JP2004020689A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルト周速度、および、定着性能の変動を押さえることにより、高品質の定着画像を得られるベルト定着装置を備えた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】転写材上のトナー画像を加圧加熱により転写材に定着するベルト定着装置を備えた画像形成装置において、従動ローラの回転速度を検知する第1検知手段を設け、前記第1検知手段により検知された回転速度に基づき、前記従動ローラの回転速度を一定の速度に保持するように駆動ローラの回転速度を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図2
【解決手段】転写材上のトナー画像を加圧加熱により転写材に定着するベルト定着装置を備えた画像形成装置において、従動ローラの回転速度を検知する第1検知手段を設け、前記第1検知手段により検知された回転速度に基づき、前記従動ローラの回転速度を一定の速度に保持するように駆動ローラの回転速度を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真方式による画像形成は、光学的に感光体上に静電潜像を形成した後に、いわゆる樹脂と着色剤より構成されるトナーにより現像を行い、感光体上に可視像を形成し、次に、前記可視像を用紙等の転写材に転写し、さらに、前記転写材上のトナー画像および転写材に熱、および、圧力を加え、トナー画像の転写材への定着を行うことにより達成される。
【0003】
トナー画像の転写材への定着方法としては、トナー画像を担持した転写材を対向する熱ローラでニップする方式が多く採用されてきたが、近年、ベルト方式の採用も見られるようになった。
【0004】
ベルト方式の定着装置は、対向ローラ方式のものに比較して、定着装置の熱容量の低減によりウオーミングアップ時間の短縮ができ、また、接触による加熱時間の確保に寄与するニップ幅を大きくとれることから、特に、高速の画像形成装置によるカラー画像等の定着ムラの減少等、画像品位の向上等の点で優位な方式と言われている。しかしながら、十分なニップ幅を確保するためには厚い弾性層を有するローラの使用が不可欠であるということから、温度あるいは経時による定着ベルトの周速度の変化、およびニップ幅の変化が大きく、安定した定着性能の維持が困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の不具合に鑑みてなされたもので、その目的は定着ベルトの周速度やニップ幅の変化を極力抑制し、結果として、高品質の定着画像を安定して得られる定着装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、以下の手段により達成できる。
【0007】
(1) 定着ベルトと、前記定着ベルトを回転可能に懸架する第1支持ローラと第2支持ローラの少なくとも二つの支持ローラと、前記第1支持ローラと前記定着ベルトを挟んで対峙する加圧ローラとを有し、前記第1支持ローラまたは前記加圧ローラを前記定着ベルトを回転駆動する駆動ローラとするとともに、第2支持ローラを前記定着ベルトにより従動回転可能となし、かつ、前記第2支持ローラに前記定着ベルトを加熱するためのヒータを内包せしめ、転写材上のトナー画像を加圧加熱により転写材に定着するベルト定着装置を備えた画像形成装置において、前記第2支持ローラの回転速度を検知する第1検知手段と、前記第1検知手段により検知された回転速度に基づき、前記第2支持ローラの回転速度を一定の速度に保持するように前記駆動ローラの回転速度を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【0008】
(2) 定着ベルトと、前記定着ベルトを回転可能に懸架する第1支持ローラと第2支持ローラの少なくとも二つの支持ローラと、前記第1支持ローラと前記定着ベルトを挟んで対峙する加圧ローラとを有し、前記第1支持ローラまたは前記加圧ローラを前記定着ベルトを回転駆動する駆動ローラとするとともに、第2支持ローラを前記定着ベルトにより従動回転可能となし、かつ、前記第2支持ローラに前記定着ベルトを加熱するためのヒータを内包せしめ、転写材上のトナー画像を加圧加熱により転写材に定着するベルト定着装置を備えた画像形成装置において、前記第2支持ローラの回転速度を検知する第1検知手段と前記第2支持ローラの表面温度を検知する温度センサと前記駆動ローラの回転速度を検知する第2検知手段と、前記第1検知手段、前記第2検知手段および前記温度センサにより検知される検知結果に基づき、定着条件を変更する制御手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。
【0009】
(3) 前記定着条件は、加熱ローラの表面温度または加圧ローラの圧力、もしくは前記表面温度と前記圧力の二つであることを特徴とする前記(2)に記載の画像形成装置。
【0010】
(4) 定着ベルトと、前記定着ベルトを回転可能に懸架する第1支持ローラと第2支持ローラの少なくとも二つの支持ローラと、前記第1支持ローラと前記定着ベルトを挟んで対峙する加圧ローラとを有し、前記第1支持ローラまたは前記加圧ローラを前記定着ベルトを回転駆動する駆動ローラとするとともに、第2支持ローラを前記定着ベルトにより従動回転可能となし、かつ、前記第2支持ローラに前記定着ベルトを加熱するためのヒータを内包せしめ、転写材上のトナー画像を加圧加熱により転写材に定着するベルト定着装置を備えた画像形成装置において、前記第2支持ローラの回転速度を検知する第1検知手段と前記第2支持ローラの表面温度を検知する温度センサと、前記駆動ローラの回転速度を検知する第2検知手段を設け、前記第1検知手段及び前記第2検知手段より検知された回転速度を比較した結果に基づき、前記駆動ローラの劣化を判定する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0011】
(5) 前記制御手段は、前記判定の結果に基づき、部品またはユニットの交換を促すための表示を行うように制御することを特徴とする前記(4)に記載の画像形成装置。
【0012】
(6) 定着ベルトと、前記定着ベルトを回転可能に懸架する第1支持ローラと第2支持ローラの少なくとも二つの支持ローラと、前記第1支持ローラと前記定着ベルトを挟んで対峙する加圧ローラとを有し、前記第1支持ローラまたは前記加圧ローラを前記定着ベルトを回転駆動する駆動ローラとするとともに、第2支持ローラを前記定着ベルトにより従動回転可能となし、かつ、前記第2支持ローラに前記定着ベルトを加熱するためのヒータを内包せしめ、転写材上のトナー画像を加圧加熱により転写材に定着するベルト定着装置を備えた画像形成装置において、前記第2支持ローラの回転速度を検知する第1検知手段と、前記駆動ローラの回転速度を検知する第2検知手段をもうけ、前記第1検知手段および第2検知手段により検知された検知結果に基づき、前記加圧ローラの押圧力を設定するとともに、前記押圧力の値を記憶手段に記憶するように制御することを特徴とする画像形成装置。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる実施の形態を、以下、図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、画像形成装置の一例としてのデジタルカラー複写機(以下、複写機という)の構成を示す概略図である。
【0015】
本実施の形態における複写機は、機体上部に自動原稿送り装置1を有するとともに、機体内に画像読み取り装置2、画像形成部3、転写ベルトユニット4、給紙部5、ベルト定着装置T、反転排紙・再給紙部6、および、反転紙再給紙部7を有している。
【0016】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を1枚ずつ送り出して画像読み取り装置へと搬送し、画像読み取りが終わった原稿を所定の場所に排出する装置である。
