JP2004110992A - 薄膜磁性体記憶装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率的かつ安定的にプログラム情報を記憶することができる薄膜磁性体記憶装置の構成を提供する。
【解決手段】プログラムセルおよびメモリセルの各々は、共に同じ磁気記憶部を含み、プログラムセルは、さらに状態変化部を含む。したがって、プログラムセルは、メモリセルと同様の構造にさらに状態変化部を付加した構成である。すなわち磁気記憶部等についてはメモリセルと同様の設計が可能であり、効率的なプログラムセルを設けることができる。また、状態変化部は電気的な変化に基づいて固定的な状態へ変化する。したがって、状態変化部は、磁気ノイズ等によってプログラム情報が書換えられることはなく、安定的にプログラム情報を記憶することができる。
【選択図】 図8
【解決手段】プログラムセルおよびメモリセルの各々は、共に同じ磁気記憶部を含み、プログラムセルは、さらに状態変化部を含む。したがって、プログラムセルは、メモリセルと同様の構造にさらに状態変化部を付加した構成である。すなわち磁気記憶部等についてはメモリセルと同様の設計が可能であり、効率的なプログラムセルを設けることができる。また、状態変化部は電気的な変化に基づいて固定的な状態へ変化する。したがって、状態変化部は、磁気ノイズ等によってプログラム情報が書換えられることはなく、安定的にプログラム情報を記憶することができる。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、薄膜磁性体記憶装置に関し、より特定的には、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)を有するメモリセル(以下、単にMTJメモリセルとも称する)を備えた薄膜磁性体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、新世代の不揮発性記憶装置として、MRAM(Magnetic Random AccessMemory)デバイスが注目されている。MRAMデバイスは、半導体集積回路に形成された複数の薄膜磁性体を用いて不揮発的なデータ記憶を行ない、薄膜磁性体の各々に対してランダムアクセスが可能な不揮発性記憶装置である。
【0003】
特に、近年では磁気トンネル接合を利用した薄膜磁性体をメモリセルとして用いることによって、MRAMデバイスの性能が飛躍的に進歩することが発表されている。(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
一方、メモリデバイスにおいては、内部に不揮発的に記憶されたプログラム情報に基づいて、データ読出、データ書込の通常動作やテスト動作等を実行する構成が一般的である。通常動作については、代表的には余分に配置されたスペアメモリセルを用いて欠陥メモリセルを置換救済するための冗長構成の制限に用いられる情報が、プログラム情報として記憶される。
【0005】
テスト動作については、代表的には内部でデータ書込や読出のテストを実行するいわゆるビルトインセルフテスト(BIST)に用いられるデータがプログラム情報として記憶される。米国特許6347056B1号公報にはBISTに用いるプログラム情報をMTJメモリセルを用いて記憶する構成が開示されている。
【0006】
従来のメモリデバイスでは、プログラム情報は、レーザ入力等によるヒューズ素子の切断(ブロー)によってプログラムされる構成がとられていた。このような構成では、レーザブロー専用のトリミング装置等の特別な機器を必要とするので、プログラム処理に費やす時間やコストが大きくなっていた。また、このようなプログラム処理は、ウェハ状態で一般的に実行されるため、たとえばウェハ状態で検出された欠陥メモリセルに対応する不良アドレスをプログラム後、パッケージ封入されて製品化されたメモリデバイスにおいては、そこで出現した不良に対応することが困難であり、歩留りの低下を招いていた。
【0007】
さらに大容量のプログラム情報をプログラムする場合においてはヒューズ素子等を多数設ける必要があり、当該プログラム情報を記憶する回路帯の面積が増大するという問題があった。
【0008】
上述したMTJメモリセルは、書換え可能な不揮発なデータ記憶が可能でありさらに集積度の高い素子であるため大容量のプログラム情報を小面積で記憶することが可能である。米国特許第6324093B1号公報には、MTJメモリセルの磁性体記憶素子を破壊することにより不揮発的なデータ記憶を実行する構成が開示されている。また、特開2001−217398号公報には1つのメモリセル分の面積で多値情報を記憶することにより大容量の情報を小面積で記憶する構成が開示されている。
【0009】
【特許文献1】米国特許第6347056号公報(第2−3頁、第1図)
【0010】
【特許文献2】米国特許第6324093号公報(第3−4頁、第2a,2b図)
【0011】
【特許文献3】特開2001−217398号公報(第7−8頁、第1図)
【0012】
【非特許文献1】
ロイ・ショイアーライン(Roy Scheuerline)他6名、“各セルにFETスイッチおよび磁気トンネル接合を用いた、10ns読出・書込の不揮発メモリアレイ(A 10ns Read and Write Non−Volatile Memory Array Using a Magnetic TunnelJunction and FET Switch in each Cell)”,(米国),2000年米国電気電子学会国際固体回路会議・技術論文集TA7.2(2000 IEEE ISSCC Digest of Technical Papers, TA7.2),p.128−129
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したMTJメモリセルは、磁化方向によって電気抵抗が変化する薄膜磁性体の特性を利用した記憶素子であるため磁気ノイズ等によって一旦プログラムしたデータが書替えられるすなわちプログラム情報が消失してしまうという問題がある。
【0014】
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであってこの発明の目的は、通常のメモリセルに含まれるのと同様の磁性体記憶素子を用いて効率的かつ安定的にプログラム情報を記憶することができる薄膜磁性体記憶装置の構成を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のある局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、複数のメモリセルと、プログラムセルとを含む。複数のメモリセルは、各々が磁気的にデータ記憶を実行する。プログラムセルは、複数のメモリセルに対して用いられるプログラム情報を記憶する。プログラムセルおよび各メモリセルの各々は、データ書込電流に応じた磁化方向によって異なる電気抵抗値を有する磁気記憶部を含む。また、プログラムセルは、外部からのアクセス指示に応答して第1の状態から第2の状態の電気抵抗値に固定的に変化する状態変化部をさらに含む。
【0016】
本発明の別の局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、複数のメモリセルと、プログラムセルとを含む。複数のメモリセルは、各々が磁気的にデータ記憶を実行する。プログラムセルは、複数のメモリセルに対して用いられるプログラム情報を記憶する。プログラムセルは、複数の状態変化部と、アクセス素子とを含む。複数の状態変化部は、外部からのアクセス指示および印加磁界のいずれか一方にそれぞれ応答して電気抵抗が変化する。アクセス素子は、各状態変化部に対応して設けられ固定電圧と所定電圧との間の電気的な接続を制御する。また、複数の状態変化部は、プログラム情報を構成する複数のプログラムデータにそれぞれ対応して設けられ、複数の状態変化部のそれぞれは互いに異なる電気抵抗値に設定される。
【0017】
本発明のさらに別の局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、各々が磁気的にデータ記憶を実行する複数のメモリセルと、プログラムユニットとを含む。プログラムユニットは、複数のメモリセルに対して用いられるプログラム情報を構成する第1および第2のプログラムデータを記憶する。また、プログラムユニットは、各々が、互いに異なる電気抵抗を有する第1および第2のプログラムセルを含む。第1および第2のプログラムセルの各々は、磁気記憶部と、状態変化部とを有する。磁気記憶部は、データ書込電流に応じた磁化方向によって異なる電気抵抗値を有する。状態変化部は、外部からのアクセス指示に応答して第1の状態から第2の状態の電気抵抗値に固定的に変化する。
【0018】
本発明のさらに別の局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、各々が磁気的にデータ記憶を実行する複数のメモリセルと、プログラムユニットとを含む。プログラムユニットは、複数のメモリセルに対して用いられるプログラム情報を記憶する。また、プログラムユニットは、少なくとも1個のプログラムセルと増幅回路とを含む。各プログラムセルは、磁気記憶部と、状態変化部とを有する。磁気記憶部は、データ書込電流に応じた磁化方向によって異なる電気抵抗値を有する。状態変化部は、外部からのアクセス指示に応答して第1の状態から第2の状態の電気抵抗値に固定的に変化する。増幅回路は、各プログラムセルに対応して共通に設けられ、データ読出時に選択的にプログラムセルの磁気記憶部および状態変化部の少なくとも一方に基づいて出力されるプログラム信号を増幅する。
【0019】
本発明のさらに別の局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、複数のスイッチ部と、複数乃スイッチ制御部とを含む。複数のスイッチ部は、複数の回路ブロック間の信号伝送経路を設定する。複数のスイッチ制御部は、複数のスイッチ部にそれぞれ対応して設けられ、対応するスイッチ部を制御する。スイッチ制御部は、各々が、不揮発的な電気抵抗を有する第1および第2のプログラムセルを含む。また、スイッチ制御部は、第1および第2のプログラムセルの電気抵抗に基づくデータ信号により対応するスイッチ部を制御する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付しその説明は繰返さない。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に従うMRAMデバイス1の全体構成を示す概略ブロック図である。
【0022】
図1を参照して、MRAMデバイス1は、外部からの制御信号CMDおよびアドレス信号ADDに応じてランダムアクセスを実行し、書込データDINの入力および読出データDOUTの出力を実行する。
【0023】
MRAMデバイス1は、制御信号CMDに応答してMRAMデバイス1の全体動作を制御するためのコントロール回路5と、行列状に配列された複数のMTJメモリセルを有するメモリアレイ10とを備える。メモリアレイ10は、アドレス信号ADDによって各々指定可能な行列状に配列された複数の正規のMTJメモリセルと、欠陥が生じた正規メモリセルを救済するためのスペアメモリセル(図示せず)とを含む。メモリアレイ10は、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる複数のワード線、複数のデジット線および複数のソース線と、メモリセル列にそれぞれ代表して設けられる複数のビット線とが配置される。
【0024】
図1においては、メモリアレイ10において1つのメモリセルMCが示され、メモリセルMCの行に対応してワード線RWLとデジット線DLとソース線SLとがそれぞれ1本ずつ示されている。また、メモリセルMCの列に対応してビット線BLが示されている。
【0025】
図2は、磁気トンネル接合部を有するMTJメモリセルMC(以下、単にメモリセルMCとも称する)の構成を示す概略図である。
【0026】
図2を参照して、メモリセルMCは、磁気的に書込まれた記憶データのデータレベルに応じて電気抵抗が変化するトンネル磁気抵抗素子TMRと、アクセストランジスタATRとを含む。アクセストランジスタATRは、ビット線BLおよびソース線SLの間に、トンネル磁気抵抗素子TMRと直列に接続される。代表的には、アクセストランジスタATRとして、半導体基板上に形成された電界効果型トランジスタが適用される。
【0027】
メモリセルMCに対しては、データ書込時に異なった方向のデータ書込電流をそれぞれ流すためのビット線BLおよびデジット線DLと、データ読出を指示するためのワード線RWLと、データ読出時にトンネル磁気抵抗素子TMRを接地電圧GNDにプルダウンするためのソース線SLとが設けられる。データ読出時においては、アクセストランジスタATRのターンオンに応答して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、ソース線SLおよびビット線BLの間に電気的に結合される。
【0028】
図3は、メモリセルMCに対するデータ書込動作を説明する概念図である。
図3を参照して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定された一定の磁化方向を有する強磁性体層(以下、単に「固定磁化層」とも称する)FLと、外部からの印加磁界に応じた方向に磁化される強磁性体層(以下、単に「自由磁化層」とも称する)VLとを有する。固定磁化層FLおよび自由磁化層VLの間には、絶縁体膜で形成されるトンネルバリア(トンネル膜)TBが設けられる。自由磁化層VLは、書込まれる記憶データのレベルに応じて、固定磁化層FLと同一方向または固定磁化層FLと反対方向に磁化される。これらの固定磁化層FL、トンネルバリアTBおよび自由磁化層VLによって、磁気トンネル接合が形成される。
【0029】
トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLおよび自由磁化層VLのそれぞれの磁化方向の相対関係に応じて変化する。具体的には、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLの磁化方向と自由磁化層VLの磁化方向とが同じ(平行)である場合に最小値Rminとなり、両者の磁化方向が反対(反平行)方向である場合に最大値Rmaxとなる。
【0030】
データ書込時においては、ワード線RWLが非活性化されて、アクセストランジスタATRはターンオフされる。この状態で、自由磁化層VLを磁化するためのデータ書込電流は、ビット線BLおよびデジット線DLのそれぞれにおいて、書込データのレベルに応じた方向に流される。
【0031】
図4は、データ書込時におけるデータ書込電流とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関連を示す概念図である。
【0032】
図4を参照して、横軸H(EA)は、トンネル磁気抵抗素子TMR内の自由磁化層VLにおいて磁化容易軸(EA:Easy Axis)方向に印加される磁界を示す。一方、縦軸H(HA)は、自由磁化層VLにおいて磁化困難軸(HA:Hard Axis)方向に作用する磁界を示す。磁界H(EA)およびH(HA)は、ビット線BLおよびデジット線DLをそれぞれ流れる電流によって生じる2つの磁界の一方ずつにそれぞれ対応する。
【0033】
メモリセルMCにおいては、固定磁化層FLの固定された磁化方向は、自由磁化層VLの磁化容易軸に沿っており、自由磁化層VLは、記憶データのレベル(“1”および“0”)に応じて、磁化容易軸方向に沿って、固定磁化層FLと平行あるいは反平行(反対)方向に磁化される。メモリセルMCは、自由磁化層VLの2通りの磁化方向と対応させて、1ビットのデータ(“1”および“0”)を記憶することができる。
【0034】
自由磁化層VLの磁化方向は、印加される磁界H(EA)およびH(HA)の和が、図4に示されるアステロイド特性線の外側の領域に達する場合においてのみ新たに書換えることができる。すなわち、印加されたデータ書込磁界がアステロイド特性線の内側の領域に相当する強度である場合には、自由磁化層VLの磁化方向は変化しない。
【0035】
アステロイド特性線に示されるように、自由磁化層VLに対して磁化困難軸方向の磁界を印加することによって、磁化容易軸に沿った磁化方向を変化させるのに必要な磁化しきい値を下げることができる。図4に示した例のようにデータ書込時の動作点を設計した場合には、データ書込対象であるメモリセルMCにおいて、磁化容易軸方向のデータ書込磁界は、その強度がHWRとなるように設計される。すなわち、このデータ書込磁界HWRが得られるように、ビット線BLまたはデジット線DLを流されるデータ書込電流の値が設計される。一般的に、データ書込磁界HWRは、磁化方向の切換えに必要なスイッチング磁界HSWと、マージン分ΔHとの和で示される。すなわち、HWR=HSW+ΔHで示される。
【0036】
メモリセルMCの記憶データ、すなわちトンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向を書換えるためには、デジット線DLとビット線BLとの両方に所定レベル以上のデータ書込電流を流す必要がある。これにより、トンネル磁気抵抗素子TMR中の自由磁化層VLは、磁化容易軸(EA)に沿ったデータ書込磁界の向きに応じて、固定磁化層FLと平行もしくは、反対(反平行)方向に磁化される。トンネル磁気抵抗素子TMRに一旦書込まれた磁化方向、すなわちメモリセルMCの記憶データは、新たなデータ書込が実行されるまでの間不揮発的に保持される。
【0037】
図5は、メモリセルMCからのデータ読出動作を説明する概念図である。
図5を参照して、データ読出動作時においては、アクセストランジスタATRは、ワード線RWLの活性化に応答してターンオンする。これにより、トンネル磁気抵抗素子TMRは、接地電圧GNDへプルダウンされた状態でビット線BLと電気的に結合される。
【0038】
この状態で、ビット線BLを所定電圧へプルアップすれば、ビット線BLおよびトンネル磁気抵抗素子TMRを含む電流経路を、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗に応じた、すなわちメモリセルMCの記憶データのレベルに応じたメモリセル電流Icellが通過する。たとえば、このメモリセル電流Icellを所定の基準電流と比較することにより、メモリセルMCから記憶データを読出すことができる。
【0039】
なお、メモリセル電流Icellは、一般的に、上述したデータ書込電流と比較して1〜2桁程度小さくなるように設計される。したがって、メモリセル電流Icellの影響によって、メモリセルMCの記憶データが誤って書換えられる可能性は小さい。すなわち非破壊的なデータ読出が可能である。
【0040】
図6は、半導体基板上に形成されたメモリアレイ10に含まれるメモリセルMCの断面図である。
【0041】
図6を参照して、半導体基板上に形成されたアクセストランジスタATRは、n型領域である不純物領域310および320と、ゲート領域330とを有する。不純物領域310は、コンタクトホールに形成される金属膜を介して第1の金属配線層M1のソース線SLと電気的に結合される。
【0042】
デジット線DLは、ソース線SLの上層に設けられた金属配線層M2に形成される。トンネル磁気抵抗素子TMRは、デジット線DLの上層側に配置される。トンネル磁気抵抗素子TMRは、ストラップ350およびコンタクトホール340に形成された金属膜を介して、アクセストランジスタATRの不純物領域320と電気的に結合される。ストラップ350は、トンネル磁気抵抗素子TMRをアクセストランジスタATRと電気的に結合するために設けられ、導電性の物質で形成される。ビット線BLは、トンネル磁気抵抗素子TMRと電気的に結合されて、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側に設けられる。
【0043】
データ書込電流および読出電流が流されるビット線BLおよびデータ書込電流が流されるデジット線DLは、金属配線層M3,M2をそれぞれ用いて形成される。一方、ワード線RWLは、アクセストランジスタATRのゲート電圧を制御するために設けられるので、電流を積極的に流す必要はない。したがって、集積度を高める観点から、ワード線RWLは、独立した金属配線層を新たに設けることなく、ゲート領域330と同一の配線層に、ポリシリコン層やポリサイド層などを用いて形成されるのが一般的である。なお、ビット線BLの上層側に設けられる金属配線層M4,M5等を用いて他の周辺回路で用いられる信号線等が設けられる。たとえば、読出データおよび書込データ等を伝達するためのデータ線等が挙げられる。
【0044】
上記のような構成に基づき、メモリセルMCを集積配置することにより大容量のメモリアレイを形成し、不揮発的なデータ記憶を実行する。
【0045】
再び図1を参照して、MRAMデバイス1は、さらに行デコーダ20と、列デコーダ25と、読出/書込制御回路30,35とを備える。
【0046】
行デコーダ20は、アドレス信号ADDによって示されているロウアドレスRAに応じて、メモリアレイ10における行選択を実行する。列デコーダ25は、アドレス信号ADDによって示されるコラムアドレスCAに応じてメモリアレイ10における列選択を実行する。行デコーダ20は、図示しないがワード線RWLおよびデジット線DLを駆動するドライバを含み、行デコーダ20の行選択結果に基づいて選択されたワード線RWLもしくはデジット線DLを選択的に活性化する。ロウアドレスRAおよびコラムアドレスCAによってデータ読出もしくはデータ書込対象に指定されたメモリセル(以下、「選択メモリセル」とも称する)が示される。
【0047】
読出/書込制御回路30,35は、データ読出およびデータ書込時において、選択メモリセルに対応する選択メモリセル列(以下、「選択列」とも称する)のビット線BLに対してデータ書込電流およびセンス電流(データ読出電流)を流すために、メモリアレイ10に隣接する領域に配置される回路群を総称したものである。
【0048】
MRAMデバイス1は、さらに、プログラム回路40と冗長制御回路45とを備える。プログラム回路40については後ほど詳細に説明するがプログラム情報を外部からのプログラムデータPDINに応答して不揮発的に記憶する。
【0049】
本実施の形態1においては、欠陥メモリセルを特定するための不良アドレスがプログラム情報としてプログラム回路40に記憶される構成を代表的に説明する。
【0050】
冗長制御回路45は、通常動作時において、アドレス信号ADDとプログラム回路40に保持される不良アドレスとを比較することによりデータ読出またはデータ書込対象として不良メモリセルが選択されたかどうかを判定する。
【0051】
不良メモリセルが選択された場合には、冗長制御回路45は、スペアメモリセルで構成された冗長回路に対するアクセスを指示するとともに行デコーダ20および列デコーダ25に対して外部からのアドレス信号ADDで示された選択メモリセルに対するアクセスの停止を指示する。これにより、アドレス信号ADDで示される選択メモリセルに代えて冗長メモリセルを対象としてデータ読出またはデータ書込が実行される。
【0052】
一方、外部からのアドレス信号ADDが不良アドレスと対応しない場合には行デコーダ20および列デコーダ25によって通常の選択動作が実行されて、通常の選択メモリセルに対してデータ読出またはデータ書込が実行される。
【0053】
本実施の形態1においては、プログラム回路40に記憶される、プログラム情報を構成するプログラムデータのデータ書込およびデータ読出について詳細に説明する。
【0054】
図7は、本発明の実施の形態1に従うプログラム回路40の概念図である。
