JP2004091765A - 活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム - Google Patents
活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004091765A JP2004091765A JP2003112518A JP2003112518A JP2004091765A JP 2004091765 A JP2004091765 A JP 2004091765A JP 2003112518 A JP2003112518 A JP 2003112518A JP 2003112518 A JP2003112518 A JP 2003112518A JP 2004091765 A JP2004091765 A JP 2004091765A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- group
- compound
- acrylate
- active energy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Epoxy Resins (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
Abstract
【解決手段】(A)(メタ)アクリロイル基を有する重合体とシリカゾル及び/又はオルガノアルコキシランもしくはその部分加水分解物とがスルフィド結合を介して結合してなる有機無機複合体と、(B)分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとを、重量比で5/95〜70/30の割合で含有する活性エネルギー線硬化性組成物である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックからなる物品等のハードコート剤として用いられる活性エネルギー線硬化性組成物、及び該組成物を硬化させてなる膜を有するハードコートフィルムに関し、特に、タッチパネル、反射防止フィルム、偏光板保護フィルム、プリント配線基板用フォトマスク保護フィルム等の薄いプラスチックフィルムのハードコート剤として好適な活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プラスチック製品、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、酢酸セルロース、ポリプロピレン等は、軽量性、易加工性、耐衝撃性などに優れているので種々の用途に使用されている。しかしながら、これらプラスチック製品は、表面硬度が低いため、傷がつき易く、ポリカーボネートのような透明な樹脂においては、その樹脂が持つ本来の透明性あるいは外観を著しく損なうという欠点があり、耐摩耗性を必要とする分野でのプラスチック製品の使用を困難なものとしている。このため、これらプラスチック製品に耐摩耗性を付与し、表面硬度を高める活性エネルギー線硬化性ハードコート材料が求められている。
【0003】
活性エネルギー線硬化性ハードコート剤としては、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートを用いるハードコート剤が、特公昭53−43553号公報及び特公昭57−20968号公報に開示されている。これらに開示されているハードコート剤をプラスチックからなる物品の表面に塗布し、硬化させると、物品の表面には耐摩耗性に優れた被膜が形成される。しかし、タッチパネル、反射防止フィルム、偏光板保護フィルム、プリント配線基板用フォトマスク保護フィルム等の膜厚が比較的薄い(例えば、200μm以下)プラスチックフィルム上でハードコート剤を硬化すると、ハードコート剤の収縮により基材フィルムがカールしてしまうという問題がある。フィルムのカールは、多層コート適性、塗工フィルムの巻き取り性、また、使用サイズに切断した後の取り扱い等において問題となる。
【0004】
ハードコート剤の硬化に伴う体積収縮を軽減するためには、活性エネルギー線で硬化するアクリロイル基の量、すなわち硬化塗膜のアクリロイル基の架橋密度を低減すればよい。多官能アクリレートとシリカゾルを併用した、例えば特表昭57−500984号公報、特開平3−56514号公報、特開平5−287215号公報、特開平10−81839号公報等に開示されている活性エネルギー線硬化性樹脂は、相対的にアクリロイル基含量が低いが、カール性の改良の点では未だ充分ではない。
また、アクリロイル基含量を低減させるため、多官能アクリレートにオリゴマー又はポリマーを添加することが特開昭62−62869号公報に、また、多官能アクリレートとシリカゾルにアクリル樹脂を添加することが特開平6−100799号公報に開示されている。前記公報等に開示されているハードコート剤では、オリゴマー及びポリマー等を添加することによって、収縮性が改善されたが、ハードコート剤本来の性能である耐摩耗性が犠牲になるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記諸問題に鑑みなされたものであって、耐摩耗性に優れた被膜を形成可能であるとともに、硬化に伴う収縮の少ない活性エネルギー線硬化性組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、表面の耐摩耗性に優れるとともに、カールなどの変形のないハードコートフィルムを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、重合体(ポリマー)成分に(メタ)アクリロイル基を導入し、活性エネルギー線硬化性を付与した重合体を無機成分であるシリカゾル及び/又はオルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解物(以下まとめて「SiO−化合物」と記す)を介して結合した有機無機複合体と、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとを、特定の割合で配合することにより、優れた耐摩耗性を有する被膜を形成し得るとともに、硬化時の収縮が少なく、プラスチックフィルムの表面で硬化させた場合もカールなどの変形を生じさせない、硬化性組成物が得られるとの知見を得、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、前記課題を解決するため、(A)(メタ)アクリロイル基を有する重合体とSiO−化合物とがスルフィド結合を介して結合してなる有機無機複合体と、(B)分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとを、重量比で5/95〜70/30の割合で含有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の好ましい態様として、前記(B)(メタ)アクリレートが、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレートである上記活性エネルギー線硬化性組成物;前記(B)(メタ)アクリレートが、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレートとSiO−化合物との有機無機複合体である上記活性エネルギー線硬化性組成物;さらに(C)溶剤、及び/又は(D)光重合開始剤を含有する上記活性エネルギー線硬化性組成物;が提供される。
【0009】
前記(A)有機無機複合体は、メルカプト基とアルコキシシリル基とを有する化合物(以下「メルカプト基含有シランカップリング剤と」と記す)とSiO−化合物とを加水分解縮合してメルカプト基を有するSiO−化合物を合成する第1の工程と、前記メルカプト基を有するSiO−化合物の存在下で、エポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体を重合し、又は該単量体と1個のラジカル重合性基を有する他の単量体とを共重合し、SiO−化合物ととスルフィド結合を介して結合したエポキシ基を有する重合体を得る第2の工程と、得られた前記エポキシ基を有する重合体に、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を付加させる第3の工程を含む製造方法;または、メルカプト基含有シランカップリング剤の存在下でエポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体を重合し、又は該単量体と1個のラジカル重合性基を有する他の単量体とを共重合して、前記シランカップリング剤とスルフィド結合を介して結合したエポキシ基含有重合体を合成する第1の工程と、得られた前記エポキシ基を有する重合体に、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を付加させて(メタ)アクリロイル基を有する重合体を得る第2の工程と、得られた前記(メタ)アクリロイル基を有する重合体にSiO−化合物を加水分解縮合する第3の工程を含む製造方法;により製造されるのが好ましい。
