JP2004029750A - 立体表示装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】輝度変調型の立体表示装置において、高品位の立体表示を行い且つその小型化及び構成の簡略化を図る。
【解決手段】撮影装置により得られた画像データ及び距離データから立体画像を表示する立体表示装置2は、第一表示装置11、第二表示装置12、画像再生部31、表示画像部32、距離情報部33、同期信号部34、輝度変調部35等を備えて構成される。少なくとも第一表示装置11は、自発光で画像を表示し、パネル自体が光透過性を有するEL等のデバイスで形成される。観察者から見て近くに表示させたい物体像は、第一表示装置11の輝度を第二表示装置12の輝度よりも高くする。逆に観察者から見て遠くに表示させたい画像は、第一表示装置11の輝度を第二表示装置12の輝度よりも低くする。
【選択図】 図4
【解決手段】撮影装置により得られた画像データ及び距離データから立体画像を表示する立体表示装置2は、第一表示装置11、第二表示装置12、画像再生部31、表示画像部32、距離情報部33、同期信号部34、輝度変調部35等を備えて構成される。少なくとも第一表示装置11は、自発光で画像を表示し、パネル自体が光透過性を有するEL等のデバイスで形成される。観察者から見て近くに表示させたい物体像は、第一表示装置11の輝度を第二表示装置12の輝度よりも高くする。逆に観察者から見て遠くに表示させたい画像は、第一表示装置11の輝度を第二表示装置12の輝度よりも低くする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の物体像をそれらの輝度を変えて重ねて表示することで、観察者から見て立体像が表示される、輝度変調型の立体表示装置及び方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気的に書き換え可能であり、動画の立体表示を可能とする装置として、液晶シャッタ眼鏡方式等が良く知られている。この液晶シャッタ眼鏡はカメラで三次元物体を異なる方向から撮影し、得られた視差情報を含む画像データを合成して1つの画像信号に合成し、2次元表示装置に入力し表示する。観察者は液晶シャッタ眼鏡をかけ、例えば奇数フィールド時に右目用の液晶シャッタを透過状態とし左目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。一方、偶数フィールド時に左目用の液晶シャッタが透過状態とし右目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。このとき、奇数フィールドに右目用の画像を、偶数フィールドに左目用の画像を同期して表示することで右目用及び左目用の視差を含む画像を夫々の目で見ることにより立体像を得るものである。
【0003】
この液晶シャッタ眼鏡方式では液晶シャッタ眼鏡を用いることが必要であり、例えばテレビ会議の様な場合は不自然である。また、立体視の生理的要因の中で、両眼視差或いは輻輳と、ピント調整との間で大きな矛盾が生じる。即ち、液晶シャッタ眼鏡方式では、両眼視差及び輻輳は略満足できるが、ピント面が表面にあるため、この矛盾により、眼精疲労等が生じてしまう。
【0004】
そこで従来から、上述した両眼視差或いは輻輳と、ピント調整との矛盾を解決するために、観察者の前に二次元表示装置を多数枚表示することにより三次元物体を表示する体積型方式が提案されている。この方式によれば、観察者から見て奥行き方向に標本化された二次元像の集まりを、例えば所定間隔をもって配置された2つの二次元表示装置に表示して、その2つの二次元表示装置間に立体像を形成する。このため、液晶シャッタ眼鏡方式とは異なり、両眼視差或いは輻輳と、ピント調整との間の矛盾が抑制できるとされている。但し、体積型方式によれば、奥行き方向に離散的であるため、その中間位置の物体や奥行き方向に大きく変化している物体を再現するのが困難である。
【0005】
そこで従来は、2つの二次元表示装置の夫々に表示される画像の輝度に変化を付けることによって、位置が離散的であってもその間の補完することのできる輝度変調型の立体表示方式が、提案されている。この方式によれば、両眼視差或いは輻輳と、ピント調整との間の矛盾が抑制でき、眼精疲労等を抑制することができる。また、像面の中間位置に存在する物体も、観察者から見ると立体的或いは三次元的に見え、更に複数の面にある物体も表現できることから立体表示を行う場合のデータ量を大きく減らせる利点があるとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような輝度変調型の立体表示方式では、後ろの物体が透けて見えるような半透明な物体や、後ろの物体が透けて見えるような表示ができないという問題点がある。
【0007】
これに対し、複数のハーフミラーを用いて複数の表示装置からの物体像を重ねて表示することで、半透明な物体や後ろの物体が透けて見えるような表示を可能ならしめる、輝度変調型の立体表示方式が、例えば特開2000−115812号公報に提案されている。
【0008】
しかしながら、この方式の場合、複数のハーフミラー等の光学要素を複数含んでなるため、その装置の構成は比較的大きく且つ複雑なものであり、装置の小型化軽量化或いは低コスト化といった当該技術分野における一般的要請に応えるのは困難である。
【0009】
従って本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、小型で簡素な構成を有し、しかも高度な立体表示を行える輝度変調型の立体表示装置及び方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の立体表示装置は上記課題を解決するために、観察者の同一視線上に所定距離を隔てて相前後して配置された複数の表示手段と、前記観察者から見て立体像が表示されるように、前記複数の表示手段の夫々におけるほぼ同一の画面位置に、同一の物体から得られた像を相互に輝度を変えて表示するように前記複数の表示手段を制御する制御手段とを備えており、前記表示手段の全て又は前記観察者から見て最後方に配置された表示手段を除く表示手段の少なくとも一つは、自発光であって且つ光透過性を備える画像表示面を有する表示用デバイスから構成される。
【0011】
本発明の立体表示装置によれば、観察者の同一視線上に夫々、所定距離を離して複数の表示手段が配置されている。その表示手段としては、自ら表示する画像を発光することで画像を表示し、且つ、少なくとも非発光時には、後方からの光を透過する表示用デバイスが用いられる。制御手段による制御下で、これら表示手段の夫々に、同一の物体から得られた像(例えば、同一の物体像、同一の物体から得られた大きさの異なる像等)を、ほぼ同一の画面位置に相互に輝度を変えて表示することで、観察者は、前方に配置された表示手段に表示される画像と、その表示手段を透過して、後方に配置された表示手段に表示される画像を重ねてみることができる。即ち、視線上に位置する観察者は、輝度変調型の立体画像を見ることができる。
【0012】
本発明では特に、このように配置された複数の表示手段の全て又は最後方に配置された表示手段を除く表示手段の少なくとも一つは、自発光であって且つ光透過性を備える画像表示面を有する表示用デバイスを用いて構成される。これには、例えばEL(Electro−Luminescence)表示装置等を用いることが可能である。他方、最後方にある表示手段は、その後方から来る画像は存在しないので、光透過性を有しなくても良い。これには、例えば液晶表示装置、プラズマ表示装置、ブラウン管表示装置等を用いることが可能である。
【0013】
本発明では、複数の表示手段は最低二つ備えれば足りる。この場合、表示される画像の三次元位置は2つの表示手段の間であって、輝度で対応付けられた位置として得られる。また、例えばカラーのRGB信号に対応して夫々、三つの表示手段を備えるように構成してもよい。更には、放送されている映像を受信して表示しつつ、その映像上に立体画像を重ねて表示する構成を採ることも可能である。
【0014】
上述したように本発明の立体表示装置によれば、表示手段として自発光であって且つ光透過性を備える表示用デバイスを用いることによって、例えば前述の特開2000−115812号公報の如く複数の物体像を重ねるため或いは合成するために複数のハーフミラー等の光学要素を用いる必要が無く、小型で調整が容易な輝度変調型の立体表示装置が実現される。
【0015】
尚、本発明では、最後方に配置された表示手段を除く全ての表示手段を、例えばEL表示装置等の光透過性を備える表示用デバイスから構成してもよい。或いは、最後方に配置された表示手段を除く一つの表示手段を、例えばEL表示装置等の光透過性を備える表示用デバイスから構成すると共に、最後方に配置された表示手段を除く他の表示手段を、例えばハーフミラーを介して画像を映し出すように配置された液晶表示装置等の光透過性を有しない表示用デバイスから構成してもよい。
【0016】
本発明の立体表示装置の一態様では、前記制御手段は、前記物体像として表示される物体が前記観察者から見て近くに位置するように表示する場合に、前記複数の表示手段のうち前方に配置された表示手段が後方に配置された表示手段よりも高い輝度で前記物体像を表示するように、前記複数の表示手段を制御し、前記物体が前記観察者から見て遠くに位置するように表示する場合に、前記複数の表示手段のうち後方に配置された表示手段が、前方に配置された表示手段よりも高い輝度で前記物体像を表示するように、前記複数の表示手段を制御する。
【0017】
この態様によれば、観察者が立体画像として物体の画像を見るために、制御手段は、夫々の表示手段に表示する画像の輝度を制御する。例えば観察者に近い位置で視覚させるために、前方にある表示手段の輝度を高くし、後方にある表示手段の輝度を低くする。すると、観察者により、画像は前方の表示手段に近い位置にあるとして視覚される。一方、観察者に遠い位置で視覚させるために、前方にある表示手段の輝度を低くし、後方にある表示手段の輝度を高くする。すると、観察者により、画像は後方の表示手段に近い位置にあるとして視覚される。従って、視線上に位置する観察者は、輝度変調型の立体画像を見ることができる。
【0018】
この態様では、前記制御手段は更に、前記前方にある表示手段と前記後方にある表示手段との合成された輝度が所定値であるように、前記複数の表示手段を制御してもよい。
【0019】
このように構成すれば、いずれの場合にも、全ての表示手段の輝度を合成した輝度が所定値(例えば、一定値)となるように制御が行われるので、輝度の変動に伴う画面のちらつき或いはフリッカの発生を効果的に防止可能となる。
【0020】
本発明の立体表示装置の他の態様では、前記制御手段は、前記物体を撮影するときの撮影手段から前記物体までの距離に基づいて、前記輝度を制御する。
【0021】
この態様によれば、本発明の立体表示装置で表示する画像の輝度は、撮影装置から物体までとの距離に基づいて行われる。そのときの距離の情報としては、撮影するときに各々の物体までの距離が距離測定手段によって測定され、画像情報に対応付けられて記録される。物体が撮影装置に近ければ前方の表示手段の輝度を後方の表示手段の輝度よりも高くして表示する。一方、遠ければ前方の表示手段の輝度を後方の表示手段の輝度よりも低くして表示する。これにより実際の物体を撮影したときの距離関係を再現できる。距離の測定には、例えば超音波、赤外光等を用いる方法が用いられる。
【0022】
本発明の立体表示装置の他の態様では、前記輝度を所望値に設定可能な入力手段を更に備える。
【0023】
この態様によれば、観察者側、或いは製作者側が、入力手段を介して、輝度を所望値に設定できる。これにより物体の位置関係を自由に設定して見ることが可能となる。特にコンピュータにより作成された画像では物体の位置関係を指定することが重要である。入力手段としては、例えばコンピュータのプログラム中で行う方法、或いはキーボード等の入力装置から画像を見ながら指定する方法等が用いられる。
【0024】
本発明の立体表示装置の他の態様は、前記表示用デバイスから構成される表示手段は、前記観察者に向かう方向の発光量が、前記観察者から遠ざかる方向の発光量より大きくなるように自発光する。
【0025】
この態様によれば、表示用デバイスから構成される、即ち前方に配置されたか或いは最後方ではない表示手段においては、観察者から遠ざかる方向の発光量は小さい。よって、このような遠ざかる方向の光が、その後方に設けられた表示手段の表面で反射し、観察者に向かう画像ノイズとなる光量を低減できる。この結果、観察者が見る立体画像の品位を向上させる。
