JP2004052967A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パワーローラ9、9を支承するスラスト玉軸受14、14を構成する各玉20、20を、高炭素鋼により造る。又、これと共に、これら各玉20、20に浸炭窒化処理、焼き入れ、焼き戻し処理を施す事により、これら各玉20、20の表面炭素濃度を1.2〜1.7重量%、表面窒素濃度を0.1〜0.6重量%とする。更には、これら各玉20、20の表面硬化層における表面硬度を、外輪16及びパワーローラ9の各側面にそれぞれ形成された外輪軌道18及び内輪軌道19の表面硬度に比べて、HRC 硬度で1〜2ポイント高くする。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
この発明に係るトロイダル型無段変速機は、例えば自動車の自動変速機用の変速ユニットとして、或は各種産業機械用の変速機として、それぞれ利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用自動変速機として、図2〜3に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究され、一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−71465号公報に開示されている様に、入力軸1と同心に、請求項に記載した第一のディスクに相当する入力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に、請求項に記載した第二のディスクに相当する出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシング5(後述する図5参照)の内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸6、6を中心として揺動するトラニオン7、7を設けている。
【0003】
これら各トラニオン7、7は、長さ方向(図2〜3の表裏方向)両端面に上記枢軸6、6を、各トラニオン7、7毎に互いに同心に、各トラニオン7、7毎に1対ずつ設けている。これら各枢軸6、6の中心軸は、上記各ディスク2、4の中心軸と交差する事はないが、これら各ディスク2、4の中心軸の方向に対し直角若しくはほぼ直角方向である、捩れの位置に存在する。又、上記各トラニオン7、7の中心部には変位軸8、8の基半部を支持し、上記枢軸6、6を中心として各トラニオン7、7を揺動させる事により、上記各変位軸8、8の傾斜角度の調節を自在としている。各トラニオン7、7に支持された変位軸8、8の先半部周囲には、それぞれパワーローラ9、9を回転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ9、9を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4a同士の間に挟持している。
【0004】
上記入力側、出力側両ディスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢軸6を中心とする円弧若しくはこの様な円弧に近い曲線を回転させて得られる、断面円弧状の凹面をなしている。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ9、9の周面9a、9aを、上記内側面2a、4aに当接させている。又、上記入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム装置10を設け、このローディングカム装置10によって上記入力側ディスク2を、出力側ディスク4に向け弾性的に押圧しつつ、回転駆動自在としている。
【0005】
上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴って上記ローディングカム装置10が上記入力側ディスク2を、上記複数のパワーローラ9、9に押圧しつつ回転させる。そして、この入力側ディスク2の回転が、上記複数のパワーローラ9、9を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0006】