図7を参照して、本発明の実施の形態1に従うプログラム回路40は、図1で示されるMRAMデバイス1と比較して、プログラム回路40および冗長制御回路45を削除した構成とほぼ同様の構成である。具体的には、プログラム回路40は、コントロール回路5からの制御信号およびアドレス信号ADDに応じてランダムアクセスを実行し、プログラムデータPDINの入力およびプログラム読出データPDOUTの出力を実行する。
【0055】
プログラム回路40は、コントロール回路5からの動作指示に応答してプログラム回路40の全体動作を制御するためのサブコントロール回路5♯と、行列状に配列されたプログラム情報を記憶する複数のMTJメモリセルPMC(以下、単にメモリセルPMCとも称する)を有するメモリアレイ10♯と、アドレス信号ADDによって示されるロウアドレスRAに応じてメモリアレイ10♯における行選択を実行する行デコーダ20♯と、アドレス信号ADDによって示されるコラムアドレスCAに応じてメモリアレイ10♯における列選択を実行する列デコーダ25♯と、読出/書込制御回路30♯,35♯とを含む。
【0056】
読出/書込制御回路30♯,35♯は、データ読出およびデータ書込時において選択メモリセルに対応する選択列のビット線BLに対してデータ書込電流およびセンス電流を流すためにメモリアレイ10♯に隣接する領域に配置される回路群を総称したものである。
【0057】
メモリアレイ10♯は、プログラム情報を記憶するメモリセルPMCが行列状に集積配置された構成である。また、メモリアレイ10♯は、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる複数のワード線RWL,FWL、デジット線DLおよびソース線SLとが設けられる。また、メモリセル列にそれぞれ対応して複数のビット線BLおよびソース線FSLが設けられる。図4には1つのメモリセルPMCが示され行に対応してワード線RWL,FWLおよびソース線SLが1本ずつ示されている。また、列に対応してビット線BLおよびソース線FSLが1本ずつ示されている。なお、ここで示されるワード線RWL,FWL、ソース線SL,FSL、デジット線DL、ビット線BLは、複数設けられたワード線、ソース線、デジット線およびビット線をそれぞれ総称したものである。
【0058】
図8は、本発明の実施の形態1に従うプログラム情報を記憶するメモリセルPMCを詳細に示す回路構成図である。メモリセルPMCは、2ビットの不揮発的なデータ記憶が実行可能なメモリセルである。
【0059】
図8を参照して、メモリセルPMCは、図2に示されるメモリセルMCと比較して、アクセストランジスタFTRと、トンネル磁気抵抗素子TMRとアクセストランジスタFTRとの接続に用いられる接続部CHとをさらに含む点が異なる。
【0060】
トンネル磁気抵抗素子TMRとアクセストランジスタFTRとは、接続部CHを介してビット線BLとソース線FSLとの間に直列に接続され、アクセストランジスタFTRのゲートは、ワード線FWLと電気的に結合される。
【0061】
ここで接続部CHは、通過電流に応じてその状態が変化する導電性の材料で形成される。この接続部CHを通過する通過電流に基づいてトンネル磁気抵抗素子TMRとアクセストランジスタFTRとの電気的な接続がほぼ切断された状態すなわち高抵抗状態に変化する。これに伴い、この状態が変化する接続部CHの切断/非切断状態(プログラム状態/非プログラム状態とも称する)と記憶データ「0」および「1」とを対応付けることにより固定的(不揮発的)な1ビットのデータ記憶を実行する。
【0062】
メモリセルPMCは、磁化方向によって記憶データを格納するトンネル磁気抵抗素子TMRと上記の接続部CHの切断/非切断状態とに基づいて2ビットの記憶データを格納するプログラム素子を構成する。
【0063】
図9は、半導体基板上に形成されたメモリアレイ10#に含まれるメモリセルPMCの断面図である。
【0064】
図9を参照して、メモリセルPMCの断面図は、図6のメモリセルMCの断面図と比較して、アクセストランジスタFTRと、接続部CHと、ソース線FSLと、ワード線FWLに関する点が異なる。他の部分については同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。半導体基板上に形成されたアクセストランジスタFTRは、アクセストランジスタATRと隣接する領域に設けられ、n型領域である不純物領域311および321と、ゲート領域331とを有する。不純物領域311は、コンタクトホール341に形成される金属膜を介してトンネル磁気抵抗素子TMRと電気的に結合されるストラップ351と電気的に結合される。ここで、接続部CHは、ストラップ351の一部領域に相当し、図3で示されるストラップ350と比較して、アクセストランジスタFTRとの電気的な結合をするために延長した領域部分に相当する。このストラップ351の一部領域に相当する接続部CHは、通過電流に基づいて状態(形状)が変化しやすいようにするため一例として局所的に電流の集中を促すように細長形状に設計する必要がある。
【0065】
ソース線FSLは、ビット線BLとショートしないように並列に同じ金属配線層(M3)に設けられ、コンタクトホール342に形成された金属膜を介して、アクセストランジスタFTRの不純物領域321と電気的に結合される。具体的にはコンタクトホール342は、第1の金属配線層の領域部分において行方向(ワード線等と同じ方向)に金属層が設けられ、ビット線BLとショートしないように点線で示す経路で上層のソース線FSLと電気的に結合される。ワード線FWLは、上述したように、集積度を高める観点から、独立した金属配線層を新たに設けることなく、ゲート領域331と同一の配線層に、ポリシリコン層やポリサイド層などを用いて形成される。
【0066】
このように、メモリセルPMCは、メモリセルMCとほぼ同様の構成を有し、新たな金属配線層を設けることなく設計することができるため、集積度を向上させることができるとともに製造コストを低廉にすることが可能となり、効率的なプログラム素子を設計することが可能となる。
【0067】
以下においては、集積配置された上記のメモリセルPMCに対してプログラム情報のデータ書込およびデータ読出について詳細に説明する。
【0068】
図10は、本発明の実施の形態1に従うメモリアレイ10♯およびその周辺領域の回路構成図である。
【0069】
図10を参照して、メモリアレイ10♯は行列状に配列された複数のメモリセルPMCを有する。上述したようにメモリアレイ10♯にはメモリセル行にそれぞれ対応して複数のワード線FWLおよびRWLと、複数のソース線SLがそれぞれ設けられる。また、メモリセル列にそれぞれ対応して複数のビット線BLおよびソース線FSLがそれぞれ設けられる。
【0070】
図10においては、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられるビット線BL0〜BLnおよびソース線FSL0〜FSLnが一例として示されている。メモリセルPMCとビット線BL、ソース線SL,FSLおよびワード線RWL,FWLの接続関係については図8で説明したのと同様であるのでその説明は繰返さない。
【0071】
行デコーダ20♯は、メモリセル行毎に配置されたワード線FWLに対応して設けられたワード線ドライバ80と、デジット線DLに対応して設けられたデジット線ドライバ85と、ワード線RWLに対応して設けられたワード線ドライバ90とを含む。
【0072】
読出/書込制御回路30♯は、各ビット線毎にビット線BLの一端側に対応して設けられ、書込制御信号WDTa,WDTbに応じて電源電圧Vccおよび接地電圧GNDのいずれか一方をビット線BLに駆動するビット線ドライバWDRbと、サブコントロール回路5♯の指示に応答してデータ書込時にプログラムデータPDINに応じた書込制御信号WDTa,WDTbもしくは制御信号CSWもしくは制御信号BIを生成する書込制御ユニット95とを含む。ビット線ドライバWDRbは、電源電圧Vccとビット線BLの一端側との間に配置され、書込制御信号WDTbの入力をゲートに受けるトランジスタ40bと、接地電圧GNDとビット線BLの一端側との間に配置され、書込制御信号WDTaの入力をゲートに受けるトランジスタ41bとを含む。
【0073】
また、読出/書込制御回路30♯は、各ビット線毎に設けられ各ビット線に供給されるデータ読出電流に基づいて読出データRDTを生成するアンプRAPをさらに含む。なお、図示しない読出制御回路は、読出データRDTの入力を受けてプログラム読出データPDOUTを出力する。
【0074】
読出/書込制御回路35♯は、各ビット線毎にビット線BLの他端側に対応して設けられ、書込制御信号WDTa,WDTbに応じて電源電圧Vccおよび接地電圧GNDのいずれか一方をビット線BLに駆動するビット線ドライバWDRaと、制御信号CSWに応じて電源電圧Vccおよび接地電圧GNDのいずれか一方をソース線FSLに駆動するソース線ドライバSDRとを含む。ビット線ドライバWDRaは、電源電圧Vccとビット線BLとの他端側との間に配置され、書込制御信号WDTaの入力をゲートに受けるトランジスタ40aと、接地電圧GNDとビット線BLの他端側との間に配置され、書込制御信号WDTbの入力をゲートに受けるトランジスタ41aとを含む。
【0075】
ソース線ドライバSDRは、スイッチ素子SWを有し、たとえば、制御信号CSW(「H」レベル)に応答してソース線FSLに電源電圧Vccを駆動する。一方、制御信号CSW(「L」レベル)に応答してソース線FSLに接地電圧GNDを駆動する。
【0076】
また、読出/書込制御回路35#は、各ビット線毎に設けられ、制御信号BIに応答して電源電圧Vccよりも高電圧の昇圧電圧Vppと対応するビット線とを電気的に接続するトランジスタBTをさらに含む。
【0077】
まず、トンネル磁気抵抗素子TMRへのプログラムデータのデータ書込について説明する。以下においては通常のトンネル磁気抵抗素子TMRへのデータ書込をMTJライトモードと称する。
【0078】
図11は、本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してMTJライトモードを実行する場合の概念図である。MTJライトモードにおいては選択メモリセル行毎にプログラム情報が書込まれるものとする。本例においては、ビット線BL0に対応するメモリセルPMCに対しプログラムデータ「0」を書込み、ビット線BLnに対応するメモリセルPMCに対しプログラムデータ「1」を書込む場合について説明する。
【0079】
図11を参照して、書込制御ユニット95は、プログラムデータPDINに基づいて各列毎に設けられたビット線ドライバWDRaおよびWDRbに入力する書込制御信号WDTa,WDTbを設定する。具体的には、プログラムデータPDIN、列デコーダ25#の列選択結果およびサブコントロール回路5#からのMTJライトモードの動作指示に基づいて対応するビット線ドライバWDRaおよびWDRbに入力する書込制御信号WDTa,WDTbの一方を「H」レベル、他方を「L」レベルに設定する。ここでは、一例としてビット線BL0に対応するビット線ドライバWDRaおよびWDRbに対して「H」レベルの書込制御信号WDTaおよび「L」レベルの書込制御信号WDTbを設定する。また、ビット線BLnに対応するビット線ドライバWDRaおよびWDRbに対して「L」レベルの書込制御信号WDTaおよび「H」レベルの書込制御信号WDTbを設定する。なお、各ビット線ドライバWDRaおよびWDRbにおいて、設定された書込制御信号WDTaおよびWDTbは図示しないラッチ回路によってラッチされているものとする。
【0080】
これに伴い、ビット線BL0に対応するビット線ドライバWDRaにおいて、トランジスタ40aがオンし、電源電圧Vccとビット線BL0の他端側とが電気的に結合される。また、ビット線ドライバWDRbにおいてトランジスタ41bがオンし、ビット線BL0の一端側と接地電圧GNDとが電気的に結合される。
【0081】
したがって、ビット線BL0の他端側から一端側への電流経路が形成され、ビット線BL0にプログラムデータ「0」に対応するデータ書込電流が供給される。
【0082】
一方、ビット線BLnについては、ビット線BL0と同様の方式にしたがってビット線BLnの一端側から他端側への電流経路が形成され、ビット線BLnにプログラムデータ「1」に対応するデータ書込電流蛾供給される。
【0083】
また、同様のタイミングにおいて行デコーダ20♯は、ロウアドレスRAに応答して選択的にデジット線ドライバ85を活性化させ、データ書込電流を供給する。
【0084】
このビット線BL0およびBLnに供給されるデータ書込電流とデジット線DLに流れるデータ書込電流によって選択されたメモリセル行のメモリセルPMCのトンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向がデータ書込電流に対応して設定され、磁化方向に応じてプログラムデータを選択メモリセルに記憶することができる。本例においては、ビット線BL0に対応するメモリセルPMCのトンネル磁気抵抗素子TMRにプログラムデータ「0」を記憶させることができる。また、ビット線BLnに対応するメモリセルPMCのトンネル磁気抵抗素子TMRにプログラムデータ「1」を記憶させることができる。
【0085】
次に、トンネル磁気抵抗素子TMRに記憶されたプログラムデータのデータ読出について説明する。以下、トンネル磁気抵抗素子TMRに記憶されたプログラムデータのデータ読出をMTJリードモードとも称する。
【0086】
図12は、本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してMTJリードモードを実行する場合の概念図である。MTJリードモード時においてはメモリセル行毎にプログラム情報が読出されるものとする。本例においては、プログラムデータ「0」を記憶するビット線BL0に対応するメモリセルPMCおよびプログラム「1」を記憶するビット線PLnに対応するメモリセルPMCのデータ読出について説明する。
【0087】
図12を参照して、MTJリードモード時において、行デコーダ20♯は、ロウアドレスRAに応答して選択的にワード線RWLを活性化させる。これに伴い活性化されたワード線RWLと電気的に結合されたゲートを有するアクセストランジスタATRはターンオンする。
【0088】
次に、MTJリードモード時において、各列毎に設けられたアンプRAPは、サブコントロール回路5#からのMTJリードモードの動作指示に応答して活性化され、各ビット線を所定電圧にプルアップする。
【0089】
これに伴い、アンプRAP〜ビット線BL〜トンネル磁気抵抗素子TMR〜アクセストランジスタATR〜ソース線SL(GND)への電流経路が形成される。すなわち、上記電流経路を介してアンプRAPから選択メモリセルに対してトンネル磁気抵抗素子TMRが有する電気抵抗(Rmax,Rmin)に応じたデータ読出電流が供給される。アンプRAPは、所定電圧に対して電気抵抗値Rmaxおよび電気抵抗値Rminの中間レベルの抵抗値によって生成される基準電流Irefとこのデータ読出電流との比較に基づいてトンネル磁気抵抗素子TMRに格納されたプログラムデータを読出データRDTとして出力する。具体的には、ビット線BL0に対応するアンプRAPは、プログラムデータ「0」に対応する読出データRDTを出力し、ビット線BLnに対応するアンプRAPは、プログラムデータ「1」に対応する読出データRDTを出力する。
【0090】
なお、一般的なMTJメモリセルにおいては、電気抵抗値が数十KΩ程度であり、データ読出時におけるトンネル磁気抵抗素子TMRへの印加電圧は、トンネル膜(絶縁膜)の信頼性等を考慮した値に設定する必要がある。具体的には、トンネル膜の厚さが150μmの場合には1Vの印加電圧で破壊されるため、当該トンネル膜には0.5V程度の印加電圧に抑えられる。したがって、トンネル膜が破壊しないようにデータ読出時にプルアップされる所定電圧を設計する必要がある。
【0091】
また、本例においては選択メモリセル行を構成するメモリセルに対して並列にMTJリードモードを実行する場合について説明したが、これに限られず1つの選択メモリセルに対してMTJリードモードを実行することも可能である。これに関連して、1つの選択メモリセルに対してMTJリードモードを実行する構成においては、上記例において説明したメモリセル列毎に配置されたアンプRAPの代わりに1つのアンプと選択的に電流経路が形成されるような構成とし、回路の部品点数を削減することも可能である。
【0092】
次に、メモリセルPMCの接続部CHへのプログラムデータのデータ書込について説明する。以下においては、メモリセルPMCの接続部CHへのデータ書込をヒューズブローモードとも称する。
【0093】
図13は、本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してヒューズブローモードを実行する場合の概念図である。ヒューズブローモード時においてはメモリセル行毎にプログラム情報が書込まれるものとする。本例においては、ビット線BL0に対応するメモリセルPMCをプログラム状態(プログラムデータ「0」に対応)とし、ビット線BLnに対応するメモリセルPMCは非プログラム状態(プログラムデータ「1」に対応)とする場合について説明する。
【0094】
図13を参照して、書込制御ユニット95は、ヒューズブローモード時において、プログラムデータPDIN、列デコーダ25#の列選択結果およびサブコントロール回路5#からのヒューズブローモードの動作指示に応答してメモリセル列毎に設けられた各ソース線ドライバSDRに対して制御信号CSWを出力する。なお、各ソース線ドライバSDRにおいて、設定された制御信号CSWは図示しないラッチ回路によってラッチされているものとする。
【0095】
一例として、書込制御ユニット95は、プログラムデータPDIN(「0」)に応答してビット線BL0に対応するソース線ドライバSDRに対して「H」レベルである制御信号CSWを出力し、プログラムデータPDIN(「1」)に応答してビット線BLnに対応するソース線ドライバSDRに対して「L」レベルである制御信号CSWを出力するものとする。ソース線FSL0は、「H」レベルの制御信号CSWに応答して、電源電圧Vccと電気的に結合される。また、ソース線FSLnは、「L」レベルの制御信号CSWに応答して接地電圧GNDと電気的に結合される。
【0096】
また、同様のタイミングにおいて行デコーダ20は、ロウアドレスRAの入力に応じて、メモリセル行に対応するワード線FWLおよびRWLを選択的に活性化(「H」レベル)する。これに伴い、活性化されたワード線FWL,RWLに対応するアクセストランジスタFTR,ATRがオンする。
【0097】
したがって、ソース線ドライバSDR(電源電圧Vcc)〜ソース線FSL〜アクセストランジスタFTR〜接続部CH〜アクセストランジスタATR〜接地電圧GNDへの電流経路が形成される。すなわち、アクセストランジスタ2個を介して接続部CHに所定の電流が供給される。これに伴い、上述したように接続部CHは、この所定の通過電流に応答してアクセストランジスタATRとトンネル磁気抵抗素子TMRとの電気的な接続状態を変化させる。具体的には、アクセストランジスタATRとトンネル磁気抵抗素子TMRとの電気的な接続状態は、ほぼ切断状態となり接続部の負荷抵抗(電気抵抗)は、数Ωの低抵抗状態から数百M(メガ)Ωの高抵抗状態へと遷移する。
【0098】
このように当該接続部CHの負荷抵抗を数Ωから数百MΩに遷移させることにより、固定的にプログラム情報をプログラムすることが可能となる。たとえば、接続部CHの接続状態がほぼ切断状態すなわち高抵抗状態のときはプログラムデータ「0」が記憶されるものとする。一方、接続部CHの接続状態が非切断状態すなわち低抵抗状態のときはプログラムデータ「1」が記憶されるものとする。
【0099】
次に、メモリセルPMCの接続部CHへプログラムされたプログラムデータのデータ読出について説明する。以下においては、メモリセルPMCの接続部CHへのデータ読出をヒューズリードモードとも称する。
【0100】
図14は、本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してヒューズリードモードを実行する場合の概念図である。ヒューズリードモード時においてはメモリセル行毎にプログラム情報が読出されるものとする。本例においては、プログラム状態であるビット線BL0に対応するメモリセルPMCおよび非プログラム状態であるビット線BLnに対応するメモリセルPMCのデータ読出について説明する。
【0101】
図14を参照して、ヒューズリードモード時において、行デコーダ20♯は、コラムアドレスCAに応答して選択的にワード線FWLを活性化させる。これに伴い活性化されたワード線FWLと電気的に結合されたゲートを有するアクセストランジスタFTRはターンオンする。また、各ソース線ドライバSDRは、初期状態の制御信号CSW(「L」レベル)に応答してソース線FSLと接地電圧GNDとを電気的に結合している。
【0102】
次に、ヒューズリードモード時において、各列毎に設けられたアンプRAPは、サブコントロール回路5#からのヒューズリードモードの動作指示に応答して活性化され、各ビット線を所定電圧にプルアップする。
【0103】
これに伴い、アンプRAP〜ビット線BL〜トンネル磁気抵抗素子TMR〜接続部CH〜アクセストランジスタFTR〜ソース線FSL(GND)への電流経路が形成される。すなわち、上記電流経路を介してアンプRAPから選択メモリセルに対して接続部CHが有する負荷抵抗(電気抵抗)に応じたデータ読出電流が供給される。具体的には、接続部CHがプログラム状態の場合には接続部CHの負荷抵抗は抵抗値Rl(数百MΩ)に設定されるためアンプRAPから供給されるデータ読出電流は小さくなる。一方、接続部CHが非プログラム状態の場合には接続部CHの負荷抵抗は抵抗値Rs(数Ω)に設定されるためアンプRAPから供給されるデータ読出電流は大きくなる。したがって、アンプRAPは、所定電圧に対して抵抗値Rlおよび抵抗値Rsの中間レベルの抵抗値によって生成される基準電流Irefとの比較に基づいて接続部CHに格納されたプログラムデータを読出データRDTとして出力することができる。
【0104】
具体的には、ビット線BL0に対応するアンプRAPは、プログラムデータ「0」に対応する読出データRDTを出力し、ビット線BLnに対応するアンプRAPは、プログラムデータ「1」に対応する読出データRDTを出力する。
【0105】
なお、このヒューズリードモードにおいては、データ読出電流を規定する電流経路の負荷抵抗としてトンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗を考慮した電流が供給されるが、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗(RminおよびRmax)は、数十KΩ程度に留まるため、接続部CHのプログラム状態における数百MΩとの比較においては殆ど影響を与えない。
【0106】
また、当該ヒューズリードモードと同様の方式にしたがって、接続部CHが非切断状態であり、かつトンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗がRminである場合を一回のデータ読出動作によって検出するデータ読出(以下、当該データ読出をANDリードモードと称する)を実行することができる。
【0107】
具体的には、アンプRAPに入力される基準電流Irefを所定電圧に対してトンネル磁気抵抗素子RmaxおよびRminの中間レベルの抵抗値に対応するように設定する。
【0108】