【0010】
また、本発明の他の態様として、プラスチックフィルムと、該フィルムの少なくとも一方の表面に、上記活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる膜とを有するハードコートフィルム;前記プラスチックフィルムの厚さが200μm以下である上記ハードコートフィルム;が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」とは、メタクリロイル基及びアクリロイル基の双方を含む意味で用いる。
まず、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を構成する各成分について説明する。本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、(A)特定の有機無機複合体と、(B)分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとを含有する。さらに、所望により、(C)溶剤及び/又は(D)光重合開始剤を含有する。本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、活性エネルギー線を照射されることによって硬化し、耐摩耗性に優れた被膜を形成し得る。本発明では、前記(A)特定の有機無機複合体と、前記(B)特定のアクリレートとを所定の割合で用いることによって、耐摩耗性を損なうことなく、硬化の際に生じる収縮を軽減している。
【0012】
以下、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の各成分について詳細に説明する。
(A)有機無機複合体
(A)有機無機複合体は、(メタ)アクリロイル基を有する重合体と、SiO−化合物とがスルフィド結合を介して結合してなる有機無機複合体であって、その構造、分子量及び粘度等については特に制限されない。なお、本明細書において、「SiO−化合物」の語は、シリカゾル及び/又はオルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解物の総称として用いる。
【0013】
前記有機無機複合体の製造方法は特に限定されるものではないが、以下の製造法1および2により製造するのが好ましい。以下に製造法1および2の模式的反応式を示して、それぞれ説明する。なお、下記反応式中、波線およびXは任意の結合および連結基を示し、Xはなくてもよい。Rは水素原子またはメチル基を表す。なお、以下の反応式では、シリカゾルを用いた例を示すが、オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解物を用いても同様に合成することができる。
【0014】
製造法1:
【化1】
【0015】
メルカプト基含有シランカップリング剤(1)とSiO−化合物(2)とを加水分解及び縮合し、メルカプト基を有するSiO−化合物(3)を合成する(工程1−1)。
次に、前記工程1−1で製造されたメルカプト基を有するSiO−化合物(3)の存在下、エポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体(4)を重合し、又は該単量体(4)と1個のラジカル重合性基を有する他の単量体とを共重合して、エポキシ基を有する重合体(5)を得る(工程1−2)。
次に、前記工程1−2で合成した重合体(5)に、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物(6)を付加させて、(メタ)アクリロイル基を有する重合体とSiO−化合物とがスルフィド結合を介して結合した有機無機複合体(7)を得る(工程1−3)。
【0016】
製造法2:
【化2】
【0017】
メルカプト基含有シランカップリング剤(1)の存在下にエポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体(4)を重合し、又は該単量体(4)と1個のラジカル重合性基を有する他の単量体とを共重合し、前記シランカップリング剤とスルフィド結合を介して結合したエポキシ基含有重合体(5)’を合成する(工程2−1)。
次に前記工程2−1で合成したエポキシ基を有する重合体(5)’にカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物(6)を付加させて、シランカップリング剤と結合した(メタ)アクリロイル基を有する重合体(7)’を得る(工程2−2)。
次に、前記工程2−2で合成した(メタ)アクリロイル基を有する重合体(7)’と、SiO−化合物(2)とを加水分解縮合して、(メタ)アクリロイル基を有する重合体とSiO−化合物とがスルフィド結合を介して結合した有機無機複合体(7)を得る(工程2−3)。
【0018】
前記メルカプト基含有シランカップリング剤は、1分子中にメルカプト基とアルコキシシリル基とを有するものであれば特にその構造は制限されない。例えば、トリメトキシシリルプロピルメルカプタン(例えば信越シリコーンより「KBM803」の商品名で、東レダウコーニングシリコンより「SH6062」の商品名で入手可能)、トリエトキシシリルプロピルメルカプタン等を挙げることができる。
【0019】
前記シリカゾルとしては、例えば、水、メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルアセトアミド、キシレン及びこれらの混合溶剤を分散媒とし、粒子径が5〜30nmのシリカを、その固形分として10〜40%含有するシリカゾルが好ましい。特に、有機溶剤に分散したシリカゾルを利用すると、塗膜とした場合に、高い透明性を発現するので好ましい。代表的には水酸基を有する溶剤、又はケトン基を有する極性溶媒に分散したオルガノシリカゾルを用いることが好ましい。具体的には、「IPA−ST」(IPA分散オルガノシリカゾル、日産化学)、「MEK−ST」(MEK分散オルガノシリカゾル、日産化学)、「MIBK−ST」(MIBK分散オルガノシリカゾル、日産化学)等、又はこれらを原料にして、他の水酸基を有する有機溶媒に溶媒置換したゾル(例えばPGM分散オルガノシリカゾル等)を挙げることができる。
【0020】
前記オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等、およびこれらの部分加水分解物が挙げられる。また、「オルガノアルコキシシラン」には、オルガノアルコキシシランが部分加水分解して、単独でまたは他のアルコキシシラン加水分解物と重縮合したものも含まれる。
【0021】
メルカプト基含有シランカップリング剤とSiO−化合物との加水分解縮合反応は、これらの混合物に水を添加することにより行われる。メルカプト基含有シランカップリング剤のアルコキシシリル基が水で加水分解し、シラノール基を生成し、このシラノール基とSiO−化合物表面のシラノール基との間で縮合反応がおこり、メルカプト基を表面に有するSiO−化合物が得られる。
水の添加量はメルカプト基含有シランカップリング剤のアルコキシシリル基が理論量として100%加水分解し得る量以上の量であればよく、100〜300%相当量、好ましくは100〜200%相当量を添加する。
【0022】
この加水分解反応を促進するため、加水分解触媒を反応系に添加することができる。加水分解触媒としては、例えば、アセチルアセトンアルミニウム、アルミニウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプテタンジオネート、アルミニウムジイソプロポキシドエチルアセトアセテート、アルミニウムジブトキシドエチルアセトアセテート、ホウ酸ブトキシド、酢酸、塩酸、マレイン酸、シュウ酸、フマル酸、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、ジオクチルスズジラウレート、p−トルエンスルホン酸及びこれらの混合物を使用することができる。その使用量はメルカプト基含有シランカップリング剤100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
反応は室温〜100℃、1時間〜100時間、好ましくは室温で4時間以上反応の後、40〜70℃で1〜10時間加熱し、反応を進行させる。また、副反応を抑えるため、溶媒で反応系を希釈してもよい。用いられる溶媒としては加水分解に用いる水、触媒との相溶性があるものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等の水酸基含有エーテル類;2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、3−メトキシプロピルアセタート等のエーテルエステル類;等を挙げることができる。
