JP2004077950A - ズームレンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】DLP用の小型のプロジェクター用ズームレンズの提供。
【解決手段】拡大側から順に負、正、正の3群で構成されズーミングに際し、第1レンズ群は縮小側に、第2レンズ群は縮小側に、第3レンズ群は拡大側に移動し、第1レンズ群、第2レンズ群の移動量をM1、M2とするとき、
1.25<M2/M1<2.4
を満足する構成。
【選択図】 図1
【解決手段】拡大側から順に負、正、正の3群で構成されズーミングに際し、第1レンズ群は縮小側に、第2レンズ群は縮小側に、第3レンズ群は拡大側に移動し、第1レンズ群、第2レンズ群の移動量をM1、M2とするとき、
1.25<M2/M1<2.4
を満足する構成。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を固定された有限距離にて、スクリーンに拡大投写するプロジェクション装置に用いられるズームレンズに関し、特に表示デバイスとして機械的に光の反射方向を変えることにより表示のON/OFFを行なう複数の素子で画像の形成を行なう表示デバイスを用いる投写プロジェクタ用の投写ズームレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上述した表示デバイスとしては、機械的に光の反射方向を変えることにより表示のON/OFFを行なう複数の素子を、複数の素子を微小なマイクロミラーで構成した、DMD(デジタルミラーデバイス)が知られている。
【0003】
このデバイスを用いて、赤R、緑G、青Bの信号を時間分割によりそれぞれの色毎に前記マイクロミラーで光の反射方向を変えて、連続する画像を構成することが可能となる。
【0004】
この方法によると表示デバイス1つで画像の形成を行なえるので小型のプロジェクターを提供可能となる。例えば従来からの透過型液晶パネルをRGB3枚用いて、そこで形成された画像をダイクロプリズム等で合成して投写を行なうプロジェクターに対して、
1.色合成用のダイクロプリズムを配置する必要が無く投写レンズのバックフォーカスが短くでき小型化が可能となる。
【0005】
2.透過型液晶では、画像構成のため画素毎への電気配線等を液晶に配する必要があり開口率が低くなるが、DMD等はミラー表面では機械的に角度を変える構成を裏側に構成すればいいので開口率は高い。
【0006】
3.透過型液晶では液晶を透過する光線の効率を上げるため、あるいはダイクロプリズムでの特性を上げるため、投写レンズは縮小側をテレセントリックな構成にする必要があるが、DMD等ではその必要が無く、ON/OFFの光束確保のためむしる積極的に縮小側の瞳を短くして、レンズの小型化を図る必要がある。
【0007】
4.素子1枚でRGBの色を出せるので、3枚の液晶を使って合成するのに対して、色ずれは起こらない。
【0008】
5.照明光からレンズの光軸に導くためミラー角度を振る必要があるが、ミラー可変角度には限界があり、明るくするために光束を太くするとOFFのときにも無効な光束がレンズに取り込まれるという欠点もあり明るさをあげるのにも限界がある。
【0009】
こうした中でDMD用の投写レンズとして、特開2001−51195号公報では小型の投写ズームレンズが提案されている。 この公報によると、マイクロミラーの可変角度を±10度程度と想定し、実施例によるレンズの明るさはF3.0程度であり、十分明るいものとはいえなかった。
【0010】
近年DMD素子の可変角度も10度からさらに大きな値へと移行しつつあり、さらにレンズの明るさの向上も必要となってきている。上記従来例は、レンズの構成を拡大側から順に負、正の2つのレンズ群で構成し第2レンズ群に非球面を用いて小型化を達成している。しかしながら上述したようにF3.0程度の明るさしか達成しておらず、更なる大口径化には不十分であり、2つのレンズ群では限界があった。
【0011】
また2つ以上のレンズ群を有するズームレンズとして、本発明で提案する負正正の3群で構成されるズームレンズは特開平10−104520号公報、特開平10−133110号公報等で開示されている。これらの例は本発明のように、縮小側のレンズの大きさを小型化しようとはしておらず、各レンズ群の移動方向や変倍分担は異なるものの例である。特に前記特開平10−133110号公報は縮小側をテレセントリックな構成にしており本発明のような小型化は達成していない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の如き、表示画像をスクリーンに拡大投写する際、特にDMD等のように素子からの反射方向を変えて画像を形成するデバイスを1つで、時間毎にRGBに分けて各色光を1本の投写レンズにて投写する場合、以下の条件を満足することが必要となる。
【0013】
1)照明光からデバイスに当たった有効光束(ON)をレンズの光軸に導くためミラー角度を振る必要があるが、ミラー可変角度には限界があり、明るくするために光束を太くしてもOFFのときにも無効な光束がレンズに取り込まれないようにする必要がある。そのために、できる限りレンズと縮小側デバイスまでの距離(バックフォーカス)を長く、レンズの縮小側の径を小さくする。
【0014】
2)レンズ縮小側の瞳位置のズーミングによる変動を小さくする。デバイスからの有効光束の角度がズーミングで異ならないようにする(明るさの変動を小さくする)。
【0015】