そうすると、接続部CHが切断状態(プログラム状態)においてはこの電流経路に介在する負荷抵抗は接続部CHの電気抵抗(数百MΩ)に引きずられてトンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗値(Rmin,Rmax)を無視できる状態となる。一方、接続部CHが非切断状態(非プログラム状態)すなわち抵抗値Rsであり、トンネル磁気抵抗素子TMRが抵抗値Rminを有する場合について考える。この場合には、抵抗値Rsは抵抗値Rminよりも極めて小さいため、この電流経路に介在する抵抗値は、抵抗値Rminに依存し、抵抗値Rsは無視することができる。したがって、基準電流Irefとの比較に基づいて、トンネル磁気抵抗素子TMRが抵抗値Rminを有し、接続部CHが電気抵抗値Rsを有する場合を検知することができる。すなわち、1回のデータ読出動作により、トンネル磁気抵抗素子TMRおよび接続部CHの各々の記憶データのAND論理演算により得られる読出データRDTを検出することができる。したがって、ANDリードモードをメモリセルPMCに対して実行することができる。
【0109】
次に、トンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜を破壊(プログラム状態)することによりトンネル磁気抵抗素子TMRにプログラムデータを書込む場合について説明する。以下、トンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜を破壊するデータ書込をMTJブローモードと称する。
【0110】
図15は、本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してMTJブローモードを実行した場合の概念図である。MTJブローモード時においてはメモリセル行毎にプログラム情報が書込まれるものとする。本例においては、ビット線BL0に対応するメモリセルPMCを非破壊(非プログラム状態)とし、ビット線BLnに対応するメモリセルPMCを破壊(プログラム状態)とする場合について説明する。
【0111】
図15を参照して、書込制御ユニット95は、MTJブローモード時において、プログラムデータPDIN、列デコーダ25#の列選択結果およびサブコントロール回路5#からのMTJブローモードの動作指示に応答してメモリセル列毎に設けられた各トランジスタBTに対して制御信号BIを出力する。なお、各トランジスタBTにおいて、設定された制御信号BIは図示しないラッチ回路によってラッチされているものとする。
【0112】
一例として、書込制御ユニット95は、ビット線BL0に対応するトランジスタBTに対して「L」レベルである制御信号BIを出力し、ビット線BLnに対応するトランジスタBTに対して「H」レベルである制御信号BIを出力するものとする。これに応答して、ビット線BL0は、オープン状態(開放状態)となり、ビット線BLnは、制御信号BIに応答して昇圧電圧Vppに充電される。
【0113】
また、同様のタイミングにおいて行デコーダ20は、ロウアドレスRAの入力に応じて、メモリセル行に対応するワード線RWLを選択的に活性化(「H」レベル)する。これに伴い、活性化されたワード線RWLに対応するアクセストランジスタATRがオンする。
【0114】
したがって、ビット線BLnにはトランジスタBT(昇圧電圧Vpp)〜ビット線BLn〜アクセストランジスタATR〜ソース線SL〜接地電圧GNDへの電流経路が形成される。
【0115】
これに伴い、トンネル磁気抵抗素子TMRに流れる通過電流に従い電気抵抗に応じた印加電圧がトンネル磁気抵抗素子TMRに発生する。上述した、MTJリードモード等においてはプルアップする所定電圧をトンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜が破壊されないレベルに設定する必要について説明したが、この場合においては、所定電圧よりも十分に高い電圧レベルである昇圧電圧Vppを用いてトンネル膜を破壊する程度の電圧(たとえば1V程度)を印可する。
【0116】
これにより、トンネル膜は破壊され、トンネル磁気抵抗素子の電気抵抗値は、電気抵抗値Rminよりも極めて低い電気抵抗値Rmin#に固定的に設定される。このトンネル膜を破壊した電気抵抗値Rmin#と破壊前の電気抵抗値(Rmax,Rmin)とをプログラムデータ「0」,「1」とそれぞれ対応付けることにより1ビットのデータ記憶を実行することができる。
【0117】
本例においては、MTJブローモードにより、ビット線BLnに対応する選択メモリセルPMCに対してトンネル磁気抵抗素子のトンネル膜を破壊して電気抵抗値を電気抵抗値Rmin#に固定的に設定することによりプログラムデータ「0」を書込むことができる。
【0118】
本例においては、昇圧電圧Vppを用いてMTJブローモードを実行する構成について説明してきたがこれに限られず、他の電源電圧を用いて実行することも可能である。具体的には、一例としてビット線ドライバWDRaあるいはWDRbの一方を用いて電源電圧Vccを制御信号に応答してビット線BLに対して駆動することも可能である。このような構成により、トランジスタBTを設ける必要が無く回路の部品点数を削減するこができる。なお、トンネル膜を破壊するために要する時間は、印加電圧に依存するため高速に破壊する場合には高電圧を印可する必要がある。
【0119】
上記のMTJライトモード等の種々のデータ書込は、メモリセル行毎にデータ書込を並列に実行する構成であるためプログラム情報のデータ書込を高速に実行することができる。
【0120】
また、上記のMTJリードモード等の種々のデータ読出は、メモリセル行毎にデータ読出を並列に実行する構成であるためプログラム情報のデータ読出を高速に実行することができる。
【0121】
なお、上記においては、メモリセル行毎にデータ書込およびデータ読出を実行する構成について説明してきたが、1つのメモリセルに対して種々のデータ書込およびデータ読出を実行する構成とすることも可能である。
【0122】
上記において説明したように本プログラム回路40のメモリアレイ10#を構成するメモリセルPMCは、種々のデータ書込により複数のプログラムデータを記憶することができる。具体的には、MTJライトモードやヒューズブローモードを用いて1つのメモリセルPMCに対して2ビットのプログラムデータを記憶することができる。あるいは、ヒューズブローモードやMTJブローモードを用いて1つのメモリセルPMCに対して2ビットのプログラムデータを記憶することができる。
【0123】
したがって、出荷前においてメモリセルPMCに対して不良アドレス等のプログラム情報を記憶させた場合であって、出荷後にさらに不良アドレス等のプログラム情報を記憶させる必要が生じた場合においても本実施の形態に従うプログラム素子を用いることにより容易に対応することが可能である。
【0124】
また、上述したようにトンネル磁気記憶部および接続部でプログラムデータを記憶するこのメモリセルPMCをプログラム素子として用いることにより集積度の観点からまた、簡易な設計である点からも効率的なプログラム素子を構成することができる。
【0125】
また、トンネル磁気記憶部と同様のプログラムデータを、固定的に状態を変化させる接続部に書込むことにより、磁気ノイズ等によってトンネル磁気記憶部のプログラムデータが消失してしまった場合の救済を図ることが可能である。
【0126】
なお、上記においては、メモリセルPMCに接続部CHと電流経路を選択的に生成するためのアクセストランジスタFTRを1つ設ける構成について説明したが、複数の接続部CHと、それに対応して設けられる複数のアクセストランジスタFTRを設けることにより、2ビット以上のプログラムデータを1つのメモリセルMCに対して記憶することも可能である。
【0127】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1においてはプログラムデータを効率的に記憶することが可能なメモリセルPMCを集積配置したプログラム回路40の構成について説明してきた。
【0128】
本発明の実施の形態2においては、プログラムデータを電源投入時に自動的に復号するプログラム素子により構成されるプログラム回路について説明する。
【0129】
図16は、本発明の実施の形態2に従うプログラム素子を構成するプログラムユニットPMUの回路構成図である。本プログラムユニットPMUにより本発明の実施の形態2に従うプログラム回路が構成される。
【0130】
図16を参照して、本発明の実施の形態2に従うプログラムユニットPMUは、データ書込電流を供給するためのビット線SBLと、ビット線SBLの一端側および他端側にそれぞれ対応して設けられるビット線ドライバWWRb,WWRaと、ビット線SBLの一端側に設けられビット線SBLと電気的に結合されてプログラムデータを格納するためのプログラムセルユニットPMCUbと、ビット線SBLの他端側に設けられプログラムデータを格納するためのプログラムセルユニットPMCUaと、外部からのプログラムデータPDINおよびコントロール回路5からの動作指示に応答して書込制御信号WDTa,WDTbおよび制御信号DA,/DAを生成する書込/読出制御ユニット140とを備える。ここで、ビット線SBLは、プログラムセルユニットPMCUaおよびプログラムセルユニットPMCUbに対して互いに異なる向きのデータ書込電流を供給するように配置される。
【0131】
さらに、プログラムユニットPMUは、ソース電圧供給ノードN8に電源電圧Vccおよび接地電圧GNDのいずれか一方を供給するソース電圧ドライバ150と、プログラムセルユニットPMCUaおよびPMCUbにそれぞれ対応して設けられ、データ書込時にデータ書込電流が供給されるデジット線DLaおよびDLbと、データ書込時にデジット線DLaおよびDLbに対してデータ書込電流を供給するデジット線ドライバ帯160と、ビット線SBLと接続されるプログラムセルユニットPMCUaの接続ノードN4と、プログラムセルユニットPMCUbの接続ノードN3とを電気的に結合してイコライズするイコライズ回路130とをさらに備える。
【0132】
さらに、プログラムユニットPMUは、ビット線SBLと電気的に結合され、プログラムセルユニットPMCUaおよびPMCUbが有するプログラムデータをラッチして出力するラッチ回路100と、ラッチ回路100の出力ノードN0およびN1からそれぞれ出力されるデータ信号PO,/POのゲートとなるゲートトランジスタTRGb,TRGaと、ゲートトランジスタTRGaおよびTRGbのゲートと電気的に結合される選択線CWLと、制御信号PORの入力に応答して制御信号POR#を選択線CWLに伝達するドライバIVGとをさらに備える。
【0133】
ここで、制御信号PORは、デバイスの内部回路のリセット信号に用いられるものであり、コントロール回路5から生成される。具体的には、電源投入時に電源電圧が所定の閾値電圧を超えるまで「L」レベルに設定され、所定の閾値電圧を超えた場合には「H」レベルに設定される。コントロール回路5は、図示しないパワーオンリセット回路を有し、当該パワーオンリセット回路から制御信号PORが出力される。また、ドライバIVGは、偶数個のインバータ(本例では2個)で構成され、制御信号PORの入力に応答して所定期間遅延させて制御信号POR#として出力する。
【0134】
ビット線ドライバWWRaは、トランジスタ111,112と、AND回路113,114とを含む。トランジスタ111は、電源電圧Vccとビット線SBLの他端側との間に配置され、そのゲートはAND回路113の出力ノードと電気的に結合される。トランジスタ112は、ビット線SBLの他端側と接地電圧GNDとの間に配置され、そのゲートはAND回路114の出力ノードと電気的に結合される。AND回路113は、書込制御信号WDTaおよび制御信号WEの入力に応じてAND論理演算結果をトランジスタ111のゲートに出力する。AND回路114は、書込制御信号WDTbおよび制御信号WEの入力に応じてAND論理演算結果をトランジスタ112のゲートに出力する。なお、コントロール回路5から制御信号WEが出力される。
【0135】
ビット線ドライバWWRbは、トランジスタ115,116と、AND回路117,118とを含む。トランジスタ115は、電源電圧Vccとビット線SBLの一端側との間に配置され、そのゲートはAND回路117の出力ノードと電気的に結合される。トランジスタ116は、接地電圧GNDとビット線SBLの一端側との間に配置され、そのゲートはAND回路118の出力ノードと電気的に結合される。AND回路117は、書込制御信号WDTbおよび制御信号WEの入力に応じてそのAND論理演算結果をトランジスタ115のゲートに出力する。AND回路118は、書込制御信号WDTaおよび制御信号WEの入力に応じてAND論理演算結果をトランジスタ116のゲートに出力する。
【0136】
たとえば、書込制御信号WDTaが「H」レベルに設定され、制御信号WEが「H」レベルの場合、ビット線ドライバWWRaは、トランジスタ111をオンし、電源電圧Vccとビット線SBLの他端側とを電気的に結合させる。一方、ビット線ドライバWWRbは、トランジスタ116をオンし、接地電圧GNDとビット線SBLの一端側とを電気的に結合させる。これに伴い、ビット線SBLの他端側から一端側への電流経路が形成され、データ書込電流が流れる。なお、書込制御信号WDTbが「H」レベルに設定される場合には、ビット線SBLの一端側から他端側への電流経路が形成され、データ書込電流が流れる。
【0137】
プログラムセルユニットPMCUaは、トンネル磁気抵抗素子TMRaと、接続部CHaと、アクセストランジスタATRa,FTRaとを含む。プログラムセルユニットPMCUaの構成は、実施の形態1で説明したメモリセルPMCと同様の構成である。トンネル磁気抵抗素子TMRaは、ノードN4とノードN6との間に配置される。アクセストランジスタATRaは、接地電圧GNDと電気的に結合されたノードN6とノードN7との間に配置され、そのゲートは制御信号REWの入力を受ける。接続部CHaおよびアクセストランジスタFTRaは、ノードN6とソース電圧の供給を受けるノードN8との間に直列に接続され、トランジスタのゲートは制御信号/DAの入力を受ける。
【0138】
プログラムセルユニットPMCUbは、トンネル磁気抵抗素子TMRbと、接続部CHbと、アクセストランジスタATRb,FTRbとを含む。プログラムセルユニットPMCUbの構成は、実施の形態1で説明したメモリセルPMCと同様の構成である。トンネル磁気抵抗素子TMRbは、ノードN3とノードN5との間に配置される。アクセストランジスタATRbは、接地電圧GNDと電気的に結合されたノードN5とノードN7との間に配置され、そのゲートはコントロール回路5からの制御信号REWの入力を受ける。接続部CHbおよびアクセストランジスタFTRbは、ソース電圧の供給を受けるノードN8とノードN5との間に直列に接続され、そのトランジスタのゲートは制御信号DAの入力を受ける。
【0139】
ラッチ回路100は、出力ノードN0およびN1をイコライズするイコライズ回路120と、トランジスタ101〜104と、107とを含む。
【0140】
トランジスタ107は、電源電圧VccとノードN2との間に配置され、そのゲートは制御信号WEの入力を受ける。トランジスタ101はノードN2とノードN0との間に配置され、そのゲートはノードN1と電気的に結合される。トランジスタ102はノードN0とノードN3との間に配置され、そのゲートはノードN1と電気的に結合される。トランジスタ103は、ノードN2とノードN1との間に配置され、そのゲートはノードN0と電気的に結合される。トランジスタ104は、ノードN1とノードN4との間に配置され、そのゲートはノードN0と電気的に結合される。ここでは一例としてトランジスタ101,103,107は、PチャネルMOSトランジスタとし、トランジスタ102,104は、NチャネルMOSトランジスタとする。
【0141】
イコライズ回路120は、インバータ106とトランスファゲート105とを含み、制御信号PORの入力を受けてノードN0とノードN1とを電気的に結合する。
【0142】
また、プログラムユニットPMUは、ノードN3とノードN4とをイコライズするイコライズ回路130をさらに備える。イコライズ回路130は、OR回路110と、トランスファゲート108と、インバータ109とを含む。トランスファゲート108は、ノードN3とノードN4との間に配置され、OR回路110およびインバータ109を介するOR回路の出力信号の入力を受けてノードN3とノードN4とを電気的に結合する。OR回路110は、制御信号PORおよび制御信号WEの入力に応答して、そのOR論理演算結果をトランスファゲート108およびインバータ109に出力する。
【0143】
以下においては、本発明の実施の形態2に従うプログラムユニットPMUにおいてプログラムデータのデータ書込およびデータ読出について詳細に説明する。
【0144】
図17は、トンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbを用いてプログラムデータのデータ書込を実行する場合の概念図である。すなわち、上記のMTJライトモードについて説明する。本例においては、プログラムデータ「0」を書込む場合について説明する。
【0145】
図17を参照して、書込/読出制御ユニット140は、プログラムデータPDINおよびコントロール回路5からのMTJライトモードの動作指示の入力に応じて書込制御信号WDTaおよびWDTbを生成する。ここでは、書込制御信号WDTaおよびWDTbは、それぞれ「H」レベルおよび「L」レベルに設定されるものとする。
【0146】
これに伴い、ビット線ドライバWWRaにおいてトランジスタ111がオンし、電源電圧Vccとビット線SBLの他端側とが電気的に結合される。また、ビット線ドライバWWRbにおいてトランジスタ116がオンし、接地電圧GNDとビット線SBLの一端側とが電気的に結合される。また、イコライズ回路130は、MTJライトモード時にコントロール回路5により「H」レベルに設定される制御信号WEに応答してノードN3とノードN4とを電気的に結合している。これによりビット線SBLにおいて他端側から一端側に対してデータ書込電流が供給される。
【0147】
また、同様のタイミングにおいて、デジット線ドライバ帯160が活性化される。これに伴い、デジット線DLaおよびDLbに対してデータ書込電流が供給される。このビット線SBLおよびデジット線DLa,DLbにそれぞれ供給されたデータ書込電流に応じてトンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbに対して所定磁界が印可され、磁化方向に応じたデータ書込を実行することができる。本例においては、トンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbを通過するビット線SBLのデータ書込電流の方向は互いに逆向きであるため、トンネル磁気抵抗素子TMRaの電気抵抗はRminとなり、トンネル磁気抵抗素子TMRbの電気抵抗はRmaxに設定される。これにより、このプログラムユニットPMUのトンネル磁気抵抗素子を用いてプログラムデータ「0」をプログラムすることができる。
【0148】
図18は、トンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbを用いてプログラムデータ「1」のデータ書込すなわちMTJライトモードを実行する場合の概念図である。
【0149】
図18を参照して、書込/読出制御ユニット140は、上記と同様の方式にしたがって書込制御信号WDTaおよびWDTbの電圧レベルをそれぞれ「L」レベルおよび「H」レベルに設定する。これに伴い、ビット線SBLの一端側から他端側へデータ書込電流が供給される。このビット線SBLを流れるデータ書込電流に応じてプログラムユニットPMUのトンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbに対してプログラムデータ「1」を書込むことができる。なお、本例においてはトンネル磁気抵抗素子TMRaは電気抵抗値Rmaxを有し、トンネル磁気抵抗素子TMRbは、電気抵抗値Rminを有する。
【0150】
次に、プログラムユニットPMUのトンネル磁気抵抗素子に記憶したプログラムデータを電源投入時に自動的に読出す場合のMTJリードモードについて説明する。
【0151】
図19は、本発明の実施の形態2に従うMTJリードモードを説明する概念図である。本例においてはプログラムユニットPMUにプログラムデータ「0」が予めトンネル磁気抵抗素子を用いて記憶されている場合のデータ読出について説明する。
【0152】
図20のタイミングチャートを用いてMTJリードモード時の動作について説明する。
【0153】
図19および20を参照して、時刻T0において電源電圧Vccが投入される。この時点においては、電源電圧Vccは、所定の閾値電圧レベル以下であり、制御信号PORは、「L」レベルに設定されている。したがって、イコライズ回路120は、制御信号POR(「L」レベル)に応答してノードN0とノードN1とを電気的に接続し、ラッチ回路100の出力ノードをイコライズしている。また、イコライズ回路130は、制御信号POR(「L」レベル)に応答してノードN3とノードN4とをイコライズするために電気的に接続している。また、ラッチ回路100は、制御信号WE(「L」レベル)に応答して活性化され、電源電圧VccがノードN2に供給され、ノードN0およびノードN1に充電が開始される。
【0154】
次に、電源投入後時刻T1において、電源電圧Vccは所定の閾値電圧レベルに達し、制御信号PORは、「L」レベルから「H」レベルに遷移する。これに応答してイコライズ回路120および130のイコライズが終了する。また、同様のタイミングにおいて、コントロール回路5は、制御信号REWを活性化(「H」レベル)させる。
【0155】
これに伴い、アクセストランジスタATRaおよびATRbがオンし、トンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbがそれぞれ接地電圧GNDと電気的に結合される。すなわち、ラッチ回路100からトンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbに対して電気抵抗に応じた電流が供給される。
【0156】
時刻T2において、ノードN0およびN1に対してトンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbを通過する電流差に応じた電位差が生じるようになる。この電位差がラッチ回路100によりさらに増幅されて出力ノードN0の電圧レベルは「H」レベルに設定され、出力ノードN1の電圧レベルは「L」レベルに設定される。
【0157】
次に、出力ノードN0およびN1の電圧レベルが十分に安定した時刻T3において、制御信号POR#に基づいてゲートトランジスタTRGaおよびTRGbはオンし、データ信号PO,/POがプログラム読出データとして出力される。これにより、プログラムユニットPMUのトンネル磁気抵抗素子に記憶されたプログラムデータ「0」を電源投入時に自動的に読出すことができる。
【0158】
このようにして、プログラムセルユニットの記憶データをラッチ回路100で増幅して出力することにより、安定したデータ読出を実行することができる。
【0159】
図21は、プログラムユニットPMUにプログラム「1」が記憶されている場合のMTJリードモードを説明する概念図である。
【0160】
図21を参照して、本発明の実施の形態2に従うMTJリードモードは、図20で示したのと同様の方式に従ってトンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbの電気抵抗に応じた電位差がノードN0およびノードN1に生成される。すなわち本例においてはノードN0およびノードN1のそれぞれは「L」レベルおよび「H」レベルに設定される。すなわち、データ信号PO,/POがそれぞれ「L」レベルおよび「H」レベルとして出力される。その他は図20で説明したのと同様の読出動作が実行されるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0161】