【0026】
本発明の立体表示装置の他の態様では、表示用デバイスから構成される表示手段の裏面に、ハーフミラーを更に備える。
【0027】
この態様によれば、表示用デバイスから構成される、即ち前方に配置されたか或いは最後方ではない表示手段においては、観察者から遠ざかる方向の光を、ハーフミラーにより低減、或いは遮断することができる。よって、このような遠ざかる方向の光が、その後方に設けられた表示手段の表面で反射し、観察者に向かう画像ノイズとなる光量を低減できる。
【0028】
尚、このようなハーフミラーは、好ましくは、表示用デバイスに近接して或いは所定距離を隔てて、該表示用デバイスに重ねて或いはこれに対向配置するように、同一視線に対して垂直に配置される。これにより、ハーフミラーによる光学系の大型化を防げる。
【0029】
本発明の立体表示装置の他の態様では、前記表示用デバイスから構成される表示手段の裏面に、前記観察者から遠ざかる方向の光透過量が前記観察者に向かう方向の光透過量より小さいフィルタを更に備える。
【0030】
この態様によれば、表示用デバイスから構成される、即ち前方に配置されたか或いは最後方ではない表示手段においては、観察者から遠ざかる方向の光を、フィルタにより低減、或いは遮断することができる。よって、このような遠ざかる方向の光が、その後方に設けられた表示手段の表面で反射し、観察者に向かう画像ノイズとなる光量を低減できる。
【0031】
本発明の立体表示装置の他の態様では、前記表示用デバイスから構成される表示手段の裏面に、偏光板を更に備える。
【0032】
この態様によれば、表示用デバイスから構成される、即ち前方に配置されたか或いは最後方ではない表示手段においては、観察者から遠ざかる方向の光を、偏光板により低減、或いは遮断することができる。よって、このような遠ざかる方向の光が、その後方に設けられた表示手段の表面で反射し、観察者に向かう画像ノイズとなる光量を低減できる。特に偏光板を、後方の表示手段の物体像に係る光を透過するように設定すれば、明るい立体表示を行える。
【0033】
本発明の立体表示装置の他の態様では、前記複数の表示手段のうち後方に配置された表示手段の表面に、反射防止処理が施されている。
【0034】
この態様によれば、前方に配置された表示手段から、後方に向かう光が、後方或いは最後方に配置された表示手段の表面で反射することが、反射防止処理が施されたことによって効果的に防止される。この結果、反射光に起因した観察者に向かう画像ノイズを低減できる。
【0035】
本発明の立体表示装置の他の態様は、前記複数の表示手段のうち後方に配置された表示手段の表面に、反射防止膜が設けられている。
【0036】
この態様によれば、前方に配置された表示手段から、後方に向かう光が、後方或いは最後方に配置された表示手段の表面で反射することが、反射防止膜によって効果的に防止される。この結果、反射光に起因した観察者に向かう画像ノイズを低減できる。
【0037】
本発明の立体表示装置の他の態様は、前記複数の表示手段のうち後方に配置された表示手段の表面に、光散乱板が設けられている。
【0038】
この態様によれば、前方に配置された表示手段から、後方に向かう光が、後方或いは最後方に配置された表示手段の表面に至る以前に、光散乱版により散乱される。このため、後方に向かう光が、該後方或いは最後方に配置された表示手段の表面で反射することが、光散乱版によって効果的に防止される。この結果、反射光に起因した観察者に向かう画像ノイズを低減できる。
【0039】
尚、上述した各種態様における前方の表示手段に対する対策と後方の表示手段に対する対策とを任意に組み合わせて用いることで、立体画像の品位の一層の向上が図れる。
【0040】
本発明の立体表示装置の他の態様は、前記表示用デバイスは、エレクトロルミネセンス素子を含んでなる。
【0041】
この態様によれば、エレクトロルミネセンス素子を含んでなるEL表示装置等の表示手段は、自発光性及び光透過性に優れる。また、表示装置として薄く且つ小型に作成することが可能であり、本発明の立体表示装置を構成するために好適である。
【0042】
本発明の立体表示装置の他の態様は、前記最後方の表示手段は、前記表示用デバイスとは異なり、光透過性を備えない画像表示面を有する他の表示用デバイスから構成される。
【0043】
この態様によれば、光透過性を有しなくてもよい最後方の表示手段については、例えば液晶表示装置、プラズマ表示装置、ブラウン管表示装置等の比較的安価で高品位の表示を行える装置を適用でき、装置全体として、経済性及び性能を効率良く高められる。
【0044】
但し、最後方の表示手段についても、それ以外の表示手段と同様に、自発光であり且つ透過性を有するEL表示装置等から構成してもよい。このように構成しても、最後方の表示手段以外の表示手段として、自発光であり且つ透過性を有する表示用デバイスを用いる限り、上述した本発明の各種利益は相応に得られる。
【0045】
本発明の立体表示方法は上記課題を解決するために、観察者の同一視線上に所定距離を隔てて相前後して配置された複数の表示手段を備えており、前記表示手段の全て又は前記観察者から見て最後方に配置された表示手段を除く表示手段の少なくとも一つは、自発光であって且つ光透過性を備える画像表示面を有する表示用デバイスから構成される立体表示装置を用いた立体表示方法であって、前記観察者から見て立体像が表示されるように、前記複数の表示手段の夫々におけるほぼ同一の画面位置に、同一の物体から得られた像を相互に輝度を変えて表示するように前記複数の表示手段を制御する制御工程を備える。
【0046】
本発明の立体表示方法によれば、観察者の同一視線上に夫々、所定距離を離して複数の表示手段が配置されている。その表示手段としては、自ら表示する画像を発光することで画像を表示し、且つ、少なくとも非発光時には、後方からの光を透過する表示用デバイスが用いられる。ここで制御工程によって、これら表示手段の夫々に、同一の物体から得られた像を同一の画面位置に相互に輝度を変えて表示することで、観察者は、前方に配置された表示手段に表示される画像と、その表示手段を透過して、後方に配置された表示手段に表示される画像を重ねてみることができる。即ち、視線上に位置する観察者は、輝度変調型の立体画像を見ることができる。
【0047】
本発明では特に、このように配置された複数の表示手段の全て、或いは最後方にある表示手段を除いた全ては、自発光であって且つ光透過性を備える画像表示面を有する表示用デバイスを用いて構成される。このため、例えば前述の特開2000−115812号公報の如く複数のハーフミラー等の光学要素を用いる必要が無く、比較的簡単な制御によって、立体表示を行える。
【0048】
本発明の立体表示方法の一態様では、前記制御工程は、前記物体像として表示される物体が前記観察者から見て近くに位置するように表示する場合に、前記複数の表示手段のうち前方に配置された表示手段が後方に配置された表示手段よりも高い輝度で前記物体像を表示するように、前記複数の表示手段を制御する工程と、前記物体が前記観察者から見て遠くに位置するように表示する場合に、前記複数の表示手段のうち後方に配置された表示手段が、前方に配置された表示手段よりも高い輝度で前記物体像を表示するように、前記複数の表示手段を制御する工程を含む。
【0049】
この態様によれば、制御工程は、観察者が立体画像として物体の画像を見るために、夫々の表示手段に表示する画像の輝度を制御する。例えば観察者に近い位置で視覚させるために、前方にある表示手段の輝度を高くし、後方にある表示手段の輝度を低くする。一方、観察者に遠い位置で視覚させるために、前方にある表示手段の輝度を低くし、後方にある表示手段の輝度を高くする。従って、視線上に位置する観察者は、輝度変調型の立体画像を見ることができる。
【0050】
この態様では、制御工程は更に、前記前方にある表示手段と前記後方にある表示手段との合成された輝度が一定であるように、前記複数の表示手段を制御する工程を含んでもよい。
【0051】
このように構成すれば、いずれの場合にも、全ての表示手段の輝度を合成した輝度が所定値(例えば、一定値)となるように制御が行われる。この結果、輝度の変動に伴う画面のちらつき或いはフリッカの発生を効果的に防止可能となる。
【0052】
本発明の立体表示装置の他の態様では、前記制御工程は、前記物体を撮影するときの撮影手段から前記物体までの距離に基づいて、前記輝度を制御する工程を含む。
【0053】
この態様によれば、本発明の立体表示方法で表示する画像の輝度は、撮影装置から物体までとの距離に基づいて行われる。そのときの距離の情報としては、撮影するときに各々の物体までの距離が距離測定手段によって測定され、画像情報に対応付けられて記録される。物体が撮影装置に近ければ前方の表示手段の輝度を後方の表示手段の輝度よりも高くして表示する。一方、遠ければ前方の表示手段の輝度を後方の表示手段の輝度よりも低くして表示する。これにより実際の物体を撮影したときの距離関係を再現できる。
【0054】
本発明のこのような作用、及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0055】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる立体表示装置の概念に関し図1及び図2を参照して説明する。尚、図1は立体表示において物体が前方に見える状態を示し、図2は物体が後方に見える状態を示す。また、特に定義しない場合、ここでの表示装置の「表面」とは観察者の方向に向いた面を言い、また、「裏面」とは観察者とは反対方向に向いた面を言うこととする。
【0056】
図1に示すように観察者10の同一の視線上に、表示装置11と表示装置12が所定距離d0を有して平行に配置されている。この状態で同一の物体に関し、表示装置11に画像111が表示され、表示装置12に画像121が表示されている。これら画像111と画像121は観察者10からは重なるようにして見える位置に表示される。
【0057】
このとき画像111の輝度と画像121の輝度を所定の関係で、また、表示装置11と表示装置12の合成された輝度が一定になるように表示される。この状態で両方の画像を見ることにより、合成された画像131が表示装置11と表示装置12の間にあるように視覚される。例えば画像111の輝度が画像112の輝度より高いとすると、画像131は表示装置11の後方d1であって、表示装置12の前方d2にあるように視覚される(d1<d2、d1+d2=d0)。
【0058】
また、図2に示すように同一の他の物体に関し、表示装置11に画像112が表示され、表示装置12に画像122が表示されている。このとき画像112の輝度は画像122の輝度より低いとすると、合成された画像132は表示装置11の後方d3であって、表示装置12の前方d4にあるように視覚される(d3>d4、d3+d4=d0)。このとき表示装置11と表示装置12の合成された輝度は図1で示したものと同様に一定になるように表示される。
【0059】
上述した図1と図2で示す画像を観察者10の残像効果が得られる所定の周期で交互に表示することで画像131は画像132よりも前方にあるとして視覚される。この所定周期としてはたとえばNTSC方式のフィールド画サイクルの1/60秒、フレーム画サイクルの1/30秒、又はPAL方式のフィールド画サイクルの1/50秒、フレーム画サイクルの1/25秒、或いは立体表示のシステムとして残像効果が維持される所定の好適なサイクルを任意に定めることができる。
【0060】
(立体表示用画像の撮影装置の構成例)
次に、立体表示させる画像の撮影装置1の例について図3を参照して説明する。撮影装置1は例えばカメラ23、距離計24、記録装置25を備えて構成される。カメラ23はNTSC方式、PAL方式等のテレビカメラであり、距離計24は物体までの距離を測る、例えば赤外線や超音波を用いた距離計であり、記録装置25はカメラ23で撮影した物体の画像データと距離計24で測定した物体までの距離に関するデータを記録する、テープ、ディスク等を記録媒体とした記録装置である。距離は入力手段により所定の値を入力するようにしても良い。
【0061】
立体表示させるために撮影に供される例えば2つの物体の夫々を第一物体21、第二物体22とし、これら第一物体21、第二物体22は観察者10に対して前後の距離差を有するように配置される。このように配置されている第一物体21、第二物体22を観察者10が見る方向からカメラ23により撮影し、その画像データを記録装置25に記録する。
