JP2004010778A - 易分散性顔料組成物およびその製法 - Google Patents
易分散性顔料組成物およびその製法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】着色力および色の経時安定性に優れた、易分散性の顔料組成物およびその製法を提供すること。
【解決手段】着色顔料、体質顔料、および樹脂からなる顔料組成物を提供し、該組成物は、該着色顔料と該体質顔料とを重量比で5:95〜95:5の割合で含み、そして該着色顔料および該体質顔料の合計量と該樹脂とを重量比で90:10〜10:90の割合で含む混合物を乾式摩砕して得られる。
【選択図】 なし
【解決手段】着色顔料、体質顔料、および樹脂からなる顔料組成物を提供し、該組成物は、該着色顔料と該体質顔料とを重量比で5:95〜95:5の割合で含み、そして該着色顔料および該体質顔料の合計量と該樹脂とを重量比で90:10〜10:90の割合で含む混合物を乾式摩砕して得られる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料組成物に関する。より詳細には、着色力や彩度、色安定性などに優れた易分散性の顔料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
着色力と色の安定性に優れた顔料組成物を得るために、種々の検討がなされている。例えば、特開平5−43704号公報には、有機顔料、水不溶性の常温固体の合成樹脂、水溶性無機塩、および水溶性溶剤を混練した後、無機塩と溶剤とを水洗除去し、乾燥して得られた混合物を溶媒に分散した着色組成物が記載されている。しかし、この方法で得られる着色組成物は、水を使用して脱塩脱溶剤を行うため、乾燥工程で顔料の二次凝集が起こり、顔料の分散性が悪いという問題がある。
【0003】
特開平9−188845号公報には、粗フタロシアニンを樹脂および/または有機液体の共存下で摩砕し、さらに押出し機でビヒクルと混練するインキ濃縮物の製造方法が記載されている。また、特開平10−17810号公報は、アゾ顔料と印刷インキ用樹脂とを乾式粉砕して、インキ用組成物を得る方法を記載している。しかし、これらの方法では、顔料粒子が、十分に小さくなることはなく、インクのみに使用され、着色力に優れた顔料組成物を提供することができず、色の安定性も十分ではない。
【0004】
また、特開平9−217019号公報には、顔料、水溶性樹脂、および水からなる分散体において、pHコントロールで顔料表面に水溶性樹脂を析出させて、顔料と樹脂との複合物を形成させることが記載されている。しかし、この方法では樹脂析出時に顔料もその安定性を失い顔料凝集を起こすため、得られる顔料組成物の着色力などは十分なものでなく、水性での使用に限定されるという問題がある。
【0005】
特開平11−228857号公報には、顔料、界面活性剤、およびアルカリ可溶性の固体樹脂を乾式粉砕して得られる顔料組成物が開示されている。特開平2000−290578号公報および特開平2000−351912号公報には、顔料と水溶性樹脂を乾式粉砕し、得られた粉砕物に界面活性剤を加えて分散する顔料組成物が開示されている。また、特開平2001−81390号公報には、顔料と樹脂とを混練してチップとした後、これを水性媒体に分散して得られる、水性顔料分散体が記載されている。しかし、これらの顔料組成物も、顔料粒子が十分に小さくならず、着色力および色の安定性が不十分であり、水性での使用に限定されるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、着色力および色の経時安定性に優れた、易分散性の顔料組成物およびその製法が求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、着色顔料、体質顔料、および樹脂からなる顔料組成物を提供し、該組成物は、該着色顔料と該体質顔料とを重量比で5:95〜95:5の割合で含み、そして該着色顔料および該体質顔料の合計量と該樹脂とを重量比で90:10〜10:90の割合で含む混合物を乾式摩砕して得られる。
【0008】
好ましい実施態様では、上記樹脂は、有機溶剤、水、またはアルカリ水に可溶な高分子化合物である。
【0009】
好ましい実施態様では、上記樹脂は、常温で固体である。
【0010】
好ましい実施態様では、上記体質顔料は、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、またはクレーである。
【0011】
別の好ましい実施態様では、上記着色顔料の1次粒子径は300nm以下である。
【0012】
本発明はまた、着色顔料、体質顔料、および樹脂を、該着色顔料と該体質顔料とを重量比で5:95〜95:5の割合で、ならびに該着色顔料および該体質顔料の合計量と該樹脂とを重量比で90:10〜10:90の割合で混合し、乾式摩砕する工程を含み、該着色顔料の1次粒子径が300nm以下となるように摩砕される、顔料組成物の製造方法を提供する。
【0013】
本発明はさらに、上記のいずれかの顔料組成物を含有する、塗料組成物を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の顔料組成物は、着色顔料、体質顔料、および樹脂からなり、該着色顔料と該体質顔料とを重量比で5:95〜95:5の割合で含み、そして該着色顔料および該体質顔料の合計量と該樹脂とを重量比で90:10〜10:90の割合で含む混合物を乾式摩砕して得られる。
【0015】
着色顔料とは、所望の色彩を与えるための顔料をいい、有機顔料および無機の顔料が挙げられる。
【0016】
有機顔料としては、特に制限はなく、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、アンスラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、イソインドリノン系顔料、インダントロン系顔料、フタロシアニン系顔料、フラバンスロン系顔料、ジオキサジン系顔料、ベンジジン系顔料などが例示されるが、これらに限定されない。
【0017】
無機顔料としては、特に制限はなく、金属の酸化物、硫化物あるいは硫酸塩が挙げられる。例えば、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、黄色酸化鉄、黄鉛、紺青、カーボンブラック、グラファイトなどが例示されるが、これらに限定されない。
【0018】