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸6、6を中心として前記各トラニオン7、7を揺動させ、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図2に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、前記各変位軸8、8を傾斜させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン7、7を揺動させ、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図3に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各変位軸8、8を傾斜させる。これら各変位軸8、8の傾斜角度を図2と図3との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得られる。
【0007】
更に、図4〜5は、実願昭63−69293号(実開平1−173552号)のマイクロフィルムに記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4とは円管状の入力軸11の周囲に、それぞれ回転自在に支持している。又、この入力軸11の端部と上記入力側ディスク2との間に、ローディングカム装置10を設けている。一方、上記出力側ディスク4には、出力歯車12を結合し、これら出力側ディスク4と出力歯車12とが同期して回転する様にしている。
【0008】
1対のトラニオン7、7の長さ方向(図4の表裏方向、図5の左右方向)両端部に互いに同心に設けた枢軸6、6は、支持部材である1対の支持板13、13に、揺動並びに軸方向(図4の表裏方向、図5の左右方向)の変位自在に支持している。そして、上記各トラニオン7、7の中間部に、変位軸8、8の基半部を支持している。これら各変位軸8、8は、基半部と先半部とを互いに偏心させている。そして、このうちの基半部を上記各トラニオン7、7の中間部に回転自在に支持し、それぞれの先半部にパワーローラ9、9を、ラジアルニードル軸受等の転がり軸受を介して、回転自在に支持している。
【0009】
尚、上記1対の変位軸8、8は、上記入力軸11に対して180度反対側位置に設けている。又、これら各変位軸8、8の基半部と先半部とが偏心している方向は、上記入力側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関して同方向(図5で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上記入力軸11の配設方向に対してほぼ直交する方向としている。従って上記各パワーローラ9、9は、上記入力軸11の配設方向に関して若干の変位自在に支持される。
【0010】
又、上記各パワーローラ9、9の外側面と上記各トラニオン7、7の中間部内側面との間には、これら各パワーローラ9、9の外側面の側から順に、スラスト玉軸受14、14とスラストニードル軸受15、15とを設けている。このうちのスラスト玉軸受14、14は、上記各パワーローラ9、9に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ9、9の回転を許容するもので、特許請求の範囲に記載したスラスト転がり軸受に対応するものである。又、上記各スラストニードル軸受15、15は、上記各パワーローラ9、9から上記各スラスト玉軸受14、14を構成する外輪16、16に加わるスラスト荷重を支承しつつ、上記各変位軸8、8の先半部及び上記外輪16、16が、これら各変位軸8、8の基半部を中心として揺動する事を許容する。更に、上記各トラニオン7、7は、油圧式のアクチュエータ17、17により、前記各枢軸6、6の軸方向の変位自在としている。
【0011】
上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機の場合、入力軸11の回転はローディングカム装置10を介して入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側ディスク2の回転が、1対のパワーローラ9、9を介して出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディスク4の回転が、出力歯車12より取り出される。
【0012】
入力軸11と出力歯車12との間の回転速度比を変える場合には、上記各アクチュエータ17、17により上記1対のトラニオン7、7を、それぞれ逆方向に、例えば、図5の下側のパワーローラ9を同図の右側に、同図の上側のパワーローラ9を同図の左側に、それぞれ変位させる。この結果、これら各パワーローラ9、9の周面9a、9aと上記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラニオン7、7が、支持板13、13に枢支された枢軸6、6を中心として、互いに逆方向に揺動する。この結果、前述の図3〜4に示した様に、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aと上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸11と出力歯車12との間の回転速度比が変化する。
