JP2004081430A - フライヤー - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度な温調を行うことによりオーバーシュートを防止することを目的とする。
【解決手段】各温度範囲毎に異なった条件でパルス燃焼器4をON/OFF制御することによって、食材の投入量やその熱容量、器具自体がもつ熱量等、油温の温度変化に影響を与える因子の変化に応じてパルス燃焼器4の動作を制御することができ、多様な条件下においても高い精度の温調が可能となる。
また、パルス燃焼器4をON/OFF制御する条件が調理用油の温度勾配が基準値を上回るか否かといった容易なものであるから、複雑な制御を必要とせず温調の信頼性が向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】各温度範囲毎に異なった条件でパルス燃焼器4をON/OFF制御することによって、食材の投入量やその熱容量、器具自体がもつ熱量等、油温の温度変化に影響を与える因子の変化に応じてパルス燃焼器4の動作を制御することができ、多様な条件下においても高い精度の温調が可能となる。
また、パルス燃焼器4をON/OFF制御する条件が調理用油の温度勾配が基準値を上回るか否かといった容易なものであるから、複雑な制御を必要とせず温調の信頼性が向上する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度センサによる検出油温に基づいて、調理用油の温度が設定温度に維持されるように、加熱手段をON/OFF制御するフライヤーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ファーストフード店等において油揚げ物料理に使用されるフライヤー等の調理器では、調理用油の温度を検出して油温が所定範囲内に維持されるよう燃焼器の燃焼を制御している。通常、こうした温度制御は、燃焼器のON/OFF制御により行われてきた。例えば、検出した油温が所定範囲以下に低下した時に燃焼を開始し、油温が上昇して所定範囲を超えた時に燃焼を停止して油温を所定範囲以内に維持するよう燃焼制御するのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、食材の投入量やその熱容量、器具自体がもつ熱量等、油温の温度変化に影響を与える因子が常に一定とは限らないため、一律同じ温度で燃焼停止をしていると、油温が上昇しすぎてしまうこと(オーバーシュート)がある。このオーバーシュートを防止するためには、設定温度到達前の適切なタイミングで消火させる必要があるが、消火のタイミングが早すぎると頻繁に再点火を繰り返してしまい、器具の耐久性や温調精度に問題が生じてしまうこともあった。
【0004】
また、油槽内の油の温度分布や油の対流等により油槽内の温度センサ周囲の油温変化が、食材周囲の油温変化からずれてしまうことがある。このため、すでに食材の周囲の温度が適切な消火タイミングに達しているにもかかわらず、センサ温度がなかなか上昇して来ずに、消火タイミングが遅れて大きくオーバーシュートしてしまうことがあった。
本発明のフライヤーは上記課題を解決し、高精度な温調を行うことによりオーバーシュートを防止することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載のフライヤーは、
調理用油を溜める油槽と、該調理用油を加熱する加熱手段と、該加熱手段の加熱を制御して該調理用油が設定温度になるように制御する加熱制御手段と、該調理用油の温度を検出する温度センサとを備え、
上記温度センサによる検出油温に基づいて、上記調理用油の温度が設定温度に維持されるように、上記加熱手段をON/OFF制御するフライヤーにおいて、予め設定した複数の温度範囲毎に異なる加熱制御条件を記憶し、上記温度センサによって検出した温度の属する温度範囲に対応した加熱制御条件に従って上記加熱手段のON/OFF制御を行うことを要旨とする。
【0006】
また、本発明の請求項2記載のフライヤーは、上記請求項1記載のフライヤーにおいて、
上記検出油温の経過時間に対する勾配を検出する温度勾配検出手段を備え、
上記複数の温度範囲には、上記温度勾配に応じて上記加熱手段のON/OFFを切替える温度範囲が含まれることを要旨とする。
【0007】
また、本発明の請求項3記載のフライヤーは、上記請求項1記載のフライヤーにおいて、
上記検出油温の経過時間に対する勾配を検出する温度勾配検出手段を備え、
上記複数の温度範囲には、常に上記加熱手段をONする温度範囲と、上記温度勾配に応じて該加熱手段のON/OFFを切替える温度範囲と、常に該加熱手段をOFFする温度範囲とが含まれることを要旨とする。
【0008】
また、本発明の請求項4記載のフライヤーは、上記請求項2又は請求項3記載のフライヤーにおいて、
上記検出油温の温度勾配に応じて上記加熱手段のON/OFFを切替える上記温度範囲は、少なくとも二つ以上の温度範囲に分割され、それぞれの温度範囲毎にON/OFFを切替える基準となる温度勾配の基準値がそれぞれ異なる値で設定されていることを要旨とする。
【0009】
また、本発明の請求項5記載のフライヤーは、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載のフライヤーにおいて、
上記各温度範囲では、一旦加熱手段をONした後は、少なくとも予め設定された最小ON時間の間、ON状態が継続するように制御することを要旨とする。
【0010】
また、本発明の請求項6記載のフライヤーは、上記請求項1〜5のいずれか1項に記載のフライヤーにおいて、
上記設定温度を含む最適温度範囲に最も近い温度範囲においては、上記加熱手段は上記加熱制御条件により一旦ONした後は、その後の検出油温にかかわらず、所定のON継続時間だけON状態を継続し、その後所定のOFF継続時間以上OFF状態を継続することを要旨とする。
【0011】
また、本発明の請求項7記載のフライヤーは、上記請求項6記載のフライヤーにおいて、
上記加熱手段がONされる上記ON継続時間をOFFされる上記OFF継続時間よりも短く設定したことを要旨とする。
【0012】
また、本発明の請求項8記載のフライヤーは、上記請求項6又は請求項7記載のフライヤーにおいて、
上記OFF継続時間が終了した時点から所定時間以内に上記加熱手段をONする条件が成立した場合には、上記ON継続時間を短縮することを要旨とする。
【0013】
また、本発明の請求項9記載のフライヤーは、上記請求項1〜8のいずれか1項に記載のフライヤーにおいて、
運転開始時に、上記検出油温が所定値以下の場合には、上記複数の温度範囲とは異なる複数の温度範囲毎に記憶された第二の加熱制御条件に従って、上記加熱手段のON/OFFを切替えることを要旨とする。
【0014】
また、本発明の請求項10記載のフライヤーは、上記請求項2〜9のいずれか1項に記載のフライヤーにおいて、
上記加熱手段は、個別にON/OFF制御される複数の加熱装置からなり、上記検出された温度勾配に基づいて、該複数の加熱装置の作動台数を切り替える台数切替手段を備えたことを要旨とする。
【0015】
また、本発明の請求項11記載のフライヤーは、上記請求項10記載のフライヤーにおいて、
上記各加熱装置毎の作動回数が均一となるように、該各加熱装置の動作を制御する平均化制御手段を備えたことを要旨とする。
【0016】
また、本発明の請求項12記載のフライヤーは、上記請求項1〜11のいずれか1項に記載のフライヤーにおいて、
上記各種設定値を、書換え可能もしくは交換可能な不揮発性メモリに記憶することを要旨とする。
【0017】
上記構成を有する本発明の請求項1記載のフライヤーは、加熱手段をON/OFF制御して、設定温度に維持した調理用油に食材を投入して加熱調理する。
この場合、加熱手段は、予め設定された複数の温度範囲毎に異なる加熱制御条件に従ってON/OFF制御される。例えば、油温が設定温度よりも大きく低下している温度範囲においては、加熱手段が動作しやすい条件を設定し、すばやく設定温度に到達できるようにする。逆に、油温が設定温度より僅かに低い温度範囲においては、加熱手段が動作しにくい条件を設定し、オーバーシュートを防止する。
【0018】
また、本発明の請求項2記載のフライヤーは、温度勾配に応じて加熱手段のON/OFFを切替える加熱制御条件が設定された温度範囲を備えることにより高い精度の温調制御を行う。
例えば、油温が急激に上昇している場合、すなわち、温度上昇勾配が大きい場合は、加熱手段をOFFして早めに加熱を止めることによりオーバーシュートを防止する。
【0019】
また、本発明の請求項3記載のフライヤーは、常に加熱手段をONする加熱制御条件が設定された温度範囲と、温度勾配に応じて加熱手段のON/OFFを切替える加熱制御条件が設定された温度範囲と、常に加熱手段をOFFする加熱制御条件が設定された温度範囲とを備えることにより高い精度の温調制御を行う。例えば、油温が設定温度よりも大きく低下している温度範囲においては加熱手段を常にONし、油温が設定温度を含む最適温度範囲以上においては加熱手段を常にOFFし、それらの中間の温度範囲においては温度勾配に応じて、加熱手段のON/OFFを切替える。中間の温度範囲では、油温が急激に上昇している場合、すなわち、温度上昇勾配が大きい場合は、加熱手段をOFFして早めに加熱を止めることによりオーバーシュートを防止する。
【0020】
また、本発明の請求項4記載のフライヤーは、温度勾配に応じて加熱手段のON/OFFを切替える温度範囲を複数の温度範囲に分割し、それぞれの温度範囲毎に異なる温度勾配の基準値を定めることにより、一層高精度な温調制御を行う。
例えば、温度勾配に応じて加熱手段のON/OFFを切替える温度範囲を二つの温度範囲に分け、食材が投入されない場合、すなわち、油温が設定温度より僅かに低い温度範囲では、基準値となる温度勾配を小さめに設定することにより、加熱手段が動作しにくい条件を与えて、オーバーシュートを防止する。逆に、食材が投入された場合、すなわち、設定温度よりも大きく温度が低下している温度範囲では、基準値となる温度勾配を大きめに設定することにより、加熱手段が動作しやすい条件を与えて、すばやく設定温度に到達できるようにする。
【0021】
また、本発明の請求項5記載のフライヤーは、一旦加熱手段をONすると、予め設定した最小ON時間だけはON状態を継続する。このため、加熱手段を頻繁にON/OFF切替することを防止できる。
【0022】
ところで、食材が投入されない場合には、食材による調理用油の攪拌がない上、必要な加熱量が少ない、すなわち必要な加熱時間が短いため、加熱による調理用油の攪拌も少ない。このような場合には、食材を投入する調理部に対して、温度センサ部の油温の変化に大きな応答遅れが生じ、高い精度の温調が困難になってしまう。