体質顔料とは、白色でほとんど隠蔽力のない顔料をいい、着色を目的としない顔料をいう。例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム(特に、沈降性硫酸バリウム)、カオリン、アルミナ、シリカ、タルク、マイカ、リン酸亜鉛、クレーなどが例示されるが、これらに限定されない。好ましくは、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、およびクレーである。なかでも、硫酸バリウム、特に、沈降性硫酸バリウムが好ましく用いられる。
【0019】
本発明の顔料組成物に用いられる樹脂は、塗料に通常用いられる樹脂であれば、特に制限されないが、好ましくは、有機溶剤、水、またはアルカリ水、あるいはこれらの混合物に可溶な高分子化合物である。また、樹脂は、常温で固体であることが好ましく、そして、その数平均分子量は、約1000〜100000であることが好ましい。顔料への吸着の点から、カルボキシル基などの酸基、アミノ基、またはケトン基などの官能基を有する樹脂が好ましい。これは、顔料とのヌレが向上するからである。本発明の顔料組成物に用いられる樹脂としては、例えば、ラロパールA81(BASF社)、Synthetic Resin TC(DEGUSSA)などのケトン/アルデヒド樹脂;ジョンクリル67、678、586、587、611、680、682、683、690、HPD671(ジョンソンポリマー社)、Acryloid B−66、Acryloid DM−55(Rohm&Haas)などのアクリル樹脂;ファインディックA−239−J(大日本インキ)、DemosphenR−12A(BAYER)などのポリエステル樹脂;マルキードNo.1(荒川化学工業)などのマレイン酸樹脂;アラスター700(荒川化学工業)などのスチレン・マレイン酸樹脂;ロジンエステル;ポリエチレンワックス;ポリビニルアルコール;ブチラール樹脂;セルロースアセテートブチレート;エチルセルロース;塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
これらの樹脂の他に、必要に応じて、顔料分散剤や界面活性剤を加えてもよい。顔料分散剤としては、塗料・インク業界で通常用いられるソルスパーズ24000(ゼネカ社)、THIXCIN R、THIXATROL ST、THIXATROLPLUS、DISPER AYD 9100(ELEMENTIS社)などが挙げられる。
【0021】
本発明の顔料組成物中における着色顔料と体質顔料との重量比は、5:95〜95:5の割合である。この範囲にあることが、着色力、色安定性などの点から、好ましい。比重の小さい有機顔料、カーボンブラックなどの着色顔料を用いる場合、着色顔料と体質顔料との重量比は、10:90〜80:20の割合がより好ましく、20:80〜50:50の割合がさらに好ましい。比重の大きい無機顔料を用いる場合、着色顔料と体質顔料との重量比は、50:50〜90:10の割合が好ましい。なお、詳細なメカニズムは不明であるが、体質顔料の存在により、乾式摩砕工程で着色顔料が摩砕され微粒子とされる。さらに、微粒子に摩砕された着色顔料を塗料の着色に使用した場合に、塗料の色の経時安定性などが向上する。しかし、必要とされる量以上の体質顔料を添加してもそれ以上の効果はない。
【0022】
本発明の顔料組成物中における着色顔料および体質顔料の合計量と樹脂との重量比は、90:10〜10:90の割合である。80:20〜40:60の割合が好ましく、70:30〜55:45の割合がさらに好ましい。樹脂の量が少ないと、顔料の分散性が低下する。樹脂の量が多いと、各種塗料の着色に使用する場合に、樹脂の混入量が多くなり、汎用性が低下して不利となる。
【0023】
上記の各原料は、乾式で混合摩砕されるため、常温で実質的に固体であることが好ましい。粉末状、フレーク状、または顆粒状であることがさらに好ましい。
【0024】
本発明において、「摩砕」とは、粉砕または破砕によって粒子を細かくするだけでなく、粉砕または破砕の際に加えられる摩擦力や剪断力によって、細かくなった粒子が樹脂成分と複合化されることも意味する。剪断力は、「粉体混合技術」45頁(社)日本粉体工業技術協会編 日刊工業新聞社(2001)に記載される混合・分離到達度ηが、粉体に混合処理を加えて10分以内に0.9以上に到達するように与えられることが好ましい。
【0025】
上記樹脂は、実質的に乾式摩砕されるのであれば、ワックス状、液状のものなども使用してもよい。例えば、乾式摩砕時にワックス状または液状の樹脂を滴下するなどの方法で徐々に添加してもよい。
【0026】
本発明において、着色顔料、体質顔料、および樹脂は、上記所定の重量比にて、乾式で混合摩砕される。これらは、予め混合してから乾式摩砕してもよく、あるいは着色顔料と体質顔料とを乾式摩砕しながら樹脂を添加してもよく、または着色顔料と体質顔料とを乾式摩砕した後に樹脂を添加してさらに粉砕してもよい。乾式摩砕の方法は、粉体に圧縮・衝撃・摩擦・剪断などの力を加えることのできる方法であれば、特に制限がない。乾式摩砕に使用される機械としては、一般的には、ハンマーミル、ピンミル、ディスクミルなどの高速回転式衝撃粉砕機、ローラーミル、ボールミル、遊星ミル(ハイスイング・ボールミルなど)、アトライター、ジェットミル、らいかい機、自動乳鉢、振動ミル、エッジライナー、オングミル、CFミル、クリプトロンなどが挙げられるが、これらに制限されない。
【0027】
なお、乾式摩砕工程において、摩砕の促進や摩砕装置への粉体の付着などを防止する目的で、必要により少量(乾式摩砕される材料に対して0.5〜2%)の摩砕のための粉砕助剤を加えることができる。このような粉砕助剤としては、乾式粉砕の分野で通常用いる粉砕助剤が使用できる。例えば、水、メタノール、エタノール、トリエタノールアミン、グリコール、セチルアルコールのヘキサン溶液、界面活性剤、ドデシルアンモニウムクロリド水溶液、メチルシリコン油、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、コロイド状シリカなどが挙げられる。
【0028】
乾式摩砕の時間については、特に制限はない。乾式摩砕の温度は、樹脂の軟化点より高くなると、摩砕中にブロッキングを生じる危険性があるため、樹脂の軟化点以下で行うことが好ましい。乾式摩砕は、目視により、着色顔料の色の変化がなくなった段階で終了してもよいし、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、着色顔料が目的の粒径に達したときに、摩砕を終了させてもよい。