【0062】
また、カメラ23で撮影すると同時に第一物体21、第二物体22までの距離D1、D2を夫々、距離計24で測定し、カメラ23で撮影した画像データと関係付けて記録装置25に記録される。立体画像の再生においては、詳しくは図4を参照して後段で説明するように、この距離D1、D2に関する距離データに基づき、第一物体21、第二物体22の画像を複数の表示装置の夫々に輝度を制御して表示することで、観察者10は立体感を有して第一物体21、第二物体22の画像を見ることができる。
【0063】
更に、カメラ23で撮影した画像データと距離計24で測定した距離データとを、直接、立体表示装置2に入力し、立体画像を表示させるようにしても良い。また、画像データと距離データとは撮影装置1により得られたものに限らず、コンピュータにより作成されたデータを用いることも可能である。
【0064】
(立体表示装置の構成例)
次に、図4を参照して、上述した撮影装置1により得られた画像データ及び距離データから立体画像を表示する立体表示装置2について説明する。立体表示装置2の構成は第一表示装置11、第二表示装置12、画像再生部31、表示画像部32、距離情報部33、同期信号部34、輝度変調部35、第一表示装置用信号発生部36、第二表示装置用信号発生部37、第一表示装置駆動部38、第二表示装置駆動部39等を備えて構成される。
【0065】
第一表示装置11は、観察者10に近く設けられた表示装置であって、自ら発光し、且つ光透過性を有したデバイス、例えばEL素子を用いて構成されている。また、第二表示装置12は、観察者10から第一表示装置11よりも遠くに設けられ、第一表示装置11と同様に自ら発光し、且つ光透過性を有したデバイス、或いは液晶表示装置、CRT表示装置等が用いられる。
【0066】
第一表示装置11と第二表示装置12は観察者10の同一視線上に、視線に対して表示面が垂直となるように配置され、更に図示しないが第一表示装置11と第二表示装置12との間に更に複数の表示装置を挿入しても良く、この挿入される表示装置は第一表示装置11と同様に、自ら発光し、且つ光透過性を有したデバイスで構成されるものである。また夫々の表示措置に対する駆動手段が必要なことは当然である。
【0067】
第一表示装置11及び必要に応じて第一表示装置11と第二表示装置12との間に設けられる表示装置として用いるEL表示装置は、画像を形成するための発光を自ら行うと共に、後方からの光を透過する特徴を有する。この発光を自ら行うと共に、後方からの光を透過する表示装置を用いることが、本発明の立体表示装置の大きな特徴を成すものであり、装置の小型化、低コスト化に貢献する。第二表示装置12にもこのEL表示装置を用いてよいことは当然である。
【0068】
尚、本発明の立体表示装置の表示装置として、自ら発光を行うと共に、後方からの光を透過する特徴を有するデバイスであれば、ELに限ることはない。
【0069】
画像再生部31は、撮影装置1で撮影された第一物体21及び第二物体22の画像データと第一物体21及び第二物体22の距離データを記録した媒体、例えばディスクを再生し、画像データと距離データを出力する。尚、カメラ23の出力を直接、立体表示に供する場合はこの画像再生部31は必要ない。
【0070】
表示画像部32は、画像再生部31で再生された情報のうち実際に表示する画像データを構成する。即ち図3に示す第一物体21及び第二物体22の撮影された画像データを分離し、表示処理のためにそれら画像情報を次段に出力する。
【0071】
距離情報部33は、撮影された物体、例えば図3に示す第一物体21及び第二物体22の、カメラ23(より正しくは距離計24)からの距離に関する情報、即ち距離データを、記録した媒体の再生信号から分離し表示処理に供するために次段に出力する。この場合、距離データと同時に再生されている画像データとは同期する関係であることが保持される。
【0072】
同期信号部34は、記録した媒体の再生信号から画像を表示する際の同期信号、例えば水平同期、垂直同期に関する信号は勿論、現に表示する第一物体21及び第二物体22の画像データとカメラ23からの距離に関する距離データとの同期を採り、物体の距離とそれを表示する形態を一致させる。
【0073】
輝度調節部35は、表示する第一物体21及び第二物体22のカメラ23からの距離、即ち観察者10からの距離に応じて、第一表示装置11及び第二表示装置12に表示する際の第一物体21及び第二物体22の輝度を制御する。その制御は、例えば第一物体21が第二物体22より観察者側に位置するとすれば、第一表示装置11に表示する第一物体21は第二表示装置12に表示する第一物体21よりも輝度を高くして表示し、一方、第一表示装置11に表示する第二物体22は第二表示装置12に表示する第二物体22よりも輝度を低くして表示することになる。
【0074】
尚、第一物体21及び第二物体22は観察者10の残像効果を考慮した異なるフィールド、或いはフレームで表示することになり、従って視覚上の不自然さ除去するために、第一物体21を表示する際の第一表示装置11の輝度と第二表示装置12の輝度の合成された輝度は、第二物体22を表示する際の第一表示装置11の輝度と第二表示装置12の輝度の合成された輝度と、略一致するように輝度が調節される。
【0075】
第一表示装置用信号生成部36は、第一表示装置11に表示すべき画像の信号を、表示画像部32と輝度変調部35と同期信号部34の信号に基づいて形成する。ここで形成される画像信号は第一物体21が第二物体22よりも観察者10に近い位置にあったとすれば、第一物体21を表示するときの輝度は高く、第二物体22を表示するときの輝度は低くされ、且つ表示のための同期信号が付加されたものである。
【0076】
第二表示装置用信号生成部37は、第二表示装置12に表示すべき画像の信号を、表示画像部32と輝度変調部35と同期信号部34の信号に基づいて形成する。ここで形成される画像信号は第一物体21が第二物体22よりも観察者10に近い位置にあったとすれば、第一物体21を表示するときの輝度は低く、第二物体22を表示するときの輝度は高くされ、且つ表示のための同期信号が付加されたものである。
【0077】
第一表示装置駆動部38は、第一表示装置用信号生成部36から出力される画像信号を第一表示装置11の種類、例えばEL表示装置に応じた駆動波形に変換し、駆動するための電圧、電流を得て第一表示装置11に印加し、第一表示装置11に画像を表示せしめる。
【0078】
第二表示装置駆動部39は、第二表示装置用信号生成部37から出力される画像信号を第二表示装置12の種類、例えばEL表示装置、液晶表示装置、CRT表示装置等に応じた駆動波形に変換し、駆動するための電圧、電流を得て第二表示装置12に印加し、第二表示装置12に画像を表示せしめる。
【0079】
以上説明したようにして形成された画像信号を夫々第一表示装置11と第二表示装置12で表示することで、立体画像が得られる。
【0080】
まず、第一表示装置11に第一物体21の画像111が、また第二表示装置12に第一物体21の画像121が同期し、且つ、観察者10の視線に一致した位置に表示され、更に画像111の輝度は画像121の輝度よりも高い。この場合、観察者10は図1に示すように画像131が、第一表示装置11に近い位置にあるように視覚される。
【0081】
一方、次の表示サイクルで第一表示装置11に第二物体22の画像112が、また第二表示装置12に第二物体22の画像122が同期し、且つ、観察者10の視線に一致した位置に表示され、更に画像122の輝度は画像112の輝度よりも高い。この場合、観察者10は図2に示すように画像132が、第二表示装置12に近い位置にあるように視覚される。
【0082】
このようにして表示される画像を観察者10の残像時間内で繰り返すことで、第一物体21と第二物体22の位置関係が相前後して視覚され立体画像として得られることになる。
【0083】
尚、本発明に係わる立体表示装置は、自ら発光し、且つ光透過性を備える表示装置を用いて、後方にある表示装置の表示画像を、前方の表示装置を透過してみる構成としていることで、装置の小型、低コストを実現していることに特徴がある。従って、撮影装置、立体表示装置は上述したものに限らず、これと同様の動作、作用をするデバイスや構成を採ることができるものである。
【0084】
(立体表示装置の画像表示手段に係わる第一の実施形態)
第一の実施形態について図5を参照して説明する。図5に示すように本実施形態の第一表示装置11は自ら発光(L1、L2)して画像を表示すると共、第二表示装置12からの光L3を透過するデバイス、例えばELで構成される。このデバイスにより第一表示装置11に表示される画像と共に、第二表示装置12に表示される画像を、第一表示装置11を透して観察者10が見ることができる。立体表示装置の小型化を実現するものである。
【0085】
(立体表示装置の画像表示手段に係わる第二の実施形態)
第二の実施形態について同様に図5を参照して説明する。図5に示すように本実施形態の第一表示装置11は自ら発光(L1、L2)して画像を表示すると共、背面からの光L3を透過するデバイス、例えばELで構成され、このデバイスの表面からの発光量は裏面からの発光量より大きなものを用いる。これはデバイスの発光部位を、前方への発光量が多くなる構造を採ることで可能である。裏面からの発光L2はデバイスを通過した光L4として第二表示装置12に到達し、第二表示装置12の表面での反射光L5が第一表示装置11に戻り、画像形成に害を及ぼすことになるため、裏面からの発光L2を少なくすること、即ち第二表示装置12の表面での反射光L5を少なくすることで立体画像の品位を向上させることができる。
【0086】
(立体表示装置の画像表示手段に係わる第三の実施形態)
第三の実施形態について図6を参照して説明する。図6に示すように本実施形態の第一表示装置11は自ら発光(L1、L2)して画像を表示すると共、背面からの光L3を透過するデバイス、例えばELで構成され、更にこのデバイスの裏面にはハーフミラーが設けられる。このハーフミラーにより第一表示装置11から第二表示装置12へ向かう光は遮断され、一方、第二表示装置12からの光L3はハーフミラー13、第一表示装置11を透過して観察者10から第二表示装置12に表示される画像を見ることができる。第一表示装置11の背面からの光L2が第二表示装置12に反射して観察者10側に戻ることが防止されるので立体画像の品位を向上させることができる。
【0087】
(立体表示装置の画像表示手段に係わる第四の実施形態)
第四の実施形態について図7を参照して説明する。図7に示すように本実施形態の第一表示装置11は自ら発光(L1、L2)して画像を表示すると共、背面からの光L3を透過するデバイス、例えばELで構成され、更にこのデバイスの裏面には光透過性が前方に対するよりも後方に対する方が小さい光学フィルタ14が設けられる。この光学フィルタ14により第一表示装置11から第二表示装置12へ向かう光L4は低減され、一方、第二表示装置12からの光L3は光学フィルタ14を透過する際の減衰量は少なく、第一表示装置11を透過して観察者10から第二表示装置12に表示される画像を見ることができる。第二表示装置12からの反射光L5は極めて小さいため、立体画像の品位を向上させることができる。
【0088】
(立体表示装置の画像表示手段に係わる第五の実施形態)
第五の実施形態について図8を参照して説明する。図8に示すように本実施形態の第一表示装置11は自ら発光(L1、L2)して画像を表示すると共、背面からの光L3を透過するデバイス、例えばELで構成され、更にこのデバイスの裏面には偏光板15が設けられる。この偏光板15により第一表示装置11から第二表示装置12へ向かう光L4は偏光が加えられ、第二表示装置12で反射した反射光L5は再度偏光板15を透過するときに遮断され、反射光L5は観察者10には戻らない。一方、第二表示装置12からの光L3は偏光板15を透過し、従って第一表示装置11を透過して観察者10から第二表示装置12に表示される画像を見ることができる。第二表示装置12からの反射光L5は観察者10には戻らないため、立体画像の品位を向上させることができる。
【0089】
(立体表示装置の画像表示手段に係わる第六の実施形態)
