部11dはハーフエッチングに形成されるため、薄くなって第一連結部11d以外の厚さ方向の流路が確保される。
【0012】
また、第二マニホールドプレート12には、前記貫通孔11aに連通した微小径のインクの通路である貫通孔12aが多数穿設されている。また、第二マニホールドプレート12における上記第二マニホールド流路11bと対応する位置には、第二マニホールド流路12bが形成されている。第二マニホールド流路12bは、第1乃至第4の印字領域毎に長手方向に4本形成されており、2本の第二マニホールド流路12bで囲まれるところには、第二島部12cが形成され、島部12cを支持する第二連結部12dが設けられている。第二マニホールドプレート12の貫通孔12a及びマニホールド流路12bは、第二マニホールドプレート12をフルエッチングすることにより、第二連結部12dはハーフエッチングにより、安価且つ容易に形成される。第二連結部12dはハーフエッチングに形成されるため、薄くなって第二連結部12d以外の厚さ方向の流路が確保される。
【0013】
また、第三マニホールドプレート13には、前記貫通孔12aに連通した微小径のインクの通路である貫通孔13aが多数穿設されている。また、第三マニホールドプレート13における上記マニホールド流路12bと対応する位置には、第三マニホールド流路13bが形成されている。第三マニホールド流路13bは、第1乃至第4の印字領域毎に長手方向に4本形成されており、2本のマニホールド流路13bで囲まれるところには、第三島部13cが形成され、第三島部13cを支持する第三連結部13dが設けられている。第三マニホールドプレート13の貫通孔13a及びマニホールド流路13bは、第三マニホールドプレート13をフルエッチングすることにより、第三連結部13dはハーフエッチングにより、安価且つ容易に形成される。第三連結部13dはハーフエッチングに形成されるため、薄くなって第三連結部13d以外の厚さ方向の流路が確保される。
【0014】
第一、第二、第三マニホールドプレート11、12、13が積層されると、図5に示すように、第一マニホールド流路11b、第二マニホールド流路12b及び第三マニホールド流路13bから構成されるマニホールド流路MN2(マニホールド流路11b、12b、13bを総称していう)を形成するが、所定量のインクを確保するため、マニホールド流路MN2は、所定の深さ及び幅となるように形成される。閉ループ状のマニホールド流路MN2で囲まれる第一島部11c、第二島部12c及び第三島部13cは、同一の形状であって、所定の厚さの島部MN3となる。マニホールド流路MN2の両端部には、インクが導入されるマニホールド口MN1が形成される。
【0015】
第一連結部11d、第二連結部12d及び第三連結部13dからなる連結部MN4は、第一、第二、第三マニホールドプレート11、12、13において積層方向の一部に流路を形成するようにハーフエッチングにより形成され、第一、第二、第三マニホールドプレート11、12、13毎に異なる位置に配置されている。このように第一連結部11d、第二連結部12d及び第三連結部13dの位置が、第一、第二、第三マニホールドプレート11、12、13毎にプレートの積層方向に異なるので、積層方向に同じ位置にある場合に比べて、マニホールドにおけるインク流路の流路抵抗は小さくなる。
【0016】
また、サプライプレート14には、前記貫通孔13aに連通した微小径のインクの通路である貫通孔14aが多数穿設されている。また、サプライプレート14には、上記マニホールド流路13bと対応する位置に、貫通孔14bが形成されている。サプライプレート14の貫通孔14a、及び貫通孔14bは、サプライプレート14をエッチングすることにより安価且つ容易に形成される。
【0017】
また、アパーチャプレート15には、貫通孔14aに連通した微小径のインクの通路である貫通孔15aが多数穿設されている。また、アパーチャプレート15には、貫通孔14bに対応する位置に貫通孔15bが形成されている。このアパーチャプレート15の貫通孔15bは、流路抵抗を大きくするためのしぼり流路15cと連通し、しぼり流路15cの貫通孔15bの反対側には、貫通孔15dが形成されている。
アパーチャプレート15の貫通孔15a、貫通孔15b、及びしぼり流路15c、貫通孔15dは、アパーチャプレート15をエッチングすることにより安価且つ容易に形成される。
【0018】
また、ベースプレート16には、前記貫通孔15aに連通した微小径のインクの通路である貫通孔16aが複数形成されている。ベースプレート16には、しぼり流路15cからインクを供給するため、貫通孔15dと対応する位置に貫通孔16bが複数形成されている。また、ベースプレート16の貫通孔16a、及び貫通孔16bは、ベースプレート16をエッチングすることにより安価且つ容易に形成される。
【0019】