【0029】
乾式摩砕が終了すると顔料組成物が得られる。得られる組成物は、取り扱い上、粉末または顆粒状であることが好ましい。
【0030】
上記顔料組成物中の着色顔料の1次粒子径は、好ましくは300nm以下である。着色顔料の平均粒子径が300nmを超えると、高着色力の実現がしにくくなる傾向にあるが、300nm以下では、分散性が良く、高着色力が実現される。より好ましくは、200nm以下であり、さらに好ましくは、100nm以下である。
【0031】
上記顔料組成物は、共存する樹脂成分と顔料との摩砕により、顔料表面に樹脂がこすりつけられてコーティングされている。このように、本発明の顔料組成物は樹脂で被覆されているため、2次凝集が少なくきわめて易分散性である。そのため、塗料、樹脂、または溶剤に粉末を入れてディスパーで攪拌するだけで、溶解および分散して着色塗料、インキなどを簡便に製造することができる。
【0032】
本発明の顔料組成物は、溶剤分を含んでいないため、そのまま、顔料分散ペースト、あるいは、水性塗料、溶剤系塗料、粉体塗料などの塗料全般の調製に用いられる、汎用性の高い組成物である。例えば、本発明の顔料組成物に、溶剤および顔料分散樹脂を混合し、適切な分散機(例えば、ディスパー、SGミル(サンドグラインドミル)など)を用いて顔料分散を行い、得られた顔料分散ペーストに、さらに表面調整剤、硬化剤など、通常、塗料に添加する材料を加えて、塗料が調製される。また、本発明の顔料組成物と粉体塗料用樹脂、硬化剤、その他の添加剤などとを混合して溶融混練した後、粉砕して、粉体塗料とすることができる。さらに、塗料用途以外にも、プラスチック、あるいはインキなどの着色にも当然用いることができる。
【0033】
なお、本発明の顔料組成物を用いて顔料分散ペーストあるいは塗料を調製するための、溶剤、バインダー樹脂、表面調整剤、硬化剤などは、通常、当業者が用いる材料が、必要に応じて用いられる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明が、これらの実施例に制限されないことはいうまでもない。なお、実施例において、「部」は、特に断りがない限り、「重量部」を表す。
【0035】
(実施例1)
ホスタパームエローH−3G(ヘキスト社製黄色有機顔料)10部、沈降性硫酸バリウムST(バライト工業製)15部、およびジョンクリル611(ジョンソン社製アクリル樹脂)10部を、ラピッドミル(MACCHINE MACINA SMALTO製遠心式ボールミル)に仕込み、15mmφアルミナボール90部とともに2時間摩砕し、顔料組成物を得た。
【0036】
得られた粉末状の顔料組成物のTEM写真(倍率5万倍)を図1に示す。着色顔料が微細に粉砕されるとともに、着色顔料表面に樹脂層が形成されていることが観察される。
【0037】
得られた粉末状の顔料組成物5部をNSCホワイト(日本ペイント製ポリエステルメラミン樹脂塗料)100部に加え、ディスパーで30分間攪拌して、着色塗料を得た。グラインドゲージで塗料中の着色顔料粒子の大きさを確認したところ、5μm以下であった。
【0038】
得られた塗料を4ミルのドクターブレードでガラス板に塗布して150℃で20分間乾燥させた。得られた塗膜の420nmの波長での分光反射率Rを分光光度計(ミノルタ製 CM5000)を用いて測定し、以下のクベルカムンクの式に基づき、塗膜の着色力を表すK/Sを求めた。
K/S=(1−R)2/2R
【0039】
また、塗膜の20°鏡面光沢を光沢計:マイクロトリグロス(BYKガードナー社製)で測定した。結果を表1に示す。
【0040】
(比較例1)
ジョンクリル611を10部および溶剤としてキシレンを20部加えて混合し、ジョンクリル611を溶解させた。この溶液にさらにホスターパームエローH3Gを10部および沈降性硫酸バリウムSTを15部加えて、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで分散して、分散ペーストを得た。グラインドゲージによる顔料の粒度が5μm以下になるまで2時間の分散を要した。
【0041】
NSCホワイト 100部に、上記分散ペーストを、実施例1とホスターパームエローH3Gの量が同じになるように加えて、着色塗料を作成した。実施例1と同様にして塗膜を得て、K/Sおよび20°鏡面光沢を求めた。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1からわかるように、実施例1で得られた塗膜の方がK/Sが高く、優れた着色力および光沢を有していた。
【0044】
(実施例2)
実施例1で得られた粉末状の顔料組成物5部を、オーデリサイクルS510ホワイト(日本ペイント製水性樹脂塗料)80部に加えた。さらに2.5%アンモニア水1.5部、ブチルセルソルブと水との1:1混合溶液1部を加え、ディスパーで30分間攪拌して、着色塗料を得た。グラインドゲージで塗料中の着色顔料粒子の大きさを確認したところ、5μm以下であった。
【0045】
得られた塗料を4ミルのドクターブレードでガラス板に塗布して150℃で20分間乾燥させた。実施例1と同様にして塗膜の420nmの波長での分光反射率Rを分光光度計(ミノルタ製 CM5000)を用いて測定し、クベルカムンクの式に基づき、K/Sを求めた。結果を表2に示す。
【0046】
(比較例2)
ジョンクリル611を10部、イオン交換水を20部、25%アンモニア水を0.6部、およびブチルセルソルブを2部混合して、ジョンクリル611を溶解した。この溶液にホスターパームエローH3Gを10部および沈降性硫酸バリウムSTを15部加え、さらにガラスビーズを加えて、バッチ式のSGミルで分散して、分散ペーストを得た。グラインドゲージによる顔料の粒度が5μm以下になるまで1時間の分散を要した。
【0047】
オーデリサイクルS510ホワイトに、上記分散ペーストを、実施例2とホスターパームエローH3Gの量が同じになるように加えて、着色塗料を作成した。実施例2と同様にして塗膜を得て、K/Sおよび光沢を求めた。結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
表2からわかるように、実施例2で得られた塗膜の方がK/Sが高く、優れた着色力および光沢を有していた。
【0050】
(実施例3)
FW−200P(デグサ社製カーボンブラック)10部、沈降性硫酸バリウムST 20部、およびジョンクリル611 30部を、ラピッドミル(MACCHINE MACINA SMALTO製遠心式ボールミル)に仕込み、15mmφアルミナボール150部とともに2時間摩砕し、粉末状の顔料組成物を得た。