【0017】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を載置する原稿載置台101、載置された原稿を分離する原稿分離手段103、分離された原稿を搬送する原稿搬送部105、搬送された原稿を排紙する原稿排紙手段107、排紙された原稿を載置する原稿排紙台109、および、原稿の両面の画像を読み取る両面コピーモードにおいて、当該原稿の表裏面を反転させるために使用されるローラ対からなる原稿反転手段111を有している。
【0018】
前記原稿載置台101上に載置された複数枚の原稿(不図示)は、原稿分離手段103によって1枚ずつ分離され、前記原稿搬送部105を介して画像読み取り位置に向けて搬送される。
【0019】
前記原稿読み取り位置は、前記原稿搬送部105の下方部に設けられており、そこで、搬送中の原稿は画像読み取り装置2を構成するスリット201を介して走査され読み取られる。読み取られた原稿は原稿排紙手段107によって原稿排紙台109上に排出される。
【0020】
なお、両面コピーモードにおいては、片面が読み取られて搬送されてくる原稿は、前記原稿反転手段111により二点鎖線の矢印の示す方向に搬送され、進行方向における後端を咬んでいる状態で、当該原稿反転手段111の駆動が停止された後の逆方向回転により前記原稿搬送部105を介して再度、画像読み取り位置に導かれ、しかる後、前記原稿排出手段107によって原稿排紙台109上に排出される。
【0021】
上記の工程は、原稿載置台101上に載置された原稿の枚数分繰り返される。前記画像読み取り装置2は、前記スリット201、原稿を照射するためのランプ213と原稿からの反射光を反射させる第1ミラー215とを一体化してなる第1ミラーユニット205、第1ミラー215からの光を反射させる第2ミラー217と第3ミラー219とを略V字状に一体化してなる第2ミラーユニット207と、当該第3ミラー219からの反射光を撮像素子上に結像させる結像レンズ209、および、結像レンズ209によって結像された光像を光電変換して画像処理装置へ画像信号を送るライン状の撮像素子(以下、CCDという)211を有している。
【0022】
画像処理装置をはじめ、ベルト定着装置の制御部であるところの、C1、C2、H1等も含む制御手段Sは、前記CCDからの画像情報を取り込み、適宜の画像処理を施し、一旦、メモリに蓄積する。
【0023】
前記自動原稿送り装置1によって送られている原稿を、画像読み取り装置2で読み取る態様においては、第1ミラーユニット205、および、第2ミラーユニット207は、図1で示される位置に固定されている。
【0024】
前記画像読み取り装置2によって読み取られ、制御部Sにて画像処理を施された各色の画像情報はメモリより順次取り出され、画像形成部3を構成する各露光光学系305にそれぞれ電気信号として出力される。
【0025】
前記画像形成部3は、色分解画像に応じたトナー画像を形成するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の4組の画像形成手段(以下、画像形成ユニットという)30を含む。
【0026】
それぞれの画像形成ユニット30は、感光体ドラム301、スコロトロン形式からなるコロナ帯電器(以下、単に帯電器という)303、画像書き込み手段である露光光学系305、および、現像器350を主要構成要素とする。
【0027】
前記露光光学系305はレーザ光学系で構成される露光ユニットであり、その構成自体は公知である。309はドラムクリーニング手段である。
【0028】
4組の画像形成ユニットの機械的構成は同じであるので、符号は1つのユニットにのみ付してある。
【0029】
なお、それぞれの画像形成ユニット30は、ベルト設置部において縦方向に長く配設された、ベルトユニット4を構成するループ状の回転ベルト(以下、中間転写ベルトという)401の一平面(張設面)Aに沿って、上から、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に配列されている。
【0030】
403は前記中間転写ベルト401の内側であって、かつ、前記感光体ドラム301の周面一部に対向して位置づけられた転写手段である。
【0031】
前記転写手段403は、中間転写ベルト401を回転可能に懸架する転写ベルト支持ローラ405、406、407、および、バックアップローラ410等と共にベルトユニット4を構成し、また、前記バックアップローラ410は、中間転写ベルト401を挟んで当該バックアップローラと押圧しながら回転するように対向配置した転写ローラ510とで二次転写手段を構成している。
【0032】
上記の画像形成ユニット30とベルトユニット4の構成による画像形成は次のようになされる。
【0033】
画像形成プロセスの開始に伴って、反時計方向に回転する感光体ドラム301の表面は帯電器303により所定の極性に帯電される。
【0034】
次いで、露光光学系305による第1の色信号、即ち、イエロー(Y)の画像信号に対応する露光が施され、当該(Y)の画像に対応する静電潜像が前記感光体ドラム301上に形成される。
【0035】
前記静電潜像は現像器350で反転現像されて(Y)のトナー像に変換された後、転写手段403により中間転写ベルト401上に転写される。
【0036】
第1の色信号による画像形成開始から所定の時間後に順次開始される他の色信号による画像形成は上記と同様のプロセスにより、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各画像形成ユニットによって作られ、それぞれのトナー像が前記(Y)のトナー像のある画像領域と重畳するように順次転写され、前記中間転写ベルト401上に重ね合わせのカラートナー像が形成される。
【0037】
一方、転写処理終了後の前記感光体ドラム301の表面はドラムクリーニング手段309で清掃され、新たな画像形成のための準備が整えられる。
【0038】
なお、前記感光体ドラム301、あるいは、中間転写ベルト401に対する個々の画像形成プロセスの開始タイミングは、前記中間転写ベルト401の回転路の適切な位置に付設したレジストセンサ413が、当該中間転写ベルト401に設けた、例えば、塗料を用いて形成した基準マークを検知した時を起点として計時を行い、所定時間経過毎に、順次、(Y)、(M)、(C)、(K)プロセスを開始させるように制御されている。
【0039】
転写材であるところの用紙Pは、前記中間転写ベルト401上における画像形成に対応した適宜のタイミングで給紙部5の送り出し部501(511、521)に位置する給紙ローラ503(513、523)によって給紙され、レジストローラ551に向けて搬送される。
【0040】
しかる後、前記レジストローラ551の回転始動によって前記中間転写ベルト401上のカラートナー像領域と重畳するように2次転写部に向けて給送された用紙Pは、2次転写部において、前記バックアップローラ410と前記転写ローラ510とにより前記中間ベルト401と共に押圧挟持されながらニップ部から送り出され、この間で、前記中間転写ベルト401上に担持(形成)されたカラートナー画像が前記用紙P上に転写される。
【0041】
なお、前記転写の際、前記転写ローラ510に適宜の転写バイアス電圧を印加するように構成することが望ましい。
【0042】
トナー画像が転写された前記用紙Pは、例えば、不図示の分離爪の作用を受けて前記中間転写ベルト401から分離され、ベルト定着装置Tに向けて搬送される。
【0043】
ベルト定着装置Tについての説明は、後に、図2、図3をもとに詳細に行うので、ここでは省略する。
【0044】
ベルト定着装置Tによる定着処理終了後の用紙Pは、その下流に設けてある排紙ローラ603により搬送され、装置の本体外部に設けてある排紙トレイ9上に排出される。
【0045】
一方、二次転写終了後の前記中間転写ベルト401の表面はブレードからなるクリーニング手段415によって清掃され、新たなトナー像を担持する準備がなされる。
【0046】
なお、図において、通路切替部材601の実線位置は定着処理後に用紙Pの上下面を反転させて排出する場合に保持される位置であり、破線位置は、上述のごとく、ベルト定着装置Tから送り出された用紙Pを反転せずにそのまま排出する際に保持される位置である。