3)スクリーン上での明るさを確保するためにレンズのFnoを大きく、周辺光量を多くする。
【0016】
本発明は、前記特開平2001−51195号広報の欠点を排除し、大口径で、レンズも縮小側のレンズサイズを小型化し、マイクロミラーの可変角度の増大にも対応し、明るいレンズの達成、周辺光量の向上、広角化が可能なズームレンズの提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的の達成の為に、本発明では、以下の構成を特徴とする。
【0018】
表示表示面の画像を、スクリーンに拡大投写するズームレンズにおいて、
スクリーン側(拡大側)から順に、
負の屈折力の第1レンズ群、
正の屈折力の第2レンズ群、
正の屈折力の第3レンズ群を有し、
広角端の焦点距離から望遠端の焦点距離への変倍に際し、
第1レンズ群は縮小側に移動し、
第2レンズ群は縮小側に移動し、
第3レンズ群は拡大側に移動し、
第2レンズ群と第3レンズ群は共に増倍することである。
【0019】
第2レンズ群と第3レンズ群が共に増倍することで、2つのレンズ群構成よりもより多くの群で変倍を分担でき、より高倍化が可能となるばかりでなく、移動量も分配できるので小型化が可能となる。
【0020】
また特に各群の移動量に対しては、
広角端の焦点距離から望遠端の焦点距離への変倍に際し、
第1レンズ群、第2レンズ群の移動量をそれぞれM1、M2とするとき(縮小側への移動を+、拡大側への移動を−とする)以下の式を満足しているのが好ましい。
【0021】
1.3<M2/M1<2.4 ・・・(1)
本発明は第1レンズ群負、第2レンズ群正の2つのレンズ群を有するズームレンズの中の第1レンズ群を更に分割し、その第1レンズ群の中でも変倍分担をしている構成が基本となっている。これにより最適な変倍分担が達成できるのである。その際元の第1群負レンズ群が本発明での第1レンズ群、第2レンズ群を構成していることになるが、このレンズ群の間隔が広がれば増倍(横倍率β2>0)するような構成になり、
元の第1群負レンズ群と元の第2群正レンズ群はもともと間隔が狭まって増倍(横倍率 β3<0)の構成になるため本発明の第3レンズ群も拡大側に移動して増倍しているのである。したがって上式(1)のように第2レンズ群の移動量が第1レンズ群より大きいほうが増倍となり、上限を超えると大型化し、下限を超えると第3レンズ群の変倍分担が大きくなり適当でない。
【0022】
その際開口絞り(瞳位置)は第3レンズ群の縮小側に位置しているのが好ましい。これによりレンズの縮小側(デバイス側)のレンズ径が小型化可能となる。
【0023】
また特に3つの群で構成する第2レンズ群、第3レンズ群で変倍を分担しているため、第1レンズ群負、第2レンズ群正で構成するズームレンズよりも変倍群が多く、変倍のための移動量が少なくなり、絞りを有する群の移動量が減り、結果としてレンズ縮小側の瞳位置のズーミングによる変動を小さくでき、デバイスからの有効光束の角度をズーミングであまり変わらないようにでき効率が良くなる。
【0024】
またその変倍分担であるが、広角端の焦点距離から望遠端の焦点距離にへの変倍に際し、第iレンズ群の倍率βiの変化βit/βiwをZiするとき、
1<Z2<Z3 ・・・(2)
を満足することである。
【0025】
本発明では、最もズーミングで移動量が多いのは第2レンズ群である。この式(2)のように構成することで第3レンズ群を少ない移動量で変倍分担を多くし、縮小側の瞳(射出瞳=デバイス(パネル)からの入射瞳)の変動を小さくできている。この関係から逸脱すると第2レンズ群の移動量が多くなり大型化して適当でない。
【0026】
Z2とZ3は具体的には下の(2)´の式を満たすのが良い。
【0027】
1<Z3/Z2<1.3 ・・・(2)´
特に第2レンズ群と第3レンズ群の移動量に関しては以下の式を満足しているのが好ましい。
【0028】
1.2<|M2/M3|<6 ・・・(3)
ここでの移動は第2レンズ群、第3レンズ群の間隔は、広角端から望遠端への変倍に際し縮小するように移動し、上述したように、その方向は反対向きである。この式は式(2)と連動するもので、移動量と変倍分担を適切に設定するものである。下限を超えると瞳の変動が大きくなり、上限を超えると所望の変倍比のためにはレンズ系が大型化する。
【0029】
広角端の全系の焦点距離をfw、望遠端の全系の焦点距離をft、第1レンズ群の焦点距離をf1、第2レンズ群の焦点距離をf2、第3レンズ群の焦点距離をf3とする時、下記の式を満足するのが好ましい。
【0030】
−1.4<f1/fw<−0.8 ・・・(4)
(4)式は第1レンズ群のパワーと広角端での全系のパワーの比を表したものである。
【0031】
f1のパワーが強いとバックフォーカスが長く取れ本発明の目的と合致するが、上限を逸脱すると広角端で歪曲が大きくなり全長が長くなる。また下限を超えるとバックフォーカスが短くなりがちとなり適当でない。
【0032】
また全長と全系の焦点距離は以下の関係にあるのが好ましい。ここで広角端での空気換算の全長(レンズ全長+バックフォーカス)をTDwとするとき下記の式を満足するのが好ましい。
【0033】
4<TDw/fw<5 ・・・(5)
この式は画角と全系の大きさを適切に表したもので上限を超えると大型化するが、下限を超えると歪曲が大きくなる。下限に近い設定をするときは非球面等の導入が好ましい。
【0034】