【0051】
得られた粉末状の顔料組成物3部をNSCホワイト 100部に加え、ディスパーで30分間攪拌して、着色塗料を得た。グラインドゲージで塗料中の顔料粒子の大きさを確認したところ、10μm以下であった。
【0052】
得られた塗料を4ミルのドクターブレードでガラス板に塗布して150℃で20分間乾燥させた。得られた塗膜の分光反射率を分光光度計(ミノルタ製CM5000)を用いて測定し、L*,a*,b*表色系(JIS Z8789)における塗膜の明度L*を求めた。また20°鏡面光沢も測定した。結果を表3に示す。
【0053】
(比較例3)
ジョンクリル611 30部にキシレン40部を加えて、ジョンクリル611を溶解した。FW−200Pを10部および沈降性硫酸バリウムSTを20部加えて、ペイントシェーカーで分散し、分散ペーストを得た。グラインドゲージによる顔料の粒度が10μm以下になるまで3時間の分散を要した。
【0054】
NSCホワイトに、得られた分散ペーストを、実施例3とFW−200Pの量が同じになるように加えて、着色塗料を得た。次いで、実施例3と同様にして塗膜を得て、L*値および光沢を求めた。結果を表3に示す。
【0055】
(比較例4)
FW−200Pを10部およびジョンクリル611を30部、ラピッドミルに仕込み、15mmφアルミナボール150部とともに2時間摩砕した。得られた粉末2部を、NSCホワイト 100部に加えてディスパーで30分間攪拌し、着色塗料を作成した。グラインドゲージにより塗料中の顔料の粒度を確認したところ、15μmであった。
【0056】
実施例3と同様にして塗膜を得て、L*値および光沢を求めた。結果を表3に併せて示す。
【0057】
【表3】
【0058】
表3から明らかなように、実施例3で得られた塗膜の方がL*値が小さく、強い黒色度を有している。
【0059】
(実施例4)
着色顔料としてカーボンブラック、黄色酸化鉄、またはフタロシアニンブルーを用いて、以下の表4に記載の配合量で、着色顔料、体質顔料、および樹脂を配合し、ラピッドミルで2時間乾式摩砕して、粉末状の顔料組成物A〜Cを得た。
【0060】
【表4】
【0061】
ポリエステルメラミン樹脂塗料であるオルガセレクト120ホワイト(日本ペイント(株)製:酸化チタンを21重量%含有)に、上記粉末状の顔料組成物A〜Cを、顔料重量で、酸化チタン/カーボンブラック/黄色酸化鉄/フタロシアニンブルー=95/0.5/2.5/2となるように配合し、ディスパーで20分間攪拌した。グラインドゲージによる粒度は10μm以下であった。
【0062】
得られた塗料の粘度を、ストーマー粘度計で70KU/25℃になるように、キシレンで調整した。こうして得られた塗料の一部を、40℃で10日間保管した。
【0063】
製造初期の塗料および40℃で10日間貯蔵後の塗料を、以下のようにして塗装し、塗膜を得た。まず、フォードカップで20秒/20℃になるように、キシレンで粘度を調整した後、ブリキ板にスプレー塗装した。室温で10分間静置後、130℃で15分間焼き付け乾燥して、塗膜を得た。初期塗料に対する貯蔵後の塗料の色差を、色彩色差計CR−130(ミノルタ(株)製)で測定した。結果を表7に示す。
【0064】
(比較例5)
ジョンクリル611にキシレンを加えて溶解し、固形分40%の溶液を作成した。以下の表5に記載の配合量で着色顔料および樹脂を配合し、ガラスビーズを加え、ペイントシェーカーで分散して、液状の顔料組成物D〜Fを作成した。2時間の分散時間で、グラインドゲージによる粒度が10μm以下になった。
【0065】
【表5】
【0066】
上記実施例4の粉末状の顔料組成物A〜Cの代わりに、上記液状の顔料組成物D〜Fを用いたこと以外は、実施例4と同様に塗料を作成した。得られた着色塗料について、実施例4と同様に塗装して塗膜を得、貯蔵前後の色差を測定した。結果を表7に併せて示す。
【0067】
(比較例6)
着色顔料としてカーボンブラック、黄色酸化鉄、またはフタロシアニンブルーを用いて、以下の表6に記載の配合量で、着色顔料および樹脂を配合し、ラピッドミルで2時間乾式摩砕して、粉末状の顔料組成物G〜Iを得た(体質顔料を含まないこと以外は顔料組成物A〜Cと同様)。
【0068】
【表6】
【0069】
上記実施例4の粉末状の顔料組成物A〜Cのの代わりに、上記粉末状の顔料組成物G〜Iを用いたこと以外は、実施例4と同様に塗料を作成した。得られた着色塗料について、実施例4と同様に塗装して塗膜を得、貯蔵前後の色差を測定した。結果を表7に併せて示す。
【0070】
【表7】
【0071】
表7からわかるように、液状の顔料組成物D〜Fを用いた塗膜(比較例5)および体質顔料を加えずに摩砕して得られた顔料組成物G〜Iを用いた塗膜(比較例6)と比較して、本発明の顔料組成物A〜Cを用いて得られた塗膜(実施例4)の方が、貯蔵前後の色差が小さく、経時の色安定性が優れている。
【0072】
【発明の効果】
本発明の顔料組成物は、着色顔料と体質顔料と樹脂とを所定の割合で乾式摩砕するので着色顔料が微細に摩砕されており、この微細に摩砕された着色顔料が、体質顔料とともに、さらに樹脂でコーティングされている。このような樹脂でコーティングされた着色顔料は、2次凝集を起こしにくくなるか、あるいは起こしてもきわめて緩やかな凝集構造となる。そのため、塗料、樹脂、または溶剤に、本発明の顔料組成物を混合して、ディスパーで攪拌するだけで、またはきわめて短時間のSG分散で、該顔料組成物は容易に溶解および分散して、着色塗料、インキなどを簡便に製造することができる。また、従来の顔料、樹脂、および溶剤からなる顔料分散組成物とは異なり、溶剤分を含んでいないため、溶剤系塗料、水性塗料、粉体塗料などの広範囲の塗料の着色および製造に有用である。さらに、粉末または顆粒状の形態を有するため、従来の液状の顔料分散組成物が沈降、増粘、凝集などの経時に関わる顔料の保存安定性に問題を有するのに対し、それらの問題がない。このように、本発明の方法によって得られる顔料組成物は、易分散性であり、広範な塗料に適用され、かつ、着色力、彩度、光沢、色の経時安定性などに優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】体質顔料および樹脂と共に乾式で摩砕した着色顔料の粒子の透過型電子顕微鏡写真である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料組成物に関する。より詳細には、着色力や彩度、色安定性などに優れた易分散性の顔料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