第六の実施形態について図9を参照して説明する。図9に示すように本実施形態の第一表示装置11は自ら発光(L1、L2)して画像を表示すると共、背面からの光L3を透過するデバイス、例えばELで構成される。第二表示装置12の表面には反射防止膜16が設けられていて、第一表示装置11から第二表示装置12へ向かう光L4はこの反射防止膜16により反射が低減される。従って光L4による反射光L5は観察者10には極めて少ない量しか戻らない。一方、第二表示装置12からの光L3は反射防止膜16を透過し、従って第一表示装置11を透過して観察者10から第二表示装置12に表示される画像を見ることができる。第二表示装置12からの反射光L5は観察者10には極めて少ない量しか戻らないため、立体画像の品位を向上させることができる。
【0090】
尚、第二表示装置12の表面の反射防止膜16を設けることに替えて、反射光L5を低減するための手段、例えば第二表示装置12の表面に対して機械的手段、又は化学的手段で反射防止処理をすること、或いは光散乱板を設けること等の手段を用いても良い。
【0091】
以上、第一から第六までの画像表示手段に係わる実施形態について説明したが、それらを技術的に可能な範囲で組み合わせでも良いことは当然である。例えば、前方に置かれた表示装置の後方に向かう光量を小さくし、且つ後方に置かれた表示装置の表面に反射防止膜を設けること等である。
【0092】
以上のように本実施形態によれば、輝度変調型の立体表示方式を、比較的簡単な構成及び制御を用いて実現できる。
【0093】
加えて、奥行きの異なる複数の物体像を、観察者の残像効果が保持されている時間内で、相前後しておかれた2つの表示手段に、輝度を制御しながら交互に表示することによって、観察者が複数の物体の前後の距離関係を感じながら見ることが可能となる。
【0094】
上記実施形態では、三次元の表示の例を示したが、第一から第六実施形態に係る画像表示手段のうちいずれか或いはその組合せにより、二次元の表示を行うことが可能である。
【0095】
更に、上述した第二の実施形態における「前方への発光量が多くなる構造」及び「裏面からの発光L2を少なくする」構造を有する第一表示装置11のより詳細な具体例として、図10から図12を参照して説明する。ここに、図10から図12は、第二実施形態において用いられる第一表示装置11の具体的な構造を示す図式的断面図である。
【0096】
図10に示すように、第二の実施形態における第一表示装置11として、有機EL表示デバイス100を採用してもよい。有機EL表示デバイス100は、有機EL発光層111と、基板112と、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム・スズ・オキサイド)電極(陽極)113と、絶縁膜115と、陰極隔壁116と、透明ガラス封止缶117と、透明電極118と、反射板119を備えて構成されている。
【0097】
有機EL発光層111は、何れも図示しない、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を含んで構成されている。正孔注入層は、例えばCuPc(銅フタロシアニン)により、正孔輸送層は、例えばNPB(N,N−di(naphthalene−1−yl)−N,N−diphenyl−benzidene)により、発光層は、例えばAlq3(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)により、電子輸送層は、例えばBCP(バソキュプロイン又はバトクプロイン:bathocuproine)により、電子注入層は、例えばLiF(フッ化リチウム)により、それぞれ形成されている。
【0098】
基板112は、有機EL発光層111を保護し、支持するためのものであり、例えばガラス基板を含んでなる。又、ポリマーフィルムを基板として用いてもよい。そして、観察者10は基板112を介して、有機EL発光層111の発光により形成される画像を視覚することとなる。
【0099】
ITO電極113は、光透過性を有するアノード電極である。又、アノード電極として、ITO電極に代えて、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム・亜鉛・オキサイド)電極であってもよい。
【0100】
絶縁膜115は、電流リークを抑えるためのものであり、例えばポリイミドによって、有機EL発光層111が形成される位置以外の基板上に形成される。
【0101】
陰極隔壁116は、陰極(即ち、透明電極118)形成の際に、任意の形状にパターニングするために、陰極が形成される部分を除いて絶縁膜115の上に形成される。
【0102】
透明ガラス封止缶117は、上述の構成要素を、外部の影響から保護するためのものである。或いは、透明ガラス封止缶に加えて或いは代えて、透明封止膜を用いてもよい。
【0103】
透明電極118は、例えばITOを含んでなる光透過性を有するカソード電極である。又、透明電極118は、IZOを含む電極或いは薄膜状の金属電極であってもよい。
【0104】
反射板119は、例えばアルミニウム等の反射率の高い金属を含んで形成されている。ここに、反射板119は、有機EL発光層111と透明電極118との境界面のうち少なくとも一部に設けられることが好ましい。
【0105】
このような構造を有する有機EL表示装置100により、前面へは、有機EL発光層111の全体から発せられた光が放射されることとなる。一方、裏面へは、有機EL発光層111のうち、透明電極118との境界面に反射板119が設けられていない部分のみから発せられた光が放射されることとなる。従って、上述した第二の実施形態における第一表示装置11の如く、前面への発光量が多くなるような構造であり、且つ裏面からの発光L2を少なくするような構造を実現することが可能となる。
【0106】
又、図11に示すように、反射板119を有機EL発光層111毎に設け、又は設けない構造を有する有機EL表示デバイス101であっても、上述の有機EL表示デバイス100と同様の効果を享受することが可能である。
【0107】
即ち、前面へは、反射板119が設けられていない有機EL発光層111及び反射板119が設けられている有機EL発光層111の双方から発せられた光が放射されることとなる。一方、裏面へは、反射板119が設けられていない有機EL発光層111から発せられた光のみが放射されることとなる。
【0108】
従って、図10に示した構造と同様に、前面への発光量が多くなるような構造であり、且つ裏面からの発光量を少なくする構造を実現することが可能となる。
【0109】
尚、上述した有機EL表示デバイス100及び101は、基板112側へ放射される光が、図5における発光L1であり、基板112とは反対の側へ放射される光が、図5における発光L2であるように構成されている。但し、これに限らず、基板112側へ放射される光が、図5における発光L2であり、基板112とは反対の側へ放射される光が、図5における発光L1であるように構成してもよい。この場合の有機ELデバイス102としては、図12に示すように、反射板119が、有機EL発光層111とITO電極113との境界面、或いは該境界面の少なくとも一部に設けられる構造を採用することが好ましい。
【0110】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う立体表示装置及び方法もまた本発明の技術思想に含まれるものである。
【0111】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、高品位の立体表示が可能である、輝度変調型の立体表示装置及び方法を、比較的簡単な構成及び制御を用いて小型或いは安価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体表示装置及び方法に係る実施形態における表示原理を示す一の概念図である。
【図2】本発明の立体表示装置及び方法に係る実施形態における表示原理を示す他の概念図である。
【図3】本発明の立体表示用の撮影装置に係る実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の立体表示装置に係る実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第一及び第二の実施形態を示す図式的な外観斜視図である。
【図6】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第三の実施形態を示す図式的な外観斜視図である。
【図7】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第四の実施形態を示す図式的な外観斜視図である。
【図8】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第五の実施形態を示す図式的な外観斜視図である。
【図9】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第六の実施形態を示す図式的な外観斜視図である。
【図10】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第二の実施形態のより詳細な一の具体例を示す図式的断面図である。
【図11】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第二の実施形態のより詳細な他の具体例を示す図式的断面図である。
【図12】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第二の実施形態のより詳細な他の具体例を示す図式的断面図である。
【符号の説明】
1・・・撮影装置
2・・・立体表示装置
10・・・観察者
11・・・第一表示装置
12・・・第二表示装置
13・・・ハーフミラー
14・・・光学フィルタ
15・・・偏光板
16・・・反射防止膜
21・・・第一物体
22・・・第二物体
23・・・カメラ
24・・・距離計
25・・・記録部
31・・・画像再生部
32・・・表示画像部
33・・・距離情報部
34・・・同期信号部
35・・・輝度変調部
36・・・第一表示装置用信号生成部
37・・・第二表示装置用信号生成部
38・・・第一表示装置駆動部
39・・・第二表示装置駆動部
100、101、102・・・有機EL表示デバイス
111・・・有機EL発光層
118・・・透明電極
119・・・反射板
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の物体像をそれらの輝度を変えて重ねて表示することで、観察者から見て立体像が表示される、輝度変調型の立体表示装置及び方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気的に書き換え可能であり、動画の立体表示を可能とする装置として、液晶シャッタ眼鏡方式等が良く知られている。この液晶シャッタ眼鏡はカメラで三次元物体を異なる方向から撮影し、得られた視差情報を含む画像データを合成して1つの画像信号に合成し、2次元表示装置に入力し表示する。観察者は液晶シャッタ眼鏡をかけ、例えば奇数フィールド時に右目用の液晶シャッタを透過状態とし左目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。一方、偶数フィールド時に左目用の液晶シャッタが透過状態とし右目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。このとき、奇数フィールドに右目用の画像を、偶数フィールドに左目用の画像を同期して表示することで右目用及び左目用の視差を含む画像を夫々の目で見ることにより立体像を得るものである。
【0003】
この液晶シャッタ眼鏡方式では液晶シャッタ眼鏡を用いることが必要であり、例えばテレビ会議の様な場合は不自然である。また、立体視の生理的要因の中で、両眼視差或いは輻輳と、ピント調整との間で大きな矛盾が生じる。即ち、液晶シャッタ眼鏡方式では、両眼視差及び輻輳は略満足できるが、ピント面が表面にあるため、この矛盾により、眼精疲労等が生じてしまう。
【0004】
そこで従来から、上述した両眼視差或いは輻輳と、ピント調整との矛盾を解決するために、観察者の前に二次元表示装置を多数枚表示することにより三次元物体を表示する体積型方式が提案されている。この方式によれば、観察者から見て奥行き方向に標本化された二次元像の集まりを、例えば所定間隔をもって配置された2つの二次元表示装置に表示して、その2つの二次元表示装置間に立体像を形成する。このため、液晶シャッタ眼鏡方式とは異なり、両眼視差或いは輻輳と、ピント調整との間の矛盾が抑制できるとされている。但し、体積型方式によれば、奥行き方向に離散的であるため、その中間位置の物体や奥行き方向に大きく変化している物体を再現するのが困難である。