【0023】
反応系におけるメルカプト基含有シランカップリング剤とSiO−化合物との重量比(固形分)は、0.1/99.9〜10/90であるのが好ましく、1/99〜5/95であるのがより好ましい。メルカプト基含有シランカップリング剤の上記重量比率が0.1/99未満であると、SiO−化合物と結合するメルカプト基量が少なく、エポキシ基を含有する重合体と結合する部位が少なくなるため、重合体とSiO−化合物との有機無機複合体が安定的に製造できない傾向がある。一方、メルカプト基含有シランカップリング剤の重量比率が10/90を超えても、エポキシ基を有する重合体に対する結合部位の割合はすでに充分であり、これ以上のメルカプト基含有シランカップリング剤を使用しても実用的でない。
【0024】
製造法1では、工程1−1で製造されたメルカプト基を有するSiO−化合物の存在下で、エポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体を重合、又は他のラジカル重合性基を有する重合体を共重合する(工程1−2)。一方、製造法2では、前記メルカプト基含有シランカップリング剤の存在下で、前記単量体を重合又は共重合する(工程2−1)。
メルカプト基を有するSiO−化合物、もしくはメルカプト基を有するシランカップリング剤の存在下で、単量体のラジカル重合を行うことにより、重合過程で、成長反応下の単量体のラジカルと、メルカプト基との連鎖移動反応が起こり、スルフィド結合を介して重合体とSiO−化合物、もしくはシランカップリング剤とが結合する。単量体中のエポキシ基は重合体中にそのまま維持される。
【0025】
前記製造法1および製造法2において使用される、エポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体(以下、「エポキシ基を有する単量体」という場合がある)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート[本明細書で表記している(メタ)アクリルはメタクリル及びアクリルの両方の意味を表す]、3、4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等を挙げることができる。必要であれば、前記エポキシ基を有する単量体を、他の単量体と共にラジカル共重合することもできる。前記エポキシ基を有する単量体と併用可能な他の単量体は、1個のラジカル重合性基を有する単量体である。具体的には、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、スチレン等を挙げることができる。
【0026】
前記エポキシ基を有する単量体とともに、他の単量体を併用する場合は、前記エポキシ基を有する単量体と他の単量体とは、重量比が100/0〜10/90の割合で用いられるのが好ましく、100/0〜30/70の割合で用いられるのがより好ましい。前記エポキシ基を有する単量体の割合が10重量%未満であると、導入される(メタ)アクリロイル基の導入量が少なくなり、充分な耐摩耗性が得られない場合がある。
【0027】
単量体(エポキシ基を有する単量体及び所望により併用される他の単量体)と無機成分(SiO−化合物の固形分)とは、重量比30/70〜95/5で重合反応させるのが好ましく、50/50〜90/10で重合反応させるのがより好ましい。無機成分であるSiO−化合物の重量比率が70を超えると、安定な有機無機複合体が得られない。一方、5未満であると、耐摩耗性が不充分になる傾向がある。
【0028】
このラジカル重合反応は、溶剤中で通常のラジカル重合開始剤を用いて行われる。
溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、3−メトキシプロピルアセタート等のエーテルエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;等が挙げられ、また、これらを混合使用することもできる。
【0029】
重合反応に使用するラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が好適に用いられる。
反応系における単量体の濃度は、通常10〜60重量%であり、重合開始剤は、通常単量体の総重量に対して0.1〜10重量%である。
【0030】
カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「(メタ)アクリロイル基導入試薬」という)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物の付加体、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物の付加体等を挙げることができる。
【0031】
前記製造法1の工程1−3および前記製造法2の工程2−2では、重合体が有するエポキシ基と、(メタ)アクリロイル基導入試薬が有するカルボキシル基とが反応する。重合体と(メタ)アクリロイル基導入試薬とは、エポキシ基/カルボキシル基の比率(当量比)が1以上となる割合で混合するのが好ましく、1〜10となる割合でするのがより好ましい。
反応は、温度50〜110℃で3〜50時間行うのが好ましい。本反応では、反応を促進させるために、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリフェニルホスフィン等の公知の触媒を使用することができる。その使用量は、反応混合物に対して0.01〜2重量%であるのが好ましく、0.05〜1重量%であるのがより好ましい。
【0032】
また、本反応では(メタ)アクリロイル基によるラジカル重合を防止するために、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、p−t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の重合禁止剤を使用するのが好ましい。重合禁止剤の使用量は、反応混合物に対して0.01〜1重量%であるのが好ましく、0.05〜0.5重量%であるのがより好ましい。
【0033】
製造法2では、(メタ)アクリロイル基を有する重合体を得た後、該重合体が有するシランカップリング剤と、SiO−化合物とを加水分解縮合して、(メタ)アクリロイル基を有する重合体とSiO−化合物とがスルフィド結合を介して結合した有機無機複合体を得る(工程2−3)。本工程における、加水分解縮合反応の条件についても、上述の通りである。
【0034】
(B)分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、優れた耐摩耗性と併せて低カール性を発現するため、上記特定の有機無機複合体に加え、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートを用いる。特に優れた耐摩耗性を発現するためには、(B−1)分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート(以下、単に「多官能(メタ)アクリレート」という)、及び(B−2)多官能(メタ)アクリレートとSiO−化合物との有機無機複合体を用いるのが好ましい。
【0035】
(B−1)多官能(メタ)アクリレート
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられ、また、これらを混合使用することもできる。
【0036】
(B−2)多官能(メタ)アクリレートとSiO−化合物との有機無機複合体
多官能(メタ)アクリレートとSiO−化合物との有機無機複合体は、多官能(メタ)アクリレートとシランカップリング剤とを反応させた後、該反応物をSiO−化合物の存在下で加水分解処理することにより得られる。具体的には、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の分子内に水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有多官能(メタ)アクリレートと、トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、トリエトキシシリルプロピルイソシアネート等のイソシアネート基含有シランカップリング剤とを反応させた後;又はトリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートと、トリメトキシシリルプロピルアミン、トリエトキシシリルプロピルアミン等のアミノ基含有シランカップリング剤、トリメトキシシリルプロピルメルカプタン、トリエトキシシリルプロピルメルカプタン等のメルカプト基含有シランカップリング剤とを反応させた後、SiO−化合物の存在下で加水分解処理することにより、多官能(メタ)アクリレートとSiO−化合物との有機無機複合体が得られる。ここで使用可能なSiO−化合物の具体例及び加水分解処理の好ましい条件については、上記した(A)有機無機複合体を得る場合に使用可能なSiO−化合物の具体例、及び加水分解処理の好ましい条件と同様である。