そこで、本発明の請求項6記載のフライヤーでは、設定温度を含む最適温度範囲に最も近い温度範囲では、加熱手段が所定のON継続時間だけ動作して調理用油を加熱した後にOFFし、その後所定のOFF継続時間以上の間はOFF状態を継続するようにしている。
つまり、油温が設定温度より僅かに低い温度範囲、すなわち、食材が投入されない場合の温調においては、油温を一定温度上昇させるために必要な加熱量がほぼ一定であるから、調理用油の温度勾配とは無関係に、油温を所定温度に維持するために予め予想される必要な熱量が得られるON継続時間だけ加熱手段を動作させる。このため、温度センサ周辺の油の攪拌が悪く温度センサの温度が調理部の油温とずれてしまう場合でも、高い温調精度を維持できる。
【0023】
また、本発明の請求項7記載のフライヤーは、設定温度を含む最適温度範囲に最も近い温度範囲では、わずかな加熱量で設定温度に到達するため、加熱手段のOFF継続時間をON継続時間よりも長くすることによりオーバーシュートを確実に防止する。
【0024】
また、調理直後には、油槽内の各所における調理用油の温度差が大きくなっており、それが攪拌されて均一化されていく過程では、熱量全体は大きく減っていないにもかかわらず、マイナスの温度勾配を検出することがある。この結果、加熱手段の動作周期が短くなり、加熱量が多くなりすぎてオーバーシュートしてしまう。
そこで、本発明の請求項8記載のフライヤーでは、OFF継続時間が終了した時点から所定時間以内に加熱手段がONされる場合には、ON継続時間を短縮することにより、加熱量を減少させてオーバーシュートを防止する。
【0025】
また、本発明の請求項9記載のフライヤーは、運転開始時の油温が所定値以下の場合には、通常時の温度範囲とは異なる複数の温度範囲毎に設定された第二の加熱制御条件に従って加熱手段をON/OFF制御する。従って、例えば、朝一番の運転時等、通常使用時よりもずっと低い温度から加熱した場合は、長時間連続加熱することになるから、加熱手段自身に熱がたまりその余熱によって調理用油を加熱することになるうえ、食材という熱を吸収する要素がないため調理時と比較して、加熱手段をOFFしてからのオーバーシュート量が大きくなってしまうため、通常時に比べ早めに加熱手段の動作を止めるような温調制御を行う。
【0026】
また、本発明の請求項10記載のフライヤーは、複数の加熱装置の作動台数を油温の温度勾配に応じて切替えて加熱量調整を行うことにより、例えば、温度勾配が大きい場合には作動台数を減らしてオーバーシュートを防止し、温度勾配が小さい場合には作動台数を増やすことによりすばやく設定温度に到達できるようにして、一層高精度の温度調整が可能となる。
【0027】
また、本発明の請求項11記載のフライヤーは、各加熱装置毎の作動回数を均一にすることにより、加熱装置の負担を平均化する。
【0028】
また、本発明の請求項12記載のフライヤーは、各種設定値を書換え可能もしくは交換可能な不揮発性メモリに記憶させることにより、器具本体のバリエーションが多い時でも適宜不揮発性メモリの書換えまたは交換によって同じ制御ソフトで対応が可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のフライヤーの好適な実施形態について説明する。
【0030】
《第一実施形態》
図2は、本発明の第一実施形態としての業務用フライヤー(以下、単にフライヤーと呼ぶ)の概略構成図である。
フライヤー1は、ケーシング2内に、食材を揚げるための調理用油(以下「油」という)が満たされる油槽3と、油槽3内に設けられて油を加熱するパルス燃焼器4と、油の温度を検出する温度センサ23と、主にパルス燃焼器4の燃焼を制御して油を設定温度に制御する加熱コントローラ24と、各種調理メニュー毎に調理タイマを備えそれらのタイムアップ時に報知をおこなう調理コントローラ5と、油槽3の油を濾過するために油を一時的に貯留する油タンク6とを備える。
パルス燃焼器4は、油槽3内に設けられた燃焼室7と、油槽3の外部で燃焼室7に繋がる混合室8を有し、混合室8には、上流側から元電磁弁9と主電磁弁10、ガスガバナ11を備えて燃料ガスが供給されるガス管12が導かれる。又、混合室8には、ファン13を備えた給気管14により燃焼用空気を供給可能となっている。更に燃焼室7には、油槽3内でテールパイプ15が接続され、テールパイプ15は、油槽3の外部でデカプラ16を介して外部に開口する排気管17に接続されている。
尚、調理用油としては、ショートニング等の常温固形油を用いる。
【0031】
調理コントローラ5は、主要部をマイコンによって構成され、ケーシング2の前面に操作パネル18を備える。図3は操作パネル18を正面から示すもので、操作パネル18には、フライヤー1の運転をON/OFFする運転スイッチ19と、メニュー名や油温や調理タイマの残り時間等の表示を行う表示部20と、表示部20の表示を切替える切替スイッチ21と、パルス燃焼器4の燃焼中に点灯する燃焼ランプ22と、各種調理メニューに対して予め時間設定された調理タイマをスタートさせるメニュースイッチM1〜M12が設けられる。
【0032】
また、加熱コントローラ24は、主要部をマイコンによって構成され、その入力側には、油槽3に設けられた温度センサ23等が接続されており、出力側には、各電磁弁、ファンモータ、各種ランプ、ブザー等が接続されている。また、調理コントローラ5と接続され、調理コントローラ5の運転スイッチ19のON指令を受けて、油温が設定温度(340°F=約171.1℃)に維持されるようパルス燃焼器4をON/OFF制御する。
【0033】
ここで、本実施形態のフライヤー1の燃焼制御(油温制御)について図4〜7に示したフローチャートを用いて説明する。この油温制御は、予め設定された四つの温度範囲毎に異なる温調制御方法で実行される。
尚、運転スイッチ19を押してフライヤー1の運転をオンした時の検出油温が所定温度より低い場合は、後述する別の制御が実行されるが、まず、検出油温が所定温度より高い場合の制御について説明する。
【0034】
運転スイッチ19を投入すると、温度範囲判定ルーチン(図4)と温調制御メインルーチン(図5)とが起動する。これら二つのルーチンは常に並行して行われる。
温度範囲判定ルーチンでは、温度センサ23による検出油温が339°F以上の場合には温度範囲はDであると判定し(S1:YES)、339°Fより低く338°F以上の場合には温度範囲はAであると判定し(S2:YES)、338°Fより低く335°F以上の場合には温度範囲はBであると判定し(S3:YES)、335°Fより低い場合には温度範囲はCであると判定する(S3:NO)。
ここで、これら四つの温度範囲の分け方について説明する。
温度範囲Dは、油温がほぼ設定温度(340°F)である温度範囲と考える。温度範囲Aは、油槽3に食材が投入されておらず、油の自然放熱によって油温が設定温度からわずかに下がった温度範囲であると考える。
温度範囲B,Cは、油槽3に食材が投入されて、油温が低下した温度範囲であると考える。そして、設定温度に比較的近い温度で急激に加熱していくと、オーバーシュートしてしまうため、設定温度に近い方の温度範囲Bと遠い方の温度範囲Cとに分け、温調制御方法を変える。
【0035】
温調制御メインルーチンでは、まず、温度範囲判定ルーチンで判定された温度範囲がA〜Dのいずれの温度範囲であるかを判断する(S4,S5,S6)。温度範囲がAである場合には(S5:YES)、温度範囲A用の温調制御ルーチンに移行し、温度範囲がBである場合には(S6:YES)、温度範囲B用の温調制御ルーチンに移行する。
また、温度範囲がC、すなわち、検出油温が335°Fよりも低い場合は(S6:NO)、パルス燃焼を常にONして調理用油を加熱し(S8)、温度範囲がD、すなわち、検出油温が339°F以上の場合は(S4:YES)、パルス燃焼器4を常にOFFする(S7)。
【0036】
温度範囲A用の温調制御ルーチン(図6)では、油温の温度勾配Kx(°F/5s:5秒間での油温の変化量)を算出しKxが0(°F/5s)以上か否かを判断する(S9)。そして、Kxが0より小さい場合にはパルス燃焼器4をONし(S10)、Kxが0以上の場合にはパルス燃焼器4をOFFする(S11)。
すなわち、設定温度より僅かに低い温度範囲Aでは、油温が下降中の場合にはパルス燃焼器4をONし、油温が上昇中の場合にはパルス燃焼器4をOFFさせる。
また、温度勾配Kxとして、5秒間での油温の変化量のようにある程度の期間に対する温度の変化量をとることにより、瞬間的な油温変化(ノイズ)によってパルス燃焼器4のON/OFFが頻繁に切替えられてしまうことを防止している。
このような燃焼制御を行いながら、温度範囲がAであるか否かを判別していく(S12)。温度範囲がAである限りは(S12:YES)、この制御を繰り返し、温度範囲がAから外れると(S12:NO)、温調制御メインルーチンに戻り、温度範囲がA〜Dのいずれの温度範囲であるかを判別し直す。
【0037】
温度範囲B用の温調制御ルーチン(図7)では、油温の温度勾配Kx(°F/5s)を算出しKxが0.2(°F/5s)以上か否かを判断する(S13)。そして、Kxが0.2より小さい場合にはパルス燃焼器4をONし(S14)、Kxが0.2以上の場合にはパルス燃焼器4をOFFする(S15)。
すなわち、温度範囲Aより若干温度が低い温度範囲Bでは、油温が少しづつ上昇している場合は、パルス燃焼器4をONし続け、油温が予め設定した上昇度合いよりも勢い良く上昇し始めると燃焼をOFFする。
このような燃焼制御を行いながら、温度範囲がBであるか否かを判別していく(S16)。温度範囲がBである限りは(S16:YES)、この制御を繰り返し、温度範囲がBから外れると(S16:NO)、温調制御メインルーチンに戻り、温度範囲がA〜Dのいずれの温度範囲であるかを判別し直す。
【0038】
上述した温度範囲毎の燃焼条件をまとめると図1に示す表のようになる。
このように温度範囲毎に温調制御を変えることにより、目的別の制御を行うことができる。
設定温度近辺の温度範囲Aは、主に食材を投入していない場合(無負荷時)の温調を行うことを目的としており、無負荷時には、この温度範囲A+α°Fの油温(≒設定温度)を維持する。また、食材投入直後等の油温下降時(Kx<0)はすぐに燃焼させる。また、食材投入後の温度上昇時(Kx≧0)は、必ず燃焼を停止させる。
温度範囲Aよりも低い温度範囲Bは、主に食材を投入した調理時の温調を行うことを目的としている。この温度範囲では、基本的には、パルス燃焼器4を燃焼させて上の温度範囲まで油温を上昇させることを目的としているが、一定以上の上昇勾配になり次第、燃焼を停止させる。これによって、油温のオーバーシュートを防ぐことが可能となる。つまり、温度勾配が大きくなるということは、熱を吸収する要因が減った(食材や器具が十分に加熱された・食材が取り出された等)ことを意味し、上昇勾配が小さい時よりも早く止める必要があるからである。更に、温度勾配がある程度小さい場合にはパルス燃焼器4をOFFするタイミングは遅くなるため、早く消火させすぎることを防いで、頻繁なON/OFF切替を防止できる。