【0047】
例えば、用紙Pの反転排出においては、ベルト定着装置Tから送り出された用紙Pは前記通路切替部材601の右側の面に沿って下方に案内され、ローラ対602によって進行方向における後端が挟持される状態まで進み、停止する。
次にローラ対602が逆回転し、用紙Pは上方に送られ、前記切替部材601の左面に沿って進み、前記排紙ローラ603に達し、当該排出ローラにて排出される。
【0048】
また、前記自動原稿送り装置1を用いる両面コピーモードの場合の用紙Pの挙動は、反転排出の場合と同様に、片面に画像が形成された定着処理後の用紙Pを前記切替部材601の右側の面に沿って下方に導き、進行方向における用紙Pの後端をローラ対605により挟持した状態で搬送を停止し、該ローラ対を逆回転させ、ガイド板Gに沿って上昇させ、複数のローラ対701、703、705を有する反転紙再給紙部7に導くことで用紙Pの反転を達成する。
【0049】
用紙Pの第2面に対する画像形成プロセスは、前述の第1面の場合と同様であり、前記定着装置から送り出された後の排出については、前述の何れかを選択することになる。
【0050】
次に、本発明によるベルト定着装置の構成を図2、および、図3を用いて詳細に説明をする。
【0051】
図2はベルト定着装置を説明するために構成を模式的に示す上面図であり、図3は同じく正面図である。
【0052】
本実施の形態は、定着ベルト801を支持する複数の支持ローラが2本の場合であり、第1ローラを駆動ローラ802、第2ローラを従動回転する加熱ローラ803としてある。
【0053】
定着ベルト801は、前記定着ベルトを保持するための支持ローラであるところの駆動ローラ802と加熱ローラ803により、回転可能に懸架されている。前記定着ベルト801は、耐熱樹脂や金属を基体とし、その上にシリコンゴム層、および、フッ素樹脂からなる離型層が設けてあり、厚みは0.1mm〜1mm、周長160mm〜300mm、幅250mm〜350mmのベルトである。
【0054】
また、前記駆動ローラ802は、外径30mm〜50mm、長さ250mm〜350mmのローラである。基体は1mm〜3mmの厚さの鉄あるいはアルミニウムの管で、表面に厚さ約5mmのシリコンゴム、あるいはシリコンスポンジ等からなる弾性層Dを有する。また、減速器を備えたモータM1により駆動力を得て、定着ベルト801、加熱ローラ803、加圧ローラ804を回転させる。なお、前記駆動ローラ802の回転速度は、第2検知手段であるエンコーダE2により出力される電気的パルス信号を、駆動制御部C1に取り込み、得られたデジタル情報を演算処理をし、その結果に基づき前記モータM1を制御することにより任意の回転速度に設定できるように構成してある。また、モータM1にステッピングモータを用いることにより、エンコーダE2を省略して前記駆動ローラ802の回転速度を制御することも可能である。
【0055】
加熱ローラ803は、前述したごとく、定着ベルト801を懸架支持し、作動状態においては前記定着ベルト801から動力伝達を受け従動回転をする従動ローラである。前記加熱ローラ803の外径は30mm〜50mm、長さ250mm〜350mmで、肉厚0.5mm〜3mmのアルミニウムあるいは鉄の管で作られたローラである。加熱ローラ803の表面温度は温度検知手段である温度センサTS、加熱ローラ803の加熱手段であるヒータH、および温度コントローラH1により制御される。また、前記加熱ローラ803の回転速度は、第2検知手段であるエンコーダE1により出力される電気的パルス信号により、定着ベルト801の周速度を制御するためのフィードバック情報として前記駆動制御部C1に伝達される。
【0056】
加圧ローラ804は、加圧レバー805の一端に回転可能に取り付けられており、前記駆動ローラ802と定着ベルト801を挟んで対峙し、押圧力を加える。前記加圧ローラ804の外径は30mm〜70mm、長さ250mm〜350mmで、基体である肉厚1.5〜3mmの鉄あるいはアルミニウムの管上の表面に厚さ1〜3mmのシリコンゴム、または、シリコンスポンジ等からなる弾性層Dを設けた構成となっている。
【0057】
なお、前記駆動ローラ802、加圧ローラ804の関係については、加圧ローラと対峙している支持ローラを駆動ローラとして説明したが、駆動ローラとしての役割を加圧ローラに持たせ、前記支持ローラを定着ベルトを介して従動回転させてもよい。
【0058】
前記加圧レバー805は支点806を中心に回転可能で、加圧バネ807の力により、前記加圧ローラ804を介して定着ベルト801および駆動ローラ802に対し押圧力を加える。
【0059】
前記加圧バネ807の圧縮の大きさは、圧縮レバー808と該レバーの一端を上下させる偏芯カム810により可変となっている。
【0060】
前記偏芯カム810と同軸上には、偏芯カムを回転させるための動力伝達部品であるウオームホイル811、および、偏芯カムの停止位置を検出するためのエンコーダ板814が取り付けられている。
【0061】
前記偏芯カム810は、モータM2によりウオームホイル811、および、ウオーム812を介して回転駆動される。また前記偏芯カム810の回転は、エンコーダ板814と第1光学センサ815、および、第2光学センサ816から得られる電気的パルス信号を定着制御部Cに取り込み、判断処理を行った後、加圧制御部C2から出力される停止信号により前記モータM2の回転を止めることで、前記エンコーダ板814の所定位置にて停止させることができる。
【0062】
エンコーダ板814には、外周に沿って複数の等ピッチの切り欠き部があり、前記複数の等ピッチの切り欠き部の最初の切り欠き部の深さは、他の切り欠き部に比較して、2倍程度深くしてある。前記第1光学センサ815は前述の最初の切り欠き部のみを検出し、他の切り欠き部は検出しない。なお、偏芯カム810は、第1光学センサ815が切り欠き部を検出してエンコーダ板814が停止している時には、偏芯カム810は最短径部が圧縮レバー808に当接しているように取り付けられている。一方、第2光学センサ816はエンコーダ板814の外周にある全ての切り欠き部を検出する。
【0063】
トナー画像を担持した用紙Pはガイド板817に支持されながら進行し、定着ベルト801と加圧ローラ804の間にニップされ、加熱、加圧されて、トナー画像は用紙Pに定着される。この際、中間転写ベルト401から分離し、中間転写ベルトの周速度と同じ速度で進行してくる用紙Pの速度と定着ベルト801の周速度に大きな速度差が存在すると、画像こすれ、画像ずれ等の不都合を生じる。これらの不都合を解消するためには、前記速度差をできるだけ小さくすることが重要である。一方、加圧ローラ804により常に押圧力を受けている駆動ローラ802は、前述したように、表面に弾性層Dを有しており、この弾性層の温度による熱膨張による外径変化、および、経時変化による弾性層の弾性変化に伴う外径変化が存在する。従って、前記駆動ローラ802により回転している定着ベルト801の速度は、モータM1の回転速度が一定であっても、前述の外径変化によって変化し、前記速度差が大きくなる危険性が生ずる。
【0064】
本発明による前記駆動ローラ802の回転速度の制御は、定着ベルト801により動力伝達され、従動回転する加熱ローラ803の回転量を検出するエンコーダE1の出力信号の変化を基に行うものである。前述の駆動ローラ802の外径変化により、定着ベルト801の周速度が変化し、加熱ローラ803の回転速度が変化すると、前記出力信号が変化する。この信号を駆動制御部C1に取り込み、エンコーダE1から出力されるパルス信号が変化する以前の元の出力パルス信号と同様になるように、駆動制御部C1によりモータM1の回転速度を制御する。この方法により、加熱ローラ803は駆動ローラ802の外径変化に関係なく一定の回転を維持するように制御されるので、同時に定着ベルト801の周速度も一定に制御される。
【0065】
なお、加熱ローラ803は前述した、アルミニウムのローラで、駆動ローラ802に比較し、温度あるいは経時による外径変化はきわめて小さく、定着ベルト801の周速度と加熱ローラ803の回転速度の関係の変化は、通常は無視できるが、もし必要があれば、エンコーダE1の出力から得られた値に、あらかじめ設定しておいた加熱ローラ803の外径の温度変化分の補正を、温度センサTSにて検知された前記加熱ローラ803の表面温度を基に、駆動制御部C1にて加えてもよい。