【0037】
なお、上記(B)(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、前記(B−1)多官能(メタ)アクリレートと、前記(B−2)多官能(メタ)アクリレート基を含有する有機無機複合体とを併用することもできる。
【0038】
(C)溶剤
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、塗工性を向上する目的で溶剤を添加することができる。
用いられる溶剤は、前記有機無機複合体の各製造工程に用いられる種々の反応溶媒であってもよく、例えば、前記製造方法の工程1−1等で用いられるシリカゾルの分散媒であっても、また、前記工程1−2の反応に用いられる溶媒であってもよい。さらに、前記有機無機複合体を製造した後に、粘度調整のために用いられる溶剤であってもよい。
前記溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート等のエーテルエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;等が挙げられ、また、これらを混合使用することもできる。
【0039】
(D)光重合開始剤
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、活性エネルギー線を照射されることによってラジカル等を発生する光重合開始剤を含有させることができる。活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、光重合開始剤を含有させるのが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられ、これらの光重合開始剤は2種以上を適宜に併用することもできる。
【0040】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、(A)特定の有機無機複合体と、(B)分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートと、所望により(C)溶剤及び/又は(D)光重合開始剤とを混合して調製することができる。
本発明では、(A)特定の有機無機複合体と、(B)分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとを、重量比が5/95〜70/30の割合で用いる。好ましくは、10/90〜60/40の割合で用いる。前記(A)有機無機複合体が5重量%未満であると、低カール性能を発現しない。一方、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートの割合が30重量%未満であると、充分な耐摩耗性が得られない。
また、紫外線を用いて硬化する際の(D)光重合開始剤の使用量は、(A)特定の有機無機複合体と、(B)分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとの合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部であるのが好ましく、1〜5重量部であるのがより好ましい。
【0041】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、硬化被膜物性を改良する目的で紫外線吸収剤(例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系紫外線吸収剤)、紫外線安定剤(例えば、ヒンダードアミン系紫外線安定剤)、酸化防止剤(例えば、フェノール系、硫黄系、リン系酸化防止剤)、ブロッキング防止剤、レベリング剤等のこの種の組成物に配合される種々の添加剤を、被膜形成成分の重量に対し、それぞれ0.01〜2重量%を配合することができる。
【0042】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、活性エネルギー線の照射により、(A)の特定の有機無機複合体が有する(メタ)アクリロイル基が(B)の(メタ)アクリレートの(メタ)アクリロイル基とともに重合して硬化し、硬化被膜を形成する。形成された被膜は、(メタ)アクリレートの(メタ)アクリロイル基に由来する架橋形成と、特定の有機無機複合体が含有する無機成分(SiO−化合物)により、耐摩耗性に優れた硬化被膜が形成される。併せて、特定の有機無機複合体は硬化収縮に関与しないポリマー部分と無機成分(SiO−化合物)を有するため、硬化に伴う収縮が少ない。従って、変形し易い、比較的薄い(例えば200μm以下の)プラスチックフィルムの表面上で硬化させた場合も、プラスチックフィルムがカールによって変形し難い。
【0043】
次に、本発明の硬化性組成物を利用した硬化被膜の形成方法について説明する。
まず、本発明の硬化性組成物を基材に適用する。前記基材の材質には特に制限はなく、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、酢酸セルロース、ポリプロピレン、合成紙、紙等からなる基材のいずれにも適用することができる。また、前記基材の形態についても制限はなく、シート状、フィルム状、成形体等いずれの形態であってもよいが、硬化に伴う収縮性が少ないという特徴を有する本発明の硬化性組成物は、特に厚みが200μm以下のフィルムに適用するのが好ましく、100μm以下のフィルムに適用するのがより好ましい。
【0044】
前記硬化性組成物の基材への供給は、通常、塗布により行う。塗布方法についても特に制限されず、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、スピンコート法、バーコート法等のいずれの方法によって塗布することもできる。また、グラビアコート、ロールコート、ブレードコート及びエアーナイフコート等のいずれの塗工器具によって塗布することもできる。また、印刷等により画像様に供給することもできる。
なお、塗布量については特に制限されないが、活性エネルギー線の照射によって硬化した被膜の膜厚が、0.1〜50μm、好ましくは0.5〜20μmとなるように塗工するのが好ましい。
【0045】
本発明の硬化性組成物に、所望により溶剤を用いた場合、硬化性組成物を基材に供給した後、乾燥して溶剤を除去する。乾燥条件は溶剤の沸点、基材の材質、塗布量等によって、好ましい範囲が異なるが、一般的には、30〜120℃で1〜30分間行い、好ましくは50〜100℃で1〜5分間行う。
【0046】
次に、活性エネルギー線を照射して硬化させる。活性エネルギー線としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線、通常20〜2000kVの粒子加速器から取り出される電子線、α線、β線、γ線等を用いることができる。
【0047】
本発明のハードコートフィルムは、上記基材としてプラスチックフィルム(好ましくは膜厚が200μm以下、より好ましくは3〜150μm、さらに好ましくは5〜100μm)のプラスチックフィルムを用い、上記方法に従って、該フィルムの表面に本発明の活性エネルギー線硬化性組成物からなる被膜を形成することによって作製することができる。本発明のハードコートフィルムは、優れた耐摩耗性を有するとともに、カール等による変形が起こり難い。その結果、多層コート適性、塗工フィルムの巻き取り性、また、使用サイズに切断した後の取り扱い性等に優れる。ハードコートフィルムの基材として用いるプラスチックフィルムについては、その材料及び用途については特に制限されず、例えば、タッチパネル、反射防止フィルム、偏光板保護フィルム、プリント配線基板用フォトマスク保護フィルム等の膜厚が200μm以下の種々のプラスチックフィルムを用いることができる。
【0048】
【実施例】
以下に合成例及び実施例を記載して、本発明をさらに具体的に説明する。以下の合成例及び実施例に記載される成分、割合、手順等は、本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に記載される具体例に制限されるものではない。なお、合成例及び実施例に記載される「部」及び「%」は、「重量部」及び「重量%」をそれぞれ意味する。
【0049】