また、更に下の温度範囲である温度範囲Cは、多量の食材が投入された場合の温調を行うことを目的としており、この温度範囲では、常にパルス燃焼器4をONすることによりすばやく油温を上昇させる。
【0039】
以上の温調制御により、無負荷時は常に安定した油温を維持できる。さらに、調理中においても、食材が途中で取り出されると温度勾配が大きくなり早めに燃焼をOFFするため、燃焼途中で食材を取り出した時もオーバーシュートを防止できる。また、食材が十分に加熱された場合も食材への熱の吸収がなくなることにより、温度勾配が大きくなり早めに燃焼をOFFするため、食材の種類・量等が変わってもオーバーシュートを防止できる。
また、油温が最適温度を含む温度範囲Dよりも僅かでも低下し、温度勾配がマイナスであればすぐにパルス燃焼器4をONするため、油温の大幅なダウンシュートを防止できる。
このように、オーバーシュートやダウンシュートを防止して常に最適な油温で食材を揚げることが可能となるため、調理性能が向上し、食材をおいしく調理することができる。更に、油温が上昇しすぎないので、油の劣化を抑制することもでき、油を長期間とりかえずに済むため経済的である。しかも、パルス燃焼器4の不必要に頻繁なON/OFF切替を行っているわけではないため、器具の劣化が早まることもなく長寿命化させることができる。
更に、パルス燃焼器4をON/OFF制御する条件が油の温度勾配が基準値を上回るか否かといった容易なものであるから、複雑な制御を必要とせず温調の信頼性は高い。
【0040】
ところで、朝一番の点火時等、通常使用時よりもずっと低い温度から燃焼させた場合は、定常時よりも長時間連続燃焼することからパルス燃焼器4に多くの熱がたまりその余熱によって油を加熱することになるうえ、食材という熱を吸収する要素がないため調理時と比較して、燃焼をOFFしてからのオーバーシュート量がかなり大きくなってしまう。
そこで、運転スイッチ19をONした時の油温が所定温度より低い場合は、長時間かつ無負荷状態での燃焼を行うと判断できるので、本実施形態のフライヤー1では、運転スイッチ19をONした時の油温が所定値以下だった場合には、上述した調理時の温調制御とは別の温調制御を行い、早めに燃焼をOFFしてオーバーシュートを防止するようにしている。
【0041】
ここで、運転スイッチ19をONした時に油温が所定値以下だった場合における燃焼制御(油温制御)について図8に示したフローチャートを用いて説明する。この油温制御は、上述した通常使用時の温度範囲とは異なる温度範囲毎に異なる温調制御方法で実行される。
【0042】
運転スイッチ19を投入した時に温度センサ23で検出した油温が所定温度(例えば、320°F)以下だった場合には、初期燃焼用の温調制御ルーチンが起動する。
検出油温が327°Fになるまでは無条件にパルス燃焼器4をONし(S22)、調理用油を加熱する。油温が330°Fより低く327°F以上の温度範囲では(S21:YES、S23:NO)、油温の温度勾配Kx(°F/5s)を算出しKxが0.9(°F/5s)以上か否かを判断する(S24)。Kxが0.9より小さい場合、すなわち油温がそれほど急上昇していない場合はパルス燃焼器4をONし続ける(S24:NO)。
一方、油温が急上昇している場合には(S24:YES)、パルス燃焼器4をOFFして(S25)、オーバーシュートを防止する。そして、燃焼OFF後60秒経過すると(S27:YES)、調理時の温調制御メインルーチンに移行するわけであるが、60秒経過する前に温度勾配が下降勾配に転じたら(S26:YES)、その時点で温調制御メインルーチンに移行する。
【0043】
また、油温が335°Fより小さく330°F以上の温度範囲では(S23:YES、S28:NO)、油温の温度勾配Kxを算出しKxが0.2(°F/5s)以上か否かを判断する(S29)。Kxが0.2より小さい場合、すなわち油温が緩やかにしか上昇していない場合はパルス燃焼器4をONし続ける(S29:NO)。
一方、比較的勢い良く上昇している場合には(S29:YES)、パルス燃焼器4をOFFして(S25)、オーバーシュートを防止する。そして、燃焼OFF後60秒経過すると(S27:YES)、調理時の温調制御メインルーチンに移行するわけであるが、60秒経過する前に温度勾配が下降勾配に転じたら(S26:YES)、その時点で温調制御メインルーチンに移行する。
油温が335°F以上になると(S28:YES)、無条件で燃焼をOFFして(S25)、調理時の温調制御メインルーチンに移行する(S26:YES or S27:YES)。
【0044】
上述した初期燃焼時の各温度範囲毎の燃焼条件をまとめると図9に示す表の用になる。
このように、調理時の場合よりも低い温度から燃焼をOFFすることにより、初期燃焼時のオーバーシュートを防止する。しかも、温度勾配は、器具の冷え方や連続燃焼している時間の長さ等によって変化するが、勾配が大きいほどオーバーシュートも大きくなる(油以外への熱交換が飽和してきている)ため、勾配が大きいほど早く燃焼をOFFしてオーバーシュートを防止する。
【0045】
《第二実施形態》
次に、第二実施形態のフライヤーについて図10,11を用いて説明する。尚、第一実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。
第一実施形態の温調制御条件だけでは、食材を投入する油槽3の中央付近に対して、温度センサ23周囲の油温の変化に応答遅れがある場合は、高い精度での温調が困難になる。例えば、無負荷時には食材による油の攪拌がない上、必要な加熱量が少ないことから、必要な燃焼時間が短く油の対流が発生しにくいため、燃焼による油の攪拌も少ない。こういった状況では、温度センサ23まで熱が達する速度が遅い時がある。この結果、食材を投入する油槽3の中央付近は既に油温が上昇して燃焼を止めるべき時でも、温度センサ23周囲の油温が変化しておらず燃焼を止められずオーバーシュートしてしまうことがある。
そこで、第二実施形態のフライヤーでは、無負荷時は食材という変動要素がなく、器具の持つ熱量も安定しているため、一定温度上昇させるために必要な加熱量がほぼ一定であることを利用して、第一実施形態の温調制御条件に、燃焼ONと燃焼OFFを一定時間ずつ繰り返すといった時間による条件を付け加える。
【0046】
第二実施形態のフライヤーは、第一実施形態のフライヤーと比べて、無負荷時の温調を行うことを目的としている温度範囲Aにおける温調制御のみが異なるので、温度範囲Aの温調制御ルーチンのみを図10に示したフローチャートを用いて説明する。
油温の温度勾配Kxを算出しKxが0以上か否かを判断する(S31)。温度勾配Kxが0以上、すなわち油温が上昇中の場合には、パルス燃焼器4をOFFして加熱を止め(S32)、油温が温度範囲Aに含まれるか否かを判断する(S43)。温度範囲Aに含まれる場合は(S43:YES)、ステップ31に戻る。温度範囲Aに含まれない場合は(S43:NO)、温調制御メインルーチンに移行する。
温度勾配Kxが0より小さい場合(S31:NO)、すなわち油温が下降中の場合には、パルス燃焼器4をONするわけであるが、その前に前回の燃焼OFF時から50秒経過するまで待機する(S33:NO)。この待機中に油温が温度範囲Aからはずれた場合には(S34:NO)、温調制御メインルーチンに移行する。
【0047】
そして、前回の燃焼OFF時から50秒経過すると(S33:YES)、パルス燃焼器4をONする(S35)。燃焼をONしたら、前回の燃焼OFF時から100秒以上経過している否かを判断する(S36)。100秒以上経過している場合には(S36:YES)、12秒間燃焼をONし(S37)、経過していない場合には(S36:NO)、10秒間燃焼をONする(S38)。これは、前回の燃焼時からの経過時間が短いと加熱量が多くなりすぎてしまうからである。例えば、温度勾配Kxが0以上の期間が長かった場合は(ステップ31,32,43の繰り返し)、ステップ33へ進んだ時点で100秒以上経過しているため燃焼時間は12秒となる。一方、温度勾配Kxが0以上の期間が短かった場合は(ステップ31,32,43の繰り返し)、ステップ36へ100秒経過前に進むため燃焼時間は10秒となる。
この燃焼継続中に(S37,S38)、油温が温度範囲Aからはずれた場合には(S39:NO、S42:NO)、温調制御メインルーチンに移行する。
そして、12秒間あるいは10秒間燃焼したら燃焼をOFFし(S40)、油温が温度範囲Aに含まれるか否かを判断する(S41)。温度範囲Aに含まれる場合は(S41:YES)、ステップ31に戻り上述した制御を繰り返す。温度範囲Aに含まれない場合は(S41:NO)、温調制御メインルーチンに移行する。
ステップ37でパルス燃焼器4を燃焼させる12秒間が本発明のON継続時間に相当し、ステップ33で前回燃焼OFF後から待機する50秒間が本発明のOFF継続時間に相当し、ステップ36で判断する経過時間(100秒)が本発明のOFF継続時間+OFF継続時間が終了した時点からの所定時間に相当し、ステップ38でパルス燃焼器4を燃焼させる10秒間が本発明の短縮されたON継続時間に相当する。
【0048】
上述した燃焼条件をまとめると図11に示す表のようになる。
油温が設定温度より僅かに低い温度範囲Aにある場合、すなわち、食材が投入されてはおらず無負荷時の温調制御では、パルス燃焼器4を所定時間(例えば12秒間)ONしその後自動的にOFFするようにしている。つまり、無負荷時には、油温を一定温度上昇させるために必要な加熱量がほぼ一定であるから、必要な熱量が得られる所定時間だけ燃焼させているのである。このため、無負荷時の温調において、油の攪拌が悪く温度センサ23周囲の油温が他の油槽3内の油温とずれている場合でも、オーバーシュートなどを防止して高い精度の温調を維持することができる。
また、このようにパルス燃焼器4を一定時間はONし続け、一定時間はOFFし続けるといったように制御することによって、油温変化が微妙な温度範囲Aにおいても、パルス燃焼器4を頻繁にON/OFFすることを防止でき、器具の耐久性向上につながる。
【0049】
調理直後には、油槽内の各所における調理用油の温度差が大きくなっており、それが攪拌されて均一化されていく過程では、熱量全体は大きく減っていないにもかかわらず、マイナスの温度勾配を検出することがある。この結果、パルス燃焼器4の動作周期が短くなり、加熱量が多くなりすぎてオーバーシュートしてしまう。