前述したように本発明は、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群を移動して変倍することで、各群の移動量を減らしつつ小型化を行い、更に各群の位置ずれ、倒れ等による性能敏感度を低く分散して、高変倍率なズームレンズを達成することができ、全長を短縮すると共に、開口絞り(瞳位置)は第3レンズ群の縮小側に位置させることで、射出瞳位置(縮小側瞳位置)から後玉までの距離を短くし、最大像高(イメージサークル最大位置)軸外斜光束で決まる後玉径の小型化を可能とした。
【0035】
前記第1レンズ群は、負の屈折力を有し、マイクロミラーの可変角度の増大に対応させるための長いバックフォーカスを確保している。特にバックフォーカスを長くするために、第1レンズ群中にスクリーン側(拡大側)に凸面を有する負メニスカスレンズを少なくとも1枚配置するのが良く、必要に応じて2枚あるいは3枚有するのが好ましい。さらに各群の屈折力を適切に配置し、適切な移動量を与えることで、上記軸外斜光束の位置のズーミングによる変動(射出瞳位置の変動)をへらし、照明光に対してレンズでけられが発生しないように構成している。また広角端での歪曲の低減のために第1レンズ群の最も物体側には凸レンズを配置して最も軸外光束を通る位置での歪曲補正を行っても良い。また小型化の為に第1レンズ群に正レンズを用いないこともできるが、この場合非球面を用いて歪曲の低減化を図ることもできる。
【0036】
特に広角端の焦点距離時に対し、望遠端の焦点距離時には、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔は増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔は減少することが各群の変倍分担を適当に分散させ、所望の変倍比を得るのに好ましい。主変倍群である第3レンズ群については以下の式を満たすのが良い。
【0037】
第iレンズ群の倍率βiの変化βit/βiwをZi、全系の焦点距離の変化ft/fwをZとすると、
0.94<Z3/Z<0.98 ・・・(6)
この(6)式は変倍群となる第2レンズ群の変倍の比を適切に規定するものである。第3レンズ群は変倍に際し増倍しているが、その他のレンズ群と変倍のバランスを考慮してこの範囲にあるのが全系の変倍分担上適切である。
【0038】
更に以下の式を満足するのが好ましい。
【0039】
0.1<|f1/f2|<0.3 ・・・(7)
2.0<f2/fw<12.0 ・・・(8)
1.0<f3/fw<1.5 ・・・(9)
上の(7)式は前玉径と歪曲に絡む第1レンズ群と第2レンズ群の関係を適切に規定したものである。
【0040】
(7)式の下限を逸脱すると第1レンズ群で決まる前玉径が大きくなり、また広角端での歪曲収差が大きくなり適当でない。また上限値を逸脱すると所望の画角(特に広角側)が難しくなり全系が大型化し適当でない。
【0041】
式(8)は第2レンズ群のパワーを適切にするもので下限を超えると像面が補正過剰となり適当でない。また上限を超えると所望の変倍比を得るために第2レンズ群の移動量を大きくする必要があり全系が大型化し適当でない。
【0042】
式(9)は主変倍群の第3レンズ群のパワーを適切にするもので下限を超えると像面が補正過剰となり適当でない。また上限を超えると所望の変倍比を得るために第2レンズ群の移動量を大きくする必要があり全系が大型化し適当でない。
【0043】
特に変倍に寄与する群は下記のような条件を満たすのが好ましい。
【0044】
2<f2/f3<9 ・・・(10)
この式(10)は変倍に寄与するレンズ群の屈折力配置を適切にするものである。上限値を逸脱すると主変倍群の第3レンズ群の屈折力が強くなり像面湾曲が大きくなりがちとなる。また下限値を逸脱すると主変倍群の第3レンズ群の屈折力が弱くなり所望の変倍比を得にくくなる。
【0045】
照明されたデバイス上の情報が、全面明るさのムラのないようにスクリーン上(拡大側共役点)に表示されるようにするには、レンズの開口効率が周辺に渡って100%以上あるのが好ましい。この開口効率を達成しておけば、周辺光量は70%程度確保できるのであまりムラのない表示が可能となる。あるいは少なくとも周辺に渡って85%以上の開口効率は確保するのが望ましい。そうすれば周辺光量50%は確保できることとなる。
【0046】
このときレンズの最も縮小側のレンズ径は周辺の光束にて決まりぎみとなり、縮小側のレンズ径は開口効率で決まることとなる。
【0047】
このとき最も縮小側のレンズ外径をDとし、広角端でのレンズバックフォーカス(レンズの縮小側の最終面と表示デバイスパネルまでの空気換算距離(フィルター等のない状態)をbfwとして、広角端でのレンズのFナンバーをFNOwとするとき、
0.6<bfw/(FNOw×D)<0.85 ・・・(11)
を満足するのが好ましい。この式はバックフォーカスとレンズ径を適切に設定するものでこれを逸脱すると、デバイスのミラー角度可変により有害光束もレンズに取り込まれることとなる。ここでDはレンズの有効径よりも大きく、有効径より6〜10%大きいものを指す。
【0048】
レンズのイメージサークル(照明されるデバイスパネルの最周辺までのレンズ光軸からの距離を半径とする円の直径)をLとするとき下記の式を満たしているのが好ましい。
【0049】
1<L/D<2 ・・・(12)
この式はイメージサークルと縮小側最終レンズ径の関係を表したものである。下限値を超えるとレンズ径が大きくなりすぎ、上限を超えるとレンズの明るさ(FNO)を確保できなくなる。
【0050】