(合成例1:有機無機複合体の合成例)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを分散媒とするシリカゾル166.7部(固形分:30%)に、トリメトキシシリルプロピルメルカプタンを3部、水を0.8部及びアセチルアセトンアルミニウムを0.03部添加し、液が透明になるまで攪拌混合した。水添加量は、トリメトキシシリルプロピルメルカプタンを100%加水分解し得る理論量に対して、194%であった。
室温で1日放置した後、50℃で2時間反応させ、トリメトキシシリルプロピルメルカプタンとシリカゾル表面のシラノール基との加水分解縮合により、メルカプト基を表面に有するシリカゾルが得られた。
上記で得られたメルカプト基を表面に有するシリカゾル溶液、グリシジルメタクリレート100部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート240部の混合物を80℃まで加熱し、80℃に達した時、及び80℃に達してから2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加した。さらに80℃で8時間反応して、スルフィド基を介してシリカゾルと結合したエポキシ基を有する重合体(固形分30%)を得た。
【0050】
得られた反応生成物にアクリル酸45.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート106.4部、N,N−ジメチルベンジルアミン1部、p−メトキシフェノール0.2部を添加し、100℃で12時間反応させ、エポキシ基にアクリル酸のカルボキシル基を付加することにより、重合体にアクリル酸のアクリロイル基を導入した。この反応により、スルフィド結合を介して、アクリロイル基を有する重合体とシリカゾルとが結合した構造を有する有機無機複合体[I](固形分30%)が得られた。
【0051】
(合成例2:有機無機複合体の合成例)
シリカゾルとしてメチルイソブチルケトンを分散媒とするシリカゾルを用いたこと以外は、上記合成例1と同様にして加水分解縮合を行ない、メルカプト基を表面に有するシリカゾルを得た。
上記で得られたメルカプト基を表面に有するシリカゾル溶液、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート90部、メチルメタクリレート10部、及びメチルイソブチルケトン240部の混合物を加熱して、80℃に達した時、及び80℃に達してから2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、さらに80℃で8時間反応して、スルフィド基を介しシリカゾルと結合したエポキシ基を有する重合体(固形分30%)を得た。
【0052】
得られた反応生成物に、アクリル酸30部、メチルイソブチルケトン70部、N,N−ジメチルベンジルアミン1部、p−メトキシフェノール0.2部を添加し100℃で12時間反応し、エポキシ基にアクリル酸のカルボキシル基を付加することにより、重合体にアクリル酸のアクリロイル基を導入した。この反応により、スルフィド結合を介して、アクリロイル基を有する重合体とシリカゾルとが結合する構造を有する有機無機複合体[II](固形分30%)を得た。
【0053】
(合成例3:有機無機複合体の合成例)
シリカゾルとしてプロピレングリコールモノメチルエーテルを分散媒とするシリカゾルを用いたこと以外は、上記合成例1と同様にして加水分解縮合を行ない、メルカプト基を表面に有するシリカゾルを得た。
上記で得られたメルカプト基を表面に有するシリカゾル溶液、グリシジルメタクリレート100部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル240部の混合物を加熱して80℃に達した時、及び80℃に達してから2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、さらに80℃で8時間反応して、スルフィド基を介してシリカゾルと結合したエポキシ基を有する重合体(固形分30%)を得た。
【0054】
得られた反応生成物に、アクリル酸41.1部、ペンタエリスリトールトリアクリレートと無水コハク酸の付加物25.2部、プロピレングリコールモノメチルエーテル154.7部、N,N−ジメチルベンジルアミン1部及びp−メトキシフェノール0.2部を添加し、100℃で12時間反応させ、エポキシ基にアクリル酸のカルボキシル基を付加することにより、重合体にアクリル酸のアクリロイル基、及びペンタエリスリトールトリアクリレートと無水コハク酸の付加物のアクリロイル基を導入した。この反応により、スルフィド結合を介して、アクリロイル基を有する重合体とシリカゾルとが結合した構造を有する有機無機複合体[III](固形分30%)を得た。
【0055】
(合成例4:有機無機複合体の合成例)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート139.5部に、グリシジルメタクリレート90部およびトリメトキシシリルプロピルメルカプタン3.0部を添加して、加熱し、65℃に達した時及び65℃に達してから3時間後にそれぞれ2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.94部ずつ添加し、さらに65℃にて3時間反応し重合体(固形分40%)を得た。
得られた重合体に、アクリル酸51.7部、トリフェニルホスフィン1.45部、p−メトキシフェノール0.29部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート198.2部を添加し、110℃にて10時間反応し(メタ)アクリロイル基を有する共重合体を得た。
上記で得られた(メタ)アクリロイル基を有する共重合体に、メチルエチルケトンを分散媒とするシリカゾル171.9部(固形分30%)、水1.0部、及びアセチルアセトンアルミニウム0.05部を添加し70℃で4時間反応して、有機無機複合体[IV](固形分30%)を得た。
【0056】
(合成例5:有機無機複合体の合成例)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート139.5部に、グリシジルメタクリレート90部及びトリメトキシシリルプロピルメルカプタン3.0部を添加して、加熱し、65℃に達した時及び65℃に達してから3時間後にそれぞれ2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.94部ずつ添加し、さらに65℃にて3時間反応し重合体(固形分40%)を得た。
得られた重合体にアクリル酸46.7部、ペンタエリスリトールトリアクリレート無水コハク酸付加物(東亞合成社製、商品名アリニックスTO−756)32.8部、トリフェニルホスフィン1.73部、p−メトキシフェノール0.29部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート263.0部を添加し、110℃にて10時間反応し、(メタ)アクリロイル基を有する共重合体を得た。
上記で得られた(メタ)アクリロイル基を有する共重合体にメチルエチルケトンを分散媒とするシリカゾル191.62部(固形分30%)、水1.0部、及びアセチルアセトンアルミニウム0.05部を添加し、70℃で4時間反応して、有機無機複合体[V](固形分30%)を得た。
【0057】
(合成例6:有機無機複合体の合成例)
合成例1と全く同様にして得られたメルカプト基を表面に有するシリカゾル溶液と、グリシジルメタクリレート100部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート240部との混合物を80℃まで加熱し、80℃に達した時、及び80℃に達してから2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、さらに80℃で8時間反応して、スルフィド基を介しシリカゾルと結合したエポキシ基を有する有機無機複合体[VI](固形分30%)を得た。
【0058】
(合成例7:アクリロイル基を有する重合体の合成例)
グリシジルメタクリレート100部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート233.3部の混合物を、80℃まで加熱し、80℃に達した時、及び80℃に達してから2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、さらに80℃で8時間反応して、エポキシ基を有する重合体(固形分30%)を得た。
得られた反応生成物にアクリル酸45.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート106.4部、N,N−ジメチルベンジルアミン1部、p−メトキシフェノール0.2部を添加し、100℃で12時間反応し、エポキシ基にアクリル酸のカルボキシル基を付加することにより、重合体にアクリル酸のアクリロイル基を導入し、アクリロイル基を有する重合体[VII](固形分30%)を得た。