【0013】
トロイダル型無段変速機による動力伝達時には、構成各部の弾性変形に基づいて、上記各パワーローラ9、9が上記入力軸11の軸方向に変位する。そして、これら各パワーローラ9、9を支持した前記各変位軸8、8が、それぞれの基半部を中心として僅かに回動する。この回動の結果、上記各スラスト玉軸受14、14の外輪16、16の外側面と上記各トラニオン7、7の内側面とが相対変位する。これら外側面と内側面との間には、前記各スラストニードル軸受15、15が存在する為、この相対変位に要する力は小さい。
【0014】
上述の様に構成され作用するトロイダル型無段変速機により大きな動力(高トルク)を伝達する際には、上記入力側、出力側両ディスク2、4及び上記各パワーローラ9、9に、大きな曲げ応力や剪断応力が繰り返し加わる。この様に繰り返し加わる大きな応力によっても上記各部材2、4、9に亀裂等の損傷が発生せず、トロイダル型無段変速機全体としての耐久性を確保する為には、上記各部材2、4、9個々の耐久性を向上させる事が重要になる。これら各部材2、4、9の耐久性を向上させる為の従来技術として、「NASA Technical note NASA ATND−8362」には、入力側、出力側各ディスク及びパワーローラを構成する為の材料として、AISI52100(JIS SUJ2、高炭素クロム軸受鋼相当)を使用する事が記載されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の様な従来のトロイダル型無段変速機の場合、動力伝達時に入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4aと各パワーローラ9、9の周面9aとの当接部(トラクション部)に、押圧装置10の押圧力に基づく大きな押し付け力が加わる。そして、この様な押し付け力に基づいて、上記各パワーローラ9、9を支承するスラスト玉軸受14、14に、大きなスラスト荷重が加わる。この様に各スラスト玉軸受14、14に大きなスラスト荷重が加わると共に、上記各パワーローラ9、9が高速回転すると、これら各スラスト玉軸受14、14を構成する外輪16に形成した外輪軌道18及び上記各パワーローラ9、9に形成した内輪軌道19と、それぞれが転動体である各玉20、20の転動面との転がり接触部でスピンや滑りが生じる。そして、この様なスピンや滑りに基づき、上記各スラスト玉軸受14、14が発熱(温度上昇)する。
【0016】
この様な発熱の程度は、これら各スラスト玉軸受14、14を流通する潤滑油の温度を測定する事で分かる。そして、これら各スラスト玉軸受14、14を流通する潤滑油の流入温度と流出温度との差から、上記転がり接触部の温度は少なくとも130℃程度まで上昇していると考えられる。この様な転がり接触部の発熱は、上記外輪軌道18及び内輪軌道19や上記各玉20、20に剥離等の損傷を生じ易くする。特にこのうちの各玉20、20は、熱伝導性的に不利な条件下にある。即ち、これら各玉20、20と上記外輪軌道18及び内輪軌道19との接触面積は小さい為、上述の様な転がり接触部のスピンや滑りに基づきこれら各玉20、20が温度上昇しても、これら各玉20、20から熱が逃げにくい。この為、上記外輪16や上記パワーローラ8、8に比べ、これら各玉20、20が早期に寿命に至る可能性がある。
【0017】
この様な不都合を解決すべく、特開平7−208568号公報には、パワーローラを支承するスラスト転がり軸受を構成する各転動体を中炭素鋼又は高炭素鋼により造ると共に、これら各転動体に浸炭窒化処理、焼き入れ、焼き戻し処理を施す事により、これら各転動体の転がり疲れ寿命を確保する発明が記載されている。ところが、近年トロイダル型無段変速機の高出力化、高トルク化が図られており、上記転動体の耐久性の更なる向上が望まれている。特にパワーローラ及び入力側、出力側両ディスクの耐久性の向上に伴って、上記スラスト転がり軸受を構成する転動体の寿命が相対的に短くなる傾向にある。この為に現情では、これら各転動体の耐久性を確保する事は、そのままトロイダル型無段変速機の耐久性向上に繋がる事となる。
本発明のトロイダル型無段変速機は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述の図2〜5に示した従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、第一ディスク及び第二ディスクと、複数のトラニオンと、変位軸と、パワーローラと、スラスト転がり軸受とを備える。
