JP2004094348A - 本人性確認方法,本人性確認システム,情報埋込装置,及び,情報検証装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本人の確認に必要な情報を他の目的に転用されないよう,書類の中に秘匿しながら提供することの可能な,本人性確認方法,本人性確認システム,情報埋込装置,及び,情報検証装置を提供する。
【解決手段】情報の埋め込み時には,書類の記載内容である書類データを画像化し,本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,画像化された書類データと統合した統合データを生成し,統合データを紙面に印刷する。書類の記載内容の検証時には,印刷された紙面を読み込み,統合データから登録データを抽出し,登録データを用いて書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する。電子署名や印鑑証明書などの別書類の添付は不要であり,本人確認に用いるデータを秘匿しながら提供するので目的外への転用を防ぐことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】情報の埋め込み時には,書類の記載内容である書類データを画像化し,本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,画像化された書類データと統合した統合データを生成し,統合データを紙面に印刷する。書類の記載内容の検証時には,印刷された紙面を読み込み,統合データから登録データを抽出し,登録データを用いて書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する。電子署名や印鑑証明書などの別書類の添付は不要であり,本人確認に用いるデータを秘匿しながら提供するので目的外への転用を防ぐことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,例えば金銭貸借の契約書などの書類(紙面または画像データ)への記載内容が,その当事者本人によるものであることを確認するための本人性確認方法,本人性確認システム,及びその関連技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年,ネットワークの普及により,電子決済や電子商取引,公共機関への電子申請などさまざまな行為がネットワーク上で行えるようになってきた。しかし金銭貸借の契約など重要な行為については,他人へのなりすましによる犯罪を防止するために当事者本人が記載内容を承認したことを確認する必要がある。このような書類等への記載内容に関する本人性の確認については,電子データに対しては電子署名を利用しており,従来の書類による手続きの場合は印鑑登録を行った本人の印鑑(実印)を用いて押印することにより行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし,電子署名を利用する場合は電子署名の添付が必要であるが,元のデータとは別で扱われる可能性もあるため,対応付けが必要であった。また,実印の確認のためには印鑑証明書の添付が必要であり,印鑑証明書にある実印の印影から実印を偽造されてしまうかも知れないという危険性や,提出した印鑑証明害が偽造実印と共に別の目的で利用されるかも知れないという危険性があった。さらに印鑑照合以外の本人確認手段を用いることができないといった問題もあった。
【0004】
本発明は,従来の本人性確認方法が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,本人の確認に必要な情報を他の目的に転用されないよう,書類の中に秘匿しながら提供することの可能な,新規かつ改良された本人性確認方法,本人性確認システム,情報埋込装置,及び,情報検証装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため,本発明の第1の観点によれば,書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込み,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する本人性確認方法が提供される。前記情報の埋め込み時には,書類の記載内容である書類データを画像化し,本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと統合した統合データを生成することを特徴とする。前記書類の記載内容の検証時には,前記統合データから前記登録データを抽出し,前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認することを特徴とする。
【0006】
また,本発明によれば,書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込み,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する他の本人性確認方法が提供される。前記情報の埋め込み時には,書類の記載内容である書類データを画像化し,本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと統合した統合データを生成し,前記統合データを紙面に印刷する。前記書類の記載内容の検証時には,前記印刷された紙面を読み込み,前記統合データから前記登録データを抽出し,前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する。
【0007】
本発明の書類記載内容の本人性確認方法によれば,あらかじめ本人確認に必要な情報を登録しておき,書類の画像データ生成時または印刷時に登録データを加え,確認時は画像データまたは書類から抽出した登録データと,画像データまたは書類に記載された内容あるいは本人から直接得たデータとを照合させて本人性を確認する。本発明はこのような方法によって書類記載内容の本人性を確認する方法であるため,電子署名や印鑑証明書などの別書類の添付は不要であり,本人確認に用いるデータを秘匿しながら提供するので目的外への転用を防ぐことができる。なおここで「書類」とは,一般に,文字で記したものの総称であり,特に事務に関する記録・文書をいうが,本明細書においては,「紙面の書類」と「電子データ化された書類」とを含めて単に書類という。
【0008】
また,上記課題を解決するため,本発明の第2の観点によれば,書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込む情報埋込装置(120)と,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する情報検証装置(130)とを含んで成る本人性確認システムが提供される。前記情報埋込装置は,書類の記載内容である書類データを画像化する書類データ画像化部(101)と,本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと統合した統合データを生成する統合データ生成部(103)とを備えたことを特徴とする。前記情報検証装置は,前記統合データから前記登録データを抽出する登録データ抽出部(107)と,前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する本人確認部(108)とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また,本発明によれば,書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込む情報埋込装置(120)と,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する情報検証装置(130)とを含んで成る他の本人性確認システムが提供される。前記情報埋込装置は,書類の記載内容である書類データを画像化する書類データ画像化部(101)と,本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと統合した統合データを生成する統合データ生成部(103)と,前記統合データを紙面に印刷する印刷部(104)とを備えたことを特徴とする。前記情報検証装置は,前記印刷された紙面を読み込む紙面読込部(106)と,前記統合データから前記登録データを抽出する登録データ抽出部(107)と,前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する本人確認部(108)とを備えたことを特徴とする。
【0010】
かかるシステムによれば,上記優れた効果を有する書類記載内容の本人性確認方法を容易に実現することができるので,電子署名や印鑑証明書などの別書類の添付は不要であり,本人確認に用いるデータを秘匿しながら提供するので目的外への転用を防ぐことができる。
【0011】
また,前記情報埋込装置に,前記登録データを暗号化する登録データ暗号化部(610)を備え,前記情報検証装置に,前記暗号化された登録データを復号化する登録データ復号化部(611)を備えるようにすれば,登録データを暗号化したものを代用表現として利用することができる。これにより,代用表現の方法が漏洩した場合でも第三者による書類ねつ造を防止することが可能となる。
【0012】
前記情報検証装置に,前記本人確認部による確認結果を表示する画面表示部(109)を備えるようにすれば,情報検証結果を容易に確認することができる。
【0013】
前記代用表現は,例えば,バーコード,二次元バーコード,またはグリフコードで表してもよい。ただし,バーコードなどを用いて代用表現を作成した場合,第三者が視覚的にその情報を読み取ることはできないが,そこに何らかの情報が存在することが知られてしまう。そこで,第三者が印刷する情報を読み取ることができないのみならず,代用表現の存在自体を第三者が知ることのできない方法により代用表現を作成することがより好ましい。このような方法としては,電子透かし技術を用いて代用表現を作成する方法がある。
【0014】
また,前記本人確認部は,前記登録データ抽出部が抽出した登録データと,前記書類に記載されているデータとを照合するようにしてもよい。ここで「書類に記載されているデータ」とは,書類の記載内容とは別に,書類の記載本人が本人性確認のために書類に付与したデータである。このようなデータと照合される登録データとしては,例えば,次のうち少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0015】
・前記記載本人のみが所有する物の情報
例えば,前記記載本人のみが所有する印鑑の印影パターン。
・前記記載本人の記憶にある情報
例えば,本人の生年月日,出身地,血液型,住所,自宅の電話番号,暗証番号,またはパスワード。
・前記記載本人の行動特徴の情報
例えば,本人のサインや筆跡に見られる特徴に関する情報。
【0016】
また,前記本人確認部は,前記登録データ抽出部が抽出した登録データと,前記記載本人から直接得たデータとを照合するようにしてもよい。ここで「記載本人から直接得たデータ」とは,本人性を確認する場所に本人がいる場合に本人から直接採取されるデータをいう。このようなデータと照合される登録データとしては,例えば,次のうち少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0017】
・前記記載本人の外見に関する情報
例えば,顔写真または顔パターンに関する情報。
・前記記載本人の身体特徴の情報