またこれらのレンズ径やイメージサークル、明るさの中で、レンズの縮小側の瞳位置を最適に設定するには下記の式を満たしているのが好ましい。
【0051】
1.5<|tkw|/fw<2 ・・・(13)
ここでtkwというのは広角端での表示パネルから(縮小側共役位置から)射出瞳までの距離である。(ここで言う射出瞳とは縮小側の瞳のことである)ここでは縮小側のフィルター等の寸法は除いた空気換算の距離を示す。これは最終レンズの径を最適にする瞳の位置を設定するもので上限を超えるとレンズ径が大きくなり、下限を超えると最終レンズの外径がFNOで決まることとなり、暗いレンズとなりがちとなる。
【0052】
以下に本発明の実施例を記載する
【0053】
【発明の実施の形態】
第1実施例は、すべてを球面レンズにて構成した明るさFNOw:2.52の例である。倍率1.2倍。周辺光量70%以上。
【0054】
第2実施例は、第1レンズ群を3枚の拡大側に凸面を有する負メニスカスレンズで構成し、最も縮小側に両面非球面の縮小側に凸面を有する凸メニスカスレンズを配置したFNOw:2.52の例である。倍率1.2倍。周辺光量70%以上。
【0055】
第3実施例は最も縮小側に両凸の両面非球面を有するFNOw:2.52、倍率1.3倍の例である。周辺光量70%以上。
【0056】
第4実施例は、第1レンズ群を3枚の拡大側に凸面を有する負メニスカスレンズで構成し、最も縮小側に両凸の両面非球面の配置したFNOw:2.52の例である。倍率1.2倍。周辺光量70%以上。
【0057】
第5実施例は、第2レンズ群を正負2枚の貼り合せで構成し、最も縮小側に両面非球面の配置したFNOw:2.32の例である。倍率1.3倍。周辺光量50%以上。
【0058】
第6実施例は、第2レンズ群を正負2枚の貼り合せで構成し、最も縮小側に非球面1面を配置したFNOw:2.52の例である。倍率1.3倍。周辺光量50%以上。
【0059】
第7実施例は、すべてを球面レンズにて構成した明るさFNOw:2.8の例である。倍率1.3倍。周辺光量70%以上。
【0060】
第8実施例は、第2レンズ群を正負2枚の貼り合せで構成し、すべてを球面レンズにて構成したFNOw:2.7の例である。倍率1.3倍。周辺光量60%以上。
【0061】
図中Pはフィルターや保護ガラス等のガラスブロックを示す。収差図はそれぞれ球面収差、非点収差(像面湾曲)、歪曲(%)倍率色収差を示し、上段に広角端(WIDE)、下段に望遠端(TELE)に記している。球面収差は550nmと470nmのものを示す。倍率色収差は550nm基準で470nmの値を示す。非点収差において実線はサジタル断面、鎖線はメリディオナル断面を示す。
【0062】
ピント合わせは第1レンズ群で行うのが好ましいが、第1レンズ群と第2レンズ群同時に行う、または第3群で、あるいは複数の群で、特に有限距離で各群別な移動量にて距離合わせをしてもよく、又全体にて行っても表示パネルを移動して行ってもよい。
【0063】
次に、本発明のズームレンズの数値実施例を示す。各数値実施例においてiは物体側からの光学面の順序を示し、Riは第i番目の光学面(第i面)の曲率半径、Diは第i面と第i+1面との間の間隔、Niとνiはそれぞれd線に対する第i番目の光学部材の材質の屈折率、アッベ数を示す。またkを離心率、B,C,D,E・・・を非球面係数、光軸からの高さhの位置での光軸方向の変位を面頂点を基準にしてxとするとき、非球面形状は、
x=(h2/R)/[1+[1−(1+k)(h/R)2]1/2]+Ah2+Bh4+Ch6+Dh8+Eh10・・・
で表示される。但しRは曲率半径である。又、「e−X」は「×10−X」を意味している。
【0064】
又、各数値実施例における上述した条件式との対応を表1に示す。
【0065】
【外1】
【0066】
【外2】
【0067】
【外3】
【0068】
【外4】
【0069】
【外5】
【0070】
【外6】
【0071】
【外7】
【0072】
【外8】
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように構成することにより、大口径で、レンズも縮小側のレンズサイズを小型化し、マイクロミラーの可変角度の増大にも対応し、明るいレンズの達成、周辺光量の向上、広角化が可能なズームレンズの提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のレンズ断面図
【図2】本発明の数値実施例1の収差図
【図3】本発明の実施形態2のレンズ断面図
【図4】本発明の数値実施例2の収差図
【図5】本発明の実施形態3のレンズ断面図
【図6】本発明の数値実施例3の収差図
【図7】本発明の実施形態4のレンズ断面図
【図8】本発明の数値実施例4の収差図
【図9】本発明の実施形態5のレンズ断面図
【図10】本発明の数値実施例5の収差図
【図11】本発明の実施形態6のレンズ断面図
【図12】本発明の数値実施例6の収差図
【図13】本発明の実施形態7のレンズ断面図
【図14】本発明の数値実施例7の収差図
【図15】本発明の実施形態8のレンズ断面図
【図16】本発明の数値実施例8の収差図
【符号の説明】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
P ガラス板
IP 像面
Y 像高
sph 球面収差
as 非点収差
dist 歪曲
chro 倍率色収差