【0066】
前述の駆動ローラ802、加圧ローラ804の外径変化は、定着ベルト801の周速度に変化を与えるだけでなく、用紙Pをニップする条件、例えばニップ幅、ニップ圧等の変化ももたらし、その結果はトナー画像の用紙Pへの定着条件の変化として現れ、所定の定着性能を発揮しなくなる危険性を生ずる。
【0067】
本発明は、駆動ローラ802の回転速度、加熱ローラ803の回転速度と温度を検出し、前記駆動ローラ802の回転速度と前記加熱ローラ803の回転速度の差あるいは比の変化より、ニップ幅の変化を計算し、その結果に対応して、加熱ローラの温度制御、あるいは加圧ローラ804の押圧力の制御、もしくは前記温度制御と押圧力の制御を同時に行うものである。
【0068】
関数式としては、Tb=Tb(Th、Rh、Rm)
Tb:定着ベルト801の温度
Th:加熱ローラ803の表面温度
Rh:加熱ローラ803の回転速度
Rm:駆動ローラ802の回転速度
のように表現されるが、実用に際しては、実験的に求めた値を3次元テーブルの形で定着制御部C内のメモリにストアし、検知されたTh、Rh、Rmの値を基に、前記テーブルを参照し、前述の温度、または押圧力、もしくは両方の制御を行う。例えば、加熱ローラ803の回転速度Rh、表面温度Thが初期設定値で不変の時に、駆動ローラ802の回転速度Rmが初期設定値よりも上昇した場合、駆動ローラ802の弾性層のつぶれ量が増加し、ニップ幅の増加が起こっているという判断を行い、定着性能を初期の性能に保つことを目的として定着ベルト801の温度を下げるように、加熱ローラ803の表面温度Thを温度コントローラH1により制御する。新たに設定される加熱ローラ803の表面温度Thの値は前記テーブルより引用される。
【0069】
前述の例は、加熱ローラ803の表面温度Thを制御することにより定着性能を維持する方法であるが、駆動ローラ802の回転速度Rmを初期の設定値になるように加圧ローラ804の押圧力を加圧制御部C2により制御してもよい。
【0070】
前述の加熱ローラ803の表面温度Thあるいは加圧ローラ804の押圧力という単独因子の制御では定着性能を一定に維持することが困難である場合、もしくは、単独因子の制御の大きさにある制限を設ける必要がある場合には、あらかじめ定着制御部Cのメモリ内のテーブルに設定された値を基に、二つの因子、即ち、加熱ローラ803の表面温度Th、および加圧ローラ804の押圧力の二つの因子の制御を行う。
【0071】
また、本発明では、前述の駆動ローラ802と加熱ローラ803の回転速度の差あるいは比が、継続してある一定の値を超えたときには、駆動ローラ802の経時変化が進行し、使用限界に達した、あるいは使用限界に近づいたと判断し、駆動ローラ802、もしくは駆動ローラ802を含むユニットの交換を促すようにしてある。交換を促す手段は、操作部(不図示)による表示や、各種通信手段による使用者、管理者への通報など、適宜な手段でよい。また、使用限界を大きく超えて使用が継続され、機器損傷のおそれがある場合には画像形成装置本体の動作を強制的に止めてもよい。
【0072】
図3で示されるように、加圧ローラ804の押圧力は加圧バネ807によって与えられるが、その押圧力の大きさは、加圧バネ807単体の仕様、および、取り付け設定位置により決定される。しかしながら、一般にバネ製品の強さのばらつきは10%程度はあるので、ベルト定着装置の製造組み立て時には、この影響を除くための調整が必要になる。
【0073】
本発明では、加熱ローラ803の回転速度と駆動ローラ802の回転速度から、初期の加圧バネの圧縮条件を設定している。
【0074】
偏芯カム810と同軸で回転するエンコーダ板814の最初の端の切り欠き部を第1光学センサ815が検出している時には、偏芯カム810の最短径部が圧縮レバー808に当接しているので、加圧バネ807は最も圧縮が弱い状態となっている。
【0075】
偏芯カム810が回転すると、回転に伴って徐々に前記偏芯カム810の長径部が圧縮レバー808に当接するようになり、加圧バネ807は圧縮レバー808の移動により、強く圧縮されるようになる。偏芯カム810の回転と同時にエンコーダ板814も回転するので第2光学センサ816により通過した切り欠き部が計数され、得られた数より、対応する偏芯カム810の圧縮レバー808に当接している位置を特定できる構成となっている。
【0076】
製品組み立て時、あるいは駆動ローラ802の交換時には、駆動ローラ802の外径および弾性の製造上のばらつきは小さいので、加熱ローラ803の回転速度を所定の速度に保つための駆動ローラ802の回転速度がある範囲外にある場合には、加圧ローラ804の押圧力が大きいか、もしくは小さく、結果として、ニップ幅が初期の範囲の値に入っていないと判断される。加熱ローラ803の回転速度Rhは初期の既定値に保ちつつ、前記駆動ローラ802の回転速度を所定の範囲に収まるように加圧ローラ804の押圧力を偏芯カム810の回転により設定する。
【0077】
調整後の偏芯カム810の停止位置は加圧制御部C2の記憶手段であるメモリ内に記憶され、前記記憶された情報は初期の押圧力を付与した条件として前述のテーブル引用時に参照される。
【0078】
【発明の効果】
本発明により、ベルト定着装置に使用される弾性層を有するローラの加熱、および経時による物理的特性の変化により引き起こされる、定着ベルトの周速度の変化や定着性能の変化を、駆動ローラおよび従動ローラの回転速度、加熱ローラの表面温度等の検知情報から、駆動ローラの回転速度、加熱ローラの表面温度、加圧ローラの押圧力等を制御することにより、最小限に抑えることができ、長期にわたり安定した高品質の画像定着を行う画像形成装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】ベルト定着装置を説明するために構成を模式的に示す上面図である。
【図3】ベルト定着装置を説明するために構成を模式的に示す正面図である。
【符号の説明】
1 自動原稿送り装置
2 画像読み取り装置
3 画像形成部
30 画像形成手段(画像形成ユニット)
801 定着ベルト
802 駆動ローラ(第1支持ローラ)
803 加熱ローラ(第2支持ローラ)
804 加圧ローラ
805 加圧レバー
807 加圧バネ
808 圧縮レバー
810 偏芯カム
814 エンコーダ板
T ベルト定着装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真方式による画像形成は、光学的に感光体上に静電潜像を形成した後に、いわゆる樹脂と着色剤より構成されるトナーにより現像を行い、感光体上に可視像を形成し、次に、前記可視像を用紙等の転写材に転写し、さらに、前記転写材上のトナー画像および転写材に熱、および、圧力を加え、トナー画像の転写材への定着を行うことにより達成される。
【0003】
トナー画像の転写材への定着方法としては、トナー画像を担持した転写材を対向する熱ローラでニップする方式が多く採用されてきたが、近年、ベルト方式の採用も見られるようになった。
【0004】
ベルト方式の定着装置は、対向ローラ方式のものに比較して、定着装置の熱容量の低減によりウオーミングアップ時間の短縮ができ、また、接触による加熱時間の確保に寄与するニップ幅を大きくとれることから、特に、高速の画像形成装置によるカラー画像等の定着ムラの減少等、画像品位の向上等の点で優位な方式と言われている。しかしながら、十分なニップ幅を確保するためには厚い弾性層を有するローラの使用が不可欠であるということから、温度あるいは経時による定着ベルトの周速度の変化、およびニップ幅の変化が大きく、安定した定着性能の維持が困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の不具合に鑑みてなされたもので、その目的は定着ベルトの周速度やニップ幅の変化を極力抑制し、結果として、高品質の定着画像を安定して得られる定着装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、以下の手段により達成できる。