例えば,本人の指紋,虹彩,網膜,掌形,血管,足形,耳型。
・前記記載本人の行動特徴の情報
例えば,本人の声紋やイントネーションに見られる発話特徴に関する情報。
登録データとして上記データを採用することにより,本人性を確認する場所に本人がいる場合に,書類に本人が記入をしなくても本人から直接データを採取することで,より確実な本人性の確認ができる。
【0018】
前記統合データ生成部が,前記情報埋込装置と前記情報検出装置で共有する秘密情報を前記書類データに統合するようにすれば,登録データが埋め込まれた書類が第三者の手に渡った場合でも,秘密情報を知られない限り,第三者による書類の不正使用を回避することができる。ここで,前記秘密情報は,例えば,前記情報埋込装置と前記情報検出装置との間で事前に配布したパスワードであってもよく,また,前記情報埋込装置と前記情報検出装置との間で事前に決定した,前記書類の特定の記載内容であってもよい。
【0019】
また,上記課題を解決するため,本発明の第3の観点によれば,書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込む情報埋込装置において,書類の記載内容である書類データを画像化する書類データ画像化部と,本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと統合した統合データを生成する統合データ生成部とを備えたことを特徴とする情報埋込装置が提供される。
【0020】
また,本発明によれば,書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込む情報埋込装置において,書類の記載内容である書類データを画像化する書類データ画像化部と,本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと統合した統合データを生成する統合データ生成部と,前記統合データを紙面に印刷する印刷部とを備えたことを特徴とする情報埋込装置が提供される。
【0021】
かかる情報埋込装置では,前記登録データを暗号化する登録データ暗号化部を備えることができる。また,前記代用表現は,バーコード,二次元バーコード,またはグリフコードで表される。このようにして,上記本発明の第2の観点にかかる本人性確認システムに好適な情報埋込装置が提供される。
【0022】
また,上記課題を解決するため,本発明の第4の観点によれば,本人性の確認に用いる情報である登録データが,第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換されて埋め込まれた書類から,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する情報検証装置において,前記書類から前記登録データを抽出する登録データ抽出部と,前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する本人確認部とを備えたことを特徴とする情報検証装置が提供される。
【0023】
また,本発明によれば,本人性の確認に用いる情報である登録データが,第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換されて埋め込まれた書類から,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する情報検証装置において,前記書類を読み込む紙面読込部と,前記書類から前記登録データを抽出する登録データ抽出部と,前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する本人確認部とを備えたことを特徴とする情報検証装置が提供される。
【0024】
かかる情報検証装置では,前記登録データが暗号化されている場合に,その登録データを復号化する登録データ復号化部を備えることができる。また,前記本人確認部は,バイオメトリクス認証,すなわち,身体の一部である虹彩,網膜,掌形,血管,足形,耳型などのパターンを識別することによる認証を行うことも可能である。このようにして,上記本発明の第2の観点にかかる本人性確認システムに好適な情報検証装置が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかる本人性確認方法,本人性確認システム,及びその関連技術の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0026】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態にかかる書類記載内容の本人性確認システム(以下,単に本人性確認システムという。)について,図1〜図5を参照しながら説明する。図1は,本人性確認システム100の構成を示す説明図である。本人性確認システム100は,図1に示したように,印刷装置120と読込装置130を含んで構成されている。
【0027】
(印刷装置120)
印刷装置120(本発明の情報埋込装置)は,書類データ画像化部101と,登録データベース102と,印刷データ生成部103と,印刷部104を含んで構成されている。書類データ画像化部101は書類として記載する内容(書類データ)を受け取り,画像データに変換する部分である。これは例えば書類データとして提供されるファイルの印刷イメージを画像として画面に描画するプレビューソフトなどが相当する。登録データベース102は記載内容の当事者本人を確認するために用いる情報が登録されたデータベースであり,ここでは当事者本人が保有する印鑑の印影パターンが登録されているものとする。印刷データ生成部103(本発明の統合データ生成部)は画像化した書類データに登録データをバーコードなどの代用表現で埋め込み,印刷データとして生成する部分である。印刷部104は印刷データを印刷する部分である。
【0028】
本人記入部105は当事者本人が書類に記載する部分であり,ここでは本人が保有する印鑑を書類に押印するものとする。印刷部104で印刷され記載本人により押印された書類は,読込装置130に渡される。読込装置130が印刷装置120に対して遠隔の場所にある場合には,本人が持参することにより,あるいは配送などにより,書類のやりとりが可能となっている。
【0029】
(読込装置130)
読込装置130(本発明の情報検証装置)は,紙面読込部106と,本人確認データ抽出部107と,本人確認部108と,画面表示部109を含んで構成されている。紙面読込部106は印刷部104で印刷された書類を読み込む部分であり,例えばスキャナである。本人確認データ抽出部107は紙面に代用表現によって印刷されている登録データを抽出する部分である。本人確認部108は抽出された登録データを用いて書類記載内容の本人性を確認する部分である。ここでは登録データとして印影を用いているため,紙面に押印された印影パターンと登録データの印影パターンとを照合する。画面表示部109は本人確認の結果を表示する部分であり,例えばCRTやTFTなどのモニタである。その他にも,例えばパネル表示部や表示ランプなどであってもよい。
【0030】
本実施の形態にかかる本人性確認システム100は以上のように構成されている。次いで,本人性確認システム100の動作を,図2を参照しながら説明する。はじめに書類印刷時の動作(ステップS201〜S206)について説明する。
【0031】
まずステップS201において,書類データ画像化部101に書類データを入力する。そしてステップS202において書類データの画像化を行う。これは例えば書類の印刷イメージを作成するプレビューソフトを用いることにより行うことができる。画像化した書類データの例を図3に示す。
【0032】
次にステップS203において,印刷データ生成部103にて書類記載内容の当事者本人を確認するための登録データ(本実施の形態では,印影パターンとする)を登録データベース102より入手する。本人の印鑑の印影パターンは事前に登録データベース102に登録されている必要がある。
【0033】
そしてステップS204において印影パターンの代用表現を作成する。代用表現の作成方法としては様々な方法や手段が利用できるが,印刷する情報を第三者が読み取ることのできない表現であればどのようなものであってもよい。例えば,バーコードを用いて代用表現を作成してもよい。ただし,バーコードを用いて代用表現を作成した場合,第三者が視覚的にその情報を読み取ることはできないが,そこに何らかの情報が存在することが知られてしまう。そこで,第三者が印刷する情報を読み取ることができないのみならず,代用表現の存在自体を第三者が知ることのできない方法により代用表現を作成することがより好ましい。このような方法としては,電子透かし技術を用いて代用表現を作成する方法がある。
【0034】
電子透かし技術を用いて文書に機密情報を埋め込む技術としては,例えば文献(特願2001−217758「透かし情報埋め込み装置,及び,透かし情報検出装置」,特願2002−177086号「透かし情報埋め込み装置,及び,透かし情報検出装置」)に示されたものがある。この文献に示された透かし画像埋め込み装置は,ドットの配列によって波の方向及び/又は波長を変化させたドットパターンを複数用意し,1つのドットパターンに対して1つのシンボルを与え,ドットパターンを組み合わせて配置することにより,文書に機密情報を与えるものである。本実施の形態では,この文献に示された透かし情報埋め込み装置を用いることができ,同装置が印刷データから作成する透かし画像を代用表現として利用することができる。この他にも,文献(加納,岩切,松井,「ベクトルパターンを用いたセキュアプリント技術」,電子情報通信学会暗号と情報セキュリティシンポジウム講演予稿集,2002)に示された技術を用いることもできる。
【0035】
電子透かし技術を用いて代用表現を作成する方法によれば,代用表現が紙面全体へ地紋のように印刷され,切り抜きや貼り付けの細工が難しいため,本人を確認するためのデータの代用表現として好適である。
【0036】
そしてステップS205において画像を統合し印刷データを生成する。画像の統合にはステップS202の画像化によって得た画像データの各画素のうち,代用表現で黒画素であるものと同じ位置にあるものを黒画素とすることによって行うことができる。この印刷データをステップS206において印刷部104により印刷する。前記透かし画像を代用表現として利用した場合に印刷される紙面の例を図4に示す。
【0037】
次にステップS207において本人記入を行う。ここでは印刷内容を本人が承認し,所定の位置に捺印を行う。捺印に使用する印鑑は事前に印影パターンが登録されているものである。紙面に捺印が行われた例を図5に示す。
【0038】
このような処理によって作成された書類の本人性確認手順(ステップS208〜S211)を以下で説明する。
【0039】
まずステップS208において,紙面読込部106を用いて対象となる書類の紙面を読み込む。そしてステップS209において登録データ抽出部107により代用表現から登録データの抽出を行う。これは前記文献に記載の透かし情報検出装置を用いることによって行うことができる。
【0040】
次にステップS210において,本人確認部108により本人確認を行う。この処理は本人確認の手段に応じたものである必要があり,ここでは印影パターンを照合することにより本人確認を行う。このため,まずステップS207の本人記入時に捺印された印影パターンを紙面より抽出する。捺印は通常朱肉や赤インクを用いて行われるため,この印影パターンの抽出は,例えば読み込んだ紙面の画像より赤い部分を抽出することによって行うことができる。そしてステップS209で抽出した登録データの印影パターンと照合する。この照合は例えばパターン間の類似度を画像処理により計測し,所定の値と比較して判断することなどによって行うことができる。そしてステップS211において,本人確認の結果を画面に表示する。