【0059】
(合成例8:多官能アクリレートとシリカゾルとの有機無機複合体の合成例)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート50部、トリエトキシシリルプロピルイソシアネート10部、メチルエチルケトン56.7部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部及びジブチル錫ジラウレート0.1部を攪拌混合し、80℃で4時間反応した。この反応物を赤外線吸収スペクトルにより分析したところ、イソシアネート基の2250cm−1の吸収は認められず、反応が終了したことを確認した。
このものに、メチルエチルメトンを分散媒とするシリカゾル(固形分:30%)133.3部、水2部及びアセチルアセトンアルミニウム0.08部を添加し、溶液が透明になるまで攪拌混合した。水添加量は、トリエトキシシリル基が100%加水分解し得る理論量に対して、183%であった。室温で1日放置した後、50℃で2時間反応し、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとシリカゾルとの有機無機複合体[VIII](固形分40%)を得た。
【0060】
(実施例1〜7及び比較例1〜4:活性エネルギー線硬化性組成物の製造例)
特定の有機無機複合体[I]〜[VI]及び重合体[VII]のいずれか1種と、多官能アクリレート及び多官能アクリレートとシリカゾルの有機無機複合体[VIII]のいずれか1種と、溶剤と、光重合開始剤とを、下記表1に示す割合で均一に配合して、活性エネルギー線硬化性組成物を調製した(実施例1〜7及び比較例1〜4)。
【0061】
【表1】
【0062】
表中の各記号は以下の意味で用いた。
I〜VIII : 合成例1〜8参照
DPHA : ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
PETA : ペンタエリスリトールトリアクリレート
PGMEA : プロピレングルコールモノメチルエーテルアセテート
MEK : メチルエチルケトン
MIBK : メチルイソブチルケトン
PGM : プロピレングリコールモノメチルエーテル
イルカギュア184 : 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
【0063】
各活性エネルギー線硬化性組成物を、厚さ100μmの透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘイズ値 1.4%;三菱化学ポリエステル社製;商品名「T600E」)に、バーコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚が5μmとなるように塗布し、80℃で2分間加熱乾燥した。
【0064】
次いで、この塗布フィルムを、出力密度120W/cmの高圧水銀灯を光源として、光源下10cmの位置で、コンベアスピード3m/分の条件で紫外線を照射して塗膜を硬化させて、ハードコートフィルムをそれぞれ作製した。
各ハードコートフィルムを23℃、相対湿度60%の恒温室に24時間放置した後、各ハードコートフィルムの透明性をJIS K−7105に従って、ヘイズ値(H%)で評価した。また、摩耗輪(Calibrase社製:CS−10F)を用いて、荷重500gで100回転テーバー摩耗試験を行い、テーバー摩耗試験後のヘイズ値とテーバー摩耗試験前のヘイズ値との差ΔH%を測定することによって耐摩耗性を評価した。また、カール性は各ハードコートフィルムから、10cm×10cmの試験片を切り出し、この試験片の4隅のカール高さの平均値で評価した。
評価結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
表2の評価結果より、実施例1〜7のハードコートフィルムは、耐摩耗性に優れ、かつカール性の少ないものであることが認められた。一方、比較例1のハードコートフィルムは、耐摩耗性は良好であるが、カール性が大きく、比較例2のハードコートフィルムは、カール性は良好であるが、耐摩耗性が他のフィルムと比較して低かった。また、比較例3及び4のハードコートフィルムは、耐摩耗性が低く、カール性も大きいことが認められた。
【0067】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、耐摩耗性に優れた被膜を形成可能であるとともに、硬化に伴う収縮の少ない活性エネルギー線硬化性組成物を提供することができる。また、本発明によれば、表面の耐摩耗性に優れるとともに、カールなどの変形のないハードコートフィルムを提供することができる。
Claims (7)
- (A)(メタ)アクリロイル基を有する重合体とシリカゾル及び/又はオルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解物(以下まとめて「SiO−化合物」と記す)とがスルフィド結合を介して結合してなる有機無機複合体と、(B)分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとを、重量比で5/95〜70/30の割合で含有する活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記(A)有機無機複合体が、メルカプト基及びアルコキシシリル基を有する化合物(以下「メルカプト基含有シランカップリング剤」と記す。)とSiO−化合物とを加水分解縮合して得たメルカプト基を有するSiO−化合物の存在下で、エポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体を重合し、又は該単量体と1個のラジカル重合性基を有する他の単量体とを共重合し、SiO−化合物とスルフィド結合を介して結合したエポキシ基を有する重合体を得た後、得られた前記エポキシ基を有する重合体に、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を付加させることにより得られた有機無機複合体である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記(A)有機無機複合体が、メルカプト基含有シランカップリング剤の存在下でエポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体を重合し、又は該単量体と1個のラジカル重合性基を有する他の単量体とを共重合して、前記シランカップリング剤とスルフィド結合を介して結合したエポキシ基含有重合体を得た後、得られた前記エポキシ基を有する重合体に、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を付加させ、さらに得られた(メタ)アクリロイル基を有する重合体にSiO−化合物を加水分解縮合することにより得られた有機無機複合体である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記(B)(メタ)アクリレートが、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレートである請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記(B)(メタ)アクリレートが、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレートとSiO−化合物との有機無機複合体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- さらに(C)溶剤、及び/又は(D)光重合開始剤を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- プラスチックフィルムと、該フィルムの少なくとも一方の表面に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる膜とを有するハードコートフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003112518A JP4363077B2 (ja) | 2002-07-12 | 2003-04-17 | 活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002203997 | 2002-07-12 | ||
JP2003112518A JP4363077B2 (ja) | 2002-07-12 | 2003-04-17 | 活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004091765A true JP2004091765A (ja) | 2004-03-25 |