【0007】
(1) 定着ベルトと、前記定着ベルトを回転可能に懸架する第1支持ローラと第2支持ローラの少なくとも二つの支持ローラと、前記第1支持ローラと前記定着ベルトを挟んで対峙する加圧ローラとを有し、前記第1支持ローラまたは前記加圧ローラを前記定着ベルトを回転駆動する駆動ローラとするとともに、第2支持ローラを前記定着ベルトにより従動回転可能となし、かつ、前記第2支持ローラに前記定着ベルトを加熱するためのヒータを内包せしめ、転写材上のトナー画像を加圧加熱により転写材に定着するベルト定着装置を備えた画像形成装置において、前記第2支持ローラの回転速度を検知する第1検知手段と、前記第1検知手段により検知された回転速度に基づき、前記第2支持ローラの回転速度を一定の速度に保持するように前記駆動ローラの回転速度を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【0008】
(2) 定着ベルトと、前記定着ベルトを回転可能に懸架する第1支持ローラと第2支持ローラの少なくとも二つの支持ローラと、前記第1支持ローラと前記定着ベルトを挟んで対峙する加圧ローラとを有し、前記第1支持ローラまたは前記加圧ローラを前記定着ベルトを回転駆動する駆動ローラとするとともに、第2支持ローラを前記定着ベルトにより従動回転可能となし、かつ、前記第2支持ローラに前記定着ベルトを加熱するためのヒータを内包せしめ、転写材上のトナー画像を加圧加熱により転写材に定着するベルト定着装置を備えた画像形成装置において、前記第2支持ローラの回転速度を検知する第1検知手段と前記第2支持ローラの表面温度を検知する温度センサと前記駆動ローラの回転速度を検知する第2検知手段と、前記第1検知手段、前記第2検知手段および前記温度センサにより検知される検知結果に基づき、定着条件を変更する制御手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。
【0009】
(3) 前記定着条件は、加熱ローラの表面温度または加圧ローラの圧力、もしくは前記表面温度と前記圧力の二つであることを特徴とする前記(2)に記載の画像形成装置。
【0010】
(4) 定着ベルトと、前記定着ベルトを回転可能に懸架する第1支持ローラと第2支持ローラの少なくとも二つの支持ローラと、前記第1支持ローラと前記定着ベルトを挟んで対峙する加圧ローラとを有し、前記第1支持ローラまたは前記加圧ローラを前記定着ベルトを回転駆動する駆動ローラとするとともに、第2支持ローラを前記定着ベルトにより従動回転可能となし、かつ、前記第2支持ローラに前記定着ベルトを加熱するためのヒータを内包せしめ、転写材上のトナー画像を加圧加熱により転写材に定着するベルト定着装置を備えた画像形成装置において、前記第2支持ローラの回転速度を検知する第1検知手段と前記第2支持ローラの表面温度を検知する温度センサと、前記駆動ローラの回転速度を検知する第2検知手段を設け、前記第1検知手段及び前記第2検知手段より検知された回転速度を比較した結果に基づき、前記駆動ローラの劣化を判定する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0011】
(5) 前記制御手段は、前記判定の結果に基づき、部品またはユニットの交換を促すための表示を行うように制御することを特徴とする前記(4)に記載の画像形成装置。
【0012】
(6) 定着ベルトと、前記定着ベルトを回転可能に懸架する第1支持ローラと第2支持ローラの少なくとも二つの支持ローラと、前記第1支持ローラと前記定着ベルトを挟んで対峙する加圧ローラとを有し、前記第1支持ローラまたは前記加圧ローラを前記定着ベルトを回転駆動する駆動ローラとするとともに、第2支持ローラを前記定着ベルトにより従動回転可能となし、かつ、前記第2支持ローラに前記定着ベルトを加熱するためのヒータを内包せしめ、転写材上のトナー画像を加圧加熱により転写材に定着するベルト定着装置を備えた画像形成装置において、前記第2支持ローラの回転速度を検知する第1検知手段と、前記駆動ローラの回転速度を検知する第2検知手段をもうけ、前記第1検知手段および第2検知手段により検知された検知結果に基づき、前記加圧ローラの押圧力を設定するとともに、前記押圧力の値を記憶手段に記憶するように制御することを特徴とする画像形成装置。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる実施の形態を、以下、図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、画像形成装置の一例としてのデジタルカラー複写機(以下、複写機という)の構成を示す概略図である。
【0015】
本実施の形態における複写機は、機体上部に自動原稿送り装置1を有するとともに、機体内に画像読み取り装置2、画像形成部3、転写ベルトユニット4、給紙部5、ベルト定着装置T、反転排紙・再給紙部6、および、反転紙再給紙部7を有している。
【0016】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を1枚ずつ送り出して画像読み取り装置へと搬送し、画像読み取りが終わった原稿を所定の場所に排出する装置である。
【0017】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を載置する原稿載置台101、載置された原稿を分離する原稿分離手段103、分離された原稿を搬送する原稿搬送部105、搬送された原稿を排紙する原稿排紙手段107、排紙された原稿を載置する原稿排紙台109、および、原稿の両面の画像を読み取る両面コピーモードにおいて、当該原稿の表裏面を反転させるために使用されるローラ対からなる原稿反転手段111を有している。
【0018】
前記原稿載置台101上に載置された複数枚の原稿(不図示)は、原稿分離手段103によって1枚ずつ分離され、前記原稿搬送部105を介して画像読み取り位置に向けて搬送される。
【0019】
前記原稿読み取り位置は、前記原稿搬送部105の下方部に設けられており、そこで、搬送中の原稿は画像読み取り装置2を構成するスリット201を介して走査され読み取られる。読み取られた原稿は原稿排紙手段107によって原稿排紙台109上に排出される。
【0020】
なお、両面コピーモードにおいては、片面が読み取られて搬送されてくる原稿は、前記原稿反転手段111により二点鎖線の矢印の示す方向に搬送され、進行方向における後端を咬んでいる状態で、当該原稿反転手段111の駆動が停止された後の逆方向回転により前記原稿搬送部105を介して再度、画像読み取り位置に導かれ、しかる後、前記原稿排出手段107によって原稿排紙台109上に排出される。
【0021】
上記の工程は、原稿載置台101上に載置された原稿の枚数分繰り返される。前記画像読み取り装置2は、前記スリット201、原稿を照射するためのランプ213と原稿からの反射光を反射させる第1ミラー215とを一体化してなる第1ミラーユニット205、第1ミラー215からの光を反射させる第2ミラー217と第3ミラー219とを略V字状に一体化してなる第2ミラーユニット207と、当該第3ミラー219からの反射光を撮像素子上に結像させる結像レンズ209、および、結像レンズ209によって結像された光像を光電変換して画像処理装置へ画像信号を送るライン状の撮像素子(以下、CCDという)211を有している。
【0022】
画像処理装置をはじめ、ベルト定着装置の制御部であるところの、C1、C2、H1等も含む制御手段Sは、前記CCDからの画像情報を取り込み、適宜の画像処理を施し、一旦、メモリに蓄積する。
【0023】
前記自動原稿送り装置1によって送られている原稿を、画像読み取り装置2で読み取る態様においては、第1ミラーユニット205、および、第2ミラーユニット207は、図1で示される位置に固定されている。
【0024】
前記画像読み取り装置2によって読み取られ、制御部Sにて画像処理を施された各色の画像情報はメモリより順次取り出され、画像形成部3を構成する各露光光学系305にそれぞれ電気信号として出力される。
【0025】