【0041】
以上説明したように,本実施の形態によれば,本人性を確認する登録データを代用手段で表現して印刷し,印刷紙面からこの情報を抽出して本人の捺印と照合することによって,書類記載内容の本人性確認ができる。このため,印鑑証明書などの書類を別途添付する必要が無く,登録データは代用表現として秘匿されており,紙面と一体化されているため目的外への転用も防ぐことができる。さらに,印鑑照合以外の本人確認手段として,紙面に記載することのできるデータ,例えば本人のサイン,暗証番号やパスワードを用いることも可能である。
【0042】
なお,本人性を確認する場所に本人がいる場合では,ステップS207における本人記入をしなくても本人から直接データを採取することで,より確実な本人性の確認ができる。この場合は書類に記載することのできる,例えば生年月日や出身地,血液型,住所,自宅の電話番号,暗証番号,パスワードなど本人の記憶にあるデータの他,例えば顔写真や顔パターンに関する情報など本人の外見に関する情報,例えばサインや筆跡に見られる特徴に関する情報や声紋やイントネーションに見られる発話特徴に関する情報など本人の行動特徴の情報,例えば指紋,虹彩,網膜,掌形,血管,足形,耳型など本人の身体的特徴の情報を本人確認手段として用いることも可能である。
【0043】
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では登録データを代用表現に直接変換して利用していたが,この場合代用表現の生成方法や代用表現からのデータの抽出方法が漏洩することにより,第三者が不正に登録データの入手や代用表現のねつ造ができ,偽造文書を作成することができる可能性がある。これに対し,以下に説明する第2の実施の形態は,第1の実施の形態に対しさらに暗号化機能を付加し,暗号化した登録データを代用表現に変換するようにしたものである。なお,暗号及び復号には一般に知られた共通鍵暗号,公開鍵暗号などを適用することができる。
【0044】
第2の実施の形態にかかる書類記載内容の本人性確認システム(以下,単に本人性確認システムという。)について,図6〜図7を参照しながら説明する。図6は,本人性確認システム600の構成を示す説明図である。本人性確認システム600は,図6に示したように,印刷装置620と読込装置630を含んで構成されている。
【0045】
(印刷装置620)
印刷装置620(本発明の情報埋込装置)は,書類データ画像化部601と,登録データベース602と,印刷データ生成部603(本発明の統合データ生成部)と,印刷部604とを含み,さらに,登録データ暗号化部610を付加して構成されている。書類データ画像化部601,登録データベース602,印刷データ生成部603,印刷部604については,図1に示した印刷装置120の書類データ画像化部101,登録データベース102,印刷データ生成部103,印刷部104と実質的に同様である。登録データ暗号化部610は登録データベースより得た登録データを暗号化する部分である。
【0046】
本人記入部605については,図1に示した本人記入部105と実質的に同様であり,ここでは本人が保有する印鑑を書類に押印するものとする。印刷部604で印刷され記載本人により押印された書類は,読込装置630に渡される。読込装置630が印刷装置620に対して遠隔の場所にある場合には,本人が持参することにより,あるいは配送などにより,書類のやりとりが可能となっている。
【0047】
(読込装置630)
読込装置630(本発明の情報検出装置)は,図6に示したように,紙面読込部606と,本人確認データ抽出部607と,本人確認部608と,画面表示部609を含み,さらに登録データ復号化部611を付加して構成されている。紙面読込部606,本人確認データ抽出部607,本人確認部608,画面表示部609については,図1に示した読込装置130の紙面読込部106,本人確認データ抽出部107,本人確認部108,画面表示部109と実質的に同様である。登録データ復号化部611は抽出された登録データの暗号を復号化して元の登録データを得る部分である。
【0048】
本実施の形態にかかる本人性確認システム600は以上のように構成されている。次いで,本人性確認システム600の動作を,図7を参照しながら説明する。はじめに書類印刷時の動作(ステップS701〜S707)について説明する。
【0049】
ステップS701からステップS703の動作については上記第1の実施の形態と同じであり,書類データの入力と画像化の処理,および当事者本人を確認するためのデータ(ここでは印影パターン)を登録データベース602より入手する。
【0050】
次にステップS704において,登録データ暗号化部610を用いて登録データの暗号化を行う。そしてステップS705において登録データの暗号に対する代用表現形成を行う。この代用表現形成には上記第1の実施の形態と同様の方法を用いることができる。
【0051】
以降,ステップS706およびステップS707の動作については上記第1の実施の形態と同じであり,画像化により得た画像データと代用表現とを統合して印刷する。そしてステップS708において上記第1の実施の形態と同様,本人による記入(捺印)が行われる。
【0052】
このような処理によって作成された書類記載内容の本人性確認手順(ステップS709〜S713)を以下で説明する。
【0053】
ステップS709およびステップS710の処理は上記第1の実施の形態と同様であり,スキャナを用いて紙面を読み込んだ後,代用表現から登録データの抽出を行う。このとき,抽出される登録データは暗号化されたものであるため,ステップS711において登録データ復号化部611を用いて登録データの復号を行う。そして得られた登録データに基づいてステップS712において本人確認を行う。
【0054】
このステップS712の本人確認処理およびステップS713の結果表示処理については上記第1の実施の形態と同様である。
【0055】
以上説明したように,本実施の形態によれば,登録データを暗号化したものを代用表現として利用することにより,代用表現の方法が漏洩した場合でも第三者による書類ねつ造を防止することが可能となる。
【0056】
(第3の実施の形態)
上記第1および第2の実施の形態は,印刷された書類記載内容の本人性を確認するものであった。これに対し,以下に説明する第3の実施の形態は,印刷データを印刷せず画像データのままで扱う場合でも画像データへの記載内容の本人性を確認できるようにしたものである。
【0057】
第3の実施の形態にかかる書類記載内容の本人性確認システム(以下,単に本人性確認システムという。)について,図8〜図9を参照しながら説明する。図8は,本人性確認システム800の構成を示す説明図である。本人性確認システム800は,図8に示したように,印刷装置820と読込装置830を含んで構成されている。
【0058】
(印刷装置820)
印刷装置820(本発明の情報埋込装置)は,図8に示したように,書類データ画像化部801と,登録データベース802と,印刷データ生成部803(本発明の統合データ生成部)と,登録データ暗号化部810を含んで構成されている。これら書類データ画像化部801,登録データベース802,印刷データ生成部803,登録データ暗号化部810については,図6に示した印刷装置620の書類データ画像化部601,登録データベース602,印刷データ生成部603,登録データ暗号化部610と実質的に同様である。すなわち,本実施の形態にかかる印刷装置820は,第2の実施の形態にかかる印刷装置620の構成に対し,印刷部604に相当する構成要素を除いたものである。なお,本実施の形態では,書類データ及び登録データを紙面に印刷することを想定していないが,説明の都合上,印刷装置820,印刷データ生成部803と称する。
【0059】
本人記入部805は当事者本人が書類に記載する部分であり,ここでは本人が保有する印鑑の印影パターンを書類(画像化された書類)に挿入するものとする。本処理には通常の描画ソフトなどを用いることができる。印刷データ生成部603で生成された書類のデータは,ネットワークを介してあるいはフロッピーディスクやICカードなどの記録媒体に記録されて読込装置630に渡される。
【0060】
(読込装置830)
読込装置830(本発明の情報検出装置)は,本人確認データ抽出部807と,本人確認部808と,画面表示部809と,登録データ復号化部811を含んで構成されている。これら本人確認データ抽出部807,本人確認部808,画面表示部809,登録データ復号化部811は,図6に示した読込装置630の本人確認データ抽出部607,本人確認部608,画面表示部609,登録データ復号化部611と実質的に同様である。すなわち,本実施の形態にかかる読込装置830は,第2の実施の形態にかかる読込装置630の構成に対し,紙面読込部606に相当する構成要素を除いたものである。なお,本実施の形態では,書類データ及び登録データが印刷された紙面を読み込むことを想定していないが,説明の都合上,読込装置830と称する。
【0061】
本実施の形態にかかる本人性確認システム800は以上のように構成されている。次いで,本人性確認システム800の動作を,図9を参照しながら説明する。はじめに画像データ生成時の動作(ステップS901〜S707)について説明する。
【0062】
ステップS901からステップS906の動作については上記第2の実施の形態と同じであり,書類データの入力と画像化の処理,および当事者本人を確認するためのデータ(ここでは印影パターン)の取得,暗号化,代用表現形成を行い,その結果を統合する。画像化された書類データと代用表現が統合されることにより,画像データが得られる。この画像データは上記第1あるいは第2の実施の形態で印刷される紙面の内容を表すものであり,ここではこの画像データ化された書類が紙面(印刷された書類)に代わって扱われるものとする。
【0063】
次にステップS907において上記第2の実施の形態と同様,本人による書類への記入すなわち捺印が行われる。ただし,この捺印は画像データに対して行われるものであり,具体的には画像データに印影パターンを挿入する処理である。本処理には通常の描画ソフトなどを用いることができる。
【0064】
このような処理によって作成された画像データの記載内容の本人性確認手順は,上記第2の実施の形態で紙面読込後に行うものと同様であり,画像データ上にある代用表現から登録データを抽出し,復号を行って得られた登録データに基づいて本人確認を行う。そしてその結果を画面に表示する。
【0065】
以上説明したように,上記第3の実施の形態によれば,例えば申請書類の画像データを用いた電子申請を行う際でも,電子署名データなど別ファイルの添付を行うことなく画像データの記載内容の本人性を確認することができる。
【0066】
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかる本人性確認方法,本人性確認システム,及びその関連技術の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0067】
例えば,上記実施の形態で示した印刷装置120(620,820)とは例えばプリンタであり,読込装置130(630,830)とは例えばスキャナであり,それぞれコンピュータに接続されてコンピュータ上のプログラムにより上記機能を実現することができる。このようなプログラムは,コンピュータにより可能な記録媒体,例えばCD−ROMやフロッピーディスクに記録させて配布することができるほか,ネットワークを介してプログラムを提供する,いわゆるASPサービスの形態でも実現できる。このような方法によれば,印刷装置120(620,820)や読込装置130(630,830)の機能の追加やバージョンアップなどを容易に行うことができる。