このうちの第一ディスク及び第二ディスクは、それぞれが断面円弧形の凹面である互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ互いに独立した回転自在に支持されている。
又、上記各トラニオンは、上記両ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある状態でそれぞれの両端部に設けられた枢軸を中心として揺動する。
又、上記変位軸は、上記各トラニオンの中間部に、これら各トラニオンの内側面から突出する状態で支持されている。
又、上記パワーローラは、上記各トラニオンの内側面側に配置され、且つ、上記両ディスク同士の間に挟持された状態で、上記各変位軸の周囲に回転自在に支持されたもので、その周面を球状凸面としている。
更に、上記スラスト転がり軸受は、上記各パワーローラの外側面と上記各トラニオンの内側面との間に設けられている。
そして、上記各スラスト転がり軸受は、上記各パワーローラの外側面に形成された内輪軌道と、上記各トラニオンの内側面に支持された外輪の内側面に形成された外輪軌道との間に、複数個の転動体を設けて成るものである。
【0019】
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記各スラスト転がり軸受を構成する上記各転動体を、高炭素鋼により造ると共に、浸炭窒化処理、焼き入れ、焼き戻し処理を施す事により、表面炭素濃度を1.2〜1.7重量%、表面窒素濃度を0.1〜0.6重量%としている。
尚、上記各転動体を構成する高炭素鋼とは、炭素(C)を0.5重量%以上含む鋼を言い、例えば高炭素クロム軸受鋼等が使用可能である。
更には、上記各転動体の表面硬度を、上記スラスト転がり軸受を構成する上記外輪及びパワーローラの各側面にそれぞれ形成された外輪軌道及び内輪軌道の表面硬度に比べて、HRC 硬度で1〜2ポイント高くしている。
又、更に好ましくは、上記各転動体の表面硬化層の残留オーステナイト量を25〜40容量%とする。尚、この様に残留オーステナイト量を規制する場合には、焼き戻し温度を200℃以下とする。
【0020】
【作用】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機によれば、パワーローラを支承するスラスト転がり軸受を構成する各転動体の耐久性を効果的に確保できる。
即ち、一般的に転がり軸受を構成する材料は、高温になると硬さに代表される機械的強度が低下し、疲労特性が劣化するが、本発明の場合には、上記各転動体を高炭素鋼により造ると共に、この高炭素鋼により造られたこれら各転動体に浸炭窒化処理を施す事で、これら各転動体の表面を構成するマルテンサイト中に更に炭素並びに窒素を固溶させる。この為、これら各転動体の焼き戻し軟化抵抗性の向上を図れる。
【0021】
従って、これら各転動体の転動面と外輪軌道及び内輪軌道との転がり接触部のスピンや滑りに基づきこれら各転動体が温度上昇したり、これら各転動体を高温で使用し続けても、これら各転動体の硬さ(表面硬度)の低下を長期間に亙り防止できて、これら各転動体の耐久性を十分に確保できる。しかも、この様に各転動体の硬さの低下を長期間に亙り防止できる結果、上記転がり接触部でスピンや滑りが生じても、これら各転動体の表面に加わる接線方向の引っ張り応力に基づく微小クラックを発生しにくくできる。この為、この様な微小クラックが起点となって生じる表面疲労型の剥離を防止して、上記各転動体の耐久性を十分に確保できる。
【0022】
尚、上記各転動体の表面炭素濃度を1.2重量%以上とする理由は、外輪やパワーローラである軌道輪に用いられる高炭素クロム軸受鋼の炭素量が1.0重量%程度であり、この様な高炭素クロム軸受鋼により得られる外輪やパワーローラの表面硬度よりも上記各転動体の表面硬度を高くする為である。即ち、これら各転動体の表面炭素濃度が1.2重量%未満の場合には、上記各転動体の表面硬度が上記各軌道輪の表面硬度よりもHRC 硬度で1ポイント以上高くならず、これら各軌道輪よりも早期に寿命に至る可能性がある。一方、上記表面炭素濃度が1.7重量%を超える場合には、上記各転動体の表面硬化層に巨大炭化物が生成され、転がり疲労寿命特性が低下する可能性がある。従って、上記各転動体の表面炭素濃度を、1.2〜1.7重量%の範囲に規制する。
【0023】
又、上記各転動体の表面窒素濃度を0.1重量%以上とする理由は、これら各転動体の高温での表面硬度の低下を防止する為である。即ち、上記表面窒素濃度が0.1重量%未満の場合には、上記各転動体の高温での表面硬度を十分に確保できない可能性がある。一方、上記表面窒素濃度が0.6重量%を超える場合には、上記各転動体の表面硬化層に巨大窒化物が生成され、転がり疲労寿命特性が低下する可能性がある。そこで、上記各転動体の表面窒素濃度を、0.1〜0.6重量%の範囲に規制する。