着色力と色の安定性に優れた顔料組成物を得るために、種々の検討がなされている。例えば、特開平5−43704号公報には、有機顔料、水不溶性の常温固体の合成樹脂、水溶性無機塩、および水溶性溶剤を混練した後、無機塩と溶剤とを水洗除去し、乾燥して得られた混合物を溶媒に分散した着色組成物が記載されている。しかし、この方法で得られる着色組成物は、水を使用して脱塩脱溶剤を行うため、乾燥工程で顔料の二次凝集が起こり、顔料の分散性が悪いという問題がある。
【0003】
特開平9−188845号公報には、粗フタロシアニンを樹脂および/または有機液体の共存下で摩砕し、さらに押出し機でビヒクルと混練するインキ濃縮物の製造方法が記載されている。また、特開平10−17810号公報は、アゾ顔料と印刷インキ用樹脂とを乾式粉砕して、インキ用組成物を得る方法を記載している。しかし、これらの方法では、顔料粒子が、十分に小さくなることはなく、インクのみに使用され、着色力に優れた顔料組成物を提供することができず、色の安定性も十分ではない。
【0004】
また、特開平9−217019号公報には、顔料、水溶性樹脂、および水からなる分散体において、pHコントロールで顔料表面に水溶性樹脂を析出させて、顔料と樹脂との複合物を形成させることが記載されている。しかし、この方法では樹脂析出時に顔料もその安定性を失い顔料凝集を起こすため、得られる顔料組成物の着色力などは十分なものでなく、水性での使用に限定されるという問題がある。
【0005】
特開平11−228857号公報には、顔料、界面活性剤、およびアルカリ可溶性の固体樹脂を乾式粉砕して得られる顔料組成物が開示されている。特開平2000−290578号公報および特開平2000−351912号公報には、顔料と水溶性樹脂を乾式粉砕し、得られた粉砕物に界面活性剤を加えて分散する顔料組成物が開示されている。また、特開平2001−81390号公報には、顔料と樹脂とを混練してチップとした後、これを水性媒体に分散して得られる、水性顔料分散体が記載されている。しかし、これらの顔料組成物も、顔料粒子が十分に小さくならず、着色力および色の安定性が不十分であり、水性での使用に限定されるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、着色力および色の経時安定性に優れた、易分散性の顔料組成物およびその製法が求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、着色顔料、体質顔料、および樹脂からなる顔料組成物を提供し、該組成物は、該着色顔料と該体質顔料とを重量比で5:95〜95:5の割合で含み、そして該着色顔料および該体質顔料の合計量と該樹脂とを重量比で90:10〜10:90の割合で含む混合物を乾式摩砕して得られる。
【0008】
好ましい実施態様では、上記樹脂は、有機溶剤、水、またはアルカリ水に可溶な高分子化合物である。
【0009】
好ましい実施態様では、上記樹脂は、常温で固体である。
【0010】
好ましい実施態様では、上記体質顔料は、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、またはクレーである。
【0011】
別の好ましい実施態様では、上記着色顔料の1次粒子径は300nm以下である。
【0012】
本発明はまた、着色顔料、体質顔料、および樹脂を、該着色顔料と該体質顔料とを重量比で5:95〜95:5の割合で、ならびに該着色顔料および該体質顔料の合計量と該樹脂とを重量比で90:10〜10:90の割合で混合し、乾式摩砕する工程を含み、該着色顔料の1次粒子径が300nm以下となるように摩砕される、顔料組成物の製造方法を提供する。
【0013】
本発明はさらに、上記のいずれかの顔料組成物を含有する、塗料組成物を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の顔料組成物は、着色顔料、体質顔料、および樹脂からなり、該着色顔料と該体質顔料とを重量比で5:95〜95:5の割合で含み、そして該着色顔料および該体質顔料の合計量と該樹脂とを重量比で90:10〜10:90の割合で含む混合物を乾式摩砕して得られる。
【0015】
着色顔料とは、所望の色彩を与えるための顔料をいい、有機顔料および無機の顔料が挙げられる。
【0016】
有機顔料としては、特に制限はなく、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、アンスラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、イソインドリノン系顔料、インダントロン系顔料、フタロシアニン系顔料、フラバンスロン系顔料、ジオキサジン系顔料、ベンジジン系顔料などが例示されるが、これらに限定されない。
【0017】
無機顔料としては、特に制限はなく、金属の酸化物、硫化物あるいは硫酸塩が挙げられる。例えば、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、黄色酸化鉄、黄鉛、紺青、カーボンブラック、グラファイトなどが例示されるが、これらに限定されない。
【0018】
体質顔料とは、白色でほとんど隠蔽力のない顔料をいい、着色を目的としない顔料をいう。例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム(特に、沈降性硫酸バリウム)、カオリン、アルミナ、シリカ、タルク、マイカ、リン酸亜鉛、クレーなどが例示されるが、これらに限定されない。好ましくは、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、およびクレーである。なかでも、硫酸バリウム、特に、沈降性硫酸バリウムが好ましく用いられる。
【0019】