【0068】
また,上記実施の形態及び図面では,情報埋込装置の各構成要素が一つの装置内に一体として構成されている例について説明したが,本発明はこれに限定されない。例えば,情報埋込装置の構成要素のうち少なくとも1以上の構成要素が,ネットワークを介して空間的に離隔して接続されるように構成してもよい。このことは,情報検証装置についても同様である。
【0069】
また,上記実施の形態及び図面では,情報埋込装置と情報検証装置とを個別の装置として説明したが,本発明はこれに限定されず,情報埋込装置と情報検証装置とが一体的に一つの装置(複合機)として構成されていてもよい。
【0070】
近年においては,プリンタ機能,スキャン機能,コピー機能,ファクス機能などが一体として構成された複合機が用いられており,直接プログラムを搭載可能なものも実現されている。そこで,印刷装置120(620,820)や読込装置130(630,830)の別の実現例としては,例えば,プリンタやスキャナに直接プログラムを搭載させて本発明の機能を実現することもできる。このようなプログラムは,例えば読み出し専用の記録媒体であるROM(Read Only Memory)に記録させて,このROMをプリンタやスキャナに搭載することが可能である。このような形で本発明を市場に流通させることができ,同様に機能の追加やバージョンアップなどを容易に行うことができる。
【0071】
このように本発明は様々な形態で市場に流通させることができる。すなわち,本発明をプリンタ装置あるいはスキャナ装置として,あるいはこれらの複合機として,あるいは,他の装置をして本発明の機能を実現可能なプログラムの形で,本発明を市場に流通させることができる。
【0072】
また,登録データの取得,暗号化,代用表現形成および画像統合の各処理あるいは一連の処理は,ネットワークで接続されたホストコンピュータに実行させることもできる。この場合,ホストコンピュータはワープロファイルや書類データ等を画像化した画像データをネットワークで受け取り,代用表現と統合した印刷データをネットワークで返却する。同様に,登録データの抽出,復号化,本人確認までの一連の処理もネットワークで接続されたホストコンピュータに実行させることもできる。この場合,ホストコンピュータは書類を読み込んだ画像データをネットワークで受け取り,本人確認の結果をネットワークで返却する。
【0073】
このように,情報埋込装置内の統合データ生成部や情報検証装置内の本人確認部をネットワークを介して接続することにより,情報埋込装置や情報検証装置の負荷を低減することができる。そして,ネットワークを介して接続された外部の処理装置との間でデータやプログラム,あるいは処理結果などをやりとりするに当たり,よく知られたASP(Application Service Provider)システムや課金システムを適用することができ,本発明を新たなビジネスとして利用可能である。
【0074】
また,上記実施の形態では印刷データの代用表現として特願2001−217758「透かし情報埋め込み装置,及び,透かし情報検出装置」)に記載の透かし情報埋め込み装置が生成するものを用いることとしたが,これは例えばバーコードや2次元バーコードやダリフコードなど,計算機処理によって情報を抽出することができる手段に置き換えることができる。また上記実施の形態では印刷データをワープロファイルとしたが,このデータ形式は特に規定されたものである必要はなく,印刷すべき情報を指定できるものであれば何でもよい。
【0075】
また,上記実施の形態では印刷データ生成部103(603,803)(本発明の統合データ生成部)が,登録データと書類データとを統合する場合について説明したが,さらに,印刷装置120(620,820)(本発明の情報埋込装置)と読込装置130(630,830)(本発明の情報検出装置)で共有する秘密情報を書類データに統合することもできる。登録データが埋め込まれた書類が第三者の手に渡った場合でも,秘密情報を知られない限り,第三者による書類の不正使用を回避することができる。ここで,秘密情報は,例えば,印刷装置120(620,820)と読込装置130(630,830)との間で事前に配布したパスワードであってもよく,また,印刷装置120(620,820)と読込装置130(630,830)との間で事前に決定した,書類の特定の記載内容であってもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,あらかじめ本人確認に必要な情報を登録しておき,書類の画像データ生成時または印刷時に登録データを加え,確認時は画像データまたは書類から抽出した登録データと,画像データまたは書類に記載された内容あるいは本人から直接得たデータとを照合させて本人性を確認する。本発明はこのような方法によって書類記載内容の本人性を確認する方法であるため,電子署名や印鑑証明書などの別書類の添付は不要であり,本人確認に用いるデータを秘匿しながら提供するので目的外への転用を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に関する紙面記載内容の本人性確認システムの構成例を示す説明図である。
【図2】第1の実施の形態に関する紙面記載内容の本人性確認処理フローチャートである。
【図3】画像化した印刷データの例を示す説明図である。
【図4】印刷紙面の例を示す説明図である。
【図5】本人記入の例(捺印)を示す説明図である。
【図6】第2の実施の形態に関する紙面記載内容の本人性確認システムの構成例を示す説明図である。
【図7】第2の実施の形態に関する紙面記載内容の本人性確認処理フローチャートである。
【図8】第3の実施の形態に関する紙面記載内容の本人性確認システムの構成例を示す説明図である。
【図9】第3の実施の形態に関する紙面記載内容の本人性確認処理フローチャートである。
【符号の説明】
100 本人性確認システム
101 書類データ画像化部
102 登録データベース
103 印刷データ生成部
104 印刷部
105 本人記入部
106 紙面読込部
107 本人確認データ抽出部
108 本人確認部
109 画面表示部
120 印刷装置
130 読込装置
【発明の属する技術分野】
本発明は,例えば金銭貸借の契約書などの書類(紙面または画像データ)への記載内容が,その当事者本人によるものであることを確認するための本人性確認方法,本人性確認システム,及びその関連技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年,ネットワークの普及により,電子決済や電子商取引,公共機関への電子申請などさまざまな行為がネットワーク上で行えるようになってきた。しかし金銭貸借の契約など重要な行為については,他人へのなりすましによる犯罪を防止するために当事者本人が記載内容を承認したことを確認する必要がある。このような書類等への記載内容に関する本人性の確認については,電子データに対しては電子署名を利用しており,従来の書類による手続きの場合は印鑑登録を行った本人の印鑑(実印)を用いて押印することにより行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし,電子署名を利用する場合は電子署名の添付が必要であるが,元のデータとは別で扱われる可能性もあるため,対応付けが必要であった。また,実印の確認のためには印鑑証明書の添付が必要であり,印鑑証明書にある実印の印影から実印を偽造されてしまうかも知れないという危険性や,提出した印鑑証明害が偽造実印と共に別の目的で利用されるかも知れないという危険性があった。さらに印鑑照合以外の本人確認手段を用いることができないといった問題もあった。
【0004】
本発明は,従来の本人性確認方法が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,本人の確認に必要な情報を他の目的に転用されないよう,書類の中に秘匿しながら提供することの可能な,新規かつ改良された本人性確認方法,本人性確認システム,情報埋込装置,及び,情報検証装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため,本発明の第1の観点によれば,書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込み,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する本人性確認方法が提供される。前記情報の埋め込み時には,書類の記載内容である書類データを画像化し,本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと統合した統合データを生成することを特徴とする。前記書類の記載内容の検証時には,前記統合データから前記登録データを抽出し,前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認することを特徴とする。
【0006】
また,本発明によれば,書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込み,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する他の本人性確認方法が提供される。前記情報の埋め込み時には,書類の記載内容である書類データを画像化し,本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと統合した統合データを生成し,前記統合データを紙面に印刷する。前記書類の記載内容の検証時には,前記印刷された紙面を読み込み,前記統合データから前記登録データを抽出し,前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する。
【0007】
本発明の書類記載内容の本人性確認方法によれば,あらかじめ本人確認に必要な情報を登録しておき,書類の画像データ生成時または印刷時に登録データを加え,確認時は画像データまたは書類から抽出した登録データと,画像データまたは書類に記載された内容あるいは本人から直接得たデータとを照合させて本人性を確認する。本発明はこのような方法によって書類記載内容の本人性を確認する方法であるため,電子署名や印鑑証明書などの別書類の添付は不要であり,本人確認に用いるデータを秘匿しながら提供するので目的外への転用を防ぐことができる。なおここで「書類」とは,一般に,文字で記したものの総称であり,特に事務に関する記録・文書をいうが,本明細書においては,「紙面の書類」と「電子データ化された書類」とを含めて単に書類という。
【0008】