【0005】
そこで従来は、2つの二次元表示装置の夫々に表示される画像の輝度に変化を付けることによって、位置が離散的であってもその間の補完することのできる輝度変調型の立体表示方式が、提案されている。この方式によれば、両眼視差或いは輻輳と、ピント調整との間の矛盾が抑制でき、眼精疲労等を抑制することができる。また、像面の中間位置に存在する物体も、観察者から見ると立体的或いは三次元的に見え、更に複数の面にある物体も表現できることから立体表示を行う場合のデータ量を大きく減らせる利点があるとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような輝度変調型の立体表示方式では、後ろの物体が透けて見えるような半透明な物体や、後ろの物体が透けて見えるような表示ができないという問題点がある。
【0007】
これに対し、複数のハーフミラーを用いて複数の表示装置からの物体像を重ねて表示することで、半透明な物体や後ろの物体が透けて見えるような表示を可能ならしめる、輝度変調型の立体表示方式が、例えば特開2000−115812号公報に提案されている。
【0008】
しかしながら、この方式の場合、複数のハーフミラー等の光学要素を複数含んでなるため、その装置の構成は比較的大きく且つ複雑なものであり、装置の小型化軽量化或いは低コスト化といった当該技術分野における一般的要請に応えるのは困難である。
【0009】
従って本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、小型で簡素な構成を有し、しかも高度な立体表示を行える輝度変調型の立体表示装置及び方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の立体表示装置は上記課題を解決するために、観察者の同一視線上に所定距離を隔てて相前後して配置された複数の表示手段と、前記観察者から見て立体像が表示されるように、前記複数の表示手段の夫々におけるほぼ同一の画面位置に、同一の物体から得られた像を相互に輝度を変えて表示するように前記複数の表示手段を制御する制御手段とを備えており、前記表示手段の全て又は前記観察者から見て最後方に配置された表示手段を除く表示手段の少なくとも一つは、自発光であって且つ光透過性を備える画像表示面を有する表示用デバイスから構成される。
【0011】
本発明の立体表示装置によれば、観察者の同一視線上に夫々、所定距離を離して複数の表示手段が配置されている。その表示手段としては、自ら表示する画像を発光することで画像を表示し、且つ、少なくとも非発光時には、後方からの光を透過する表示用デバイスが用いられる。制御手段による制御下で、これら表示手段の夫々に、同一の物体から得られた像(例えば、同一の物体像、同一の物体から得られた大きさの異なる像等)を、ほぼ同一の画面位置に相互に輝度を変えて表示することで、観察者は、前方に配置された表示手段に表示される画像と、その表示手段を透過して、後方に配置された表示手段に表示される画像を重ねてみることができる。即ち、視線上に位置する観察者は、輝度変調型の立体画像を見ることができる。
【0012】
本発明では特に、このように配置された複数の表示手段の全て又は最後方に配置された表示手段を除く表示手段の少なくとも一つは、自発光であって且つ光透過性を備える画像表示面を有する表示用デバイスを用いて構成される。これには、例えばEL(Electro−Luminescence)表示装置等を用いることが可能である。他方、最後方にある表示手段は、その後方から来る画像は存在しないので、光透過性を有しなくても良い。これには、例えば液晶表示装置、プラズマ表示装置、ブラウン管表示装置等を用いることが可能である。
【0013】
本発明では、複数の表示手段は最低二つ備えれば足りる。この場合、表示される画像の三次元位置は2つの表示手段の間であって、輝度で対応付けられた位置として得られる。また、例えばカラーのRGB信号に対応して夫々、三つの表示手段を備えるように構成してもよい。更には、放送されている映像を受信して表示しつつ、その映像上に立体画像を重ねて表示する構成を採ることも可能である。
【0014】
上述したように本発明の立体表示装置によれば、表示手段として自発光であって且つ光透過性を備える表示用デバイスを用いることによって、例えば前述の特開2000−115812号公報の如く複数の物体像を重ねるため或いは合成するために複数のハーフミラー等の光学要素を用いる必要が無く、小型で調整が容易な輝度変調型の立体表示装置が実現される。
【0015】
尚、本発明では、最後方に配置された表示手段を除く全ての表示手段を、例えばEL表示装置等の光透過性を備える表示用デバイスから構成してもよい。或いは、最後方に配置された表示手段を除く一つの表示手段を、例えばEL表示装置等の光透過性を備える表示用デバイスから構成すると共に、最後方に配置された表示手段を除く他の表示手段を、例えばハーフミラーを介して画像を映し出すように配置された液晶表示装置等の光透過性を有しない表示用デバイスから構成してもよい。
【0016】
本発明の立体表示装置の一態様では、前記制御手段は、前記物体像として表示される物体が前記観察者から見て近くに位置するように表示する場合に、前記複数の表示手段のうち前方に配置された表示手段が後方に配置された表示手段よりも高い輝度で前記物体像を表示するように、前記複数の表示手段を制御し、前記物体が前記観察者から見て遠くに位置するように表示する場合に、前記複数の表示手段のうち後方に配置された表示手段が、前方に配置された表示手段よりも高い輝度で前記物体像を表示するように、前記複数の表示手段を制御する。
【0017】
この態様によれば、観察者が立体画像として物体の画像を見るために、制御手段は、夫々の表示手段に表示する画像の輝度を制御する。例えば観察者に近い位置で視覚させるために、前方にある表示手段の輝度を高くし、後方にある表示手段の輝度を低くする。すると、観察者により、画像は前方の表示手段に近い位置にあるとして視覚される。一方、観察者に遠い位置で視覚させるために、前方にある表示手段の輝度を低くし、後方にある表示手段の輝度を高くする。すると、観察者により、画像は後方の表示手段に近い位置にあるとして視覚される。従って、視線上に位置する観察者は、輝度変調型の立体画像を見ることができる。
【0018】
この態様では、前記制御手段は更に、前記前方にある表示手段と前記後方にある表示手段との合成された輝度が所定値であるように、前記複数の表示手段を制御してもよい。
【0019】
このように構成すれば、いずれの場合にも、全ての表示手段の輝度を合成した輝度が所定値(例えば、一定値)となるように制御が行われるので、輝度の変動に伴う画面のちらつき或いはフリッカの発生を効果的に防止可能となる。
【0020】
本発明の立体表示装置の他の態様では、前記制御手段は、前記物体を撮影するときの撮影手段から前記物体までの距離に基づいて、前記輝度を制御する。
【0021】
この態様によれば、本発明の立体表示装置で表示する画像の輝度は、撮影装置から物体までとの距離に基づいて行われる。そのときの距離の情報としては、撮影するときに各々の物体までの距離が距離測定手段によって測定され、画像情報に対応付けられて記録される。物体が撮影装置に近ければ前方の表示手段の輝度を後方の表示手段の輝度よりも高くして表示する。一方、遠ければ前方の表示手段の輝度を後方の表示手段の輝度よりも低くして表示する。これにより実際の物体を撮影したときの距離関係を再現できる。距離の測定には、例えば超音波、赤外光等を用いる方法が用いられる。
【0022】
本発明の立体表示装置の他の態様では、前記輝度を所望値に設定可能な入力手段を更に備える。
【0023】
この態様によれば、観察者側、或いは製作者側が、入力手段を介して、輝度を所望値に設定できる。これにより物体の位置関係を自由に設定して見ることが可能となる。特にコンピュータにより作成された画像では物体の位置関係を指定することが重要である。入力手段としては、例えばコンピュータのプログラム中で行う方法、或いはキーボード等の入力装置から画像を見ながら指定する方法等が用いられる。
【0024】
本発明の立体表示装置の他の態様は、前記表示用デバイスから構成される表示手段は、前記観察者に向かう方向の発光量が、前記観察者から遠ざかる方向の発光量より大きくなるように自発光する。
【0025】
この態様によれば、表示用デバイスから構成される、即ち前方に配置されたか或いは最後方ではない表示手段においては、観察者から遠ざかる方向の発光量は小さい。よって、このような遠ざかる方向の光が、その後方に設けられた表示手段の表面で反射し、観察者に向かう画像ノイズとなる光量を低減できる。この結果、観察者が見る立体画像の品位を向上させる。
【0026】
本発明の立体表示装置の他の態様では、表示用デバイスから構成される表示手段の裏面に、ハーフミラーを更に備える。
【0027】
この態様によれば、表示用デバイスから構成される、即ち前方に配置されたか或いは最後方ではない表示手段においては、観察者から遠ざかる方向の光を、ハーフミラーにより低減、或いは遮断することができる。よって、このような遠ざかる方向の光が、その後方に設けられた表示手段の表面で反射し、観察者に向かう画像ノイズとなる光量を低減できる。
【0028】
尚、このようなハーフミラーは、好ましくは、表示用デバイスに近接して或いは所定距離を隔てて、該表示用デバイスに重ねて或いはこれに対向配置するように、同一視線に対して垂直に配置される。これにより、ハーフミラーによる光学系の大型化を防げる。
【0029】
本発明の立体表示装置の他の態様では、前記表示用デバイスから構成される表示手段の裏面に、前記観察者から遠ざかる方向の光透過量が前記観察者に向かう方向の光透過量より小さいフィルタを更に備える。
【0030】
この態様によれば、表示用デバイスから構成される、即ち前方に配置されたか或いは最後方ではない表示手段においては、観察者から遠ざかる方向の光を、フィルタにより低減、或いは遮断することができる。よって、このような遠ざかる方向の光が、その後方に設けられた表示手段の表面で反射し、観察者に向かう画像ノイズとなる光量を低減できる。
【0031】
本発明の立体表示装置の他の態様では、前記表示用デバイスから構成される表示手段の裏面に、偏光板を更に備える。
【0032】
この態様によれば、表示用デバイスから構成される、即ち前方に配置されたか或いは最後方ではない表示手段においては、観察者から遠ざかる方向の光を、偏光板により低減、或いは遮断することができる。よって、このような遠ざかる方向の光が、その後方に設けられた表示手段の表面で反射し、観察者に向かう画像ノイズとなる光量を低減できる。特に偏光板を、後方の表示手段の物体像に係る光を透過するように設定すれば、明るい立体表示を行える。
【0033】
本発明の立体表示装置の他の態様では、前記複数の表示手段のうち後方に配置された表示手段の表面に、反射防止処理が施されている。
【0034】
この態様によれば、前方に配置された表示手段から、後方に向かう光が、後方或いは最後方に配置された表示手段の表面で反射することが、反射防止処理が施されたことによって効果的に防止される。この結果、反射光に起因した観察者に向かう画像ノイズを低減できる。
【0035】
本発明の立体表示装置の他の態様は、前記複数の表示手段のうち後方に配置された表示手段の表面に、反射防止膜が設けられている。
【0036】
この態様によれば、前方に配置された表示手段から、後方に向かう光が、後方或いは最後方に配置された表示手段の表面で反射することが、反射防止膜によって効果的に防止される。この結果、反射光に起因した観察者に向かう画像ノイズを低減できる。
【0037】
本発明の立体表示装置の他の態様は、前記複数の表示手段のうち後方に配置された表示手段の表面に、光散乱板が設けられている。
【0038】
この態様によれば、前方に配置された表示手段から、後方に向かう光が、後方或いは最後方に配置された表示手段の表面に至る以前に、光散乱版により散乱される。このため、後方に向かう光が、該後方或いは最後方に配置された表示手段の表面で反射することが、光散乱版によって効果的に防止される。この結果、反射光に起因した観察者に向かう画像ノイズを低減できる。
【0039】
尚、上述した各種態様における前方の表示手段に対する対策と後方の表示手段に対する対策とを任意に組み合わせて用いることで、立体画像の品位の一層の向上が図れる。