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を固定された有限距離にて、スクリーンに拡大投写するプロジェクション装置に用いられるズームレンズに関し、特に表示デバイスとして機械的に光の反射方向を変えることにより表示のON/OFFを行なう複数の素子で画像の形成を行なう表示デバイスを用いる投写プロジェクタ用の投写ズームレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上述した表示デバイスとしては、機械的に光の反射方向を変えることにより表示のON/OFFを行なう複数の素子を、複数の素子を微小なマイクロミラーで構成した、DMD(デジタルミラーデバイス)が知られている。
【0003】
このデバイスを用いて、赤R、緑G、青Bの信号を時間分割によりそれぞれの色毎に前記マイクロミラーで光の反射方向を変えて、連続する画像を構成することが可能となる。
【0004】
この方法によると表示デバイス1つで画像の形成を行なえるので小型のプロジェクターを提供可能となる。例えば従来からの透過型液晶パネルをRGB3枚用いて、そこで形成された画像をダイクロプリズム等で合成して投写を行なうプロジェクターに対して、
1.色合成用のダイクロプリズムを配置する必要が無く投写レンズのバックフォーカスが短くでき小型化が可能となる。
【0005】
2.透過型液晶では、画像構成のため画素毎への電気配線等を液晶に配する必要があり開口率が低くなるが、DMD等はミラー表面では機械的に角度を変える構成を裏側に構成すればいいので開口率は高い。
【0006】
3.透過型液晶では液晶を透過する光線の効率を上げるため、あるいはダイクロプリズムでの特性を上げるため、投写レンズは縮小側をテレセントリックな構成にする必要があるが、DMD等ではその必要が無く、ON/OFFの光束確保のためむしる積極的に縮小側の瞳を短くして、レンズの小型化を図る必要がある。
【0007】
4.素子1枚でRGBの色を出せるので、3枚の液晶を使って合成するのに対して、色ずれは起こらない。
【0008】
5.照明光からレンズの光軸に導くためミラー角度を振る必要があるが、ミラー可変角度には限界があり、明るくするために光束を太くするとOFFのときにも無効な光束がレンズに取り込まれるという欠点もあり明るさをあげるのにも限界がある。
【0009】
こうした中でDMD用の投写レンズとして、特開2001−51195号公報では小型の投写ズームレンズが提案されている。 この公報によると、マイクロミラーの可変角度を±10度程度と想定し、実施例によるレンズの明るさはF3.0程度であり、十分明るいものとはいえなかった。
【0010】
近年DMD素子の可変角度も10度からさらに大きな値へと移行しつつあり、さらにレンズの明るさの向上も必要となってきている。上記従来例は、レンズの構成を拡大側から順に負、正の2つのレンズ群で構成し第2レンズ群に非球面を用いて小型化を達成している。しかしながら上述したようにF3.0程度の明るさしか達成しておらず、更なる大口径化には不十分であり、2つのレンズ群では限界があった。
【0011】
また2つ以上のレンズ群を有するズームレンズとして、本発明で提案する負正正の3群で構成されるズームレンズは特開平10−104520号公報、特開平10−133110号公報等で開示されている。これらの例は本発明のように、縮小側のレンズの大きさを小型化しようとはしておらず、各レンズ群の移動方向や変倍分担は異なるものの例である。特に前記特開平10−133110号公報は縮小側をテレセントリックな構成にしており本発明のような小型化は達成していない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の如き、表示画像をスクリーンに拡大投写する際、特にDMD等のように素子からの反射方向を変えて画像を形成するデバイスを1つで、時間毎にRGBに分けて各色光を1本の投写レンズにて投写する場合、以下の条件を満足することが必要となる。
【0013】
1)照明光からデバイスに当たった有効光束(ON)をレンズの光軸に導くためミラー角度を振る必要があるが、ミラー可変角度には限界があり、明るくするために光束を太くしてもOFFのときにも無効な光束がレンズに取り込まれないようにする必要がある。そのために、できる限りレンズと縮小側デバイスまでの距離(バックフォーカス)を長く、レンズの縮小側の径を小さくする。
【0014】
2)レンズ縮小側の瞳位置のズーミングによる変動を小さくする。デバイスからの有効光束の角度がズーミングで異ならないようにする(明るさの変動を小さくする)。
【0015】
3)スクリーン上での明るさを確保するためにレンズのFnoを大きく、周辺光量を多くする。
【0016】
本発明は、前記特開平2001−51195号広報の欠点を排除し、大口径で、レンズも縮小側のレンズサイズを小型化し、マイクロミラーの可変角度の増大にも対応し、明るいレンズの達成、周辺光量の向上、広角化が可能なズームレンズの提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的の達成の為に、本発明では、以下の構成を特徴とする。
【0018】
表示表示面の画像を、スクリーンに拡大投写するズームレンズにおいて、
スクリーン側(拡大側)から順に、
負の屈折力の第1レンズ群、
正の屈折力の第2レンズ群、
正の屈折力の第3レンズ群を有し、
広角端の焦点距離から望遠端の焦点距離への変倍に際し、
第1レンズ群は縮小側に移動し、
第2レンズ群は縮小側に移動し、
第3レンズ群は拡大側に移動し、
第2レンズ群と第3レンズ群は共に増倍することである。
【0019】