次に、プログラムユニットPMUの接続部CHa,CHbにプログラムデータを記憶する上述したヒューズブローモードについて説明する。
【0162】
図22は、本発明の実施の形態2に従うヒューズブローモードを説明する概念図である。本例においては、接続部CHaおよびCHbを用いてプログラムデータ「0」を記憶する場合について説明する。
【0163】
図22を参照して、ソース電圧ドライバ150は、コントロール回路5によってヒューズブローモード時に活性化される制御信号CSWa(「H」レベル)の入力に応答してノードN8と電源電圧Vccとを電気的に結合する。
【0164】
次に、書込/読出制御ユニット140は、コントロール回路5からのヒューズブローモードの動作指示に応答してプログラムデータPDINに応じて制御信号DA,/DAを生成する。本例においては、書込/読出制御ユニット140は、プログラムデータ「0」に対応して制御信号DA,/DAを「H」レベルおよび「L」レベルにそれぞれ設定する。また、同様のタイミングにおいて、ヒューズブローモード時において、コントロール回路5は、制御信号REWを「H」レベルに設定する。
【0165】
これに伴い、アクセストランジスタFTRbは、ターンオンし、ソース電圧ドライバ150から接続部CHbを経由して接地電圧GNDへ流れる電流経路が形成される。一方、アクセストランジスタFTRaは、ターンオフ状態であるため接続部CHaを経由する電流経路は形成されない。
【0166】
したがって、接続部CHbを通過する通過電流に基づいて接続部CHbは、ほぼ切断された状態へと変化する。すなわち、上述したように接続部CHbの電気抵抗は高抵抗状態に設定される。
【0167】
これに伴い、プログラムデータに応じて接続部CHaおよびCHbのいずれか一方を電気的に切断することによりプログラムデータを書込むことができる。
【0168】
図23は、プログラムデータ「1」を接続部CHa,CHbを用いて書込む場合のヒューズブローモードについて説明する概念図である。
【0169】
図23を参照して、ここでは図22で説明したのと同様の方式に従って、制御信号CSWaに応答してノードN8に電源電圧Vccが供給され、制御信号REWは「H」レベルに設定される。本例においては、書込/読出制御ユニット140は、制御信号DA,/DAを「L」レベルおよび「H」レベルにそれぞれ設定する。これに伴い、アクセストランジスタFTRaがオンし、アクセストランジスタFTRaおよびATRaを介して接続部CHaを経由する電流経路が形成される。この接続部CHaを流れる通過電流により接続部CHaが切断され接続部CHaの負荷抵抗は高抵抗状態に設定される。これによりプログラムデータ「1」を書込むことができる。
【0170】
次に、プログラムユニットPMUの接続部CHaおよびCHbに記憶したプログラムデータを電源投入時に自動的に読出す場合のヒューズリードモードについて説明する。
【0171】
図24は、本発明の実施の形態2に従うヒューズリードモードを説明する概念図である。本例においてはプログラムユニットPMUにプログラムデータ「0」が予め接続部CHaおよびCHbを用いて記憶されている場合のデータ読出について説明する。
【0172】
図25のタイミングチャートを用いてヒューズリードモード時の動作について説明する。
【0173】
図24および25を参照して、時刻T0において電源電圧Vccが投入される。この時点においては、電源電圧Vccは、所定の閾値電圧レベル以下であり、制御信号PORは、「L」レベルに設定されている。したがって、イコライズ回路120は、制御信号POR(「L」レベル)に応答してノードN0とノードN1とを電気的に接続し、ラッチ回路100の出力ノードをイコライズしている。また、イコライズ回路130は、制御信号POR(「L」レベル)に応答してノードN3とノードN4とをイコライズするために電気的に接続している。また、ラッチ回路100は、制御信号WE(「L」レベル)に応答して活性化され、電源電圧VccがノードN2に供給され、ノードN0およびノードN1に充電が開始される。また、制御信号CSWaは、初期状態である「L」レベルであり、制御信号CSWaに応答して、ソース電圧供給ノードN8には接地電圧GNDが供給される。
【0174】
次に、電源投入後時刻T1において、電源電圧Vccは所定の閾値電圧レベルに達し、制御信号PORは、「L」レベルから「H」レベルに遷移する。これに応答してイコライズ回路120および130のイコライズが終了する。また、同様のタイミングにおいて、書込/読出制御ユニット140は、制御信号DA,/DAを共に「H」レベルに設定する。
【0175】
これに伴い、アクセストランジスタFTRaおよびFTRbがオンし、接続部CHaおよびCHbがそれぞれ接地電圧GNDと電気的に結合される。すなわち、ラッチ回路100から接続部CHaおよびCHbが有する電気抵抗に応じた電流が供給される。
【0176】
時刻T2において、ノードN0およびN1に対して接続部CHaおよびCHbを通過する電流差に応じた電位差が生じるようになる。この電位差がラッチ回路100によりさらに増幅されて出力ノードN0の電圧レベルは「H」レベルに設定され、出力ノードN1の電圧レベルは「L」レベルに設定される。
【0177】
次に、出力ノードN0およびN1の電圧レベルが十分に安定した時刻T3において、制御信号POR#に基づいてゲートトランジスタTRGaおよびTRGbをオンし、データ信号PO,/POがプログラムデータとして出力される。これにより、プログラムユニットPMUに記憶されたプログラムデータ「0」を読出すことができる。本ヒューズリードモードにおいては、電流差すなわち電位差は、上述したように接続部CHbの電気抵抗に依存するためトンネル磁気抵抗素子の電気抵抗値を考慮する必要は無い。
【0178】
図26は、接続部CHa,CHbに格納されたプログラムデータ「1」をヒューズリードモードについて説明する概念図である。
【0179】
図26を参照して、本発明の実施の形態2に従うヒューズリードモードは、図25で示したのと同様の方式に従って接続部CHaおよびCHbの電気抵抗に応じた電位差がノードN0およびノードN1に生成される。すなわち本例においてはノードN0およびノードN1のそれぞれは「L」レベルおよび「H」レベルに設定される。すなわち、データ信号PO,/POがそれぞれ「L」レベルおよび「H」レベルとして出力される。その他は図25で説明したのと同様の読出動作が実行されるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0180】
上記の構成に従い、電源投入時に自動的に記憶したプログラムデータが復号されるプログラムユニットPMUを構成することができる。したがって、プログラムデータのデータ読出動作に掛かる時間を短縮し、プログラム情報に基づく動作を高速に実行することができる。
【0181】
プログラムユニットPMUをプログラムセルユニットPMCUa,PMCUbで構成することにより種々のデータ書込により複数のプログラムデータを記憶することができる。具体的には、MTJライトモードやヒューズブローモードを用いて1つのメモリセルPMCに対して2ビットのプログラムデータを記憶することができる。
【0182】
したがって、出荷前においてメモリセルPMCに対して不良アドレス等のプログラム情報を記憶させた場合であって、出荷後にさらに不良アドレス等のプログラム情報を記憶させる必要が生じた場合においても本実施の形態に従うプログラム素子を用いることにより容易に対応することが可能である。また、トンネル磁気抵抗素子TMRa等のプログラムデータが破壊された場合には、接続部CHa等を用いることにより再度プログラムデータを回復させることができる。
【0183】
また、プログラムユニットPMUは、相補のプログラムデータをプログラムセルユニットPMCUaおよびPMCUbにそれぞれ書込むため安定的なデータ読出を実行することができる。
【0184】
また、トンネル磁気記憶部と同様のプログラムデータを、固定的に状態を変化させる接続部に書込むことにより、磁気ノイズ等によってトンネル磁気記憶部のプログラムデータが消失してしまった場合の救済を図ることが可能である。
【0185】
なお、上記においては、プログラムセルユニットPMCUa(PMCUb)に接続部CHa(CHb)と電流経路を選択的に生成するためのアクセストランジスタFTRa(FTRb)を1つ設ける構成について説明したが、複数の接続部CHa(CHb)と、それに対応して設けられる複数のアクセストランジスタFTRa(FTRb)を設けることにより、2ビット以上のプログラムデータを1つのプログラムユニットPMUに対して記憶することも可能である。
【0186】
また、本実施の形態2においては、1つのプログラムユニットPMUで構成されるプログラム回路について説明したが、複数のプログラムユニットPMUでプログラム回路を構成することも可能である。
【0187】
また、本実施の形態2においては、ラッチ回路100において、トンネル磁気抵抗素子TMRb側のノードN3およびトンネル磁気抵抗素子TMRa側のノードN4と、ラッチ回路100とを電気的に直接結合させる構成について上記において説明したがこれに限られず他の構成にしたがって、プログラムセルユニットPMCUaおよびPMCUbに記憶されたプログラムデータをラッチ回路100においてラッチすることも可能である。具体的には、ラッチ回路100のトランジスタ102とノードN3およびラッチ回路100のトランジスタ104とノードN4との間にそれぞれ選択的に活性化されるトランジスタを設けた構成とし、当該トランジスタを制御することによりプログラムセルユニットPMCUaおよびPMCUbのプログラムデータをラッチすることも可能である。
【0188】
さらに、本例は、1つのプログラムユニットPMUに対して2ビット以上のプログラムセルユニットが複数個配置された構成である。これに伴い、各々のプログラムセルユニットは、個々独立のデータを記憶することが可能である。このプログラムセルユニットに対して、選択的に制御信号(DA,/DA、RWE)を入力することにより、制御信号に応じた記憶したプログラムデータを独立に読出すことが可能である。したがって、効率的にプログラムデータを活用することが可能である。
【0189】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3においては、実施の形態2で説明したプログラムユニットPMUをFPGA(Field Programmable Gate Array)に従うシステムへ適用する場合について説明する。FPGAとは、予め作り込まれた内部回路に対して後から外部からのデータ等を与えることにより所定の動作を実現するように変更することができる半導体装置である。一般的に、この動作変更に用いられるプログラム情報が内部回路内の所定領域に記憶されている。
【0190】
図27は、アレイ状に配列された複数の回路ブロックを含むFPGAの概念図である。
【0191】
図27を参照して、本発明の実施の形態3に従うFPGAは、行列状に配置された複数の回路ブロックBKを含み、これらのブロック間には配線領域が設けられている。また、配線領域には行方向に複数の水平配線群XGと、列方向に複数の垂直配線群YGとが設けられている。
【0192】
回路ブロックBKの各々は、隣接する垂直配線群YGからのデータ信号の入力を受ける入力インターフェイス部IFと、隣接する水平配線群XGに回路ブロックの動作によって得られた出力結果を出力する出力インターフェイス部OFとを含む。また、回路ブロックBKと配線領域とを電気的に接続するためのスイッチ部CONが設けられている。このスイッチ部CONの接続によって各回路ブロック間BKの接続関係が決定される。
【0193】
図28は、スイッチ部の構成を示す概念図である。
図28を参照して、スイッチ部CONは、行列上に配置された複数のトランジスタPTRと、複数のトランジスタにそれぞれ対応して設けられた複数のプログラムユニットPMUとを含む。ブロック間に設けられた配線領域には垂直配線および水平配線がそれぞれ設けられ、トランジスタのターンオンに応答して水平配線からの信号が選択的に垂直配線に伝達される。この水平配線から垂直配線への信号経路の切換を実行するトランジスタPTRの接続制御に実施の形態2で説明したプログラムユニットを用いる。
【0194】
これに伴い、上記の実施の形態2で説明したように、電源投入時には制御信号PORに応答して予め格納されたプログラムデータに基づいて自動的に初期状態の接続設定状態にすることが可能である。すなわち、途中でプログラムがハングアップした場合等において、システムをリセットする制御信号PORを用いることによって基本動作のプログラムデータを復号させる。これに伴い、初期状態に再設定することが可能となり、システムのフェールセーフと安定性の向上を図ることができる。
【0195】
また、プログラムユニットPMUのトンネル磁気抵抗素子TMRa等をFPGAのシステム変更用のプログラム素子として用いることにより無限回のシステムの機能切換の接続制御が可能である。
【0196】
また、本例は、1つのプログラムユニットPMUに対して2ビット以上のプログラムセルユニットが複数個配置された構成である。これに伴い、各々のプログラムセルユニットは、個々独立のデータを記憶することが可能である。このプログラムセルユニットに対して、選択的に制御信号(DA,/DA、RWE)を入力することにより、制御信号に応答した記憶したプログラムデータを独立に読出すことが可能である。したがって、効率的にプログラムデータを用いるすなわち、その読出されたプログラムデータに基づいて自由にシステムを設計変更することができる。なお、このプログラムデータの読出に関しては一度、ラッチ回路のノードN0,N1を短絡後、プログラムセルユニットに対して制御信号を入力することにより実施の形態2で説明した種々のデータ読出を実行することができる。これに伴い、高速なデータ読出を実現することが可能となり、システムの設計変更を高速に実行することができる。
【0197】
なお、本発明の実施の形態3に従うプログラムユニットの種々のデータ書込等については、図示しないシステム全体を管理制御するコントロール回路から実施の形態2で説明したのと同様の制御信号等およびプログラムデータPDINが各プログラムユニットに与えられ、実施の形態2で説明した種々のデータ書込の方式にしたがって実行されるものとする。
【0198】
また、実施の形態2で説明したようなMTJライトモード等を実行することにより別のプログラムデータに基づく再設定にしたがって、接続制御の切換が可能であり、自由なシステム設計を実行することができる。
【0199】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0200】
【発明の効果】
本発明の薄膜磁性体記憶装置は、プログラムセルおよびメモリセルの各々が磁気記憶部を含み、プログラムセルは、さらに状態変化部を含む。したがって、プログラムセルは、メモリセルと同様の構造にさらに状態変化部を付加した構成である。すなわち磁気記憶部等についてはメモリセルと同様の設計が可能であり、効率的なプログラムセルを設けることができる。
【0201】
また、本発明の薄膜磁性体記憶装置は、データ読出時に状態変化部を互いに直列に接続してデータ読出電流を通過させるアクセス素子を含む。これにより、各状態変化部の電気抵抗に対応する各プログラムデータを一度に読出すことが可能であり、データ読出の時間を短縮することができる。
【0202】
さらに、本発明の薄膜磁性体記憶装置は、プログラムユニットにおいて、各々がアクセス指示および印加磁界のいずれか一方に応答して電気抵抗が変化する複数の状態変化部を含む。これによりプログラムユニットは、複数ビットのプログラムデータを記憶することができ効率的なデータ記憶を実行することができる。
【0203】
さらに、本発明の薄膜磁性体記憶装置は、プログラムユニットにおいて、互いに電気抵抗が異なる第1および第2のプログラムセルを有する。これに伴い、第1および第2のプログラムセルの電気抵抗の比較に基づいてプログラムデータを読出すことが可能であり、安定的なデータ読出を実行することができる。
【0204】
さらに、本発明の薄膜磁性体記憶装置は、少なくとも1個のプログラムセルを含み、プログラムセルは、磁気記憶部と状態変化部とを有する。また、磁気記憶部および状態変化部の少なくとも一方に基づいて出力されるプログラム信号を増幅する増幅回路をさらに設ける。これに伴い、プログラムユニットから増幅されたプログラム信号を出力することができるため安定的なプログラムデータを読み出すことができる。
【0205】
さらに、本発明の薄膜磁性体記憶装置は、複数の回路ブロック間の信号伝送経路を複数のスイッチ部が設定し、スイッチ制御部は、対応するスイッチ部を制御する。また、スイッチ制御部は、不揮発的な電気抵抗を有する第1および第2のプログラムセルで構成される。これに従い、不揮発的な電気抵抗に基づくデータ信号によりスイッチ部を制御することができるため効率的なスイッチ制御を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に従うMRAMデバイス1の全体構成を示す概略ブロック図である。
【図2】磁気トンネル接合部を有するMTJメモリセルMCの構成を示す概略図である。
【図3】メモリセルMCに対するデータ書込動作を説明する概念図である。
【図4】データ書込時におけるデータ書込電流とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関連を示す概念図である。
【図5】メモリセルMCからのデータ読出動作を説明する概念図である。
【図6】半導体基板上に形成されたメモリアレイ10に含まれるメモリセルMCの断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に従うプログラム回路40の概念図である。
【図8】本発明の実施の形態1に従うプログラム情報を記憶するメモリセルPMCを詳細に示す回路構成図である。
【図9】半導体基板上に形成されたメモリアレイ10#に含まれるメモリセルPMCの断面図である。
【図10】本発明の実施の形態1に従うメモリアレイ10♯およびその周辺領域の回路構成図である。
【図11】本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してMTJライトモードを実行する場合の概念図である。
【図12】本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してMTJリードモードを実行する場合の概念図である。
【図13】本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してヒューズブローモードを実行する場合の概念図である。
【図14】本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してヒューズリードモードを実行する場合の概念図である。
【図15】本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してMTJブローモードを実行した場合の概念図である。
【図16】本発明の実施の形態2に従うプログラム素子を構成するプログラムユニットPMUの回路構成図である。
【図17】トンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbを用いてプログラムデータのデータ書込を実行する場合の概念図である。
【図18】トンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbを用いてMTJライトモードを実行する場合の概念図である。
【図19】本発明の実施の形態2に従うMTJリードモードを説明する概念図である。
【図20】MTJリードモード時の動作について説明するタイミングチャート図である。
【図21】プログラムユニットPMUにプログラム「1」が記憶されている場合のMTJリードモードを説明する概念図である。
【図22】本発明の実施の形態2に従うヒューズブローモードを説明する概念図である。
【図23】プログラムデータ「1」を接続部CHa,CHbを用いて書込む場合のヒューズブローモードについて説明する概念図である。
【図24】本発明の実施の形態2に従うヒューズリードモードを説明する概念図である。
【図25】ヒューズリードモード時の動作について説明するタイミングチャート図である。
【図26】接続部CHa,CHbに格納されたプログラムデータ「1」をヒューズリードモードについて説明する概念図である。
【図27】アレイ状に配列された複数の回路ブロックを含むFPGAの概念図である。
【図28】スイッチ部の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
1 MRAMデバイス、5 コントロール回路、5# サブコントロール回路、10,10# メモリアレイ、20,20# 行デコーダ、25,25# 列デコーダ、30,30#,35,35# 読出/書込制御回路、40 プログラム回路、45 冗長制御回路。
【発明の属する技術分野】
この発明は、薄膜磁性体記憶装置に関し、より特定的には、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)を有するメモリセル(以下、単にMTJメモリセルとも称する)を備えた薄膜磁性体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、新世代の不揮発性記憶装置として、MRAM(Magnetic Random AccessMemory)デバイスが注目されている。MRAMデバイスは、半導体集積回路に形成された複数の薄膜磁性体を用いて不揮発的なデータ記憶を行ない、薄膜磁性体の各々に対してランダムアクセスが可能な不揮発性記憶装置である。
【0003】
特に、近年では磁気トンネル接合を利用した薄膜磁性体をメモリセルとして用いることによって、MRAMデバイスの性能が飛躍的に進歩することが発表されている。(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
一方、メモリデバイスにおいては、内部に不揮発的に記憶されたプログラム情報に基づいて、データ読出、データ書込の通常動作やテスト動作等を実行する構成が一般的である。通常動作については、代表的には余分に配置されたスペアメモリセルを用いて欠陥メモリセルを置換救済するための冗長構成の制限に用いられる情報が、プログラム情報として記憶される。
【0005】
テスト動作については、代表的には内部でデータ書込や読出のテストを実行するいわゆるビルトインセルフテスト(BIST)に用いられるデータがプログラム情報として記憶される。米国特許6347056B1号公報にはBISTに用いるプログラム情報をMTJメモリセルを用いて記憶する構成が開示されている。
【0006】
従来のメモリデバイスでは、プログラム情報は、レーザ入力等によるヒューズ素子の切断(ブロー)によってプログラムされる構成がとられていた。このような構成では、レーザブロー専用のトリミング装置等の特別な機器を必要とするので、プログラム処理に費やす時間やコストが大きくなっていた。また、このようなプログラム処理は、ウェハ状態で一般的に実行されるため、たとえばウェハ状態で検出された欠陥メモリセルに対応する不良アドレスをプログラム後、パッケージ封入されて製品化されたメモリデバイスにおいては、そこで出現した不良に対応することが困難であり、歩留りの低下を招いていた。
【0007】
さらに大容量のプログラム情報をプログラムする場合においてはヒューズ素子等を多数設ける必要があり、当該プログラム情報を記憶する回路帯の面積が増大するという問題があった。
【0008】