【0024】
又、上記各転動体の表面硬度を、上記各軌道輪にそれぞれ形成された外輪軌道及び内輪軌道の表面硬度に比べて、HRC 硬度で1〜2ポイント高くする理由は、上記各パワーローラが大きなスラスト荷重を受けつつ高速で回転する場合に、上記転がり接触部に十分な潤滑油膜が形成されなかったり、或は潤滑油に異物が混入したりすると、上記軌道輪よりも上記各転動体に剥離等の損傷が生じ易くなる為である。尚、これら各転動体と上記外輪軌道及び内輪軌道との表面硬度の差がHRC 硬度で1ポイント未満の場合には、上記各転動体に剥離等の損傷が生じるのを十分に防止できない可能性がある。一方、上記表面硬度の差がHRC 硬度で2ポイントを超える場合には、上記外輪軌道及び内輪軌道の硬さに対して上記各転動体の硬さが高くなりすぎて、これら各転動体よりも上記軌道輪に剥離等の損傷が生じ易くなる。
更に、上記各転動体の表面硬化層の残留オーステナイト量を25〜40容量%とすれば、潤滑油に異物が混入した場合でも、これら各転動体の剥離寿命を十分に確保できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本発明の特徴は、パワーローラ9をトラニオン7の内側面に回転自在に支持する為のスラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受14を構成する、それぞれが転動体である各玉20、20の性状を工夫する点にある。即ち、これら各玉20、20の表面硬度、並びに、表面硬化層に固溶する炭素及び窒素の量を規制する事により、上記スラスト玉軸受14を組み込んだトロイダル型無段変速機全体としての耐久性向上を実現する点にある。このトロイダル型無段変速機の基本構造に就いては、前述の図4〜5に示した従来構造と同様であるので、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0026】
本例の場合は、上記各スラスト玉軸受14、14を構成する上記各玉20、20を高炭素鋼、即ち、炭素(C)を0.5重量%以上含む鋼、例えば高炭素クロム軸受鋼により造っている。又、これと共に、これら各玉20、20に浸炭窒化処理、焼き入れ、焼き戻し処理を施す事により、これら各玉20、20の表面炭素濃度を1.2〜1.7重量%、表面窒素濃度を0.1〜0.6重量%としている。更には、上記各玉20、20の(表面硬化層における)表面硬度を、上記スラスト玉軸受14、14を構成する外輪16及び上記パワーローラ9の各側面にそれぞれ形成された外輪軌道18及び内輪軌道19の表面硬度に比べて、H RC硬度で1〜2ポイント高くしている。又、上記各玉20、20の表面硬化層の残留オーステナイト量を、25〜40容量%としている。尚、この様に残留オーステナイト量を規制する場合には、焼き戻し温度を200℃以下とする事が好ましい。
【0027】
上述の様に構成する本例のトロイダル型無段変速機によれば、各パワーローラ9、9を支承するスラスト玉軸受14、14を構成する各玉20、20の耐久性を効果的に確保できる。
即ち、一般的に転がり軸受を構成する材料は、高温になると硬さに代表される機械的強度が低下し、疲労特性が劣化するが、本例の場合には、上記各玉20、20を高炭素鋼により造ると共に、この高炭素鋼により造られたこれら各玉20、20に浸炭窒化処理を施す事で、これら各玉20、20の表面を構成するマルテンサイト中に、更に炭素並びに窒素を固溶させている。この為、これら各玉20、20の焼き戻し軟化抵抗性の向上を図れる。
【0028】
従って、これら各玉20、20と外輪軌道18及び内輪軌道19との転がり接触部のスピンや滑りに基づいて、これら各玉20、20が温度上昇しても、更には、これら各玉20、20を高温で使用し続けても、これら各玉20、20の硬さ(表面硬度)の低下を長期間に亙り防止できて、これら各玉20、20の耐久性を十分に確保できる。しかも、この様に各玉20、20の硬さの低下を長期間に亙り防止できる結果、上記転がり接触部でスピンや滑りが生じても、これら各玉20、20の表面に加わる接線方向の引っ張り応力に基づく微小クラックを発生しにくくできる。この為、この様な微小クラックが起点となって生じる表面疲労型の剥離を防止して、上記各玉20、20の耐久性を十分に確保できる。
【0029】