第2レンズ群と第3レンズ群が共に増倍することで、2つのレンズ群構成よりもより多くの群で変倍を分担でき、より高倍化が可能となるばかりでなく、移動量も分配できるので小型化が可能となる。
【0020】
また特に各群の移動量に対しては、
広角端の焦点距離から望遠端の焦点距離への変倍に際し、
第1レンズ群、第2レンズ群の移動量をそれぞれM1、M2とするとき(縮小側への移動を+、拡大側への移動を−とする)以下の式を満足しているのが好ましい。
【0021】
1.3<M2/M1<2.4 ・・・(1)
本発明は第1レンズ群負、第2レンズ群正の2つのレンズ群を有するズームレンズの中の第1レンズ群を更に分割し、その第1レンズ群の中でも変倍分担をしている構成が基本となっている。これにより最適な変倍分担が達成できるのである。その際元の第1群負レンズ群が本発明での第1レンズ群、第2レンズ群を構成していることになるが、このレンズ群の間隔が広がれば増倍(横倍率β2>0)するような構成になり、
元の第1群負レンズ群と元の第2群正レンズ群はもともと間隔が狭まって増倍(横倍率 β3<0)の構成になるため本発明の第3レンズ群も拡大側に移動して増倍しているのである。したがって上式(1)のように第2レンズ群の移動量が第1レンズ群より大きいほうが増倍となり、上限を超えると大型化し、下限を超えると第3レンズ群の変倍分担が大きくなり適当でない。
【0022】
その際開口絞り(瞳位置)は第3レンズ群の縮小側に位置しているのが好ましい。これによりレンズの縮小側(デバイス側)のレンズ径が小型化可能となる。
【0023】
また特に3つの群で構成する第2レンズ群、第3レンズ群で変倍を分担しているため、第1レンズ群負、第2レンズ群正で構成するズームレンズよりも変倍群が多く、変倍のための移動量が少なくなり、絞りを有する群の移動量が減り、結果としてレンズ縮小側の瞳位置のズーミングによる変動を小さくでき、デバイスからの有効光束の角度をズーミングであまり変わらないようにでき効率が良くなる。
【0024】
またその変倍分担であるが、広角端の焦点距離から望遠端の焦点距離にへの変倍に際し、第iレンズ群の倍率βiの変化βit/βiwをZiするとき、
1<Z2<Z3 ・・・(2)
を満足することである。
【0025】
本発明では、最もズーミングで移動量が多いのは第2レンズ群である。この式(2)のように構成することで第3レンズ群を少ない移動量で変倍分担を多くし、縮小側の瞳(射出瞳=デバイス(パネル)からの入射瞳)の変動を小さくできている。この関係から逸脱すると第2レンズ群の移動量が多くなり大型化して適当でない。
【0026】
Z2とZ3は具体的には下の(2)´の式を満たすのが良い。
【0027】
1<Z3/Z2<1.3 ・・・(2)´
特に第2レンズ群と第3レンズ群の移動量に関しては以下の式を満足しているのが好ましい。
【0028】
1.2<|M2/M3|<6 ・・・(3)
ここでの移動は第2レンズ群、第3レンズ群の間隔は、広角端から望遠端への変倍に際し縮小するように移動し、上述したように、その方向は反対向きである。この式は式(2)と連動するもので、移動量と変倍分担を適切に設定するものである。下限を超えると瞳の変動が大きくなり、上限を超えると所望の変倍比のためにはレンズ系が大型化する。
【0029】
広角端の全系の焦点距離をfw、望遠端の全系の焦点距離をft、第1レンズ群の焦点距離をf1、第2レンズ群の焦点距離をf2、第3レンズ群の焦点距離をf3とする時、下記の式を満足するのが好ましい。
【0030】
−1.4<f1/fw<−0.8 ・・・(4)
(4)式は第1レンズ群のパワーと広角端での全系のパワーの比を表したものである。
【0031】
f1のパワーが強いとバックフォーカスが長く取れ本発明の目的と合致するが、上限を逸脱すると広角端で歪曲が大きくなり全長が長くなる。また下限を超えるとバックフォーカスが短くなりがちとなり適当でない。
【0032】
また全長と全系の焦点距離は以下の関係にあるのが好ましい。ここで広角端での空気換算の全長(レンズ全長+バックフォーカス)をTDwとするとき下記の式を満足するのが好ましい。
【0033】
4<TDw/fw<5 ・・・(5)
この式は画角と全系の大きさを適切に表したもので上限を超えると大型化するが、下限を超えると歪曲が大きくなる。下限に近い設定をするときは非球面等の導入が好ましい。
【0034】
前述したように本発明は、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群を移動して変倍することで、各群の移動量を減らしつつ小型化を行い、更に各群の位置ずれ、倒れ等による性能敏感度を低く分散して、高変倍率なズームレンズを達成することができ、全長を短縮すると共に、開口絞り(瞳位置)は第3レンズ群の縮小側に位置させることで、射出瞳位置(縮小側瞳位置)から後玉までの距離を短くし、最大像高(イメージサークル最大位置)軸外斜光束で決まる後玉径の小型化を可能とした。
【0035】
前記第1レンズ群は、負の屈折力を有し、マイクロミラーの可変角度の増大に対応させるための長いバックフォーカスを確保している。特にバックフォーカスを長くするために、第1レンズ群中にスクリーン側(拡大側)に凸面を有する負メニスカスレンズを少なくとも1枚配置するのが良く、必要に応じて2枚あるいは3枚有するのが好ましい。さらに各群の屈折力を適切に配置し、適切な移動量を与えることで、上記軸外斜光束の位置のズーミングによる変動(射出瞳位置の変動)をへらし、照明光に対してレンズでけられが発生しないように構成している。また広角端での歪曲の低減のために第1レンズ群の最も物体側には凸レンズを配置して最も軸外光束を通る位置での歪曲補正を行っても良い。また小型化の為に第1レンズ群に正レンズを用いないこともできるが、この場合非球面を用いて歪曲の低減化を図ることもできる。