上述したMTJメモリセルは、書換え可能な不揮発なデータ記憶が可能でありさらに集積度の高い素子であるため大容量のプログラム情報を小面積で記憶することが可能である。米国特許第6324093B1号公報には、MTJメモリセルの磁性体記憶素子を破壊することにより不揮発的なデータ記憶を実行する構成が開示されている。また、特開2001−217398号公報には1つのメモリセル分の面積で多値情報を記憶することにより大容量の情報を小面積で記憶する構成が開示されている。
【0009】
【特許文献1】米国特許第6347056号公報(第2−3頁、第1図)
【0010】
【特許文献2】米国特許第6324093号公報(第3−4頁、第2a,2b図)
【0011】
【特許文献3】特開2001−217398号公報(第7−8頁、第1図)
【0012】
【非特許文献1】
ロイ・ショイアーライン(Roy Scheuerline)他6名、“各セルにFETスイッチおよび磁気トンネル接合を用いた、10ns読出・書込の不揮発メモリアレイ(A 10ns Read and Write Non−Volatile Memory Array Using a Magnetic TunnelJunction and FET Switch in each Cell)”,(米国),2000年米国電気電子学会国際固体回路会議・技術論文集TA7.2(2000 IEEE ISSCC Digest of Technical Papers, TA7.2),p.128−129
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したMTJメモリセルは、磁化方向によって電気抵抗が変化する薄膜磁性体の特性を利用した記憶素子であるため磁気ノイズ等によって一旦プログラムしたデータが書替えられるすなわちプログラム情報が消失してしまうという問題がある。
【0014】
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであってこの発明の目的は、通常のメモリセルに含まれるのと同様の磁性体記憶素子を用いて効率的かつ安定的にプログラム情報を記憶することができる薄膜磁性体記憶装置の構成を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のある局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、複数のメモリセルと、プログラムセルとを含む。複数のメモリセルは、各々が磁気的にデータ記憶を実行する。プログラムセルは、複数のメモリセルに対して用いられるプログラム情報を記憶する。プログラムセルおよび各メモリセルの各々は、データ書込電流に応じた磁化方向によって異なる電気抵抗値を有する磁気記憶部を含む。また、プログラムセルは、外部からのアクセス指示に応答して第1の状態から第2の状態の電気抵抗値に固定的に変化する状態変化部をさらに含む。
【0016】
本発明の別の局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、複数のメモリセルと、プログラムセルとを含む。複数のメモリセルは、各々が磁気的にデータ記憶を実行する。プログラムセルは、複数のメモリセルに対して用いられるプログラム情報を記憶する。プログラムセルは、複数の状態変化部と、アクセス素子とを含む。複数の状態変化部は、外部からのアクセス指示および印加磁界のいずれか一方にそれぞれ応答して電気抵抗が変化する。アクセス素子は、各状態変化部に対応して設けられ固定電圧と所定電圧との間の電気的な接続を制御する。また、複数の状態変化部は、プログラム情報を構成する複数のプログラムデータにそれぞれ対応して設けられ、複数の状態変化部のそれぞれは互いに異なる電気抵抗値に設定される。
【0017】
本発明のさらに別の局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、各々が磁気的にデータ記憶を実行する複数のメモリセルと、プログラムユニットとを含む。プログラムユニットは、複数のメモリセルに対して用いられるプログラム情報を構成する第1および第2のプログラムデータを記憶する。また、プログラムユニットは、各々が、互いに異なる電気抵抗を有する第1および第2のプログラムセルを含む。第1および第2のプログラムセルの各々は、磁気記憶部と、状態変化部とを有する。磁気記憶部は、データ書込電流に応じた磁化方向によって異なる電気抵抗値を有する。状態変化部は、外部からのアクセス指示に応答して第1の状態から第2の状態の電気抵抗値に固定的に変化する。
【0018】
本発明のさらに別の局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、各々が磁気的にデータ記憶を実行する複数のメモリセルと、プログラムユニットとを含む。プログラムユニットは、複数のメモリセルに対して用いられるプログラム情報を記憶する。また、プログラムユニットは、少なくとも1個のプログラムセルと増幅回路とを含む。各プログラムセルは、磁気記憶部と、状態変化部とを有する。磁気記憶部は、データ書込電流に応じた磁化方向によって異なる電気抵抗値を有する。状態変化部は、外部からのアクセス指示に応答して第1の状態から第2の状態の電気抵抗値に固定的に変化する。増幅回路は、各プログラムセルに対応して共通に設けられ、データ読出時に選択的にプログラムセルの磁気記憶部および状態変化部の少なくとも一方に基づいて出力されるプログラム信号を増幅する。
【0019】
本発明のさらに別の局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、複数のスイッチ部と、複数乃スイッチ制御部とを含む。複数のスイッチ部は、複数の回路ブロック間の信号伝送経路を設定する。複数のスイッチ制御部は、複数のスイッチ部にそれぞれ対応して設けられ、対応するスイッチ部を制御する。スイッチ制御部は、各々が、不揮発的な電気抵抗を有する第1および第2のプログラムセルを含む。また、スイッチ制御部は、第1および第2のプログラムセルの電気抵抗に基づくデータ信号により対応するスイッチ部を制御する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付しその説明は繰返さない。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に従うMRAMデバイス1の全体構成を示す概略ブロック図である。
【0022】
図1を参照して、MRAMデバイス1は、外部からの制御信号CMDおよびアドレス信号ADDに応じてランダムアクセスを実行し、書込データDINの入力および読出データDOUTの出力を実行する。
【0023】
MRAMデバイス1は、制御信号CMDに応答してMRAMデバイス1の全体動作を制御するためのコントロール回路5と、行列状に配列された複数のMTJメモリセルを有するメモリアレイ10とを備える。メモリアレイ10は、アドレス信号ADDによって各々指定可能な行列状に配列された複数の正規のMTJメモリセルと、欠陥が生じた正規メモリセルを救済するためのスペアメモリセル(図示せず)とを含む。メモリアレイ10は、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる複数のワード線、複数のデジット線および複数のソース線と、メモリセル列にそれぞれ代表して設けられる複数のビット線とが配置される。
【0024】
図1においては、メモリアレイ10において1つのメモリセルMCが示され、メモリセルMCの行に対応してワード線RWLとデジット線DLとソース線SLとがそれぞれ1本ずつ示されている。また、メモリセルMCの列に対応してビット線BLが示されている。
【0025】
図2は、磁気トンネル接合部を有するMTJメモリセルMC(以下、単にメモリセルMCとも称する)の構成を示す概略図である。
【0026】
図2を参照して、メモリセルMCは、磁気的に書込まれた記憶データのデータレベルに応じて電気抵抗が変化するトンネル磁気抵抗素子TMRと、アクセストランジスタATRとを含む。アクセストランジスタATRは、ビット線BLおよびソース線SLの間に、トンネル磁気抵抗素子TMRと直列に接続される。代表的には、アクセストランジスタATRとして、半導体基板上に形成された電界効果型トランジスタが適用される。
【0027】
メモリセルMCに対しては、データ書込時に異なった方向のデータ書込電流をそれぞれ流すためのビット線BLおよびデジット線DLと、データ読出を指示するためのワード線RWLと、データ読出時にトンネル磁気抵抗素子TMRを接地電圧GNDにプルダウンするためのソース線SLとが設けられる。データ読出時においては、アクセストランジスタATRのターンオンに応答して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、ソース線SLおよびビット線BLの間に電気的に結合される。
【0028】
図3は、メモリセルMCに対するデータ書込動作を説明する概念図である。
図3を参照して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定された一定の磁化方向を有する強磁性体層(以下、単に「固定磁化層」とも称する)FLと、外部からの印加磁界に応じた方向に磁化される強磁性体層(以下、単に「自由磁化層」とも称する)VLとを有する。固定磁化層FLおよび自由磁化層VLの間には、絶縁体膜で形成されるトンネルバリア(トンネル膜)TBが設けられる。自由磁化層VLは、書込まれる記憶データのレベルに応じて、固定磁化層FLと同一方向または固定磁化層FLと反対方向に磁化される。これらの固定磁化層FL、トンネルバリアTBおよび自由磁化層VLによって、磁気トンネル接合が形成される。
【0029】
トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLおよび自由磁化層VLのそれぞれの磁化方向の相対関係に応じて変化する。具体的には、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLの磁化方向と自由磁化層VLの磁化方向とが同じ(平行)である場合に最小値Rminとなり、両者の磁化方向が反対(反平行)方向である場合に最大値Rmaxとなる。
【0030】
データ書込時においては、ワード線RWLが非活性化されて、アクセストランジスタATRはターンオフされる。この状態で、自由磁化層VLを磁化するためのデータ書込電流は、ビット線BLおよびデジット線DLのそれぞれにおいて、書込データのレベルに応じた方向に流される。
【0031】
図4は、データ書込時におけるデータ書込電流とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関連を示す概念図である。
【0032】
図4を参照して、横軸H(EA)は、トンネル磁気抵抗素子TMR内の自由磁化層VLにおいて磁化容易軸(EA:Easy Axis)方向に印加される磁界を示す。一方、縦軸H(HA)は、自由磁化層VLにおいて磁化困難軸(HA:Hard Axis)方向に作用する磁界を示す。磁界H(EA)およびH(HA)は、ビット線BLおよびデジット線DLをそれぞれ流れる電流によって生じる2つの磁界の一方ずつにそれぞれ対応する。
【0033】
メモリセルMCにおいては、固定磁化層FLの固定された磁化方向は、自由磁化層VLの磁化容易軸に沿っており、自由磁化層VLは、記憶データのレベル(“1”および“0”)に応じて、磁化容易軸方向に沿って、固定磁化層FLと平行あるいは反平行(反対)方向に磁化される。メモリセルMCは、自由磁化層VLの2通りの磁化方向と対応させて、1ビットのデータ(“1”および“0”)を記憶することができる。
【0034】
自由磁化層VLの磁化方向は、印加される磁界H(EA)およびH(HA)の和が、図4に示されるアステロイド特性線の外側の領域に達する場合においてのみ新たに書換えることができる。すなわち、印加されたデータ書込磁界がアステロイド特性線の内側の領域に相当する強度である場合には、自由磁化層VLの磁化方向は変化しない。
【0035】
アステロイド特性線に示されるように、自由磁化層VLに対して磁化困難軸方向の磁界を印加することによって、磁化容易軸に沿った磁化方向を変化させるのに必要な磁化しきい値を下げることができる。図4に示した例のようにデータ書込時の動作点を設計した場合には、データ書込対象であるメモリセルMCにおいて、磁化容易軸方向のデータ書込磁界は、その強度がHWRとなるように設計される。すなわち、このデータ書込磁界HWRが得られるように、ビット線BLまたはデジット線DLを流されるデータ書込電流の値が設計される。一般的に、データ書込磁界HWRは、磁化方向の切換えに必要なスイッチング磁界HSWと、マージン分ΔHとの和で示される。すなわち、HWR=HSW+ΔHで示される。
【0036】
メモリセルMCの記憶データ、すなわちトンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向を書換えるためには、デジット線DLとビット線BLとの両方に所定レベル以上のデータ書込電流を流す必要がある。これにより、トンネル磁気抵抗素子TMR中の自由磁化層VLは、磁化容易軸(EA)に沿ったデータ書込磁界の向きに応じて、固定磁化層FLと平行もしくは、反対(反平行)方向に磁化される。トンネル磁気抵抗素子TMRに一旦書込まれた磁化方向、すなわちメモリセルMCの記憶データは、新たなデータ書込が実行されるまでの間不揮発的に保持される。
【0037】
図5は、メモリセルMCからのデータ読出動作を説明する概念図である。
図5を参照して、データ読出動作時においては、アクセストランジスタATRは、ワード線RWLの活性化に応答してターンオンする。これにより、トンネル磁気抵抗素子TMRは、接地電圧GNDへプルダウンされた状態でビット線BLと電気的に結合される。
【0038】
この状態で、ビット線BLを所定電圧へプルアップすれば、ビット線BLおよびトンネル磁気抵抗素子TMRを含む電流経路を、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗に応じた、すなわちメモリセルMCの記憶データのレベルに応じたメモリセル電流Icellが通過する。たとえば、このメモリセル電流Icellを所定の基準電流と比較することにより、メモリセルMCから記憶データを読出すことができる。
【0039】
なお、メモリセル電流Icellは、一般的に、上述したデータ書込電流と比較して1〜2桁程度小さくなるように設計される。したがって、メモリセル電流Icellの影響によって、メモリセルMCの記憶データが誤って書換えられる可能性は小さい。すなわち非破壊的なデータ読出が可能である。
【0040】
図6は、半導体基板上に形成されたメモリアレイ10に含まれるメモリセルMCの断面図である。
【0041】
図6を参照して、半導体基板上に形成されたアクセストランジスタATRは、n型領域である不純物領域310および320と、ゲート領域330とを有する。不純物領域310は、コンタクトホールに形成される金属膜を介して第1の金属配線層M1のソース線SLと電気的に結合される。
【0042】
デジット線DLは、ソース線SLの上層に設けられた金属配線層M2に形成される。トンネル磁気抵抗素子TMRは、デジット線DLの上層側に配置される。トンネル磁気抵抗素子TMRは、ストラップ350およびコンタクトホール340に形成された金属膜を介して、アクセストランジスタATRの不純物領域320と電気的に結合される。ストラップ350は、トンネル磁気抵抗素子TMRをアクセストランジスタATRと電気的に結合するために設けられ、導電性の物質で形成される。ビット線BLは、トンネル磁気抵抗素子TMRと電気的に結合されて、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側に設けられる。
【0043】
データ書込電流および読出電流が流されるビット線BLおよびデータ書込電流が流されるデジット線DLは、金属配線層M3,M2をそれぞれ用いて形成される。一方、ワード線RWLは、アクセストランジスタATRのゲート電圧を制御するために設けられるので、電流を積極的に流す必要はない。したがって、集積度を高める観点から、ワード線RWLは、独立した金属配線層を新たに設けることなく、ゲート領域330と同一の配線層に、ポリシリコン層やポリサイド層などを用いて形成されるのが一般的である。なお、ビット線BLの上層側に設けられる金属配線層M4,M5等を用いて他の周辺回路で用いられる信号線等が設けられる。たとえば、読出データおよび書込データ等を伝達するためのデータ線等が挙げられる。
【0044】
上記のような構成に基づき、メモリセルMCを集積配置することにより大容量のメモリアレイを形成し、不揮発的なデータ記憶を実行する。
【0045】
再び図1を参照して、MRAMデバイス1は、さらに行デコーダ20と、列デコーダ25と、読出/書込制御回路30,35とを備える。
【0046】
行デコーダ20は、アドレス信号ADDによって示されているロウアドレスRAに応じて、メモリアレイ10における行選択を実行する。列デコーダ25は、アドレス信号ADDによって示されるコラムアドレスCAに応じてメモリアレイ10における列選択を実行する。行デコーダ20は、図示しないがワード線RWLおよびデジット線DLを駆動するドライバを含み、行デコーダ20の行選択結果に基づいて選択されたワード線RWLもしくはデジット線DLを選択的に活性化する。ロウアドレスRAおよびコラムアドレスCAによってデータ読出もしくはデータ書込対象に指定されたメモリセル(以下、「選択メモリセル」とも称する)が示される。
【0047】
読出/書込制御回路30,35は、データ読出およびデータ書込時において、選択メモリセルに対応する選択メモリセル列(以下、「選択列」とも称する)のビット線BLに対してデータ書込電流およびセンス電流(データ読出電流)を流すために、メモリアレイ10に隣接する領域に配置される回路群を総称したものである。
【0048】
MRAMデバイス1は、さらに、プログラム回路40と冗長制御回路45とを備える。プログラム回路40については後ほど詳細に説明するがプログラム情報を外部からのプログラムデータPDINに応答して不揮発的に記憶する。
【0049】
本実施の形態1においては、欠陥メモリセルを特定するための不良アドレスがプログラム情報としてプログラム回路40に記憶される構成を代表的に説明する。
【0050】
冗長制御回路45は、通常動作時において、アドレス信号ADDとプログラム回路40に保持される不良アドレスとを比較することによりデータ読出またはデータ書込対象として不良メモリセルが選択されたかどうかを判定する。
【0051】
不良メモリセルが選択された場合には、冗長制御回路45は、スペアメモリセルで構成された冗長回路に対するアクセスを指示するとともに行デコーダ20および列デコーダ25に対して外部からのアドレス信号ADDで示された選択メモリセルに対するアクセスの停止を指示する。これにより、アドレス信号ADDで示される選択メモリセルに代えて冗長メモリセルを対象としてデータ読出またはデータ書込が実行される。
【0052】
一方、外部からのアドレス信号ADDが不良アドレスと対応しない場合には行デコーダ20および列デコーダ25によって通常の選択動作が実行されて、通常の選択メモリセルに対してデータ読出またはデータ書込が実行される。
【0053】
本実施の形態1においては、プログラム回路40に記憶される、プログラム情報を構成するプログラムデータのデータ書込およびデータ読出について詳細に説明する。
【0054】
図7は、本発明の実施の形態1に従うプログラム回路40の概念図である。
図7を参照して、本発明の実施の形態1に従うプログラム回路40は、図1で示されるMRAMデバイス1と比較して、プログラム回路40および冗長制御回路45を削除した構成とほぼ同様の構成である。具体的には、プログラム回路40は、コントロール回路5からの制御信号およびアドレス信号ADDに応じてランダムアクセスを実行し、プログラムデータPDINの入力およびプログラム読出データPDOUTの出力を実行する。
【0055】
プログラム回路40は、コントロール回路5からの動作指示に応答してプログラム回路40の全体動作を制御するためのサブコントロール回路5♯と、行列状に配列されたプログラム情報を記憶する複数のMTJメモリセルPMC(以下、単にメモリセルPMCとも称する)を有するメモリアレイ10♯と、アドレス信号ADDによって示されるロウアドレスRAに応じてメモリアレイ10♯における行選択を実行する行デコーダ20♯と、アドレス信号ADDによって示されるコラムアドレスCAに応じてメモリアレイ10♯における列選択を実行する列デコーダ25♯と、読出/書込制御回路30♯,35♯とを含む。
【0056】
読出/書込制御回路30♯,35♯は、データ読出およびデータ書込時において選択メモリセルに対応する選択列のビット線BLに対してデータ書込電流およびセンス電流を流すためにメモリアレイ10♯に隣接する領域に配置される回路群を総称したものである。
【0057】
メモリアレイ10♯は、プログラム情報を記憶するメモリセルPMCが行列状に集積配置された構成である。また、メモリアレイ10♯は、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる複数のワード線RWL,FWL、デジット線DLおよびソース線SLとが設けられる。また、メモリセル列にそれぞれ対応して複数のビット線BLおよびソース線FSLが設けられる。図4には1つのメモリセルPMCが示され行に対応してワード線RWL,FWLおよびソース線SLが1本ずつ示されている。また、列に対応してビット線BLおよびソース線FSLが1本ずつ示されている。なお、ここで示されるワード線RWL,FWL、ソース線SL,FSL、デジット線DL、ビット線BLは、複数設けられたワード線、ソース線、デジット線およびビット線をそれぞれ総称したものである。
【0058】
図8は、本発明の実施の形態1に従うプログラム情報を記憶するメモリセルPMCを詳細に示す回路構成図である。メモリセルPMCは、2ビットの不揮発的なデータ記憶が実行可能なメモリセルである。
【0059】
図8を参照して、メモリセルPMCは、図2に示されるメモリセルMCと比較して、アクセストランジスタFTRと、トンネル磁気抵抗素子TMRとアクセストランジスタFTRとの接続に用いられる接続部CHとをさらに含む点が異なる。
【0060】
トンネル磁気抵抗素子TMRとアクセストランジスタFTRとは、接続部CHを介してビット線BLとソース線FSLとの間に直列に接続され、アクセストランジスタFTRのゲートは、ワード線FWLと電気的に結合される。
【0061】
ここで接続部CHは、通過電流に応じてその状態が変化する導電性の材料で形成される。この接続部CHを通過する通過電流に基づいてトンネル磁気抵抗素子TMRとアクセストランジスタFTRとの電気的な接続がほぼ切断された状態すなわち高抵抗状態に変化する。これに伴い、この状態が変化する接続部CHの切断/非切断状態(プログラム状態/非プログラム状態とも称する)と記憶データ「0」および「1」とを対応付けることにより固定的(不揮発的)な1ビットのデータ記憶を実行する。
【0062】
メモリセルPMCは、磁化方向によって記憶データを格納するトンネル磁気抵抗素子TMRと上記の接続部CHの切断/非切断状態とに基づいて2ビットの記憶データを格納するプログラム素子を構成する。
【0063】
図9は、半導体基板上に形成されたメモリアレイ10#に含まれるメモリセルPMCの断面図である。
【0064】
図9を参照して、メモリセルPMCの断面図は、図6のメモリセルMCの断面図と比較して、アクセストランジスタFTRと、接続部CHと、ソース線FSLと、ワード線FWLに関する点が異なる。他の部分については同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。半導体基板上に形成されたアクセストランジスタFTRは、アクセストランジスタATRと隣接する領域に設けられ、n型領域である不純物領域311および321と、ゲート領域331とを有する。不純物領域311は、コンタクトホール341に形成される金属膜を介してトンネル磁気抵抗素子TMRと電気的に結合されるストラップ351と電気的に結合される。ここで、接続部CHは、ストラップ351の一部領域に相当し、図3で示されるストラップ350と比較して、アクセストランジスタFTRとの電気的な結合をするために延長した領域部分に相当する。このストラップ351の一部領域に相当する接続部CHは、通過電流に基づいて状態(形状)が変化しやすいようにするため一例として局所的に電流の集中を促すように細長形状に設計する必要がある。