そこで、第二実施形態のフライヤーでは、燃焼開始時における前回の燃焼OFF時からの経過時間が短い(100秒以内)の場合には、ON継続時間を短くし加熱量を減少させることにより、オーバーシュートを防止している。
【0050】
《第三実施形態》
次に、第三実施形態のフライヤーについて図12を用いて説明する。尚、第一実施形態及び第二実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。
第三実施形態のフライヤーでは、図示しないが一つの油槽3に第一パルス燃焼器と第二パルス燃焼器の二台のパルス燃焼器を備える。そして、各温度範囲毎のON/OFF条件に加え、各温度範囲毎に温度勾配に基づいて、両側燃焼と片側燃焼とを切り替える火力調整を行うことにより一層高精度な温調を行う。
【0051】
第一実施形態、第二実施形態のフライヤーの燃焼条件に、パルス燃焼器の切替条件を加えた第三実施形態のフライヤーの各温度範囲毎の燃焼条件を図12に示す。
温度範囲Aでは、両側燃焼はさせず、温度勾配Kxが0より小さい場合には、片側燃焼させる。すなわち、設定温度よりわずかに低い温度範囲Aでは、半分の熱量で加熱することにより、オーバーシュートを起こすことが防止できる。
温度範囲Bでは、温度勾配Kxが0.2以上の場合は燃焼OFFで、温度勾配Kxが0.2より小さく−0.3以上の場合は片側燃焼で、温度勾配Kxが−0.3より小さい場合は両側燃焼である。このため、食材投入されて油温が大幅に低下中は、強火力で加熱することができすみやかに設定温度まで加熱することができる。油温の低下度合いが少ない、あるいは緩やかに上昇している場合には、半分の熱量で加熱することによりオーバーシュートを防止する。
【0052】
また、片側燃焼時には前回の片側燃焼時に使用されたパルス燃焼器とは、逆のパルス燃焼器を燃焼させる。つまり、片側燃焼時には、第一パルス燃焼器→第二パルス燃焼器→第一パルス燃焼器…のように第一パルス燃焼器と第二パルス燃焼器とが交互に燃焼させられる。従って、各燃焼器の作動回数を同一にして負担を平均化し、器具全体としての寿命を延ばすことができる。
【0053】
《第四実施形態》
次に、第四実施形態のフライヤーについて図13を用いて説明する。尚、第一実施形態及び第二実施形態及び第三実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。
第四実施形態のフライヤーでは、器具の耐久性を向上させるために、主にパルス燃焼器4を頻繁にON/OFF切替させない燃焼条件が加えられる。
【0054】
温度範囲A,Bでは、パルス燃焼器4をONした後、最低10秒間はON状態を継続させる。さらに、燃焼がONされたまま油温が温度範囲Dに達した場合、すぐに燃焼を停止するのではなく、燃焼開始から最低5秒間は燃焼を継続させる。このため、頻繁にON/OFF切替することが防止でき、耐久性を向上させることができる。
また、温度範囲Dで燃焼がOFFされると、油温が温度範囲A以上である場合は50秒間は燃焼ONに切替えることを禁止する。これによって、温度センサ23による検出温度のぶれ等、温度範囲Dと温度範囲A間の微妙な温度変化によるパルス燃焼器4の頻繁なON/OFF切替を防止で出来る。
また、温度範囲Bの内の高温の温度範囲(337°F以上)では、温度勾配Kxが0以上になると、燃焼をOFFし、温度勾配Kxが0以上の間は50秒以上OFF状態を継続する。つまり、温度範囲Aと同様に油温変化が微妙な温度範囲Bの高温帯においても、パルス燃焼器4を頻繁にON/OFFすることを防止できる。
【0055】
以上、第一実施形態及び第二実施形態及び第三実施形態及び第四実施形態のフライヤーについて説明したが、いずれのフライヤーにおいても、温調制御の各種ルーチン(制御ソフト)は加熱コントローラ24のマイコンに記憶されているが、温度範囲の分類や、燃焼ON/OFFの判定条件となる温度勾配や経過時間の基準値の設定が必要であり、油量や器具の大きさ(熱容量)や加熱力等によって決める必要がある。そこで、これらのパラメータを外部記憶用の不揮発性メモリ(例えば、E2PROM)に記憶させることにより、器具本体のバリエーションが多い時でも適宜E2PROMの交換、または、E2PROMに記憶させたパラメータの書換えにより同じ制御ソフトで対応が可能となるため、コストアップを抑制できる。
【0056】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のフライヤーによれば、複数の温度範囲毎に異なった加熱制御条件で加熱手段をON/OFF制御することによって、油温の温度変化に影響を与える因子の変化に応じて加熱手段の動作を制御することができ、多様な条件下においても高い精度の温調が可能となる。従って、油温のオーバーシュートを防止して調理性能を向上させることができるため、食材をおいしく加熱調理できる。
【0058】
更に、本発明の請求項2記載のフライヤーによれば、温度勾配に応じて加熱手段のON/OFFを切替える加熱制御条件が設定された温度範囲を備えることにより、高い精度の温調制御を行うことができる。しかも、加熱手段をON/OFF制御する条件として、例えば、調理用油の温度勾配が基準値を上回るか否かといった容易なもので済み、複雑な制御を必要とせず信頼性が向上する。
【0059】
更に、本発明の請求項3記載のフライヤーによれば、油温が設定温度よりも大きく低下している温度範囲においては加熱手段を常にONし、油温が設定温度を含む最適温度範囲以上においては加熱手段を常にOFFし、それらの中間の温度範囲においては温度勾配に応じて、加熱手段のON/OFFを切替えることにより、高い精度の温調制御を行うことができる。例えば、中間の温度範囲では、温度勾配が大きい場合は、加熱手段をOFFして早めに加熱を止めることによりオーバーシュートを防止することができる。
【0060】
更に、本発明の請求項4記載のフライヤーによれば、温度勾配に応じて加熱手段のON/OFFを切替える温度範囲を複数の温度範囲に分割し、それぞれの温度範囲毎に異なる温度勾配の基準値を定めることにより、加熱のタイミングを細分化でき、一層高精度な温調制御を行うことができる。
【0061】
更に、本発明の請求項5記載のフライヤーによれば、加熱手段を頻繁にON/OFF切替することを防止して、加熱手段の寿命を向上させることができる。
【0062】
更に、本発明の請求項6記載のフライヤーによれば、温度センサ周囲の油温が他の場所の油温とずれている場合でも、オーバーシュートなどを防止して高い精度の温調を維持することができる。
【0063】
更に、本発明の請求項7記載のフライヤーによれば、設定温度を含む最適温度範囲に最も近い温度範囲では、加熱手段のOFF継続時間をON継続時間よりも長くすることによりオーバーシュートを確実に防止することができる。
【0064】
更に、本発明の請求項8記載のフライヤーによれば、調理終了直後など、加熱手段の動作周期が短くなった場合には、加熱量を減少させることにより、オーバーシュートを防止することができる。
【0065】
更に、本発明の請求項9記載のフライヤーによれば、朝一運転時等、運転開始時の温度が低く長時間連続加熱する場合には、通常運転時とは異なる第二の加熱制御条件、例えば、定常時よりも早めに加熱手段をOFFする条件を設定することにより、加熱手段を停止するタイミングを早めてオーバーシュートを防止することができる。
【0066】
更に、本発明の請求項10記載のフライヤーによれば、複数の加熱装置の動作台数を切替えることによる加熱力調整機能も組み合わせることによって、一層高精度な温度調整が可能となる。
【0067】
更に、本発明の請求項11記載のフライヤーによれば、加熱装置の負担を平均化することにより、装置全体としての寿命を延ばすことができる。
【0068】
更に、本発明の請求項12記載のフライヤーによれば、器具本体のバリエーションが多い時でも適宜不揮発性メモリの書換えもしくは交換により同じ制御ソフトで対応が可能となるため、コストアップを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態としてのフライヤーの通常運転時における温度範囲毎の燃焼条件を示した表である。
【図2】第一実施形態としてのフライヤーの概略構成図である。
【図3】第一実施形態としての表示パネルの正面図である。
【図4】第一実施形態としてのフライヤーの温度範囲判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】第一実施形態としてのフライヤーの温調制御メインルーチンを示すフローチャートである。
【図6】第一実施形態としてのフライヤーの温調制御ルーチン(温度範囲A)を示すフローチャートである。
【図7】第一実施形態としてのフライヤーの温調制御ルーチン(温度範囲B)を示すフローチャートである。
【図8】第一実施形態としてのフライヤーの温調制御ルーチン(初期燃焼)を示すフローチャートである。
【図9】第一実施形態としてのフライヤーの初期燃焼時における温度範囲毎の燃焼条件を示した表である。
【図10】第二実施形態としてのフライヤーの温調制御ルーチン(温度範囲A)を示すフローチャートである。
【図11】第二実施形態としてのフライヤーの通常運転時における温度範囲毎の燃焼条件を示した表である。
【図12】第三実施形態としてのフライヤーの通常運転時における温度範囲毎の燃焼条件を示した表である。
【図13】第四実施形態としてのフライヤーの通常運転時における温度範囲毎の燃焼条件を示した表である。
【符号の説明】
1…フライヤー、3…油槽、4…パルス燃焼器、5…調理コントローラ、23…温度センサ、24…加熱コントローラ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度センサによる検出油温に基づいて、調理用油の温度が設定温度に維持されるように、加熱手段をON/OFF制御するフライヤーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ファーストフード店等において油揚げ物料理に使用されるフライヤー等の調理器では、調理用油の温度を検出して油温が所定範囲内に維持されるよう燃焼器の燃焼を制御している。通常、こうした温度制御は、燃焼器のON/OFF制御により行われてきた。例えば、検出した油温が所定範囲以下に低下した時に燃焼を開始し、油温が上昇して所定範囲を超えた時に燃焼を停止して油温を所定範囲以内に維持するよう燃焼制御するのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、食材の投入量やその熱容量、器具自体がもつ熱量等、油温の温度変化に影響を与える因子が常に一定とは限らないため、一律同じ温度で燃焼停止をしていると、油温が上昇しすぎてしまうこと(オーバーシュート)がある。このオーバーシュートを防止するためには、設定温度到達前の適切なタイミングで消火させる必要があるが、消火のタイミングが早すぎると頻繁に再点火を繰り返してしまい、器具の耐久性や温調精度に問題が生じてしまうこともあった。