【0036】
特に広角端の焦点距離時に対し、望遠端の焦点距離時には、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔は増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔は減少することが各群の変倍分担を適当に分散させ、所望の変倍比を得るのに好ましい。主変倍群である第3レンズ群については以下の式を満たすのが良い。
【0037】
第iレンズ群の倍率βiの変化βit/βiwをZi、全系の焦点距離の変化ft/fwをZとすると、
0.94<Z3/Z<0.98 ・・・(6)
この(6)式は変倍群となる第2レンズ群の変倍の比を適切に規定するものである。第3レンズ群は変倍に際し増倍しているが、その他のレンズ群と変倍のバランスを考慮してこの範囲にあるのが全系の変倍分担上適切である。
【0038】
更に以下の式を満足するのが好ましい。
【0039】
0.1<|f1/f2|<0.3 ・・・(7)
2.0<f2/fw<12.0 ・・・(8)
1.0<f3/fw<1.5 ・・・(9)
上の(7)式は前玉径と歪曲に絡む第1レンズ群と第2レンズ群の関係を適切に規定したものである。
【0040】
(7)式の下限を逸脱すると第1レンズ群で決まる前玉径が大きくなり、また広角端での歪曲収差が大きくなり適当でない。また上限値を逸脱すると所望の画角(特に広角側)が難しくなり全系が大型化し適当でない。
【0041】
式(8)は第2レンズ群のパワーを適切にするもので下限を超えると像面が補正過剰となり適当でない。また上限を超えると所望の変倍比を得るために第2レンズ群の移動量を大きくする必要があり全系が大型化し適当でない。
【0042】
式(9)は主変倍群の第3レンズ群のパワーを適切にするもので下限を超えると像面が補正過剰となり適当でない。また上限を超えると所望の変倍比を得るために第2レンズ群の移動量を大きくする必要があり全系が大型化し適当でない。
【0043】
特に変倍に寄与する群は下記のような条件を満たすのが好ましい。
【0044】
2<f2/f3<9 ・・・(10)
この式(10)は変倍に寄与するレンズ群の屈折力配置を適切にするものである。上限値を逸脱すると主変倍群の第3レンズ群の屈折力が強くなり像面湾曲が大きくなりがちとなる。また下限値を逸脱すると主変倍群の第3レンズ群の屈折力が弱くなり所望の変倍比を得にくくなる。
【0045】
照明されたデバイス上の情報が、全面明るさのムラのないようにスクリーン上(拡大側共役点)に表示されるようにするには、レンズの開口効率が周辺に渡って100%以上あるのが好ましい。この開口効率を達成しておけば、周辺光量は70%程度確保できるのであまりムラのない表示が可能となる。あるいは少なくとも周辺に渡って85%以上の開口効率は確保するのが望ましい。そうすれば周辺光量50%は確保できることとなる。
【0046】
このときレンズの最も縮小側のレンズ径は周辺の光束にて決まりぎみとなり、縮小側のレンズ径は開口効率で決まることとなる。
【0047】
このとき最も縮小側のレンズ外径をDとし、広角端でのレンズバックフォーカス(レンズの縮小側の最終面と表示デバイスパネルまでの空気換算距離(フィルター等のない状態)をbfwとして、広角端でのレンズのFナンバーをFNOwとするとき、
0.6<bfw/(FNOw×D)<0.85 ・・・(11)
を満足するのが好ましい。この式はバックフォーカスとレンズ径を適切に設定するものでこれを逸脱すると、デバイスのミラー角度可変により有害光束もレンズに取り込まれることとなる。ここでDはレンズの有効径よりも大きく、有効径より6〜10%大きいものを指す。
【0048】
レンズのイメージサークル(照明されるデバイスパネルの最周辺までのレンズ光軸からの距離を半径とする円の直径)をLとするとき下記の式を満たしているのが好ましい。
【0049】
1<L/D<2 ・・・(12)
この式はイメージサークルと縮小側最終レンズ径の関係を表したものである。下限値を超えるとレンズ径が大きくなりすぎ、上限を超えるとレンズの明るさ(FNO)を確保できなくなる。
【0050】
またこれらのレンズ径やイメージサークル、明るさの中で、レンズの縮小側の瞳位置を最適に設定するには下記の式を満たしているのが好ましい。
【0051】
1.5<|tkw|/fw<2 ・・・(13)
ここでtkwというのは広角端での表示パネルから(縮小側共役位置から)射出瞳までの距離である。(ここで言う射出瞳とは縮小側の瞳のことである)ここでは縮小側のフィルター等の寸法は除いた空気換算の距離を示す。これは最終レンズの径を最適にする瞳の位置を設定するもので上限を超えるとレンズ径が大きくなり、下限を超えると最終レンズの外径がFNOで決まることとなり、暗いレンズとなりがちとなる。
【0052】
以下に本発明の実施例を記載する
【0053】
【発明の実施の形態】
第1実施例は、すべてを球面レンズにて構成した明るさFNOw:2.52の例である。倍率1.2倍。周辺光量70%以上。
【0054】
第2実施例は、第1レンズ群を3枚の拡大側に凸面を有する負メニスカスレンズで構成し、最も縮小側に両面非球面の縮小側に凸面を有する凸メニスカスレンズを配置したFNOw:2.52の例である。倍率1.2倍。周辺光量70%以上。