さらに、キャビティプレート17には、図4に示すように、インク圧力室17aが縦横に多数配列され、インク圧力室17aの一方の鋭角部17a1は、インク圧力室17aにインクを供給するため、貫通孔16bと連設し、また、インク圧力室17aの他方の鋭角部17a2は、前記ノズル9aにインクを送り出すための、貫通孔16aと連設している。この場合、縦横に多数配置されるインク圧力室17aの鋭角部17a1、17a2を、隣接するインク圧力室17a間に入り込ませて配置するので、ほぼ菱形のインク圧力室17aを高密度に配列することができる。キャビティプレート17には、フィルタ孔16cに対応する位置に、インク供給源(図示せず)からインクを導入するインク導入口17bが形成されている(図1参照)。キャビティプレート17のインク圧力室17a及びインク導入口17bは、キャビティプレート17をエッチングすることにより安価且つ容易に形成される。
【0020】
キャビティプレート17の上方には、図1に示す台形形状の圧電素子ユニット18が接着材により張り付けられるが、圧電素子ユニット1は4枚の圧電シート(図示せず)が積層され、最上層に表面電極が形成され、4枚の圧電シートの内の第1層及び第2層間、第3層及び第4層間に内部電極が形成されている。そして、圧電素子ユニット18に設けられる複数の圧電素子単位構造18a(図2参照)は、インクの圧力室17aの形状と対応している(図8参照)。
【0021】
この場合、圧電素子単位構造18aの上面には、表面電極である駆動電極18bが形成されており、インク圧力室17aの形状に比べて少し小さくなっている。そして、フレキシブルプリント基板19から圧電素子単位構造18aの駆動電極18bに駆動信号を送出すると、1個の圧電素子単位構造18aは、1個のインク圧力室17aと対応することにより、インク圧力室17a内のインクに噴射圧力を与えることができる。
【0022】
そして、ヘッド本体8においては、図1、図3及び図4に示すように、圧電素子単位構造18aの配設位置に対応して形成された複数のインク圧力室17aにインクを供給するべく、インク供給源よりインク導入口17b、16c、15e、14cを介して供給されたインクは、マニホールドMN、貫通孔14b、貫通孔15b、しぼり流路15c、貫通孔15d及び貫通孔16bを経て、インク圧力室17aに供給される。そして、圧電素子単位構造18aにフレキシブルプリント基板19を介して駆動電圧が印加されると、圧電素子単位構造18aが変形して、インク圧力室17a内のインクは、貫通孔16a、15a、14a、13a、12a、11a、10aを経て、ノズル9aから噴射され、そのインクでもって印刷媒体に印刷可能となる。
【0023】
このようにインクジェットヘッド1は、ノズルプレート8、フィルタプレート9、カバープレート10、第一マニホールドプレート11、第二マニホールドプレート12、第三マニホールドプレート13、サプライプレート14、アパーチャプレート15、ベースプレート16及びキャビティプレート17の複数のプレートによって構成されており、貫通孔16a、15a、14a、13a、12a、11a、10a及びフィルタ9aはインクが流れるインク流路を構成し、貫通孔16a、15a、14a、13a、12a、11a、10a及びフィルタ9aのそれぞれは同程度の面積を有している。
インク流路を構成する貫通孔16a、15a、14a、13a、12a、11a、10a及びフィルタ9aのインク流路の面積は、図3及び図4に示すように、インク圧力室17aを構成するキャビティプレート17におけるインク圧力室17aの面積より小さく形成されている。それにより、インク圧力室17aから異物が混入しても、インク圧力室17aの下流のフィルタプレート9にフィルタ9aを設けたため、フィルタ9aは異物を除去することができる。この場合、貫通孔16a、15a、14a、13a、12a、11a、10a及びフィルタ9aのインク流路の面積は小さいので、開口面積の広いインク圧力室を設ける場合と比較して、インク流路の組立中にノズルを閉塞させる異物が入り込む可能性が少なくなる。
【0024】
以上説明したように、本実施の形態による発明によれば、インクを吐出するノズル8aと、前記ノズル8aに直結するインク流路を構成する貫通孔10a〜16aと、前記インク流路を構成する貫通孔16aに繋がるインク圧力室17aとを備えるインクジェットヘッド1において、前記インク圧力室17aの下流側の貫通孔10aとノズル8aとの間に、異物を除去するフィルタ9aを設けたので、インクジェットヘッド1内のインク圧力室17aに異物が入り込んでも、フィルタ9aが異物を除去するため、異物がインク圧力室17aの下流側のノズルに詰まるおそれが少ない。また、インク圧力室17aの下流のインク流路に、フィルタ9aを設けたので、ノズル8aのメニスカス破壊による流路内のエア侵入をフィルタ9aで止めることができ、パージによって排出するインク量を少なくすることができる。