また,上記課題を解決するため,本発明の第2の観点によれば,書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込む情報埋込装置(120)と,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する情報検証装置(130)とを含んで成る本人性確認システムが提供される。前記情報埋込装置は,書類の記載内容である書類データを画像化する書類データ画像化部(101)と,本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと統合した統合データを生成する統合データ生成部(103)とを備えたことを特徴とする。前記情報検証装置は,前記統合データから前記登録データを抽出する登録データ抽出部(107)と,前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する本人確認部(108)とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また,本発明によれば,書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込む情報埋込装置(120)と,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する情報検証装置(130)とを含んで成る他の本人性確認システムが提供される。前記情報埋込装置は,書類の記載内容である書類データを画像化する書類データ画像化部(101)と,本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと統合した統合データを生成する統合データ生成部(103)と,前記統合データを紙面に印刷する印刷部(104)とを備えたことを特徴とする。前記情報検証装置は,前記印刷された紙面を読み込む紙面読込部(106)と,前記統合データから前記登録データを抽出する登録データ抽出部(107)と,前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する本人確認部(108)とを備えたことを特徴とする。
【0010】
かかるシステムによれば,上記優れた効果を有する書類記載内容の本人性確認方法を容易に実現することができるので,電子署名や印鑑証明書などの別書類の添付は不要であり,本人確認に用いるデータを秘匿しながら提供するので目的外への転用を防ぐことができる。
【0011】
また,前記情報埋込装置に,前記登録データを暗号化する登録データ暗号化部(610)を備え,前記情報検証装置に,前記暗号化された登録データを復号化する登録データ復号化部(611)を備えるようにすれば,登録データを暗号化したものを代用表現として利用することができる。これにより,代用表現の方法が漏洩した場合でも第三者による書類ねつ造を防止することが可能となる。
【0012】
前記情報検証装置に,前記本人確認部による確認結果を表示する画面表示部(109)を備えるようにすれば,情報検証結果を容易に確認することができる。
【0013】
前記代用表現は,例えば,バーコード,二次元バーコード,またはグリフコードで表してもよい。ただし,バーコードなどを用いて代用表現を作成した場合,第三者が視覚的にその情報を読み取ることはできないが,そこに何らかの情報が存在することが知られてしまう。そこで,第三者が印刷する情報を読み取ることができないのみならず,代用表現の存在自体を第三者が知ることのできない方法により代用表現を作成することがより好ましい。このような方法としては,電子透かし技術を用いて代用表現を作成する方法がある。
【0014】
また,前記本人確認部は,前記登録データ抽出部が抽出した登録データと,前記書類に記載されているデータとを照合するようにしてもよい。ここで「書類に記載されているデータ」とは,書類の記載内容とは別に,書類の記載本人が本人性確認のために書類に付与したデータである。このようなデータと照合される登録データとしては,例えば,次のうち少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0015】
・前記記載本人のみが所有する物の情報
例えば,前記記載本人のみが所有する印鑑の印影パターン。
・前記記載本人の記憶にある情報
例えば,本人の生年月日,出身地,血液型,住所,自宅の電話番号,暗証番号,またはパスワード。
・前記記載本人の行動特徴の情報
例えば,本人のサインや筆跡に見られる特徴に関する情報。
【0016】
また,前記本人確認部は,前記登録データ抽出部が抽出した登録データと,前記記載本人から直接得たデータとを照合するようにしてもよい。ここで「記載本人から直接得たデータ」とは,本人性を確認する場所に本人がいる場合に本人から直接採取されるデータをいう。このようなデータと照合される登録データとしては,例えば,次のうち少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0017】
・前記記載本人の外見に関する情報
例えば,顔写真または顔パターンに関する情報。
・前記記載本人の身体特徴の情報
例えば,本人の指紋,虹彩,網膜,掌形,血管,足形,耳型。
・前記記載本人の行動特徴の情報
例えば,本人の声紋やイントネーションに見られる発話特徴に関する情報。
登録データとして上記データを採用することにより,本人性を確認する場所に本人がいる場合に,書類に本人が記入をしなくても本人から直接データを採取することで,より確実な本人性の確認ができる。
【0018】
前記統合データ生成部が,前記情報埋込装置と前記情報検出装置で共有する秘密情報を前記書類データに統合するようにすれば,登録データが埋め込まれた書類が第三者の手に渡った場合でも,秘密情報を知られない限り,第三者による書類の不正使用を回避することができる。ここで,前記秘密情報は,例えば,前記情報埋込装置と前記情報検出装置との間で事前に配布したパスワードであってもよく,また,前記情報埋込装置と前記情報検出装置との間で事前に決定した,前記書類の特定の記載内容であってもよい。
【0019】
また,上記課題を解決するため,本発明の第3の観点によれば,書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込む情報埋込装置において,書類の記載内容である書類データを画像化する書類データ画像化部と,本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと統合した統合データを生成する統合データ生成部とを備えたことを特徴とする情報埋込装置が提供される。
【0020】
また,本発明によれば,書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込む情報埋込装置において,書類の記載内容である書類データを画像化する書類データ画像化部と,本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと統合した統合データを生成する統合データ生成部と,前記統合データを紙面に印刷する印刷部とを備えたことを特徴とする情報埋込装置が提供される。
【0021】
かかる情報埋込装置では,前記登録データを暗号化する登録データ暗号化部を備えることができる。また,前記代用表現は,バーコード,二次元バーコード,またはグリフコードで表される。このようにして,上記本発明の第2の観点にかかる本人性確認システムに好適な情報埋込装置が提供される。
【0022】
また,上記課題を解決するため,本発明の第4の観点によれば,本人性の確認に用いる情報である登録データが,第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換されて埋め込まれた書類から,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する情報検証装置において,前記書類から前記登録データを抽出する登録データ抽出部と,前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する本人確認部とを備えたことを特徴とする情報検証装置が提供される。
【0023】
また,本発明によれば,本人性の確認に用いる情報である登録データが,第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換されて埋め込まれた書類から,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する情報検証装置において,前記書類を読み込む紙面読込部と,前記書類から前記登録データを抽出する登録データ抽出部と,前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する本人確認部とを備えたことを特徴とする情報検証装置が提供される。
【0024】
かかる情報検証装置では,前記登録データが暗号化されている場合に,その登録データを復号化する登録データ復号化部を備えることができる。また,前記本人確認部は,バイオメトリクス認証,すなわち,身体の一部である虹彩,網膜,掌形,血管,足形,耳型などのパターンを識別することによる認証を行うことも可能である。このようにして,上記本発明の第2の観点にかかる本人性確認システムに好適な情報検証装置が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかる本人性確認方法,本人性確認システム,及びその関連技術の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0026】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態にかかる書類記載内容の本人性確認システム(以下,単に本人性確認システムという。)について,図1〜図5を参照しながら説明する。図1は,本人性確認システム100の構成を示す説明図である。本人性確認システム100は,図1に示したように,印刷装置120と読込装置130を含んで構成されている。
【0027】
(印刷装置120)
印刷装置120(本発明の情報埋込装置)は,書類データ画像化部101と,登録データベース102と,印刷データ生成部103と,印刷部104を含んで構成されている。書類データ画像化部101は書類として記載する内容(書類データ)を受け取り,画像データに変換する部分である。これは例えば書類データとして提供されるファイルの印刷イメージを画像として画面に描画するプレビューソフトなどが相当する。登録データベース102は記載内容の当事者本人を確認するために用いる情報が登録されたデータベースであり,ここでは当事者本人が保有する印鑑の印影パターンが登録されているものとする。印刷データ生成部103(本発明の統合データ生成部)は画像化した書類データに登録データをバーコードなどの代用表現で埋め込み,印刷データとして生成する部分である。印刷部104は印刷データを印刷する部分である。
【0028】
本人記入部105は当事者本人が書類に記載する部分であり,ここでは本人が保有する印鑑を書類に押印するものとする。印刷部104で印刷され記載本人により押印された書類は,読込装置130に渡される。読込装置130が印刷装置120に対して遠隔の場所にある場合には,本人が持参することにより,あるいは配送などにより,書類のやりとりが可能となっている。
【0029】
(読込装置130)
読込装置130(本発明の情報検証装置)は,紙面読込部106と,本人確認データ抽出部107と,本人確認部108と,画面表示部109を含んで構成されている。紙面読込部106は印刷部104で印刷された書類を読み込む部分であり,例えばスキャナである。本人確認データ抽出部107は紙面に代用表現によって印刷されている登録データを抽出する部分である。本人確認部108は抽出された登録データを用いて書類記載内容の本人性を確認する部分である。ここでは登録データとして印影を用いているため,紙面に押印された印影パターンと登録データの印影パターンとを照合する。画面表示部109は本人確認の結果を表示する部分であり,例えばCRTやTFTなどのモニタである。その他にも,例えばパネル表示部や表示ランプなどであってもよい。
【0030】
本実施の形態にかかる本人性確認システム100は以上のように構成されている。次いで,本人性確認システム100の動作を,図2を参照しながら説明する。はじめに書類印刷時の動作(ステップS201〜S206)について説明する。
【0031】