【0004】
また、油槽内の油の温度分布や油の対流等により油槽内の温度センサ周囲の油温変化が、食材周囲の油温変化からずれてしまうことがある。このため、すでに食材の周囲の温度が適切な消火タイミングに達しているにもかかわらず、センサ温度がなかなか上昇して来ずに、消火タイミングが遅れて大きくオーバーシュートしてしまうことがあった。
本発明のフライヤーは上記課題を解決し、高精度な温調を行うことによりオーバーシュートを防止することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載のフライヤーは、
調理用油を溜める油槽と、該調理用油を加熱する加熱手段と、該加熱手段の加熱を制御して該調理用油が設定温度になるように制御する加熱制御手段と、該調理用油の温度を検出する温度センサとを備え、
上記温度センサによる検出油温に基づいて、上記調理用油の温度が設定温度に維持されるように、上記加熱手段をON/OFF制御するフライヤーにおいて、予め設定した複数の温度範囲毎に異なる加熱制御条件を記憶し、上記温度センサによって検出した温度の属する温度範囲に対応した加熱制御条件に従って上記加熱手段のON/OFF制御を行うことを要旨とする。
【0006】
また、本発明の請求項2記載のフライヤーは、上記請求項1記載のフライヤーにおいて、
上記検出油温の経過時間に対する勾配を検出する温度勾配検出手段を備え、
上記複数の温度範囲には、上記温度勾配に応じて上記加熱手段のON/OFFを切替える温度範囲が含まれることを要旨とする。
【0007】
また、本発明の請求項3記載のフライヤーは、上記請求項1記載のフライヤーにおいて、
上記検出油温の経過時間に対する勾配を検出する温度勾配検出手段を備え、
上記複数の温度範囲には、常に上記加熱手段をONする温度範囲と、上記温度勾配に応じて該加熱手段のON/OFFを切替える温度範囲と、常に該加熱手段をOFFする温度範囲とが含まれることを要旨とする。
【0008】
また、本発明の請求項4記載のフライヤーは、上記請求項2又は請求項3記載のフライヤーにおいて、
上記検出油温の温度勾配に応じて上記加熱手段のON/OFFを切替える上記温度範囲は、少なくとも二つ以上の温度範囲に分割され、それぞれの温度範囲毎にON/OFFを切替える基準となる温度勾配の基準値がそれぞれ異なる値で設定されていることを要旨とする。
【0009】
また、本発明の請求項5記載のフライヤーは、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載のフライヤーにおいて、
上記各温度範囲では、一旦加熱手段をONした後は、少なくとも予め設定された最小ON時間の間、ON状態が継続するように制御することを要旨とする。
【0010】
また、本発明の請求項6記載のフライヤーは、上記請求項1〜5のいずれか1項に記載のフライヤーにおいて、
上記設定温度を含む最適温度範囲に最も近い温度範囲においては、上記加熱手段は上記加熱制御条件により一旦ONした後は、その後の検出油温にかかわらず、所定のON継続時間だけON状態を継続し、その後所定のOFF継続時間以上OFF状態を継続することを要旨とする。
【0011】
また、本発明の請求項7記載のフライヤーは、上記請求項6記載のフライヤーにおいて、
上記加熱手段がONされる上記ON継続時間をOFFされる上記OFF継続時間よりも短く設定したことを要旨とする。
【0012】
また、本発明の請求項8記載のフライヤーは、上記請求項6又は請求項7記載のフライヤーにおいて、
上記OFF継続時間が終了した時点から所定時間以内に上記加熱手段をONする条件が成立した場合には、上記ON継続時間を短縮することを要旨とする。
【0013】
また、本発明の請求項9記載のフライヤーは、上記請求項1〜8のいずれか1項に記載のフライヤーにおいて、
運転開始時に、上記検出油温が所定値以下の場合には、上記複数の温度範囲とは異なる複数の温度範囲毎に記憶された第二の加熱制御条件に従って、上記加熱手段のON/OFFを切替えることを要旨とする。
【0014】
また、本発明の請求項10記載のフライヤーは、上記請求項2〜9のいずれか1項に記載のフライヤーにおいて、
上記加熱手段は、個別にON/OFF制御される複数の加熱装置からなり、上記検出された温度勾配に基づいて、該複数の加熱装置の作動台数を切り替える台数切替手段を備えたことを要旨とする。
【0015】
また、本発明の請求項11記載のフライヤーは、上記請求項10記載のフライヤーにおいて、
上記各加熱装置毎の作動回数が均一となるように、該各加熱装置の動作を制御する平均化制御手段を備えたことを要旨とする。
【0016】
また、本発明の請求項12記載のフライヤーは、上記請求項1〜11のいずれか1項に記載のフライヤーにおいて、
上記各種設定値を、書換え可能もしくは交換可能な不揮発性メモリに記憶することを要旨とする。
【0017】
上記構成を有する本発明の請求項1記載のフライヤーは、加熱手段をON/OFF制御して、設定温度に維持した調理用油に食材を投入して加熱調理する。
この場合、加熱手段は、予め設定された複数の温度範囲毎に異なる加熱制御条件に従ってON/OFF制御される。例えば、油温が設定温度よりも大きく低下している温度範囲においては、加熱手段が動作しやすい条件を設定し、すばやく設定温度に到達できるようにする。逆に、油温が設定温度より僅かに低い温度範囲においては、加熱手段が動作しにくい条件を設定し、オーバーシュートを防止する。
【0018】
また、本発明の請求項2記載のフライヤーは、温度勾配に応じて加熱手段のON/OFFを切替える加熱制御条件が設定された温度範囲を備えることにより高い精度の温調制御を行う。
例えば、油温が急激に上昇している場合、すなわち、温度上昇勾配が大きい場合は、加熱手段をOFFして早めに加熱を止めることによりオーバーシュートを防止する。
【0019】
また、本発明の請求項3記載のフライヤーは、常に加熱手段をONする加熱制御条件が設定された温度範囲と、温度勾配に応じて加熱手段のON/OFFを切替える加熱制御条件が設定された温度範囲と、常に加熱手段をOFFする加熱制御条件が設定された温度範囲とを備えることにより高い精度の温調制御を行う。例えば、油温が設定温度よりも大きく低下している温度範囲においては加熱手段を常にONし、油温が設定温度を含む最適温度範囲以上においては加熱手段を常にOFFし、それらの中間の温度範囲においては温度勾配に応じて、加熱手段のON/OFFを切替える。中間の温度範囲では、油温が急激に上昇している場合、すなわち、温度上昇勾配が大きい場合は、加熱手段をOFFして早めに加熱を止めることによりオーバーシュートを防止する。
【0020】
また、本発明の請求項4記載のフライヤーは、温度勾配に応じて加熱手段のON/OFFを切替える温度範囲を複数の温度範囲に分割し、それぞれの温度範囲毎に異なる温度勾配の基準値を定めることにより、一層高精度な温調制御を行う。
例えば、温度勾配に応じて加熱手段のON/OFFを切替える温度範囲を二つの温度範囲に分け、食材が投入されない場合、すなわち、油温が設定温度より僅かに低い温度範囲では、基準値となる温度勾配を小さめに設定することにより、加熱手段が動作しにくい条件を与えて、オーバーシュートを防止する。逆に、食材が投入された場合、すなわち、設定温度よりも大きく温度が低下している温度範囲では、基準値となる温度勾配を大きめに設定することにより、加熱手段が動作しやすい条件を与えて、すばやく設定温度に到達できるようにする。
【0021】
また、本発明の請求項5記載のフライヤーは、一旦加熱手段をONすると、予め設定した最小ON時間だけはON状態を継続する。このため、加熱手段を頻繁にON/OFF切替することを防止できる。
【0022】
ところで、食材が投入されない場合には、食材による調理用油の攪拌がない上、必要な加熱量が少ない、すなわち必要な加熱時間が短いため、加熱による調理用油の攪拌も少ない。このような場合には、食材を投入する調理部に対して、温度センサ部の油温の変化に大きな応答遅れが生じ、高い精度の温調が困難になってしまう。
そこで、本発明の請求項6記載のフライヤーでは、設定温度を含む最適温度範囲に最も近い温度範囲では、加熱手段が所定のON継続時間だけ動作して調理用油を加熱した後にOFFし、その後所定のOFF継続時間以上の間はOFF状態を継続するようにしている。
つまり、油温が設定温度より僅かに低い温度範囲、すなわち、食材が投入されない場合の温調においては、油温を一定温度上昇させるために必要な加熱量がほぼ一定であるから、調理用油の温度勾配とは無関係に、油温を所定温度に維持するために予め予想される必要な熱量が得られるON継続時間だけ加熱手段を動作させる。このため、温度センサ周辺の油の攪拌が悪く温度センサの温度が調理部の油温とずれてしまう場合でも、高い温調精度を維持できる。
【0023】
また、本発明の請求項7記載のフライヤーは、設定温度を含む最適温度範囲に最も近い温度範囲では、わずかな加熱量で設定温度に到達するため、加熱手段のOFF継続時間をON継続時間よりも長くすることによりオーバーシュートを確実に防止する。
【0024】
また、調理直後には、油槽内の各所における調理用油の温度差が大きくなっており、それが攪拌されて均一化されていく過程では、熱量全体は大きく減っていないにもかかわらず、マイナスの温度勾配を検出することがある。この結果、加熱手段の動作周期が短くなり、加熱量が多くなりすぎてオーバーシュートしてしまう。
そこで、本発明の請求項8記載のフライヤーでは、OFF継続時間が終了した時点から所定時間以内に加熱手段がONされる場合には、ON継続時間を短縮することにより、加熱量を減少させてオーバーシュートを防止する。
【0025】
また、本発明の請求項9記載のフライヤーは、運転開始時の油温が所定値以下の場合には、通常時の温度範囲とは異なる複数の温度範囲毎に設定された第二の加熱制御条件に従って加熱手段をON/OFF制御する。従って、例えば、朝一番の運転時等、通常使用時よりもずっと低い温度から加熱した場合は、長時間連続加熱することになるから、加熱手段自身に熱がたまりその余熱によって調理用油を加熱することになるうえ、食材という熱を吸収する要素がないため調理時と比較して、加熱手段をOFFしてからのオーバーシュート量が大きくなってしまうため、通常時に比べ早めに加熱手段の動作を止めるような温調制御を行う。
【0026】
また、本発明の請求項10記載のフライヤーは、複数の加熱装置の作動台数を油温の温度勾配に応じて切替えて加熱量調整を行うことにより、例えば、温度勾配が大きい場合には作動台数を減らしてオーバーシュートを防止し、温度勾配が小さい場合には作動台数を増やすことによりすばやく設定温度に到達できるようにして、一層高精度の温度調整が可能となる。