尚、上記各玉20、20の表面炭素濃度を1.2重量%以上とする理由は、上記外輪16やパワーローラ9である軌道輪に用いられる高炭素クロム軸受鋼の炭素量が1.0重量%程度であり、この様な高炭素クロム軸受鋼により得られる表面硬度よりも上記各玉20、20の表面硬度を(次述する様にHRC 硬度で1〜2ポイント)高くする為である。即ち、これら各玉20、20の表面炭素濃度が1.2重量%未満の場合には、これら各玉20、20の表面硬度を上記各軌道輪(外輪16及びパワーローラ9)の表面硬度よりも、HRC 硬度で1ポイント以上高くできず、これら各軌道輪16、9よりも早期に寿命に至る可能性がある。一方、上記表面炭素濃度が1.7重量%を超える場合には、上記各パワーローラ8の表面硬化層に巨大炭化物が生成され、転がり疲労寿命特性が低下する可能性がある。この為、上記各玉20、20の表面炭素濃度を、1.2〜1.7重量%の範囲に規制する。
【0030】
又、上記各玉20、20の表面窒素濃度を0.1重量%以上とする理由は、これら各玉20、20の高温での表面硬度の低下を防止する為である。即ち、上記表面窒素濃度が0.1重量%未満の場合には、上記各玉20、20の高温での表面硬度を十分に確保できない可能性がある。一方、上記表面窒素濃度が0.6重量%を超える場合には、上記各玉20、20の表面硬化層に巨大窒化物が生成され、転がり疲労寿命特性が低下する可能性がある。そこで、上記各玉20、20の表面窒素濃度を、0.1〜0.6重量%の範囲に規制する。
【0031】
又、上記各玉20、20の転動面の(表面硬化層における)表面硬度を、上記各軌道輪16、9にそれぞれ形成された外輪軌道18及び内輪軌道19の表面硬度に比べて、HRC 硬度で1〜2ポイント高くする理由は、上記転動面の剥離寿命を上記各軌道18、19の剥離寿命以上とする為である。即ち、上記各パワーローラ9が大きなスラスト荷重を受けつつ高速で回転する場合に、上記転がり接触部に十分な潤滑油膜が形成されなかったり、或は潤滑油に異物が混入したりすると、上記軌道輪16、9よりも上記各玉20、20に剥離等の損傷が生じ易くなる。この為、上記表面硬度の差を設定して、これら各玉20、20の耐久性を確保する。尚、これら各玉20、20と上記外輪軌道18及び内輪軌道19との表面硬度の差がHRC 硬度で1ポイント未満の場合には、上記各玉20、20に剥離等の損傷が生じるのを十分に防止できない。一方、上記表面硬度の差がHRC 硬度で2ポイントを超える場合には、上記外輪軌道18及び内輪軌道19の硬さに対して上記各玉20、20の硬さが高くなりすぎて、これら各玉20、20よりも上記軌道輪16、9に剥離等の損傷が生じ易くなる。
更に、本例の場合には、上記各玉20、20の表面硬化層の残留オーステナイト量を25〜40容量%としている為、潤滑油に異物が混入した場合でも、これら各玉20、20の剥離寿命を十分に確保できる。
【0032】
【実施例】
上述の様な玉(転動体)20を使用する事により、トロイダル型無段変速機を構成するパワーローラ9を支承するスラスト玉軸受(スラスト転がり軸受)14の耐久性向上を図れる事を確認する為に、本発明者が行なった実験に就いて説明する。この実験は、下記の表1に示す本発明の技術範囲に属する玉4種類(実施例1〜4)と本発明の技術範囲から外れる玉5種類(比較例1〜5)との、合計9種類の玉を、上述した図1に示す様なトロイダル型無段変速機を構成するパワーローラ9、9を支承するスラスト玉軸受14、14の転動面に組み込んで、これら各玉14、14の転動面及びパワーローラ9、9の内輪軌道19、19、外輪16、16の外輪軌道18、18、入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4aの剥離の発生状況、並びにトロイダル型無段変速機全体としての寿命(L10寿命)をそれぞれ調べた。
【0033】
【表1】
【0034】
尚、上記表1の各玉は、SUJ2(高炭素クロム軸受鋼)により造ると共に、図5に示す熱処理を施した。即ち、温度が830〜860℃のRxガス、エンリッチガス及びアンモニアガス(NH3 )雰囲気中で2〜5時間熱処理(浸炭窒化)した後、オイルクエンチ(焼き入れ)を行ない、次に、温度が180〜200℃の大気中で2時間加熱した後、冷却した(焼き戻した)。そして、この様にして得られた玉14、14により構成するスラスト玉軸受14、14を用いてトロイダル型無段変速機の変速機構部分(バリエータ)を組み立て、この変速機構部分を試験装置に組み込み、次に示す試験条件で耐久試験を行なった。各試料毎の表面硬度や表面炭素濃度、表面窒素濃度の相違は、上記浸炭窒化時の炉内雰囲気の差により生じるものである。
試験条件
入力軸の回転速度 : 4000min−1
入力トルク : 350Nm
使用潤滑油 : トラクションオイル
油温 : 100℃
試験数 : 5回
【0035】
尚、この耐久試験は、同種の試料に就いて5個ずつ(n=5)行ない、得られた結果をワイブル確率用紙上で整理し、90%残存寿命値(L10寿命値)を求めた。又、剥離の発生は、肉眼で確認できる剥離の存在をもって判断した。得られた試験結果を、下記の表2に示す。
【表2】
【0036】