本発明の顔料組成物に用いられる樹脂は、塗料に通常用いられる樹脂であれば、特に制限されないが、好ましくは、有機溶剤、水、またはアルカリ水、あるいはこれらの混合物に可溶な高分子化合物である。また、樹脂は、常温で固体であることが好ましく、そして、その数平均分子量は、約1000〜100000であることが好ましい。顔料への吸着の点から、カルボキシル基などの酸基、アミノ基、またはケトン基などの官能基を有する樹脂が好ましい。これは、顔料とのヌレが向上するからである。本発明の顔料組成物に用いられる樹脂としては、例えば、ラロパールA81(BASF社)、Synthetic Resin TC(DEGUSSA)などのケトン/アルデヒド樹脂;ジョンクリル67、678、586、587、611、680、682、683、690、HPD671(ジョンソンポリマー社)、Acryloid B−66、Acryloid DM−55(Rohm&Haas)などのアクリル樹脂;ファインディックA−239−J(大日本インキ)、DemosphenR−12A(BAYER)などのポリエステル樹脂;マルキードNo.1(荒川化学工業)などのマレイン酸樹脂;アラスター700(荒川化学工業)などのスチレン・マレイン酸樹脂;ロジンエステル;ポリエチレンワックス;ポリビニルアルコール;ブチラール樹脂;セルロースアセテートブチレート;エチルセルロース;塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
これらの樹脂の他に、必要に応じて、顔料分散剤や界面活性剤を加えてもよい。顔料分散剤としては、塗料・インク業界で通常用いられるソルスパーズ24000(ゼネカ社)、THIXCIN R、THIXATROL ST、THIXATROLPLUS、DISPER AYD 9100(ELEMENTIS社)などが挙げられる。
【0021】
本発明の顔料組成物中における着色顔料と体質顔料との重量比は、5:95〜95:5の割合である。この範囲にあることが、着色力、色安定性などの点から、好ましい。比重の小さい有機顔料、カーボンブラックなどの着色顔料を用いる場合、着色顔料と体質顔料との重量比は、10:90〜80:20の割合がより好ましく、20:80〜50:50の割合がさらに好ましい。比重の大きい無機顔料を用いる場合、着色顔料と体質顔料との重量比は、50:50〜90:10の割合が好ましい。なお、詳細なメカニズムは不明であるが、体質顔料の存在により、乾式摩砕工程で着色顔料が摩砕され微粒子とされる。さらに、微粒子に摩砕された着色顔料を塗料の着色に使用した場合に、塗料の色の経時安定性などが向上する。しかし、必要とされる量以上の体質顔料を添加してもそれ以上の効果はない。
【0022】
本発明の顔料組成物中における着色顔料および体質顔料の合計量と樹脂との重量比は、90:10〜10:90の割合である。80:20〜40:60の割合が好ましく、70:30〜55:45の割合がさらに好ましい。樹脂の量が少ないと、顔料の分散性が低下する。樹脂の量が多いと、各種塗料の着色に使用する場合に、樹脂の混入量が多くなり、汎用性が低下して不利となる。
【0023】
上記の各原料は、乾式で混合摩砕されるため、常温で実質的に固体であることが好ましい。粉末状、フレーク状、または顆粒状であることがさらに好ましい。
【0024】
本発明において、「摩砕」とは、粉砕または破砕によって粒子を細かくするだけでなく、粉砕または破砕の際に加えられる摩擦力や剪断力によって、細かくなった粒子が樹脂成分と複合化されることも意味する。剪断力は、「粉体混合技術」45頁(社)日本粉体工業技術協会編 日刊工業新聞社(2001)に記載される混合・分離到達度ηが、粉体に混合処理を加えて10分以内に0.9以上に到達するように与えられることが好ましい。
【0025】
上記樹脂は、実質的に乾式摩砕されるのであれば、ワックス状、液状のものなども使用してもよい。例えば、乾式摩砕時にワックス状または液状の樹脂を滴下するなどの方法で徐々に添加してもよい。
【0026】
本発明において、着色顔料、体質顔料、および樹脂は、上記所定の重量比にて、乾式で混合摩砕される。これらは、予め混合してから乾式摩砕してもよく、あるいは着色顔料と体質顔料とを乾式摩砕しながら樹脂を添加してもよく、または着色顔料と体質顔料とを乾式摩砕した後に樹脂を添加してさらに粉砕してもよい。乾式摩砕の方法は、粉体に圧縮・衝撃・摩擦・剪断などの力を加えることのできる方法であれば、特に制限がない。乾式摩砕に使用される機械としては、一般的には、ハンマーミル、ピンミル、ディスクミルなどの高速回転式衝撃粉砕機、ローラーミル、ボールミル、遊星ミル(ハイスイング・ボールミルなど)、アトライター、ジェットミル、らいかい機、自動乳鉢、振動ミル、エッジライナー、オングミル、CFミル、クリプトロンなどが挙げられるが、これらに制限されない。
【0027】
なお、乾式摩砕工程において、摩砕の促進や摩砕装置への粉体の付着などを防止する目的で、必要により少量(乾式摩砕される材料に対して0.5〜2%)の摩砕のための粉砕助剤を加えることができる。このような粉砕助剤としては、乾式粉砕の分野で通常用いる粉砕助剤が使用できる。例えば、水、メタノール、エタノール、トリエタノールアミン、グリコール、セチルアルコールのヘキサン溶液、界面活性剤、ドデシルアンモニウムクロリド水溶液、メチルシリコン油、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、コロイド状シリカなどが挙げられる。
【0028】
乾式摩砕の時間については、特に制限はない。乾式摩砕の温度は、樹脂の軟化点より高くなると、摩砕中にブロッキングを生じる危険性があるため、樹脂の軟化点以下で行うことが好ましい。乾式摩砕は、目視により、着色顔料の色の変化がなくなった段階で終了してもよいし、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、着色顔料が目的の粒径に達したときに、摩砕を終了させてもよい。
【0029】
乾式摩砕が終了すると顔料組成物が得られる。得られる組成物は、取り扱い上、粉末または顆粒状であることが好ましい。
【0030】
上記顔料組成物中の着色顔料の1次粒子径は、好ましくは300nm以下である。着色顔料の平均粒子径が300nmを超えると、高着色力の実現がしにくくなる傾向にあるが、300nm以下では、分散性が良く、高着色力が実現される。より好ましくは、200nm以下であり、さらに好ましくは、100nm以下である。
【0031】
上記顔料組成物は、共存する樹脂成分と顔料との摩砕により、顔料表面に樹脂がこすりつけられてコーティングされている。このように、本発明の顔料組成物は樹脂で被覆されているため、2次凝集が少なくきわめて易分散性である。そのため、塗料、樹脂、または溶剤に粉末を入れてディスパーで攪拌するだけで、溶解および分散して着色塗料、インキなどを簡便に製造することができる。
【0032】