【0027】
また、本発明の請求項11記載のフライヤーは、各加熱装置毎の作動回数を均一にすることにより、加熱装置の負担を平均化する。
【0028】
また、本発明の請求項12記載のフライヤーは、各種設定値を書換え可能もしくは交換可能な不揮発性メモリに記憶させることにより、器具本体のバリエーションが多い時でも適宜不揮発性メモリの書換えまたは交換によって同じ制御ソフトで対応が可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のフライヤーの好適な実施形態について説明する。
【0030】
《第一実施形態》
図2は、本発明の第一実施形態としての業務用フライヤー(以下、単にフライヤーと呼ぶ)の概略構成図である。
フライヤー1は、ケーシング2内に、食材を揚げるための調理用油(以下「油」という)が満たされる油槽3と、油槽3内に設けられて油を加熱するパルス燃焼器4と、油の温度を検出する温度センサ23と、主にパルス燃焼器4の燃焼を制御して油を設定温度に制御する加熱コントローラ24と、各種調理メニュー毎に調理タイマを備えそれらのタイムアップ時に報知をおこなう調理コントローラ5と、油槽3の油を濾過するために油を一時的に貯留する油タンク6とを備える。
パルス燃焼器4は、油槽3内に設けられた燃焼室7と、油槽3の外部で燃焼室7に繋がる混合室8を有し、混合室8には、上流側から元電磁弁9と主電磁弁10、ガスガバナ11を備えて燃料ガスが供給されるガス管12が導かれる。又、混合室8には、ファン13を備えた給気管14により燃焼用空気を供給可能となっている。更に燃焼室7には、油槽3内でテールパイプ15が接続され、テールパイプ15は、油槽3の外部でデカプラ16を介して外部に開口する排気管17に接続されている。
尚、調理用油としては、ショートニング等の常温固形油を用いる。
【0031】
調理コントローラ5は、主要部をマイコンによって構成され、ケーシング2の前面に操作パネル18を備える。図3は操作パネル18を正面から示すもので、操作パネル18には、フライヤー1の運転をON/OFFする運転スイッチ19と、メニュー名や油温や調理タイマの残り時間等の表示を行う表示部20と、表示部20の表示を切替える切替スイッチ21と、パルス燃焼器4の燃焼中に点灯する燃焼ランプ22と、各種調理メニューに対して予め時間設定された調理タイマをスタートさせるメニュースイッチM1〜M12が設けられる。
【0032】
また、加熱コントローラ24は、主要部をマイコンによって構成され、その入力側には、油槽3に設けられた温度センサ23等が接続されており、出力側には、各電磁弁、ファンモータ、各種ランプ、ブザー等が接続されている。また、調理コントローラ5と接続され、調理コントローラ5の運転スイッチ19のON指令を受けて、油温が設定温度(340°F=約171.1℃)に維持されるようパルス燃焼器4をON/OFF制御する。
【0033】
ここで、本実施形態のフライヤー1の燃焼制御(油温制御)について図4〜7に示したフローチャートを用いて説明する。この油温制御は、予め設定された四つの温度範囲毎に異なる温調制御方法で実行される。
尚、運転スイッチ19を押してフライヤー1の運転をオンした時の検出油温が所定温度より低い場合は、後述する別の制御が実行されるが、まず、検出油温が所定温度より高い場合の制御について説明する。
【0034】
運転スイッチ19を投入すると、温度範囲判定ルーチン(図4)と温調制御メインルーチン(図5)とが起動する。これら二つのルーチンは常に並行して行われる。
温度範囲判定ルーチンでは、温度センサ23による検出油温が339°F以上の場合には温度範囲はDであると判定し(S1:YES)、339°Fより低く338°F以上の場合には温度範囲はAであると判定し(S2:YES)、338°Fより低く335°F以上の場合には温度範囲はBであると判定し(S3:YES)、335°Fより低い場合には温度範囲はCであると判定する(S3:NO)。
ここで、これら四つの温度範囲の分け方について説明する。
温度範囲Dは、油温がほぼ設定温度(340°F)である温度範囲と考える。温度範囲Aは、油槽3に食材が投入されておらず、油の自然放熱によって油温が設定温度からわずかに下がった温度範囲であると考える。
温度範囲B,Cは、油槽3に食材が投入されて、油温が低下した温度範囲であると考える。そして、設定温度に比較的近い温度で急激に加熱していくと、オーバーシュートしてしまうため、設定温度に近い方の温度範囲Bと遠い方の温度範囲Cとに分け、温調制御方法を変える。
【0035】
温調制御メインルーチンでは、まず、温度範囲判定ルーチンで判定された温度範囲がA〜Dのいずれの温度範囲であるかを判断する(S4,S5,S6)。温度範囲がAである場合には(S5:YES)、温度範囲A用の温調制御ルーチンに移行し、温度範囲がBである場合には(S6:YES)、温度範囲B用の温調制御ルーチンに移行する。
また、温度範囲がC、すなわち、検出油温が335°Fよりも低い場合は(S6:NO)、パルス燃焼を常にONして調理用油を加熱し(S8)、温度範囲がD、すなわち、検出油温が339°F以上の場合は(S4:YES)、パルス燃焼器4を常にOFFする(S7)。
【0036】
温度範囲A用の温調制御ルーチン(図6)では、油温の温度勾配Kx(°F/5s:5秒間での油温の変化量)を算出しKxが0(°F/5s)以上か否かを判断する(S9)。そして、Kxが0より小さい場合にはパルス燃焼器4をONし(S10)、Kxが0以上の場合にはパルス燃焼器4をOFFする(S11)。
すなわち、設定温度より僅かに低い温度範囲Aでは、油温が下降中の場合にはパルス燃焼器4をONし、油温が上昇中の場合にはパルス燃焼器4をOFFさせる。
また、温度勾配Kxとして、5秒間での油温の変化量のようにある程度の期間に対する温度の変化量をとることにより、瞬間的な油温変化(ノイズ)によってパルス燃焼器4のON/OFFが頻繁に切替えられてしまうことを防止している。
このような燃焼制御を行いながら、温度範囲がAであるか否かを判別していく(S12)。温度範囲がAである限りは(S12:YES)、この制御を繰り返し、温度範囲がAから外れると(S12:NO)、温調制御メインルーチンに戻り、温度範囲がA〜Dのいずれの温度範囲であるかを判別し直す。
【0037】
温度範囲B用の温調制御ルーチン(図7)では、油温の温度勾配Kx(°F/5s)を算出しKxが0.2(°F/5s)以上か否かを判断する(S13)。そして、Kxが0.2より小さい場合にはパルス燃焼器4をONし(S14)、Kxが0.2以上の場合にはパルス燃焼器4をOFFする(S15)。
すなわち、温度範囲Aより若干温度が低い温度範囲Bでは、油温が少しづつ上昇している場合は、パルス燃焼器4をONし続け、油温が予め設定した上昇度合いよりも勢い良く上昇し始めると燃焼をOFFする。
このような燃焼制御を行いながら、温度範囲がBであるか否かを判別していく(S16)。温度範囲がBである限りは(S16:YES)、この制御を繰り返し、温度範囲がBから外れると(S16:NO)、温調制御メインルーチンに戻り、温度範囲がA〜Dのいずれの温度範囲であるかを判別し直す。
【0038】
上述した温度範囲毎の燃焼条件をまとめると図1に示す表のようになる。
このように温度範囲毎に温調制御を変えることにより、目的別の制御を行うことができる。
設定温度近辺の温度範囲Aは、主に食材を投入していない場合(無負荷時)の温調を行うことを目的としており、無負荷時には、この温度範囲A+α°Fの油温(≒設定温度)を維持する。また、食材投入直後等の油温下降時(Kx<0)はすぐに燃焼させる。また、食材投入後の温度上昇時(Kx≧0)は、必ず燃焼を停止させる。
温度範囲Aよりも低い温度範囲Bは、主に食材を投入した調理時の温調を行うことを目的としている。この温度範囲では、基本的には、パルス燃焼器4を燃焼させて上の温度範囲まで油温を上昇させることを目的としているが、一定以上の上昇勾配になり次第、燃焼を停止させる。これによって、油温のオーバーシュートを防ぐことが可能となる。つまり、温度勾配が大きくなるということは、熱を吸収する要因が減った(食材や器具が十分に加熱された・食材が取り出された等)ことを意味し、上昇勾配が小さい時よりも早く止める必要があるからである。更に、温度勾配がある程度小さい場合にはパルス燃焼器4をOFFするタイミングは遅くなるため、早く消火させすぎることを防いで、頻繁なON/OFF切替を防止できる。
また、更に下の温度範囲である温度範囲Cは、多量の食材が投入された場合の温調を行うことを目的としており、この温度範囲では、常にパルス燃焼器4をONすることによりすばやく油温を上昇させる。
【0039】
以上の温調制御により、無負荷時は常に安定した油温を維持できる。さらに、調理中においても、食材が途中で取り出されると温度勾配が大きくなり早めに燃焼をOFFするため、燃焼途中で食材を取り出した時もオーバーシュートを防止できる。また、食材が十分に加熱された場合も食材への熱の吸収がなくなることにより、温度勾配が大きくなり早めに燃焼をOFFするため、食材の種類・量等が変わってもオーバーシュートを防止できる。
また、油温が最適温度を含む温度範囲Dよりも僅かでも低下し、温度勾配がマイナスであればすぐにパルス燃焼器4をONするため、油温の大幅なダウンシュートを防止できる。
このように、オーバーシュートやダウンシュートを防止して常に最適な油温で食材を揚げることが可能となるため、調理性能が向上し、食材をおいしく調理することができる。更に、油温が上昇しすぎないので、油の劣化を抑制することもでき、油を長期間とりかえずに済むため経済的である。しかも、パルス燃焼器4の不必要に頻繁なON/OFF切替を行っているわけではないため、器具の劣化が早まることもなく長寿命化させることができる。
更に、パルス燃焼器4をON/OFF制御する条件が油の温度勾配が基準値を上回るか否かといった容易なものであるから、複雑な制御を必要とせず温調の信頼性は高い。
【0040】
ところで、朝一番の点火時等、通常使用時よりもずっと低い温度から燃焼させた場合は、定常時よりも長時間連続燃焼することからパルス燃焼器4に多くの熱がたまりその余熱によって油を加熱することになるうえ、食材という熱を吸収する要素がないため調理時と比較して、燃焼をOFFしてからのオーバーシュート量がかなり大きくなってしまう。
そこで、運転スイッチ19をONした時の油温が所定温度より低い場合は、長時間かつ無負荷状態での燃焼を行うと判断できるので、本実施形態のフライヤー1では、運転スイッチ19をONした時の油温が所定値以下だった場合には、上述した調理時の温調制御とは別の温調制御を行い、早めに燃焼をOFFしてオーバーシュートを防止するようにしている。
【0041】