【0055】
第3実施例は最も縮小側に両凸の両面非球面を有するFNOw:2.52、倍率1.3倍の例である。周辺光量70%以上。
【0056】
第4実施例は、第1レンズ群を3枚の拡大側に凸面を有する負メニスカスレンズで構成し、最も縮小側に両凸の両面非球面の配置したFNOw:2.52の例である。倍率1.2倍。周辺光量70%以上。
【0057】
第5実施例は、第2レンズ群を正負2枚の貼り合せで構成し、最も縮小側に両面非球面の配置したFNOw:2.32の例である。倍率1.3倍。周辺光量50%以上。
【0058】
第6実施例は、第2レンズ群を正負2枚の貼り合せで構成し、最も縮小側に非球面1面を配置したFNOw:2.52の例である。倍率1.3倍。周辺光量50%以上。
【0059】
第7実施例は、すべてを球面レンズにて構成した明るさFNOw:2.8の例である。倍率1.3倍。周辺光量70%以上。
【0060】
第8実施例は、第2レンズ群を正負2枚の貼り合せで構成し、すべてを球面レンズにて構成したFNOw:2.7の例である。倍率1.3倍。周辺光量60%以上。
【0061】
図中Pはフィルターや保護ガラス等のガラスブロックを示す。収差図はそれぞれ球面収差、非点収差(像面湾曲)、歪曲(%)倍率色収差を示し、上段に広角端(WIDE)、下段に望遠端(TELE)に記している。球面収差は550nmと470nmのものを示す。倍率色収差は550nm基準で470nmの値を示す。非点収差において実線はサジタル断面、鎖線はメリディオナル断面を示す。
【0062】
ピント合わせは第1レンズ群で行うのが好ましいが、第1レンズ群と第2レンズ群同時に行う、または第3群で、あるいは複数の群で、特に有限距離で各群別な移動量にて距離合わせをしてもよく、又全体にて行っても表示パネルを移動して行ってもよい。
【0063】
次に、本発明のズームレンズの数値実施例を示す。各数値実施例においてiは物体側からの光学面の順序を示し、Riは第i番目の光学面(第i面)の曲率半径、Diは第i面と第i+1面との間の間隔、Niとνiはそれぞれd線に対する第i番目の光学部材の材質の屈折率、アッベ数を示す。またkを離心率、B,C,D,E・・・を非球面係数、光軸からの高さhの位置での光軸方向の変位を面頂点を基準にしてxとするとき、非球面形状は、
x=(h2/R)/[1+[1−(1+k)(h/R)2]1/2]+Ah2+Bh4+Ch6+Dh8+Eh10・・・
で表示される。但しRは曲率半径である。又、「e−X」は「×10−X」を意味している。
【0064】
又、各数値実施例における上述した条件式との対応を表1に示す。
【0065】
【外1】
【0066】
【外2】
【0067】
【外3】
【0068】
【外4】
【0069】
【外5】
【0070】
【外6】
【0071】
【外7】
【0072】
【外8】
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように構成することにより、大口径で、レンズも縮小側のレンズサイズを小型化し、マイクロミラーの可変角度の増大にも対応し、明るいレンズの達成、周辺光量の向上、広角化が可能なズームレンズの提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のレンズ断面図
【図2】本発明の数値実施例1の収差図
【図3】本発明の実施形態2のレンズ断面図
【図4】本発明の数値実施例2の収差図
【図5】本発明の実施形態3のレンズ断面図
【図6】本発明の数値実施例3の収差図
【図7】本発明の実施形態4のレンズ断面図
【図8】本発明の数値実施例4の収差図
【図9】本発明の実施形態5のレンズ断面図
【図10】本発明の数値実施例5の収差図
【図11】本発明の実施形態6のレンズ断面図
【図12】本発明の数値実施例6の収差図
【図13】本発明の実施形態7のレンズ断面図
【図14】本発明の数値実施例7の収差図
【図15】本発明の実施形態8のレンズ断面図
【図16】本発明の数値実施例8の収差図
【符号の説明】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
P ガラス板
IP 像面
Y 像高
sph 球面収差
as 非点収差
dist 歪曲
chro 倍率色収差
Claims (3)
- 表示面の画像を、スクリーンに拡大投写するズームレンズにおいて、
スクリーン側(拡大側)から順に、
負の屈折力の第1レンズ群、
正の屈折力の第2レンズ群、
正の屈折力の第3レンズ群を有し、
広角端の焦点距離から望遠端の焦点距離への変倍に際し、
第1レンズ群は縮小側に移動し、
第2レンズ群は縮小側に移動し、
第3レンズ群は拡大側に移動し、
第2レンズ群と第3レンズ群は共に増倍することを特徴とするズームレンズ。 - 広角端の焦点距離から望遠端の焦点距離への変倍に際し、
第1レンズ群、第2レンズ群の移動量をそれぞれM1、M2とするとき(縮小側への移動を+、拡大側への移動を−とする)
1.3<M2/M1<2.4
を満たすことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のズームレンズ。 - 広角端の焦点距離から望遠端の焦点距離にへの変倍に際し、
第iレンズ群の倍率βiの変化βit/βiwをZiするとき、
1<Z2<Z3
を満足すること特徴とする特許請求の範囲第1項記載のズームレンズ。
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