前記画像形成部3は、色分解画像に応じたトナー画像を形成するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の4組の画像形成手段(以下、画像形成ユニットという)30を含む。
【0026】
それぞれの画像形成ユニット30は、感光体ドラム301、スコロトロン形式からなるコロナ帯電器(以下、単に帯電器という)303、画像書き込み手段である露光光学系305、および、現像器350を主要構成要素とする。
【0027】
前記露光光学系305はレーザ光学系で構成される露光ユニットであり、その構成自体は公知である。309はドラムクリーニング手段である。
【0028】
4組の画像形成ユニットの機械的構成は同じであるので、符号は1つのユニットにのみ付してある。
【0029】
なお、それぞれの画像形成ユニット30は、ベルト設置部において縦方向に長く配設された、ベルトユニット4を構成するループ状の回転ベルト(以下、中間転写ベルトという)401の一平面(張設面)Aに沿って、上から、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に配列されている。
【0030】
403は前記中間転写ベルト401の内側であって、かつ、前記感光体ドラム301の周面一部に対向して位置づけられた転写手段である。
【0031】
前記転写手段403は、中間転写ベルト401を回転可能に懸架する転写ベルト支持ローラ405、406、407、および、バックアップローラ410等と共にベルトユニット4を構成し、また、前記バックアップローラ410は、中間転写ベルト401を挟んで当該バックアップローラと押圧しながら回転するように対向配置した転写ローラ510とで二次転写手段を構成している。
【0032】
上記の画像形成ユニット30とベルトユニット4の構成による画像形成は次のようになされる。
【0033】
画像形成プロセスの開始に伴って、反時計方向に回転する感光体ドラム301の表面は帯電器303により所定の極性に帯電される。
【0034】
次いで、露光光学系305による第1の色信号、即ち、イエロー(Y)の画像信号に対応する露光が施され、当該(Y)の画像に対応する静電潜像が前記感光体ドラム301上に形成される。
【0035】
前記静電潜像は現像器350で反転現像されて(Y)のトナー像に変換された後、転写手段403により中間転写ベルト401上に転写される。
【0036】
第1の色信号による画像形成開始から所定の時間後に順次開始される他の色信号による画像形成は上記と同様のプロセスにより、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各画像形成ユニットによって作られ、それぞれのトナー像が前記(Y)のトナー像のある画像領域と重畳するように順次転写され、前記中間転写ベルト401上に重ね合わせのカラートナー像が形成される。
【0037】
一方、転写処理終了後の前記感光体ドラム301の表面はドラムクリーニング手段309で清掃され、新たな画像形成のための準備が整えられる。
【0038】
なお、前記感光体ドラム301、あるいは、中間転写ベルト401に対する個々の画像形成プロセスの開始タイミングは、前記中間転写ベルト401の回転路の適切な位置に付設したレジストセンサ413が、当該中間転写ベルト401に設けた、例えば、塗料を用いて形成した基準マークを検知した時を起点として計時を行い、所定時間経過毎に、順次、(Y)、(M)、(C)、(K)プロセスを開始させるように制御されている。
【0039】
転写材であるところの用紙Pは、前記中間転写ベルト401上における画像形成に対応した適宜のタイミングで給紙部5の送り出し部501(511、521)に位置する給紙ローラ503(513、523)によって給紙され、レジストローラ551に向けて搬送される。
【0040】
しかる後、前記レジストローラ551の回転始動によって前記中間転写ベルト401上のカラートナー像領域と重畳するように2次転写部に向けて給送された用紙Pは、2次転写部において、前記バックアップローラ410と前記転写ローラ510とにより前記中間ベルト401と共に押圧挟持されながらニップ部から送り出され、この間で、前記中間転写ベルト401上に担持(形成)されたカラートナー画像が前記用紙P上に転写される。
【0041】
なお、前記転写の際、前記転写ローラ510に適宜の転写バイアス電圧を印加するように構成することが望ましい。
【0042】
トナー画像が転写された前記用紙Pは、例えば、不図示の分離爪の作用を受けて前記中間転写ベルト401から分離され、ベルト定着装置Tに向けて搬送される。
【0043】
ベルト定着装置Tについての説明は、後に、図2、図3をもとに詳細に行うので、ここでは省略する。
【0044】
ベルト定着装置Tによる定着処理終了後の用紙Pは、その下流に設けてある排紙ローラ603により搬送され、装置の本体外部に設けてある排紙トレイ9上に排出される。
【0045】
一方、二次転写終了後の前記中間転写ベルト401の表面はブレードからなるクリーニング手段415によって清掃され、新たなトナー像を担持する準備がなされる。
【0046】
なお、図において、通路切替部材601の実線位置は定着処理後に用紙Pの上下面を反転させて排出する場合に保持される位置であり、破線位置は、上述のごとく、ベルト定着装置Tから送り出された用紙Pを反転せずにそのまま排出する際に保持される位置である。
【0047】
例えば、用紙Pの反転排出においては、ベルト定着装置Tから送り出された用紙Pは前記通路切替部材601の右側の面に沿って下方に案内され、ローラ対602によって進行方向における後端が挟持される状態まで進み、停止する。
次にローラ対602が逆回転し、用紙Pは上方に送られ、前記切替部材601の左面に沿って進み、前記排紙ローラ603に達し、当該排出ローラにて排出される。
【0048】
また、前記自動原稿送り装置1を用いる両面コピーモードの場合の用紙Pの挙動は、反転排出の場合と同様に、片面に画像が形成された定着処理後の用紙Pを前記切替部材601の右側の面に沿って下方に導き、進行方向における用紙Pの後端をローラ対605により挟持した状態で搬送を停止し、該ローラ対を逆回転させ、ガイド板Gに沿って上昇させ、複数のローラ対701、703、705を有する反転紙再給紙部7に導くことで用紙Pの反転を達成する。
【0049】
用紙Pの第2面に対する画像形成プロセスは、前述の第1面の場合と同様であり、前記定着装置から送り出された後の排出については、前述の何れかを選択することになる。
【0050】
次に、本発明によるベルト定着装置の構成を図2、および、図3を用いて詳細に説明をする。
【0051】
図2はベルト定着装置を説明するために構成を模式的に示す上面図であり、図3は同じく正面図である。
【0052】
本実施の形態は、定着ベルト801を支持する複数の支持ローラが2本の場合であり、第1ローラを駆動ローラ802、第2ローラを従動回転する加熱ローラ803としてある。
【0053】
定着ベルト801は、前記定着ベルトを保持するための支持ローラであるところの駆動ローラ802と加熱ローラ803により、回転可能に懸架されている。前記定着ベルト801は、耐熱樹脂や金属を基体とし、その上にシリコンゴム層、および、フッ素樹脂からなる離型層が設けてあり、厚みは0.1mm〜1mm、周長160mm〜300mm、幅250mm〜350mmのベルトである。
【0054】
また、前記駆動ローラ802は、外径30mm〜50mm、長さ250mm〜350mmのローラである。基体は1mm〜3mmの厚さの鉄あるいはアルミニウムの管で、表面に厚さ約5mmのシリコンゴム、あるいはシリコンスポンジ等からなる弾性層Dを有する。また、減速器を備えたモータM1により駆動力を得て、定着ベルト801、加熱ローラ803、加圧ローラ804を回転させる。なお、前記駆動ローラ802の回転速度は、第2検知手段であるエンコーダE2により出力される電気的パルス信号を、駆動制御部C1に取り込み、得られたデジタル情報を演算処理をし、その結果に基づき前記モータM1を制御することにより任意の回転速度に設定できるように構成してある。また、モータM1にステッピングモータを用いることにより、エンコーダE2を省略して前記駆動ローラ802の回転速度を制御することも可能である。