耐久試験の結果を表すこの表2から明らかな通り、本発明の様な玉により構成するスラスト玉軸受14を組み込んだトロイダル型無段変速機は、比較例1〜5に比べて寿命を大幅に長くできる。しかも、パワーローラ9、9や入力側、出力側各ディスク2、4よりも先に、各玉20、20に剥離が発生する事を防止でき、トロイダル型無段変速機全体としての耐久性向上を図れる。尚、比較例1の場合には、各玉20、20と各軌道輪16、9との表面硬度が同じである為、上記各玉20、20に剥離が発生し易くなって、トロイダル型無段変速機のL10寿命値を十分に確保できなかった。又、比較例2の場合には、上記各玉20、20と各軌道輪16、9との表面硬度の差がHRC 硬度で3ポイントある為、外輪軌道18及び内輪軌道19に剥離が発生し易くなり、上記L10寿命値も十分に確保できなかった。又、比較例3、5の場合には、それぞれ各玉20、20の表面炭素濃度或は表面窒素濃度が高過ぎて、これら各玉20、20に巨大炭化物或は巨大窒化物が形成される結果、上記L10寿命値を十分に確保できなかった。又、比較例4の場合には、各玉20、20の表面窒素濃度が0重量%である為、これら各玉20、20の高温状態での表面硬度を十分に確保できず、上記L10寿命値を十分に確保できなかった。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、優れた耐久性を有するトロイダル型無段変速機を実現して、トロイダル型無段変速機の普及に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、図4と同様の断面図。
【図2】本発明の対象となるトロイダル型無段変速機の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図3】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図4】従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図5】図4のA−A断面図。
【図6】熱処理を示す工程図。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
5 ケーシング
6 枢軸
7 トラニオン
8 変位軸
9 パワーローラ
9a 周面
10 ローディングカム装置
11 入力軸
12 出力歯車
13 支持板
14 スラスト玉軸受
15 スラストニードル軸受
16 外輪
17 アクチュエータ
18 外輪軌道
19 内輪軌道
20 玉
Claims (1)
- それぞれが断面円弧形の凹面である互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ互いに独立した回転自在に支持された第一ディスク及び第二ディスクと、これら両ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある状態でそれぞれの両端部に設けられた枢軸を中心として揺動する複数のトラニオンと、これら各トラニオンの中間部に、これら各トラニオンの内側面から突出する状態で支持された変位軸と、これら各トラニオンの内側面側に配置され且つ上記両ディスク同士の間に挟持された状態で、上記各変位軸の周囲に回転自在に支持された、その周面を球状凸面としたパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と上記各トラニオンの内側面との間に設けられたスラスト転がり軸受とを備え、これら各スラスト転がり軸受は、上記各パワーローラの外側面に形成された内輪軌道と上記各トラニオンの内側面に支持された外輪の内側面に形成された外輪軌道との間に複数個の転動体を設けて成るものであるトロイダル型無段変速機に於いて、上記各スラスト転がり軸受を構成する上記各転動体を、高炭素鋼により造ると共に、浸炭窒化処理、焼き入れ、焼き戻し処理を施す事により、表面炭素濃度を1.2〜1.7重量%、表面窒素濃度を0.1〜0.6重量%とし、更に、これら各転動体の表面硬度を、上記スラスト転がり軸受を構成する上記外輪及びパワーローラの各側面にそれぞれ形成された外輪軌道及び内輪軌道の表面硬度に比べて、HRC 硬度で1〜2ポイント高くした事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
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- 2002-07-23 JP JP2002213786A patent/JP2004052967A/ja active Pending
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