JP4363077B2 JP4363077B2 (ja) | 2009-11-11 |
Family
ID=32072235
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003112518A Expired - Lifetime JP4363077B2 (ja) | 2002-07-12 | 2003-04-17 | 活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4363077B2 (ja) |
Cited By (21)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004346228A (ja) * | 2003-05-23 | 2004-12-09 | Mitsubishi Chemicals Corp | 活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム |
JP2005171216A (ja) * | 2003-05-23 | 2005-06-30 | Mitsubishi Chemicals Corp | 活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム |
JP2006160802A (ja) * | 2004-12-03 | 2006-06-22 | Mitsubishi Chemicals Corp | 耐汚染性付与剤、硬化物および物品 |
JP2006233169A (ja) * | 2004-10-28 | 2006-09-07 | Jsr Corp | 硬化性組成物、その硬化層及び積層体 |
JP2006233167A (ja) * | 2004-09-22 | 2006-09-07 | Jsr Corp | 硬化性組成物、その硬化物及び積層体 |
WO2007026529A1 (ja) * | 2005-08-30 | 2007-03-08 | Catalysts & Chemicals Industries Co., Ltd. | 複合ポリマー、熱硬化性塗料組成物および成形品 |
JP2007106927A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 床用塗料組成物及びこの塗料にて被覆された床材 |
JPWO2005087831A1 (ja) * | 2004-03-10 | 2007-08-09 | 日立化成工業株式会社 | 重合性不飽和結合を有するアクリル系重合体の製造方法 |
JP2009113479A (ja) * | 2007-10-16 | 2009-05-28 | Mitsubishi Chemicals Corp | 転写シート及びその利用 |
JP2009286925A (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-10 | Jsr Corp | 硬化性組成物 |
WO2011111727A1 (ja) * | 2010-03-11 | 2011-09-15 | 中部電力株式会社 | 絶縁性高分子材料組成物 |
JP4872670B2 (ja) * | 2004-12-03 | 2012-02-08 | 三菱化学株式会社 | 組成物、硬化物および物品 |
JP2012214590A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-08 | Dainippon Printing Co Ltd | 光硬化性樹脂組成物 |
KR101273731B1 (ko) * | 2004-09-22 | 2013-06-12 | 제이에스알 가부시끼가이샤 | 경화성 조성물, 경화물 및 적층체 |
JP2013204026A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物およびその製造方法、ならびにその硬化膜を備えた成形品 |
JP2013209516A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Mitsubishi Chemicals Corp | 活性エネルギー線硬化性組成物 |
JP2014162154A (ja) * | 2013-02-26 | 2014-09-08 | Mitsubishi Chemicals Corp | 積層体およびロール状積層体 |
CN104204013A (zh) * | 2012-03-30 | 2014-12-10 | 三菱化学株式会社 | 活性能量射线固化性树脂组合物、层积体和卷状层积体 |
WO2016195250A1 (ko) * | 2015-06-03 | 2016-12-08 | 동우화인켐 주식회사 | 커버 윈도우 기판 |
US10550237B2 (en) | 2013-11-25 | 2020-02-04 | Lg Chem, Ltd. | Plastic film and a method for preparing the same |
JP2021138945A (ja) * | 2020-03-05 | 2021-09-16 | 荒川化学工業株式会社 | 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、硬化物及び積層体 |
-
2003
- 2003-04-17 JP JP2003112518A patent/JP4363077B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (29)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005171216A (ja) * | 2003-05-23 | 2005-06-30 | Mitsubishi Chemicals Corp | 活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム |
JP2004346228A (ja) * | 2003-05-23 | 2004-12-09 | Mitsubishi Chemicals Corp | 活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム |
JPWO2005087831A1 (ja) * | 2004-03-10 | 2007-08-09 | 日立化成工業株式会社 | 重合性不飽和結合を有するアクリル系重合体の製造方法 |
JP5125100B2 (ja) * | 2004-03-10 | 2013-01-23 | 日立化成工業株式会社 | 重合性不飽和結合を有するアクリル系重合体の製造方法 |
KR101273731B1 (ko) * | 2004-09-22 | 2013-06-12 | 제이에스알 가부시끼가이샤 | 경화성 조성물, 경화물 및 적층체 |
JP2006233167A (ja) * | 2004-09-22 | 2006-09-07 | Jsr Corp | 硬化性組成物、その硬化物及び積層体 |
JP2006233169A (ja) * | 2004-10-28 | 2006-09-07 | Jsr Corp | 硬化性組成物、その硬化層及び積層体 |
JP2006160802A (ja) * | 2004-12-03 | 2006-06-22 | Mitsubishi Chemicals Corp | 耐汚染性付与剤、硬化物および物品 |
JP4872670B2 (ja) * | 2004-12-03 | 2012-02-08 | 三菱化学株式会社 | 組成物、硬化物および物品 |
KR101339733B1 (ko) * | 2005-08-30 | 2013-12-10 | 니끼 쇼꾸바이 카세이 가부시키가이샤 | 복합 폴리머, 열경화성 도료조성물 및 성형품 |
JP5215665B2 (ja) * | 2005-08-30 | 2013-06-19 | 日揮触媒化成株式会社 | 複合ポリマー、熱硬化性塗料組成物および成形品 |
WO2007026529A1 (ja) * | 2005-08-30 | 2007-03-08 | Catalysts & Chemicals Industries Co., Ltd. | 複合ポリマー、熱硬化性塗料組成物および成形品 |
JP2007106927A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 床用塗料組成物及びこの塗料にて被覆された床材 |