まずステップS201において,書類データ画像化部101に書類データを入力する。そしてステップS202において書類データの画像化を行う。これは例えば書類の印刷イメージを作成するプレビューソフトを用いることにより行うことができる。画像化した書類データの例を図3に示す。
【0032】
次にステップS203において,印刷データ生成部103にて書類記載内容の当事者本人を確認するための登録データ(本実施の形態では,印影パターンとする)を登録データベース102より入手する。本人の印鑑の印影パターンは事前に登録データベース102に登録されている必要がある。
【0033】
そしてステップS204において印影パターンの代用表現を作成する。代用表現の作成方法としては様々な方法や手段が利用できるが,印刷する情報を第三者が読み取ることのできない表現であればどのようなものであってもよい。例えば,バーコードを用いて代用表現を作成してもよい。ただし,バーコードを用いて代用表現を作成した場合,第三者が視覚的にその情報を読み取ることはできないが,そこに何らかの情報が存在することが知られてしまう。そこで,第三者が印刷する情報を読み取ることができないのみならず,代用表現の存在自体を第三者が知ることのできない方法により代用表現を作成することがより好ましい。このような方法としては,電子透かし技術を用いて代用表現を作成する方法がある。
【0034】
電子透かし技術を用いて文書に機密情報を埋め込む技術としては,例えば文献(特願2001−217758「透かし情報埋め込み装置,及び,透かし情報検出装置」,特願2002−177086号「透かし情報埋め込み装置,及び,透かし情報検出装置」)に示されたものがある。この文献に示された透かし画像埋め込み装置は,ドットの配列によって波の方向及び/又は波長を変化させたドットパターンを複数用意し,1つのドットパターンに対して1つのシンボルを与え,ドットパターンを組み合わせて配置することにより,文書に機密情報を与えるものである。本実施の形態では,この文献に示された透かし情報埋め込み装置を用いることができ,同装置が印刷データから作成する透かし画像を代用表現として利用することができる。この他にも,文献(加納,岩切,松井,「ベクトルパターンを用いたセキュアプリント技術」,電子情報通信学会暗号と情報セキュリティシンポジウム講演予稿集,2002)に示された技術を用いることもできる。
【0035】
電子透かし技術を用いて代用表現を作成する方法によれば,代用表現が紙面全体へ地紋のように印刷され,切り抜きや貼り付けの細工が難しいため,本人を確認するためのデータの代用表現として好適である。
【0036】
そしてステップS205において画像を統合し印刷データを生成する。画像の統合にはステップS202の画像化によって得た画像データの各画素のうち,代用表現で黒画素であるものと同じ位置にあるものを黒画素とすることによって行うことができる。この印刷データをステップS206において印刷部104により印刷する。前記透かし画像を代用表現として利用した場合に印刷される紙面の例を図4に示す。
【0037】
次にステップS207において本人記入を行う。ここでは印刷内容を本人が承認し,所定の位置に捺印を行う。捺印に使用する印鑑は事前に印影パターンが登録されているものである。紙面に捺印が行われた例を図5に示す。
【0038】
このような処理によって作成された書類の本人性確認手順(ステップS208〜S211)を以下で説明する。
【0039】
まずステップS208において,紙面読込部106を用いて対象となる書類の紙面を読み込む。そしてステップS209において登録データ抽出部107により代用表現から登録データの抽出を行う。これは前記文献に記載の透かし情報検出装置を用いることによって行うことができる。
【0040】
次にステップS210において,本人確認部108により本人確認を行う。この処理は本人確認の手段に応じたものである必要があり,ここでは印影パターンを照合することにより本人確認を行う。このため,まずステップS207の本人記入時に捺印された印影パターンを紙面より抽出する。捺印は通常朱肉や赤インクを用いて行われるため,この印影パターンの抽出は,例えば読み込んだ紙面の画像より赤い部分を抽出することによって行うことができる。そしてステップS209で抽出した登録データの印影パターンと照合する。この照合は例えばパターン間の類似度を画像処理により計測し,所定の値と比較して判断することなどによって行うことができる。そしてステップS211において,本人確認の結果を画面に表示する。
【0041】
以上説明したように,本実施の形態によれば,本人性を確認する登録データを代用手段で表現して印刷し,印刷紙面からこの情報を抽出して本人の捺印と照合することによって,書類記載内容の本人性確認ができる。このため,印鑑証明書などの書類を別途添付する必要が無く,登録データは代用表現として秘匿されており,紙面と一体化されているため目的外への転用も防ぐことができる。さらに,印鑑照合以外の本人確認手段として,紙面に記載することのできるデータ,例えば本人のサイン,暗証番号やパスワードを用いることも可能である。
【0042】
なお,本人性を確認する場所に本人がいる場合では,ステップS207における本人記入をしなくても本人から直接データを採取することで,より確実な本人性の確認ができる。この場合は書類に記載することのできる,例えば生年月日や出身地,血液型,住所,自宅の電話番号,暗証番号,パスワードなど本人の記憶にあるデータの他,例えば顔写真や顔パターンに関する情報など本人の外見に関する情報,例えばサインや筆跡に見られる特徴に関する情報や声紋やイントネーションに見られる発話特徴に関する情報など本人の行動特徴の情報,例えば指紋,虹彩,網膜,掌形,血管,足形,耳型など本人の身体的特徴の情報を本人確認手段として用いることも可能である。
【0043】
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では登録データを代用表現に直接変換して利用していたが,この場合代用表現の生成方法や代用表現からのデータの抽出方法が漏洩することにより,第三者が不正に登録データの入手や代用表現のねつ造ができ,偽造文書を作成することができる可能性がある。これに対し,以下に説明する第2の実施の形態は,第1の実施の形態に対しさらに暗号化機能を付加し,暗号化した登録データを代用表現に変換するようにしたものである。なお,暗号及び復号には一般に知られた共通鍵暗号,公開鍵暗号などを適用することができる。
【0044】
第2の実施の形態にかかる書類記載内容の本人性確認システム(以下,単に本人性確認システムという。)について,図6〜図7を参照しながら説明する。図6は,本人性確認システム600の構成を示す説明図である。本人性確認システム600は,図6に示したように,印刷装置620と読込装置630を含んで構成されている。
【0045】
(印刷装置620)
印刷装置620(本発明の情報埋込装置)は,書類データ画像化部601と,登録データベース602と,印刷データ生成部603(本発明の統合データ生成部)と,印刷部604とを含み,さらに,登録データ暗号化部610を付加して構成されている。書類データ画像化部601,登録データベース602,印刷データ生成部603,印刷部604については,図1に示した印刷装置120の書類データ画像化部101,登録データベース102,印刷データ生成部103,印刷部104と実質的に同様である。登録データ暗号化部610は登録データベースより得た登録データを暗号化する部分である。
【0046】
本人記入部605については,図1に示した本人記入部105と実質的に同様であり,ここでは本人が保有する印鑑を書類に押印するものとする。印刷部604で印刷され記載本人により押印された書類は,読込装置630に渡される。読込装置630が印刷装置620に対して遠隔の場所にある場合には,本人が持参することにより,あるいは配送などにより,書類のやりとりが可能となっている。
【0047】
(読込装置630)
読込装置630(本発明の情報検出装置)は,図6に示したように,紙面読込部606と,本人確認データ抽出部607と,本人確認部608と,画面表示部609を含み,さらに登録データ復号化部611を付加して構成されている。紙面読込部606,本人確認データ抽出部607,本人確認部608,画面表示部609については,図1に示した読込装置130の紙面読込部106,本人確認データ抽出部107,本人確認部108,画面表示部109と実質的に同様である。登録データ復号化部611は抽出された登録データの暗号を復号化して元の登録データを得る部分である。
【0048】
本実施の形態にかかる本人性確認システム600は以上のように構成されている。次いで,本人性確認システム600の動作を,図7を参照しながら説明する。はじめに書類印刷時の動作(ステップS701〜S707)について説明する。
【0049】
ステップS701からステップS703の動作については上記第1の実施の形態と同じであり,書類データの入力と画像化の処理,および当事者本人を確認するためのデータ(ここでは印影パターン)を登録データベース602より入手する。
【0050】
次にステップS704において,登録データ暗号化部610を用いて登録データの暗号化を行う。そしてステップS705において登録データの暗号に対する代用表現形成を行う。この代用表現形成には上記第1の実施の形態と同様の方法を用いることができる。
【0051】
以降,ステップS706およびステップS707の動作については上記第1の実施の形態と同じであり,画像化により得た画像データと代用表現とを統合して印刷する。そしてステップS708において上記第1の実施の形態と同様,本人による記入(捺印)が行われる。
【0052】
このような処理によって作成された書類記載内容の本人性確認手順(ステップS709〜S713)を以下で説明する。
【0053】
ステップS709およびステップS710の処理は上記第1の実施の形態と同様であり,スキャナを用いて紙面を読み込んだ後,代用表現から登録データの抽出を行う。このとき,抽出される登録データは暗号化されたものであるため,ステップS711において登録データ復号化部611を用いて登録データの復号を行う。そして得られた登録データに基づいてステップS712において本人確認を行う。
【0054】
このステップS712の本人確認処理およびステップS713の結果表示処理については上記第1の実施の形態と同様である。
【0055】
以上説明したように,本実施の形態によれば,登録データを暗号化したものを代用表現として利用することにより,代用表現の方法が漏洩した場合でも第三者による書類ねつ造を防止することが可能となる。
【0056】
(第3の実施の形態)
上記第1および第2の実施の形態は,印刷された書類記載内容の本人性を確認するものであった。これに対し,以下に説明する第3の実施の形態は,印刷データを印刷せず画像データのままで扱う場合でも画像データへの記載内容の本人性を確認できるようにしたものである。
【0057】
第3の実施の形態にかかる書類記載内容の本人性確認システム(以下,単に本人性確認システムという。)について,図8〜図9を参照しながら説明する。図8は,本人性確認システム800の構成を示す説明図である。本人性確認システム800は,図8に示したように,印刷装置820と読込装置830を含んで構成されている。
【0058】
(印刷装置820)