【0055】
加熱ローラ803は、前述したごとく、定着ベルト801を懸架支持し、作動状態においては前記定着ベルト801から動力伝達を受け従動回転をする従動ローラである。前記加熱ローラ803の外径は30mm〜50mm、長さ250mm〜350mmで、肉厚0.5mm〜3mmのアルミニウムあるいは鉄の管で作られたローラである。加熱ローラ803の表面温度は温度検知手段である温度センサTS、加熱ローラ803の加熱手段であるヒータH、および温度コントローラH1により制御される。また、前記加熱ローラ803の回転速度は、第2検知手段であるエンコーダE1により出力される電気的パルス信号により、定着ベルト801の周速度を制御するためのフィードバック情報として前記駆動制御部C1に伝達される。
【0056】
加圧ローラ804は、加圧レバー805の一端に回転可能に取り付けられており、前記駆動ローラ802と定着ベルト801を挟んで対峙し、押圧力を加える。前記加圧ローラ804の外径は30mm〜70mm、長さ250mm〜350mmで、基体である肉厚1.5〜3mmの鉄あるいはアルミニウムの管上の表面に厚さ1〜3mmのシリコンゴム、または、シリコンスポンジ等からなる弾性層Dを設けた構成となっている。
【0057】
なお、前記駆動ローラ802、加圧ローラ804の関係については、加圧ローラと対峙している支持ローラを駆動ローラとして説明したが、駆動ローラとしての役割を加圧ローラに持たせ、前記支持ローラを定着ベルトを介して従動回転させてもよい。
【0058】
前記加圧レバー805は支点806を中心に回転可能で、加圧バネ807の力により、前記加圧ローラ804を介して定着ベルト801および駆動ローラ802に対し押圧力を加える。
【0059】
前記加圧バネ807の圧縮の大きさは、圧縮レバー808と該レバーの一端を上下させる偏芯カム810により可変となっている。
【0060】
前記偏芯カム810と同軸上には、偏芯カムを回転させるための動力伝達部品であるウオームホイル811、および、偏芯カムの停止位置を検出するためのエンコーダ板814が取り付けられている。
【0061】
前記偏芯カム810は、モータM2によりウオームホイル811、および、ウオーム812を介して回転駆動される。また前記偏芯カム810の回転は、エンコーダ板814と第1光学センサ815、および、第2光学センサ816から得られる電気的パルス信号を定着制御部Cに取り込み、判断処理を行った後、加圧制御部C2から出力される停止信号により前記モータM2の回転を止めることで、前記エンコーダ板814の所定位置にて停止させることができる。
【0062】
エンコーダ板814には、外周に沿って複数の等ピッチの切り欠き部があり、前記複数の等ピッチの切り欠き部の最初の切り欠き部の深さは、他の切り欠き部に比較して、2倍程度深くしてある。前記第1光学センサ815は前述の最初の切り欠き部のみを検出し、他の切り欠き部は検出しない。なお、偏芯カム810は、第1光学センサ815が切り欠き部を検出してエンコーダ板814が停止している時には、偏芯カム810は最短径部が圧縮レバー808に当接しているように取り付けられている。一方、第2光学センサ816はエンコーダ板814の外周にある全ての切り欠き部を検出する。
【0063】
トナー画像を担持した用紙Pはガイド板817に支持されながら進行し、定着ベルト801と加圧ローラ804の間にニップされ、加熱、加圧されて、トナー画像は用紙Pに定着される。この際、中間転写ベルト401から分離し、中間転写ベルトの周速度と同じ速度で進行してくる用紙Pの速度と定着ベルト801の周速度に大きな速度差が存在すると、画像こすれ、画像ずれ等の不都合を生じる。これらの不都合を解消するためには、前記速度差をできるだけ小さくすることが重要である。一方、加圧ローラ804により常に押圧力を受けている駆動ローラ802は、前述したように、表面に弾性層Dを有しており、この弾性層の温度による熱膨張による外径変化、および、経時変化による弾性層の弾性変化に伴う外径変化が存在する。従って、前記駆動ローラ802により回転している定着ベルト801の速度は、モータM1の回転速度が一定であっても、前述の外径変化によって変化し、前記速度差が大きくなる危険性が生ずる。
【0064】
本発明による前記駆動ローラ802の回転速度の制御は、定着ベルト801により動力伝達され、従動回転する加熱ローラ803の回転量を検出するエンコーダE1の出力信号の変化を基に行うものである。前述の駆動ローラ802の外径変化により、定着ベルト801の周速度が変化し、加熱ローラ803の回転速度が変化すると、前記出力信号が変化する。この信号を駆動制御部C1に取り込み、エンコーダE1から出力されるパルス信号が変化する以前の元の出力パルス信号と同様になるように、駆動制御部C1によりモータM1の回転速度を制御する。この方法により、加熱ローラ803は駆動ローラ802の外径変化に関係なく一定の回転を維持するように制御されるので、同時に定着ベルト801の周速度も一定に制御される。
【0065】
なお、加熱ローラ803は前述した、アルミニウムのローラで、駆動ローラ802に比較し、温度あるいは経時による外径変化はきわめて小さく、定着ベルト801の周速度と加熱ローラ803の回転速度の関係の変化は、通常は無視できるが、もし必要があれば、エンコーダE1の出力から得られた値に、あらかじめ設定しておいた加熱ローラ803の外径の温度変化分の補正を、温度センサTSにて検知された前記加熱ローラ803の表面温度を基に、駆動制御部C1にて加えてもよい。
【0066】
前述の駆動ローラ802、加圧ローラ804の外径変化は、定着ベルト801の周速度に変化を与えるだけでなく、用紙Pをニップする条件、例えばニップ幅、ニップ圧等の変化ももたらし、その結果はトナー画像の用紙Pへの定着条件の変化として現れ、所定の定着性能を発揮しなくなる危険性を生ずる。
【0067】
本発明は、駆動ローラ802の回転速度、加熱ローラ803の回転速度と温度を検出し、前記駆動ローラ802の回転速度と前記加熱ローラ803の回転速度の差あるいは比の変化より、ニップ幅の変化を計算し、その結果に対応して、加熱ローラの温度制御、あるいは加圧ローラ804の押圧力の制御、もしくは前記温度制御と押圧力の制御を同時に行うものである。
【0068】
関数式としては、Tb=Tb(Th、Rh、Rm)
Tb:定着ベルト801の温度
Th:加熱ローラ803の表面温度
Rh:加熱ローラ803の回転速度
Rm:駆動ローラ802の回転速度
のように表現されるが、実用に際しては、実験的に求めた値を3次元テーブルの形で定着制御部C内のメモリにストアし、検知されたTh、Rh、Rmの値を基に、前記テーブルを参照し、前述の温度、または押圧力、もしくは両方の制御を行う。例えば、加熱ローラ803の回転速度Rh、表面温度Thが初期設定値で不変の時に、駆動ローラ802の回転速度Rmが初期設定値よりも上昇した場合、駆動ローラ802の弾性層のつぶれ量が増加し、ニップ幅の増加が起こっているという判断を行い、定着性能を初期の性能に保つことを目的として定着ベルト801の温度を下げるように、加熱ローラ803の表面温度Thを温度コントローラH1により制御する。新たに設定される加熱ローラ803の表面温度Thの値は前記テーブルより引用される。
【0069】
前述の例は、加熱ローラ803の表面温度Thを制御することにより定着性能を維持する方法であるが、駆動ローラ802の回転速度Rmを初期の設定値になるように加圧ローラ804の押圧力を加圧制御部C2により制御してもよい。
【0070】
前述の加熱ローラ803の表面温度Thあるいは加圧ローラ804の押圧力という単独因子の制御では定着性能を一定に維持することが困難である場合、もしくは、単独因子の制御の大きさにある制限を設ける必要がある場合には、あらかじめ定着制御部Cのメモリ内のテーブルに設定された値を基に、二つの因子、即ち、加熱ローラ803の表面温度Th、および加圧ローラ804の押圧力の二つの因子の制御を行う。
【0071】