【0040】
本発明の立体表示装置の他の態様は、前記表示用デバイスは、エレクトロルミネセンス素子を含んでなる。
【0041】
この態様によれば、エレクトロルミネセンス素子を含んでなるEL表示装置等の表示手段は、自発光性及び光透過性に優れる。また、表示装置として薄く且つ小型に作成することが可能であり、本発明の立体表示装置を構成するために好適である。
【0042】
本発明の立体表示装置の他の態様は、前記最後方の表示手段は、前記表示用デバイスとは異なり、光透過性を備えない画像表示面を有する他の表示用デバイスから構成される。
【0043】
この態様によれば、光透過性を有しなくてもよい最後方の表示手段については、例えば液晶表示装置、プラズマ表示装置、ブラウン管表示装置等の比較的安価で高品位の表示を行える装置を適用でき、装置全体として、経済性及び性能を効率良く高められる。
【0044】
但し、最後方の表示手段についても、それ以外の表示手段と同様に、自発光であり且つ透過性を有するEL表示装置等から構成してもよい。このように構成しても、最後方の表示手段以外の表示手段として、自発光であり且つ透過性を有する表示用デバイスを用いる限り、上述した本発明の各種利益は相応に得られる。
【0045】
本発明の立体表示方法は上記課題を解決するために、観察者の同一視線上に所定距離を隔てて相前後して配置された複数の表示手段を備えており、前記表示手段の全て又は前記観察者から見て最後方に配置された表示手段を除く表示手段の少なくとも一つは、自発光であって且つ光透過性を備える画像表示面を有する表示用デバイスから構成される立体表示装置を用いた立体表示方法であって、前記観察者から見て立体像が表示されるように、前記複数の表示手段の夫々におけるほぼ同一の画面位置に、同一の物体から得られた像を相互に輝度を変えて表示するように前記複数の表示手段を制御する制御工程を備える。
【0046】
本発明の立体表示方法によれば、観察者の同一視線上に夫々、所定距離を離して複数の表示手段が配置されている。その表示手段としては、自ら表示する画像を発光することで画像を表示し、且つ、少なくとも非発光時には、後方からの光を透過する表示用デバイスが用いられる。ここで制御工程によって、これら表示手段の夫々に、同一の物体から得られた像を同一の画面位置に相互に輝度を変えて表示することで、観察者は、前方に配置された表示手段に表示される画像と、その表示手段を透過して、後方に配置された表示手段に表示される画像を重ねてみることができる。即ち、視線上に位置する観察者は、輝度変調型の立体画像を見ることができる。
【0047】
本発明では特に、このように配置された複数の表示手段の全て、或いは最後方にある表示手段を除いた全ては、自発光であって且つ光透過性を備える画像表示面を有する表示用デバイスを用いて構成される。このため、例えば前述の特開2000−115812号公報の如く複数のハーフミラー等の光学要素を用いる必要が無く、比較的簡単な制御によって、立体表示を行える。
【0048】
本発明の立体表示方法の一態様では、前記制御工程は、前記物体像として表示される物体が前記観察者から見て近くに位置するように表示する場合に、前記複数の表示手段のうち前方に配置された表示手段が後方に配置された表示手段よりも高い輝度で前記物体像を表示するように、前記複数の表示手段を制御する工程と、前記物体が前記観察者から見て遠くに位置するように表示する場合に、前記複数の表示手段のうち後方に配置された表示手段が、前方に配置された表示手段よりも高い輝度で前記物体像を表示するように、前記複数の表示手段を制御する工程を含む。
【0049】
この態様によれば、制御工程は、観察者が立体画像として物体の画像を見るために、夫々の表示手段に表示する画像の輝度を制御する。例えば観察者に近い位置で視覚させるために、前方にある表示手段の輝度を高くし、後方にある表示手段の輝度を低くする。一方、観察者に遠い位置で視覚させるために、前方にある表示手段の輝度を低くし、後方にある表示手段の輝度を高くする。従って、視線上に位置する観察者は、輝度変調型の立体画像を見ることができる。
【0050】
この態様では、制御工程は更に、前記前方にある表示手段と前記後方にある表示手段との合成された輝度が一定であるように、前記複数の表示手段を制御する工程を含んでもよい。
【0051】
このように構成すれば、いずれの場合にも、全ての表示手段の輝度を合成した輝度が所定値(例えば、一定値)となるように制御が行われる。この結果、輝度の変動に伴う画面のちらつき或いはフリッカの発生を効果的に防止可能となる。
【0052】
本発明の立体表示装置の他の態様では、前記制御工程は、前記物体を撮影するときの撮影手段から前記物体までの距離に基づいて、前記輝度を制御する工程を含む。
【0053】
この態様によれば、本発明の立体表示方法で表示する画像の輝度は、撮影装置から物体までとの距離に基づいて行われる。そのときの距離の情報としては、撮影するときに各々の物体までの距離が距離測定手段によって測定され、画像情報に対応付けられて記録される。物体が撮影装置に近ければ前方の表示手段の輝度を後方の表示手段の輝度よりも高くして表示する。一方、遠ければ前方の表示手段の輝度を後方の表示手段の輝度よりも低くして表示する。これにより実際の物体を撮影したときの距離関係を再現できる。
【0054】
本発明のこのような作用、及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0055】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる立体表示装置の概念に関し図1及び図2を参照して説明する。尚、図1は立体表示において物体が前方に見える状態を示し、図2は物体が後方に見える状態を示す。また、特に定義しない場合、ここでの表示装置の「表面」とは観察者の方向に向いた面を言い、また、「裏面」とは観察者とは反対方向に向いた面を言うこととする。
【0056】
図1に示すように観察者10の同一の視線上に、表示装置11と表示装置12が所定距離d0を有して平行に配置されている。この状態で同一の物体に関し、表示装置11に画像111が表示され、表示装置12に画像121が表示されている。これら画像111と画像121は観察者10からは重なるようにして見える位置に表示される。
【0057】
このとき画像111の輝度と画像121の輝度を所定の関係で、また、表示装置11と表示装置12の合成された輝度が一定になるように表示される。この状態で両方の画像を見ることにより、合成された画像131が表示装置11と表示装置12の間にあるように視覚される。例えば画像111の輝度が画像112の輝度より高いとすると、画像131は表示装置11の後方d1であって、表示装置12の前方d2にあるように視覚される(d1<d2、d1+d2=d0)。
【0058】
また、図2に示すように同一の他の物体に関し、表示装置11に画像112が表示され、表示装置12に画像122が表示されている。このとき画像112の輝度は画像122の輝度より低いとすると、合成された画像132は表示装置11の後方d3であって、表示装置12の前方d4にあるように視覚される(d3>d4、d3+d4=d0)。このとき表示装置11と表示装置12の合成された輝度は図1で示したものと同様に一定になるように表示される。
【0059】
上述した図1と図2で示す画像を観察者10の残像効果が得られる所定の周期で交互に表示することで画像131は画像132よりも前方にあるとして視覚される。この所定周期としてはたとえばNTSC方式のフィールド画サイクルの1/60秒、フレーム画サイクルの1/30秒、又はPAL方式のフィールド画サイクルの1/50秒、フレーム画サイクルの1/25秒、或いは立体表示のシステムとして残像効果が維持される所定の好適なサイクルを任意に定めることができる。
【0060】
(立体表示用画像の撮影装置の構成例)
次に、立体表示させる画像の撮影装置1の例について図3を参照して説明する。撮影装置1は例えばカメラ23、距離計24、記録装置25を備えて構成される。カメラ23はNTSC方式、PAL方式等のテレビカメラであり、距離計24は物体までの距離を測る、例えば赤外線や超音波を用いた距離計であり、記録装置25はカメラ23で撮影した物体の画像データと距離計24で測定した物体までの距離に関するデータを記録する、テープ、ディスク等を記録媒体とした記録装置である。距離は入力手段により所定の値を入力するようにしても良い。
【0061】
立体表示させるために撮影に供される例えば2つの物体の夫々を第一物体21、第二物体22とし、これら第一物体21、第二物体22は観察者10に対して前後の距離差を有するように配置される。このように配置されている第一物体21、第二物体22を観察者10が見る方向からカメラ23により撮影し、その画像データを記録装置25に記録する。
【0062】
また、カメラ23で撮影すると同時に第一物体21、第二物体22までの距離D1、D2を夫々、距離計24で測定し、カメラ23で撮影した画像データと関係付けて記録装置25に記録される。立体画像の再生においては、詳しくは図4を参照して後段で説明するように、この距離D1、D2に関する距離データに基づき、第一物体21、第二物体22の画像を複数の表示装置の夫々に輝度を制御して表示することで、観察者10は立体感を有して第一物体21、第二物体22の画像を見ることができる。
【0063】
更に、カメラ23で撮影した画像データと距離計24で測定した距離データとを、直接、立体表示装置2に入力し、立体画像を表示させるようにしても良い。また、画像データと距離データとは撮影装置1により得られたものに限らず、コンピュータにより作成されたデータを用いることも可能である。
【0064】
(立体表示装置の構成例)
次に、図4を参照して、上述した撮影装置1により得られた画像データ及び距離データから立体画像を表示する立体表示装置2について説明する。立体表示装置2の構成は第一表示装置11、第二表示装置12、画像再生部31、表示画像部32、距離情報部33、同期信号部34、輝度変調部35、第一表示装置用信号発生部36、第二表示装置用信号発生部37、第一表示装置駆動部38、第二表示装置駆動部39等を備えて構成される。
【0065】
第一表示装置11は、観察者10に近く設けられた表示装置であって、自ら発光し、且つ光透過性を有したデバイス、例えばEL素子を用いて構成されている。また、第二表示装置12は、観察者10から第一表示装置11よりも遠くに設けられ、第一表示装置11と同様に自ら発光し、且つ光透過性を有したデバイス、或いは液晶表示装置、CRT表示装置等が用いられる。
【0066】
第一表示装置11と第二表示装置12は観察者10の同一視線上に、視線に対して表示面が垂直となるように配置され、更に図示しないが第一表示装置11と第二表示装置12との間に更に複数の表示装置を挿入しても良く、この挿入される表示装置は第一表示装置11と同様に、自ら発光し、且つ光透過性を有したデバイスで構成されるものである。また夫々の表示措置に対する駆動手段が必要なことは当然である。
【0067】
第一表示装置11及び必要に応じて第一表示装置11と第二表示装置12との間に設けられる表示装置として用いるEL表示装置は、画像を形成するための発光を自ら行うと共に、後方からの光を透過する特徴を有する。この発光を自ら行うと共に、後方からの光を透過する表示装置を用いることが、本発明の立体表示装置の大きな特徴を成すものであり、装置の小型化、低コスト化に貢献する。第二表示装置12にもこのEL表示装置を用いてよいことは当然である。
【0068】
尚、本発明の立体表示装置の表示装置として、自ら発光を行うと共に、後方からの光を透過する特徴を有するデバイスであれば、ELに限ることはない。
【0069】
画像再生部31は、撮影装置1で撮影された第一物体21及び第二物体22の画像データと第一物体21及び第二物体22の距離データを記録した媒体、例えばディスクを再生し、画像データと距離データを出力する。尚、カメラ23の出力を直接、立体表示に供する場合はこの画像再生部31は必要ない。
【0070】
表示画像部32は、画像再生部31で再生された情報のうち実際に表示する画像データを構成する。即ち図3に示す第一物体21及び第二物体22の撮影された画像データを分離し、表示処理のためにそれら画像情報を次段に出力する。
【0071】
距離情報部33は、撮影された物体、例えば図3に示す第一物体21及び第二物体22の、カメラ23(より正しくは距離計24)からの距離に関する情報、即ち距離データを、記録した媒体の再生信号から分離し表示処理に供するために次段に出力する。この場合、距離データと同時に再生されている画像データとは同期する関係であることが保持される。