本発明の顔料組成物は、溶剤分を含んでいないため、そのまま、顔料分散ペースト、あるいは、水性塗料、溶剤系塗料、粉体塗料などの塗料全般の調製に用いられる、汎用性の高い組成物である。例えば、本発明の顔料組成物に、溶剤および顔料分散樹脂を混合し、適切な分散機(例えば、ディスパー、SGミル(サンドグラインドミル)など)を用いて顔料分散を行い、得られた顔料分散ペーストに、さらに表面調整剤、硬化剤など、通常、塗料に添加する材料を加えて、塗料が調製される。また、本発明の顔料組成物と粉体塗料用樹脂、硬化剤、その他の添加剤などとを混合して溶融混練した後、粉砕して、粉体塗料とすることができる。さらに、塗料用途以外にも、プラスチック、あるいはインキなどの着色にも当然用いることができる。
【0033】
なお、本発明の顔料組成物を用いて顔料分散ペーストあるいは塗料を調製するための、溶剤、バインダー樹脂、表面調整剤、硬化剤などは、通常、当業者が用いる材料が、必要に応じて用いられる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明が、これらの実施例に制限されないことはいうまでもない。なお、実施例において、「部」は、特に断りがない限り、「重量部」を表す。
【0035】
(実施例1)
ホスタパームエローH−3G(ヘキスト社製黄色有機顔料)10部、沈降性硫酸バリウムST(バライト工業製)15部、およびジョンクリル611(ジョンソン社製アクリル樹脂)10部を、ラピッドミル(MACCHINE MACINA SMALTO製遠心式ボールミル)に仕込み、15mmφアルミナボール90部とともに2時間摩砕し、顔料組成物を得た。
【0036】
得られた粉末状の顔料組成物のTEM写真(倍率5万倍)を図1に示す。着色顔料が微細に粉砕されるとともに、着色顔料表面に樹脂層が形成されていることが観察される。
【0037】
得られた粉末状の顔料組成物5部をNSCホワイト(日本ペイント製ポリエステルメラミン樹脂塗料)100部に加え、ディスパーで30分間攪拌して、着色塗料を得た。グラインドゲージで塗料中の着色顔料粒子の大きさを確認したところ、5μm以下であった。
【0038】
得られた塗料を4ミルのドクターブレードでガラス板に塗布して150℃で20分間乾燥させた。得られた塗膜の420nmの波長での分光反射率Rを分光光度計(ミノルタ製 CM5000)を用いて測定し、以下のクベルカムンクの式に基づき、塗膜の着色力を表すK/Sを求めた。
K/S=(1−R)2/2R
【0039】
また、塗膜の20°鏡面光沢を光沢計:マイクロトリグロス(BYKガードナー社製)で測定した。結果を表1に示す。
【0040】
(比較例1)
ジョンクリル611を10部および溶剤としてキシレンを20部加えて混合し、ジョンクリル611を溶解させた。この溶液にさらにホスターパームエローH3Gを10部および沈降性硫酸バリウムSTを15部加えて、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで分散して、分散ペーストを得た。グラインドゲージによる顔料の粒度が5μm以下になるまで2時間の分散を要した。
【0041】
NSCホワイト 100部に、上記分散ペーストを、実施例1とホスターパームエローH3Gの量が同じになるように加えて、着色塗料を作成した。実施例1と同様にして塗膜を得て、K/Sおよび20°鏡面光沢を求めた。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1からわかるように、実施例1で得られた塗膜の方がK/Sが高く、優れた着色力および光沢を有していた。
【0044】
(実施例2)
実施例1で得られた粉末状の顔料組成物5部を、オーデリサイクルS510ホワイト(日本ペイント製水性樹脂塗料)80部に加えた。さらに2.5%アンモニア水1.5部、ブチルセルソルブと水との1:1混合溶液1部を加え、ディスパーで30分間攪拌して、着色塗料を得た。グラインドゲージで塗料中の着色顔料粒子の大きさを確認したところ、5μm以下であった。
【0045】
得られた塗料を4ミルのドクターブレードでガラス板に塗布して150℃で20分間乾燥させた。実施例1と同様にして塗膜の420nmの波長での分光反射率Rを分光光度計(ミノルタ製 CM5000)を用いて測定し、クベルカムンクの式に基づき、K/Sを求めた。結果を表2に示す。
【0046】
(比較例2)
ジョンクリル611を10部、イオン交換水を20部、25%アンモニア水を0.6部、およびブチルセルソルブを2部混合して、ジョンクリル611を溶解した。この溶液にホスターパームエローH3Gを10部および沈降性硫酸バリウムSTを15部加え、さらにガラスビーズを加えて、バッチ式のSGミルで分散して、分散ペーストを得た。グラインドゲージによる顔料の粒度が5μm以下になるまで1時間の分散を要した。
【0047】
オーデリサイクルS510ホワイトに、上記分散ペーストを、実施例2とホスターパームエローH3Gの量が同じになるように加えて、着色塗料を作成した。実施例2と同様にして塗膜を得て、K/Sおよび光沢を求めた。結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
表2からわかるように、実施例2で得られた塗膜の方がK/Sが高く、優れた着色力および光沢を有していた。
【0050】
(実施例3)
FW−200P(デグサ社製カーボンブラック)10部、沈降性硫酸バリウムST 20部、およびジョンクリル611 30部を、ラピッドミル(MACCHINE MACINA SMALTO製遠心式ボールミル)に仕込み、15mmφアルミナボール150部とともに2時間摩砕し、粉末状の顔料組成物を得た。
【0051】
得られた粉末状の顔料組成物3部をNSCホワイト 100部に加え、ディスパーで30分間攪拌して、着色塗料を得た。グラインドゲージで塗料中の顔料粒子の大きさを確認したところ、10μm以下であった。
【0052】
得られた塗料を4ミルのドクターブレードでガラス板に塗布して150℃で20分間乾燥させた。得られた塗膜の分光反射率を分光光度計(ミノルタ製CM5000)を用いて測定し、L*,a*,b*表色系(JIS Z8789)における塗膜の明度L*を求めた。また20°鏡面光沢も測定した。結果を表3に示す。
【0053】
(比較例3)
ジョンクリル611 30部にキシレン40部を加えて、ジョンクリル611を溶解した。FW−200Pを10部および沈降性硫酸バリウムSTを20部加えて、ペイントシェーカーで分散し、分散ペーストを得た。グラインドゲージによる顔料の粒度が10μm以下になるまで3時間の分散を要した。
【0054】
NSCホワイトに、得られた分散ペーストを、実施例3とFW−200Pの量が同じになるように加えて、着色塗料を得た。次いで、実施例3と同様にして塗膜を得て、L*値および光沢を求めた。結果を表3に示す。