ここで、運転スイッチ19をONした時に油温が所定値以下だった場合における燃焼制御(油温制御)について図8に示したフローチャートを用いて説明する。この油温制御は、上述した通常使用時の温度範囲とは異なる温度範囲毎に異なる温調制御方法で実行される。
【0042】
運転スイッチ19を投入した時に温度センサ23で検出した油温が所定温度(例えば、320°F)以下だった場合には、初期燃焼用の温調制御ルーチンが起動する。
検出油温が327°Fになるまでは無条件にパルス燃焼器4をONし(S22)、調理用油を加熱する。油温が330°Fより低く327°F以上の温度範囲では(S21:YES、S23:NO)、油温の温度勾配Kx(°F/5s)を算出しKxが0.9(°F/5s)以上か否かを判断する(S24)。Kxが0.9より小さい場合、すなわち油温がそれほど急上昇していない場合はパルス燃焼器4をONし続ける(S24:NO)。
一方、油温が急上昇している場合には(S24:YES)、パルス燃焼器4をOFFして(S25)、オーバーシュートを防止する。そして、燃焼OFF後60秒経過すると(S27:YES)、調理時の温調制御メインルーチンに移行するわけであるが、60秒経過する前に温度勾配が下降勾配に転じたら(S26:YES)、その時点で温調制御メインルーチンに移行する。
【0043】
また、油温が335°Fより小さく330°F以上の温度範囲では(S23:YES、S28:NO)、油温の温度勾配Kxを算出しKxが0.2(°F/5s)以上か否かを判断する(S29)。Kxが0.2より小さい場合、すなわち油温が緩やかにしか上昇していない場合はパルス燃焼器4をONし続ける(S29:NO)。
一方、比較的勢い良く上昇している場合には(S29:YES)、パルス燃焼器4をOFFして(S25)、オーバーシュートを防止する。そして、燃焼OFF後60秒経過すると(S27:YES)、調理時の温調制御メインルーチンに移行するわけであるが、60秒経過する前に温度勾配が下降勾配に転じたら(S26:YES)、その時点で温調制御メインルーチンに移行する。
油温が335°F以上になると(S28:YES)、無条件で燃焼をOFFして(S25)、調理時の温調制御メインルーチンに移行する(S26:YES or S27:YES)。
【0044】
上述した初期燃焼時の各温度範囲毎の燃焼条件をまとめると図9に示す表の用になる。
このように、調理時の場合よりも低い温度から燃焼をOFFすることにより、初期燃焼時のオーバーシュートを防止する。しかも、温度勾配は、器具の冷え方や連続燃焼している時間の長さ等によって変化するが、勾配が大きいほどオーバーシュートも大きくなる(油以外への熱交換が飽和してきている)ため、勾配が大きいほど早く燃焼をOFFしてオーバーシュートを防止する。
【0045】
《第二実施形態》
次に、第二実施形態のフライヤーについて図10,11を用いて説明する。尚、第一実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。
第一実施形態の温調制御条件だけでは、食材を投入する油槽3の中央付近に対して、温度センサ23周囲の油温の変化に応答遅れがある場合は、高い精度での温調が困難になる。例えば、無負荷時には食材による油の攪拌がない上、必要な加熱量が少ないことから、必要な燃焼時間が短く油の対流が発生しにくいため、燃焼による油の攪拌も少ない。こういった状況では、温度センサ23まで熱が達する速度が遅い時がある。この結果、食材を投入する油槽3の中央付近は既に油温が上昇して燃焼を止めるべき時でも、温度センサ23周囲の油温が変化しておらず燃焼を止められずオーバーシュートしてしまうことがある。
そこで、第二実施形態のフライヤーでは、無負荷時は食材という変動要素がなく、器具の持つ熱量も安定しているため、一定温度上昇させるために必要な加熱量がほぼ一定であることを利用して、第一実施形態の温調制御条件に、燃焼ONと燃焼OFFを一定時間ずつ繰り返すといった時間による条件を付け加える。
【0046】
第二実施形態のフライヤーは、第一実施形態のフライヤーと比べて、無負荷時の温調を行うことを目的としている温度範囲Aにおける温調制御のみが異なるので、温度範囲Aの温調制御ルーチンのみを図10に示したフローチャートを用いて説明する。
油温の温度勾配Kxを算出しKxが0以上か否かを判断する(S31)。温度勾配Kxが0以上、すなわち油温が上昇中の場合には、パルス燃焼器4をOFFして加熱を止め(S32)、油温が温度範囲Aに含まれるか否かを判断する(S43)。温度範囲Aに含まれる場合は(S43:YES)、ステップ31に戻る。温度範囲Aに含まれない場合は(S43:NO)、温調制御メインルーチンに移行する。
温度勾配Kxが0より小さい場合(S31:NO)、すなわち油温が下降中の場合には、パルス燃焼器4をONするわけであるが、その前に前回の燃焼OFF時から50秒経過するまで待機する(S33:NO)。この待機中に油温が温度範囲Aからはずれた場合には(S34:NO)、温調制御メインルーチンに移行する。
【0047】
そして、前回の燃焼OFF時から50秒経過すると(S33:YES)、パルス燃焼器4をONする(S35)。燃焼をONしたら、前回の燃焼OFF時から100秒以上経過している否かを判断する(S36)。100秒以上経過している場合には(S36:YES)、12秒間燃焼をONし(S37)、経過していない場合には(S36:NO)、10秒間燃焼をONする(S38)。これは、前回の燃焼時からの経過時間が短いと加熱量が多くなりすぎてしまうからである。例えば、温度勾配Kxが0以上の期間が長かった場合は(ステップ31,32,43の繰り返し)、ステップ33へ進んだ時点で100秒以上経過しているため燃焼時間は12秒となる。一方、温度勾配Kxが0以上の期間が短かった場合は(ステップ31,32,43の繰り返し)、ステップ36へ100秒経過前に進むため燃焼時間は10秒となる。
この燃焼継続中に(S37,S38)、油温が温度範囲Aからはずれた場合には(S39:NO、S42:NO)、温調制御メインルーチンに移行する。
そして、12秒間あるいは10秒間燃焼したら燃焼をOFFし(S40)、油温が温度範囲Aに含まれるか否かを判断する(S41)。温度範囲Aに含まれる場合は(S41:YES)、ステップ31に戻り上述した制御を繰り返す。温度範囲Aに含まれない場合は(S41:NO)、温調制御メインルーチンに移行する。
ステップ37でパルス燃焼器4を燃焼させる12秒間が本発明のON継続時間に相当し、ステップ33で前回燃焼OFF後から待機する50秒間が本発明のOFF継続時間に相当し、ステップ36で判断する経過時間(100秒)が本発明のOFF継続時間+OFF継続時間が終了した時点からの所定時間に相当し、ステップ38でパルス燃焼器4を燃焼させる10秒間が本発明の短縮されたON継続時間に相当する。
【0048】
上述した燃焼条件をまとめると図11に示す表のようになる。
油温が設定温度より僅かに低い温度範囲Aにある場合、すなわち、食材が投入されてはおらず無負荷時の温調制御では、パルス燃焼器4を所定時間(例えば12秒間)ONしその後自動的にOFFするようにしている。つまり、無負荷時には、油温を一定温度上昇させるために必要な加熱量がほぼ一定であるから、必要な熱量が得られる所定時間だけ燃焼させているのである。このため、無負荷時の温調において、油の攪拌が悪く温度センサ23周囲の油温が他の油槽3内の油温とずれている場合でも、オーバーシュートなどを防止して高い精度の温調を維持することができる。
また、このようにパルス燃焼器4を一定時間はONし続け、一定時間はOFFし続けるといったように制御することによって、油温変化が微妙な温度範囲Aにおいても、パルス燃焼器4を頻繁にON/OFFすることを防止でき、器具の耐久性向上につながる。
【0049】
調理直後には、油槽内の各所における調理用油の温度差が大きくなっており、それが攪拌されて均一化されていく過程では、熱量全体は大きく減っていないにもかかわらず、マイナスの温度勾配を検出することがある。この結果、パルス燃焼器4の動作周期が短くなり、加熱量が多くなりすぎてオーバーシュートしてしまう。
そこで、第二実施形態のフライヤーでは、燃焼開始時における前回の燃焼OFF時からの経過時間が短い(100秒以内)の場合には、ON継続時間を短くし加熱量を減少させることにより、オーバーシュートを防止している。
【0050】
《第三実施形態》
次に、第三実施形態のフライヤーについて図12を用いて説明する。尚、第一実施形態及び第二実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。
第三実施形態のフライヤーでは、図示しないが一つの油槽3に第一パルス燃焼器と第二パルス燃焼器の二台のパルス燃焼器を備える。そして、各温度範囲毎のON/OFF条件に加え、各温度範囲毎に温度勾配に基づいて、両側燃焼と片側燃焼とを切り替える火力調整を行うことにより一層高精度な温調を行う。
【0051】
第一実施形態、第二実施形態のフライヤーの燃焼条件に、パルス燃焼器の切替条件を加えた第三実施形態のフライヤーの各温度範囲毎の燃焼条件を図12に示す。
温度範囲Aでは、両側燃焼はさせず、温度勾配Kxが0より小さい場合には、片側燃焼させる。すなわち、設定温度よりわずかに低い温度範囲Aでは、半分の熱量で加熱することにより、オーバーシュートを起こすことが防止できる。
温度範囲Bでは、温度勾配Kxが0.2以上の場合は燃焼OFFで、温度勾配Kxが0.2より小さく−0.3以上の場合は片側燃焼で、温度勾配Kxが−0.3より小さい場合は両側燃焼である。このため、食材投入されて油温が大幅に低下中は、強火力で加熱することができすみやかに設定温度まで加熱することができる。油温の低下度合いが少ない、あるいは緩やかに上昇している場合には、半分の熱量で加熱することによりオーバーシュートを防止する。
【0052】
また、片側燃焼時には前回の片側燃焼時に使用されたパルス燃焼器とは、逆のパルス燃焼器を燃焼させる。つまり、片側燃焼時には、第一パルス燃焼器→第二パルス燃焼器→第一パルス燃焼器…のように第一パルス燃焼器と第二パルス燃焼器とが交互に燃焼させられる。従って、各燃焼器の作動回数を同一にして負担を平均化し、器具全体としての寿命を延ばすことができる。
【0053】
《第四実施形態》
次に、第四実施形態のフライヤーについて図13を用いて説明する。尚、第一実施形態及び第二実施形態及び第三実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。
第四実施形態のフライヤーでは、器具の耐久性を向上させるために、主にパルス燃焼器4を頻繁にON/OFF切替させない燃焼条件が加えられる。
【0054】