【0065】
ソース線FSLは、ビット線BLとショートしないように並列に同じ金属配線層(M3)に設けられ、コンタクトホール342に形成された金属膜を介して、アクセストランジスタFTRの不純物領域321と電気的に結合される。具体的にはコンタクトホール342は、第1の金属配線層の領域部分において行方向(ワード線等と同じ方向)に金属層が設けられ、ビット線BLとショートしないように点線で示す経路で上層のソース線FSLと電気的に結合される。ワード線FWLは、上述したように、集積度を高める観点から、独立した金属配線層を新たに設けることなく、ゲート領域331と同一の配線層に、ポリシリコン層やポリサイド層などを用いて形成される。
【0066】
このように、メモリセルPMCは、メモリセルMCとほぼ同様の構成を有し、新たな金属配線層を設けることなく設計することができるため、集積度を向上させることができるとともに製造コストを低廉にすることが可能となり、効率的なプログラム素子を設計することが可能となる。
【0067】
以下においては、集積配置された上記のメモリセルPMCに対してプログラム情報のデータ書込およびデータ読出について詳細に説明する。
【0068】
図10は、本発明の実施の形態1に従うメモリアレイ10♯およびその周辺領域の回路構成図である。
【0069】
図10を参照して、メモリアレイ10♯は行列状に配列された複数のメモリセルPMCを有する。上述したようにメモリアレイ10♯にはメモリセル行にそれぞれ対応して複数のワード線FWLおよびRWLと、複数のソース線SLがそれぞれ設けられる。また、メモリセル列にそれぞれ対応して複数のビット線BLおよびソース線FSLがそれぞれ設けられる。
【0070】
図10においては、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられるビット線BL0〜BLnおよびソース線FSL0〜FSLnが一例として示されている。メモリセルPMCとビット線BL、ソース線SL,FSLおよびワード線RWL,FWLの接続関係については図8で説明したのと同様であるのでその説明は繰返さない。
【0071】
行デコーダ20♯は、メモリセル行毎に配置されたワード線FWLに対応して設けられたワード線ドライバ80と、デジット線DLに対応して設けられたデジット線ドライバ85と、ワード線RWLに対応して設けられたワード線ドライバ90とを含む。
【0072】
読出/書込制御回路30♯は、各ビット線毎にビット線BLの一端側に対応して設けられ、書込制御信号WDTa,WDTbに応じて電源電圧Vccおよび接地電圧GNDのいずれか一方をビット線BLに駆動するビット線ドライバWDRbと、サブコントロール回路5♯の指示に応答してデータ書込時にプログラムデータPDINに応じた書込制御信号WDTa,WDTbもしくは制御信号CSWもしくは制御信号BIを生成する書込制御ユニット95とを含む。ビット線ドライバWDRbは、電源電圧Vccとビット線BLの一端側との間に配置され、書込制御信号WDTbの入力をゲートに受けるトランジスタ40bと、接地電圧GNDとビット線BLの一端側との間に配置され、書込制御信号WDTaの入力をゲートに受けるトランジスタ41bとを含む。
【0073】
また、読出/書込制御回路30♯は、各ビット線毎に設けられ各ビット線に供給されるデータ読出電流に基づいて読出データRDTを生成するアンプRAPをさらに含む。なお、図示しない読出制御回路は、読出データRDTの入力を受けてプログラム読出データPDOUTを出力する。
【0074】
読出/書込制御回路35♯は、各ビット線毎にビット線BLの他端側に対応して設けられ、書込制御信号WDTa,WDTbに応じて電源電圧Vccおよび接地電圧GNDのいずれか一方をビット線BLに駆動するビット線ドライバWDRaと、制御信号CSWに応じて電源電圧Vccおよび接地電圧GNDのいずれか一方をソース線FSLに駆動するソース線ドライバSDRとを含む。ビット線ドライバWDRaは、電源電圧Vccとビット線BLとの他端側との間に配置され、書込制御信号WDTaの入力をゲートに受けるトランジスタ40aと、接地電圧GNDとビット線BLの他端側との間に配置され、書込制御信号WDTbの入力をゲートに受けるトランジスタ41aとを含む。
【0075】
ソース線ドライバSDRは、スイッチ素子SWを有し、たとえば、制御信号CSW(「H」レベル)に応答してソース線FSLに電源電圧Vccを駆動する。一方、制御信号CSW(「L」レベル)に応答してソース線FSLに接地電圧GNDを駆動する。
【0076】
また、読出/書込制御回路35#は、各ビット線毎に設けられ、制御信号BIに応答して電源電圧Vccよりも高電圧の昇圧電圧Vppと対応するビット線とを電気的に接続するトランジスタBTをさらに含む。
【0077】
まず、トンネル磁気抵抗素子TMRへのプログラムデータのデータ書込について説明する。以下においては通常のトンネル磁気抵抗素子TMRへのデータ書込をMTJライトモードと称する。
【0078】
図11は、本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してMTJライトモードを実行する場合の概念図である。MTJライトモードにおいては選択メモリセル行毎にプログラム情報が書込まれるものとする。本例においては、ビット線BL0に対応するメモリセルPMCに対しプログラムデータ「0」を書込み、ビット線BLnに対応するメモリセルPMCに対しプログラムデータ「1」を書込む場合について説明する。
【0079】
図11を参照して、書込制御ユニット95は、プログラムデータPDINに基づいて各列毎に設けられたビット線ドライバWDRaおよびWDRbに入力する書込制御信号WDTa,WDTbを設定する。具体的には、プログラムデータPDIN、列デコーダ25#の列選択結果およびサブコントロール回路5#からのMTJライトモードの動作指示に基づいて対応するビット線ドライバWDRaおよびWDRbに入力する書込制御信号WDTa,WDTbの一方を「H」レベル、他方を「L」レベルに設定する。ここでは、一例としてビット線BL0に対応するビット線ドライバWDRaおよびWDRbに対して「H」レベルの書込制御信号WDTaおよび「L」レベルの書込制御信号WDTbを設定する。また、ビット線BLnに対応するビット線ドライバWDRaおよびWDRbに対して「L」レベルの書込制御信号WDTaおよび「H」レベルの書込制御信号WDTbを設定する。なお、各ビット線ドライバWDRaおよびWDRbにおいて、設定された書込制御信号WDTaおよびWDTbは図示しないラッチ回路によってラッチされているものとする。
【0080】
これに伴い、ビット線BL0に対応するビット線ドライバWDRaにおいて、トランジスタ40aがオンし、電源電圧Vccとビット線BL0の他端側とが電気的に結合される。また、ビット線ドライバWDRbにおいてトランジスタ41bがオンし、ビット線BL0の一端側と接地電圧GNDとが電気的に結合される。
【0081】
したがって、ビット線BL0の他端側から一端側への電流経路が形成され、ビット線BL0にプログラムデータ「0」に対応するデータ書込電流が供給される。
【0082】
一方、ビット線BLnについては、ビット線BL0と同様の方式にしたがってビット線BLnの一端側から他端側への電流経路が形成され、ビット線BLnにプログラムデータ「1」に対応するデータ書込電流蛾供給される。
【0083】
また、同様のタイミングにおいて行デコーダ20♯は、ロウアドレスRAに応答して選択的にデジット線ドライバ85を活性化させ、データ書込電流を供給する。
【0084】
このビット線BL0およびBLnに供給されるデータ書込電流とデジット線DLに流れるデータ書込電流によって選択されたメモリセル行のメモリセルPMCのトンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向がデータ書込電流に対応して設定され、磁化方向に応じてプログラムデータを選択メモリセルに記憶することができる。本例においては、ビット線BL0に対応するメモリセルPMCのトンネル磁気抵抗素子TMRにプログラムデータ「0」を記憶させることができる。また、ビット線BLnに対応するメモリセルPMCのトンネル磁気抵抗素子TMRにプログラムデータ「1」を記憶させることができる。
【0085】
次に、トンネル磁気抵抗素子TMRに記憶されたプログラムデータのデータ読出について説明する。以下、トンネル磁気抵抗素子TMRに記憶されたプログラムデータのデータ読出をMTJリードモードとも称する。
【0086】
図12は、本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してMTJリードモードを実行する場合の概念図である。MTJリードモード時においてはメモリセル行毎にプログラム情報が読出されるものとする。本例においては、プログラムデータ「0」を記憶するビット線BL0に対応するメモリセルPMCおよびプログラム「1」を記憶するビット線PLnに対応するメモリセルPMCのデータ読出について説明する。
【0087】
図12を参照して、MTJリードモード時において、行デコーダ20♯は、ロウアドレスRAに応答して選択的にワード線RWLを活性化させる。これに伴い活性化されたワード線RWLと電気的に結合されたゲートを有するアクセストランジスタATRはターンオンする。
【0088】
次に、MTJリードモード時において、各列毎に設けられたアンプRAPは、サブコントロール回路5#からのMTJリードモードの動作指示に応答して活性化され、各ビット線を所定電圧にプルアップする。
【0089】
これに伴い、アンプRAP〜ビット線BL〜トンネル磁気抵抗素子TMR〜アクセストランジスタATR〜ソース線SL(GND)への電流経路が形成される。すなわち、上記電流経路を介してアンプRAPから選択メモリセルに対してトンネル磁気抵抗素子TMRが有する電気抵抗(Rmax,Rmin)に応じたデータ読出電流が供給される。アンプRAPは、所定電圧に対して電気抵抗値Rmaxおよび電気抵抗値Rminの中間レベルの抵抗値によって生成される基準電流Irefとこのデータ読出電流との比較に基づいてトンネル磁気抵抗素子TMRに格納されたプログラムデータを読出データRDTとして出力する。具体的には、ビット線BL0に対応するアンプRAPは、プログラムデータ「0」に対応する読出データRDTを出力し、ビット線BLnに対応するアンプRAPは、プログラムデータ「1」に対応する読出データRDTを出力する。
【0090】
なお、一般的なMTJメモリセルにおいては、電気抵抗値が数十KΩ程度であり、データ読出時におけるトンネル磁気抵抗素子TMRへの印加電圧は、トンネル膜(絶縁膜)の信頼性等を考慮した値に設定する必要がある。具体的には、トンネル膜の厚さが150μmの場合には1Vの印加電圧で破壊されるため、当該トンネル膜には0.5V程度の印加電圧に抑えられる。したがって、トンネル膜が破壊しないようにデータ読出時にプルアップされる所定電圧を設計する必要がある。
【0091】
また、本例においては選択メモリセル行を構成するメモリセルに対して並列にMTJリードモードを実行する場合について説明したが、これに限られず1つの選択メモリセルに対してMTJリードモードを実行することも可能である。これに関連して、1つの選択メモリセルに対してMTJリードモードを実行する構成においては、上記例において説明したメモリセル列毎に配置されたアンプRAPの代わりに1つのアンプと選択的に電流経路が形成されるような構成とし、回路の部品点数を削減することも可能である。
【0092】
次に、メモリセルPMCの接続部CHへのプログラムデータのデータ書込について説明する。以下においては、メモリセルPMCの接続部CHへのデータ書込をヒューズブローモードとも称する。
【0093】
図13は、本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してヒューズブローモードを実行する場合の概念図である。ヒューズブローモード時においてはメモリセル行毎にプログラム情報が書込まれるものとする。本例においては、ビット線BL0に対応するメモリセルPMCをプログラム状態(プログラムデータ「0」に対応)とし、ビット線BLnに対応するメモリセルPMCは非プログラム状態(プログラムデータ「1」に対応)とする場合について説明する。
【0094】
図13を参照して、書込制御ユニット95は、ヒューズブローモード時において、プログラムデータPDIN、列デコーダ25#の列選択結果およびサブコントロール回路5#からのヒューズブローモードの動作指示に応答してメモリセル列毎に設けられた各ソース線ドライバSDRに対して制御信号CSWを出力する。なお、各ソース線ドライバSDRにおいて、設定された制御信号CSWは図示しないラッチ回路によってラッチされているものとする。
【0095】
一例として、書込制御ユニット95は、プログラムデータPDIN(「0」)に応答してビット線BL0に対応するソース線ドライバSDRに対して「H」レベルである制御信号CSWを出力し、プログラムデータPDIN(「1」)に応答してビット線BLnに対応するソース線ドライバSDRに対して「L」レベルである制御信号CSWを出力するものとする。ソース線FSL0は、「H」レベルの制御信号CSWに応答して、電源電圧Vccと電気的に結合される。また、ソース線FSLnは、「L」レベルの制御信号CSWに応答して接地電圧GNDと電気的に結合される。
【0096】
また、同様のタイミングにおいて行デコーダ20は、ロウアドレスRAの入力に応じて、メモリセル行に対応するワード線FWLおよびRWLを選択的に活性化(「H」レベル)する。これに伴い、活性化されたワード線FWL,RWLに対応するアクセストランジスタFTR,ATRがオンする。
【0097】
したがって、ソース線ドライバSDR(電源電圧Vcc)〜ソース線FSL〜アクセストランジスタFTR〜接続部CH〜アクセストランジスタATR〜接地電圧GNDへの電流経路が形成される。すなわち、アクセストランジスタ2個を介して接続部CHに所定の電流が供給される。これに伴い、上述したように接続部CHは、この所定の通過電流に応答してアクセストランジスタATRとトンネル磁気抵抗素子TMRとの電気的な接続状態を変化させる。具体的には、アクセストランジスタATRとトンネル磁気抵抗素子TMRとの電気的な接続状態は、ほぼ切断状態となり接続部の負荷抵抗(電気抵抗)は、数Ωの低抵抗状態から数百M(メガ)Ωの高抵抗状態へと遷移する。
【0098】
このように当該接続部CHの負荷抵抗を数Ωから数百MΩに遷移させることにより、固定的にプログラム情報をプログラムすることが可能となる。たとえば、接続部CHの接続状態がほぼ切断状態すなわち高抵抗状態のときはプログラムデータ「0」が記憶されるものとする。一方、接続部CHの接続状態が非切断状態すなわち低抵抗状態のときはプログラムデータ「1」が記憶されるものとする。
【0099】
次に、メモリセルPMCの接続部CHへプログラムされたプログラムデータのデータ読出について説明する。以下においては、メモリセルPMCの接続部CHへのデータ読出をヒューズリードモードとも称する。
【0100】
図14は、本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してヒューズリードモードを実行する場合の概念図である。ヒューズリードモード時においてはメモリセル行毎にプログラム情報が読出されるものとする。本例においては、プログラム状態であるビット線BL0に対応するメモリセルPMCおよび非プログラム状態であるビット線BLnに対応するメモリセルPMCのデータ読出について説明する。
【0101】
図14を参照して、ヒューズリードモード時において、行デコーダ20♯は、コラムアドレスCAに応答して選択的にワード線FWLを活性化させる。これに伴い活性化されたワード線FWLと電気的に結合されたゲートを有するアクセストランジスタFTRはターンオンする。また、各ソース線ドライバSDRは、初期状態の制御信号CSW(「L」レベル)に応答してソース線FSLと接地電圧GNDとを電気的に結合している。
【0102】
次に、ヒューズリードモード時において、各列毎に設けられたアンプRAPは、サブコントロール回路5#からのヒューズリードモードの動作指示に応答して活性化され、各ビット線を所定電圧にプルアップする。
【0103】
これに伴い、アンプRAP〜ビット線BL〜トンネル磁気抵抗素子TMR〜接続部CH〜アクセストランジスタFTR〜ソース線FSL(GND)への電流経路が形成される。すなわち、上記電流経路を介してアンプRAPから選択メモリセルに対して接続部CHが有する負荷抵抗(電気抵抗)に応じたデータ読出電流が供給される。具体的には、接続部CHがプログラム状態の場合には接続部CHの負荷抵抗は抵抗値Rl(数百MΩ)に設定されるためアンプRAPから供給されるデータ読出電流は小さくなる。一方、接続部CHが非プログラム状態の場合には接続部CHの負荷抵抗は抵抗値Rs(数Ω)に設定されるためアンプRAPから供給されるデータ読出電流は大きくなる。したがって、アンプRAPは、所定電圧に対して抵抗値Rlおよび抵抗値Rsの中間レベルの抵抗値によって生成される基準電流Irefとの比較に基づいて接続部CHに格納されたプログラムデータを読出データRDTとして出力することができる。
【0104】
具体的には、ビット線BL0に対応するアンプRAPは、プログラムデータ「0」に対応する読出データRDTを出力し、ビット線BLnに対応するアンプRAPは、プログラムデータ「1」に対応する読出データRDTを出力する。
【0105】
なお、このヒューズリードモードにおいては、データ読出電流を規定する電流経路の負荷抵抗としてトンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗を考慮した電流が供給されるが、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗(RminおよびRmax)は、数十KΩ程度に留まるため、接続部CHのプログラム状態における数百MΩとの比較においては殆ど影響を与えない。
【0106】
また、当該ヒューズリードモードと同様の方式にしたがって、接続部CHが非切断状態であり、かつトンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗がRminである場合を一回のデータ読出動作によって検出するデータ読出(以下、当該データ読出をANDリードモードと称する)を実行することができる。
【0107】
具体的には、アンプRAPに入力される基準電流Irefを所定電圧に対してトンネル磁気抵抗素子RmaxおよびRminの中間レベルの抵抗値に対応するように設定する。
【0108】
そうすると、接続部CHが切断状態(プログラム状態)においてはこの電流経路に介在する負荷抵抗は接続部CHの電気抵抗(数百MΩ)に引きずられてトンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗値(Rmin,Rmax)を無視できる状態となる。一方、接続部CHが非切断状態(非プログラム状態)すなわち抵抗値Rsであり、トンネル磁気抵抗素子TMRが抵抗値Rminを有する場合について考える。この場合には、抵抗値Rsは抵抗値Rminよりも極めて小さいため、この電流経路に介在する抵抗値は、抵抗値Rminに依存し、抵抗値Rsは無視することができる。したがって、基準電流Irefとの比較に基づいて、トンネル磁気抵抗素子TMRが抵抗値Rminを有し、接続部CHが電気抵抗値Rsを有する場合を検知することができる。すなわち、1回のデータ読出動作により、トンネル磁気抵抗素子TMRおよび接続部CHの各々の記憶データのAND論理演算により得られる読出データRDTを検出することができる。したがって、ANDリードモードをメモリセルPMCに対して実行することができる。
【0109】
次に、トンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜を破壊(プログラム状態)することによりトンネル磁気抵抗素子TMRにプログラムデータを書込む場合について説明する。以下、トンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜を破壊するデータ書込をMTJブローモードと称する。
【0110】
図15は、本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してMTJブローモードを実行した場合の概念図である。MTJブローモード時においてはメモリセル行毎にプログラム情報が書込まれるものとする。本例においては、ビット線BL0に対応するメモリセルPMCを非破壊(非プログラム状態)とし、ビット線BLnに対応するメモリセルPMCを破壊(プログラム状態)とする場合について説明する。
【0111】
図15を参照して、書込制御ユニット95は、MTJブローモード時において、プログラムデータPDIN、列デコーダ25#の列選択結果およびサブコントロール回路5#からのMTJブローモードの動作指示に応答してメモリセル列毎に設けられた各トランジスタBTに対して制御信号BIを出力する。なお、各トランジスタBTにおいて、設定された制御信号BIは図示しないラッチ回路によってラッチされているものとする。
【0112】
一例として、書込制御ユニット95は、ビット線BL0に対応するトランジスタBTに対して「L」レベルである制御信号BIを出力し、ビット線BLnに対応するトランジスタBTに対して「H」レベルである制御信号BIを出力するものとする。これに応答して、ビット線BL0は、オープン状態(開放状態)となり、ビット線BLnは、制御信号BIに応答して昇圧電圧Vppに充電される。
【0113】
また、同様のタイミングにおいて行デコーダ20は、ロウアドレスRAの入力に応じて、メモリセル行に対応するワード線RWLを選択的に活性化(「H」レベル)する。これに伴い、活性化されたワード線RWLに対応するアクセストランジスタATRがオンする。
【0114】
したがって、ビット線BLnにはトランジスタBT(昇圧電圧Vpp)〜ビット線BLn〜アクセストランジスタATR〜ソース線SL〜接地電圧GNDへの電流経路が形成される。
【0115】
これに伴い、トンネル磁気抵抗素子TMRに流れる通過電流に従い電気抵抗に応じた印加電圧がトンネル磁気抵抗素子TMRに発生する。上述した、MTJリードモード等においてはプルアップする所定電圧をトンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜が破壊されないレベルに設定する必要について説明したが、この場合においては、所定電圧よりも十分に高い電圧レベルである昇圧電圧Vppを用いてトンネル膜を破壊する程度の電圧(たとえば1V程度)を印可する。
【0116】
これにより、トンネル膜は破壊され、トンネル磁気抵抗素子の電気抵抗値は、電気抵抗値Rminよりも極めて低い電気抵抗値Rmin#に固定的に設定される。このトンネル膜を破壊した電気抵抗値Rmin#と破壊前の電気抵抗値(Rmax,Rmin)とをプログラムデータ「0」,「1」とそれぞれ対応付けることにより1ビットのデータ記憶を実行することができる。
【0117】
本例においては、MTJブローモードにより、ビット線BLnに対応する選択メモリセルPMCに対してトンネル磁気抵抗素子のトンネル膜を破壊して電気抵抗値を電気抵抗値Rmin#に固定的に設定することによりプログラムデータ「0」を書込むことができる。
【0118】