また、本発明の実施の形態は上述した例に限らず、様々な形態に応用が可能である。例えば、実施の形態ではプレートを積層する構成としたが、この構成に限らず、一体型のインクジェットヘッドなどにも適用可能である。また、インクジェットヘッド内の異物を除去するフィルタは、インク圧力室の下流側であれば、必ずしもノズルの直前である必要はなく、その他の場所に設置することもできる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明した通り、請求項1に係るインクジェットヘッドによれば、インクを吐出するノズルと、前記ノズルに直結するインク流路と、前記インク流路に繋がるインク圧力室とを備えるインクジェットヘッドにおいて、前記インク流路に、異物を除去するフィルタを設けたので、インクジェットヘッド内のインク圧力室に異物が入り込んでも、フィルタが異物を除去するため、異物がインク圧力室の下流側のノズルに詰まるおそれが少なく、また、インク圧力室の下流のインク流路に、フィルタを設けたので、ノズル部でのメニスカス破壊による流路内のエア侵入をフィルタで止めることができ、パージによって排出するインク量を少なくすることができる。
【0026】
また、請求項2に係るインクジェットヘッドによれば、前記インク流路及び前記インク圧力室は、複数のプレートによって構成され、前記インク流路を構成するプレートにおける前記インク流路の面積は、前記インク圧力室を構成するプレートにおける前記インク圧力室の面積より小さく形成されているので、インク圧力室から異物が混入しても、インク圧力室の下流のインク流路にフィルタを設けたため異物を除去することができ、また、前記インク流路の面積は小さいので、開口面積の広いインク圧力室を設ける場合と比較して、インク流路の組立中にノズルを閉塞させる異物が入り込む可能性が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のインクジェットヘッドを分解して示す斜視図である。
【図2】本実施の形態のインクジェットヘッドを構成する積層体の一部を拡大して示す分解斜視図である。
【図3】本実施の形態のインクジェットヘッドを構成する積層体の一部を拡大して示す断面図である。
【図4】本実施の形態のインクジェットヘッドのインク流路を説明するため概念的に示す拡大斜視図である。
【図5】本実施の形態のインクジェットヘッドの積層した第一、第二、第三マニホールドプレートを第三マニホールドプレート側から見た平面図である。
【図6】本実施の形態のインクジェットヘッドの第一、第二、第三マニホールドプレートを分解して示す拡大斜視図である。
【図7】本実施の形態のインクジェットヘッドの積層した第一、第二、第三マニホールドプレートの一部を拡大して示す斜視図である。
【図8】本実施の形態のインク圧力室を拡大して示す平面図である。
【図9】本実施の形態のフィルタプレートに形成されたフィルタを拡大して示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド
8 ノズルプレート
9 フィルタプレート
9a インク流路
9a1 貫通部
9b フィルタ
10 カバープレート
11 第1マニホールドプレート
12 第2マニホールドプレート
13 第3マニホールドプレート
14 サプライプレート
15 アパーチャプレート
16 ベースプレート
17 キャビティプレート
17a インク圧力室
18 圧電素子ユニット
Claims (2)
- インクを吐出するノズルと、前記ノズルに直結するインク流路と、前記インク流路に繋がるインク圧力室とを備えるインクジェットヘッドにおいて、
前記インク流路に、異物を除去するフィルタを設けたことを特徴とするインクジェットヘッド。 - 請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記インク流路及び前記インク圧力室は、複数のプレートによって構成され、
前記インク流路を構成するプレートにおける前記インク流路の面積は、前記インク圧力室を構成するプレートにおける前記インク圧力室の面積より小さく形成されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
Priority Applications (1)
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Cited By (1)
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JP2007260947A (ja) * | 2006-03-27 | 2007-10-11 | Seiko Epson Corp | 液体供給装置及び液体噴射装置 |
-
2002
- 2002-09-26 JP JP2002281252A patent/JP2004114516A/ja active Pending
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US7914124B2 (en) | 2006-03-27 | 2011-03-29 | Seiko Epson Corporation | Liquid supplying device and liquid ejection apparatus |
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