温度範囲A,Bでは、パルス燃焼器4をONした後、最低10秒間はON状態を継続させる。さらに、燃焼がONされたまま油温が温度範囲Dに達した場合、すぐに燃焼を停止するのではなく、燃焼開始から最低5秒間は燃焼を継続させる。このため、頻繁にON/OFF切替することが防止でき、耐久性を向上させることができる。
また、温度範囲Dで燃焼がOFFされると、油温が温度範囲A以上である場合は50秒間は燃焼ONに切替えることを禁止する。これによって、温度センサ23による検出温度のぶれ等、温度範囲Dと温度範囲A間の微妙な温度変化によるパルス燃焼器4の頻繁なON/OFF切替を防止で出来る。
また、温度範囲Bの内の高温の温度範囲(337°F以上)では、温度勾配Kxが0以上になると、燃焼をOFFし、温度勾配Kxが0以上の間は50秒以上OFF状態を継続する。つまり、温度範囲Aと同様に油温変化が微妙な温度範囲Bの高温帯においても、パルス燃焼器4を頻繁にON/OFFすることを防止できる。
【0055】
以上、第一実施形態及び第二実施形態及び第三実施形態及び第四実施形態のフライヤーについて説明したが、いずれのフライヤーにおいても、温調制御の各種ルーチン(制御ソフト)は加熱コントローラ24のマイコンに記憶されているが、温度範囲の分類や、燃焼ON/OFFの判定条件となる温度勾配や経過時間の基準値の設定が必要であり、油量や器具の大きさ(熱容量)や加熱力等によって決める必要がある。そこで、これらのパラメータを外部記憶用の不揮発性メモリ(例えば、E2PROM)に記憶させることにより、器具本体のバリエーションが多い時でも適宜E2PROMの交換、または、E2PROMに記憶させたパラメータの書換えにより同じ制御ソフトで対応が可能となるため、コストアップを抑制できる。
【0056】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のフライヤーによれば、複数の温度範囲毎に異なった加熱制御条件で加熱手段をON/OFF制御することによって、油温の温度変化に影響を与える因子の変化に応じて加熱手段の動作を制御することができ、多様な条件下においても高い精度の温調が可能となる。従って、油温のオーバーシュートを防止して調理性能を向上させることができるため、食材をおいしく加熱調理できる。
【0058】
更に、本発明の請求項2記載のフライヤーによれば、温度勾配に応じて加熱手段のON/OFFを切替える加熱制御条件が設定された温度範囲を備えることにより、高い精度の温調制御を行うことができる。しかも、加熱手段をON/OFF制御する条件として、例えば、調理用油の温度勾配が基準値を上回るか否かといった容易なもので済み、複雑な制御を必要とせず信頼性が向上する。
【0059】
更に、本発明の請求項3記載のフライヤーによれば、油温が設定温度よりも大きく低下している温度範囲においては加熱手段を常にONし、油温が設定温度を含む最適温度範囲以上においては加熱手段を常にOFFし、それらの中間の温度範囲においては温度勾配に応じて、加熱手段のON/OFFを切替えることにより、高い精度の温調制御を行うことができる。例えば、中間の温度範囲では、温度勾配が大きい場合は、加熱手段をOFFして早めに加熱を止めることによりオーバーシュートを防止することができる。
【0060】
更に、本発明の請求項4記載のフライヤーによれば、温度勾配に応じて加熱手段のON/OFFを切替える温度範囲を複数の温度範囲に分割し、それぞれの温度範囲毎に異なる温度勾配の基準値を定めることにより、加熱のタイミングを細分化でき、一層高精度な温調制御を行うことができる。
【0061】
更に、本発明の請求項5記載のフライヤーによれば、加熱手段を頻繁にON/OFF切替することを防止して、加熱手段の寿命を向上させることができる。
【0062】
更に、本発明の請求項6記載のフライヤーによれば、温度センサ周囲の油温が他の場所の油温とずれている場合でも、オーバーシュートなどを防止して高い精度の温調を維持することができる。
【0063】
更に、本発明の請求項7記載のフライヤーによれば、設定温度を含む最適温度範囲に最も近い温度範囲では、加熱手段のOFF継続時間をON継続時間よりも長くすることによりオーバーシュートを確実に防止することができる。
【0064】
更に、本発明の請求項8記載のフライヤーによれば、調理終了直後など、加熱手段の動作周期が短くなった場合には、加熱量を減少させることにより、オーバーシュートを防止することができる。
【0065】
更に、本発明の請求項9記載のフライヤーによれば、朝一運転時等、運転開始時の温度が低く長時間連続加熱する場合には、通常運転時とは異なる第二の加熱制御条件、例えば、定常時よりも早めに加熱手段をOFFする条件を設定することにより、加熱手段を停止するタイミングを早めてオーバーシュートを防止することができる。
【0066】
更に、本発明の請求項10記載のフライヤーによれば、複数の加熱装置の動作台数を切替えることによる加熱力調整機能も組み合わせることによって、一層高精度な温度調整が可能となる。
【0067】
更に、本発明の請求項11記載のフライヤーによれば、加熱装置の負担を平均化することにより、装置全体としての寿命を延ばすことができる。
【0068】
更に、本発明の請求項12記載のフライヤーによれば、器具本体のバリエーションが多い時でも適宜不揮発性メモリの書換えもしくは交換により同じ制御ソフトで対応が可能となるため、コストアップを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態としてのフライヤーの通常運転時における温度範囲毎の燃焼条件を示した表である。
【図2】第一実施形態としてのフライヤーの概略構成図である。
【図3】第一実施形態としての表示パネルの正面図である。
【図4】第一実施形態としてのフライヤーの温度範囲判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】第一実施形態としてのフライヤーの温調制御メインルーチンを示すフローチャートである。
【図6】第一実施形態としてのフライヤーの温調制御ルーチン(温度範囲A)を示すフローチャートである。
【図7】第一実施形態としてのフライヤーの温調制御ルーチン(温度範囲B)を示すフローチャートである。
【図8】第一実施形態としてのフライヤーの温調制御ルーチン(初期燃焼)を示すフローチャートである。
【図9】第一実施形態としてのフライヤーの初期燃焼時における温度範囲毎の燃焼条件を示した表である。
【図10】第二実施形態としてのフライヤーの温調制御ルーチン(温度範囲A)を示すフローチャートである。
【図11】第二実施形態としてのフライヤーの通常運転時における温度範囲毎の燃焼条件を示した表である。
【図12】第三実施形態としてのフライヤーの通常運転時における温度範囲毎の燃焼条件を示した表である。
【図13】第四実施形態としてのフライヤーの通常運転時における温度範囲毎の燃焼条件を示した表である。
【符号の説明】
1…フライヤー、3…油槽、4…パルス燃焼器、5…調理コントローラ、23…温度センサ、24…加熱コントローラ。
Claims (12)
- 調理用油を溜める油槽と、該調理用油を加熱する加熱手段と、該加熱手段の加熱を制御して該調理用油が設定温度になるように制御する加熱制御手段と、該調理用油の温度を検出する温度センサとを備え、
上記温度センサによる検出油温に基づいて、上記調理用油の温度が設定温度に維持されるように、上記加熱手段をON/OFF制御するフライヤーにおいて、予め設定した複数の温度範囲毎に異なる加熱制御条件を記憶し、上記温度センサによって検出した温度の属する温度範囲に対応した加熱制御条件に従って上記加熱手段のON/OFF制御を行うことを特徴とするフライヤー。 - 上記検出油温の経過時間に対する勾配を検出する温度勾配検出手段を備え、
上記複数の温度範囲には、上記温度勾配に応じて上記加熱手段のON/OFFを切替える温度範囲が含まれることを特徴とする請求項1記載のフライヤー。 - 上記検出油温の経過時間に対する勾配を検出する温度勾配検出手段を備え、
上記複数の温度範囲には、常に上記加熱手段をONする温度範囲と、上記温度勾配に応じて該加熱手段のON/OFFを切替える温度範囲と、常に該加熱手段をOFFする温度範囲とが含まれることを特徴とする請求項1記載のフライヤー。 - 上記検出油温の温度勾配に応じて上記加熱手段のON/OFFを切替える上記温度範囲は、少なくとも二つ以上の温度範囲に分割され、それぞれの温度範囲毎にON/OFFを切替える基準となる温度勾配の基準値がそれぞれ異なる値で設定されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のフライヤー。
- 上記各温度範囲では、一旦加熱手段をONした後は、少なくとも予め設定された最小ON時間の間、ON状態が継続するように制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフライヤー。
- 上記設定温度を含む最適温度範囲に最も近い温度範囲においては、上記加熱手段は上記加熱制御条件により一旦ONした後は、その後の検出油温にかかわらず、所定のON継続時間だけON状態を継続し、その後所定のOFF継続時間以上OFF状態を継続することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフライヤー。
- 上記加熱手段がONされる上記ON継続時間をOFFされる上記OFF継続時間よりも短く設定したことを特徴とする請求項6記載のフライヤー。
- 上記OFF継続時間が終了した時点から所定時間以内に上記加熱手段をONする条件が成立した場合には、上記ON継続時間を短縮することを特徴とする請求項6又は請求項7記載のフライヤー。
- 運転開始時に、上記検出油温が所定値以下の場合には、上記複数の温度範囲とは異なる複数の温度範囲毎に記憶された第二の加熱制御条件に従って、上記加熱手段のON/OFFを切替えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のフライヤー。
- 上記加熱手段は、個別にON/OFF制御される複数の加熱装置からなり、上記検出された温度勾配に基づいて、該複数の加熱装置の作動台数を切り替える台数切替手段を備えたことを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載のフライヤー。
- 上記各加熱装置毎の作動回数が均一となるように、該各加熱装置の動作を制御する平均化制御手段を備えたことを特徴とする請求項10記載のフライヤー。
- 上記各種設定値を、書換え可能もしくは交換可能な不揮発性メモリに記憶することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のフライヤー。
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