また、本発明では、前述の駆動ローラ802と加熱ローラ803の回転速度の差あるいは比が、継続してある一定の値を超えたときには、駆動ローラ802の経時変化が進行し、使用限界に達した、あるいは使用限界に近づいたと判断し、駆動ローラ802、もしくは駆動ローラ802を含むユニットの交換を促すようにしてある。交換を促す手段は、操作部(不図示)による表示や、各種通信手段による使用者、管理者への通報など、適宜な手段でよい。また、使用限界を大きく超えて使用が継続され、機器損傷のおそれがある場合には画像形成装置本体の動作を強制的に止めてもよい。
【0072】
図3で示されるように、加圧ローラ804の押圧力は加圧バネ807によって与えられるが、その押圧力の大きさは、加圧バネ807単体の仕様、および、取り付け設定位置により決定される。しかしながら、一般にバネ製品の強さのばらつきは10%程度はあるので、ベルト定着装置の製造組み立て時には、この影響を除くための調整が必要になる。
【0073】
本発明では、加熱ローラ803の回転速度と駆動ローラ802の回転速度から、初期の加圧バネの圧縮条件を設定している。
【0074】
偏芯カム810と同軸で回転するエンコーダ板814の最初の端の切り欠き部を第1光学センサ815が検出している時には、偏芯カム810の最短径部が圧縮レバー808に当接しているので、加圧バネ807は最も圧縮が弱い状態となっている。
【0075】
偏芯カム810が回転すると、回転に伴って徐々に前記偏芯カム810の長径部が圧縮レバー808に当接するようになり、加圧バネ807は圧縮レバー808の移動により、強く圧縮されるようになる。偏芯カム810の回転と同時にエンコーダ板814も回転するので第2光学センサ816により通過した切り欠き部が計数され、得られた数より、対応する偏芯カム810の圧縮レバー808に当接している位置を特定できる構成となっている。
【0076】
製品組み立て時、あるいは駆動ローラ802の交換時には、駆動ローラ802の外径および弾性の製造上のばらつきは小さいので、加熱ローラ803の回転速度を所定の速度に保つための駆動ローラ802の回転速度がある範囲外にある場合には、加圧ローラ804の押圧力が大きいか、もしくは小さく、結果として、ニップ幅が初期の範囲の値に入っていないと判断される。加熱ローラ803の回転速度Rhは初期の既定値に保ちつつ、前記駆動ローラ802の回転速度を所定の範囲に収まるように加圧ローラ804の押圧力を偏芯カム810の回転により設定する。
【0077】
調整後の偏芯カム810の停止位置は加圧制御部C2の記憶手段であるメモリ内に記憶され、前記記憶された情報は初期の押圧力を付与した条件として前述のテーブル引用時に参照される。
【0078】
【発明の効果】
本発明により、ベルト定着装置に使用される弾性層を有するローラの加熱、および経時による物理的特性の変化により引き起こされる、定着ベルトの周速度の変化や定着性能の変化を、駆動ローラおよび従動ローラの回転速度、加熱ローラの表面温度等の検知情報から、駆動ローラの回転速度、加熱ローラの表面温度、加圧ローラの押圧力等を制御することにより、最小限に抑えることができ、長期にわたり安定した高品質の画像定着を行う画像形成装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】ベルト定着装置を説明するために構成を模式的に示す上面図である。
【図3】ベルト定着装置を説明するために構成を模式的に示す正面図である。
【符号の説明】
1 自動原稿送り装置
2 画像読み取り装置
3 画像形成部
30 画像形成手段(画像形成ユニット)
801 定着ベルト
802 駆動ローラ(第1支持ローラ)
803 加熱ローラ(第2支持ローラ)
804 加圧ローラ
805 加圧レバー
807 加圧バネ
808 圧縮レバー
810 偏芯カム
814 エンコーダ板
T ベルト定着装置
Claims (6)
- 定着ベルトと、前記定着ベルトを回転可能に懸架する第1支持ローラと第2支持ローラの少なくとも二つの支持ローラと、前記第1支持ローラと前記定着ベルトを挟んで対峙する加圧ローラとを有し、前記第1支持ローラまたは前記加圧ローラを前記定着ベルトを回転駆動する駆動ローラとするとともに、第2支持ローラを前記定着ベルトにより従動回転可能となし、かつ、前記第2支持ローラに前記定着ベルトを加熱するためのヒータを内包せしめ、転写材上のトナー画像を加圧加熱により転写材に定着するベルト定着装置を備えた画像形成装置において、前記第2支持ローラの回転速度を検知する第1検知手段と、前記第1検知手段により検知された回転速度に基づき、前記第2支持ローラの回転速度を一定の速度に保持するように前記駆動ローラの回転速度を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
- 定着ベルトと、前記定着ベルトを回転可能に懸架する第1支持ローラと第2支持ローラの少なくとも二つの支持ローラと、前記第1支持ローラと前記定着ベルトを挟んで対峙する加圧ローラとを有し、前記第1支持ローラまたは前記加圧ローラを前記定着ベルトを回転駆動する駆動ローラとするとともに、第2支持ローラを前記定着ベルトにより従動回転可能となし、かつ、前記第2支持ローラに前記定着ベルトを加熱するためのヒータを内包せしめ、転写材上のトナー画像を加圧加熱により転写材に定着するベルト定着装置を備えた画像形成装置において、前記第2支持ローラの回転速度を検知する第1検知手段と前記第2支持ローラの表面温度を検知する温度センサと前記駆動ローラの回転速度を検知する第2検知手段と、前記第1検知手段、前記第2検知手段および前記温度センサにより検知される検知結果に基づき、定着条件を変更する制御手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。
- 前記定着条件は、加熱ローラの表面温度または加圧ローラの圧力、もしくは前記表面温度と前記圧力の二つであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 定着ベルトと、前記定着ベルトを回転可能に懸架する第1支持ローラと第2支持ローラの少なくとも二つの支持ローラと、前記第1支持ローラと前記定着ベルトを挟んで対峙する加圧ローラとを有し、前記第1支持ローラまたは前記加圧ローラを前記定着ベルトを回転駆動する駆動ローラとするとともに、第2支持ローラを前記定着ベルトにより従動回転可能となし、かつ、前記第2支持ローラに前記定着ベルトを加熱するためのヒータを内包せしめ、転写材上のトナー画像を加圧加熱により転写材に定着するベルト定着装置を備えた画像形成装置において、前記第2支持ローラの回転速度を検知する第1検知手段と前記第2支持ローラの表面温度を検知する温度センサと、前記駆動ローラの回転速度を検知する第2検知手段を設け、前記第1検知手段及び前記第2検知手段より検知された回転速度を比較した結果に基づき、前記駆動ローラの劣化を判定する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記判定の結果に基づき、部品またはユニットの交換を促すための表示を行うように制御することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 定着ベルトと、前記定着ベルトを回転可能に懸架する第1支持ローラと第2支持ローラの少なくとも二つの支持ローラと、前記第1支持ローラと前記定着ベルトを挟んで対峙する加圧ローラとを有し、前記第1支持ローラまたは前記加圧ローラを前記定着ベルトを回転駆動する駆動ローラとするとともに、第2支持ローラを前記定着ベルトにより従動回転可能となし、かつ、前記第2支持ローラに前記定着ベルトを加熱するためのヒータを内包せしめ、転写材上のトナー画像を加圧加熱により転写材に定着するベルト定着装置を備えた画像形成装置において、前記第2支持ローラの回転速度を検知する第1検知手段と、前記駆動ローラの回転速度を検知する第2検知手段をもうけ、前記第1検知手段および第2検知手段により検知された検知結果に基づき、前記加圧ローラの押圧力を設定するとともに、前記押圧力の値を記憶手段に記憶するように制御することを特徴とする画像形成装置。
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