本例においては、昇圧電圧Vppを用いてMTJブローモードを実行する構成について説明してきたがこれに限られず、他の電源電圧を用いて実行することも可能である。具体的には、一例としてビット線ドライバWDRaあるいはWDRbの一方を用いて電源電圧Vccを制御信号に応答してビット線BLに対して駆動することも可能である。このような構成により、トランジスタBTを設ける必要が無く回路の部品点数を削減するこができる。なお、トンネル膜を破壊するために要する時間は、印加電圧に依存するため高速に破壊する場合には高電圧を印可する必要がある。
【0119】
上記のMTJライトモード等の種々のデータ書込は、メモリセル行毎にデータ書込を並列に実行する構成であるためプログラム情報のデータ書込を高速に実行することができる。
【0120】
また、上記のMTJリードモード等の種々のデータ読出は、メモリセル行毎にデータ読出を並列に実行する構成であるためプログラム情報のデータ読出を高速に実行することができる。
【0121】
なお、上記においては、メモリセル行毎にデータ書込およびデータ読出を実行する構成について説明してきたが、1つのメモリセルに対して種々のデータ書込およびデータ読出を実行する構成とすることも可能である。
【0122】
上記において説明したように本プログラム回路40のメモリアレイ10#を構成するメモリセルPMCは、種々のデータ書込により複数のプログラムデータを記憶することができる。具体的には、MTJライトモードやヒューズブローモードを用いて1つのメモリセルPMCに対して2ビットのプログラムデータを記憶することができる。あるいは、ヒューズブローモードやMTJブローモードを用いて1つのメモリセルPMCに対して2ビットのプログラムデータを記憶することができる。
【0123】
したがって、出荷前においてメモリセルPMCに対して不良アドレス等のプログラム情報を記憶させた場合であって、出荷後にさらに不良アドレス等のプログラム情報を記憶させる必要が生じた場合においても本実施の形態に従うプログラム素子を用いることにより容易に対応することが可能である。
【0124】
また、上述したようにトンネル磁気記憶部および接続部でプログラムデータを記憶するこのメモリセルPMCをプログラム素子として用いることにより集積度の観点からまた、簡易な設計である点からも効率的なプログラム素子を構成することができる。
【0125】
また、トンネル磁気記憶部と同様のプログラムデータを、固定的に状態を変化させる接続部に書込むことにより、磁気ノイズ等によってトンネル磁気記憶部のプログラムデータが消失してしまった場合の救済を図ることが可能である。
【0126】
なお、上記においては、メモリセルPMCに接続部CHと電流経路を選択的に生成するためのアクセストランジスタFTRを1つ設ける構成について説明したが、複数の接続部CHと、それに対応して設けられる複数のアクセストランジスタFTRを設けることにより、2ビット以上のプログラムデータを1つのメモリセルMCに対して記憶することも可能である。
【0127】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1においてはプログラムデータを効率的に記憶することが可能なメモリセルPMCを集積配置したプログラム回路40の構成について説明してきた。
【0128】
本発明の実施の形態2においては、プログラムデータを電源投入時に自動的に復号するプログラム素子により構成されるプログラム回路について説明する。
【0129】
図16は、本発明の実施の形態2に従うプログラム素子を構成するプログラムユニットPMUの回路構成図である。本プログラムユニットPMUにより本発明の実施の形態2に従うプログラム回路が構成される。
【0130】
図16を参照して、本発明の実施の形態2に従うプログラムユニットPMUは、データ書込電流を供給するためのビット線SBLと、ビット線SBLの一端側および他端側にそれぞれ対応して設けられるビット線ドライバWWRb,WWRaと、ビット線SBLの一端側に設けられビット線SBLと電気的に結合されてプログラムデータを格納するためのプログラムセルユニットPMCUbと、ビット線SBLの他端側に設けられプログラムデータを格納するためのプログラムセルユニットPMCUaと、外部からのプログラムデータPDINおよびコントロール回路5からの動作指示に応答して書込制御信号WDTa,WDTbおよび制御信号DA,/DAを生成する書込/読出制御ユニット140とを備える。ここで、ビット線SBLは、プログラムセルユニットPMCUaおよびプログラムセルユニットPMCUbに対して互いに異なる向きのデータ書込電流を供給するように配置される。
【0131】
さらに、プログラムユニットPMUは、ソース電圧供給ノードN8に電源電圧Vccおよび接地電圧GNDのいずれか一方を供給するソース電圧ドライバ150と、プログラムセルユニットPMCUaおよびPMCUbにそれぞれ対応して設けられ、データ書込時にデータ書込電流が供給されるデジット線DLaおよびDLbと、データ書込時にデジット線DLaおよびDLbに対してデータ書込電流を供給するデジット線ドライバ帯160と、ビット線SBLと接続されるプログラムセルユニットPMCUaの接続ノードN4と、プログラムセルユニットPMCUbの接続ノードN3とを電気的に結合してイコライズするイコライズ回路130とをさらに備える。
【0132】
さらに、プログラムユニットPMUは、ビット線SBLと電気的に結合され、プログラムセルユニットPMCUaおよびPMCUbが有するプログラムデータをラッチして出力するラッチ回路100と、ラッチ回路100の出力ノードN0およびN1からそれぞれ出力されるデータ信号PO,/POのゲートとなるゲートトランジスタTRGb,TRGaと、ゲートトランジスタTRGaおよびTRGbのゲートと電気的に結合される選択線CWLと、制御信号PORの入力に応答して制御信号POR#を選択線CWLに伝達するドライバIVGとをさらに備える。
【0133】
ここで、制御信号PORは、デバイスの内部回路のリセット信号に用いられるものであり、コントロール回路5から生成される。具体的には、電源投入時に電源電圧が所定の閾値電圧を超えるまで「L」レベルに設定され、所定の閾値電圧を超えた場合には「H」レベルに設定される。コントロール回路5は、図示しないパワーオンリセット回路を有し、当該パワーオンリセット回路から制御信号PORが出力される。また、ドライバIVGは、偶数個のインバータ(本例では2個)で構成され、制御信号PORの入力に応答して所定期間遅延させて制御信号POR#として出力する。
【0134】
ビット線ドライバWWRaは、トランジスタ111,112と、AND回路113,114とを含む。トランジスタ111は、電源電圧Vccとビット線SBLの他端側との間に配置され、そのゲートはAND回路113の出力ノードと電気的に結合される。トランジスタ112は、ビット線SBLの他端側と接地電圧GNDとの間に配置され、そのゲートはAND回路114の出力ノードと電気的に結合される。AND回路113は、書込制御信号WDTaおよび制御信号WEの入力に応じてAND論理演算結果をトランジスタ111のゲートに出力する。AND回路114は、書込制御信号WDTbおよび制御信号WEの入力に応じてAND論理演算結果をトランジスタ112のゲートに出力する。なお、コントロール回路5から制御信号WEが出力される。
【0135】
ビット線ドライバWWRbは、トランジスタ115,116と、AND回路117,118とを含む。トランジスタ115は、電源電圧Vccとビット線SBLの一端側との間に配置され、そのゲートはAND回路117の出力ノードと電気的に結合される。トランジスタ116は、接地電圧GNDとビット線SBLの一端側との間に配置され、そのゲートはAND回路118の出力ノードと電気的に結合される。AND回路117は、書込制御信号WDTbおよび制御信号WEの入力に応じてそのAND論理演算結果をトランジスタ115のゲートに出力する。AND回路118は、書込制御信号WDTaおよび制御信号WEの入力に応じてAND論理演算結果をトランジスタ116のゲートに出力する。
【0136】
たとえば、書込制御信号WDTaが「H」レベルに設定され、制御信号WEが「H」レベルの場合、ビット線ドライバWWRaは、トランジスタ111をオンし、電源電圧Vccとビット線SBLの他端側とを電気的に結合させる。一方、ビット線ドライバWWRbは、トランジスタ116をオンし、接地電圧GNDとビット線SBLの一端側とを電気的に結合させる。これに伴い、ビット線SBLの他端側から一端側への電流経路が形成され、データ書込電流が流れる。なお、書込制御信号WDTbが「H」レベルに設定される場合には、ビット線SBLの一端側から他端側への電流経路が形成され、データ書込電流が流れる。
【0137】
プログラムセルユニットPMCUaは、トンネル磁気抵抗素子TMRaと、接続部CHaと、アクセストランジスタATRa,FTRaとを含む。プログラムセルユニットPMCUaの構成は、実施の形態1で説明したメモリセルPMCと同様の構成である。トンネル磁気抵抗素子TMRaは、ノードN4とノードN6との間に配置される。アクセストランジスタATRaは、接地電圧GNDと電気的に結合されたノードN6とノードN7との間に配置され、そのゲートは制御信号REWの入力を受ける。接続部CHaおよびアクセストランジスタFTRaは、ノードN6とソース電圧の供給を受けるノードN8との間に直列に接続され、トランジスタのゲートは制御信号/DAの入力を受ける。
【0138】
プログラムセルユニットPMCUbは、トンネル磁気抵抗素子TMRbと、接続部CHbと、アクセストランジスタATRb,FTRbとを含む。プログラムセルユニットPMCUbの構成は、実施の形態1で説明したメモリセルPMCと同様の構成である。トンネル磁気抵抗素子TMRbは、ノードN3とノードN5との間に配置される。アクセストランジスタATRbは、接地電圧GNDと電気的に結合されたノードN5とノードN7との間に配置され、そのゲートはコントロール回路5からの制御信号REWの入力を受ける。接続部CHbおよびアクセストランジスタFTRbは、ソース電圧の供給を受けるノードN8とノードN5との間に直列に接続され、そのトランジスタのゲートは制御信号DAの入力を受ける。
【0139】
ラッチ回路100は、出力ノードN0およびN1をイコライズするイコライズ回路120と、トランジスタ101〜104と、107とを含む。
【0140】
トランジスタ107は、電源電圧VccとノードN2との間に配置され、そのゲートは制御信号WEの入力を受ける。トランジスタ101はノードN2とノードN0との間に配置され、そのゲートはノードN1と電気的に結合される。トランジスタ102はノードN0とノードN3との間に配置され、そのゲートはノードN1と電気的に結合される。トランジスタ103は、ノードN2とノードN1との間に配置され、そのゲートはノードN0と電気的に結合される。トランジスタ104は、ノードN1とノードN4との間に配置され、そのゲートはノードN0と電気的に結合される。ここでは一例としてトランジスタ101,103,107は、PチャネルMOSトランジスタとし、トランジスタ102,104は、NチャネルMOSトランジスタとする。
【0141】
イコライズ回路120は、インバータ106とトランスファゲート105とを含み、制御信号PORの入力を受けてノードN0とノードN1とを電気的に結合する。
【0142】
また、プログラムユニットPMUは、ノードN3とノードN4とをイコライズするイコライズ回路130をさらに備える。イコライズ回路130は、OR回路110と、トランスファゲート108と、インバータ109とを含む。トランスファゲート108は、ノードN3とノードN4との間に配置され、OR回路110およびインバータ109を介するOR回路の出力信号の入力を受けてノードN3とノードN4とを電気的に結合する。OR回路110は、制御信号PORおよび制御信号WEの入力に応答して、そのOR論理演算結果をトランスファゲート108およびインバータ109に出力する。
【0143】
以下においては、本発明の実施の形態2に従うプログラムユニットPMUにおいてプログラムデータのデータ書込およびデータ読出について詳細に説明する。
【0144】
図17は、トンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbを用いてプログラムデータのデータ書込を実行する場合の概念図である。すなわち、上記のMTJライトモードについて説明する。本例においては、プログラムデータ「0」を書込む場合について説明する。
【0145】
図17を参照して、書込/読出制御ユニット140は、プログラムデータPDINおよびコントロール回路5からのMTJライトモードの動作指示の入力に応じて書込制御信号WDTaおよびWDTbを生成する。ここでは、書込制御信号WDTaおよびWDTbは、それぞれ「H」レベルおよび「L」レベルに設定されるものとする。
【0146】
これに伴い、ビット線ドライバWWRaにおいてトランジスタ111がオンし、電源電圧Vccとビット線SBLの他端側とが電気的に結合される。また、ビット線ドライバWWRbにおいてトランジスタ116がオンし、接地電圧GNDとビット線SBLの一端側とが電気的に結合される。また、イコライズ回路130は、MTJライトモード時にコントロール回路5により「H」レベルに設定される制御信号WEに応答してノードN3とノードN4とを電気的に結合している。これによりビット線SBLにおいて他端側から一端側に対してデータ書込電流が供給される。
【0147】
また、同様のタイミングにおいて、デジット線ドライバ帯160が活性化される。これに伴い、デジット線DLaおよびDLbに対してデータ書込電流が供給される。このビット線SBLおよびデジット線DLa,DLbにそれぞれ供給されたデータ書込電流に応じてトンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbに対して所定磁界が印可され、磁化方向に応じたデータ書込を実行することができる。本例においては、トンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbを通過するビット線SBLのデータ書込電流の方向は互いに逆向きであるため、トンネル磁気抵抗素子TMRaの電気抵抗はRminとなり、トンネル磁気抵抗素子TMRbの電気抵抗はRmaxに設定される。これにより、このプログラムユニットPMUのトンネル磁気抵抗素子を用いてプログラムデータ「0」をプログラムすることができる。
【0148】
図18は、トンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbを用いてプログラムデータ「1」のデータ書込すなわちMTJライトモードを実行する場合の概念図である。
【0149】
図18を参照して、書込/読出制御ユニット140は、上記と同様の方式にしたがって書込制御信号WDTaおよびWDTbの電圧レベルをそれぞれ「L」レベルおよび「H」レベルに設定する。これに伴い、ビット線SBLの一端側から他端側へデータ書込電流が供給される。このビット線SBLを流れるデータ書込電流に応じてプログラムユニットPMUのトンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbに対してプログラムデータ「1」を書込むことができる。なお、本例においてはトンネル磁気抵抗素子TMRaは電気抵抗値Rmaxを有し、トンネル磁気抵抗素子TMRbは、電気抵抗値Rminを有する。
【0150】
次に、プログラムユニットPMUのトンネル磁気抵抗素子に記憶したプログラムデータを電源投入時に自動的に読出す場合のMTJリードモードについて説明する。
【0151】
図19は、本発明の実施の形態2に従うMTJリードモードを説明する概念図である。本例においてはプログラムユニットPMUにプログラムデータ「0」が予めトンネル磁気抵抗素子を用いて記憶されている場合のデータ読出について説明する。
【0152】
図20のタイミングチャートを用いてMTJリードモード時の動作について説明する。
【0153】
図19および20を参照して、時刻T0において電源電圧Vccが投入される。この時点においては、電源電圧Vccは、所定の閾値電圧レベル以下であり、制御信号PORは、「L」レベルに設定されている。したがって、イコライズ回路120は、制御信号POR(「L」レベル)に応答してノードN0とノードN1とを電気的に接続し、ラッチ回路100の出力ノードをイコライズしている。また、イコライズ回路130は、制御信号POR(「L」レベル)に応答してノードN3とノードN4とをイコライズするために電気的に接続している。また、ラッチ回路100は、制御信号WE(「L」レベル)に応答して活性化され、電源電圧VccがノードN2に供給され、ノードN0およびノードN1に充電が開始される。
【0154】
次に、電源投入後時刻T1において、電源電圧Vccは所定の閾値電圧レベルに達し、制御信号PORは、「L」レベルから「H」レベルに遷移する。これに応答してイコライズ回路120および130のイコライズが終了する。また、同様のタイミングにおいて、コントロール回路5は、制御信号REWを活性化(「H」レベル)させる。
【0155】
これに伴い、アクセストランジスタATRaおよびATRbがオンし、トンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbがそれぞれ接地電圧GNDと電気的に結合される。すなわち、ラッチ回路100からトンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbに対して電気抵抗に応じた電流が供給される。
【0156】
時刻T2において、ノードN0およびN1に対してトンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbを通過する電流差に応じた電位差が生じるようになる。この電位差がラッチ回路100によりさらに増幅されて出力ノードN0の電圧レベルは「H」レベルに設定され、出力ノードN1の電圧レベルは「L」レベルに設定される。
【0157】
次に、出力ノードN0およびN1の電圧レベルが十分に安定した時刻T3において、制御信号POR#に基づいてゲートトランジスタTRGaおよびTRGbはオンし、データ信号PO,/POがプログラム読出データとして出力される。これにより、プログラムユニットPMUのトンネル磁気抵抗素子に記憶されたプログラムデータ「0」を電源投入時に自動的に読出すことができる。
【0158】
このようにして、プログラムセルユニットの記憶データをラッチ回路100で増幅して出力することにより、安定したデータ読出を実行することができる。
【0159】
図21は、プログラムユニットPMUにプログラム「1」が記憶されている場合のMTJリードモードを説明する概念図である。
【0160】
図21を参照して、本発明の実施の形態2に従うMTJリードモードは、図20で示したのと同様の方式に従ってトンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbの電気抵抗に応じた電位差がノードN0およびノードN1に生成される。すなわち本例においてはノードN0およびノードN1のそれぞれは「L」レベルおよび「H」レベルに設定される。すなわち、データ信号PO,/POがそれぞれ「L」レベルおよび「H」レベルとして出力される。その他は図20で説明したのと同様の読出動作が実行されるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0161】
次に、プログラムユニットPMUの接続部CHa,CHbにプログラムデータを記憶する上述したヒューズブローモードについて説明する。
【0162】
図22は、本発明の実施の形態2に従うヒューズブローモードを説明する概念図である。本例においては、接続部CHaおよびCHbを用いてプログラムデータ「0」を記憶する場合について説明する。
【0163】
図22を参照して、ソース電圧ドライバ150は、コントロール回路5によってヒューズブローモード時に活性化される制御信号CSWa(「H」レベル)の入力に応答してノードN8と電源電圧Vccとを電気的に結合する。
【0164】
次に、書込/読出制御ユニット140は、コントロール回路5からのヒューズブローモードの動作指示に応答してプログラムデータPDINに応じて制御信号DA,/DAを生成する。本例においては、書込/読出制御ユニット140は、プログラムデータ「0」に対応して制御信号DA,/DAを「H」レベルおよび「L」レベルにそれぞれ設定する。また、同様のタイミングにおいて、ヒューズブローモード時において、コントロール回路5は、制御信号REWを「H」レベルに設定する。
【0165】
これに伴い、アクセストランジスタFTRbは、ターンオンし、ソース電圧ドライバ150から接続部CHbを経由して接地電圧GNDへ流れる電流経路が形成される。一方、アクセストランジスタFTRaは、ターンオフ状態であるため接続部CHaを経由する電流経路は形成されない。
【0166】
したがって、接続部CHbを通過する通過電流に基づいて接続部CHbは、ほぼ切断された状態へと変化する。すなわち、上述したように接続部CHbの電気抵抗は高抵抗状態に設定される。
【0167】
これに伴い、プログラムデータに応じて接続部CHaおよびCHbのいずれか一方を電気的に切断することによりプログラムデータを書込むことができる。
【0168】
図23は、プログラムデータ「1」を接続部CHa,CHbを用いて書込む場合のヒューズブローモードについて説明する概念図である。
【0169】
図23を参照して、ここでは図22で説明したのと同様の方式に従って、制御信号CSWaに応答してノードN8に電源電圧Vccが供給され、制御信号REWは「H」レベルに設定される。本例においては、書込/読出制御ユニット140は、制御信号DA,/DAを「L」レベルおよび「H」レベルにそれぞれ設定する。これに伴い、アクセストランジスタFTRaがオンし、アクセストランジスタFTRaおよびATRaを介して接続部CHaを経由する電流経路が形成される。この接続部CHaを流れる通過電流により接続部CHaが切断され接続部CHaの負荷抵抗は高抵抗状態に設定される。これによりプログラムデータ「1」を書込むことができる。
【0170】
次に、プログラムユニットPMUの接続部CHaおよびCHbに記憶したプログラムデータを電源投入時に自動的に読出す場合のヒューズリードモードについて説明する。
【0171】
図24は、本発明の実施の形態2に従うヒューズリードモードを説明する概念図である。本例においてはプログラムユニットPMUにプログラムデータ「0」が予め接続部CHaおよびCHbを用いて記憶されている場合のデータ読出について説明する。
【0172】
図25のタイミングチャートを用いてヒューズリードモード時の動作について説明する。
【0173】
図24および25を参照して、時刻T0において電源電圧Vccが投入される。この時点においては、電源電圧Vccは、所定の閾値電圧レベル以下であり、制御信号PORは、「L」レベルに設定されている。したがって、イコライズ回路120は、制御信号POR(「L」レベル)に応答してノードN0とノードN1とを電気的に接続し、ラッチ回路100の出力ノードをイコライズしている。また、イコライズ回路130は、制御信号POR(「L」レベル)に応答してノードN3とノードN4とをイコライズするために電気的に接続している。また、ラッチ回路100は、制御信号WE(「L」レベル)に応答して活性化され、電源電圧VccがノードN2に供給され、ノードN0およびノードN1に充電が開始される。また、制御信号CSWaは、初期状態である「L」レベルであり、制御信号CSWaに応答して、ソース電圧供給ノードN8には接地電圧GNDが供給される。
【0174】
次に、電源投入後時刻T1において、電源電圧Vccは所定の閾値電圧レベルに達し、制御信号PORは、「L」レベルから「H」レベルに遷移する。これに応答してイコライズ回路120および130のイコライズが終了する。また、同様のタイミングにおいて、書込/読出制御ユニット140は、制御信号DA,/DAを共に「H」レベルに設定する。