【0072】
同期信号部34は、記録した媒体の再生信号から画像を表示する際の同期信号、例えば水平同期、垂直同期に関する信号は勿論、現に表示する第一物体21及び第二物体22の画像データとカメラ23からの距離に関する距離データとの同期を採り、物体の距離とそれを表示する形態を一致させる。
【0073】
輝度調節部35は、表示する第一物体21及び第二物体22のカメラ23からの距離、即ち観察者10からの距離に応じて、第一表示装置11及び第二表示装置12に表示する際の第一物体21及び第二物体22の輝度を制御する。その制御は、例えば第一物体21が第二物体22より観察者側に位置するとすれば、第一表示装置11に表示する第一物体21は第二表示装置12に表示する第一物体21よりも輝度を高くして表示し、一方、第一表示装置11に表示する第二物体22は第二表示装置12に表示する第二物体22よりも輝度を低くして表示することになる。
【0074】
尚、第一物体21及び第二物体22は観察者10の残像効果を考慮した異なるフィールド、或いはフレームで表示することになり、従って視覚上の不自然さ除去するために、第一物体21を表示する際の第一表示装置11の輝度と第二表示装置12の輝度の合成された輝度は、第二物体22を表示する際の第一表示装置11の輝度と第二表示装置12の輝度の合成された輝度と、略一致するように輝度が調節される。
【0075】
第一表示装置用信号生成部36は、第一表示装置11に表示すべき画像の信号を、表示画像部32と輝度変調部35と同期信号部34の信号に基づいて形成する。ここで形成される画像信号は第一物体21が第二物体22よりも観察者10に近い位置にあったとすれば、第一物体21を表示するときの輝度は高く、第二物体22を表示するときの輝度は低くされ、且つ表示のための同期信号が付加されたものである。
【0076】
第二表示装置用信号生成部37は、第二表示装置12に表示すべき画像の信号を、表示画像部32と輝度変調部35と同期信号部34の信号に基づいて形成する。ここで形成される画像信号は第一物体21が第二物体22よりも観察者10に近い位置にあったとすれば、第一物体21を表示するときの輝度は低く、第二物体22を表示するときの輝度は高くされ、且つ表示のための同期信号が付加されたものである。
【0077】
第一表示装置駆動部38は、第一表示装置用信号生成部36から出力される画像信号を第一表示装置11の種類、例えばEL表示装置に応じた駆動波形に変換し、駆動するための電圧、電流を得て第一表示装置11に印加し、第一表示装置11に画像を表示せしめる。
【0078】
第二表示装置駆動部39は、第二表示装置用信号生成部37から出力される画像信号を第二表示装置12の種類、例えばEL表示装置、液晶表示装置、CRT表示装置等に応じた駆動波形に変換し、駆動するための電圧、電流を得て第二表示装置12に印加し、第二表示装置12に画像を表示せしめる。
【0079】
以上説明したようにして形成された画像信号を夫々第一表示装置11と第二表示装置12で表示することで、立体画像が得られる。
【0080】
まず、第一表示装置11に第一物体21の画像111が、また第二表示装置12に第一物体21の画像121が同期し、且つ、観察者10の視線に一致した位置に表示され、更に画像111の輝度は画像121の輝度よりも高い。この場合、観察者10は図1に示すように画像131が、第一表示装置11に近い位置にあるように視覚される。
【0081】
一方、次の表示サイクルで第一表示装置11に第二物体22の画像112が、また第二表示装置12に第二物体22の画像122が同期し、且つ、観察者10の視線に一致した位置に表示され、更に画像122の輝度は画像112の輝度よりも高い。この場合、観察者10は図2に示すように画像132が、第二表示装置12に近い位置にあるように視覚される。
【0082】
このようにして表示される画像を観察者10の残像時間内で繰り返すことで、第一物体21と第二物体22の位置関係が相前後して視覚され立体画像として得られることになる。
【0083】
尚、本発明に係わる立体表示装置は、自ら発光し、且つ光透過性を備える表示装置を用いて、後方にある表示装置の表示画像を、前方の表示装置を透過してみる構成としていることで、装置の小型、低コストを実現していることに特徴がある。従って、撮影装置、立体表示装置は上述したものに限らず、これと同様の動作、作用をするデバイスや構成を採ることができるものである。
【0084】
(立体表示装置の画像表示手段に係わる第一の実施形態)
第一の実施形態について図5を参照して説明する。図5に示すように本実施形態の第一表示装置11は自ら発光(L1、L2)して画像を表示すると共、第二表示装置12からの光L3を透過するデバイス、例えばELで構成される。このデバイスにより第一表示装置11に表示される画像と共に、第二表示装置12に表示される画像を、第一表示装置11を透して観察者10が見ることができる。立体表示装置の小型化を実現するものである。
【0085】
(立体表示装置の画像表示手段に係わる第二の実施形態)
第二の実施形態について同様に図5を参照して説明する。図5に示すように本実施形態の第一表示装置11は自ら発光(L1、L2)して画像を表示すると共、背面からの光L3を透過するデバイス、例えばELで構成され、このデバイスの表面からの発光量は裏面からの発光量より大きなものを用いる。これはデバイスの発光部位を、前方への発光量が多くなる構造を採ることで可能である。裏面からの発光L2はデバイスを通過した光L4として第二表示装置12に到達し、第二表示装置12の表面での反射光L5が第一表示装置11に戻り、画像形成に害を及ぼすことになるため、裏面からの発光L2を少なくすること、即ち第二表示装置12の表面での反射光L5を少なくすることで立体画像の品位を向上させることができる。
【0086】
(立体表示装置の画像表示手段に係わる第三の実施形態)
第三の実施形態について図6を参照して説明する。図6に示すように本実施形態の第一表示装置11は自ら発光(L1、L2)して画像を表示すると共、背面からの光L3を透過するデバイス、例えばELで構成され、更にこのデバイスの裏面にはハーフミラーが設けられる。このハーフミラーにより第一表示装置11から第二表示装置12へ向かう光は遮断され、一方、第二表示装置12からの光L3はハーフミラー13、第一表示装置11を透過して観察者10から第二表示装置12に表示される画像を見ることができる。第一表示装置11の背面からの光L2が第二表示装置12に反射して観察者10側に戻ることが防止されるので立体画像の品位を向上させることができる。
【0087】
(立体表示装置の画像表示手段に係わる第四の実施形態)
第四の実施形態について図7を参照して説明する。図7に示すように本実施形態の第一表示装置11は自ら発光(L1、L2)して画像を表示すると共、背面からの光L3を透過するデバイス、例えばELで構成され、更にこのデバイスの裏面には光透過性が前方に対するよりも後方に対する方が小さい光学フィルタ14が設けられる。この光学フィルタ14により第一表示装置11から第二表示装置12へ向かう光L4は低減され、一方、第二表示装置12からの光L3は光学フィルタ14を透過する際の減衰量は少なく、第一表示装置11を透過して観察者10から第二表示装置12に表示される画像を見ることができる。第二表示装置12からの反射光L5は極めて小さいため、立体画像の品位を向上させることができる。
【0088】
(立体表示装置の画像表示手段に係わる第五の実施形態)
第五の実施形態について図8を参照して説明する。図8に示すように本実施形態の第一表示装置11は自ら発光(L1、L2)して画像を表示すると共、背面からの光L3を透過するデバイス、例えばELで構成され、更にこのデバイスの裏面には偏光板15が設けられる。この偏光板15により第一表示装置11から第二表示装置12へ向かう光L4は偏光が加えられ、第二表示装置12で反射した反射光L5は再度偏光板15を透過するときに遮断され、反射光L5は観察者10には戻らない。一方、第二表示装置12からの光L3は偏光板15を透過し、従って第一表示装置11を透過して観察者10から第二表示装置12に表示される画像を見ることができる。第二表示装置12からの反射光L5は観察者10には戻らないため、立体画像の品位を向上させることができる。
【0089】
(立体表示装置の画像表示手段に係わる第六の実施形態)
第六の実施形態について図9を参照して説明する。図9に示すように本実施形態の第一表示装置11は自ら発光(L1、L2)して画像を表示すると共、背面からの光L3を透過するデバイス、例えばELで構成される。第二表示装置12の表面には反射防止膜16が設けられていて、第一表示装置11から第二表示装置12へ向かう光L4はこの反射防止膜16により反射が低減される。従って光L4による反射光L5は観察者10には極めて少ない量しか戻らない。一方、第二表示装置12からの光L3は反射防止膜16を透過し、従って第一表示装置11を透過して観察者10から第二表示装置12に表示される画像を見ることができる。第二表示装置12からの反射光L5は観察者10には極めて少ない量しか戻らないため、立体画像の品位を向上させることができる。
【0090】
尚、第二表示装置12の表面の反射防止膜16を設けることに替えて、反射光L5を低減するための手段、例えば第二表示装置12の表面に対して機械的手段、又は化学的手段で反射防止処理をすること、或いは光散乱板を設けること等の手段を用いても良い。
【0091】
以上、第一から第六までの画像表示手段に係わる実施形態について説明したが、それらを技術的に可能な範囲で組み合わせでも良いことは当然である。例えば、前方に置かれた表示装置の後方に向かう光量を小さくし、且つ後方に置かれた表示装置の表面に反射防止膜を設けること等である。
【0092】
以上のように本実施形態によれば、輝度変調型の立体表示方式を、比較的簡単な構成及び制御を用いて実現できる。
【0093】
加えて、奥行きの異なる複数の物体像を、観察者の残像効果が保持されている時間内で、相前後しておかれた2つの表示手段に、輝度を制御しながら交互に表示することによって、観察者が複数の物体の前後の距離関係を感じながら見ることが可能となる。
【0094】
上記実施形態では、三次元の表示の例を示したが、第一から第六実施形態に係る画像表示手段のうちいずれか或いはその組合せにより、二次元の表示を行うことが可能である。
【0095】
更に、上述した第二の実施形態における「前方への発光量が多くなる構造」及び「裏面からの発光L2を少なくする」構造を有する第一表示装置11のより詳細な具体例として、図10から図12を参照して説明する。ここに、図10から図12は、第二実施形態において用いられる第一表示装置11の具体的な構造を示す図式的断面図である。
【0096】
図10に示すように、第二の実施形態における第一表示装置11として、有機EL表示デバイス100を採用してもよい。有機EL表示デバイス100は、有機EL発光層111と、基板112と、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム・スズ・オキサイド)電極(陽極)113と、絶縁膜115と、陰極隔壁116と、透明ガラス封止缶117と、透明電極118と、反射板119を備えて構成されている。
【0097】
有機EL発光層111は、何れも図示しない、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を含んで構成されている。正孔注入層は、例えばCuPc(銅フタロシアニン)により、正孔輸送層は、例えばNPB(N,N−di(naphthalene−1−yl)−N,N−diphenyl−benzidene)により、発光層は、例えばAlq3(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)により、電子輸送層は、例えばBCP(バソキュプロイン又はバトクプロイン:bathocuproine)により、電子注入層は、例えばLiF(フッ化リチウム)により、それぞれ形成されている。
【0098】
基板112は、有機EL発光層111を保護し、支持するためのものであり、例えばガラス基板を含んでなる。又、ポリマーフィルムを基板として用いてもよい。そして、観察者10は基板112を介して、有機EL発光層111の発光により形成される画像を視覚することとなる。
【0099】