印刷装置820(本発明の情報埋込装置)は,図8に示したように,書類データ画像化部801と,登録データベース802と,印刷データ生成部803(本発明の統合データ生成部)と,登録データ暗号化部810を含んで構成されている。これら書類データ画像化部801,登録データベース802,印刷データ生成部803,登録データ暗号化部810については,図6に示した印刷装置620の書類データ画像化部601,登録データベース602,印刷データ生成部603,登録データ暗号化部610と実質的に同様である。すなわち,本実施の形態にかかる印刷装置820は,第2の実施の形態にかかる印刷装置620の構成に対し,印刷部604に相当する構成要素を除いたものである。なお,本実施の形態では,書類データ及び登録データを紙面に印刷することを想定していないが,説明の都合上,印刷装置820,印刷データ生成部803と称する。
【0059】
本人記入部805は当事者本人が書類に記載する部分であり,ここでは本人が保有する印鑑の印影パターンを書類(画像化された書類)に挿入するものとする。本処理には通常の描画ソフトなどを用いることができる。印刷データ生成部603で生成された書類のデータは,ネットワークを介してあるいはフロッピーディスクやICカードなどの記録媒体に記録されて読込装置630に渡される。
【0060】
(読込装置830)
読込装置830(本発明の情報検出装置)は,本人確認データ抽出部807と,本人確認部808と,画面表示部809と,登録データ復号化部811を含んで構成されている。これら本人確認データ抽出部807,本人確認部808,画面表示部809,登録データ復号化部811は,図6に示した読込装置630の本人確認データ抽出部607,本人確認部608,画面表示部609,登録データ復号化部611と実質的に同様である。すなわち,本実施の形態にかかる読込装置830は,第2の実施の形態にかかる読込装置630の構成に対し,紙面読込部606に相当する構成要素を除いたものである。なお,本実施の形態では,書類データ及び登録データが印刷された紙面を読み込むことを想定していないが,説明の都合上,読込装置830と称する。
【0061】
本実施の形態にかかる本人性確認システム800は以上のように構成されている。次いで,本人性確認システム800の動作を,図9を参照しながら説明する。はじめに画像データ生成時の動作(ステップS901〜S707)について説明する。
【0062】
ステップS901からステップS906の動作については上記第2の実施の形態と同じであり,書類データの入力と画像化の処理,および当事者本人を確認するためのデータ(ここでは印影パターン)の取得,暗号化,代用表現形成を行い,その結果を統合する。画像化された書類データと代用表現が統合されることにより,画像データが得られる。この画像データは上記第1あるいは第2の実施の形態で印刷される紙面の内容を表すものであり,ここではこの画像データ化された書類が紙面(印刷された書類)に代わって扱われるものとする。
【0063】
次にステップS907において上記第2の実施の形態と同様,本人による書類への記入すなわち捺印が行われる。ただし,この捺印は画像データに対して行われるものであり,具体的には画像データに印影パターンを挿入する処理である。本処理には通常の描画ソフトなどを用いることができる。
【0064】
このような処理によって作成された画像データの記載内容の本人性確認手順は,上記第2の実施の形態で紙面読込後に行うものと同様であり,画像データ上にある代用表現から登録データを抽出し,復号を行って得られた登録データに基づいて本人確認を行う。そしてその結果を画面に表示する。
【0065】
以上説明したように,上記第3の実施の形態によれば,例えば申請書類の画像データを用いた電子申請を行う際でも,電子署名データなど別ファイルの添付を行うことなく画像データの記載内容の本人性を確認することができる。
【0066】
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかる本人性確認方法,本人性確認システム,及びその関連技術の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0067】
例えば,上記実施の形態で示した印刷装置120(620,820)とは例えばプリンタであり,読込装置130(630,830)とは例えばスキャナであり,それぞれコンピュータに接続されてコンピュータ上のプログラムにより上記機能を実現することができる。このようなプログラムは,コンピュータにより可能な記録媒体,例えばCD−ROMやフロッピーディスクに記録させて配布することができるほか,ネットワークを介してプログラムを提供する,いわゆるASPサービスの形態でも実現できる。このような方法によれば,印刷装置120(620,820)や読込装置130(630,830)の機能の追加やバージョンアップなどを容易に行うことができる。
【0068】
また,上記実施の形態及び図面では,情報埋込装置の各構成要素が一つの装置内に一体として構成されている例について説明したが,本発明はこれに限定されない。例えば,情報埋込装置の構成要素のうち少なくとも1以上の構成要素が,ネットワークを介して空間的に離隔して接続されるように構成してもよい。このことは,情報検証装置についても同様である。
【0069】
また,上記実施の形態及び図面では,情報埋込装置と情報検証装置とを個別の装置として説明したが,本発明はこれに限定されず,情報埋込装置と情報検証装置とが一体的に一つの装置(複合機)として構成されていてもよい。
【0070】
近年においては,プリンタ機能,スキャン機能,コピー機能,ファクス機能などが一体として構成された複合機が用いられており,直接プログラムを搭載可能なものも実現されている。そこで,印刷装置120(620,820)や読込装置130(630,830)の別の実現例としては,例えば,プリンタやスキャナに直接プログラムを搭載させて本発明の機能を実現することもできる。このようなプログラムは,例えば読み出し専用の記録媒体であるROM(Read Only Memory)に記録させて,このROMをプリンタやスキャナに搭載することが可能である。このような形で本発明を市場に流通させることができ,同様に機能の追加やバージョンアップなどを容易に行うことができる。
【0071】
このように本発明は様々な形態で市場に流通させることができる。すなわち,本発明をプリンタ装置あるいはスキャナ装置として,あるいはこれらの複合機として,あるいは,他の装置をして本発明の機能を実現可能なプログラムの形で,本発明を市場に流通させることができる。
【0072】
また,登録データの取得,暗号化,代用表現形成および画像統合の各処理あるいは一連の処理は,ネットワークで接続されたホストコンピュータに実行させることもできる。この場合,ホストコンピュータはワープロファイルや書類データ等を画像化した画像データをネットワークで受け取り,代用表現と統合した印刷データをネットワークで返却する。同様に,登録データの抽出,復号化,本人確認までの一連の処理もネットワークで接続されたホストコンピュータに実行させることもできる。この場合,ホストコンピュータは書類を読み込んだ画像データをネットワークで受け取り,本人確認の結果をネットワークで返却する。
【0073】
このように,情報埋込装置内の統合データ生成部や情報検証装置内の本人確認部をネットワークを介して接続することにより,情報埋込装置や情報検証装置の負荷を低減することができる。そして,ネットワークを介して接続された外部の処理装置との間でデータやプログラム,あるいは処理結果などをやりとりするに当たり,よく知られたASP(Application Service Provider)システムや課金システムを適用することができ,本発明を新たなビジネスとして利用可能である。
【0074】
また,上記実施の形態では印刷データの代用表現として特願2001−217758「透かし情報埋め込み装置,及び,透かし情報検出装置」)に記載の透かし情報埋め込み装置が生成するものを用いることとしたが,これは例えばバーコードや2次元バーコードやダリフコードなど,計算機処理によって情報を抽出することができる手段に置き換えることができる。また上記実施の形態では印刷データをワープロファイルとしたが,このデータ形式は特に規定されたものである必要はなく,印刷すべき情報を指定できるものであれば何でもよい。
【0075】
また,上記実施の形態では印刷データ生成部103(603,803)(本発明の統合データ生成部)が,登録データと書類データとを統合する場合について説明したが,さらに,印刷装置120(620,820)(本発明の情報埋込装置)と読込装置130(630,830)(本発明の情報検出装置)で共有する秘密情報を書類データに統合することもできる。登録データが埋め込まれた書類が第三者の手に渡った場合でも,秘密情報を知られない限り,第三者による書類の不正使用を回避することができる。ここで,秘密情報は,例えば,印刷装置120(620,820)と読込装置130(630,830)との間で事前に配布したパスワードであってもよく,また,印刷装置120(620,820)と読込装置130(630,830)との間で事前に決定した,書類の特定の記載内容であってもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,あらかじめ本人確認に必要な情報を登録しておき,書類の画像データ生成時または印刷時に登録データを加え,確認時は画像データまたは書類から抽出した登録データと,画像データまたは書類に記載された内容あるいは本人から直接得たデータとを照合させて本人性を確認する。本発明はこのような方法によって書類記載内容の本人性を確認する方法であるため,電子署名や印鑑証明書などの別書類の添付は不要であり,本人確認に用いるデータを秘匿しながら提供するので目的外への転用を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に関する紙面記載内容の本人性確認システムの構成例を示す説明図である。
【図2】第1の実施の形態に関する紙面記載内容の本人性確認処理フローチャートである。
【図3】画像化した印刷データの例を示す説明図である。
【図4】印刷紙面の例を示す説明図である。
【図5】本人記入の例(捺印)を示す説明図である。
【図6】第2の実施の形態に関する紙面記載内容の本人性確認システムの構成例を示す説明図である。
【図7】第2の実施の形態に関する紙面記載内容の本人性確認処理フローチャートである。
【図8】第3の実施の形態に関する紙面記載内容の本人性確認システムの構成例を示す説明図である。
【図9】第3の実施の形態に関する紙面記載内容の本人性確認処理フローチャートである。
【符号の説明】
100 本人性確認システム
101 書類データ画像化部
102 登録データベース
103 印刷データ生成部
104 印刷部
105 本人記入部
106 紙面読込部
107 本人確認データ抽出部
108 本人確認部
109 画面表示部
120 印刷装置
130 読込装置
Claims (28)
- 書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込み,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する本人性確認方法において,
前記情報の埋め込み時には,
書類の記載内容である書類データを画像化し,
本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,
前記画像化された書類データと前記代用表現とを統合した統合データを生成し,
前記書類の記載内容の検証時には,
前記統合データから前記登録データを抽出し,
前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認することを特徴とする,本人性確認方法。 - 書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込み,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する本人性確認方法において,