【0175】
これに伴い、アクセストランジスタFTRaおよびFTRbがオンし、接続部CHaおよびCHbがそれぞれ接地電圧GNDと電気的に結合される。すなわち、ラッチ回路100から接続部CHaおよびCHbが有する電気抵抗に応じた電流が供給される。
【0176】
時刻T2において、ノードN0およびN1に対して接続部CHaおよびCHbを通過する電流差に応じた電位差が生じるようになる。この電位差がラッチ回路100によりさらに増幅されて出力ノードN0の電圧レベルは「H」レベルに設定され、出力ノードN1の電圧レベルは「L」レベルに設定される。
【0177】
次に、出力ノードN0およびN1の電圧レベルが十分に安定した時刻T3において、制御信号POR#に基づいてゲートトランジスタTRGaおよびTRGbをオンし、データ信号PO,/POがプログラムデータとして出力される。これにより、プログラムユニットPMUに記憶されたプログラムデータ「0」を読出すことができる。本ヒューズリードモードにおいては、電流差すなわち電位差は、上述したように接続部CHbの電気抵抗に依存するためトンネル磁気抵抗素子の電気抵抗値を考慮する必要は無い。
【0178】
図26は、接続部CHa,CHbに格納されたプログラムデータ「1」をヒューズリードモードについて説明する概念図である。
【0179】
図26を参照して、本発明の実施の形態2に従うヒューズリードモードは、図25で示したのと同様の方式に従って接続部CHaおよびCHbの電気抵抗に応じた電位差がノードN0およびノードN1に生成される。すなわち本例においてはノードN0およびノードN1のそれぞれは「L」レベルおよび「H」レベルに設定される。すなわち、データ信号PO,/POがそれぞれ「L」レベルおよび「H」レベルとして出力される。その他は図25で説明したのと同様の読出動作が実行されるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0180】
上記の構成に従い、電源投入時に自動的に記憶したプログラムデータが復号されるプログラムユニットPMUを構成することができる。したがって、プログラムデータのデータ読出動作に掛かる時間を短縮し、プログラム情報に基づく動作を高速に実行することができる。
【0181】
プログラムユニットPMUをプログラムセルユニットPMCUa,PMCUbで構成することにより種々のデータ書込により複数のプログラムデータを記憶することができる。具体的には、MTJライトモードやヒューズブローモードを用いて1つのメモリセルPMCに対して2ビットのプログラムデータを記憶することができる。
【0182】
したがって、出荷前においてメモリセルPMCに対して不良アドレス等のプログラム情報を記憶させた場合であって、出荷後にさらに不良アドレス等のプログラム情報を記憶させる必要が生じた場合においても本実施の形態に従うプログラム素子を用いることにより容易に対応することが可能である。また、トンネル磁気抵抗素子TMRa等のプログラムデータが破壊された場合には、接続部CHa等を用いることにより再度プログラムデータを回復させることができる。
【0183】
また、プログラムユニットPMUは、相補のプログラムデータをプログラムセルユニットPMCUaおよびPMCUbにそれぞれ書込むため安定的なデータ読出を実行することができる。
【0184】
また、トンネル磁気記憶部と同様のプログラムデータを、固定的に状態を変化させる接続部に書込むことにより、磁気ノイズ等によってトンネル磁気記憶部のプログラムデータが消失してしまった場合の救済を図ることが可能である。
【0185】
なお、上記においては、プログラムセルユニットPMCUa(PMCUb)に接続部CHa(CHb)と電流経路を選択的に生成するためのアクセストランジスタFTRa(FTRb)を1つ設ける構成について説明したが、複数の接続部CHa(CHb)と、それに対応して設けられる複数のアクセストランジスタFTRa(FTRb)を設けることにより、2ビット以上のプログラムデータを1つのプログラムユニットPMUに対して記憶することも可能である。
【0186】
また、本実施の形態2においては、1つのプログラムユニットPMUで構成されるプログラム回路について説明したが、複数のプログラムユニットPMUでプログラム回路を構成することも可能である。
【0187】
また、本実施の形態2においては、ラッチ回路100において、トンネル磁気抵抗素子TMRb側のノードN3およびトンネル磁気抵抗素子TMRa側のノードN4と、ラッチ回路100とを電気的に直接結合させる構成について上記において説明したがこれに限られず他の構成にしたがって、プログラムセルユニットPMCUaおよびPMCUbに記憶されたプログラムデータをラッチ回路100においてラッチすることも可能である。具体的には、ラッチ回路100のトランジスタ102とノードN3およびラッチ回路100のトランジスタ104とノードN4との間にそれぞれ選択的に活性化されるトランジスタを設けた構成とし、当該トランジスタを制御することによりプログラムセルユニットPMCUaおよびPMCUbのプログラムデータをラッチすることも可能である。
【0188】
さらに、本例は、1つのプログラムユニットPMUに対して2ビット以上のプログラムセルユニットが複数個配置された構成である。これに伴い、各々のプログラムセルユニットは、個々独立のデータを記憶することが可能である。このプログラムセルユニットに対して、選択的に制御信号(DA,/DA、RWE)を入力することにより、制御信号に応じた記憶したプログラムデータを独立に読出すことが可能である。したがって、効率的にプログラムデータを活用することが可能である。
【0189】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3においては、実施の形態2で説明したプログラムユニットPMUをFPGA(Field Programmable Gate Array)に従うシステムへ適用する場合について説明する。FPGAとは、予め作り込まれた内部回路に対して後から外部からのデータ等を与えることにより所定の動作を実現するように変更することができる半導体装置である。一般的に、この動作変更に用いられるプログラム情報が内部回路内の所定領域に記憶されている。
【0190】
図27は、アレイ状に配列された複数の回路ブロックを含むFPGAの概念図である。
【0191】
図27を参照して、本発明の実施の形態3に従うFPGAは、行列状に配置された複数の回路ブロックBKを含み、これらのブロック間には配線領域が設けられている。また、配線領域には行方向に複数の水平配線群XGと、列方向に複数の垂直配線群YGとが設けられている。
【0192】
回路ブロックBKの各々は、隣接する垂直配線群YGからのデータ信号の入力を受ける入力インターフェイス部IFと、隣接する水平配線群XGに回路ブロックの動作によって得られた出力結果を出力する出力インターフェイス部OFとを含む。また、回路ブロックBKと配線領域とを電気的に接続するためのスイッチ部CONが設けられている。このスイッチ部CONの接続によって各回路ブロック間BKの接続関係が決定される。
【0193】
図28は、スイッチ部の構成を示す概念図である。
図28を参照して、スイッチ部CONは、行列上に配置された複数のトランジスタPTRと、複数のトランジスタにそれぞれ対応して設けられた複数のプログラムユニットPMUとを含む。ブロック間に設けられた配線領域には垂直配線および水平配線がそれぞれ設けられ、トランジスタのターンオンに応答して水平配線からの信号が選択的に垂直配線に伝達される。この水平配線から垂直配線への信号経路の切換を実行するトランジスタPTRの接続制御に実施の形態2で説明したプログラムユニットを用いる。
【0194】
これに伴い、上記の実施の形態2で説明したように、電源投入時には制御信号PORに応答して予め格納されたプログラムデータに基づいて自動的に初期状態の接続設定状態にすることが可能である。すなわち、途中でプログラムがハングアップした場合等において、システムをリセットする制御信号PORを用いることによって基本動作のプログラムデータを復号させる。これに伴い、初期状態に再設定することが可能となり、システムのフェールセーフと安定性の向上を図ることができる。
【0195】
また、プログラムユニットPMUのトンネル磁気抵抗素子TMRa等をFPGAのシステム変更用のプログラム素子として用いることにより無限回のシステムの機能切換の接続制御が可能である。
【0196】
また、本例は、1つのプログラムユニットPMUに対して2ビット以上のプログラムセルユニットが複数個配置された構成である。これに伴い、各々のプログラムセルユニットは、個々独立のデータを記憶することが可能である。このプログラムセルユニットに対して、選択的に制御信号(DA,/DA、RWE)を入力することにより、制御信号に応答した記憶したプログラムデータを独立に読出すことが可能である。したがって、効率的にプログラムデータを用いるすなわち、その読出されたプログラムデータに基づいて自由にシステムを設計変更することができる。なお、このプログラムデータの読出に関しては一度、ラッチ回路のノードN0,N1を短絡後、プログラムセルユニットに対して制御信号を入力することにより実施の形態2で説明した種々のデータ読出を実行することができる。これに伴い、高速なデータ読出を実現することが可能となり、システムの設計変更を高速に実行することができる。
【0197】
なお、本発明の実施の形態3に従うプログラムユニットの種々のデータ書込等については、図示しないシステム全体を管理制御するコントロール回路から実施の形態2で説明したのと同様の制御信号等およびプログラムデータPDINが各プログラムユニットに与えられ、実施の形態2で説明した種々のデータ書込の方式にしたがって実行されるものとする。
【0198】
また、実施の形態2で説明したようなMTJライトモード等を実行することにより別のプログラムデータに基づく再設定にしたがって、接続制御の切換が可能であり、自由なシステム設計を実行することができる。
【0199】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0200】
【発明の効果】
本発明の薄膜磁性体記憶装置は、プログラムセルおよびメモリセルの各々が磁気記憶部を含み、プログラムセルは、さらに状態変化部を含む。したがって、プログラムセルは、メモリセルと同様の構造にさらに状態変化部を付加した構成である。すなわち磁気記憶部等についてはメモリセルと同様の設計が可能であり、効率的なプログラムセルを設けることができる。
【0201】
また、本発明の薄膜磁性体記憶装置は、データ読出時に状態変化部を互いに直列に接続してデータ読出電流を通過させるアクセス素子を含む。これにより、各状態変化部の電気抵抗に対応する各プログラムデータを一度に読出すことが可能であり、データ読出の時間を短縮することができる。
【0202】
さらに、本発明の薄膜磁性体記憶装置は、プログラムユニットにおいて、各々がアクセス指示および印加磁界のいずれか一方に応答して電気抵抗が変化する複数の状態変化部を含む。これによりプログラムユニットは、複数ビットのプログラムデータを記憶することができ効率的なデータ記憶を実行することができる。
【0203】
さらに、本発明の薄膜磁性体記憶装置は、プログラムユニットにおいて、互いに電気抵抗が異なる第1および第2のプログラムセルを有する。これに伴い、第1および第2のプログラムセルの電気抵抗の比較に基づいてプログラムデータを読出すことが可能であり、安定的なデータ読出を実行することができる。
【0204】
さらに、本発明の薄膜磁性体記憶装置は、少なくとも1個のプログラムセルを含み、プログラムセルは、磁気記憶部と状態変化部とを有する。また、磁気記憶部および状態変化部の少なくとも一方に基づいて出力されるプログラム信号を増幅する増幅回路をさらに設ける。これに伴い、プログラムユニットから増幅されたプログラム信号を出力することができるため安定的なプログラムデータを読み出すことができる。
【0205】
さらに、本発明の薄膜磁性体記憶装置は、複数の回路ブロック間の信号伝送経路を複数のスイッチ部が設定し、スイッチ制御部は、対応するスイッチ部を制御する。また、スイッチ制御部は、不揮発的な電気抵抗を有する第1および第2のプログラムセルで構成される。これに従い、不揮発的な電気抵抗に基づくデータ信号によりスイッチ部を制御することができるため効率的なスイッチ制御を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に従うMRAMデバイス1の全体構成を示す概略ブロック図である。
【図2】磁気トンネル接合部を有するMTJメモリセルMCの構成を示す概略図である。
【図3】メモリセルMCに対するデータ書込動作を説明する概念図である。
【図4】データ書込時におけるデータ書込電流とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関連を示す概念図である。
【図5】メモリセルMCからのデータ読出動作を説明する概念図である。
【図6】半導体基板上に形成されたメモリアレイ10に含まれるメモリセルMCの断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に従うプログラム回路40の概念図である。
【図8】本発明の実施の形態1に従うプログラム情報を記憶するメモリセルPMCを詳細に示す回路構成図である。
【図9】半導体基板上に形成されたメモリアレイ10#に含まれるメモリセルPMCの断面図である。
【図10】本発明の実施の形態1に従うメモリアレイ10♯およびその周辺領域の回路構成図である。
【図11】本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してMTJライトモードを実行する場合の概念図である。
【図12】本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してMTJリードモードを実行する場合の概念図である。
【図13】本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してヒューズブローモードを実行する場合の概念図である。
【図14】本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してヒューズリードモードを実行する場合の概念図である。
【図15】本発明の実施の形態1に従うメモリセルPMCに対してMTJブローモードを実行した場合の概念図である。
【図16】本発明の実施の形態2に従うプログラム素子を構成するプログラムユニットPMUの回路構成図である。
【図17】トンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbを用いてプログラムデータのデータ書込を実行する場合の概念図である。
【図18】トンネル磁気抵抗素子TMRaおよびTMRbを用いてMTJライトモードを実行する場合の概念図である。
【図19】本発明の実施の形態2に従うMTJリードモードを説明する概念図である。
【図20】MTJリードモード時の動作について説明するタイミングチャート図である。
【図21】プログラムユニットPMUにプログラム「1」が記憶されている場合のMTJリードモードを説明する概念図である。
【図22】本発明の実施の形態2に従うヒューズブローモードを説明する概念図である。
【図23】プログラムデータ「1」を接続部CHa,CHbを用いて書込む場合のヒューズブローモードについて説明する概念図である。
【図24】本発明の実施の形態2に従うヒューズリードモードを説明する概念図である。
【図25】ヒューズリードモード時の動作について説明するタイミングチャート図である。
【図26】接続部CHa,CHbに格納されたプログラムデータ「1」をヒューズリードモードについて説明する概念図である。
【図27】アレイ状に配列された複数の回路ブロックを含むFPGAの概念図である。
【図28】スイッチ部の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
1 MRAMデバイス、5 コントロール回路、5# サブコントロール回路、10,10# メモリアレイ、20,20# 行デコーダ、25,25# 列デコーダ、30,30#,35,35# 読出/書込制御回路、40 プログラム回路、45 冗長制御回路。
Claims (19)
- 各々が磁気的にデータ記憶を実行する複数のメモリセルと、
前記複数のメモリセルに対して用いられるプログラム情報を記憶するためのプログラムセルを備え、
前記プログラムセルおよび各前記メモリセルの各々は、データ書込電流に応じた磁化方向によって異なる電気抵抗値を有する磁気記憶部を含み、
前記プログラムセルは、外部からのアクセス指示に応答して第1の状態から第2の状態の電気抵抗値に固定的に変化する状態変化部をさらに含む、薄膜磁性体記憶装置。 - 前記プログラムセルは、
前記磁気記憶部と固定電圧との間の電気的な接続を制御する第1のアクセス素子と、
前記状態変化部と所定電圧との間の電気的な接続を制御する第2のアクセス素子と、
前記第1および第2のアクセス素子と前記磁気記憶部とを電気的に結合する導体配線とを含み、
前記導体配線の第1の領域は、前記第1のアクセス素子と前記磁気記憶部とを電気的に結合し、
前記導体配線の第2の領域は、前記第1のアクセス素子と第2のアクセス素子とを電気的に結合し、
前記導体配線の第2の領域は、前記状態変化部を構成する、請求項1記載の薄膜磁性体記憶装置。 - 前記第2のアクセス素子は、外部からの前記アクセス指示に応答して前記所定電圧と前記固定電圧との間の前記状態記憶部の電気的な接続を制御する、請求項2記載の薄膜磁性体記憶装置。
- 前記プログラムセルは、前記磁気記憶部および前記状態変化部の接続ノードと固定電圧との間に設けられるアクセス素子をさらに含む、請求項1記載の薄膜磁性体記憶装置。
- 複数個の前記プログラムセルをさらに備え、
前記複数個のプログラムセルは、行列状に配置され、
前記薄膜磁性体記憶装置は、
列にそれぞれ対応して設けられた複数のビット線と、
前記複数のビット線にそれぞれ対応して設けられ、各々が書込データに応じて対応するビット線にデータ書込電流を供給する複数の書込ドライバと、
データ書込時に、前記複数の書込ドライバのうちの少なくとも2つに対して前記書込データをそれぞれ並列に出力する制御回路とをさらに備える、請求項1記載の薄膜磁性体記憶装置。 - 各々が磁気的にデータ記憶を実行する複数のメモリセルと、
前記複数のメモリセルに対して用いられるプログラム情報を記憶するプログラムセルとを備え、
前記プログラムセルは、
外部からのアクセス指示および印加磁界のいずれか一方にそれぞれ応答して電気抵抗が変化する複数の状態変化部と、
データ読出時にデータ読出電流が供給されるノードに対して各前記状態変化部を互いに直列に接続するアクセス素子とを含む、薄膜磁性体記憶装置。 - 各前記メモリセルは、磁化方向によって電気抵抗が変化する磁気記憶部を含み、
前記複数の状態変化部の少なくとも1つは、前記磁気記憶部で構成される、請求項6記載の薄膜磁性体記憶装置。 - 各々が磁気的にデータ記憶を実行する複数のメモリセルと、
前記複数のメモリセルに対して用いられるプログラム情報を記憶するプログラムセルとを備え、
前記プログラムセルは、
外部からのアクセス指示および印加磁界のいずれか一方にそれぞれ応答して電気抵抗が変化する複数の状態変化部と、
各前記状態変化部に対応して設けられ固定電圧と所定電圧との間の電気的な接続を制御するアクセス素子とを含み、
前記複数の状態変化部は、前記プログラム情報を構成する複数のプログラムデータにそれぞれ対応して設けられ、
前記複数の状態変化部のそれぞれは互いに異なる電気抵抗値に設定される、薄膜磁性体記憶装置。 - 前記複数の状態変化部は、複数ビットの前記プログラム情報を記憶する、請求項8記載の薄膜磁性体記憶装置。
- 前記複数の状態変化部のうちのいずれか1つは、前記印加磁界に応じて可逆的に状態が変化する特性を有する、請求項8記載の薄膜磁性体記憶装置。
- 各々が磁気的にデータ記憶を実行する複数のメモリセルと、
前記複数のメモリセルに対して用いられるプログラム情報を構成する第1および第2のプログラムデータを記憶するプログラムユニットとを備え、
前記プログラムユニットは、
各々が、互いに異なる電気抵抗を有する第1および第2のプログラムセルを含み、
前記第1および第2のプログラムセルの各々は、
データ書込電流に応じた磁化方向によって異なる電気抵抗値を有する磁気記憶部と、
外部からのアクセス指示に応答して第1の状態から第2の状態の電気抵抗値に固定的に変化する状態変化部とを有する、薄膜磁性体記憶装置。 - 前記第1および第2のプログラムセルの前記磁気記憶部の各々は、前記第1のプログラムデータに応じて互いに異なる方向の前記データ書込電流が供給される、請求項11記載の薄膜磁性体記憶装置。
- 前記第1および第2のプログラムセルの前記状態変化部のいずれか一方の電気抵抗値は、前記第2のプログラムデータに応じて前記第1の状態から前記第2の状態の電気抵抗値に変化する、請求項11記載の薄膜磁性体記憶装置。
- 前記第1および第2のプログラムセルは、データ読出において、各々が有する前記磁気記憶部および前記状態変化部の少なくとも一方の電気抵抗に応じた第1および第2のプログラム信号をそれぞれ出力し、
前記プログラムユニットは、前記第1および第2のプログラムセルに対応して設けられ、前記第1および第2のプログラム信号を保持するデータラッチ回路をさらに含み、
前記データ読出は、前記薄膜磁性体記憶装置の電源起動時に応答して実行され、
前記データラッチ回路は、前記電源が起動されてから遮断されるまでの期間前記第1および第2のプログラム信号を保持する、請求項11記載の薄膜磁性体記憶装置。 - 各々が磁気的にデータ記憶を実行する複数のメモリセルと、
前記複数のメモリセルに対して用いられるプログラム情報を記憶するプログラムユニットとを備え、
前記プログラムユニットは、
少なくとも1個のプログラムセルを含み、
各前記プログラムセルは、
データ書込電流に応じた磁化方向によって異なる電気抵抗値を有する磁気記憶部と、
外部からのアクセス指示に応答して第1の状態から第2の状態の電気抵抗値に固定的に変化する状態変化部とを有し、
各前記プログラムセルに対応して共通に設けられ、データ読出時に選択的に前記プログラムセルの前記磁気記憶部および前記状態変化部の少なくとも一方に基づいて出力されるプログラム信号を増幅する増幅回路をさらに含む、薄膜磁性体記憶装置。 - 複数の回路ブロック間の信号伝送経路を設定する複数のスイッチ部と、
前記複数のスイッチ部にそれぞれ対応して設けられ、対応するスイッチ部を制御する複数のスイッチ制御部とを備え、
前記スイッチ制御部は、各々が、不揮発的な電気抵抗を有する第1および第2のプログラムセルを含み、
前記スイッチ制御部は、前記第1および第2のプログラムセルの電気抵抗に基づくデータ信号により対応するスイッチ部を制御する、薄膜磁性体記憶装置。 - 前記第1および第2のプログラムセルに対応して設けられ、データ読出時に前記第1および第2のプログラムセルの電気抵抗にそれぞれ対応して生成される第1および第2のプログラム信号を保持するためのデータラッチ回路をさらに備える、請求項16記載の薄膜磁性体記憶装置。
- 前記第1および第2のプログラムセルの各々は、
データ書込電流に応じた磁化方向によって異なる電気抵抗値を有する磁気記憶部と、
外部からのアクセス指示に応答して第1の状態から第2の状態の電気抵抗値に固定的に変化する状態変化部とを有する、請求項16記載の薄膜磁性体記憶装置。 - 前記複数のスイッチ部は、設計変更が可能なゲートアレイ(FPGA)の前記信号伝送経路を設定する、請求項16記載の薄膜磁性体記憶装置。
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