【0055】
(比較例4)
FW−200Pを10部およびジョンクリル611を30部、ラピッドミルに仕込み、15mmφアルミナボール150部とともに2時間摩砕した。得られた粉末2部を、NSCホワイト 100部に加えてディスパーで30分間攪拌し、着色塗料を作成した。グラインドゲージにより塗料中の顔料の粒度を確認したところ、15μmであった。
【0056】
実施例3と同様にして塗膜を得て、L*値および光沢を求めた。結果を表3に併せて示す。
【0057】
【表3】
【0058】
表3から明らかなように、実施例3で得られた塗膜の方がL*値が小さく、強い黒色度を有している。
【0059】
(実施例4)
着色顔料としてカーボンブラック、黄色酸化鉄、またはフタロシアニンブルーを用いて、以下の表4に記載の配合量で、着色顔料、体質顔料、および樹脂を配合し、ラピッドミルで2時間乾式摩砕して、粉末状の顔料組成物A〜Cを得た。
【0060】
【表4】
【0061】
ポリエステルメラミン樹脂塗料であるオルガセレクト120ホワイト(日本ペイント(株)製:酸化チタンを21重量%含有)に、上記粉末状の顔料組成物A〜Cを、顔料重量で、酸化チタン/カーボンブラック/黄色酸化鉄/フタロシアニンブルー=95/0.5/2.5/2となるように配合し、ディスパーで20分間攪拌した。グラインドゲージによる粒度は10μm以下であった。
【0062】
得られた塗料の粘度を、ストーマー粘度計で70KU/25℃になるように、キシレンで調整した。こうして得られた塗料の一部を、40℃で10日間保管した。
【0063】
製造初期の塗料および40℃で10日間貯蔵後の塗料を、以下のようにして塗装し、塗膜を得た。まず、フォードカップで20秒/20℃になるように、キシレンで粘度を調整した後、ブリキ板にスプレー塗装した。室温で10分間静置後、130℃で15分間焼き付け乾燥して、塗膜を得た。初期塗料に対する貯蔵後の塗料の色差を、色彩色差計CR−130(ミノルタ(株)製)で測定した。結果を表7に示す。
【0064】
(比較例5)
ジョンクリル611にキシレンを加えて溶解し、固形分40%の溶液を作成した。以下の表5に記載の配合量で着色顔料および樹脂を配合し、ガラスビーズを加え、ペイントシェーカーで分散して、液状の顔料組成物D〜Fを作成した。2時間の分散時間で、グラインドゲージによる粒度が10μm以下になった。
【0065】
【表5】
【0066】
上記実施例4の粉末状の顔料組成物A〜Cの代わりに、上記液状の顔料組成物D〜Fを用いたこと以外は、実施例4と同様に塗料を作成した。得られた着色塗料について、実施例4と同様に塗装して塗膜を得、貯蔵前後の色差を測定した。結果を表7に併せて示す。
【0067】
(比較例6)
着色顔料としてカーボンブラック、黄色酸化鉄、またはフタロシアニンブルーを用いて、以下の表6に記載の配合量で、着色顔料および樹脂を配合し、ラピッドミルで2時間乾式摩砕して、粉末状の顔料組成物G〜Iを得た(体質顔料を含まないこと以外は顔料組成物A〜Cと同様)。
【0068】
【表6】
【0069】
上記実施例4の粉末状の顔料組成物A〜Cのの代わりに、上記粉末状の顔料組成物G〜Iを用いたこと以外は、実施例4と同様に塗料を作成した。得られた着色塗料について、実施例4と同様に塗装して塗膜を得、貯蔵前後の色差を測定した。結果を表7に併せて示す。
【0070】
【表7】
【0071】
表7からわかるように、液状の顔料組成物D〜Fを用いた塗膜(比較例5)および体質顔料を加えずに摩砕して得られた顔料組成物G〜Iを用いた塗膜(比較例6)と比較して、本発明の顔料組成物A〜Cを用いて得られた塗膜(実施例4)の方が、貯蔵前後の色差が小さく、経時の色安定性が優れている。
【0072】
【発明の効果】
本発明の顔料組成物は、着色顔料と体質顔料と樹脂とを所定の割合で乾式摩砕するので着色顔料が微細に摩砕されており、この微細に摩砕された着色顔料が、体質顔料とともに、さらに樹脂でコーティングされている。このような樹脂でコーティングされた着色顔料は、2次凝集を起こしにくくなるか、あるいは起こしてもきわめて緩やかな凝集構造となる。そのため、塗料、樹脂、または溶剤に、本発明の顔料組成物を混合して、ディスパーで攪拌するだけで、またはきわめて短時間のSG分散で、該顔料組成物は容易に溶解および分散して、着色塗料、インキなどを簡便に製造することができる。また、従来の顔料、樹脂、および溶剤からなる顔料分散組成物とは異なり、溶剤分を含んでいないため、溶剤系塗料、水性塗料、粉体塗料などの広範囲の塗料の着色および製造に有用である。さらに、粉末または顆粒状の形態を有するため、従来の液状の顔料分散組成物が沈降、増粘、凝集などの経時に関わる顔料の保存安定性に問題を有するのに対し、それらの問題がない。このように、本発明の方法によって得られる顔料組成物は、易分散性であり、広範な塗料に適用され、かつ、着色力、彩度、光沢、色の経時安定性などに優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】体質顔料および樹脂と共に乾式で摩砕した着色顔料の粒子の透過型電子顕微鏡写真である。
Claims (7)
- 着色顔料、体質顔料、および樹脂からなる顔料組成物であって、該着色顔料と該体質顔料とを重量比で5:95〜95:5の割合で含み、そして該着色顔料および該体質顔料の合計量と該樹脂とを重量比で90:10〜10:90の割合で含む混合物を乾式摩砕して得られる、顔料組成物。
- 前記樹脂が、有機溶剤、水、またはアルカリ水に可溶な高分子化合物である、請求項1に記載の組成物。
- 前記樹脂が、常温で固体である、請求項1または2に記載の組成物。
- 前記体質顔料が、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、またはクレーである、請求項1から3のいずれかの項に記載の組成物。
- 前記着色顔料の1次粒子径が300nm以下である、請求項1から4のいずれかの項に記載の組成物。
- 着色顔料、体質顔料、および樹脂を、該着色顔料と該体質顔料とを重量比で5:95〜95:5の割合で、ならびに該着色顔料および該体質顔料の合計量と該樹脂とを重量比で90:10〜10:90の割合で混合し、乾式摩砕する工程を含み、該着色顔料の1次粒子径が300nm以下となるように摩砕される、顔料組成物の製造方法。
- 請求項1から5のいずれかの項に記載の顔料組成物を含有する、塗料組成物。
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