JP2009113479A (ja) * | 2007-10-16 | 2009-05-28 | Mitsubishi Chemicals Corp | 転写シート及びその利用 |
JP2009286925A (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-10 | Jsr Corp | 硬化性組成物 |
WO2011111727A1 (ja) * | 2010-03-11 | 2011-09-15 | 中部電力株式会社 | 絶縁性高分子材料組成物 |
JP2012214590A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-08 | Dainippon Printing Co Ltd | 光硬化性樹脂組成物 |
JP2013204026A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物およびその製造方法、ならびにその硬化膜を備えた成形品 |
JP2013209516A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Mitsubishi Chemicals Corp | 活性エネルギー線硬化性組成物 |
CN104204013A (zh) * | 2012-03-30 | 2014-12-10 | 三菱化学株式会社 | 活性能量射线固化性树脂组合物、层积体和卷状层积体 |
KR20140143388A (ko) * | 2012-03-30 | 2014-12-16 | 미쓰비시 가가꾸 가부시키가이샤 | 활성 에너지 선 경화성 수지 조성물, 적층체 및 롤상 적층체 |
KR102088640B1 (ko) * | 2012-03-30 | 2020-03-13 | 미쯔비시 케미컬 주식회사 | 활성 에너지 선 경화성 수지 조성물, 적층체 및 롤상 적층체 |
JP2014162154A (ja) * | 2013-02-26 | 2014-09-08 | Mitsubishi Chemicals Corp | 積層体およびロール状積層体 |
US10550237B2 (en) | 2013-11-25 | 2020-02-04 | Lg Chem, Ltd. | Plastic film and a method for preparing the same |
WO2016195250A1 (ko) * | 2015-06-03 | 2016-12-08 | 동우화인켐 주식회사 | 커버 윈도우 기판 |
KR20210158850A (ko) * | 2015-06-03 | 2021-12-31 | 동우 화인켐 주식회사 | 커버 윈도우 기판 |
KR102404134B1 (ko) | 2015-06-03 | 2022-05-30 | 동우 화인켐 주식회사 | 커버 윈도우 기판 |
JP2021138945A (ja) * | 2020-03-05 | 2021-09-16 | 荒川化学工業株式会社 | 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、硬化物及び積層体 |
JP7415980B2 (ja) | 2020-03-05 | 2024-01-17 | 荒川化学工業株式会社 | 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、硬化物及び積層体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4363077B2 (ja) | 2009-11-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4363077B2 (ja) | 活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム | |
JP5589387B2 (ja) | シロキサン樹脂組成物およびそれを用いたタッチパネル用保護膜 | |
JP5477299B2 (ja) | マレイミド基で表面修飾した無機酸化物微粒子を含む硬化型組成物 | |
JP3400530B2 (ja) | 耐摩耗性被覆組成物 | |
JP4517590B2 (ja) | 耐汚染性付与剤及びそれを用いた耐汚染性物品 | |
JP5640381B2 (ja) | アルコキシシランの縮合物を含む活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物 | |
JP4360510B2 (ja) | 放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を有するフィルム | |
JP5483810B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JP5524572B2 (ja) | 活性エネルギー線硬化性の帯電防止コーティング剤組成物 | |
JP2003025510A (ja) | 反射防止性及び耐擦傷性を有する多層積層体 | |
JPH10279833A (ja) | 活性エネルギー線硬化性被覆組成物 | |
JP2013173871A (ja) | 組成物、帯電防止性コート剤及び帯電防止性積層体 | |
JP2003201444A (ja) | 活性エネルギー線硬化性の帯電防止性コーティング組成物 | |
JP6032383B1 (ja) | 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、塗料、塗膜、及びフィルム | |
KR20080055713A (ko) | 나노실리카입자를 포함하는 유기-무기하이브리드 코팅제,이로 형성된 버퍼층을 갖는 플라스틱 기판 및 그 제조방법 | |
JPH06287470A (ja) | 耐摩耗性被覆組成物 | |
JP2000080169A (ja) | 活性エネルギ―線硬化性被覆組成物 | |
JP2002234906A (ja) | 紫外線硬化性樹脂組成物 | |
JP2014084360A (ja) | 活性エネルギー線硬化型アンダーコート用組成物及び積層体 | |
JP3164431B2 (ja) | 耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物 | |
JP2005171216A (ja) | 活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム | |
JPH10287822A (ja) | 活性エネルギー線硬化性被覆組成物 | |
JP4320277B2 (ja) | 有機無機ハイブリッド樹脂組成物、および、これを用いた硬化物ならびに物品 | |
JP4846177B2 (ja) | 有機無機複合体、その製造方法及びそれを用いた活性エネルギー線硬化性組成物ならびに硬化被膜形成物品 | |
JP3851790B2 (ja) | 活性エネルギー線硬化性材料および帯電防止性トップコート剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051116 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080523 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080610 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080811 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090324 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090421 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20090601 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090728 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090810 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120828 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4363077 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130828 Year of fee payment: 4 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |