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JP2004059890A - 接着性ゴム組成物 - Google Patents

接着性ゴム組成物 Download PDF

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JP2004059890A
JP2004059890A JP2002258255A JP2002258255A JP2004059890A JP 2004059890 A JP2004059890 A JP 2004059890A JP 2002258255 A JP2002258255 A JP 2002258255A JP 2002258255 A JP2002258255 A JP 2002258255A JP 2004059890 A JP2004059890 A JP 2004059890A
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JP
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rubber
resin
diene
adhesion
adhesive
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Application number
JP2002258255A
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English (en)
Inventor
Tomotaka Kuwahata
桑畑 友孝
Yuji Hirano
平野 祐治
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Yamashita Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yamashita Rubber Co Ltd
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Publication date
Application filed by Yamashita Rubber Co Ltd filed Critical Yamashita Rubber Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【目的】ゴム−被着体との接着性を強固にさせたゴム組成物を提供する。
【構成】ゴムマトリクス中に、ジエン系環化樹脂を添加・分散させて、ゴムの機械的物性を維持しつつ金属、樹脂、布等との接着性を強固にするゴム組成物とする。ジエン系環化樹脂としては、ジエン系ゴムを環化反応させてなる樹脂又はそれを水素化してなる樹脂であり、数平均分子量(Mn)が30.000以上であり、その添加量が1部以上である。また、このジエン系環化樹脂は官能基として、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基またはアミノ基のいずれかを含有させる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴムと、金属、樹脂もしくは布や各種フィルム等の異種材との接着に際して、これらのゴムが接着する相手側(以下、被着体)との間における良好な接着性を確保できる接着性ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴムと各種被着体との接着としては、タイヤコードのようなRFL(レゾルシン−ホルマリン−ラテックス)接着剤で処理した繊維とゴムの接着、黄銅のような硫黄と表面で硫化銅を形成して加硫接着させる金属とゴムの接着、およびゴム系接着剤による樹脂とゴムの接着等が従来から広く行われている。特にゴムと被着体の接着が高いレベルの特性で要求される工業部品の例として以下のものがある。
【0003】
ゴムと金属:一般的に環境劣化に耐え得るように、2液塗工型接着システムが採用されている。この方法は2種類の接着剤を使用するものであり、予め金属側に金属との接着を確保するための下塗り層(プライマー)を設け、その上にゴムとの接着を確保するために上塗り層(カバーコート)を設けている。
【0004】
シリカ補強ゴム:昨今、低燃費タイヤ、スタッドレスタイヤ等で検討されているシリカ補強ゴムにおいては、そのシリカとゴムポリマーとをカップリング反応することによりシリカとの接着作用を高め、機械的強度、粘弾性、耐摩耗性を向上させる目的でシランカップリング剤が使用されている。
【0005】
ゴムホース:ホースにおいては、破裂圧等に関する耐久性向上のために、外層ゴム/内層ゴム間に補強布、樹脂フィルム、金属フィルム等を介在させその補強対応をしているが、中間補強層はゴムとの接着性は乏しく、接着性を確保するために表面処理、接着剤塗布を施し、ゴムとの親和性、接着性を高め、接着を確保している。
【0006】
防振ゴム:軽量化を目的に採用されている金属部分を樹脂化した防振ゴムでは、ゴムと樹脂との接着に接着剤を使用し、接着を確保している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ゴム−金属間における接着性を確保するために、接着剤のカバーコートの膜厚を上げ、反応成分を確保することが行われているが、そのために接着工程を増設し(2度塗りなど)、生産効率の低下、接着剤使用量が増える等の問題があった。
また、ゴムの硫黄加硫の耐熱改良手法としてEV、セミEV加硫(硫黄減量)が推奨され、耐熱性は改良手法とし採用されているが、その際にはゴム架橋剤とそのカバーコート接着剤との相互作用による架橋反応性が乏しく接着性が弱いため、耐熱性の向上と接着性の向上はトレード・オフの関係である。
さらに、EPDMのようなオレフィン系の非極性ゴムではカバーコートに使用される極性接着剤との親和性が乏しく接着が難しいことが知られている。
シリカ補強ゴムにおいては、シランカップリング剤の代替が求められる。
【0008】
ゴムホースの中間補強層に関しては、表面処理、接着剤塗布等が必要になり、さらに上記同様の工程を設けるため、結果的としてコストアップとなっている。防振ゴムの樹脂成形においては、樹脂側に接着剤を塗ってからゴム型への樹脂のインサート成型もしくはゴム側に接着剤を塗ってから樹脂型へのゴムのインサート成型行うため、後から注入される材料の圧力による接着剤の流れ、接着剤の割れ、接着剤の塗布環境悪化など接着剤を取り巻く管理が大変重要である。
【0009】
これら各種の問題点を解決するためにはゴム組成物の接着性を向上させることが求められる。そこで、本発明はこのような要請を満足するゴム組成物の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため鋭意研究の結果、ゴムマトリックス中にジエン系環化樹脂を接着成分として添加してゴム材料中に接着成分を補い、ジエン系環化樹脂の不飽和結合部分をゴム用架橋剤と相互拡散して架橋させることにより、ゴムマトリックスと環化樹脂との相互作用を持たせ、またゴムマトリックス中のジエン系環化樹脂と被着体の直接的な相互作用もしくは該被着体の表面に塗布された接着剤のカバーコート層との親和性及び接着剤からの架橋剤の相互拡散で架橋させ、ゴム−被着体との接着性を強固にすることを見出し、以下の発明をした。
【0011】
すなわち、請求項1に係る発明は、ゴムマトリクス中にジエン系環化樹脂を接着成分として添加することにより、ゴムと被着体との接着性を強固にしたゴム組成物を特徴とする。
【0012】
請求項2は上記請求項1のゴム組成物において、ジエン系環化樹脂が、ジエン系ゴムを環化反応させてなる樹脂又はそれを水素化してなる樹脂であり、数平均分子量(Mn)が30,000以上であり、その添加量が2部以上にすることを特徴とする。
【0013】
請求項3は上記請求項1のゴム組成物において、ジエン系環化樹脂がカルボキシル基、酸無水物基、水酸基またはアミノ基のいずれかを含有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明においてゴムマトリクスに添加するジエン系環化樹脂は、ジエン系ゴムをルイス酸等の酸触媒により環化反応させてなる樹脂又はそれを水素化した樹脂であり、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基またはアミノ基のいずれかを含有することが好ましい。
【0015】
このようなジエン系環化樹脂は、環化反応の程度によりゴム状態から樹脂状態まで得られるが、本発明で使用する環化樹脂はガラス転移温度30〜130℃、数平均分子量30,000以上であり、環化反応で生成する6員環状炭化水素構造単位もしくはその縮員環状構造単位を含有し、環化率が50%以上であることを特徴とするものであることが特に好ましい。
【0016】
また、このようなジエン系環化樹脂をゴムマトリックスに2部以上添加することにより、ゴム−被着体の接着性が強固になる。このとき、2部未満では接着効果が顕著に現れなくなり、好ましくは、5部以上30部未満である。
【0017】
上記環化反応に使用するジエン系ゴムは、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等のジエン系(共重合)ゴム、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合エラストマー、スチレン−イソプレンブロック共重合エラストマー等のジエン系ブロック共重合エラストマーが典型的に例示される。
【0018】
環化反応に使用される酸触媒は、硫酸、p−トルエンスルホン酸、四塩化スズ、四塩化チタン等の無機酸、有機酸、ルイス酸が例示される。
【0019】
環化反応は、トルエンやキシレンのような炭化水素溶剤中にジエン系ゴムを溶解させてルイス酸触媒を添加して行う方法が例示される。
【0020】
ジエン系環化樹脂はカルボキシル基、酸無水物基、水酸基またはアミノ基のいずれかを含有させることにより、さらに強固な接着を行わせることができる。
【0021】
ジエン系環化樹脂は、環状構造を持つことにより被着体との親和性が向上して接着性が向上するが、更に、カルボキシル基や酸無水物基を含有することにより鉄、アルミニウム等の金属やガラス等の非金属無機材料やポリアミド、ポリエステル等の極性樹脂や被着体表面に塗布した接着剤等と強固に接着するようになり、一方、水酸基やアミノ基を含有することによりこれらの被着体との接着特性に加えてシリカや水酸化アルミニウムのような充填剤を分散させ接着させるようになる、というように接着機能を向上させることができる。
【0022】
これらの官能基はジエン系環化樹脂への以下の反応によって導入される。この反応はラジカル反応開始剤の存在下に有機溶剤の溶液中やエマルジョン等の水分散系で行うことが典型的だが溶融下に固相でも行うことができる。これらの官能基の導入量に制限はないが、使用する官能基含有単量体換算で10重量%以下が好ましい。より好ましくは1重量%〜5重量%程度である。
【0023】
カルボキシル基の導入;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の反応による。
酸無水物基の導入;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の反応による。
水酸基の導入:ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等の反応による。
アミノ基の導入:ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等の反応による。
【0024】
本発明で使用するゴムマトリックスとしてはジエン系環化樹脂と親和性のあるゴムであれば制限はないが、具体的には天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(溶液重合又は乳化重合)、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エチレン−アクリレートゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム等が典型的に例示される。
【0025】
本発明におけるゴム組成物中の架橋剤、架橋システムは、ゴムマトリックスの架橋を行わせるシステムであれば特に制約は無い。好ましくはゴムマトリックスの架橋とジエン系環化樹脂の架橋という両架橋機能を持たせることであり、これにより強固な接着を行わせることができる。
【0026】
このような架橋剤の種類としては、硫黄、モルホリンジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄系加硫剤や有機過酸化物等を単独で使用するか、他の架橋剤を併用した複合架橋剤等を挙げることができる。また加硫促進剤としては、亜鉛華等の金属酸化物、金属炭酸塩、金属水酸化物等の無機系加硫促進剤やスルフェンアミド系化合物、チアゾール系化合物、グアニジン系化合物、イミダゾリン系化合物、アルデヒド−アミン系化合物、チオ尿素系化合物、チウラム系化合物、ジチオカルバミン酸系化合物、キサンテート系化合物等の有機系加硫促進剤が代表的な促進剤として挙げられる。
【0027】
更に架橋助剤としてはトリメチロールプロパンメタクリレートのような多官能(メタ)アクリレート、N,N’−フェニレンビスマレイミド、トリアリルイソシアヌレート、トリアジンチオール、ペンタエリスリトール等を挙げられる。
【0028】
本発明におけるゴム組成物に使用する副材料としては補強剤・充填剤、軟化剤、老化防止剤等の典型的なゴム配合剤を挙げることができる。
【0029】
補強剤・充填剤としてはカーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、等が挙げられる。
【0030】
軟化剤としてはプロセスオイル、パラフィン、アスファルト、ワセリン、ヒマシ油、ナタネ油、トール油、リノール酸、ステアリン酸、ラウリン酸等が挙げられる。
【0031】
その他の配合剤としては可塑剤、老化防止剤、オゾン劣化防止剤、着色剤等が挙げられる。
【0032】
本発明のゴム組成物の製法はバンバリーミキサー、ニーダー等の密閉式混錬機やオープンロール等を用いて、上記ゴムマトリックスにジエン系環化樹脂を混練りするゴム混錬の定法を用いることができる。
【0033】
本発明における被着体としては特に制限はないが、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ガラス繊維、カーボン繊維等の繊維、鉄、アルミニウム等の金属やそのフィルム・シート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ(エチレン−ビニルアルコール)等の樹脂やそのフィルム・シート、カーボンブラック、シリカ、水酸化アルミニウム等の充填剤、構造接着剤加硫接着剤等の被着体に塗布されたゴム用接着剤等が挙げられる。
【0034】
本発明の接着性ゴム組成物と被着体との接着方法には制限がなく、通常のゴム加工工程にそのまま適用できる。すなわち、プレス成型、トランスファー成型、射出成型等のゴム型物成型工程、缶加硫、連続加硫等のゴム押出成型加工工程等に適用できる。以下に典型的な接着例を示す。
【0035】
ゴムと金属の接着方法;
金具表面をブラスト処理しその後に化成処理した上で上記接着性ゴム組成物を射出成型するとゴム層と金属は接着する。更に強固に接着するには化成処理後の金具表面に接着剤を塗布した上で上記接着性ゴム組成物を射出成型するとゴム層と金属は強固にしかも安定した接着をする。
【0036】
ゴムホースの接着方法;
中間層として布や金属若しくは樹脂フィルム等の補強層を埋設一体化したホースにおいて、中間補強層と上記接着性ゴム組成物を一緒に押出成形してゴムホースを製造する。加硫後におけるゴム層と中間補強層とは強固に接着する。
【0037】
防振ゴムの接着方法;
振動源側及び振動被伝達側の各取付部材をナイロン等の樹脂で形成し、これらをインサートとしてその表面に接着剤を塗布せずに上記接着性ゴム組成物からなる防振ゴムで一体化し、所定の条件で加硫する。これによりインサートである各取付部材とゴム組成物が強固に接着する。したがってインサートに対する接着剤塗布を廃止でき、樹脂またはその他の材料からなるインサートとの直接接着ができる。
【0038】
シリカ補強ゴム:
シリカを配合したゴムマトリックスにシランカップリング剤を添加せずに上記ジエン系環化樹脂を配合して混練したシリカ配合ゴムは高補強性ゴムとなり、シランカップリング剤の代替ができる。
【0039】
このような接着性ゴム組成物の用途としては、シリカ等の充填剤の分散・補強、自動車タイヤやゴムベルト等の繊維とゴムの接着、ゴムホース等の繊維、布、樹脂や金属フィルム等とゴムの接着、防振ゴムや免震ゴムやゴムロール等の金属や樹脂等とゴムの接着等が挙げられる。
【0040】
【実施例】
無水マレイン酸変性環化樹脂の製造法
ジエン系環化樹脂の一例として、無水マレイン酸変性環化樹脂を作成する。
まず、日本ゼオン社製ZPN103(ネガ製フォトレジスト用環化ポリイソプレン樹脂)をメタノールで凝固・再沈・乾燥して環化ポリイソプレン樹脂を得た。この樹脂100gをキシレン3L(リットル)に溶解して、無水マレイン酸6.0g、ジクミルパーオキシド2.3gを加えて、110℃で一昼夜反応した。
反応後、ドライアイスエタノール溶液中に滴下して凝固して凍結した無水マレイン酸変性環化樹脂を得た。この樹脂は凍結乾燥して評価用サンプル樹脂とした。無水マレイン酸の結合量は電位差滴定により求め、結合量は2.2重量%であった。分子量はGPCのポリスチレン換算で求め、数平均分子量が32,000であった。
【0041】
サンプル作成
表1の配合物A:
表1に示す配合物Aとして、内容量3.6Lのバンバリーミキサを使用し、ロータ回転数を105rpmとし、練り時間3分でミキサー内から排出するように配合物Aを調製する。
【0042】
表1に示すゴム組成物の調整;
その後6インチ径のロールを使用し、表1の配合物B及び無水マレイン酸変性環化樹脂を100℃で15分間混練して実施例1〜6の配合組成物を作成した。実施例1〜3は比較例2に無水マレイン酸変性環化樹脂を配合したゴム組成物であり、また実施例4〜6は比較例3に無水マレイン酸変性環化樹脂を配合したゴム組成物である。
このうち無水マレイン酸変性環化樹脂の配合は、実施例1と4が1部、実施例2と5が5部、実施例3と6が10部である。また、実施例1〜3はゴムマトリクスを天然ゴムとし、CBSを含有せず、TMTDが4部と多く配合してあり、実施例4〜6はゴムマトリクスをEPDMとし、CBSを各0.5部含有し、TMTDが0.5部と少なくなっている。
また、無水マレイン酸変性環化樹脂を配合しない表1の比較例1〜3を同様にして作成した。このうち比較例1と2はゴムマトリクスを天然ゴムとして硫黄及びCBSの含量を編量し、比較例3はゴムマトリクスをEPDMとしている。
【0043】
なお、組成材料の詳細は以下の通りである。
NR(天然ゴム):マレーシア産、商品名「RRS#3」(ムーニー粘度ML1+4(100℃);60±5)
EPDM:ジェイエスアール株式会社製、商品名「JSR EP27」、
FEFカーボン(補強剤カーボンブラック):東海カーボン株式会社製、商品名「シーストSO」
亜鉛華(酸化亜鉛):堺化学株式会社製、商品名「亜鉛華2種」
ステアリン酸:株式会社花王製
老化防止剤1:川口化学株式会社製、商品名「アンテージRD」
老化防止剤2:川口化学株式会社製、商品名「アンテージ3C」
老化防止剤3:大内新興化学工業株式会社製、商品名「サンノックN」
パラフィン系オイル;軟化剤:、出光興産株式会社製、商品名「ダイアナプロセスPW−380」
アロマ系オイル:軟化剤:、出光興産株式会社製、商品名「ダイアナプロセスAH−16」
硫黄:粉末硫黄、鶴見化学株式会社製
CBS:川口化学株式会社製、商品名「アクセルCZ」
TMTD:川口化学株式会社製、商品名「アクセルTMT」
MBT:川口化学株式会社製、商品名「アクセルM」
ZnBDC:川口化学株式会社製、商品名「アクセルBZ」
TeEDC:川口化学株式会社製、商品名「アクセルTL−PT」
【0044】
引張試験;
160℃で10分間加硫してなる試験片を3号ダンベル型(JIS K6251)に成形した後、JIS K6251に記載の方法に従い、引張強度TB(MPa)及び破断伸びEB(%)を測定した。また、硬度HSについてはJIS K6301に記載の方法に準じて測定した。
この常態物性は、実施例1〜3と比較例2の比較及び実施例4〜6と比較例3の比較からわかるように、引張強度、破断伸びが実施例及び比較例とも大差なくいずれも合格である。一般にゴムに樹脂を配合したゴム組成物は破断伸びが低下するという欠陥を示すが、本発明のゴムに環化樹脂を配合した接着性ゴム組成物は破断伸びの低下を起こすことがなく、優れた組み合わせの組成物であることがわかる。
【0045】
接着性試験1:
155℃で20分間加硫してなる試験片をASTM D429に準拠して、引張スピード50mm/分で試験し、剥離破損を調べた。ゴムと被着体の接着面を形成する試験片固定円錐形状治具の材質は鉄、アルミニウム及び66ナイロン樹脂(ガラス繊維33%入り)を用いた。ゴムと被着体の接着は接着剤を使用せずに実施したが、鉄治具のみで表面に接着剤としてケムロック205をプライマー、ケムロック220をカバーコートとして塗布した試験も実施した。そのときのカバーコート接着層の厚みは15μmと30μmに設定した。結果は表1に示す。
【0046】
剥離破損の種類は以下の通りである。
符号R:ゴム層の破損。R100はゴム層の破損100%、R0は同0%を意味する。
符号RC:ゴム層と接着剤間の破損。RC100はゴム層と接着剤間の破損100%、RC0は同0%を意味する。
【0047】
材質鉄に対する接着性:
実施例1〜3と比較例2を比較すると、鉄治具に対する接着性は、鉄治具への接着剤の使用の有無に係わらず、実施例1は比較例2と同等であり、実施例2〜3は何れもゴム層の100%破損(R100)であり、比較例に比べて強固に接着していることがわかった。無水マレイン酸変性環化樹を1部配合では効果が明白でないが、5部以上配合した本発明の接着性ゴム組成物は優れた鉄との接着性を示すことがわかる。なお、比較例1は硫黄2.5部、CBS1.5部配合の典型的な接着性良好な配合例ではあるが、本発明の実施例2〜3はこれよりも優れた接着性を示すことがわかる。
実施例4〜6と比較例3を比較しても同様な結果を示し、無水マレイン酸変性環化樹脂を5部配合した本発明の実施例5で効果が現れ、10部配合した本発明の実施例6は優れた接着性を示すことがわかる。
【0048】
材質アルミニウムに対する接着性:
実施例1〜3と比較例2を比較すると、アルミニウム治具に対する接着性は、実施例1は比較例2と同等であり、実施例2〜3は何れもR100であり、比較例に比べて強固に接着していることがわかった。前記同様に、無水マレイン酸変性環化樹脂を1部配合では効果が明白でないが、5部以上配合した本発明の接着性ゴム組成物は優れた鉄との接着性を示すことがわかる。なお、典型的に接着性良好な配合例である比較例1と比べても、本発明の実施例2〜3は優れた接着性を示すことがわかる。
実施例4〜6と比較例3を比較しても同様な結果を示し、無水マレイン酸変性環化樹脂を10部配合した本発明の実施例6は優れた接着性を示すことがわかる。
【0049】
材質66ナイロン樹脂に対する接着性:
実施例1〜3と比較例2を比較すると、66ナイロン樹脂治具に対する接着性は、実施例1は比較例2と同等であり、実施例2〜3は何れもR100であり、比較例に比べて強固に接着していることがわかった。前記同様に、無水マレイン酸変性環化樹を1部配合では効果が明白でないが、5部以上配合した本発明の接着性ゴム組成物は優れた鉄との接着性を示すことがわかる。なお、典型的に接着性良好な配合例である比較例1と比べても、本発明の実施例2〜3は優れた接着性を示すことがわかる。
実施例4〜6と比較例3を比較しても同様な結果を示し、無水マレイン酸変性環化樹脂を10部配合した本発明例の実施例6は優れた接着性を示すことがわかる。
【0050】
試験方法2:
配合ゴム組成物をJIS K6256に記載の方法「布と加硫ゴムの剥離試験」に従い、リング状試験片の寸法を長さ25.0±0.5mmに作成し、布と加硫ゴムの剥離試験を25.0±2.5mm/分で行い、剥離破損を調べる。被着体としてはポリアミド布、ポリエステル布、PP樹脂フィルム、アルミニウムフィルムおよび亜鉛−アルミニウム超塑性合金シートを使用した。
【0051】
剥離破損の種類は以下の通りである。
符号R :ゴム層の破損。R100はゴム層の破損100%、R0は同0%を意味する。
符号RB:布層間のゴム接着部破損。RB100は布層間のゴム接着部破損100%、RB0は同0%を意味する。
符号RT:ゴムと布間の剥離。RT100はゴムと布間の剥離100%、RT0は同0%を意味する。
【0052】
布に対する接着性:
ポリアミド布及びポリエステル布に対する実施例4〜6と比較例3を比較すると、布を接着用表面処理せずに評価した場合は比較例3がゴムと布間の剥離100%(RT100)になるが無水マレイン酸変性環化樹脂を1部配合した本発明の実施例4でゴム層の破損50%(R50%)と接着性の向上がみられ、5部以上配合した本発明の実施例5〜6ではR100と強固な接着を示すことがわかった。ポリエステル布を接着表面処理する代表的な方法であるRFL処理した比較例3の接着状態と同等であった。無水マレイン酸変性環化樹脂を1部配合した本発明の実施例5で効果が現れ、10部配合した本発明例の実施例6は優れた接着性を示すことがわかる。
【0053】
PPフィルムに対する接着性:
実施例4〜6と比較例3を比較すると、比較例3がRT100になるが無水マレイン酸変性環化樹脂を1部配合した本発明の実施例4でR50%と接着性の向上がみられ、5部以上配合した本発明の実施例5〜6ではR100と強固な接着を示すことがわかった。
【0054】
金属フィルム・シートに対する接着性:
アルミニウムフィルム及び超塑性合金シートに対する実施例4〜6と比較例3を比較すると、何れも比較例3がRT100になるが無水マレイン酸変性環化樹脂を1部配合した本発明の実施例4でR50%と接着性の向上がみられ、5部以上配合した本発明の実施例5〜6ではR100と強固な接着を示すことがわかった。
【0055】
ゴムホース;
実施例6係る接着性ゴム組成物を用いて、内径16mmφ、外径24mmφで、中間の補強層としてナイロン布、アルミニウムフィルム及びPP樹脂フィルム等からなり、内外層ゴムと中間の補強層を一緒に押出成形してゴムホースを製造する。150℃で缶加硫後、ゴム層と中間の補強層との接着性を上記に準じて評価した結果、中間の補強層が布、金属並びに樹脂フィルムのいずれの場合も良好であって、ゴムホースの性能要件を十分に充足した。
【0056】
防振ゴム部材;
振動源側及び振動被伝達側の各取付部材を66ナイロン樹脂で形成して金型内へ配置し、上記の実施例3に係る接着性ゴム組成物を防振ゴムとして金型内へ充填して160℃で10分間加硫することにより、各取付部材をゴム組成物で一体化した防振ゴム部材を得た。この防振ゴム部材における各取付部材とゴム組成物の接着は強固であって防振ゴム部材の性能要件を十分に充足した。
【0057】
シリカ補強ゴム:
上記実施例の配合物Aの調整においてFEFカーボン50部に代えてシリカ40部を補強剤として配合したものを調整し、これにシランカップリング剤を添加せずに上記実施例の配合物B及び無水マレイン酸変性環化樹脂を混練して実施例3と同様の配合組成物を得た。このサンプルにつき上記接着性試験1、2を行い、接着性を評価したところ、十分な接着性を示した。
【0058】
【発明の効果】
本願発明によれば、ゴムマトリックス中にジエン系環化樹脂を接着成分として添加することにより、ゴム−被着体との接着性を強固にできる。
Figure 2004059890
Figure 2004059890

Claims (3)

  1. ゴムマトリックス中にジエン系環化樹脂を接着成分として添加することにより、ゴムと被着体との接着性を強固にしてなることを特徴とする接着性ゴム組成物。
  2. 上記請求項1のジエン系環化樹脂がジエン系ゴムを環化反応させてなる樹脂又はそれを水素化してなる樹脂であり、数平均分子量(Mn)が30,000以上であり、その添加量が2部以上であることを特徴とする接着性ゴム組成物。
  3. 上記請求項1のジエン系環化樹脂がカルボキシル基、酸無水物基、水酸基またはアミノ基のいずれかを含有してなることを特徴とする接着性ゴム組成物。
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