ITO電極113は、光透過性を有するアノード電極である。又、アノード電極として、ITO電極に代えて、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム・亜鉛・オキサイド)電極であってもよい。
【0100】
絶縁膜115は、電流リークを抑えるためのものであり、例えばポリイミドによって、有機EL発光層111が形成される位置以外の基板上に形成される。
【0101】
陰極隔壁116は、陰極(即ち、透明電極118)形成の際に、任意の形状にパターニングするために、陰極が形成される部分を除いて絶縁膜115の上に形成される。
【0102】
透明ガラス封止缶117は、上述の構成要素を、外部の影響から保護するためのものである。或いは、透明ガラス封止缶に加えて或いは代えて、透明封止膜を用いてもよい。
【0103】
透明電極118は、例えばITOを含んでなる光透過性を有するカソード電極である。又、透明電極118は、IZOを含む電極或いは薄膜状の金属電極であってもよい。
【0104】
反射板119は、例えばアルミニウム等の反射率の高い金属を含んで形成されている。ここに、反射板119は、有機EL発光層111と透明電極118との境界面のうち少なくとも一部に設けられることが好ましい。
【0105】
このような構造を有する有機EL表示装置100により、前面へは、有機EL発光層111の全体から発せられた光が放射されることとなる。一方、裏面へは、有機EL発光層111のうち、透明電極118との境界面に反射板119が設けられていない部分のみから発せられた光が放射されることとなる。従って、上述した第二の実施形態における第一表示装置11の如く、前面への発光量が多くなるような構造であり、且つ裏面からの発光L2を少なくするような構造を実現することが可能となる。
【0106】
又、図11に示すように、反射板119を有機EL発光層111毎に設け、又は設けない構造を有する有機EL表示デバイス101であっても、上述の有機EL表示デバイス100と同様の効果を享受することが可能である。
【0107】
即ち、前面へは、反射板119が設けられていない有機EL発光層111及び反射板119が設けられている有機EL発光層111の双方から発せられた光が放射されることとなる。一方、裏面へは、反射板119が設けられていない有機EL発光層111から発せられた光のみが放射されることとなる。
【0108】
従って、図10に示した構造と同様に、前面への発光量が多くなるような構造であり、且つ裏面からの発光量を少なくする構造を実現することが可能となる。
【0109】
尚、上述した有機EL表示デバイス100及び101は、基板112側へ放射される光が、図5における発光L1であり、基板112とは反対の側へ放射される光が、図5における発光L2であるように構成されている。但し、これに限らず、基板112側へ放射される光が、図5における発光L2であり、基板112とは反対の側へ放射される光が、図5における発光L1であるように構成してもよい。この場合の有機ELデバイス102としては、図12に示すように、反射板119が、有機EL発光層111とITO電極113との境界面、或いは該境界面の少なくとも一部に設けられる構造を採用することが好ましい。
【0110】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う立体表示装置及び方法もまた本発明の技術思想に含まれるものである。
【0111】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、高品位の立体表示が可能である、輝度変調型の立体表示装置及び方法を、比較的簡単な構成及び制御を用いて小型或いは安価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体表示装置及び方法に係る実施形態における表示原理を示す一の概念図である。
【図2】本発明の立体表示装置及び方法に係る実施形態における表示原理を示す他の概念図である。
【図3】本発明の立体表示用の撮影装置に係る実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の立体表示装置に係る実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第一及び第二の実施形態を示す図式的な外観斜視図である。
【図6】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第三の実施形態を示す図式的な外観斜視図である。
【図7】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第四の実施形態を示す図式的な外観斜視図である。
【図8】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第五の実施形態を示す図式的な外観斜視図である。
【図9】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第六の実施形態を示す図式的な外観斜視図である。
【図10】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第二の実施形態のより詳細な一の具体例を示す図式的断面図である。
【図11】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第二の実施形態のより詳細な他の具体例を示す図式的断面図である。
【図12】本発明の立体表示装置の画像表示手段に係わる第二の実施形態のより詳細な他の具体例を示す図式的断面図である。
【符号の説明】
1・・・撮影装置
2・・・立体表示装置
10・・・観察者
11・・・第一表示装置
12・・・第二表示装置
13・・・ハーフミラー
14・・・光学フィルタ
15・・・偏光板
16・・・反射防止膜
21・・・第一物体
22・・・第二物体
23・・・カメラ
24・・・距離計
25・・・記録部
31・・・画像再生部
32・・・表示画像部
33・・・距離情報部
34・・・同期信号部
35・・・輝度変調部
36・・・第一表示装置用信号生成部
37・・・第二表示装置用信号生成部
38・・・第一表示装置駆動部
39・・・第二表示装置駆動部
100、101、102・・・有機EL表示デバイス
111・・・有機EL発光層
118・・・透明電極
119・・・反射板
Claims (18)
- 観察者の同一視線上に所定距離を隔てて相前後して配置された複数の表示手段と、
前記観察者から見て立体像が表示されるように、前記複数の表示手段の夫々におけるほぼ同一の画面位置に、同一の物体から得られた像を相互に輝度を変えて表示するように前記複数の表示手段を制御する制御手段と
を備えており、
前記表示手段の全て又は前記観察者から見て最後方に配置された表示手段を除く表示手段の少なくとも一つは、自発光であって且つ光透過性を備える画像表示面を有する表示用デバイスから構成されること
を特徴とする立体表示装置。 - 前記制御手段は、
前記物体像として表示される物体が前記観察者から見て近くに位置するように表示する場合に、前記複数の表示手段のうち前方に配置された表示手段が後方に配置された表示手段よりも高い輝度で前記物体像を表示するように、前記複数の表示手段を制御し、
前記物体が前記観察者から見て遠くに位置するように表示する場合に、前記複数の表示手段のうち後方に配置された表示手段が、前方に配置された表示手段よりも高い輝度で前記物体像を表示するように、前記複数の表示手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の立体表示装置。 - 前記制御手段は更に、前記前方にある表示手段と前記後方にある表示手段との合成された輝度が所定値であるように、前記複数の表示手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の立体表示装置。
- 前記制御手段は、前記物体を撮影するときの撮影手段から前記物体までの距離に基づいて、前記輝度を制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の立体表示装置。
- 前記輝度を所望値に設定可能な入力手段を更に備えたことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の立体表示装置。
- 前記表示用デバイスから構成される表示手段は、前記観察者に向かう方向の発光量が、前記観察者から遠ざかる方向の発光量より大きくなるように自発光することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の立体表示装置。
- 前記表示用デバイスから構成される表示手段の裏面に、ハーフミラーを更に備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の立体表示装置。
- 前記表示用デバイスから構成される表示手段の裏面に、前記観察者から遠ざかる方向の光透過量が前記観察者に向かう方向の光透過量より小さいフィルタを更に備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の立体表示装置。
- 前記表示用デバイスから構成される表示手段の裏面に、偏光板を更に備えたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の立体表示装置。
- 前記複数の表示手段のうち後方に配置された表示手段の表面に、反射防止処理が施されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の立体表示装置。
- 前記複数の表示手段のうち後方に配置された表示手段の表面に、反射防止膜が設けられたことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の立体表示装置。
- 前記複数の表示手段のうち後方に配置された表示手段の表面に、光散乱板が設けられたことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の立体表示装置。
- 前記表示用デバイスは、エレクトロルミネセンス素子を含んでなることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の立体表示装置。
- 前記最後方の表示手段は、前記表示用デバイスとは異なり、光透過性を備えない画像表示面を有する他の表示用デバイスから構成されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の立体表示装置。
- 観察者の同一視線上に所定距離を隔てて相前後して配置された複数の表示手段を備えており、前記表示手段の全て又は前記観察者から見て最後方に配置された表示手段を除く表示手段の少なくとも一つは、自発光であって且つ光透過性を備える画像表示面を有する表示用デバイスから構成される立体表示装置を用いた立体表示方法であって、
前記観察者から見て立体像が表示されるように、前記複数の表示手段の夫々におけるほぼ同一の画面位置に、同一の物体から得られた像を相互に輝度を変えて表示するように前記複数の表示手段を制御する制御工程を備えたことを特徴とする立体表示方法。 - 前記制御工程は、
前記物体像として表示される物体が前記観察者から見て近くに位置するように表示する場合に、前記複数の表示手段のうち前方に配置された表示手段が後方に配置された表示手段よりも高い輝度で前記物体像を表示するように、前記複数の表示手段を制御する工程と、
前記物体が前記観察者から見て遠くに位置するように表示する場合に、前記複数の表示手段のうち後方に配置された表示手段が、前方に配置された表示手段よりも高い輝度で前記物体像を表示するように、前記複数の表示手段を制御する工程と
を含むことを特徴とする請求項15に記載の立体表示方法。 - 前記制御工程は更に、前記前方にある表示手段と前記後方にある表示手段との合成された輝度が所定値であるように、前記複数の表示手段を制御する工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の立体表示方法。
- 前記制御工程は、前記物体を撮影するときの撮影手段から前記物体までの距離に基づいて、前記輝度を制御する工程を含むことを特徴とする請求項15から請求項17のいずれか一項に記載の立体表示方法。
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