前記情報の埋め込み時には,
書類の記載内容である書類データを画像化し,
本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,
前記画像化された書類データと前記代用表現とを統合した統合データを生成し,
前記統合データを紙面に印刷し,
前記書類の記載内容の検証時には,
前記印刷された紙面を読み込み,
前記統合データから前記登録データを抽出し,
前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認することを特徴とする,本人性確認方法。 - 書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込む情報埋込装置と,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する情報検証装置とを含んで成る本人性確認システムにおいて,
前記情報埋込装置は,
書類の記載内容である書類データを画像化する書類データ画像化部と,
本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと前記代用表現とを統合した統合データを生成する統合データ生成部と,
を備え,
前記情報検証装置は,
前記統合データから前記登録データを抽出する登録データ抽出部と,
前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する本人確認部と,
を備えたことを特徴とする,本人性確認システム。 - 書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込む情報埋込装置と,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する情報検証装置とを含んで成る本人性確認システムにおいて,
前記情報埋込装置は,
書類の記載内容である書類データを画像化する書類データ画像化部と,
本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと前記代用表現とを統合した統合データを生成する統合データ生成部と,
前記統合データを紙面に印刷する印刷部と,
を備え,
前記情報検証装置は,
前記印刷された紙面を読み込む紙面読込部と,
前記統合データから前記登録データを抽出する登録データ抽出部と,
前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する本人確認部と,
を備えたことを特徴とする,本人性確認システム。 - 前記情報埋込装置は,前記登録データを暗号化する登録データ暗号化部を備え,前記情報検証装置は,前記暗号化された登録データを復号化する登録データ復号化部を備えたことを特徴とする,請求項3または4に記載の本人性確認システム。
- 前記情報検証装置は,前記本人確認部による確認結果を表示する画面表示部を備えたことを特徴とする,請求項3,4または5のいずれかに記載の本人性確認システム。
- 前記代用表現は,バーコード,二次元バーコード,またはグリフコードで表されることを特徴とする,請求項3,4,5または6のいずれかに記載の本人性確認システム。
- 前記本人確認部は,前記登録データ抽出部が抽出した登録データと,前記書類に記載されているデータとを照合することを特徴とする,請求項3,4,5,6または7のいずれかに記載の記載内容の本人性確認方法。
- 前記登録データは,前記記載本人のみが所有する物の情報,前記記載本人の記憶にある情報,または前記記載本人の行動特徴の情報のうち少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする,請求項8に記載の記載内容の本人性確認システム。
- 前記記載本人のみが所有する物の情報は,前記記載本人のみが所有する印鑑の印影パターンに関する情報であることを特徴とする,請求項9に記載の本人性確認システム。
- 前記記載本人の記憶にある情報は,本人の生年月日,出身地,血液型,住所,自宅の電話番号,暗証番号,またはパスワードのうち少なくともいずれか1つを含む情報であることを特徴とする,請求項9に記載の本人性確認システム。
- 前記記載本人の行動特徴の情報は,本人のサインや筆跡に見られる特徴に関する情報であることを特徴とする,請求項9に記載の本人性確認システム。
- 前記本人確認部は,前記登録データ抽出部が抽出した登録データと,前記記載本人から直接得たデータとを照合することを特徴とする,請求項3,4,5,6または7のいずれかに記載の本人性確認システム。
- 前記登録データは,前記記載本人の外見に関する情報,前記記載本人の身体特徴の情報,または前記記載本人の行動特徴の情報のうち少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする,請求項13に記載の記載内容の本人性確認システム。
- 前記記載本人の外見に関する情報は,顔写真または顔パターンに関する情報であることを特徴とする,請求項14に記載の本人性確認システム。
- 前記記載本人の身体特徴の情報は,本人の指紋,虹彩,網膜,掌形,血管,足形,耳型のうち少なくともいずれか1つを含む情報であることを特徴とする,請求項14に記載の本人性確認システム。
- 前記記載本人の行動特徴の情報は,本人の声紋やイントネーションに見られる発話特徴に関する情報であることを特徴とする,請求項14に記載の本人性確認システム。
- 前記統合データ生成部は,前記情報埋込装置と前記情報検出装置で共有する秘密情報を前記書類データに統合することを特徴とする,請求項3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16または17のいずれかに記載の本人性確認システム。
- 前記秘密情報は,前記情報埋込装置と前記情報検出装置との間で事前に配布したパスワードであることを特徴とする,請求項18に記載の本人性確認システム。
- 前記秘密情報は,前記情報埋込装置と前記情報検出装置との間で事前に決定した,前記書類の特定の記載内容であることを特徴とする,請求項18に記載の本人性確認システム。
- 書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込む情報埋込装置において,
書類の記載内容である書類データを画像化する書類データ画像化部と,
本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと統合した統合データを生成する統合データ生成部と,
を備えたことを特徴とする,情報埋込装置。 - 書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認するための情報を書類に埋め込む情報埋込装置において,
書類の記載内容である書類データを画像化する書類データ画像化部と,
本人性の確認に用いる情報である登録データを第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換し,前記画像化された書類データと統合した統合データを生成する統合データ生成部と,
前記統合データを紙面に印刷する印刷部と,
を備えたことを特徴とする,情報埋込装置。 - 前記登録データを暗号化する登録データ暗号化部を備えたことを特徴とする,請求項21または22に記載の情報埋込装置。
- 前記代用表現は,バーコード,二次元バーコード,またはグリフコードで表されることを特徴とする,請求項21,22または23のいずれかに記載の情報埋込装置。
- 本人性の確認に用いる情報である登録データが,第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換されて埋め込まれた書類から,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する情報検証装置において,
前記書類から前記登録データを抽出する登録データ抽出部と,
前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する本人確認部と,
を備えたことを特徴とする,情報検証装置。 - 本人性の確認に用いる情報である登録データが,第三者が視覚的に読み取ることのできない表現である代用表現に変換されて埋め込まれた書類から,前記情報を検出して前記書類の記載内容が前記記載本人によるものであることを検証する情報検証装置において,
前記書類を読み込む紙面読込部と,
前記書類から前記登録データを抽出する登録データ抽出部と,
前記登録データを用いて前記書類の記載内容が記載本人によるものであることを確認する本人確認部と,
を備えたことを特徴とする,情報検証装置。 - 前記登録データが暗号化されている場合に,その登録データを復号化する登録データ復号化部を備えたことを特徴とする,請求項25または26に記載の情報検証装置。
- 前記本人確認部は,バイオメトリクス認証を行うことを特徴とする,請求項25,26または27のいずれかに記載の情報検出装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002251418A JP2004094348A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 本人性確認方法,本人性確認システム,情報埋込装置,及び,情報検証装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002251418A JP2004094348A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 本人性確認方法,本人性確認システム,情報埋込装置,及び,情報検証装置 |
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Family
ID=32058004
Family Applications (1)
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JP2002251418A Pending JP2004094348A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 本人性確認方法,本人性確認システム,情報埋込装置,及び,情報検証装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007213321A (ja) * | 2006-02-09 | 2007-08-23 | Canon Inc | 情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及びプログラム |
JP4528351B1 (ja) * | 2009-11-12 | 2010-08-18 | 三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 | 文書管理システム及びサーバ装置及びプログラム |
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2002
- 2002-08-29 JP JP2002251418A patent/JP2004094348A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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